JP2013500449A - 自己調整ギヤ機構を有する差動歯車 - Google Patents

自己調整ギヤ機構を有する差動歯車 Download PDF

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Abstract

差動歯車(10)は、ドライブトレーンに対して従動関係を有して連動可能に支持されたギヤケース(14)を含み、このギヤケース(14)と共に回転するように、スパイダー(48)が固定されている。このスパイダー(48)は、少なくとも1組のクロスピン(50)を有している。このクロスピン(50)の各々は、縦軸(54)と、クロスピン(50)の縦軸(54)と直交する方向に延びた中心線(58)を基準として隆起した凸面状の外周面(56)とを具備している。ピニオンギヤ(52)は中心穴(60)を有しており、そこでは、クロスピン(50)が、ピニオンギヤ(52)の中心穴(60)内に収容されることで、ギヤが、スパイダー(48)と共に回転するように、かつ、クロスピン(50)の凸面(56)におけるピニオンギヤ(52)の回転の自由度の増加と共に、サイドギヤ(38、40)と噛合うように保持されている。或いは、ピニオンギヤ(52)の中心穴(160)が、その中心穴の軸(166)に沿って隆起した凸面状の内周面(162)を備えることとしてもよい。

Description

本発明は、広義には差動歯車に関するものであり、詳しくは自己調整ギヤ機構を有する差動歯車に関するものである。
差動歯車は、車両のドライブトレーン内で使用される装置としてよく知られている。これらの装置は、ドライブシャフトやアクスルハーフシャフトといった1組の回転部材を、それらの回転軸で連結するように機能する。従って、差動歯車は、車両の前軸と後軸とを連動可能に連結するトランスファケースの一部として、アクスルハーフシャフトを連結するリミテッドスリップ装置やデフロック装置等のオープン式差動歯車等の、当技術では周知の別の使用方法で、利用されてきたものである。
関連技術の中で周知の形態の差動歯車は、ハウジングと、ハウジングにより支持され、車両のドライブトレーンによって回転駆動される、ギヤケースとを含んでいる。この差動歯車は、一般に少なくとも1組のサイドギヤを含んでいる。このサイドギヤは、アクスルハーフシャフトのような1組の回転部材と共に回転するように、スプライン接続されている。クロスピンを有するスパイダーが、ギヤケースと共に回転するように固定されている。クロスピンと共に回転するように、かつ、サイドギヤと噛合うように、ピニオンギヤが保持されている。このピニオンギヤは、一般的に、クロスピンの外側筒状面と係合するように設計された筒状面を規定する、中心穴を含んでいる。当技術では周知のように、サイドギヤの差動回転と、それに伴うアクスルハーフシャフトの差動回転とは、クロスピンに対するピニオンの回転により達成される。
当技術では周知である上述した形態の差動歯車は、それらが意図された目的のために動作するが、ある程度の損失が残ってしまう。より具体的には、このような差動歯車の作用を改善するための、進行的で連続的な努力が依然必要となる。このような差動歯車に関連する1つの問題点は、例えば、ピニオンギヤとサイドギヤ間が滑らかで効率的に相互作用するといった、ピニオンギヤとクロスピン間の係合面への要求である。その成果を出すための1つの方法は、クロスピン、ピニオンギヤ、サイドギヤの製造で用いられる製造工程での精度を高めることを含むものである。あいにくながら、精度を高めることは、これらの装置の製造コストを上げることにもなってしまう。しかしながら、結局、製造工程で達成できる精度のレベルには限界がある。製造偏差は、結局避けられないものである。
従って当技術では、差動歯車に対して、製造コストを上げることなく、ピニオンギヤと、それに対応するクロスピンやサイドギヤとの間で、滑らかに係合するように相互作用させる必要性が未だにある。
(発明の態様)
本発明は、1組の回転部材を有する、車両のドライブトレーン内で使用される、差動歯車の関連技術における欠陥を克服するものである。本発明の差動歯車は、車両のドライブトレーンに対して従動関係を有して連動可能に支持されたギヤケースを含んでいる。このギヤケース内では、1組のサイドギヤが、対応する所定の回転部材と共に回転するように固定されている。このギヤケースと共に回転するように、スパイダーが固定されている。このスパイダーは、少なくとも1組のクロスピンを有している。このクロスピンの各々は、縦軸と、クロスピンの縦軸と直交する方向に延びた中心線を基準として隆起した、凸面状の外周面とを備えている。本発明の差動歯車は、更に、少なくとも1組のピニオンギヤを含むものである。このピニオンギヤの各々は、中心穴を有している。クロスピンの各々が、対応する所定のピニオンギヤの中心穴内に収容されることで、ピニオンギヤが、スパイダーと共に回転するように、かつ、クロスピンの凸面におけるピニオンギヤの回転の自由度の増加と共に、サイドギヤと噛合うように保持されている。
或いは、本発明は、ピニオンギヤの中心穴の各々が、中心穴の軸と直交する方向に延びた中心線を基準として隆起した、凸面状の内周面を備える、差動歯車を示唆するものでもある。クロスピンが、対応する所定のピニオンギヤの中心穴内に収容されることで、ピニオンギヤが、スパイダーと共に回転するように、かつ、クロスピンにおけるピニオンギヤの回転の自由度の増加と共に、サイドギヤと噛合うように保持されている。
自身の軸に沿ったクロスピンの形状、若しくは、ピニオンギヤの中心穴がこのように変更される際には、これらはピニオンギヤとサイドギヤとを、極めて小さい角度を介して互いに自己調整ができるようにするが、これは互いの自由度を増やすことになる。この増加した自由度と自己調整機能は、製造工程に帰着することとなる、精度面での不可避の偏差を補うものである。更に、この自己調整の特徴は、自動車への適用では毎分ごとの最大差動運動に係る回転が少量であるため、差動歯車の動作に弊害を与えるものではない。従って、本発明は、係合するギヤの滑らかな動作を促進しながらも、比較的低いコストで製造される差動歯車となる。
本発明の他の形態、特徴、利点は、容易に認識されるものであるが、添付の図面に関連した後述する明細内容を読むことにより、更によく理解されるであろう。
図1は、本発明の実施の形態に係る差動歯車の模式的な例を示す側面断面図である。 図2は、関連技術で周知の形態の、クロスピンとピニオンとを有するスパイダーの部分的な側面断面図である。 図2Aは、関連技術で周知の形態の、クロスピンとピニオンギヤの中心穴との間の係合面を示す部分的に拡大した側面断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る、凸面状の外周面を備えたクロスピンを有するスパイダーの部分的な側面断面図である。 図3Aは、本発明の実施の形態に係る、凸面状の外周面を伴うクロスピンと、ピニオンギヤの中心穴との間の相互作用を示す部分的に拡大した側面断面図である。 図4は、本発明の実施の形態に係る、凸面状の内周面を有する中心穴を伴うピニオンギヤを有するスパイダーの部分的な側面断面図である。 図4Aは、本発明の実施の形態に係る、クロスピンに対するピニオンギヤの凸面状の中心穴の相互作用を示す部分的に拡大した側面断面図である。
クロスピンを有するスパイダーを用いた形式の差動歯車、若しくは、本発明により熟考された形式のピニオンギヤの模式的な実施形態が、概して符号10で図1に示されており、図面の全体にわたって同様の構成部位には同様の符号が用いられている。差動歯車10は、車両に動力を供給するために使用される動力源を有する、様々な車両向けのドライブトレーンの一部として用いられるように設計されている。従って、一般的な当業者は、差動歯車10が、車両の前軸と後軸とを連動可能に連結するトランスファケースの一部として、オープン式差動歯車、アクスルハーフシャフトを連結するリミテッドスリップ装置やデフロック装置、及び、当技術では周知の別の使用方法等で用いられることは理解されるであろう。リミテッドスリップ装置やデフロック装置は、油圧作動や電子的作動がなされるものであるため、信頼できる作動状態の下で、アクスルハーフシャフトを連動可能に連結するために共に用いられる、摩擦クラッチのような連結機構を含んでいる。一般的な当業者は、以下の記述から、図1で示されている差動歯車10の目的は、本発明の特徴を有する装置の、1つの基本的な模式例を提供したにすぎず、本発明の適用範囲を、本明細書で示されている差動歯車の形態に限定することを目的としたものではないことは理解されるであろう。
これを踏まえて、差動歯車10は、その最も基本的な構成では、概して符号12で示されるハウジングを有している。概して符号14で示されるギヤケースは、当技術では周知のように、ハウジング12内でドライブトレーンにより駆動され、回転可能に支えられている。このために、ギヤケース14にはリングギヤ16が動作可能に固定されている。このリングギヤ16は、一般的に、ドライブシャフト20や他の駆動機構に固定された、ピニオンギヤ18に係合して駆動されるように設計されている。ギヤケース14は、関連技術の中で知られている一般的な様式では、共働可能に固定された2つの端部22、24を備えている。一般的な当業者は、ギヤケース14とハウジング12とが、関連技術の中で知られた一般的な構造により規定され、本発明が、ここで図示されているハウジング12や、2つの端部22、24を備えるギヤケース14に限定されるものではないことは、以下の記述から理解されるであろう。同様に、ギヤケース14は、関連技術の中で知られた一般的な駆動機構により駆動され、本発明は、リングギヤ、ピニオン、及びドライブシャフトによって駆動される、ギヤケース14に限定されるものではない。
ギヤケース14の各々の端部22、24は、アクスルハーフシャフト30、32のような1組の回転部材を、ベアリング34等により支持するハブ26、28を有している。ギヤケース14は、キャビティ36を備えている。1組のサイドギヤ38、40は、キャビティ36を備えるギヤケース14内で、1組の回転部材42、44(a pair of rotary members 42, 44)のうち、夫々1つと共に回転するように固定されている。典型的には、サイドギヤ38、40は、各々、回転部材30、32の一方に対してスプライン接続されている。概して符号48で示されるスパイダーは、ギヤケース14と共に回転するように固定されている。このスパイダー48は、少なくとも1組のクロスピン50を有している。更に、差動歯車10は、少なくとも1組のピニオンギヤ52を有している。図で示されている実施形態では、スパイダー48は、2組のクロスピン50と、2組のピニオンギヤ52とを有している。夫々のピニオンギヤ52は、クロスピン50に対して回転するように支持され、1組のサイドギヤ38、40の一方に対して噛合っている。
これらを念頭において、図2及び図2Aに注目すると、関連技術では周知の形態である、4つのクロスピンP(図示では3つ)と4つのピニオンギヤGとを有するスパイダーSを用いた差動歯車Dの半体が図示されている。図2Aで拡大して示されるように、クロスピンPは、各々のピンPの軸Xに沿って延びた、基本的に環状の面Aを備えている。ピニオンギヤGは、クロスピンPの面Aを提供し、その軸に沿ってクロスピンと噛合うように、環状面を規定している内周面Iによって、中心穴Bを備えている。従って、ピニオンギヤは、クロスピンで回転するように支持され、サイドギヤと適切に噛合う。ピニオンギヤとサイドギヤとは、摩擦によるエネルギー損失を可能な限り小さくして、滑らかに噛合わせることが重要になる。関連技術において、この目的は、クロスピンとピニオンギヤ間の係合面の精度を上げることで達成される。更に、その成果を出すために、これらの構成部位の製造は、広い範囲の熱処理と研磨とを含むものである。あいにくながら、このレベルの精度に到達するための、そして、摩擦や他の損失を減らすための努力は、関連技術で知られた形態の差動歯車の製造コストを増大させることになる。更に、その相互に作用する面の精度を上げるために、どれだけ多くの努力が費やされようとも、製造工程は完全にはならない。従って、最適な設計値からの偏差が、常に見つかることになる。これらの偏差は、差動歯車中に摩擦やエネルギー損失の増加をもたらすものとなる。
本発明は、図3、図3A、図4、図4Aで示されている、特有の形状を有するスパイダー48のクロスピン50とピニオンギヤ52とを、差動歯車10に用いることにより、関連技術のこれらの欠陥を克服するものである。より明確には、図3及び図3Aを参照すると、本発明のクロスピン50の各々は、縦軸54と、クロスピン50の縦軸54と直交する方向に延びた、符号58で表示される中心線を基準として隆起した、凸面状の外周面56とを備えている。図3及び図3Aで示されているように、読者の視線では、中心線58は紙面と直交する方向へ延びている。ピニオンギヤ52の各々は、中心穴60を有している。ある実施形態では、その中心穴の内周面62は、中心穴と同軸の環状である。クロスピン50の各々は、対応する所定のピニオンギヤの中心穴60内に収容されており、これにより、ピニオンギヤ52は、スパイダー48と共に回転するように、そして、クロスピン50の凸面56におけるピニオンギヤ52の回転の自由度の増加と共に、サイドギヤ38、40と噛合うように保持されている。より明確には、クロスピン50の凸形態は、ピニオンギヤ52のクロスピン50に対する位置調整を容易にするものであり、従って、ピニオンギヤ52がクロスピン50に対して位置調整が可能な間は、ピニオンギヤ52とサイドギヤ38、40間の係合が滑らかになる。これらの特徴は全て、クロスピン50の外周面56の凸形態により促進される。従って、一般的な当業者は、面56の凸形態が、円の一部を成す弧の形状を備えることは理解されるであろう。或いは、その弧は、楕円の一部を成す形状となることもあり得る。他方では、その弧は、円も楕円も規定しないような、曲線の一部を成す形状となることもあり得る。一般的な当業者は、クロスピン50の凸形態が、図3及び図3Aで図を説明する目的で強調されていることは理解されるであろう。
本発明に係る差動歯車の他の実施形態が、図4及び図4Aで示されており、図3及び図3Aで図示されている実施形態に関して、同様の符号は同様の構成部位を示し、いくつかの符号には100が足されている。図4及び図4Aで示される実施形態では、凸面162が、ピニオンギヤ52の中心穴160内に形成されている。クロスピン50の外周面156は環状である。中心穴160は、ピニオンギヤ52の中心穴160の軸166から間隔をあけて直交して延びる、中心線164を基準として隆起した凸面状の内周面162を備えている。図4Aで示されているように、読者の視線では、中心線164は紙面と直交する方向へ延びている。クロスピン50は、対応する所定のピニオンギヤ52の中心穴160内に収容されており、これにより、ピニオンギヤ52は、スパイダー48と共に回転するように、そして、クロスピン50におけるピニオンギヤ52の回転の自由度の増加と共に、サイドギヤ38、40と噛合うように保持されている。この点において、図4及び図4Aで示される実施形態は、図3及び図3Aで示した実施形態の全ての特徴と利点とを有することになる。更に、図3及び図3Aで示した実施形態に関して言及したように、中心穴160の凸面状の内周面162は、円の一部を成す弧の形状を備えている。或いは、中心穴160の凸面状の内周面162は、楕円の一部を成す弧の形状を備えている。他方では、中心穴160の凸面状の内周面162は、円や楕円の一部を成す形状ではないが、曲線の一部を成す弧の形状を備えている。一般的な当業者は、穴60の内周面162の凸形態が、図4及び図4Aで図を説明する目的で強調されていることは理解されるであろう。
自身の軸に沿ったクロスピン50の面56、若しくは、ピニオンギヤ52の中心穴160がこのように変更される際には、これらはピニオンギヤ52とサイドギヤ38、40とを、極めて小さい角度を介して互いに自己調整ができるようにするが、これは互いの自由度を増やすことになる。この増加した自由度と自己調整機能は、製造工程に帰着することとなる、精度面での不可避の偏差を補うものである。更に、この自己調整の特徴は、自動車への適用では毎分ごとの最大差動運動に係る回転が少量であるため、差動歯車の動作に弊害を与えるものではない。従って、本発明は、係合するギヤの滑らかな動作を促進しながらも、比較的低いコストで製造される差動歯車となる。
本発明について、上述した明細内容にかなり詳細に記述してきたが、本発明の様々な変更及び修正は、明細内容を読み取り、理解することにより、一般的な当業者には明確になると思われる。そのような変更及び修正の全ては、それらが追加クレームの範囲内である限り、本発明に含まれるように意図されるものである。
10:差動歯車、12:ハウジング、14:ギヤケース、30、32:回転部材(アクスルハーフシャフト)、38、40:サイドギヤ、48:スパイダー、50:クロスピン、52:ピニオンギヤ、54:縦軸、56、156:外周面、58:中心線、60、160:中心穴、62、162:内周面、164:中心線、166:軸

Claims (16)

  1. 車両のドライブトレーンで使用されるための、1組の回転部材(30、32)を含む差動歯車(10)であって、
    車両のドライブトレーンに対して従動関係を有して連動可能に支持されたギヤケース(14)と、前記ギヤケース(14)内で前記回転部材(30、32)のうちの1つと共に回転するように固定された1組のサイドギヤ(38、40)と、前記ギヤケース(14)と共に回転するように固定されたスパイダー(48)と、該スパイダー(48)に含まれる少なくとも1組のクロスピン(50)とを有し、該クロスピン(50)の各々は、縦軸(54)と、前記クロスピン(50)の前記縦軸(54)と直交する方向に延びた中心線(58)を基準として隆起した凸面状の外周面(56)を備え、
    少なくとも1組のピニオンギヤ(52)を含み、該ピニオンギヤ(52)の各々は、中心穴(60)を有し、前記クロスピン(50)の各々が、対応する所定の前記ピニオンギヤ(52)の前記中心穴(60)内に収容されることで、前記ピニオンギヤ(52)が、前記スパイダー(48)と共に回転するように、かつ、前記クロスピン(50)の前記凸面(56)における前記ピニオンギヤ(52)の回転の自由度の増加と共に、前記サイドギヤ(38、40)と噛合うように保持されることを特徴とする差動歯車(10)。
  2. 前記クロスピン(50)の前記凸面状の外周面(56)は、円の一部を成す弧の形状を備えることを特徴とする請求項1記載の差動歯車(10)。
  3. 前記クロスピン(50)の前記凸面状の外周面(56)は、楕円の一部を成す弧の形状を備えることを特徴とする請求項1記載の差動歯車(10)。
  4. 前記クロスピン(50)の前記凸面状の外周面(56)は、曲線の一部を成す弧の形状を備えることを特徴とする請求項1記載の差動歯車(10)。
  5. 前記ギヤケース(14)を回転可能に保持するハウジング(12)を含むことを特徴とする請求項1記載の差動歯車(10)。
  6. 前記スパイダー(48)は、2組の前記クロスピン(50)と2組の前記ピニオンギヤ(52)とを有し、該ピニオンギヤ(52)の組の各々が、前記クロスピン(50)上で回転するように、かつ、所定の前記サイドギヤ(38、40)の組と噛合うように保持されることを特徴とする請求項1記載の差動歯車(10)。
  7. 車両のドライブトレーンで使用されるための、1組の回転部材(30、32)を含む差動歯車(10)であって、
    車両のドライブトレーンに対して従動関係を有して連動可能に支持されたギヤケース(14)と、前記ギヤケース(14)内で前記回転部材(30、32)のうちの1つと共に回転するように固定された1組のサイドギヤ(38、40)と、前記ギヤケース(14)と共に回転するように固定され、少なくとも1組のクロスピン(50)を有するスパイダー(48)と、少なくとも1組のピニオンギヤ(52)とを含み、
    該ピニオンギヤ(52)の各々は、軸(166)で規定される中心穴(160)を有し、該中心穴(160)の各々は、該中心穴の前記軸(166)と直交する方向に延びた中心線(164)を基準として隆起した凸面状の内周面(162)を備え、前記クロスピン(50)が、対応する所定の前記ピニオンギヤ(52)の前記中心穴(160)内に収容されることで、前記ピニオンギヤ(52)が、前記スパイダー(48)と共に回転するように、かつ、前記クロスピン(50)における前記ピニオンギヤ(52)の回転の自由度の増加と共に、前記サイドギヤ(38、40)と噛合うように保持されることを特徴とする差動歯車(10)。
  8. 前記中心穴(160)の前記凸面状の内周面(162)は、円の一部を成す弧の形状を備えることを特徴とする請求項7記載の差動歯車(10)。
  9. 前記中心穴(160)の前記凸面状の内周面(162)は、楕円の一部を成す弧の形状を備えることを特徴とする請求項7記載の差動歯車(10)。
  10. 前記中心穴(160)の前記凸面状の内周面(162)は、曲線の一部を成す弧の形状を備えることを特徴とする請求項7記載の差動歯車(10)。
  11. 前記ギヤケース(14)を回転可能に保持するハウジング(12)を含むことを特徴とする請求項7記載の差動歯車(10)。
  12. 前記スパイダー(48)は、2組の前記クロスピン(50)と2組の前記ピニオンギヤ(52)とを有し、該ピニオンギヤ(52)の組の各々が、前記クロスピン(50)上で回転するように、かつ、所定の前記サイドギヤ(38、40)の組と噛合うように保持されることを特徴とする請求項7記載の差動歯車(10)。
  13. 車両のドライブトレーンで使用されるための、1組の回転部材(30、32)を含む差動歯車(10)であって、
    ハウジング(12)と、該ハウジング(12)によって車両のドライブトレーンに対して従動関係を有して連動可能に支持されるギヤケース(14)と、前記ギヤケース(14)内で前記回転部材(30、32)のうちの1つと共に回転するように固定された1組のサイドギヤ(38、40)と、前記ギヤケース(14)と共に回転するように固定されたスパイダー(48)と、該スパイダー(48)に含まれる2組のクロスピン(50)とを有し、該クロスピン(50)の各々は、縦軸(54)と、前記クロスピン(50)の前記縦軸(54)と直交する方向に延びた中心線(58)を基準として隆起した凸面状の外周面(56)とを備え、
    2組のピニオンギヤ(52)を含み、該ピニオンギヤ(52)の各々は、中心穴(60)を有し、前記クロスピン(50)の各々が、対応する所定の前記ピニオンギヤ(52)の前記中心穴(60)内に収容されることで、前記ピニオンギヤ(52)が、前記スパイダー(48)で回転するように、かつ、前記クロスピン(50)の前記凸面(56)における前記ピニオンギヤ(52)の回転の自由度の増加と共に、前記サイドギヤ(38、40)と噛合うように保持されることを特徴とする差動歯車(10)。
  14. 前記中心穴(60)の前記凸面状の面(56)は、円の一部を成す弧の形状を備えることを特徴とする請求項13記載の差動歯車(10)。
  15. 前記中心穴(60)の前記凸面状の面(56)は、楕円の一部を成す弧の形状を備えることを特徴とする請求項13記載の差動歯車(10)。
  16. 前記中心穴(60)の前記凸面状の面(56)は、曲線の一部を成す弧の形状を備えることを特徴とする請求項13記載の差動歯車(10)。
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