JP2011037713A - 子宮筋腫細胞増殖抑制剤及びこれを含む子宮筋腫の予防又は治療薬 - Google Patents
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Abstract
【課題】卵巣機能欠落症状や骨量減少等の副作用の危険性がなく、長期間の投薬が可能な子宮筋腫細胞増殖抑制剤及び子宮筋腫の予防又は治療薬を提供すること。
【解決手段】アルドステロン受容体阻害剤を有効成分として含有する子宮筋腫細胞増殖抑制剤及びこれを含む子宮筋腫の予防乃至治療薬とする。
【選択図】なし
【解決手段】アルドステロン受容体阻害剤を有効成分として含有する子宮筋腫細胞増殖抑制剤及びこれを含む子宮筋腫の予防乃至治療薬とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、アルドステロン受容体阻害剤を有効成分として含有する子宮筋腫細胞増殖抑制剤及びこれを含む子宮筋腫の予防又は治療薬に関し、詳細には、副作用の危険性がなく、長期間の投薬が可能である子宮筋腫細胞増殖抑制剤、及びこれを含む子宮筋腫の予防又は治療薬に関する。
子宮筋腫は、子宮の筋肉に発生する良性腫瘍であり、腫瘍のできる場所によって、筋層内筋腫、粘膜下筋腫、漿膜下筋腫に分類することができる。子宮筋腫は、過多月経、貧血、月経困難症、圧迫などの症状を呈し、多くの女性のQOLを著しく障害し、最終的には子宮摘出といった外科的治療が行われることが多い。
従来、子宮筋腫患者に対しては、例えばGnRH アゴニストによる薬物治療が行われている。特許文献1には、GnRHアゴニストとSERM薬、SARM薬等から選ばれる薬物を組み合わせてなる予防・治療用医薬が開示されている。これによると、GnRHアゴニストによる各種疾病の予防乃至治療効果を著しく向上させることができるというものである。しかしながら、GnRH アゴニストによる薬物治療は、卵巣機能欠落症や骨量減少の副作用のため長期間の使用は不可能であるという問題を有していた。
子宮筋腫の他の治療法として、子宮動脈塞栓術(UAE, Uterine Artery Embolization)が広まりつつある。子宮動脈塞栓術は、子宮筋腫によって生じる各種の症状の改善を目的とした治療法であり、X線透視下にカテーテルを子宮動脈に挿入し、塞栓物質を注入することにより行われる。しかしながら、この治療法に関する基礎研究は十分行われていないまま臨床応用が先行し、治療メカニズムについても不明な点が多い。
現在まで、子宮筋腫増殖機構としては、エストロジェンを介する細胞増殖シグナル伝達メカニズムが明らかとなっているが、このエストロジェンを介するメカニズムを除いては未だ解明されていないのが現状である。従って、子宮筋腫の病態生理の解明及び、これに基づく効果的な治療薬の創出が望まれている。
特開2003‐137814号公報
現在まで、子宮筋腫増殖機構としては、エストロジェンを介する細胞増殖シグナル伝達メカニズムが明らかとなっているが、このエストロジェンを介するメカニズムを除いては未だ解明されていないのが現状である。従って、子宮筋腫の病態生理の解明及び、これに基づく効果的な治療薬の創出が望まれている。
本発明者は、上記の課題を解決するための鋭意研究の結果、子宮筋腫細胞増殖伝達機構にアルドステロンが関与していることを見出し、さらにはアルドステロンにより子宮筋腫細胞が増殖されること、及びアルドステロン受容体阻害剤により子宮筋腫増殖が抑制されることを見出し、さらに研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
請求項1に係る発明は、アルドステロン受容体阻害剤を有効成分として含有する子宮筋腫細胞増殖抑制剤に関する。
請求項2に係る発明は、前記アルドステロン受容体阻害剤が、スピロノラクトン及び/又はエプレレノンであることを特徴とする請求項1に記載の子宮筋腫細胞増殖抑制剤に関する。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の子宮筋腫細胞増殖抑制剤を含有する子宮筋腫の予防又は治療薬に関する。
請求項2に係る発明は、前記アルドステロン受容体阻害剤が、スピロノラクトン及び/又はエプレレノンであることを特徴とする請求項1に記載の子宮筋腫細胞増殖抑制剤に関する。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の子宮筋腫細胞増殖抑制剤を含有する子宮筋腫の予防又は治療薬に関する。
本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤は、子宮筋腫細胞の増殖を抑制或いは増殖促進を抑制することができる。従って、この子宮筋腫細胞増殖抑制剤、又はこれを含む治療剤が子宮筋腫患者に投与されると、子宮筋腫細胞増殖を抑制することができるから、子宮筋腫を治療することができる。
本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤及び子宮筋腫の予防又は治療薬は、経口投与可能であるとともに、卵巣機能欠落症状や骨量減少等の副作用の危険性がなく、長期間の投薬或いは長期間の継続的投与が可能であるという利点を有する。
本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤及び子宮筋腫の予防又は治療薬は、本来のアルドステロン受容体阻害剤がもつ降圧作用、臓器保護作用もあわせ持つから、動脈硬化性疾患の発症を減少させるという効果を奏する。また、アルドステロン受容体阻害剤の降圧作用により、高血圧合併子宮筋腫患者の子宮筋腫の予防又は治療に極めて有効である。
本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤及び子宮筋腫の予防又は治療薬は、経口投与可能であるとともに、卵巣機能欠落症状や骨量減少等の副作用の危険性がなく、長期間の投薬或いは長期間の継続的投与が可能であるという利点を有する。
本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤及び子宮筋腫の予防又は治療薬は、本来のアルドステロン受容体阻害剤がもつ降圧作用、臓器保護作用もあわせ持つから、動脈硬化性疾患の発症を減少させるという効果を奏する。また、アルドステロン受容体阻害剤の降圧作用により、高血圧合併子宮筋腫患者の子宮筋腫の予防又は治療に極めて有効である。
本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤について説明する。
本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤(以下、単に剤という場合がある)は、アルドステロン受容体阻害剤を有効成分として含有する。このアルドステロン受容体阻害剤は特に限定されないが、例えば、スピロノラクトン、スピロノラクトン誘導体、又は医薬的に許容され得るこれらの塩、エステル、アミドが挙げられ、或いはこれらのプロドラッグであってもよい。好ましくは、スピロノラクトン、エプレレノン、トリアムテレン、カンレノ酸カリウム等が有効成分として好適に用いられる。
本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤(以下、単に剤という場合がある)は、アルドステロン受容体阻害剤を有効成分として含有する。このアルドステロン受容体阻害剤は特に限定されないが、例えば、スピロノラクトン、スピロノラクトン誘導体、又は医薬的に許容され得るこれらの塩、エステル、アミドが挙げられ、或いはこれらのプロドラッグであってもよい。好ましくは、スピロノラクトン、エプレレノン、トリアムテレン、カンレノ酸カリウム等が有効成分として好適に用いられる。
本発明の剤には、前記アルドステロン受容体阻害剤のうち、スピロノラクトン及び/又はスピロノラクトンの誘導体であるエプレレノンが最も好ましくは用いられる。
スピロノラクトン(spironolactone)は、スピロ環構造とラクトン環構造をあわせ持つ物質であり、受容体とアルドステロンとの結合に拮抗することによりK+保持性の利尿作用を示すことで知られている。従来は、主に心不全、肝硬変性腹水、高血圧治療薬としてフロセミドやクロロチアジドと併用されてきた。
本発明の剤に使用されるスピロノラクトンは、化学合成により得られてもよいし、或いは、市販の粉末状のスピロノラクトンを用いてもよい。
スピロノラクトン(spironolactone)は、スピロ環構造とラクトン環構造をあわせ持つ物質であり、受容体とアルドステロンとの結合に拮抗することによりK+保持性の利尿作用を示すことで知られている。従来は、主に心不全、肝硬変性腹水、高血圧治療薬としてフロセミドやクロロチアジドと併用されてきた。
本発明の剤に使用されるスピロノラクトンは、化学合成により得られてもよいし、或いは、市販の粉末状のスピロノラクトンを用いてもよい。
エプレレノン(eplerenone)は、スピロノラクトン誘導体であり、幅広い臓器保護作用を有し、高血圧や心不全に用いられていることがある。また、これは、アルドステロン受容体への親和性が極めて高い。
本発明の剤に使用されるエプレレノンは、化学合成により得られてもよいし、或いは、市販の粉末状のエプレレノンを用いてもよい。
本発明の剤に使用されるエプレレノンは、化学合成により得られてもよいし、或いは、市販の粉末状のエプレレノンを用いてもよい。
本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤は、前記有効成分をそのまま、または薬理学的に許容し得る担体などと混合して子宮筋腫細胞増殖抑制剤とした後に、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル)に投与することができる。
本発明の剤中の有効成分の含量は、アルドステロン受容体阻害剤の種類、製剤の大きさなどによって異なるが、5〜35重量%とされることが好ましい。特に、有効成分であるアルドステロン受容体阻害剤がスピロノラクトンである場合、スピロノラクトンが5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%含まれる。エプレレノンの場合は、例えば20〜35重量%、好ましくは25〜30重量%とされる。
本発明の剤中の有効成分の含量は、アルドステロン受容体阻害剤の種類、製剤の大きさなどによって異なるが、5〜35重量%とされることが好ましい。特に、有効成分であるアルドステロン受容体阻害剤がスピロノラクトンである場合、スピロノラクトンが5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%含まれる。エプレレノンの場合は、例えば20〜35重量%、好ましくは25〜30重量%とされる。
前記した薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、香料などの製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、注射用水、生理的食塩水、リンゲル液、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、トレハロース、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子;ポリソルベート類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール、D−ソルビトール、ブドウ糖などが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
着色剤の好適な例としては、水溶性食用タール色素、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラ、黄色三二酸化鉄)などが挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
香料の好適な例としては、L−メントール、カラメル、各種フルーツ系香料等が挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、亜硫酸塩、アスコルビン酸塩などが挙げられる。
着色剤の好適な例としては、水溶性食用タール色素、水不溶性レーキ色素(例、前記水溶性食用タール色素のアルミニウム塩)、天然色素(例、β−カロチン、クロロフィル、ベンガラ、黄色三二酸化鉄)などが挙げられる。
甘味剤の好適な例としては、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、アスパルテーム、ステビアなどが挙げられる。
香料の好適な例としては、L−メントール、カラメル、各種フルーツ系香料等が挙げられる。
本発明の剤の剤形としては、例えば錠剤(舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などの経口剤;および注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤など)、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤、軟膏剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)、ペレット、点滴剤、点眼剤、経肺剤(吸入剤)等の非経口剤が挙げられ、これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的に安全に投与できる。また、これらの製剤は、速放性製剤または徐放性製剤などの放出制御製剤(例、徐放性マイクロカプセルなど)であってもよい。これら製剤の中でも、投薬が簡便な点で経口剤、特に錠剤又は顆粒剤が好ましい。
本発明の剤は、製剤技術分野において慣用の方法、例えば日本薬局方に記載の方法等により製造することができる。
本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤は、子宮筋腫細胞の増殖を抑制することができ、子宮筋腫細胞のうち、筋層内筋腫、粘膜下筋腫、漿膜下筋腫のいずれの細胞に対しても、それらが増殖することを抑制することができる。従って、本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤を投与することにより、子宮筋腫に起因する過多月経、不正性器出血、月経困難症、圧迫症状等の症状を緩和又は治療することができる。
本発明の剤は、子宮筋腫患者に対する子宮筋腫薬物治療に使用されるだけでなく、その有効成分がアルドステロン受容体阻害剤であるから、これがもつ降圧作用により、高血圧合併子宮筋腫患者に対する、子宮筋腫薬物治療及び降圧治療にも使用され得る。
本発明の剤は、子宮筋腫患者に対する子宮筋腫薬物治療に使用されるだけでなく、その有効成分がアルドステロン受容体阻害剤であるから、これがもつ降圧作用により、高血圧合併子宮筋腫患者に対する、子宮筋腫薬物治療及び降圧治療にも使用され得る。
本発明の剤の投与量は、投与対象や投与ルートなどによっても異なるが、例えば成人の子宮筋腫患者に経口投与する場合、有効成分がスピロノラクトンであれば、スピロノラクトンが1日30〜400mg、好ましくは50〜100mg分割経口投与されることが好ましい。
有効成分がエプレレノンであれば、エプレレノンとして、通常成人1日50〜100mgを分割経口されることが望ましい。
有効成分がエプレレノンであれば、エプレレノンとして、通常成人1日50〜100mgを分割経口されることが望ましい。
本発明の剤は、SERM薬等の薬剤(以下、併用薬剤という)と組み合わせて用いることができる。この際、本発明の剤と併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。さらに、本発明の剤と併用薬剤とは、それぞれの活性成分を含む2種類の製剤として投与されてもよいし、両方の活性成分を含む単一の製剤として投与されてもよい。尚、併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、
本発明の子宮筋腫の予防又は治療薬について説明する。
本発明の子宮筋腫の予防又は治療薬(以下、単に治療薬という場合がある)は、少なくとも本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤が含まれる。本発明の治療薬は、本発明の剤のみを含んで製造されてもよいし、或いは薬理学的に許容される担体と組み合わせて製造されてもよい。前記薬理学的に許容される担体、製剤添加物及び併用薬剤は、本発明の剤に関する説明で述べたものが好適に用いられる。また、治療薬の投与量、投与形態等も、本発明の剤に関する説明で述べたものを適用することが望ましい。
尚、本発明の剤及び治療薬は、アルドステロン受容体阻害剤を有効成分として含み、これにより子宮筋腫細胞増殖が抑制され、従って子宮筋腫が予防又は治療可能となる。従って、アルドステロン受容体阻害剤が単に添加剤や利尿剤として含まれるような医薬組成物と区別されるべきものである。即ち、本発明の剤及び治療薬は、レニン阻害剤等の降圧作用を持つ物質を含むものではない。
本発明の子宮筋腫の予防又は治療薬(以下、単に治療薬という場合がある)は、少なくとも本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤が含まれる。本発明の治療薬は、本発明の剤のみを含んで製造されてもよいし、或いは薬理学的に許容される担体と組み合わせて製造されてもよい。前記薬理学的に許容される担体、製剤添加物及び併用薬剤は、本発明の剤に関する説明で述べたものが好適に用いられる。また、治療薬の投与量、投与形態等も、本発明の剤に関する説明で述べたものを適用することが望ましい。
尚、本発明の剤及び治療薬は、アルドステロン受容体阻害剤を有効成分として含み、これにより子宮筋腫細胞増殖が抑制され、従って子宮筋腫が予防又は治療可能となる。従って、アルドステロン受容体阻害剤が単に添加剤や利尿剤として含まれるような医薬組成物と区別されるべきものである。即ち、本発明の剤及び治療薬は、レニン阻害剤等の降圧作用を持つ物質を含むものではない。
本発明の治療薬中の有効成分の含量は、アルドステロン受容体阻害剤の種類、製剤の大きさなどによって異なるが、前述の本発明の剤に含まれる有効成分の含量と同様、治療薬中5〜35重量%とされることが好ましい。また、有効成分であるアルドステロン受容体阻害剤がスピロノラクトンである場合も、本発明の剤に含まれる有効成分の含量と同様、治療薬中スピロノラクトンが5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%とされる。有効成分がエプレレノンの場合は、治療薬中エプレレノンが20〜35重量%、好ましくは25〜30重量%となるように製造される。
本発明の治療薬は、本発明の子宮筋腫細胞増殖抑制剤を含有してなるから、子宮筋腫患者にこれが投与されると、患者の子宮筋腫細胞の増殖を抑制することができ、よって、子宮筋腫を予防又は治療することができる。
以下の実施例および試験例によって、本発明をさらに詳しく説明する。
以下の試験例により、アルドステロン刺激により子宮筋腫細胞が増殖されること、及びこの子宮筋腫細胞の増殖がスピロノラクトン及びエプレレノンにより抑制されることを示す。
以下の試験例により、アルドステロン刺激により子宮筋腫細胞が増殖されること、及びこの子宮筋腫細胞の増殖がスピロノラクトン及びエプレレノンにより抑制されることを示す。
(試験例1:アルドステロンによる子宮筋腫細胞増殖促進、及びスピロノラクトンとエプレレノンによる子宮筋腫細胞増殖促進抑制効果の試験)
<1.試薬>
アルドステロンはエタノールで、スピロノラクトン及びエプレレノンはDMSOで融解し、それぞれ、1000倍希釈して(0.1% vol/vol)実験に用いた。
<1.試薬>
アルドステロンはエタノールで、スピロノラクトン及びエプレレノンはDMSOで融解し、それぞれ、1000倍希釈して(0.1% vol/vol)実験に用いた。
<2.細胞培養>
子宮筋腫モデル細胞株であるELT-3細胞を用いた。このELT-3細胞は、5%CO2、37℃下で培養された。細胞の維持継代は、10%ウシ胎児血清(FCS)を含んだDF8 mediumを用いて培養された。尚、アルドステロン、スピロノラクトン及びエプレレノンによる細胞刺激時には、FCSをふくまず、フェノールレッドをふくまず、1%のウシ血清アルブミンを含むDF8 basal medium下で培養した。
子宮筋腫モデル細胞株であるELT-3細胞を用いた。このELT-3細胞は、5%CO2、37℃下で培養された。細胞の維持継代は、10%ウシ胎児血清(FCS)を含んだDF8 mediumを用いて培養された。尚、アルドステロン、スピロノラクトン及びエプレレノンによる細胞刺激時には、FCSをふくまず、フェノールレッドをふくまず、1%のウシ血清アルブミンを含むDF8 basal medium下で培養した。
<3.細胞増殖評価>
維持継代しているELT-3細胞を24穴細胞培養用プレートに2500個/穴の割合で付着させ、10%FCS DF8 mediumで一晩培養した。次にDF8 basal medium下で24時間培養後に、薬物添加の後72時間培養した。薬物添加の条件は(1)アルドステロン刺激1nM、10nM、100 nM、1μMと同時にスピロノラクトン1μM添加、(2)アルドステロン刺激100nMと同時にエプレレノン1μM添加でおこなった。尚、コントロールの細胞はエタノール(0.1% vol/vol)・DMSO (0.1% vol/vol)を添加した。それぞれ細胞数の評価は付着した細胞をEDTA/トリプシンで浮遊させ、血球計算板を用いて光学顕微鏡下で細胞数を計算した。3穴を計算し平均値と標準偏差を算出した。スピロノラクトン添加の結果を図1に、エプレレノン添加の結果を図2に示す。
維持継代しているELT-3細胞を24穴細胞培養用プレートに2500個/穴の割合で付着させ、10%FCS DF8 mediumで一晩培養した。次にDF8 basal medium下で24時間培養後に、薬物添加の後72時間培養した。薬物添加の条件は(1)アルドステロン刺激1nM、10nM、100 nM、1μMと同時にスピロノラクトン1μM添加、(2)アルドステロン刺激100nMと同時にエプレレノン1μM添加でおこなった。尚、コントロールの細胞はエタノール(0.1% vol/vol)・DMSO (0.1% vol/vol)を添加した。それぞれ細胞数の評価は付着した細胞をEDTA/トリプシンで浮遊させ、血球計算板を用いて光学顕微鏡下で細胞数を計算した。3穴を計算し平均値と標準偏差を算出した。スピロノラクトン添加の結果を図1に、エプレレノン添加の結果を図2に示す。
試験例1で使用したELT-3細胞は、子宮筋腫モデルラットであるEker ratより樹立された細胞株である。このEker ratの筋腫は形態的、生化学的、遺伝的にヒトの筋腫と同様の性質を有する。さらに、この筋腫は、ER・PR(エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体)を発現しており、ホルモン感受性を示す。
前記ELT-3細胞を用いた試験例1により、アルドステロンが子宮筋腫細胞の増殖を促進すること、及びスピロノラクトンとエプレレノンが子宮筋腫細胞の増殖の促進を抑制することが確認された。
前記ELT-3細胞を用いた試験例1により、アルドステロンが子宮筋腫細胞の増殖を促進すること、及びスピロノラクトンとエプレレノンが子宮筋腫細胞の増殖の促進を抑制することが確認された。
(試験例2:スピロノラクトンの毒性試験)
<1.試薬>
スピロノラクトンはDMSOで融解し1000倍希釈して(0.1% vol/vol)実験に用いた。
<2.細胞培養>
スピロノラクトンの毒性試験のためには、卵巣癌細胞株であるCaov-3細胞を用いた。このCaov-3細胞は、5%CO2、37℃下で培養された。細胞の維持継代には10%FCSを含んだDMEM mediumを用いて培養した。細胞刺激時には、FCSをふくまず、フェノールレッドをふくまず、1%のウシ血清アルブミンを含むDMEM basal medium下で培養した。
<1.試薬>
スピロノラクトンはDMSOで融解し1000倍希釈して(0.1% vol/vol)実験に用いた。
<2.細胞培養>
スピロノラクトンの毒性試験のためには、卵巣癌細胞株であるCaov-3細胞を用いた。このCaov-3細胞は、5%CO2、37℃下で培養された。細胞の維持継代には10%FCSを含んだDMEM mediumを用いて培養した。細胞刺激時には、FCSをふくまず、フェノールレッドをふくまず、1%のウシ血清アルブミンを含むDMEM basal medium下で培養した。
<3.細胞増殖評価>
維持継代しているCaov-3細胞を24穴細胞培養用プレートに2500個/穴の割合で付着させ、10%FCS DMEM mediumで一晩培養した。次にDMEM basal medium下で24時間培養後に、スピロノラクトン10μM添加の後72時間培養した。尚、コントロールの細胞はエタノール(0.1% vol/vol)・DMSO (0.1% vol/vol)を添加した。それぞれ細胞数の評価は付着した細胞をEDTA/トリプシンで浮遊させ、血球計算板を用いて光学顕微鏡下で細胞数を計算した。3穴を計算し平均値と標準偏差を算出した。結果を図3に示す。
維持継代しているCaov-3細胞を24穴細胞培養用プレートに2500個/穴の割合で付着させ、10%FCS DMEM mediumで一晩培養した。次にDMEM basal medium下で24時間培養後に、スピロノラクトン10μM添加の後72時間培養した。尚、コントロールの細胞はエタノール(0.1% vol/vol)・DMSO (0.1% vol/vol)を添加した。それぞれ細胞数の評価は付着した細胞をEDTA/トリプシンで浮遊させ、血球計算板を用いて光学顕微鏡下で細胞数を計算した。3穴を計算し平均値と標準偏差を算出した。結果を図3に示す。
図3が示すように、スピロノラクトンは、Caov-3細胞に対して細胞毒性をもたず、スピロノラクトンの子宮筋腫細胞増殖促進抑制効果が非特異的細胞毒性によるものではない。
Claims (3)
- アルドステロン受容体阻害剤を有効成分として含有する子宮筋腫細胞増殖抑制剤。
- 前記アルドステロン受容体阻害剤が、スピロノラクトン及び/又はエプレレノンであることを特徴とする請求項1に記載の子宮筋腫細胞増殖抑制剤。
- 請求項1又は2に記載の子宮筋腫細胞増殖抑制剤を含有する子宮筋腫の予防又は治療薬。
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JP2007321299A JP2011037713A (ja) | 2007-12-12 | 2007-12-12 | 子宮筋腫細胞増殖抑制剤及びこれを含む子宮筋腫の予防又は治療薬 |
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