JP2016037703A - 可動間仕切り用吊りランナー装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉛直軸線Opを有する吊り部材2を用いて支持機構3Aの下方に配される間仕切り4を吊り下げ支持するとともに、支持機構3Aの案内面9a,12aに接触する回転走行部材5を、吊り部材2に鉛直軸線Op回りに回転可能に装着することにより、間仕切り4を支持機構3Aに沿って移動可能とする可動間仕切り用吊りランナー装置1Aにおいて、回転走行部材5に対して吊り部材2を鉛直軸線Op方向に相対移動可能として、間仕切り4の吊り部材2への吊り込みの際、吊り部材2を鉛直軸線Op方向上向きに移動させるようにする。
【選択図】図1
Description
可動式の間仕切りは、天井レールに可動間仕切り用吊りランナー装置(以下、単に「吊りランナー装置」と称する。)を介して吊設されており、吊りランナー装置により、天井レールに沿って移動可能とされている。
また、天井レールの案内面に接触するローラを吊りボルトに軸受を介して鉛直軸線回りに回転可能に装着することにより、間仕切りを天井レールに沿って移動可能としたものもある(例えば、特許文献2参照)。
このため、この吊りランナー装置では、間仕切りの吊りボルトへの吊り込みの際に、吊りボルトを鉛直軸線方向上向きに移動させて逃すことができず、吊りボルトと間仕切りとが干渉し、吊り込み作業が熟練を要する困難な作業になるという問題があった。
図1に示される吊りランナー装置1Aは、鉛直軸線Opを有する吊り部材としての吊りボルト2を用いて支持機構としての天井レール3Aの下方に配される間仕切り4を吊り下げ支持するとともに、天井レール3Aの案内面に接触する回転走行部材としてのローラ5を、軸受6を介して吊りボルト2に鉛直軸線Op回りに回転可能に装着することにより、間仕切り4を天井レール3Aに沿って移動可能とするようにしている。
なお、回転走行部材には、ローラ5のほか、公知のベアリングを使用した回転部材等を用いることもできる。
天井レール3Aは、例えば、アルミニウム製の型材からなり、室内の天井部に図示されない固定手段を介して組み付けられており、水平面上において所定の横幅寸法に比べて縦幅寸法が長い帯状の広がりを持つ天面板部3aを備えている。
天面板部3aには、後述する間仕切り4の吊り込み作業において、吊りボルト2を鉛直軸線Op方向上向きに上昇させる際に、吊りボルト2との干渉を回避するための、吊りボルト2の頭部が挿通可能な任意の形状、例えば、丸孔、長孔や角孔等からなる逃げ部7が形成されている。
これにより、吊りボルト2の鉛直軸線Op方向上向きへの上昇量が増えたとしても、天井レール3Aの天面板部3aと吊りボルト2との干渉を確実に回避することができる。
蓋部材40は、ゴムや軟質の合成樹脂製のシート状部材からなり、これに切り込み41を入れることによって、通常は逃げ部7を閉鎖するようにし、吊りボルト2が上昇したとき、吊りボルト2によって押し開かれるように構成されている。
これにより、蓋部材40の執着の手間を省き、天井レール3Aの天面板部3aと吊りボルト2との干渉を回避しながら、天面板部3aに形成した逃げ部7を通して天井レール3A内に塵埃が侵入することを防止することができる。
左側の側面板部3bにおいて、上下方向の中間位置における内表面には、該内表面から離れる方向に向かって下向きに傾斜するテーパ案内面12aを有する舌状片部12が突設されている。
右側の側面板部3cの下端縁に連設された内折曲片部9の上面は、該内折曲片部9の先端に向かって下向きに傾斜するテーパ案内面9aとされている。
ローラ5は、天井レール3Aの内部における上段部分において舌状片部12のテーパ案内面12aに接触して転動するように配設されるとともに、下段部分において内折曲片部9のテーパ案内面9aに接触して転動するように配設されている。
ローラ5は、連通する形状のナイロン樹脂製の円筒状部材よりなり、その内周部には、軸受6が圧入により固定されている。
図2(a)に示されるように、吊りボルト2は、平坦な外周面を有して鉛直軸線Op方向に延びる軸部2aを備えている。
軸部2aの上端側には、該軸部2aの外径よりも大きい外径となるように径方向外側に張り出す所定厚みの鍔部2bが軸部2aと同軸心をなして一体的に形成され、軸部2aの下端側には、外周面に雄螺子を有する螺子部2cが軸部2aと同軸心をなして一体的に形成されている。
螺子部2cには、鉛直軸線Opを基準に対称位置をなすように一対の平面部15が、連通する形状の図2(b)に示されるような平取り加工あるいは図2(c)に示されるようなキー溝加工によって全長又は必要な領域に亘って形成されている。
なお、一対の平面部15は、後述する止め螺子17が押し付けられる押付面としての役目を有するとともに、後述する間仕切り4の吊り込み作業時に、吊りボルト2をナット部材16にねじ込んでいく際において、スパナ等の締付工具を掛けるための係合面としての役目も有する。
図2に示されるように、吊りボルト2の軸部2aには、連結スリーブ20が鉛直軸線Opに沿って摺動可能に装着されている。
連結スリーブ20は、所定長さ寸法で上下方向に延びる大径円筒部20aを備え、大径円筒部20aの上端側及び下端側には、それぞれ大径円筒部20aよりも小さい外径寸法の小径円筒部20bが所定長さ寸法で上下方向に延びるように一体的に形成されている。
以上に述べた吊りランナー装置1Aにおいて、間仕切り4の吊りボルト2への吊り込み作業について以下に説明する。
このとき、間仕切り4と吊りボルト2とを干渉させないようにするため、連結スリーブ20に対する吊りボルト2の鉛直軸線Op方向上向きへの相対移動量(上昇量)を更に必要とする場合には、天井レール3Aの天面板部3aに形成された逃げ部7を通して吊りボルト2を上昇させるようにすればよい。
このように、間仕切り4と干渉しない高さ位置まで吊りボルト2を上昇させた後に、間仕切り4の内部に組み込まれたナット部材16が吊りボルト2の下方に位置するように間仕切り4を位置決めする。
そして、図3(b)に示されるように、吊りボルト2の螺子部2cをナット部材16の雌螺子に螺合して、吊りボルト2をナット部材16にねじ込んでいき、図1に示されるように、所定のねじ込み量に達したら、止め螺子17の締め付けにより、ナット部材16と吊りボルト2とを、鉛直軸線Op回りの相対回転が止められるように固定して、ナット部材16に吊りボルト2がねじ込まれた状態を緩ませることなく確実に保持するようにする。
こうして、間仕切り4の吊りボルト2への吊り込み作業が完了する。
本実施形態の吊りランナー装置1Aによれば、天井レール3Aの内部で上下に配設される2つのローラ5に対応する上下の軸受6の間隔を一定に保った状態でそれら軸受6を連結する連結スリーブ20が吊りボルト2の軸部2aに摺動可能に装着されることによってそれら軸受6に対して吊りボルト2が鉛直軸線Op方向に相対移動可能とされて、間仕切り4の吊りボルト2への吊り込みの際に吊りボルト2が鉛直軸線Op方向上向きに移動されるので、間仕切り4の吊り込みの際に吊りボルト2との干渉を回避することができ、間仕切り4の吊り込み作業を容易に行うことができる。
また、万一、吊りボルト2が破損した場合、従来は吊りボルトと軸受とをワンセットで交換する必要があったが、軸受6に対して吊りボルト2が鉛直軸線Op方向に相対移動可能とされるので、吊りボルト2のみの交換が可能となり、ランニングコストを削減することができる。
図4には、変形例に係る可動間仕切り用吊りランナー装置の一部を破断して示す正面図が示されている。
なお、変形例に係る吊りランナー装置1Bにおいて、上記実施形態の吊りランナー装置1Aと同一又は同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、変形例に係る吊りランナー装置1Bに特有の部分を中心に説明することとする。
図5には、他の実施形態に係る吊りランナー装置を用いて間仕切りを吊り下げ支持している状態を示す正面図が示されている。
なお、他の実施形態に係る吊りランナー装置1Cにおいて、上記実施形態の吊りランナー装置1Aと同一又は同様のものについては図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、他の実施形態に係る吊りランナー装置1Cに特有の部分を中心に説明することとする。
図5に示される吊りランナー装置1Cは、鉛直軸線Opを有する吊りボルト2を用いて天井レール3Bの下方に配される間仕切り4を吊り下げ支持するとともに、天井レール3Bの案内面に接触するローラ5を、軸受6を介して吊りボルト2に鉛直軸線Op回りに回転可能に装着することにより、間仕切り4を天井レール3Bに沿って移動可能とする可動間仕切り用吊りランナー装置において、吊り部材を分離、かつ、軸方向の長さ調節可能な複数の部材で構成して、間仕切り4の吊り部材への吊り込みの際、吊り部材を構成する一部の部材を鉛直軸線方向に移動させるようにするようにしたもので、具体的には、吊りボルト2に分離可能に同軸心をなして連結されるとともに間仕切りに螺着可能なジョイントボルト30を介して間仕切り4を吊り下げ支持するようにし、間仕切り4の吊りボルト2への吊り込みの際、吊りボルト2に対し分離状態にあるジョイントボルト30の間仕切り4に対するねじ込み操作にて該ジョイントボルト30を鉛直軸線Op方向下向きに移動させるようにしている。
なお、天井レール3Bは、前述した天井レール3Aと基本構造は同じであるが、天井レール3Aでは設けられるパネル支持片11が設けられておらず、その分、天井レール3Aよりも高さ寸法が短いものとされている。
図6に示されるように、吊りボルト2の軸部2aには、鍔部2bに突き当てるように上側の軸受6が圧入によって嵌められて固定され、この上側の軸受6の下側に第1カラー31を介在させた状態で順に配される下側の軸受6及び第2カラー32がそれぞれ軸部2aに圧入によって嵌められて固定されている。
こうして、鍔部2b、第1カラー31及び第2カラー32によって吊りボルト2に対する上下の軸受6の取付位置や軸受6同士の間隔が定められた状態で、吊りボルト2に対し上下の軸受6が固定されている。
ジョイントボルト30は、吊りボルト2の螺子部2cが螺合する雌螺子が形成された頭部30aを備えている。
図6(d)に示されるように、頭部30aには、鉛直軸線Opを基準に対称位置をなすように一対の平面部33が平取り加工等によって全長に亘って形成されている。
なお、一対の平面部33は、後述する間仕切り4の吊り込み作業時に、吊りボルト2に連結された状態のジョイントボルト30をナット部材16にねじ込んでいく際に、スパナ等の締付工具を掛けるための係合面としての役目をする。
頭部30aの下端側には、外周面に雄螺子を有する螺子部30bが頭部30aと同軸心をなして一体的に形成されている。
螺子部30bには、鉛直軸線Opを基準に対称位置をなすように一対の平面部34が、連通する形状の図6(d)に示されるような平取り加工あるいは図6(e)に示されるようなキー溝加工によって全長に亘って形成されている。
また、ジョイントボルト30の螺子部30bは、間仕切り4内に組み込まれたナット部材16の雌螺子に螺合され、螺子部30bの平面部34に当接可能にナット部材16にねじ込まれる止め螺子17の締め付けにより、ジョイントボルト30とナット部材16とが、鉛直軸線Op回りの相対回転が止められるように固定されて、ナット部材16にジョイントボルト30がねじ込まれた状態を緩ませることなく確実に保持されるようになっている。
以上に述べた吊りランナー装置1Cにおいて、間仕切り4の吊りボルト2への吊り込み作業について以下に説明する。
このように、吊りボルト2と干渉しない高さ位置までジョイントボルト30を下降させた後に、ナット部材16にねじ込まれたジョイントボルト30が吊りボルト2の下方に位置するように間仕切り4を位置決めする。
次いで、図7(b)に示されるように、ナット部材16にねじ込まれている状態のジョイントボルト30を緩める方向に操作してジョイントボルト30を鉛直軸線Op方向上向きに移動させ、吊りボルト2の螺子部2cとジョイントボルト30の頭部30aの雌螺子とを螺合させるように更にジョイントボルト30を緩める方向に操作する。
ジョイントボルト30に対する吊りボルト2のねじ込み量が所定量に達したら、止め螺子35の締め付けにより、吊りボルト2とジョイントボルト30とを、鉛直軸線Op回りの相対回転が止められるように固定して、ジョイントボルト30に吊りボルト2がねじ込まれた状態を緩ませることなく確実に保持するようにする。
そして、吊りボルト2に連結された状態のジョイントボルト30をナット部材16にねじ込んでいき、図5に示されるように、所定のねじ込み量に達したら、止め螺子17の締め付けにより、ナット部材16と吊りボルト2とを鉛直軸線Op回りの相対回転が止められるように固定して、ナット部材16に吊りボルト2がねじ込まれた状態を緩ませることなく確実に保持するようにする。
こうして、間仕切り4の吊りボルト2への吊り込み作業が完了する。
本実施形態の吊りランナー装置1Cによれば、吊りボルト2にジョイントボルト30を介して間仕切り4が吊り下げ支持される構造とされ、間仕切り4の吊りボルト2への吊り込みの際、吊りボルト2に対し分離状態にあるジョイントボルト30の間仕切り4に対するねじ込み操作によって該ジョイントボルト30が鉛直軸線Op方向下向きに移動されるので、間仕切り4の吊り込みの際に吊りボルト2との干渉を回避することができ、これによって間仕切り4の吊り込み作業を容易に行うことができる。
この場合、従来では、高さ寸法の異なる2種類の天井レール3A,3Bに対し、それぞれ異なった長さの吊りボルトに軸受を圧入したものを容易する必要があるが、吊りボルト2が軸受6に対して相対移動可能で固定されておらず容易に交換できるため、異なる長さの2種類の吊りボルト2のみを用意するだけで済むという利点がある。
2 吊りボルト(吊り部材)
3A,3B 天井レール(支持機構)
3a 天面板部
4 間仕切り
5 ローラ(回転走行部材)
6 軸受
7 逃げ部
9a,12a テーパ案内面(案内面)
20 連結スリーブ
30 ジョイントボルト
40 蓋部材
Claims (6)
- 鉛直軸線を有する吊り部材を用いて支持機構の下方に配される間仕切りを吊り下げ支持するとともに、支持機構の案内面に接触する回転走行部材を、吊り部材に鉛直軸線回りに回転可能に装着することにより、間仕切りを支持機構に沿って移動可能とする可動間仕切り用吊りランナー装置において、回転走行部材に対して吊り部材を鉛直軸線方向に相対移動可能として、間仕切りの吊り部材への吊り込みの際、吊り部材を鉛直軸線方向上向きに移動させるようにしたことを特徴とする可動間仕切り用吊りランナー装置。
- 吊り部材の鉛直軸線方向に沿って回転走行部材を上下に所定間隔をあけて配設し、これら回転走行部材に対応する上下の軸受の間隔を一定に保った状態でそれら軸受を連結する連結スリーブを吊り部材に摺動可能に装着したことを特徴とする請求項1記載の可動間仕切り用吊りランナー装置。
- 支持機構は、吊り部材の上方に位置する天面板部を有してなり、軸受に対して吊り部材を鉛直軸線方向上向きに相対移動させる際に、吊り部材が支持機構の天面板部と干渉するのを回避するための逃げ部を天面板部に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の可動間仕切り用吊りランナー装置。
- 支持機構の天面板部に形成した逃げ部に、上昇した吊り部材によって押し開かれる蓋部材を設けたことを特徴とする請求項3記載の可動間仕切り用吊りランナー装置。
- 鉛直軸線を有する吊り部材を用いて支持機構の下方に配される間仕切りを吊り下げ支持するとともに、支持機構の案内面に接触する回転走行部材を、吊り部材に鉛直軸線回りに回転可能に装着することにより、間仕切りを支持機構に沿って移動可能とする可動間仕切り用吊りランナー装置において、吊り部材を分離、かつ、軸方向の長さ調節可能な複数の部材で構成して、間仕切りの吊り部材への吊り込みの際、吊り部材を構成する一部の部材を鉛直軸線方向に移動させるようにしたことを特徴とする可動間仕切り用吊りランナー装置。
- 吊り部材が、吊りボルトからなり、該吊りボルトの螺子部に、鉛直軸線を基準に対称位置をなすように一対の平面部を形成されてなることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の可動間仕切り用吊りランナー装置。
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