JP2013512968A6 - 静脈摘出および自家移植のための改善された方法および組成物 - Google Patents

静脈摘出および自家移植のための改善された方法および組成物 Download PDF

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Abstract

移植不全の主な原因は、平滑筋の増殖、遊走、表現型の変化、および細胞外マトリクス(ECM)沈着を伴うと考えられる損傷に対する応答を表す内膜過形成が後に発症することである。静脈を摘出するために典型的に使用される外科技術、すなわち静脈の伸展、低いpHの溶液中への静脈の投入、および毒性のサージカルスキンマーカーの使用が損傷を引き起こすことが、本明細書において示されている。ゆえに、本発明は、他の添加剤と共に、伸展により引き起こされる、機能的生存能の減少を防ぐことも可能な非毒性のサージカルマーカーを提供する。物理的応力を低減させる、またはそれから生じる影響から保護するための装置および組成物も同様に提供される。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、2010年12月8日に提出された米国特許仮出願第61/267,640号に対する優先権の恩典を主張する。
発明の分野
本発明は概して、自己静脈、静脈移植片、静脈保護、組織保護、内膜過形成、血管痙攣、薬剤、装置、および血管生物学の分野に関する。
政府の支援
本発明は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)の助成金番号2R01 HL070715の下で米国政府の支援を受けて行われた。米国政府は、本発明において一定の権利を保有する。
発明の背景
ヒト大伏在静脈(HSV)は、冠動脈および末梢動脈バイパス移植のために最も一般的に用いられる導管である。HSVは、典型的に、手術時の直接の露出または内視鏡による静脈摘出によって脚から摘出される。分枝を結紮して、静脈を取り出し、埋め込むまで「後方のテーブル」に置いておく。ほとんどの外科医は、室温のヘパリン加生理食塩水溶液にHSVを入れる。静脈の遠位末端にカニューレを挿入して、ヘパリン加生理食塩水によって手動で(シリンジによって)拡張させる。これによって、摘出の際に見逃されていた側面の分枝の同定および結紮が可能となる。この手動での拡張が、静脈に対する損傷を引き起こす。静脈はまた、埋め込み時の方向を最適にするためにサージカルスキンマーカーによってもマークされる。
世界中で1年間に行われている100万回を超える冠動脈バイパス技法の中で、冠静脈移植片の10〜15%が早期に血栓によって閉塞し;さらに10〜15%が翌1〜5年のあいだに内膜過形成により閉塞し;さらに30〜40%が、内膜過形成の上に進行性のアテローム性動脈硬化症が重なることにより、続く5〜7年のあいだに閉塞する。12年後に開口したままであるのは静脈移植片の半数に満たない(Motwani & Topol, 1998)。静脈移植片の閉塞は、心筋梗塞、脚の切断、および死亡に至る。
動脈バイパス移植不全の主な原因は内膜過形成である(Clowes & Reidy, 1991)。血管インターベンションにおける最近の多くの技術の進歩にもかかわらず、内膜過形成はなおも、費用がかかる、病的な、そして未解決の問題である。内膜過形成は、血管平滑筋の増殖、遊走、表現型の変化、および細胞外マトリクスの産生を含む一連の事象によって媒介される(Allaire & Clowes, 1997; Mosse et al., 1985)。このプロセスによって、血管内腔の病的な狭窄、移植片の狭窄、および最終的に移植不全が起こる(LoGerfo et al., 1983)。
内膜過形成の阻害能に関して試験されている多数の薬物が、臨床試験において失敗に終わっている。ワーファリン、クロピドグレル、およびアスピリンなどの抗血栓および抗血小板剤は、内膜過形成に対してほとんど、または全く効果を有しない(Kent & Liu, 2004)。薬物溶出ステントは、冠血管形成術後の再狭窄の予防において有効であることが示されている;しかし、自己導管に関して承認されている治療薬はない。平滑筋の増殖を防止するためにE2Fデコイ(転写因子に結合し、これらのタンパク質を隔離する、DNAの短い配列)を用いて冠血管および末梢血管静脈移植不全を防止するための2つの大規模臨床試験は、その第一義的エンドポイントに関して失敗した。これらの大規模臨床試験からのデータは、増殖応答を単に制限するだけでは、内膜過形成の防止にとって適切ではないことを示唆している(Mann et al, 1999; Alexander et al, 2005)。それゆえに、静脈移植不全を首尾よく防止するためには増殖以外の機構を標的とする必要がある。
摘出時の静脈移植片に対する損傷によって、血管痙攣および内膜過形成が起こり、これにより移植片は閉塞する。このように、摘出時の移植片に対する損傷およびその後の内膜過形成を防止するために、新しい外科的方法および治療薬を同定することは非常に有益であると考えられる。
したがって、本発明に従い、移植前に静脈外植片を処置する方法であって、以下の段階を含む方法が提供される:(a)静脈外植片を準備する段階;(b)P2X7受容体アンタゴニストを含むpH 7.0〜7.6の緩衝溶液中で静脈外植片を安定化させて、安定化された静脈外植片を産生する段階;および(c)安定化された静脈外植片の機能的生存能を保護する段階。この方法はさらに、段階(b)の前では生存可能でなかった静脈外植片の機能的生存能を回復させうる。平滑筋の機能的生存能は、本明細書において脱分極またはアゴニストに応答した収縮能として定義される。内皮の場合、生存能は、予め収縮した血管がアセチルコリンに応答して弛緩する能力として定義される。加えて、緩衝溶液はさらに、ヘパリンを含みうる。P2X7受容体アンタゴニストは、エリオグラウシン/青色色素#1またはブリリアントブルーG、またはこれらの組み合わせでありうる。なおさらに、緩衝溶液は、リン酸緩衝生理食塩水、MOPS、ヘペス、ピペス、酢酸塩、またはプラズマライト(Plasmalyte)を含みうる。pHは7.35〜7.45、または7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、もしくは7.6でありうる。
加えて、緩衝溶液は、硫酸マグネシウムまたはハンクス平衡塩類溶液をさらに含みうる。
加えて、緩衝溶液は、抗収縮剤、抗酸化剤、オリゴ糖、コロイド剤、抗炎症剤、内皮機能保護剤、代謝調節剤、ハイドロゲル、熱ショックタンパク質27(HSP27)の阻害剤、HSP20の調節剤、および/またはMAPKAPキナーゼ2の阻害剤の1つまたは複数をさらに含みうる。
さらに、抗収縮剤は、ホスホジエステラーゼ阻害剤(たとえば、パパベリン、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ウデナフィル、アバナフィルシリスチゾル、ペントキシフィリン、ジピリダモール、またはその組み合わせ)、カルシウムチャンネル遮断薬(たとえば、アムロジピン、アラニジピン、アゼルニジピン、バルニジピン、シルニジピン、クレビジピン、エホニジピン、フェロジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マンジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ネトレンジピン、プランジピン、またはその組み合わせ)、酸化窒素ドナー(たとえば、ニトロプルシッドナトリウム、ニトログリセリン、またはその組み合わせ)、または環状ヌクレオチドアナログ(ジブチリルcAMP、ジブチリルcGMP、またはその組み合わせ)、またはその組み合わせの少なくとも1つでありうる。
さらに、抗酸化剤は、たとえばN-アセチルシステイン、アロプリノール、グルタチオン、マンニトール、アスコルビン酸、トコフェロール、トコトリエノール、もしくは緑茶フェノール、またはその組み合わせでありうる。
さらに、オリゴ糖は、たとえばラクトビオン酸、ラフィノース、もしくはトレハロース、またはその組み合わせでありうる。
さらに、コロイド剤は、たとえばヒドロキシエチルデンプン、デキストラン、血液、もしくはアルブミン、またはその組み合わせでありうる。
さらに、抗炎症剤は、たとえばコルチコステロイド(たとえば、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、またはその組み合わせ)、または非ステロイド性抗炎症剤(たとえば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、サリチル酸、またはその組み合わせ)、MAPKAPキナーゼ2阻害剤、抗TNF-α、抗IL-1β、Cox-2阻害剤、またはその組み合わせでありうる。
加えて、内皮機能保護剤は、たとえばアンジオテンシン変換酵素阻害剤(たとえば、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、モノプリル、またはその組み合わせ)、アンジオテンシン受容体阻害剤(たとえば、ロサルタン)、スタチン(たとえば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはその組み合わせ)、メトホルミン、アミノイミダゾールカルボキサミドリボヌクレオチド(AICAR)、またはエストロゲン(たとえば、エストリオール、エストラジオール、エストロン、17β-エストラジオール、またはその組み合わせ)でありうる。
加えて、代謝調節剤は、たとえばグルコース、アデノシン、アミリン、カルシトニン関連遺伝子ペプチド、インスリン、またはその組み合わせでありうる。
加えて、ハイドロゲルは、たとえばアルギネート、デキストラン、キトサン、およびグリコサミノグリカンなどの天然の多糖類、またはポリエチレングリコール、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリヒドロキシブテレート、もしくはポリ(n-イソプロピルアクリルアミド)などの親水性ポリマーから構成されうる。
さらに、HSP27の阻害剤は、たとえばHSP27発現を阻害するsiRNAもしくはmiRNA、HSP20発現を増強する抗miRNA、またはその組み合わせでありうる。
さらに、MAPKAPキナーゼ2の阻害剤は、たとえばペプチド阻害剤でありうる。
外植片は、エリオグラウシン/青色色素#1、インジゴチン、アルラレッドAC、またはブリリアントブルーGなどの、しかしこれらに限定されない非アルコールベースのマーカーによってマークされうる。
方法はさらに、内部フラッシング圧が200 mm Hgを超えないように、または150 mm Hgを超えないように静脈外植片の管腔を洗い流す段階を含みうる。
別の態様において、(a)P2X7受容体アンタゴニストを含む組織マーキングペン;および(b)そのようなマーキングペンを作製するための生理的緩衝溶液または試薬、を含む静脈移植キットが提供される。加えて、キットはさらに、静脈外植片を浸すために適した容器を含みうる。加えて、キットはさらに、ヘパリン、抗収縮剤、抗酸化剤、オリゴ糖、コロイド剤、抗炎症剤、内皮機能保護剤、代謝調節剤、ハイドロゲル、熱ショックタンパク質の阻害剤、硫酸マグネシウム、および/またはMAPKAPキナーゼ2の阻害剤の1つまたは複数を含みうる。
緩衝溶液は、たとえばリン酸緩衝生理食塩水、MOPS、ヘペス、ピペス、酢酸塩、またはプラズマライトを含みうる。緩衝溶液は、pH 7.0〜7.6または7.35〜7.45でありうる。P2X7受容体アンタゴニストは、たとえばエリオグラウシン/青色色素#1、アルラレッドAC、ブリリアントブルーG、またはその任意の組み合わせを含みうる。
キットはさらに、静脈外植片の管腔を洗い流すための装置であって、静脈外植片内部の200 mm Hgより大きい、または150 mm Hgより大きいフラッシング圧を防止するように設計されている装置を含みうる。装置は、シリンジおよび/またはカテーテル、およびポップオフバルブを含みうる。加えて、シリンジまたはカテーテルは、静脈外植片の近位末端に導入するための、管腔を含む弾丸状の先端を含みうる。加えて、キットは、静脈外植片を保持するように設計されたクランプをさらに含みうる。
静脈外植片の管腔を洗い流すための装置も同様に提供され;装置は、静脈外植片内部の200 mm Hgより大きいまたは150 mm Hgより大きいフラッシング圧を防止するように設計されている。装置は、シリンジおよび/またはカテーテル、およびポップオフバルブを含みうる。シリンジまたはカテーテルは、静脈外植片の遠位末端に導入するための、管腔を含む弾丸状の先端を含みうる。さらに、装置は、静脈外植片の近位末端に導入するための、管腔の無い弾丸状のプラグを含みうる。加えて、装置は、静脈外植片を保持するように設計されたクランプをさらに含みうる。
さらになお別の態様は、ヘパリンおよびP2X7受容体アンタゴニストをさらに含む、pH 7.0〜7.6の緩衝溶液を含む。P2X7受容体アンタゴニストは、たとえばエリオグラウシン/青色色素#1、もしくはブリリアントブルーG、またはその組み合わせでありうる。加えて緩衝溶液は、エリオグラウシン/青色色素#1、ブリリアントブルーGの1つまたは複数、またはその双方と共にヘパリンをさらに含みうる。さらに、緩衝溶液は、リン酸緩衝生理食塩水、MOPS、ヘペス、ピペス、酢酸塩、またはプラズマライトを含みうる。さらに、pHは7.35〜7.45、または7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、もしくは7.6でありうる。
加えて、緩衝溶液は、硫酸マグネシウムまたはハンクス平衡塩類溶液をさらに含みうる。
加えて、緩衝溶液は、抗収縮剤、抗酸化剤、オリゴ糖、コロイド剤、抗炎症剤、内皮機能保護剤、代謝調節剤、ハイドロゲル、熱ショックタンパク質27(HSP27)の阻害剤、HSP20の調節剤、MAPKAPキナーゼ2の阻害剤、および/またはその組み合わせの1つまたは複数をさらに含みうる。
さらに、抗収縮剤は、ホスホジエステラーゼ阻害剤(たとえば、パパベリン、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ウデナフィル、アバナフィル、シリスチゾル、ペントキシフィリン、ジピリダモール、またはその組み合わせ)、カルシウムチャンネル遮断薬(たとえば、アムロジピン、アラニジピン、アゼルニジピン、バルニジピン、シルニジピン、クレビジピン、エホニジピン、フェロジピン、ラシジピン、レルカニジピン、マンジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、ネトレンジピン、プランジピン)、酸化窒素ドナー(ニトロプルシッドナトリウム、ニトログリセリン、またはその組み合わせ)、または環状ヌクレオチドアナログ(たとえば、ジブチリルcAMP、ジブチリルcGMP、またはその組み合わせ)でありうる。
さらに、抗酸化剤は、たとえばN-アセチルシステイン、アロプリノール、グルタチオン、マンニトール、アスコルビン酸、トコフェロール、トコトリエノール、もしくは緑茶フェノール、またはその組み合わせでありうる。
オリゴ糖は、たとえばラクトビオン酸、ラフィノース、トレハロース、またはその組み合わせでありうる。
コロイド剤は、たとえばヒドロキシエチルデンプン、デキストラン、血液、もしくはアルブミン、またはその組み合わせでありうる。
抗炎症剤は、たとえばコルチコステロイド(たとえば、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、またはその組み合わせ)、非ステロイド性抗炎症剤(たとえば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、サリチル酸、またはその組み合わせ)、MAPKAPキナーゼ2阻害剤、抗TNF-α、抗IL-1β、Cox-2阻害剤、またはその組み合わせでありうる。
さらに、内皮機能保護剤は、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(たとえば、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、モノプリル、またはその組み合わせ)、アンジオテンシン受容体阻害剤(たとえば、ロサルタン)、スタチン(たとえば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、またはその組み合わせ)、メトホルミン、エストロゲン(たとえば、エストリオール、エストラジオール、エストロン、17β-エストラジオール、またはその組み合わせ)、またはその組み合わせでありうる。
さらに、代謝調節剤は、たとえばグルコース、アデノシン、アミリン、カルシトニン関連遺伝子ペプチド、インスリン、またはその組み合わせでありうる。
加えて、ハイドロゲルは、アルギネート、デキストラン、キトサン、およびグリコサミノグリカンなどの天然の多糖類、またはポリエチレングリコール、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリヒドロキシブテレート、もしくはポリ(n-イソプロピルアクリルアミド)などの親水性ポリマーから構成されうる。
さらに、HSP27の阻害剤は、たとえばHSP27の発現を阻害するsiRNAもしくはmiRNA、HSP20の発現を増強する抗miRNA、またはその組み合わせでありうる。
MAPKAPキナーゼ2の阻害剤は、たとえばペプチド阻害剤でありうる。
このように、本発明の組成物は、無菌的な医療装置および表面滅菌および除染を提供することによって、ヘルスケアでの使用を含む幅広い用途を有する。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある特定の局面をさらに説明するために含められる。本発明は、本明細書において提示した特異的態様の詳細な説明と共にこれらの図面の1つまたは複数を参照することによってより深く理解されうる。
ヒト伏在静脈における多様な平滑筋機能的生存能を示す。 図2A〜Bは、現行の外科摘出技術によって平滑筋の機能的生存能の減少が起こることを示す。 現行の外科摘出技術によって、内皮の機能的生存能の低下が起こることを証明する。 図4A〜Bは、現行の外科摘出技術によって、ヒト伏在静脈の内皮非依存的弛緩が低減することを示す。 青色のマーキングを有するヒト伏在静脈移植片が、低下した平滑筋機能的生存能を示したことを証明する。 サージカルスキンマーキングが、ヒト伏在静脈の平滑筋生存能を低下させたことを証明する。 サージカルスキンマーキングペンが、ブタ伏在静脈の生存能を低下させることを示す。 ヒト伏在静脈において機能的応答(KClに対する収縮応答)が細胞生存能と相関することを示す。 図9A〜Bは、エリオグラウシンがブタ伏在静脈における伸展損傷後の機能的生存能を回復することを証明する。 アルラレッドが、ブタ伏在静脈における伸展誘発損傷を回復しなかったことを示す。 エリオグラウシンが、ヒト伏在静脈の平滑筋生存能を回復することを証明する。 図12A〜Cは、エリオグラウシンが伏在静脈のBzATP誘発収縮を遮断することを示す。 エリオグラウシンが、臓器培養モデルにおいてヒト伏在静脈の内膜の厚さを低下させることを証明する。 エリオグラウシンが、拡張したブタ伏在静脈の内膜層の肥厚を低減させることを示す。 外科的準備時の処理がヒト伏在静脈の内皮依存的弛緩を損なうことを証明する。 圧力開放(ポップオフ)バルブが手動での拡張時にヒト伏在静脈の圧力を制限することを示す。 圧力開放バルブの存在下での手動での拡張が、ブタ伏在静脈における内皮機能の喪失を防止することを示す。 図18A〜Bは、ブタ冠動脈において、パパベリンとのプレインキュベーションが、ヒスタミンおよびKClによって誘発される収縮を阻害することを示す。 図19A〜Bは、パパベリンとのプレインキュベーションが、ヒト伏在静脈におけるノルエピネフリン誘発収縮を阻害することを示す。 静脈摘出装置のキットを示す。
発明の詳細な説明
このように、本発明は、それによって自己導管を摘出、処置、保護、および移植するため、ならびに内膜過形成を阻害するための新規方法および試薬を提供する。ヘパリン加生理食塩水を含む、体内移植前に自家静脈導管を保存するために用いられる溶液のpHは、極めて酸性である(pH 6.2)。この酸性pHは、導管の機能性を低下させることが示されている。その上、自己導管をマークするためにイソプロピルアルコールを含むサージカルスキンマーカーを用いることもまた、導管の機能性を低下させる。FD&C青色色素#1としても知られるエリオグラウシンは、静脈に対して毒性ではなく、損傷後の機能的完全性を回復させる。静脈の一般的な手動での拡張が、300 mm Hgより大きい内腔圧を引き起こしうることもまた示されており、この内圧もまた、導管の機能性に対して有害な効果を有する。シリンジにポップオフバルブを置くことにより、起こりうる最大の内腔圧は130〜140 mm Hgに低減され、それによって静脈導管を保護する。
I.摘出用溶液
ある局面において、本発明は、摘出後に静脈を入れるためのpH 7.0〜7.6の緩衝溶液を提供する。1つの態様において、緩衝溶液は、リン酸緩衝生理食塩水であるが、MOPS、ヘペス、ピペス、および酢酸塩は代わりに用いられる処方である。硫酸マグネシウム(5 mM)もまた、膜を安定化させるために溶液に添加することができる。
別の緩衝溶液の選択肢は、プラズマライト56注射液(1型多電解質注射液、USP)であり、これは静脈内投与のための1回投与容器に入れられた滅菌非発熱性低張溶液である。各100 mLは、塩化ナトリウム、USP(NaCl)234 mg;酢酸カリウム、USP(C2H3KO2)128 mg;および酢酸マグネシウム四水和物(Mg(C2H3O2)2・4H2O)32 mgを含有する。これは抗菌剤を含有しない。pHは塩酸によって調整される。
本発明の別の局面において、摘出用溶液を、Seal & Panitch(2003)に記述される溶液などの高粘度溶液として調製することができる。これらの著者らは、ヘパリン結合ペプチドとヘパリンとの相互作用に基づいて、親和性に基づく徐放特性を有する急速形成ポリマーマトリクスを開発したと記述している。ポリ(エチレングリコール)-コ-ペプチド(およそ18,000 g/mol)対ヘパリン(およそ18,000 g/mol)の3:1のモル比からなる10%(w/v)組成物の動的力学的試験により、濃縮された高分子量ポリマー溶液および融解物と類似の粘弾性プロフィールが明らかとなった。加えて、バイオポリマー混合物は、熱変性および機械的傷害後に急速に元通りとなった。これらのゲル様材料は、外から加えたヘパリン結合ペプチドを隔離することができ、これらのペプチドを、相対的ヘパリン親和性に依存する速度で数日間放出することができた。初回放出速度は、ヘパリン低親和性ペプチドでの3.3%/時間から、ヘパリン高親和性ペプチドでの0.025%/時間の範囲であった。インビボでの治療物質の制御送達にとって有用な範囲の放出プロフィールを生じるために、ヘパリンに対するペプチドの親和性を変化させることにより、一連のペプチドを開発することができる。
II.補助的な溶液添加剤
本発明の別の局面において、本発明の溶液は、本発明の様々な保護的局面に取り組むために、追加の添加剤を含有しうる。
たとえば、本発明の溶液は、血栓の形成を防止するためにヘパリン(1〜10 U/ml)を含みうる。ヘパリンは、注射可能な抗凝固剤として広く用いられ、かつ任意の公知の生物学的分子の中でも最高の負電荷密度を有する、硫酸化の度合いが高いグリコサミノグリカンである。ヘパリンはまた、試験管および腎透析機器などの様々な実験装置および医療用装置において抗凝固性の内部表面を形成するためにも用いることができる。薬学等級のヘパリンは、ブタ(ブタ)腸管またはウシ(ウシ)肺などの食肉解体処理された食用動物の粘膜組織に由来する。
ヘパリンは医療では抗凝固のために主に用いられるが、血液中の抗凝固は、内皮細胞由来のヘパラン硫酸プロテオグリカンによって主に達成されることから、体内でのヘパリンの真の生理学的役割はなおも不明である。ヘパリンは、通常、肥満細胞の分泌顆粒内部に貯蔵され、組織損傷部位の血管中に限って放出される。ヘパリンの主な用途は、抗凝固よりむしろ、組織損傷部位での侵入細菌および他の異物材料に対する防御機構での用途であると提唱されている。加えて、ヘパリンは、類似の血液凝固系を有しない何種類かの無脊椎動物を含む多数の広く異なる種にわたって保存されている。
天然のヘパリンは、3 kDaから50 kDaの範囲の分子量を有するポリマーであるが、市販のほとんどのヘパリン調製物の平均分子量は12 kDaから15 kDaの範囲である。ヘパリンは、炭水化物(経験的に式Cm(H2O)nを有する;すなわち炭素、水素、および酸素のみからなり、水素:酸素の原子比が2:1である有機化合物として定義される)のグリコサミノグリカンファミリーメンバーである。グリコサミノグリカン(GAG)またはムコポリ多糖類は、反復する二糖単位からなる分枝のない長鎖多糖類である。反復単位は、ヘキソサミン(窒素を含有する六炭糖)に連結したヘキソース(六炭糖)またはヘキスロン酸からなる。
ヘパリン(近縁の分子であるヘパラン硫酸を含む)は、多様に硫酸化された反復する二糖単位からなる。ヘパリンに存在する主な二糖単位を以下に示す。最も一般的な二糖単位は、2-O-硫酸化イズロン酸、および6-O-硫酸化、N-硫酸化グルコサミン、すなわちIdoA(2S)-GlcNS(6S)から構成される。たとえば、これはウシ肺由来のヘパリンの85%を構成し、ブタ腸管粘膜由来のヘパリンの約75%を構成する。3-O-硫酸化グルコサミン(GlcNS(3S, 6S))または遊離のアミン基(GlcNH3 +)を含有するまれな二糖類は以下に示していない。生理的条件下では、エステルおよびアミド硫酸基が脱プロトン化されて、正荷電対イオンを誘引してヘパリン塩を形成する。ヘパリンが通常抗凝固剤として投与されるのは、この形状である。
別の局面において、摘出溶液は、血管を湿った状態に維持しながら容積が最小限となるように血管をコーティングするハイドロゲルでありうる。加えて、ハイドロゲルは、血管弛緩を維持するために役立つように治療物質を含有することができる。ハイドロゲルには、ポリ(エチレングリコール)、ポリアクリルアミド、ポリフメレート、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)等などの、共有結合を通してクロスリンクされる親水性ポリマーから合成されたハイドロゲル、または疎水性相互作用およびイオン性相互作用を含む物理的相互作用を通してクロスリンクする任意のゲル様材料が挙げられる。ゲルには、ポリウレタン、アガロース、およびアルギネートが挙げられる。
本発明の別の局面において、本発明は、静脈の収縮および痙縮を阻害するためにパパベリン(1 mM)を含む。その他の鎮痙剤は、ニカルジピン、ニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン(0.5〜1.0 mM)、またはジブチリルcAMP(2 mM)である。
本発明の別の局面において、本発明は、静脈に対する酸化的傷害を防止するために抗酸化剤を含む。N-アセチルシステイン(10 mM)、アロプリノール(1 mM)、グルタチオン(3 mM)、マンニトール(30〜60 mM)、または緑茶フェノール(0.5〜1.0 mg/ml)は、特定の関心対象抗酸化剤である。
別の局面において、本発明は、移植片の乾燥を防止するために摘出溶液中にオリゴ糖を提供する。ラクトビオン酸(100 mM)、ラフィノース(30 mM)、またはトレハロース(30 mM)は特定のオリゴ糖である。ラクトビオン酸は、浸透圧の維持を提供して、細胞の膨化を防止する二糖類である。ラフィノースは、高張性を提供する三糖類である。トレハロースは、保水特性を有する二糖類である。
別の局面において、本発明は、コロイド浸透圧を維持するために摘出溶液中にデンプンを提供する。ヒドロキシエチルデンプン(30〜50 mM)、デキストラン(40 g/l)、血液、またはアルブミンは特に企図されるコロイド剤である。
本発明の別の局面において、本発明は抗炎症剤を含む。デキサメタゾン(5〜10 mg/l)などのステロイドまたはサリチル酸は、抗炎症剤の例である。
本発明の別の局面において、内皮機能障害を予防するために薬物が含められるであろう。アンジオテンシン変換酵素阻害剤、スタチン、メトホルミン、AICARおよびエストロゲンは、そのような薬物の例である。
本発明の別の局面において、本発明は代謝調節剤を含む。グルコース(200 mM)、アデノシン(5 mM)、およびインスリン(100 U/ml)は、特に企図される代謝調節剤である。
本発明の別の局面において、本発明は、炎症を低減させるため、平滑筋の弛緩を増強するため、および痙縮を予防するために、MAPKAPキナーゼ2(および関連ペプチド)の新規ペプチド阻害剤を含む。PCT出願US2007/16246およびUS2008/72525は、そのような阻害剤を記述しており、参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の別の局面において、本発明は、内膜過形成を防止するために、HSP27の発現を減少させるsiRNAまたはmiRNAを含む。センス鎖siRNA配列は、
1)
Figure 2013512968
および
2)
Figure 2013512968
である。
センス鎖miRNA配列は、
1)
miR-580またはmiR-1300、
Figure 2013512968
および
2)
miR-552、
Figure 2013512968
である。
抗miR-320配列は
Figure 2013512968
である。
siRNAおよびmiRNAの発現は、プラスミドに基づくか、または合成である。DNAまたは合成オリゴ二本鎖の送達は、可逆的な透過化または加圧により行うことができる(Monahan et al., 2009)。
III.P2X7受容体アンタゴニスト
損傷は、ATP受容体を活性化することができるATPの持続的な放出を引き起こす(Khakh & North, 2006)。P2X受容体は、細胞外ATPに結合するリガンドにより開くイオンチャンネルファミリーである。P2X7受容体は、マクロファージのATP依存的溶解の原因であり、ヒト伏在静脈平滑筋にも見いだされる(Cario-Toumaniantz et al., 1998)。P2X7受容体の活性化は、ヒト伏在静脈において、高分子に対して透過性の膜孔を形成することができる(Cario-Toumaniantz et al., 1998)。これによって、細胞内Ca2+の増加が起こり、この増加がカスパーゼを活性化することができ、最終的に自己溶解およびアポトーシスにより細胞死に至る(Donnelly-Roberts et al., 2004)。P2X7受容体の活性化は、p38 MAPK経路の活性化およびアクチン細胞骨格の変化に関連している(Pfeiffer et al., 2004)。P2X7受容体の活性化はまた、インターロイキンおよび炎症応答に関与する他のサイトカインの産生および放出につながる(Donnelly-Roberts et al., 2004)。最近、P2X7受容体のアンタゴニストの全身投与が、齧歯類の伸展誘発脊髄損傷モデルにおいて回復を改善することが示されている(Peng et al., 2009)。
多様なP2X7受容体アンタゴニストが文献に記述されている。たとえば、Alcaraz et al. (2003)は、一連の強力なP2X7受容体アンタゴニストの合成および薬理学的評価を記述している。この化合物は、THP-1細胞においてBzATP媒介孔形成を阻害する。炎症細胞、とりわけマクロファージ、肥満細胞およびリンパ球におけるP2X7受容体の分布は、P2X7アンタゴニストが炎症疾患の処置において果たすべき有意な役割を有することを示唆している。Carroll et al. (2009)は、強力かつ非常に選択的なP2X7受容体アンタゴニストの別個の化学種について論評している。
参照により本明細書に組み入れられる以下の米国特許は、P2X7受容体アンタゴニストを開示している:第7,709,469号、第6,812,226号、第7,741,493号、第7,718,693号、および第7,326,792号。参照により本明細書に組み入れられる以下の米国特許第出願公開は、P2X7受容体アンタゴニストを開示している:第2010/0292295号、第2010/0292224号、第2010/0286390号、第2010/0210705号、第2010/0168171号、第2010/0160389号、第2010/0160388号、第2010/0160387号、第2010/0160384号、第2010/0160373号、第2010/0144829号、第2010/0144727号、第2010/0105068号、第2010/0075968号、第2010/0056595号、第2010/0036101号、第2009/0264501号、第2009/0215727号、第2009/0197928号、第2009/0149524号、第2009/0005330号、第2008/0132550号、第2008/0009541号、第2007/0122849号、第2007/0082930号、第2005/0054013号、第2005/0026916号、および第2002/0182646号。
上記で述べたように、本発明の1つの局面は、静脈をマークするために非毒性色素を含有するマーカーを含む。FDAによって承認された(E#133)人工食用色素であるFD&C青色#1(エリオグラウシン)もまた、非毒性であることが示されているのみならず、伏在静脈に対して損傷を与える摘出技術に対して保護的であり、およびP2X7受容体アンタゴニストである。エリオグラウシンのアナログであるブリリアントブルーGも同様に、P2X7受容体アンタゴニストとして企図される。
インジゴチン(E132)は、FDAによって承認された別の暗青色の人工色素である。ファストグリーン(E143)は、FDAによって承認された別の青みがかった緑色人工色素である。クルクミンまたはベタニンなどの天然の色素は他の代替物である。クルクミンは、スパイスのターメリックの主なクルクミノイドであり、抗酸化特性および抗炎症特性を有する。食品添加剤としてのそのE番号はE100である。ベタニンは、ビートから得られた赤色のグリコシド食用色素であり、天然の食用色素である。可能性がある他の色素には、ゲネステインブルー、エバンスブルー、墨汁、アルラレッドAC、タータジン、およびエリスロシンが挙げられる。
IV.装置
以下に考察する予備試験は、現在用いられている摘出技術が伏在静脈に対して損傷を与えることを証明する。これらのデータは、静脈移植不全について考えるための新しい模範例を提起しており、静脈移植時の損傷を改善するための単純かつ容易なアプローチを提供する。
したがって、本発明の別の局面において、本発明は、側面分枝結紮時の静脈の過剰な拡張を防止するために「ポップオフ」バルブを含む。Qosinaの圧力軽減Tバルブ(パーツ番号D002501)は一例である。本発明の別の局面において、本発明は、静脈と、静脈の伸展を防止するための装置とを固定するために用いられる「弾丸状先端の」針を含む。
V.キット
本発明はまた、外科的静脈移植技法と共に用いるためのキットにおいて具体化されうる。免疫検出キットは、適した容器手段中に、適当な使用説明書と共に様々な容器、装置および/または試薬を含むであろう。
ある態様において、キットは、摘出溶液、または摘出溶液を作製するための試薬を含むであろう。溶液または試薬は、任意で摘出溶液を混合および保存するための滅菌容器と共に無菌的な形状で提供されるであろう。キットはまた、都合よくは、体外に摘出された後で移植の前に移植組織を浸す/保存するためのチャンバーを含みうる。上記の様々な他の補助的添加剤もまたキットに含めてもよい。
キットの別の要素は、先に記述したように非毒性の色素/マーカーを含むサージカルマーキングペンを含めることでありうる。ペンに、マーカー/色素を「予め充填」してもよく、またはペンを空のまま提供して、溶液もしくは試薬の形状のマーカー/色素をユーザーがペンに装填してもよい。
さらなる装置は、シリンジ、カテーテル、および/または上記のポップオフバルブを備えたまたはポップオフバルブを含むチューブを含む。同様に、任意でさらなる処置のために移植片の「ハンズフリー」配置を可能にする、スタンドまたはベースと共に提供されるクランプなどの、静脈をその場に保持するための装置を含めてもよい。
キットの容器の局面は一般的に、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、ボトル、パケット、シリンジ、カテーテル、または他の容器を、頑丈な保護された様式で、たとえば販売用に厳重に密閉して保持するための手段を含むであろう。そのような手段は、その中に所望の容器、装置、または試薬が保持される射出成形またはブロー成形されたプラスチック容器を含みうる。
VI.実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を証明するために含められる。以下の実施例において開示される技術は、本発明の実践において良好に機能すると本発明者らによって発見された技術を表し、このため、その実践のための好ましい様式を構成すると見なすことができると当業者によって認識されるべきである。しかし、当業者は、本開示に照らして、開示される具体的態様に多くの変更を行うことができ、それでもなお本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を得ることができると認識すべきである。
実施例1−静脈組織に対するサージカルマーキングペンの毒性
冠動脈バイパス手術または末梢血管バイパス手術を受ける患者から、Vanderbilt University(Nashville, TN)の学内倫理委員会によって承認されたインフォームドコンセントを得た後、身元を非特定化したヒト伏在静脈の廃棄分節を収集した(n=66)。静脈を手術技法の終了まで生理食塩水溶液中で保存して、終了後静脈を冷移植片摘出緩衝液(100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4)の中に入れて、4℃で保存した。血管を摘出後24時間以内に試験した。青色のマーキングの存在を、各HSVに関して評価した。脂肪および結合組織を取り除いた伏在静脈の分節から、幅1.0 mmのリング状血管を切断し、内皮を剥離して、95%O2/5%CO2を通気した重炭酸緩衝液(120 mM NaCl、4.7 mM KCl、1.0 mM MgSO4、1.0 mM NaH2PO4、10 mMグルコース、1.5 mM CaCl2、および25 mM Na2HCO3、pH 7.4)を含有する37℃の筋恒温槽の中に吊した。リング状血管を張力4 gまで手動で伸展させて、1 gの静止張力が得られた時点で維持して約2時間平衡にした。力の測定は、Powerlabデータ取得システムおよびChartソフトウェア(AD Instruments, Colorado Springs, CO)にインターフェースで接続したRadnoti Glass Technology(Monrovia, CA)力変換器(159901 A)を用いて得た。生存能を決定するために、リング状血管を110 mM KCl(重炭酸緩衝液中でNaClの等モル交換による)によって収縮させて、生じた力を測定した。力を応力([ニュートン(N)/m2]=力(g)×0.0987/面積、式中、面積は、1.055で除した湿重量[mg/長さ(最大長でのmm)]に等しい)105N/m2に変換した。静脈の機能的生存能にはばらつきがあった(図1)。応力≦0.025×105 N/m2を生じた静脈は非生存(灰色)であると見なされ、>0.025×105 N/m2の応力を生じた静脈は生存(黒色)であると見なされた。試験した静脈の40%が非生存であった。各点は、異なる患者を表し、およびその患者からの少なくとも3つの異なるリング状血管の総計を表す。
ヒト伏在静脈の分節(n=8)を、動脈循環に移植するための静脈の調製前(非処理、UM)、および外科的調製後(処理後、AM)に収集した。調製は、静脈の手動での拡張、サージカルスキンマーカーによるマーキング、およびヘパリン加生理食塩水に静脈を入れることを伴う。110 mM KCl(図2A)またはフェニレフリン(10-6 M、図2B)に対する収縮応答を測定して、生じた力を応力(105 N/m2)に変換した。静脈調製時の処理により、KClおよびフェニレフリンに対する収縮応答の減少が起こった(図2A〜B)。各点は異なる患者を表し、および各患者からの少なくとも3個の個別のリング状血管の応答の総計を表す。
ヒト伏在静脈をまた、フェニレフリン(10-6 M)によって予め収縮させた後、カルバコール(5×10-7 M)によって処置して、内皮依存的弛緩を決定した(Furchgott et al, 1980)。ヒト伏在静脈の分節(n=5)を、動脈循環に移植するための静脈の調製前(非処理、UM)および外科的調製後(処理後、AM)に収集した。各分節からのリング状血管を筋恒温槽の中に吊して、重炭酸緩衝液中で平衡にして、110 mM KClによって収縮させた。重炭酸緩衝液中でさらに30分平衡にした後、リング状血管を10-6 Mフェニレフリン(PE)によって予め収縮させて、5×10-7 Mカルバコールによって処置した。力を測定して、応力105 N/m2に変換した。応答を最大PE-誘発収縮の%として表記した。外科的調製時の典型的な処理により、内皮依存的弛緩が低減した(図3)。カルバコールに応答して、UM静脈は、28.74±3.542%の内皮依存的弛緩を有したが、AMは、収縮していた(-5.976±0.9172%)。
ヒト伏在静脈をまた、フェニレフリン(10-6 M)によって予め収縮させた後、ニトロプルシッドナトリウム(10-7 M)による処置を行って、内皮非依存的弛緩を決定した。伏在静脈の分節(n=6)を、摘出調製前(非処理、UM)または摘出調製後(処理後、AM)に収集した。各分節からのリング状血管を筋恒温槽の中に吊して、重炭酸緩衝液中で平衡にして、110 mM KClによって収縮させた。重炭酸緩衝液中でさらに30分間平衡にした後、リング状血管を10-6 Mフェニレフリン(PE)によって予め収縮させて10-7 Mニトロプルシッドナトリウムによって処置した。外科的調製時の典型的な処理により、ヒト伏在静脈の内皮非依存的弛緩が低減した(図4A〜B)。UMおよびAM分節の代表的な力の軌跡を、PEおよびSNPに応答した同じ患者から収集した(図4A)。最大PE誘発収縮の%として表記される、2群によって示された内皮非依存的弛緩は有意に異なった。UM静脈は、86.62±5.986%の弛緩を示したのに対し、AM静脈は4.292±1.397%の弛緩を示した(図4B)。
冠動脈バイパス手術または末梢血管再建手術を受けた患者から採取した静脈38例中、静脈16例がサージカルマーキングペンによるいかなる色も肉眼で認識できなかったが、静脈22例は肉眼で認識できる色を有した。リング状血管を静脈から切断して、筋恒温槽の中に吊して、重炭酸緩衝液中で平衡にした。リング状血管を110 mM KClによって収縮させて、生じた力を応力(105 N/m2)に変換した。2群の静脈によって生じた力は有意に異なった(図5)。肉眼で認識可能な青色のマーキングを有する静脈は、マーキングが肉眼で認識できない静脈(0.174±0.023 105 N/m2)より小さい収縮応答を示した(0.047±0.014 105 N/m2)。
いかなる色も有しない身元を非特定化したヒト伏在静脈の廃棄分節を用いて、異なるマーキング法の効果を試験した。分節から切断したリング状血管をマークなし(対照;n=12)、サージカルスキンマーカー(Cardinal Health, #5227、紫色のマーキングインク;n=5)によるマーク、スキンマーカーにおいて用いられる溶媒である50%イソプロピルアルコールによるマーク(n=4)、またはメチレンブルーによるマーク(Akorn, Inc., Lake Forest IL;n = 10)のいずれかに供して、室温で15分間インキュベートした。リング状血管から内皮を剥離して、95%O2/5%CO2を通気した重炭酸緩衝液(120 mM NaCl、4.7 mM KCl、1.0 mM MgSO4、1.0 mM NaH2PO4、10 mMグルコース、1.5 mM CaCl2、および25 mM Na2HCO3、pH 7.4)を含有する37℃の筋恒温槽の中に吊した。リング状血管を手動で張力4 gまで伸展させ、静止張力1 gで維持して、約2時間平衡にした。力の測定は、Powerlabデータ取得システムおよびChartソフトウェア(AD Instruments, Colorado Springs, CO)にインターフェースで接続したRadnoti Glass Technology(Monrovia, CA)力変換器(159901A)を用いて得た。リング状血管を110 mM KCl(重炭酸緩衝液中のNaClの等モル置換による)によって収縮させて、生じた力を応力105 N/m2に変換した。マークした3つの群は、対照の非マーク群とは有意に異なった(p≦0.05)(図6)。マーキングを有しなかったリング状血管は、平均応力0.110±0.014 105 N/m2を有し、サージカルスキンマーカーによってマークしたリング状血管は、平均応力0.003±0.001 105 N/m2を有し、50%イソプロピルアルコールによってマークしたリング状血管は、平均応力0.005±0.003 105 N/m2を有し、およびメチレンブルーによってマークしたリング状血管は、平均応力0.014±0.01 105 N/m2を有した。
新たに単離したブタ伏在静脈を用いて異なるマーキング法の効果を試験した。静脈を採取して冷移植片摘出緩衝液[100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4]に入れた。血管を4℃の移植片摘出緩衝液中で保存して、摘出後24時間以内に試験した。生存能を試験するために、幅1.0 mmのリング状血管を伏在静脈分節から切断して、脂肪および結合組織を除去した。リング状伏在静脈を、無処置(対照;n=6)のままか、サージカルスキンマーカー(n=3)または50%イソプロピルアルコール(サージカルマーカーにおいて用いられる溶媒;n=3)によってマークして、室温で15分間インキュベートした。次にリング状血管を筋恒温槽の中で平衡にして、KClによって収縮させ、力を測定して応力(105 N/m2)に変換した。マーキングを有しないリング状血管は、平均応力0.263±0.039 N/m2を有し、サージカルスキンマーカーによってマークしたリング状血管は、平均応力0.114±0.017 N/m2を有し、および50%イソプロピルアルコールによってマークしたリング状血管は、平均応力0.00005±0.00005 N/m2を有した。マークした2つの群は、対照の非マーク群とは有意に異なった(p≦0.05)(図7)。
実施例2−生存静脈細胞は機能的生存能と相関する
生存細胞アッセイを用いてヒト伏在静脈の細胞生存能を確認した。冠動脈バイパス手術または末梢血管バイパス手術を受ける患者から、Vanderbilt University(Nashville, TN)の学内倫理委員会によって承認されたインフォームドコンセントを得た後、身元を非特定化したヒト伏在静脈の廃棄分節(n=13)を採取した。静脈を手術技法の終了まで生理食塩水溶液中で保存して、終了後静脈を冷移植片摘出緩衝液(100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4)の中に入れた。血管を、移植片摘出緩衝液中で4℃で保存して、摘出24時間以内に試験した。各静脈を生理学実験および3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムブロミド(MTT)を用いる生存細胞アッセイに供した。生存能を試験するために、幅1.0 mmのリング状血管を、脂肪および結合組織を除去した伏在静脈分節から切断して、そのいくつかについては内皮を剥離して、95%O2/5%CO2を通気した重炭酸緩衝液(120 mM NaCl、4.7 mM KCl、1.0 mM MgSO4、1.0 mM NaH2PO4、10 mMグルコース、1.5 mM CaCl2、および25 mM Na2HCO3、pH 7.4)を含有する37℃の筋恒温槽の中に吊した。リング状血管を手動で張力4 gまで伸展させ、静止張力1 gが得られた時点で維持して、約2時間平衡にした。力の測定は、Powerlabデータ取得システムおよびChartソフトウェア(AD Instruments, Colorado Springs, CO)にインターフェースで接続したRadnoti Glass Technology(Monrovia, CA)力変換器(159901 A)を用いて得た。リング状血管を110 mM KCl(重炭酸緩衝液中でNaClの等モル交換による)によって収縮させて、生じた力を測定した。KClによって収縮しなかったいかなる組織も、非生存であると見なした。力を各リング状血管に関して応力105 N/m2に変換して、各静脈に関して平均した。細胞生存能を評価するために、各静脈から3つのリング状血管を、0.1%MTT溶液(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水、pH 7.4中で調製)0.25 mlの中に個別に入れた。陰性対照に関して、リング状血管1個を水20 ml中に入れて、マイクロ波を10分間照射していかなる酵素活性も不活化した後、0.1%MTT溶液中に入れた。リング状血管を37℃で1時間インキュベートした。リング状血管を蒸留水の中に入れることによって反応を停止させた。組織の重量を測定して、CelloSolve(Sigma)1 ml中に37℃で4時間入れて、ホルマザン顔料をそれぞれ抽出した。分光光度計(Beckman Coulter)を用いて顔料濃度を570 nmで測定した。陰性対照の吸光度を各試料から差し引いた。生存指数をOD570/mg/mlとして表記した。各静脈の平均値をリング状血管3個から計算した。各静脈から得られた平均応力を平均生存指数に対してプロットした。
データは、ミトコンドリア生存能と、110 mM KCl誘発収縮によって決定された応力生存能とのあいだに比例関係があることを示す有意な勾配を描いている(R2=0.7262)(図8)。低い(左)および高い(右)生存指数の代表的なHSVリング状血管を挿入図に示す。
実施例3−静脈摘出溶液および技法
新たに単離したブタ伏在静脈を、冷移植片摘出緩衝液(100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4)中に採取した。血管を、摘出および4℃の移植片摘出緩衝液中での保存の24時間以内に試験した。静脈から脂肪および結合組織を除去して、長さ2 cmの分節に切断した。分節をその静止時の長さまで2回伸展させたか(伸展;n=7)、または処理を行わなかった(対照;n=12)。伸展後、両群からの分節をさらに分割した。次に、エリオグラウシン溶液(FCF、5%プロピレングリコール水溶液中で2.6 mM)またはビヒクルを、無処置(FCF;n=8)または伸展させた(伸展+FCF;n=3)静脈分節に、長軸線に沿って綿棒によって適用した。分節を、プラズマライト中で室温で15分間インキュベートして、リング状に切断した。リング状血管を、95%O2/5%CO2を通気した重炭酸緩衝液(120 mM NaCl、4.7 mM KCl、1.0 mM MgSO4、1.0mM NaH2PO4、10 mMグルコース、1.5 mM CaCl2、および25 mM Na2HCO3、pH 7.4)を含有する37℃の筋恒温槽の中に吊した。リング状血管を手動で張力4 gまで伸展させ、静止張力1 gで維持して、約2時間平衡にした。力の測定は、Powerlabデータ取得システムおよびChartソフトウェア(AD Instruments, Colorado Springs, CO)にインターフェースで接続したRadnoti Glass Technology(Monrovia, CA)力変換器(159901 A)を用いて得た。リング状血管を110 mM KCl(重炭酸緩衝液中でNaClの等モル交換による)によって収縮させて、生じた力を応力105 N/m2に変換した(図9)。対照のリング状血管は平均応力0.47±0.034 N/m2を有し、エリオグラウシン色素によってマークしたリング状血管は平均応力0.566±0.064 N/m2を有し、および伸展させたリング状血管は、平均応力0.367±0.042 N/m2を有し、およびエリオグラウシン色素を有する伸展させたリング状血管は平均応力0.713±0.111 N/m2を有した。伸展させた静脈の応力は、対照の非伸展静脈とは有意に異なり(* p<0.05)、エリオグラウシン色素を有する伸展静脈は、エリオグラウシン色素を有しない伸展静脈と比較して有意に異なった(# p<0.05)(図9)。
しかし、別の色素であるアルラレッドによる処置は、ブタ伏在静脈の伸展損傷後の機能的生存能を回復させなかった(図10)。ブタ伏在静脈(n=4)を無処置のまま(対照)か、またはその静止時の長さまで2回伸展させて(色素なし)、リング状に切断して、筋恒温槽の中で重炭酸緩衝液中に吊した。伸展した分節からのリング状血管を、50μMアルラレッド(+ Red)または50μMエリオグラウシン(+FCF)のいずれかと共に30分間インキュベートした。リング状血管を重炭酸緩衝液中で平衡にした後、110 mM KClによって収縮させた。生じた力を応力(105 N/m2)に変換した。データは、100%として設定される対照のリング状血管に対する相対的収縮応答を表す。伸展静脈に関する応力は、アルラレッドを有する伸展静脈とは有意差がなかった(NS)。エリオグラウシンは、アルラレッドを有する伸展静脈と比較して伸展静脈における収縮応答を有意に回復した(# p≦0.05)。
ヒト伏在静脈に対するエリオグラウシンの効果を、冠動脈バイパス手術または末梢血管バイパス手術を受けた患者(n=4)からの身元を非特定化したヒト伏在静脈の廃棄分節を用いて判定した。静脈を手術技法の終了まで生理食塩水溶液中で保存して、終了後静脈を冷移植片摘出緩衝液(100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4)の中に入れた。血管を、4℃の移植片摘出緩衝液中で摘出保存24時間以内に試験した。生存能を試験するために、幅1.0 mmのリング状血管を、脂肪および結合組織を取り除いた伏在静脈の分節から切断し、エリオグラウシン(FCF、5%プロピレングリコール水溶液中で2.6 mM)溶液またはビヒクルのいずれかによって処置して、室温で30分間インキュベートした。次に、組織の内皮を剥離して、95%O2/5%CO2を通気した重炭酸緩衝液を含有する37℃の筋恒温槽の中に吊した。リング状血管を手動で張力4 gまで伸展させ、静止張力1 gが得られた時点で維持して、約2時間平衡にした。力の測定は、Powerlabデータ取得システムおよびChartソフトウェア(AD Instruments, Colorado Springs, CO)にインターフェースで接続したRadnoti Glass Technology(Monrovia, CA)力変換器(159901 A)を用いて得た。リング状血管を110 mM KCl(重炭酸緩衝液中でNaClの等モル交換による)によって収縮させて、生じた力を測定した。力を応力105 N/m2に変換して、ビヒクルおよびエリオグラウシンのリング状血管に関してプロットした。無処置のまま(対照)の、またはエリオグラウシン色素(FCF)によって処置したリング状血管の代表的な力の軌跡を表す(図11A)。ビヒクル群のリング状血管は、平均応力0.015±0.012 N/m2を有し、エリオグラウシン処置リング状血管は平均応力0.103±0.021 N/m2を有した(図11B)。2群は有意に異なった(p≦0.05)。
ヒト伏在静脈分節を、冠動脈バイパス手術または末梢血管バイパス手術を受ける患者から摘出後、外科的処理の前に採取して、プラズマライト中で保存した。血管を摘出後2時間以内に試験した。新たに単離したブタ伏在静脈を冷移植片摘出緩衝液(100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4)中に採取した。血管を摘出後24時間以内に試験した。幅1.0 mmのリング状血管を、脂肪および結合組織を除去したブタ伏在静脈(図12A、n=2)および非処理ヒト伏在静脈(図12B、n=4)から切断した。次に、リング状血管の内皮を剥離して、95%O2/5%CO2を通気した重炭酸緩衝液を含有する37℃で筋恒温槽の中に吊した。リング状血管を手動で張力4 gまで伸展させ、1 gの静止張力が得られた時点で維持して、約2時間平衡にした。力の測定は、Powerlabデータ取得システムおよびChartソフトウェア(AD Instruments, Colorado Springs, CO)にインターフェースで接続したRadnoti Glass Technology(Monrovia, CA)力変換器(159901 A)を用いて得た。リング状血管を110 mM KClによって収縮させた。さらに30分間平衡にした後、リング状血管を、エリオグラウシン(FCF、50〜200μMで30分)溶液またはビヒクルのいずれかによって30分間処置した後、100μM BzATPによって収縮させた。力を測定して、応力に変換した。応答を最大KCl収縮の%として表記した。ビヒクル(対照)または50μMエリオグラウシン(FCF前処置)による前処置後にBzATPによって収縮させたヒト伏在静脈の代表的な力の軌跡を図12Cに描く。エリオグラウシン(FCF)による前処置は、BzATP誘発収縮を有意に阻害したが、ビヒクル(対照)は阻害しなかった(* p<0.05)(図12B)。
ヒト伏在静脈の分節を、同じ患者から、動脈循環内に移植するための静脈の調製前(非処理、UM)および外科的調製後(処理後、AM)にプラズマライト中に採取して、これを採取後2時間以内に用いた。分節を約1 mmのリング状に切断して、各群からリング状血管1個をホルマリン中で固定した(培養前)。他のリング状血管を、1%L-グルタミン、1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび30%ウシ胎児血清を添加したRPMI培地中で、50μMエリオグラウシン(FCF)の非存在下(対照)または存在下で5%CO2および37℃で14日間培養した。14日後、リング状血管をホルマリン中で固定して、5μmの切片を作製して、ヴァーヘフ・ヴァン・ギーソン染色を用いて染色した。Axiovert 200を用いてリング状血管の光学顕微鏡写真を得て、内膜の厚さをAxioVisionを用いて測定した。データは、0%として設定した培養前のリング状血管の基本の内膜の厚さに対する内膜の厚さの%増加を表す。誤差のバーは、平均値の標準誤差を示す。静脈調製時の処理は、内膜層の厚さを増加させ(対応のあるt-検定において# p=0.053)、およびエリオグラウシンによる処置は、対照と比較して内膜の厚さの発達を有意に阻害した(* p<0.05)(図13)。
新鮮なブタ伏在静脈を、無菌条件下で手で触れない方法によって摘出して、冷移植片摘出緩衝液(100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4)中で保存した。血管を摘出後24時間以内に用いた。静脈を3つの分節に分割して、無処置のまま(非処理、n=7)、>300 mm Hgまで拡張(拡張、n=8)、または圧軽減バルブの存在下で拡張(ポップオフ、n=7)させた。次に、各分節を約1 mmのリング状に切断して、各条件に関してリング状血管1個をホルマリン中で直ちに固定した(培養前)。他のリング状血管を、1%のL-グルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシン、および30%のウシ胎児血清を添加したRPMI培地中で、50μMエリオグラウシン(FCF)、50μMブリリアントブルーG(BBG)、または50μMアルラレッド(Red)のいずれかの非存在下(対照)または存在下で5%CO2および37℃で14日間培養した。14日後、リング状血管をホルマリン中で固定して、5μmの切片を作製して、ヴァーヘフ・ヴァン・ギーソン染色を用いて染色した。Axiovert 200を用いてリング状血管の光学顕微鏡写真を得て、AxioVisionを用いて内膜の厚さを測定した。エリオグラウシンによる処置は、拡張によって誘発された内膜の厚さの増加を、拡張対照と比較して* p<0.05で阻害したが、アルラレッドは阻害しなかった(図14)。
ヒト左内胸動脈(LIMA;n=3)および伏在静脈のリング状血管を、動脈循環内への移植のための静脈調製前に(非処理、UM;n=5)、および外科的調製後(処理後、AM;n=5)に得た。UM分節から切断したリング状血管を、ウィスコンシン大学液(UW)、ヘパリン加生理食塩水(HS)、ヘパリン加プラズマライト(HP)、または30 mMトレハロースを含有するヘパリン加プラズマライト(HPT)中で室温で2時間インキュベートした。リング状血管を静脈から切断して、筋恒温槽中に吊して、重炭酸緩衝液中で平衡にした。リング状血管を10-6 Mフェニレフリンによって予め収縮させた後、5×10-7 Mカルバコールによって処置して、内皮依存的弛緩を決定した。LIMAからのリング状血管は、伏在静脈より大きい内皮依存的弛緩を有した(図15)。外科的調製時の処理によって、内皮依存的弛緩が減少した(図15)。ヘパリン加生理食塩水での保存によって、内皮依存的弛緩が減少したが、ヘパリン加プラズマライト、ヘパリン加プラズマライト+トレハロース、または移植片摘出溶液は、内皮依存的弛緩を減少させなかった[全てのUM群(UM、UW、HP、およびHPT)に関してHSと比較して* p<0.05](図15)。データを、%弛緩として表す(最大のフェニレフリン誘発収縮と比較)。
冠動脈バイパス手術または末梢血管バイパス手術を受ける患者から、Vanderbilt University(Nashville, TN)の学内倫理委員会によって承認されたインフォームドコンセントを得た後、身元を非特定化したヒト伏在静脈の廃棄分節を収集した(n=5)。静脈を手術技法の終了まで生理食塩水溶液中で保存して、終了後静脈を冷移植片摘出緩衝液(100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4)の中に入れた。血管を、摘出および4℃の移植片摘出緩衝液中での保存の24時間以内に試験した。ポップオフバルブを、1つの端部でシリンジに、および他の端部でカニューレを挿入した伏在静脈に接続した。伏在静脈の遠位端にもまた、カニューレを挿入して圧変換器に接続した。圧力開放バルブの存在下および非存在下で、手で持ったシリンジによって静脈を拡張させるあいだ圧力をモニターした。圧力モニターは、300 mm Hgを超える圧力を測定しないであろう。これによって3群を作製し、それらは以下のとおりであった:ポップオフ圧(Popoff)、ポップオフバルブの存在下での最大圧(バルブの存在下でのMax)、およびポップオフバルブの非存在下での最大圧(バルブの非存在下でのMax)。ポップオフバルブを有する静脈は、平均圧129±1.265 mm Hg、および最大圧141.8±1.985 mm Hgを有したが、ポップオフバルブを有しない静脈は、300±0.00 mm Hgの最大圧を有した(図16)。ポップオフバルブを有する静脈における平均圧および最大圧は、ポップオフバルブを有しない静脈とは有意に異なった(p≦0.05)。
新鮮なブタ伏在静脈を、無菌的条件で手で触れない方法によって摘出して、冷移植片摘出緩衝液(100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4)中で保存した。血管を摘出後24時間以内に用いた。静脈(n=4)を、直列の圧力開放バルブの非存在下(拡張)または存在下(ポップオフ)でシリンジによって手動で拡張させた。対照分節は拡張させなかった(ND)。拡張後、リング状血管を分節から切断して、筋恒温槽の中に吊した。リング状血管を10-6 Mフェニレフリンによって予め収縮させた後、5×10-7 Mカルバコールによって処置して、内皮依存的弛緩を決定した。データを%弛緩として表す(最大のフェニレフリン誘発収縮と比較)。手で持ったシリンジによる手動での拡張は、内皮依存的弛緩の有意な減少(p<0.0005)を引き起こし、圧力開放バルブは、内皮依存的弛緩のこの減少を防止した(図17)。
安楽死させたブタからブタ冠動脈を新たに単離して、冷移植片摘出緩衝液(100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4)中に直接入れた。冠動脈から脂肪および外膜組織を取り除いて、内皮を除去した。横断リング状血管(厚さ1.0 mm)を切断して、筋恒温槽の中に吊し、Data Translation A-Dボード(Data Translation, MA)にインターフェースで接続した力変換器(Kent Scientific, CT)に絹糸3-0によって連結した。データは、Powerlabソフトウェアプログラムによって獲得した。ブタ冠動脈リングを筋恒温槽の中に吊して、クレブスリンゲル重炭酸緩衝液中で2時間平衡にした。リング状血管を伸展させて、最大の張力が得られるまで長さを伸展させながら調節した。リング状血管を110 mM KCl(重炭酸緩衝液中でNaClの等モル交換による)によって収縮させて、生じた力を測定して、応力[ニュートン(N)/m2=力(g)×0.0987/面積、式中、面積は1.055で除した湿重量[mg/長さ(最大長のmm)]に等しい]に変換した。リング状血管を洗浄して、さらに30分間平衡にした。リング状血管を5μMヒスタミン、110 mM KCl、1 mMパパベリン(PAP)、1 mMパパベリンによる10分間の処置後に5μMヒスタミンによる処置、または1 mMパパベリンによる10分間の処置後に110 mM KClによる処置を行って、生じた力を測定して、応力に変換した。5μMヒスタミン(Hist)、110 mM KCl(KCl)、1 mMパパベリン(PAP)、1 mMパパベリンによる10分間の処置後に5μMヒスタミン(Pap+Hist)、または1 mMパパベリンによる10分間の処置後に110 mM KCl(Pap+KCl)によって処置したリング状血管の代表的な力の軌跡を、図18Aに描写した。応力の減少を、100%として設定した初回最大KCl収縮の百分率に変換した。パパベリン処置は、リング状血管の基本張力を低減させた(-15.0±3.135%)(図18B)。パパベリンによってリング状血管を前処置すると、ヒスタミン(98.613±11.049と比較して-12.0±4.163)およびKCl(103.33±2.404%と比較して-20.0±10.00)によって誘発される収縮を完全に阻害した(図18B)。
冠動脈バイパス手術または末梢血管バイパス手術を受ける患者から、Vanderbilt University(Nashville, TN)の学内倫理委員会によって承認されたインフォームドコンセントを得た後、身元を非特定化したヒト伏在静脈の廃棄分節を収集した(n=6)。静脈を手術技法の終了まで生理食塩水溶液中で保存して、終了後静脈を冷移植片摘出緩衝液(100 mMラクトビオン酸カリウム、25 mM KH2PO4、5 mM MgSO4、30 mMラフィノース、5 mMアデノシン、3 mMグルタチオン、1 mMアロプリノール、50 g/Lヒドロキシエチルデンプン、pH 7.4)の中に入れた。血管を、摘出および4℃の移植摘出緩衝液中での保存の24時間以内に試験した。静脈をきれいにして、外膜組織および内皮を除去した。横断リング(厚さ1.0 mm)を切断して、筋恒温槽の中に吊し、Powerlabデータ取得システムおよびChartソフトウェア(AD Instruments, Colorado Springs, CO)にインターフェースで接続した力変換器(Kent Scientific, CT)に絹糸3-0によって連結した。ヒト伏在静脈リングを筋恒温槽の中に吊して、クレブスリンゲル重炭酸緩衝液中で2時間平衡にした。リング状血管を伸展させて、最大張力が得られるまで長さを伸展させながら調節した。リング状血管を、110 mM KCl(重炭酸緩衝液中でNaClの等モル交換による)によって収縮させて、生じた力を測定して、応力[ニュートン(N)/m2=力(g)×0.0987/面積、式中面積は、1.055によって除した湿重量[mg/長さ(最大長のmm)]に等しい]に変換した。リング状血管を洗浄して、さらに30分間平衡にした。リング状血管を0.5μMノルエピネフリン(NE)、1 mMパパベリン(Pap)、または1 mMパパベリンによる10分間の処置後に0.5μM NEによって処置して、生じた力を測定して応力に変換した。応力の減少を、100%として設定した初回最大KCl収縮の百分率に変換した。0.5μM NE(NE)、1 mMパパベリン(Pap)、または1 mMパパベリンによる10分間の処置後に0.5μM NEによって処置したリング状血管の代表的な力の軌跡を図19Aに描写した。応力の減少を、100%として設定した初回最大KCl収縮の百分率に変換した。n=6。パパベリン処置は、リング状血管の基本張力を低減させた(-9.772.0±3.226%)。ヒト伏在静脈をパパベリンによって前処置すると、NE誘発収縮(89.935±18.344%と比較して-3.210±5.119)を完全に阻害した(図19B)。
静脈摘出装置を図20に示す。静脈の遠位末端(静脈中に弁があるために静脈を逆さにしている)に、灌注用の管腔を有し、なおかつばね荷重クランプによってカテーテルに固定される弾丸状の先端を有するプラスチックカテーテルを挿入する。カテーテルをベースにクリップで固定する。管腔を有しない追加の弾丸先端カテーテルを、ベースの反対側の末端にクリップで固定した静脈の近位末端に取り付ける。静脈がインビボでの長さと同じ長さになるまで、装置のラチェットを開く。延長チューブおよび直列の圧力開放バルブを有するシリンジを、静脈の遠位末端に取り付ける。これにより静脈は拡張して、側面分枝を結紮することができる。
実施例4−予言的臨床プロトコール
大伏在静脈は、標準的な外科技術を用いて外科的に摘出されるであろう。静脈の遠位末端に、弾丸状の先端の静脈カニューレを挿入して、クランプまたは絹糸のいずれかによって固定する。圧力開放バルブをカニューレに取り付けて、10または20 ccシリンジをバルブの他方の末端に取り付ける。いくつかの例において、延長チューブをシリンジとバルブのあいだに置く。静脈を静脈摘出溶液中で拡張させて分岐を明らかにし、絹糸またはクリップのいずれかによって結紮する。静脈の方向を維持するために、キットに含まれるマーカーによって静脈を1つの長い表面に沿ってマークする。いくつかの場合において、静脈を、患者から摘出する前にマークしてもよい。次に、動脈循環内に体内埋植するまで静脈を摘出溶液の中に入れる。1つの態様において、ペンからの色素は、P2X7受容体アンタゴニストを含有し、摘出溶液は、P2X7受容体アンタゴニストを含有しないであろう。別の態様において、ペンからの色素はP2X7受容体アンタゴニストを含有しないが、溶液は含有するであろう。第三の態様において、ペンの色素と溶液の双方がP2X7受容体アンタゴニストを含有するであろう。
本明細書において開示および請求される組成物および/または方法は全て、本開示に照らして過度の実験を行うことなく作製および実行することができる。本発明の組成物および方法を、好ましい態様に関して記述してきたが、組成物および/または方法に、および本明細書において記述される方法の段階または段階の順序に変更を適用してもよく、それらも本発明の概念、精神、および範囲に含まれることは当業者に明らかであろう。より具体的に、化学的および生理学的に関連するある物質を、本明細書において記述される物質の代わりに用いてもよく、それでも同じまたは類似の結果が達成されるであろうことは明らかであろう。当業者に明らかであるそのような類似する置換および改変は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神、範囲、および概念に含まれるとみなされる。
VII.参考文献
以下の参考文献は、それらが本明細書において記述される内容を補助する例示的な技法の詳細または他の詳細を提供する程度に、具体的に参照により本明細書に組み入れられる。
Figure 2013512968
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Claims (57)

  1. 以下の段階を含む、移植の前に静脈外植片を処置する方法:
    (a)静脈外植片を用意する段階;
    (b)安定化された静脈外植片を産生するために、P2X7受容体アンタゴニストを含む緩衝溶液中、pH 7.0〜7.6で静脈外植片を安定化する段階;および
    (c)安定化された静脈外植片の機能的生存能を保護する段階。
  2. 段階(b)の前では生存可能でなかった静脈外植片の機能的生存能を回復させる、請求項1記載の方法。
  3. 前記緩衝溶液がヘパリンをさらに含む、請求項1記載の方法。
  4. 前記緩衝溶液が(i)ヘパリン、および(ii)エリオグラウシン/青色色素#1および/またはブリリアントブルーGを含む、請求項2記載の方法。
  5. 前記緩衝溶液がリン酸緩衝生理食塩水、MOPS、ヘペス、ピペス、酢酸塩またはプラズマライト(Plasmalyte)を含む、請求項1記載の方法。
  6. 前記緩衝溶液が、抗収縮剤、抗酸化剤、オリゴ糖、コロイド剤、抗炎症剤、内皮機能保護剤、代謝調節剤、ハイドロゲル、熱ショックタンパク質27(HSP27)の阻害剤、HSP20の調節剤、および/またはMAPKAPキナーゼ2の阻害剤の1つまたは複数をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 前記抗収縮剤が、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カルシウムチャンネル遮断薬、酸化窒素ドナー、または環状ヌクレオチドアナログである、請求項6記載の方法。
  8. 前記抗酸化剤が、N-アセチルシステイン、アロプリノール、グルタチオン、マンニトール、アスコルビン酸、トコフェロール、トコトリエノール、または緑茶フェノールである、請求項6記載の方法。
  9. 前記オリゴ糖が、ラクトビオン酸、ラフィノース、またはトレハロースである、請求項6記載の方法。
  10. 前記コロイド剤が、ヒドロキシエチルデンプン、デキストラン、血液、またはアルブミンである、請求項6記載の方法。
  11. 前記抗炎症剤が、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、mapkapキナーゼ2阻害剤、抗TNF-α、抗IL-1β、またはCox-2阻害剤である、請求項6記載の方法。
  12. 前記内皮機能保護剤が、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体阻害剤、スタチン、メトホルミン、またはエストロゲンである、請求項6記載の方法。
  13. 前記代謝調節剤が、グルコース、アデノシン アミリン、カルシトニン関連遺伝子ペプチド、またはインスリンである、請求項6記載の方法。
  14. 前記ハイドロゲルが、アルギネート、デキストラン、キトサン、およびグリコサミノグリカンなどの天然の多糖類、またはポリエチレングリコール、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリヒドロキシブテレート、またはポリ(n-イソプロピルアクリルアミド)などの親水性ポリマーから構成される、請求項6記載の方法。
  15. 前記HSP27の阻害剤が、HSP27発現を阻害するsiRNAまたはmiRNAである、請求項6記載の方法。
  16. 前記HSP20の調節剤が、HSP20発現を増強する抗miRNAである、請求項6記載の方法。
  17. 前記MAPKAPキナーゼ2の阻害剤がペプチド阻害剤である、請求項6記載の方法。
  18. 前記外植片が非アルコール基剤のマーカーによってマークされる、請求項1記載の方法。
  19. 前記P2X7受容体アンタゴニストが、エリオグラウシン/青色色素#1またはブリリアントブルーGである、請求項18記載の方法。
  20. 安定化段階(b)の前では生存可能でなかった静脈外植片の機能的生存能を回復させる、請求項19記載の方法。
  21. 安定化された静脈外植片が、インビトロでKClによって収縮させた場合に、対照血管より大きい収縮力を生じることができるとしてさらに特徴付けされる、請求項1記載の方法。
  22. 安定化された静脈外植片が、拡張させた場合に200 mm Hg未満の内部フラッシング圧に耐えることができるとしてさらに特徴付けされる、請求項1記載の方法。
  23. 安定化された静脈外植片の管腔が、200 mm Hg未満のフラッシング圧で緩衝溶液によって洗い流される、請求項22記載の方法。
  24. (a)P2X7受容体アンタゴニストを含む組織マーキングペン;および
    (b)ペンを作製するための生理的緩衝溶液または試薬、
    を含む静脈移植キット。
  25. 静脈外植片を浸すために適した容器をさらに含む、請求項24記載のキット。
  26. ヘパリン、抗収縮剤、抗酸化剤、オリゴ糖、コロイド剤、抗炎症剤、内皮機能保護剤、代謝調節剤、ハイドロゲル、熱ショックタンパク質の阻害剤、硫酸マグネシウム、および/またはMAPKAPキナーゼ2の阻害剤の1つまたは複数をさらに含む、請求項24記載のキット。
  27. 前記緩衝溶液が、リン酸緩衝生理食塩水、MOPS、ヘペス、ピペス、酢酸塩、またはプラズマライトを含む、請求項24記載のキット。
  28. 前記緩衝溶液がpH 7.0〜7.6である、請求項24記載のキット。
  29. P2X7受容体アンタゴニストがエリオグラウシン/青色色素#1、またはブリリアントブルーGを含む、請求項24記載のキット。
  30. 静脈外植片の管腔を洗い流すための、静脈外植片内部の200 mm Hgより大きいフラッシング圧を防止するように設計された装置をさらに含む、請求項24記載のキット。
  31. 静脈外植片の管腔を洗い流すための装置が、静脈外植片内部の150 mm Hgより大きいフラッシング圧を防止するように設計されている、請求項30記載のキット。
  32. 前記装置が、シリンジおよび/またはカテーテル、およびポップオフバルブを含む、請求項30記載のキット。
  33. 前記シリンジまたはカテーテルが、静脈外植片の近位末端に導入するための、管腔を含む弾丸状の先端を含む、請求項32記載のキット。
  34. 静脈外植片を保持するように設計されたクランプをさらに含む、請求項24記載のキット。
  35. 静脈外植片内部の200 mm Hgより大きいフラッシング圧を防止するように設計されている、静脈外植片の管腔を洗い流すための装置。
  36. シリンジおよび/またはカテーテル、およびポップオフバルブを含む、請求項35記載の装置。
  37. 前記シリンジまたはカテーテルが、静脈外植片の遠位末端に導入するための、管腔を含む弾丸状の先端を含む、請求項36記載の装置。
  38. 静脈外植片の近位末端に導入するための、管腔の無い弾丸状のプラグをさらに含む、請求項36記載の装置。
  39. 静脈外植片を保持するように設計されたクランプをさらに含む、請求項35記載の装置。
  40. 静脈外植片内部の150 mm Hgより大きいフラッシング圧を防止するように設計されている、請求項35記載の装置。
  41. ヘパリンおよびP2X7受容体アンタゴニストを含む、pH 7.0〜7.6の緩衝溶液。
  42. 前記P2X7受容体アンタゴニストが、エリオグラウシン/青色色素#1、またはブリリアントブルーGを含む、請求項41記載の溶液。
  43. 前記緩衝溶液が、リン酸緩衝生理食塩水、MOPS、ヘペス、ピペス、酢酸塩、またはプラズマライトを含む、請求項41記載の溶液。
  44. 前記緩衝溶液が、抗収縮剤、抗酸化剤、オリゴ糖、コロイド剤、抗炎症剤、内皮機能保護剤、代謝調節剤、ハイドロゲル、熱ショックタンパク質27(HSP27)の阻害剤、HSP20の調節剤、および/またはMAPKAPキナーゼ2の阻害剤の1つまたは複数をさらに含む、請求項41記載の溶液。
  45. 前記抗収縮剤が、ホスホジエステラーゼ阻害剤、カルシウムチャンネル遮断薬、酸化窒素ドナー、または環状ヌクレオチドアナログである、請求項44記載の溶液。
  46. 前記抗酸化剤が、N-アセチルシステイン、アロプリノール、グルタチオン、マンニトール、アスコルビン酸、トコフェロール、トコトリエノール、または緑茶フェノールである、請求項44記載の溶液。
  47. 前記オリゴ糖が、ラクトビオン酸、ラフィノース、またはトレハロースである、請求項44記載の溶液。
  48. 前記コロイド剤が、ヒドロキシエチルデンプン、デキストラン、血液、またはアルブミンである、請求項44記載の溶液。
  49. 前記抗炎症剤が、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症剤、mapkapキナーゼ2阻害剤、抗TNF-α、抗IL-1β、またはCox-2阻害剤である、請求項44記載の溶液。
  50. 前記内皮機能保護剤が、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシン受容体阻害剤、スタチン、メトホルミン、またはエストロゲンである、請求項44記載の溶液。
  51. 前記代謝調節剤が、グルコース、アデノシン、アミリン、カルシトニン関連遺伝子ペプチド、またはインスリンである、請求項44記載の溶液。
  52. 前記ハイドロゲルが、アルギネート、デキストラン、キトサン、およびグリコサミノグリカンなどの天然の多糖類、またはポリエチレングリコール、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリヒドロキシブテレート、またはポリ(n-イソプロピルアクリルアミド)などの親水性ポリマーから構成される、請求項44記載の溶液。
  53. 前記HSP27の阻害剤が、HSP27発現を阻害するsiRNAまたはmiRNAである、請求項44記載の溶液。
  54. 前記HSP20の調節剤が、HSP20発現を増強する抗miRNAである、請求項44記載の溶液。
  55. 前記MAPKAPキナーゼ2の阻害剤がペプチド阻害剤である、請求項44記載の溶液。
  56. pHが7.35〜7.45である、請求項41記載の溶液。
  57. pHが7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、または7.6である、請求項41記載の溶液。
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