JP2013504531A - 抗癌薬としての置換(ヘテロアリールメチル)チオヒダントイン - Google Patents
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Abstract
本願発明は、子宮平滑筋腫、平滑筋腫としても知られている、子宮筋腫を治癒および/または防止するための、アンドロゲン受容体アンタゴニストの使用に言及する。特に、本願発明は、子宮筋腫を治療するための、以下の群:酢酸サイプロテロン、オキセンドロン、酢酸クロルマジノン、スピロノラクトン、酢酸オサテロン、ジエノゲスト、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、RU58841、LGD−2226、MDV3100、BMS−641988、BMS−779333または4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(チオキソイミダゾリジン誘導体)のいずれか1つの化合物である、アンドロゲン受容体アンタゴニストの使用に言及する。
Description
本願発明は子宮筋腫を治癒および/または予防するためのアンドロゲン受容体アンタゴニストの使用を対象とする。
本願発明のさらなる態様は子宮筋腫を治癒および/または予防するためのステロイドおよび非ステロイド系アンドロゲン受容体アンタゴニストに言及する。
本願発明はさらに、哺乳動物、特にヒトでの子宮筋腫を治癒および/または予防するための、アンドロゲン受容体アンタゴニスト、例えば上記した化合物のいずれか一の化合物を含む、医薬組成物に関する。
もう一つ別の態様において、本願発明は、哺乳動物、特にヒトでの子宮筋腫を治癒および/または予防する方法であって、その必要とする哺乳動物に、治療上有効量のアンドロゲン受容体アンタゴニスト、特に上記した化合物のいずれか一の化合物を投与することを含む方法を対象とする。
子宮平滑筋腫、平滑筋腫として、または単にフィブロイドまたは筋腫としても知られている子宮筋腫は、出産年齢の女性の25−40%に影響を及ぼす、子宮筋または子宮筋層の良性腫瘍である(Nowak RA.、「Fibroids: pathophysiology and current medical treatment」 Baillieres Best Pract Res Clin Obstet Gynaecol 1999; 13: 223-238;Walker CL.、「Role of hormonal and reproductive factors in the etiology and treatment of uterine leiomyoma」、Recent Prog Horm Res 2002; 57: 277-294)。
子宮筋腫はステロイドホルモン、エストロゲンおよびプロゲスチンの影響下で成長する。子宮筋腫の発生率は、女性の一生にわたるホルモンの調節を示唆する、プロゲステロンおよびエストロゲンの生殖の変化と酷似しているようである。例えば、出産年齢の女性の約25%は子宮筋腫と一致する症状を報告するが、症状を報告する女性の数は更年期の時点で減少する(Severino MF、Murray MJ、Brandon DD、Clinton GM、Burry KA、Novy MJ.、「Rapid loss of oestrogen and progesterone receptors in human leiomyoma and myometrial explant cultures」、Mol Hum Reprod 1996; 2: 823-828)。したがって、ホルモンレベルと並行して、子宮筋腫は更年期が始まった後で一般に退縮する。
子宮筋腫は子宮筋層内の様々な個所で成長しうる。漿膜下子宮筋腫は腹膜の漿膜の直下に位置し、壁内子宮筋腫は子宮筋層内にあり、粘膜下子宮筋腫は子宮内膜の下で成長し、一般に子宮腔の形状に影響を及ぼす。子宮筋腫は、一般に、複数の個所で発生し、極めて大きく成長するため、不規則に大きくなり、普通は非対象な子宮を形成する。子宮筋層と比べて、子宮筋腫そのものは、細胞外マトリックスが不規則に異常に大きくなって蓄積しているため、極めて堅い。
子宮筋腫にある細胞は、直径が1mmから20cmを越えて変化する球状または不規則な形状の良性腫瘍を形成する渦の中で成長する。これらの平滑筋腫瘍は無症候性であってもよい。
子宮筋腫は、月経出血過多、月経中間期の出血、疼痛、不妊症、骨盤圧、腹圧性尿失禁、および尿道閉塞を含む種々の症状と高い頻度で関係があり、その病因であり得る。
診断は、通常、子宮が大きく不規則な形状で、堅くなるという臨床的知見に基づく。診断が不明確であることも多く、子宮筋腫を詳細に検討し、他の問題を除外するのに、診断試験が使用される。現在、その診断は超音波、MRIおよびCTスキャン、腹腔鏡検査、細胞構造によるものである。
有効な薬物療法を欠くため、子宮筋腫に起因する婦人科症状の治療では、外科的介入に至ることがしばしばである。子宮筋腫は、子宮摘出術に至る、さらに別では、筋腫摘出術、子宮温存外科術、子宮動脈塞栓術に至る、最も一般的な病態の一つである。しかしながら、これらの操作は侵襲的かつ高額であり、子宮筋腫およびその症状の再発の可能性がある。
したがって、子宮筋腫の効果的な処置に対する満たされていない医学的要求が今なお存在する。
アンドロゲン受容体(AR)は、転写因子として作用する、ステロイドおよび核受容体スーパーファミリの一構成員である。アンドロゲンはARと結合することで、構造が変化し、その後の蛋白分解感受性が減少し、およびその最終の核への移動により、安定化に至る。ARは特異的な遺伝子のプロモータ領域にあるアンドロゲン受容体応答DNA因子に結合する。AR−アンドロゲン複合体のその個々のDNA結合因子との結合は、一般に、個々の遺伝子の活性化の増加をもたらす(D. J. Lambら、Vitam. Horm. 2001、62、199-230)。
ARは、前立腺、骨格筋、肝臓および中枢神経系(CNS)などのアンドロゲン標的組織にて主に発現され、RTポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により測定されるように、前立腺、副腎および精巣上体にて最も高いレベルで発現される。
上記したように、ARは、テストステロンおよび5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)を含む、内因性アンドロゲンと結合することで活性化され得る。生殖組織でのアンドロゲンの作用は男性ホルモン作用として知られているのに対して、筋肉におけるアンドロゲンの窒素保持作用は同化作用として知られている。今日まで、一のAR遺伝子がヒトにて同定されているに過ぎない。
抗アンドロゲンまたはアンドロゲン受容体アンタゴニストは、その名の通り、AR結合部位について競合することで、テストステロンまたは5α−DHTの作用を拮抗する。かかる化合物は、前立腺癌、BPH、アクネ、女性の男性化および男性用避妊の処置における治療薬としての可能性を有する(Wenqing Gao、Casey E. BohlおよびJames T. Dalton;「Chemistry and Structural Biology of Androgen Receptor」 Chem. Rev. 2005、105、3352-3370)。
加えて、選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)の考えによって、感染組織にてより差動的な治療的に有益な効果が、または異なる組織にて差動的な効果が達成される可能性がある。
SARMは、テストステロンおよび5α−DHTなどの生理学的にARを活性化する化合物に取って代わり、前者のアンドロゲンが行うのと異なる組織にて、異なる方法および強度にて、転写を活性化するかもしれない。分子生物学のレベルで、SARMはテストステロンおよび5α−DHTにより誘発される構造変化とは異なる変化をARにて誘発すると仮定される。このことが、下位群だけの、または全く異なる蛋白であっても、転写活性の組織特異的モジュレーションをもたらし、その後のARのシグナル変換経路をもたらす、蛋白の受容体への結合を引き起こす(Ramesh Narayanan、Christopher C. Coss、Muralimohan Yepuru、Jeffrey D. Kearbey、Duane D. MillerおよびJames T. Dalton;「Steroidal Androgens and Nonsteroidal、Tissue-Selective Androgen Receptor Modulator、S-22、Regulate Androgen Receptor Function through Distinct Genomic and Nongenomic Signaling Pathways」Mol. Endocrinol. 2008、22(11)、2448−2465)。無傷の生物のレベルで、異なる組織におけるARの差動的活性化は、SARMの差動的な同化および男性化活性を、標体のアンドロゲン様テストステロンまたは5α−DHTの活性と比較した、肛門挙筋および精嚢または前立腺の各々におけるその成長刺激活性で評価する、Hershbergerアッセイにより典型的には評価されてもよい(Michael L. Mohler、Casey E. Bohl、Amanda Jones、Christopher C. Coss、Ramesh Narayanan、Yali He、Dong Jin Hwang、James T. DaltonおよびDuane D. Miller 「Nonsteroidal Selective Androgen Receptor Modulators (SARMs): Dissociating the Anabolic and Androgenic Activities of the Androgen Receptor for Therapeutic Benefit」 J. Med. Chem. 2009、52(11)、3597-3617)。
SARMの構造的な基準はステロイド性または非ステロイド性のいずれかである。哺乳動物の治療におけるステロイド性SARMの活性は、目的により、プロゲステロン受容体および/またはミネラルコルチコイド受容体などの他のステロイド受容体にも影響を及ぼすかもしれない。
さらには、複数の平滑筋腫を患っている患者は、単中心で多結節の場合(22.2)、および単一病変の場合(23.1;p<0.01)と比べて、多中心で複数の場合(24.1)には、CAG繰り返し平均数がより長く、ARエクソン1にて長いCAG反復構造多形を担う傾向にあることが報告された。これらの結果は、より長いCAG反復構造が子宮内の平滑筋腫の発生に対してより大きな感受性を女性に付与することを示唆する(Teng XYら、「CAG repeats in the androgen receptor gene are shorter in patients with pulmonary、esophageal or bladder carcinoma and longer in women with uterine leiomyoma」;Oncol Rep. 2010 Mar;23(3):811-8)。
刊行物「Uterine myoma in postmenopause: a comparison between two therapeutic schedules of HRT」、F. Polattiら、Maturitas 37 (2000) 27−32は、ホルモン置換療法(HRT)が更年期後の子宮筋腫の発症またはその成長に影響を及ぼしうるかどうかを記載する。したがって、ある治療計画が同様に、子宮受容体のより強い刺激のため、子宮筋成長に別個に影響し得ることを示唆した。当該文献にて報告されている実験は、2種の異なるホルモン治療計画の、子宮筋腫の発症または進行の危険性に対する効果、特に吉草酸エストラジオール(EV)および酢酸シプロテロン(CA)の周期的経口投与を、経皮用E2および経口用酢酸メドロキシプロゲステロンの連続的併用の効果と比較し、2年間に亘り、子宮筋腫を患っている、または患っていない240人の閉経後の女性について評価した。EV+CAの置換療法は子宮筋腫の出現に影響を与えないだけでなく、予め存在した筋腫の体積の増加も惹起しなかった。筋腫の成長を阻害するのにCA単独での使用、または該化合物の抗アンドロゲン活性を鑑みて、その一般的な製剤は文献には開示されていない。
WO2009/075334は、卵巣機能不全および骨喪失を含む、副作用を惹起する危険性がなく、長期間にわたって投与することができる、子宮筋腫細胞増殖阻害剤;および子宮筋腫の予防または治療薬を開示する。該子宮筋腫細胞増殖阻害剤は、活性成分として、特にアルドステロン受容体阻害剤を含む。スピロノラクトンが活性成分として開示されているが、該化合物の子宮筋腫細胞増殖の阻害能に関連して、その抗アンドロゲン活性に言及していない。
EP1029868(A1)はジエノゲストまたはその溶媒和物を活性成分として含有する子宮筋腫治療薬を開示する。該治療薬は副作用が抑えられ、投与後のリバウンドが抑制され、単独でまたはGnRHアゴニストとの併用にて使用可能であり、経口および経皮薬および坐剤として投与および医薬調製可能である。ジエノゲストはまた、抗アンドロゲン成分を含むが、抗アンドロゲンとしての活性と、該活性による子宮筋腫の治療の可能性の間の関係は該文献にて開示されていない。
子宮の子宮筋層としての子宮平滑筋腫はアンドロゲン受容体をmRNAにて発現し(Jiro Fujimoto、* Miki Nishigaki、Masashi Hori、Satoshi Ichigo、Toshiya ItohおよびTeruhiko Tamaya、「The Effect of Estrogen and Androgen on Androgen Receptors and mRNA Levels in Uterine Leiomyoma, Myometrium and Endometrium of Human Subjects」、Steroid Biochem. Molec. Biol. 1994、50(3/4):137-43)、および蛋白レベルにて発現する(T. Tamaya、J. FujimotoおよびH. Okada 「Comparison of Cellular Levels of Steroid Receptors in Uterine Leiomyoma and Myometrium」、Acta Obstet Gynecol Scand 1985、64: 307 - 309)。免疫組織学的実験における子宮筋腫の連続的組織学的解析はその場でのアンドロゲン受容体の発現を示した(Leitao MM、Soslow RA、Nonaka D、Olshen AB、Aghajanian C、Sabbatini P、Dupont J、Hensley M、Sonoda Y、Barakat RR、Anderson S.、「Tissue Microarray Immunohistochemical Expression of Estrogen, Progesterone, and Androgen Receptors in Uterine Leiomyomata and Leiomyosarcoma」、Cancer 2004、101(6):1455-62)。機能性レベルで、アンドロゲンはラット実験にて子宮の子宮筋層の強力な成長ドライバーであることが知られている(M. Gonzalez-Diddi、B. KomisarukおよびC. Beyer、「Differential Effects of Testosterone and Dihydrotestosterone on the Diverse Uterine Tissues of the Ovariectomized Rat」、Endocrinology 1972、91(4): 1129f)、子宮筋層および平滑筋腫におけるアンドロゲン受容体の発現がエストラジオールにより刺激される。さらには、ヒト子宮筋層および平滑筋腫にてARと結合し、その転写を活性化するアンドロゲンのテストステロンおよび5−アルファ−デヒドロ−テストステロンのインサイチュ合成が組織培養実験にて明らかにされた(VM Jasonni、M Bonavia、S Lodi、S Preti、C BullettiおよびC Flamigni、「Androstenedione metabolism in human uterine tissues: endometrium, myometrium and leiomyoma」、J Steroid Biochem. 1982、17(5):547f)。しかしながら、アンドロゲンおよび抗アンドロゲンの子宮平滑筋腫の成長に対する効果は今までのところ評価されていない。
同様に、アンドロゲンの、特にアンドロゲン受容体アンタゴニストの、一次ヒト筋腫細胞またはEkerラット平滑筋−腫瘍誘導細胞(Elt3)の増殖に対する効果は明らかにされていない。
本願発明の目的は、哺乳動物、好ましくはヒトにて、子宮平滑筋腫、平滑筋腫、または単にフィブロイドまたは筋腫としても知られている子宮筋腫を治癒および/または防止するための、新規かつ効果的な処置を提供することである。
このことは子宮筋腫を治癒および/または防止するために使用されるアンドロゲン受容体アンタゴニストにより達成される。
特に、本願発明のアンドロゲン受容体アンタゴニストは、哺乳動物、好ましくはヒトにて、子宮筋腫を治癒および/または防止するために使用される、非ステロイド性アンドロゲン受容体アンタゴニストである。
本願発明の実施態様野別の形態によれば、該アンドロゲン受容体アンタゴニストは、哺乳動物、好ましくはヒトにて、子宮筋腫を治癒および/または防止するために使用される、ステロイド性アンドロゲン受容体アンタゴニストである。
本願発明のかかるアンドロゲン受容体アンタゴニストは、哺乳動物、好ましくはヒトにて子宮筋腫を治癒および/または防止するのに使用される、例えば、酢酸サイプロテロン、オキセンドロン、酢酸クロルマジノン、スピロノラクトン、酢酸オサテロン、ジエノゲスト、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、RU58841、LGD−2226、MDV3100、BMS−641988、BMS−779333または4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(チオキソイミダゾリジン誘導体)の群より選択されるが、これらに限定されない。
本願発明はさらには子宮筋腫を治癒および/または防止するための医薬の製造におけるアンドロゲン受容体アンタゴニストの使用を含む。
本願発明の特定の態様によれば、アンドロゲン受容体アンタゴニスト、より詳細にはステロイド性アンタゴニスト受容体アンタゴニストは、ジエノゲストおよびスピロノラクトンを含む、より具体的にはジエノゲスト、スピロノラクトンおよび酢酸サイプロテロンを含むものは除くものと考えられる。
さらには、本願発明の意義の範囲内で、アンドロゲン受容体アンタゴニストはまた、選択的アンドロゲン受容体モジュレータ(SARM)にて言及する。該SARMの構造的基礎はステロイドまたは非ステロイドのいずれであってもよい。
哺乳動物の治療におけるステロイド性SARMの活性は、目的により、プロゲステロン受容体および/またはミネラルコルチコイド受容体などの他のステロイド受容体に影響を及ぼしてもよい。
投与されるべきアンドロゲン受容体アンタゴニストの量は広範囲にわたって変化し、いずれの有効量もカバーしうる。処置されるべき症状および投与の型に基づいて、投与される化合物の量は、一日に付き、体重1kg当たり0.01μg−100mg、好ましくは0.04μg−1mgであり得る。
ヒトでは、これは一日に0.8μgないし8g、好ましくは3.2μgないし80mgの用量に相当する。本願発明によれば、例えば、単一錠剤、カプセル、パッチ、坐剤、リング、IUDであると考えられる投与単位は1.6μgないし2000mgのアンドロゲン受容体アンタゴニストを含む。
本願発明の従って使用され得るアンドロゲン受容体アンタゴニストは、医薬組成物および製剤の製造に適している。医薬組成物または医薬剤は、活性成分として1または複数のアンドロゲン受容体アンタゴニストを含有し、所望により他の薬理学的にまたは医薬として活性な物質と混合してもよい。医薬剤の製造は既知の方法にて実施され、それにより既知のおよび一般に使用される医薬用アジュバントならびに他の一般に使用されるビヒクルおよび希釈剤が使用され得る。
かかるビヒクルおよびアジュバントとして、例えば、医薬用、化粧用およびその関連分野のアジュバントとして、以下の書誌参照にて推奨または指示されるものが適している:Ullmans Encyklopaedie der technischen Chemie [Ullman’s Encyclopedia of Technical Chemistry]、Volume 4 (1953)、1−39頁; Journal of Pharmaceutical Sciences、Volume 52 (1963)、918頁以下、Czetsch-Lindenwald発刊、Hilfsstoffe fuer Pharmazie und angrenzende Gebiete [Adjuvants for Pharmaceutics and Related Fields]; Pharm. Ind.、Issue 2、1961、72頁以下:Dr. H. P. Fiedler、Lexikon der Hilfsstoffe fuer Pharmazie、Kosmetikおよびangrenzende Gebiete [Dictionary of Adjuvants for Pharmaceutics、Cosmetics and Related Fields]、Cantor KG、Aulendorf in Wuerttemberg 1971。
本願発明の使用に適するアンドロゲン受容体アンタゴニストは経口的または非経口的に、例えば、腹腔内に、筋肉内に、皮下的にまたは経皮的に投与され得る。アンドロゲン受容体アンタゴニストはまた組織に埋め込まれる投与単位にて含められ得る。
経口投与の場合、カプセル、ピル、錠剤、被覆錠等が適している。活性成分に加えて、投与単位は、例えば澱粉、糖、ソルビトール、ゼラチン、滑沢剤、ケイ酸、タルク等などの医薬適合性のあるビヒクルを含有し得る。
非経口投与の場合、活性成分は生理学的に適合可能な希釈剤に溶解または懸濁され得る。希釈剤として、オイルが、可溶化剤、表面活性剤、沈殿防止剤または乳化剤を添加して、または添加することなく、頻繁に使用される。使用されるオイルの例がオリーブ油、落花生油、綿実油、大豆油、ヒマシ油、ゴマ油である。
アンドロゲン受容体アンタゴニストはまた、デポー注射またはインプラント製剤の形態にて使用され得、それは活性成分の遅延放出が可能となるように処方され得る。
不活性材料として、インプラントは、例えば、生分解性ポリマーまたは例えば、シリコーンゴムなどの合成シリコーンを含有し得る。
加えて、経皮投与の場合、活性成分が、例えばパッチに配合され得る。
局所投与用にアンドロゲン受容体アンタゴニストを装填する膣内システム(例、膣リング)または子宮内システム(例、ペッサリー、コイル、IUD、ミレナ(Mirena(登録商標))の製造には、例えばシリコーンポリマー、エチレン酢酸ビニル、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの種々のポリマーが適している。
本願発明の使用に適するアンドロゲン受容体アンタゴニストは、慣用的な坐剤の形態にて経直腸的にまたは経膣的に投与されてもよい。坐剤製剤は、坐剤の融点を変えるのにワックス、およびグリセリンを添加して、または添加することなく、カカオ脂を包含する伝統的な材料より製造されてもよい。種々の分子量のポリエチレングリコールなどの水可溶性坐剤の基材も使用されてもよい。
本願発明によれば、一般式Iの化合物はまた、リポソームでカプセル化され得る。
アンドロゲン受容体アンタゴニストのヒト子宮筋腫の進行に対する作用が異種移植マウス実験で試験された。
以下により詳細に記載されるように、少なくとも二人の異なる患者から由来のヒト子宮平滑筋腫異種移植片を免疫不全マウスにて成長させる該疾患実験を用いて、対照と比較した場合に、移植片の重量がチオキソイミダゾリジン誘導体処理群にて50%を越えて著しく減少することが証明された(p<0.06)。この予期せぬ効果は、抗アンドロゲンの、子宮平滑筋腫としても知られる、子宮筋腫の処置における役割を証明する。
本願発明の他の特徴および利点は、添付されている、該発明を何ら制限するものではない、その報告されている実施態様の以下の記載を読むことで明らかとなるであろう。
命名されているアンドロゲン受容体アンタゴニストの合成
酢酸サイプロテロン、オキセンドロン、酢酸クロルマジノン、スピロノラクトン、酢酸オサテロン、ジエノゲスト、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ニルタミド、ビカルタミドの化合物およびその合成は製薬の分野、特にアンドロゲン受容体アンタゴニストとして活性な物質の分野にて周知である。化合物XI−XVは先行文献の記載に従って調製され得る。
酢酸サイプロテロン、オキセンドロン、酢酸クロルマジノン、スピロノラクトン、酢酸オサテロン、ジエノゲスト、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ニルタミド、ビカルタミドの化合物およびその合成は製薬の分野、特にアンドロゲン受容体アンタゴニストとして活性な物質の分野にて周知である。化合物XI−XVは先行文献の記載に従って調製され得る。
RU58841およびその合成はWO1997/18197(27頁、実施例4)に記載され、LGD−2226およびその合成はWO2001/16108(92頁、実施例21、化合物223)に記載され、MDV−3100およびその合成はWO2006/124118(77頁、実施例56[RD162’])に記載され、BMS−641988およびその合成はWO2003/062241(A1)(618頁、実施例810)に記載され、BMS−779333およびその合成はWO2009/003077(A1)(70頁、実施例3)に記載された。
特許文献としての、WO1997/18197WO2001/16108、WO2006/124118、WO2003/062241およびWO2009/003077の全内容を出典明示により本願明細書の一部とする。
4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(チオキソイミダゾリジン誘導体−EP特許出願09075421.9の実施例10)
2a)中間体の製造
中間体2.1:6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−カルボニトリル
水素化ナトリウム(60%;346mg)を、2−メチルプロパン−1,2−ジオール(650mg;7.2ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(66.7ml)中溶液に加え、バッチを室温で1時間攪拌した。6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(1000mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(6.7ml)中溶液を加え、該バッチを室温で一夜攪拌した。混合物を氷および塩化ナトリウムの希釈溶液で希釈し、酢酸エチル(3x)で抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウムの希釈溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル1:1)に付して精製し、所望の生成物(508mg;2.6ミリモル)を得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):8.46(d,1H)、7.81(dd,1H)、6.88(d,1H)、4.26(s,2H)、2.35(br,1H)、1.33(s,6H)
中間体2.1:6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−カルボニトリル
水素化ナトリウム(60%;346mg)を、2−メチルプロパン−1,2−ジオール(650mg;7.2ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド(66.7ml)中溶液に加え、バッチを室温で1時間攪拌した。6−クロロピリジン−3−カルボニトリル(1000mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(6.7ml)中溶液を加え、該バッチを室温で一夜攪拌した。混合物を氷および塩化ナトリウムの希釈溶液で希釈し、酢酸エチル(3x)で抽出した。合わせた有機相を塩化ナトリウムの希釈溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過した。濾液を真空下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン→ヘキサン/酢酸エチル1:1)に付して精製し、所望の生成物(508mg;2.6ミリモル)を得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):8.46(d,1H)、7.81(dd,1H)、6.88(d,1H)、4.26(s,2H)、2.35(br,1H)、1.33(s,6H)
中間体2.2:6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−メタナミン
6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−カルボニトリル (400mg;2.08ミリモル)のアンモニアのメタノール中7N溶液(20ml)を、オートクレーブ中、レニーニッケル(400mg;50%)を用いて、20バールの水素雰囲気下、25℃で5時間水素添加した。バッチを濾過し、蒸発により濃縮し、粗生成物(415mg)を得、それをさらに精製することなく使用した。
6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−カルボニトリル (400mg;2.08ミリモル)のアンモニアのメタノール中7N溶液(20ml)を、オートクレーブ中、レニーニッケル(400mg;50%)を用いて、20バールの水素雰囲気下、25℃で5時間水素添加した。バッチを濾過し、蒸発により濃縮し、粗生成物(415mg)を得、それをさらに精製することなく使用した。
2b)標記化合物の製造
6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−メタナミン(408mg;2.08ミリモル)を(10ml)に懸濁させた。アセトンシアノヒドリン(0.38ml;4.16ミリモル、Fluka)およびモレキュラーシーブ(4Å)を添加した後、反応混合物を室温で一夜攪拌した。反応物を濾過し、蒸発により濃縮した。
6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−メタナミン(408mg;2.08ミリモル)を(10ml)に懸濁させた。アセトンシアノヒドリン(0.38ml;4.16ミリモル、Fluka)およびモレキュラーシーブ(4Å)を添加した後、反応混合物を室温で一夜攪拌した。反応物を濾過し、蒸発により濃縮した。
残渣をテトラヒドロフラン(9ml)に溶かした。4−イソチオシアナト−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル(432mg;1.89ミリモル、Fluorochem)およびトリエチルアミン(0.53ml;3.78ミリモル)を加え、反応物を1時間還流し、それを蒸発により濃縮した。
残渣をメタノール(5.7ml)に溶かした。塩化水素のメタノール中4N溶液(1.89ml)を加え、反応物を室温で一夜攪拌した。反応物を酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウムおよび塩化ナトリウムの飽和溶液で洗浄した。有機相をWhatmanフィルターを用いて濾過し、蒸発により濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/エタノール 95:5)に付して精製し、標記化合物(165mg;0.34ミリモル)を得た。
1H−NMR(300MHz、CDCl3):8.17(d,1H)、7.97(d,1H)、7.91(m,1H)、7.82(dd,1H)、7.79(dd,1H)、6.82(d,1H)、5.05(s,2H)、4.21(s,2H)、3.08(br,1H)、1.50(s,6H)、1.33(s,6H)
1H−NMR(300MHz、CDCl3):8.17(d,1H)、7.97(d,1H)、7.91(m,1H)、7.82(dd,1H)、7.79(dd,1H)、6.82(d,1H)、5.05(s,2H)、4.21(s,2H)、3.08(br,1H)、1.50(s,6H)、1.33(s,6H)
アンドロゲン受容体アンタゴニストの生物学的実験での評価
2種の異なるアンドロゲンのEkerラットの平滑筋腫瘍誘発性細胞(Elt3)での作用
2種の異なるアンドロゲンのEkerラットの平滑筋腫瘍誘発性細胞(Elt3)での作用
Elt3細胞をCheryl Walker(University of Texas)より入手した。他の細胞との比較において、Elt3細胞はヌードマウスにて発癌性であると特徴付けられた(C. Walker、Recent Prog. Horm. Res.、Jan 2002;57:277)。Elt3細胞を、10%FCSを含有するDMEMを含むT−75フラスコ中、37℃および5%CO2で、集密になるまで成長させた。培地を24時間1%CCSに変えた。1000個の細胞を96ウェルプレートに24時間播種した。Elt3細胞を試験化合物と一緒に7日間インキュベートした。CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を、代謝活性な細胞のインジケータとして存在するATPの定量化に基づいて、培養基中での生存細胞の数を決定するのに使用した。
図1および図2の各々にて明らかなように、テストステロンおよびジヒドロテストステロンが、エストラジオールと比較可能な範囲にて、Ekerラットの筋腫細胞系(Elt3)の用量依存的な増殖の増加を誘発することが示された。
一次筋腫および子宮筋細胞のヒト組織からの単離
医学的な理由から子宮摘出術を受けている非妊娠女性より、ヒト子宮平滑筋腫および適合した子宮筋組織を手術の際に得た。
医学的な理由から子宮摘出術を受けている非妊娠女性より、ヒト子宮平滑筋腫および適合した子宮筋組織を手術の際に得た。
子宮筋および平滑筋腫組織を子宮内膜細胞層より切断し、PBSで洗浄し、血液細胞を除去し、約1mm3の小片にカットし、2%コラゲナーゼIIおよび0.1%DNaseI中にて4℃で一夜消化させた。細胞を295xgで15分間遠心分離に付すことで未消化片より分離し、10%FCSおよび1%抗生物質/抗真菌剤溶液を含有するDMEMで2回洗浄した。「望ましくない」線維芽細胞の大部分を除くのに、該細胞をT25プラスチックフラスコ中で1時間インキュベートした。子宮筋/筋腫細胞を含有する上澄を、10%FCSおよび1%抗生物質/抗真菌剤溶液を含有するDMEMと共に、37℃および5%CO2で3ないし4日間インキュベートした。これらの一次細胞(継代2−4)をさらなる実験に用い、異なる化合物の増殖作用を評価した。
エストラジオールおよび2種の異なるアンドロゲンの一次筋腫細胞における効果
一次細胞を、10%FCSを含有するDMEMを含むT−75フラスコ中、37℃および5%CO2で、集密になるまで成長させた。1000個の細胞を96ウェルプレートに24時間にわたって播種し、培地を1%CCSに変えた。一次細胞を試験化合物と一緒に7日間インキュベートした。CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を、代謝活性な細胞のインジケータとして存在するATPの定量化に基づいて、培養基中での生存細胞の数を決定するのに使用した。
一次細胞を、10%FCSを含有するDMEMを含むT−75フラスコ中、37℃および5%CO2で、集密になるまで成長させた。1000個の細胞を96ウェルプレートに24時間にわたって播種し、培地を1%CCSに変えた。一次細胞を試験化合物と一緒に7日間インキュベートした。CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を、代謝活性な細胞のインジケータとして存在するATPの定量化に基づいて、培養基中での生存細胞の数を決定するのに使用した。
ジヒドロテストステロンおよびテストステロンが、エストラジオールと比較可能な範囲にて、一次筋腫細胞の増殖の増加を顕著に誘発することが明らかにされた(図3)(p<0.05、vs.DMSOの対応のない両側t検定)。
ビカルタミドのEkerラットの平滑筋腫瘍誘発性細胞(Elt3)における効果
Elt3細胞を入手し、上記したように集密になるまで成長させ、播種した。Elt3細胞を試験化合物と一緒に7日間インキュベートした。CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を、代謝活性な細胞のインジケータとして存在するATPの定量化に基づいて、培養基中での生存細胞の数を決定するのに使用した。
Elt3細胞を入手し、上記したように集密になるまで成長させ、播種した。Elt3細胞を試験化合物と一緒に7日間インキュベートした。CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を、代謝活性な細胞のインジケータとして存在するATPの定量化に基づいて、培養基中での生存細胞の数を決定するのに使用した。
図4に要約される結果によれば、Elt3細胞の増殖は10−9M DHTで有意に増加し(p<0.05、vs.DMSOの対応のない両側t検定)、この効果は10−7Mビカルタミドにより無効となった(p<0.05、vs.DHTの対応のない両側t検定)。
免疫不全マウスにおけるヒト子宮平滑筋腫の異種移植片
ヒト子宮平滑筋腫(UL)組織は、子宮摘出を行い、その後で組織を調製するか、腹腔から組織を除去するために多くの部分に分割するか、またはすることなく筋腫核形成するかのいずれかで、各診断用に適用される外科的介入のいずれかの形態より誘導された。手術の直後に、クリニックより移動させるために、UL組織を4℃の適当な滅菌バッファー(Vitron V7バッファー(米国特許第5328821号)または器官移植用Viaspanバッファ)に入れた。滅菌した作業台で、UL組織を、常時湿った状態に維持しながら、2x2x2mmの小片にカットした。組織の小片を、異種移植術のためにPBSの入った組織ウェルに置いた(M Fritschら、2010、ISGE abstract & presentation)。
ヒト子宮平滑筋腫(UL)組織は、子宮摘出を行い、その後で組織を調製するか、腹腔から組織を除去するために多くの部分に分割するか、またはすることなく筋腫核形成するかのいずれかで、各診断用に適用される外科的介入のいずれかの形態より誘導された。手術の直後に、クリニックより移動させるために、UL組織を4℃の適当な滅菌バッファー(Vitron V7バッファー(米国特許第5328821号)または器官移植用Viaspanバッファ)に入れた。滅菌した作業台で、UL組織を、常時湿った状態に維持しながら、2x2x2mmの小片にカットした。組織の小片を、異種移植術のためにPBSの入った組織ウェルに置いた(M Fritschら、2010、ISGE abstract & presentation)。
免疫不全マウス(CB17 SCID、ICR SCID、ICR−Hrhr SCIDまたはSCIDベージュマウス)を約6−8週齢で卵巣摘出(OVX)した。OVXから少なくとも1週間経過した後、マウスにエストラジオール(E2)(0.05mg/90日)およびプロゲステロン(P)(25mg/60日)を放出するペレット(Innovative Research of America)を頚部に捕捉した。一のドナーからの組織で8つまでの移植片を、4つのULと対照としての4つの子宮筋組織の移植片か、または8つのUL移植片のいずれかを、腹部に皮下的に置いた。外科的開口部をクリップで閉じるか、または組織接着剤で密封した(Histoacryl、Braun)。手術直後に、マウスを2群に分けた。一群は胃管によりビヒクルを受けた。他の群は抗アンドロゲン(チオキソイミダゾリジン誘導体またはビカルタミド)を同じビヒクル中で胃管を介して受けた。投与は、化合物の生物学的半減期に応じて、毎日であるか、隔日であるかのいずれかであった。実験の最後の週には、移植細胞増殖のその後の分析のために、マウスはブロモデオキシウリジン(BrdU)を飲料水にて投与された。所定の処置期間(50日または60日)の経過後、実験を停止し、移植片を調製した。UL組織は、子宮筋層と比べて、細胞外マトリックの異常合成により、および高い増殖速度により特徴付けられる。移植片は、増殖しながら、UL組織の典型的な特徴を保持することが示された。したがって、移植片の重量がUL組織の増殖の一次読み取りパラメータとして取り扱われた(図5および6)。
実験1(アンドロゲン受容体アンタゴニストとしてのビカルタミド)−図5
3つの異なる患者からのヒト筋腫組織をSCIDマウスに皮下的に移植し;該マウスを以下に記載されるように処理した。移植片の重量を個々の対照群の重量に正規化し、記載の統計方法により解析した。
3つの異なる患者からのヒト筋腫組織をSCIDマウスに皮下的に移植し;該マウスを以下に記載されるように処理した。移植片の重量を個々の対照群の重量に正規化し、記載の統計方法により解析した。
図5に示されるように、移植片の重量は、個々の対照と比較した場合に、ビカルタミド処理群にて30%より多く有意に減少した(p<0.05)。
実験2(アンドロゲン受容体アンタゴニストとしてのチオキソイミダゾリジン誘導体)−図6および7
2つの異なる患者からのヒト筋腫組織をSCIDマウスに皮下移植し;該マウスを上記のように処理した。移植片の重量を個々の対照群の重量に正規化し、記載の統計方法により解析した。
2つの異なる患者からのヒト筋腫組織をSCIDマウスに皮下移植し;該マウスを上記のように処理した。移植片の重量を個々の対照群の重量に正規化し、記載の統計方法により解析した。
図6に明示されるように、移植片の重量は、個々の対照と比較した場合に、チオキソイミダゾリジン誘導体処理群にて50%より多く有意に減少した(p<0.05)。
個々の移植片の重量が図6に示されている、実験2の最後の週の間のヒト異種移植細胞増殖を解析した。BrdU陽性核をホルマリン固定移植片にて免疫組織学的に染色することで可視化し、写真を撮影し、領域当たりのBrdU−陽性核をMIRAX Histoquantソフトウェア(3DHISTECH Ltd、Budapest、Hungary)を用いて計数した。移植片の成長および増殖は移植片実験で使用した個々の筋腫で変わるかもしれない。したがって、実験2の2つの異なるドナーについての増殖データを別個に示した(図7)。
チオキソイミダゾリジン誘導体で処理した移植片の増殖は図7に示されるように明らかに減少する。
移植片の重量は、個々の対照群にて同じ患者の適合した移植片と比較した場合に、ビカルタミドで30%より多く、およびチオキソイミダゾリジン誘導体で処理した場合に50%より多く有意に減少し、移植されたヒト子宮筋腫組織の成長の阻害が試験された両方のアンドロゲン受容体アンタゴニストで達成された。
実験の統計学的解析
移植片の重量の観察で対数正規分布が仮定された。固定効果としての「処理」および変動効果としての「組織」を用いる混合型線形モデルを移植片重量の対数に適用した。マウス当たりの測定の間の相関性を記載するために、対象構造の化合物を用いた。Satterthwaiteに従って自由度を調節した。すべての処理群を片側Dunnett’s検定を用いて陽性対照群と比較した。
移植片の重量の観察で対数正規分布が仮定された。固定効果としての「処理」および変動効果としての「組織」を用いる混合型線形モデルを移植片重量の対数に適用した。マウス当たりの測定の間の相関性を記載するために、対象構造の化合物を用いた。Satterthwaiteに従って自由度を調節した。すべての処理群を片側Dunnett’s検定を用いて陽性対照群と比較した。
Claims (8)
- 哺乳動物、好ましくはヒトにおける子宮筋腫を治癒および/または防止するのに用いられるアンドロゲン受容体アンタゴニスト:ただし、該アンドロゲン受容体アンタゴニストはジエノゲストまたはスピロノラクトン以外の化合物である。
- ステロイド性アンドロゲン受容体アンタゴニストであることを特徴とする、請求項1記載のアンドロゲン受容体アンタゴニスト:ただし、該ステロイド性アンドロゲン受容体アンタゴニストはジエノゲストまたはスピロノラクトン以外の化合物である。
- 非ステロイド性アンドロゲン受容体アンタゴニストであることを特徴とする、請求項1記載のアンドロゲン受容体アンタゴニスト。
- 哺乳動物、好ましくはヒトにおける子宮筋腫を治癒および/または防止するのに用いられる、以下の群:酢酸サイプロテロン、オキセンドロン、酢酸クロルマジノン、酢酸オサテロン、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、RU58841、LGD−2226、MDV3100、BMS−641988、BMS−779333または4−(3−{[6−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4,4−ジメチル−5−オキソ−2−チオキソイミダゾリジン−1−イル)−2−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリルのいずれか1つの化合物である、請求項1記載のアンドロゲン受容体アンタゴニスト。
- 子宮筋腫を治癒するための請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンドロゲン受容体アンタゴニストを含む医薬組成物。
- 子宮筋腫を治癒するための請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンドロゲン受容体アンタゴニストを含むパッチ。
- 子宮筋腫を治癒するための請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンドロゲン受容体アンタゴニストを含む膣内システム。
- 子宮筋腫を治癒するための請求項1〜4のいずれか一項に記載のアンドロゲン受容体アンタゴニストを含む子宮内システム。
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