JP2013256342A - 吊下げ搬送用具 - Google Patents

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【課題】横方向に延在する支持体の外径によることなく、外径が異なる支持体に対しても使用することができるとともに簡素かつ安価に構成され得る吊下げ搬送用具が求められている。
【解決手段】この吊下げ搬送用具1は、筒状軸部4と、筒状軸部4の外周面に回動自在に軸支された車輪3Aとから車輪体3が構成され、可撓性を有する線条体2が複数の車輪体3の筒状軸部4に挿通され、線条体2の両端に、被搬送物を吊るための吊り部2Aがそれぞれ設けられているものである。隣り合う車輪3A,3Aはスペーサ部材30を介して離間配置されている。スペーサ部材30はチェーン部材10で構成されている。車輪3Aの外周走行面部9は合成樹脂で構成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、水平円管などのような横方向に延在する支持体に支持されて、支持体の外周面を延在方向に走行可能な吊下げ搬送用具に関するものである。
従来、この種の吊下げ搬送用具としては、下記の特許文献1に記載されたトロリータイプのものが知られている。すなわち、特許文献1に記載のものは、水平レールとして用いられる円管(支持体)の上面に載置されて転動する1対鼓状の車輪と、これら1対の車輪を回動自在に軸支する回転軸と、回転軸の左右両端に吊り下げられたサイドプレートと、両サイドプレートの下端部に設けられていてチェーンブロックなどが取り付けられる吊り部と、から構成されている。
一方で、特許文献2には、空中に設置された比較的大径の水平円管(支持体)の上面に、管長手方向に沿って歩道が敷設され、この歩道上でローラ部材を転動させて移動する支持台車部材が記載されている。
特開2008−50165号公報 特開2006−291629号公報
ところで、特許文献1に記載されたトロリーは、水平方向に延在する円管の上面に車輪を載せて移動させるものであるが、車輪の軸受部と、チェーンブロックなどが取り付けられるフック部や輪部といった吊り部との間が、剛体であるプレート板で連結されている。従って、予め決められた外径の円管に対しては用いることができるが、外径が異なる種々の円管に対して1つのトロリーを使用することは困難であった。また、このトロリーの車輪は1対であるので、大径の円管に用いた場合、円管の両肩部にプレート板が接触して管軸心方向の移動が困難になるおそれがある。そのため、比較的小径の円管にしか使用できないという難点があった。他方で、特許文献2に記載の技術は、水平円管の上面に車輪を直に載せるものでなく、水平円管の上面にまず歩道を敷設し、その歩道上で車輪を転動させるものであるため、構成が大掛かりで高価になっていた。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、横方向に延在する支持体の外径によることなく、外径が異なる支持体に対しても使用することができるとともに簡素かつ安価に構成され得る吊下げ搬送用具の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る吊下げ搬送用具は、筒状軸部と、筒状軸部の外周面に回動自在に軸支された車輪とから車輪体が構成され、可撓性を有する線条体が複数の車輪体の筒状軸部に挿通され、線条体の両端に、被搬送物を吊るための吊り部がそれぞれ設けられているものである。
また、前記構成において、隣り合う車輪がスペーサ部材を介して離間配置されているものである。
そして、前記した各構成において、スペーサ部材がチェーン部材で構成されているものである。
更に、前記した各構成において、車輪の少なくとも外周走行面部が合成樹脂で構成されているものである。
本発明に係る吊下げ搬送用具によれば、可撓性を有する線条体に複数の車輪体が回動自在に支持され、被搬送物を吊るための吊り部が線条体の両端に設けられているので、横方向に延在する支持体の外周面上に車輪体が載せられると、車輪体および線条体の自重により線条体が撓んで曲がるから、支持体の外径の大小によることなく複数の車輪体が支持体の外周面に接する。このように、支持体に支持された複数の車輪体が支持体の延在方向に走行できるので、線条体に支持された被搬送物を簡便かつ軽力で搬送することができる。更に、この吊下げ搬送用具は、線条体および複数の車輪体といった、どこにでもある入手容易な部品を組み合わせるだけで得られるという、極めて簡素で安価な構成により実現することができる。
また、スペーサ部材を用いるものでは、隣り合う車輪を所定間隔で確実に離間配置させることができる。このように隣り合う車輪間に常にスペースを持たせることにより、支持体における支持範囲が広くなることから、広い範囲に力を分散させて車輪体を支持することができる。このように離間配置すると、同じ支持領域内に少ない数の車輪体を配備することとなるため、簡素かつ安価な構成を実現できる。
そして、スペーサ部材がチェーン部材で構成されているものでは、チェーン部材の可動方向例えば支持体の周方向に沿う向きに線条体を曲げることができる。このようなチェーン部材は入手容易で安価なので、格安の吊下げ搬送用具を提供できる。
更に、車輪の外周走行面部が合成樹脂で構成されているものでは、横方向に延在する既設の支持体に車輪体を載せた場合に、支持体の外周面自体に傷を付けたり、支持体の外周面の塗装を損なわせたりすることを防止できる。
本発明の一実施形態に係る吊下げ搬送用具を直線状に延ばした状態を示す正面図である。 前記吊下げ搬送用具の部分正断面図である。 図2におけるA−A線矢視図である。 前記吊下げ搬送用具の使用態様を示す正面図である。 前記吊下げ搬送用具の使用態様を示す側面図である。 前記吊下げ搬送用具の使用態様の別例を示す平面図である。 前記吊下げ搬送用具の使用態様の更なる別例を示す正面図である。 本発明の他の実施形態に係る吊下げ搬送用具の使用態様を示す正面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は本発明の一実施形態に係る吊下げ搬送用具を直線状に延ばした状態を示す正面図、図2は前記吊下げ搬送用具の部分正断面図、図3は図2におけるA−A線矢視図である。
各図において、この実施形態に係る吊下げ搬送用具1は、可撓性すなわち外部からの力により容易に変形する性質を有する線条体2と、この線条体2が挿通されて支持される複数の車輪体3,3,3,・・・と、隣り合う車輪体3,3の間に介在してこれらを連結するチェーン部材10,10,10,・・・と、線条体2を通された車輪体3,3,3,・・・の位置を規制するために線条体2に固定された係止具14,14と、から構成されている。
線条体2は、例えば外径10mmで鋼線製のワイヤで構成されており、線条体2の両側の先端は折り返されて輪状部とされたのち、線条体2の途中部分に編み込まれて係止されることにより編込み係止部2Bとなっている。このとき形成された輪状部が、被搬送物29(図5参照)を吊るための吊り部2A,2Aである。また、隣り合う車輪3A,3A間には、チェーン部材10(スペーサ部材30の例)の介在により、線条体2を曲げたときに隣り合う車輪3A,3A同士を接触干渉させないための間隔S(図1参照)が設けられる。この場合、全てのチェーン部材10,10,10,・・・は同じ方向(図1中の矢印R方向)に曲がる向きに配置されている。これにより、線条体2がほぼ矢印R方向に屈曲可能となる。また、隣り合う車輪3A,3A間には、筒状軸部4,4、チェーン部材10、および線条体2の露出部分があるが、これらは軟質合成樹脂製で円筒状のカバー体31,31,31,・・・で覆われる。これらのカバー体31は見栄えを良くするためと、塵埃の侵入を極力防ぐために用いられるが、省略しても差し支えない。
前述したチェーン部材10は汎用品であって、外リンクまたは内リンクであるリンク板13と、左右のリンク板13間に架け渡されたピン12と、ピン12に回動自在に軸支されたコロ11とから構成されている。ここでは、チェーン部材10として、例えば前後2つのリンク板13,13と3つのコロ11,11,11を有する2リンクの部品を用いてある。ここでは、両端のリンク板13またはピン12が熔接などにより筒状軸部4の端部に固着されている。また、係止具14は、汎用品であることからいずれの構成部品にも符号付けをしていないが、両端部に雄ネジ部が形成されたUの字状部材と、Uの字状部材の両端部をそれぞれ通す2つの貫通穴を有する板部材と、板部材の貫通穴を通されたUの字状部材の雄ネジ部に螺合する2つのナットと、から構成されている。
前述した車輪体3は、例えばSS材製の筒状軸部4と、筒状軸部4の外周面に回動自在に軸支された車輪3Aと、から構成されている。車輪3Aは、車輪基盤である鋼製パイプ6と、鋼製パイプ6の外周面に装着される外周走行面部9と、鋼製パイプ6の内周面に装入されたボールベアリング5,5を両側から押えるドーナツ板状の押え板7,7と、押え板7,7をそれらの外側から保持するドーナツ板状の側板8,8と、から構成されている。鋼製パイプ6両側の開口端部の外周面には、雄ネジ部(符号付け省略)がそれぞれ形成されている。一方、側板8の外周縁部の内周面には、鋼製パイプ6の雄ネジ部と螺合する雌ネジ部(符号付け省略)が形成されている。この例において、支持体となる既設配管20の表面に載せられて転動する外周走行面部9は、合成樹脂(例えば高密度ポリプロピレンなど)で構成されていて、鋼製パイプ6の外周面に嵌着可能な形状に形成されている。この外周走行面部9用として用いられる合成樹脂は、機械的強度が高い一方で硬度は鉄鋼などの金属より小さなものが望ましい。外周走行面部9の外径は例えば65mmφである。ボールベアリング5は汎用品であり、内輪部5Aと、外輪部5Bと、内輪部5Aと外輪部5Bの間に装入された複数のボールB,B,B,・・・と、から構成されている。押え板7と側板8は、例えばSS材で構成されている。
このような車輪体3の組立てに当っては、まず筒状軸部4の外周面に、2つのボールベアリング5,5の内輪部5A,5Aが例えば焼嵌め固定される。鋼製パイプ6の外周面には外周走行面部9が装着されている。そして、ボールベアリング5,5の外輪部5B,5Bの外周面に、鋼製パイプ6が装着される。これにより、鋼製パイプ6が筒状軸部4に対し回動自在に軸支される。更に、ボールベアリング5,5の両側の外側面に、押え板7,7が当てられる。続いて、側板8,8の雌ネジ部がそれぞれ鋼製パイプ6の雄ネジ部に螺止されて押え板7,7を保持することにより、車輪体3が完成する。このように完成した車輪体3が複数用意され、これら複数の車輪体3,3,3,・・・の筒状軸部4,4,4,・・・の筒内空間4A,4A,4A,・・・内に、吊り部2Aを形成していない側の線条体2の先端部が通される。その後、全ての筒状軸部4,4,4,・・・を通された線条体2の先端部が折り返されて編込み係止されることにより、吊り部2Aが形成される。
上記のように構成された吊下げ搬送用具1の作用を、図4および図5も参照しながら説明する。ここでは、石油精製などの工場で架台26,26上に架け渡された例えば外径10インチの既設配管20を利用して、新規配管などの被搬送物29を搬送する例を示す。既設配管20は固定用金具27およびナット(符号付け省略)を用いて架台26に固定されており、管軸心方向をほぼ水平に向けて延在している。そして、或る既設配管20の先端のフランジ28が次の既設配管20の末端のフランジ28と接続されて、多数の既設配管20,20,20,20,・・・が一連につながっている。尚、この吊下げ搬送用具1は外径が6〜12インチの既設配管20に適用可能である。
そこで、或る既設配管20の上面に吊下げ搬送用具1を置くと、チェーン部材10,10,10,・・・の曲動により、線条体2が既設配管20の外周面に沿って曲がり、車輪体3,3,3,・・・・が管周方向に離間して配置される。そして、車輪体3,3,3,・・・のそれぞれの外周走行面部9,9,9,・・・が、既設配管20の外周面に転動可能に接し、吊下げ搬送用具1が管軸心方向に移動自在となる。この状態で両側から垂れ下がった線条体2の吊り部2A,2Aに、被搬送物29を吊るために使用されるチェーンブロック23の上部フック21が掛けられる。次に、チェーンブロック23から出し入れされるチェーン24の下端に取り付けられた下部フック22に、荷吊り用として用いる線条体25両端の吊り部25A,25Aが被搬送物29を受けた状態で掛けられる。この場合、1つの被搬送物29が、吊下げ搬送用具1、チェーンブロック23、および線条体25から成るセットの2セット以上で支持される。更に、被搬送物29の搬送方向前方(矢印Fの方向)に位置する次の既設配管20にも、吊下げ搬送用具1、チェーンブロック23、および線条体25から成るセットが配備される。
そうして、チェーンブロック23や被搬送物29を矢印F方向に押すと、2つの吊下げ搬送用具1,1の車輪3A,3A,3A,・・・が回転し既設配管20の外周面上を移動して被搬送物29を搬送する。その状態で、前側の吊下げ搬送用具1が架台26やフランジ28などに当たるまで、被搬送物29が搬送される。このように前側の吊下げ搬送用具1が架台26などに当たるときは、次の既設配管20に配備されているセットの線条体25に、被搬送物29の前端部が届くので、その前端部を次の線条体25に引き渡すことができる。そして、被搬送物29の前端部が次のセットの線条体25に支持されると、最後尾のセット(図5中で最も右側に示されたセット)が被搬送物29から取り外される。その後、取り外されたセットは、搬送方向前方位置にある次の既設配管20に取り付けられて、次の引き渡し作業に備える。このような作業手順が繰り返されることにより、被搬送物29が支障なく搬送されるのである。
以上に述べた吊下げ搬送用具1によれば、既設配管20の外周面上に車輪体3,3,3,・・・が載せられると、車輪体3,3,3,・・・および線条体2の重量により線条体2が撓んで曲がるから、既設配管20の外径によることなく複数の車輪3A,3A,3A,・・・が既設配管20の外周面に接し、既設配管20の管軸心方向に沿って走行できる。その結果、線条体2の吊り部2A,2Aにチェーンブロック23および被搬送物29を吊って簡便かつ軽力で搬送することができる。また、線条体2、車輪体3,3,3,・・・、およびチェーン部材10,10,10,・・・といった、どこにでもある入手容易な部品を組み合わせるだけで、簡素で安価な構成を実現できる。
また、スペーサ部材30であるチェーン部材10が使用されているので、隣り合う車輪3A,3Aを所定の間隔Sで確実に離間配置させることができる。車輪3Aは既設配管20の上半分領域(図4参照)または被搬送物29の下半分領域(図7参照)に配置すれば足りるが、隣り合う車輪3A,3A間に常に間隔を持たせることにより、前記した各領域内に配備される車輪体3の数が少なくて済み、簡素かつ安価な構成を実現できる。一方で、同じ数の車輪体3を配備する場合に、前記のような離間配置にすると、既設配管20における支持範囲が広くなることから、広い位置に力を分散させて車輪体3,3,3,・・・を支持することができて作業性がよくなる。そして、スペーサ部材30がチェーン部材10で構成されているので、チェーン部材10の可動方向(矢印R方向)に合わせて線条体2を曲げることができる。このようなチェーン部材10は入手容易で安価である。
更に、車輪3Aの外周走行面部9が高密度ポリプロピレンで構成されているので、既設配管20の外周面に車輪体3,3,3,・・・を載せても、既設配管20の外周面自体に傷を付けたり外周面の塗装を損なわせたりすることを防止でき、車輪3Aの走行音も小さくて済む。また、2つのボールベアリング5,5を用いているので、被搬送物29やチェーンブロック23などから受ける荷重を個々のボールベアリング5に分散させることができる。従って、故障や破損が少なくて済み、走行も円滑で安心して吊り作業を行なうことができる。このようなボールベアリング5は入手容易で安価に得ることができる。また、吊下げ搬送用具1は、線条体2、複数の車輪体3,3,3,・・・、車輪3A,3A間のチェーン部材10といった、どこにでもある入手容易な部品を組み合わせるだけで実現することができる。そして、吊下げ搬送用具1は、既述したような長尺の被搬送物29に限らず、短尺の被搬送物であっても搬送可能である。
尚、上記の実施形態では、1本につながった既設配管20に複数の吊下げ搬送用具1を載せて被搬送物29を搬送するようにしたが、本発明はそのような形態に限定されるものでない。例えば、図6に示すように、架台26,26上に平行に設置された3本の既設配管20,20,20のそれぞれに、吊下げ搬送用具1を載せ、既設配管20の管軸心方向に対し斜めにして被搬送物29を搬送することも可能である。
そして、上述した各実施形態では、既設配管20上に車輪体3,3,3,・・・を載せ、垂れ下がった吊り部2A,2Aにチェーンブロック23の上部フック21を掛けて使用する例を示したが、本発明の吊下げ搬送用具の使用態様はそれに限定されない。例えば図7に示すように、吊下げ搬送用具1を天地逆にして使用することも可能である。すなわち、線条体2の両端の吊り部2A,2Aが共に持ち上げられた配置にされ、複数の車輪体3,3,3,・・・が下部位置に配置される。そして、吊り部2A,2Aがチェーンブロック23の下部フック22に掛けられ、車輪体3,3,3,・・・上に被搬送体29が載置されるのである。チェーンブロック23の上部フック21は、予め線条体25などを用いて既設配管20や架台26に吊り下げられている。このような実施態様の場合、吊下げ搬送用具1は水平方向に関して固定されているが、被搬送体29が搬送方向に押されると、車輪体3,3,3,・・・の外周走行面部9,9,9,・・・が回転して被搬送体29を搬送することができる。
また、図8に示すような吊下げ搬送用具1aも本発明に含まれる。すなわち、この吊下げ搬送用具1aは、既述した吊下げ搬送用具1においてチェーン部材10を省略したものである。複数の車輪体3,3,3,・・・は、それぞれの筒状軸部4,4,4,・・・が線条体2を通されて独立に支持されている。従って、各車輪体3は線条体2の長手方向に移動可能であり、隣の車輪体3に対し近接離間自由となっている。尚、全ての車輪体3,3,3,・・・を近接させた状態で、それらの両側近傍位置の線条体2に、車輪体3の移動範囲を規定するための係止具14,14が固定される。この吊下げ搬送用具1aは全ての車輪体3,3,3,・・・がコンパクトに配置されるという効果を奏する。
一方で、上記では、車輪3Aの外周走行面部9を高密度ポリプロピレンで構成した例を示したが、それに限定されず、外周走行面部9を金属で構成しても構わない。但し、外周走行面部9をゴム材で構成すると、ひび、割れ、欠損などを生じやすいので、たとえ硬質のゴム材であっても好ましくない。あるいは、かなり高い強度を持つ合成樹脂、例えばポリカーボネート、高密度ポリエチレン、ポリアミドなどのエンジニアリングプラスチックスを用いれば、外周走行面部9のみならず押え板7や側板8もそのプラスチックスで構成することが可能である。
そして、上記では、車輪3Aと筒状軸部4との間に、2つのボールベアリング5,5を並べて設けたが、ボールベアリング5はひとつでもよく、または3つ以上を並べて用いてもよい。あるいは、ボールベアリング5を省略して、車輪3Aと筒状軸部4との間を滑り軸受として利用しても構わない。
また、線条体として鋼線製のワイヤを例示したが、本発明に係る線条体としては、要求される引張り強度などの機械的強度を有するものであれば特に限定されず、例えばナイロンロープ、カーボン繊維ロープなどを用いることも可能である。
そして、スペーサ部材としてチェーン部材10を例示したが、本発明のスペーサ部材はチェーン部材に限られない。本発明のスペーサ部材としては、支持体の外表面に沿う線条体の屈曲を妨げることなく、隣り合う車輪を所定間隔隔てて配置できるものであれば、使用することが可能である。
また、上記では、車輪体3の筒状軸部4の筒内空間4Aに、吊り部2Aを形成していない側の線条体2の先端部を通したのち、通された線条体2の先端部を編み込んで係止させることにより吊り部2Aを形成するようにしたが、本発明はそれに限られない。例えば、筒内空間4Aの内径が大きな筒状軸部4と、両端部に予め吊り部2A,2Aが形成されている市販のワイヤとを用い、一方の吊り部2Aを筒状軸部4の筒内空間4Aに通して使うようにすれば、より簡便になる。
1,1a 吊下げ搬送用具
2 線条体
2A 吊り部
3 車輪体
3A 車輪
4 筒状軸部
4A 筒内空間
9 外周走行面部
10 チェーン部材
20 既設配管
23 チェーンブロック
29 被搬送物
30 スペーサ部材
F 矢印
S 間隔

Claims (4)

  1. 筒状軸部と、筒状軸部の外周面に回動自在に軸支された車輪とから車輪体が構成され、
    可撓性を有する線条体が複数の車輪体の筒状軸部に挿通され、
    線条体の両端に、被搬送物を吊るための吊り部がそれぞれ設けられていることを特徴とする吊下げ搬送用具。
  2. 隣合う車輪が、スペーサ部材を介して離間配置されている請求項1に記載の吊下げ搬送用具。
  3. スペーサ部材が、チェーン部材で構成されている請求項1または請求項2に記載の吊下げ搬送用具。
  4. 車輪の少なくとも外周走行面部が、合成樹脂で構成されている請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の吊下げ搬送用具。
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