JP2013258891A - 永久磁石同期モータの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トルク指令Te*とモータ速度/バッテリ出力電圧(√3ωr/Vdc)を入力とする磁束に基づいたマップデータ部を用いて電流指令(Idq*)を生成する段階と、同期モータの静トルク領域で電流制御モードのCVC制御モードに切り換えるか、または同期モータの弱め磁束領域で電圧位相制御モードのMVSC制御モードに切り換える段階と、を行ってMVSC制御モードで出力された指令電圧(Vdc*_MVSC)を弱め磁束領域におけるモータトルクの制御に使用することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
埋込型永久磁石同期モータ(IPMSM)10の制御装置は、PWMインバータに最終磁束−軸(D−軸)指令電圧値(Vds r*)と最終回転力−軸(Q−軸)指令電圧値(Vqs r*)を提供するものであって、電流指令生成器12、電流調整のための電流制御器14、過変調器(図示せず)、帰還制御部16を含む。
電流指令生成器12は、指令回転力(Te *)と弱め磁束制御結果の最大磁束値(|λ|max)により、磁束−軸(D−軸)指令電流値(ids r*)と回転力−軸(Q−軸)指令電流値(iqs r*)を生成する。
また、帰還制御部16は、永久磁石同期モータ10の磁束を調節するために、PI電流制御に基づいて弱め磁束制御を行い、電流制御器14からのD−軸指令電圧値(Vds r*)とQ−軸指令電圧値(Vqs r*)に比例して最大磁束控除値を生成する。
この時、電流制御器14からのD−軸指令電圧値(Vds r*)とQ−軸指令電圧値(Vqs r*)が帰還すると、帰還制御部16の自乗平均生成部16aで〔数1〕の出力値を出力する。
)で〔数1〕の出力値が減算処理されるが、ここで、VdcはPWMインバータ18に印加される直流リンク電圧である。次に、帰還制御部16では、減算された出力電圧を永久磁石同期モータの回転子角速度(
)として出力する。
は円の領域で線形的に電圧合成が可能な最大合成電圧値である。
また、六角形領域は、空間ベクトルPWM(Pulse Width Modulation)方式により電圧合成が可能な領域であり、六角形領域の内側円の領域を除いた斜線領域は非線形電圧変調領域である。
の範囲内で電圧を生成してトルク制御を行ってきたが、次のような問題点があった。
第1に、電流制御を安定化するために、図7に示したとおり、弱め磁束基準電圧として六角形に内接する円の領域を用いているが、それによって、六角形を用いた時よりも電圧利用率が約10%減少する。
第2に、電圧変調時の最大合成電圧値が電圧制限円(円の領域)で最大値の
以上になって六角形の内接円(円の領域)から外れる場合、インバータでその電圧を正確に生成できなくなり、出力電圧(最大合成電圧値)の線形性が壊れることによって、トルク制御が不安定となり、その結果、同期モータの高速運転時、安定した制御が困難となる問題があった。
)を入力とする磁束に基づいたマップデータ部を用いて電流指令(Idq *)を生成する段階と、同期モータの静トルク領域で電流制御モードのCVC制御モードに切り換えるか、または同期モータの弱め磁束領域で電圧位相制御モードのMVSC制御モードに切り換える段階と、を行ってMVSC制御モードで出力された指令電圧(
)を弱め磁束領域におけるモータトルクの制御に使用することを特徴とする。
)が電圧制限内でIPMSM(110)に伝送されることを特徴とする。
)で指令電圧(
)が計算される段階と、指令電圧(
)にスカラゲイン(KH)を乗算することにより、指令電圧(
)が六角形の電圧限界値に調節されて指令電圧(
)として出力される段階と、が行われることを特徴とする。
図1は、本発明による永久磁石同期モータの制御方法を実現するための制御ブロック図であり、図3は、本発明による永久磁石同期モータの制御方法であって、電圧利用率の向上方法及びトルク誤差の補償方法を示す制御ブロック図である。
図1及び図3に示したとおり、本発明の永久磁石同期モータの制御方法は、先ず、トルク指令(Te *)とモータ速度/バッテリ出力電圧(
)を入力とする磁束に基づいたマップデータ部100を用いて電流指令(Idq *)を生成する。
次に、同期モータの静トルク領域及び弱め磁束領域に応じて電流制御モード(Mode CC)とVPC制御モード(Mode VPC)へのモード切換が行われる。
この時、MVSC制御モードでは、マップデータ部100で生成された電流指令を用いてインバースモデルマップ106で電圧指令(Vdq *)を生成する段階が行われ、生成された電圧指令に任意のゲイン[KH(>2)]を乗算して電圧発生部108で六角形に制限される電圧を発生させる。
具体的に本発明は、埋込型永久磁石同期モータを使用するハイブリッド及び電気車に用いられるモータ制御アルゴリズムを提供するものであり、第1に、弱め磁束領域の運転時、トルク指令とモータ速度/バッテリ出力電圧を入力とする磁束に基づいたマップデータ(Map Data)を活用した電圧位相制御モードのMVSC制御モードにより、最大電圧値付近の電圧を用いることで、弱め磁束領域で電圧利用率を向上させた点、第2に、弱め磁束領域で温度及び他の影響要素によるモータ定数の変化時、トルク誤差補償用フィルタを活用してトルク誤差を補償する点に特徴がある。
先ず、トルク指令(Te *)及びインバース指令フラックス(
)が弱め磁束領域及びMTPAのために構築されたルックアップテーブルのマップデータ部100に入力され、マップデータ部100で電流指令(Idq *)を生成する。
この時、CVC制御モードでは、マップデータ部100が電流ベクトル制御(CVC)のための線形電圧制限に関してマッピングを行い、フィードバック電流(Idq)がPI(proportional−integral)電流調整器により指令電流ベクトル(Idq *)を追従するように制御される。
)が電圧制限内でIPMSMに伝送される。
一方、MVSC制御モードでは、指令電圧(
)が、同期化参照フレームに基づいた電圧モデル、すなわち、インバースモデルマップ106(
)を用いて計算される。その計算式を〔数2〕及び〔数3〕に示した。
はロータ角速度であり、^は変数を表す。)
指令電圧(
)は常に線形電圧限界値の範囲内にあるが、その理由はCVCに基づいた指令電流(Idq *)により計算されるからである。
同期モータの弱め磁束領域での電圧利用率を向上させるために、トルクの不連続性を最小化しながら指令電圧(
)にスカラゲイン(KH)を乗算することにより、指令電圧(
)が六角形に内接する円の領域の外側まで拡張され、エラー過変調を用いた六角形の電圧限界値に調節されて指令電圧(
)として出力される。
このように六角形上に生成された指令電圧(
)は、電流ベクトル制御(CVC)が非活性化される時、弱め磁束領域におけるモータトルクの制御に用いられ、このような電圧選択と共に最大電圧の使用が弱め磁束領域で行われる。
は円の領域で線形的に電圧合成が可能な最大合成電圧値であるが、従来、弱め磁束基準電圧として六角形に内接する円の領域を使用することにより、電圧利用率が六角形の利用時よりも約10%減少する問題があった。
したがって、同期モータの弱め磁束領域での電圧利用率を向上させるために、弱め磁束領域でMVSC制御モードに切り換えることにより、指令電圧(
)が六角形に内接する円の領域の外側まで拡張され、最小サイズ−エラー過変調を用いた六角形の電圧限界値に調節されて指令電圧(
)として出力されるため、弱め磁束領域での最大電圧が使用される。
そのために、モータ電圧、電流、dc−リンク電圧、ロータ速度、実際のトルクに対する正常状態の測定値に基づいたルックアップテーブルを構築し、MVSC制御モードの実行時、トルクを正確に制御するために補償モデルを構築する。
例えば、電圧変動に基づいたフィルタ、すなわち、トルク誤差を補償できるトルク誤差補償用フィルタ120(本発明者によりステートフィルタ(state−filter)と呼ばれている)が図2及び図3に示したとおり構築される。
トルク誤差補償用フィルタ120は、モータの高速回転状態でd−q軸インダクタンス変化値(
)及び永久磁石(PM)のリンケージフラックス(linkage flux)変化値(
)を含む電圧を次の〔数3〕のとおり出力する。
はd−q軸インダクタンス変化値、
はリンケージフラックス(linkage flux)変化値、
はロータ角速度であり、^は変数を表す。)
このように出力されたd−q軸インダクタンス変化値(
)及びリンケージフラックス(linkage flux)変化値(
)にインバースモデルマップ106で出力された電圧値を加算することにより、インバースモデルマップ106によるトルク誤差が電圧の形態で補償される。
この試験例では、CVC制御モードでのd−軸電流をモータのリンケージフラックスを減少させるように徐々に低下させ、MVSC制御モードではステータ電圧が六角形の境界側に増加するため、モードスイッチングの瞬間にd−軸電流を増加させた。
ここで、トルクの変動はMVSC及びCVC制御モードに切り換える時には発生しないが、これはトルク誤差補償用フィルタ120のトルク補償によりモータパラメータの変化条件でもトルクが一定に制御されることを意味する。
MVSC制御モード(b)でのd−軸電流(id)は最大電圧を使用するため、CVC制御モードに比べ電流の大きさが小さくなり、q−軸電流(iq)はCVC制御モードとほぼ同一である。結果的に、MVSC制御モードはCVC制御モードに比べてステータ電流(Is)の大きさを約33%ほど減少させた。
その結果は、PI方式の電流調整器での積分器と6段階の変調に対する複雑なゲイン調節のような制御をしなくても、インバータの電力密度を向上させると共にdc−バス電圧を最大化させる可能性があることを意味する。
12 電流指令生成器
14 電流制御器
16 帰還制御部
16a (帰還制御部16の)自乗平均生成部
16b (帰還制御部16の)減算器
18 PWMインバータ
100 マップデータ部
102 CVC制御モード、電流ベクトル制御モード
104 MVSC制御モード、変調電圧スケール制御モード
106 インバースモデルマップ(
)
108 電圧発生部
120 トルク誤差補償用フィルタ、ステートフィルタ
id d−軸電流
iq q−軸電流
Idq フィードバック電流
Idq * 電流指令、指令電流
ids r* 磁束−軸(D−軸)指令電流値
iqs r* 回転力−軸(Q−軸)指令電流値
Is ステータ(stator)電流
KH ゲイン、スカラゲイン
Ld d軸インダクタンス
Lq q軸インダクタンス
MTPA (単位電流当たり)最大トルク
Te トルク
Te* 指令回転力、トルク指令
V1〜V6 (Vdsr*とVqsr*の)ベクトル和の電圧
Vdc (PWMインバータに印加される)直流リンク電圧、バッテリ出力電圧
Vdq * 電圧指令
(電流制御による)指令電圧ベクトル、指令電圧
(MVSC制御モードでの)指令電圧
(MVSC制御モードで出力された)指令電圧
Vds r* 最終磁束−軸(D−軸)指令電圧値
Vqs r* 最終回転力−軸(Q−軸)指令電圧値
最大合成電圧値
|λ|max 最大磁束値
λpm (永久磁石の)リンケージフラックス(linkage flux)
Claims (4)
- 前記永久磁石同期モータの制御方法は、
トルク誤差補償用フィルタ(120)でIPMSM(110)の電流出力値と電圧発生部(108)の電圧出力値の入力を受けてトルク補償用電圧を〔数3〕のとおり出力する段階と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石同期モータの制御方法。
(式中、
はd−q軸インダクタンス変化値、
はリンケージフラックス(linkage flux)変化値、
はロータ角速度であり、^は変数を表す。)
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