JP2013256397A - 転動体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度且つ低ヤング率である転動体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】(a)β-窒化珪素の結晶と、(b)希土類、珪素、アルミニウム、酸素、及び窒素を含む粒界相と、(c)Ti、Zr、Hf、W、Mo、Ta、Nb、V及びCrからなる群から選択される1種以上の元素を含む粒子と、を有し、断面において前記(b)が占める面積の比率が10%以上であり、前記(a)の長径における平均粒径が1μm以下であるとともに、前記(c)の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする転動体。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えばベアリング等に用いられる転動体及びその製造方法に関する。
窒化珪素質焼結体を転動体としたベアリングは軸受鋼製ベアリングに比べ軽量であり、強度、耐熱性、耐摩耗性、及び絶縁性が高く、熱膨張しにくいという特性を有し、高速回転での転動体と金属との耐焼付け性に優れることから、工作機用スピンドルモーター、ファンモーター、風力発電用モーター等のベアリングに広く採用されている(特許文献1参照)。また、特許文献2には、窒化珪素質焼結体が記載されている。
特開2011−16716号公報 特開平9−165264号公報
窒化珪素質焼結体は、鋼等の金属と比較してヤング率が高い。このことにより、転動体に窒化珪素質焼結体を用い、内輪と外輪に軸受鋼を用いたハイブリッド軸受においては、転動体と軌道部材(ベアリングの内輪又は外輪)との面圧が高くなり、軸受としての寿命が短くなってしまうという問題があった。
従来の窒化珪素質焼結体からなる転動体は、高強度と低ヤング率とを両立させることができなかった。例えば、特許文献1記載の窒化珪素質焼結体はヤング率が高く、また、特許文献2記載の窒化珪素質焼結体は強度が低い。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、高強度且つ低ヤング率である転動体及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の転動体は、(a)β-窒化珪素の結晶と、(b)希土類、珪素、アルミニウム、酸素、及び窒素を含む粒界相と、(c)Ti、Zr、Hf、W、Mo、Ta、Nb、V及びCrからなる群から選択される1種以上の元素を含む粒子とを有し、断面において前記(b)が占める面積の比率が10%以上であり、前記(a)の長径における平均粒径が1μm以下であるとともに、前記(c)の平均粒径が1μm以下であり、マイクロポアの集合体の直径が100μm以下であることを特徴とする。
本発明の転動体は、ヤング率が低く、強度が高い。また、本発明の転動体は、研削性及び転がり寿命において優れている。
本発明の転動体の製造方法は、(A)α率が70%以上の窒化珪素と、(B)希土類酸化物又は希土類水酸化物と、(C)酸化アルミニウムと、(D)平均粒径1μm以下の粉末であって、Ti、Zr、Hf、W、Mo、Ta、Nb、V及びCrからなる群から選択される1種以上の元素の窒化物、炭化物、珪化物、及び酸化物のうちの1種以上とを、全原料に対し、前記(A)及び(D)を除いた残りの重量が10〜30重量%の範囲内となるように混合して成形体を作製し、前記成形体を、窒素を含む非酸化雰囲気中で、揮発率を2重量%以下に抑制しながら、1500〜1700℃の温度で焼成することを特徴とする。
本発明の製造方法で製造した転動体は、ヤング率が低く、強度が高く、研削性及び転がり寿命において優れている。
本発明の実施形態を説明する。
本発明の転動体は、例えば、ベアリングの内輪と外輪との間に位置する球状又は円筒状の転動体である。
本発明の転動体において、β-窒化珪素粒子の結晶の長径における平均粒径は1μm以下である。β-窒化珪素粒子は、例えば、長径が0.6μm程度、短径が0.3μm程度、アスペクト比が2程度とすることができる。
本発明の転動体において、(b)希土類、珪素、アルミニウム、酸素、及び窒素を含む粒界相は、例えば、ガラス相(結晶化していない相)である。粒界相のヤング率は、例えば、60〜150GPaである。本発明の転動体の断面において粒界相が占める面積の比率は10%以上である。このことにより、転動体のヤング率を低くすることができる。また、転動体の断面において粒界相が占める面積の比率は30%以下であることが好ましい。30%を超えると、強度ならびに破壊靭性が低下し、転動体としての寿命が短くなることから好ましくない。10%未満であると、ヤング率を低くすることができず、また、研削性が悪化するので好ましくない。
本発明の転動体では、(c)Ti、Zr、Hf、W、Mo、Ta、Nb、V及びCrからなる群から選択される1種以上の元素を含む粒子(以下、分散粒子とも言う)の平均粒径が1μm以下であり、より好ましくは0.5μm以下である。このことにより、転動体における低ヤング率と高強度とを両立することができる。転動体の高強度化には、加工後表面の粗大欠陥を小さくすることが必要である。分散粒子を添加することにより、焼成する際に、ピン止め効果によりβ窒化珪素粒子の粒成長が抑制できる。さらには、平均粒径が1μm以下の分散粒子を含むことにより、転動体に加工する際に研削スピードを増加させても粗大な傷がつきにくく、剥離がしにくくなる。分散粒子の平均粒径が1μmより大きいと、ピン止め効果が小さくなるとともに、加工時の傷の大きさが大きくなるため好ましくない。
転動体を低ヤング率とするには粒界相を増加させることが有効であるが、ただ単に粒界相を増加させるだけでは、転動体の強度が低くなり、転動体としての寿命が短くなる。さらには、加工コストを低減させるために研削スピードを増しても、転動体に粗大な傷がつきやすく、剥離がしやすくなってしまう。平均粒径1μm以下の分散粒子を含むことは、β窒化珪素粒子の粒成長を抑えることと、さらには加工時の傷、剥離を抑え、転動体の寿命を向上させることとに大きく寄与しているのである。
本発明の転動体において、ヤング率が240〜290GPaの範囲内であることが好ましい。ヤング率が290GPaより大きいと、研削性が悪化することと、転動体と軌道部材との面圧が高くなることとにより、好ましくない。また、ヤング率が240GPaより小さいと、転動体の強度を高く保てなくなるため好ましくない。
ヤング率は、転動体を製造する際に用いる焼結助剤(例えば、希土類酸化物、希土類水酸化物、酸化アルミニウム、二酸化珪素等)の量を多くすることにより、低くすることができる。焼結助剤量は、転動体の全原料に対し、10〜30重量%の範囲が好ましい。また、ヤング率は、転動体を製造する際の混合粉砕条件や焼結条件にも依存する。
本発明の転動体は、密度が3g/cm3以上かつ相対密度が95%以上であることが好ましい。α率が70%以上でかつ平均粒径が1μm以下の窒化珪素粉末を用い、適切な焼成条件で焼成を行うことで、密度及び相対密度を上記の範囲とすることができる。焼成温度が低すぎると転動体が緻密化しないため、焼成温度を一定温度以上にする必要がある。
本発明の転動体は、3点曲げ強度が700MPa以上であることが好ましい。焼成条件を、焼結助剤の組成及び量に合わせた適切な焼成条件とすることにより、曲げ強度を上記の範囲内にすることができる。焼成温度が高すぎると、含有する結晶粒子が粒成長するため、強度が低くなってしまう。そのため、焼成温度を一定温度以下にする必要がある。
本発明の転動体では、含有する各結晶粒子の平均粒径が、それぞれ3μm以下であることが好ましい。特に、(a)β-窒化珪素粒子と(c)Ti、Zr、Hf、W、Mo、Ta、Nb、V及びCrからなる群から選択される1種以上の元素を含む粒子の平均粒径は、1μm以下であることが好ましい。焼成条件を、焼結助剤の組成及び量に合わせた適切な焼成条件とすることにより、各結晶粒子の平均粒径を上記の範囲内にすることができる。焼成温度が高すぎると、含有する結晶粒子が粒成長するため、焼成温度を一定温度以下にする必要がある。
このことにより、転動体の強度が高くなる。また、焼成冷却時に粒界相と結晶粒子の熱膨張差に起因する粒界相の隙間(マイクロポア)を抑制することができる。このマイクロポアは以下のようにして生成する。すなわち、焼成途中の高温時には隙間はないが、焼成冷却時に収縮する際、窒化珪素よりも粒界相の熱膨張の方が大きいために、粒界相がより収縮しようとするが、窒化珪素粒子の粒径が大きいと、粒界相の収縮の障害となって、粒界相が引けてしまい、結果として隙間(マイクロポア)が生じてしまう。窒化珪素粒子形状は針状形状であるため、粒径が大きいほど、粒子が3次元的にからみあい、粒界相が引けやすくなり、隙間(マイクロポア)が多くなってしまう。マイクロポアが多くなると、偏析のように、マイクロポア集合体として存在する。マイクロポア集合体の大きさ(径)が大きくなると、加工時に傷、剥離が出来やすく、軸受として使用した際に表面において剥離が生じやすくなる。
本発明の転動体は、例えば、窒化珪素の結晶に加えて、酸窒化珪素(Si2N2O)の結晶を有するものとすることができる。この場合、酸窒化珪素の結晶の長径における平均粒径が3μm以下であることが好ましい。こうすることにより、マイクロポアが生じにくくなり、摺動表面において剥離が生じにくくなる。酸窒化珪素の結晶は、例えば、長径が2.3μm程度、短径が0.8μm程度、アスペクト比が3程度のものとすることができる。
本発明の転動体において、マイクロポアの集合体の直径が100μm以下である。マイクロポアの集合体の直径が100μmを超えると、加工時に傷、剥離が出来やすく、軸受として使用した際に表面において剥離が生じやすくなることから、好ましくない。マイクロポアの集合体の直径が100μm以下である場合、転動体の強度が一層向上する。
本発明の転動体の製造に用いる(A)窒化珪素としては、α率が70%以上であり、平均粒径が1μm以下の粉末が好ましい。転動体の全原料に対し、(A)窒化珪素の重量比は、70〜90重量%の範囲が好ましい。この範囲内であることにより、転動体が奏する上記効果が一層顕著になる。なお、α-窒化珪素は焼成の際、大部分がβ-窒化珪素に変化する。このとき、完全にβ-窒化珪素に変化してもよいし、α-窒化珪素が一部残ってもよい。また、粒界相中のAl成分の一部がβ-窒化珪素へ固溶してもよい。
本発明の転動体の製造に用いる(A)窒化珪素としては、α率が70%以上が好ましく、さらには90%以上がさらに好ましい。α率が70%未満であると、緻密化しにくくなることから、低強度となる。(A)窒化珪素としては、平均粒径が1μm以下の粉末が好ましい。1μmを超える粒径の窒化珪素を用いると、緻密化しにくくなることから、低強度となる。さらには、マイクロポア集合体も大きくなる。
本発明の転動体の製造に用いる(B)希土類酸化物又は希土類水酸化物における希土類としては、例えば、La、Y、Ce、Nd、Sm、Gd、Dy、Ho、Er、Yb、Luが挙げられる。いずれの希土類でも同様の効果を得られるが、特にLa又はYは原料が比較的安価であり大量に入手もしやすく、十分緻密化になることから、転動体の製造コストを低減できる。特に、Laを用いると、製造コストを低減できること、さらにはマイクロポア集合体が生成しくいことから好ましい。転動体の原料全体に対し、上記(B)の重量比は、3〜15重量%の範囲が好ましい。この範囲内であることにより、転動体が奏する上記効果が一層顕著になる。3重量%未満の場合は、転動体の緻密化あるいは高強度化が不十分となるおそれがある。15重量%を超えると、粒界相が過量となり、強度が低下するおそれがある。
(B)希土類酸化物又は希土類水酸化物、及び(C)酸化アルミニウムは、焼結助剤として機能する。焼結助剤は、上記(B)と(C)のみであってもよいし、さらに、酸化ケイ素、窒化アルミニウムを添加してもよい。全原料に対する(A)および(D)を除いた残りの合計重量比は10〜30重量%の範囲内である。(B)および(C)にさらに酸化ケイ素、窒化アルミニウムを添加した場合、(B)および(C)さらに酸化ケイ素、窒化アルミニウムの合計重量比が10〜30重量%の範囲内である。
また、全原料に対する上記(C)の重量比は、3〜20重量%の範囲が好ましい。この範囲内であることにより、転動体が奏する上記効果が一層顕著になる。3重量%未満の場合は、転動体の緻密化あるいは高強度が不十分となるおそれがある。15重量%を超えると、粒界相が過量となり、強度が低下するおそれがある。
(D)平均粒径1μm以下の粉末であって、Ti、Zr、Hf、W、Mo、Ta、Nb、V及びCrからなる群から選択される1種以上の元素の窒化物、炭化物、珪化物、及び酸化物のうちの1種以上は、焼結性向上、高強度化、色むら防止の効果を奏する。全原料に対する上記(D)の重量比は、5重量%以下の範囲が好ましい。この範囲内であることにより、転動体が奏する上記効果が一層顕著になる。
本発明の転動体の製造方法において、成形体は、例えば、金型成形、鋳込み成形、ラバー成形、射出成形、押出し成形、シート成形等の方法で作製できる。
本発明の転動体の製造方法において、焼成は、例えば、常圧焼成、ガス圧焼成、熱間静水圧プレス(HIP)焼成、ホットプレス焼成等により行うことができる。安価な焼成方法として常圧焼成が好ましいが、常圧焼成で焼成した後に10MPa以下の圧力でガス圧焼成してもよい。特に10MPa以下の圧力でのガス圧焼成であれば、10MPa以上のHIP焼成よりも処理量が増加するため、HIP焼成より安価になることから有用である。焼成温度は、1500〜1700℃とすることができる。
(実施例)
1.転動体の製造
以下の(A)〜(E)を、表1に示す配合比に従って配合し、ボールミル等で粉砕混合して、混合粉末を作製した。ここでは、S1〜S18の18種類の混合粉末を作製した。
(A)α率が92%、平均粒径が0.7μmである窒化珪素の粉末
(B)希土類酸化物又は希土類水酸化物
(C)酸化アルミニウム
(D)WO3、WSi2、TiC、TiO2のうちのいずれか
(E)酸化珪素
Figure 2013256397
表1における(A)〜(E)の単位は重量%である。(B)の種類は、S1〜S3、S8においては平均粒径1μm以下のY2O3、S4〜S7、S9〜S12、S15〜S18においては平均粒径1μm以下のLa(OH)3、S13においては平均粒径1μm以下のYb2O3、S14においては平均粒径1μm以下のEr2O3である。また、(D)の種類は、S4〜S7においては平均粒径1μm以下のWO3であり、S2〜S3、S9、S13〜14、S17〜18においては平均粒径1μm以下のWSi2であり、S16においては平均粒径1.5μmのWSi2であり、S10においては平均粒径1μm以下のTiCであり、S11においては平均粒径1μm以下のTiO2、S12においては平均粒径1μm以下のTaCである。(B)、(C)、及び(E)は焼結助剤である。
次に、S1〜S18のそれぞれについて、30MPaの成形圧力でプレス成形し、その後150MPaの静水圧力(CIP)で成形し、球状の成形体を作製した。その後、表1に示す焼成条件(温度、時間、気圧)で焼成し、Φ10mmの転動体および平板を完成した。焼成は、窒素を含む非酸化性雰囲気中で行った。焼成は、1次焼成と2次焼成とを順次行った。
焼成における揮発率は次式で算出した。
揮発率(%)=(W1-W2)/W1×100 (1次焼成前の重量W1、2次焼成後の重量W2)
2.転動体の評価
各粒子の結晶相はX線回折法により同定を行なった。粒界相については、X線回折法にて同定を行い、さらにはTEM(透過型電子顕微鏡)にてガラス相か結晶相かを確認した。
製造したS1〜S18の転動体を分析した結果、S2〜S7、S9〜S16については、(a)β-窒化珪素の結晶と、(b)希土類、珪素、アルミニウム、酸素、及び窒素を含む粒界相(ガラス相)と、(c)WO3(S2〜S7の場合)、WSi2(S2〜S7、S9、S13〜S14、S16の場合)、TiC(S10の場合)、TiN(S11の場合)、又はTaC(S12の場合)の粒子が認められた。
また、S3、S7〜S8の転動体については、酸窒化珪素の結晶が認められた。
S1〜S18のそれぞれの転動体について、密度、相対密度、ヤング率、3点曲げ強度(表2では「強度」と表示)、破壊靱性、β-窒化珪素の長径における平均粒径(表2では「(a)の平均粒径」と表示)、(c)の平均粒径、酸窒化珪素の長径における平均粒径(表2では「Si2N2Oの平均粒径」と表示)、マイクロポア集合体の直径、断面において粒界相が占める面積の比率(表2では「粒界相の比率」と表示)、研削性、及び転がり寿命を評価した。その結果を表2及び表3に示す。
Figure 2013256397
Figure 2013256397
β-窒化珪素の長径における平均粒径は、鏡面研磨を行なった試料表面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、β-窒化珪素の結晶粒子の長径を100個測定し、その平均値ととることで算出した。また、(C)の平均粒径は、転動体をTEMもしくはSEMを用いて観察し、(C)の粒子の長径を30個測定し、その平均値ととることで算出した。また、酸窒化珪素の長径における平均粒径は、鏡面研磨を行なった試料表面をSEMを用いて観察し、酸窒化珪素の結晶粒子の長径を100個測定し、その平均値ととることで算出した。また、マイクロポア集合体は、鏡面研磨を行なった試料表面を光学顕微鏡にて観察すると、倍率20倍〜300倍で白い樹脂状模様として観察される。この白い樹脂状模様は、SEMもしくはTEMにおいては粒界の隙間(欠落)として観察される。このマイクロポア集合体の直径を30個測定し、その平均値ととることで、マイクロポアの直径を算出した。また、断面において粒界相が占める面積の比率は、鏡面研磨を行った試料表面をSEMを用いて観察し、粒界相が占める面積を断面全体の面積で除して算出した。
研削性は、以下の方法で試験し、以下の評価基準で評価した。
(評価方法)焼結体を#180のダイヤモンド砥石で研削し、研削抵抗を電流値で評価。
(評価基準)
○:3A以下
×:4Aを超える
なお、研削の際に、100μm以上の大きい剥離があったものも×とする。
転がり寿命は、以下の方法で試験し、以下の評価基準で評価した。
ボールとしての転がり疲労寿命は、スラスト型試験で評価した。窒化珪素焼結体をスラスト試験用平板に鏡面研磨加工し、その上に保持器と軸受用の玉3個(軸受鋼SUJ2製、直径9.525mm)を組み合わせ、油中で、1000rpm、500kgfで評価を行った。
評価基準:
◎:1000h以上でも窒化珪素平板に剥離なし
○:300h以上でも窒化珪素平板に剥離なし
△:50〜300hにて窒化珪素平板に剥離
×:50h以下にて窒化珪素平板に剥離
表2及び表3に示す評価結果から明らかなように、S3〜S5、S7、S9〜S14の転動体は、ヤング率が低く、強度が高く、研削性及び転がり寿命において優れていた。それに対し、S1、S2、S6、S8の転動体は、研削性又は転がり寿命において顕著に劣っていた。
尚、本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。

Claims (5)

  1. (a)β-窒化珪素の結晶と、
    (b)希土類、珪素、アルミニウム、酸素、及び窒素を含む粒界相と、
    (c)Ti、Zr、Hf、W、Mo、Ta、Nb、V及びCrからなる群から選択される1種以上の元素を含む粒子と、
    を有し、
    断面において前記(b)が占める面積の比率が10%以上であり、
    前記(a)の長径における平均粒径が1μm以下であるとともに、前記(c)の平均粒径が1μm以下であり、
    マイクロポアの集合体の直径が100μm以下であることを特徴とする転動体。
  2. ヤング率が240〜290GPaの範囲内であることを特徴とする請求項1記載の転動体。
  3. 酸窒化珪素の結晶を有し、前記酸窒化珪素の結晶の長径における平均粒径が3μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の転動体。
  4. 前記希土類がLaであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の転動体。
  5. (A)α率が70%以上の窒化珪素と、
    (B)希土類酸化物又は希土類水酸化物と、
    (C)酸化アルミニウムと、
    (D)平均粒径1μm以下の粉末であって、Ti、Zr、Hf、W、Mo、Ta、Nb、V及びCrからなる群から選択される1種以上の元素の窒化物、炭化物、珪化物、及び酸化物のうちの1種以上とを、
    全原料に対し、前記(A)及び(D)を除いた残りの重量が10〜30重量%の範囲内となるように混合して成形体を作製し、
    前記成形体を、窒素を含む非酸化雰囲気中で、揮発率を2重量%以下に抑制しながら、1500〜1700℃の温度で焼成することを特徴とする転動体の製造方法。
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