JP2013512315A - 官能化ポリマーを製造するためのアニオン重合法 - Google Patents

官能化ポリマーを製造するためのアニオン重合法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013512315A
JP2013512315A JP2012541198A JP2012541198A JP2013512315A JP 2013512315 A JP2013512315 A JP 2013512315A JP 2012541198 A JP2012541198 A JP 2012541198A JP 2012541198 A JP2012541198 A JP 2012541198A JP 2013512315 A JP2013512315 A JP 2013512315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polymer
functional
initiator
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012541198A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5690836B2 (ja
Inventor
イー ホーガン テレンス
トールマン マリア
エル ハーゲンローザー ウィリアム
健二 中谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Publication of JP2013512315A publication Critical patent/JP2013512315A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5690836B2 publication Critical patent/JP5690836B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08CTREATMENT OR CHEMICAL MODIFICATION OF RUBBERS
    • C08C19/00Chemical modification of rubber
    • C08C19/30Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule
    • C08C19/42Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule reacting with metals or metal-containing groups
    • C08C19/44Addition of a reagent which reacts with a hetero atom or a group containing hetero atoms of the macromolecule reacting with metals or metal-containing groups of polymers containing metal atoms exclusively at one or both ends of the skeleton
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F12/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F12/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F12/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
    • C08F12/06Hydrocarbons
    • C08F12/08Styrene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/38Polymerisation using regulators, e.g. chain terminating agents, e.g. telomerisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F36/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds
    • C08F36/02Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
    • C08F36/04Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated

Abstract

官能基を含んだアニオン性開始剤を安定化モノマーと反応させ、安定化した開始剤を製造する工程と、安定化した開始剤を、アニオン重合させることのできるモノマーと反応させてポリマーを生成する工程と、ポリマーを終端させる工程とを含む、官能性ポリマーの製造方法。

Description

本願は、2009年11月25日出願の米国仮出願第61/264,279号の優先権を主張し、米国仮出願第61/264,279号は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の実施形態は、官能性開始剤に由来する官能性末端基を高い割合で有するポリマー組成物を製造するアニオン重合法を対象とする。
アニオン重合技術は、タイヤ製造において有用なポリマーを合成するために使用されてきた。これらの方法は、ポリマー鎖の末端への官能基の組み込みを有利に可能にする。これらの官能基は、タイヤの性能に有益な効果を有している。例えば、官能基と充填剤との相互作用は、低減したヒステリシスロスを示すタイヤトレッドの製造を可能にした。
これらのポリマーを調製する場合、特定の開始剤が、ポリマーの頭部(head)(即ち、開始剤残基が残っているポリマーの末端)に官能基を付与することができる。停止剤もまた、アニオン重合したポリマーの末尾(tail end)(即ち、最後のモノマー単位がポリマーに付加される場所に最も近い末端に近い位置)に官能基を付与するために使用されてきた。
官能化ポリマーが要求される場合、高い割合のポリマー分子が望ましい官能基を含む、ポリマー組成物を調製することが有利である。官能基が停止剤から得られる場合、律速因子は、活性(即ち、反応性)鎖末端、及び/又は、停止剤と活性ポリマーとの反応効率を維持する能力であり得る。官能基が開始剤から得られる場合、律速因子は、多くの場合、ポリマーが頭部基を保持する能力である。言い換えれば、官能性開始剤はリビングポリマーを増殖させ得るが、特に、商業用アニオン重合プロセスの多くに典型的な、より高温の重合温度(例えば、100℃超)においては、頭部基(即ち、ポリマーの頭部に位置する官能基)がポリマー鎖から開裂することがある。例えば、官能性頭部基を有するポリジエニルポリマーは、下記式:
[式中、αは官能基であり、H’はアリル水素である]により表すことができる。アリル水素は、ポリマーアニオンによって置き換えられてもよく、この置き換えが、ポリマー鎖から官能基(α)を開裂させる逆マイケル付加反応もたらす可能性があると考えられている。マー(mer)単位のベンジル水素が置き換えられ、且つ、ポリマー鎖から官能基(α)を開裂させる反応をもたらす可能性があるため、スチレンから得られるマー単位が官能基(α)に隣接する場合には、同じシーケンスが生じ得る。
例えば、米国特許第7,153,919号は、ジチアン等のリチオ化チオアセタールを用いて共役ジエンの(任意にスチレンとの)重合を開始することにより頭部官能化ポリマーを形成することを教示している。頭部基は、望ましい充填剤及び/又はポリマー相互作用を示し、それによって有利に低いヒステリシスロスをタイヤトレッドに提供するため、これらの官能性ポリマーがタイヤトレッドの製造において技術的に有用であることがわかっている。これらの開始剤は、官能性頭部基に対する収率が高いポリマーを調製するのに使用されていたが、重合温度は比較的低く維持されていた。工業的な実施に望ましいか又は必要な、より高い重合温度が維持される場合、頭部基の官能性の喪失が起こり得る。
官能性頭部基の割合がより高いポリマー組成物は有利であるため、先行技術の課題を解消する要求がある。
本発明の実施形態は、官能性ポリマーの製造方法を提供し、この製造方法は、官能基を含んだアニオン性開始剤を安定化モノマーと反応させて、安定化した開始剤を生成する工程と、安定化した開始剤を、アニオン重合させることのできるモノマーと反応させてポリマーを生成する工程と、ポリマーを終端させる工程とを含む。
本発明の更に別の実施形態は、下記式:
[式中、Rは1価の有機基を含む]により定義されるアニオン性開始剤を1,1−ジフェニルエチレンと反応させて安定化した開始剤を形成する工程と、安定化した開始剤をアニオン重合可能なモノマーと反応させる工程とを含む、官能性ポリマーを形成する方法を提供する。
本発明の更に別の実施形態は、下記式:
[式中、Rは1価の有機基を含む]により定義されるアニオン性開始剤を1,1−ジフェニルエチレンと反応させて安定化した開始剤を形成する工程と、安定化した開始剤をアニオン重合可能なモノマーと反応させる工程とを含む、官能性ポリマーを形成する方法を提供する。
本発明の更に別の実施形態は、下記式:
[式中、αは官能性頭部基であり、δは安定化マー単位であり、xは1〜5の整数であり、πはアニオン重合したポリマー鎖であり、ωはプロトン、官能基又は1以上の追加のポリマー鎖につながれたカップリング部分を含んだ末端単位である]により定義されるポリマーを提供する。
本発明の更に別の実施形態は、下記式:
[式中、αは官能性頭部基であり、δは安定化マー単位であり、xは1〜5の整数であり、πはアニオン重合したポリマー鎖であり、ωはプロトン、官能基又は1以上の追加のポリマー鎖につながれたカップリング部分を含んだ末端単位である]により定義されるポリマーの加硫残留物を含んだタイヤ構成部品を提供する。
本明細書の実施例の項で説明した試料について、発熱後の時間の関数として観察されたカップリング量のグラフ表示である。
本発明の1以上の実施形態は、官能性頭部基を含んだポリマー分子をより高い割合で有するポリマー組成物は、1以上の安定化マー単位を頭部基に隣接する位置に組み込むことにより得ることができるという発見に、少なくとも部分的に基づいている。特定の理論によって限定されないが、リビングポリマーは、官能性頭部基の近くの水素原子と反応し、生じたアニオンが、ポリマー鎖から頭部基を開裂させる逆マイケル付加反応を起こすと考えられている。この望ましくない副反応は、望ましくないカップリング及び時期尚早なポリマー終端にもつながり、ポリマーを末端官能化する能力を阻害する。本発明の1以上の実施形態の実施は、頭部基又はその近傍でのアニオンの作用(attack)を低減し、それによって、頭部基の望ましくない損失、望ましくないカップリング及び活性末端の望ましくない損失を低減すると考えられている。有利には、本発明の実施は、より高い、工業的に一般的な重合温度においてさえ、官能性頭部基を高い割合で有するアニオン重合したポリマーの製造を可能にする。
従って、本発明の1以上の実施形態は、官能性開始剤が安定化モノマーと反応し、共役ジエン及び/又はビニル芳香族モノマーの重合を更に開始することのできる中間体有機金属化合物を生成する重合法を対象とする。当該方法は、官能性頭部基を有するポリマーを先行技術で実現されていたよりも高い割合で有するポリマー組成物を有利に提供する。
1以上の実施形態において、本発明の1以上の実施形態の方法によって調製されたポリマー分子は、下記式:
[式中、αは官能性頭部基であり、δは安定化マー単位であり、xは1〜5の整数であり、πはアニオン重合したポリマー鎖であり、ωはプロトン、官能基又は1以上の追加のポリマー鎖につながれたカップリング部分を含んだ末端単位である]によって定義されてもよい。
1以上の実施形態において、頭部基(α)は、官能性開始剤の残基であり、従って、1以上の官能性置換基を含んでいる。1以上の実施形態において、これらの官能性置換基は、1以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。典型的なヘテロ原子としては、ケイ素、硫黄、窒素、酸素、スズ、リン及びホウ素が挙げられる。1以上の実施形態において、官能性置換基には、官能基を含まない同様のポリマーから調製された同様のカーボンブラック充填加硫物と比較して、官能基を含んだポリマーから調製されたカーボンブラック充填加硫物の50℃でのヒステリシスロスを低減する基が含まれる。ヒステリシスロスにおけるこの有利な低減は、少なくとも5%であり、別の実施形態では、少なくとも10%であり、他の実施形態では、少なくとも15%であってよい。一実施形態において、50℃でのヒステリシスロスにおけるこの低減は、カーボンブラック充填加硫物内で生じ、他の実施形態では、当該低減は、シリカ充填加硫物内で生じ、別の実施形態では、当該低減は、シリカとカーボンブラックとの混合物を充填剤として含んだ加硫物内で生じる。
安定化マー単位(δ)は、安定化モノマーから得られる。1以上の実施形態において、安定化マー単位は、モノマーのアニオン重合から生じるカルバニオンと反応しやすい水素原子を持たない。1以上の実施形態において、これらの水素原子には、pKaが30未満、他の実施形態では28未満、別の実施形態では25未満のものが含まれる。
1以上の実施形態において、xは1〜4の整数、他の実施形態において、xは1〜3の整数、別の実施形態において、xは1〜2の整数、別の実施形態において、xは1である。
1以上の実施形態において、ポリマー鎖(π)は、不飽和を含んでいる。これら又は他の実施形態において、ポリマー鎖は加硫可能である。1以上の実施形態において、ポリマー鎖(π)は、0℃未満、他の実施形態では−20℃未満、別の実施形態では−30℃未満のガラス転移温度(Tg)を有していてもよい。一実施形態において、ポリマーは、単一のガラス転移温度を示してもよい。
1以上の実施形態において、ポリマー鎖(π)は、中又は低シスポリジエン(若しくはポリジエンコポリマー)である。これらのポリジエンは、シス含有量が、約10〜60%、他の実施形態において、約15〜55%、別の実施形態において、約20〜約50%であってよく、ここで、割合は、ジエンマー単位の総数に対するシス配置のジエンマー単位の数に基づく。これらのポリジエンはまた、1,2−結合含有量(即ち、ビニル含有量)が、約10%〜約90%であり、他の実施形態では、約10%〜約60%であり、別の実施形態では、約15%〜約50%であり、別の実施形態では、約20%〜約45%であり、割合は、ジエンマー単位の総数に対するビニル配置のジエンマー単位の数に基づく。残りのジエン単位は、トランス−1,4−結合配置にあってよい。
特定の実施形態では、ポリマー鎖(π)は、ブタジエンと、スチレンと、任意にイソプレンとのコポリマーである。これらのコポリマーには、ランダムコポリマーが含まれてもよい。他の実施形態では、ポリマーは、ポリブタジエンと、ポリスチレンと、任意にポリイソプレンとのブロックコポリマーである。特定の実施形態において、ポリマーは、水素化されているか又は部分的に水素化されている。
1以上の実施形態では、ポリマー鎖(π)は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)、ポリ(スチレン−co−ブタジエン−co−イソプレン)、ポリ(イソプレン−co−スチレン)及びポリ(ブタジエン−co−イソプレン)からなる群より選択されるポリマーである。
1以上の実施形態において、ポリマー鎖(π)の数平均分子量(Mn)は、約1kg/モル〜約1,000kg/モル、他の実施形態では、約5kg/モル〜約1,000kg/モル、別の実施形態では、約50kg/モル〜約500kg/モル、別の実施形態では、約100kg/モル〜約300kg/モルであってよく、これは、ポリスチレン標準によって較正されたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及び対象とするポリマーのマーク−ホーウィンク(Mark-Houwink)定数を使用して決定される。ポリマー鎖の多分散性(M/M)は、約1.0〜約3.0、他の実施形態では、約1.1〜約2.0であってよい。
末端基(α)が官能基である実施形態において、当該基は、末端側終端基又は末端官能基と称されてもよく、当該基は、停止反応から得られると言われる。1以上の実施形態において、末端官能基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。1以上の実施形態において、末端官能基は、末端官能基を含まないポリマーを有する同様の加硫物と比較して、末端官能基を含んだ加硫物の50℃でのヒステリシスロスを低減する。1以上の実施形態では、ヒステリシスロスにおけるこの低減は、少なくとも5%、他の実施形態では、少なくとも10%、別の実施形態では、少なくとも15%である。一実施形態において、50℃でのヒステリシスロスにおけるこの低減は、カーボンブラック充填加硫物内で生じ、他の実施形態では、当該低減はシリカ充填加硫物内で生じ、別の実施形態では、当該低減はシリカとカーボンブラックとの混合物を充填剤として含んだ加硫物内で生じる。
1以上の実施形態では、末端官能基は、電子豊富種又は金属含有種を含んだ、ヘテロ原子含有置換基である。これら又は他の実施形態において、官能基は、ゴム若しくはゴム充填剤と反応又は相互作用し、或いは、そうでなければ、充填ゴム組成物又は加硫物に望ましい影響を与える。
これらの、末端基がカップリング部分(α)である実施形態において、末端基は、1以上のポリマー鎖につながっていてもよいカップリング部分を含んでおり、従って、式:−Z(π)[式中、Zは、スズ又はシリカ等のカップリング部分であり、πは、ポリマー鎖であり、yは、Zの価数よりも1小さい整数である]によって定義されてもよい。
上記の通り、本発明の方法は、官能性開始剤を安定化モノマーと反応させ、安定化した官能性開始剤を形成することを含み、次いで、当該分野において慣習的な方法で、安定化した官能性開始剤を使用して、アニオン重合可能なモノマーを重合する。重合は、リビングポリマーを生成し、リビングポリマーは、当該分野で既知の技術を使用して、プロトンによって失活され、末端官能化され、又はカップリングされ得る。
1以上の実施形態において、官能性開始剤は、当該分野において従来理解される方法で炭素原子に結合した金属原子を含む。1以上の実施形態において、炭素原子に結合した金属は、アルカリ又はアルカリ土類金属である。これらの金属の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム及びマグネシウムが挙げられる。
開始剤はまた、少なくとも1つの官能基又は置換基を含む。官能基に関する上記記載は、開始剤の記載に適用される。
1以上の実施形態において、有用な官能性開始剤には、安定化モノマー(例えば、1,1−ジフェニルエチレン)に添加することができるものが含まれる。当業者が理解する通り、官能性開始剤が安定化モノマーに付加する能力は、官能性開始剤の塩基性度と比較した、官能性開始剤安定化モノマー付加物(functional initiator-stabilized adduct)の塩基性度から決定され得る。言い換えれば、官能性開始剤安定化モノマー付加物の塩基性度が官能性開始剤よりもかなり低い場合、反応が進行し、安定化した開始剤を形成するであろう。官能性開始剤安定化モノマー付加物の塩基性が官能性開始剤よりもかなり高い場合、安定化した開始剤は形成されないであろう。1以上の実施形態では、付加物のpKaが、官能性開始剤のpKaよりも少なくとも2、他の実施形態では、少なくとも3、別の実施形態では、少なくとも5pKaポイント高い場合、付加物の塩基性は、当該開始剤よりもかなり高い。
1以上の実施形態において、官能性開始剤は、リチオ化ジチアン等のリチオ化されたチオアセタールである。リチオ化されたチオアセタールは、既知であり、米国特許第7,153,919号、第7,319,123号、第7,462,677号及び第7,612,144号に記載されるものを含み、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
1以上の実施形態において、本発明において使用されるチオアセタール開始剤は、下記式:
[式中、各々のRは独立して、水素又は1価の有機基を含み、Rは1価の有機基を含み、zは1〜約8の整数であり、ωは、硫黄、酸素又は第3級アミノ(Rが有機基であるNR)を含み、Mは金属である]により定義され得る。1以上の実施形態において、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム又はマグネシウムを含んでいてもよい。
1以上の実施形態において、官能性開始剤は、下記式:
[式中、Rは1価の有機基を含む]により定義されてもよい。
官能性開始剤の具体例としては、2−リチオ−2−フェニル−1,3−ジチアン、2−リチオ−2−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ジチアン、2−リチオ−2−(4−ジブチルアミノフェニル)−1,3−ジチアン、2−リチオ−[4−(4−メチルピペラジノ)]フェニル−1,3−ジチアン、2−リチオ−[2−(4−メチルピペラジノ)]フェニル−1,3−ジチアン、2−リチオ−[2−モルフォリノ]フェニル−1,3−ジチアン、2−リチオ−[4−モルフォリン−4−イル]フェニル−1,3−ジチアン、2−リチオ−[2−モルフォリン−4−イル−ピリジン−3]−1,3−ジチアン、2−リチオ−[6−モルフォリン−4−ピリジノ−3]−1,3−ジチアン、2−リチオ−[4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−7]−1,3−ジチアン及びこれらの混合物が挙げられる。
1以上の実施形態において、安定化モノマーには、アニオン性開始剤と反応し、これに付加し、安定化したアニオン重合開始剤を生成する分子が含まれ、即ち、これは、アニオン重合可能なモノマーの重合を開始することができる中間体分子を生成する。
1以上の実施形態において、安定化モノマーは、官能性開始剤との反応によって、単独重合できないか又は単独重合に対して低減した傾向を有する不飽和分子である。特定の実施形態では、3つ未満のモノマー、他の実施形態では、2つ未満のモノマー、別の実施形態では、ただ1つの安定化モノマーが、官能性開始剤分子と反応し、これに付加する。
1以上の実施形態において、安定化モノマーは、下記式:
[式中、Rは、ヒドロカルビル基であり、φは、アリール又は置換アリール基である]により表されてよい。1以上の実施形態において、ヒドロカルビル基としては、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、アラルキル、アルカリル及びアリル基が挙げられるが、これらに限られない。
特定の実施形態において、Rは、分子内で全体の立体障害に寄与するヒドロカルビル基である。1以上の実施形態において、全体の立体障害に寄与するヒドロカルビル基には、基のα炭素(即ち、エチレン基に直接結合した炭素原子)が、それに直接結合した3つ未満の水素原子を含むか、他の実施形態では、それに直接結合した2つ未満の水素原子を含むか、又は別の実施形態では、それに直接結合した水素原子を含まない基が含まれる。特定の実施形態において、これらの基は、分岐ヒドロカルビル基と称されてもよい。
例えば、Rは、式:−C(R’)によって定義されてもよく、式中、Cはα炭素であり、R’は水素原子又はヒドロカルビル基であり、但し、少なくとも2つのR’は、独立してヒドロカルビル基である。他の実施形態では、各々のR’は、ヒドロカルビル基である。これら又は他の実施形態において、各々のR’は、少なくとも2つ、他の実施形態では、少なくとも3つ、別の実施形態では、少なくとも4つの炭素原子を含む。
他の実施形態では、全体の立体障害に寄与するヒドロカルビル基としては、環状ヒドロカルビル基及び置換環状ヒドロカルビル基が挙げられる。別の実施形態では、全体の立体障害に寄与するヒドロカルビル基としては、アリール及び置換アリール基が挙げられる。これら又は他の実施形態では、立体障害全体に寄与するヒドロカルビル基としては、複素環ヒドロカルビル基が挙げられる。更に別の実施形態では、立体障害全体に寄与するヒドロカルビル基としては、芳香族複素環基が挙げられる。
分岐ヒドロカルビル基の具体例としては、イソプロピル基、三級ブチル基及びネオペンチル基が挙げられるが、これらに限定されない。
環状ヒドロカルビル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基及びそれらの置換された種が挙げられる。
アリール又は置換アリール基の例としては、フェニル基、並びに、それらの置換された種、例えば、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル(メシチルとも呼ばれる)及びナフチル基等が挙げられる。
複素環基の例としては、モルフォリニル、チオモルフォリニル、ピペリジニル、N−ヒドロカルビル−ピペラジニル及びピロリジニル基が挙げられる。
芳香族複素環基の例としては、2−フリル、3−フリル、N−メチル−2−ピロリル、N−メチル−3−ピロリル、ピラジニル、2−ピリミジニル、3−ピリダジニル、3−イソチアゾリル及び2−トリアジニル基が挙げられる。
1以上の実施形態において、安定化モノマーのタイプとしては、1,1−ジアリールエチレン又は1−アリール,1−ヒドロカルビルエチレンが挙げられる。
安定化モノマーの具体例としては、1,1−ジフェニルエチレン、α−t−ブチルスチレン、α−イソ−プロピルスチレン及び1−メチル−1−メシチルエチレン、1−シクロペンチル−1−フェニルエチレン、1−ナフチル−1−フェニルエチレン及び1−ピロリジニル−1−フェニルエチレンが挙げられる。
1以上の実施形態において、アニオン重合技術によって重合され得るモノマー(即ち、アニオン重合可能なモノマー)には、共役ジエン及びビニル芳香族が含まれる。共役ジエンモノマーの例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン及び2,4−ヘキサジエンが挙げられる。2以上の共役ジエンの混合物が共重合において使用されてもよい。ビニル芳香族モノマーの例としては、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン及びビニルナフタレン等のビニル置換された芳香族化合物が挙げられる。
1以上の実施形態において、リビングポリマーは、プロトン化されるか、又は、その後、官能化若しくはカップリングされ得る。プロトン化は、プロトンをリビング末端に提供することのできる任意の化合物の付加により生じ得る。例として、水、イソプロピルアルコール及びメチルアルコールが挙げられる。
1以上の実施形態において、リビングポリマーは、ポリマーの末端に官能基を付与することのできる化合物によって終端し得る。有用な官能化剤としては、当該分野で従来使用されているものが挙げられる。リビングポリマーを末端官能化するために使用されている化合物のタイプとしては、二酸化炭素、ベンゾフェノン、ベンズアルデヒド、イミダゾリドン、ピロリジノン、カルボジイミド、尿素、イソシアネート及びシッフ塩基が挙げられ、これには、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第3,109,871号、第3,135,716号、第5,332,810号、第5,109,907号、第5,210,145号、第5,227,431号、第5,329,005号、第5,935,893号において開示されるものが含まれる。具体例としては、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,519,431号、第4,540,744号、第4,603,722号、第5,248,722号、第5,349,024号、第5,502,129号及び第5,877,336号に開示される、トリブチルスズクロリド等のトリアルキルスズハライドが挙げられる。他の例としては、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,786,441号、第5,916,976号及び第5,552,473号に開示される、ヘキサメチレンイミンアルキルクロリド等の環状アミノ化合物が挙げられる。他の例としては、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,677,165号、第5,219,942号、第5,902,856号、第4,616,069号、第4,929,679号、第5,115,035号及び第6,359,167号に開示される、N−置換アミノケトン、N−置換チオアミノケトン、N−置換アミノアルデヒド及びN−置換チオアミノアルデヒドが挙げられ、これらには、N−メチル−2−ピロリドン又はジメチルイミダゾリジノン(即ち、1,3−ジメチルエチレン尿素)が含まれる。更なる例としては、参照により本明細書に組み込まれる米国公開公報第2006/0074197 A1号、米国公開公報第2006/0178467 A1号、及び米国特許第6,596,798号に開示されるような環状硫黄含有又は酸素含有アザへテロ環が挙げられる。他の例としては、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,598,322号に開示されるようなホウ素含有停止剤が挙げられる。更に他の例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン等の環状シロキサンが挙げられ、これには、参照により本明細書に組み込まれる同時係属の米国公開公報第2007/0149744 A1号に開示されるものが含まれる。更には、別の例として、1−(3−ブロモプロピル)−2,2,5,5−テトラメチル−1−アザ−2,5−ジシラシクロペンタン等のα−ハロ−ω−アミノアルカンが挙げられ、これには、参照により本明細書に組み込まれる同時係属の米国公開公報第2007/0293620 A1号及び第2007/0293620 A1号に開示されるものが含まれる。
1以上の実施形態において、リビングポリマーは、カップリングし、2以上のリビングポリマー鎖を結び付けることができる。一実施形態において、リビングポリマーは、カップリング剤及び官能化剤の両方を使用して処理されてよく、これらは、いくつかの鎖をカップリングし、且つ、他の鎖を官能化する役割を果たす。カップリング剤と官能化剤との組み合わせは、種々のモル比で使用することができる。カップリング剤及び官能化剤の語が、明細書中で使用されるが、当業者は、ある化合物が両方の機能を果たし得ることを理解する。即ち、ある化合物は、カップリングさせ、且つ、ポリマー鎖に官能基を提供してもよい。当業者は、ポリマー鎖をカップリングする能力が、ポリマー鎖と反応するカップリング剤の量によって決定され得ることも理解する。例えば、有利なカップリングは、カップリング剤が、開始剤上のリチウムの当量と、カップリング剤上の遊離基(例えば、ハロゲン原子)の当量とが1:1の比率で添加される場合に達成され得る。
典型的なカップリング剤としては、金属ハライド、半金属ハライド、アルコキシシラン及びアルコキシスタンナンが挙げられる。
1以上の実施形態において、有用な金属ハライド又は半金属ハライドは、式(1)R 4−n、式(2)M及び式(3)M[式中、Rは、同じであるか又は異なり、炭素数1〜約20の1価の有機基であり、式(1)及び(2)中のMは、スズ原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子を表し、Mは、リン原子を表し、Xは、ハロゲン原子を表し、nは、0〜3の整数を表す]によって表される化合物を含む群から選択されてよい。
式(1)で表される典型的な化合物としては、ハロゲン化有機金属化合物が挙げられ、式(2)及び(3)で表される化合物としては、ハロゲン化金属化合物が挙げられる。
がスズ原子を表す場合、式(1)で表される化合物は、例えば、トリフェニルスズクロリド、トリブチルスズクロリド、トリイソプロピルスズクロリド、トリヘキシルスズクロリド、トリオクチルスズクロリド、ジフェニルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、ジヘキシルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリド、フェニルスズトリクロリド、ブチルスズトリクロリド、オクチルスズトリクロリド等であってよい。更には、スズテトラクロリド、スズテトラブロミド等が、式(2)で表される化合物として例示され得る。
がケイ素原子を表す場合、式(1)で表される化合物は、例えば、トリフェニルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、トリオクチルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン等であってよい。更には、ケイ素テトラクロリド、ケイ素テトラブロミド等が、式(2)で表される化合物として例示され得る。Mがゲルマニウム原子を表す場合、式(1)で表される化合物は、例えば、トリフェニルゲルマニウムクロリド、ジブチルゲルマニウムジクロリド、ジフェニルゲルマニウムジクロリド、ブチルゲルマニウムトリクロリド等であってよい。更には、ゲルマニウムテトラクロリド、ゲルマニウムテトラブロミド等が、式(2)で表される化合物として例示され得る。リントリクロリド、リントリブロミド等が、式(3)で表される化合物として例示され得る。1以上の実施形態において、金属ハライド及び/又は半金属ハライドの混合物が使用され得る。
1以上の実施形態において、有用なアルコキシシラン又はアルコキシスタンナンが、式(1)R (OR)4−n[式中、Rは、同じであるか又は異なり、炭素数1〜約20の1価の有機基を表し、Mはスズ原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子を表し、ORは、Rが1価の有機基を表すアルコキシ基を表し、nは、0〜3の整数を表す]で表される化合物を含む群から選択されてよい。
式(4)で表される典型的な化合物としては、テトラエチルオルトシリケート、テトラメチルオルトシリケート、テトラプロピルオルトシリケート、テトラエトキシスズ、テトラメトキシスズ及びテトラプロポキシスズが挙げられる。
本発明の1以上の実施形態に従うと、アニオン性官能性開始剤と安定化モノマーとの反応が、開始剤に付加する安定化モノマーを生じ、それによって、安定化した開始剤を形成する。1以上の実施形態において、安定化した開始剤は、下記式:
[式中、αは官能性開始剤の残基であり、φはアリール又は置換アリール基であり、Rはヒドロカルビル基であり、xは1〜5の整数であり、Mはリチウム等の金属である]によって定義されてよい。
次いで、安定化した開始剤を使用して、従来のアニオン重合技術を用いて行われ得るアニオン重合技術により、重合され得るモノマーを重合し、下記式:
[式中、αは官能性開始剤の残基であり、φはアリール又は置換アリール基であり、Rはヒドロカルビル基であり、xは1〜5の整数であり、Mはリチウム等の金属である]により定義されるような、官能基に隣接する安定化したマー単位を有するリビングポリマーを製造する。ポリマーアニオン
は、上記ポリマー(π)と一致してもよい。
失活、官能化及び/又はカップリングによって得られるポリマーは、下記式:
[式中、αは官能性頭部基であり、δは安定化マー単位であり、xは1〜5の整数であり、πはアニオン重合したポリマー鎖であり、ωは、プロトン、官能基又は1以上の追加のポリマー鎖につながれたカップリング部分を含む末端単位である]によって定義されてもよい。
1以上の実施形態において、安定化した開始剤は、モノマーに開始剤を導入する前に調製されてよい。他の実施形態において、安定化した開始剤は、その場で(in-situ)調製されてもよい。官能性開始剤と安定化モノマーとの反応は、重合反応に使用される溶媒(例えば、ヘキサンの混合物等の脂肪族溶媒)等の溶媒によって起こってもよい。開始剤及び安定化モノマーは、連続して又は同時に、安定化した開始剤が調製される反応器に投入されてよく、これには、ポリマーが合成される反応器が含まれてもよい。官能性開始剤と安定化モノマーとの反応は、不活性大気圧下において、約−80〜約100℃、又は、他の実施形態では、約20〜約50℃の温度で生じ得る。1以上の実施形態では、官能性開始剤上の金属(例えば、リチウム)1モル(モノリチオ化された開始剤にとって開始剤のモル数に等しい)当たり、約0.5〜約5.0モル、又は、他の実施形態では、約1.0〜約4.0モルの安定化モノマーが投入される。
重合されるモノマーが、安定化した開始剤と組み合わされると、重合は、当該分野で一般的に知られている通り進行する。一般的に既知であるように、アニオン性開始剤をある不飽和モノマーと反応させることにより、金属カチオンを有する活性ポリマーが生成される。この活性ポリマーは、リビングと称されてもよい。その後当該反応に添加される、新たなバッチのモノマーが、存在する鎖の活性末端に付加し、重合度を増加することができる。従って、リビングポリマーには、リビング又は反応性末端を有するポリマーセグメントが含まれる。アニオン重合については、参照により本明細書に組み込まれるGeorge Odian,重合の原理(Principles of Polymerization),ch.5(第3版、1991)又はPanek,94 J.Am.Chem.Soc,8768(1972)に、更に記載される。
本発明の重合プロセスは、非極性溶媒、及び非極性溶媒と極性溶媒との混合物中で行われてもよい。これらの溶媒には、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、イソペンタン、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、2,2−ジメチルブタン、石油エーテル、ケロシン、石油スピリット及びこれらの混合物等の脂肪族溶媒が含まれていてもよい。適当な脂環式溶媒の代表例のいくつかとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪族及び脂環式溶媒の混合物が使用されてもよい。他の実施形態では、溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、ジグリム、1,2−ジメトキシエテン、1,6−ジメトキシヘキサン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、アニソール、エトキシベンゼン及びそれらの混合物等のエーテルであってよい。
他の実施形態において、本発明の重合プロセスは、バルク系で行われ得る。
共重合におけるランダム化を促進し、ビニル含有量を制御するために、重合成分に対して極性調整剤(polar coordinator)が添加されてもよい。量は、リチウム1等量当たり、0〜90等量以上の当量の範囲であってよい。量は、望まれるビニルの量、使用されるスチレンの濃度及び重合温度、並びに使用される特定の極性調整剤(重合調整剤)の性質によって決定されてもよい。適当な重合調整剤としては、望まれる微細構造と、コモノマー単位のランダム化とを提供するエーテル又はアミンが挙げられる。
共役ジエンモノマー及びビニル置換芳香族モノマーから得られたマー単位を含んだエラストマー系コポリマーが望まれる場合、共役ジエンモノマーと、ビニル置換された芳香族モノマーとが、95:5〜50:50、他の実施形態では、90:10〜65:35の重量比で使用されてよい。
極性調整剤として有用な化合物としては、酸素又は窒素へテロ原子と、非結合電子対とを有するものが挙げられる。例として、モノ及びオリゴアルキレングリコールのジアルキルエーテル、「クラウン」エーテル、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)等の第三級アミン、直鎖状THFオリゴマー等が挙げられる。極性調整剤として有用な化合物の具体例としては、テトラヒドロフラン(THF)、並びに、2,2−ビス(2’−テトラヒドロフリル)プロパン、ジ−ピペリジルエタン、ジピペリジルメタン、ヘキサメチルホスホルアミド、N,N’−ジメチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、トリブチルアミン等の直鎖状及び環状オリゴマーオキソラニルアルカン等が挙げられる。直鎖状及び環状オリゴマーオキソラニルアルカン重合調整剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,429,091号に記載されている。
使用されるランダマイザー(randomizer)の量は、ポリマーの望まれる微細構造、コモノマーに対するモノマーの比率、重合温度及び使用される特定のランダマイザーの性質等の種々の因子によって決定されてよい。1以上の実施形態において、使用されるランダマイザーの量は、アニオン性開始剤1モル当たり0.05〜100モルの範囲内であってよい。
アニオン重合したリビングポリマーは、バッチ又は連続方式のいずれかによって調製され得る。1以上の実施形態において、バッチ重合は、モノマー(類)の混合物、及び任意に、直鎖アルカン溶媒等の溶媒を、適当な反応器に投入し、その後、(使用する場合は)極性調整剤及び安定化した開始剤を添加することによって開始される。反応物を、約20〜約130℃の(例えば、60℃を超える、他の実施形態では80℃を超える、又は、別の実施形態では85℃超える)温度に加熱してもよく、重合を、約0.1〜約24時間に亘って継続してもよい。
1以上の実施形態において、安定化した開始剤及びランダマイザーは、種々の方法によって重合系に導入され得る。1以上の実施形態において、安定化した開始剤とランダマイザーは、段階的又は同時に、重合されるモノマーに対して別々に添加されてもよい。他の実施形態において、安定化した開始剤及びランダマイザーを、モノマーの非存在下又は少量のモノマーの存在下、重合系の外で事前に混合してもよく、必要な場合には、得られる混合物を熟成し、次いで、重合されるモノマーに添加してもよい。
この反応は、活性又はリビング末端を有する反応性ポリマーを生成する。1以上の実施形態において、少なくとも約30%のポリマー分子が、リビング末端を含み、他の実施形態において、少なくとも約50%のポリマー分子が、リビング末端を含み、別の実施形態において、少なくとも約80%がリビング末端を含む。
一実施形態において、ほぼ完全なモノマー変換を示すピーク重合温度が一旦観察されると、官能化剤が、リビングポリマーセメント(即ち、ポリマー及び溶媒)に添加されてもよい。活性末端は、自己終端することがあるため、官能化剤が、ピーク重合温度から起算して約25〜35分以内に添加されてもよい。
官能化ポリマーを調製するために使用される官能化剤の量は、開始剤に結合するリチウム又は金属カチオンの当量に関して、最も良く記載される。例えば、リチウム1モル当たりの官能化剤のモル数は、約0.3〜約2、他の実施形態では、約0.6〜約1.5、別の実施形態では、約0.7〜約1.3、別の実施形態では、約0.8〜約1.1、別の実施形態では、約0.9〜約1.0であってよい。
ポリマー形成後、加工助剤と、オイル等の他の任意の添加剤とを、ポリマーセメントに添加することができる。ポリマー及び他の任意の成分を、その後、溶媒から分離し、任意に乾燥してもよい。脱溶媒(desolventization)及び乾燥のための従来の手順を使用してもよい。一実施形態において、ポリマーは、蒸気脱溶媒又は溶媒の熱水凝固(hot water coagulation)の後の濾過によって溶媒から分離してもよい。残留溶媒は、オーブン乾燥又はドラム乾燥等の従来の乾燥技術を使用して除去してもよい。或いは、セメントは直接ドラム乾燥してもよい。
本発明の官能性ポリマーは、タイヤ構成部品を調製するのに特に有用である。これらのタイヤ構成部品は、本発明の官能性ポリマーを単独で又は他のゴム状ポリマーと共に使用することにより調製することができる。使用され得る他のゴム状ポリマーには、天然及び合成エラストマーが含まれる。合成エラストマーは、典型的には、共役ジエンモノマーの重合から得られる。これらの共役ジエンモノマーは、ビニル芳香族モノマー等の他のモノマーと共重合されてもよい。他のゴム状エラストマーは、エチレンと、1以上のα−オレフィンと、任意に1以上のジエンモノマーとの重合から得られてもよい。
有用なエラストマーとしては、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン−co−イソプレン、ネオプレン、ポリ(エチレン−co−プロピレン)、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)、ポリ(スチレン−co−イソプレン)、ポリ(スチレン−co−イソプレン−co−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−co−ブタジエン)、ポリ(エチレン−co−プロピレン−co−ジエン)、ポリスルフィドゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム及びこれらの混合物が挙げられる。これらのエラストマーは、直鎖状、分岐及び星状を含む無数の巨大分子構造を有し得る。ゴムの配合に典型的に使用される他の成分が添加されてもよい。
ゴム組成物は、無機及び有機充填剤等の充填剤を含んでいてもよい。補強性充填剤は、有利に使用され得る。有機充填剤には、カーボンブラック及びデンプンが含まれる。無機充填剤には、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、粘土(水和したアルミナシリケート)及びそれらの混合物が含まれ得る。
1以上の実施形態において、シリカ(二酸化ケイ素)には、水中で化学反応によって製造され、且つ、超微細球状粒子として沈殿した、湿式の水和シリカが含まれる。一実施形態において、シリカは、約32〜約400m/g、別の実施形態では、約100〜約250m/g、更に別の実施形態では、約150〜約220m/gの表面積を有する。一実施形態において、シリカ充填剤のpHは、約5.5〜約7であり、別の実施形態では、約5.5〜約6.8である。市販のシリカとしては、Hi−Sil(登録商標)215、Hi−Sil(登録商標)233、Hi−Sil(登録商標)255LD及びHi−Sil(登録商標)190 (PPG Industries;ピッツバーグ、ペンシルベニア)、Zeosil(登録商標)1165MP及び175GRPlus(Rhodia)、Vulkasil(登録商標)(Bary AG)、Ultrasil(登録商標)VN2、VN3(Degussa)及びHuberSil(登録商標)8745(Huber)が挙げられる。
1以上の実施形態において、カーボンブラックは、一般に入手可能な商業用に製造されたカーボンブラックのうちのいずれかを含んでいてもよい。これらには、少なくとも20m/グラム、他の実施形態では、少なくとも35m/グラムから最高で200m/グラム以上の表面積(EMSA)を有するものが含まれる。表面積の値には、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)技術を用いてASTM試験D−1765によって決定されたものが含まれる。有用なカーボンブラックは、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びランプブラックである。より詳細には、カーボンブラックの例としては、超耐摩耗性(super abrasion)ファーネス(SAF)ブラック、高耐摩耗性(high abrasion)ファーネス(HAF)ブラック、高速押出(fast extrusion)ファーネス(FBF)ブラック、微細ファーネス(FF)ブラック、準超耐摩耗性(intermediate super abrasion)ファーネス(ISAF)ブラック、半補強性(semi-reinforcing)ファーネス(SRF)ブラック、中級加工(medium processing)チャンネルブラック、ハード加工(hard processing)チャンネルブラック、及び導電性チャンネルブラックが挙げられる。使用され得る他のカーボンブラックとしては、アセチレンブラックが挙げられる。上記ブラックの2以上の混合物が、本発明のカーボンブラック製品の調製に使用され得る。典型的なカーボンブラックとしては、ASTM記号(D−1765−82a)Ν−110、N−220、N−339、N−330、N−351、N−550及びN−660を有するものが挙げられる。1以上の実施形態において、カーボンブラックは、酸化カーボンブラックを含んでいてもよい。
一実施形態において、シリカは、ゴム100重量部当たり(phr)約5〜約100重量部、別の実施形態では、約10〜約90重量部phr、更に別の実施形態では、約15〜約80重量部phr、更に別の実施形態では、約25〜約75重量部phrの量で使用されてもよい。
多数のゴム硬化剤が使用されてもよく、これには、硫黄又はぺルオキシド系の硬化系が含まれる。硬化剤については、Kirk−Othmer,化学技術百科事典(ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY),第20巻,第365−468頁,(第3版、1982年)、特には、加硫剤と補助材料(Vulcanization Agents and Auxiliary Materials),第390−402頁、及びA.Y.Coran,加硫(Vulcanization),ポリマー科学及び工学の百科事典(ENCYCLOPEDIA OF POLYMER SCIENCE AND ENGINEERING),(第2版、1989年)に記載され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。加硫剤は、単独又は組み合わせて使用されてもよい。1以上の実施形態において、加硫可能な組成物の調製並びにタイヤの組み立て及び硬化は、本発明の実施によっては影響を受けない。
使用され得る他の成分には、硬化促進剤、オイル、ワックス、スコーチ防止剤、加工助剤、酸化亜鉛、粘着付与樹脂、強化用樹脂、ステアリン酸等の脂肪酸、解膠剤、及び、1以上の追加のゴムが含まれる。オイルの例としては、パラフィン油、芳香族油、ナフテン油、ヒマシ油以外の植物性油、並びに、MES、TDAE、SRAE、重質ナフテン油及びブラックオイルを含む低PCA油が挙げられる。
これらの材料は、トレッド、サブトレッド、ブラックサイドウォール、ボディプライスキン(body ply skins)及びビードフィラー等のタイヤ構成成分の形成に有用である。好ましくは、官能性ポリマーは、トレッド配合物に使用される。1以上の実施形態において、これらのトレッド配合物は、配合物中のゴムの総重量に基づき、約10〜約100重量%、他の実施形態では、約35〜約90重量%、別の実施形態では、約50〜80重量%の官能性ポリマーを含んでいてもよい。
1以上の実施形態において、加硫可能なゴム組成物は、ゴム成分と充填剤とを含む初期マスターバッチ(ゴム成分は、本発明の官能性ポリマーを任意に含む)を形成することによって調製されてもよい。この初期マスターバッチは、開始温度約25℃〜約125℃、排出温度約135℃〜約180℃で混合されてもよい。時期尚早な加硫(スコーチとしても知られている)を防ぐため、この初期マスターバッチは、加硫剤を除外してもよい。初期マスターバッチが加工されると、加硫プロセスを開始させないことが好ましい最終混合段階において、加硫剤を導入し、低温で初期マスターバッチに混合してもよい。リミル(remill)と呼ばれることもある追加の混合段階を、マスターバッチ混合段階と最終混合段階との間に任意に採用してもよい。本発明の官能性ポリマーを含んだ種々の成分を、これらのリミルの間に添加してもよい。ここで使用されるゴム配合技術及び添加剤は、ゴム技術におけるゴムの配合と加硫(The Compounding and Vulcanization of Rubber, in Rubber Technology)(第2版、1973年)に開示されている通り、一般に知られている。
シリカ充填タイヤ配合物に適用可能な混合条件及び手順もまた、米国特許第5,227,425号、第5,719,207号及び第5,717,022号並びに欧州特許第890,606号に記載される通り周知であり、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。1以上の実施形態において、シリカが充填剤として(単独又は他の充填剤と組み合わせて)使用される場合、混合中にカップリング剤及び/又は遮蔽剤をゴム配合物に添加してもよい。有用なカップリング剤及び遮蔽剤は、米国特許第3,842,111号、第3,873,489号、第3,978,103号、第3,997,581号、第4,002,594号、第5,580,919号、第5,583,245号、第5,663,396号、第5,674,932号、第5,684,171号、第5,684,172号、第5,696,197号、第6,608,145号、第6,667,362号、第6,579,949号、第6,590,017号、第6,525,118号、第6,342,552号及び第6,683,135号に開示され、これらは参照により本明細書に組み込まれる。一実施形態において、初期マスターバッチは、カップリング剤及び遮蔽剤の実質的に非存在下で、本発明の官能性ポリマーとシリカとを含ませることによって調製される。この手順は、硬化リミルの後に添加され得るカップリング剤又は遮蔽剤と競合する前に、官能性ポリマーがシリカと反応又は相互作用する機会を増強するであろうと考えられている。
加硫可能なゴム組成物が、タイヤの製造において使用される場合、これらの組成物は、標準的なゴム成形、成型及び硬化技術を含む通常のタイヤ製造技術に従ってタイヤ構成成分に加工され得る。種々のゴム製タイヤ構成部品のいずれかを製造することができ、これには、トレッド、サイドウォール、ベルトスキム及びカーカスが含まれるが、これらに限定されない。典型的には、加硫は、加硫可能な組成物を金型内で加熱することによって達成され、例えば、これは、約140〜約180℃まで加熱され得る。硬化又は架橋されたゴム組成物は、加硫物と称されてもよく、これは一般的には、熱硬化性の3次元高分子網目を含んでいる。他の成分、例えば、加工助剤及び充填剤などは、架橋された網目全体に亘って均一に分散していてもよい。空気入りタイヤは、米国特許第5,866,171号、第5,876,527号、第5,931,211号及び第5,971,046号で説明される通り作製することができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の実施について実証するため、以下の例を調製して試験した。しかしながら、当該例は、本発明の範囲を限定するものと解されるべきではない。特許請求の範囲が、発明を規定する役割を果たすであろう。
2−プロパノールによってポリマー鎖を終端させた後、存在するカップリング量を調べることにより頭部基の安定性をモニターした。ポリマーが、逆マイケル付加で反応するので、ブタジエニル末端基は、追加のポリマーのリチウムに対して反応性を有する、ポリマーの頭部で形成される。従って、逆マイケル付加反応した頭部基の官能性の量の指標は、カップリング割合から見積もることができる。頭部基の安定性を評価すべく、この技術を以下の試料に使用した。
試料1〜3
7.52Lの反応器に、ヘキサン1.54kg、33重量%スチレンのヘキサン溶液0.38kg及び22.0重量%1,3−ブタジエンのヘキサン溶液2.53kgを添加した。0.5Mの2−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ジチアンのテトラヒドロフラン(THF)溶液11.66mL、1.0Mのトリエチルアミンのヘキサン溶液2.86mL及びn−ブチルリチウムのヘキサン溶液4.05mLからなる溶液を、13.2℃で反応器に添加した。次に、1.6Mの2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパンのヘキサン溶液1.20mLを添加した。反応器を加熱し、ピーク発熱温度を記録した。次いで、試料を、発熱の10、20、30、40、50、60及び90分後、反応器から取り出し、2−プロパノールによって終端させた。ゲル浸透クロマトグラフィーを使用し、ベースピークと比較したカップリングピークの面積割合を決定した。図に示す通り、試料1は、温度93.3℃(◆)のピーク重合温度に達し、試料2は、温度73.3℃(▲)のピーク重合温度に達し、試料3は、温度58.8℃(●)のピーク重合温度に達した。
試料4〜7
7.52Lの反応器に、ヘキサン1.54kg、33重量%スチレンのヘキサン溶液0.38kg及び22.0重量%1,3−ブタジエンのヘキサン溶液2.53kgを添加した。0.5Mの2−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ジチアンのテトラヒドロフラン(THF)溶液11.66mL、1.0Mのトリエチルアミンのヘキサン溶液2.86mL及びn−ブチルリチウムのヘキサン溶液4.05mLからなる溶液を形成し、反応器への添加前に、13.2℃で、これに5.66Mの1,1−ジフェニルエチレン1.14mLを添加した。次いで、1.6Mの2.2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパンのヘキサン溶液1.20mLを添加した。反応器を加熱して、ピーク発熱温度を記録した。次いで、試料を、発熱の10、20、30、40、50、60及び90分後、反応器から取り出し、2−プロパノールによって終端させた。ゲル浸透クロマトグラフィーを使用し、ベースピークと比較したカップリングピークの面積割合を決定した。図に示す通り、試料4及び5は、温度93.3℃(◇)のピーク重合温度に達し、試料6は、温度73.3℃(△)のピーク重合温度に達し、試料7は、温度58.8℃(○)のピーク重合温度に達した。
図に示す通り、カップリングしたポリマーの量は、重合前に1,1−ジフェニルエチレンを開始剤溶液に添加する場合、93℃で35%、73.3℃で12.2%、58.5℃で10.7%減少する。
本発明の範囲及び精神から逸脱しない種々の修正及び変更は、当業者にとって明らかであろう。本発明は、本明細書に示す実施形態に正式に限定されるべきではない。

Claims (17)

  1. i.官能基を含んだアニオン性開始剤を安定化モノマーと反応させ、安定化した開始剤を製造する工程と、
    ii.前記安定化した開始剤を、アニオン重合させることのできるモノマーと反応させてポリマーを生成する工程と、
    iii.前記ポリマーを終端させる工程と
    を含む、官能性ポリマーの製造方法。
  2. 前記官能基を含んだアニオン性開始剤を安定化モノマーと反応させる工程が、前記アニオン重合させることのできるモノマーの少なくとも一部の存在下で行われる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記官能基を含んだアニオン性開始剤を安定化モノマーと反応させる工程が、前記アニオン重合させることのできるモノマーの非存在下で行われる、請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記アニオン性開始剤が、下記式:

    [式中、各々のRは、独立して、水素又は1価の有機基を含み、Rは1価の有機基を含み、zは1〜約8の整数であり、ωは硫黄、酸素又は第三級アミノを含み、Mは金属である]によって定義される、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記アニオン重合可能なモノマーが、共役ジエン及びビニル芳香族からなる群より選択される、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記反応させる工程が、アニオン性開始剤1モル当たり約0.5〜約5.0モルの安定化モノマーを反応させることを含む、請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記安定化モノマーが、下記式:
    [式中、φはアリール又は置換アリール基であり、Rはヒドロカルビル基である]によって定義される、請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記安定化モノマーが、1,1−ジフェニルエチレン、α−t−ブチルスチレン、α−イソ−プロピルスチレン及び1−メチル−1−メシチルエチレン、1−シクロペンチル−1−フェニルエチレン、1−ナフチル−1−フェニルエチレン及び1−ピロリジニル−1−フェニルエチレンからなる群より選択される、請求項1に記載の製造方法。
  9. 前記終端させる工程が、プロトン化すること、末端官能化すること又はカップリングすることを含む、請求項1に記載の製造方法。
  10. i.下記式:

    [式中、Rは、1価の有機基を含む]により定義されるアニオン性開始剤を、1,1−ジフェニルエチレンと反応させ、安定化した開始剤を形成する工程と、
    ii.前記安定化した開始剤をアニオン重合可能なモノマーと反応させる工程と
    を含む、官能性ポリマーを形成する方法。
  11. 前記アニオン重合可能なモノマーが、共役ジエン及びビニル芳香族からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記共役ジエンが、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン及び2,4−ヘキサジエンからなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ビニル芳香族モノマーが、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン及びビニルナフタレン等のビニル置換芳香族化合物からなる群より選択される請求項11に記載の方法。
  14. 前記官能性のアニオン性開始剤が、
    2−リチオ−2−メチル−1,3−ジチアン、2−リチオ−2−フェニル−1,3−ジチアン、2−リチオ−2−(4−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ジチアン、2−リチオ−2−トリメチルシリル−1,3−ジチアンと、
    2−リチオ−2−(4−ジブチルアミノフェニル)−1,3−ジチアン、2−リチオ−[4−(4−メチルピペラジノ)」フェニル−1,3−ジチアン、2−リチオ−[2−(4−メチルピペラジノ)]フェニル−1,3−ジチアン、2−リチオ−[2−モルフォリノ]フェニル−1,3−ジチアン、2−リチオ−[4−モルフォリン−4−イル]フェニル−1,3−ジチアン、2−リチオ−[2−モルフォリン−4−イル−ピリジン−3]−1,3−ジチアン、2−リチオ−[6−モルフォリン−4−ピリジノ−3]−1,3−ジチアン、2−リチオ−[4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾオキサジン−7]−1,3−ジチアン及びこれらの混合物からなる群より選択される開始剤と、
    からなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
  15. 下記式:

    [式中、αは官能性頭部基であり、δは安定化マー単位であり、xは1〜5の整数であり、πはアニオン重合したポリマー鎖であり、ωは、プロトン、官能基又は1以上の追加のポリマー鎖につながれたカップリング部分を含んだ末端単位である]によって定義されるポリマー。
  16. 請求項15に記載のポリマーであって、前記官能性頭部基が、官能基を含まない同様のポリマーから調製した同様のカーボンブラック充填加硫物と比較して、前記ポリマーから調製したカーボンブラック充填加硫物の50℃でのヒステリシスロスを低減する、請求項15に記載のポリマー。
  17. 下記式:

    [式中、αは官能性頭部基であり、δは安定化マー単位であり、xは1〜5の整数であり、πはアニオン重合したポリマー鎖であり、ωは、プロトン、官能基又は1以上の追加のポリマー鎖につながれたカップリング部分を含んだ末端単位である]によって定義されるポリマーの加硫残留物を含んだタイヤ構成部品。
JP2012541198A 2009-11-25 2010-11-24 官能化ポリマーを製造するためのアニオン重合法 Expired - Fee Related JP5690836B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US26427909P 2009-11-25 2009-11-25
US61/264,279 2009-11-25
PCT/US2010/058027 WO2011066405A1 (en) 2009-11-25 2010-11-24 Anionic polymerization methods for producing functionalized polymers

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013512315A true JP2013512315A (ja) 2013-04-11
JP5690836B2 JP5690836B2 (ja) 2015-03-25

Family

ID=43432267

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012541198A Expired - Fee Related JP5690836B2 (ja) 2009-11-25 2010-11-24 官能化ポリマーを製造するためのアニオン重合法

Country Status (9)

Country Link
US (1) US9296832B2 (ja)
EP (1) EP2504365B1 (ja)
JP (1) JP5690836B2 (ja)
KR (1) KR101700472B1 (ja)
CN (1) CN102725315B (ja)
BR (1) BR112012012452B1 (ja)
ES (1) ES2486264T3 (ja)
IN (1) IN2012DN04903A (ja)
WO (1) WO2011066405A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8962745B2 (en) * 2010-12-27 2015-02-24 Bridgestone Corporation Functionalized polymers and vulcanizates with reduced hysteretic loss
KR101890975B1 (ko) * 2011-08-31 2018-08-22 가부시키가이샤 브리지스톤 보호된 아미노 그룹을 함유하는 락톤 또는 티오락톤으로 기능화된 폴리머
CN107814878B (zh) * 2016-09-13 2020-02-14 中国石油天然气股份有限公司 一种双官能化丁苯聚合物及其制备方法
CN108084345A (zh) * 2016-11-23 2018-05-29 中国石油天然气股份有限公司 双官能化丁苯聚合物、橡胶组合物及硫化橡胶
KR101936668B1 (ko) 2017-06-19 2019-01-10 금호석유화학 주식회사 신디오택틱 1,2-폴리부타디엔을 포함하는 고무 조성물의 제조방법

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002504571A (ja) * 1998-02-18 2002-02-12 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 遅延アニオン重合方法
JP2003246816A (ja) * 2002-02-25 2003-09-05 Sumitomo Chem Co Ltd 変性ジエン系重合体ゴムの製造方法
WO2005121189A1 (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Nippon Soda Co., Ltd. アニオン重合体の製造方法
JP2006504866A (ja) * 2002-10-30 2006-02-09 株式会社ブリヂストン モノマーのアニオン重合に硫黄含有開始剤を使用する方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3832423A (en) * 1971-02-22 1974-08-27 Cpc International Inc Chemically joined, phase separated graft copolymers having hydrocarbon polymeric backbones
DE69509448T2 (de) * 1994-07-18 1999-09-02 Bridgestone Corp Elastomere und Produkte mit niedriger Hysteresis und Verfahren zu deren Herstellung
US5786441A (en) * 1996-12-31 1998-07-28 Bridgestone Corporation Polymers, elastomeric compounds and products thereof, derived from novel amine compounds containing side-chain organolithium moieties
US20060264590A1 (en) * 2005-05-20 2006-11-23 Bridgestone Corporation Anionic polymerization initiators and polymers therefrom

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002504571A (ja) * 1998-02-18 2002-02-12 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 遅延アニオン重合方法
JP2003246816A (ja) * 2002-02-25 2003-09-05 Sumitomo Chem Co Ltd 変性ジエン系重合体ゴムの製造方法
JP2006504866A (ja) * 2002-10-30 2006-02-09 株式会社ブリヂストン モノマーのアニオン重合に硫黄含有開始剤を使用する方法
WO2005121189A1 (ja) * 2004-06-09 2005-12-22 Nippon Soda Co., Ltd. アニオン重合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
ES2486264T3 (es) 2014-08-18
JP5690836B2 (ja) 2015-03-25
CN102725315A (zh) 2012-10-10
IN2012DN04903A (ja) 2015-09-25
BR112012012452A2 (pt) 2017-10-10
EP2504365A1 (en) 2012-10-03
US20130030133A1 (en) 2013-01-31
EP2504365B1 (en) 2014-05-14
WO2011066405A1 (en) 2011-06-03
KR20120098797A (ko) 2012-09-05
KR101700472B1 (ko) 2017-01-26
CN102725315B (zh) 2014-10-22
BR112012012452B1 (pt) 2019-11-05
US9296832B2 (en) 2016-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10723817B2 (en) Vinyl modifier composition and processes for utilizing such composition
US7868110B2 (en) Anionic polymerization initiators and polymers therefrom
US8362181B2 (en) Functional polymers prepared with sulfur-containing initiators
US20060264590A1 (en) Anionic polymerization initiators and polymers therefrom
US8618223B2 (en) Functionalized polymers and tires therefrom
JP5690836B2 (ja) 官能化ポリマーを製造するためのアニオン重合法
JP2020073684A (ja) 官能化ポリマーを含むポリマー組成物の製造方法
EP2658877B1 (en) Stabilization of polymers that contain a hydrolyzable functionality
EP3347381B1 (en) Methods for preparation of functionalized polymers
KR20210061451A (ko) 안정화된 목표 점도를 갖는 개질된 다이엔 공중합체
US9163104B2 (en) Preparation of functional polymers using phosphide initiators

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140217

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140819

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141119

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20141202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5690836

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees