JP2013504323A - 改良された熱安定性を有する食品 - Google Patents
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Abstract
本発明は、乳タンパク質を含む食品の製造方法において、該乳タンパク質を酵素的脱アミド化工程に付すこと、該脱アミド化された乳タンパク質を液状食品に調合すること、続いて該食品の熱殺菌又は、該食品を濃縮及び噴霧乾燥して粉末にすることのいずれかを含む、前記方法に関する。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
本発明は、乳タンパク質を含む食品の製造方法に関する。特に、改良された熱安定性及び/又は増強された栄養価を有する食品に関する。
食品産業において、満足できる保存可能期間を有する安全な製品を得るために、熱殺菌が一般的に使用される。しかし、製品はそのような強い熱処理に常に耐えるわけではない。それらは加熱すると例えば集合したり凝固したりして、該製品の所望されない堅さ又は外観をもたらし得る。熱処理に対する耐性は、しばしば該製品の熱安定性と呼ばれる。
例えば乳化及び/又は濃縮された食品であり得る、乳タンパク質を含む液状食品、例えば幼児用食品、蒸発された乳、医療用栄養調合物、及びクリーマーは、不十分な熱安定性に悩まされている。満足できる堅さ又は外観を有する保存可能な安定な製品を製造することができるために、所望されない熱安定化剤、例えばリン酸塩、の該製品への取り込みを含み得る。不十分な熱安定性は、タンパク質及び/又はミネラルの含有量の点に関して、食品の調合物が適合されることができる範囲を制限し得る。一般的に、複雑な系の因子が乳タンパク質を含む製品が熱殺菌に耐えるかどうか決定する。単独の因子、例えば製品のpHと熱安定性との関係さえすでに非常に気まぐれである。乳タンパク質を含む熱で殺菌された液体食品を製造することができるためには、適切な製造条件及び製造組成を評価するのに、過剰な研究努力がしばしば要求される。
幼児用食品は、しばしば主に乳製品の成分、例えばスキムミルク、ホエイタンパク質、ラクトース、及び/又はカゼイネートからなる乳化された食品であることができる。幼児用食品を大人により適切にするために非乳製品の源からの成分が添加され得る。これは成分、例えば炭水化物、ミネラル、ビタミン、及び脂肪の添加を包含する。熱安定性は幼児用食品の製造における主要な問題であり、製品の組成物が嬰児及び幼い子供たちの栄養上の要求をよりよく満足するように適合され得る範囲を制限する。例えば幼児用食品における乳の希釈又は幼児用食品へのホエイタンパク質又はミネラルの添加は熱安定性の問題を生じ得る(McSweeney、食品ハイドロコロイド、第18巻(2004年)、第109〜125頁)。
医療用の栄養調合物は、病気の人々、貧しい身体的状態又は通常の食事を摂ることを制限する障害又は通常の食事を不可能にする他の障害を有する人々のための物である。医療用の栄養調合物は、経口、腸(enteral)の及び非経口的な栄養摂取を包含する。腸の栄養摂取は胃腸管においてしばしば管供給の形で供給される栄養摂取であるが、非経口的栄養摂取は、ヒトの静脈において供給される。経口及び腸の栄養分は通常、タンパク質を10%まで含む乳化された製品である。これらのタンパク質は乳のタンパク質、例えばカゼイン、カゼイネート、乳タンパク質濃縮物、ホエイ及び/又は乳清タンパク質であることができる。製品はしばしば激しい熱殺菌、例えば20分間120℃における加熱、を受けて、それらを安全にする。熱安定性はホエイ及び/又は乳清タンパク質が製品中に存在するときは、特に主要な問題である。
製品の不十分な熱安定性は熱殺菌工程自身の点についてもまた非常に不利であり得る。結果として起きる凝固及び/又は凝集及び/又は製品の熱に誘発される他の挙動は、装置の汚れ及び/又はつまり(clogging)を容易にもたらし得、そのことは、高い清掃費用及び長い不稼働期間をもたらす。後者の問題は、乳タンパク質を含む、乾燥された製品、例えば粉末幼児用又は医療用調合物、の製造においてもまた遭遇される。
栄養摂取製品へ乳タンパク質を調合するための方法において上記の問題が少なくとも部分的に回避されている方法を提供することが本発明の目的である。特に本発明者らは、改良された熱安定性を有する液状食品を提供することを目的とする。より所望される組成、栄養価、粘度及び/又は外観を有する(液状)食品を提供することが、本発明のさらなる目的である。本発明のさらなる目的は、減少された量の熱安定化剤を含む液状食品及び/又は改良されたミネラル及び/又はタンパク質組成を有する幼児用食品及び/又は改良されたミネラル及びタンパク質組成を有する医療用調合物を提供することである。例えば熱殺菌、濃縮及び/又は噴霧乾燥を包含する、液状食品のための加熱方法において、製品の、より少ない凝固及び/又は凝集及び/又は熱に誘発される他の挙動が起きて、装置の、より少ない汚れ及び/又はつまりをもたらす方法を提供することもまた本発明のさらなる目的である。
驚いたことに、本発明の目的は、加熱の前に乳タンパク質を酵素的に脱アミド化することにより達成され得ることが見出された。
即ち、本発明は、乳タンパク質を含む食品の製造方法において、該乳タンパク質を酵素的脱アミド化工程に付すこと、該脱アミド化された乳タンパク質を液状食品に調合すること、続いて該食品を熱殺菌すること又は、該食品を濃縮及び噴霧乾燥して粉末にすることのいずれかを行うことを含む方法を提供する。一つの実施態様において、本発明は、乳タンパク質を含む、熱殺菌された液状食品を製造する方法において、該乳タンパク質を酵素的脱アミド化工程に付すこと、該脱アミド化された乳タンパク質を液状食品に調合し、続いて該食品の熱殺菌に付すことを含む方法を提供する。別の実施態様では、本発明は乾燥又は粉末化された、乳タンパク質を含む食品を製造する方法において、該乳タンパク質を酵素的脱アミド工程に付すこと、該脱アミド化された乳タンパク質を液状食品に配合すること、続いて該食品の乾燥及び噴霧乾燥を含む該方法を提供する。理解されるように、また、該粉末製品は、適切な液状媒体、例えば水、で元に戻した後に液状食品として消費される。先行技術において公知である粉末製品を製造する方法は、例えばWalstra,J.T.M.Wouters及びT.J.及びGeurts、「乳製品の科学と技術」(第20章,特に図20.1)を参照されたい。
本発明における使用のためのタンパク質脱アミド化酵素は、タンパク質のアミド基に直接作用して、ペプチド結合の切断もタンパク質の架橋も伴わずに脱アミド化することができる。乳タンパク質の酵素的脱アミド化は、例えばクリセオバクテリウム プロテオリチカム6790株(Chryseobacterium proteolyticum sp No.6790)から単離された、タンパク質グルタミナーゼで達成されることができる。この酵素は、グルタミンのアミド側鎖部分をカルボキシル基に転化することができる。一般的に、該酵素はペプチド結合を切断したりタンパク質を架橋したりせず、処理されていないタンパク質の分子量とほとんど似た分子量を有する脱アミド化されたタンパク質をもたらす。反応は図1に説明されている。乳タンパク質の酵素的脱アミド化は、アスパラギンのアミド側鎖部分をカルボキシル基に転化できるタンパク質アスパラギナーゼでもまた達成されることができる。酵素の作用の結果として、タンパク質の等電点が低下することができる。本発明において、液状食品は、非固体及び/又は非粉末の形の食品を意味する。好ましい実施態様において、液状食品の粘度は100秒−1の剪断速度において1〜1000mPa.s、より好ましくは5〜100mPa.sの範囲である。
液状食品の熱処理は、熱殺菌を包含し得る。あるいは、該熱処理は、もし粉末食品が所望されるならば濃縮及び噴霧乾燥を包含していてもよい。熱殺菌は、環境温度において少なくとも1月の保存可能期間を有する製品を得るのに十分な熱処理を包含する。これは、約4〜7℃の冷却温度においてのみ保存可能である製品を通常はもたらす、低温殺菌とは対照的である。熱殺菌の間に、製品中の実質的にすべての微生物は不活性化される。より中性のpHを有する食品の場合、これは例えば120℃において約10〜20分間包装容器中で製品を加熱すること又は流動条件において140℃における約4秒間の超高温(UHT)処理により達成されることができる。また、他の時間−温度の組み合わせが殺菌処理として可能であり、これらは容易に当業者により決定されることができる。
欧州特許第1371734号は、タンパク質を変性させる手段として、乳タンパク質の脱アミド化を開示している。欧州特許第1371734号に従うと、これは食品におけるタンパク質の機能、例えば溶解度、分散性、発泡性能、泡安定性、乳化性、及びエマルジョン安定性、の改良をもたらすことができる。欧州特許第1371734号は、食品の熱殺菌を開示していない。また、開示された、乳タンパク質を含む液状食品は、通常、熱殺菌されず、通常は熱不安定性を示さない。
特開2003−250460号もまた、優れた物理化学的性質、例えば溶解度、粘度、ゲル化性、乳化性、又は発泡性、官能性例えば味、風味(palatability)及び香味(flavor)又は低アレルギー性、を有する乳タンパク質を提供するために、乳タンパク質の脱アミノ化を開示している。欧州特許第1371734号と同様に、熱殺菌への言及はされていない。特開2003−250460号に開示されているように、タンパク質の機能性と乳タンパク質を含む食品の熱安定性との間に直接的な関係は知られていない。さらに、挙げられた食品は、通常熱殺菌されておらず、通常、熱不安定性を示さない。
欧州特許第1839491号は、抑えられた酸味及び苦味を有する、滑らかな口腔感覚を有する酪農製品を製造するために、生乳にタンパク質脱アミド化酵素が添加される方法に関する。特に、チーズ及びヨーグルトが挙げられている。熱殺菌への言及はされていない。チーズ及びヨーグルトは通常熱殺菌されず、これらの製品を熱殺菌することは実質的に不可能でさえあることが一般的に公知である。その上、酸味及び苦味関する問題は、熱殺菌された食品では一般的に起きない。
国際公開第28138900号パンフレットは、乳タンパク質の酵素的脱アミド化を含む、酸性化された乳飲料の製造方法を開示する。これは、貯蔵したとき、カードとホエイとに分離する傾向のより少ない酸性化された乳飲料をもたらすことができる。熱殺菌、濃縮及び/又は噴霧乾燥への言及はされていない。むしろ、国際公開第28138900号パンフレットにおいて述べられているように、酸性化された乳飲料は、保存安定性を与えるために、通常、95℃までの温度において熱低温殺菌される。通常、熱不安定性は、このタイプの方法においては起きない。
本発明に従う方法において、酵素的脱アミド化は好ましくは酵素としてタンパク質グルタミナーゼで実行される。この酵素は、好ましくはクリセオバクテリウム プロテオリチカム6790株から得られる。
脱アミド化酵素の作用は、通常は、ペプチド結合の開列もタンパク質の架橋ももたらさない。さらにより好ましくは、乳タンパク質の酵素的脱アミド化はタンパク質の平均分子量の10%未満の変化をもたらす。例えばβ―ラクトグロブリンのモノマー分子量は18kDaであり、α−ラクトアルブミンモノマーでは14kDaであり、β―カゼインでは24kDaである。
脱アミド化酵素の作用は、通常は、ペプチド結合の開列もタンパク質の架橋ももたらさない。さらにより好ましくは、乳タンパク質の酵素的脱アミド化はタンパク質の平均分子量の10%未満の変化をもたらす。例えばβ―ラクトグロブリンのモノマー分子量は18kDaであり、α−ラクトアルブミンモノマーでは14kDaであり、β―カゼインでは24kDaである。
多くの食品の場合、チーズホエイ、酸ホエイ又は乳清からのタンパク質は、重要な成分である。チーズホエイはチーズ製造工程の副産物であり、チーズカードが乳から分離されるとき残る。酸ホエイは例えばカゼイネート製品又はカッテージチーズ製造の副産物である。乳清は典型的にはコロイド状粒子、例えば脂肪球及びカゼインミセルの乳からの除去により得られる。これは例えば乳のマイクロろ過又は超遠心分離法によりされることができる。これらのホエイタンパク質又は乳清タンパク質は、それらの特定の栄養的及び/又は組織化する性質故に、例えば添加されることができる。ホエイ及び/又は乳清タンパク質は、例えば幼児用食品、医療用栄養調合物又は甘くされた濃縮乳に添加されることができる。ホエイ及び/又は乳清タンパク質は、幼児用食品のために特に重要な成分である。なぜならヒトの乳は牛の乳(そして全ての他の酪農乳)より高いホエイタンパク質/カゼイン比を有しており、その結果、幼児用食品へのホエイ及び/又は乳清タンパク質の添加は、ヒトの乳に近い組成物をもたらすことができるからである。また、医療用栄養調合物の場合、ホエイ及び/又は乳清タンパク質はしばしば所望される成分であると考えられる。なぜならそれらの特定のアミノ酸組成が良好な栄養性を与えることができるからである。ホエイタンパク質又は乳清タンパク質は、しばしば食品における総タンパク質量の小部分のみを構成するが、ホエイタンパク質又は乳清タンパク質に酵素的脱アミド化を実行するのには十分であり、例えば熱安定性液状食品が得られることが驚いたことに見出された。
従って、一つの実施態様において、本発明は、チーズホエイ、酸ホエイ及び/又は乳清からのタンパク質を含む熱殺菌された液状食品の製造方法において、チーズホエイ、酸ホエイ及び/又は乳清からの該タンパク質の酵素的脱アミド化、それを食品に調合すること、及び該食品の熱殺菌を含む、該方法を提供する。
酵素的脱アミド化は、該酵素と一緒に、水中でタンパク質懸濁物をインキュベーションすることにより実行されることができる。タンパク質懸濁物のpHは、好ましくは5〜8、より好ましくは5.5〜7.5である。温度は、好ましくは20〜60℃、より好ましくは30〜50℃である。酵素/基質比(E:S)は、1:100又は1:1000さえの低さであってもよい。反応は、タンパク質懸濁物を10℃未満の温度まで冷却すること又は酵素を不活性化するために加熱すること(例えば80℃において30分間)により停止されることができる。
本発明に従う方法から得られる物は、好ましくは乳化された及び/又は濃縮された物に関する。本発明に従う乳化された食品は、水中の油又は脂肪の分散物の形の物である。油又は脂肪は、乳脂肪又は乳以外の他の源例えばアブラナ、ココナツ、又はヤシからの脂肪であってもよい。乳化された食品の例は、幼児用食品、医療用栄養調合物のための製品、スープ、コーヒー及び他の用途のためのクリーマーである。本発明に従う濃縮された食品は、例えば蒸発又は膜ろ過により濃縮された。酪農製品の場合、これは乳より高い、無脂肪の乾燥物質含有量をもたらすことができる。濃縮された酪農製品の例は、蒸発された乳及び甘くされた濃縮乳である。本発明に従う方法は、好ましくは食品の調合段階として、エマルジョンの製造及び/又は蒸発及び/又は膜ろ過を含む。本発明は、液状食品の製造方法において、殺菌の間の温度が少なくとも110℃、好ましくは少なくとも115℃である、該方法を提供する。本発明は、本発明に従う方法により得られ得る熱殺菌された液状食品をもまた提供する。
タンパク質の酵素的脱アミド化は、グルタミン又はアスパラギンのアミド側鎖部分のカルボキシル基への転化をもたらすことができ、それぞれグルタメート又はアスパルテートの形成をもたらす。本発明の食品は好ましくはグルタメート及び/又はアスパルテート残基を有する乳タンパク質を含む。熱殺菌された液状食品は、例えば幼児用食品、医療用栄養調合物、クリーマー、蒸発された乳又は甘くされた濃縮された乳である。乾燥された食品は、例えば粉末幼児用調合物又は粉末医療用調合物であり、それは使用前に再構成される。好ましくは、本発明は、水性溶媒に10%(重量/体積)において溶解されたとき、6.8まで、好ましくは6.6までのpHを有する粉末食品を提供する。望まれないメイラード反応は高pHにより好まれるので、本発明の製品は、慣用の製品と比較してより少ないリシンのブロック化及び増加された栄養価を有する。
幼児用食品の場合、一方では乳清及び/又はホエイタンパク質:他方ではカゼインの比は製品の栄養価のための重要な因子であると一般的に考えられている。乳清及び/又はホエイタンパク質の高い相対量は、しばしば重要な目標である母乳の組成によりよく近づくために所望されることができる。最近の数十年間、一般的に使用されるカゼイン:ホエイタンパク質の比は50:50又は40:60である。幼児用粉ミルクを母乳により近付けるために、幼児用粉ミルクにおけるより低いタンパク質含有量が所望され得る。この低いタンパク質含有量においてアミノ酸の要求を満たすために、乳清及び/又はホエイタンパク質:カゼインのより高い比が所望される。これらの高い相対量は製品の熱安定性に関する問題故にしばしば使用されることができない。酵素的に脱アミド化された乳タンパク質の使用は、乳清及び/又はホエイタンパク質:カゼインのより高い比、例えば0.50/0.50より高い比、又は0.60/0.40又は0.70/0.30さえより高い比、を有する幼児用食品の製造を可能にする。
医療用栄養調合物の場合、乳清及び/又はホエイタンパク質の画分もまた一般的に製品の栄養価にとって重要な因子であると考えられる、なぜなら乳清のタンパク質の使用は、製品のアミノ酸組成の最適化を許すからである。しかし、熱安定性の問題の故に、乳清タンパク質は一部の医療用調合物を除けば、使用されない。酵素的に脱アミド化された乳タンパク質の使用は最小の0.8/0.2、又は0.7/0.3又は0.5/0.5さえのカゼイン/ホエイタンパク質比を有する医療用栄養調合物の製造を可能にすることができる。
幼児用調合物、及びいくつかの医療用調合物は、粉末としてもまた入手可能である。粉末の製造の間、装置の汚れは最小であるべきである。また、リシンのブロック化、即ち栄養価の損失をもたらすメイラード反応も最小であるべきである。両方の問題を同時に解決することは通常困難である:汚れを低下させる通常の手段はpHを上げることであるが、pHを上げることはメイラード化を促進する。酵素的に脱アミド化された乳タンパク質の使用は、タンパク質の安定性を向上させ、特に6.8未満のpHにおいて汚れを低下させ、即ちより低位にブロック化されたリシンを有する製品の製造を許す。
クリーマー、蒸発された乳又は甘くされた濃縮乳の場合、乳清及び/又はホエイタンパク質:カゼインの高い比を有することが有利であることができる、なぜなら例えばこれは製品の、ある機能性又はより低い費用価格を与えることができるからである。乳清及び/又はホエイタンパク質:カゼインのそのような高い比を使用することは、熱安定性に関する問題を容易にもたらすことができる。酵素的に脱アミド化された乳タンパク質を使用することは、乳清及び/又はホエイタンパク質:カゼインの高い比、例えば0.25/0.75、又は0.30/0.70さえ、又は0.40/0.60又は0.50/0.50より高い比を有するクリーマー、蒸発された乳又は甘くされた濃縮乳の製造を可能にすることができる。
本発明に従う食品は、乳タンパク質を含む種々の成分を含むことができる。そのような成分は、例えばスキムミルク粉末、カゼイン酸ナトリウム、カゼイン酸カリウム、カゼイン酸マグネシウム、カゼイン酸、乳タンパク質濃縮物、乳清、乳清タンパク質濃縮物、ホエイ、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質単離物、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリンであり得る。これらの成分のうちの少なくとも1におけるタンパク質は、グルタミン及び/又はアスパラギン基の少なくとも一部をグルタメート及び/又はアスパルテートに転化するために、酵素的に脱アミド化されている。即ち、本発明は、熱殺菌された液体又は噴霧乾燥された食品において、酵素的に脱アミド化された乳タンパク質を使用する方法を提供する。脱アミド化された乳タンパク質は、平均で例えばタンパク質のモノマー当たり少なくとも0.1のグルタメート及び/又はアスパルテート基、又はモノマー当たり少なくとも0.5又は1.0のグルタメート及び/又はアスパルテート基を含むことができる。好ましくは、該乳タンパク質は、チーズホエイ及び/又は酸ホエイ及び/又は乳清からのタンパク質を含む。
本発明は、タンパク質、好ましくは乳タンパク質、のアミド基に脱アミド効果を発揮できる酵素を使用して、該タンパク質の熱安定性を高める方法をもまた提供する。さらに、本発明は、そのような酵素を使用して、乳タンパク質を含む粉末食品、例えば噴霧乾燥された粉末幼児用調合物の栄養価を高める方法を提供する。
以下の非制限的な実施例は、本発明を説明するが、如何なる方法においてもその範囲を制限しない。
実施例1
ホエイタンパク質濃縮物Hiprotal 80BL、即ちチーズホエイから誘導された、乾燥物質に基づいて約80%のホエイタンパク質を有する製品、はFriesland Foods Domo(ベイレン)から得られた。ホエイタンパク質濃縮物は、非緩衝溶液において2%(重量/体積)のタンパク質含有量まで脱ミネラル水に溶解されて、該溶液のpHはHClでpH6.5に調節された。溶液は、天野エンザイム(日本)製のタンパク質グルタミナーゼ「アマノ」500で、0時間、0.5時間、又は4時間40℃においてインキュベーションされた。酵素/基質比E:Sは1:100に等しかった。反応は、すぐ及び速く氷水上で4〜5℃まで冷却することにより停止又は遅くされた。試料は、試料の性質の評価のための使用まで4℃において保存された。タンパク質溶液は、アンモニアの放出(下記の表1を参照のこと)及びIEF(図2)により脱アミド化の程度について同定された。
ホエイタンパク質濃縮物Hiprotal 80BL、即ちチーズホエイから誘導された、乾燥物質に基づいて約80%のホエイタンパク質を有する製品、はFriesland Foods Domo(ベイレン)から得られた。ホエイタンパク質濃縮物は、非緩衝溶液において2%(重量/体積)のタンパク質含有量まで脱ミネラル水に溶解されて、該溶液のpHはHClでpH6.5に調節された。溶液は、天野エンザイム(日本)製のタンパク質グルタミナーゼ「アマノ」500で、0時間、0.5時間、又は4時間40℃においてインキュベーションされた。酵素/基質比E:Sは1:100に等しかった。反応は、すぐ及び速く氷水上で4〜5℃まで冷却することにより停止又は遅くされた。試料は、試料の性質の評価のための使用まで4℃において保存された。タンパク質溶液は、アンモニアの放出(下記の表1を参照のこと)及びIEF(図2)により脱アミド化の程度について同定された。
次に、ホエイタンパク質溶液が28mMのイオン強度(I)及び0.45のCa活性に調節された。熱安定性試験は、6.5〜7.1の範囲の溶液pH(0.1pH増加(increment))で20分の最大滞留時間の間、120℃において実行された(主にDavies及びWhite,1966,J.Dairy Res.第33巻(1966年)第67〜81頁に従う個人的な方法(subjective method))。pHは、熱安定性に重要な因子であることが公知であるのでpHは変化された。乳タンパク質を含む食品においてpHはしばしば6.5〜7.1の範囲である。
熱安定性は、目で評価された。最初の濁り(溶液の白化に続く)即ちタンパク質の塊又は最初の凝集が観察されたときはいつでも時間(t)が注目される。図3に示された結果は、酵素的に脱アミド化されたHiprotal 80 BLは、天然型のHiprotal 80 BLに対して改良された熱安定性を与えることを示す。
実施例2
幼児用調合物が、実施例1からの酵素的に処理されたホエイタンパク質溶液をスキムミルク粉末(SMP)Nilacと混合することにより製造され、スキムミルク及びホエイタンパク質それぞれからの約0.8及び0.5%(重量/重量)のタンパク質で、溶液中において約1.3%(重量/重量)の総タンパク質の濃度を得た。該溶液は23mMに等しいIのイオン強度及び1.7のCa2+活性に標準化された。熱安定性試験は、6.5〜7.1の範囲の溶液−pHの範囲(0.1pH増加)で20分間の最大滞留時間の間、120℃において行われた。
幼児用調合物が、実施例1からの酵素的に処理されたホエイタンパク質溶液をスキムミルク粉末(SMP)Nilacと混合することにより製造され、スキムミルク及びホエイタンパク質それぞれからの約0.8及び0.5%(重量/重量)のタンパク質で、溶液中において約1.3%(重量/重量)の総タンパク質の濃度を得た。該溶液は23mMに等しいIのイオン強度及び1.7のCa2+活性に標準化された。熱安定性試験は、6.5〜7.1の範囲の溶液−pHの範囲(0.1pH増加)で20分間の最大滞留時間の間、120℃において行われた。
酵素的に処理されたホエイタンパク質を有する幼児用調合物は全体的に、よりよい熱安定性性能を示す(図4)。
実施例3
ホエイタンパク質濃縮物Hiprotal 80BL、即ちチーズホエイから誘導された、乾燥物質に基づいて約80%のホエイタンパク質を有する製品は、Friesland Foods Domo(ベイリン)から得られた。β―ラクトグロブリンAはシグマアルドリッチ製であった。タンパク質グルタミナーゼ「アマノ」500は、天野エンザイム(日本)製であった。Hiprotal 80 BLは、2%(重量/体積)のタンパク質含有量まで脱ミネラル水に溶解され、該溶液のpHはHClでpH6.5に調節された。該溶液は1:10に等しい酵素/基質比E:Sで、40℃において1.0時間の間、インキュベーションされその後氷水上で4〜5℃に冷却された。2つの試料は酵素インキュベーションの前に加熱され(85℃において1分又は10分)、酵素反応への熱変性の効果を調べた。
ホエイタンパク質濃縮物Hiprotal 80BL、即ちチーズホエイから誘導された、乾燥物質に基づいて約80%のホエイタンパク質を有する製品は、Friesland Foods Domo(ベイリン)から得られた。β―ラクトグロブリンAはシグマアルドリッチ製であった。タンパク質グルタミナーゼ「アマノ」500は、天野エンザイム(日本)製であった。Hiprotal 80 BLは、2%(重量/体積)のタンパク質含有量まで脱ミネラル水に溶解され、該溶液のpHはHClでpH6.5に調節された。該溶液は1:10に等しい酵素/基質比E:Sで、40℃において1.0時間の間、インキュベーションされその後氷水上で4〜5℃に冷却された。2つの試料は酵素インキュベーションの前に加熱され(85℃において1分又は10分)、酵素反応への熱変性の効果を調べた。
タンパク質の溶液は脱アミド化の程度についてIEFにより同定された(図5)。熱変性の効果は、ほんの少しであり、非加熱及び加熱のホエイタンパク質の両方が酵素のための良好な基質である。
実施例4
カゼイン酸ナトリウムがシグマアルドリッチ(C−8654)又はバレンツ イングルーディエンツ(Barentz Ingredients)から得られた(市販のカゼイン酸ナトリウム)。タンパク質グルタミナーゼ「アマノ」500は天野エンザイム(日本)製であった。カゼイン酸ナトリウムが1%(重量/体積)のタンパク質含有量まで脱ミネラル水に溶解され、溶液のpHはHClでpH6.5に調節された。該溶液は1:200に等しい酵素/基質比E:Sで、0.5時間及び4時間の間、40℃においてインキュベーションされその後氷水上で4〜5℃に冷却された。該タンパク質溶液は、アンモニアの放出(ミリモル/リットル)により脱アミド化の程度について同定された(下記の表2を参照のこと)。結果は、カゼイネートは容易に脱アミド化されることを示す。
カゼイン酸ナトリウムがシグマアルドリッチ(C−8654)又はバレンツ イングルーディエンツ(Barentz Ingredients)から得られた(市販のカゼイン酸ナトリウム)。タンパク質グルタミナーゼ「アマノ」500は天野エンザイム(日本)製であった。カゼイン酸ナトリウムが1%(重量/体積)のタンパク質含有量まで脱ミネラル水に溶解され、溶液のpHはHClでpH6.5に調節された。該溶液は1:200に等しい酵素/基質比E:Sで、0.5時間及び4時間の間、40℃においてインキュベーションされその後氷水上で4〜5℃に冷却された。該タンパク質溶液は、アンモニアの放出(ミリモル/リットル)により脱アミド化の程度について同定された(下記の表2を参照のこと)。結果は、カゼイネートは容易に脱アミド化されることを示す。
即ち、本発明は、乳タンパク質を含む食品の製造方法において、該乳タンパク質を酵素的脱アミド化工程に付すこと、該脱アミド化された乳タンパク質を液状食品に調合することを含み、続いて該食品の熱殺菌をすること、ただし、該熱殺菌の間の温度は少なくとも110℃である、又は該食品を濃縮及び噴霧乾燥して粉末にすることのいずれかを行うことを含む方法を提供する。一つの実施態様において、本発明は、乳タンパク質を含む、熱殺菌された液状食品を製造する方法において、該乳タンパク質を酵素的脱アミド化工程に付すこと、該脱アミド化された乳タンパク質を液状食品に調合し、続いて該食品を熱殺菌に付すこと、ただし、該熱殺菌の間の温度は少なくとも110℃である、を含む方法を提供する。別の実施態様では、本発明は乾燥又は粉末化された、乳タンパク質を含む食品を製造する方法において、該乳タンパク質を酵素的脱アミド工程に付すこと、該脱アミド化された乳タンパク質を液状食品に配合すること、続いて該食品の乾燥及び噴霧乾燥を含む該方法を提供する。理解されるように、また、該粉末製品は、適切な液状媒体、例えば水、で元に戻した後に液状食品として消費される。先行技術において公知である粉末製品を製造する方法は、例えばWalstra,J.T.M.Wouters及びT.J.及びGeurts、「乳製品の科学と技術」(第20章,特に図20.1)を参照されたい。
Claims (17)
- 乳タンパク質を含む食品の製造方法において、該乳タンパク質を酵素的脱アミド化工程に付すこと、該脱アミド化された乳タンパク質を液状食品に調合すること、続いて該食品の熱殺菌又は、該食品を濃縮及び噴霧乾燥して粉末にすることのいずれかを含む、前記方法。
- 乳タンパク質の該酵素的脱アミド化が、タンパク質グルタミナーゼを用いて行われる、請求項1に記載の方法。
- 該タンパク質グルタミナーゼがクリセオバクテリウムプロテオリチカム6790株から得られたものである、請求項2に記載の方法。
- 該乳タンパク質の平均分子量が、酵素的脱アミド化の間に10%未満変化する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 酵素的脱アミド化に付される乳タンパク質が、チーズホエイ及び/又は酸ホエイ及び/又は乳清からのタンパク質である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 液状食品を調合することが、エマルジョンの製造及び/又は蒸発及び/又は膜ろ過を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 該熱殺菌の間の温度が少なくとも110℃、好ましくは少なくとも115℃である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法により得られ得る食品。
- グルタメート及び/又はアスパルテート残基の含有量が天然のタンパク質におけるより高い該乳タンパク質を含む、請求項8に記載の食品。
- 熱殺菌された液状食品である、請求項8又は9に記載の食品。
- 幼児用食品、医療用栄養調合物、クリーマー、蒸発された乳又は甘くされた濃縮乳である、請求項10に記載の熱殺菌された液状食品。
- 液状食品が、6.8まで、より好ましくは6.6まで、のpHを有する、請求項10又は11に記載の熱殺菌された液状食品。
- 粉末食品、好ましくは粉末幼児用調合物、又は粉末医療用調合物である、請求項8又は9のいずれか1項に記載の食品。
- 水溶性溶媒中に10%(重量/体積)において溶解された上記食品のpHが6.8を超えない、好ましくは6.6を超えない、請求項13に記載の食品。
- 熱殺菌された液状食品において、酵素的に脱アミド化された乳タンパク質を使用する方法。
- 粉末食品において、酵素的に脱アミド化された乳タンパク質を使用する方法。
- タンパク質、好ましくは乳タンパク質、のアミド基に脱アミド化効果を発揮することのできる酵素を使用して、該タンパク質の熱安定性を高める方法。
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