JP2013504300A - 電池に接続された独立型システムの使用方法 - Google Patents
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Abstract
電池(1)に接続されたアクチュエータ(2)が設けられた独立型システムの使用方法は、電池(1)の所定の電流での放電期間において、電池の温度である温度(Tb)を測定し、その測定温度(Tb)に基づいて第1のしきい値電圧(V1)を決定する。次に、電池の端子における電圧(Vb)を測定する。通常モードと劣化時モードとのうちから少なくとも選択される動作モードを以下のように決定する。すなわち、測定電圧(Vb)が第1のしきい値電圧(V1)よりも高い場合には、この独立型システムは通常動作モード(Mn)となり、測定電圧(Vb)が第1のしきい値電圧(V1)よりも低い場合には、独立型システムは劣化時動作モード(Md)となり、通常モード(Mn)から劣化時モード(Md)へと移行する際には、動作している間電池(1)により供給される電流を減らす。
Description
本発明は、電池に接続されたアクチュエータ(actuator)を備える独立型システム(stand-alone system)の使用方法に関する。
エネルギーの節約や再生可能エネルギーへの移行の傾向は、特に、充電及び放電プロセスにおけるものといった、電池の新しい使用方法における進歩を含むものである。これまでの充電及び放電プロセスのための電流制御システムは、再生可能エネルギーからの制約に適したものではない。
現存する独立型システムの主なものは、電池の放電プロセスをレギュレータにより制御している。このレギュレータの目的は、電池の不可逆な物理的劣化を引き起こすことがある電池の過放電(deeply discharged)を防ぐことにある。
米国特許4,952,862には、電池を用いることができる実際の残り時間を予測する方法が記載されている。この方法は、電池が停止するまでの残り時間を決定するために、一定間隔で、電圧と電池を流れる電流の強度とを測定するものである。この方法は、ユーザーの電池の使用の仕方に従って、独立性を有する残りの時間(remaining time autonomy)についてユーザーに伝えることができる。この方法は、電池の動作時間を最適化することはできない。
仏国特許文献2714772には、装置のための電源電池(supply battery)が記載されている。電池は、正極端子と負極端子と共通(universal)端子とを備える。共通端子は、装置が、電池を制御することを可能にする。
本発明の目的は、システムそれ自体から独立した独立型システムの電池の使用を最適化することであり、同時に、独立性(autonomy)が低下した際にユーザーに伝えることである。
この目的は、添付のクレームにより達成することができ、詳細には、以下のことから達成することができる、すなわち、電池の放電期間には、システムのための1つの通常動作モード(normal operating mode)と1つの劣化時動作モード(deteriorate operating mode)とを少なくとも備え、方法は、以下のステップである、
− 電池の温度である温度を測定するステップと、
− 測定温度に基づいて第1のしきい値電圧(voltage threshold)を決定するステップと、
− 電池の端子の電圧を測定するステップと、
− 以下のように動作モードを決定するステップであって、測定電圧が第1のしきい値電圧よりも高い場合には、この独立型システムは通常動作モードとなり、測定電圧が第1のしきい値電圧よりも低い場合には、独立型システムは劣化時動作モードとなるように決定され、通常モードから劣化時モードへと移行する際には、動作している間電池により供給される電流を減らすようにするステップと、を備える。
− 電池の温度である温度を測定するステップと、
− 測定温度に基づいて第1のしきい値電圧(voltage threshold)を決定するステップと、
− 電池の端子の電圧を測定するステップと、
− 以下のように動作モードを決定するステップであって、測定電圧が第1のしきい値電圧よりも高い場合には、この独立型システムは通常動作モードとなり、測定電圧が第1のしきい値電圧よりも低い場合には、独立型システムは劣化時動作モードとなるように決定され、通常モードから劣化時モードへと移行する際には、動作している間電池により供給される電流を減らすようにするステップと、を備える。
この発明によれば、電池の端子における電圧の測定は、アクチュエータが動作していない際に行われる。この改良によれば、方法は、温度に依存し、第1のしきい値電圧よりも低い第2のしきい値電圧と関連する臨界動作モード(critical operating mode)を備え、測定電圧が第1のしきい値電圧と第2のしきい値電圧との間にある場合には、独立型システムは劣化時動作モードとなり、測定電圧が第2のしきい値電圧よりも低い場合には、独立型システムは臨界モードとなり、劣化時モードから臨界モードへと移行する際には、電池から供給される電流を減らす。
他の利点及び特徴は、本発明の特有の実施形態についての下記の説明により、さらに明らかにされる。本発明の特有の実施形態は、単なる例示であって、本発明を限定するものではない。本発明の特有の実施形態は、添付の図面により示される。
独立型システムは、それ自体を独立したやり方で制御するシステムとして説明する。図1に示される特有な実施形態によれば、独立型システムは、供給のための電池1と接続されているエンジンといったアクチュエータ2を備えることができる。電池1は、再充電するために、再生可能なエネルギー源3と接続されることができる。
電池1が放電期間にある間、独立型システムは、少なくとも1つの通常動作モードMnと、1つの劣化時動作モードMdとを備える。好ましくは、電流はシステムにより与えられる。通常モードMnにある電池によりアクチュエータに供給された電流は、電池の通常電流と対応する。劣化時モードMdは、システムのパフォーマンスを犠牲にして、独立型システムの良好な独立性を維持することを可能にし、電池1により出力される電流の強度を劣化時モードMdよりも通常モードMnの方が高くなるようにする。
方法は以下のようなステップである、
− 電池1の温度である温度Tbを測定するステップと、
− 測定温度Tbに基づいて第1のしきい値電圧V1を決定するステップと、
− 電池の端子の電圧Vbを測定するステップであって、電圧Vbを安定させるために、アクチュエータ2が動作していない際に行われることが好ましいステップと、
− 以下のように動作モードを決定するステップであって、測定電圧Vbが第1のしきい値電圧V1よりも高い場合には、この独立型システムは通常動作モードMnとなり、測定電圧Vbが第1のしきい値電圧V1よりも低い場合には、独立型システムは劣化時動作モードMdとなるように決定され、通常モードMnから劣化時動作モードMdへと移行する際には、動作している間電池1により供給される電流を減らすようにするステップと、
を備える。
− 電池1の温度である温度Tbを測定するステップと、
− 測定温度Tbに基づいて第1のしきい値電圧V1を決定するステップと、
− 電池の端子の電圧Vbを測定するステップであって、電圧Vbを安定させるために、アクチュエータ2が動作していない際に行われることが好ましいステップと、
− 以下のように動作モードを決定するステップであって、測定電圧Vbが第1のしきい値電圧V1よりも高い場合には、この独立型システムは通常動作モードMnとなり、測定電圧Vbが第1のしきい値電圧V1よりも低い場合には、独立型システムは劣化時動作モードMdとなるように決定され、通常モードMnから劣化時動作モードMdへと移行する際には、動作している間電池1により供給される電流を減らすようにするステップと、
を備える。
好ましくは、電流の減少は、システムの独立性を高めるように大幅に行う。例えば、通常モードMnから劣化時モードMdへと移行する際、動作中の電池により供給される電流を、少なくとも20%減少させる。
電池における温度Tbの測定は、電池の中もしくは近傍に位置する温度センサ4により行われる。
第1のしきい値電圧V1の決定は、以下に説明するようなテーブルにより行うことができ、このテーブルは、複数の温度の値又は温度範囲と、第1のしきい値電圧V1の値とを備える。テーブルは、与えられた独立型システムのための標準電池から導き出すことができる。もちろん、当業者により、電池の測定温度Tbに対する第1のしきい値電圧V1を得ることができる方法を最適化しても良い。第1のしきい値電圧V1は、各モードにおける所望の動作回数に応じて標準電池から得ることができる。
電池の温度Tbの測定は、電池の初期劣化に対する温度の影響を考慮することができる。低い温度においては、電池の内部インピーダンスが上昇し、キャリアの移動度が減少し、このことは、定電流下における放電電圧を減少させ、電池により供給されることができる電流の全体量を制限する。一方、高い温度においては、劣化寄生反応(deteriorating parasitic reaction)が盛んになる。言い換えると、温度に応じた電池の振る舞いが大きく異なる。この電池の振る舞いは、例えば図3から6に示される。図3は、−10℃の電池温度において、エンジンが連続的に動作している場合に、電池の端子の電圧の時間変化を示す。曲線の各ピークは、動作していない場合の電池の端子の電圧に対応する高い値と、動作している場合の電池の端子の電圧に対応する低い値とを有する。この図において得られる動作は、2.1Ahの容量と1.2Vの通常電圧とを有する蓄電池(accumulator)を含むNiMh電池により供給された30秒間の2Aの定電流に対応する。動作中は、図3から6において、電池の端子の電圧が1.1Vの動作しきい値電圧(operating voltage threshold)Vfに達した場合は、完全に放電したとみなされ、再充電しなくてはならない。−10℃の温度の場合には、電池が放電したとみなされる前に、電池は6回(ピークの数)動作することができる。
図4から6においては、図3と同様の曲線が示されているが、電池温度は0℃、25℃、及び55℃である。これらの図によれば、温度が上昇するにつれて、電池の全体の放電量が増加するまで、動作可能回数も増加することが明らかである。実際には、0℃(図4)においては64回動作することができ、25℃(図5)においては97回動作することができる。図6に示すように、電池の温度が非常に高くなった場合には、電池が完全に放電される前に71回動作するように、傾向が逆転することが明らかである。このことは、図7に示されるような、温度に応じて電池の動作可能回数は電池が停止するまでに変化し、曲線が−10℃から約20℃までの間増加しそれ以降は減少するような、試験値の合成により確認される。独立型システムの動作モードを決定するために用いられる第1のしきい値電圧V1は、測定温度Tbに応じて与えられる。
電池1により供給可能な電流の強度の減少は、エンジンの動作回数の最適化と独立型システムの独立性の最適化とを可能にする。例えば、しきい値を定義するために用いられる蓄電池と同じ10個の蓄電池を含む電池を形成する。さらに、試験の間に用いられるアクチュエータと異なる消費量を有するアクチュエータと接続する。従って、通常モードMnにおいては、電池1により出力される電流は、2Aの電流にするように制限することができ、次いで、劣化時モードにおいては1Aの電流に制限する。この最適化は、図8及び図9において見ることができる。図8は、全体が放電するまでの連続した動作に対する、25℃における、電池の端子の電圧の時間変化を示すものである。図9は、図8と同様であるが、瞬間t1において電池に流れる電流の50%の減少(2Aから1Aへの)を伴うモードの変化があった場合の違いを伴うものである。図9と図8とに示される曲線を比較すると、独立型システムの独立性が改善されたことが明らかである。
従って、温度と測定電圧とに応じて独立型システムの動作プロセスを分割することは、動作時間が徐々に増加することを可能にする。この増加は独立型システムにとっては重要なものであり、システムが絶えることのない電源に接続することができないためである。実際には、電池の再充電は、通常、例えば光パネルや風力や水力タービンといった再生可能なエネルギーに依存しているからである。電池が常に再充電可能な状況ではないように、これらのエネルギー源は、変化し、断続的なものである。従って、電池1の再充電の可能性を増加させるために、独立型システムが中断する瞬間に、切り離すことが重要である。さらに、このモードの変化は、電池の放電が始まったことと、電池の使用を制限すべきこととをユーザーに示すことを可能にする。実際には、電流の変化は、独立型システムの振る舞いの変化を観察することを可能にする。
電池1を再充電することを可能にするために、動作しきい値電圧Vfは、電池の製造者が推奨する最低電圧よりも高くすることができる。もちろん、動作しきい値電圧は第1のしきい値V1よりも低いものである。動作しきい値電圧Vfと電池製造者が推奨する最低値との間においては、独立型システムが、電池の再充電を制御し、再生可能エネルギーの電源3と電池1との間の接点(interface)に形成される充電器(Charger)(不図示)のために、残った容量を維持する。
さらに、動作期間の間、電池1の電流強度の制限は、長期的な独立性に有益な影響を与えることができる。図10は、完全に再充電した際に、数年間のシミュレートに応じた電池の動作回数の変化を示している。上に示される曲線は2.1Aにおける動作回数を示し、下に示される曲線は4.2Aにおける動作回数を示す。数年にわたり、2.1Aの曲線は、動作回数について比較的一定に維持されるが、4.2Aの曲線は、一様に減少する(constant decrease)。この減少は、放電を素早く行った際に電池の中に生成した劣化寄生反応(deteriorating parasitic reactions)に起因するものである。寄生反応は、特に放電の最後にある電池を劣化させるが、通常モードMnから、電池により供給される電流を制限する劣化時モードMdへと移行することにより、電池の物理的劣化を減少させることができ、ひいては数年間の使用にわたって良好な独立性を維持することができる。通常モードから劣化時モードへと移行する際に電流を減少させることにより、独立性の維持を改善し、電池の寿命を改善する。
この改良によれば、さらにこの方法は、電池の温度Tbの関数であり、第1のしきい値電圧V1よりも低い第2のしきい値電圧V2と関連する臨界動作モードMcを備える。図2のテーブルは、与えられた温度又は与えられた温度範囲に対する、第2のしきい値電圧V2を示す追加入力を得ることができる。従って、測定電圧が第1のしきい値電圧V1と第2のしきい値電圧V2との間にある場合には、独立型システムは劣化時動作モードMdとなり、測定電圧が第2のしきい値電圧よりも低い場合には、独立型システムは臨界モードとなる。通常モードMnから劣化時モードMdへと移行する際と同様に、劣化時モードMdから臨界モードMcへと移行する際には、電池から供給される電流を減らし、独立型システムの独立性を高める。好ましくは、この電流の減少は、少なくとも20%である。臨界モードへの移行は、図9のt2の瞬間として示される。
図11は、通常モードにおいて、25℃の温度の下での電池の動作を示すものである。この曲線は、第1のしきい値電圧V1と第2のしきい値電圧V2とを決定することができる。通常モードにおいては、電池は98回動作することができる。しきい値を決定するために、通常モードMnにおいては80回動作し、劣化時モードMdにおいては12回動作し、臨界モードにおいては6回動作するとみなす。図11においては、電圧ピークの頂点は、例えば動作していないときといった、2つの動作の間の静止時にある電池の電圧を示す。第1のしきい値電圧V1は、80番目の動作後の動作が行われていない際に測定され、第2のしきい値電圧V2は、92番目の動作後の動作が行われていない際に測定される。従って、第1のしきい値電圧V1は1.27Vであり、第2のしきい値電圧V2は1.22Vである。次いで、1つのモードから他のモードへの移行は、電池1の端子の電圧Vbの測定によって決定され、好ましくは、2つの動作の間に測定は行われる。もちろん、アプリケーションに応じて、各モードにおける所望の動作回数に応じてしきい値を決定することができる。
第2のしきい値電圧V2が動作しきい値電圧Vfとともに用いられる場合には、動作しきい値電圧Vfは第2のしきい値電圧V2よりも低く、製造者により規定された値よりも高い。従って、動作しきい値電圧Vfのもとでは、独立型システムは電池の再充電の制御のみをもたらす。
他の実施形態によれば、方法は、最低温度Tminを備え、最低温度以下では、独立型システムの使用は禁止される。
さらなる他の実施形態によれば、これまでの実施形態を組み合わせることが可能であり、方法は、最高温度Tmaxを備え、最高温度以上では、独立型システムの使用は禁止される。
システムを制御する特有の例としては、最高動作温度Tmaxと最低動作温度Tminとを合わせた変形例や改良を含むことができ、図12により集約される。図12においては、温度に対する電圧が示され、ハッチングされた領域により、通常、劣化時、及び、臨界動作モードが示されている。様々な変形例や実施形態を考慮すると、温度が最低温度Tminよりも低くなった場合、温度が最高温度Tmaxよりも高くなった場合、もしくは、測定電圧Vbが動作しきい値電圧Vfよりも低くなった場合、すぐに独立型システムが動作しないものとなる。0℃以下においては、独立型システムは、劣化時モードMd又は臨界モードMcとしてのみ機能することができる。実際には、通常モードにおいて、電池の放電は非常に急速に行われる(図3参照)。0℃以下においては、電池の電圧が第2のしきい値電圧V2よりも高い場合には(T<0)、動作モードは劣化時モードMdであり、さもなければ、独立型システムは、臨界モードMcとして働く。正の温度においては、第1のしきい値電圧はV1(T0−55)に対応し、第2のしきい値電圧はV2(T0−55)に対応する。
温度条件が極端である場合には、正の温度の場合と負の温度の場合とともに、温度Tminよりも高い最低臨界温度(minimum critical temperature)Tminc以下の場合、及び、温度Tmaxよりも低い最高臨界温度(maximum critical temperature)Tmaxc以上の場合、動作モードを臨界モードとすることができる。図12においては、Tmaxcは55℃に等しい。
もちろん、当業者が、独立型システムのタイプや使用方法に応じて、様々なしきい値を最適化することもできる。
これまで説明したように、温度は電圧に変化を生じさせる。従って、電池がモードの変化に近い状態にあるとき、温度の変化は、モードの変化を伴いながらしきい値の上下に振動するような電圧振動を生じさせる。このことは、2つの動作の間の電流の継続的変動(fluctuation)、又は、電池の静止期間(relaxation phase)の間に起きる。システム制御における不安定性が生じることによるこの現象と、動作モードがたびたび変化することとを避けるために、1つのモードから他のモードへ移行するための電圧ヒシテリシスを定義することができる。このようなヒシテリシスは図13に示される。従って、図13においては、通常モードMnから劣化時モードMdへ移行は、測定電圧Vndにおいて行われ、劣化時モードMdから通常モードMnへの移行は、電圧Vndよりも高い電圧Vdnで行われる。劣化時モードMdから臨界モードMcへの移行は、電圧Vndよりも低い電圧Vdcにおいて行われ、臨界モードMcから劣化時モードMdへの移行は、電圧VndとVdnとの間、又は、電圧VdcとVndとの間にある電圧Vcdにおいて行われる。電圧が最低動作電圧Vfに到達した場合には、独立型システムのアクチュエータはブロック(禁止、遮断)され、電圧が電圧Vdc以上に再びなった場合に、ブロックは解除される。電圧値のヒシテリシスは、モードの変化する際の十分な安定性とユーザーのための安定した動作とを確保するために与えられる。
同様のヒシテリシスは、電池の温度が負になった場合に、1つのしきい値のみを伴った変化を起こすものである(2つの動作モードのみが与えられている)。
様々なデータを処理することができ、この方法の実施形態及び変形例を実施することができるメモリとプロセッサとが設けられたコントローラーにより方法は制御される。
方法のための上記の制御規則は、異なる目的のための様々なシステムに適用することができる。
例えば、LEDパネルといった照明システムの場合には、LEDより生じた発光量(luminous flow)は、それに流れる電流に比例する。電池がほとんど放電したことを、光強度が20%減少することにより、ユーザーに示すようにしたい場合には、20%の電流を減少させる必要がある。この場合、通常モードから劣化時モードへの移行の結果、電池の放電電流は20%減少することとなる。この照明システムがラップトップに組み込まれた場合であって、電池の充電量が少なくなったことをユーザーに示すようにしたい場合には、スクリーンの照明システムの光強度を減少させることが良い方法である。PCの最上位機種においては、システムの消費電力は約250Wであり、スクリーンの消費電力は約25Wである。LEDに供給される電力を20%減少させることにより、スクリーンで消費される電力は5W減少することとなる。この5Wは、システム全体で消費される電力の2%にあたる。この場合、通常モードから劣化時モードへと移行することにより、電池の放電電流が2%減少することとなる。この一例は、システムの運用を妨げることなく、システムの消費電力の20%を減少させることが、おそらく不可能であることを示していることに留意すべきである。
独立型家庭用シャッターの場合には、様々なモデルを考慮した際に主に期待されることは、ユーザーへ知らせることである。実際には、そのデザインやその損失(乾き摩擦)の性質のために、シャッターのエンジンに供給される電力の減少は、動かすために必要なエネルギーの深刻な減少をもたらすことはない。劣化時モードにおける電流の定義は、使用の制約の数と関連する。機能を満足させつつも悪いコンディションの下で電池が働いていることにユーザーが気付くように、十分にゆっくりとシャッターが動作することが必要である。実際に、動作時間を2倍又は3倍にすることができる。このようにするために、制御電流の大きさは、20から40%に減少させることができる。
最後に説明する例としては、電気自動車に供給するための電池である。独立性を高め、再充電ステイションへユーザーが到達することを可能にするために、システムの電力消費を下げることが求められる。しかしながら、ユーザーの安全性について譲歩することなく、エンジンに供給する電力を減少させることは不可能である(例えば高速道路といった状況における、車の最高加速能力)。システムに供給される最低電力は、従って、物理的要求に依存しており(最低速度に到達することができるような必要電力)、その名目上の電力(nominal power)には依存していない。90km/h(高速道路で安全に走ることができる最低速度と考えられる)で走るためには、約15kWの電力が必要である。自動車の名目上の電力が45kWである場合には、約67%の電流を減少することができ、自動車の名目上の電力が30kWである場合には、50%の電流を減少させることができる。
Claims (7)
- 電池(1)に接続されたアクチュエータ(2)を備える独立型システムの使用方法であって、前記電池(1)の放電期間には、前記システムのための1つの通常動作モード(Mn)と1つの劣化時動作モード(Md)とを少なくとも備え、
前記方法は、以下のステップである、
− 前記電池の温度である温度(Tb)を測定するステップと、
− 前記測定温度(Tb)に基づいて第1のしきい値電圧(V1)を決定するステップと、
− 前記電池の端子の電圧(Vb)を測定するステップと、
− 以下のように動作モード(Mn、Md)を決定するステップであって、前記測定電圧(Vb)が前記第1のしきい値電圧(V1)よりも高い場合には、前記独立型システムは前記通常動作モード(Mn)となり、前記測定電圧(Vb)が第1のしきい値電圧(V1)よりも低い場合には、前記独立型システムは前記劣化時動作モード(Md)となるように決定され、前記通常モード(Mn)から前記劣化時動作モード(Md)へと移行する際には、動作している間前記電池(1)により供給される電流を減らすようにする、ステップと、
を備えることを特徴とする方法。 - 前記電池(1)の前記端子の電圧(Vb)の測定は、前記アクチュエータ(2)が動作していない際に行われる、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 温度の関数であり、前記第1のしきい値電圧(V1)よりも低い第2のしきい値電圧(V2)と関連する臨界動作モード(Mc)を備え、前記測定電圧(Vb)が前記第1のしきい値電圧(V1)と前記第2のしきい値電圧(V2)との間にある場合には、前記独立型システムは劣化時動作モード(Md)となり、前記測定電圧(Vb)が前記第2のしきい値電圧(V2)よりも低い場合には、前記独立型システムは前記臨界モード(Mc)となり、前記劣化時動作モード(Md)から前記臨界モード(Mc)へと移行する際には、前記電池(1)から供給される前記電流を減らす、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記電池の製造者により規定された値よりも高く、前記第1のしきい値電圧(V1)よりも低い動作しきい値電圧(Vf)を備え、前記動作しきい値電圧(Vf)のもとでは、前記独立型システムは、前記電池(1)の再充電の制御のみをもたらすことを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記電池の製造者により規定された値よりも高く、前記第2のしきい値電圧(V2)よりも低い動作しきい値電圧(Vf)を備え、前記動作しきい値電圧(Vf)のもとでは、前記独立型システムは、前記電池(1)の再充電の制御のみをもたらすことを特徴とする請求項3に記載の方法。
- 最低温度(Tmin)を備え、前記最低温度のもとでは、前記独立型システムの使用は禁止されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の方法。
- 最高温度(Tmax)を備え、前記最高温度のもとでは、前記独立型システムの使用は禁止されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の方法。
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