JP2013512561A - 多結晶シリコン形成装置及びその方法 - Google Patents

多結晶シリコン形成装置及びその方法 Download PDF

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Abstract

【課題】工程の生産性を向上させることができる多結晶シリコン形成装置を開示する。
【解決手段】本発明に係る装置は、基板上に形成した非晶質シリコンを熱処理して多結晶シリコンを形成する装置であって、非晶質シリコンを予熱する予熱部200と、予熱部200で予熱された非晶質シリコンを結晶化熱処理する熱処理部300とを備えていることを特徴とする。予熱部200での基板の予熱は、基板が基板ホルダから離間した状態で行われ、熱処理部300での基板の熱処理は、基板が基板ホルダ上に載置した状態で行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、多結晶シリコン形成装置に関し、より詳細には、基板上に形成した非晶質シリコンを熱処理する工程の時間を短縮することにより、生産性を向上させることができる多結晶シリコン形成装置に関する。
TFT(Thin Film Transistor)は、大別して、非晶質シリコンTFTと、多結晶シリコンTFTとに分けられる。TFTの特性は、電子移動度の値で評価するが、非晶質シリコンTFTの電子移動度は略1cm/Vであり、多結晶シリコンTFTの電子移動度は略100cm/V程度である。したがって、高性能の平板ディスプレイを製造するためには、多結晶シリコンTFTを採用することが好ましい。多結晶シリコンTFTは、ガラスまたは石英などの透明基板に非晶質シリコンを蒸着し、多結晶化させた後、ゲート酸化膜及びゲート電極を形成し、ソース及びドレインにドーパントを注入した後、絶縁層を形成して構成される。
多結晶シリコンTFTの製造時において大事なのは、非晶質シリコン薄膜を多結晶化させる工程である。特に、結晶化温度を下げることが好ましいが、結晶化温度が高すぎると、TFTの製造時に融点の低いガラス基板を使用できないことから、TFT製造コストが高くなるという問題があった。最近では、このガラス基板使用の可能性を考慮し、低温で早い時間内に多結晶シリコン薄膜を形成する多様な工程が提案されている。
このうち、金属誘導結晶化(Metal Induced Crystallization:MIC)法または金属誘導側面結晶化(Metal Induced Lateral Crystallization:MILC)法は、Ni、Cu、Alなどの金属触媒を用いて非晶質シリコンの結晶化を誘導する方法であって、低温結晶化が可能という利点により、LCDなどによく用いられている。
金属誘導結晶化法または金属誘導側面結晶化法は、大別して、金属触媒を塗布する工程と、金属触媒が塗布された非晶質シリコンを結晶化熱処理する工程とに分けられる。これら2つの工程の間には工程時間において差があるが、一般的に熱処理工程にかかる時間がより長い。特に、金属誘導結晶化法または金属誘導側面結晶化法は、基本的に、金属汚染によるリーク電流の問題を抱えており、金属触媒の塗布量をできる限り小さく抑える必要があるため、結晶化熱処理時間がより長くなる。これら2つの工程の工程時間の差は、生産性の観点からして好適でない結果をもたらす。つまり、結晶化熱処理工程の相対的に長い工程時間により、全体的なLCDの製造にかかる時間が長くなることによって処理量(throughput)が低下するという問題があった。
金属触媒の塗布は、主に、スパッタリング法またはPECVD法を利用して常温〜200℃の温度範囲内で行われる。その後の非晶質シリコンの結晶化熱処理は、主に、熱処理炉を用い、600℃〜800℃の温度範囲内で行われる。このように、2つの工程の工程温度の差も大きいことから、急激な温度変化によりLCD用ガラス基板が熱衝撃(thermal shock)を受けて損傷したり変形するという問題があった。特に、金属触媒によるリーク電流の量を抑えるために金属触媒を少なく塗布する場合、相対的に高い温度まで加熱しなければならず、両工程の工程温度の差はさらに拡大し得るため、ガラス基板の損傷または変形はさらに深刻になり得る。
そこで、本発明の目的は、非晶質シリコンを結晶化熱処理する工程の時間を短縮することにより、結晶化工程の生産性を向上させることができる多結晶シリコン形成装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、非晶質シリコンが形成された基板を予熱(pre-heating)し、急激な温度変化によるガラス基板の損傷または変形を最小限に抑えることができる多結晶シリコン形成装置を提供することである。
さらに、本発明のさらに他の目的は、基板ホルダの使用が欠かせない熱処理工程にのみ基板ホルダを用いることにより、工程の効率性を向上させることができる多結晶シリコン形成装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明に係る多結晶シリコン形成装置は、基板上に形成した非晶質シリコンを熱処理して多結晶シリコンを形成する装置であって、前記非晶質シリコンを予熱する予熱部と、前記予熱部で予熱された前記非晶質シリコンを結晶化熱処理する熱処理部とを備えることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る多結晶シリコン形成方法は、基板上に形成した非晶質シリコンを熱処理して多結晶シリコンを形成する方法であって、前記非晶質シリコンを予熱するステップと、前記予熱された前記非晶質シリコンを結晶化熱処理するステップとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、非晶質シリコンを結晶化させて多結晶シリコンを形成する工程の生産性を向上させることができる。
また、本発明によれば、非晶質シリコンが形成された基板を予熱することにより、急激な温度変化によるガラス基板の損傷または変形を最小限に抑えることができる。
さらに、本発明によれば、基板ホルダの使用が欠かせない熱処理工程においてのみ基板ホルダを使用することにより、工程の効率性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る多結晶シリコン形成装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る予熱部の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る熱処理部の構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る予熱及び熱処理工程を示す図である。 本発明の一実施形態に係る複数の熱処理部からなる熱処理部群を示す図である。 本発明の一実施形態に係る複数の熱処理部からなる熱処理部群の熱処理工程を示す図である。 本発明の一実施形態に係る複数の蒸着工程部を備える多結晶シリコン形成装置の構成を示す図である。
後述する本発明に関する詳細な説明は、本発明が実施可能な特定の実施形態を例示する添付図面を参照して説明する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できる程度に十分に詳細に説明される。本発明の多様な実施形態は互いに異なるが、相互排他的である必要はないことが理解されなければならない。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施形態に関して本発明の精神及び範囲を逸脱しない範囲内で他の実施形態で実現可能である。また、各々の開示された実施形態における個別構成要素の位置または配置は、本発明の精神及び範囲を逸脱しない範囲内で変更できることが理解されなければならない。
したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味として受け止めるべきではなく、本発明の範囲は、適切に説明された場合、その請求項が主張するのと均等なすべての範囲とともに、添付した請求項によってのみ限定される。
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の好ましい実施形態について、添付した図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明は、非晶質シリコンを熱処理して多結晶シリコンを形成するための装置及び方法に関するものであって、金属誘導結晶化法、金属誘導側面結晶化法、固相反応法などによる多結晶シリコンの製造時にすべて適用可能である。ただし、以下では、金属誘導結晶化法または金属誘導側面結晶化法を挙げて説明する。
また、本発明は、非晶質シリコンを熱処理して多結晶シリコンを形成するための装置及び方法に関するものであって、熱処理対象は、基板上に形成した非晶質シリコンになるが、以下では、技術上の便宜のために、基板上に形成した非晶質シリコンを予熱または熱処理することを、「基板の予熱」あるいは「熱処理」と表現することとする。このため、以下の、基板の予熱または熱処理に関する説明においては、場合によって、基板上に形成した非晶質シリコンの予熱または熱処理という意味としても受け取ることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る多結晶シリコン形成装置100の構成を示す図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る多結晶シリコン形成装置100は、予熱部200と、第1の移送部300と、熱処理部400とを備えて構成される。
本発明は、基板10の熱処理に先立ち、基板10を所定の温度まで予熱することを特徴的な構成とする。これは、基板10の熱処理時間を短縮することにより結晶化工程の生産性を向上させ、かつ急激な温度変化による基板10の変形を防止するためである。このため、本発明の一実施形態に係る多結晶シリコン形成装置100は、基板10を所定の温度まで予熱する予熱部200を備えて構成される。このとき、予熱温度は約350℃〜500℃、予熱時間は約1分〜1時間であることが好ましい。
図2は、本発明の一実施形態に係る予熱部200の構成を示す図である。
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る予熱部200は、予熱チャンバ210と、予熱ヒータ220と、予熱ガス供給部230と、予熱基板搬入部240と、予熱基板搬出部250と、基板支持ピン260と、基板ホルダ支持ピン270とを含む。
予熱チャンバ210は、予熱工程の間、予熱部200の内部空間が実質的に密閉されるように構成され、基板10を予熱するための空間を提供する機能を果たすことができる。この予熱チャンバ210は、最適な工程条件を維持するように構成され、形状は四角形状または円形状に製造され得る。予熱チャンバ210の材質は、特に限定はなく、石英ガラスまたは通常のSUSなどが使用可能である。
予熱ヒータ220は、予熱チャンバ210の内部または外部に設けられ、基板10を、所定の温度で、好ましくは350℃〜500℃の温度で予熱する機能を果たすことができる。この予熱ヒータ220の種類は、特に限定はなく、基板10を予熱することができるもの(例えば、熱線の材質がタングステンであるハロゲンランプまたは通常のカンタル(kanthal)ヒータ)であれば、本発明の予熱ヒータ220として使用可能である。
予熱ガス供給部230は、予熱工程に必要なガスを供給する機能を果たすことができる。前記ガスとしては、Ar、Ne、He、Nなどの不活性ガスであり得る。また、予熱部200は、別のガス排気手段(図示せず)を介して予熱工程中に真空雰囲気を維持することもできる。
予熱基板搬入部240は、基板10を搬入するための通路としての機能を果たすことができる。基板10の搬入は、後述する第1の移送部300によって行うことができる。また、予熱基板搬入部240は、後述する予熱基板搬出部250と互いに対称となる構造を有することが好ましい。
予熱基板搬出部250は、予熱された基板10を搬出するための通路としての機能を果たすことができる。このとき、後述するように、基板10は、基板ホルダ500上に載置された状態で第1の移送部300によって搬出される。
基板支持ピン260は、予熱チャンバ210の内部に設けられ、基板10を支持する機能を果たすことができる。基板支持ピン260は、基板10をより安定的に支持するために、4個以上設けられることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。
基板ホルダ支持ピン270は、予熱チャンバ210の内部に設けられ、基板ホルダ500を支持する機能を果たすことができる。基板ホルダ支持ピン270は、基板ホルダ500をより安定的に支持するために、基板支持ピン260と同様に4個以上設けられることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。
基板支持ピン260及び基板ホルダ支持ピン270は、後述する第1の移送部300及び第2の移送部120の移送作業を妨げないように設けられることが好ましい。例えば、第1の移送部300及び第2の移送部120が基板支持ピン260の間で円滑に動けるように、基板支持ピン260は、基板10の縁部付近を支持するように設置され得る。
基板ホルダ500には、基板支持ピン260を貫通させることができるように、基板支持ピン260の数と同数の貫通孔(図示せず)が形成され得る。この場合、基板ホルダ500の面積は、熱処理対象である基板10の面積よりも大きくすることが好ましく、このようにすると、基板10を基板ホルダ500上により容易に載置することができる。
なお、図2の予熱部200は、一度に1枚の基板10を処理する枚葉型になっているが、必ずしもこれに限定されず、複数枚の基板10を同時に処理可能なバッチ型に構成することもできる。
また、基板10は、ガラスや石英などの透明基板10であることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。例えば、半導体素子製造工程に用いられる場合、基板10は、シリコンウエハなどの半導体ウエハであり得る。
第1の移送部300は、予熱部200で予熱された基板10を熱処理部400へ移送する機能を果たすことができる。第1の移送部300は、上下及び左右の方向に移動可能なロボットアームを備えて構成されることにより、移送作業を円滑に行うことができる。このため、公知の基板搬送用ロボットアームの構成原理を第1の移送部300に採用可能である。
熱処理部400は、第1の移送部300によって移送された基板10上に形成されている非晶質シリコンを結晶化熱処理する機能を果たすことができる。このとき、熱処理温度は、多結晶シリコンを円滑に形成することができる550℃〜800℃の温度範囲であることが好ましい。また、熱処理時間は約5分〜10時間であることが好ましい。
図3は、本発明の一実施形態に係る熱処理部400の構成を示す図である。
図3に示すように、本発明の一実施形態に係る熱処理部400は、熱処理チャンバ410と、熱処理ヒータ420と、熱処理ガス供給部430と、熱処理基板搬入部440と、熱処理基板搬出部450とを含む。予熱部200よりも高い温度で熱処理するという点を除けば、予熱部200の対応する構成要素と同じ機能、形状、構造、特性を有するので、これ以上の詳細な説明は省略する。
なお、図3の熱処理部400は、一度に1枚の基板10を処理する枚葉型になっているが、必ずしもこれに限定されず、複数枚の基板10を同時に処理可能なバッチ型に構成することもできる。
本発明の一実施形態によれば、予熱された基板10を熱処理部400へ移送する前に、熱処理部400を予熱部200の予熱温度と同じ温度に予め加熱しておく。例えば、予熱部200で基板10を450℃の温度で予熱した場合、第1の移送部300によって基板10を熱処理部400へ移送する前に、熱処理部400を450℃の温度に予め加熱しておく。これは、熱処理部400における急激な温度変化によって基板10が損傷または変形するのを防止するためである。また、基板10が損傷または変形するのを防止するために、熱処理部400で熱処理された基板10は、予熱温度(例えば、450℃)まで冷却してから搬出され得る。熱処理部400から搬出された基板10は、大気中に放置されて常温まで冷却されるか、または、別個に設けられた基板冷却システム(図示せず)によって常温まで冷却され得る。
また、本発明の一実施形態によれば、基板10を基板ホルダ500上に載置した状態で該基板10を熱処理することができる。これは、熱処理工程中に発生し得る基板10の変形などを防止するためである。基板ホルダ500の材質を石英で構成することにより、継続的な熱処理工程においても変形の発生を防止することができる。
つまり、本発明では、基板10を予熱部200において基板ホルダ500から離間させた状態で予熱した後、予熱された基板10を熱処理部400において基板ホルダ500上に載置した状態で熱処理することができる。予熱工程や予熱工程前に実施可能な蒸着工程(例えば、プラズマ化学気相蒸着工程)などの低温工程では基板ホルダ500は使用せず、基板ホルダ500の使用が欠かせない熱処理工程においてのみ基板ホルダ500を使用するようにすることにより、工程の効率性を向上させることができる。
図4(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る予熱及び熱処理工程を概略的に示す図である。
まず、図4には示していないが、後述する蒸着工程部130において、基板ホルダ500によって支持されていない基板10上に任意の物質(例えば、ニッケル)を蒸着させる工程が行われる。
次に、図4(a)に示すように、蒸着工程の完了した基板10が予熱部200に搬入され、基板支持ピン260によって支持される。このとき、基板ホルダ500は基板ホルダ支持ピン270によって支持される。基板ホルダ500には基板支持ピン260を貫通させることができるように貫通孔が形成されている。予熱部200において基板10の予熱が完了すると、第1の移送部300のロボットアームが基板ホルダ500の下側に移動し、基板ホルダ500を基板支持ピン260の高さよりも高い位置まで持ち上げる。このことにより、第1の移送部300上に基板ホルダ500及び基板10が載置される。
次に、図4(b)に示すように、基板ホルダ500及び基板10は、第1の移送部300によって予熱部200から搬出される。
そして、図4(c)に示すように、予熱部200から搬出された基板10は、第1の移送部300によって、基板ホルダ500上に載置された状態で熱処理部400へ搬入され、基板ホルダ500上に載置された状態で熱処理される。
図5は、本発明の一実施形態に係る、複数の熱処理部660からなる熱処理部群600の構成を示す図である。
図5に示すように、本発明の一実施形態に係る熱処理部群600は、複数の熱処理部660から構成される。図5には熱処理部660の数が4個として示されているが、必ずしもこれに限定されず、生産性向上の面から4個以上と多様な変更が可能である。
熱処理部群600の各熱処理部660は、基板10を収容して熱処理工程を行うことができる。各熱処理部660は、熱処理チャンバ610と、熱処理ヒータ620と、熱処理ガス供給部630と、熱処理基板搬入部640と、熱処理基板搬出部650とを含む。
熱処理チャンバ610、熱処理ヒータ620、熱処理ガス供給部630、熱処理基板搬入部640、熱処理基板搬出部650の機能、形状、構造などは、図3の熱処理部400の内容と基本的に同一であるので、重複する説明は省略する。
熱処理ヒータ620は、熱処理チャンバ610の内部または外部に設置され、基板10を結晶化熱処理する機能を果たすことができる。図5に示すように、熱処理ヒータ620を基板10の上下両側に配置し、基板10の熱処理が円滑に行われるようにすることが好ましい。このとき、各熱処理部660に搬入された基板10を互いに独立して熱処理することができるように、熱処理ヒータ620は、熱処理部660ごとに互いに独立して作動することが好ましい。
熱処理ガス供給部630は、熱処理工程に必要なガスを熱処理チャンバ610に供給する機能を果たすことができる。このとき、各熱処理部660に搬入された基板10を互いに独立して熱処理することができるように、熱処理ガス供給部630は、熱処理部660ごとに互いに独立して作動することが好ましい。
図6(a)〜(b)は、本発明の一実施形態に係る、複数の熱処理部660からなる熱処理部群600の熱処理工程を示す図である。
図6(a)に示すように、予熱部200で予熱された第1基板10aは、第1の基板ホルダ500a上に載置され、第1の移送部300によって第1の熱処理チャンバ610aに搬入され、そして、第1の熱処理ヒータ620aによって熱処理される。その後、図6(b)に示すように、予熱部200で予熱された第2の基板10bは、第2の基板ホルダ500b上に載置され、第1の移送部300によって第2の熱処理チャンバ610bに搬入され、そして、第2の熱処理ヒータ620bによって熱処理される。以降、各熱処理部660において上記の工程が繰り返される。このことにより、所定の時間間隔をおいて順次、各熱処理チャンバ610へ基板10が独立的に搬入され、独立的に熱処理される。
全体の熱処理工程中において、基板10を予熱する時間よりも予熱された基板10を熱処理する時間がより長くなることがある。このような時間差が生じると、1枚の基板10の熱処理工程が完了するまで予熱工程を中断する必要があるため、生産性が低下する。しかし、本実施形態に係る熱処理部群600は、複数枚の基板10を互いに独立して熱処理することができる複数の熱処理部660から構成されているので予熱工程を中断する必要がなく、生産性をさらに向上させることができるという利点がある。
図7は、本発明の一実施形態に係る複数の蒸着工程部130を備える多結晶シリコン形成装置100の構成を示す図である。
図7に示すように、本発明の一実施形態に係る多結晶シリコン形成装置100は、基板搬入部110と、第2の移送部120と、複数の蒸着工程部130と、予熱部200と、第1の移送部300と、熱処理部群600とを備えて構成される。
予熱部200、第1の移送部300及び熱処理部群600の機能、形状、構造などは、上述した実施形態の内容と基本的に同一であるので、重複する説明は省略する。
基板搬入部110は、蒸着物質が蒸着されていない純粋な基板10が搬入される入口としての機能を果たすことができる。基板搬入部110に搬入された基板10は、後述する第2の移送部120によって各蒸着工程部130へ移送可能である。
第2の移送部120は、複数の蒸着工程部130及び予熱部200と隣接した場所に配置され(例えば、図7に示すように、六角形に配置された複数の蒸着工程部130の中央に配置される)、基板10を複数の蒸着工程部130または予熱部200へ移送する機能を果たすことができる。このため、第2の移送部120は、上下及び左右の方向に移動可能なロボットアームを備えて構成される。
複数の蒸着工程部130の各々は、基板10上に任意の物質を蒸着させる機能を果たすことができる。ここで、前記任意の物質は、金属、絶縁体などをすべて含むことができ、本発明の一実施形態に係る多結晶シリコン形成装置100が金属誘導結晶化法を用いて多結晶シリコンを形成する場合、前記任意の物質は金属であり得、特にニッケル(Ni)であることが好ましい。各蒸着工程部130は、熱蒸着部、電子ビーム蒸着部、スパッタリング部、プラズマ化学気相蒸着部、低圧化学気相蒸着部または単位原子層蒸着部から選択され得る。図7に示すように、複数の蒸着工程部130は、それらの中央に第2の移送部120を配置することが可能な形態で配置されることが好ましい。
以下では、図7を参照して本発明の一実施形態に係る複数の蒸着工程部130を備える多結晶シリコン形成装置100の動作工程について例示的に説明する。
まず、純粋なガラス基板10が基板搬入部110に搬入されると、第2の移送部120によって基板搬入部110から基板10を取り出して第1の蒸着工程部Bへ移送する。第1の蒸着工程部Bにおいて基板10上に非晶質シリコンを蒸着させる工程が完了すると、第2の移送部120によって第1の蒸着工程部Bから基板10を取り出して第2の蒸着工程部Cへ移送する。第2の蒸着工程部Cにおいて基板10上にニッケルを蒸着させる工程が完了すると、第2の移送部120によって第2の蒸着工程部Cから基板10を取り出して予熱部200へ移送する。予熱部200に搬入された基板10は予熱部200で予熱処理された後、第1の移送部300によって熱処理部群600の熱処理部660へ移送される。
ここで、第2の移送部120によって第1の蒸着工程部Bから基板10を取り出して第2の蒸着工程部Cへ移送するとき、他のガラス基板10が基板搬入部110に搬入され、基板搬入部110から空いている第1の蒸着工程部Bに搬入され、その後、上記と同様の蒸着及び予熱工程が行われる。予熱された基板10は、熱処理部群600の空いている熱処理部660に移送されて熱処理される。したがって、蒸着工程部130、予熱部200及び熱処理部660の各工程が中断することがないように全体の工程フローを調整することにより、工程の生産性の向上を図ることができる。
また、上の実施形態では、第1の蒸着工程部B及び第2の蒸着工程部C以外の残りの蒸着工程部130では、蒸着工程が行われないものとして説明されたが、残りの蒸着工程部130において他の物質の蒸着を連続的に行うことが可能なのはいうまでもない。
また、本発明の一実施形態に係る多結晶シリコン形成装置は、熱処理部群600で結晶化熱処理された多結晶シリコンを脱水素処理する脱水素処理部(図示せず)をさらに備えることができる。この脱水素処理工程は、多結晶シリコンの諸特性を向上させるための随意的な工程であって、600℃以下の温度で不活性雰囲気または真空雰囲気下で実施可能である。脱水素処理部の基本的な構成は、上述した予熱部200及び熱処理部群600と同一であるので、これに関する詳細な説明は省略する。
本発明は、上述のように好ましい実施形態を挙げて図示及び説明したが、上記の実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲内で当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形及び変更が可能である。そのような変形例及び変更例は、本発明と添付した特許請求の範囲内に属するとみなされなければならない。
10:基板
100:多結晶シリコン形成装置
110:基板搬入部
120:第2の移送部
130:蒸着工程部
200:予熱部
210:予熱チャンバ
220:予熱ヒータ
230:予熱ガス供給部
240:予熱基板搬入部
250:予熱基板搬出部
260:基板支持ピン
270:基板ホルダ支持ピン
300:第1の移送部
400、600:熱処理部
410、610:熱処理チャンバ
420、620:熱処理ヒータ
430、630:熱処理ガス供給部
440、640:熱処理基板搬入部
450、650:熱処理基板搬出部
500:基板ホルダ
660:熱処理部群

Claims (13)

  1. 基板上に形成した非晶質シリコンを熱処理して多結晶シリコンを形成する装置であって、
    前記非晶質シリコンを予熱する予熱部と、
    前記予熱部で予熱された前記非晶質シリコンを結晶化熱処理する熱処理部とを備えることを特徴とする装置。
  2. 前記基板を載置可能な基板ホルダをさらに備え、
    前記予熱部が、前記基板を支持するための基板支持ピンと、前記基板ホルダを支持するための基板ホルダ支持ピンとを含み、かつ
    前記基板ホルダが、前記基板支持ピンを貫通させるための貫通孔を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記予熱部における前記基板の予熱を、前記基板が前記基板ホルダから離間された状態で行うようにしたことを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 前記熱処理部が、互いに独立して作動可能な複数の熱処理部からなる熱処理部群として構成され、
    前記熱処理部群の各熱処理部において前記非晶質シリコンの結晶化熱処理を行うようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  5. 前記各熱処理部が、前記基板の上下両側に配置されたヒータを有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
  6. 前記熱処理部における前記基板の熱処理を、前記基板が前記基板ホルダ上に載置された状態で行うようにしたことを特徴とする請求項2に記載の装置。
  7. 前記予熱部から前記熱処理部へ前記基板を前記基板ホルダ上に載置した状態で移送する第1の移送部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の装置。
  8. 前記基板上に金属を蒸着させる工程を各々行う複数の蒸着工程部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
  9. 前記複数の蒸着工程部の各蒸着工程部が、熱蒸着部、電子ビーム蒸着部、スパッタリング部、プラズマ化学気相蒸着部、低圧化学気相蒸着部または単位原子層蒸着部から選択されることを特徴とする請求項8に記載の装置。
  10. 前記複数の蒸着工程部の任意の2つの蒸着工程部間の前記基板の移送、並びに、前記複数の蒸着工程部の任意の1つの蒸着工程部から前記予熱部への前記基板の移送を行うための第2の移送部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の装置。
  11. 前記熱処理部での結晶化熱処理により形成された多結晶シリコンを脱水素処理する脱水素処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  12. 基板上に形成した非晶質シリコンを熱処理して多結晶シリコンを形成する方法であって、
    前記非晶質シリコンを予熱するステップと、
    予熱された前記非晶質シリコンを結晶化熱処理するステップとを含むことを特徴とする方法。
  13. 前記基板を載置可能な基板ホルダが使用され、
    前記予熱ステップにおける前記基板の予熱を、前記基板が前記基板ホルダから離間された状態で行い、かつ
    前記熱処理ステップにおける前記基板の結晶化熱処理を、前記基板が前記基板ホルダ上に載置された状態で行うようにしたことを特徴とする請求項12に記載の方法。
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