JP2013257062A - 取鍋に施工した不定形耐火物の乾燥方法 - Google Patents

取鍋に施工した不定形耐火物の乾燥方法 Download PDF

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Abstract

【課題】取鍋の敷部に施工した不定形耐火物の剥離を防止しつつ、不定形耐火物の乾燥を適正に行うことができるようにする。
【解決手段】敷部の鉄皮の厚みが50〜95mmである溶鋼取鍋に不定形耐火物を施工するに際し、敷部の不定形耐火物の施工厚みを150〜350mmとし、敷部に施工する不定形耐火物の含有水分量を5〜6質量%とする。敷部に施工した不定形耐火物の乾燥時間は、25≦乾燥時間t(h)≦50、50≦鉄皮温度T(℃)≦100、T×t≧−0.078×(ρ×S)+2442.5とする。敷部の鉄皮に設けられた蒸気孔12占有密度ρ(個/m)は、1<ρ<250、単位個数当たりの蒸気孔12面積S(mm/個)は、50<S<350とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、キャスタブル等の不定形耐火物を敷部に施工して当該不定形耐火物を乾燥させる取鍋に施工した不定形耐火物の乾燥方法に関する。
従来より、取鍋の内側には不定形耐火物などの耐火物が施工されることが一般的であり、取鍋に施工した後の耐火物を乾燥する技術として、特許文献1〜5に示すものがある。
特許文献1では、蒸気孔を有しない鉄皮構造の密閉容器にライニングした耐火物を加熱・乾燥するに際して、該密閉容器の底部鉄皮に設けた吸引孔を介して強制吸引しつつ加熱・乾燥している。
特許文献2では、永久張り耐火物が定形耐火物で施工され、且つ、耐火物の加熱・乾燥時に発生するガスを抜くための蒸気抜き孔の設置された溶融金属収容容器であって、蒸気抜き孔の設置位置と永久張り耐火物の目地とが一致せず、蒸気抜き孔の設置位置と永久張り耐火物の目地との最短距離が30mm以上にずらしている。
その他に、不定形耐火物などを乾燥させる方法として、特許文献3〜5に示すものがある。
特開平6−185872号公報 特許第4506607号公報 特開2003−128469号公報 特開2007−255883号公報 特許第4581444号公報
特許文献1〜5では、容器内に施工した耐火物の乾燥を行うことができるものの、耐火物の乾燥を行ったときの水蒸気を外部に逃がす蒸気孔に関する説明が成されておらず、加えて、蒸気孔、乾燥時間及び乾燥温度とについての記載もないことから、これらの技術を用いても、取鍋の敷部に施工した不定形耐火物の剥離を防止しながら適正に乾燥させることが難しいのが実情である。
そこで、本発明では、取鍋の敷部に施工した不定形耐火物の剥離を防止しつつ、不定形耐火物の乾燥を適正に行うことができる取鍋に施工した不定形耐火物の乾燥方法を提供することを目的とする提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
本発明の技術的手段は、敷部の鉄皮の厚みが50〜95mmである溶鋼取鍋に不定形耐火物を施工するに際し、前記敷部の不定形耐火物の施工厚みを150〜350mmとし、前記敷部に施工する不定形耐火物の含有水分量を5〜6質量%としておき、敷部に施工した不定形耐火物の乾燥は、式(1)〜式(3)を満たした時点で終了することを特徴とする。
25≦乾燥時間t(h)≦50 ・・・(1)
50≦鉄皮温度T(℃)≦100 ・・・(2)
T×t≧−0.078×(ρ×S)+2442.5 ・・・(3)
ただし、
ρ:敷部の鉄皮に設けられた蒸気孔占有密度(個/m)、1<ρ<250
S:単位個数当たりの蒸気孔面積(mm/個)、50<S<350
本発明によれば、取鍋の敷部に施工した不定形耐火物の剥離を防止しつつ、不定形耐火物の乾燥を適正に行うことができる。
取鍋の全体断面図を示した図である。 取鍋の敷部にキャスタブルを施工する手順を示した図である。 ガスバーナーのCOG流量と、乾燥処理及び加熱処理との関係を示した図である。 敷部の不定形耐火物の表面温度、背面温度、敷部鉄皮温度との関係図である。 乾燥度(乾燥温度×乾燥時間)と、孔指数(ρ×S)との関係図である。 乾燥処理(乾燥域)及び加熱処理(加熱域)における水分センサの抵抗値を示す図である。 敷部に施工した不定形耐火物の爆裂(不定形耐火物の剥離)を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
製鋼工程では、電気炉や転炉で精錬した溶鋼を取鍋に出鋼して、取鍋を二次精錬設備に搬送し、二次精錬設備にて溶鋼の介在物除去や成分調整などの精錬を行う。また、二次精錬設備にて精錬を終了後、取鍋は連続鋳造装置に搬送され、連続鋳造装置にて取鍋内の溶鋼を鋳片に鋳造される。このように、取鍋は、製鋼工程にて溶鋼を搬送するために使用され、転炉から連続鋳造装置までの取鍋の搬送回数は、1回〜120程度であり、高温の溶鋼を受鋼することから、取鍋内には耐火物が施工されている。
図1は、耐火物が施工された取鍋を示したものである。まず、耐火物の施工後の取鍋の構造について説明する。なお、取鍋は図1に示したものに限定されない。
取鍋1は、本体を構成する上部が開放となった円柱状の鉄皮2を備えている。この鉄皮2の稼働面側(溶鋼が入る側)には、定形の耐火物で構成された第1パーマ煉瓦3が施工されている。鉄皮2内において、鉄皮2の胴部4に対応する部分には、第1パーマ煉瓦3に続き、さらに当該第1パーマ煉瓦3の内側に2層目となる第2パーマ煉瓦5が施工されている。また、鉄皮2内において、鉄皮2の敷部6及び鉄皮2の胴部4に対応する部分には、不定形耐火物であるキャスタブル7が施工されている。
詳しくは、鉄皮2の敷部6に対応する第1パーマ煉瓦3の稼働面にキャスタブル7が流し込み施工されている。また、鉄皮2の側壁部(胴部)4に対応する部分であって、敷部6から上下方向中途部分までの溶鋼が接する部分には、キャスタブル7が施工されている。言い換えれば、鉄皮2の胴部4に施工した第2パーマ煉瓦5の稼働面うち、スラグライン(スラグライン部)を除く稼働面側には、キャスタブル7が施工されている。
キャスタブル7から上部側であって、スラグライン部に対応する部分には、定形耐火物であるマグカーボン(MgO−C耐火物)9が施工されている。なお、取鍋1の敷部6には、溶鋼を外部へ出鋼(排出)するための排出口8が設けられている。
本発明では、取鍋1内に施工される耐火物(キャスタブル7、パーマ煉瓦3、5、マグカーボン9)のうち、敷部6に施工する不定形耐火物(キャスタブル7)の施工に関して着目したものである。
以下、不定形耐火物(キャスタブル7)の施工について詳しく説明する。
図2に示すように、敷部6にキャスタブル7を施工するには、まず、アルミナセメントに水を加えて、アルミナセメントと水とを混練することにより、施工用のキャスタブル7を構成する(混練工程)。その後、施工用のキャスタブル7を取鍋1内に施工し(施工工程)、耐火物の施工の終了後にキャスタブル7を乾燥させ(乾燥工程)、キャスタブル7の乾燥後に加熱工程に進む。
乾燥工程などでキャスタブル7を乾燥させると、キャスタブル7内に元々水分が存在している部分は、空隙(気孔)となる。キャスタブル7内の空隙(気孔)が多く存在する場合、取鍋1を繰り返し使用していくと、受鋼した溶鋼が次第に空隙に浸潤していき、キャスタブル7の剥離や損傷が進行し、キャスタブル7の寿命、即ち、取鍋1の寿命が短くなる。取鍋1の寿命が短い場合、耐火物の再施工の回数が増加し、取鍋1の稼働率も低下する。
このようなことから、キャスタブル7の耐食性の向上を目的として、キャスタブル7に含有させる水分量は抑える傾向にあり、混練工程では、乾燥前(施工時)のキャスタブル7に含まれる水分含有量を5〜6質量%とし、低セメントキャスタブルとしている。
施工工程では、取鍋1の使用状況を考慮して敷部6に施工するキャスタブル7の厚みを決定し、敷部6にキャスタブル7を施工することとしている。即ち、取鍋1の敷部6は、転炉から出鋼された溶鋼が衝突するところであり、溶鋼が衝突する部分のキャスタブル7は傷みやすい。このようなことから、施工工程では、敷部6の中央部(装入された溶鋼が当たる湯当たり部10)の厚みが他の部分よりも大きくなるように、敷部6にキャスタブル7を施工することとしている。敷部6におけるキャスタブル7の最大厚み(湯当部の厚み)は、150〜350mmとしている。
さて、混練工程では、キャスタブル7を乾燥させる乾燥工程を考慮して、低水分のキャスタブル(アルミナセメンと水との混合物)を構成しているが、アルミナセメンと水とを混合すると、鉱物であるCA(CaO・Al)の水和物が生成される。乾燥工程にて、キャスタブル7を乾燥させると、(i)〜(iii)に示すように、キャスタブル7中の水和物は、C3AH6に転移し、キャスタブル7は、溶鋼を受鋼するために必要な物性へと変化することになる。なお、C=CaO、A=Al、H=HOの略称である。
(i)CA+10H→CAH10
(ii)2CA+11H→C2AH8+AH3
(iii)3CA+12H→C3AH6+2AH3
具体的には、乾燥工程では、施工工程後(キャスタブル7の施工後)、ガスバーナー11を取鍋1の上方から挿入し、ガスバーナー11へCOG(Coke Oven Gas)を供給して燃焼させることによりキャスタブル7を乾燥させる。図3に示すように、例えば、乾燥域(乾燥処理)では、ガスバーナー11のCOG流量を少なく、後述するように、加熱域(加熱処理)では、ガスバーナー11のCOG流量を多くする。
乾燥前のキャスタブル7の水和物中を見たとき、この水和物中には、結晶水と結晶化されていない自由水とが含まれていて、乾燥処理によって自由水や結晶水を蒸発させていくなかで、水和物が変化し、安定した水和物(C3AH6)となる。例えば、乾燥温度と水和物との関係は、表1に示すようになる。
表1に示すように、キャスタブル7を加熱すると、自由水は100℃〜120℃付近で水蒸気となり、水和物は、CAH10→C2AH8→C3AH6+2AH3に転移する。乾燥処理にともなって結晶水中の水分も蒸発していき、水和物中の結晶水の割合も次第に減少する。
上述したように、ガスバーナー11等によって乾燥処理を行ったとき、キャスタブル7から水蒸気が発生する。キャスタブル7の表面付近の水蒸気は、キャスタブル7の表面から蒸発して抜けていくが、キャスタブル7の内部、特に、鉄皮2に近い部分では、水蒸気が上方へ抜けにくい。そのため、取鍋1の敷部6に対応する鉄皮(敷部鉄皮)2Aには、乾燥処理時における水蒸気を逃がすための蒸気孔(鉄皮2を貫通させた孔)12が設けられている。
敷部鉄皮2Aに設けた水蒸孔12を平面視したとき、単位個数当たり(1個当たり)の蒸気孔面積Sは、50<S<350(mm/個)とされている。蒸気孔面積Sは、「全ての蒸気孔12の総面積/鉄皮敷部2Aに設けた蒸気孔12の個数」によって求めることができる。また、敷部鉄皮2Aに設けられた蒸気孔占有密度は、1<ρ<250(個/m)とされている。蒸気孔占有密度は、敷部鉄皮2Aの面積に対する蒸気孔12の面積の割合を示したものであり、「全ての水蒸気12の総面積/敷部鉄皮2Aの総面積」によって求めることができる。このように、敷部鉄皮2Aに水分の蒸発用の蒸気孔12を設けることによって、効率よくキャスタブル7を乾燥させることができる。
さらに乾燥処理を詳しく見ていくと、本発明では、キャスタブル7の乾燥は、式(1)〜式(3)を満たした時点で終了することとしている。
25≦乾燥時間t(h)≦50 ・・・(1)
50≦鉄皮温度T(℃)≦100 ・・・(2)
T×t≧−0.078×(ρ×S)+2442.5 ・・・(3)
上述したように、敷部6に施工したキャスタブル7の厚みが150〜350mmで且つキャスタブル7に含まれる水分含有量が5〜6質量%である場合、キャスタブル7の背面温度が水分の蒸発温度となる100℃に達した時点で、キャスタブル7中の水分が水蒸気となり、脱水開始となる。敷部6に施工したキャスタブル7の最大厚みが150mmの場合、当該キャスタブル7の背面温度が100℃に達するには、乾燥処理を開始してから25時間必要である。また、敷部6に施工したキャスタブル7の最大厚みが350mmの場合、当該キャスタブル7の背面温度が100℃に達するには、乾燥処理を開始してから50時間必要である。このようなことから、式(1)に示すように、乾燥時間は、25時間以上50時間以下としている。
さて、乾燥処理におけるキャスタブル7の乾燥度合いを把握するためには、キャスタブル7の温度を測定することが好ましい。特に、熱源から離れた箇所であるキャスタブル7の背面温度を測定することによって、キャスタブル7の乾燥度合いを把握することができる。ここで、キャスタブル7の背面温度は、熱電対等をキャスタブル7の背面側に設置することによって、直接測定することができる。しかしながら、キャスタブル7中の水蒸気は、キャスタブル7の背面に施工したパーマ煉瓦5、及び鉄皮2に設けた蒸気孔12を通じて外側に抜けていくことになり、このときに、熱電対の付近を通過して熱電対の測定に影響を及ぼす可能性がある。例えば、熱電対を通過する水蒸気によって熱電対を冷却してしまい、熱電対で測定した温度が実際の温度よりも下がる可能性がある。つまり、熱電対をキャスタブル7の背面側に設置して背面側の温度を測定するとした場合、キャスタブル7の背面側の温度は水蒸気の影響を受けるため測定精度が低下し、さらに、キャスタブル7の施工前に熱電対を毎回設置することは操業上困難である。このようなことから、熱電対によってキャスタブル7の乾燥度合いを把握することは困難であり、熱電対に代わる別の方法が必要となる。
そこで、本発明では、キャスタブル7の背面温度を敷部鉄皮2Aの温度に置き換えて考えることとし、敷部鉄皮2Aの温度(鉄皮温度ということがある)を測定することにより、上述したような問題(水蒸気による影響)が発生しないようにしている。
詳しくは、図4に示すように、敷部6の鉄皮2の厚みが95mmで最大である場合であって、キャスタブル7の背面温度が100℃となるときの敷部鉄皮2Aの温度(鉄皮温度)は50℃である。また、敷部6の鉄皮2の厚みが95mmで最大である場合であって、キャスタブル7の背面温度が360℃となるときの敷部鉄皮2Aの温度(鉄皮温度)は、100℃である。このようなことから、式(2)に示すように、鉄皮温度(敷部鉄皮2Aの温度)は、50℃以上100℃以下としている。
上述したように、乾燥時間を25時間以上50時間以下とし、鉄皮温度を50℃以上100℃以下にすることによって、適正にキャスタブル7を乾燥させることができる。
さて、蒸気孔12の個数が少なかったり、蒸気孔12が非常に小さい場合は、上述したように乾燥時間や鉄皮温度を規定したうえで乾燥処理を行ったとしても、キャスタブル7中の水蒸気が蒸気孔12から外部へ十分に抜けず、キャスタブル7の乾燥状態(脱水状態)を判定することは難しくなる。このようなことから、本発明では、上述したように、乾燥時間と鉄皮温度とを掛け合わせた値を乾燥度とし、この乾燥度と、蒸気孔12を規定した単位個数当たりの蒸気孔12面積S及び蒸気孔12占有密度ρとの関係を検証した。図5は、鉄皮温度と乾燥時間とを掛け合わせた値(乾燥度)と、蒸気孔12面積Sと蒸気孔12占有密度ρとを掛け合わせた値(孔指数)との結果を示したものである。
図5に示すように、乾燥度と孔関連指数との関係を見てみると、式(3)を示す直線Lを境界として脱水未完了領域にあるときにキャスタブル7は十分に乾燥した状態となっておらず、一方、脱水完了領域にあるときにキャスタブル7は十分に乾燥する。このようなことから、本発明では、乾燥度(乾燥時間×鉄皮温度)、蒸気孔12面積S及び蒸気孔12占有密度ρは、式(3)を満たしたとき、キャスタブル7の乾燥、即ち、乾燥処理を終了することとしている。なお、式(3)を満たすようには、例えば、鉄皮温度が高い場合は乾燥時間を短く、鉄皮温度が低い場合は乾燥時間を長くすればよい。
キャスタブル7の乾燥処理後は、即ち、式(1)〜式(3)を満たした時点で乾燥処理を終了後は、例えば、ガスバーナーのCOG流量を増加させて、一挙に温度を上昇させる加熱処理を行う。なお、この加熱処理は、キャスタブル7を施工後、取鍋1を使用するために取鍋1内の温度を上昇させる処理であり、当業者常法通りに行う。
表2、3は、本発明の取鍋に施工した不定形耐火物の乾燥方法を実施した実施例と、本発明とは異なる方法を実施した比較例とをまとめたものである。
実施例及び比較例において、鉄皮温度の測定は、湯当たり部に対応する敷部鉄皮2Aの温度(湯当たり部の背面側の鉄皮温度)を測定することとした。この鉄皮温度は乾燥処理終了時の温度である。
また、実施例及び比較例では、キャスタブル7の背面に水分センサを設置し、図6に示すように、水分センサの抵抗値が10kΩ以上になったときに、キャスタブル7が乾燥しているとした。キャスタブル7を乾燥させている状況下では、キャスタブル7中に含まれる水分は、液体から水蒸気に変化する。この過程では、水分の蒸発によってキャスタブル7の内部に水蒸気圧力が発生し、この水蒸気圧力が高い場合には、キャスタブル7の爆裂が発生する可能性があることから、キャスタブル7の爆裂の有無を目視にて確認した。図7に示すように、例えば、範囲Aは、キャスタブル7の爆裂が発生してキャスタブル7が飛散した状況(キャスタブル7の剥離)を示しており、このような場合は、キャスタブル7の爆裂を有り(飛散[×])とし、範囲Aのような部分が無い場合は、キャスタブル7の爆裂を無し(非飛散[○])とした。
実施例では、「敷部の鉄皮の厚み」、「敷部の不定形耐火物に含まれる水分含有量」、「敷部の不定形耐火物の施工厚み」に示すように、敷部の鉄皮の厚みを50〜95mmとし、敷部に施工する不定形耐火物の含有水分量を5〜6質量%とし、敷部の不定形耐火物の施工厚みを150〜350mmとししている。また、実施例では、乾燥時間t(h)を25時間以上50時間以下とし、鉄皮温度T(℃)を50℃以上100℃以下とし、T×tの乾燥度の値が、「−0.078×(ρ×S)+2442.5」の値以上となっている。そのため、実施例では、適正に不定形耐火物を適正に乾燥することができ(水分センサの抵抗値が10kΩ以上)、さらに、不定形耐火物の爆裂(不定形耐火物の剥離)も発生しなかった(非飛散「○」)。
一方、比較例では、本発明に規定する条件を満たしていないため、不定形耐火物を適正に乾燥することがすることができず(水分センサの抵抗値が10kΩ未満)、不定形耐火物の爆裂が発生することがあった(飛散「×」)。
以上、本発明によれば、敷部の鉄皮の厚み、敷部の不定形耐火物の施工厚み、不定形耐火物の含有水分量を5〜6質量%を規定したうえで、上述した式(1)〜式(3)を満たした時点で終了して、さらに取鍋の使用に備えて、加熱を行っているため、取鍋の敷部に施工した不定形耐火物を適正に乾燥することができて不定形耐火物の剥離を防止することができる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 取鍋
2 鉄皮
3 第1パーマ煉瓦
4 胴部
5 第2パーマ煉瓦
6 敷部
7 キャスタブル(不定形耐火物)
8 排出口
9 スラグライン部
10 湯当たり部
11 ガスバーナー
12 蒸気孔

Claims (1)

  1. 敷部の鉄皮の厚みが50〜95mmである溶鋼取鍋に不定形耐火物を施工するに際し、前記敷部の不定形耐火物の施工厚みを150〜350mmとし、前記敷部に施工する不定形耐火物の含有水分量を5〜6質量%としておき、敷部に施工した不定形耐火物の乾燥は、式(1)〜式(3)を満たした時点で終了することを特徴とする取鍋に施工した不定形耐火物の乾燥方法。
    25≦乾燥時間t(h)≦50 ・・・(1)
    50≦鉄皮温度T(℃)≦100 ・・・(2)
    T×t≧−0.078×(ρ×S)+2442.5 ・・・(3)
    ただし、
    ρ:敷部の鉄皮に設けられた蒸気孔占有密度(個/m)、1<ρ<250
    S:単位個数当たりの蒸気孔面積(mm/個)、50<S<350
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