JP2013504582A - 有糸分裂阻害剤耐性癌の治療における使用のためのn−4(−((3−(2−アミノ−4ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミン - Google Patents

有糸分裂阻害剤耐性癌の治療における使用のためのn−4(−((3−(2−アミノ−4ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミン Download PDF

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Abstract

本発明は、タキサンなどの有糸分裂阻害剤および/またはオーロラキナーゼ阻害剤を含めた他の抗癌剤を含めた化学療法剤に治療耐性になった固形腫瘍を含めた癌を治療するための化合物N−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミンまたは医薬として許容できるこの塩を使用する方法に関する。本発明には、この化合物を含む医薬組成物を癌患者に投与することによってこうした治療に難治性の癌を治療する方法も含まれる。

Description

本出願は、2009年9月11日に出願された米国仮出願第61/241,527号の利益を主張し、その明細書をこれによって本明細書に参照によりその全体を組み込む。
本発明は、有糸分裂阻害剤および/または他の化学療法剤に治療耐性になった、固形腫瘍を含めた癌を治療するためのN−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミンの使用に関する。
癌は人類に影響する最も広汎な疾患の1種であり、世界中で死亡の主要な原因である。合衆国だけでも、癌は死亡の第二の主要な原因であり、心疾患だけがこれを上回る。癌はしばしば、正常な細胞プロセスの調節解除または調節されない細胞増殖を特徴とする。癌性細胞に形質転換した細胞は、制御されずにおよび調節されずに増殖する傾向があり、一部の場合において癌の転移または広がりにつながる。細胞増殖の調節解除は、細胞周期の進行を制御する細胞経路に関与する1種または複数の遺伝子の改変に起因し得る。または調節解除は、細胞が細胞周期の1つの期から別の未チェック期に移行するのを可能にする1つまたは複数の細胞周期チェックポイント調節因子におけるDNA改変(これらに限定しないが、突然変異、増幅、再構成、欠失、およびエピジェネティックな遺伝子サイレンシングを含める。)に起因し得る。他には、細胞機構自体における改変が、適切に検出または修復されない有糸分裂のエラーをもたらす可能性もあり、細胞を未チェックの細胞周期に進ませる可能性もある。
有糸分裂は、真核細胞が複製染色体を2つの同一の娘核に分離するプロセスである。一般に、その後直ちに、核、細胞質、小器官および細胞膜を、これらの細胞成分をおよそ均等に含有する2個の娘細胞に分割する細胞質分裂が続く。有糸分裂および細胞質分裂はともに、互いに対しておよびそれらの親細胞に対して遺伝学的に同一な2個の娘細胞に母細胞を分割する、細胞周期の有糸分裂(M)期を規定する。
有糸分裂のプロセスは複雑であり、高度に調節されている。事象の順序は、一連の活動の完了および次の活動の開始に対応する異なる期に分かれている。これらの段階は、分裂前期、分裂前中期、分裂中期、分裂後期および分裂終期である。有糸分裂のプロセス中、複製染色体は凝縮し、姉妹染色分体を細胞の両極に引っ張る線維に付着する。次いで細胞は細胞質分裂において分割して、2個の同一の娘細胞を生じる。有糸分裂におけるエラーは、アポトーシスを介して細胞を死滅させる可能性があり、または癌に至り得る染色体の誤分離を引き起こす可能性がある。
通常、DNAエラー(例えば、DNA損傷)が検出されると、細胞周期チェックポイントが活性化される。ゲノムに対するこれらのエラーを修復することができなければ、細胞は通常アポトーシスを起こす。しかし、細胞がその細胞周期を進み、未チェックで進行することが可能であれば、その後、より多くの突然変異が時間とともに蓄積し得る。これらの遺伝子改変は自然に生じる可能性があり、最終的に、適応を介して前悪性または悪性の腫瘍特徴(例えば、制御されない増殖)を持つ細胞子孫をもたらす。
有糸分裂阻害剤は、微小管の機能を阻害する抗癌剤である。微小管は、紡錘体装置の形成および有糸分裂の終わりの細胞質分裂において重要な役割を果たすα−チューブリンおよびβ−チューブリンヘテロ二量体によって形成されるタンパク質ポリマーである。微小管を標的とする抗癌剤は、癌細胞の増殖に干渉するための証明された手法の代表である。
有糸分裂阻害剤のいくつかの部類が抗癌剤として開発された。タキサンは、パクリタキセル(タキソール)およびドセタキセル(タキソテール)を含める有糸分裂阻害剤の最も有名な部類である。ビンカアルカロイドは、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンを含める微小管不安定化剤の部類である。他の新たな部類として、エポシロン(イクサベピロン)が挙げられる。これらの有糸分裂阻害剤は、微小管の安定化または不安定化のいずれかによって癌細胞の増殖を防止する働きをする。微小管のこの直接阻害は、アポトーシスを介する細胞静止および細胞死、または分裂期細胞死をもたらす。パクリタキセルは、見出されたタキサン系の最初の化合物であった。パクリタキセルの構造類似体であるドセタキセルが後に見出された。パクリタキセルおよびドセタキセルは、一般に、卵巣癌、乳癌、頭頸部癌、肺癌、胃(gastric)癌、食道癌、前立腺癌およびAIDS関連カポジ肉腫を含めて、様々なヒト悪性腫瘍を治療するために使用される。タキサンの主な副作用は骨髄抑制、主に好中球減少であり、一方他の副作用として、末梢性浮腫および神経毒性(末梢神経障害)が挙げられる。
タキサンに対する耐性は、癌治療の成功の複雑な因子であり、しばしば、mdr−1コード遺伝子およびその産物であるP−糖タンパク質(P−gp)の発現増加を伴う。タキサンに対する耐性獲得の他の実証された機序として、チューブリン突然変異、過剰発現、増幅およびアイソタイプスイッチ)が挙げられる。α−またはβ−チューブリンにおける突然変異は、タキサンが微小管上の正確な場所に結合することを阻害し、これは、薬物の効果を無効にする。さらに、一部の耐性細胞はまた、有糸分裂の完了を促進する酵素であるオーロラキナーゼの増加も示す。
ビンカアルカロイド(ビンカ(Vincas);植物アルカロイドとも称される)は、微小管のβ−チューブリンサブユニットに結合し、α−チューブリンサブユニットと重合するそれらの能力を遮断することで、完全な微小管を形成することができる。このことは、無傷の紡錘体の非存在下において複製染色体が分裂プレートに沿って整列することができないため、細胞周期を分裂中期において静止させ、アポトーシス細胞死をもたらす。研究は、二量体の非対称ビンカアルカロイドであるビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビンおよびビンデシンを同定した。これらのそれぞれが膀胱および精巣癌、カポジ肉腫、神経芽細胞腫およびホジキン病、ならびに肺癌および乳癌を含めた癌の治療に有用である。ビンカアルカロイドの主要な副作用は、患者において神経毒性および骨髄抑制を引き起こす可能性があることである。
ビンカアルカロイドに対する耐性は、実験モデルにおいて速やかに生じることができる。ビンカアルカロイドの抗腫瘍効果は、P−gpおよびMRP1などATP結合カセット(ABC)トランスポーター媒介薬物流出トランスポーターを過剰発現する多剤耐性細胞系において遮断することができる。耐性の他の形態は、阻害剤のこれらの標的への結合を防止するβ−チューブリンにおける突然変異に由来する。
他の化学療法剤として、イリノテカンおよびトポテカン(I型阻害剤)ならびにアムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシドおよびテノポシド(II型阻害剤)などのトポイソメラーゼ阻害剤が挙げられる。トポイソメラーゼ阻害剤はDNA合成に影響し、特に、DNAの転写および複製を防止することによって作用する。
化学療法剤のまた別の部類は、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシンおよびミトキサントロンを含めて、アントラサイクリン抗生物質の部類である。現在、アントラサイクリンは、リンパ腫、白血病、ならびに子宮癌、卵巣癌、肺癌および乳癌を含めて、多数の癌を治療するために使用される。アントラサイクリンは、DNA鎖を切断する遊離酸素ラジカルを形成し、それによってDNAの合成および機能を阻害することによって作用する。アントラサイクリンの主な副作用の1つは、心筋の細胞を損傷し、心毒性に至る可能性があることである。
限定することなく化学療法剤および有糸分裂阻害剤を含めた抗癌剤の耐性は、癌の治療における主要な欠点となっている。こうした耐性は、多くの異なる薬物の効果に対して交差耐性になった患者をもたらした。さらに特に、多剤耐性が問題である。さらに、抗癌剤治療に対するこうした耐性は、必然的に、患者の死亡につながる。その結果として、薬剤耐性の発生は、依然として全ての抗癌剤治療法に関連する問題であり、すなわち、タキサンおよびビンカアルカロイドなどの化学療法剤ならびに規制認可のための臨床試験を受けている抗癌剤を用いる伝統的な治療を含めた癌治療に対してすでに応答しない、またはわずかな効果しかない癌の治療を特定する必要が依然としてある。
[図面の簡単な説明]
[図1]MES−SAおよびMES−SA Dx5細胞系に対するAMG900およびタキソールの効果、p−ヒストンH3 EC50値を示すグラフである。
[図2]NCI−H460親細胞系およびNCI−H460タキソール耐性細胞系に対するAMG900およびタキソールの効果、細胞周期DNA含量EC50値を示すグラフである。
[図3]MDA−MB−231およびMDA−MB−231タキソール耐性細胞系に対するAMG900およびタキソールの効果、細胞周期DNA含量EC50値を示すグラフである。
[図4]AMG900が確立したMES−SA Dx5異種移植片腫瘍の成長をどれほど阻害するかを例示するグラフである。
[図5]確立したNCI−H460−タキソール耐性異種移植片の成長に対するAMG900およびタキソール治療の効果を示すグラフである。
[図6]HCT116親細胞系、AZD1152耐性HCT116細胞系およびパクリタキセル耐性細胞系に対するAMG900の効果を示すグラフである。
本発明は、パクリタキセルおよびドセタキセルを含めたタキサン、ならびにドキソルビシンおよび癌の治療のための臨床試験において投与される他の薬剤を含めた他の化学療法剤など、標準治療である政府により認可された有糸分裂阻害剤に難治性である固形腫瘍および癌細胞を含めて、進行癌を治療するための、化合物N−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミン(本明細書において「AMG900」または「該化合物」とも称する。)およびその医薬として許容できる塩の形態の使用を提供する。AMG900は、以下の化学構造を有する。
Figure 2013504582
本発明は、有糸分裂阻害剤を含めた化学療法剤で以前に治療された患者における癌および癌細胞の治療的、予防的、急性または慢性治療のための、この化合物またはこの医薬として許容できる塩の形態を含む医薬組成物の使用をさらに提供する。一実施形態において、本発明は、紡錘体阻害剤および抗微小管剤を含めた有糸分裂阻害剤、またはドキソルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシドおよびミトキサントロンを含めて、癌化学療法(本明細書において化学療法剤とも称する。)に使用される他の薬物で以前に治療された対象における癌の治療方法のための医薬および医薬組成物の製造におけるAMG900の使用を提供する。別の実施形態において、本発明は、対象における非小細胞肺癌、乳癌およびホルモン難治性前立腺癌を含めたタキサン耐性腫瘍型を治療する方法を提供し、該方法は、タキサン耐性腫瘍を治療するためのAMG900または医薬として許容できるこの塩の有効投与量を対象に投与することを含む。
オーロラキナーゼ阻害剤であるAMG900は、ヒト臨床試験において、AZD1152を含めてチューブリン(パクリタキセル、イクサベピロン、およびビンカアルカロイドなど)および他の化学療法剤(ドキソルビシンなど)を標的とする現在の標準治療癌治療剤に勝る驚くべき予想外の利点を提供することが見出された。特に、AMG900は、例えばα−またはβ−チューブリンタンパク質におけるATP結合カセット(ABC)トランスポーター媒介薬物流出、チューブリン遺伝子の増幅もしくは改変、または構造変化を介することを含めて様々な提唱されている機序を介して、交差耐性になった腫瘍の進行または成長の阻害または緩徐化における効力を有糸分裂阻害剤にもたらす。さらに、AMG900は、細胞周期のG2M期において増殖細胞を標的とし、したがって、微小管を標的とする抗有糸分裂薬に見られる末梢神経障害を引き起こすおそれがないものと考えられる。
定義
以下の定義は、さらに、本明細書に記載されている本発明の範囲を理解するのに役立つはずである。
「癌」および「癌性」という用語は、本明細書において使用される場合、調節されない細胞成長を通常特徴とする対象における生理学的条件を指すまたは表す。癌の例として、限定することなく、癌腫、リンパ腫、肉腫、芽細胞腫および白血病が挙げられる。こうした癌のより特定の例として、扁平上皮癌、肺癌、膵臓癌、子宮頸癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、大腸癌腫および頭頸部癌が挙げられる。「癌」という用語は、本明細書で使用される場合、疾患の任意の一具体的形態に限定されないが、本発明の方法は、対象において、限定することなく化学療法剤、有糸分裂阻害剤およびアントラサイクリンなどを含めた抗癌剤を用いる治療にある程度耐性になった癌、ならびにこうした抗癌剤を用いる治療後に再発した癌に特に有効であると思われる。
「化学療法剤」という用語は、本明細書において使用される場合、癌性細胞を死滅させることによる癌の治療を指す。この用語はさらに、癌を治療するために使用される抗悪性腫瘍薬、または標準化治療計画に使用されるこれらの薬物の併用を指す。化学療法剤の例として、限定することなく、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンなどのアルキル化試薬;ビンカアルカロイド(例として、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンおよびビンデシンが挙げられる。)およびタキサンを含めたアルカロイド(例として、パクリタキセル(タキソール)およびドセタキセルが挙げられる。);イリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシドおよびテニポシドなどのトポイソメラーゼ阻害剤;ならびにダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ブレオマイシンおよび他などの様々な抗悪性腫瘍薬が挙げられる。
「含む」という用語は、制限が無いことを意味し、示されている構成成分を含めるが他の成分を排除しない。
「多剤耐性」という用語は、本明細書において使用される場合、異なる化学構造の複数の薬物に耐性、および/または異なる標的を対象とする薬物に耐性の癌細胞を指す。
「難治性」という用語は、本明細書で使用される場合、複数の治療治癒剤に対する耐性を含めて、治療、刺激(治療法)または療法に対する非服従、耐性または非応答性を指すと意図される。癌または腫瘍を特徴づける文脈における「難治性」は、本明細書において使用される場合、非応答性であるまたは1種もしくは複数の抗癌剤を用いる治療に対する耐性もしくは減少した応答を有する癌または腫瘍を指すと意図される。該治療は通常、長期にわたって連続的、持続的および/または反復性であり、耐性を発生させたまたは全く同じ治療に対して難治性になった癌または腫瘍をもたらす。
「対象」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒトならびに雌ウシ、ウマ、イヌおよびネコなどの動物を含めて、任意の哺乳動物を指す。したがって、本発明は、ヒト患者ならびに獣医的対象および患者に使用することができる。本発明の一実施形態において、対象はヒトである。
「治療効果のある」という成句は、従来の抗有糸分裂癌治療法による癌の治療を終えた癌または腫瘍の大きさもしくは重症度における低減を達成する一方、従来の抗有糸分裂癌治療法に通常伴う有害な副作用を低減または回避する化合物(AMG900)の量を定量化すると意図される。
「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」および「治療」という用語は、本明細書で使用される場合、限定することなく、治癒療法、予防療法および防止療法を含めた治療法を指す。予防的治療は、一般に、個体において、障害の発現を一斉に防止することまたは障害の前臨床的に明らかな段階の発現を遅延させることのいずれかから構成される。
「医薬として許容できる塩」という用語は、アルカリ金属塩を形成するため、および遊離酸または遊離塩基の付加塩を形成するために一般に使用される塩を包含する。塩の性質は、医薬として許容できれば重要ではない。該化合物の適当な医薬として許容できる酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。こうした無機酸の例として、限定することなく、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸およびリン酸が挙げられる。有機酸の例として、限定することなく、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族、複素環式、カルボンおよびスルホンの部類が挙げられ、これらの例は、ギ酸、酢酸、アジピン酸、酪酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル、エンボン酸(パモン酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ショウノウ酸、カンファースルホン酸、ジグルコン酸、シクロペンタンプロピオン酸、ドデシルスルホン酸、グルコヘプタン酸、グリセロホスホン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸、ニコチン酸、2−ナフタレンスルホン酸、シュウ酸、パルモン酸、ペクチン酸、過硫酸、2−フェニルプロピオン酸、ピクリン酸、ピバリン酸、プロピオン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、メシル酸、ウンデカン酸、ステアリン酸、アルゲン酸、β−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸およびガラクツロン酸である。
該化合物の適当な医薬として許容できる塩基付加塩として、限定することなく、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から作製される塩などの金属塩、または第1級、第2級、第3級アミン、およびカフェイン、アルギニン、ジエチルアミン、N−エチルピペリジン、アイスチジン、グルカミン、イソプロピルアミン、リシン、モルホリン、N−エチルモルホリン、ピペラジン、ピペリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミンなどの環状アミンを含めた置換アミンを含めて、有機塩基から作製される塩が挙げられる。本明細書において企図される塩の全ては、例えば適切な酸または塩基と該化合物とを反応させることによって、対応する化合物から常法により調製することができる。
AMG900であるN−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミンは、PCT公報WO2007087276、実施例方法A1またはA2の70頁に記載されている手順と類似した手順であるが、1−クロロ−4−(4−メチル−2−チエニル)フタラジンを出発原料として使用し、実施例15(50頁)、25(55頁)および30(59頁)と併せて調製することができる。これらの手順は米国特許第7,560,551号にも記載されており、この明細書を本明細書によって全体を参照により本明細書に組み込む。具体的には、AMG900は下記の実施例1に記載されている通りに調製することができる。
[実施例1]
Figure 2013504582
N−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミン(AMG900)の合成
ステップ1:4−(2−クロロピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン
イソプロパノール浴に置いたアルゴンパージした500mL丸底フラスコ中で、ナトリウム金属(3.40g、148mmol)をゆっくりメタノール(180mL)に添加した。混合物を室温で(RT)約30分間撹拌した。これに、グアニジン塩酸塩(12.0mL、182mmol)を添加し、混合物をRTで30分間撹拌し、続いて(E)−1−(2−クロロピリジン−3−イル)−3−(ジメチルアミノ)プロパ−2−エン−1−オン(12.0g、57.0mmol)を添加し、空気冷却器を取り付け、反応物を油浴に移動し、ここで約50℃に24時間加熱した。メタノールのおよそ半分を減圧下で蒸発させ、固体を真空下で濾過し、次いで、飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO)およびHOで洗浄し、空気乾燥させることで、4−(2−クロロピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミンをオフホワイトの固体として得た。MSm/z=207[M+1]。CClNの算出:206.63。
ステップ2:4−(2−(4−アミノフェノキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン
再密封可能なチューブに、4−アミノフェノール(1.3g、12mmol)、炭酸セシウム(7.8g、24mmol)およびDMSO(16ml、0.75M)を添加した。混合物を100℃に5分間加熱し、次いで、4−(2−クロロピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミン(2.5g、12mmol)添加し、反応混合物を130℃に終夜加熱した。LCMSによって判断された完了時に、反応混合物をRTに冷却させ、水で希釈した。生じた沈殿物を濾過し、固体を水およびジエチルエーテルで洗浄した。固体を次いで9:1のCHCl:MeOHに溶かし、溶出液として9:1のCHCl:MeOHを用いてシリカゲルのパッドに通過させた。溶媒を真空中で濃縮することで、所望の生成物である4−(2−(4−アミノフェノキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミンを生成した。MSm/z=280[M+1]。C1513Oの算出:279.30。
ステップ3:1−クロロ−4−(4−メチルチオフェン−2−イル)フタラジン
1,4−ジクロロフタラジン(1.40g、7.03mmol)、4−メチルチオフェン−2−イルボロン酸(999mg、7.03mmol)およびPdCl(DPPF)(721mg、985μmol)を、密封チューブ中に添加した。チューブをアルゴンでパージした。次いで炭酸ナトリウム(水中2.0M)(7.74ml、15.5mmol)および1,4−ジオキサン(35.2ml、7.03mmol)添加した。チューブを密封し、RTで5分間撹拌し、予熱した油浴中に110℃で置いた。1時間後、LC−MSは、生成物および副生成物(二重カップリング)、ならびに出発原料ジクロロフタラジンを示した。反応物をRTに冷却し、酢酸エチル(EtOAc)の助剤を用いてセライトのパッドに通して濾過し、濃縮し、カラム上に充填した。Hexを使用するカラムクロマトグラフィーによって生成物を精製することでトップスポットを除去し、次いで80:20のヘキサン:EtOAcで生成物を回収した。生成物1−クロロ−4−(4−メチルチオフェン−2−イル)フタラジンを黄色固体として得た。LC−MSは、生成物に少量のジクロロフタラジンおよびビスカップリング副生成物が混入していることを示した。MSm/z=261[M+1]。C13ClNSの算出:260.12。
ステップ4:N−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミン
4−(2−(4−アミノフェノキシ)ピリジン−3−イル)ピリミジン−2−アミンおよび1−クロロ−4−(4−メチル−2−チエニル)フタラジンに、tBuOHを添加した。生じた混合物を100℃で密封チューブ中にて16時間加熱した。反応物をジエチルエーテルおよび飽和炭酸ナトリウムで希釈し、激しく振盪した。生じた固体を濾過し、水、ジエチルエーテルで洗浄し、空気乾燥させることで、N−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミンをオフホワイトの固体として得た。MSm/z=504[M+H]。C2821OSの算出:503.58。
LC−MS方法:
Agilent Technologies XDB−C(3.5μ)逆相カラム(4.6×75mm)を用いるAgilentモデル1100LC−MSDシステム上にて30℃で試料を分析した。流量は一定で、約0.75mL/分から約1.0mL/分の範囲であった。
移動相は、溶媒A(HO/0.1%HOAc)および溶媒B(AcCN/0.1%HOAc)の混合物を使用し、勾配10%から90%の溶媒Bは9分の時間周期であった。この勾配に続き、0.5分の時間で10%溶媒Bに戻り、2.5分の10%溶媒Bでカラムを再平衡化(フラッシュ)した。
他の方法を使用することでAMG900を合成することもできる。AMG900を合成するのに有用な多くの合成化学転換、ならびに保護基方法論は、当技術分野において知られている。有用な有機化学的転換の文献として、例えば、R.Larock、Comprehensive Organic Transformations、VCH Publishers(1989);T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John WileyおよびSons(1999);L.FieserおよびM.Fieser、Fieser and Fiese’s Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons(1994);A.KatritzkyおよびA.Pozharski、Handbook of Heterocyclic Chemistry、第2版(2001);M.Bodanszky、A.Bodanszky、The Practice of Peptide Synthesis、Springer−Verlag、Berlin Heidelberg(1984);J.Seyden−Penne、Reductions by the Alumino− and Borohydrides in Organic Synthesis、第2版、Wiley−VCH、(1997);ならびにL.Paquette、編集、Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis、John Wiley and Sons(1995)が挙げられる。
一部が以前にタキサンおよびビンカアルカロイドを含めて標準治療の有糸分裂阻害剤ならびに他の化学療法剤に暴露され、耐性を発生させた様々な細胞系(インビトロ)および多発性固形腫瘍型(インビボ)における腫瘍進行を低減または阻害する能力に関して、AMG900を試験した。以下の実施例および得られたデータは、パクリタキセルなどの有糸分裂阻害剤、およびドキソルビシンなど化学療法と併せて使用される他の薬物を含めて、現在の標準治療の療法に耐性の癌を含めた癌を治療するためのAMG900の能力を例証する。特段の表示がない限り、AMG900の遊離塩基形態が以下の実施例で使用された。
[実施例2]
オーロラキナーゼAおよびB活性のAMG900誘発抑制が細胞増殖を阻害するか調査するため、AMG900の抗増殖効果をインビトロにおいて32種のヒト腫瘍細胞系を使用して評価した。表1および表2に示されている通り、AMG900は、固体および血液腫瘍細胞系の両方にわたって抗増殖活性を呈した。この抗増殖活性は、低ナノモル範囲(1nMから5nMのEC50値)におけるAMG900の濃度で見られた。重要なことに、これらのAMG900感受性固形腫瘍細胞系(HCT15、MES−SA Dx5、769PおよびSNU449)の4種は、パクリタキセルおよび他の化学療法剤に耐性である。異なる化学構造の複数の薬物に耐性および/または異なる標的を対象とした薬物に耐性の癌細胞は、「多剤耐性」と呼ばれる。癌細胞によって利用される多剤耐性(MDR)の1つの顕著な機序は、mdr−1遺伝子産物であるP−糖タンパク質(P−gp)などのATP結合カセット(ABC)トランスポーターのファミリーによって媒介される薬物流出である。例えば、ドキソルビシン耐性ヒト子宮細胞系MES−SA Dx5はP−gpを発現し、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、パクリタキセル、エトポシドおよびミトキサントロンを含めて多くの化学療法剤に耐性(親系統の30倍から1200倍)である。MDR発現細胞におけるAMG900の活性をさらに調査するため、3種のタキソール耐性腫瘍細胞系を試験し、それぞれの親細胞系と比較した。図1−3および表3に示されている通り、全3種におけるAMG900保持効力は、EC50値が<2nMであるタキソール耐性および感受性腫瘍細胞系に匹敵した。タキソールは、親系統と比較してP−gp発現腫瘍亜系における効力の有意な減少(10倍から100倍)を示した。ともにこれらのデータは、AMG900がリン酸化ヒストンH3(オーロラキナーゼBの基部基質)を阻害し、パクリタキセルおよび他の化学療法剤に耐性の腫瘍細胞系の細胞分裂を阻止することを表している。
材料および方法
試験材料
試験物質:AMG900
製剤:DMSO
供給源:Amgen Inc.
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方法
インビトロにおける子宮、乳房および肺の組織から得られた親細胞系および薬剤耐性腫瘍細胞系に対するAMG900の活性を評価した。細胞周期およびp−ヒストンH3評価項目をフローサイトメトリーおよびハイコンテント細胞画像化によって、それぞれ評価した。
ヒト細胞および細胞培養
ヒト腫瘍細胞系は、特段の表示がない限り、American Type Culture Collection(Manassas、VA)から得た。全ての細胞は、摂氏37度にて5%COの雰囲気中で保持される。乳腺腫瘍由来のCAL51(ACC302)細胞系をDSMZ(GmbH)から得た。大腸腫瘍由来のHCT−116_JH(遺伝子型p21+/+)およびHCT−116_JH(遺伝子型p21−/−)の細胞系を、John Hopkins University Genetics Resources Core Facilityから許可を受けて得た。
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AMG900で処理された固形腫瘍細胞系のパネル:抗増殖性アッセイ(ArrayScan VTi)
Packard View96ウェルプレートにおいて100μLの適切な完全培地中に3000細胞または5000細胞/ウェルの密度で、細胞系成長速度(遅い対早いとして広く定義されている。)に応じて腫瘍細胞を播種した。全ての希釈をBiomek FXワークステーションを使用して行った。翌日、AMG900(11点用量範囲0.156μΜから0.0003μΜ)を用いて培地中最終DMSO濃度0.12%で細胞を処理した。24時間後、化合物を含有する培地を除去し、細胞を完全培地で洗浄した。細胞を次いで、新鮮な完全培地(化合物なし)100μL中で48時間インキュベートした。48時間後、固定緩衝液100μLを完全培地100μLに添加することによって細胞を固定化した。細胞を室温で10分間インキュベートした。固定緩衝液を吸引し、細胞を次いで洗浄緩衝液100μL中にて30分間室温で透過性にし、続いてDNA染色緩衝液100μLを添加し、室温にて30分間暗所でインキュベートした。次に、細胞を洗浄緩衝液100μLで洗浄し、分析まで100μL 1×PBS中に摂氏4度で貯蔵した。96ウェルプレートをArrayScan VTi画像化システム(Cellomics)上でスキャンすることによって、細胞データを染色した。個々の細胞の核領域および強度の定量化をHoechst33342DNA染料蛍光に基づいて行った。DMSO処理対照ウェルに基づく核領域上の閾値を、核デブリおよび倍数性細胞由来の正常な大きさの核の数を定量化するために設定した。この閾値の値を適用することで、10×の倍率を使用して6画像視野/ウェル中の正常核の数を数え上げた。4パラメータ式を使用して用量濃度曲線およびEC50値を算出した。
AMG900で処理された血液細胞系のパネル:多パラメータ細胞周期DNA含量アッセイ(フローサイトメトリー)
300μLの深い96ウェルプレートにおいて適切な完全培地150μL中に100,000細胞/ウェルの密度で腫瘍細胞を播種した。AMG900(10点用量範囲0.156μΜから0.0003μΜ)を用いて培地中0.2%の最終DMSO濃度で細胞を処理した。収集時間の2時間前、BrdUを用いて培地中1:100の最終濃度で細胞をパルス標識した。48時間後、培地100μLを各ウェルからマルチウェルピペッターで除去した。次いで、細胞を培地200μL中のPCRチューブストリップに移した。細胞を2000rpmにて18℃で4分間遠心分離し、上清を吸引した。細胞を次いで氷冷90%メタノール200μL中に固定化し、少なくとも24時間−20℃で貯蔵した後、抗体およびDNA染色した。固定化細胞を2000rpmで4分間遠心分離することで、90%メタノールを除去した。細胞を洗浄緩衝液200μLで洗浄し、次いで、100μLの酸緩衝液を用いて室温で1時間、暗所で処理した。細胞を2回200μLの洗浄緩衝液で(pH試験紙で確認してpHが7.0まで)洗浄した。抗BrdU−Alexa647(3μg/mL)および抗カスパーゼ3−FITC(20μL/ウェル)の抗体カクテルを用いて洗浄緩衝液中で2時間、室温にて暗所で細胞をインキュベートした。染色細胞を遠心分離し、洗浄緩衝液200μLで洗浄した。ヨウ化プロピジウム(PI)200μLを用いて終夜4℃にて暗所で細胞を対比染色した。データを取得し、フローサイトメーター(LSRII)によって分析した。DMSO対照および低/高薬物処理群に基づき、DNA含量、BrdU、およびカスパーゼ3陽性/陰性集団に従って閾値ゲートを適用した。データは、SubG1 DNA含量、4N+DNA含量、BrdU、およびカスパーゼ3切断陽性集団の百分率として表した。4パラメータ式を使用して濃度応答曲線およびEC50値を算出した。
AMG900またはパクリタキセル(タキソール)で処理されたMES−SA Dx5細胞系およびMES−SA細胞系:p−ヒストンH3アッセイ(ArrayScan VTi)
MES−SA Dx5およびMES−SA細胞を、10,000細胞/ウェルの密度にて96ウェルプレート上において完全培地中に平板培養し、24時間培養した。翌日、AMG900またはタキソールを用いて10点濃度範囲(1.25μΜから0.0024μΜ)にわたり24時間、培地中0.1%の最終DMSO濃度で細胞を処理した。細胞を洗浄し、2×ホルムアルデヒド固定緩衝液100μLを10分間および室温で添加することによって固定化した。細胞を洗浄し、洗浄緩衝液100μLで15分間透過性にした。細胞をp−ヒストンH3抗体(5μg/mL)で免疫染色し、室温で2時間インキュベートした。細胞を洗浄緩衝液100μLで洗浄した。次に、ヤギ抗ウサギアレキサ488コンジュゲート抗体(1.5μg/mL)を用いて、Hoechest DNA染料(1μg/mL)を補充した洗浄緩衝液中で細胞をインキュベートし、室温にて暗所で30分間インキュベートした。細胞を2回洗浄緩衝液100μLで洗浄した。ArrayScan VTi(Cellomics)にて生物学的応用アルゴリズム(Target Activation.V2)を使用して96ウェルプレートを分析した。p−ヒストンH3+対象物(6画像視野/ウェルと10×目的物との総和)の百分率を使用することで、4パラメータ式を使用して濃度応答曲線およびEC50値を作成した。
AMG900またはパクリタキセル(タキソール)で処理されたNCI−H460親細胞系およびタキソール耐性細胞系:細胞周期DNA含量アッセイ(フローサイトメトリー)
NCI−H460親細胞およびNCI−H460タキソール抵抗性細胞を、500,000細胞/ウェルの密度にて6ウェルプレートにおいて適切な完全培地2mL中に播種した。翌日、AMG900またはタキソールを用いて6点濃度範囲にわたり培地中0.05%の最終DMSO濃度で細胞を処理した。24時間後、細胞をBrdU(1:100の希釈)でパルス標識し、収集した。細胞を1600rpmで4分間遠心分離し、上清を吸引した。細胞を1×PBS中で洗浄し、氷冷90%メタノール900μL中に固定化し、−20℃で貯蔵した。固定化細胞を2000rpmで4分間遠心分離することで、90%メタノールを除去した。細胞を洗浄緩衝液200μLで洗浄し、ヨウ化プロピジウム(PI)200μLを用いて終夜4℃にて暗所で染色した。データを取得し、フローサイトメトリー(LSRII)によって分析した。DMSO処理対照および低/高薬物処理群に基づき、+4N(≧4Nと同じ)DNA含量およびSubG1陽性集団に従って閾値ゲートを適用した。データは、+4N DNAおよびSubG1陽性亜集団の百分率として表した。+4N(≧4Nと同じ)DNA含量またはSubG1細胞EC50値を、4パラメータ式を使用して算出した。
AMG900またはパクリタキセル(タキソール)で処理したMDA−MB−231(F11)−luc親細胞系およびタキソール耐性細胞系:細胞周期DNA含量アッセイ(フローサイトメトリー)
MDA−MB−231(F11)−luc親細胞およびタキソール−抵抗性細胞を、250,000細胞/ウェルの密度で12ウェルプレートにおいて適切な培地1mL中に、2連で播種した。翌日、AMG900またはタキソールを用いて10点濃度範囲にわたり0.1%の最終DMSO濃度にてタキソールフリー培地中で細胞を処理した。24時間後、1×トリプシン−EDTAで細胞を収集し、PCRチューブに移した。細胞を2000rpmで4分間遠心分離し、上清を吸引した。細胞を氷冷90%メタノール200μL中に固定化し、−20℃で少なくとも24時間貯蔵した。固定化細胞を2000rpmで4分間遠心分離することで、90%メタノールを除去した。細胞を洗浄緩衝液で洗浄し、ヨウ化プロピジウム(PI)200μLを用いて30分間4℃にて暗所で染色した。データ取得の前に追加のPI400μLを添加した。データを取得し、フローサイトメトリー(LSRII)によって分析した。DMSO対照および低/高薬物処理群に基づき、+4N(≧4Nと同じ)DNA含量に従って閾値ゲートを適用した。データは、+4N DNA含量陽性集団に対する対照の百分率として表した。+4N DNA含量細胞EC50値を、4パラメータ式を使用して定めた。
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子宮腫瘍細胞系を、対照(DMSO)、AMG900またはパクリタキセル(タキソール)を用いて10点用量範囲(0.0024μΜから1.25μΜ)にわたり24時間処理した。細胞を次いで固定化し、p−ヒストンH3抗体で染色し、DNA染料(Hoechest)で対比染色した。画像化ベースの分析(Array Scan VTi)を行うことで、p−ヒストンH3陽性細胞の百分率を測定した。用量応答曲線は、p−ヒストンH3陽性細胞に対してDMSO処理対照(POC)の百分率としてプロットしたAMG900濃度またはタキソール濃度のいずれかを表す。EC50値を4パラメータフィットモデルによって算出した。
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肺腫瘍細胞系を、対照(DMSO)、AMG900またはタキソールを用いて6点用量範囲にわたり24時間処理した。フローサイトメトリーベースの細胞周期分析を行うことで、4N以上のDNA含量陽性細胞またはSubG1 DNA含量陽性細胞の百分率を測定した。AMG900に関する用量応答曲線は、4N以上のDNA含量陽性細胞の百分率に対してプロットした薬物濃度を表す。タキソールに関する用量応答曲線は、SubG1 DNA含量陽性細胞の百分率に対してプロットした薬物濃度を表す。EC50値を4パラメータフィットモデルによって算出した。
Figure 2013504582
乳腺腫瘍細胞系を、対照(DMSO)、AMG900またはタキソールを用いて10点用量範囲にわたり24時間処理した。フローサイトメトリーベースの細胞周期分析を行うことで、4N以上のDNA含量陽性細胞またはSubG1 DNA含量陽性細胞の百分率を測定した。AMG900に関する用量応答曲線は、4N以上のDNA含量陽性細胞の百分率に対してプロットした薬物濃度を表す。タキソールに関する用量応答曲線は、SubG1 DNA含量陽性細胞の百分率に対してプロットした薬物濃度を表す。EC50値を4パラメータフィットモデルによって算出した。
[実施例3]
オーロラキナーゼ活性のAMG900誘発抑制が細胞増殖を阻害するか調査するため、AMG900の抗増殖効力を、胸腺欠損ヌードマウスにおいて成長させた乳癌、大腸癌、白血病、肺癌、膵臓癌および子宮癌のモデルを含めて、複数のヒト癌異種移植片モデルにおいてインビボで評価した。AMG900を経口的に、1週当たり連続して2日間3.75mg/kg、7.5mg/kgもしくは15mg/kg BIDで、または毎日3mg/kg BIDで、腫瘍が確立した時に開始した研究の持続期間中マウスに投与した。試薬、溶液、装置、AMG900の製剤化、腫瘍体積測定および算出は、一般に、下記の実施例4に記載されている通りである。AMG900は、溶媒対照群と比較して試験した全ての異種移植片モデルにおいて腫瘍成長を有意に阻害することが判明した(表4)。
Figure 2013504582
AMG900の効果を、腫瘍異種移植片としてインビボで成長させた多剤耐性細胞系MES−SA Dx5で試験した。AMG900を経口的に、1週当たり2日間連続して15mg/kg BIDで、または毎日3.0mg/kg BIDで、研究の持続期間中マウスに投与した。投薬は、腫瘍が確立した時(腫瘍を埋込み後10日)に開始した。AMG900処理は、溶媒対照群と比較して、AMG900の用量およびスケジュールの両方を使用して統計的に有意な腫瘍成長阻害をもたらした(図4;p<0.0001、Dunnett事後検定)。匹敵する腫瘍成長阻害が、驚くべきことに、同様の処理スケジュールを使用する2つの他の薬剤耐性モデル(HCT15およびNCI−H460−タキソール−r[耐性])においても達成された(表4を参照のこと。)。
Figure 2013504582
MES−SA Dx5多剤耐性細胞(2×10)を雌性胸腺欠損ヌードマウスの右側腹部における皮下に注入した。腫瘍を1週当たり2回測定した。治療を10日目に開始し、この時腫瘍は約100mmであった。AMG900(BID)を間欠的または連続的のいずれかでマウスにPO投薬した。全ての群に研究の間中、毎日栄養補給剤を供給することで、体重を維持した。データは各群に対する平均値±SEMを表している(1群当たりn=10)。P値は、RMANOVA、続いてDunnett事後検定によって決定されたビヒクルおよびAMG900で治療された群間の統計的差異に対応している。矢印は投薬の開始を示す。
[実施例4]
オーロラキナーゼ活性のAMG900誘発抑制が細胞増殖を阻害するか調査するため、AMG900の抗腫瘍効果を、胸腺欠損ヌードマウスにおけるNCI−H460−タキソール耐性腫瘍異種移植片に対してインビボで評価した。マウスにAMG900(BID)を間欠的または連続的のいずれかでPO投薬した。マウスにパクリタキセル(タキソール)を5日/週、IP投薬した。内部Amgen化合物をこの研究における陽性対照として使用した(データ非表示)。腫瘍を1週当たり2回測定した。治療を12日目に開始し、この時腫瘍は確立した。全ての群に研究の間中、毎日栄養補給剤を供給することで、体重を維持した。
動物および組織
種/系統:胸腺欠損ヌード
数/性別:125/雌性
平均重量:ランダム化当日20−30グラム
組織型:NCI−H460タキソール耐性
供給源:Amgen Cancer Pharmacology Cell Bank
対象の疾患状態:担腫瘍マウス
動物ケア:AMALAR施設
試験材料
被験物質:AMG900
製造者:Amgen Inc.
被験物質:タキソール
製造者:Bristol−Myers Squibb
重要な試薬調合
試験化合物:AMG900
ストック濃度:1.5mg/mL、0.3mg/mL
製剤:毎週、7日以内に使用
ビヒクル:2%HPMC/1%TW80 pH2.2
用量(個々の体重で10mL/kg):用量範囲:0.20−0.30mL
投与の経路:PO

試験化合物:タキソール
ストック濃度:6mg/mL
製剤:Burt’s Pharmacyから購入
製造者:Bristol−Meyer’s Squibb
ビヒクル:生理食塩水
用量(個々の体重で10mL/kg):用量範囲:0.20−0.30mL
投与の経路:IP
製剤
AMG900(遊離塩基)を1.5mg/mLおよび0.3mg/mLの濃度の懸濁液に製剤化した。投薬容量は10mL/kgに相当する。タキソール(Bristol Meyers Squibb)をBurt’s Pharmacy(Newbury Park、CA)から市販で購入し、6mg/mLのストック濃度から1.25mg/mLの希釈標準溶液に毎日希釈した。
Figure 2013504582
AMG900に関する投薬期の持続期間は3週であり、タキソール群に関しては2週であった。腫瘍をデジタルノギスで測定し、マウスを1週当たり2回秤量した。腫瘍体積を以下の通りに算出した。腫瘍体積(mm)=[(W×L)/2]、ここで、幅(W)は2回測定の小さい方と定義し、長さ(L)は2回測定の大きい方と定義する。腫瘍阻害を以下の通りに算出した。最初、対照および全ての治療群に関する[初期腫瘍体積マイナス最終腫瘍体積]を得る;次に、対照腫瘍体積で除して1を減じ、次いで100を乗じた治療腫瘍体積における変化を得る。以下の表5および図5は、腫瘍体積および腫瘍成長阻害の結果を示している。
Figure 2013504582
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図5は、確立したH460−タキソール耐性腫瘍の成長に対するAMG900およびタキソール治療の効果を例証している。細胞(1動物当たり2×10)を雌性ヌードマウスの右側腹部における皮下に注入した(1群当たりn=10)。腫瘍を1週当たり2回測定した。治療を腫瘍埋込み(矢印)後12日目に開始し、この時腫瘍はおよそ170mmであった。マウスに3週間毎日1回または2回、POまたはIPで投薬した。データは各群に関する平均値±SEを表している。P値(非表示)は、反復測定SheffeのANOVAで時間をかけてSTAT viewを使用して分析した、ビヒクルおよびAMG900またはタキソールで治療した群間の統計的差異に対応する。凡例に列挙されているスケジュール日数は、日/週を表す。全ての群に研究の間中栄養補給剤を供給した。
上記の図5が例証している通り、AMG900を用いる担腫瘍マウスの治療は、連続的(7日間3mg/kg BID(60%阻害、p=0.0003))または間欠的(2日オン/5日オフ/週の間15mg/kg BID(66%阻害、p<0.0001))のいずれかで投与した場合、腫瘍成長を有意に阻害した。タキソールは、この実験において2回の投薬サイクル中5日/週の間IPで12.5mg/kgを投薬した場合、腫瘍成長を有意に阻害することができなかった(20%阻害、p=0.5399)。
3種のよく特徴づけられたオーロラキナーゼ阻害剤AZD1152、VX−680(MK−0457とも一般に称される。)およびPHA−739358(Danusertib)に耐性である腫瘍細胞系においてAMG900が依然として活性であると見出したことは驚くべきであり予想外であった。これらの実験に使用された阻害剤は、文献において公表され、特徴づけられている化合物である。例えば、Expert Opinion Investigational Drugs(2009)18(4)379−398頁;Expert Opinion Therapeutic Patents、(2009)19(3)、321−356頁を参照されたい。進行性または転移性固形腫瘍を有する患者のI期におけるDanusertib(PHA−739358)の、化学構造を含める詳細な安全性、耐容性およびpKプロファイルは、Steeghsら、Journal of Clinical Oncology、27、2009で入手可能である。
下記に提示されているデータは、3種の上述の周知のオーロラキナーゼ阻害剤が、同じタキソール抵抗性細胞においてヒストンH3のリン酸化を阻害する能力と比較して、タキソール耐性細胞系におけるAMG900の活性を示している。
[実施例5]
3種のオーロラキナーゼ阻害剤(AZD1152、MK−0457およびPHA−739358)を、P−gpまたはBCRP薬物流出トランスポーターのいずれかを発現するMDR腫瘍細胞系のサブセットにおいて評価した。予想外にも、AMG900は、P−gpまたはBCRPの状態にかかわりなく、試験した全ての細胞系にわたって均一のIC50値またはEC50値(2nmol/Lから3nmol/L)で、p−ヒストンH3を阻害し、または倍数性を誘導した。対照的に、他のオーロラキナーゼ阻害剤は、下記の表6で示されている通り、対応する感受性腫瘍細胞系と比較して、1つまたは複数のMDR細胞系において強力ではなかった。
材料および方法
化合物材料:以下の化合物に関する分子構造は、パブリックドメインにおいて入手可能である。パクリタキセルおよびドセタキセル、MLN8054、MK−0457、AZD1152ならびにPHA−739358。該材料は、タキサンが適用可能であるような市販供給源から購入した。
細胞系:腫瘍細胞系は、別段の指定がない限り、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から得た。MDA−MB−231−PTXおよびNCI−H460−PTXの細胞系は、増加する濃度のパクリタキセルの存在下で6カ月の期間をかけて細胞を成長させることによって確立した。HCT116 AZD1152耐性細胞系は、AZD1152の存在下80nmol/Lで、細胞を成長させることによって確立した。
動物:全ての実験手順は、動物実験委員会および米国農務省の規則に従って行われた。第4週から第6週の雌性胸腺欠損ヌードマウス(Harian Sprague Dawley)は滅菌ケージ内に収容し、無菌条件下で保持した。動物を収容する実験室は、交互明暗サイクル(それぞれ12時間)を提供し、実験動物管理公認協会規定の基準を満たした。飼料、水および栄養補給剤は、無制限に提供された。全ての薬物は、各マウスの個々の体重に基づいて投与された。
蛍光ベースの細胞画像化アッセイ:全てのハイコンテント細胞アッセイは、ArrayScan VTi HCS Reader(Cellomics)上で行った。腫瘍細胞系は、AMG900、AZD1152、MK−0457またはPHA−739358(濃度範囲は効力に基づいて変動。)で処理した。該細胞は、すでに記載した(1)の通り、抗p−ヒストンH3 Ser10抗体で細胞内染色をするために調製した。検出は、抗ウサギIgG−アレキサ−568抗体およびDAPIで行った。p−ヒストンH3の細胞レベルは、陽性細胞の百分率を決定するため、Target Activation V2アルゴリズム(Cellomics)を使用して分析した。画像化アッセイに関し、濃度応答曲線ならびに対応するIC50値およびEC50値は、患部細胞対DMSO対照の百分率を使用して算出した。
コロニー形成アッセイ:腫瘍細胞は、AMG900、パクリタキセルまたはAZD1152(0.5nmol/L、5nmol/L、50nmol/L)で48時間処理し、完全培地で2回洗浄し、細胞を1ウェル当たり5000細胞の密度で薬物フリーの完全培地において再平板培養した。細胞は、DMSO対照ウェルがコンフルエントになるまで成長させた。細胞をクリスタルバイオレット染料(Sigma)で染色し、蒸留水で洗浄し、デジタルスキャナー(Hewlett−Packard)を使用して画像化した。
4N以上のDNA含量アッセイ:腫瘍細胞は、AMG900、AZD1152、MK−0457またはPHA−739358(範囲濃度は効力に基づいて変動する。)で24時間処理し、すでに記載した(1)の通りに細胞周期分析(DNA染色のみ)用に加工した。細胞はLSRIIフローサイトメーター上でBD FACS Divaソフトウェアを使用して分析した。濃度応答曲線および対応するEC50値は、4N以上のDNA含量の細胞対DMSO対照の百分率を使用して算出した。
P−gpおよびBCRPの細胞表面染色:P−gp(ABCB1)およびBCRP(ABCG2)の細胞表面発現は、氷上にて30分間FITC−コンジュゲートP−gp(BD Bioscience)またはAPC−コンジュゲートBCRP(Millipore)の抗体で生体細胞を染色することによって決定した。一致するアイソタイプ抗体(BD Bioscience)を対照として、ならびに生存能染色7−アミノアクチノマイシンD(BD Biosciences)を使用することで、死細胞を除外した。細胞はLSRIIフローサイトメーター上でBD FACS Divaソフトウェアを使用して分析した。
オーロラキナーゼ遺伝子分析:全RNAおよびゲノムDNAは、凍結HCT116細胞ペレット(3種のAZD1152−抵抗性細胞サブクローンおよび1種の親細胞対照)から、標準的核酸抽出方法を使用して単離した。全RNAは、cDNAを生成するのに使用した(Advantage RT−PCRキット、Clontech)。全長のオーロラAおよびBの遺伝子転写物のPCR増幅は、Expand−polymerase−long−templateキット(Roche)を使用して行った。PCRプライマー対は以下のものを含める。オーロラA(GCTTGTTACTTATTACAGCTAGAGGCATCATGおよびTCAAGGATTTCTCCCCCTGCACGATTC)、オーロラB(TCTCCTCCCCCTTTCTCTCTAAGGATGおよびACCCGAGTGAATGACAGGGACCATC)。オーロラCの7つのエクソンは、上記したのと同じPCRキットを使用してゲノムDNAから、5’および3’隣接イントロン((AACAGCCATCCAGAGGGTTCAGGAAGおよびCCACACACCCAGTCTGTTCTTCATCC)、(AAGGGGAGCATTGGCATCCCTGACTTTCおよびGTATTTGGGGAAAATGCTGGGCTCAGAC)、(ACCAGGCAGTGACGGTGGCATCATATGおよびTGACAGCCACAAACAGAGCTCCCAC)、(GGTAAGTGTTCCACCTCAGACGGAAATTGおよびCATTAAACTGGGTCATTCCTAACTGGTACTCAG)、(CTCAATGAAAGCTGGGGAAGGAGAATTTCCおよびAGAGGCATTGATAGTGGAAACCTCACATC)、および(ACAGTGAGACTTACAGACGCATCCTCAAGおよびAGGAGAGCTCCCTGAACACACACAAAG))に基づく7つのプライマーセットを使用して増幅した。PCR DNA生成物は、製造者の推奨プロトコル(Invitrogen)に従ってpCR2.1ベクターにサブクローニングした。該オーロラA、BおよびCの遺伝子生成物を含有する精製プラスミドは、隣接するベクタープライマーを使用してジデオキシサイクル配列決定にかけた。配列決定反応物は3730x1 DNA Analyzers(Applied Biosystems)上で分析し、出力配列はSequencherソフトウェア(Gene Codes Corporation)を使用して分析した。
表6は、AMG900が多剤耐性腫瘍細胞系全体にわたる均一な効力を呈することを例証している。
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同様の実験を、下記表6−Bに示されている追加の細胞系で行った。
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[実施例6]
さらに、AMG900を、オーロラキナーゼBの選択的阻害剤であるAZD1152の存在下で成長するように適応させたHCT−116細胞に関してインビボで評価した。この実験は、オーロラキナーゼ阻害剤に対する耐性の可能な代替機序も一部明らかにした。したがって、HCT116細胞をAZD1152の存在下で成長するように適応させた。AMG900の活性を次いで、HCT116親細胞系およびAZD1152耐性細胞系において評価した。
AMG900は、驚くべきことに、倍数性を誘発し、AZD1152の存在下で成長するように適応させたHCT116亜系のコロニー形成を阻害することが見出された。AMG900に関する細胞4N以上のDNA含量EC50値は、それぞれ、AZD1152の34nmol/Lおよび672nmol/Lと比較して、2nmol/Lおよび5nmol/Lであった(図6−A)。AMG900は両方のHCT116細胞系において濃度≧5nmol/Lでコロニー形成を阻害したが、一方変異亜系はAZD1152に対して50nmol/Lで非感受性であった(図6−B)。HCT116細胞系の両方がパクリタキセルに対して同等に感受性であり、P−gpおよびBCRPの発現に陰性であった(図6−C)。興味深いことに、HCT116変異亜系はオーロラB遺伝子(TGG→TTG;W221L)の1つの対立遺伝子においてミスセンス変異を有しているが、一方突然変異はオーロラAおよびC遺伝子において全く検出されなかった。これらの結果は、AMG900が、AZD1152に耐性である腫瘍細胞、およびさらに特に、AZD1152に耐性の原因であり得るオーロラBにおけるヘテロ接合変異を保有する腫瘍細胞において活性を維持することを示唆している。したがって、予想外に肯定的データが、AZD1152に耐性であった腫瘍細胞を処理するのに依然として効果的であるというMAG900の驚くべき能力を示している。
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方法
図6−A:HCT116細胞系は、増加する濃度のAMG900またはAZD1152で24時間処理した。フローサイトメトリーを使用することで、DMSO処理対照(POC)の百分率として表された4N以上のDNA含量で細胞の蓄積を査定した。濃度応答曲線および算出EC50値は、2つの独立した実験から決定した(棒線、±SD)。
図6−B:コロニー形成アッセイは、HCT116細胞系(親およびAZD1152耐性)で行った。細胞は、DMSO、AMG900、AZD1152またはパクリタキセルで表示濃度にて48時間処理し、阻害剤のない完全培地において再平板培養した。DMSO処理細胞がコンフルエンスに達した後、細胞をクリスタルバイオレットで染色し、画像化した(二通りのウェル)。
図6−C:フィコエリトリン(PE)コンジュゲートP−gpおよびアロフィコシアニン(APC)コンジュゲートBCRPの抗体で共染色したHCT116細胞系(親およびAZD1152耐性)の細胞表面におけるP−gpおよびBCRPの発現の程度は、フローサイトメトリーによって評価および分析した。アイソタイプ対照を各細胞系に使用することで、バックグラウンドの蛍光を確立した。MES−SA−Dx5およびRPMI8226の細胞系を、それぞれP−gpおよびBCRPの発現の陽性対照として使用した。
動物:
5−6週齢の雌性胸腺欠損ヌードマウス(Harlan Sprague Dawley)を入手し、滅菌ケージに入れて収容した。逆浸透水およびオートクレーブした飼料を無制限に供給した。全ての動物研究は、国際IACUCプロトコル下で行い、全てのAAALAC規定を満たした。
薬力学アッセイ(ホスホ−ヒストンH3の検出):
確立したヒトHCT116またはColo205の異種移植片腫瘍を持つマウスに、単一経口用量の対照(ビヒクル単独)またはAMG900を表示投与量で投与した(1群当たりn=3匹の動物)。3時間または6時間で、腫瘍、骨髄または皮膚組織を薬力学評価(p−ヒストンH3レベル)用に回収した。血漿も薬物動態分析用に回収した。
フローサイトメトリー(FCM):腫瘍を単一細胞懸濁液中に分離し、90%メタノール中に−20℃で少なくとも24時間固定化した。細胞を次いで抗p−ヒストンH3(ser−10)および抗サイトケラチンの抗体で染色し、ヨウ化プロピジウムで対比染色した。データは、FACS Divaソフトウェアを実行するLSRIIフローサイトメーターで取得した。細胞周期のG2M期における骨髄およびサイトケラチン陽性腫瘍の細胞は、p−ヒストンH3に関して評価した。腫瘍および骨髄の細胞を、p−ヒストンH3ベースライン対照として役立たせるため、ビヒクル処理マウスから回収した。統計的有意性は、一方向ANOVA分析によって決定した。
レーザー走査型サイトメトリー(LSC):FFPE組織試料(皮膚および腫瘍)由来の三通りの切片に、抗p−ヒストンH3抗体、続いてアレキサ633コンジュゲートヤギ抗ウサギIgGを使用して染色した。DNA染料Hoechst33342を含めて、Prolong Gold褪色防止剤をスライドに乗せた。40×対物(0.5μの画素分解能)を使用するLSCに画像を取り込んだ。p−ヒストンH3の事象数は、定義されている赤色蛍光閾値に基づいて決定した。20μmより大きい事象のみを計数した。輪郭事象を画像ギャラリーに再配置することで、分割の精度を検証した。データは、Dunnett補正を適用するSAS V9.3を使用して分析した。全ての統計試験は、アルファ=0.05の有意水準で評価した。
細針吸引液(FNA):腫瘍吸引液は、所定および一貫したパターン(3×)の腫瘍を囲む皮膚における小さい切込みを介して25規格針を挿入することによって回収し、次いで、2%パラホルムアルデヒド中に排出した。細胞を顕微鏡スライド上でサイトスピンし、EpCAM(上皮性腫瘍マーカー、アレキサフルオル488)およびpHH3(有糸分裂マーカー、アレキサフルオル647)に特異的な抗体で染色し、DAPI(DNA含量)で対比染色した。iCyteLSC(レーザー405nm、488nm、633nm、PMTフィルター:450/40、530/30、650/LP)を使用することで、40x倍率視野画像を取り込み、EpCAM、pHH3およびDNA含量を定量化した。集団の統合性は、細胞の画像をギャラリーに再配置することによって検証した。G2MにおけるEpCAM、pHH3陽性細胞の数が報告された。データは、平均値+/−平均値(SEM)の標準誤差として表した。統計的有意性は、ANOVA、続いてBonferroni Dunnett事後分析によって決定した。
血漿におけるAMG900濃度(薬物動態アッセイ):
血漿試料(50μL)を溶媒混合物(90%メタノール、0.01%トリフルオロ酢酸との10%水)の添加によって抽出することで、分析物および沈殿物の血漿タンパク質を単離した。抽出試料におけるAMG900濃度を、LC−MS/MSによって、逆相液体クロマトグラフィーを使用してバリアンPursuit PFP分析用カラム(2.0×30mm、5ミクロン)上にて、水中0.1%ギ酸(移動相A)および0.1%ギ酸とのアセトニトリル(移動相B)で決定した。
異種移植片モデル:
2×10ヒトHCT116大腸腫瘍細胞をマウスに皮下注入した。腫瘍が確立した時(およそ200mm)、マウスを実験治療群にランダム化し(n=10)、実験の持続期間中、毎日1.5mg/kg、2.25mg/kgもしくは3mg/kg、または間欠的に3.75mg/kg、7.5mg/kgもしくは15mg/kgのAMG900で経口的に治療した。マウスに栄養補給剤を連日供給した。腫瘍体積および体重は、それぞれノギスおよび分析用デジタルスケールを使用して1週当たり2回報告した。腫瘍データは平均腫瘍体積+/−SEMによって表した。腫瘍成長阻害の統計的有意性は、ANOVA(RMANOVA)、続いてScheffe事後分析の反復測定によって決定した。
[実施例7]
腫瘍成長に対するAMG900のインビボ効果を、3種のMDR異種移植片モデルを含めて、5種の異なる腫瘍型(乳房、大腸、肺、膵臓および子宮)由来のヒト異種移植片のパネルにおいて評価した。確立腫瘍を有するマウスにAMG900を15mg/kg b.i.d.にて1週当たり2連続日で3週間、または3mg/kg b.i.d.にて毎日3週間、経口的に投与した。腫瘍成長阻害(TGI)の最大百分率を下記の表7において、各異種移植片モデルに関して報告する。TGIの百分率は、研究期間中の、ビヒクル処理対照およびAMG900処理の腫瘍体積における変化の間の差異として算出した。ビヒクル処理対照と比較した統計的に有意な腫瘍成長阻害をRMANOVA、続いてScheffeまたはDunnettの事後検定によって決定し、アスタリスクによって示す(P<0.005、**P<0.0005)。
AMG900は、ビヒクル処理対照群と比較して全ての9異種移植片モデルにおいて有意な抗腫瘍活性(50%から97%の腫瘍成長阻害(TGI)を呈した。重要なことに、AMG900は、それぞれの最大耐量で投与されたドセタキセルまたはパクリタキセルのいずれかに耐性であったMES−SA−Dx5(84%TGI、P<0.0001)およびNCI−H460−PTX(66%TGI、P<0.0001)の異種移植片モデルにおいて活性であった。
したがって、AMG900は、多剤耐性モデルおよび標準治療有糸分裂阻害剤を含めて、インビボにおける複数のヒト腫瘍異種移植片の成長を阻害する。具体的に、データは、AMG900が驚くべきことにHCT116腫瘍におけるオーロラBの活性を阻害し、多様な腫瘍型を代表する複数の異種移植片の成長を抑制することを示している。
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適応
腫瘍がオーロラキナーゼ阻害剤に対する耐性を発生させる機序は、異なる薬剤に対して異なる可能性がある。癌表現型を促進する分子力の明快な理解が、所与の治療法に対する特定可能な遺伝子的または後成的感受性を活用できる分子標的の医薬または治療法の基礎をもたらす一方で、治療法に対する耐性の遺伝的基礎を理解することも重要である。この遺伝的理解は、予期される患者集団を層別化する追加のフィルターをもたらすことができる。例えば、公表されている遺伝的証拠は、臨床評価を現在受けているオーロラキナーゼ阻害剤AZD1152、および潜在的に別の臨床化合物VX−680が、MDR1またはBCRPを過剰発現する腫瘍細胞において比較的効果がない可能性があると示唆している。DNA修復欠陥結腸癌系HCT116の選択中に出現するオーロラBキナーゼドメイン変異は、耐性をもたらす可能性がある。これらの触媒ドメイン変異は、細胞をAZD1152およびVX−680に耐性の状態にするのに十分であることも判明し、これらの薬剤に対する耐性がMDRから独立して生じ得ることを示した。The Pharmacogenomics Journal、(2009)9、90−102頁。
本発明は、タキサン(パクリタキセルおよびドセタキセル)およびビンカアルカロイドなどの有糸分裂阻害剤を含めた伝統的標準治療化学療法剤に難治性であった癌を治療するための能力を保有する、オーロラキナーゼ阻害剤である化合物AMG900を提供する。さらに、AMG900は、限定しないがAZD1152、VX−680およびPHA−739358を含めた薬剤を阻害する他のオーロラキナーゼに耐性である癌を治療するための能力を有する。一般に、こうした腫瘍は、抗癌剤を用いる以前の治療および/または延長した治療の結果として耐性を発生させる。すなわち、本発明の一実施形態において、対象における癌を治療する方法が提供され、該方法は、癌を抗癌剤で以前に治療された対象に、有効投与量の化合物N−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミンを投与することを含む。別の実施形態において、抗癌剤は化学療法剤である。別の実施形態において、化学療法剤は有糸分裂阻害剤またはアントラサイクリンである。また別の実施形態において、化学療法剤は、タキソール、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシンおよびミトキサントロンからなる群から選択される薬剤である。また別の実施形態において、抗癌剤は、AZD1152、PHA−739358、MK−0457またはこれらの併用である。
このように、AMG900は、タキサン標準治療の療法で以前に治療された制御されない細胞成長および異常細胞周期の調節を含めて、細胞増殖障害を治療するのに使用することができる。
この目的のため、AMG900は、再発したまたは難治性になった、限定しないが、例えば様々な固体および血液由来の腫瘍を含めた癌、限定することなく膀胱癌、乳癌、大腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌(小細胞肺癌を含める。)、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃(stomach)癌、子宮頸部癌、甲状腺癌、前立腺癌、子宮癌および皮膚癌(扁平上皮癌腫を含める。)を含めた癌腫;リンパ系の造血器腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫を含める。);骨髄系の造血器腫瘍(急性および慢性骨髄性白血病(AMLおよびCML)、脊髄形成異常性症候群および前骨髄球性白血病を含める。);間葉起源の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫、ならびに他の肉腫を含める、例えば軟組織および骨);中枢および末梢神経系の腫瘍(星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫およびシュワン腫を含める。);ならびに他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞癌およびカポジ肉腫を含める。)などの予防または治療に有用である。ホルモンなどでの抗癌治療に難治性になった前立腺癌、卵巣癌、肺癌、乳癌、胆管腺癌または他の癌型などの癌も、AMG900で治療することができる。
一実施形態において、本発明は、対象における子宮癌、乳癌、非小細胞肺癌を含めた肺癌、大腸癌、前立腺癌、皮膚癌、腎臓癌、肝臓癌、前骨髄球性白血病を含めた白血病、慢性骨髄性白血病およびT細胞白血病、多発性骨髄腫、卵巣癌ならびに骨髄癌からなる群から選択される1種または複数の癌を治療する方法を提供し、該方法は、対象に有効投与量のAMG900を投与することを含み、ここで、対象の癌は、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、コルヒチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、パクリタキセル、ドセタキセル、エトポシドおよびミトキサントロンからなる群から選択される1種または複数の化学療法剤で以前に治療され、これらに難治性になったものである。別の実施形態において、本発明は、膀胱癌、乳癌、大腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌、食道癌、胃(gastric)癌、卵巣癌、膵臓癌、胃(stomach)癌、子宮頸癌、甲状腺癌および前立腺癌、またはリンパ腫もしくは白血病からなる群から選択される1種または複数の癌を治療する方法を提供する。AMG900は、限定することなく膀胱、乳房、大腸、腎臓、肝臓、肺、非小細胞肺、頭頸部、食道、胃、卵巣、膵臓、胃、子宮頸部、甲状腺および前立腺の腫瘍を含めて、進行性固形腫瘍を治療するのにも有用である。
本発明は、固形腫瘍、肉腫(特にユーイング肉腫および骨肉腫)、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、神経芽細胞腫、白血病およびリンパ腫を含めた造血器悪性腫瘍、腫瘍誘発胸膜または心膜液貯留、ならびに悪性腹水の治療のための方法も提供する。
ヒト治療に有用である上に、該化合物は、コンパニオンアニマル、哺乳動物を含めた外来動物および家畜、ならびにげっ歯類などの獣医治療にも有用である。例えば、ウマ、イヌおよびネコを含めて動物は、標準治療癌化学療法の治療に難治性の癌のためにAMG900で同様に治療することができる。
製剤
AMG900は、1種または複数の無毒性の医薬として許容できる担体、希釈剤および/またはアジュバント(本明細書において「賦形剤」材料として集合的に称される。)を伴って、化合物(本発明の医薬活性成分またはAPIである。)N−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミンを含む医薬組成物として癌対象に投与することができる。AMG900またはこの医薬として許容できる塩形態は、製薬の従来の方法に従って加工することで、ヒトおよび他の哺乳動物を含めて患者に投与するための薬用組成物および医薬組成物を生成することができる。
該医薬組成物は、任意の適当な経路によって、こうした経路に適合し、目的とする難治性癌治療に有効な用量で対象に投与することができる。該組成物またはAPIは、例えば、従来の医薬として許容できる担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する投与単位製剤で、経口的に、粘膜に、局所的に、直腸に、吸入スプレーなどによって肺に、または血管内、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、胸骨内および注入技術を含めて腸管外に、投与することができる。
経口投与のため、該医薬組成物は、例えば錠剤、カプセル、懸濁液または液体の形態であってよい。該医薬組成物は、好ましくは、特定の量の活性成分を含有する投与単位の形態で作製される。こうした投与単位の例は、錠剤またはカプセルである。例えば、これらは、約1mgから2000mg、および通常約1mgから500mgの活性成分量を含有することができる。ヒトまたは他の哺乳動物のための適当な日用量は、患者の状態および他の因子に依存して広範に変動してよいが、また、日常的方法および慣例を使用して決定することができる。
投与されるAPI(AMG900)の量および難治性癌状態を治療するための投与計画は、対象の年齢、重量、性別および病状、疾患の型、癌の重症度、投与の経路および頻度、ならびにAMG900または特異的塩形態を含めたこの特定の形態の物性および化学的性質を含めて、様々な因子に依存する。したがって、投与計画は変動してよい。体重につき約0.01mg/kgから500mg/kg、有利には約0.01mg/kgから約50mg/kgの間、より有利には約0.1mg/kgおよび約30mg/kg、ならびにまたさらに有利には約0.1mg/kgから約25mg/kgの間の日用量が適切であり得る。一実施形態において、本発明は対象における癌を治療する方法を提供し、該方法は、AMG900また医薬として許容できるこの塩を約0.5mg/kgから約25mg/kgの範囲における有効投与量で対象に投与することを含み、ここで、対象の癌は有糸分裂阻害剤を用いる治療に難治性である。別の実施形態において、本発明は、対象における癌を治療する方法を提供し、該方法は、AMG900または医薬として許容できるこの塩を約1.0mg/kgから約20mg/kgの範囲における有効投与量で対象に投与することを含み、ここで、対象の癌は、有糸分裂阻害剤を含めて標準治療化学療法剤を用いる治療に難治性である。また別の実施形態において、本発明は、対象における癌を治療する方法を提供し、該方法はAMG900または医薬として許容できるこの塩を約3.0mg/kgから約15mg/kgの範囲の有効投与量で対象に投与することを含み、ここで、対象の癌は有糸分裂阻害剤を用いる治療に難治性である。日用量は、1日当たり1回から4回の用量で投与することができる。
治療的目的で、AMG900は、指示される投与経路に適切な1種または複数のアジュバントまたは「賦形剤」と併用できる。用量ごとに投与される場合、AMG900は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウム塩およびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアガム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンならびに/またはポリビニルアルコールと添加混合することで、最終製剤を形成することができる。例えば、AMG900および賦形剤は、簡便な投与のための既知および容認されている方法によって錠剤またはカプセル化することができる。適当な製剤の例として、限定することなく、丸薬、錠剤、軟および硬(シェル)ゲルカプセル、トローチ、経口的に溶解可能な形態、ならびにこれらの遅延または制御放出製剤が挙げられる。特に、カプセルまたは錠剤製剤は、APIとの分散液として、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの1種または複数の制御放出薬剤を含有することができる。
乾癬および他の皮膚状態の場合、AMG900の局所調製物を患部に1日2回から4回適用することが好ましいことがある。局所投与に適当な製剤として、皮膚を介する浸透に適当な液状または半液状製剤(例えば、リニメント剤、ローション、軟膏剤、クリーム、ペースト剤および懸濁液など)、および眼、耳または鼻への投与に適当な点滴剤が挙げられる。該活性成分の適当な局所用量は、1日1回から4回、好ましくは1回または2回で投与される0.1mgから150mgである。局所投与のため、APIは、0.001%w/wから10%w/w、例えば1重量%から2重量%の該製剤を含むことができるが、10%w/wもの量、しかし好ましくは5%w/w未満、およびより好ましくは0.1%から1%の該製剤を含むことができる。
軟膏中に製剤化される場合、AMG900は、パラフィン系または水混和性のいずれかの軟膏基剤とともに用いることができる。別法として、水中油型クリーム基剤とともにクリーム中に製剤化することもできる。所望であれば、クリーム基剤の水性相は、例えば、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコールおよびこれらの混合物などの多価アルコールを少なくとも30%w/w含めることができる。局所製剤は、望ましくは、皮膚または他の患部を介する活性成分の吸収または浸透を増強する化合物を含めることができる。こうした皮膚透過増強剤の例として、DMSOおよび関連類似体が挙げられる。
AMG900は、経皮的装置によって投与することもできる。好ましくは、経皮投与は、リザーバーおよび多孔質膜型、または固体マトリックス種のいずれかのパッチを使用して達成される。いずれの場合においても、AMG900は、リザーバーまたはマイクロカプセルから膜を介して、レシピエントの皮膚または粘膜と接触する活性薬剤透過性接着剤に連続的に送達される。AMG900が皮膚を介して吸収される場合、制御および所定の流量のAMG900がレシピエントに投与される。マイクロカプセルの場合、カプセル化剤は膜として機能することもできる。
エマルジョンの油性相は、既知の方法において既知成分から構成することができる。該相が単に乳化剤を含むことができる一方、少なくとも1種の乳化剤と、脂肪もしくは油または脂肪および油の両方との混合物を含むことができる。好ましくは、親水性の乳化剤は、安定剤として作用する親油性の乳化剤と一緒に含まれる。油および脂肪の両方を含めるのも好ましい。一緒になって、乳化剤は安定剤の有無にかかわらず、いわゆる乳化ワックスを構成し、ワックスは油および脂肪と一緒になって、クリーム製剤の油性分散相を形成するいわゆる乳化軟膏基剤を形成する。該製剤における使用に適当な乳化剤およびエマルジョン安定剤として、例えば、ツイーン60、スパン80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリセリルを単独もしくはワックスとともに、または他の当技術分野においてよく知られている材料が挙げられる。
製剤のための適当な油または脂肪の選択は、医薬エマルジョン製剤に使用される可能性がある大部分の油におけるAPIの溶解性が非常に低いので、所望の化粧品特性を達成することに基づいている。したがって、クリームは、好ましくは、チューブまたは他の容器からの漏れを回避するための適当な粘稠性を持つ非油脂性、非染色性および洗浄可能な生成物であるべきである。ジ−イソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ココナツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、2−エチルヘキシルパルミテートなどの直鎖もしくは分岐鎖の一塩基性もしくは二塩基性アルキルエステル、または分岐鎖エステルのブレンドを使用することができる。これらは、必要な特性に依存して単独または併用できる。別法として、白色軟パラフィンおよび/もしくは流動パラフィンまたは他の鉱油などの高融点脂質を使用することができる。
眼への局所投与に適当な製剤として、活性成分が適当な担体、特にAMG900のための水性溶媒中に溶解または懸濁されている点眼薬も挙げられる。AMG900は、好ましくは、こうした製剤中に0.5%から20%、有利には0.5%から10%、特に約1.5%w/wの濃度で存在する。
非経口投与の製剤は、水性または非水性の等張滅菌注入溶液または懸濁液の形態であってよい。これらの溶液および懸濁液は、経口投与用製剤における使用のために記述した1種もしくは複数の担体もしくは希釈剤を使用して、または他の適当な分散もしくは湿潤剤および懸濁剤を使用することによって、滅菌粉末または顆粒から調製することができる。例えばAMG900は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガカントガム、および/または様々な緩衝剤中に溶解することができる。他のアジュバントおよび投与方法は、製薬技術においてよくおよび広範に知られている。AMG900は、生理食塩水、デキストロースまたは水を含めて適当な担体、またはシクロデキストリン(すなわち、Captisol)、共溶媒可溶化物(すなわち、プロピレングリコール)またはミセル可溶化物(すなわち、ツイーン80)との組成物として注入することによって投与することもできる。
滅菌の注入可能製剤は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液として、無毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒中の滅菌の注入可能な溶液または懸濁液であってもよい。用いてよい許容できるビヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、従来より、滅菌固定油は溶媒または懸濁媒体として用いられている。この目的で、合成モノまたはジグリセリドを含めて、任意の無刺激性固定油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注入可能物の調製に使用される。
肺投与のため、該医薬組成物は、エアゾールの形態または乾燥粉末エアゾールを含めた吸入器で投与することができる。
該薬物の直腸投与用坐剤は、常温では固体であるが直腸温では液体であるために直腸において融解し、薬物を放出するカカオ脂およびポリエチレングリコールなどの適当な非刺激性賦形剤と該薬物とを混合することによって調製することができる。
該医薬組成物は、滅菌などの従来の製薬作業を行うことができ、および/または保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤などの従来のアジュバントを含有することができる。錠剤および丸薬は、追加として、腸溶コーティング剤で調製することができる。こうした組成物は、湿潤、甘味料、香料および芳香剤などのアジュバントを含むこともできる。
併用
AMG900が唯一の活性医薬品として投薬または投与することができる一方、1種または複数の化学療法剤および/または有糸分裂阻害剤と併用することもできる。併用投与される場合、AMG900は、同時または逐次に異なる時間で投与される分離した組成物として製剤化することができ、またはAMG900は単一組成物として生成することができる。
「同時療法」(または「併用療法」)という成句は、本発明のAMG900および別の化学療法剤の使用を定義する際、薬剤併用の有益な効果をもたらすレジメンにおいて逐次的にそれぞれの薬剤の投与を包含することが意図され、これらの活性薬剤の固定比率を有する単一カプセル、またはそれぞれの薬剤の複数の分離したカプセルなどにおける、実質的に同時のこれらの薬剤の同時投与を包含することが同様に意図される。
詳細には、AMG900の投与は、癌の予防または治療において当業者に知られている抗有糸分裂の治療法を含めて、追加の化学療法剤と併用し得る。本発明は投与の順序において限定されず、すなわち、AMG900は、既知の抗癌剤または有糸分裂阻害剤の投与前、同時または投与後のいずれかで投与することができる。
前述は本発明の例証に過ぎず、開示されている使用に本発明を限定することを意図するものではない。当業者にとって常法である変形形態および変化形態は、添付の請求項において定義されている本発明の範囲および性質の範囲内であることが意図される。全ての記述されている文献、特許、出願および公開は、本明細書に書かれている場合と同様に、それらの全体を参照により本明細書に組み込む。

Claims (14)

  1. 対象の癌が抗癌剤での治療に難治性である対象における癌の治療のための、化合物N−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミンまたは医薬として許容できるこの塩の使用。
  2. 抗癌剤が化学療法剤である、請求項1に記載の化合物の使用。
  3. 化学療法剤が有糸分裂阻害剤およびアントラサイクリンからなる群から選択される薬剤である、請求項2に記載の化合物の使用。
  4. 化学療法剤がタキソール、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、およびミトキサントロンからなる群から選択される薬剤である、請求項2に記載の化合物の使用。
  5. 抗癌剤がAZD1152、PHA−739358、MK−0457またはこれらの併用である、請求項1に記載の化合物の使用。
  6. 癌が(a)膀胱癌、乳癌、大腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃(stomach)癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌および皮膚癌から選択される固体または血液由来の腫瘍、(b)白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫およびバーキットリンパ腫から選択されるリンパ系の造血器腫瘍、(c)急性および慢性骨髄性白血病、脊髄形成異常性症候群および前骨髄球性白血病から選択される骨髄系の造血器腫瘍、(d)線維肉腫および横紋筋肉腫から選択される間葉起源の腫瘍、(e)星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫およびシュワン腫から選択される中枢および末梢神経系の腫瘍、または(f)黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞癌もしくはカポジ肉腫の1種または複数である、請求項1から5のいずれかに記載の使用。
  7. 癌が膀胱癌、乳癌、大腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌、食道癌、胃(gastric)癌、卵巣癌、膵臓癌、胃(stomach)癌、子宮頸癌、甲状腺癌および前立腺癌、またはリンパ腫もしくは白血病から選択される固形腫瘍の1種または複数である、請求項1から5のいずれかに記載の使用。
  8. 癌が前立腺癌、卵巣癌、乳癌、胆管腺癌、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病またはこれらの組合せである、請求項1から5のいずれかに記載の使用。
  9. 抗癌剤での治療に難治性の癌の治療用医薬の調製のための、化合物N−(4−((3−(2−アミノ−4−ピリミジニル)−2−ピリジニル)オキシ)フェニル)−4−(4−メチル−2−チエニル)−1−フタラジンアミンまたは医薬として許容できるこの塩の使用。
  10. 抗癌剤での治療に難治性である膀胱癌、乳癌、大腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌、食道癌、胃(gastric)癌、卵巣癌、膵臓癌、胃(stomach)癌、子宮頸癌、甲状腺癌、前立腺癌、リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫またはこれらの組合せから選択される癌の治療用医薬の調製のための、請求項9に記載の化合物の使用。
  11. 対象の腫瘍がパクリタキセル、ドセタキセル、ドキソルビシンおよびビンカアルカロイドからなる群から選択される化学療法剤で以前に治療された対象における固形腫瘍の大きさを低減するための、請求項9に記載の化合物の使用。
  12. 抗癌剤が有糸分裂阻害剤およびアントラサイクリンからなる群から選択される化学療法剤である、請求項9に記載の化合物の使用。
  13. 抗癌剤がタキソール、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、およびミトキサントロンからなる群から選択される化学療法剤である、請求項9に記載の化合物の使用。
  14. 抗癌剤がAZD1152、PHA−739358、MK−0457またはこれらの併用である、請求項9に記載の化合物の使用。
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