JP2013510130A - バイオベースのピリジンおよびピコリンの合成方法 - Google Patents

バイオベースのピリジンおよびピコリンの合成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バイオベースのピリジンおよびピコリンの合成方法。
【解決手段】本発明方法は少なくとも下記(1)〜(3)の段階を含む:(1)植物油または動物性脂肪のメタノール分解によって得られるグリセロール供給材料を脱水反応させてアクロレインを作る第1段階、(2)第1段階から生じた排出流を部分凝縮して多量の水を含む流れと、アクロレインリッチな流れとに分離する第2段階、(3)第2段階で得られたアクロレインを、アンモニアの存在下で、アセトアルデヒドと反応させ、凝縮反応を経てバイオベースのピリジンおよびピコリンを得る3段階。

Description

本発明はバイオ起源のピリジンおよびピコリンの合成方法に関するものである。
ピリジンは窒素原子を含む実験式:C55Nの芳香族複素環式化合物で、その主要な誘導体は2−メチルピリジン(α−ピコリン)、3−メチルピリジン(β−ピコリン)および4−メチルピリジン(γ−ピコリン)である。これらの化合物は19世紀後半から知られており、コールタールのような天然材料から抽出されるか、特にアルデヒド、ケトンまたはニトリルから化学的に合成される。非特許文献1には多岐にわたる工業生産法が説明されている。
工業的プロセスでは一般にアンモニアとアルデヒド(またはケトン)を単独または混合物にして反応させる。アルデヒド(またはケトン)は一般に2〜4個の炭素原子を含む短鎖アルデヒド(またはケトン)である。これらのアルデヒドの中でα,β−不飽和化合物、例えばアクロレインが用いられる。この点に関しては非特許文献2を参照されたい。
最終生成物のピリジンまたはメチル置換ピリジンは基本的に用いる供給原料と用いるアルデヒドの炭素数に依存する。3つの分子を含むアルデヒドとアンモニアとを反応させると置換ピリジンが作られる。2つの分子を含むプロピオンアルデヒドとアンモニアとを反応させると同様に置換ピリジンが作られ、アクロレインを用いた場合も同様である。主としてピリジンを得るためには供給原料として炭素原子の合計が5となるアルデヒドの混合物、例えばアセトアルデヒドとプロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド(2)とホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドとアクロレインを用いる必要がある。
これらの各種反応に基づくピリジンおよびその置換誘導体を合成する多くの工業プロセスが存在する。原料としてアクロレインを用いるプロセスの中ではデグッサ(Degussa)、ICI,日本化薬、広栄化学(Koei Chemical)およびダイセル化学のプロセスが挙げられる。最近の研究は主として特定分子の選択率を上げるための触媒系と運転条件とを対象にしている。
特許文献1(米国特許第4 810 794号明細書)に記載のピリジン塩基すなわちピリジンおよびそのピコリン誘導体の製造方法では脂肪族アルデヒドおよび/またはケトンとアンモニアとを触媒の存在下で反応させる。触媒はゼオライトを改質して、タリウム、鉛およびコバルトから選択される少なくとも一種の金属または金属イオンによって拘束指数を高くして得られる。この文献はアセトアルデヒド(2)/ホルムアルデヒド混合物とアンモニアとの反応のために改質して主としてピリジンが作られ、種々の形態のピコリンが存在する各種ゼオライトの触媒活性を説明している。
特許文献2(米国特許第5 952 258号明細書)では触媒とし、インジウム、銀、ゲルマニウムおよびガリウムから選択される金属をドープしたゼオライトを用いてアンモニアの存在下でアクロレインとアセトアルデヒドとを反応させて約45〜50%の収率でピリジンが作られる。
上記のピリジン合成法では化石原料の炭化水素を使用する。この原料はアセトアルデヒドでもアクロレインでも、その工業合成はプロピレンおよび/またはプロパンの酸化によって行われる。これらの原料は石油または天然ガスから得られるので、得られたピリジンも再生が不可能な化石燃料の炭素を含む。さらに、抽出プロセス、精製プロセス、原料の合成プロセスさらには化石原料をベースに製造された最終製品の使用寿命後の破壊方法でも二酸化炭素を生じる。二酸化炭素はアクロレインを作るプロピレンの酸化反応の直接副産物でもある。これらは全て大気中の温室効果ガスの濃度を増加させる。大多数の工業化された国では温室効果ガスの排出量を減らす努力をしており、再生可能な原料をベースにした新しい製造方法に代えることで上記の環境効果を減らすことが特に重要である。
従って、「バイオ起源」のピリジンおよびそのピコリン誘導体を合成する工業プロセスに対するニーズがある。本明細書で「ピリジン」とはピリジンおよびそのピコリン誘導体の両方を意味する。各種ピコリンはアセトアルデヒド/アクロレイン比を変えることによって得られ、さらに、アセトンを含めた不純物によっても得られる。
「バイオ起源ピリジン」とは用いる非化石天然原料の特徴を示す14C炭素含有量を有する化合物を意味する。天然の再生可能な物質を起源とした炭素ベースの原料を使用したか否かは最終生産物の組成中の炭素原子で検出できる。化石原料に由来する材料とは違って、再生可能な原料からなる材料は14Cを含む。生物(動物または植物)から得られる全ての炭素のサンプルは3つの同位元素:12C(〜98.892%)、13C(〜1.108%)および14C(痕跡量:1.2×10-10%)の混合物である。生物組織の14C/12C比は大気のそれと同じである。環境中では14Cは主として2つの形:無機の形すなわち二酸化炭素(CO2)の形と、有機の形すなわち有機分子中に一体化された炭素の形で存在する。
有機生物体中では炭素が環境と絶えず交換しているので、14C/12C比は新陳代謝によって一定に保たれる。大気中の14Cの比率はほぼ一定であるので、その比は生物中でも同じである。生物は生きている間12Cと一緒に14Cも吸収し、14C/12C比の平均値は1.2×l0-12に等しい。
12Cは安定しており、サンプル中の12C原子の数は経時的に一定である。一方、14Cは放射性であり、生物中の炭素の1グラム当たり毎分13.6個が崩壊するのに十分な14C同位元素を含む。
半減期(または半減時間)T1/2は、14Cの崩壊定数と関係し、5730年である。この時間を考慮すると、14Cの含有量は植物原料を抽出してから、最終生成物の製造までほぼ一定である。
現在、サンプル中の14Cの含有量を測定する少なくとも2つの異なる方法がある:
(1)液体シンチレーションスペクトロメトリ、
(2)マススペクトル分析:サンプルをグラファイトまたはCO2ガスにし、質量分析機で分析する。この方法では14Cイオンを12Cイオンから分離するための加速器と質量分析装置とを使用して、2つの同位元素の比を求める。
材料中の14Cの量を測定するこれらの方法はASTM D6866規格(特にD6866−06)およびASTM D7026規格(特に7026−04)に記載されている。ASTM D6866−06規格に記載のマススペクトル分析(「加速器質量分析」)に記載の測定方法を用いるのが好ましい。
本発明の一つの対象は、14C/12C比が0.25×10-12〜1.2×l0-12となる量である14Cの質量含有量を有する「バイオ起源」ピリジンの合成方法にある。14C/12C比は好ましくは0.5×10-12〜1.2×l0-12、さらに好ましくは0.9×10-12〜1.2×l0-12である。
14C/12C比は用いた製造法、用いた原料(全部または一部が非化石天然物である)に依存するか、後で調製した混合物に応じて決まる。この比は1.2×l0-12を超えることはできない。そのようなことがあれば、それは作業者がピリジン化合物に14Cを人為的に導入したことを意味する。
アンモニア、尿素またはアンモニア塩をグリセロールと少なくとも300℃の温度で反応させてピリジンおよびその誘導体を形成する実験は既に公知である。この点に関しては非特許文献3および非特許文献4に記載のものが挙げられる。
多くの他の化合物との混合物としてのピリジンの収率は最高の状態でも約10%であり、工業スケールとしては使用できない。
米国特許第4 810 794号明細書 米国特許第5 952 258号明細書
ウルマン(Ullman)百科事典、第A22巻、第399-407頁(1993) ウルマン(Ullman)百科事典、第A22巻、第402-403頁(1993) Cullinane et al. 触媒法によるメチルピリジンの調製, 142-143頁; J.S.C.I., 67, 4月, 1948年 J. Gelas and R. Rambaud Decomposition du glycerol en presence de sels d'ammonium [アンモニウム塩の存在下でのグリセロールの分解], 2386〜2392頁, Bulletin de la Societe Chimique de France 1970, No.6
本発明の目的は、非化石天然原料を用いて「バイオ起源」ピリジンを合成する方法を提案することによって上記の問題点を解決することにある。
本発明のピリジンおよびピコリンの合成方法少なくとも下記の(1)〜(3)の段階を含む:
(1)植物油または動物性脂肪のメタノール分解によって得られるグリセロール供給原料を脱水反応させ、反応CH2OH-CHOH-CH2OH → CH2=CH-CHO + 2H2Oに従ってアクロレインを作る第1段階、
(2)第1段階で生じる排出流を部分凝縮して、多量の水を含む流れと、アクロレインリッチな流れとに分離する第2段階、
(3)第2段階で得られたアクロレインを、アンモニアの存在下で、アセトアルデヒドと反応させ、凝縮反応を経てバイオ起源のピリジンおよびピコリンを得る第3段階。
アクロレインの合成と、それに続く重質化合物および非凝縮性化合物を除去する精製段階を含むプロセスの段階1と段階2を示す図。 アセトアルデヒドとアクロレインとを別々に抽出する、[図1]のプロセスの段階1および段階2と同様な図。 アセトアルデヒドとアクロレインとを同じカラム内で別々に抽出するプロセスの段階1と段階2を示す図。 3つの段階を有する完全プロセスのスキーム図。 アクロレインとアセトアルデヒドからピリジンを合成するプロセスを示す図。
第1プロセスの第1段階で用いる供給原料(charge)はグリセロール(1,2,3−プロパントリオール)である。これは植物油または動物性脂肪のメタノール分解、より一般的にはアルコール分解、加水分解および鹸化で生成する副生物である。その他の生成物はディーゼル燃料および家庭燃料として使われるメチルエステルまたは脂肪酸(加水分解物)または石鹸(鹸化物)である。バイオ燃料が開発され、この生産ルートによるグリセロールの生産量が増加し、変換オイルの約10重量%はグリセロールである。
グリセロールには予め種々の精製処理を施して塩を除去することができる。これはイオン交換樹脂を用いるか、流動床(特許文献3)を用いる蒸留法またはグリセロールの精製、蒸発法(非特許文献5、6)を用いる。
フランス特許第2 913 974号公報 G.B. D'Souza in J. Am. Oil Chemists' Soc., November 1979 (Vol 56) 812A, by Steinberner U et al. in Fat. Sci. Technol. (1987), 89 Jahrgang No. 8, pp 297-303 Anderson D.D. et al. in Soaps and Detergents: A Theoretical and Practical Review, Miami Beach, Fla., Oct 12-14 1994, chapter 6, pp 172-206. Ed: L Spitz, AOCS Press, Champaign
一般にグリセロール水溶液が使用され、その濃度は広範囲に変えることができ、例えばグリセロール20〜99重量%、好ましくは30〜80重量%水溶液が好ましく使用される。
脱水反応:
CH2OH-CHOH-CH2OH ⇔ CH2OH-CH2-CHO + H2O → CH2=CH + 2H2O
は平衡反応であるが、高温度で促進され、反応装置中で触媒の存在下、一般に気相で150℃〜500℃、好ましくは250℃〜350℃の温度、1〜5バールの圧力下で実行される。液相でも実行できる。また、特許文献4、5に記載のように、酸素または酸素含有ガスの存在下で実行することもできる。
国際特許第WO06/087083号公報 国際特許第WO06/114506号公報
これらのプロセスでは、酸素は酸化に役立たないが、実際には触媒の脱炭素(コークスの燃焼による)に寄与し、この触媒は(アクリル酸および酢酸をほとんど生成しないという意味で)酸化剤ではなく、酸性であり、この触媒は急速に汚染され、従って、その使用寿命を延ばすのに寄与する。さらに、酸素は妨害副生成物、例えばフェノール、アセトンおよびプロピオンアルデヒドの生成を抑えることにも寄与する。温度が過度に高くない限り、アクリル酸が生成される酸化はない。
グリセロールの脱水反応は一般に固体酸触媒を用いて実行される。使用に適した触媒は反応媒体に不溶な均質またはヘテロ物質で、ハメット酸度(H0で表される)は+2以下である。非特許文献7を引用した特許文献6に記載のように、ハメット酸性度は指示薬を使用したアミン滴定または気相での塩基吸着によって求められる。
米国特許第5 387 720号明細書 K. Tanabe et al. in "Studies in Surface Science and Catalysis", Vol. 51, 1989, chap. 1、2
この触媒は天然または合成の珪酸含有物質または酸性ゼオライト、モノ−、ジ−、トリ−またはポリ無機酸で被覆された無機担体、例えば酸化物、酸化物または混合酸化物またはヘテロポリ酸またはヘテロポリ酸塩から選択できる。
この触媒は一般に上記ヘテロポリ酸のプロトンが元素周期律表の第I族〜第XVI族に属する元素から選択される少なくとも一つのカチオンで置換されたヘテロポリ酸塩から成ることができる。このヘテロポリ酸塩はW、MoおよびVから成る群の中から選択される少なくとも一つの元素を含む。
混合酸化物の中では、特に鉄およびリンをベースにした混合酸化物、バナジウムおよびリンをベースにした混合酸化物、アルミニウムおよびリン、硼素およびリン、リンまたはシリコンおよびタングステンをベースにした混合酸化物、セシウム、リンおよびタングステンをベースにした混合酸化物が挙げられる。
触媒は特にゼオライト、ナフィオン(Nafion、登録商標)複合材料(フルオロポリマーのスルホン酸ベース)、塩素処理したアルミナ、燐タングステン酸(phosphotungstic acid)および/または珪素タングステン酸(silicotungstic acid)および酸塩および酸官能基、例えばボラートBO3、サルフェートSO4、タングステートWO3、ホスフェートPO4、シリケートSiO2またはモリブデートMoO3官能基が含浸された金属酸化物、例えば酸化タンタルTa2O5、酸化ニオブNb2O5、アルミナAl2O3、酸化チタンTiO2、ジルコニアZrO2、酸化錫SnO2、シリカSiO2または珪素アルミネート(silicoaluminate)SiO2/Al2O3から成る各種タイプの固形物またはこれら化合物の混合物から選択できる。
上記触媒はさらに、促進剤、例えばAu、Ag、Cu、Pt、Rh、Pd、Ru、Sm、Ce、Yt、Sc、La、Zn、Mg、Fe、Co、Niを含むことができる。
好ましい触媒はホスフェート化ジルコニア、タングステート化ジルコニア、シリカジルコニア、タングステート、シリコタングステートまたはホスホタングステートが含浸されたチタンまたは錫の酸化物、ホスフェート化したアルミナまたはシリカ、ヘテロポリ酸またはヘテロポリ酸塩、鉄ホスフェート、促進剤を含む鉄ホスフェート、バナジウム−リン混合酸化物およびこれらの各種触媒を組み合わせたもの、または、担体と上記触媒の一つを含む活性相とからなる触媒である。使用に適した担体は例えばアルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウムおよび酸化ニオブおよび酸化タンタルを含む。
第2段階は吸収カラム、熱交換器、凝縮装置またはその任意の均等装置からなる凝縮ユニット内で行う。脱水反応装置から得られるガス状排出物の出口で「ガスボイラ−熱交換器」で「急冷」タイプの冷却し、蒸気を生成し、それを一般に0〜90℃の温度で運転される凝縮ユニットへ送る。このカラム頂部のガスの温度は30〜60℃であり、カラム底部の液体の温度は60〜90℃であるのが好ましい。このカラムの底部から水溶液を抜き出すことによって重質化合物、アクリル酸、酢酸、グリセロールポリエーテル、グリセロールアセタール、残留グリセロール等を分離し、頂部でアクロレイン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アセトン、未反応気体O2およびN2、非凝縮性気体COおよびCO2を含むガス留分を取り出す。次いで、この第1カラムからのガス留分を精製し、アセトアルデヒドを分離するか分離せずに、所望品質のアクロレインを製造し、これを用いて本発明のプロセスの第3段階を実行する。
本発明の一実施例では、この第1カラムからのガス留分を第2吸収カラムへ送り、このカラムの底部でアクロレイン水溶液を回収し、このカラムの頂部で非凝縮性化合物をパージする。従って、プロピオンアルデヒドとアセトンとを含むアクロレイン水溶液を蒸留するだけで、必要に応じてアセトアルデヒドを分離するかまたは分離せずに、所望品質のアクロレインを得ることができる。
投資コストを抑えるために、例えば下記文献の対象であるスキームに示されるように、いくつかの蒸留カラムをまとめることができる。特に、アクロレイン、アセトアルデヒドおよび水の分離は特許文献7に記載の単一カラムにまとめることができる。
Techniques de l'Ingenieur J page 2 ウルマン(Ullman)百科事典、第A1巻、第154頁 カークオスマ(kirk-Othmer)百科事典、第3版、第1巻、第287頁 米国特許第6 515 187号
吸収カラムの底部で回収した軽質副生成物、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドおよびアセトンを含むアクロレインリッチな水性留分は、必要に応じて精製処理した後に第3段階へ送ることができる。
本発明の一実施例では、アクロレイン水溶液を蒸留カラムへ送り、その頂部でアセトアルデヒドを含むアクロレインリッチな留分を分離し、底部で水溶液を分離し、この水溶液を第2吸収カラムへ再循環する。
本発明の一実施例では、アクロレイン水溶液を第1蒸留カラムへ送り、その頂部でアセトアルデヒドリッチな軽質留分を分離し、底部でアクロレイン水溶液を分離し、この水溶液を第2蒸留カラムへ送り、その頂部でアクロレインリッチな留分を分離し、底部で水溶液を分離し、この水溶液を第2吸収カラムへ再循環する。
本発明の一実施例では、アクロレイン水溶液を第1蒸留カラムへ送り、その頂部でアセトアルデヒドを含む軽質留分を分離し、中間帯域でアクロレインリッチな留分を側部流として抜き出し、底部で水溶液を分離し、この水溶液を第2吸収カラムへ再循環する。
本発明のプロセスの第3段階では、第2段階で得られたアクロレインをアンモニアの存在下で、アセトアルデヒドと反応させ、凝縮反応を経てバイオ起源のピリジンおよびピコリンを得る。
以下に説明する反応スキームの反応は気相で300〜600℃、好ましくは350〜550℃の温度、500〜5000h-1の毎時空間速度(HSV)、一般に0.5〜10バール、好ましくは0.8〜2バールの圧力下、固体酸触媒の存在下に実行され、この触媒は必要に応じて促進剤を含む、好ましくはSi/Al原子比が10以上のシリカ−アルミナからなる。このような触媒の例としては下記のものが挙げられる:結晶性または非晶質アルミノシリケート、シリケート、結晶性合成ゼオライト、例えばフォージャサイト、フェリエ沸石、ZSM(これらの触媒の形態は酸性または1族〜14族の元素、好ましくは1族および2族の元素によっておよびZnおよびTlによって部分的にまたは完全に中和された形態である)、このタイプの混合酸化物触媒、例えばコバルトとアルミニウムとの混合ホスフェート、例えば、カドミウム、Mg, Ca, Sr, Mn, Zn, Mo, Nb, Pb, Si等のハロゲン化物をドープしたアルミナまたはシリカ−アルミナ。用いるゼオライトはその構造内のアルミニウム原子の一部または全部を三価原子、例えばB, Ga, Fe, Cr, V, As, Sb, BiまたはBeで置換でき、シリコン原子の一部または全部を四価原子、例えばGe, Ti, ZrまたはHfで置換できる。
本発明方法で使用可能な触媒は当業者に周知であり、これらの触媒はより良い選択性を得るためのこの分野の最近の研究対象となっている。特許文献1(米国特許第4 810 794号)、米国特許第4 868 179号、米国特許第5 079 367号、米国特許第5 395 940号および特許文献2(米国特許第5 952 258号)が挙げられる。
米国特許第4 868 179号明細書 米国特許第5 079 367号明細書 米国特許第5 395 940号明細書
触媒を選択することで選択性をピリジンまたはその誘導体のβ−ピコリンまたはα−ピコリンおよびγ−ピコリンの方へ向けることができる。選択性を特定の分子の方へ向けるための最も重要なファクタは用いる成分の種類とその量である。対象分子がピリジンの場合、アクロレイン/アセトアルデヒドモル比が0.8〜1.2、好ましくは0.9〜1.1となる量(化学量論量は1である)でアセトアルデヒドを反応媒体に添加し、アンモニア/アクロレイン+アセトアルデヒドモル比が2〜20となる量でアンモニアを添加する。
反応は酸素または空気の存在下で行って、触媒の急速な非活性化を防止するのが好ましい。触媒は50℃の空気で処理することで再生できる。
本発明の別の好ましい実施例では、反応を水素の存在下で行って触媒の急速な非活性化を防止する。用いる水素は反応ガスの再循環で得るか、プロセスに連続的に添加することができる。
反応は以下の通り:
Figure 2013510130
合成条件下では媒体中に存在する分子(不純物)に応じて他の反応も起こる。
Figure 2013510130
ピリジン合成反応装置に入る混合物の組成によって各生成物(ピリジンおよびピコリン)の得られるモル比がある程度決まる。従来技術に記載の多数のバリエーションが存在する。
凝縮反応装置の出口でピリジンを含むガス排出物を冷却する。頂部でガス留分、主としてアンモニアを抜き出し、精製し、再循環する。液体留分は一般にベンゼンを用いて溶剤抽出する。次いで、この溶剤含有溶液を分別蒸留し、頂部で溶剤を抜き出し、この溶剤を前段階へ再循環する。一般にピリジン塩基とよばれるピリジンリッチな重質留分は一連の蒸留で種々の形のピリジンに分離する。この方法によって得られるピリジンは14C/12C比が少なくとも0.7×10-12である。
本発明方法のこの実施例には、プロピレンから得られるアクロレインを用いる方法に比べて、アセトアルデヒドの消費が少ないという大きな利点がある。具体的には、プロピレンの酸化で生じるアクロレインは一般に0.1質量%以下のプロピオンアルデヒドと2質量%以下のアセトアルデヒドを含む。グリセロール脱水段階での脱水プロセスの主たる副生成物はアセトアルデヒドであり、このアセトアルデヒドは大抵の場合2〜10質量%の比率で存在し、プロピオンアルデヒドは0.5〜5質量%の比率で存在する。本発明プロセスの第1段階を出たガス流は既に2つの成分(アクロレインおよびアセトアルデヒド)を含み、この成分は本発明のプロセスの第3段階で用いられ、この第3段階ではアセトアルデヒドの添加によって比率を調整するだけでよい。さらに、分離するのが難しい不純物であるプロピオンアルデヒドはアクロレインと反応させて媒体中で等級を上げてβ−ピコリンにすることができる。すなわち、元のグリセロールプロセスから得られるアクロレイン中に存在する副生成物がピリジン塩基の合成プロセスの収率を高めるのに寄与する。
本発明方法の別の実施例では、バイオエタノールから得られるバイオ起源のアセトアルデヒドを第3段階の成分として用いる。この変換はわずかに異なる2つの反応モードに従って得られる。第1モードは下記の反応に従う酸化からなる:
Figure 2013510130
この反応は固体触媒の存在下、気相で200〜500℃の温度で、1〜5絶対バールの圧力下、一般にはほぼ大気圧で実行される。触媒はモリブデン酸鉄、タングステン酸鉄およびモリブデンと少なくとも一つの金属W, V, Cu, NbまたはTiとの混合酸化物から選択される。
もう一つの反応モードでは下記の反応に従ってエタノールをオキシ脱水素してアセトアルデヒドを得る:
Figure 2013510130
この反応は気相で500〜700℃の温度で、銀または銅金属触媒の存在下、ほぼ大気圧下で実行される。
下記反応の組合せに従って2つの反応モードを組み合わせた方法に従ってアセトアルデヒドを合成することもできる:
Figure 2013510130
この組合せ反応は、固体触媒の存在下、気相で400〜700℃の温度、1〜5絶対バールの圧力下で実行される。触媒は銅金属、銀金属、各種担体、例えば炭化ケイ素、シリカ、アルミナおよび酸化チタンに担持された銀金属から選択される。
これらの各種反応は下記文献に記載されている。
ウルマン(Ullman)百科事典、第A1巻、第34-35頁 Institut Francais du Petrole Procedes de petrochimie 第2巻, 1986年版,第33〜36頁
その他の段階は既に述べたプロセスの段階と同じである。
この方法に従って得られるピリジンは14C/12C比が少なくとも1.1×l0-12に等しい。
本発明方法は添付の[図1]〜[図5]を参照した以下の説明からより良く理解できよう。
[図1]では水溶液中のグリセロール供給原料を予備加熱した後に、酸触媒を収容した反応装置Rに酸素および不活性ガス、例えば窒素と一緒にライン1を介して導入する。この操作時に窒素の全部または一部をライン14を介してカラム4から抽出した非凝縮性ガスで置換できる。反応装置は250〜350℃の温度、1〜5バールの圧力下に維持する。反応装置の出口からのガス排出物を凝縮カラム2の上流で冷却する。凝縮カラム2では底部で重質留分を抜き出し、カラム3へ送り、ここで重質留分をストリッピングする。ストリッピングの目的は、酸性の重質化合物を含む重質流に随伴している軽質アルデヒドを回収することにある。最も軽い化合物のこのストリッピングは、必要に応じて、ストリッピングガスを用いて容易にすることができる。このガスは空気、希釈空気または再循環ガス、例えばカラム4の頂部で得られたものにすることができ、ライン18を介して導入される。可燃状態とならない制限された量を用いる限り、空気(O2)でカラム内の重合反応を抑制することもできる。重質留分は流れ10を介して除去される。軽質留分はカラム頂部で抜出され、カラム2の底部へ再循環される。カラム2からの軽質留分はカラム頂部で取り出し、カラム4へ送り、ここで軽質アルデヒドを水溶液中に吸収させた後に、ストリッピングによって非凝縮性ガスが除去される。このカラム4では非凝縮性化合物がライン14を介してカラムの頂部で抜き出され、カラム底部で抜き出された液体排出物は熱交換して加熱された後にカラム5へ送られる。カラム5では軽質留分がライン87を介して分離され、アクロレイン、アセトアルデヒドおよびその他の軽質アルデヒドおよびケトンを組み合わせた流れとなり、多量の水を含むテール排出物はライン9を介してカラム4へ再循環される。流れ87はアンモニアおよび追加のアセトアルデヒドとの縮合ピリジン合成反応装置、例えば[図4]および[図5]の15で表される反応装置の供給原料として使用できる。
[図2]のスキームは[図1]のスキームと同様であるが、カラム6が追加される。このカラム6にはカラム5の底部の排出物が供給される。カラム5の頂部ではアセトアルデヒド(および軽質留分)リッチな流れがライン8を介して抜き出され、このカラムの底部ではアクロレインリッチな水流が抜き出され、この水流はカラム6へ送られる。カラム6の頂部ではアクロレインリッチなガス流がライン7を介して頂部で抜き出され、多量の水を含むテール排出物がライン9を介してカラム4へ再循環される。
[図3]のスキームは[図1]のスキームと同様であるが、カラム5を変更して、側部流抜出し部を備える。この側部流抜出し部は、中間高さに位置するライン7を介したアクロレインリッチなガス流の抜き抽出と、頂部でのライン8を介したアセトアルデヒドおよび軽質留分の抜き出を同時に行う。
ある種の蒸留分離では温度を上げる必要があることは理解できよう。この場合は、リボイラをカラム底部に追加できる。説明を簡単にするために、このリボイラはスキーム中に系統的には示していない。
[図4]は3つの段階を有するプロセス用の組立体のスキームを示している。プロセスの上流部分(反応装置Rからカラム6まで)は2つの異なる点、すなわちカラム4がその温度を上げるためのリボイラを備え、且つ、多量の水を含む排出物がライン9を介して純粋且つ単純に抜き出される以外は、全て[図2]のスキームと同じである。カラム5および6の下流では、加熱された流れ7および8が反応装置15へ送られ、ライン13を介して導入されるアンモニアとの縮合によってピリジン(およびピコリン)の合成が行われる。ライン11を介して追加のアセトアルデヒドが導入される。空気(または酸素源)をライン16を介して反応装置15に導入し、同時にライン17を介して窒素を導入する。この反応装置は気相で一般に350〜550℃の温度、一般に0.8〜2バールの圧力、500〜5000h-1のHSVで運転され、縮合反応用の固体酸触媒を収容している。ピリジンとその誘導体を含むガス状排出物はライン12を介して抜き出される。反応はほぼ等モル量のアクロレインとアセトアルデヒドを用いて実行する必要があるので、所望の生成物が主としてピリジンである場合は、ライン8を介して供給されない反応に必要なアセトアルデヒドの量をライン11のチャネルを介して追加量によって補充する。
[図4]に示すプロセスの変形例では、アセトアルデヒドの外部供給なしで機能するように、ピリジン(および誘導体)およびアクロレインを製造する自律ユニットにすることもできる。具体的には、カラム6から得られ且つライン7を介して取り出されるアクロレインリッチな排出物を2つの流れ、すなわち、生成物としてアクロレインの製造に役立つ流れ7’と、反応装置15に送られる成分である残部とに分けることができる。その補充を、反応装置15内の反応に入れる必要がある流れ8に含まれるアセトアルデヒドの量にほぼ等しいアクロレインの量に対応させるには、抜き出し産出量7’を選択するだけでよい。すなわち、アクロレイン(7)/アセトアルデヒド(8)モル比が0.8〜1.2となるようにする。この抜き出しはライン11を介した追加のフィードなしで行う。
プロセススキームのこの形では、カラム5内でアクロレインとアセトアルデヒドを完全に分離する必要はない。カラム5は、全てのアセトアルデヒドが流れ8を通り、その結果として、同様に頂部の一定量のアクロレインがその他の軽質アルデヒドおよびケトンと一緒に通るように調節できる。これは、アクロレインをアセトアルデヒドの中に入れたままにしておき、次いで、アセトアルデヒドがより少ないが同時に産出量もより少ない流れをカラム6内で分離するために送るのが好ましいからである。従って、カラム5を過剰に拡張する必要がなく、これによって、必要な投資コストを下げることができ、アクロレインの品質基準をより容易に満足させることができる。
アクロレインとピリジンの製造を組み合わせたこの形では、流れがより改良され、その結果、工業的応用が容易になる。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、プロピオンアルデヒドおよびアクロレイン、すなわち、カラム5内に存在する全ての軽質アルデヒドおよびケトンを流れ8に残しておくことができる。
[図5]はアンモニアと、アクロレインとアセトアルデヒドとの縮合反応および反応生成物の一連の精製を介したピリジン(および誘導体)の合成を目標とするプロセスを示す。この反応は[図4]で説明した上記条件下で行う。媒体の各種試薬および成分をライン7(アクロレイン)、ライン8および11(アセトアルデヒド)、ライン13(アンモニア)、ライン16(酸素)およびライン17(窒素)を介して導入する。反応排出物はライン12を介して抜き抽出し、冷却後に回収装置32へ送り、ここで生成された水素および過剰アンモニアはライン40を介して抜き出される。この過剰アンモニアはプロセス中で再利用するために精製段階に送られる。回収装置32から抜き出された液体排出物は抽出装置33に送られ、ここでベンゼンによる抽出が行われる。残留水性留分はライン31を介して底部で抜き出す。頂部で抽出されたベンゼン溶液はカラム34へ送り、このカラムの頂部から出た溶剤は蒸留で分離し、冷却後、抽出装置33へ再循環する。ピリジンとその各種誘導体との混合物からなるカラム底部から出る排出物は第1蒸留カラム35へ送り、このカラムの頂部で最も軽い化合物、ピリジンおよび2−メチルピリジンを分離し、重質留分を第2蒸留カラム36に送り、このカラムの頂部で3−メチルピリジンおよび4−メチルピリジンを分離し、このカラムの底部で重質ピリジン型化合物、高沸点ピリジン塩基を抜き出す。
別の実施例では、ピリジンおよびその各種誘導体を純粋な形で得るために蒸留カラムの数を増やすことを考えることができる。これらの沸点は以下の通り:ピリジン:113.5〜115.5℃、2−メチルピリジン:128〜129℃、3−メチルピリジンおよび4−メチルピリジン:143〜146℃。
以下の実施例で用いる%は質量%である。
実施例1
グリセロールから製造したアクロレイン(89%のアクロレイン、7%のアセトアルデヒド、1%のプロピオンアルデヒドおよび3%の水からなる)を0.100モル/時で、また、アセトアルデヒド(純度99.5%)を0.0500モル/時で、さちに、アンモニアを0.200モル/時で、蒸発器に導入する。得られたガス流を下記文献に記載の方法に従って得られる平均粒径が0.5mmのHZSM−5/In触媒16mlを収容した、450℃に加熱された管に送る。
米国特許第5 952 28号明細書
反応装置を出たガス流を水で吸収し、ガスクロマトグラフィで分析して反応収率を求める。0.0420モル/時のピリジンと、0.0194モル/時のβ‐ピコリンと、0.0008モル/時のα‐ピコリンとが製造された。
実施例2(比較例)
石油化学由来のアクロレイン(96%のアクロレイン、1%のアセトアルデヒド、0.05%のプロパナールおよび3%の水からなる)を0.100モル/時で、また、アセトアルデヒド(純度99.5%)を0.0500モル/時で、さらに、アンモニアを0.200モル/時で、蒸発器に導入する。得られたガス流を上記と同じHZSM−5/In触媒16mlを収容した450℃に加熱された管に送る。
反応装置を出たガス流を水で吸収し、ガスクロマトグラフィで分析して反応収率を求める。0.0403モル/時のピリジンと、0.0181モル/時のβ‐ピコリンと、0.0007モル/時のα‐ピコリンとが製造された。

Claims (12)

  1. 少なくとも下記(1)〜(3)の段階を含むバイオ起源のピリジンおよびピコリンの合成方法:
    (1)植物油または動物性脂肪のメタノール分解によって得られるグリセロール供給原料を脱水反応:CH2OH-CHOH-CH2OH −> CH2=CH-CHO + 2H2Oに従ってアクロレインを作る第1段階、
    (2)第1段階から生じる排出流を部分凝縮して、多量の水を含む流れと、アクロレインリッチな流れとに分離する第2段階、
    (3)第2段階で得られたアクロレインを、アンモニアの存在下で、アセトアルデヒドと反応させ、凝縮反応を経てバイオ起源のピリジンおよびピコリンを得る第3段階。
  2. 第1段階を反応装置中で固体酸触媒の存在下、気相で150℃〜500℃、好ましくは250℃〜350℃の温度で1〜5バールの圧力で実行し、上記触媒が反応媒体に不溶で、ハメット酸度(H0で表される)が+2以下で且つ天然または合成の珪酸含有物質または酸性ゼオライト、モノ−、ジ−、トリ−またはポリ無機酸で被覆された無機担体、例えば酸化物、酸化物または混合酸化物またはヘテロポリ酸またはヘテロポリ酸塩の中から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 脱水反応装置(R)から得られるガス状排出物を第2段階で一般に0〜90℃の温度で運転される凝縮装置(2)内で「急冷」タイプで冷却し、底部で重質化合物、アクリル酸、酢酸、グリセロールポリエーテル、グリセロールアセタールおよび残留グリセロールを含む水溶液を分離し、頂部でアクロレイン、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド、未反応気体O2およびN2および非凝縮性気体COおよびCO2を含むガス留分を分離し、次いでヘッド留分を精製し、アセトアルデヒドを分離するか分離せずに、所望品質のアクロレインを製造し、このアクロレインを用いて第3段階を実行する請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記ヘッド留分を第2吸収カラム(4)へ送り、このカラムの頂部ではライン(14)を介して非凝縮性化合物をパージし、このカラムの底部では副生成物、例えばプロピオンアルデヒド、アセトアルデヒドおよびアセトンを含むアクロレイン水溶液を分離する請求項3に記載の方法。
  5. 第2吸収カラム(4)から生じるアクロレイン水溶液を蒸留カラム(5)へ送り、その頂部(87)でアセトアルデヒドを含むアクロレインリッチな留分が分離し、底部(9)でアクロレイン水溶液を分離し、この水溶液を吸収カラム(4)へ再循環する請求項4に記載の方法。
  6. 第2吸収カラム(4)から得られるアクロレイン水溶液を蒸留カラム(5)へ送り、その頂部(8)でアセトアルデヒドがリッチな軽質留分を分離し、底部で水溶液を分離し、この水溶液を第2カラム(6)へ送りその頂部(7)でアクロレインリッチな留分を分離し、底部(9)で水溶液を分離し、この水溶液を吸収カラム(4)へ再循環する請求項4に記載の方法。
  7. 第2吸収カラム(4)から得られるアクロレイン水溶液を蒸留カラム(5)へ送り、その頂部(8)でアセトアルデヒドを含む軽質留分を分離し、アクロレインリッチな留分(7)を中間帯域で側部流として抜出し、底部(9)で水溶液を分離し、この水溶液を吸収カラム(4)へ再循環する請求項4に記載の方法。
  8. 第2段階で得られたアクロレインを第3段階で反応装置(15)中でアンモニアの存在下でアセトアルデヒドと反応させ、凝縮反応を経てバイオ起源のピリジンおよびピコリンを製造し、この反応を気相で300〜600℃の温度、500〜5000h-1の毎時空間速度(HSV)、一般に0.5〜10バールの圧力下で、固体酸触媒の存在下で実行し、上記触媒は必要に応じて促進剤を含み、好ましくはSi/Al原子比が10以上のシリカ−アルミナからなる請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 反応に入るアセトアルデヒドの一部が上記プロセスの第1段階から得られ、一部を第3段階で添加する請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 添加されるアセトアルデヒドがバイオエタノールから得られる請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  11. アセトアルデヒドを反応媒体にアクロレイン/アセトアルデヒドモル比が0.8〜1.2、好ましくは0.9〜1.1となる量で添加し、アンモニアをアンモニア/アクロレイン+アセトアルデヒドモル比が2〜20となる量で添加する請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 反応装置(15)に送られる残ったアクロレイン流のアクロレイン(7)/アセトアルデヒド(8)モル比が0.8〜1.2となるように、アクロレインリッチな流れの一部を(7’)で抜き出し、ライン11を介した追加のフィードなしで行う請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
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