4.詳細な説明
本明細書において、維持、細胞特異化、細胞運命決定、幹細胞運命の誘導、細胞分化、細胞脱分化、および細胞分化転換などの、細胞運命の修飾因子を同定および検証するための組成物および方法を記述する。本発明は、レポーター核酸構築物、かかる構築物を含む組換え宿主細胞、および、本明細書に記述する方法によって同定される細胞運命の修飾因子を提供する。本明細書に記述する方法には、ハイスループットスクリーニングが含まれる。
いくつかの態様では、本明細書に記述する方法は、1つまたは複数のレポーター核酸構築物を含む宿主細胞を作製するための方法であって、該レポーター核酸構築物それぞれが、(i)CTRプロモータに作動可能に連結される、レポーターをコード化するORF、および(ii)1つまたは複数のTSRをコード化する1つまたは複数の核酸配列を含む方法である。かかる方法は、(a)本明細書に記述する、1つまたは複数のTSRを含む1つまたは複数のレポーター核酸構築物を、宿主細胞内に導入すること;(b)TSRを検出できる蛍光性オリゴヌクレオチドを宿主細胞内に導入すること;および(c)バックグラウンドレベルを上回る1つまたは複数のTSRを転写する細胞を選択することを含む。ある種の実施形態では、ステップ(c)は、バックグラウンドレベルを上回る1つまたは複数のTSRを転写しない細胞を選択することを含む。特定の実施形態では、ステップ(c)は、1つまたは複数のTSRをCTRプロモータとは独立に転写し(例えば、その転写がCTRプロモータではない構成的プロモータによって調節される)、かつレポーターと同時転写される1つまたは複数のTSRを転写しない(例えば、TSRの転写はCTRプロモータによって調節される)細胞を選択することを含む。他の実施形態では、ステップ(c)は、1つまたは複数のTSRをCTRプロモータとは独立に転写し、かつレポーターと同時転写される1つまたは複数のTSRを転写する細胞を選択することを含む。TSRは、1つまたは複数のレポーター核酸構築物を含有する宿主細胞を同定するために使用される。特定の実施形態では、挿入部位がレポーターの転写に影響しない(例えば、挿入部位が原因でレポーターの転写が上方制御されることがない)ようにゲノム内に組み込まれている、1つまたは複数のレポーター核酸構築物を含有する宿主細胞を同定するために、TSRが使用される。
ある種の実施形態では、レポーター核酸構築物は、宿主細胞のゲノムに安定に組み込まれる。安定な組み込みは、宿主細胞系において多数回の継代培養にわたって1つまたは複数のTSRが存在することにより、試験することができる。他の実施形態では、レポーター核酸構築物は、宿主細胞内に一過性に導入される。そうした場合、宿主細胞は数回の継代の後にレポーター核酸構築物を失う。
ある種の実施形態では、レポーター核酸構築物は少なくとも2つのTSRを有し、1つまたは複数のTSRが、構成的に活性なプロモータなどの宿主細胞で活性があるまたは活性があり得るプロモータの制御下にあり、異なるTSRが、レポーターと同時転写される、すなわち、該TSRもCTRプロモータの転写制御下にある。
ある種の実施形態では、本明細書において、CTRプロモータの活性化因子のスクリーニング系が提供される。かかる系を確立するために、レポーター核酸構築物を例えば形質移入などで宿主細胞内に導入し、次に、構成的プロモータによって転写的に調節されるTSRが陽性であるがレポーターと同時転写されるTSRが陰性である(すなわちCTRプロモータによって転写的に調節される)宿主細胞を選択する。選択されたかかる宿主細胞は、レポーター核酸構築物を含むが、バックグラウンド活性(例えば、陰性対照細胞におけるバックグラウンド活性)と比較して、CTRプロモータは不活性であるまたは低レベルもしくは基礎レベルの活性がある。選択されたかかる宿主細胞を次に化合物と接触させて、CTRプロモータの活性または発現レベルを上方制御する化合物を同定することができる。CTRプロモータを上方制御する化合物は、CTRプロモータが活性である細胞型の誘導因子であると予測される。
ある種の実施形態では、本明細書において、CTRプロモータの阻害因子のスクリーニング系が提供される。かかる系は、1つまたは複数のレポーター核酸構築物を宿主細胞内に導入すること、および、次に構成的プロモータまたはCTRプロモータによって制御されるTSRの転写が陽性である宿主細胞によって、確立することができる。選択されたかかる宿主細胞は、レポーター核酸構築物を含み、かつ宿主細胞でCTRプロモータの活性がある。かかる宿主細胞を、次に化合物と接触させて、CTRプロモータの活性または発現レベルを下方制御する化合物を同定することができる。CTRプロモータを下方制御する化合物は、CTRプロモータが活性である細胞型の阻害因子であると予測される。
スクリーニング系を、同じレポーターの発現を転写的に調節する、1つまたは複数の異なるCTRプロモータ群のために確立することもできる。この系では、レポーターの活性または発現は、一群の異なるCTRプロモータの活性と相互に関連する。この異なるCTRプロモータは、ある特定の細胞型に関連し得る。よって、問題とする異なるCTRプロモータのうちのいずれか一つの修飾因子を同定するために、スクリーニングを実施することができる。異なるCTRプロモータのうち、どれが活性化して検出されたレポーター活性が生じたのかを知る必要が最初はないかもしれないが、それでも、これによって、異なるCTRプロモータのうち少なくとも1つを活性化させることができた化合物を同定することになるであろう。必要であれば、さらなる試験を実施して探求し、異なるCTRプロモータのうちどれが活性化したのかを決定することができる。例えば、この系で使用される細胞が3つのレポーター核酸構築物を含み、各レポーター核酸構築物が、Nanogプロモータ、Oct4プロモータ、およびc−mycプロモータなどの異なる3つのCTRプロモータのうちの1つに作動可能に連結される、同じレポーターのORFを含む。各群が異なるレポーターを含む、複数のCTRプロモータ群も使用することができる。例えば、第1のCTRプロモータ群が第1のレポーターを転写的に調節し、第2のCTRプロモータ群が第2のレポーターを転写的に調節する。
特別な態様では、本発明は、維持、細胞特異化、細胞運命決定、幹細胞運命の誘導、細胞分化、細胞脱分化、および、細胞分化転換などの細胞運命の修飾因子である化合物を同定および/または検証するための、スクリーニング法およびスクリーニング系に関する。本明細書に記述する方法およびスクリーニング系は、レポーター核酸構築物を含む宿主細胞を利用し、それにより、スクリーニングされた化合物と細胞運命をモジュレートするために協働することができる複数のCTR因子(例えばRNAおよびポリペプチド)の導入が可能となる。特定の実施形態では、本明細書で記述する方法は、分化、成人、または特殊化細胞を再プログラミングして幹細胞(例えば、組織幹細胞、多能性幹細胞、全能性幹細胞、iPS細胞、胚性幹細胞、癌幹細胞、および臓器または組織特異的幹細胞)を産出する能力のある化合物を同定および検証することを提供する。他の態様では、本明細書に記述する方法は、本明細書に記述する方法から産出された幹細胞を再プログラミングして、分化、成人、または特殊化した細胞型または細胞特性の、1つまたは複数の細胞に分化させる能力のある化合物を同定および検証することを提供する。本明細書に記述する細胞および方法から産出された胚性幹細胞およびiPS細胞を、例えばマウスなどの非ヒト生物全体を産生するために使用することができる。
本発明は、本明細書に記述する方法および組成物の多くの変形を提供する。以下の節でさらに詳細に論じるのは本発明のさらなる非限定的な実施形態であり、例えば、レポーター核酸構築物は3つ以上のTSRをコード化することができる、CTRプロモータの中程度の活性を有する細胞も本明細書に記述する方法で使用することができる、本明細書に開示するスクリーニング法で使用することができる細胞を、細胞運命の調節に重要であるさらなる因子を発現するように設計することもできる、といった実施形態である。
4.1レポーター核酸構築物
本明細書において、(a)CTRプロモータに作動可能に連結される、レポーターをコード化するORF;および(b)TSR、例えばTSR1をコード化する核酸配列を含む、レポーター核酸構築物が提供される。該核酸構築物は、第2のTSR、すなわちTSR2をコード化する核酸配列をさらに含むことができる。ある種の実施形態では、TSR2はレポーターと同時転写される。他の実施形態では、TSR2はレポーターとは独立に転写される。特定の実施形態では、レポーター核酸構築物はTSR1およびTSR2を含み、TSR1がレポーターとは独立に転写され、TSR2がレポーターと同時転写される。ある種の実施形態では、該核酸構築物は、第3のTSR、すなわちTSR3をコード化する核酸配列をさらに含むことができ、TSR3がレポーターと同時転写される。他の実施形態では、TSR3がレポーターとは独立に転写される。ある種の実施形態では、レポーター核酸構築物は、4つ以上のTSR(例えば、TSR4、TSR5、TSR6など)をコード化する核酸配列を含むことができる。TSR(例えば、TSR1、TSR2、TSR3など)は、TSRと相補的な配列をそれぞれ有する蛍光性オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する能力があり、蛍光性オリゴヌクレオチドの蛍光特性がTSRとのハイブリッド形成時に変化する。ハイブリッド形成は、TSRの核酸配列と蛍光性オリゴヌクレオチドが100%相補的であっても、相補性が100%未満であっても起こり得る。本明細書で使用される場合、「相補的な」は、塩基対(based−pair)二重らせんを互いに形成することができる2つの核酸配列または核酸鎖を指す。特定の実施形態では、TSRと蛍光性ヌクレオチドの核酸配列が、少なくとも、約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、もしくは65%相補的であるまたは間にある任意の割合(%)で相補的であるときに、ハイブリッド形成が起こり得る。特定の実施形態では、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、または20個の、TSRの核酸(複数)が、蛍光性オリゴヌクレオチドの核酸(複数)と塩基対を形成しない。本明細書で使用する場合、「ハイブリッド形成する」または「ハイブリッド形成」は、ワトソン・クリック対(すなわち、A−T/UおよびG−C対)に基づく二本鎖分子(2本のDNA鎖、2本のRNA鎖、1本のRNA鎖と1本のDNA鎖など)を形成するための、2本の核酸鎖の非共有結合的な対合を指す。特定の実施形態では、TSRは、ステムループの蛍光性オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成することが可能である。
ある種の実施形態では、TSRは、最大で10ヌクレオチド、15ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、35ヌクレオチド、40ヌクレオチド、45ヌクレオチド、50ヌクレオチド、55ヌクレオチド、60ヌクレオチド、65ヌクレオチド、70ヌクレオチド、75ヌクレオチド、80ヌクレオチド、85ヌクレオチド、90ヌクレオチド、95ヌクレオチド、または100ヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態では、TSRは、転写終結シグナルまたは転写終結配列を含まない。他の実施形態では、TSRはUTR(例えば5’UTRまたは3’UTR)ではない。他の実施形態では、TSRは翻訳されない。いくつかの実施形態では、TSRは遺伝子のコード領域ではない。特別な実施形態では、TSRは、ゲノム(例えば、ヒト、マウス、ラット、サル、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ニワトリ、カエル、虫、昆虫(例えばハエ)、または雌ウシのゲノム)の天然配列ではない。
特定の実施形態では、レポーター核酸構築物は、それぞれが異なる2つのレポーター(例えば、レポーター1およびレポーター2)をコード化する2つのORFを含み、各ORFが異なるCTRプロモータ(例えば、CTRプロモータ1およびCTRプロモータ2)に作動可能に連結される。該レポーター核酸構築物は、それぞれ異なるレポーターと同時転写される2つのTSRをさらに含む。ある種の実施形態では、レポーター核酸構築物は、同じレポーターをコード化する2つのORFを含み、各ORFが異なるCTRプロモータ(例えば、CTRプロモータ1およびCTRプロモータ2)に作動可能に連結される。特定の実施形態では、レポーター核酸構築物内のエレメント(例えば、ORF、またはTSRをコード化する核酸配列)間の距離は、約1〜100ヌクレオチド、約100〜300ヌクレオチド、約100〜500ヌクレオチド、500〜1,000ヌクレオチド、1,000〜2,000ヌクレオチド、1,000〜3,000ヌクレオチド、1,000〜5,000ヌクレオチド、5,000〜10,000ヌクレオチド、または5,000〜15,000ヌクレオチドの間であり得る。
特別な実施形態では、レポーター核酸構築物は、CTRプロモータの活性をモジュレートする役割を果たすことができる、RNAまたはCTR因子をコード化する核酸配列も含むことができる。RNAまたはCTR因子をコード化する核酸配列は、誘導性プロモータまたは構成的もしくは普遍的プロモータに作動可能に連結され得る。
他の実施形態では、宿主細胞は、2つ以上のレポーター核酸構築物を含むことができ、第1のレポーター核酸構築物が、第1のCTRプロモータに作動可能に連結される、第1のレポーターをコード化するORFと、1つまたは複数のTSRをコード化する核酸配列とを含み、前記1つまたは複数のTSRのうちの1つが第1のレポーターと同時転写され、第2のレポーター核酸構築物が、第2のCTRプロモータに作動可能に連結される、第2のレポーター(第1のレポーターとは異なる)をコード化するORFと、1つまたは複数のTSRをコード化する核酸配列とを含み、第2のレポーター核酸構築物の前記1つまたは複数のTSRのうちの1つが第2のレポーターと同時転写される。
他の実施形態では、宿主細胞は、2つ以上の異なるレポーター核酸構築物を含むことができ、異なるレポーター核酸構築物それぞれが、異なるCTRプロモータに作動可能に連結される、レポーターのORFと、1つまたは複数のTSRをコード化する核酸配列とを含み、前記1つまたは複数のTSRのうちの1つが、レポーターと同時転写される。これらの構築物を含むように設計された宿主細胞をハイスループットスクリーニングに使用すると、レポーターを活性化させる化合物を同定することができる。異なるCTRプロモータのうち、どれが活性化して検出されたレポーター活性が生じたのかを知る必要が最初はないかもしれないが、それでも、これによって異なるCTRプロモータのうち少なくとも1つを活性化させることができた化合物を同定することになるであろう。必要であれば、さらなる試験を実施して探求し、異なるCTRプロモータのうちどれが活性化したのかを決定することができる。
本明細書に記述する核酸構築物は、当技術分野で知られたいかなる構築物であってもよい。核酸構築物は一般的に、宿主細胞内で特定のコード配列を発現させるエレメントを含有する、組換えまたは合成で産出したポリヌクレオチドを指す。核酸構築物としては、それだけには限らないが、コスミド、プラスミド、ベクター、およびウイルスベクターを挙げることができる。核酸構築物は、核酸を細胞内に一過性または安定に導入する(例えば、宿主細胞のゲノムへの安定な組込み)ために使用することができる。
4.1.1レポーター遺伝子
本明細書に記述するレポーター核酸構築物は、CTRプロモータに作動可能に連結される、任意のレポーターをコード化するORFを含むことができる。レポーターの活性、シグナル、または発現は、特定の細胞状況におけるCTRプロモータの活性のマーカーとして機能し得る。レポーターの活性、シグナル、または発現は、特定の細胞型または細胞状況のマーカーとしても機能し得る。特定の実施形態では、化合物の存在下および非存在下または異なる培養条件での、レポーターの活性、シグナル、または発現レベルにおける変化が検出できる。
ある特定の実施形態では、レポーターはホタルルシフェラーゼまたはその変異体である。レポーターの他の非限定的例としては、緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、または黄色蛍光タンパク質(YFP)などの自己蛍光タンパク質が挙げられる。特定の実施形態では、レポーターは、野生型の自己蛍光タンパク質とは異なる励起/発光スペクトルを有する、GFPなどの自己蛍光タンパク質が変異した変異体である。レポーターの他の非限定的例としては、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)およびβ−ガラクトシダーゼを挙げることができる。
ある種の実施形態では、レポーターは、細胞表面に局在するタンパク質またはペプチドであってもよく、これらに結合する蛍光標識抗体試薬または他の標識試薬を使用して検出することができる。
いくつかの実施形態では、レポーターは、基質を触媒するまたは変換して検出可能な生成物(例えば蛍光生成物)とする酵素(例えばアルカリホスファターゼ)であり得る。
いくつかの実施形態では、レポーターは、検出可能なシグナルまたは効果(affect)をもたらす反応を触媒するプロテアーゼであり得る。例えば、細胞は、プロテアーゼによって切断することができるアミノ酸配列を含む細胞内可溶質のGFP融合タンパク質を含むことができ、切断時に蛍光標識を含む融合タンパク質部分が、例えば分泌される、分解される、または転位置(例えば核内へ)されるように設計することができる。したがってこのように、レポーターは、かかる基質に作用するプロテアーゼを含むことができる。
他の実施形態では、レポーターは、発現すると細胞に検出可能な変化をもたらすまたは検出可能な試薬を生成する酵素も含むことができる。細胞における検出可能な変化は、形態的変化、生物的変化、または化学的変化であり得る。
ある種の実施形態では、レポーター核酸構築物は、レポーターの変異体または断片をコード化するORFを含む。いくつかの実施形態では、レポーター核酸構築物は、発現、シグナル検出、または安定性が向上した、レポーターの修飾型をコード化するORFを含む。いくつかの実施形態では、レポート変異体(report variant)は、対立遺伝子変異体、スプライス変異体、切断型、イソ型、キメラサブユニット、並びにアミノ酸置換(保存または非保存)、化学修飾アミノ酸および非天然アミノ酸を含めた修飾アミノ酸を含む変異型である。
いくつかの実施形態では、レポーター核酸構築物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10,15、20、またはそれ以上の保存的変異を有するレポーターをコード化するORFを含む。ある種の実施形態では、レポーター核酸構築物は、3、4、5、6、7、8、9、10、15,20、30、40、または50未満の保存的変異を有するレポーターをコード化するORFを含む。
核酸配列の「保存的変異」は、同一または本質的に同一のアミノ酸配列をコード化するヌクレオチドを指し、または、ヌクレオチドがアミノ酸配列をコードしない場合には、本質的に同一の配列を指す。これは、遺伝コードが「縮重している」、すなわち、いくつもの異なる核酸が同じアミノ酸をコード化するという事実に基づいている。例えば、コドンGTT、GTA、GTC、およびGTGは、すべてアミノ酸バリンをコード化する。したがって、コドンによってバリンが指定されるあらゆる位置で、そのコドンは、コード化されるポリペプチドを変えることなく、記述した相当するコドンのうちのいずれかに変更され得る。かかる核酸の変形は「サイレント変異」であり、「保存的変異の」の一種である。特に記述しない限り、アミノ酸をコード化する本明細書に記述するすべてのヌクレオチド配列には、あり得るすべてのサイレントな変形も含まれる。当業者であれば、核酸中の各コドン(通常、メチオニンの唯一のコドンであるATGは除く)を、標準的な技法によって、修飾して機能的に同一な分子を生成し得ることが認識されよう。したがって、突然変異誘発が使用される各例において、アミノ酸をコード化する核酸の各「サイレント変異」が暗黙的に含まれる。
さらに、「保存的変異」には、単一または少数のアミノ酸を変更、追加、または消去する、コード配列中の核酸の置換、消去、または付加も含まれ、この場合、核酸の変更が化学的に類似するアミノ酸の置換をもたらすことが、当業者には認識されよう。互いに保存的置換の役割を果たすことができるアミノ酸には、以下が含まれる:塩基性:アルギニン(R)、リシン(K)、ヒスチジン(H);酸性:アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q);親水性:グリシン(G)、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I);疎水性:フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);含硫:メチオニン(M)、システイン(C)。
特別な実施形態では、レポーター核酸構築物は、コドン最適化がなされた、レポーターをコード化するORFを含む。コドン最適化により、翻訳されるアミノ酸残基を変えずに特定の種における安定性および/または発現レベルを増強することができる、遺伝コードの枠内でのヌクレオチドの置換が可能となる。特別な実施形態では、ヒトなどの特定の種における効率的および安定な発現のために、コンドン(condon)使用を最適化することができる。
レポーターは、レポーターと共に翻訳される、His−tagまたはFLAG−tagなどのタグを任意選択で含むことができる。タグの他の非限定的な例としては、mycタグ、血球凝集素(HA)タグ、プロテインC、水疱性口内炎ウイルス(VSV)−G、FLU、BCCP、マルトース結合タンパク質タグ、Nus−tag、Softag−1、Softag−2、Strep−tag、S−tag、チオレドキシン、GST、V5、TAP、またはCBPが挙げられる。タグは、タンパク質発現レベル、細胞内局在、タンパク質間相互作用、問題とするタンパク質の調節、またはタンパク質の機能を決定するためのマーカーとして使用することができる。タグは、タンパク質を精製または分画するためにも使用することができる。タグは、プロテアーゼ切断に感受性がある、1つまたは複数のプロテアーゼ配列を含むことができる。特定の実施形態では、レポーターはタグを含まない。
レポーターの活性、シグナル、および発現レベルを検出する方法は、当業者に既知である。かかる方法の非限定的な例は、以降の節でさらに詳細に論じる。例えば、ルシフェラーゼ活性は生物発光分析法によって検出することができ、自己蛍光タンパク質は顕微鏡またはフローサイトメトリーによって検出することができ、酵素およびプロテアーゼは妥当な基質と共に適切なアッセイで検出することができる。レポーターのタンパク質は、例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)または免疫ブロットを使用して検出することができる。レポーターの転写産物は、例えば、ノーザンブロット、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、リアルタイムPCR、定量PCR、またはマイクロアレイ解析によって検出することができる。バックグラウンドまたはノイズを上回るレポーターの活性、シグナルまたは発現レベルを決定するのに適正な対照は、当業者であれば容易に入手できる。ある種の実施形態では、レポーターの活性が対照試料におけるバックグラウンド活性より高ければレポーターは活性があり、レポーターの活性が対照試料におけるバックグラウンド活性以下であればレポーターは活性がないと考えられる。
4.1.2レポーターの転写を駆動するCTRプロモータ
一般に、プロモータには、転写の開始および転写を調節を行うために、RNAポリメラーゼまたは他のタンパク質を動員して結合することに関与する、転写開始部位から上流にあるDNA領域への言及が含まれる。本明細書に記述するレポーター核酸構築物は、いかなるCTRプロモータを含んでもよい。CTRプロモータはCTR遺伝子の転写を調節する。本明細書で使用する場合、CTR遺伝子は、維持、細胞特異化、細胞運命決定、幹細胞運命の誘導、細胞分化、細胞脱分化、および/または細胞分化転換などの細胞運命に機能する、タンパク質またはポリペプチドをコード化する。本明細書で使用する場合、CTR遺伝子は、細胞型特異的遺伝子であっても、細胞型関連遺伝子であってもよい。細胞型特異的遺伝子は、1つの特定の細胞型または少数の特定の細胞型に主に発現し、他の細胞型には発現しない遺伝子を指す。いくつかの実施形態では、細胞型特異的遺伝子は、ある特定の細胞型だけに発現する遺伝子を指す。本明細書で使用する場合、細胞型関連遺伝子は、1つの特定の細胞型またはいくつかの特定の細胞型に、他の細胞型よりも高いレベルで発現する遺伝子を指す。ある種の実施形態では、細胞型関連遺伝子はいくつかの類似した細胞型(例えば、ある組織、臓器、または系統の細胞)に発現し、他の細胞型(例えば、他の組織、臓器、または系統の細胞)には発現しないまたは低レベルで発現する。細胞型特異的および細胞型関連遺伝子は、単独または併用で特定の細胞型のマーカーとして機能し得る。併用の場合、細胞型特異的および細胞型関連遺伝子の、速度を含めた発現プロファイルは、特定の細胞型と相関する可能性があり、こうした特定の細胞型のマーカーとして機能し得る。特定の実施形態では、CTRプロモータは、細胞型特異的遺伝子の転写を調節する。ある種の実施形態では、CTRプロモータは、細胞型関連遺伝子の転写を調節する。特記しない限り、CTRプロモータは、細胞型特異的遺伝子または細胞型関連遺伝子のいずれかであり得るCTR遺伝子の転写を調節するプロモータを指す。例えば、幹細胞プロモータは、幹細胞特異的遺伝子または幹細胞関連遺伝子の転写を調節するプロモータを指す。ある種の実施形態では、CTRプロモータには、1つまたは複数の特定の細胞型で優先的に発現する遺伝子またはRNA(マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、またはRNA干渉(RNAi)を仲介するRNAを含めて)のプロモータまたはその断片が含まれる。
複数のレポーター核酸構築物が使用されるある種の態様では、互いに関係する異なるCTRプロモータの活性レベルのパターン/プロファイルは、特定の細胞型を表すCTR遺伝子発現のプロファイルと相関する。かかる場合は、あるCTRプロモータが活性であるか不活性であるかは、互いに関係する異なるCTRプロモータの活性レベルの集合的なパターン/プロファイルほど、特定の細胞型を表してはいない。例えば、幹細胞のCTR遺伝子発現のパターン/プロファイルは、筋細胞のそれとは異なる。ある種の実施形態では、特定の細胞型を表すCTR遺伝子発現のパターンまたはプロファイルをマイクロアレイ解析で決定し、それにより、妥当なパターン/プロファイルを、本明細書で記述する方法のための問題とするベースラインパターン/プロファイルとして選択することができる。他の実施形態では、本明細書に記述する方法の後でマイクロアレイ解析を行って、特定の細胞型を表すCTR遺伝子発現のパターンまたはプロファイルを確認することができる。
CTRプロモータは、問題とする細胞型の転写に必要なプロモータのエレメントまたは領域を含み、こうしたエレメントまたは領域は、当技術分野で当業者に既知である任意の技法によって決定することができる。特定の実施形態では、CTRプロモータは、維持、細胞特異化、細胞運命決定、幹細胞運命の誘導、細胞分化、細胞脱分化、または細胞分化転換などの、細胞運命に関与するプロモータである。
特定の実施形態では、レポーター核酸構築物のCTRプロモータは、CTR遺伝子の最小プロモータエレメント、または、CTR遺伝子の1つまたは複数のプロモータエレメントを含み、こうしたエレメントがCTR遺伝子の転写調節に寄与して細胞型特異性を与える。プロモータエレメントは、エンハンサーまたはリプレッサーであり得る。CTRプロモータは、細胞型特異性を与える転写調節に寄与する、転写開始部位上流のエンハンサーおよびリプレッサーエレメントも含むことができる。一般に、最小プロモータとは、RNAポリメラーゼII(「Pol II」)および基本転写因子を含めた転写開始複合体を伴う基礎転写に必要とされる、プロモータ配列の転写開始部位および近傍のヌクレオチドを含むヌクレオチドを指す。基本転写因子は、Pol IIを転写開始部位に配置する開始因子であり、Pol IIによって転写されるほとんどの遺伝子の転写に必要とされると考えられている。転写開始複合体は、プロモータに結合して転写を開始する。
多くの最小プロモータは、「TATAボックス」配列(例えば、真核生物ではTATAAA、またはこの配列のいくつかの変形)、および転写に必要とされる他の配列を含有する可能性がある。一般に、TATAボックスは、転写開始部位の約25〜35bp上流に見出すことができる。プロモータにはTATAボックスを含有しないものもあり、TATAのない転写は、TBPおよびTBP関連因子(TAF)を含むマルチサブユニット複合体を含む。TATAボックスの代わりにイニシエーターを含むプロモータもある。一般に、多くのイニシエーターエレメントは、シトシンを−1の位置に、アデニン残基を転写開始部位(+1)に有し、5’から3’へのコンセンサス配列YYAN(T/A)YYYを有する(ここでは、Aは+1の位置にあり、YはCまたはTであり、(T/A)はTまたはAで+3の位置にあり、Nは4種の塩基のうちのいずれかである)(Lodishら、Molecular Cell Biology、W.H.Freeman and Company、New York、NY、2000、365〜266ページを参照)。いくつかの実施形態では、CTRプロモータは、TATAボックスを含むプロモータを含む。他の実施形態では、CTRプロモータは、TATAボックスを含まないプロモータを含む。ある種の実施形態では、CTRプロモータは、イニシエーターエレメントを含む。ある種の実施形態では、CTRプロモータはイニシエーターエレメントを含まない。特定の実施形態では、CTRプロモータは、CTR遺伝子プロモータからの1つまたは複数のエンハンサー領域を含む。特別な実施形態では、CTRプロモータは、1つまたは複数の(コンセンサス)転写因子結合部位を含む。ある種の実施形態では、CTRプロモータは、プロモータ活性を阻害するまたは低減させるリプレッサーを動員する、いかなるリプレッサー領域も含まない。特定の実施形態では、CTRプロモータは、1つまたは複数のリプレッサー領域を含む。特定の実施形態では、CTRプロモータは、CTR遺伝子の1つまたは複数のリプレッサー領域が欠如している。いくつかの実施形態では、CTRプロモータのある領域は、特定の細胞型ではエンハンサー領域として機能し、異なる細胞型ではリプレッサー領域として機能する。ある種の実施形態では、CTRプロモータは雑種または異種プロモータである(例えば、こうしたプロモータは異種配列を含有するまたは異なる供給源からの配列を含有する)。例えば、CTRプロモータは、第1の供給源からの最小プロモータ、および第2の供給源からのエンハンサーエレメントを含む。
CTRプロモータ内の、最小プロモータ領域である領域、または調節機能(例えば、活性化因子またはリプレッサー機能)を有する領域を決定する技法は、当技術分野で記載されている。例えば、Lodishら、Molecular Cell Biology、W.H.Freeman and Company、New York、NY、2000、366ページを参照されたい。簡単に述べると、遺伝子の開始部位上流のゲノムDNA断片を、レポーターをコード化するORFに作動可能に連結されるように、レポーター構築物中にクローン化する。この構築物を細胞内に導入して、レポーターの活性または発現レベルを決定する。様々な断片、例えば10bpから10,000bpの間の断片を、転写調節機能について試験することができる。加えて、重なりリンカースキャニング変異(overlapping linker scanning mutation)を、分析する領域の一端から他端まで導入し、変異レポーター構築物を細胞内でレポーターの活性について分析試験することができる。野生型の対照(プロモータ領域に変異がない)と比較してレポーターの活性に影響を与える変異が、転写調節に関与するプロモータエレメントである可能性がある。この方法を使用して、最小プロモータ領域、エンハンサープロモータ領域、およびリプレッサープロモータ領域を同定し、検証することができる。
当技術分野で既知である他の方法としては、それだけには限らないが、電気泳動移動度シフト解析(EMSA)、DNaseフットプリント法、およびクロマチン免疫沈降(Chip)法が挙げられる。かかるアッセイを、ある転写因子に特異的な親和性を有するプロモータ領域を同定および/または検証するのに使用することができる。Hela細胞抽出物を使用するin vitro転写アッセイも、プロモータエレメントを分析するために使用することができる。
多くの転写因子およびこれらに対応するコンセンサスDNA結合エレメントは、当分野で記載され、容易に決定し得る(例えば、Ghosh,D.、Nucleic Acids Res.、21:3117〜3118、1993を参照されたい)。特定の実施形態では、CTRプロモータは、1つまたは複数の転写因子コンセンサスDNA結合エレメントを含むことができる。転写因子とこれらのコンセンサスDNA結合エレメントの非限定的な例としては、以下が挙げられる(「{}」内の数は、存在し得る塩基対の数の範囲を示す;「Pu」はプリン(アデニン(A)またはグアニン(G))を表す);「Py」はピリミジン(チミン(T)またはシトシン(C))を表す;「...」は配列を隔てる1つまたは複数の塩基対を示す;「[]」内の核酸は、その場所にあり得る核酸の選択肢を示す):
KLFファミリーメンバー(KLF4)結合部位の突然変異分析に基づいた、Sp1/KLFファミリーに対するコンセンサス結合配列の非限定的な例は、(G/A)(G/A)GG(C/T)G(C/T)である(例えば、Shieldsら、Nucleic Acids.Res.、1998、26:796〜802を参照されたい)。c−Mycに対するコンセンサス結合配列の非限定的な例は、PuACCACGTGCTCであり、ここでは「Pu」はプリンヌクレオチドを表す(例えば、Papoulasら、J.Biol.Chem.、1992、267(15):10470〜10480を参照されたい)。
ある種の態様では、CTRプロモータは、リボザイムおよびマイクロRNA(miRNA)などの、翻訳されないRNA分子であるCTR遺伝子の転写を調節するプロモータである。miRNAは、21〜23ヌクレオチド長に処理された一本鎖のRNA分子であり、標的遺伝子のmRNAに結合して標的mRNAの翻訳を阻害することによって、主に他の遺伝子の遺伝子発現を調節する。miRNAの前駆体は、短いステムループ構造を形成する一本鎖RNAであり、さらに処理されて機能性miRNAとなる。成熟miRNA分子は、1つまたは複数のmRNA分子に部分的に相補的である。リボザイムは、化学反応を触媒するRNA分子である。
CTRプロモータの選択は、問題とする特定の細胞プロセス、および本明細書に記述する方法に応じて決まる。例えば、幹細胞の維持/自己複製および/または増殖の修飾因子を同定するために、CTRプロモータは幹細胞プロモータ(例えば、幹細胞特異的遺伝子または幹細胞関連遺伝子の発現を調節するプロモータ)であり得る。幹細胞プロモータは、それだけには限らないが、ESCプロモータ、神経幹細胞プロモータ、毛包(バルジ)幹細胞プロモータ、上皮幹細胞プロモータ、筋幹細胞プロモータ、間葉系幹細胞プロモータ、皮膚幹細胞プロモータ、またはHSCプロモータであり得る。
限定しないがCTRプロモータの他の例は、体細胞プロモータ、ESCプロモータ、前駆細胞プロモータ、ミオサイトプロモータ(例えば、ミオサイト特異的またはミオサイト関連プロモータ)、ケラチノサイトプロモータ、線維芽細胞プロモータ、表皮基底細胞プロモータ、β細胞(膵臓)プロモータ、肝細胞プロモータ、骨格筋プロモータ、肝星細胞プロモータ、心筋細胞プロモータ、単球プロモータ、網膜色素上皮細胞プロモータ、およびドーパミン神経プロモータを含む。ある実施形態では、CTRプロモータは、そのようなプロモータの断片を含む。
いくつかの実施形態では、CTRプロモータは、以下の細胞型の一つと特異的または関連する遺伝子の遺伝子発現を調節するプロモータである:表皮角化細胞(分化表皮細胞)、表皮基底細胞(幹細胞)、爪および足指爪のケラチノサイト、爪床基底細胞(幹細胞)、髄質性毛幹細胞、皮質性毛幹細胞、角質性毛幹細胞、角質性毛根鞘細胞、ハックスレー層の角質性毛根鞘細胞、ヘンレー層の角質性毛根鞘細胞、外毛根鞘細胞、毛母細胞(幹細胞)、角膜、舌、口腔、食道、肛門管、遠位尿道および膣の重層扁平上皮の表面上皮細胞、角膜、舌、口腔、食道、肛門管、遠位尿道および膣の上皮の基底細胞(幹細胞)、尿上皮細胞(膀胱および尿管の内膜)、唾液腺粘膜細胞(多糖リッチ分泌物)、唾液腺漿液細胞(糖タンパク酵素リッチ分泌物)、舌にあるフォン・エブネル腺細胞(味蕾を洗浄)、乳腺細胞(乳汁分泌物)、涙腺細胞(涙液分泌物)、耳にある耳道腺細胞(耳垢分泌物)、エクリン汗腺暗細胞(糖タンパク分泌物)、エクリン汗腺明細胞(小分子分泌物)、アポクリン汗腺細胞(芳香性分泌物、性ホルモン感応性)、眼瞼のモル腺細胞(特殊な汗腺)、皮脂腺細胞(脂質リッチ皮脂分泌物)、鼻のボウマン腺細胞(嗅上皮を洗浄)、十二指腸のブルンネル腺(酵素およびアルカリ性粘膜)、精嚢細胞(精子が泳ぐためのフルクトースを含む分泌精液成分)、前立腺細胞(分泌精液成分)、尿道球腺細胞(粘液分泌物)、バルトリン腺細胞(膣潤滑性分泌物)、小細胞の腺(粘液分泌物)、子宮内膜細胞(糖質分泌物)、呼吸器および消化管の単離杯細胞(粘液分泌)、胃の内膜の粘膜細胞(粘液分泌)、胃腺発酵性細胞(ペプシノゲン分泌物)、胃腺酸分泌(塩酸分泌物)、膵腺房細胞(炭酸水素および消化酵素分泌物)、小腸のパネート細胞(リゾチーム分泌物)、肺のII型肺胞細胞(界面活性剤分泌物)、肺のクララ細胞、下垂体前葉細胞、成長ホルモン産生細胞、乳腺刺激ホルモン分泌細胞、甲状腺刺激ホルモン産生細胞、性腺刺激ホルモン産生細胞、副腎皮質刺激因子、メラニン細胞刺激ホルモン分泌する中間下垂体細胞、巨大細胞の神経分泌細胞(オキシトシンの分泌および/またはバソプレシンの分泌)、腸および気道細胞(セロトニンの分泌、エンドルフィンの分泌、ソマトスタチンの分泌、ガストリンの分泌、セクレチンの分泌、コレシストキニンの分泌、インスリンの分泌、グルカゴンの分泌、および/またはボンベシンの分泌)、甲状腺細胞、甲状腺上皮細胞、傍濾胞細胞、副甲状腺細胞、副甲状腺主細胞、好酸性細胞、副腎細胞、クロマフィン細胞、副腎分泌ステロイドホルモン(ミネラルコルチコイドおよびグルココルチコイド)、テストステロンを分泌する精巣のライディッヒ細胞、エストロゲンを分泌する卵胞の内卵胞膜、プロゲステロンを分泌する破裂卵胞の黄体細胞(顆粒膜ルテイン細胞および卵胞膜ルテイン細胞)、傍糸球体細胞(レニン分泌物)、腎臓の密集斑、腎臓の周極細胞、腎臓のメサンギウム細胞、肝細胞(肝臓細胞)、白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞、肝臓脂質細胞、腎糸球体壁細胞、腎糸球体有足細胞、腎臓近位尿細管刷子縁細胞、ヘンレ係蹄薄層部分細胞、腎臓遠位尿細管刷子縁細胞、集合管細胞型I型肺細胞(肺の気腔の内膜)、膵管細胞(腺房中心細胞)、主細胞および間在細胞などの非線状部導管細胞(汗腺、唾液腺、乳腺など)、導管細胞(精嚢、前立腺など)、腸刷子縁細胞(微絨毛に存在)、外分泌腺の線条体導管細胞、胆汁膀胱上皮細胞、精巣輸出管非繊毛細胞、精巣上体主細胞、精巣上体基底細胞、血管およびリンパ管内皮有窓細胞、血管およびリンパ管内皮連続細胞、血管およびリンパ管内皮脾細胞、滑膜細胞(関節腔の内膜、ヒアルロン酸分泌物)、漿膜細胞(腹膜、胸膜、および囲心腔の内膜)、扁平細胞(耳の外リンパ腔の内膜)、扁平細胞(耳の内リンパ腔の内膜)、微絨毛を有する内リンパ嚢の円柱状細胞(耳の内リンパ腔の内膜)、微絨毛を有さない内リンパ嚢の円柱状細胞(耳の内リンパ腔の内膜)、暗細胞(耳の内リンパ腔の内膜)、血管性膜細胞(耳の内リンパ腔の内膜)、血管条基底細胞(耳の内リンパ腔の内膜)、血管条周辺細胞(耳の内リンパ腔の内膜)、クラウディウス細胞(耳の内リンパ腔の内膜)、血管条(耳の内リンパ腔の内膜)、脈絡叢細胞(脳脊髄液分泌物)、軟柔膜扁平細胞、目の色素性絨毛上皮細胞、目の非着色性絨毛上皮細胞、角膜内皮細胞、呼吸器繊毛細胞、卵管繊毛細胞(雌)、子宮内膜繊毛細胞(雌)、精巣網繊毛細胞(雄)、精巣輸出管繊毛細胞(雄)、中枢神経系の繊毛性上衣細胞(脳腔の内膜)、エナメル芽細胞上皮細胞(歯のエナメル分泌物)、耳の前庭器の半月面上皮細胞(プロテオグリカン分泌物)コルチ器官の歯間上皮細胞(髪細胞を被覆する蓋膜を分泌)、疎性結合組織線維芽細胞、角膜線維芽細胞(角膜の角膜実質細胞)、腱の線維芽細胞、骨髄網状組織の線維芽細胞、他の非上皮線維芽細胞、周皮細胞、椎間板の髄核細胞、セメント芽細胞/セメント細胞(歯根骨状セメント質の分泌物)、骨芽細胞/骨細胞(骨象牙質分泌物)、硝子質軟骨の軟骨細胞、繊維軟骨の軟骨細胞、弾性軟骨
軟骨細胞、骨細胞/骨細胞、骨の前駆細胞(骨芽細胞の幹細胞)、目の硝子体細胞、耳の外リンパ空間の星状細胞、肝星細胞(伊東細胞)、膵星細胞、骨格筋細胞(赤色骨格筋細胞(遅筋)、白色骨格筋細胞(速筋)、中間体骨格筋細胞、筋紡錘の核袋細胞および筋紡錘の核鎖細胞など)、付随体細胞(幹細胞)、心筋細胞(通常の心筋細胞、結節性の心筋細胞、およびプルキンエ線維細胞など)、平滑筋細胞(各種)、虹彩の筋上皮細胞、外分泌腺の筋上皮細胞、赤血球(赤血球)、巨核球(血小板前駆体)、単球、結合組織マクロファージ(各種)、上皮性ランゲルハンス細胞、破骨細胞(骨内)、樹状細胞(リンパ組織内)、ミクログリア細胞(中枢神経系内)、好中球の顆粒球、好酸球の顆粒球、好塩基球の顆粒球、マスト細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、網状赤血球、血液系および免疫系の幹細胞および委任前駆体(各種)、コルチ器官の聴覚性外有毛細胞、嗅上皮の基底細胞(嗅覚ニューロンの幹細胞)、冷−感受性一次感覚ニューロン、熱−感受性一次感覚ニューロン、表皮のメルケル細胞(触感)、嗅覚受容体神経、痛−感受性一次感覚ニューロン(各種)、目の網膜の光受容体細胞(視細胞、桿体細胞、目の視細胞の青色−感受性錐状体細胞、目の視細胞の緑色−感受性錐状体細胞、目の視細胞の赤色−感受性錐状体細胞など)、固有受容性一次感覚ニューロン(各種)、触覚―感受性一次感覚ニューロン(各種)、I型頸動脈小体(血液pHセンサ)、II型頸動脈小体細胞(血液pHの感知)、耳の前庭器のI型有毛細胞(加速および重力)、耳の前庭器のII型有毛細胞(加速および重力)、I型味蕾細胞、コリン作動性神経細胞(各種)、アドレナリン作動性神経細胞(各種)、ペプチド作動性神経細胞(各種)、コルチ器官の内柱細胞、コルチ器官の外柱細胞、コルチ器官の内指骨細胞、コルチ器官の外指骨細胞、コルチ器官の境界細胞、コルチ器官のヘンゼン細胞、前庭器の支持剤某、I型味蕾支持細胞、嗅上皮支持細胞、シュワン細胞、サテライト細胞(末梢神経細胞体を被包)、腸内グリア細胞、星状細胞(各種)、神経細胞(多種であり、未だ十分に分類されていない)、オリゴデンドロサイト、紡錘形神経、前水晶の上皮細胞、クリスタリン含有水晶体線維細胞、メラニン形成細胞、網膜色素上皮細胞、卵原細胞/卵母細胞、精細胞、精母細胞、精原細胞(精母細胞の幹細胞)、精子、卵胞細胞、セルトリ細胞(精巣内)胸腺上皮細胞、並びに間質性腎臓細胞。いくつかの実施形態では、CTRプロモータは、上述した細胞型の1つに特異的または関連する遺伝子の発現を調節するプロモータの断片を含む。
幹細胞またはiPS細胞の修飾因子に関する特定の実施形態では、CTRプロモータは、限定されないが、Oct4、Sox2、Klf4、c−myc、LIN28、Nanog、SSEA−3、若しくはSSEA−4のプロモータまたはプロモータ要素を含んでよい。ある実施形態では、CTRプロモータは、以下の遺伝子のうちの1つのプロモータまたはプロモータ要素である:Notch、WNT、Dax1、Eras、Fbox、Foxd3、Rex1、およびZfp296を含む。特定の実施形態では、CTRプロモータは、転写開始点について−3917bp〜+55bpまたはその一部を含むOct4プロモータ領域などOct4プロモータ領域を含み、最小限のプロモータ領域を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、Oct4プロモータの転写開始点から最初の250bpsを含む。特定の実施形態では、CTRプロモータは、転写開始点について−289bp〜+117bpまたはその一部を含むNanogプロモータ領域などNanogプロモータ領域を含み、最小限のプロモータ領域を含み得る。いくつかの実施形態では、CTRプロモータは、約200bpsのNanogプロモータを含む。ある実施形態では、CTRプロモータは、SOX転写因子結合要素(CATTGTA)を含有するNanogプロモータ領域を含む。特定の実施形態では、CTRプロモータは、Oct転写因子結合要素(ATGCAAAA)を含有するNanogプロモータ領域を含む。
毛包(膨隆)幹細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがNFATc1、Sox9、TCF3、若しくはLhx2のプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、K15、CD200、CD34、CD271、ネスチン、若しくはLgr5など毛包(膨隆)幹細胞マーカーのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
表皮基底細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがc−rel、RelA、Delta1、若しくはFringeのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、β1−インテグリン、α6−インテグリン、ケラチン15、p63、若しくはCD3など表皮基底細胞のプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
上皮幹細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態ではCTRプロモータは、限定されないがBmi−1、Tcf−4、β−、若しくはカテニンのプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、ABCG2、Bmi−1、DeltaNp63、p75、HEA、CD44、α2β1インテグリン、アミンA、CD49f、Lgr5、若しくはCD133など上皮幹細胞マーカーのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
皮膚組織細胞の修飾因子に関する他の実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがNFATc1、SOX9、TCF3、LHX2、CD200、K15、ID2、DKK3、WIF1、FZD1、FZD2、PHLDA1、FOLLISTATIN、DIO2、LCE2B、ASPRV1、DEFB4、PI3、RNASE7、K19、ITGB1、REL、RELA、DLL1、BMI1、TCF4、CTNNB1、MC1R、SLC45A2、およびSLC24A5から成る群から選択される遺伝子のプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。
β細胞(膵臓)修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがMnx1、Pdx1、Nkx6−1、Nkx2−2、Mafb、Mafa、Ins1、若しくはSlc2a2のプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、Ins1など膵臓β細胞マーカーのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
肝細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがProx1、Rex3、WNF−4、アルブミン、α−フェトプロテイン(AFP)、α−アンチトリプシン、アネキシンI、若しくはアネキシンIIのプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、α−フェトプロテイン(AFP)、α−アンチトリプシン、アネキシンI、若しくはアネキシンIIなど幹細胞のプロモータまたはプロモータ断片で有り得る。
骨格筋細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、MyoD、Myf5、ミオゲニン、Mrf4、Mef2、MURC、ミオシン重鎖、トロポニン、若しくはトロポミオシンのプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、ミオシン重鎖、トロポニン、若しくはトロポミオシンなど骨格筋細胞のプロモータまたはプロモータ断片で有り得る。
肝星細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、Foxl1、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γ、Egr−1、α−平滑筋細胞アクチン、リーリン、若しくはp75NTRのプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、α−平滑筋細胞アクチン、リーリン、若しくはp75NTRなど肝星細胞マーカーのプロモータまたはプロモータ断片で有り得る。
筋幹細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがMyoD、Pax7、Runx2、Myf5、M−カドヘリン、神経接着分子−1、CD56、CD34、若しくはCD144のプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、M−カドヘリン、神経接着分子−1CD56、CD34、若しくはCD144など筋幹細胞マーカーのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
心筋細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータ は、限定されないがNkx2.5、MEF2C、GATA4、ミオシン重鎖、α−アクチニン、デスミン、ナトリウム利尿ペプチド、若しくは心筋トロポニンのプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、ミオシン重鎖、α−アクチニン、デスミン、ナトリウム利尿ペプチド、若しくは心筋トロポニンなどの心筋細胞マーカーのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
単球の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがPU.1、C/EBPα、AML1、RARα、MZF−1、Hox、STAT、CD11b、CD14、CD16、CD36、CD64、CD163、M−CSF受容体、若しくはGM−CSF受容体のプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、CD11b、CD14、CD16、CD36、CD64、CD163、M−CSF受容体、およびGM−CSF
受容体など単球マーカーのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
網膜色素上皮細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないが小眼球症、ELF3、ベストロフィン、サイトケラチン8および18、ZO−1、TIMP3、若しくはRPE65のプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、ベストロフィン、サイトケラチン8および18、ZO−1、TIMP3、若しくはRPE65など網膜色素上皮細胞マーカーのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
目に由来する細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがSix6(NP_031400)のプロモータまたはその断片であり得る。目に由来する細胞の修飾因子に関する他の実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがRPE65、ABCA4、COL11A1、GNAT2、RHO、GNB3、GNAT1、GNGT1、PDE6A、PDE6B、PDE6G、CNGA1、CNGB1、RCVN、SAG、GUCA1A、SLC24A1、NRG4、ABCA4、PRPH2、ROM1、RDH5、TTR、BEST1、CTSD、CST3、HMCN1、RD3、EFEMP1、ALMS1、CNGA3、CNNM4、MERTK、ARR3、PDE6H、CPLX4、OPA1、MPP4、NRL、CLUL1、RDH12、RBP3、PDC、CRX、IMPG1、RAX、RTBDN、RP1、CRABP1、RLBP1、RS1、STRA13、PROM1、LRAT、TULP1、GUCY2D、VSX1、RGS16、NR2E3、GUCY2F、AOC2、RGR、RDH11、FSCN2、POU6F2、SLC1A7、SLC24A1、ZNF385A、SDR16C5、HSD17B14、DHRS7、SLC24A2、PITPNC1、ALDH1A1、ALDH1A2、およびALDH1A3から成る群から選択される遺伝子のプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。
間葉系幹細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがETV1、ETV5、FOXP1、GATA6、HMGA2、SIM2、SOX11、STRO−1、CD90、CD105、若しくはp75NTRのプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、STRO−1、CD90、CD105、若しくはp75NTRなど間葉系幹細胞マーカーのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
神経幹細胞の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがPLZF、PLAGL1、Dach1、Foxg1、NR2F1、ネスチン、PSA−NCAM、p75ニューロトロフィンR、若しくはビメンチンのプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、ネスチン、PSA−NCAM、p75ニューロトロフィンR、若しくはビメンチンなどの神経幹細胞マーカーのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
ドーパミン神経の修飾因子に関するいくつかの実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがOtx2、Lmx1a、Ngn2、Fox2a、Pitx3、engrailed、Nurr1、Wnt1、Fgf8、Shh、若しくはRaldh1(Ahd2)のプロモータまたはプロモータ断片を含み得る。ある実施形態では、CTRプロモータは、Wnt1、Fgf8、Shh、若しくはRaldh1(Ahd2)などのドーパミン神経マーカーのプロモータまたはプロモータ断片であり得る。
いくつかの実施形態では、造血幹細胞の修飾因子に関し、CTRプロモータは、限定されないがEvi1、GATA−2、EGR1、Gfi−1、CD34、CD38、CD59、CD133、c−Kit、Sca−1、若しくはABCG2のプロモータまたはプロモータ断片を含んでよい。ある実施形態では、CTRプロモータは、CD34、CD59、CD133、若しくはABCG2のような造血幹細胞マーカーのプロモータまたはプロモータ断片でよい。
心筋細胞の修飾因子に関する他の実施形態では、CTRプロモータは、限定されないがACTN2、ADBR1、AFP、ALK3、ALK6、ANKRD1、ATF2、BMPR2、CKM、CMYA、COL3A1、CSRP3、CVD1、CXCL14、DCN、DES、DNM3、FGB、GATA4、GATA4、HSBP7、ISL1、KCNG2、KCNIP2、KCNJ2、KCNJ5、LDB3、LUM、MEF2C、MGP、MLC2v、MYBPC3、MYH6、MYH7、MYL3、MYL7、MYLK3、MYOCD、MYOM1、MYOZ2、NKX2.5、NPPA、NPPB、PLN、RYR2、SLC4A3、SMAD1、SMAD5、SMAD8、SMPX、SYNPO2L、TAK1、TBX5、TBX5、TNNI1、TNNI3K、およびTNNT2から成る群から選択される遺伝子のプロモータまたはプロモータ断片を含んでよい。
表1は、限定されない特定の細胞型のマーカー例のリストを提供する。理論に限定されることなく、マーカー遺伝子は、特定の細胞型に特異的または関連しているか、あるいはマーカー遺伝子は、優性または優先的に特定の細胞型で発現する。特定の実施形態では、本明細書に記載したCTRプロモータは、表1に提示した遺伝子群から選択されたマーカー遺伝子などのプロモータであるか、またはマーカー遺伝子のプロモータ領域を含む。
特定の実施形態では、CTRプロモータは、第4.2.1節で記載したようなCTR因子遺伝子のプロモータである。
特定の実施形態では、CTRプロモータはヒトプロモータである。特定の実施形態では、CTRプロモータは、マウス、ラット、サル、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、トリ、カエル、寄生虫、昆虫、またはウシのプロモータである。いくつかの実施形態では、CTRプロモータはヒトプロモータに相同性を有する。ある実施形態では、CTRプロモータは哺乳類プロモータである。
特定の実施形態では、CTRプロモータは、約10bps〜10,000bps、1bp〜50bps、10bps〜100bps、20bps〜200bps、50bps〜200bps、50bps〜300 bps、50bps〜400bps、50bps〜500bps、100bps〜600bps、100bps〜700bps、100bps〜800bps、100bps〜900bps、100bps〜1,000bps、500bps〜1,500bps、500bps〜2,000bps、500bps〜5,000bps、若しくは1,000bps〜10,000bps、または任意の範囲間隔を含む。
ある実施形態では、CTRプロモータは、最大で約10,000bps、最大で約9,000bps、最大で約8,000bps、最大で約7,000bps、最大で約6,000bps、最大で約5,000bps、最大で約4,000bps、最大で約3,000bps、最大で約2,000bps、最大で約1,500bps、最大で約1,000bps、最大で約900bps、最大で約800bps、最大で約700bps、最大で約600bps、最大で約500bps、最大で約400bps、最大で約300bps、最大で約200bps、最大で約150bps、最大で約100bps、最大で約75bps、最大で約50bps、最大で約40bps、最大で約30bps、最大で約25bps、最大で約20bps、最大で約15bps、または最大で約10bpsを含む。
ある実施形態では、CTRプロモータは、転写開始点の上流から最大で約10,000bps、最大で約9,000bps、最大で約8,000bps、最大で約7,000bps、最大で約6,000bps、最大で約5,000bps、最大で約4,000bps、最大で約3,000bps、最大で約2,000bps、最大で約1,500bps、最大で約1,000bps、最大で約900bps、最大で約800bps、最大で約700bps、最大で約600bps、最大で約500bps、最大で約400bps、最大で約300bps、最大で約200bps、最大で約150bps、最大で約100bps、最大で約75bps、最大で約50bps、最大で約40bps、最大で約 30bps、最大で約25bps、最大で約20bps、最大で約15bps、または最大で約10bpsを含む。
ある実施形態では、CTRプロモータは、転写開始点の下流から最大で約200bps、最大で約150bps、最大で約100bps、最大で約90bps、最大で約80bps、最大で約70bps、最大で約60bps、最大で約50bps、最大で約40bps、最大で約30bps、最大で約20bps、最大で約15bps、最大で約10bps、最大で約8bps、最大で約9bps、最大で約7bps、最大で約6bps、最大で約5bps、最大で約4bps、最大で約3bps、または最大で約2bpsを含む。
ある実施形態では、CTRプロモータは、最大で約10,000bps、最大で約9,000bps、最大で約8,000bps、最大で約7,000bps、最大で約6,000bps、最大で約5,000bps、最大で約4,000bps、最大で約3,000bps、最大で約2,000bps、最大で約1,500bps、最大で約1,000bps、最大で約900bps、最大で約800bps、最大で約700bps、最大で約600bps、最大で約500bps、最大で約400bps、最大で約300bps、最大で約200bps、最大で約150bps、最大で約100bps、最大で約75bps、最大で約50bps、最大で約40bps、最大で約30bps、最大で約25bps、最大で約20bps、最大で約15bps、または最大で約10bpsを含む。
ある実施形態では、CTRプロモータは、転写開始点の上流から少なくとも約10,000bps、少なくとも約9,000bps、少なくとも約8,000bps、少なくとも約7,000bps、少なくとも約6,000bps、少なくとも約5,000bps、少なくとも約4,000bps、少なくとも約3,000bps、少なくとも約2,000bps、少なくとも約1,500bps、少なくとも約1,000bps、少なくとも約900bps、少なくとも約800bps、少なくとも約700bps、少なくとも約600bps、少なくとも約500bps、少なくとも約400bps、少なくとも約300bps、少なくとも約200bps、少なくとも約150bps、少なくとも約100bps、少なくとも約75bps、少なくとも約50bps、少なくとも約40bps、少なくとも約30bps、少なくとも約25bps、少なくとも約20bps、少なくとも約15bps、または少なくとも約10bpsを含む。
ある実施形態では、CTRプロモータは、転写開始点の下流から少なくとも約100bps、少なくとも約90bps、少なくとも約80bps、少なくとも約70bps、少なくとも約60bps、少なくとも約50bps、少なくとも約40bps、少なくとも約30bps、少なくとも約20bps、少なくとも約15bps、少なくとも約10bps、少なくとも約8bps、少なくとも約9bps、少なくとも約7bps、少なくとも約6bps、少なくとも約5bps、少なくとも約4bps、少なくとも約3bps、または少なくとも約2bpsを含む。
プロモータを単離およびクローニングする方法は、当業者に公知されている。例えば、遺伝子の惹起開始点の上流にあるゲノムDNA断片をレポーター構築物にクローニングすることができ、これによりゲノムDNA断片がレポーターをコード化するORFに動作可能に連結する。このレポーター構築物は、プロモータの活性またはプロモータの種々の断片の分析に使用することができる。特定の遺伝子については、プロモータ領域が既に同定されている。
当業者に公知されている任意の技術を使用し、目的のCTR遺伝子のプロモータ分析を行って、細胞型の特異性をもたらすことができる転写制御機能を有するCTR遺伝子のプロモータを同定することができる。(例えば、Analytics of Protein−DNA Interactions, Seitz et al. eds., Springer−Verlag New York, LLC, 2007を参照されたい)。ある実施形態では、CTR遺伝子の転写開始点を囲むゲノムDNAの断片をレポーター構築物にクローニングし、レポーター遺伝子と動作可能に連結させることができる。特定の実施形態では、ゲノムDNA断片は、異種性のミニマルプロモータのようなミニマルプロモータにも動作可能に連結される。ある実施形態では、ゲノムDNA断片は、既にミニマルプロモータを包含している。結果生じた調節DNA構築物を、次に目的のCTR遺伝子を発現する細胞型に導入する。レポーター遺伝子が、結果として生じた細胞で発現する場合、ゲノム断片はその細胞型に特異的な細胞型をもたらすプロモータ要素を含む。その細胞型において発現させるために必要な最小の配列を同定するために、次にゲノム断片をさらに精査することができる。他の実施形態では、転写制御因子(単数または複数)が、目的のCTR遺伝子の発現を活性化させることが知られている場合、目的のCTR遺伝子の転写開始を包囲するゲノムDNAを用いてEMSAまたはDNAフットプリント実験を行うことができる。
4.1.3 標的配列
本明細書に記載したこのレポーター核酸コンストラクトは、例えば、TSR1、TSR2、TSR3、などの本明細書では標的配列RNA(「TSR」)として参照されるRNA転写物をコード化する1つまたはそれ以上の標的配列核酸を含む。レポーター核酸によってコードされた標的配列がRNA(即ち、TSR)に転写される時、転写されたTSRが蛍光発生オリゴヌクレオチドによって検出される。この蛍光発生オリゴヌクレオチドは、標的配列と部分的または完全に相補的であり、転写されたTSRとハイブリッド形成することができる塩基配列を含む。
当該分野で知られた任意の技術を使って細胞内のTSRを検出することができる。いくつかの実施形態において、蛍光発生オリゴヌクレオチドを使うことができる。いくつかの実施形態において、分子標識を使うことができる。例えば、米国特許第6.692.965号およびPCT国際出願WO2005/0794622A2号を参照されたい。いくつかの実施形態において、蛍光発生オリゴヌクレオチドは、フルオロフォアおよび失活剤と接合する。蛍光発生オリゴヌクレオチドは、標的配列と結合またはハイブリッド形成しない時は、1つの構造または高次構造の形を取るが、標的配列と結合またはハイブリッド形成する時は、異なる構造または高次構造の形を取る。
即ち、蛍光発生オリゴヌクレオチドの立体構造変化が標的配列の存在下で起こることがあるが、この変化は、フルオロフォア興奮すると放射されるシグナルの消光効率を減少させる結果を生み出す。いくつかの特定の実施形態において、標的配列の存在下で蛍光発生オリゴヌクレオチドから放射した蛍光性シグナルは、標的配列の非存在下で蛍光発生オリゴヌクレオチドから放射した蛍光性シグナルより高いいくつかの特定の実施形態において、蛍光発生オリゴヌクレオチドが標的配列とハイブリッド形成しない時、蛍光性シグナルが消光する。非ハイブリッドの蛍光発生オリゴヌクレオチドがステムループ構造を形成することがある。いくつかの態様において、消光検出シグナルは、ステムループ構造の結果であることがある。
いくつかの特定の実施形態において、標的配列の存在下で蛍光発生オリゴヌクレオチドから放射した蛍光性シグナルは、標的配列の非存在下で蛍光発生オリゴヌクレオチドから放射した蛍光性シグナルより少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%より高い。いくつかの特定の実施形態において、標的配列の存在下で蛍光発生オリゴヌクレオチドから放射した蛍光性シグナルは、標的配列の非存在下で蛍光発生オリゴヌクレオチドから放射した蛍光性シグナルより少なくとも約1倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍、50倍、100倍、500倍、または1.000倍高い。
種々のRNA配列のどれも標的配列(例えば、TSR1、TSR2、TSR3、など)として使って良く、上記したレポーターをコード化する配列、またはレポーターの非翻訳領域(「UTR」)を含む。標的配列は、異種性配列(例えば、転写されるレポーター塩基配列と無関係な配列)であっても良い。蛍光発生オリゴヌクレオチドと結合またはハイブリッド形成する標的配列は、レポーター転写物と同時転写されるレポーター核酸コンストラクトの3’UTRなど3’UTRの部分であって良い。いくつかの特定の実施形態において、蛍光発生オリゴヌクレオチドと結合またはハイブリッド形成する標的配列は、レポーター転写物と同時転写されるレポーター核酸コンストラクトの5’UTRなど5’UTRの部分であって良い。
いくつかの特定の実施形態において、TSRはレポーター遺伝子と同時に転写される。いくつかの特定の実施形態において、レポーター遺伝子と同時に転写されるTSRは、アミノ酸配列をコード化することがあったりなかったりする。いくつかの実施形態において、標的配列は、レポーター遺伝子のメッセージタンパク質翻訳領域の部分のフレーム内であっても、またはフレーム外でも良い。従って、標的配列を、蛍光発生オリゴヌクレオチドによって、検出ために翻訳する必要はない。標的配列は、同一または異なる複数の標的配列を含み、ここで蛍光発生オリゴヌクレオチドは、各標的配列とハイブリッド形成する。標的配列は、レポーターなどの対象とする遺伝子をコードRNA内に位置するか、または標的配列は、5’あるいは3’UTR内、または5’あるいは3’UTRの直前または直後に位置する。その他の実施形態において、標的配列は、レポーター、5’UTR、または3’UTR内のORFのどの配列とも相同でない異種性配列である。
いくつかの特定の実施形態において、レポーター核酸コンストラクトはレポーターと同時転写される標的配列(例えば、TSR3)を含む。いくつかの特定の実施形態において、レポーターと同時転写される標的配列はレポーター転写物の3’UTRに位置する。いくつかの特定の実施形態において、レポーターと同時転写される標的配列はレポーター転写物の5’UTRに位置する。いくつかの特定の実施形態において、レポーターと同時転写される標的配列はレポーター転写物内に位置する。いくつかの特定の実施形態において、レポーターと同時転写される標的配列はレポーターレポーター転写物の任意の近接する断片と相同でない。いくつかの態様において、レポーターと同時転写される標的配列が、標的配列に相補的な蛍光発生オリゴヌクレオチドを使用するレポーターの低基底転写を持つ細胞を選択させる。いくつかの実施形態において、標的配列を含むレポーター転写物の3’UTRは異種性配列である。
TSRは二次構造を持つRNAであって良い。その構造は、3つのアーム接合構造であって良い。いくつかの実施形態において、蛍光発生オリゴヌクレオチドは、レポーターなどの対象とするタンパク質コード配列内に配列を検出することがある。この場合、レポーターのmRNAはTSRとしての役目を果たす。
いくつかの特定の実施形態において、レポーター核酸コンストラクトは1つまたはそれ以上のレポーターと同時転写されないTSRを含む、しかし、その転写は別のプロモータの支配下にある。いくつかの特定の実施形態において、第1の標的配列はレポーターをコード化する5’からORFまでである。いくつかの特定の実施形態において、第1の標的配列はレポーターをコード化する3’からORFまでである。レポーター核酸コンストラクトは1つまたは複数の標的配列を含み、第1と第2の標的配列は、レポーターをコード化するORFに隣接する(例えば、第1の標的配列は、5’からレポーターをコード化するORFまでで、第2の標的配列は3’からレポーターをコード化するORFまである)。
いくつかの実施形態において、恒常的なプロモータに機能的に連結する標的配列は、レポーターの配列とは逆の配向である。例えば、レポーターORFのプロモータコンストラクト上流は、そこからレポーターの転写が起こるDNAの逆鎖からの転写物を結果として生じることがある。いくつかの実施形態において、レポーターORFから下流にある恒常的なプロモータに機能的に連結する標的配列は、レポーターORFと同じ配向であって良く、そこからレポーターの転写が始まるDNAの同鎖からの転写物を結果として生じることがある。いくつかの実施形態において、恒常的なプロモータに機能的に連結する標的配列は、レポーター核酸コンストラクト内のレポーターORFの配向と同じ配向である。
いくつかの特定の実施形態において、恒常的なプロモータに機能的に連結する標的配列は、交差転写の調節または活性化を最小化するためにその他の標的配列またはレポーターORFからある一定の距離に置かれる。いくつかの特定の実施形態において、恒常的なプロモータに機能的に連結する標的配列は、その他の標的配列またはレポーターORFから少なくとも100塩基対、200塩基対、300塩基対、400塩基対、500塩基対、600塩基対、700塩基対、800塩基対、900塩基対、1.000塩基対、1.500塩基対、2.000塩基対、2.500塩基対、3.000塩基対、3.500塩基対、4.000塩基対、4.500塩基対、5.000塩基対、6.000塩基対、7.000塩基対、8.000塩基対、9.000塩基対、または10.000塩基対の距離に位置する。いくつかの特定の実施形態において、恒常的なプロモータに機能的に連結する標的配列は、その他の標的配列またはレポーターORFから最大で100塩基対、200塩基対、300塩基対、400塩基対、500塩基対、600塩基対、700塩基対、800塩基対、900塩基対、1.000塩基対、1.500塩基対、2.000塩基対、2.500塩基対、3.000塩基対、3.500塩基対、4.000塩基対、4.500塩基対、5.000塩基対、6.000塩基対、7.000塩基対、8.000塩基対、9.000塩基対、または10.000塩基対の距離に位置する。
TSRは二次構造を持つRNAであって良い。この構造3アーム接合構造である。いくつかの特定の実施形態において、標的配列は約30%〜70%のGC含量を持つ。いくつかの特定の実施形態において、標的配列は少なくとも約30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、または75%のGCリッチである。いくつかの特定の実施形態において、標的配列は最大限で30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、または75%のGCである。
いくつかの特定の実施形態において、標的配列またはTSRは、約5から1.000のヌクレオチド、約5から750のヌクレオチド、約5から500のヌクレオチド、約5から250のヌクレオチド、約5から200のヌクレオチド、約5から150のヌクレオチド、約5から100のヌクレオチド、約5から100のヌクレオチド、約5から75のヌクレオチド、約5から500のヌクレオチド、約10から100のヌクレオチド、約10から75のヌクレオチド、約10から50のヌクレオチド、約10から30のヌクレオチド、約5から20のヌクレオチド、約20から100のヌクレオチド、約20から75のヌクレオチド、または約30から100のヌクレオチドの長さ、または各2数値間の任意の値の長さである。いくつかの特定の実施形態において、標的配列またはTSRは、約5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40のヌクレオチドの長さである。
いくつかの特定の実施形態において、標的配列またはTSRは、最大限で10ヌクレオチド、15ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、35ヌクレオチド、40ヌクレオチド、45ヌクレオチド、50ヌクレオチド、55ヌクレオチド、60ヌクレオチド、65ヌクレオチド、70ヌクレオチド、75ヌクレオチド、80ヌクレオチド、85ヌクレオチド、90ヌクレオチド、95
ヌクレオチドまたは100ヌクレオチドの長さである。いくつかの特定の実施形態において、標的配列またはTSRは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、
36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60未満のヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態において、TSRは転写終結配列を含む。真核細胞内において、精製されたRNAポリメラーゼIIIが、一連のU残基を重合した後転写を終結する。転写終結配列は、UUU、UUUU、UUUUU、UUUUUU、UUUUUUU、UUUUUUUU、またはUUUUUUUUUなどの一連のU残基を含む。いくつかの実施形態において、RNAポリメラーゼIII転写終結配列は、連続または連続しない10またはそれ以上のU残基を含むRNA配列を含む。いくつかの特定の実施形態において、転写終結配列は、少なくとも40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%のU残基を含む。細菌内では、転写終結は、Rho依存または非依存終結を含む。Rho非依存終結は、GCリッチな自己相補的領域が先行した一連のU残基と転写されたRNA内のいくつかの介在性ヌクレオチドを含む。GCリッチな自己相補的領域はステムループ構造を形成することがある。
いくつかの特定の実施形態において、TSRはポリアデニル化配列、UAを含まない。いくつかの実施形態において、TSRはpoly(A)テールを含まないか、またはpoly(A)テールではない。いくつかの実施形態において、TSRは一貫した3’末端を作ることがある転写物の3’末端を切断するリボザイムである。いくつかの特定の実施形態において、TSRは転写物の3’末端を切断するリボザイムではない。
いくつかのその他の実施形態において、TSRはUTR(例えば、5’UTRまたは3’UTR)、またはその断片ではない。いくつかのその他の実施形態において、TSRは翻訳されない。いくつかの実施形態において、TSRは遺伝子の翻訳領域、nmRNA、またはそれらの断片ではない。いくつかの特定の実施形態において、TSRはゲノムの自然配列(例えば、ヒト、マウス、ラット、サル、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ニワトリ、カエル、寄生虫、昆虫(例えば、ハエ)、または雌ウシのゲノム)ではない。いくつかの特定の実施形態において、TSRはsiRNAまたはmiRNA、またはそれらの前駆物質ではない。
4.4.1 標的配列の転写を駆動するプロモータ
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトの標的配列を転写することは、プロモータによって駆動する、すなわち、標的配列RNAをコード化する塩基配列は、機能的にプロモータに連結する。当業者は、標的配列を転写するのに適したプロモータを選択することができるだろう。
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトの標的配列を転写することは、恒常的なプロモータによって駆動する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトの標的配列を転写は、誘導性のプロモータ(例えば、Tetオンオフシステム)によって駆動する。いくつかの実施形態において、標的配列の転写を駆動するプロモータはCTRプロモータではない。いくつかの実施形態において、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトの標的配列を転写は、CTRプロモータによって駆動するいくつかの実施形態において、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトの標的配列を転写は、レポーターのORFと機能的に連結したCTRプロモータと異なるCTRプロモータによって駆動する。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の標的配列の各々の転写を駆動するプロモータは、それぞれ異なる。例えば、第1のプロモータはTSR1の転写を駆動し、第2のプロモータ(第1のプロモータとは異なる)はTSR2の転写を駆動するなど。
いくつかの実施形態において、レポーターと同時転写しないTSR1の転写を駆動するプロモータは宿主細胞内で初期には活性化しているはずであるが、宿主細胞が細胞運命の変遷を経過するにしたがって(例えば、分化、脱分化、または分化転換)宿主細胞内の新しい細胞運命での細胞環境でプロモータは不活性化する。
いくつかの実施形態において、標的配列の転写がRNAポリメラーゼIIIプロモータで駆動されることがある。いくつかの実施形態において、標的配列の転写がRNAポリメラーゼIIプロモータで駆動されることがある。いくつかの特定の実施形態において、標的配列の転写を駆動するプロモータは異種性プロモータである。いくつかの特定の実施形態において、標的配列の転写を駆動するプロモータは最小プロモータ領域を含むか、または実質的に含む。いくつかの実施形態において、標的配列の転写を駆動するプロモータは1つまたは複数のエンハンサーエレメントを含む。
[00135]操縦する本明細書に記載した1つまたは複数の標的配列の転写駆動するために使うことのできるプロモータの非限定の例として、サイトメガロウイルス(CMV)プロモータ、核T7プロモータおよびSV40初期プロモータ領域、ラウス肉腫ウイルスの3’長い終端反復に含まれるプロモータ、疱疹チミジンキナーゼプロモータ、およびメタロチオネイン遺伝子の制御配列を含む。
4.1.5. 核酸コンストラクトのクローニング
当業者に理解されているように、任意の適切な方法を使って本明細書に記載した核酸コンストラクトをクローン化することができる(例えばCurrent Protocols in MolecularBiology,eds.Ausubel et al.JohnWiley&Sons:1992)。コンストラクトおよびプラスミドの調製ならびに宿主細胞の形質転換の際に採用されている様々な方法が当業者に知られている。両宿主細胞ならびに一般的な組換え型手順に対する適切な発現系の非限的の例ついては、Molecular Cloning ALaboratory Manul、3rdEd.ed.,bySambrook,Fritsch and Manitis(Cold Spring Harbor Lbortory Press、2001)を参照されたい。
核酸を細胞に導入する技術は、当業者に知られており、容易に理解できる。この方法は以下に制限される訳ではないが、形質移入、ウイルス性送達、タンパク質、またはペプチド媒介挿入、共沈方法、脂質ベース送達試薬
(リポフェクション)、サイトフェクション、リポポリアミン送達、デンドリマー送達試薬、電気穿孔法、または機械的送達を含む。
核酸を宿主細胞に導入するために使うことのできる技術の例は、以下に制限されないが、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、コスミド、および人工染色体を含むプラスミド、ウイルスを含む。プラスミドの非限定例として、例えば、pCMVScript、pcDN3.1Hygro、pcDN3.1neo、pcDN3.1puro、pSV2neo、piRESpuro、pSV2neoを含めて良い。本明細書に記載された細胞または株化細胞を作るのに有用な模範的な哺乳類の発現ベクターは、pFN11(BIND)Flexi(登録商標)、pGL4.31、pFC14A(HloTag(登録商標)7)CMVFlexi(登録商標)、pFC14K(HloTag(登録商標)7)CMVFlexi(登録商標)、pFN24A(HloTag(登録商標)7)CMVd3Flexi(登録商標)、pFN24K(HloTag(登録商標)7)CMVd3Flexi(登録商標)、HaloTag(トレードマーク)pHT2、pACT、pAdVntge(トレードマーク)、pALTER(登録商標)−MAX、pBIND、pCT(登録商標)3−Basic、pCT(登録商標)3Control、pCT(登録商標)3−Enhancer、pCT(登録商標)3−Promoter、pCI、pCMVTNTTM、pG5luc、pSI、pTRGETTM、pTNTTM、pF12RMFlexi(登録商標)、pF12KRMFlexi(登録商標)、pRegneo、pYES2/GS、pAcYCMVN5−DESTGateway(登録商標)Vect、またはpA&PL−DESTTMGateway(登録商標)Vect、またはGateway(登録商標)pDEST(トレードマーク)27Vect、またはGateway(登録商標)pEF−DEST51VecまたはGateway(登録商標)pcDNTM−DEST47vect、またはpCMV/BsdVect、またはpEF6/HisA、B、&C、pcDN(トレードマーク)6.2DEST、pLenti6/TR、pLP−cGFP1−C、pLPS−cGFP1−N、pLP−IRESneo、pLP−TRE2、pLP−RevTRE、pLP−LNCX、pLP−CMV−HA、pLP−CMV−Myc、pLP−RetroQおよびpLPCMVneo、を含む。本明細書に記載された方法に使用できる別のプラスミドの非限定例は、PB−TETトランスポゾンプラスミドである。
いくつかの実施形態において、ベクターは恒常的または条件的プロモータなどの発現制御配列を含む。当業者はそのような配列を選択できるだろう。例えば、適したプロモータは、以下に制限されないが、CMV(サイトメガロウイルス)TK(チミジンキナーゼ)SV40およびEF10を含む。例えば、プロモータは、誘導性の、温度制御の、組織特異的な、抑制可能な、熱ショックの、発生上の、細胞系特異的な、真核生物の、原核生物の、あるいは時間的なプロモータであるか、または上記のいずれかあるいはいくつかの未変性あるいは突然変異性の組み合わせあるいは組換えの、またはランダム化した、混合した配列である。別の実施形態において、CTR因子などの対象とするタンパク質は、遺伝子活性化またはエピソーム化により発現する。
いくつかの実施形態において、ベクター(例えば、レポーター核酸コンストラクト)は選択可能なマーカーまたは薬剤抵抗性遺伝子を欠く。他の実施形態において、ベクター(例えば、レポーター核酸コンストラクト)は任意選択で薬剤または抗生物質耐性またはより一般的に細胞に選択圧を及ぼす任意の産物などを与えるタンパク質などの選択可能なマーカーをコード化する核酸を任意選択で含む。1種以上のベクターが使われる場合、各ベクターは、同種あるいは異なる薬剤耐性またはその他の選択圧マーカーを持つことがある。薬剤耐性またはその他の選択圧マーカーの1つ以上が同じであれば、同時選択が薬剤のレベルを増加することによって達成できる。
適正なマーカーが当業者に知られていて、以下に限定されないが、ネオマイシン/G418、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、ゼオシン、メトトレキサートおよびブラストサイジンの内いずれかに抵抗性を与えるポリペプチド産物を含む。薬剤選択(または、その他の適切な選択マーカーを使用した選択)は本明細書に記載された細胞および株化細胞を産生する段階において必要とされないが、形質移入されたコンストラクトが薬剤耐性を与えるようにデザインされているという条件の下に、安定に形質移入された細胞のために形質移入された細胞集団を強化するのに使うことができる。対象とするタンパク質を発現する細胞を引き続き選択することが蛍光発生オリゴヌクレオチドを使用して達成される場合、形質移入に引き続いて選択を早過ぎると、一過性で不安定に形質移入されただけのいくつかの陽性細胞結果として生み出すことがある。しかしながら、この効果は、形質移入された細胞内で一過性発現を希釈させるために十分な細胞継代をさせることによって最小化することができる。
4.2 宿主細胞
本明細書に記載された方法に適した任意の宿主細胞を使って良い。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞はヒト細胞ではない。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、マウス、ラット、サル、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ニワトリ、カエル、寄生虫、昆虫(例えば、ハエ)または、雌ウシ由来の細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳類細胞、または真核細胞である。
特定の宿主細胞/CTR組み合わせの選択は、同定される細胞運命修飾因子に依存する。例えば、線維芽細胞由来の多能性幹細胞を誘発することができる修飾因子を同定したいのであれば、多能性幹細胞CTRプロモータに機能的に連結するレポーターのORFを含むレポーター核酸コンストラクトを含む線維芽細胞宿主細胞を、本明細書に記載された方法のために選択できる。
本発明は、細胞運命の修飾因子を同定およびまたは立証する方法(例えば、幹細胞維持、細胞特定、細胞決定、幹細胞運命の誘導、細胞分化、細胞脱分化および細胞分化転換)などの本明細書に記載された方法に使用する宿主細胞提供する。本発明はまたそのような宿主細胞を調製し単離する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する宿主細胞は、ヒト、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、雌ウシ、カエル、サルなどの哺乳類に移植できる。細胞を、細胞運命/細胞型特定において本明細書に記載する修飾因子の生物活性を評価する生体内アッセイために使用することができる。レポーターの活性を生体内で検出することができる。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載する新しい組織、器官、または動物もしくは生物体の全体を産生することに有用である。例えば、線維芽細胞の宿主細胞は、幹細胞を有するプロモータレポーター核酸コンストラクトを含むように設計され、線維芽細の胞宿主細胞は、線維芽細胞の宿主細胞由来のiPS細胞を産生する条件にさらす。引き続いて、iPS細胞を新しい分化細胞、新しい組織、新しい器官、または非ヒト生物体全体を産生する条件にさらす。宿主細胞は、体細胞からiPS細胞および異なる細胞型への宿主細胞の進行をモニタリングまたは検出するレポーター核酸コンストラクトの組み合わせを含んで良い。本発明はまた、iPS細胞に誘導される体細胞性宿主細胞などの宿主細胞から新しい組織、新しい器官、または非ヒト生物体全体を産生する方法に関する。任意の設計された細胞は、本明細書に記載するiPS細胞を産生する方法に使用して良い。
いくつかの特定の実施形態において、本発明はまたは本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクト(例えば、CTRプロモータと機能的に連結するレポーターをコード化するORFを含む核酸コンストラクト、および標的配列をコード化する核酸配列)を含む宿主細胞を提供する。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した宿主細胞は、それぞれが異なるレポーター遺伝子をコード化するORFを含む2個以上のレポーター核酸コンストラクトを含む。例えば、第1のレポーター核酸コンストラクトは、第1のCTRプロモータに機能的に連結する第1のレポーターをコード化する第1のORF、および第1のレポーターと同時転写される第1のTSRをコード化する核酸配列を含み、第2のレポーター核酸コンストラクトは、第2のCTRプロモータに機能的に連結する第2のレポーターをコード化する第2のORF、および第2のレポーターと同時転写される第2のTSRをコード化する核酸配列を含む。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載した3以上のレポーター核酸コンストラクトを含んで良い。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は2個以上の異なるレポーター核酸コンストラクトを含む。異なるレポーター核酸コンストラクトの各々は、同じレポーターをコード化するORFに機能的に連結する異なるCTRプロモータを含むことがある。いくつかの実施形態において、レポーター核酸コンストラクトの各々は、異なるレポーターをコード化するORFに機能的に連結する異なるCTRプロモータを含むことがある。例えば、宿主細胞は3個以上の異なるレポーター核酸コンストラクトを含み、ここで異なるレポーター核酸コンストラクトの各々は、Nanogプロモータ、Oct4プロモータ、およびc−mycプロモータなどの3個の異なるCTRプロモータの内の1個に機能的に連結する同レポーターのORFを含むことがある。CTRプロモータの複数グループも使って良く、ここで各グループは異なるレポーターを含む。例えば、宿主細胞は、転写的に第1のレポーターを制御するCTRプロモータの第1のグループ、および転写的に第2のレポーターを制御するCTRプロモータの第2のグループを含んで良い。宿主細胞は、第3または第4のレポーターそれぞれを発現する第3または第4のCTRプロモータのグループをそれぞれさらに含む。例えば、いくつかの特定の実施形態において、第1のグループのCTRプロモータは第1の細胞型に付随し、第2のグループのCTRプロモータは第2の細胞型に付随する。そのような系において、同じ細胞を、第1の細胞型(例えば、幹細胞)に達成するのに関わる化合物を同定するために、同様に第2の細胞型(例えば、筋細胞)に達成するのに関わる化合物を同定するために使って良い。
[00148]いくつかの特定の態様において、本発明は発現ライブラリを提供し、ここで異なる細胞のパネルが本明細書に記載された1個または複数のレポーター核酸コンストラクトを含むように設計される。そのような発現ライブラリ、宿主細胞を同定または選択するために有用であり、ここでCTRプロモータは活性化しているかまたは不活性である。いくつかの特定の実施形態において、発現ライブラリは、本明細書に記載された1個または複数のレポーター核酸コンストラクトを含む100を超す異なる細胞型を含む。いくつかの特定の実施形態において、発現ライブラリは、本明細書に記載された1個または複数のレポーター核酸コンストラクトを含む、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、75、80、90、100、125、150、175、200、250、300、400、500、600、700、800、900、または1.000の異なる細胞型を含む。いくつかの実施形態において、発現ライブラリは、本明細書に記載された1個または複数のレポーター核酸コンストラクトを含む少なくとも5−10、5−15、10−20、10−40、20−40、20−50、30−60、40−100、100−150、100−200、100−300、100−400、100−500、200−600、または500−1.000異なる細胞型を含む。
いくつかの特定の実施形態において、発現ライブラリの宿主細胞は、1個または複数のCTR因子を組換えで発現するように設計することができる。いくつかの特定の実施形態において、発現ライブラリの宿主細胞は、RNAである1個または複数のCTR因子を組換えで発現するように設計することができる。これらのRNAは宿主細胞に導入されるレポーター核酸コンストラクトによってコードできる。例えば、レポーター核酸コンストラクトのライブラリは、レポーター核酸コンストラクトが、(i)CTRプロモータに機能的に連結するレポーターORF、(ii)1個または複数のTSRをコード化する配列、および(iii)テストRNAをコード化するORFが含まれるように産生される。ライブラリの各レポーター核酸コンストラクトは、異なるテストRNAをコード化する。宿主細胞内のレポーターの活性が決定され、目的とするレポーター活性を有する宿主細胞に含まれるレポーター核酸コンストラクトによってコードされたテストRNAが同定される。いくつかの特定の実施形態において、テストRNA(単数または複数)が異なる核酸発現コンストラクトによってコード化される。
本明細書に記載された方法と共に使用可能な細胞は、真核細胞および株化細胞などの任意の適切な宿主細胞または株化細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は哺乳類の細胞または株化細胞である。適した宿主細胞を選択することは多様な因子に依存する。いくつかの特定の実施形態において、レポーター核酸コンストラクトのCTRプロモータは宿主細胞内で活性化していないことが望ましい。別の実施形態において、レポーター核酸コンストラクトのCTRプロモータは宿主細胞内で活性化していることが望ましい。
本明細書に記載された方法と共に使用可能な宿主細胞の非限定例として、ヒト胚性腎臓−293T細胞、ニューロン、確立されたニューロン系統、褐色細胞腫、神経芽細胞腫線維芽細胞、横紋筋肉腫、後根神経節細胞、NS0細胞、変動係数−1(アメリカ培養細胞系統保存機関(CC)CCL70)、COS−1((CC)CRL1650)、COS−7((ACC)CRL1651)、CHO−K1((CC)CCL61)、3T3((ACC)CCL92)、NIH/3T3((ACC)CRL1658)、HeLa((CC)CCL2)、C127I((ACC)CRL1616)、BS−C−1((ACC)CCL26)、MRC−5((ACC)CCL171)、L細胞、HEK−293((ACC)CRL1573)およびPC12((CC)CRL−1721)、HEK293T((ACC)CRL−11268)、RBL((ACC)CRL−1378)、SH−SY5Y((CC)CRL−2266)、MDCK((CC)CCL−34)、SJ−RH30((CC)CRL−2061)、HepG2((ACC)HB−8065)、ND7/23(ECACC92090903)、CHO(ECCC85050302)、ベロ((CC)CCL81)、Caco−2((ACC)HTB37)、K562((CC)CCL243)、Jurkt((ACC)TIB−152)、Per。C6(Crucell、Leiden、オランダ)、Huvec((ACC)ヒト一PCS100−010、マウスCRL2514、CRL2515、CRL2516)、HuH−7D12(ECACC01042712)、293((ACC)CRL10852)、549((ACC)CCL185)、IMR−90((CC)CCL186)、MCF−7(TCHTB−22)、U−2OS((ACC)HTB−96)、T84((ACC)CCL248)、または任意の確立された株化細胞(極性化したまたは非極性の)、または(ACC)(TCC、10801 University Blvd.Mnasss.Va.20110−2209アメリカ合衆国)あるいは細胞培養のヨーロッパ・コレクションの(ECCC、Salisbury Wiltshire SP4 0JG England)などの貯蔵所から入手可能な任意の株化細胞、を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載された方法に使用できる宿主細胞は、胚性幹細胞、癌幹細胞、前駆細胞、体細胞、筋細胞、ケラチノサイト、線維芽細胞、上皮性基底細胞、β細胞(膵臓)、肝細胞、骨格筋細胞、肝星細胞、心筋細胞、単球、網膜色素上皮細胞、またはドーパミン作動性ニューロンなどの幹細胞である。本明細書に使用されているように、幹細胞とは、分裂して同一の発生上の潜在力を有する細胞を生みだすかおよびまたはより制限された発生上の潜在力を持つ細胞を生じる任意の自己再生する細胞のことを呼ぶ。幹細胞は、以下に制限される訳ではないが、全能性、多能性、および多分化能の細胞を含む。幹細胞の非限定的な例として、ESCs、iPS細胞、癌幹細胞、および器官または組織特異的幹細胞(HSCs、神経細胞の幹細胞、眼幹細胞、および皮膚幹細胞など)を含む。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、体細胞核の移植(SCNT)(精子および卵を除く任意の体細胞の核を、本来の核を除去した卵に移植する技術である)によって設計された細胞である。卵は、現在ドナー体細胞と同一のDNAまたは遺伝子物質である。正確なシグナルの下、卵受精したかのように発生に誘導できるはずである。卵は、胚盤胞が形成されるまで分裂して2個の細胞に、次に4個の細胞、さらに8細胞などになる。胚性幹細胞が、胚盤胞から誘導できてドナー体細胞と遺伝的に同一の株化細胞を生成する。
本明細書に記載された方法に使うことにできる宿主細胞のその他の非限定の例は、以下を含む:表皮角化細胞(分化する表皮細胞)、上皮性基底細胞(幹細胞)、爪および足指爪のケラチノサイト、爪床基底細胞(幹細胞)、延髄の毛シャフト細胞、皮質性毛シャフト細胞、角質の毛シャフト細胞、角質の毛根外筒細胞、ハクスレー層の毛根外筒細胞、ヘンレ層毛根外筒細胞、外部毛根外筒細胞、毛マトリックス細胞(幹細胞)、表面上皮細胞の重層化する扁平上皮の角膜、舌、口腔、食道、肛門管、遠位尿道および腟、基底細胞(幹細胞)の上皮の角膜、舌、口腔、食道、肛門管、遠位尿道および腟、泌尿器の上皮細胞(内張り膀胱および尿管)、唾液腺粘膜の細胞(多糖類リッチ分泌)、唾液腺漿液の細胞(糖タンパク質酵素リッチ分泌)、舌内vonEbner腺細胞(味蕾を洗浄)、乳腺細胞(ミルク分泌)、涙腺細胞(涙分泌)、耳内耳道腺細胞(ワックス分泌)、エクリン汗腺暗細胞(糖タンパク質分泌)、エクリン汗腺明細胞(小分子分泌)、アポクリン汗腺細胞(芳香性分泌、性ホルモン感受性)、眼瞼内モール細胞腺(特定化汗腺)、皮脂腺細胞(脂質リッチ皮脂分泌)、鼻内ボウマン腺細胞 (嗅上皮を洗浄)、十二指腸内ブルンネル腺細胞 (酵素およびアルカリ性粘液)、精嚢細胞(水泳精子のための果糖含む精液成分を分泌、)、前立腺細胞(精液成分分泌)、尿道球腺細胞(粘液分泌)、バルトリン腺細胞(腟の潤滑剤分泌)、腺のリトレ細胞(粘液分泌)、子宮子宮内膜細胞(炭水化物分泌)、呼吸性および消化管の単離された杯状細胞(粘液分泌)、胃内張り粘膜の細胞(粘液分泌)、胃腺発酵性細胞(ペプシノーゲン分泌)、胃腺酸分泌の細胞(塩酸分泌)、膵腺房細胞(炭酸水素塩および消化酵素分泌)、パネート細胞の小腸(リゾチーム分泌)、肺のII型肺細胞(界面活性物質分泌)、肺のclra細胞、脳下垂体前葉細胞、成長ホルモン産生細胞、乳腺刺激ホルモン分泌細胞、甲状腺刺激ホルモン産生細胞、性腺刺激ホルモン産生細胞、副腎皮質刺激因子、中間下垂体細胞、分泌するメラニン細胞刺激ホルモン、巨大細胞の神経分泌の細胞(オキシトシン分泌および/またはバソプレッシン分泌)、腸および気道細胞(セロトニン分泌、エンドルフィン分泌、ソマトスタチン分泌、ガストリン分泌、セクレチン分泌、コレシストキニン分泌、インスリン分泌、グルカゴン分泌、および/またはボンベシン分泌)、甲状腺細胞、甲状腺上皮細胞、濾胞周縁細胞、副甲状腺細胞、副甲状腺主細胞、好酸性細胞、副腎細胞、クロム親和性細胞、副腎分泌するステロイドホルモン(ミネラルコルチコイドおよびグルココルチコイド)、テストステロンを分泌するライディッヒ細胞の精巣、エストロゲン分泌卵胞膜内細胞、黄体細胞のプロゲステロン分泌破裂卵胞(顆粒膜黄体細胞、および卵胞膜黄体細胞)、傍糸球体細胞(レニン分泌)、密集斑細胞の腎臓、腎臓極周囲細胞、腎臓メサンギウム細胞、肝細胞(肝細胞)、白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞、肝臓脂質細胞、腎糸球体壁細胞、腎糸球体有足細胞、腎臓腎近位尿細管刷子縁細胞、ヘンレ係蹄薄セグメント細胞のループ、腎臓遠位尿細管細胞、集合管細胞、I型肺細胞(肺内張空気スペース)、膵管細胞(腺房中心細胞)、平滑筋管細胞(汗腺、唾液腺、乳腺、などの)など主細胞および間在細胞、管細胞(精嚢、前立腺、などの)、腸の刷子縁細胞(微絨毛を有する)、外分泌腺線条体管細胞、胆汁膀胱上皮細胞、非線毛性細胞輸出管、精巣上体の主細胞、精巣上体の基底細胞、血管およびリンパ性血管内皮の有窓細胞、血管およびリンパ性血管内皮の連続的細胞、血管およびリンパ性血管内皮の脾細胞、滑膜の細胞(関節腔内張り、ヒアルロン酸分泌)、漿膜の細胞(腹膜の、胸膜の、および囲心腔の内張り)、扁平細胞(耳の外リンパ腔内張り)、扁平細胞(耳腔リンパ管内張り)、リンパ嚢内の微絨毛付き円柱状細胞 (耳腔リンパ管内張り)、リンパ嚢内の微絨毛無し円柱状細胞(耳腔内リンパ管内張り)、暗細胞(耳腔内リンパ管内張り)、前庭階壁細胞(耳腔内リンパ管内張り)、血管条基底細胞(耳腔内リンパ管内張り)、血管条辺縁性細胞(耳腔内リンパ管内張り)、クラウディウス細胞 (耳腔内リンパ管内張り)、細胞Boettcher細胞(耳腔内リンパ管内張り)、脈絡叢細胞(脳脊髄液分泌)、軟くも膜扁平細胞、眼の色素性毛様体の上皮細胞、眼の非着色毛様体の上皮細胞、角膜の血管内皮細胞、気道繊毛細胞、卵管繊毛細胞(雌性)、子宮の子宮内膜の繊毛細胞(雌性)、精巣網繊毛細胞(雄性)、精巣輸出管繊毛細胞(雄性)、中枢神経系の繊毛性上衣細胞(脳腔内張り)、エナメル芽細胞上皮細胞(歯エナメル分泌)、耳前庭器半月面上皮細胞(プロテオグリカン分泌)、コルチ器官歯間上皮細胞(有毛細胞カバー蓋膜分泌)、疎性結合組織線維芽細胞、角膜線維芽細胞(角膜の角膜実質細胞)、腱線維芽細胞、骨髄網状組織線維芽細胞、その他の非上皮性線維芽細胞、周皮細胞、核随性細胞の椎間板、セメント芽細胞/セメント細胞(歯根骨類似セメント質分泌)、象牙芽細胞/象牙細胞(歯象牙質分泌)、硝子軟骨軟骨細胞、線維軟骨軟骨細胞、弾性軟骨軟骨細胞、骨芽細胞/骨細胞、骨細胞前駆細胞(骨芽細胞の幹細胞)、眼の硝子体の硝子体細胞、耳外部外リンパ星状細胞、肝星細胞(Ito細胞)、膵臓の星状細胞、骨格筋細胞(赤色骨格筋細胞(緩徐)、白色骨格筋細胞(急速)、中間骨格筋細胞、筋紡錘の核バッグ細胞、および筋紡錘の核鎖細胞など)、衛星細胞(幹細胞)、心筋細胞(通常の心筋細胞、結節性心筋細胞、およびプルキンエ線維細胞など)、平滑筋細胞(多様な型)、虹彩の筋上皮細胞、外分泌腺の筋上皮細胞、赤血球(赤血球)、巨核球(血小板前駆物質)、単球、結合組織マクロファージ(多様な型)、上皮性ランゲルハンス細胞、破骨細胞(骨内)、樹状細胞(リンパ組織内)、ミクログリアの細胞(中枢神経系内)、好中球顆粒球、好酸球顆粒球、好塩基球顆粒球、マスト細胞、ヘルパーT細胞、抑制因子T細胞、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、網状赤血球、幹細胞および血液および免疫系の関連前駆体(多様な型)、聴覚性外有毛細胞のコルチ器官、嗅上皮の基底細胞(臭覚細胞の幹細胞)、冷感受性一次感覚神経、感熱性一次感覚神経、メルケル細胞の表皮(タッチセンサー)、嗅覚受容神経、疼痛−感受性一次感覚神経(多様な型)、眼内網膜光受容器細胞(光受容器桿体細胞、眼の光受容器青色感受性錐体細胞、眼の光受容器緑色感受性錐体細胞、光受容器赤色−感受性錐体細胞など)、固有受容性一次感覚神経(多様な型)、タッチ−感受性一次感覚神経(多様な型)、I型頚動脈小体細胞(血液pHセンサー)、II型頚動脈小体細胞(血液pHセンサー)、耳前庭器のI型有毛細胞 (加速および重力)、耳前庭器のII型有毛細胞(加速および重力)、I型味蕾細胞、コリン作動性神経系細胞(多様な型)、アドレナリン作動性神経系細胞(多様な型)、ペプチド作動性神経系細胞(多様な型)、コルチ器官の内側中心存在細胞、コルチ器官の外側中心存在細胞、コルチ器官の内側指骨の細胞、コルチ器官の外側指骨の細胞、コルチ器官の境界細胞、Cortim前庭器支持細胞器官のヘンゼン細胞、I型味蕾支持細胞、嗅上皮支持細胞、シュワン細胞、衛星細胞(末梢神経細胞体封入)、腸内グリア細胞、アストロサイト(多様な型)、ニューロン細胞(大多様性の型、未だ不十分に分類されている)、オリゴデンドロサイト、紡錘ニューロン、前側レンズ上皮細胞、クリスタリン含有レンズ線維細胞、メラニン形成細胞、網膜色素上皮細胞、卵原細胞/卵母細胞、精細胞、精母細胞、精原細胞細胞(精母細胞のための幹細胞)、精子、卵胞細胞、セルトリ細胞(精巣内)、胸腺上皮細胞、および間質性腎細胞。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は本明細書に記載のレポーター核酸コンストラクト(例えば、レポーターをコード化するORFレポーター核酸コンストラクト)を含む線維芽細胞であり、ORFは、CTRプロモータおよび1つまたは複数の標的配列をコード化する塩基配列に機能的に連結し、CTRプロモータはOct4、Sox2、Klf4、c−myc、LIN28、Nanog、SSEA−3、またはSSE−4のプロモータ領域を含む。そのような宿主細胞は、誘発した多能性幹細胞の修飾因子を同定およびまたは立証する方法に有用である。
いくつかの実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載のレポーター核酸コンストラクトを含む幹細胞(例えば、ESCs)であり、核酸コンストラクトのCTRプロモータはOct4、Sox2、Klf4、c−myc、LIN28、Nanog、SSE−3、またはSSE−4のプロモータ領域を含む。そのような宿主細胞は、自己再生、成長、およびまたは増殖などの幹細胞維持ための修飾因子を同定およびまたは立証する方法に有用である。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載のレポーター核酸コンストラクトを含む幹細胞であり、核酸コンストラクトのCTRプロモータは分化マーカープロモータ(例えば、細胞型特異的プロモータまたは細胞型付随遺伝子)領域を含む。そのような宿主細胞は、細胞分化の修飾因子を同定およびまたは立証する方法に有用である。例えば、宿主細胞が幹細胞であり、CTRプロモータが分化マーカーのプロモータである場合、レポーターの基礎の発現レベルは、低いかまたは検出不可能であり、分化の陽性修飾因子は、陽性修飾因子の非存在下での宿主細胞内の発現に関してレポーターの発現を増加または誘発することができる。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む分化した細胞であり、核酸コンストラクトのCTRプロモータは、分化マーカーのプロモータ領域を含む。他の実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む分化した細胞であり、CTRプロモータは幹細胞マーカーのプロモータである。そのような宿主細胞は脱分化に関する方法において有用である。
第1の細胞型から第2の細胞型への細胞分化転換に関連する特定の態様において、宿主細胞は本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む第1の細胞型の分化細胞であり、レポーター核酸コンストラクトのCTRプロモータは特定の第2の細胞型(例えば、皮膚細胞、筋細胞、線維芽細胞、または膵臓のβ細胞)の分化マーカーである遺伝子のプロモータ領域を含む。例えば、宿主細胞が分化した皮膚細胞でありCTRプロモータがニューロンの分化マーカーのプロモータである場合、レポーターの基礎の発現レベルは、宿主分化皮膚細胞内で低い、また分化転換の陽性修飾因子は、分化転換陽性修飾因子の非存在下での宿主細胞内の発現と比較してレポーターの発現を増加または誘発させる。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、1個または複数のCTR因子を発現するように設計され、このCTR因子は、幹細胞維持(例えば、自己再生、増殖および/または増殖)、細胞分化、細胞脱分化、または細胞分化転換のための宿主細胞内の細胞状況を提供する。宿主細胞はto1個または複数のCTR因子を発現するように設計される、このCTR因子は、多能性幹細胞を誘発するための宿主細胞内の細胞状況を提供する。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は一次細胞である。他の実施形態において、宿主細胞は株化細胞である。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は一過性にレポーター核酸コンストラクトを形質移入される。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞はレポーター核酸コンストラクトを含む安定な細胞である。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含み、ここでこのレポーター核酸コンストラクトは宿主細胞のゲノムに安定に組み込まれている。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は対象とするRNAまたはタンパク質(例えば、レポーターまたはCTR因子)を安定に発現する。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した宿主細胞または株化細胞、例えば、RNAまたはタンパク質などのレポーター核酸コンストラクトおよび任意選択で1個または複数のCTR因子を含む宿主細胞は、淘汰圧の有る無しに関わらず3ヶ月またはそれ以上の月の間30%未満の変動という安定さである。
当業者で認識されているように、選択された宿主細胞と共に使用するのに適した任意のベクターおよび方法を対象とする核酸コンストラクトを細胞に導入するために使用して良い。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した核酸コンストラクトリポソームの方法(Oligのectamine(トレードマーク)、Tfx(トレードマーク)regents、DOTAP/DOPE、Metafectene(登録商標)、Fecturi、Lipopfectamine(トレードマーク)、Lipofectamine(トレードマーク)2000およびFuGENE(登録商標)6など)によって細胞に導入して良い。
本明細書に記載した望ましい性質を持つ宿主細胞を、選択することができる。検出可能な望ましい性質を選択して良い。当業者はそのような特徴に気がついている。非限定の例によると、そのような性質は以下を含む:脆弱性、固形表面への形態および粘着性、トリプシンまたは細胞解離試薬による単一の分散、自動化した培養条件への適応性、血清添加条件での性能、無血清条件での性能、無血清懸濁液条件への転換性、凝集塊、継代に続く単分散の細胞層形成性向、弾性、異なる力の液体添加の下でのグロースチャンバ表面への付着性性向、非断片核、細胞内無空胞、微生物の非コンタミネーション、無マイコプラズマ、ウイルス性の非コンタミネーション、クローン性、ウエル内の細胞の目視による物理的特質の一貫性、室温以下、以上での増殖性、様々な時間での様々な温度の許容性、プラスミド/オリゴヌクレオチド/蛍光発生オリゴヌクレオチド/ペプチド類/タンパク質/化合物の均等取り込みの細胞性向、OMSO/エタノール/メタノール有機溶剤/洗剤を使用したインキュベーションへの細胞許容性、継続したUPR誘導に対する細胞抵抗性、OTTへの曝露に対する細胞抵抗性、ウイルス性/レンチウイルスの/コスミドベクターへの細胞の感染度、望ましいRNA(s)/タンパク質(s)の内在性発現性と非発現性、染色体数、染色体異常、ph5/6/7/8/9での増殖許容度、紫外/突然変異原/照射に対する耐性、改変した/マニュアル/スケールアップ増殖条件(即ち、反応器を含む)下での特徴保持能力。
4.2.1. CTR因子
本発明は、細胞運命/細胞型特定の修飾因子を同定および/または立証する方法に使用する本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞を提供する。特定の態様において、付加的なCTR因子が、細胞運命/細胞型仕様(例えば、幹細胞維持および増殖、細胞分化、分化転換、または脱分化)を調節するその他の因子または薬剤と協調することがある。いくつかの特定の実施形態において、CTR因子が欠乏した細胞(例えば、内因的に発現しない細胞)は、特定の条件または化合物に応じて細胞型を維持または変化させることができない。CTR因子の特定の組み合わせが、細胞運命/細胞型の仕様を化合物によって調節できる細胞状況を提供することがある。例えば、特定の宿主細胞は、その宿主細胞を化合物と接触させても効果がないような1個または複数のCTR因子を内因的に発現することがない、および宿主細胞を化合物と接触させると、CTRプロモータ活性増進またはレポーター発現の誘導、幹細胞維持の促進、または細胞分化の促進、脱分化または分化転換などの効果があるような細胞状況を提供する1個または複数のCTR因子を組換えで発現する宿主細胞の設計。いくつかの特定の実施形態、宿主細胞は、内因的にいくつかのCTR因子を発現するが、化合物と望ましい効果ための十分な量または組み合わせのCTR因子を達成することはない。
本明細書に記載したCTR因子は、細胞運命/細胞型仕様を調節できるポリペプチドまたはポリヌクレオチド(例えば、DNまたはRNA)であって良い。いくつかの特定の実施形態において、CTR因子は、細胞型を維持または変化させるために重要なRNAである。そのようなRNA非限定の例は、タンパク質をコード化するメッセンジャーRNA;アンチセンスRNA;低分子干渉RNA(siRNA);miRNA;構造RNA;細胞のRNA(例えば、リボソームRNA、tRNA、hnRNA、およびsnRNA);ランダムRNA;cDNAまたはESTに対応するRNA;または多様な巨大分子の複合体に取り込まれるRNA;リボザイムであるRNA;ウイルス性または外来性RNAに対応するRNA、リンカーRNA、1個または複数のRNAをリンクする配列;または上述の機能または活性を持ち合わせていないが、にも関わらず細胞によって発現することがあるRNAを含む。
いくつかの実施形態において、CTR因子は小分子である。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞内でCTR因子は内因的に発現しない。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞内でCTR因子は外因的にまたは組換えで発現する。いくつかの特定の実施形態において、ポリペプチドであるCTR因子は可溶性(例えば、分泌されたもの)であり、細胞膜結合、または細胞内ポリペプチドである。いくつかの特定の実施形態において、ポリペプチドであるCTR因子はヒトCTR因子またはマウスのCTR因子である。例えば、宿主細胞から分泌したCTR因子は同じ培養内の細胞上で活性を有することがある
従って、本発明は、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクト、および1個または複数のCTR因子をコード化する組換え型核酸コンストラクトを含む宿主細胞を提供する。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクト含む宿主細胞が、それぞれが異なるCTR因子コード化する2個以上の核酸コンストラクトをさらに含む。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクト含む宿主細胞が、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれより大きいCTR因子をコード化する組換え型核酸コンストラクトをさらに含む。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、1個または複数のこれらのCTR因子発現をするように選択される。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクを含む宿主細胞が、1個または複数のCTR因子を組換えで発現する。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクを含む宿主細胞が、1個または複数のCTR因子を内因的に発現する。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクを含む宿主細胞が、1個または複数のCTR因子を内因的に発現しない。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞が1個または複数のCTR因子を発現するように設計されているレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞を本明細書に提供する。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、宿主細胞から対象とする特定の細胞型への仕様、決定、分化にための1個または複数のCTR因子約10%、20%、25%、30%、33%、40%、50%、60%、66%、70%、75%、80%、90%、95%、98%、99%、または100%を組換えで発現するように設計されている。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、宿主細胞から対象とする特定の細胞型への仕様、決定、分化のために約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれより大の数の個数のCTR因子を組換えで発現するように設計されている。特に、宿主細胞は、レポーター核酸コンストラクトに含まれている1個または複数の宿主細胞を活性化するのに十分なCTR因子約10%、20%、25%、30%、33%、40%、50%、60%、66%、70%、75%、80%、90%、95%、98%、99%、または100%を発現するように設計されている。特に、宿主細胞は、レポーター核酸コンストラクトに含まれている1個または複数のCTRプロモータを活性化するのに十分な約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれより大きい数の個数のCTR因子を発現するように設計されている。細胞を、遺伝子活性化(例えば、国際出願WO94/012650号を参照されたい)または遺伝子導入技術などの当業者に知られた任意の技術によってCTR因子を発現するように設計することができる。
いくつかの実施形態において、CTR因子は幹細胞維持または増殖、細胞分化、細胞脱分化、または細胞分化転換に関わっている。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞によって組換えで発現したCTR因子の組み合わせは、幹細胞維持または増殖、細胞分化、細胞脱分化、または細胞分化転換に関わる。
いくつかの特定の実施形態において、CTR因子が他の因子または修飾因子と協調してCTRプロモータの活性を誘発または増強する。いくつかの特定の実施形態において、CTR因子は転写制御に関わる。1つの実施形態において、CTR因子は遺伝子の転写を誘発または増加させることに関わる。別の実施形態において、CTR因子は遺伝子の転写を抑制または減少させることに関わる。
いくつかの特定の実施形態において、CTR因子はメチル化、アセチル化または脱アセチル(例えば、ヒストンアセチル化または脱アセチル。)に関わる。いくつかの特定の実施形態において、CTR因子はRNA安定性に関わる。
誘発された多能性幹細胞の修飾因子関連するいくつかの特定の実施形態において、CTR因子は、限定される訳ではないが、Oct4、Sox2、Klf4、c−myc、LIN28、およびNnogを含む。
毛包(隆起)幹細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は限定される訳ではないが、NFTc1、Sox9、TCF3、およびLhx2を含む。
上皮性基底細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は限定される訳ではないが、c−rel、RelA、Delt1、および縞を含む。
上皮性基底細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は限定される訳ではないが、Bmi−1、Tcf−4、およびβ―カテニンを含む。
皮膚組織細胞の修飾因子に関連するいくつかの特定の実施形態において、CTR因子は、下記に限定される訳ではないが、NFTc1、SOX9、TCF3、LHX2、CD200、K15、ID2、DKK3、WIF1、FZD1、FZD2、PHLD1、FOLLISTATIN、DIO2、LCE2B、SPRV1、DEFB4、PI3、RNSE7、K19、ITGB1、REL、RELA、DLL1、BMI1、TCF4、CTNNB1、MC1R、SLC45A2、およびSLC245を含む。
β細胞(膵臓)修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、Mnx1、Pdx1、Nkx6−1、Nkx2−2、Mafb、Mafa、およびSlc2a2を含む。
肝細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、Prox1、Rex3、WT1、C/EBPαあるいはβ、HNF−1、およびHNF−4を含む。
骨格筋細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、MyoD、Myf5、ミオゲニン、Mrf4、Mef2、およびMURCを含む。
肝星細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、Foxl1、PPRgmm、およびEgr−1を含む。
筋幹細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、MyoD、Pax7、Runx2、およびMyf5を含む。
心筋細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、Nkx2。5、MEF2C、GATA4、CTN2、DBR1、FP、LK3、ALK6、NKRD1、TF2、BMPR2、CKM、CMYA、COL31、CSRP3、CVD1、CXCL14、DCN、ジエチルスチルベストロール、DNM3、FGB、GATA4、GATA4、HSBP7、ISL1、KCNG2、KCNIP2、KCNJ2、KCNJ5、LDB3、LUM、MEF2C、MGP、MLC2v、MYBPC3、MYH6、MYH7、MYL3、MYL7、MYLK3、MYOCD、MYOM1、MYOZ2、NPPA、NPPB、PLN、RYR2、SLC43、SMD1、SMD5、SMD8、SMPX、SYNPO2L、TAK1、TBX5、TBX5、TNNI1、TNNI3K、およびTNNT2を含む。
単球の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、PU。1、C/EBPalpha、ML1、RARalpha、MZF−1、Hox、およびSTATを含む。
網膜色素上皮細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、小眼球症およびELF3を含む。
眼由来の細胞の修飾因子に関連するいくつかの特定の実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、RPE65、BC4、COL11A1、GNT2、RHO、GNB3、GNAT1、GNGT1、PDE6、PDE6B、PDE6G、CNGA1、CNGB1、RCVN、選択的増幅遺伝子、GUCA1A、SLC241、NRG4、BC4、PRPH2、ROM1、RDH5、トランスサイレチン、BEST1、CTSD、CST3、HMCN1、RD3、EFEMP1、LMS1、CNGA3、CNNM4、MERTK、RR3、PDE6H、CPLX4、OP1、MPP4、NRL、CLUL1、RDH12、RBP3、PDC、CRX、IMPG1、RAX、RTBDN、RP1、CRBP1、RLBP1、RS1、STRA13、PROM1、LRT、TULP1、GUCY2D、VSX1、RGS16、NR2E3、GUCY2F、OC2、RGR、RDH11、FSCN2、POU6F2、SLC17、SLC24A1、ZNF385、SDR16C5、HSD17B14、DHRS7、SLC24A2、PITPNC1、ALDH11、LDH12、およびALDH13を含む。
間葉幹細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、ETV1、ETV5、FOXP1、GATA6、HMGA2、SIM2、およびSOX11を含む。
神経幹細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、PLZF、PLGL1、Dach1、Foxg1、およびNR2F1を含む。
ドパミン作動性ニューロンの修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、Otx2、Lmx1a、Ngn2、Fox2、Pitx3、エングレイルド、およびNurr1を含む。
造血幹細胞の修飾因子に関連するいくつかの実施形態において、CTR因子は下記に限定される訳ではないが、Evi1、GATA−2、EGR1、およびGfi−1を含む。
眼特異的プロモータの調節に関連するいくつかの実施形態において、Lhx2およびPx6は、Six6のプロモータ(NP_031400)と結合するCTR因子である(例えば、Tetreaultetal.、Dev.Biol.,2009,327(2):541−50を参照されたい)。
皮膚幹細胞(隆起細胞)の調節に関連するいくつかの実施形態において、NFATc1は、CDK4プロモータ(NM_000075)を抑制するCTR因子である。
皮膚幹細胞(隆起細胞)の調節に関連するいくつかの特定の実施形態において、Sox9はMITFプロモータ(小眼球症付随転写制御因子アイソフォー2NP_937820)を活性化するCTR因子である。皮膚幹細胞(隆起細胞)の調節に関連するいくつかの特定の実施形態において、TCF3は、CDKN1Aプロモータ(NP_000380)を活性化するCTR因子である。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載した方法に望ましい細胞状況を提供する。CTR因子、またはその断片あるいは誘導体などの任意の組み合わせを組換えで発現するように設計されている。
当業者は、本明細書に記載した方法に使用するのに適切なCTR因子の組み合わせを決定することができるだろう。例えば、宿主細胞には1個のCTR因子またはCTR因子の異なる組み合わせが導入され、また望ましい性質または細胞状況(例えば、細胞型特異的マーカーの発現、CTRプロモータの活性、および/または形態。)のためにアッセイされる。いくつかの特定の実施形態において、1個のCTR因子、またはCTR因子の2、3、4個の組み合わせを宿主細胞に導入によって、望ましい性質または細胞状況が達成する。いくつかの特定の実施形態において、CTR因子をスクリーニングする方法は、(i)宿主細胞に、2個または3個の異なる組み合わせのCTR因子を導入するステップと、および(ii)1個または複数の望ましい性質または細胞状況決定するステップとを含む。
核酸を細胞に導入する技術は、良く知られており、当業者によって容易に理解される。この方法は、以下に限定される訳ではないが形質移入、ウイルス性送達、タンパク質またはペプチド介在挿入、共沈方法、脂質ベース送達試薬(リポフェクション)、サイトフェクション、リポポリアミン送達、デンドリマー送達試薬、電気穿孔法または機械的送達)を含む。
1個または複数のCTR因子をコード化する核酸を宿主細胞に導入するために使うことの出来るベクターの例として、以下に限定される訳ではないがプラスミド、およびレトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、コスミド、および人工染色体を含むウイルスが含まれる。プラスミドの非限定的例は、上記されている。1個または複数のCTR因子をコード化する単離された核酸コンストラクトは、蛍光発生オリゴヌクレオチドと相補的な標的配列RNAをコード化する核酸配列を含む。そのような標的配列は、組換えでCTR因子を発現する宿主細胞の選択するために使用することができる。
本明細書に記載した1個または複数のCTR因子を組換えで発現する宿主細胞および株化細胞は、従来の方法で作成した細胞および株化細胞と比較すると強化された性質を持つことがある。例えば、本明細書に記載した細胞および株化細胞は、1個または複数のCTR因子の発現の強化された安定度および/またはレベルを持つ(選択圧が存在しない培養で維持された場合でも、例えば、抗生物質およびその他の薬剤を含む)。さらにその他の実施形態において、本明細書に記載した1個または複数のCTR因子を組換えで発現する宿主細胞および株化細胞は、より従来の方法で設計された細胞と比較すると生理的に関連があるタンパク質活性が発現する条件で増進する。これらの性質が、本明細書に記載した1個または複数のCTR因子を組換えで発現する宿主細胞および株化細胞の能力を増強および改善して、アッセイにおいて、細胞治療、タンパク質産生、またはその他の用途ために修飾因子を同定し、および同定した修飾因子の機能的特質を増進させるかどうかなど、どのような使用にも利用できる。
[00198]さまざまな実施形態において、記載した宿主細胞または株化細胞は対象とする核酸コンストラクトを含むか、または対象とする機能的CTR因子RNAあるいはタンパク質を発現する。すなわち、細胞は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200日間または200日間より以上の増殖日数後安定して機能的である、ここで安定した発現または安定した機能的とは以下の発現量を超す変化がないことを指す:2日から4日間の連続的細胞培養ついて、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%;5日から15日間の連続的細胞培養について、1%、2%、4%、6%、8%、10%または12%;16日から20日間の連続的細胞培養について、1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%または20%;21日から30日間の連続的細胞培養について、1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%;30日から40日間の連続的細胞培養について、1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%;41日から45日間の連続的細胞培養について、1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%;45日から50日間の連続的細胞培養について、1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%;45日から50日間の連続的細胞培養について、1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%または35%;50日から55日間の連続的細胞培養について、1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%または30%または35%;50日から55日間の連続的細胞培養について、1%、2%、4%、6%、8%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、28%、30%または35%;55日から75日間の連続的細胞培養について、1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%または40%;75日から100日間の連続的細胞培養について、1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%;101日から125日間の連続的細胞培養について、1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%;126日から150日間の連続的細胞培養について、1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%;151日から175日間の連続的細胞培養について、1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%;176日から200日間の連続的細胞培養について、1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%;200日を超す連続的細胞培養について、1%、2%、3%、4%、5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%。
4.2.2. 細胞を産生する方法
特定の態様において、本発明は、1個または複数のレポーター核酸コンストラクトを含む本明細書に記載した細胞を産生する方法に関する。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞を産生する方法は,:(a)細胞に、(i)ORFが機能的にCTRプロモータ連結するレポーターをコード化するORF、および(ii)1個または複数のTSRをコード化する塩基配列、を含むレポーター核酸コンストラクトを導入するステップと;(b)細胞に、TSRに相補的な蛍光発生オリゴヌクレオチド導入するステップと;および(c)TSRを転写する細胞を選択するステップとを含む。特定の態様において、そのような方法は、細胞に2個または複数のレポーター核酸コンストラクトを導入することを含む、ここで各レポーター核酸コンストラクトは異なるレポーターをコード化する異なるORFを含み、各ORFは機能的に異なるCTRプロモータと連結する。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞を産生する方法は、:(a)細胞に、(i)ORFが機能的にCTRプロモータ連結するレポーターをコード化するORF、および(ii)TSR1、TSR2、およびTSR3(ここで、TSR3はレポーターと同時転写される)をコード化する塩基配列、を含むレポーター核酸コンストラクトを導入するステップと、;(b)細胞に、TSR1、TSR2、およびTSR3に相補的な蛍光発生オリゴヌクレオチド導入するステップと、;および(c)TSR1およびTSR2を転写し、かつ上記の背景レベル以上にTSR3を転写しない細胞を選択するステップと、を含む。特定の態様において、TSR1およびTSR2の転写が、CTRプロモータとは異なる恒常的なプロモータによって駆動しかつレポーターORFおよびCTRプロモータに隣接する。
TSR1およびTSR2を転写し、かつ上記の背景レベルより上にTSR3を転写しない細胞は、レポーター核酸コンストラクトを含むべきであり、CTRプロモータは背景レベルより上に活性化しない、なぜならTSR3は、CTRプロモータの制御の下でレポーターと同時転写され、またTSR1およびTSR2は異なるプロモータによって転写されるからである。任意の特定の理論に縛られることなしに、そのような特徴をもった宿主細胞は、CTRプロモータを活性化でき、かつCTRプロモータの活性を誘発しまたは増加させるように宿主細胞の細胞状況を調節できる修飾因子を同定および/または立証する方法に有用である。従来の方法による細胞よりも低基礎のCTRプロモータ活性を持つ細胞を使用すると、陽性修飾因子を同定および/または立証するための高感度アッセイを可能にし、ならびに維持、細胞仕様、細胞決定、幹細胞運命誘導、細胞分化、細胞脱分化、および細胞分化転換などの細胞運命の修飾因子を同定および/または立証するための望ましい細胞状況/条件の選択を可能にする。
特定の態様において、レポーター核酸コンストラクトは、のCTRプロモータは、Oct4プロモータ、Sox2プロモータ、Klf4プロモータ、c−mycプロモータ、LIN28プロモータ、Nanogプロモータ、SSEA−3プロモータ、SSEA−4プロモータ、または当業者に知られた任意の幹細胞プロモータなどの幹細胞プロモータである。幹細胞プロモータなどのCTRプロモータの非限定の例は、セクション4.1.2.に記載されている。いくつかの特定の実施形態において、レポーター核酸コンストラクトのCTRプロモータは分化マーカープロモータである。例えば、宿主細胞は、幹細胞または癌幹細胞であって良く、その分化マーカープロモータは背景レベルより上に活性化しない、また宿主細胞内で分化マーカープロモータの活性を誘発しまたは増加させることのできる宿主細胞は条件および/または化合物に曝露される。そのような条件および/または化合物は、幹細胞または癌幹細胞の分化の修飾因子であるはずである。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞を産生する方法は、:(a)細胞に、(i)、ORFが機能的にCTRプロモータ連結するレポーターをコード化するORF、および(ii)TSR1、TSR2、およびTSR3(ここで、TSR3はレポーターと同時転写される)をコード化する塩基配列、を含むレポーター核酸コンストラクトを導入するステップと、;(b)細胞に、TSR1、TSR2、およびTSR3に相補的な蛍光発生オリゴヌクレオチド導入するステップと、;および(c)TSR1、TSR2、およびTSR3を転写しない細胞を選択ステップと、を含む。特定の態様において、TSR1およびTSR2の転写が、レポートおよびTSR3の転写を駆動するCTRプロモータとは異なる恒常的なプロモータによって駆動される。TSR3を転写する宿主細胞は、そのような細胞状況の下で活性化しているCTRプロモータを持ち、宿主細胞は、CTRプロモータ活性または細胞運命の修飾因子を抑制または減少させる修飾因子を同定および/または立証するに有用であることがある。
さらなる実施形態において、本明細書に記載した宿主細胞を産生する方法は、セクション4.2.1.に記載したものなどのCTR因子をコード化する1個または複数の宿主細胞組換え型核酸に導入するステップをさらに含む。特定の理論に縛られることなく、宿主細胞による1個または複数のCTR因子の組換え型発現は、化合物がCTRプロモータの活性を調節、または細胞運命/細胞型仕様を調節するために必要なことがある。例えば、宿主細胞は、化合物がCTRプロモータの活性を調節、または細胞運命/細胞型仕様を調節するために必要なCTR因子の発現を欠いても良く、従って、そのようなCTR因子またはそのようなCTR因子をコード化する核酸コンストラクトを宿主細胞に導入することにより化合物の効果を検出できる。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞内の1個または複数のCTR因子の発現は遺伝子活性化によって達成することができる。
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した宿主細胞を産生する方法は、宿主細胞を、維持、細胞特定、細胞決定、誘導の幹細胞運命、細胞分化、細胞脱分化、および細胞分化転換などのCTRプロモータ活性または細胞運命などを調節ための適切な条件を提供する1個または複数のCTR因子に曝露させるステップを更に含む。。
核酸(例えば、CTR因子をコード化するレポーター核酸コンストラクトおよび組換え型核酸コンストラクト)を細胞に導入する技術は当業者に知られていて容易に理解される。この方法は、以下に限定される訳ではないが、形質移入、ウイルス性送達、タンパク質またはペプチド介在挿入、共沈方法、脂質ベース送達試薬(リポフェクション)、サイトフェクション、リポポリアミン送達、デンドリマー送達分娩試薬、電気穿孔法または機械的送達分娩を含む。ウイルス性送達系の例として、限定される訳ではないが、レトロウイルス、レンチウイルス、およびアデノウイルスがある。いくつかの特定の実施形態において、遺伝子活性化を宿主細胞内の1個または複数のCTR因子の発現のために使うことができる。
本明細書に記載した宿主細胞および株化細胞を産生するために、
例えば、米国特許6.692.965号および国際出願W0/2005/079462号に記載された技術を使うことができる。これら両方の文書を参照によりその全体を本明細書に組み入れる。この技術は、百万の細胞(即ち、任意の望まれるクローン(数百から数千のクローン))の実時間試験を提供する。フロー細胞数測定の細胞ソーティング(例えば、FACS(蛍光標示式細胞分取器)を使用)、または磁気細胞分離(例えば、MACS(磁気細胞分離装置)を使用) などの細胞ソーティング技術を使って、1ウエルに付き1個の細胞を、高い統計的信頼性を持って自動的に培養血管(ウエル培養プレートなど)に沈着物させる。技術の速度と自動化によって多重遺伝子組換え型株化細胞が容易に単離できる。
4.2.3 細胞培養条件
本明細書に記載した方法によると、宿主細胞が望ましい培養条件のセットの下で培養される。いくつかの特定の実施形態において、細胞培養条件は、宿主細胞内でCTRプロモータが活性化するのに適している。その他の実施形態において、細胞培養条件は、宿主細胞内でCTRプロモータが不活性化するのに適している。いくつかの実施形態において、細胞培養条件は、宿主細胞内のCTRプロモータの活性化を調節(例えば、誘発/増加または抑制/減少)するのに適している。
いくつかの特定の実施形態において、幹細胞などの宿主細胞は、幹細胞維持細胞培養条件にさらされる。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、筋細胞分化細胞培養条件などの細胞分化細胞培養条件にさらされる。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は細胞脱分化培養条件にさらされる。いくつかの実施形態において、線維芽細胞などの宿主細胞は多能性幹細胞を誘発するのに適した細胞培養にさらされる。他の実施形態において、宿主細胞は細胞分化転換培養条件にさらされる。
条件は任意の望ましい条件で良い。当業者は、どのようなパラメータが培養条件のセット内に含まれるか理解しているだろう。例えば、培養条件は、以下に限定される訳ではないが、:培地(基礎培地(ダルベッコ変法イーグル培地、基礎培地、RPMI、無血清、血清付き、十分に化学的に定義されたもの、無動物由来成分)、モノおよび二価イオン(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)濃度、付加的成分を付加されたもの(アミノ酸、抗生物質、グルタミン、グルコースまたは他の炭素源、HEPES、チャネル遮断薬、その他の標的の修飾因子、ビタミン、微量元素、重金属、補助因子、増殖因子、抗アポトーシス試薬)、条件無しまたは条件培地、HEPES有り、pH、特定栄養の欠乏または制限(アミノ酸、炭素源))、細胞が分割/継代前に達成させられる培養密度のレベル、細胞の支持細胞層、またはγ−照射細胞、CO2、3ガスシステム(酸素、窒素、二酸化炭素)、湿度、温度、静止または振盪機上、およびその他の当業者に良くしたれたもの。を含む。
細胞培養条件は、便宜上または細胞の特定の望ましい用途のために選ぶことができる。好都合に、本発明は特定の望ましい用途に至適な宿主細胞および株化細胞を提供する。即ち、宿主細胞が特定の望ましい用途の条件の下培養される本発明の実施形態において、宿主細胞は、望ましい用途のための条件の下で望ましい特性を有するように選択される。
本明細書に記載した宿主細胞および株化細胞の更に好都合な特性は、レポーター核酸コンストラクトを含む細胞または株化細胞が、薬または他の選択圧の非存在下で選択および/または達成できることである。従って、好ましい実施形態において、本明細書に記載した宿主細胞および株化細胞が無選択圧の培養下で維持される。さらなる実施形態において、本明細書に記載した宿主細胞および株化細胞は薬剤または抗生物質なしに維持される。
本明細書に記載した宿主細胞および株化細胞の無薬剤/無選択圧の細胞維持によって多くの有利点を提供される。例えば、選択薬および他の選択圧因子は変異原性であるか、またはさもなければ細胞の生理機能に干渉でき、セルベースのアッセイに歪んだ結果を導く。例えば、選択薬は、アポトーシスに対する感受性を減少させ(Robinsonetal.,biochemistry,36(37):11169−11178(1997))、DN修復およびを薬物代謝増加させ(Deffieetal.,CancerRes48(13):3595−3602(1988))、細胞のpHを増加させる(Thiebaut et al.,JHistochemCytochem.38(5):685−690(1990);Roepe et al.,Biochemistry,32(41):11042−11056(1993);Simonetal.,ProcNatlcad.Sci.US.91(3):1128−1132(1994))、リソソームおよびエンドソームのpHを減少させる(Schindler et al.,Biochemistry35(9):2811−2817(1996);Altnetal.,J.Exp.Med.187(10):1583−1598(1998))、原形質膜の潜在力を減少させ(Roepeetal.,Biochemistry,32(41):11042−11056(1993))、塩素イオンへの原形質膜のコンダクタンスを増加させ(Gilletal.,Cell71(1):23−32(1992))またATPへの原形質膜のコンダクタンスを増加させ(brhametal.,Proc.Natlcad.Sci.US,90(1):312−316(1993))、および小胞輸送率を増加させる(Altnetal.,Proc.Natlcad.Sci.USA,96(8):4432−4437(1999))。従って、いくつかの実施形態において、本明細書に記載した宿主細胞および株化細胞によって、選択圧によって引き起こされた人為的影響がないスクリーニングアッセイが可能となる。いくつかの実施形態において、細胞本明細書に記載した宿主細胞および株化は、細胞ソーティングの前または後に、抗生物質などの選択圧因子の下で培養されない、そのため濃縮された細胞集団から始めない場合にでさえ、望ましい特質を持つ宿主細胞および株化細胞がソーティングによって単離される。特定の実施例において、宿主細胞または株化細胞が精製または単離される。
単離された宿主細胞および株化細胞は、発現された(RNA)絶対的量および相対的量(複数のCTR因子の場合)を測定するためのPCR法、逆転写PCR、および単一終点RT−PCR法などによってさらに特徴づけることができる。
4.2.4. 蛍光発生オリゴヌクレオチド
本明細書に記載した方法に有用な任意の蛍光発生オリゴヌクレオチドを使用することができる。蛍光発生オリゴヌクレオチドは、望ましい特色(例えば、1個または複数のレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞)を持つ宿主細胞を選択するために有用でありうる。蛍光発生オリゴヌクレオチドは、蛍光性シグナルが標的配列の非存在下で消光し、および蛍光性シグナルが標的配列の存在下でもはや消光しないかまたはより低いレベルで消光するように準備された標的配列(例えば、RNA転写物の翻訳領域、RNA転写物の5’または3’UTR内の配列)と相補的な配列およびシグナル放出システムとを、含むオリゴヌクレオチドである。非限定の図解のために、蛍光発生オリゴヌクレオチドは、標的配列の非存在下で失活剤およびフルオロフォアが集まるように蛍光発生オリゴヌクレオチドに置かれたフルオロフォアおよび失活剤を含んで良い。
例えば、フルオロフォアはオリゴヌクレオチドの終端に位置し、また失活剤はオリゴヌクレオチドの別の終端に位置する、ここでオリゴヌクレオチドは、ステムループまたはヘアピンループなどの1つの高次構造または二次構造の形をとり、また標的配列に結合またはハイブリッド形成する時、異なる高次構造または二次構造の形をとる。例えば、蛍光発生ヌクレオチドおよび標的配列が結合すると、失活剤およびフルオロフォアが分離し、結果として蛍光性シグナルが消光しない。例えば、PCT特許出願WO2005/079462号は、細胞および株化細胞の産生におそらくまた好ましく使用される多くのシグナル伝達プローブを記述している。現在知られているフルオロフォアと失活剤が相互作用するのに必要な距離は、約20〜100Aである。いくつかの特定の実施形態において、蛍光発生オリゴヌクレオチドのフルオロフォアと失活剤の間の距離は、約10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、105、110、115、または120、またはその間の任意の値である。
蛍光発生オリゴヌクレオチドは、フルオロフォアと失活剤からなる相互作用する対を1対以上含む。例えば、波長シフト蛍光発生オリゴヌクレオチドは、共に失活剤と相互作用する第1のフルオロフォアおよび第2のフルオロフォアを有し、また2個のフルオロフォアはFRETドナーと受容体の対である。フルオロフォアと消光剤の相互作用する対の成分は、蛍光発生オリゴヌクレオチドの終端、または塩基配列内に付着することができる。蛍光発生オリゴヌクレオチドの配列の内部に取り込まれる成分の例として、消光剤:dabcylチミジン、BHQ2チミジン、あるいはBHQ1チミジン、およびフルオロフォア:フルオレセンチミジン、lexaチミジン、あるいはTamrチミジンがある。複数の消光剤は、標的配列の非存在下でシグナルを減少または除去させるために使用できる。消光剤の例として、以下に限定される訳ではないがdtoDBCYL、EDC、セシウム、p−キシレン−ビス−ピリジニウム臭化物、タリウムおよび金ナノ粒子を含む。
蛍光発生オリゴヌクレオチドは、DNAまたはRNAであって良い。蛍光発生オリゴヌクレオチドは、当業者に知られた技術で化学的に合成して良い。蛍光発生オリゴヌクレオチドの化学的修飾は、当該分野に記述されている、例えば、米国特許第6.692.965号および国際PCT出願第WO2005/079462号を参照されたい。これらの文書は参照によりその全体を本明細書に取り込む。
標的配列および蛍光発生オリゴヌクレオチドは、十分に相補的または相補的領域と非相補的領域を含むように設計できる。1つの実施形態において、2個の別々の標的配列およびプローブが十分に互いに相補的であるように設計できる。1つの実施形態において、標的配列および蛍光発生オリゴヌクレオチドが末端に4から9個、5から6個、2から10個、10から40個、または40から400個の連続的塩基対の相互に相補的領域を形成する。標的配列および蛍光発生オリゴヌクレオチドは、それぞれ5〜7個、8〜10個、11〜15個、16〜22個、30個より以上、3〜10個、11〜80個、81〜200個、または200より以上のヌクレオチドまたは修飾されたヌクレオチドを含む。標的配列および蛍光発生オリゴヌクレオチドは、同一または異なる数のヌクレオチドであって良い。1つの実施形態において、1本の鎖の5’末端(例えば、標的配列および蛍光発生オリゴヌクレオチド)はもう一方の鎖からオフセットされ、またはその鎖の3’末端はもう一方の鎖からオフセットされ、またはその両方であり、ここでオフセットは5個まで、10個まで、20個まで、または30個までのヌクレオチドまたは修飾されたヌクレオチドである。
標的配列とハイブリッド形成する領域は、1本または両方の鎖またはそれらの組み合わせの相補的領域、非相補的領域内にある。2個以上の標的塩基配列を、同じ蛍光発生オリゴヌクレオチドによって標的にできる。1個または複数の標的配列が、同じまたは異なる配列上にあり、これらの標的配列は、標的に結合するように設計されたプローブの部分に正確に相補的であるか、少なくとも充分相補的である。1つの実施形態において、2本の鎖が各末端で相互に相補的領域を形成し、および標的補体配列は両末端での相互に相補的領域を除く領域に存在する。
いくつかの特定の実施形態において、標的配列または蛍光発生オリゴヌクレオチドは、約5から1、000のヌクレオチド、約5から750のヌクレオチド、約5から500のヌクレオチド、約5から250のヌクレオチド、約5から200のヌクレオチド、約5から150のヌクレオチド、約5から100のヌクレオチド、約5から100のヌクレオチド、約5から75のヌクレオチド、約5から500のヌクレオチド、約10から100のヌクレオチド、約10から75のヌクレオチド、約10から50のヌクレオチド、約20から100のヌクレオチド、約20から75のヌクレオチド、または約30から100のヌクレオチドの長さ、または両値の間の任意の長さである。いくつかの特定の実施形態において、標的配列または蛍光発生オリゴヌクレオチドは、約5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40のヌクレオチドの長さである。
いくつかの特定の実施形態において、蛍光発生オリゴヌクレオチドは、最大で10ヌクレオチド、15ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、35ヌクレオチド、40ヌクレオチド、45ヌクレオチド、50ヌクレオチド、55ヌクレオチド、60ヌクレオチド、65ヌクレオチド、70ヌクレオチド、75ヌクレオチド、80ヌクレオチド、85ヌクレオチド、90ヌクレオチド、95ヌクレオチド、または100ヌクレオチドの長さである。いくつかの特定の実施形態において、蛍光発生オリゴヌクレオチドは、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60ヌクレオチド以下の長さである。
1つの実施形態において、少なくとも2本の別々の鎖を持つ蛍光発生オリゴヌクレオチドは蛍光発生オリゴヌクレオチドである。1つの実施形態において、1本の鎖は1つの終端に少なくとも消光剤部分を持ち、また隣接する他方の終端上にフルオロフォアを持つ。1つの実施形態において、1本の鎖の5’および3’終端の各々は、同じまたは異なるフルオロフォアを持ち、他方の鎖の5’および3’終端の各々は、同じまたは異なる消光剤部分を持つ。1つの実施形態において、1本の鎖の5’終端はフルオロフォアを持ちかつ3’終端は消光剤部分持つ、他方の鎖の3’終端は同じまたは異なる消光剤部分を持ちかつ5’終端は同じまたは異なるフルオロフォアを持つ。
標的配列が使われる場合、各ベクター(ここでは複数ベクターが使用される)は同じまたは異なる標的配列を含むことができる。標的配列が同じであろうと異なろうと、蛍光発生オリゴヌクレオチドは、異なる色のフルオロフォアなど各サブユニットの発現が別々に検出できるように異なるシグナルエミッタを含むことができる。図解のために、対象とする第1のmRNAを特異的に検出する蛍光発生ヌクレオチドが赤色フルオロフォアを含むことができ、対象とする第2のmRNAを検出するプローブが緑色フルオロフォアを含むことができ、対象とする第3のmRNAを検出するプローブが青色フルオロフォアを含むことができる。当業者は、3重に形質移入された細胞内の蛍光発生オリゴヌクレオチドでもって3個のサブユニットの発現を差動的に検出できるその他の手段を知っている。
1つの実施形態において、蛍光発生オリゴヌクレオチドが、対象とするタンパク質をコード化するRNAのいずれの部分(例えば、レポーター、または5’または3’UTRの部分)にも相補的であるように設計される。対象とするメッセンジャーRNAを認識するように設計された蛍光発生オリゴヌクレオチドが内因的に発現した標的配列を偽って検出することが出来たとしても、形質移入された細胞によって産生された対象とする配列の比率と比較して、これらの比率は選別機が2個の細胞型を識別することができる比率である。
対象とするタンパク質(例えば、レポーターまたはCTR因子)の活性または発現レベルは、細胞から細胞または株化細胞から株化細胞によって異なる。細胞または株化細胞の活性または発現レベルもまた、DNAメチル化および遺伝子サイレンシングおよび導入遺伝子コピーの損失などの後成的イベントなどにより徐々に増加または減少することがある。これらの変動は、例えば、様々な因子細胞によって取り込まれた導入遺伝子のコピー数、導入遺伝子のゲノム組込部位、およびゲノムの組込みに引き続く導入遺伝子の組込などに起因するはずである。発現レベルを評価するために、FACS(蛍光標示式細胞分取器)または細胞ソーティング方法(すなわち、MACS(磁気細胞分離装置))を使って良い。シグナル伝達プローブを導入する付加的ラウンドを使用して良く、例えば、それらが元々単離された対象の任意のまたは複数のRNAに対してある期間にわたって細胞が陽性であるか、どの程度陽性であり続けるのかを測定する。
当業者によって理解されているように、選択された宿主細胞と共に使用するのに適した任意の試薬は、例えば、プラスミド、オリゴヌクレオチド、標識オリゴヌクレオチドなどの核酸を適切に最適化して宿主細胞に導入するために使用することができる。蛍光発生オリゴヌクレオチドなどの核酸を宿主細胞に導入するために使用できる試薬の例は、限定される訳ではないが以下を含む:リポフェクタミン、リポフェクタミン2000、オリゴフェクタミン、TFX試薬、Fugene6、DOTP/DOPE、メタフィクチン、またはフェクチュリ(Fecturi)。細胞を収集し、また蛍光発生オリゴヌクレオチドを形質移入させる。
4.3 化合物
本明細書に記載した方法によって、細胞運命/細胞型仕様の修飾因子としての化合物の同定および立証ができる。任意の化合物を本明細書に記載した方法使用することができる。特定の態様において、本明細書に記載した方法によって、高処理アッセイ内の化合物ライブラリをスクリーニングできる。
本明細書に使われているように、化合物とは、その維持、細胞特定、細胞決定、の幹細胞運命の誘導、細胞分化、脱分化、および/または分化転換などの細胞運命を調節する能力がテストされる任意の薬剤を指す。他の態様において、化合物とは、その転写を調節する能力(例えば、CTRプロモータなどのプロモータの活性を調節する能力)がテストされる任意の薬剤を指す。化合物は、限定される訳ではないがタンパク質性の分子、限定される訳ではないが、ペプチド類(そのようなペプチド類の二量体および多量体を含む)、ポリペプチド、タンパク質、翻訳後修飾タンパク質、抱合体、抗体、抗体断片など;無機または有機化合物を含む小分子;核酸分子(例えば、DNまたはRNA)、または、
限定される訳ではないが二重鎖のまたは一本鎖DNAを含むポリヌクレオチド、または二重鎖のまたは一本鎖RNA、アンチセンスRNA、RNA干渉分子(例えば、siRNA、miRNA、低分子ヘアピン型RNA(低分子ヘアピン型RNA)、など、)、イントロン配列、三重らせん体核酸分子およびアプタマー;炭水化物;および脂質を含む。いくつかの特定の実施形態において、化合物はハイブリッドまたは誘導体であって良い。1つの実施形態において、化合物は精製される。
いくつかの特定の実施形態において、化合物は、天然抽出物などの自然なソースから得ることがまたは精製することができる。いくつかの実施形態において、化合物が合成される。いくつかの特定の実施形態において、精製された化合物は、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99%の他の異なる化合物または薬剤を含まない。
化合物の任意の適したライブラリを、細胞運命/細胞型仕様の修飾因子をスクリーンするために本明細書に記載した方法に使用することができる。小分子ライブラリの非限定例は、LOPAC、TimTec、ChemDiv、sinexおよRyanScientificを含む。いくつかの化合物は市販のソース、例えばChembridge’s Hit2Lead Chemical Store(San Deigo、CA)を通して購入できる。siRNAおよびmiRNAライブラリなどのその他の化合物ライブラリもまた商業的に入手可能である。いくつかの実施形態において、小分子である化合物は、溶媒和化合物、水和物、プロドラッグ、立体異性体および/またはそれらの薬剤的に容認できる塩を含む
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した化合物は、タンパク質(例えば、転写制御因子、サイトカイン、受容体、細胞内シグナル分子)をコード化するメッセンジャーRNA;アンチセンスRNA;低分子干RNA(siRNA);miRNA;構造上のRNA;細胞のRNA(例えば、リボソームRNA、tRNA、hnRNA、およびsnRNA);ランダムなRNA;cDNまたはESTに対応するRNA;多様な巨大分子の複合体に取り込めるRNA;リボザイムまたは触媒RNAであるRNA;ウイルス性または外来性RNAに対応するRNA、リンカーRNA、または1個または複数のRNAを結合させる配列;または上述の機能または活性を有しないが、にもかかわらず細胞によって発現できるRNA、などのRNAである。いくつかの実施形態において、RNAである化合物のライブラリは、本明細書に記載した方法に使用することができる、いくつかの特定の実施形態において、化合物はそのような複数のRNAをコード化するDNAである。いくつかの実施形態において、化合物はCTR因子などのタンパク質の発現を抑制または減少させる複数のsiRNAまたはmiRNAを含む。
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した方法に使用される化合物は、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、チロシンキナーゼ阻害薬)、レチノイド(例えば、全トランスレチノイド酸)、ホルモン、抗体、可溶性受容体、または受容体リガンドである。
いくつかの特定の実施形態において、ポリペプチドである本明細書に記載した化合物は、可溶性(例えば、分泌されたもの)、細胞膜結合、または細胞内ポリペプチドである。いくつかの態様において、本明細書に記載した方法に使用される化合物は、転写制御因子またはCTR因子である。
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した化合物は発現ライブラリをスクリーンするのに使用できる。例えば、本明細書に記載した1個または複数のレポーターコンストラクトを含むように設計された異なる細胞型の発現ライブラリは、1個または複数の化合物に接触、曝露、または導入させられ、およびレポーターの活性または発現のレベルが細胞内のCTRプロモータ活性の指標として測定される、この指標は細胞運命のマーカーとしての役割をも果たす。いくつかの特定の実施形態において、背景に対してレポーターの発現または活性がある細胞が、発現ライブラリから選択される。他の実施形態において、背景に対してレポーターの低発現あるいは低活性の、または無発現あるいは無活性の細胞が、発現ライブラリから選択される。
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した方法に使用される化合物は、本明細書に記載した(例えば、inセクション4。2。1)1個または複数の転写制御因子またはCTR因子をコード化する核酸コンストラクト(例えば、DNAまたはRNA)である。例えば、眼特異的プロモータの調節に関連するいくつかの実施形態において、Lhx2およびPx6、またはLhx2およびPax6をコード化するDNAまたはRNAは、Six6(NP_031400)のプロモータの活性を調節できる化合物である。皮膚幹細胞(隆起細胞)の調節に関連するいくつかの実施形態において、NFATc1、またはそれをコード化するDNAあるいはRNAは、CDK4プロモータ(NM_000075)を抑制する化合物であり、およびSox9、またはそれをコード化するDNAあるいはRNAコードは、MITFプロモータを活性化する化合物である。皮膚幹細胞(隆起細胞)の調節に関連するいくつかの特定の実施形態において、TCF3、または同じものをコード化するDNAあるいはRNAは、CDKN1Aプロモータ(NP_000380)を活性化する化合物である。他の実施形態において、Sox2およびOct4、またはそれをコード化するDNAまたはRNAコードは、Nanogプロモータを活性化する化合物である。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した方法に使用される化合物は、そのような転写制御因子をコード化する核酸コンストラクト(例えば、DNまたはRNA)である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載した方法に使用される化合物は、そのような転写制御因子またはそれらのポリペプチド断片のポリペプチドである。
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した方法に使用される化合物は、サイトカインあるいは増殖因子、またはそれをコード化するDNAまたはRNAである。様々な実施形態において、サイトカインは、以下からなるグループ選択される:白血病抑制因子(白血病抑制因子)、幹細胞因子(幹細胞因子)、c−キット、flt−3/flk−2リガンド、IL−1α、IL−1β、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、インターフェロンα(IFNα)、インターフェロンβ(IFNβ)、インターフェロンγ、腫瘍壊死因子α(TNFα)、腫瘍壊死因子β(TNFβ)、G−CSF、GM−CSF、トランスフォーミング増殖因子β(TGF−β)、IL−15、IL−18、G−CSF、GM−CSF、TGF―β、IL−15、IL−18、GM−CSF、INF−γ、INF−α、SLC、内皮単球活性化するタンパク質−2(EMP2)、MIP−3α、MIP−3β、または、ヒト白血球抗原−B7(HLA−B7)などのMHC遺伝子。そのうえ、その他の模範的なサイトカインは、腫瘍壊死因子ファミリーのその他のメンバーを含み、このファミリーは、限定される訳ではないが腫瘍壊死因子関連アポトーシス−誘発リガンド(TRIL)、腫瘍壊死因子α関連活性化誘発サイトカイン(TRNCE)、腫瘍壊死因子α関連アポトーシス弱誘導物質(TWEAK)、CD40リガンド(CD40L)、ロイコトリエンα(LT−α)、ロイコトリエンβ(LT−β)、OX4OL、CD4OL、FasL、CD27L、CD30L、4−1BBL、PRIL、LIGHT、TL1、TNFSF16、TNFSF17、およびAITR−L、またはこれらの機能的部分を含む。例えば、TNFファミリーの概説について、Kwonetl.,1999,Curr. Opin. Immunol.11:340−345を参照されたい。
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した方法に使用される化合物は、抗体またはそれらの抗原結合性フラグメントである。本明細書に使われているように、用語「抗体」および「複数の抗体」(免疫グロブリン)は、単クローン抗体(全長単クローン抗体を含む)、ポリクローナル抗体、少なくとも2個のインタクトな抗体から形成された多選択性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ヒト抗体、ヒト化抗体、camelised抗体、キメラの抗体、単鎖Fvs(scFv)、単鎖抗体、単一領域抗体、領域抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2断片、望ましい生物活性を示す抗体断片、ジスルフィド−連結Fvs(sdFv)、および抗イディオタイプ(抗−Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗−Id抗体を含む)、細胞内抗体、および上記の内の任意のエピトープ結合断片、を指す。抗体は、以下のクラスの1つに属して良い:Ig、IgG、IgM、IgE、およびIgD。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に使われている化合物は抗ノッチ抗体、またはそれらの断片である。
本明細書に記載した方法に使用して同定および/または立証された化合物は、細胞運命/細胞型仕様の陽性修飾因子または陰性修飾因子である。修飾因子は転写制御に関わる。修飾因子は細胞型特異的遺伝子の転写を誘発または増強することができる。別の実施形態において、修飾因子は細胞型特異的遺伝子の転写を抑制または減少させることができる。いくつかの特定の実施形態において、修飾因子は、本明細書に記載した宿主細胞内のレポーター核酸コンストラクトのCTRプロモータの活性を増加させる。
いくつかの特定の態様において、修飾因子が分化細胞を誘発させて多能性幹細胞または組織幹細胞の特徴を獲得する。いくつかの実施形態において、修飾因子は幹細胞維持および/または増殖を調節する。いくつかの他の実施形態において、修飾因子が細胞分化を誘発させる。いくつかの実施形態において、修飾因子が細胞分化転換を誘発させる。いくつかの特定の実施形態において、修飾因子が細胞脱分化を誘発させる。
当業者に細胞運命/細胞型仕様の修飾因子として知られている化合物を、本明細書に記載した方法に陽性および負の制御として使うことができる。例えば、レチノイン酸は、神経系列の細胞分化の誘導物質として使用することができる。
4.4 修飾因子を同定方法
本発明は、細胞運命の修飾因子を同定および立証する方法およびCTRプロモータ活性の修飾因子を同定および立証をする方法を提供する。1つの態様において、本発明は、幹細胞維持(例えば、自己複製、増殖および/または増殖)、細胞仕様、細胞決定、幹細胞運命の誘導、または細胞分化、脱分化、または分化転換の修飾因子を同定および立証する方法に関連する。誘発された多能性幹細胞の修飾因子を同定および立証する方法、癌幹細胞の修飾因子を同定および立証する方法、および筋細胞分化の陽性修飾因子を同定する方法を提供する。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した方法は、高処理量プラットフォームで化合物のライブラリをスクリーニングするためである。いくつかの実施形態において、本明細書に記載した方法は発現ライブラリをスクリーニングするためである。
他の態様において、本発明は、CTRプロモータ活性の修飾因子を同定および/または立証する方法に関連し:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞を化合物に接触、曝露、または導入するステップ;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップと、(ここで、化合物の非存在下でのレポートの活性または発現レベルと比較して化合物の存在下でレポーターの活性または発現レベルが増加または減少するならば、化合物はCTRプロモータ活性の修飾因子である)を含む。そのような方法のいくつかの特定の実施形態において、レポーターの活性または発現レベルを測定する(すなわち、ステップ(b))ステップを、ステップ(a)の後約12時間から96時間の間に、または1日から35日の間に実行する。そのような方法のいくつかの特定の実施形態において、レポーターの活性または発現レベルを測定する(すなわち、ステップ(b))ステップを、ステップ(a)の後、約1週間、2週間、3週間、4週間、または5週間で実行する。
特定の態様において、本明細書に記載した方法は、幹細胞プロモータなどのCTRプロモータの活性を誘発または増加させることのできる修飾因子を同定および立証するためである。他の態様において、本明細書に記載した方法は、プロモータの活性を抑制または減少させることのできる修飾因子を同定および立証するためである。そのような方法は、ORFが機能的にCTRプロモータを化合物に連結しているレポーターをコード化するORFを含む1個または複数のレポーター核酸コンストラクト含む宿主細胞を接触、曝露、または導入させることと、並びに、化合物の存在下と非存在下で、CTRプロモータの活性の指標としてレポーターの活性または発現レベルを測定することに関わる。
化合物は、レポーターの活性または発現レベルが、化合物の非存在下での宿主細胞内より化合物の存在下での宿主細胞内でより高い場合、陽性修飾因子である。化合物は、レポーターの活性または発現レベルが、化合物の非存在下での宿主細胞内より化合物の存在下での宿主細胞内でより低い場合、陰性修飾因子である。いくつかの実施形態において、CTRプロモータの陽性修飾因子は、CTRプロモータまたはCTR遺伝子が付随する細胞型の誘導物質であると予想されている。いくつかの実施形態において、CTRプロモータの陰性修飾因子は、そのようなCTRプロモータまたはCTR遺伝子が付随する細胞型のリプレッサーまたは阻害剤であると予想されている。いくつかの特定の実施形態において、CTRプロモータの活性、またはレポーターの活性あるいは発現のレベルが細胞型マーカーとしての役目を果たす。
いくつかの他の態様において、本発明は、細胞運命の修飾因子を同定および/または立証する方法に関連し、以下のステップを含む:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞を化合物に接触、曝露、または導入するステップ;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップと、(ここで、化合物の非存在下でのレポートの活性または発現レベルと比較して化合物の存在下でレポーターの活性または発現レベルが増加または減少するならば、化合物は細胞運命の修飾因子である)を含む。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は幹細胞であり、およびCTRプロモータは幹細胞プロモータまたは分化マーカープロモータである。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は分化された細胞であり、およびCTRプロモータは幹細胞プロモータまたは分化マーカープロモータである。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は第1の細胞型の細胞であり、およびCTRプロモータは第1の細胞型の細胞型マーカープロモータまたは第2の細胞型の細胞型マーカープロモータである。そのような方法のいくつかの特定の実施形態において、レポーターの活性または発現レベルを測定する(すなわち、ステップ(b))ステップが、ステップ(a)の後約12時間から72時間の間に、または1日から35日の間に実行される。そのような方法のいくつかの特定の実施形態において、レポーターの活性または発現レベルを測定する(すなわち、ステップ(b))ステップが、ステップ(a)の後約1週間、2週間、3週間、4週間、または5週間で実行される。
特定の態様において、本発明は細胞運命の陽性修飾因子を同定方法に関連し:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞を化合物に接触、曝露、または導入するステップ;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップと、(ここで、化合物の非存在下でのレポートの活性または発現レベルと比較して化合物の存在下でレポーターの活性または発現レベルが増加するならば、化合物は細胞運命の陽性修飾因子である)を含む。
他の態様において、本発明は、幹細胞維持、または細胞分化、脱分化または分化転換の修飾因子を同定および/または立証する方法に関連:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞を化合物に接触(曝露、または導入)するステップ;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップと、(化合物の非存在下でのレポートの活性または発現レベルと比較して化合物の存在下でレポーターの活性または発現レベルが増加または減少するならば、化合物は、それぞれ幹細胞維持、または細胞分化、脱分化または分化転換の修飾因子である)を含む。
特定の態様において、本発明はiPS細胞の修飾因子を同定方法に関連し、以下のステップを含む:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞を化合物に接触、曝露、または導入するステップ;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップと、(化合物の非存在下でのレポートの活性または発現レベルと比較して化合物の存在下でレポーターの活性または発現レベルが増加するならば、化合物はiPS細胞の修飾因子である)を含む。
いくつかの特定の実施形態において、iPS細胞の修飾因子である化合物は、線維芽細胞などのiPS細胞を誘発または再プログラムさせてiPS細胞にすることができる。いくつかの実施形態において、複数の化合物の組み合わせは、iPS細胞の複数の修飾因子であり、線維芽細胞などの体細胞を誘発または再プログラムさせてiPS細胞にすることができる。いくつかの特定の実施形態において、iPS細胞の修飾因子である化合物は、iPS細胞を誘発または再プログラムさせてより分化した細胞または細胞型にすることができる。いくつかの実施形態において、複数の化合物の組み合わせは、iPS細胞の複数の修飾因子であり、iPS細胞を誘発または再プログラムさせてより分化した細胞または細胞型にすることができる。いくつかの特定の実施形態において、iPS細胞の修飾因子である化合物は、iPS細胞を誘発または再プログラムさせて前駆細胞または分化細胞または細胞型にすることができる。いくつかの実施形態において、複数の化合物の組み合わせは、iPS細胞の複数の修飾因子であり、iPS細胞を誘発または再プログラムさせてより分化した細胞(例えば、前駆細胞または分化/特定化した細胞)または細胞型にすることができる。いくつかの特定の実施形態において、iPS細胞の修飾因子である化合物は、iPS細胞を誘発または再プログラムさせて非ヒトの生物体全体を産生することに関わる。任意の設計された細胞を使ってiPS細胞を産生できる。いくつかの実施形態において、複数の化合物の組み合わせは、iPS細胞の複数の修飾因子であり、iPS細胞を誘発または再プログラムさせて非ヒトの生物体全体を産生することに関わる。任意の設計された細胞を使ってiPS細胞を産生できる。
そのような方法のいくつかの特定の実施形態において、レポーターの活性または発現レベルを測定する(すなわち、ステップ(b))ステップが、ステップ(a)の後約12時間から72時間の間に、または1日から35日の間に実行される。そのような方法のいくつかの特定の実施形態において、レポーターの活性または発現レベルを測定する(すなわち、ステップ(b))ステップが、ステップ(a)の後約1週間、2週間、3週間、4週間、または5週間で実行される。
いくつかの特定の実施形態において、本発明は、本明細書に記載したiPS細胞から新しい組織、新しい器官、または非ヒトの生物体全体を産生する方法に関連する。本発明はまた、本明細書に記載したiPS細胞から新しい組織、新しい器官、または非ヒトの生物体全体を産生することを調節することができるか、それに関わる化合物を同定方法に関連する。本明細書に記載したiPS細胞から新しい組織、新しい器官、または非ヒトの生物体全体を産生する方法は、(i)iPS細胞を入手すること;(ii)iPS細胞を新しい組織、新しい器官、または非ヒトの生物体全体を産生するために適した条件に曝露すること、を含んで良い。本明細書に記載したiPS細胞から新しい組織、新しい器官、または非ヒトの生物体全体を産生することを調節するか、それに関わる化合物を同定方法は、(i)化合物の存在下または非存在下で、iPS細胞を新しい組織、新しい器官、または非ヒトの生物体あるいは非ヒト動物の全体を産生するために適した条件に曝露すること;および(ii)iPS細胞が新しい組織、新しい器官、または非ヒトの生物体全体を産生できるかを測定することを含んで良い。
いくつかの特定の実施形態において、iPS細胞から産生する非ヒトの生物体または動物の全体は、以下に限定される訳ではないが、マウス、ラット、サル、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ニワトリ、ロバ、カエル、寄生虫、昆虫(例えば、ハエ)、または雌ウシを含む。他の実施形態において、iPS細胞から産生する新しい組織または器官は、以下に限定される訳ではないが、ヒトマウス、ラット、サル、イヌ、ネコ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ニワトリ、ロバ、カエル、寄生虫、昆虫(例えば、ハエ)、または雌ウシの新しい組織または器官である。いくつかの特定の実施形態において、この器官は、以下に限定される訳ではないが、乳房、結腸、胃、心臓、脳、脊髄、肺、肝臓、膵臓、腎臓、眼、膀胱、または皮膚である。いくつかの特定の実施形態において、この新しい組織は、以下に限定される訳ではないが、乳房、結腸、胃、心臓、脳、脊髄、肺、肝臓、膵臓、腎臓、眼、膀胱、または皮膚の組織である。
いくつかの特定の実施の形態において、宿主細胞は1個または複数のCTR因子を発現するように設計され、幹細胞維持(例えば、自己複製、増殖および/または増殖)、細胞特定、細胞決定、幹細胞運命の誘導、細胞分化、細胞脱分化、または細胞分化転換のために宿主細胞内の細胞状況を提供する。いくつかの他の実施形態において、宿主細胞は1個または複数のCTR因子を発現するように設計され、この因子が多能性幹細胞を誘発するために宿主細胞内の細胞状況を提供する。
本発明はまた、本明細書に記載された方法に使用される化合物およびCTR因子およびCTR因子の組み合わせのためのスクリーニングの方法を提供する。例えば、そのような方法は、宿主細胞に1個または複数の化合物またはCTR因子の複数の異なる組み合わせを導入するステップ、および1個または複数の望ましい性質または細胞状況(例えば、細胞型特異的マーカーの発現、CTRプロモータ活性、酵素活性、遺伝子発現プロファイル、および/または形態)の存在を測定するステップ、を含む。いくつかの特定の実施形態において、1個の化合物あるいはCTR因子、または2個、3個、あるいは4個の化合物の組み合わせ、またはCTR因子を宿主細胞に導入すると、望ましい性質または細胞状況を達成する。いくつかの特定の実施形態において、これらの方法は、DNAまたはRNA(例えば、mRNA、siRNA、またはmiRNA)などのポリヌクレオチドである化合物またはCTR因子をスクリーニングすることを提供する。特定の実施の形態において、1個または複数のテストRNAが宿主細胞に導入され、レポーター核酸コンストラクトのCTRプロモータの活性へのRNAの効果をテストするか、細胞運命/細胞型仕様へのRNAの効果をテストする。いくつかの実施形態において、テストRNAは、本明細書に記載されたレポーター核酸コンストラクトによってコードされる。いくつかの他の実施形態において、これらの方法は、因子ポリペプチド、小分子、または抗体である化合物またはCTRをスクリーニングすることを提供する。いくつかの実施形態において、これらの方法は、本明細書に記載された薬剤または化合物の任意の組み合わせで良い化合物またはCTR因子のライブラリをスクリーニングすることを提供する。特定の態様において、これらの方法は高処理スクリーニングを提供する。いくつかの特定の実施形態において、これらの方法はリアルタイムで生細胞をスクリーニングすることを提供する。
いくつかの特定の態様において、本発明は、異なる細胞のパネルは、本明細書に記載された1個または複数のレポーター核酸コンストラクトを含むように設計される発現ライブラリを提供する。例えば、1個または複数の本明細書に記載されたレポーターコンストラクトを含むように設計された異なる細胞型の発現ライブラリは、1個または複数の化合物に接触させられ(または曝露またはそれらを導入される)、およびレポーターの活性または発現レベルが、細胞内のCTRプロモータ活性または細胞内の細胞状況と相関として測定される。そのような発現ライブラリは、宿主細胞を同定または選択するのに有用であり、ここでCTRプロモータは、背景レベルと比較して活動的または不活性である。特定の実施の形態において、発現ライブラリは、本明細書に記載された1個または複数のレポーター核酸コンストラクトを含む100を超す異なる細胞型を含む。いくつかの特定の実施形態において、発現ライブラリは、本明細書に記載された1個または複数のレポーター核酸コンストラクトを含む少なくとも5、10、15、20、50、75、125、150、175、200、300、400、500、600、700、800、900、または1.000の異なる細胞型を含む。いくつかの特定の実施形態において、発現ライブラリ内の宿主細胞は1個または複数のCTR因子を含むか、組換えで発現する。
多能性の維持
特定の態様において、本明細書に記載されたこれらの方法は、幹細胞の多能性を維持できる修飾因子を同定および立証することを目的とする。そのような方法において、レポーターをコード化するORF(ORFは機能的にCTRプロモータと連結する)を含むレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞は、化合物に接触させられ(または曝露するまたはそれを導入させられ)、この化合物の存在下および非存在下でのレポーターの活性または発現レベルを測定する。CTRプロモータは、幹細胞マーカーである遺伝子のプロモータであって良い。(例えば、主にまたはいくつかのケースでは独占的に幹細胞内で発現しかつその他の細胞型では発現しない、またはその他の細胞よりも幹細胞においてより高いレベルで発現する遺伝子)。宿主細胞は幹細胞(例えば、ESC、HSC、神経幹細胞、筋幹細胞など)であって良い。レポーターのは発現レベルはCTRプロモータの活性の指標であり、細胞状況の指標としての役目を果たす。例えば、CTRプロモータが幹細胞マーカー遺伝子のプロモータであれば、CTRプロモータは幹細胞内で(背景以上に)活性化するだろう、またCTRプロモータの活性はそこで幹細胞表現型失っているかおよび/またはもっと分化している細胞内で、減少するか不活性になるだろう。ESCおよびiPS細胞は、明確な増殖因子の添加によっておよび/または照射された線維芽細胞(例えば、Amit et al., Semin. Reprod. Med.,2006、24(5):298−303を参照されたい)を持つ共培養細胞によって多能性状態に維持することができる。成体幹細胞集団は、試験管内で維持するのがより困難である。例えば、試験管内で造血管細胞を増殖させることは困難である。神経幹細胞などのその他の成体幹細胞は、試験管内で維持できる。
幹細胞維持に関連するいくつかの実施の形態において、宿主細胞は、本明細書に記載されたレポーター核酸コンストラクトを含む幹細胞(例えば、ESCs)であり、また核酸コンストラクトのCTRプロモータは、Oct4、Sox2、Klf4、c−myc、LIN28、Nog、SSEA−3、またはSSE−4のプロモータ領域を含み、ここで領域とは、転写の機能的調節領域である。
分化
分化のプロセス、または幹細胞からの成熟子孫の産生は、通常明確な増殖因子の存在を必要とする。分化は、異なるステージに対して相異なる要求を通常持つ複数のステップを進む。プロセスは、細胞が成熟するに従って生体内で出くわす環境を模倣する。再生医学の分野での1つのチャレンジは、ESCまたはiPS細胞から明確な細胞型を産生することを支持できる条件を発見することである。別のチャレンジは、産生いくつかの態様において、ESCまたはiPS細胞から明確な細胞型を産生することを結果として生み出す遺伝子発現を制御できる条件を発見することである。
いくつかの態様において、本明細書に記載されたこれらの方法は、細胞分化を誘発または抑制できる修飾因子を同定かつ立証することが目的である。そのような方法において、レポーターをコード化するORF(ORFは機能的にCTRプロモータと連結する)を含むレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞は化合物に接触させられ(または曝露するまたはそれを導入させられ)、この化合物の存在下および非存在下でのレポーターの活性または発現レベル測定をする。CTRプロモータは、分化マーカーである遺伝子のプロモータであって良い。(例えば、主にまたはいくつかのケースでは独占的に特定の分化した細胞(皮膚細胞および筋細胞など)で発現しかつその他の細胞型では発現しない、またはその他の細胞よりも特定の分化した細胞においてより高いレベルで発現する遺伝子)。宿主細胞は幹細胞(例えば、ESC、HSC、神経幹細胞、筋幹細胞、iPS細胞など)であって良い。レポーターの活性または発現レベルはCTRプロモータの活性の指標であり、細胞状況の指標としての役目を果たす。例えば、CTRプロモータが分化マーカー遺伝子のプロモータであれば、CTRプロモータはより分化した細胞で(背景と比べて)活性化するだろう、またCTRプロモータの活性はそこで分化した表現型を持たないか、および/または比較的分化していない細胞内で、減少するか不活性になるだろう。例えば、ここで宿主細胞は幹細胞であり、またCTRプロモータは分化マーカーのプロモータである場合、レポーターの基礎発現レベルが低いかまたは検出不可能であり、また分化の陽性修飾因子は、陽性修飾因子の非存在下での宿主細胞内の活性または発現のそれぞれと比較してレポーターの活性または発現を増加または誘発させることができる。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載された方法は幹細胞が分化して前駆細胞になることに関連する。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載された方法は、幹細胞または前駆細胞が分化して、分化または特定化した細胞になることに関連する。
いくつかの態様において、本発明は、筋細胞分化の修飾因子を同定ための方法に関連し、:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞を(または「宿主細胞へ」))化合物と接触(または導入または曝露)させるステップと、;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップと、(ここでこの化合物は、化合物の非存在下でのレポーターの活性または発現レベルとそれぞれ比較して、化合物の存在下でのレポーターの活性または発現レベルが増減少するならば、筋細胞分化の修飾因子である)を含む。
特定の態様において、本発明は、筋細胞分化の陽性修飾因子を同定ための方法に関連し、:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトをを含む宿主細胞を(または「宿主細胞へ」))化合物と接触(または導入または曝露)させるステップと、;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップと、(ここでこの化合物は、化合物の非存在下でのレポーターの活性または発現レベルにそれぞれ比較して、化合物の存在下でのレポーターの活性または発現レベルが増減少するならば、筋細胞分化の陽性修飾因子である)を含む。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は幹細胞であり、およびCTRプロモータは、筋細胞プロモータである。
いくつかの態様において、本発明は、網膜細胞、皮膚細胞、または心筋細胞の分化の修飾因子を同定ための方法に関連し、:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトをを含む宿主細胞を(または「宿主細胞へ」))化合物に接触(または導入または曝露)させるステップと、;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップと、(ここでこの化合物は、化合物の非存在下でのレポーターの活性または発現レベルにそれぞれ比較して、化合物の存在下でのレポーターの活性または発現レベルが増加するならば、網膜細胞、皮膚細胞、または心筋細胞分化の修飾因子である)を含む。
いくつかの態様において、本発明は、iPS細胞分化の修飾因子を同定ための方法に関連し、:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトをを含む宿主細胞を(または「へ」))化合物に接触(または導入または曝露)させるステップと、;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップ、(ここでこの化合物は、化合物の非存在下でのレポーターの活性または発現レベルにそれぞれ比較して、化合物の存在下でのレポーターの活性または発現レベルが増加するならば、iPS細胞分化の修飾因子である)を含む。
脱分化および分化転換
ある条件の下で、より成熟した細胞または分化した細胞を操作してより少なく分化した状態に復帰することができる;このプロセスを「脱分化」と呼ぶ。成熟線維芽細胞からのiPS細胞は、この現象の1つの例である。脱分化はまた、癌性細胞の特徴でもある。一方、分化転換は成熟細胞が異なる系列に関連付けられることによるプロセスである。例えば、線維芽細胞細胞はニューロン細胞へトランス分化することがある。レポートの骨髄幹細胞が、肝臓またはニューロンなどの成熟非血液由来細胞型へ分化した報告がある。(例えば、Kuci et al., Curr. Stem Cell Res. Ther., 2009,4(2):107−17を参照されたい)。
いくつかの態様において、本明細書に記載した方法は、細胞脱分化を誘発または抑制できるかまたはそれに関わる修飾因子を同定かつ立証することを目的としている。そのような方法において、レポーターをコード化するORF(ORFは機能的にCTRプロモータと連結する)を含むレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞は化合物に接触させられ(または曝露させられまたはそれを導入させられ)、この化合物の存在下および非存在下でのレポーターの活性または発現レベル測定をする。CTRプロモータは、分化マーカー(例えば、主にまたはいくつかのケースでは独占的に特定の分化した細胞(皮膚細胞および筋細胞など)で発現しかつその他の細胞型では発現しない、またはその他の細胞よりも特定の分化した細胞においてより高いレベルで発現する遺伝子)、幹細胞、または前駆細胞マーカーである遺伝子のプロモータであって良い。レポーターの活性または発現レベルはCTRプロモータの活性の指標であり、細胞状況の指標としての役目を果たす。
例えば、CTRプロモータが分化マーカー遺伝子のプロモータであれば、CTRプロモータはより分化した細胞で(背景と比べて)活性化するだろう。またCTRプロモータの活性は、幹細胞または前駆細胞内で、活性がより鈍化するか不活性になるだろう。例えば、宿主細胞は分化した細胞であり、またCTRプロモータは分化マーカーのプロモータである場合、レポーターの基礎活性または発現レベルが高く、また分化の陽性修飾因子は、脱分化の陽性修飾因子の非存在下で宿主細胞内の活性または発現とそれぞれ比較して、レポーターの活性または発現を減少または抑制させることができる。宿主細胞が分化細胞であり、またCTRプロモータが幹細胞マーカーのプロモータである場合、レポーターの基礎活性または発現レベルは、そのような分化された細胞内で低いかまたは検出不可能であり、また脱分化の陽性修飾因子は、脱分化の陽性修飾因子の非存在下での宿主細胞内の活性または発現と比較してレポーターの活性または発現を増加または増強することができる。
細胞脱分化に関連するいくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む分化した細胞である、またCTRプロモータは幹細胞または幹細胞マーカーのプロモータである。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した方法は、前駆細胞を幹細胞に脱分化させることに関連する。いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した方法は、分化したまたは特定化した細胞を前駆細胞または幹細胞に脱分化させることに関連する。
いくつかの特定の態様において、本明細書に記載した方法は、細胞分化転換を誘発または抑制できるかまたはそれに関わる修飾因子を同定かつ立証することを目的としている。そのような方法において、レポーターをコード化するORF(ORFは機能的にCTRプロモータと連結する)を含むレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞は、化合物に接触させられ(または曝露させられまたはそれを導入させられ)、この化合物の存在下および非存在下でのレポーターの活性または発現レベルを測定する。CTRプロモータは、特定の細胞(例えば、皮膚細胞、筋細胞、線維芽細胞、または膵臓のβ細胞)の分化マーカーある。レポーターの活性または発現レベルはCTRプロモータの活性の指標であり、細胞状況または細胞型の指標としての役目を果たす。
例えば、CTRプロモータが、皮膚細胞の分化マーカー遺伝子のプロモータであれば、CTRプロモータは分化した細胞で活性化するだろう、またCTRプロモータの活性は、膵臓のβ細胞またはニューロンなどのその他の細胞型で、活性がより鈍化するか不活性になるだろう。この点において、宿主細胞は分化した細胞であり、またCTRプロモータはニューロンの分化マーカーのプロモータである場合、レポーターの基礎活性または発現レベルは、宿主分化皮膚細胞内で低い、またニューロンへの分化転換の陽性修飾因子は、分化転換の陽性修飾因子の非存在下での宿主細胞内の発現と比較して、レポーターの活性または発現を増加または増強させることができる。また脱分化の陽性修飾因子は、脱分化の陽性修飾因子の非存在下での宿主細胞内の活性または発現と比較してレポーターの活性または発現をすることができる。
第1の細胞型から第2の細胞型への細胞分化転換に関連する特定の態様において、宿主細胞は本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む第1の細胞型の分化した細胞であり、およびレポーター核酸コンストラクトCTRプロモータは、特定の第2の細胞型(例えば、皮膚細胞、筋細胞、線維芽細胞、または膵臓のβ細胞)の分化マーカーである遺伝子のプロモータ領域を含む。例えば、宿主細胞が分化した皮膚細胞およびCTRプロモータがニューロンの分化マーカーのプロモータである場合、レポーターの基礎活性または発現レベルは、宿主分化皮膚細胞内で低く、またニューロンへの分化転換の陽性修飾因子は、分化転換の陽性修飾因子の非存在下での宿主細胞内の活性または発現と比較してレポーターの活性または発現を増加または誘発できる
その他の態様において、本発明はiPS細胞の修飾因子を同定および/または立証する方法に関連し、:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞を化合物に接触(曝露、または導入)させるステップと、;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップと、(ここで、化合物の非存在下でのレポートの活性または発現レベルと比較して化合物の存在下でレポーターの活性または発現レベルが増加または減少するならば、化合物はiPS細胞の修飾因子である)を含む。
いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は、本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む線維芽細胞である(例えば、(i) ORFが機能的にCTRプロモータに連結するレポーターをコード化するORF、および(ii)1個または複数の標的配列をコード化する塩基配列)、また
CTRプロモータは、Oct4、Sox2、Klf4、c−myc、LIN28、Nanog、SSEA−3、またはSSEA−4のプロモータの領域を含む。そのような方法のいくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は分化細胞などの線維芽細胞であり、またCTRプロモータは、Nanogプロモータまたはその部分などの幹細胞プロモータである。
その他の態様において、本発明は癌幹細胞の修飾因子を同定および/または立証する方法に関連し、:(a)本明細書に記載したレポーター核酸コンストラクトを含む宿主細胞を化合物に接触(曝露、または導入)させるステップと、;および(b)レポーターの活性または発現レベルを測定するステップと、(ここで、化合物の非存在下でのレポートの活性または発現レベルと比較して化合物の存在下でレポーターの活性または発現レベルが増加または減少するならば、化合物は癌幹細胞の修飾因子である)を含む。いくつかの特定の実施形態において、宿主細胞は癌幹細胞であり、およびCTRプロモータは癌幹細胞マーカープロモータまたはその部分である、例えば、CD133、CD44、またはCD29のプロモータ、またはその部分。
本明細書に記載した方法に使用できる幹細胞プロモータなどのCTRプロモータの非限定例は、セクション4.1.2.の中に記述する。当業者は、望ましい活性およびゴールのための適切なCTRプロモータを選択できるだろう。
いくつかの特定の実施形態において、本明細書に記載した方法に使用する宿主細胞は、さらに1個または複数のCTR因子を組換えで発現する。いくつかの実施形態において、本明細書に記載した細胞型の修飾因子を同定および/または立証する方法は、宿主細胞を、CTRプロモータ活性または細胞運命を調節するために適した条件を提供する1個または複数のCTR因子に曝露またはそれを導入させることをさらに含む。
CTRプロモータ活性または細胞運命の修飾因子ためのライブラリの化合物をスクリーニングための広範囲の技術が、当該分野で知られている。そのような技術は、高処理量プラットフォームを採用して化合物ライブラリを急速にスクリーニングするために一般に適応できる。大規模遺伝子ライブラリをスクリーニングするための最も広く使われている技術は、典型的に宿主細胞を多重ウエルプレート(例えば、96ウエルのプレートまたは384ウエルのプレート)上にプレーティングすること、およびそれらを異なる培養条件に曝露するおよび/またはそれらをライブラリからのテスト化合物と接触させること、および、レポーターの活性または発現レベルまたはCTRプロモータの活性などの特徴を検出すること、を含む。同様の高処理量スクリーニングアッセイを、本明細書に記載した方法ための望ましい細胞の性質または状況を提供するCTR因子またはテストRNAの特定の組み合わせを同定するために遂行して良い。
当業者は、使用するレポーターに従って適切なアッセイを採用することができるだろう。例えば、レポーターがルシフェラーゼの時、ルシフェラーゼの活性を検出するために生物発光アッセイを採用することができる。可溶化液を、ルシフェリンなどの生物発光の基質に曝露する、およびプレートリーダー(Tecan)を使用して発光を測定する。発光の反応において、光はルシフェリンの酸化によって産生される。そのようなアッセイは当該分野に記述されている。
レポーターの発現レベルは、レポーターmRNAの転写物の検出および数量化の両方を可能にする逆転写PCRまたはリアルタイム逆転写によって測定できる。レポーターに特異的なプライマーを使うことができる。レポーターに対応するRNA配列は、それ自体が検出される(例えば、蛍光発生オリゴヌクレオチドの使用)。
レポーターが、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質、またはRFPなどの蛍光タンパク質である場合の実施形態において、レポーターの活性または発現を検出は、顕微法を使用して遂行できる。さらに加えて、当業者に知られているまたは本明細書に記載したその他の試験管内およびセルベースのアッセイを、本明細書に記載した方法に使用して良い。
4.1.1. アッセイ
本明細書に記載した方法を使用して同定および/または立証した修飾因子を、当該分野で知られている機能的アッセイで更に立証できる。例えば、試験管内の転写アッセイ、セルベースアッセイ、同様に生体内の動物モデルは、本明細書に記載した修飾因子の生物活性を確認するために使用して良い。
試験管内アッセイ
細胞の転写アッセイの非限定例は、HeLa細胞核抽出物を使用することを含む。HeLa核抽出液は、RNAポリメラーゼIIよって正確に転写を開始することを補助でき、およびRNAポリメラーゼ転写の基本のおよび制御されたパターンの両方を示す。核抽出液はまた、RNAプロセシングに関わる種々の、転写制御因子、DNA結合タンパク質および酵素の機構のソースでもある。HeLa細胞核抽出液転写アッセイのプロトコルは、当該分野に記述されている、例えば、Dignam et al. (1983) Nucl. Acids Res., 11, 1475−89を参照されたい。これらのアッセイのキットはまた、商業的に入手可能である、例えば、the HeLaScribe(登録商標) Nuclear Extract in vitro Transcription System (Promega)。正の制御鋳型(CMV(サイトメガロウイルス)速効性初期プロモ-タDNA)を使って良い。CTRプロモータと機能的に連結するレポーターのORFを含む核酸コンストラクトを、多様な修飾因子の存在下および非存在下でHeLa細胞核抽出液試験管内転写アッセイを使用してアッセイする。
セルベ-スアッセイ
当業者に知られた任意のセルベ-スアッセイを本明細書に記載した方法を使用して同定した修飾因子の生物活性を確認するために採用して良い。このセルベ-スアッセイを、転写、幹細胞維持、幹細胞増殖、分化アッセイなどの生物学的機能について化合物の効果を確認するために使用して良い。
転写に関する効果を確認するためのセルベ-スアッセイの非限定例は、細胞にCTRプロモータに機能的に連結するルシフェラ-ゼのORFを含むレポ-タ-核酸コンストラクトを導入することに関わり、化合物の存在下および非存在下で細胞を培養し、および生物発光アッセイなどの当業者に良く知られている方法を使用してルシフェラ-ゼの発現量を測定する。
幹細胞維持および/または増殖に関する効果を確認するためのセルベ-スアッセイの非限定例は、化合物の存在下あるいは非存在下で幹細胞を培養すること、および当業者に良く知られている方法(例えば、フロ-サイトメトリ)によって、幹細胞の増殖の割合と、同様にSSEA-3およびSSEA-4などの幹細胞マ-カ-とを維持した細胞の集団の割合を測定することに関わる。増殖アッセイの非限定例は、BrdU組み入れアッセイ、トリパンブル-排除アッセイ、およびカルボキシフルオレセンサクシニミジルエステル(CFSE)アッセイを含む。
幹細胞維持および/または増殖に関する効果を確認するためのセルベ-スアッセイの非限定例は、化合物の存在下あるいは非存在下で幹細胞を培養すること、およびSSEA-3およびSSEA-4などの幹細胞マ-カ-を維持した細胞の集団の割合と、より分化した細胞の細胞マ-カ-を獲得した細胞の割合とを測定することに関わる。幹細胞マ-カ-を損失した細胞の割合もまた測定する。例えば、幹細胞を、ある特定の期間レチノイン酸の存在下および非存在下で培養して良い、およびネスチンに陽性である細胞、分化したニュ-ロン細胞のマ-カ-は、分化した細胞を指し示している。
細胞脱分化に関する効果を確認するためのセルベ-スアッセイの非限定例は、化合物の存在下あるいは非存在下で分化した細胞を培養すること、および分化した細胞に特異的なマ-カ-を維持した細胞の割合と、幹細胞の細胞マ-カ-を獲得した細胞の割合とを測定することに関わる。分化した細胞マ-カ-を損失した細胞の割合もまた測定する。
細胞分化転換に関する効果を確認するためのセルベ-スアッセイの非限定例は、化合物の存在下あるいは非存在下である細胞型の細胞を培養すること、および第1の細胞型に特異的なマ-カ-の発現を損失し、かつ第2の細胞型に特異的な1個または複数のマ-カ-の発現を獲得した細胞の割合を測定する。
さらに、細胞形態をも細胞型物理的特徴の徴候として測定する。望ましい細胞型の形、サイズ、または粒度を観察して良い。例えば、分化したニュ-ロンは、余り分化しなかったニュ-ロンよりより長くかつ多くの伸展を持つ。別の例として、心筋細胞は収縮またはパルスでき、この活動は観察できる。
例えば、脂質、タンパク質(例えば免疫蛍光法)、RNA(例えばFISH)、または特定のまたは望ましい細胞型のその他のマ-カ-を標識する染色を使って細胞を染色することが利用できるだろう。
幾つかの細胞型について、細胞の活性を測定できるであろう(例えば、抗体産生、その細胞型によって分泌された分かっているタンパク質の分泌物、または筋細胞型の拍動または収縮)。
幹細胞の特定の特徴もまた、セルベ-スアッセイで測定できる。幹細胞アッセイの非限定例は、4細胞胚盤胞の創造に関わる4倍体相補性アッセイ含む。これらの4細胞胚盤胞は、胎盤などの胚外の組織に寄与できるのみであり、したがって発生することができず、しかし注入された幹細胞は、幹細胞が多能性であれば発生して生物体になることができる。例えば、本明細書に記載された1個または複数のレポ-タ-核酸コンストラクトを含む体細胞を使って、体細胞をiPS細胞にリプログラムできる化合物をスクリ-ンでき、およびそのようなiPS細胞を四倍体相補性アッセイに使ってリプログラムされた細胞の多能性を測定できる。
動物モデル
異種移植動物モデルは、細胞運命/細胞型仕様の修飾因子として本明細書に記載した修飾因子/化合物の生物活性を確認するために有用である。ヒト細胞をマウスなどの動物モデルに移植することは、ヒト特異的マ-カ-の存在によってヒト移植片細胞が宿主細胞から区別できると言う優位性を持つ。
例えば、分化転換における修飾因子の活性を確認するために、線維芽細胞などの特異的系列のヒト細胞を、SCIDマウスなどの動物に移植できる。ヒト細胞は移植前に本明細書に記載した化合物で前処理でき、マウスは、脊髄損傷または心筋ダメ-ジなどの苦痛疾病または状態を受けていた。代わりに、移植後マウスに本明細書に記載した化合物を投与することもできる。引き続いて、マウスを、疾病または状態に付随する1個または複数の症状の改善について観察する。その上、マウス由来の組織試料を、移植されたヒト細胞が一種の細胞型から分化転換されたかどうかを測定するヒト特異的および細胞型特異的マ-カ-のためにアッセイできる(例えば、免疫組織化学によって)。検出を容易にするために、移植されたヒト細胞はまた、細胞を生体内で検出できるように
検出可能なシグナル(例えば、ルシフェラ-ゼまたは緑色蛍光タンパク質GFPなどのレポ-タ-)を発現するように設計できる。
さらなる態様において、細胞を、CTRプロモータに機能的に連結するルシフェラ-ゼまたはGFPなどのレポ-タ-のORFを含む組換え型核酸コンストラクトを含むように設計でき、そして設計された細胞を動物に移植できる。動物に化合物を投与する。1つの態様において、レポ-タ-は、細胞の細胞型が変化した時(例えば、CTRプロモータは、レポ-タ-が発現しないように初期には不活性であり、さらに化合物を動物に投与後、CTRプロモータは活性化しレポ-タ-の発現を駆動する)に、生体内で発現する。
動物モデルもまた、癌細胞の数を減少させる、腫瘍の大きさを減少させる、または癌の再発を防ぐなどの癌を処置する際の癌幹細胞の修飾因子の活性をテストするために使用できる。癌幹細胞の修飾因子は、癌幹細胞を分化させる上で効率的である。例えば、特定の癌が特定の薬物療法に対して抵抗性を示し、この抵抗性は処置に対する癌幹細胞の抵抗性によるものだろうと考えられる。これらの癌幹細胞は、新しい癌細胞の再興を結果として生み出すだろう。癌幹細胞を分化させることが分かった化合物は、そのような効果ついて、癌幹細胞を動物に注射すること、そして動物を、 (i)動物由来の癌を根絶することを通常は生み出せない治療、(ii)化合物のみ、および/または(iii)の(i)および(ii)の組み合わせ、で処置すること、によってテストするだろう。動物は次に、化合物が癌幹細胞を、例えば、それらを分化させることによって除去するかどうかを確認するために、本明細書に記載した方法によって同定された化合物で処置できる。
本発明のこれらおよびその他の実施形態は、次の非限定例に更に説明されるだろう。
5.実施例
形質移入
HEK293T(ATTC CRL-11268)に、ルシフェラ-ゼの発現を駆動するNANOG遺伝子(GenBank:AC006517) の5’UTR由来のプロモータをコ-ド化するプラスミドを形質移入し、次に、プロ-ブ標的配列をシグナルする検出タグをコ-ド化する非翻訳配列を形質移入する。このカセットは、CMV(サイトメガロウイルス)および伸長因子1-α(EF)プロモータのそれぞれに制御された2個の付加的非翻訳標的配列に隣接している。薬剤抵抗性マ-カ-をコ-ド化する配列もまた存在する。核酸を、リポフェクタミンを使用して宿主細胞に導入する。使用する核酸を宿主細胞に導入することができるその他の試薬の例は、限定される訳ではないが、リポフェクタミン、リポフェクタミン2000、オリゴフェクタミン、TFX試薬、Fugene6、DOTAP/DOPE、メタフェクチン、またはフェクチュリンを含む。
薬剤選択は本発明の方法において最適であるが、プラスミド1つに付き1個の薬剤抵抗性マ-カ-を含める。細胞は、10〜14日間薬剤を含む培地で選択される。
細胞を蛍光発生オリゴヌクレオチドに曝露
蛍光発生オリゴヌクレオチドを、リポフェクタミンを使用して宿主細胞に導入する。核酸を宿主細胞に導入するのに使用できる試薬(蛍光発生オリゴヌクレオチドなど)の例は、限定される訳ではないが:リポフェクタミン、リポフェクタミン2000、オリゴフェクタミン、TFX試薬、Fugene6、DOTAP/DOPE、メタフェクチン、またはフェクチュリン、を含む。細胞を収集し、および蛍光発生オリゴヌクレオチドを形質移入する。細胞を、解析のために解離しおよび収集する、および細胞数測定の細胞選別機を使用してソ-トする。
陽性細胞の単離
標準分析用方法が、背景より上のまたは極低レベルでの蛍光を放つ細胞をゲ-ト(遮断)するために、および96ウエルのプレ-トに直接これらの明確なゲ-トの範囲内で落ちる細胞を単離するために使われる。細胞ソ-ティングを、単細胞が物各ウエルに沈着するように駆動させる。選択後、細胞が薬剤を欠く培地内で拡張する。
誘導性の確認
結果として生じる細胞に、標準試薬使用してOct4およびSox2コ-ド化するプラスミドを形質移入する。48、72、または96時間後、細胞を収集、溶解しかつ上清を収集する。可溶化液を生物発光の基質に曝露し、発光をプレ-トリ-ダ(Tecan)使用して測定する。
本発明は、本明細書に記載された、いくつかの特定の実施形態に限定される訳ではない。実際、これらの記載されたものにさらに加えて本発明の様々な変更は、先の記述および付随する図から当業者に明らかになるであろう。そのような変更は、付加した請求項の範囲内に含まれることが意図されている。
本明細書に引用された全ての参考文献は、個々の出版物または特許または特許出願が明確におよび個々に参照により全ての目的のためにその全体を取り込むと指示したのと同程度に、全ての目的のためにその全体を組み入れる。