そこで、上記のような従来技術は、エンコーダ方式またはセンサレス方式が適用された電車の出入扉の制御において、いずれか1つの出入扉に障害が発生したとき、正常運行を終了し、電車を基地に回送しなければならないという問題があり、このような問題を解決しようとすることが本発明の課題である。
したがって、本発明は、出入扉の制御のために共に動作中であるエンコーダモードおよびセンサレスモードのいずれか1つのモードを主動作モードに決定した後、決定された主動作モードに障害の発生が感知されると、他の1つのモードを出入扉の制御のための主動作モードに切り替えて出入扉を制御することにより、障害が発生しても連続的に出入扉を制御できるようにするための、出入扉の二重制御装置およびその方法と、前記方法を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明は、エンコーダモードを動作の主動作モードに決定した後、決定されたエンコーダモードで障害の発生が感知されると、主動作モードをセンサレスモードにスイッチングし、エンコーダモードに適用されたスクリューピッチを用いて出入扉を制御することにより、障害が発生しても連続的に出入扉を制御できるようにするための、出入扉の二重制御装置およびその方法と、前記方法を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以上で述べた目的に限定されず、述べていない本発明の他の目的および利点は、下記の説明によって理解可能であり、本発明の実施形態によってより明確になるはずである。また、本発明の目的および利点は、特許請求の範囲に示す手段およびその組み合わせによって実現可能であることが容易に分かるであろう。
上記の目的を達成するための本発明の出入扉の二重制御装置は、出入扉の制御のためにエンコーダモード(encoder mode)およびセンサレスモード(sensorless mode)に発生する障害を感知するための障害感知部と、前記エンコーダモードおよび前記センサレスモードのいずれか1つを主動作モードに、他の1つを予備動作モードに決定し、前記障害感知部によって主動作モードに障害が感知されると、前記主動作モードと前記予備動作モードとを互いに切り替えるためのメイン制御部と、前記メイン制御部によって動作モードが切り替えられることにより、当該モードに応じた出入扉の移動距離を計算し、出入扉の制御を行うようにするための位置/速度変換部とを備えて構成できる。
前記障害感知部が、前記エンコーダモードでは、エンコーダで発生するパルスの数と前記パルスの位相の異常の有無を確認して障害を感知し、前記センサレスモードでは、モータの電圧、電流の測定値の異常の有無を確認して障害を感知することが好ましい。
本発明は、前記メイン制御部の制御下に、障害発生情報を外部機器に通知する通信部をさらに備えて構成してもよい。
また、本発明にかかる出入扉の二重制御方法は、出入扉の制御のためにエンコーダモードおよびセンサレスモードのいずれか1つを主動作モードに決定し、出入扉の制御を行う第1実行ステップと、前記主動作モードで障害の発生が感知されると、前記主動作モードを他のモードに切り替える変換ステップと、切り替えられた主動作モードに応じて出入扉の移動距離を計算し、出入扉の制御を行う第2実行ステップとを含んで構成できる。
前記第1実行ステップにおいて、前記エンコーダモードおよび前記センサレスモードが前記主動作モードの決定に関係なく同時に実行可能であり、前記変換ステップが、前記障害の発生に関する情報を外部機器に通知するステップを含むことが好ましい。
前記第1実行ステップおよび前記第2実行ステップにおいて、前記主動作モードが前記エンコーダモードの場合に、モータのパルス数とスクリューピッチを用いて出入扉の移動距離を計算し、前記主動作モードが前記センサレスモードの場合に、モータの角速度とスクリューピッチを用いて出入扉の移動距離を計算することが好ましい。
また、本発明の出入扉の二重制御装置は、出入扉開閉用モータを駆動し、前記出入扉の移動距離を検出するための複数の動作モードを有する制御装置であって、前記出入扉の移動距離を決定するにあたっての障害を感知する障害感知部と、前記複数の動作モードのいずれか1つを主動作モードに決定し、前記障害が感知されると、前記主動作モードを他のモードに切り替え、前記出入扉の移動距離に応じて前記モータが駆動されるように制御するメイン制御部と、前記主動作モードによって前記出入扉の移動距離を計算する位置決定部とを備えて構成できる。
さらに、本発明の出入扉の二重制御装置は、出入扉開閉用モータを駆動するための制御装置であって、前記モータの回転量を示すパルス列を発生させるエンコーダ、および前記モータに供給される負荷電流を感知する電流感知部を具備するモータ回転感知部と、前記モータ回転感知部の障害を感知するための障害感知部と、前記パルス列および前記負荷電流のいずれか1つを主感知信号に、他の1つを予備感知信号に決定し、前記障害が感知されると、前記主感知信号と前記予備感知信号とを切り替え、出入扉の移動距離に応じて前記モータが駆動されるように制御するメイン制御部と、前記主感知信号に基づいて生成される前記出入扉の移動距離情報を出力する位置決定部とを備えて構成でき、前記複数の動作モードがエンコーダモードおよびセンサレスモードを含み、このとき、前記メイン制御部が、前記エンコーダモードおよび前記センサレスモードのいずれか1つを主動作モードに決定し、前記障害が感知されると、前記主動作モードを他のモードに切り替えることが好ましい。
また、本発明の出入扉の二重制御装置は、出入扉開閉用モータを駆動するための制御装置であって、前記モータの回転量を示すパルス列を発生させるエンコーダと、前記モータに供給される負荷電流を感知する電流感知部と、エンコーダモードでは、前記パルス列に基づいて出入扉の移動距離を計算し、センサレスモードでは、前記負荷電流に基づいて前記出入扉の移動距離を計算する位置決定部と、前記エンコーダまたは前記位置決定部が選択的に前記位置決定部に接続されるようにスイッチングするスイッチング部と、前記エンコーダモードの動作における障害を感知するための障害感知部と、前記出入扉の移動距離に応じて前記モータが駆動されるように制御するが、初期には前記エンコーダモードが主動作モードとなるようにし、前記障害感知部によって前記障害の発生が感知されると、前記スイッチング部を制御することで前記センサレスモードに前記主動作モードが切り替えられるようにするメイン制御部とを備えて構成できる。
さらに、本発明の出入扉の二重制御装置は、出入扉開閉用モータを駆動するための制御装置であって、エンコーダモードでは、エンコーダからのパルス列に基づいて出入扉の移動距離を計算し、センサレスモードでは、電流感知部からの負荷電流に基づいて前記出入扉の移動距離を計算する位置決定部と、前記エンコーダまたは前記位置決定部が選択的に前記位置決定部に接続されるようにスイッチングするスイッチング部と、前記エンコーダモードの動作における障害を感知するための障害感知部と、前記出入扉の移動距離に応じて前記モータが駆動されるように制御するが、初期には前記エンコーダモードが主動作モードとなるようにし、前記障害感知部によって前記障害の発生が感知されると、前記スイッチング部を制御することで前記センサレスモードに前記主動作モードが切り替えられるようにするメイン制御部とを備えて構成でき、このとき、前記障害感知部が、前記エンコーダモードでは、エンコーダで発生するパルスの数と前記パルスの位相の異常の有無を確認して障害を感知し、前記センサレスモードでは、モータの電圧、電流の測定値の異常の有無を確認して障害を感知することが好ましく、前記メイン制御部の制御下に、障害発生情報を外部機器に通知する通信部をさらに備えていてもよい。
一方、本発明の出入扉の二重制御方法は、エンコーダモードを主動作モードに決定し、出入扉の制御を行う第1実行ステップと、前記決定されたエンコーダモードの実行中に障害の発生が感知されると、前記主動作モードをセンサレスモードにスイッチングするスイッチングステップと、エンコーダモードに適用されたスクリューピッチを用いて、前記スイッチングされたセンサレスモードに応じて出入扉の移動距離を計算し、出入扉の制御を行う第2実行ステップとを含んで構成できる。
前記スイッチングステップは、前記障害の発生に関する情報を外部機器に通知するステップを含むことが好ましく、前記第1実行ステップでは、モータのパルス数と前記スクリューピッチを用いて前記出入扉の移動距離を計算し、前記第2実行ステップでは、モータの角速度と前記スクリューピッチを用いて前記出入扉の移動距離を計算することが好ましい。
一方、本発明は、プロセッサを備えた出入扉の制御装置に、出入扉の制御のために動作中であるエンコーダモードおよびセンサレスモードのいずれか1つを主動作モードに決定し、出入扉の制御を行う機能と、前記決定された主動作モードで障害の発生が感知されると、前記決定された動作モードとは異なる1つのモードを前記主動作モードに切り替える機能と、前記切り替えられた前記主動作モードに応じて出入扉の移動距離を計算し、出入扉の制御を行う機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
また、本発明は、プロセッサを備えた出入扉の制御装置に、エンコーダモードを主動作モードに決定し、出入扉の制御を行う機能と、前記決定されたエンコーダモードで障害の発生が感知されると、前記主動作モードをセンサレスモードにスイッチングする機能と、エンコーダモードに適用されたスクリューピッチを用いて、前記スイッチングされたセンサレスモードに応じて出入扉の移動距離を計算し、出入扉の制御を行う機能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
上記のような本発明は、出入扉の制御時に障害が発生しても連続的に出入扉を制御できるようにするという効果がある。
また、本発明は、エンコーダモードおよびセンサレスモードを用いて二重に出入扉を制御することにより、出入扉の制御において安定性を確保できるだけでなく、割安な費用で出入扉の障害の発生を防止することができるという効果がある。
さらに、本発明は、電車の出入扉に適用することにより、1つの出入扉の故障によって基地に緊急回送することなく運行を持続することができるため、特に、通勤・帰宅時間に市民に不便を与えることなく、安定した電車の運行を提供することができるという効果がある。
上記の本発明の目的、特徴および利点は、添付した図面および以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解できるであろう。
特定の構造または機能的説明は、単に本発明の概念による実施形態を説明するための目的で例示されたものであり、本発明の概念による実施形態は、多様な形態で実施可能であり、本明細書または出願に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。
本発明の概念による実施形態は、多様な変形を加えることができ、様々な形態を有することができるため、特定の実施形態は、図面に例示し、本明細書または出願に詳細に説明する。しかし、これは、本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものと理解されなければならない。
第1および/または第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は、前記用語に限定されない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ、例えば、本発明の概念による権利範囲から離脱しないまま、第1構成要素は、第2構成要素と名づけることができ、同じく、第2構成要素は、第1構成要素としても名づけることができる。
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるか「接続されて」いると言及された際は、その他の構成要素に直接に連結されているかまたは接続されていることもあるが、その間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるかまたは「直接接続されて」いると言及された際は、その間に他の構成要素が存在しないものと理解されなければならない。構成要素間の関係を説明するための他の表現、すなわち、「〜間に」と「直に〜間に」、または「〜に隣接する」と「〜に直接隣接する」などの表現も同様に解釈されなければならない。
本明細書における用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む(備える)」または「有する」 などの用語は、実施された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在、または付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
別に定義しない限り、技術的または科学的な用語を含めてここで使われるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同様の意味を有している。一般的に使われる、辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書において明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味として解釈されない。
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。各図面に示す同一の参照符号は、同一の部材を表す。
図1aは、本発明が適用されるエンコーダモード(encoder mode)に関する一実施形態の構成図であり、図1bは、前記図1aに関する動作説明図である。
本発明が適用されるエンコーダモードは、電車の出入扉の制御に適用され、出入扉の移動距離に応じて開閉速度を差別的に適用できるようにする。一例として、出入扉が閉じられるとき、出入扉の移動距離(すなわち、最初の開始地点から最終完了地点に至る距離)を3つの区間に区分すると、出入扉は、第1区間で「加速運動」を、所定の位置に至って第2区間では「等速運動」を、さらに所定の位置に至って第3区間では乗客の体や所持品が出入扉に挟まれることを防止するために「減速運動」を行う。
このため、図1aに示すように、メイン制御部110で出入扉の制御を開始すると、速度制御部120は、PWM(Pulse Width Modulation)出力部130を介した電流制御を用いて、最終的に出入扉の駆動のためのモータ140の回転速度を制御する。このとき、位置/速度変換部160は、モータ140の後面に配置されるエンコーダ150によってカウントされた「パルス数」を用いて出入扉の移動距離を計算する。そして、速度制御部120は、位置/速度変換部160によって計算された出入扉の移動距離に応じて出入扉の開閉速度を差別的に適用できるようにする。ここで、モータ140の回転速度は出入扉の開閉速度に対応するため、結果的に、エンコーダモードでは、モータ140の回転速度が制御されることにより、出入扉の開閉速度が区間ごとに異なって適用可能である。好ましくは、エンコーダ150は、デジタルエンコーダより分解能(1回転あたりのパルス数)が低く、耐久性が高くて寿命の長いマグネチックエンコーダを使用する。
前述したように、エンコーダモードにおいて、出入扉の移動距離は、エンコーダ150でカウントされる「パルス数」を用いて計算する。そして、出入扉の移動距離Δdは、図1bに示すように、「モータの回転数(検出されたパルス数/1回転あたりのパルス数(すなわち、分解能))」と、「モータ140の1回転あたりに出入扉が直線に移送される距離に対応するスクリューまたはベルトの長さ(すなわち、スクリューピッチ(screw pitch))」との積によって単純に計算される。すなわち、下記の数式1のとおりである。
一例として、上記の数式1を参照して、エンコーダ150の分解能が「2パルス/回転」、スクリューピッチが「80mm/回転」、ギアードモータ(geard motor)のギヤ比が「15:1」、1msの間に20パルスをカウントした場合に、1msあたりの出入扉の移動距離を計算すると、次のとおりである。まず、単位パルス(1パルス)あたりの出入扉の移動距離は2.6667mm/パルスになる。すなわち、単位パルスあたりの出入扉の移動距離=80mm/(15×2パルス)。次に、1msあたりの出入扉の移動距離は53.3334mm/msになる。すなわち、1msあたりの出入扉の移動距離=単位パルスあたりの出入扉の移動距離(2.6667mm/パルス)×1msの間にカウントされたパルス数(20パルス)である。
図2は、本発明が適用されるセンサレスモード(sensorless mode)に関する一実施形態の構成図である。
本発明が適用されるセンサレスモードは、エンコーダモードと同様に、電車の出入扉の制御に適用され、出入扉の移動距離に応じて開閉速度を差別的に適用できるようにする。
このため、図2に示すように、メイン制御部210で出入扉の制御を開始すると、速度制御部220は、PWM(Pulse Width Modulation)出力部230を介した電流制御を用いて、究極的に出入扉の駆動のためのモータ240の回転速度を制御する。このとき、角速度計算部270は、電流検出部250によって測定されたモータ240の電流、電圧検出部260によって測定されたモータ240の電圧を用いてモータ240の角速度を計算し、位置/速度変換部280は、角速度計算部270によって計算されたモータ240の角速度を用いて出入扉の移動距離を計算する。そして、速度制御部220は、位置/速度変換部280によって計算された出入扉の移動距離に応じて出入扉の開閉速度を差別的に適用できるようにする。付加的に、電流検出部250および電圧検出部260は、当業者であれば容易に理解することができるADコンバータを備えるように実現されることが好ましい。
前述したように、センサレスモードにおいて、出入扉の移動距離は、電流検出部250によって測定されたモータ240の電流、電圧検出部260によって測定されたモータ240の電圧、モータ240の標準に従って予め設定された逆起電力定数を用いて、モータ240の角速度を推定して計算する。
具体的には、モータ240の角速度は、下記の数式2を用いて計算される。
ここで、Eはモータ240に供給される電圧、Vはモータ240の逆起電力の電圧、Iは電流、Rはモータ240の巻線抵抗、ωは角速度、Keは逆起電力定数である。
このとき、角速度は、逆起電力の電圧に比例し、逆起電力の電圧は、モータ240の電圧、電流、抵抗を用いて計算される。
このように、モータ240の角速度は、電流検出部250によって測定されたモータ240の電流、電圧検出部260によって測定されたモータ240の電圧、モータ240の標準に従って予め設定された逆起電力定数が上記の数式2に代入されることによって計算できる。そして、センサレスモードにおいて、出入扉の移動距離Δdは、「モータ240の角速度(すなわち、角速度ω)を時間に対して積分した後、2(rad)で除算するモータの回転数」を、「モータ240の1回転あたりに出入扉が直線に移送される距離に対応するスクリューまたはベルトの長さ(すなわち、スクリューピッチ(screwpitch))」と乗算して計算することができる。すなわち、下記の数式3のとおりである。
一例として、電車の出入扉制御装置(DCU)の最初の動作時、ストール(stall)状態で電圧、電流、抵抗を測定してプロファイルを生成した場合に、50%の出力でモータを駆動するとき、角速度ωは、
によって計算され、出入扉の移動距離は、上記の数式3に、計算された角速度とスクリューピッチを代入して計算される。
図3は、本発明にかかる出入扉の二重制御装置に関する一実施形態の構成図である。
図3に示すように、本発明にかかる出入扉の二重制御装置は、出入扉の二重制御のためのエンコーダモードおよびセンサレスモードを統合適用するが、平常時にいずれか1つのモードを用い、障害の発生時には他のモードに変更して連続的に出入扉を制御できるようにする。このため、出入扉の二重制御装置は、エンコーダモードを実現するために、メイン制御部310と、速度制御部320と、PWM出力部330と、モータ340と、エンコーダ350と、位置/速度変換部390とを備える。また、出入扉の二重制御装置は、センサレスモードを実現するために、メイン制御部310と、速度制御部320と、PWM出力部330と、モータ340と、電流検出部360と、電圧検出部370と、位置/速度変換部390とを備える。このような出入扉の二重制御装置の構成要素の、エンコーダモードまたはセンサレスモードの各々に対する実行過程は、前述したもの(図1a及び1b、図2参照)と重複するため、各構成要素について具体的に説明しなくても、当業者であれば容易に理解することができる。
特に、出入扉の二重制御装置は、メイン制御部310によって決定されたモード、すなわち、エンコーダモードまたはセンサレスモードの動作状態を確認して正常な動作を妨げる障害が発生するかを感知する障害感知部を備える。ここで、障害感知部300は、エンコーダモードの場合に、エンコーダ350の状態(例えば、エンコーダ350で発生するパルスの数とパルスの位相(phase)の異常の有無など)を確認して障害が発生するかを感知する。また、障害感知部300は、センサレスモードの場合に、角速度計算部380の状態(例えば、モータ350の電圧、電流などの測定値の異常など)を確認して障害が発生するかを感知する。
以下、出入扉の二重制御装置のエンコーダモードまたはセンサレスモードに対する変換過程を詳細に説明する。
出入扉の二重制御装置のメイン制御部310は、ユーザの選択または電車の出入扉の制御システムの環境により、エンコーダモードおよびセンサレスモードのいずれか1つを主動作モード(primary operation mode)に決定し、他の1つを予備動作モード(backup operation mode)に決定する。ここで、主動作モードは、平常時に出入扉の制御のための動作モードとなり、予備動作モードは、主動作モードの障害の発生時に主動作モードに切り替え可能である。特に、好ましい実施形態では、図3に示すように、メイン制御部310によるモードの決定に関係なくエンコーダモードおよびセンサレスモードが同時に行われ、メイン制御部310のモードの決定に応じて、出入扉の制御においてエンコーダモードを適用するか、センサレスモードを適用するかが決定される。これは、エンコーダモードおよびセンサレスモードが互いに独立して出入扉の制御のための動作を行うことにより、主動作モードの障害の発生時に出入扉が任意の地点に位置するとしても、予備動作モードでも独立して出入扉の移動距離を確認しているため、予備動作モードが主動作モードで行っていた動作を直ちに引き継いで出入扉を制御できるようにするためである。
付加的に、メイン制御部310は、エンコーダモードまたはセンサレスモードの障害発生情報を、電車の運転室、総合状況室などに通知するための通信部(図3に示さず)を備えることもできる。
一例として、メイン制御部310において、エンコーダモードを主動作モードに決定し、センサレスモードを予備動作モードに決定した場合を想定して説明する。一旦、メイン制御部310は、位置/速度変換部390を制御することでエンコーダモードにより出入扉の移動距離を計算するようにする。すなわち、位置/速度変換部390は、エンコーダ350から伝達される「パルス数」と「スクリューピッチ」を用いて出入扉の移動距離を計算し、その結果を速度制御部320に提供する。その後、メイン制御部310は、障害感知部300からエンコーダモードの障害感知結果が通知されると、予備動作モードのセンサレスモードを主動作モードに切り替え、センサレスモードが出入扉の制御のための主動作モードとして動作できるように位置/速度変換部390を制御する。すなわち、位置/速度変換部390は、角速度計算部380から伝達される「角速度」と「スクリューピッチ」を用いて出入扉の移動距離を計算し、その結果を速度制御部320に提供する。一方、本発明は、メイン制御部310において、センサレスモードを主動作モードに決定し、エンコーダモードを予備動作モードに決定した場合に対しても適用できることを、当業者であれば容易に理解することができる。
図4a〜図4dは、前記図3による出入扉の二重制御方法に関する一実施形態の説明図である。
図4aおよび図4bは、主動作モードが「エンコーダモード」で、予備動作モードが「センサレスモード」である場合を示し、図4cおよび図4dは、主動作モードが「センサレスモード」で、予備動作モードが「エンコーダモード」である場合を示す。
まず、図4aおよび図4bについて説明すると、出入扉の二重制御装置は、出入扉の制御のための主動作モードであるエンコーダモードに障害が発生すると、予備動作モードのセンサレスモードにモードを変更することにより、電車の運行を妨げることなく、出入扉を正常に制御することができる(図4a参照)。このとき、出入扉の二重制御装置は、エンコーダモードの障害の発生を電車の運転室または総合状況室に通知する。付加的に、出入扉の二重制御装置は、出入扉の制御のための予備動作モードであるセンサレスモードに障害が発生すると、主動作モードのエンコーダモードが正常に動作している状況であるため、出入扉を正常に制御することができる(図4b参照)。ただし、予備動作モードのセンサレスモードは、主動作モードの障害の発生に備えるための目的で設けられたため、出入扉の二重制御装置は、センサレスモードの障害の発生を電車の運転室または総合状況室に通知する。
次に、図4cおよび図4dについて説明すると、出入扉の二重制御装置は、出入扉の制御のための主動作モードであるセンサレスモードに障害が発生すると、予備動作モードのエンコーダモードにモードを変更することにより、電車の運行を妨げることなく、出入扉を正常に制御することができる(図4c参照)。このとき、出入扉の二重制御装置は、エンコーダモードの障害の発生を電車の運転室または総合状況室に通知する。付加的に、出入扉の二重制御装置は、出入扉の制御のための予備動作モードであるエンコーダモードに障害が発生すると、主動作モードのセンサレスモードが正常に動作している状況であるため、出入扉を正常に制御することができる(図4d参照)。ただし、予備動作モードのエンコーダモードは、主動作モードの障害の発生に備えるための目的で設けられたため、出入扉の二重制御装置は、エンコーダモードの障害の発生を電車の運転室または総合状況室に通知する。
図5は、本発明にかかる出入扉の二重制御装置に関する他の実施形態の構成図である。
図5に示す出入扉の二重制御装置は、前記図3の他の実施形態として、出入扉の二重制御のためにエンコーダモード、センサレスモードを順次に適用するが、一旦、出入扉の制御のためにエンコーダモードを用い、エンコーダモードの障害の発生時にはセンサレスモードを用いて出入扉を制御できるようにする。ここで、出入扉の二重制御装置は、エンコーダモードの後にセンサレスモードを適用するとき(すなわち、エンコーダモードの障害の発生時)、エンコーダモードに適用されたスクリューピッチの値をセンサレスモードに再適用することにより、出入扉を制御できるようにする。反面、出入扉の二重制御装置は、センサレスモードの後にエンコーダモードを適用することができない。これは、エンコーダモードの特性上必要な「モータのパルス数」を確認しなければならないが、出入扉が任意の位置で障害が発生した場合に、センサレスモードから「モータのパルス数」を受けることができないだけでなく、エンコーダモードにおいても、センサレスモードと同時に行われるのではなく、エンコーダモードの障害の発生時に動作するため、「モータのパルス数」を確認することができないからである。したがって、図5の実施形態において、出入扉の二重制御装置は、エンコーダモードの後にセンサレスモードを順次に適用しなければならない。
一方、出入扉の二重制御装置は、前記図3のように、エンコーダモードを実現するために、メイン制御部510と、速度制御部520と、PWM出力部530と、モータ540と、エンコーダ550と、位置/速度変換部590とを備え、センサレスモードを実現するために、メイン制御部510と、速度制御部520と、PWM出力部530と、モータ540と、電流検出部560と、電圧検出部570と、位置/速度変換部590とを備える。これは、前述したものと重複するため、詳細な説明を省略する。特に、出入扉の二重制御装置は、エンコーダモードの動作状態を確認して正常な動作を妨げる障害が発生するかを感知する障害感知部501と、エンコーダモードとセンサレスモードのモード切り替えのためのスイッチング部502とを備える。ここで、障害感知部501は、エンコーダ550の状態(例えば、エンコーダ550で発生するパルスの数以上、エンコーダ550で発生するパルスの位相(phase)の誤差の発生など)を確認して障害が発生するかを感知する。
以下、出入扉の二重制御装置のエンコーダモードの後にセンサレスモードへの変換過程を詳細に説明する。
出入扉の二重制御装置のメイン制御部510は、エンコーダモードを主動作モードに決定し、センサレスモードを予備動作モードに決定する。ここで、主動作モードは、平常時に出入扉の制御のための主動作モードとなり、予備動作モードは、主動作モードの障害の発生時に主動作モードに切り替えられ、出入扉の制御のための主動作モードとなる。
まず、メイン制御部510は、エンコーダモードを主動作モードに決定するために、スイッチング部502を制御する。このとき、メイン制御部510は、位置/速度変換部590を制御することでエンコーダモードにより出入扉の移動距離を計算するようにする。すなわち、位置/速度変換部590は、エンコーダ550から伝達される「パルス数」と「スクリューピッチ」を用いて出入扉の移動距離を計算し、その結果を速度制御部520に提供する。このとき、障害感知部501は、前述したように、エンコーダ550の状態を確認して障害が発生するかを感知する。その後、メイン制御部510は、障害感知部501からエンコーダモードの障害感知結果が通知されると、予備動作モードのセンサレスモードを主動作モードに変更し、センサレスモードが出入扉の制御のための主動作モードとして動作できるようにスイッチング部502を制御する。このとき、メイン制御部510は、エンコーダモードに適用されたスクリューピッチの値をセンサレスモードに再適用するように位置/速度変換部590を制御することにより、エンコーダモードからセンサレスモードに出入扉の主制御モードが変換されても、連続的な出入扉の制御が行われるようにする。これにより、位置/速度変換部590は、角速度計算部580から伝達される「角速度」と「スクリューピッチ」を用いて出入扉の移動距離を計算し、その結果を速度制御部520に提供する。
付加的に、メイン制御部510は、エンコーダモードまたはセンサレスモードの障害発生情報を、電車の運転室、総合状況室などに通知するための通信モジュール(図5に示さず)を備えることもできる。
図6は、前記図5による出入扉の二重制御方法に関する他の実施形態の説明図である。
図6は、メインモードが「エンコーダモード」で、サブモードが「センサレスモード」である場合を示す。
出入扉の二重制御装置は、出入扉の制御のための主制御モードであるエンコーダモードに障害が発生すると、予備制御モードのセンサレスモードに出入扉の制御のための主制御モードを変更することにより、電車の運行を妨げることなく、出入扉を正常に制御することができる。このとき、出入扉の二重制御装置は、エンコーダモードに適用されたスクリューピッチの値をセンサレスモードに再適用するようにする。そして、出入扉の二重制御装置は、エンコーダモードの障害の発生を電車の運転室または総合状況室に通知する。
一方、前述したような本発明の方法は、コンピュータプログラムで作成可能である。そして、前記プログラムを構成するコードおよびコードセグメントは、当該分野のコンピュータプログラマーによって容易に推定可能である。また、前記作成されたプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(情報記憶媒体)に記憶され、コンピュータによって読み取られ実行されることにより、本発明の方法を実現する。そして、前記記録媒体は、コンピュータが読み取り可能なすべての形態の記録媒体を含む。
上記のように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更可能であることを理解することができる。