<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10を正面側から見た斜視図、図3及び図4はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図3では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
図2に示すように、外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている(図3及び図4参照)。
図3及び図4に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、遊技機正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性及び防犯性向上に鑑みれば、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部にはエラー等の不具合が発生した場合に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音やBGM等などが出力されるスピーカ部29が設けられている(図3参照)。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている(図2参照)。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。なお、遊技球の発射速度は、遊技球発射ハンドル41の操作量が大きくなるに従って速くなり、この操作量を遊技者が調整することで、後述する右ルートと左ルートへの遊技球の打ち分けが可能となる。
図3に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット45が取り付けられている。通路形成ユニット45は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有してなる。通路形成ユニット45において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図3に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図5に基づき内枠13について詳細に説明する。図5は内枠13の正面図である。なお、図5においては図3と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース70は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース70との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース70(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース70が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と樹脂ベース70との間に相互干渉の防止等を目的として若干のクリアランスを設けてもよい。
樹脂ベース70の前面における回動基端側(図3の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72は軸部を有しており、それら軸部に前扉枠14に設けられた軸受け部が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70の前面における回動先端側(図5の右側)には、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が配設されている。施錠装置75は、樹脂ベース70の右端部に沿うようにして上下に延びており、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63(図3参照)を挿入するための挿入孔がそれら各鉤金具63に1対1で対応するようにして形成されている。鉤金具63が挿入孔を介して施錠装置75(詳しくは前扉用鉤受け部材76)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、樹脂ベース70に形成されたスリットを通じて内枠13の後方側に延出する内枠用鉤部材77を有している(図4参照)。これら内枠用鉤部材77が外枠11に固定された鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース70(施錠装置75)の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
樹脂ベース70の中央部分には遊技盤80を収容する収容凹部73が形成されている。収容凹部は遊技盤80の外形に合わせて遊技機後方に窪んでおり、遊技盤80はこの収容凹部73に嵌まった状態で手動式のロック機構によって固定されている。収容凹部73の底部には、略矩形状の中央開口74が形成されており、この中央開口74を通じて遊技盤80の背面構成が内枠13の後方に突出している。なお、この中央開口74については、樹脂ベース70に装着された遊技盤80によってそのほぼ全域が遊技機前方から覆われた状態となっている。
遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなる板体80aを有してなり、その前面には遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80(詳しくは板体80a)は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図6に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図6は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86、主表示ユニット87及び可変表示ユニット88等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82,83及び作動口84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成によって遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されているが、図6においてはこれら釘等の各種構成については図示を省略している。
上記可変表示ユニット88は遊技盤80の中央に配されており、同可変表示ユニット88の周辺に作動口84,85等が配設されている。作動口84,85は、可変表示ユニット88の下方に配設された下側の作動口84(以下便宜上、下作動口84と称する)と、同可変表示ユニット88の右方に配設された右側の作動口85(以下便宜上、右作動口85と称する)とによって構成されており、特に右作動口(抽選契機入球部)85には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。電動役物91は、左右一対の可動片と同可動片を駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、右作動口85への入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
この右作動口85の上方に上記スルーゲート86が配置されており、遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ閉状態から開状態に切り替えられることとなる。
なお、下作動口84への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、右作動口85への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下作動口84に対する右作動口85の有利性を高める上では、下作動口84に係る払出個数よりも右作動口85に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82,83についても、下作動口84及び右作動口85と同様に、可変表示ユニット88の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット88の下方(詳しくは下作動口84の下方)に配置された可変入賞装置82を「下側可変入賞装置82」と称し、可変表示ユニット88の右方(詳しくは右作動口85の下方)に配置された可変入賞装置83を「右側可変入賞装置83」と称する。
下側可変入賞装置82は、遊技盤80の背面側へと通じる大入賞口82aを備えているとともに、当該大入賞口82aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉82bを備えている。開閉扉82bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉82bは、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部82c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉82bは閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に(大当たりに当選した場合に)開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば6ラウンド又は16ラウンド)を上限とした開閉扉82b等の開放が繰り返されるように設定されているものがある。
右側可変入賞装置83は、下側可変入賞装置82と同様に、遊技盤80の背面側へと通じる右側大入賞口と、当該右側大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉とを備えている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては、開閉扉は閉状態のまま維持され、各作動口84,85への入球に基づく内部抽選に基づいて開閉実行モードへの移行に当選した場合(大当たりとなった場合)に、特定のラウンド(本実施の形態においては第5ラウンドに)開放され、当該右側大入賞口の特定部位(後述する有利入球部)への入球の有無によって開閉実行モード終了後の遊技状態が決定されることとなる。
次に、可変表示ユニット88について説明する。可変表示ユニット88は、作動口84,85への入賞をトリガとして図柄を可変表示(変動表示)する図柄表示装置95と図柄表示装置95に連動して又は図柄表示装置95とは独立して発光演出や各種報知を行う発光表示装置としての可変表示装置96とを有している。これら両表示装置95,96は、図柄表示装置95を上側、可変表示装置96を下側として上下に並設されており、両表示装置95,96における各種演出等を見る際の目線の移動量の低減が図られている。
図柄表示装置95は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御される。図柄表示装置95には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、大当たりに当選した場合には、予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示され、上記開閉実行モード(特別遊技状態又は大当たり)に移行することとなる。なお、図柄表示装置95につていは必ずしも液晶表示装置である必要はなく、ドットマトリクスや7セグタイプの表示装置であってもよい。
可変表示装置96は、後述する報知・演出制御装置に電気的に接続されており、この報知・演出制御装置によって遊技にかかる演出及び報知が制御される構成となっている。具体的には、複数の発光体設置面を有する可動体が可変表示装置96の前面部を構成するハーフミラーの後方に配置され、可動体の動き及び発光体の表示態様が制御されることにより演出/報知機能の切替えが行われる構成となっているが、同可変表示装置96についての詳細は後述する。
遊技盤80には、可変表示ユニット88(両表示装置95,96)を囲むようにして配設されたセンターフレーム97を備えている。センターフレーム97は、遊技盤80(板体80a)に対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技盤80の前面から起立した状態となることで当該センターフレーム97と上記ガラスユニット22との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が表示装置95,96に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット88(詳しくはセンターフレーム97)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
可変表示ユニット88において、各表示装置95,96の表示領域を仕切っている部分には、第1保留ランプ部98a及び第2保留ランプ部98bが設けられている。左側の第1保留ランプ部98aは、下作動口84に対応しており遊技球が下作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され第1保留ランプ部98aの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。右側の第2保留ランプ部98bは、右作動口85に対応しており、遊技球が右作動口85を通過した回数は最大4回まで保留され第2保留ランプ部98bの点灯によってその保留数が表示されるようになっている。
作動口84,85は、可変表示ユニット88寄りとなる位置に配置されている。作動口84,85への入賞をトリガとして、特別遊技状態に移行し得るため、遊技者は作動口84,85に入賞するか否かに注目するとともに、特別遊技状態に移行するか否かを把握するため図柄表示装置95に注目するものと考えられる。作動口84,85を可変表示ユニット88寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット88周辺に集中させるための工夫である。
ここで、主表示ユニット87について補足説明する。主表示ユニット87においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示ユニット87については、後述する主制御装置に電気的に接続されており、主表示部Dの表示内容は当該主制御装置によって制御される構成となっている。
主表示部Dは、下作動口84への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部と、右作動口85への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部とを有してなる。下作動口用表示部では、下作動口84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口84への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動口用表示部では、右作動口85への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右作動口85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右作動口85への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口84,85への入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口84,85への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには上記両表示部以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右作動口85に設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート86を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
以上詳述した主表示部Dについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されているため、その視認性が担保されている。
再び図5を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで、樹脂ベース70に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤80に固定された遊技領域区画部材99とともに遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図3に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニット45に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢されており、前扉枠14が開放された場合には、この付勢力によって各開閉部材124が閉状態となることで、各通路122,123からの遊技球の脱落が回避されることとなる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット45に設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通する。
既に説明したように、本実施の形態における遊技盤80においては下側可変入賞装置82及び右側可変入賞装置83を併有しているが、これら各可変入賞装置82,83については、その役割が異なっている。具体的には、遊技状態として作動口84,85への入球に基づく大当たりの抽選に当選しにくい低確率モードと当該低確率モードよりも当選しやすい高確率モードとが設定されており、上記開閉実行モード中に同開閉実行モード終了後の高確率モードへの移行抽選が行われる。
具体的には、右側可変入賞装置83が開閉実行モード中の所定のラウンド(本実施の形態においては第5ラウンド)で一度だけ開放され、その際に同右側可変入賞装置83の有利入球部(Vゾーン)に遊技球が入球することにより、開閉実行モード終了後の高確率モードへの移行が確定し、有利入球部への入球しなかった場合には低確率モードへの移行が確定することとなる。
つまり、右側可変入賞装置83については低確率モード/高確率モードの抽選機能が付与されている。ここで、図7〜図10を参照して右側可変入賞装置83の構造について説明し、その後、図11を参照して右側可変入賞装置83における抽選の様子について説明する。図7(a)は図6の部分拡大図、図7(b)は右側可変入賞装置を正面側から見た斜視図、図8及び図9は右側可変入賞装置を正面側から見た分解斜視図、図10は右側可変入賞装置の内部構造を示す概略図、図11は右側可変入賞装置における遊技球の振分の様子を示す概略図である。
遊技盤80(詳しくは板体80a)において可変表示ユニット88の右側となる部位には、図7(a)に示す開口部92が形成されている。開口部92は遊技盤80の厚さ方向に貫通しており、この開口部92に対して遊技機前方から右側可変入賞装置83が嵌まっている。このようにして右側可変入賞装置83が配置された状態では、遊技盤80に対する取付部としての機能が付与されたベースユニット300によって同開口部92が塞がれている。
ベースユニット300は、開口部92の縁部に沿って形成された枠体301を有してなり、この枠体301が遊技盤80の前面に対して当接した状態で同遊技盤80にネジ止めされることにより、右側可変入賞装置83が遊技盤80に対して一体化されている。
図8及び図9に示すように、枠体301において当該枠体301の中央開口部分よりも上方に位置する部位には、右側可変入賞装置83に流入した遊技球を遊技盤80の背面側へと誘導する右側大入賞口302と、同右側大入賞口302を遊技機前方から覆う開閉扉303とが設けられている。また、ベースユニット300には開閉扉303を開閉させる動力源としての可変入賞駆動部304(詳しくはソレノイド)が搭載されている。
右側大入賞口302は、図9に示すように、左右に延びる横長状をなしており、その一端側に傾斜している。右側大入賞口を形成しているユニットには、右側大入賞口302へ流入した遊技球を、振分通路310へと案内する案内通路320の一部が右側大入賞口302の傾斜最下流部位に設けられている。
ここで、案内通路320及び振分通路310について説明する。図9に示すように、案内通路320及び振分通路310は、その大部分がベースユニット300の開口部分を後方から覆うように配置された通路形成ユニット305によって形成されている。
より具体的には、通路形成ユニット305は、枠体301の中央開口部分を後方より覆う後側パネル部材308側(遊技機前方)と、遊技機前方に開放された溝部307を有するケース体306とを有している。溝部307は同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように溝幅寸法及び深さ寸法が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きく設定されている。この溝部307における遊技機前方への開放部分を後側パネル部材308によって塞がれることで、上記案内通路320及び振分通路310が形成されている。
また、枠体301には、遊技機前方から上記中央開口部分(通路形成ユニット305)を覆うようにして、前側パネル部材309が取り付けられており、この前側パネル部材309によって通路形成ユニット305内へのアクセス(例えば上記各通路310,320への外部からのアクセス)を難しくしている。
なお、各パネル部材308,309は透明性を有する合成樹脂材料によって形成されており、これら両パネル部材308,309を通じて上記案内通路320及び振分通路310を流下する遊技球を遊技機前方から視認可能となっている。
図10に示すように、案内通路320には、右側大入賞口302から下方に延びる上流側縦通路部321と、当該上流側縦通路部321の下流側端部から遊技領域PEの中央側へ向けて下り傾斜する傾斜通路部322と、傾斜通路部322の下流側端部から下方に延びる下流側縦通路部333とによって構成されており、右側大入賞口302から流入した遊技球が案内通路320の壁面に幾度か衝突して流下方向が変化することによりその勢いが弱められる構成となっている。これにより、遊技球が勢いよく振分通路310に流入することが回避されるとともに、振分通路310への到達にある程度の時間を要する構成が実現されている。つまり、案内通路320には右側大入賞口302に流入した遊技球の振分通路310への到達を遅延させる遅延機能が付与されているとも言える。
振分通路310は、下流側縦通路部333の直下に位置し、当該下流側縦通路部333に連通する第1振分通路部311を有している。第1振分通路部311は、下流側縦通路部333と同様に鉛直方向に延びており、案内通路320を経由して振分通路310に到達した遊技球は、通常は自重によって同第1振分通路部311へ落下することとなる。
第1振分通路部311の途中位置(出口部分)には、当該第1振分通路部311へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第1振分通路部311における第1検知領域DE1を通過する遊技球を検知可能な)第1検知センサ315が設けられている。第1検知センサ315には、第1検知領域DE1を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。
第1検知センサ315は主制御装置に対して電気的に接続されており、当該第1検知センサ315からの検知信号(検知情報)が主制御装置に入力される。この検知信号に基づいて第1検知領域DE1における遊技球通過の有無、すなわち第1振分通路部311への入球の有無を主制御装置にて把握することが可能となっている。
また、振分通路310の上流部分には、上記第1振分通路部311と分岐するようにして第2振分通路部312が設けられている。具体的には、第1振分通路部311を形成する通路壁部において上記第1検知領域DE1よりも上流側となる部分には、第2振分通路部312への入口部としての開口313が形成されており、この開口313を通じた第2振分通路部312への遊技球の流入が許容されている。
第2振分通路部312の途中位置には、当該第2振分通路部312へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第2振分通路部312における第2検知領域DE2を通過する遊技球を検知可能な)第2検知センサ316が設けられている。第2検知センサ316には、第2検知領域DE2を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第2検知センサ316は、主制御装置に対して電気的に接続されており、当該第2検知センサ316からの検知信号(検知情報)が主制御装置に入力される。これにより、第2検知領域DE2における遊技球通過の有無、すなわち第2振分通路部312への遊技球流入の有無を主制御装置にて把握することが可能となっている。
なお、本実施の形態においては、各検知センサ315,316に磁気センサを適用したが、これを変更し、それら各検知センサ315,316にフォトセンサを適用することも可能である。特に、右側可変入賞装置83については、他の入球部と比較して複数の遊技球が同時に入球する機会が少ないと想定される。故に、複数の遊技球が一体となって検知領域を通過する際の個々の遊技球の検知精度の向上が難しいと想定されるフォトセンサを適用したとしても、それに起因した不都合の発生を好適に抑制できる。
詳しくは、下流側の検知センサ315,316については、流入した遊技球の数の把握よりも有利入球部への入球が発生したか否かを把握することが重要である。故に、複数の遊技球が一体となって検知領域を通過した際の個々の遊技球の検知機能が低下したとしても、少なくとも遊技球が通過したという事実が分かるためこれに起因した不利益等の発生は回避される。また、磁気センサと比較してフォトセンサのほうが電波や磁気の影響を受けにくい。そこで、有利入球部に係る検知センサについては特にフォトセンサを適用することで防犯機能の更なる向上が期待できる。
以上詳述したように、振分通路310についてはその途中位置にて2条に分岐しており、右側大入賞口302へ流入した遊技球はその流入タイミング等に応じて第1検知領域DE1又は第2検知領域DE2に到達するようにその移動先(振り分け先)が変化する構成となっている。
ここで、振分通路310における振分を左右する構成について説明する。振分通路310の上記分岐位置には、案内通路320から振分通路310に流入した遊技球を第1振分通路部311へと誘導する第1誘導状態(以下、単に「誘導状態」ともいう)と第2振分通路部312へと誘導する第2誘導状態(以下、第1振分通路部311への誘導を行わない「非誘導状態」ともいう)とに切替可能な振分部材318が設けられている。
振分部材318は、第1誘導状態(誘導状態)となっている場合には案内通路320(詳しくは振分通路310)への突出が抑えられており、第2誘導状態(非誘導状態)に切り替わることで同第1振分通路部311を塞ぎ上記第1検知領域DE1への遊技球の到達を不可とする位置へと突出する(図11(a)の2点鎖線参照)。
振分部材318の配置について補足説明すれば、振分通路310を形成する通路壁部において上記開口313と対向している部分には振分部材318を収容する収容部314が形成されている。収容部314は通路壁部に形成された開放部位を通じて第1振分通路部311と連通している。
振分部材318は、当該振分部材318における上流側の端部に設けられた軸部が通路形成ユニット305に形成された軸受け部によって軸支されることにより、回動可能な状態で同通路形成ユニット305に取り付けられている。軸部及び軸受け部については、振分部材318の回動中心軸線が開口313が向く方向及び第1振分通路部311における遊技球の流下方向に対して直交するように、具体的には振分部材318の回動中心軸線が前後方向に延びるようにして形成されている。
振分部材318には、当該振分部材318が第2誘導状態となっている場合に第1振分通路部311を流下(落下)する遊技球に対して当該第1振分通路部311の下流側から当接することにより同遊技球を案内通路320からの流れのままに開口313側へと導く機能が付与された誘導傾斜面が形成されている。
第2誘導状態への切替時には上記回動基端部を中心として振分部材318が回動し、同振分部材318における誘導傾斜面の回動先端部が開口313に近づく側に変位することとなる。そして、振分部材318によって第1振分通路部311が寸断されるとともに、誘導傾斜面による第2振分通路部312への遊技球の誘導が実現されることとなる。
なお、第1振分通路部311(第1検知領域DE1)への遊技球の流入を阻止する点に着目すれば、同振分部材318を「シャッタ318」と称することも可能である。
通路形成ユニット305には、振分部材318を案内通路320への突出が抑えられた位置に向けて付勢する付勢部材と、同付勢部材の付勢力に抗して振分部材318を突出位置へと移動させるソレノイド式の切替部材用駆動部319とが内蔵されている。
切替部材用駆動部319は、主制御装置に対して電気的に接続されており、同主制御装置から出力される信号に基づいて駆動する。本実施の形態においては、通常は付勢部材の付勢力によって振分部材318が第2誘導状態(非誘導状態)にて保持され、上記開閉実行モードにおける所定のラウンドにて切替部材用駆動部319が駆動することで同振分部材318が第1誘導状態(誘導状態)/第2誘導状態(非誘導状態)に切り替る。つまり、一時的に第1振分通路部311への遊技球の流入が許容されることとなる。
詳細については後述するが、開閉実行モードの特定ラウンド中に第1振分通路部311へと流入した遊技球が第1検知センサ315によって検知されると開閉実行モード後の遊技状態が高確率モードとなる一方、第2振分通路部312へと流入した遊技球が第2検知センサ316によって検知されたとしても、少なくとも1つの遊技球が第1振分通路部311へと流入しない限りは開閉実行モード後の遊技状態は低確率モードとなる。つまり、案内通路320に流入した遊技球が第1検知領域DE1に到達するか否かによってその後の遊技進行に有利不利の差が生じる構成となっている。この点に着目すれば、第1振分通路部311(特に検知領域DE1)を有利入球部と称することができ、有利入球部を主体とすれば上述した振分部材318の第1誘導状態を「誘導状態」、第2誘導状態を「非誘導状態」と称することに支障はない。
再び図10を参照して右側可変入賞装置83について補足説明する。上記前側パネル部材309において右側大入賞口302の下方であって、振分通路310の上方となる部分には、右側大入賞口302に入賞することなく同右側大入賞口302を素通りした遊技球を下側可変入賞装置82へと誘導する誘導傾斜部330が突設されている。このため、開閉実行モード中には、遊技者は右打ちを続けることで、両可変入賞装置82,83への入賞を狙うことが可能であり、遊技球発射ハンドル41を調整して狙いを変更する必要が無い。これにより、複数の可変入賞装置82,83を併用するタイプの遊技機において、遊技者による発射操作の煩雑化が生じ、遊技者にかかる負担が増すことを回避している。
より詳しくは、本実施の形態においては図6に示したように可変表示ユニット88が遊技領域PEの中央に配置されている。このため、遊技球の流下経路が左ルートと右ルートとに大別されている。つまり、遊技を行う場合には、遊技者は遊技状況に応じて可変表示ユニット88の左側を流下する左ルートと、可変表示ユニット88の右側を流下する右ルートとを選択して発射操作を行う必要がある。なお、図6においては、左ルートを一点鎖線、右ルートを二点鎖線によって例示している。
ここで、各作動口84,85、可変入賞装置82,83、スルーゲート86の配置及び釘の配置を工夫することにより、遊技球が到達できる箇所に差違が生じている。具体的には、可変表示ユニット88の左側へ向けて打ち出された(以下、「左打ち」と称する)遊技球は下作動口84及び下側可変入賞装置82へ到達し得るものの、スルーゲート86、右作動口85、右側可変入賞装置83に到達することはない。一方、可変表示ユニット88の右側へ向けて打ち出された(以下、「右打ち」と称する)遊技球はスルーゲート86、右作動口85、右側可変入賞装置83、下側可変入賞装置82に到達し得るものの、下作動口84へ到達することがないように、各種遊技部品の配置が工夫されている。
故に、上記高頻度サポートモード又は特別遊技状態中である場合には右打ちを行うことで遊技を有利に進めることができ、低頻度サポートモード中においては左打ちを行うことで遊技を有利に進めることができ、遊技状況に応じて遊技球の打ち分けを行う必要が生じ、遊技への積極的な参加を促すことが可能となっている。
次に、図12に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図12は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図12の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース70の背面には、裏パックユニット15を閉じた状態で同樹脂ベース70に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように樹脂ベース70における収容凹部(遊技盤収容部)73の底部分には樹脂ベース70の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース70の背面側に開放された中央開口74が形成されており、その中央開口74が収容凹部73に収容された遊技盤80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口74を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、遊技盤80の背面の構成について説明する。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット88(図6参照)を遊技盤80に対して搭載する合成樹脂製のベース体94が固定されている。ベース体94は、遊技盤80側に開放された略箱状をなしており遊技盤80の背面のほぼ全域を覆っている。ベース体94の一部は樹脂ベース70の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置95(図6参照)と、その図柄表示装置95を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置95及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース70の厚さ方向)に図柄表示装置が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤80には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置140が搭載されている。
報知・演出制御装置140は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス141に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置140の下方には、ベース体94を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
ベース体94において遊技盤80の背面下部と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,83、作動口84,85の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路94a(図16等参照)が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路94aを介して遊技盤80の下方に集合する構成となっている。つまり、ベース体94には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路94aによって遊技盤80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口89についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口89を介して排出通路内に導出される。
また、ベース体94には、遊技盤80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知する入賞検知スイッチと、作動口84に入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図4及び図13に基づき裏パックユニット15について説明する。図13は裏パックユニット15の正面図である。
図4に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、裏パックユニット15の本体部としての裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図12に示すように払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット88を囲むのに十分な大きさを有する(図4参照)。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータ)に対して各種信号が出力される。また、図13に示すように、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。一方、上記RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
これら各種スイッチについては、遊技機主部12(内枠13)を開放して内枠13の背面部を露出させることで遊技機正面側から操作可能となる。一方で、上記施錠装置75によって遊技機主部12の開放が規制されている状態では、遊技機正面側からそれら各種スイッチを操作することができない。つまり、上記各種スイッチについては遊技機主部12を閉じた状態では操作されにくくなっており、施錠装置75用のキーを所有していないもの(例えば不正行為者)による遊技機正面側からの操作を困難なものとしている。
<可変表示ユニット88>
本実施の形態においては、上記可変表示ユニット88について特徴的な構成を有している。以下、図14〜図16に基づいて可変表示ユニット88について補足説明する。図14は遊技盤80を正面側から見た斜視図、図15は遊技盤80(詳しくは板体80a)から可変表示ユニット88にかかる構成を取外した状態を示す分解斜視図、図16は可変表示ユニット88を主要な構成毎に分解した状態を示す分解斜視図である。
図6を参照して説明したように、可変表示ユニット88は遊技盤80の中央開口部93(図15参照)に配置されている。この可変表示ユニット88は、遊技に関する各種情報を表示するものであり、その高さ位置が遊技者が座った状態で遊技を行う場合に図柄表示装置95の位置が遊技者の目の高さと同じ程度となるように設定されている。
図14に示すように、可変表示ユニット88を構成する図柄表示装置95と可変表示装置96とは鉛直方向に並べて配置されているのではなく、図柄表示装置95よりも下側に位置する可変表示装置96が同図柄表示装置95よりも遊技機前方にオフセットするようにして前後にずらした状態で配置されている。可変表示ユニット88における演出・報知は基本的に図柄表示装置95を中心として行われるため遊技者による注目は専ら図柄表示装置95に向きやすい。このように図柄表示装置95が注視されている場合であっても、視線を僅かに下にずらすことで可変表示装置96を視認可能であるため、可変表示装置96による演出・報知が遊技者に上手く伝わらなくなることが抑制されている。
図16に示すように可変表示ユニット88は、遊技盤80の板体80aに対する取付部を構成する上記ベース体94を有している。ベース体94については、既に説明したように、全体として遊技機前方に開放された箱状をなしており、その上段部に図柄表示装置95用の収容部94bが、その中断部に可変表示装置96用の収容部94cがそれぞれ設けられ、それら両収容部94b,94cの上方及び側方には各種可動役物の収容部94dが設けられている。そして、ベース体94の下段部には上記回収通路94aが設けられている。このようにして、表示・報知等にかかる各種構成をベース体94に集約することにより、可変表示ユニット88が構成されている。
本実施の形態においては特に、可変表示ユニット88を構成する可変表示装置96について特徴的な構成が採用されている。そこで、以下、図17を参照して、可変表示装置96にかかる構成について説明する。図17は、可変表示装置96の分解斜視図である。
可変表示ユニット88は、可動式の表示機構401と、当該表示機構401を収容するケース体402とによって構成されており、これらが一体化された状態で上記ベース体94に固定されている。
ケース体402は表示機構401を表側から覆う表側ケース部材405と、表示機構401を裏側から覆う裏側ケース部材406とを有している。表側ケース部材405については遊技機前方及び上方に凸となる椀状(半球状)をしており、裏側ケース部材406については前方に開放された略箱状をなしている。これら両ケース部材405,406が組み合わされることにより、ケース体402の内部に表示機構401用の収容領域及び表示機構401の動作領域が確保されている。
表示機構401は、複数の表示面を有する可動体411を有している。可動体411は、裏側ケース部材406に固定された軸体412によって回動可能に軸支されており、同じく裏側ケース部材406に固定されたモータ413からの動力を伝達するギア414が接続されている。モータ413は報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、この報知・演出制御装置140からの駆動信号を受けて動作する。これにより、可動体411が軸体412を中心に回動し、表示面の切替がなされる。
ここで、可動体411における表示面について補足説明する。表示面には主として演出に用いられる第1表示面421と主として報知に用いられる第2表示面431とがあり、これら両表示面421,431の少なくとも一方が遊技機前方を向いた状態で待機するように構成されている。なお、遊技盤80に可変表示ユニット88が搭載された状態では、表示面は遊技機前方よりも僅かに上向きとなる。これは、図柄表示装置95の表示画面95aに注視している遊技者が可変表示装置96による表示が行われた場合に、当該表示を見逃す機会を減らすための工夫である。
第1表示面421には、複数の第1発光体422が実装されてなる第1発光基板423と、第1発光基板423を覆い第1発光体422からの光を拡散する第1拡散板424と、第1発光基板423との間に第1拡散板424を挟むように配置され全ての第1発光体422が発光した場合に光の照射範囲を規制することにより特定の模様を表示させる第1規制部材425とによって構成されている。
第2表示面431には、複数の第2発光体432が実装されてなる第2発光基板433と、第2発光基板433を覆い第2発光体432からの光を拡散する第2拡散板434と、第2発光基板433との間に第2拡散板434を挟むように配置され全ての第2発光体432が発光した場合に光の照射範囲を規制することにより上記特定の模様とは異なる模様を表示させる第2規制部材435とによって構成されている。
各発光基板423,433についても上記モータ413と同様に報知・演出制御装置140に電気的に接続されており、同報知・演出制御装置140によってその発光態様が制御されることとなる。
第1表示面421と第2表示面431とは互いに異なる方向(詳しくは直交する方向)を向いている。詳しくは、可動体411に設けられた表示面は第1表示面421及び第2表示面431によって全体として略L字状をなすように構成されている。第1表示面421が遊技機前方(表側ケース部材405側)を向いている状態では第2表示面が下方を向き、第2表示面431が遊技機前方を向いている状態では第1表示面421が遊技機上方を向くこととなる。このように、表示面421,431の切り替えを行うことで、可変表示装置96の表示機能を変化させることが可能となっている。
本実施の形態における表側ケース部材405はハーフミラーによって構成されており、発光体422,432が発光した場合には、その光が表側ケース部材405を透過することにより、表側ケース部材405に所定の絵柄等が浮かび上がるように構成されている。
また、表側ケース部材405をハーフミラーとすることで、その内部構造(表示機構401)を遊技機前方から視認不可となっており、可動体411の動きを遊技者が把握することは不可能となっている。
以下、図18を参照して、可変表示装置96の表示態様の切替について説明する。図18(1)群は可動体411と表側ケース部材405との位置関係を示す概略図、図18(2)群は可変表示装置96における表示態様の一例を示す概略図である。
既に説明したように、本実施の形態における遊技機においては通常遊技状態とこの通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)とが設定されている。通常遊技状態中は、作動口84,85への入球に基づき図柄表示装置95にて図柄の可変表示が実行される。この場合、表示演出は図柄表示装置95だけでなく可変表示装置96においても実行される。
上記通常遊技状態においては、図18(a1)に示すように可動体411の第1表示面421が遊技機前方を向いた状態となっている。以下、このように第1表示面421が遊技機正面側を向いた状態を第1状態と称する。
第1状態にて実行される表示演出には大別して特別遊技状態へ移行する確率が低い遊技回にて選択されやすい第1演出態様と、特別遊技状態へ移行する確率が高い遊技回にて選択されやすい第2演出態様とが存在する。第1演出態様としては、多数の第1発光体422の一部を点滅させることにより可変表示装置96がぼんやりと点滅を繰り返すパターン(図18(a2)参照)が採用され、第2演出態様としては、全ての第1発光体422を同時に発光させることにより可変表示装置96に特定の模様(例えば文字等)を浮かび上がらせるパターンが採用されている。
通常遊技状態においては特別遊技状態への移行を示唆する演出としてリーチ演出が実行されるが、このリーチ演出実行時には上記2つの演出態様のうち後者が選択されやすくなっている。より詳しくは、図柄表示装置95における図柄の可変表示と連動して可変表示装置96にて特定の文字を表示させることにより(例えば通常変動表示からリーチ変動表示へ切り替わった際に特定の文字を表示させることにより)表示演出に対する注目度の向上が実現されている。
一方、通常遊技状態から特別遊技状態に移行した場合には、主制御装置162からのコマンドを受けて報知・演出制御装置140が可変表示装置96を上記第1状態から第2表示面431が遊技機前方を向いた第2状態への切り替えを行う(図18(a1)→図18(b1)参照)。
具体的には、モータ413を駆動させて可動体411を回動させることにより第2表示面431が遊技機前方を向いた状態(第2状態)とする。また、これに併せて、第1発光体422を全て消灯させることにより、可変表示装置96による演出が停止する。
既に説明したように、特別遊技状態においては、特定のラウンド(本実施の形態においては第5ラウンド)にて右側可変入賞装置83が開放され、特別遊技状態終了後に高確率モードへ移行するか否かの抽選を行う。つまり、この特定ラウンドにおいては、遊技者の発射操作(右打ち)が確実に行われないと、遊技者が本来享受できたはずの特典を逃す可能性が生じる。そこで、この特定のラウンドにおいては、それまで消灯されていた第2発光体432を全て点灯させることにより、可変表示装置96に図18(b2)に示す右矢印が浮かび上がり、遊技者に右打ちを行うべき旨の報知が行われる。
本実施の形態における可動体411については、可動体411の可動範囲(回動範囲)を規制する規制手段として複数のストッパ441が設けられている。基本的には、駆動手段としてステッピングモータ413を採用しており、可動体411の位置を駆動信号のパルス数によって管理しているため、可動体411の位置ずれ等は生じにくくなっている。しかしながら、可動体411においては軸体412を中心とする重量バランスに偏りを設けているため、各表示面421,431が遊技機前方を向いた状態においては姿勢が安定しにくい。具体的には、図18に示すように、軸体412を中心として第2表示面431が設けられている側が反対側よりも重くなっている。故に、第1状態及び第2状態での可動体411の姿勢を安定させるための補助手段且つ予め設定された範囲を超える回動を規制する規制手段として上記ストッパ441が採用されている。
特に可動体411が第2状態となっている場合に可動体411の自重を受け止めて、それ以上の回動を阻止するストッパ441には、可動体411が第2状態となっているか否かを監視する監視センサ442が組み込まれており、当該監視センサ442については報知・演出制御装置140に電気的に接続されている。つまり、報知・演出制御装置140においては、監視センサ442からの監視情報(検知信号)に基づいて、可動体411が第2状態となっているか否かを独自に(主制御装置162等の他の制御装置を介することなく)把握することが可能となっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図19のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242及び各種検知センサ(例えば検知センサ315,316)などが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、センサ群の一部として、一般入賞口81,下側可変入賞装置82,右側可変入賞装置83,下作動口84,右作動口85及びスルーゲート86などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、下作動口84及び右作動口85への入賞に基づいて大当たりの発生抽選及び振分抽選、スルーゲート86への入賞に基づいてサポート発生抽選等を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び報知・演出制御装置140(詳しくは報知・演出制御基板651)が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82,83への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口84への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右作動口85への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置140には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、入賞コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下側可変入賞装置82の可変入賞駆動部82c、右側可変入賞装置83の可変入賞駆動部304、振分部材318の駆動部319、右作動口85の電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部、及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては下側可変入賞装置82の開閉扉82bや右側可変入賞装置83の開閉扉303が開閉されるように、MPU602において可変入賞駆動部82c,304の駆動制御が実行され、振分部材318を誘導状態/非誘導状態に切り替えるように駆動部319の駆動制御が実行される。また、電動役物91の開放状態当選となった場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部の駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示部Dの発光制御が実行される。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置140は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた各種ランプ部26〜28やスピーカ部29、可変表示装置96を駆動制御するとともに、表示制御装置150を制御するものである。演算装置であるMPU661は、そのMPU661により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM662と、ワークメモリ等として使用されるRAM663とを備えている。
表示制御装置150では、報知・演出制御装置140から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置95の表示制御を実行する。この場合に、報知・演出制御装置140では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置95における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たりの発生抽選、主表示部Dの表示の設定、図柄表示装置95における図柄表示の概要設定などを行うこととしており、具体的には、図20に示すように、大当たりの発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、大当たりの種別を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示部Dの下作動口用表示部及び右作動口用表示部並びに図柄表示装置95における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右作動口85の電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC3を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。RAM604には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア632が設けられている。そして、この保留球格納エリア632に、下作動口84又は右作動口85への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。また、大当たりの種別を決定する乱数の値は、ROM603における振分情報記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。
次に当たり種別カウンタC2について説明する。当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図21を用いて説明する。図21に示すように、振分テーブルとしては、各作動口84,85に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下作動口84への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の振分テーブル(下作動口用振分情報群)と、右作動口85への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の振分テーブル(右作動口用振分情報群)とが設定されている。
上記振分抽選に際して下作動口用の振分テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図21(a)に示すように、取得された種別カウンタC2の乱数の値(すなわち、振分情報)が「0」〜「24」の場合には、第1高確率入賞モード対応の大当たりとなり、取得された乱数の値が「25」〜「49」の場合には、低確率入賞モード対応の大当たりとなる。
本実施の形態においては、特別遊技状態(開閉実行モード)終了後の遊技状態が高確率モードとなるか低確率モードとなるかの決定は、特別遊技状態中の右側可変入賞装置83の有利入球部への入球の有無に基づいて行われる。ここで、上記第1高確率入賞モード対応の大当たりと低確率入賞モード対応の大当たりとを比較した場合、前者のほうが後者よりも有利入球部への入球が発生しやすくなるように差が設けられている。
一方、上記振分抽選に際して右作動口用の振分テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、取得された種別カウンタC2の乱数の値(すなわち、振分情報)が「0」〜「44」の場合には、第1高確率入賞モード対応の大当たりとなり、取得された乱数の値が「45」〜「49」の場合には、第2高確率入賞モード対応の大当たりとなる。ここで、これら第1高確率入賞モード対応の大当たりと第2高確率入賞モード対応の大当たりとは上記有利入球部への入球発生確率は同様となっている。つまり、右作動口85への入球に基づいて大当たりが発生した場合には、必ず有利入球部への入球が相対的に発生しやすい状況下で遊技を進めることができる。なお、第1高確率入賞モード対応の大当たりと第2高確率入賞モード対応の大当たりとの差違については、前者が6R対応の大当たりであるのに対して後者が16R対応の大当たりとなっており、後者のほうがより多くの遊技球の獲得(出球)が期待できる。
また、既に説明したように何れの大当たり(開閉実行モード終了後)も右作動口85の電動役物91におけるサポートモードが所定の条件が成立するまで(本実施の形態では遊技回数が100回に達するまで)遊技者に有利な状態に切り替わる。
右作動口85の電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右作動口85の電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC3を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右作動口85よりも下作動口84への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下作動口84よりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右作動口85への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、スルーゲート用表示部における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
但し、この高頻度サポートモードは、上述したように移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらにサポートモードの変更も発生しない。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87の下作動口用表示部及び右作動口用表示部における変動表示時間と、図柄表示装置95における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、下作動口用表示部及び右作動口用表示部における変動表示の開始時及び図柄表示装置95による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC3は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート86に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC3の値によって電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C3=0〜199であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C3=200〜249であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、下作動口用表示部及び右作動口用表示部における変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623が用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、下作動口用表示部及び右作動口用表示部における停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア624に記憶された停止結果決定用テーブルが用いられる。
<主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。MPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、メイン処理終了後に実行される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断信号の入力により起動され、RAM604の各種フラグ格納エリアにおける電断フラグ格納エリア(電断情報記憶手段)に電断フラグ(電断情報)を格納された場合に停電処理が実行される。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、同検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC3の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート86への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。
<スルー用の入賞処理>
ここで、スルー用の入賞処理について図23のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球がスルーゲート86に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート86に入賞したと判定した場合には、ステップS202に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
ステップS201でスルーゲート86に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS202にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC3の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球がスルーゲート86に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS203に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS204では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC3の値をRAM604の電役保留エリア633の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、保留数用表示部を点灯させるための処理を実行する。役物保留記憶数SNに応じて保留数用表示部に対応する発光体が順次点灯されるようになっている。
その後、ステップS105にて、作動口84,85への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
以下、作動口用の入賞処理について図24のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、遊技球が下作動口84に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口84に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口84に入賞したと判定すると、ステップS302では、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS303では、下作動口84に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS304では、結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS305では、当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS301にて遊技球が下作動口84に入賞していないと判定した場合、ステップS306では、遊技球が右作動口85に入賞(始動入賞)したか否かを右作動口85に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が右作動口85に入賞したと判定すると、ステップS307にて払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS308では、右作動口85に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS309では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS305にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS301、ステップS306の両者にて否定判定をした場合には、すなわち下作動口84及び右作動口85のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS302,S307にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて払出制御装置242に対して送信される。
ここで、ステップS305の情報取得処理を図25のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS401では、上述したステップS304又はステップS309にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS402にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS403にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS404では、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図26のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S507の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS510,S511のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信する。また、所定の演出用コマンドや報知用コマンドが設定されている場合にはそれを報知・演出制御装置140に対して送信する。
次に、ステップS502では、遊技機に異常が発生していないかの異常監視処理を実行する。既に説明したように、本実施の形態においては高確率モードへの移行の可否を右側可変入賞装置83の有利入球部への入球の有無に基づいて決定する構成が採用されている。つまり、遊技者が遊技を有利に進めることができるか否かの決定は、遊技球の動きによって決定される構成となっている。このため、例えば不正行為者が磁石を用いて遊技球を有利入球部へ誘導したり、遊技機10を叩いたり揺すったりして遊技球を有利入球部へ誘導するといった行為が行われる可能性がある。そこで、遊技機10において特に、右側可変入賞装置83の周辺には磁気検知センサや振動検知センサ等が配設されており、これら各種センサからの情報を主制御装置162にて把握した上で、不正行為が行われている可能性があるか否かを監視している。ここで、仮に不正行為が行われていると判定した場合には、ホールコンピュータへその旨を示すコマンドが送信されることとなる。
次に、ステップS503では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS504では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり当否判定、主表示部Dにおける各作動口用表示部の表示態様の設定、図柄表示装置95による図柄の変動表示の設定などを行う。
<遊技回制御処理>
ここで、ステップS504の遊技回制御処理を図27〜図29のフローチャートを参照して説明する。
図27に示す遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口84,85への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、主表示ユニット87の各作動口用表示部のいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、作動口用表示部のいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動口用表示部が変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、下作動口84及び右作動口85のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にて作動口用表示部における変動表示及び図柄表示装置95における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
<データ設定処理>
先ず、データ設定処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、ステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち右作動口用表示部について変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、右作動口85に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS703では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS706では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が下作動口用表示部又は右作動口用表示部のいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM603のコマンド情報記憶エリア625から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち下作動口84に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを報知・演出制御装置140への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット88の第1保留ランプ部98aにおける表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS709では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS712では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である報知・演出制御装置140に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM603のコマンド情報記憶エリア625から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち右作動口85に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを報知・演出制御装置140への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット88の右作動口用保留ランプ部99bにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。変動開始処理では、主表示ユニット87の各作動口用表示部における変動表示を開始させるとともに、図柄表示装置95における変動表示を開始させるように報知・演出制御装置140に出力するコマンドを設定する。
先ずステップS801にて、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは開閉実行モード中に上記有利入球部への入球が発生した場合に、各種フラグ格納エリアに格納されるフラグであり、予め設定された遊技回を経過することで消去される。
ステップS801にて肯定判定をした場合、すなわち高確率モード中でないと判定した場合には、ステップS802に進み低確率モード対応の当否テーブルを参照して第1当否判定処理を実行する。第1当否判定処理では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり結果及び外れ結果のいずれに対応しているかを判定する。具体的には、先ず入賞先が下作動口84及び右作動口85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて低確率モード対応の当否テーブルを選択し、その選択した当否テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1の値が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。大当たり結果に対応していない場合には外れ結果に対応しているものと判定する。
続くステップS803では、第1振分判定処理を実行する。第1振分判定処理では、ステップS802での当否判定処理の結果が大当たり結果であるか否かを判定し、判定の結果が外れ結果である場合には本処理を終了する。一方、当否判定処理の結果が大当たり結果である場合には、入賞先が下作動口84及び右作動口85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記振分テーブルの選択を行い、その選択された振分テーブルを参照して当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりの種別を決定する。大当たり当選である場合には、振分結果に応じてRAM604の各種フラグ格納エリア635に低確率入賞モード対応のフラグ(第1開閉実行モードフラグ又は第1高確率入賞モード対応の第2開閉実行モードフラグ)をセットする。これにより、今回の遊技回が低確率入賞モード対応の大当たり結果又は第1高確率入賞モード対応の大当たり結果に対応していることを特定できる。これらのフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
一方、ステップS801にて否定判定をした場合、すなわち高確率モード対応中であると判定した場合には、ステップS804に進む。ステップS804では高確率モード対応の当否テーブルを参照して第2当否判定処理を実行する。第2当否判定処理では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり結果及び外れ結果のいずれに対応しているかを判定する。具体的には、先ず入賞先が下作動口84及び右作動口85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて低確率モード対応の当否テーブルを選択し、その選択した当否テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1の値が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。大当たり結果に対応していない場合には外れ結果に対応しているものと判定する。
続くステップS803では、第2振分判定処理を実行する。第2振分判定処理では、ステップS804での当否判定処理の結果が大当たり結果であるか否かを判定し、判定の結果が外れ結果である場合には本処理を終了する。一方、当否判定処理の結果が大当たり結果である場合には、入賞先が下作動口84及び右作動口85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記振分テーブルの選択を行い、その選択された振分テーブルを参照して当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりの種別を決定する。大当たり当選である場合には、振分結果に応じてRAM604の各種フラグ格納エリア635に第1高確率入賞モード対応のフラグ(第2開閉実行モードフラグ又は第2高確率入賞モード対応の第3開閉実行モードフラグ)をセットする。これにより、今回の遊技回が第1高確率入賞モード対応の大当たり結果又は第2高確率入賞モード対応の大当たり結果に対応していることを特定できる。これらのフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
ステップS806又はステップS803の処理を実行した後は、ステップS806にて遊技回数カウンタの更新処理を実行する。具体的には、当該カウンタの値が「0」である場合には同値を維持し、大当たりに当選していない場合であって当該カウンタの値が「0」でない場合には当該カウンタの値を「1」減算し、大当たりに当選している場合には当該カウンタの値を「0」クリアする。
当否判定処理及び振分判定処理を実行した後は、今回の遊技回において作動口用表示部で実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。
先ず、ステップS807にて大当たりに当選したかどうかを判定する。ステップS807にて大当たりに当選していると判定した場合には、ステップS808にて第1開閉実行モード対応の大当たり(低確率入賞モード対応の大当たり)であるか否かを判定する。ステップS808にて肯定判定をした場合には、ステップS809にて低確率入賞モード対応の大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS808にて否定判定をした場合には、ステップS810に進み第2開閉実行モード対応の大当たり(第1高確率入賞モード対応の大当たり)であるか否かを判定する。ステップS810にて肯定判定をした場合には、ステップS811にて第1高確率入賞モード対応の大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
一方、ステップS810にて否定判定をした場合には、ステップS812にて第2高確率入賞モード対応の大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS807の説明に戻り、当該ステップS807にて否定判定をした場合、すなわち上記抽選にて外れ結果となった場合には、ステップS813に進む。ステップS813では外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS809、ステップS811、ステップS812、ステップS813のいずれかにて停止結果設定処理を実行した後は、ステップS814に進む。ステップS814では、変動表示時間の設定処理を実行する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに変動表示時間をセットする。変動表示時間カウンタエリアの値は所定期間毎に減算されるようになっており、その値が「0」となった場合にその遊技回が終了する。
変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、ROM603に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択するようになっている。変動表示時間テーブルには、大当たり結果に対応したものと外れ結果に対応したものとが設定されている。これにより、変動種別カウンタCSの値が同一であったとしても遊技結果によって変動表示時間を異ならせることが可能となる。この結果、設定される変動表示時間のパターンを多様化できる。
変動表示時間を設定したらステップS815に進む。ステップS815では、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、大当たり結果、外れ結果等の情報が含まれる。
ステップS815にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140に送信される。報知・演出制御装置140では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置95での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は報知・演出制御装置140から表示制御装置150に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置150では、報知・演出制御装置140から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置95を表示制御する。
その後、ステップS816にて、各作動口用表示部において絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
ここで、各作動口用表示部における表示態様について補足説明する。既に説明したように、主表示ユニット87の主表示部Dは自身の後方に配置された主表示基板から供給される光によって表示態様が決定されている。主表示基板には26個の発光体が設けられており、そのうち10個が下作動口用表示部に割り当てられている。これら10個の発光体が点滅等することにより変動表示が行われるとともに、最終的に点灯又は消灯することで停止絵柄が表示される。下作動口用表示部における停止絵柄としては、低確率入賞モード対応の大当たり結果、第1高確率入賞モード対応の大当たり結果及び外れ結果が設定されている。
また、右作動口用表示部についても10個の発光体が割り当てられており、これら発光体が点滅等することにより変動表示が行われる。右作動口用表示部における停止絵柄としては、第1高確率入賞モード対応の大当たり結果、第2高確率入賞モード対応の大当たり結果及び外れ結果が設定されている。
各表示部における停止絵柄は、ROM603の停止結果テーブル記憶エリア624に、低確率入賞モード対応の大当たり結果〜外れ結果の各結果に対応させて複数ずつ記憶され、表示態様の多様化が図られている。
なお、これら各表示部の変動表示パターンについては、ROM603に記憶された表示テーブルによって予め複数設定されており、変動パターン決定の際には同表示テーブルを参照する。
再び図26の通常処理の説明に戻り、ステップS504の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS505にて遊技状態を移行させる遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードや高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS507では、右作動口85に設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物91を開状態とするか否かの判定、スルーゲート用表示部の表示制御などを行う。
その後、ステップS507では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS507の処理を実行した後は、ステップS508に進み、RAM604の各種フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板605において停電の発生が確認され当該停電監視基板605からMPU602のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS510では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS510では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS501〜S507の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS508にて肯定判定をした場合、すなわち停電フラグが格納されている場合には、遊技機10への電力の供給が停止した(電源遮断が発生した)ことになるので、ステップS512以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS512では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、続くステップS513にて各種制御装置140,150,242等に停電コマンドを出力する。停電コマンドを受けた各制御装置140,150,242等では停電用の処理が実行される。その後、ステップS514にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS515にてRAM604のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技状態移行処理>
以下、上記ステップS505に示した遊技状態移行処理を図30のフローチャートを参照して詳しく説明する。既に説明したように本実施の形態に示す遊技機10においては、遊技状態として通常遊技状態と通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(開閉実行モード)との2つの遊技状態が設定されており、これら通常遊技状態及び特別遊技状態のそれぞれに複数のモードが設けられている。具体的には、
(1)通常遊技状態として
・低頻度サポートモード且つ低確率モード(「低確遊技状態」)
・高頻度サポートモード且つ低確率モード(所謂、「時短遊技状態」)
・高頻度サポートモード且つ高確率モード(所謂、回数制限付きの「高確遊技状態」)
(2)特別遊技状態として
・第1開閉実行モード(6R且つ有利入球部への入球が相対的に発生しにくいモード)
・第2開閉実行モード(6R且つ有利入球部への入球が相対的に発生しやすいモード)
・第3開閉実行モード(16R且つ有利入球部への入球が相対的に発生しやすいモード)
が設けられており、当該遊技状態移行処理にてこれらの各遊技状態へ移行する。
遊技状態移行処理においては先ず、ステップS901にて高頻度サポートモード中であるか否かを判定する。具体的にはRAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた高頻度サポートモードフラグ格納エリアに高頻度サポートモードフラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS901にて肯定判定をした場合にはステップS902に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた遊技回数カウンタの値が「0」であるか否かを確認する。遊技回数カウンタの値が「0」である場合には、ステップS903にて各種フラグ格納エリア635に格納された高頻度サポートモードフラグを消去する。これにより高頻度サポートモードが終了し低頻度サポートモードへ移行する。この場合、下作動口84への入球よりも右作動口85への入球が容易な状態から、下作動口84への入球よりも右作動口85への入球が困難な状態に移り、遊技球の流下経路を上記左ルートから右ルートに変更するようにして遊技球発射ハンドルの操作を行うことで遊技者は遊技を比較的有利に進めることが可能となる。
ステップS903の処理を実行した後は、ステップS904に進み、高確率モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた高確率モードフラグ格納エリアに高確率モードフラグが格納されているか否かを判定する。本実施の形態においては、高頻度サポートモードの継続回数と高確率モードの継続回数とが同じに設定されている(詳しくは100回)。ステップS904にて肯定判定をした場合には、上記遊技回数カウンタの値が「0」となったことを条件として高確率モードフラグが消去される。これにより、遊技状態が「時短遊技状態」又は「高確遊技状態」から「低確遊技状態」に降格する。
ステップS905の処理を実行した後、又はステップS901,S902,S904の何れかにて否定判定をした場合には、ステップS906に進む。
ステップS906では開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS906にて否定判定をした場合、すなわち通常遊技状態であると判定した場合には、ステップS907に進む。ステップS907では、1の遊技回の主表示部D(詳しくは作動口用表示部)における変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS908にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた開閉実行モードフラグ格納エリアに、上記各種開閉実行モードフラグの何れかが格納されているか否かを判定する。同フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各開閉実行モードフラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS909にてラウンドカウンタエリアRCに、その格納されているフラグに応じたラウンド数をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、可変入賞装置82,83が開放された回数をカウントするものであり、第1開閉実行モードフラグ又は第2開閉実行モードフラグが格納されている場合には「6」を、第3開閉実行モードフラグが格納されている場合には「16」をセットする。
続くステップS907においては、開閉実行モード終了時にRAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートモードフラグがセットされるように設定を行う。
ステップS910の処理を実行した後は、ステップS911にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図26)におけるステップS501にて、報知・演出制御装置140に送信される。オープニングコマンドには、今回移行する開閉実行モードが第1〜第3の何れの開閉実行モードであるかの情報が含まれる。報知・演出制御装置140では、受信したオープニングコマンドに基づいて、対応する開閉実行モードに応じた演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、報知・演出制御装置140から表示制御装置150に送信され、表示制御装置150では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置95を表示制御する。ステップS911の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
再び、ステップS906の説明に戻り、ステップS906にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS912〜ステップS921の開閉実行モード用の各種処理を実行する。
具体的には、ステップS906にて開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS912に進む。ステップS912では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS913に進み、ラウンドカウンタRCが「5」であるか否かを判定する。
既に説明したように、本実施の形態においては第5ラウンドにて右側可変入賞装置83を用いた高確率モードへの移行抽選を行うため、他のラウンドとは異なる制御が実施される。第5ラウンドにて実行される処理については後述する。
ステップS913にて否定判定をした場合にはステップS914に進む。ステップS914では下側可変入賞装置開閉処理を実行する。具体的には、先ず下側可変入賞装置82が開放中であるか否かの判定を行う。当該判定処理にて開放中でないと判定した場合には、下側可変入賞装置82を開放させるタイミングであるか否かの判定を行い当該タイミングであると判定した場合には、下側可変入賞装置82を開放させる処理を行い、当該タイミングでないと判定した場合にはそのまま本処理を終了する。一方、上記判定処理にて下側可変入賞装置82が開放中であると判定した場合には、開放してから所定期間が経過したか否か、また予め設定された数の遊技球が入賞したか否かを判定し、少なくとも一方にて肯定判定をした場合(閉鎖条件を満たした場合)には、下側可変入賞装置82の閉鎖処理を行うとともに、上記ラウンドカウンタRCの値を「1」減算する。
その後、ステップS915に進みラウンドカウンタRCの値が「0」となっているか否かを判定する。ラウンドカウンタRCの値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタRCの値が「0」である場合には、開閉実行モードが終了したことを意味するため、ステップS916〜S920用の開閉実行モード終了用の各種処理を実行する。
先ずステップS916では各種フラグ格納エリア635に格納されている開閉実行モードフラグを消去し、続くステップS917にてエンディングコマンドをセットする。エンディングコマンドは通常処理(図26)のステップS501にて報知・演出制御装置140に出力され、報知・演出制御装置140においては当該エンディングコマンドに基づいて開閉実行モードが終了した旨を示す演出及び報知を行う。
その後、RAM604の各種カウンタエリア634に格納されている遊技回数カウンタに「100」をセットする。これにより、開閉実行モード終了後は少なくとも遊技回を100回経過するまで電動役物91による入球補助が実行され、持ち球の減りを抑えつつ遊技を行うことが可能となる。
ステップS918の処理を実行した後はステップS919に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高確率モード移行フラグが格納されているか否かを判定する。当該フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ステップS919にて肯定判定をした場合にはステップS920に進み、高確率モードへの移行処理を実行して、本遊技状態移行処理を終了する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高確率モードフラグを格納する。これにより、開閉実行モード終了後の遊技状態は上記「高確遊技状態」となる。
<右側可変入賞装置開閉処理>
ここで、図31のフローチャートを参照してステップS921の右側可変入賞装置開閉処理について説明する。
右側可変入賞装置開閉処理においては先ず、ステップS1001にて右側可変入賞装置による抽選ラウンド実行中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた抽選ラウンドフラグ格納エリアに抽選ラウンドフラグが格納されているか否かを判定する。
ステップS1001にて否定判定をした場合にはステップS1002に進み、振分部材318を非誘導状態から誘導状態に切り替えるための処理を実行する。具体的には駆動部319に駆動信号を出力して励磁状態とすることで、上記付勢部材の付勢力に抗して振分部材318が誘導状態に切り替わる。
ステップS1002の切替処理を実行した後は、ステップS1003にて右側大入賞口開放処理を実行する。具体的には可変入賞駆動部304に駆動信号を出力して励磁状態とすることにより、開閉扉303が閉状態から開状態に切り替わる。
その後、ステップS1003では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた抽選ラウンドフラグ格納エリアに抽選ラウンドフラグを格納し、右側可変入賞装置開放コマンドをセットする。当該コマンドは、通常処理(図26)にて報知・演出制御装置140に出力される。
ステップS1004の処理を実行した後は、ステップS1005に進みタイマカウンタtに「80000」(16secに相当)をセットして、本右側可変入賞装置開閉処理を終了する。
ステップS1001の説明に戻り、当該ステップS1001にて肯定判定をした場合、すなわち右側可変入賞装置による抽選ラウンドが実行中であると判定した場合には、ステップS1006に進む。ステップS1006ではタイマ減算処理を実行する。具体的には、ステップS1005にてセットされたタイマカウンタtの値を1減算する。
その後、ステップS1007に進み、今回の抽選ラウンドが第1開閉実行モードに対応するものであるか否かを判定する。ステップS1007にて否定判定をした場合にはステップS1008に進み、タイマカウンタtの値が「7850」であるか否かを判定する。
ステップS1008にて肯定判定をした場合には、ステップS1009に進み、右側大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、可変入賞駆動部304への駆動信号の出力を停止し、開閉扉303を開状態から閉状態に切り替える。つまり、第2開閉実行モードにおいては、第1開閉実行モード及び第3開閉実行モードとは異なり右側可変入賞装置83への入球が早々に規制されることとなる。
ステップS1008にて否定判定をした場合又はステップS1007にて肯定判定をした場合にはステップS1010に進む。ステップS1010ではタイマカウンタtの値が「6250」となっているか否かを判定する。ステップS1010にて肯定判定をした場合にはステップS1011に進み、振分部材318を一旦非誘導状態に切り替えるための処理を実行する。具体的には、駆動部319への駆動信号の出力を停止し、振分部材318を誘導状態から非誘導状態に切り替える。
ステップS1010にて否定判定をした場合にはステップS1012に進み、タイマカウンタtの値が「6000」であるか否かを判定する。ステップS1012にて肯定判定をした場合にはステップS1013に進み、振分部材318を再び誘導状態に切り替えるための処理を実行する。具体的には、駆動部319への駆動信号の出力を開始し、振分部材318を非誘導状態から誘導状態に切り替える。
ステップS1012にて否定判定をした場合にはステップS1014に進み、タイマカウンタtの値が「1250」であるか否かを判定する。ステップS1012にて肯定判定をした場合には、ステップS1015にて右側大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、可変入賞駆動部304への駆動信号の出力を停止し、開閉扉303を開状態から閉状態に切り替える。つまり、第1開閉実行モード又は第3開閉実行モードにおいては、第2開閉実行モードと比較して、より長い期間に亘って右側大入賞口302が開放されたままとなる。
ステップS1014にて否定判定をした場合にはステップS1016に進み、タイマカウンタtの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1016にて肯定判定をした場合には、ステップS1017にて振分部材318を誘導状態から非誘導状態に切り替える処理を実行する。具体的には、駆動部319への駆動信号の出力を停止し、振分部材318を誘導状態から非誘導状態に復帰させる。
ステップS1017の処理を実行した後は、ステップS1018にて抽選ラウンド終了処理を実行する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に格納された抽選ラウンドフラグを消去し、右側可変入賞装置閉鎖コマンドをセットする。当該コマンドは、通常処理(図26)にて報知・演出制御装置140に出力される。
ステップS1009、S1011、S1013、S1015、1018の各処理を実行した後、又はステップS1016にて否定判定をした場合には、ステップS1019に進む。ステップS1019では有利入球部(第1振分通路部311の第1検知領域DE1)への遊技球の入球が発生したか否かを判定する。
ステップS1019にて否定判定をした場合には、そのまま本右側可変入賞装置開閉処理を終了する。一方、ステップS1019にて肯定判定をした場合には、ステップS1020〜S1023に示す当選用の各種処理を実行する。
先ずステップS1020にてRAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた高確率モードフラグ格納エリアに高確率モードフラグをセットする。このフラグがセットされることで開閉実行モード終了後の遊技状態が高確率モード且つ高頻度サポートモード対応の遊技状態に移行することとなる。
ステップS1020の処理を実行した後は、ステップS1021にて上記有利入球部への入球が第1開閉実行モード又は第3開閉実行モード中に発生した入球であるか否かを判定する。
ステップS1022にて肯定判定をした場合には、第1入賞用コマンドをセットして本右側可変入賞装置開閉処理を終了する。一方、ステップS1021にて否定判定をした場合には、第2入賞用コマンドをセットして本右側可変入賞装置開閉処理を終了する。これらセットされた各入賞用コマンドは、通常処理(図26)にて報知・演出制御装置140へと出力される。これら入賞用コマンドを受信した報知・演出制御装置140では、今回の有利入球部への入球の発生がどのような条件下で発生したものであるかを特定することができ、それに応じた報知及び表示演出が実行されることとなる。
なお、本実施の形態においては、第1入賞用コマンドが送信された場合には、当該コマンドを受けた報知・演出制御装置140及び表示制御装置150によって図柄表示装置95及び環状電飾部26にて有利入球部への入球が発生した旨の報知が実行される。一方、第2入賞用コマンドが送信された場合には、有利入球部への入球が発生したとしてもそれに対応した報知(上記報知と同様の報知)は実行されない。
<右側可変入賞装置83の動作態様>
以上詳述した右側可変入賞装置開閉処理については複雑物となっているため、図32のタイムチャートを参照して右側可変入賞装置83の動作態様について説明する。
右側可変入賞装置83については、開閉実行モードの種類すなわち大当たりの種類によってその動作態様が相違する。具体的には、高確率入賞モード対応の場合と低確率入賞モード対応の場合とで動作態様が相違し、それによって有利入球部への入球の発生のしやすさがことなることとなる。
先ず、高確率入賞モード対応の開閉実行モード(第1開閉実行モード又は第3開閉実行モード)である場合について説明する。高確率入賞モード対応の開閉実行モードにて特定ラウンド(第5ラウンド)に達すると、先ずta1のタイミングにて開閉扉303が閉状態から開状態に切り替わり、右側大入賞口302が閉鎖された状態から開放された状態に切り替わる。これにより、右側大入賞口302への入球が許容される。同じくta1のタイミングでは、振分部材318が非誘導状態から誘導状態に切り替わり、有利入球部への入球が許容されることとなる。
その後、ta3のタイミングでは振分部材318が一旦非誘導状態に切り替えられ、所定期間を経過したta4のタイミングにて再び誘導状態に切り替わる。そして、この間も右側大入賞口302は開放されたままの状態で維持されるため、ta4以降のタイミングで右側大入賞口302に入球した遊技球は、ほぼ確実に有利入球部へと誘導されることとなる。
ta1のタイミングから予め設定された期間が経過したta5のタイミングとなった場合には、右側大入賞口302が開放された状態から閉鎖された状態に切り替わる。これにより、それ以降の右側大入賞口302への入球が不可となる。そして、それよりも僅かに遅れたta6のタイミングにて振分部材318が誘導状態から非誘導状態へと復帰し、その後、第5ラウンドが終了することとなる。なお、振分部材318の復帰タイミングを開閉扉303の復帰タイミングよりも遅らせている理由は、開閉扉303が閉鎖する直前に右側大入賞口302に入球した遊技球が有利入球部に到達する可能性を残すためである。
なお、本実施の形態においては、所定の期間の経過に基づいて右側大入賞口302を閉鎖する構成としたが、下側大入賞口82aと同様に所定個数の入球を閉鎖条件に付け加えてもよいし、期間に関する閉鎖条件を入賞個数による閉鎖条件と入れ替えることも可能である。但し、右側可変入賞装置83については、その後の遊技状態に対する影響があるものであり、下側可変入賞装置82と比較して入球への注目度が大きいと想定される。故に、望ましくは上記実施の形態に示したように、閉鎖条件を期間条件に絞るほうがよい。
次に、低確率入賞モード対応の開閉実行モード(第2開閉実行モード)である場合について、上記高確率入賞モード対応の開閉実行モードとの差違を中心に説明する。
低確率入賞モード対応の開閉実行モードにて特定ラウンド(第5ラウンド)に達すると、先ずta1のタイミングにて開閉扉303が閉状態から開状態に切り替わり、右側大入賞口302が閉鎖された状態から開放された状態に切り替わる。これにより、右側大入賞口302への入球が許容される。同じくta1のタイミングでは、振分部材318が非誘導状態から誘導状態に切り替わり、有利入球部への入球が許容されることとなる。
右側大入賞口302が開放されてから所定の期間ta1〜ta3よりも短い期間が経過したta2のタイミングにて右側大入賞口302が開放された状態から閉鎖された状態に切り替わる。つまり、低確率入賞モード対応の開閉実行モードにおいては、右側大入賞口302が開放されている期間が高確率入賞モード対応の開閉実行モードと比較して極めて短く設定されている。
その後、ta3のタイミングでは振分部材318が一旦非誘導状態に切り替えられ、所定期間を経過したta4のタイミングにて再び誘導状態に切り替わる。そして、ta6のタイミングにて振分部材318が誘導状態から非誘導状態へと復帰し、その後、第5ラウンドが終了することとなる。
つまり、低確率入賞モードにおいては、高確率入賞モードと比べた場合に、振分部材318の動き自体は同様であるものの、右側大入賞口302の開放期間が短く設定されていることで、実質的に有利入球部への入賞が発生しにくくなっている。
ここで、低確率入賞モードにおける有利入球部への入球パターンについて説明する。先ず1つ目のパターンは、右側大入賞口302が開放された直後に右側大入賞口302において案内通路320の入口側へと遊技球が飛び込みその勢いのまま、同遊技球が振分通路310へと到達する場合である。ta1〜ta3の期間においては、振分部材318は誘導状態となっており、非誘導状態への切替には一定の動作期間を要するため、上述の如く遊技球が迅速に振分通路310に到達した場合には、有利入球部への入球が発生し得る。また、別のパターンとしては、右側大入賞口302が閉鎖される直前に右側大入賞口302において案内通路320の入口側とは反対側へと遊技球が流入し、その勢いを減じながらゆっくりと振分通路310に到達した場合である。振分部材318は右側大入賞口302の開放に応じて非誘導状態→誘導状態→非誘導状態→誘導状態→非誘導状態の順に切り替わる。ここで右側大入賞口302の閉鎖タイミングから2度目の誘導状態への切り替えまでにはおよそ3350msecを要するが、この間、右側大入賞口302に流入した遊技球がもたつく等して振分通路310への到達が遅延された場合には、同遊技球が有利入球部へと入球することとなる。
つまり、低確率入賞モードにおいては基本的には有利入球部への入球が困難であり、有利入球部への入球の発生確率は極めて低くなっている。
なお、右側可変入賞装置83対応の特定ラウンド(第5ラウンド)以外のタイミング、より詳しくは振分部材が誘導状態に切り替えられてから最終的に非誘導状態に復帰するまでの期間を除く期間にて有利入球部への入球が発生した場合には、当該入球は無効となり、そのようなタイミングでの入球が発生した旨がホール管理者へと報知されることとなる。
ここで、仮に意図的に右側可変入賞装置83へ流入した遊技球の動きを操ることができれば、低/高何れの入賞モードであっても確実に有利入球部への入球を発生させることが可能となる。このような遊技機の仕様における弱点を狙って不正行為がなされると想定され、本実施の形態においては既に説明した異常監視処理にて、同不正行為(例えば、磁石や台叩き)等の監視を行う構成を採用している。これにより、あからさまな不正行為については早期に発見することができる。
<不正入賞にかかる防犯機能>
しかしながら、不正行為の種類には、上述したようにある程度目立つもの(例えばホール管理者等が遊技ホールを見回っている際に目視にて確認しやすいもの)もあればワイヤやセロハン等の不正具を用いて遊技球の動きを操ったり、不正基板を介在させて振分部材318の動き等を任意に操ったりするといった目立ちにくい不正行為が行われる可能性がある。仮にこのような不正行為を見逃してしまった場合には、遊技ホールが被る被害が甚大なものとなってしまう。そこで、本実施の形態においては、このような目立ちにくい不正行為も含めて、右側可変入賞装置83にかかる不正行為を好適に発見することができるような構成を採用していることを特徴の1つとしている。以下、当該構成について説明する。
図柄表示装置95の表示内容を制御する表示制御装置150には、既に説明したように大別して立ち上げ時に実行されるメイン処理、メイン処理終了後に定期的に実行される通常処理、通常処理に対して所定の周期で割り込むようにして実行されるタイマ割込み処理があし、タイマ割込み処理にて報知・演出制御装置140や主制御装置162等からのコマンドを確認し、それらコマンドに対応した表示用設定処理が上記通常処理にて実行される構成となっている。
ここで、表示用設定処理には特別遊技状態(開閉実行モード)に対応するものと通常遊技状態に対応するものとが設けられているが、以下の説明では先ず通常遊技状態における表示用設定処理について説明する。なお、通常遊技状態における処理としては大きく背景画像の設定処理と、割込み演出(リーチ演出用のキャラクタ等)用の設定処理と、図柄の変動表示用の設定処理とが存在するが、後者の2つの設定処理については周知の構成であるため説明を省略し、図33に基づいて本願の要部にかかる処理(背景画像の設定処理)について説明する。図33(a)は表示制御装置にて実行される通常遊技状態時の背景表示設定処理を示すフローチャート、図33(b)は表示画面95aにおける背景画像の概要を示す概略図である。
表示制御装置150のメインMPUにて実行される通常遊技状態時背景設定処理においては、先ずステップS1101にて高確率モード用フラグ及び高頻度サポートモード用フラグがRAMの各種フラグ格納エリアに格納されているか否かを判定する。これらのフラグは、上記タイマ割込み処理にて主制御装置162から報知・演出制御装置140を介して当該表示制御装置150に入力されている場合に各種フラグ格納エリアに格納されるフラグである。これら各種フラグについては、上記高確遊技状態での遊技回数が規定回数に達した場合に主制御装置162から送信される低確遊技状態への復帰用コマンド(降格コマンド)を受信した場合に消去され、これに合わせ上記各種フラグ格納エリアには低確率モード用フラグと低頻度サポートモード用フラグが格納されることとなる。
ステップS1101にて否定判定をした場合にはステップS1102に進み、低確率モード用フラグ及び高頻度サポートモード用フラグがRAMの各種フラグ格納エリアに格納されているか否かを判定する。すなわち遊技状態が上記時短遊技状態であるか否かを判定する。
ステップS1102にて否定判定をした場合、すなわち遊技状態が低確遊技状態であると判定した場合には、ステップS1103にて第1背景画像表示処理を実行して本背景画像設定処理を終了する。第1背景画像表示処理を実行することにより、以降の遊技回では描画用のMPUにて表示画面95aに表示される背景画像が低確遊技状態に対応する表示(本実施の形態においては青色)となり、その後当該背景表示については少なくとも大当たりに当選して遊技状態の移行が行われるまで継続されることとなる。言い換えれば、青色の背景画像については低確遊技状態であることを示唆している(図33(b)参照)。
一方、ステップS1102にて肯定判定をした場合、すなわち遊技状態が時短遊技状態であると判定した場合には、ステップS1104にて第2背景画像表示処理を実行して本背景画像設定処理を終了する。第2背景画像表示処理を実行することにより、以降の遊技回では描画用のMPUにて表示画面95aに表示される背景画像が時短遊技状態に対応する表示(本実施の形態においては緑色)となり、その後当該背景表示については少なくとも大当たりに当選して遊技状態の移行が行われるか当該遊技状態での遊技回数が規定回数に達するまで継続されることとなる。言い換えれば、緑色の背景画像については時短遊技状態である可能性を示唆している(図33(b)参照)。
ステップS1101の説明に戻り、当該ステップS1101にて肯定判定をした場合、すなわち高確遊技状態であると判定した場合にはステップS1105に進む。ステップS1105では、当該高確遊技状態が第1又は第3開閉実行モード中の有利入球部への入球に基づくものであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162から受信したコマンドが第1入賞用コマンドであるか第2入賞用コマンドであるかに基づいて当該判定処理を実行する。
ステップS1105にて肯定判定をした場合、すなわち第1入賞用コマンドを受信している場合には、続くステップS1106にて第3背景画像表示処理を実行して本背景画像設定処理を終了する。第3背景画像表示処理を実行することにより、以降の遊技回では描画用のMPUにて表示画面95aに表示される背景画像が高確遊技状態に対応する表示(本実施の形態においては赤色)となり、その後当該背景表示については少なくとも大当たりに当選して遊技状態の移行が行われるか当該遊技状態での遊技回数が規定回数に達するまで継続されることとなる。言い換えれば、赤色の背景画像については高確遊技状態であることを示唆している(図33(b)参照)。
一方、ステップS1105にて否定判定をした場合、すなわち第2入賞用コマンドを受信している場合には、続くステップS1107にて第2背景画像表示処理を実行して本背景画像設定処理を終了する。第2背景画像表示処理を実行することにより、以降の遊技回では描画用のMPUにて表示画面95aに表示される背景画像が時短遊技状態に対応する表示(本実施の形態においては緑色)となり、その後当該背景表示については少なくとも大当たりに当選して遊技状態の移行が行われるか当該遊技状態での遊技回数が規定回数に達するまで継続されることとなる。言い換えれば、緑色の背景画像については時短遊技状態である可能性を示唆している(図33(b)参照)。
一般的にパチンコ機等の遊技機においては、遊技者が本来享受できるはずの利益を取得できないといった不都合が生じないように時短遊技状態となった場合には、その旨を示唆するように背景画像等が当該時短遊技状態に対応したものに変更される。故に、遊技者は時短遊技状態である旨の示唆が行われている状況下にて遊技を止めることはなく少なくとも当該示唆が終了するまでは遊技を継続するものと想定される。
ここで、本実施の形態においては有利入球部への入球がほとんど期待できない第2開閉実行モード中に同有利入球部への入球が発生した場合には、高確遊技状態であっても上記時短遊技状態と同じ背景画像の表示を行うことで以下の効果を発揮させることが可能となっている。
高確遊技状態への移行抽選は、作動口84,85への入球に伴う抽選によって決定されるのではなく、特別遊技状態中の有利入球部への入球の有無によって決定される。このように遊技球の動きに基づいて高確遊技状態への移行の有無が決定されるタイプの遊技機においては、台を揺すったりセロハン等の不正具を用いたりして遊技球を有利入球部へと導くことにより、高確遊技状態への移行を不正に発生させるといった行為がなされる可能性がある。仮に、このような不正行為が頻発すれば遊技ホールが被る被害は甚大なものになる。
ここで、本実施の形態に示す遊技機では、特別遊技状態には有利入球部への入球が相対的に発生しやすい第1又は第3開閉実行モードと、相対的に発生しにくい第2開閉実行モードとが設けられており、何れの特別遊技状態においても有利入球部への入球が発生し得る。このような構成においては、第2開閉実行モード中に偶然(運よく)有利入球部への入球が発生し得るため、同第2開閉実行モード中に有利入球部への入球が発生した場合に異常等の報知を行うことは遊技者に不快感を与える要因になるため好ましくない。
そこで、本実施の形態においては、第2開閉実行モード中に有利入球部への入球が発生した場合に、当該入球によって高確遊技状態への移行が決定したのであれば、第1又は第3開閉実行モード中に有利入球部への入球が発生した場合とはことなり、敢えて有利入球部への入球が発生しなかった場合に実行される表示と同様の表示を実行する構成とした。
運よく第2開閉実行モード中に有利入球部への入球が発生した場合には、表示画面95aにて時短遊技状態(高頻度サポートモード且つ低確率モード)に対応する表示と同じ表示が行われるため、少なくとも当該表示が継続される限りは遊技を途中で止めてしまうとは考えにくく、実質的に遊技者が不利益を被ることは無い。
また、遊技ホールにて接客を行っている従業員等は過度に連続して特別遊技状態に移行している遊技機においては表示画面95aの表示態様を確認することで特別入球部への入球が多発していることを把握することができ、不正行為の確認を行う契機とすることができる。一方、不正行為者にとっては、異常等の特殊な表示がなされるわけではなく、特に目立つこともない表示(既存の表示)と同様の表示がなされるため、不正行為による連続した特別遊技状態への移行によって周囲の注目を過度に集中することを回避できるため、すぐさま遊技を止めてしまうことを抑制できる。この結果、不正行為がなされている現場を上記従業員が確認できる機会を増やし、防犯及び再犯の防止に貢献することができる。
時短遊技状態及び高確遊技状態に回数制限があるタイプの遊技機においては、その回数に達する前に特別遊技状態に当選しなかった場合には、当該回数に到達後、低確遊技状態に転落することとなる。これに併せて表示画面95aにおける表示も低確遊技状態に対応したものに切り替わる。この種の遊技機においては、前記第2特別遊技状態中の上記有利入球部への入球に基づく表示と同様の表示についても、上記回数条件に併せて終了し、低確遊技状態に対応する表示に移行する構成とすることで、遊技者が困惑することを回避することができる。防犯機能の向上に起因して、遊技者にとって好ましい止め時の見極めが困難になることを抑制できる。
高確遊技状態に回数制限の設けられたタイプの遊技機(所謂ST機)においては、有利入球部への入球を視認可能としておくことで、遊技への注目度の向上が期待できる反面、以下の不都合が生じ得る。すなわち、仮に第2開閉実行モード中に運よく有利入球部への入球が発生した場合には、それが見えているだけに時短対応の背景表示が行われると、遊技者が困惑する可能性がある。しかも、高確遊技状態での遊技回数に制限のある場合上記当否抽選(大当たりの抽選)に当選することなくそのまま高確遊技状態が終了してしまう可能性があり、遊技ホールに誤作動等の指摘がなされ得る。この点、本実施の形態においては、第1又は第3開閉実行モード中の有利入球部への入球発生時にはその旨の報知を行う一方、第2開閉実行モード中の有利入球部への入球発生時には敢えてその旨の報知を行わない構成としておくことで、遊技者が有利入球部への入球を見間違えた可能性を残すことが可能となり、上述の如く抽選に当選することなくそのまま高確遊技状態が終了してしまった場合であっても遊技者と遊技ホールとの間でもめごと等の不都合が発生することを回避できる。このように何事も無く高確遊技状態が終了した場合であっても、実際には高確遊技状態の恩恵を遊技者は享受していることとなり、遊技者に実質的な不利益を与えることは無い。
本実施の形態における各可変入賞装置82,83の配置によれば、開閉実行モード中に遊技者は打ち方を変更する必要が無い。故に、操作ミス等に起因して高確遊技状態への移行抽選を受けられなくことを抑制することができる。また、開閉実行モード中に有利入球部への入球が許可されるタイミングを任意に設定したとしても、上記不都合が生じない。故に、遊技者の不利益を回避しつつ、遊技の単調化を抑えることができる。
仮に誤作動等によって両可変入賞装置が開放される等した場合であっても、流路の上流側に右側可変入賞装置83が位置しているため、下側可変入賞装置82が有利入球部への入球の妨げになることを回避できる。
開閉実行モード終了後に高確/低確のいずれに移行するかは同開閉実行モード中の有利入球部への入球の有無により決定されることとなる。本実施の形態に示したように、各送信手段によって表示制御装置150へ各種情報を送信することにより有利入球部への入球が発生するべくして発生したものであるかそれとも運よく又は不正により発生したものであるかを判別しやすくなる。かかる構成においては、主制御装置162にて表示態様の詳細を決定するのではなく、当該決定を表示制御装置150に委ねることにより、主制御装置162における制御負荷が増大することを抑制できる。
次に、図34を参照して可変表示ユニット88(図柄表示装置95及び可変表示装置96)にて実行される特別遊技状態中(開閉実行モード中)の表示演出及び報知の内容について説明する。図34(a)は表示制御装置150にて実行される開閉実行モード用表示処理を示すフローチャート、図34(b)は報知・演出制御装置にて実行される開閉実行モード用表示処理を示すフローチャート、図34(c)は図柄表示装置95及び可変表示装置96にて実行される演出・報知の態様を示す概略図である。
先ず、表示制御装置150のメインMPUにて実行される開閉実行モード用表示処理について説明する。
当該開閉実行モード用表示処理は上記通常処理の一環として実行されるものであり、先ずステップS1201にて主制御装置162(報知・演出制御装置140)からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、表示制御装置150のタイマ割込み処理にて実行されるコマンド判定処理にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合には、表示制御装置150のRAMに設けられた各種フラグ格納エリアにオープニングフラグを格納し、ステップS1201ではこのオープニングフラグの有無に基づいて上記判定を行う。オープニングコマンドは開閉実行モードの開始にかかるフラグであり、後述するエンディング演出を終了した後に消去される。
ステップS1201にて否定判定をした場合にはそのまま本開閉実行モード用表示処理を終了する。一方、ステップS1201にて肯定判定をした場合にはステップS1202に進み、開閉実行モード対応画像表示タイミングであるか否かを判定する。
ステップS1202にて肯定判定をした場合にはステップS1203に進み、開閉実行モード対応画像表示処理を実行する。これにより、図柄表示装置95の表示画面95aには開閉実行モードに対応する動画が表示される。また、ステップS1203の処理を実行した後は、ステップS1204にて右打ち報知用画像表示処理を実行する。これにより、図柄表示装置95の表示画面95aの下部には、右打ちを行うべき旨の報知が実行される(図34(c)参照)。
再び、ステップS1202の説明に戻り、当該ステップS1202にて否定判定をした場合には、ステップS1205に進む。ステップS1205では、右側可変入賞装置開放ラウンド(本実施の形態においては第5ラウンド)であるか否かを判定する。ステップS1205bにて肯定判定をした場合にはステップS1206に進み、右側可変入賞装置開放用画像割込み表示処理を実行する。これにより、当該ラウンド中は表示画面95aに「DANGER」の文字が表示され、右側可変入賞装置83による抽選ラウンドである旨が報知されることとなる(図34(c)参照)。なお、当該表示が実行されている最中も右打報知については継続され、遊技者があせって遊技球の発射操作を止めてしまうといった不都合を生じにくくしている。
因みに、より厳密には、遊技球発射機構110から発射された遊技球が右側可変入賞装置83に到達するには少なくとも特定の期間を要する。そこで、当該抽選ラウンドにおいては、右側可変入賞装置83の開放タイミングよりも上記特定報知のタイミングをその特定期間と同等若しくはそれよりも長い期間分早めて実行されることとなる。
ステップS1205の説明に戻り、当該ステップS1205にて否定判定をした場合には、ステップS1207にて主制御装置162からエンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、表示制御装置150のタイマ割込み処理にて実行されるコマンド判定処理にてエンディングコマンドを受信していると判定した場合には、表示制御装置150のRAMに設けられた各種フラグ格納エリアにエンディングフラグを格納し、ステップS1207ではこのエンディングフラグの有無に基づいて上記判定を行う。エンディングコマンドは開閉実行モードの終了にかかるフラグであり、後述するエンディング演出を終了した後に消去される。
ステップS1207にて否定判定をした場合にはそのまま本開閉実行モード用表示処理を終了する。一方、ステップS1207にて肯定判定をした場合にはステップS1208に進み、エンディング用画像表示処理タイミングであるか否かを判定する。
ステップS1208にて否定判定をした場合にはそのまま本開閉実行モード用表示処理を終了し、肯定判定をした場合にはステップS1209にてエンディング用画像表示処理を実行した後、本開閉実行モード用表示処理を終了する。エンディング用画像表示処理が実行されることで、表示画面95aには「SEE YOU NEXT TIME」等のロゴが一定期間に亘って表示されることとなる。
次に、図34(b)を参照して報知・演出制御装置140のMPU661にて実行される開閉実行モード用表示処理について説明する。
当該開閉実行モード用表示処理は上記通常処理の一環として実行されるものであり、先ずステップS1210にて主制御装置162(報知・演出制御装置140)からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、報知・演出制御装置140のタイマ割込み処理にて実行されるコマンド判定処理にてオープニングコマンドを受信していると判定した場合には、報知・演出制御装置140のRAM663に設けられた各種フラグ格納エリア672にオープニングフラグを格納し、ステップS1210ではこのオープニングフラグの有無に基づいて上記判定を行う。オープニングコマンドは開閉実行モードの開始にかかるフラグであり、後述するエンディング演出を終了した後に消去される。
ステップS1210にて否定判定をした場合にはそのまま本開閉実行モード用表示処理を終了する。一方、ステップS1210にて肯定判定をした場合にはステップS1211に進み、開閉実行モード対応画像表示開始タイミングであるか否かを判定する。ステップS1211にて肯定判定をした場合には、ステップS1212の処理を実行した後、本開閉実行モード用表示処理を終了する。ステップS1212の処理では、上記可変表示装置96の可動体411を第1表示面421が遊技機前方を向いた状態から第2表示面431が遊技機前方を向いた状態となるように同可動体411を回動させるべくモータ413に駆動信号を出力する。これに併せて、全ての発光体422,432を消灯させることで、一時的に可変表示装置96による演出及び報知が停止された状態となる(図34(c)参照)。
ステップS1211にて否定判定をした場合には、ステップS1213に進む。ステップS1213では、右側可変入賞装置83を開放する抽選ラウンド(本実施の形態においては第5ラウンド)であるか否かを判定する。ステップS1213にて肯定判定をした場合には、ステップS1214に進み、可変表示装置96による右打報知を実行する。具体的には、第2発光体432を全て点灯させることで可変表示装置96の表面に右側を向いた矢印が表示されることとなる。かかる報知は、当該抽選ラウンドの終了に併せて終了する。
一方、ステップS1213にて否定判定をした場合にはステップS1215に進み、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。具体的には、報知・演出制御装置140のタイマ割込み処理にて実行されるコマンド判定処理にてエンディングコマンドを受信していると判定した場合には、報知・演出制御装置140のRAM663に設けられた各種フラグ格納エリア672にエンディングフラグを格納し、ステップS1213ではこのエンディングフラグの有無に基づいて上記判定を行う。エンディングコマンドは開閉実行モードの終了にかかるフラグであり、後述するエンディング演出を終了した後に消去される。
ステップS1215にて否定判定をした場合にはそのまま本開閉実行モード用表示処理を終了する。一方、ステップS1215にて肯定判定をした場合にはステップS1216に進み、可変表示装置96の復帰処理を実行する。具体的には、上記可変表示装置96の可動体411を第2表示面431が遊技機前方を向いた状態から第1表示面421が遊技機前方を向いた状態となるように同可動体411を回動させるべくモータ413に駆動信号を出力する。このように、エンディング表示の期間を利用して、事前に可動体411を初期状態に復帰させておくことで、通常遊技状態への移行に応じて第1表示面421を用いた演出が円滑に再開させることが可能となる。
<電力供給停止から再開時の利益保護にかかる構成>
本実施の形態に示すように遊技球の発射方向を遊技状態に応じて変更するように促すタイプの遊技機においては、右打実行中に突然の停電(電断)等が発生してしまうことにより遊技者が不測の不利益を被る可能性がある。例えば、抽選ラウンドの直前や抽選ラウンド中に停電となり、その後電力の供給が再開された時点で、右打が行われなかった場合には、上記不利益は多大なものとなり得る。そこで、本実施の形態においては、このような不測の事態に対応するための構成を採用し、遊技者の利益保護を図っている。以下、当該利益保護にかかる構成及びその前提となる構成について説明する。
先ず図35のフローチャートを参照して、主制御装置162のMPU602にて実行されるメイン処理について説明する。既に説明したように、このメイン処理については、遊技機への電力供給が開始された場合(又は再開された場合)に起動される処理である。
メイン処理においては、先ずステップS1301にて電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(報知・演出制御装置140、払出制御装置242等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS1302では、RAM604のアクセスを許可する。
その後、MPU602のRAM604に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、ステップS1303では上記RAM消去スイッチ166が押されているか否かを判別し、続くステップS1304ではRAM604のバックアップエリアに電源遮断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS1305ではRAM判定値を算出し、続くステップS1307では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM604の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM604の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時や停電からの復帰時など、電源投入開始時にRAM604に記憶されたデータに基づいて状態復帰を可能としている。
一方、RAM消去スイッチ166を押しながら電源が投入された場合には、RAMの初期化処理(ステップS1307〜S1309)に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM604の初期化処理に移行する。つまり、ステップS1307では遊技機立ち上げコマンドを出力する。続くステップS1308ではRAM604の使用領域を0にクリアし、その後ステップS1309にてRAM604の初期化処理を実行する。その後、ステップS1313では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ166が押されていない場合には、電源遮断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。つまり、S1310ではRAM604に格納されている停電フラグをクリアし、続くステップS1311にて復電上方処理を実行する。具体的には電源遮断前のスタックポインタを復帰させ電源遮断の発生情報をクリアする。その後、ステップS1312にてサブ側の各種制御装置140,150,242等を起動させる復電コマンドを出力する。この復電コマンドには、電断時の遊技状態等にかかる各種情報が付与され、これを受信した各種制御装置140,150,242等ではこれらの情報に基づいて起動処理を実行する。
なお、主制御装置162のメイン処理では、復電コマンド又は遊技機立ち上げコマンドの何れかが各種制御装置140,150,242等に出力されるが、前者は状態復帰コマンド、後者は初期化コマンドであるといえる。
ここで、図36及び図37のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置140にて実行されるメイン処理と表示制御装置150にて実行されるメイン処理について説明する。
<報知・演出制御装置140におけるメイン処理>
報知・演出制御装置140に電力の供給が開始された場合には図36に示すメイン処理が起動される。
当該メイン処理においては、先ずステップS1401にて初期設定処理を実行する。これにより、報知・演出制御装置140による各種制御が実行可能な状態となる。その後、ステップS1402では可変表示装置96の状態把握処理を実行する。具体的には、監視センサ442からの検知情報に基づいて、可動体411が第1/第2の何れの状態であるかを把握する。
ステップS1403ではステップS1402にて把握した情報に基づいて可変表示装置96が第2状態であるか否かを判定する。ステップS1403にて肯定判定をした場合には、ステップS1404にて可変表示装置点灯処理を実行する。具体的には、上記第2状態とは第2表示面431が遊技機前方を向いている状態であり、ここで第2発光体432を全て点灯させる処理を行う。これにより、可変表示装置96には、右向きの矢印(図34等参照)が表示されることとなる。ステップS1404の処理を実行した後、又はステップS1403にて否定判定をした場合にはステップS1405に進む。
ステップS1405では主制御装置162から復電コマンドを受信しているか否かを判定する。当該コマンドを受信していない場合には、ステップS1411に進み主制御装置162から遊技機立ち上げコマンドを受信しているか否かを判定する。これら両コマンドの何れも受信していない場合には、少なくとも何れかのコマンドを受信するまで、以下の各種処理を実行せず待機する。
ステップS1405にて肯定判定をした場合、すなわち復電コマンドを受信している場合には、ステップS1406に進む。ステップS1406では受信した復電コマンドが開閉実行モード中の電断発生に対応するものであるか否かを判定する。ステップS1406にて肯定判定をした場合には、右打報知用処理を実行する。具体的には、スピーカ部29から「右打してください」等の音声を出力し遊技者に右打を促す。
その後、ステップS1408では右打報知用コマンドを表示制御装置150側に送信して本メイン処理を終了する。
ステップS1406の説明に戻り、当該ステップS1406にて否定判定をした場合には、ステップS1409に進み通常の演出開始処理を実行する。この場合、可変表示装置96の可動体411は第1状態となっており第1表示面421が遊技機前方を向いている。そこで、第1発光体422の発光制御を行うことで、発光演出を行う。
ステップS1409の処理を実行した後は、ステップS1410にて通常の演出開始用コマンドを表示制御装置150に送信し、本メイン処理を終了する。
ステップS1411にて肯定判定をした場合、すなわち遊技機立ち上げコマンドを受信している場合には、続くステップS1412にて立ち上げよう処理を実行し、続くステップS1413にて表示制御装置150に立ち上げ用コマンドを送信して本メイン処理を終了する。
なお、ステップS1408,S1410,S1413にて送信されるコマンドは、主制御装置162から発信された復電コマンド又は遊技機立ち上げコマンドに付与されて一体となった状態で、表示制御装置150に送信される。このように、報知・演出制御装置140を介して表示制御装置150側に送信されるコマンドが多様化することを回避することで、表示制御装置150にて実行されるコマンド判定処理が複雑化することを回避している。
<表示制御装置150におけるメイン処理>
表示制御装置150に電力の供給が開始された場合には図37に示すメイン処理が起動される。
当該メイン処理においては先ず、ステップS1501にて初期設定処理を実行する。これにより、表示制御装置150による表示制御が実行可能な状態となる。その後は、主制御装置162から報知・演出制御装置140を介して復電コマンド又は遊技機立ち上げコマンドの何れかを受信するまで待機する。
ステップS1502にて何れかのコマンドの受信を確認した場合には、ステップS1503に進む。ステップS1503では今回のコマンドが右打報知対応のコマンドであるか否かを判定する。ステップS1504にて肯定判定をした場合には、図34にて説明した右打報知の開始処理を実行する。これにより、図柄表示装置95の表示画面95aにて図34に示した右打報知用の画像が表示されることとなる。
一方、ステップS1503にて否定判定をした場合には、ステップS1505に進み通常演出に対応しているコマンドであるか否かを判定する。ステップS1505にて肯定判定をした場合には、通常演出用開始処理を実行する。通常演出用開始処理が実行されることで、移行の通常処理においては、表示画面95aにおける図柄の変動表示等が許容されることとなる。ステップS1505にて否定判定をした場合には、ステップS1507にてオープニング演出開始処理を実行した後、本メイン処理を終了する。オープニング演出開始処理を実行することにより、以降の通常処理にてオープニング用動画の設定処理が実行されることとなる。
本実施の形態における遊技機においては、主制御装置162、報知・演出制御装置140、表示制御装置150を併用することで、各制御装置にかかる制御負荷の軽減を図っている。しかしながら、これら制御装置162,140,150の中でも表示制御装置150については液晶ディスプレイとしての図柄表示装置95の表示内容を制御するものであり、その起動に要する期間が他の制御装置と比べても長くなりやすい。つまり、電源の供給が開始されても直ちに表示画面95aに画像を表示することが難しく、そこには一定のタイムラグが発生することとなる。
かかる構成においては、既に説明したように開閉実行モード中(右打実行中)に停電等が発生した場合には、復帰後に遊技者が右打を行わないと不測の不利益を被る可能性が生じる。仮に、電力の供給が開始した後に主制御装置162にて遊技状態を把握し、その情報に基づいて右打の報知を行おうとした場合、報知が主制御装置162の動作に対して遅れてしまう可能性がある。この点、本実施の形態においては、報知・演出制御装置140が独自に遊技状態を把握し、その把握した情報に基づいて右打報知を実行する構成とすることで、コマンドを待って実際に表示画面95aに右打報知の表示がなされるのを待つことなく、独自の報知が実行されるため、上記不利益の発生を好適に抑制できる。
ここで、図38のタイミングチャートを参照して、開閉実行モード中に停電が発生した場合の右打報知の態様について説明する。
通常遊技状態にて主制御装置162の当否抽選に当選すると、表示画面95aにて実行されていた図柄の可変表示が終了し、大当たりに(開閉実行モード)対応した所定の図柄の組合せが停止表示される(tb1参照)。この際、所定の図柄の組合せが停止表示された直後のタイミングにて可変表示装置96の可動体411が第1状態から第2状態に切り替わる。
その後、表示画面95aでは開閉実行モードへの移行を示すオープニングムービーが表示され、当該オープニングムービーが終了したtb2のタイミングにて表示画面95aには開閉実行モード対応の画像と遊技者に右打を促す旨のメッセージ等が表示される。この間は、可変表示装置96の可動体411は第2状態に維持されたままで且つ第2発光体432は全て消灯したままとなる。
第4ラウンド実行中のtb3のタイミングにて停電(電断)が発生すると。下側可変入賞装置82については強制的に閉状態に切り替えられ、表示画面95aについてはブラックアウトする。
その後、tb4のタイミングにて電力の供給が再開されると、表示画面95aには立ち上げ時中のメッセージ(例えば「復帰中」)が表示される。ここで、tb3〜tb4の電力の供給が停止されている期間においては、第2状態となった可動体411は自重によって第2状態のまま維持され、tb4の電力供給再開とともに当該可動体411に設けられた第2発光体432が発光する。これにより、可変表示装置96には右向きの矢印が表示されることとなる。
電力の供給が再開されてから所定の期間が経過した、tb5のタイミングでは、主制御装置162が動作を再開し下側可変入賞装置82が再度開放される(第4ラウンド対応)これに併せて、図柄表示装置95の表示画面95aには、tb2のタイミングにて表示されていた内容度同様の開閉実行モード対応の表示が再開される。この際、表示画面95aにて右打報知が実行されることに併せて、緊急報知手段として機能する可変表示装置96に表示されていた右向きの矢印が非表示となる。
tb6のタイミングでは、抽選ラウンドとしての第5ラウンドが開始される。これに併せて、表示画面95aの表示内容が変更され、可変表示装置96には再度右向きの矢印が表示される。これにより、遊技者が抽選の機会を逸することを抑制できる。なお、第5ラウンドの終了とともに表示画面95aにおける表示が他のラウンドの表示に切り替わり、可変表示装置96に表示されていた右向きの矢印も再度非表示となる。tb7のタイミングにて最終ラウンドが開始した後、当該最終ラウンドが終了したタイミングにて表示画面95aにおいてエンディング表示が行われる。この際、消灯中の可変表示装置96は第2状態から第1状態への復帰を開始し、tb9のタイミングにて通常遊技状態に移行する前に、第1状態への復帰が完了する。これにより、通常遊技状態となり遊技回が開始されるのに併せて可変表示装置96の第1表示面421による発光演出を遅滞なく行うことが可能となる。
以上詳述した構成によれば、作動口84,85への入球に基づく抽選によって開閉実行モードへの移行が確定した場合には、可動体411が第1状態から第2状態に切り替えられる。可動体411は第2状態に切り替えられた後は、例え遊技機への電力の供給が停止したとしても、第1状態に復帰することはない。電力の供給が再開され遊技機が再稼働した際には、報知・演出制御装置140が可動体411が第2状態となっていることに基づいて右打を行うべき旨の報知を行うこととなる。このように、主制御装置162からの情報に依存することなく報知・演出制御装置140独自に上記報知を実行することにより、開閉実行モードでの遊技の再開に対して報知が遅れることを抑制することができる。
これにより、突然の電力供給の停止(例えば停電)によって遊技者が本来得られるべき利益を享受できなくなるといった不都合を好適に抑制することができる。
より詳しくは、可動体411の状態を監視する監視センサ442は報知・演出制御装置140に接続され、電力供給が開始された際には報知・演出制御装置140にて同可動体が第2状態であると判断した場合に、主制御装置162からの指令等を受けなくても独自に報知の判断→報知の実行を行うことにより、右打を行うべき状況であることを遊技者に迅速に伝えることができる。
可動体411は自重によって第2状態に維持されるため、上記報知機能を実現させるための構成を簡素化することができる。
可動体411が第2状態となることで右打を行うべき状況であることを構造的に記憶しておくことができ、報知・演出制御装置140に記憶部を設ける必要がない。これにより、制御装置にかかる構成の複雑化を抑制することが可能である。
また、可動体411による報知は表示画面95aにおける右打報知が開始されことに合わせて終了することなる。そして、開閉実行モードにおける最終ラウンドの終了とともに可動体411を第1状態に復帰させる構成としいたことで、通常遊技状態への移行後直ちに可動体411を用いた演出を実行することが可能となる。つまり、可動体411が緊急報知機能と通常時の演出機能とを併有する構成において、それら両機能を好適に共存させることができる。
<第2の実施の形態>
上記実施の形態においては、可変表示装置96を用いて報知/演出を実行する構成としたが、本実施の形態においては可変表示装置96による報知/演出の態様が異なっている。以下、図39〜図41を適宜参照して上記第1の実施の形態との相違点を中心に本実施の形態における可変表示装置96の動作態様を説明する。なお、可変表示装置96等の基本構成については上記第1の実施の形態と同様であるため、これら共通する構成についての説明は省略する。
先ず、図39のフローチャートを参照して、開閉実行モード中の可変表示装置96による演出機能について説明する。
図39に示すように報知・演出制御装置140の開閉実行モード用表示処理においては、先ずステップS1601にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS1601にて否定判定をした場合には、本開閉実行モード用表示処理を終了する。ステップS1601にて肯定判定をした場合には、ステップS1602に進む。ステップS1602においては、第4ラウンドの終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置162においては各ラウンドの開始時には開始時コマンドを報知・演出制御装置140及び表示制御装置150に出力し、各ラウンドの終了時には終了時コマンドを同制御装置140,150に出力する。ステップS1602では第4ラウンドに対応する終了時コマンドを受信しているかどうかを判定する。ステップS1602にて肯定判定をした場合、すなわち第4ラウンドの終了タイミングである場合には、可変表示装置96の可動体411を第1状態から第2状態に移行させるべくモータ413に駆動信号を出力し、本開閉実行モード用表示処理を終了する。
一方、ステップS1602にて否定判定をした場合には、ステップS1604に進む。ステップS1604では当該ラウンドが第5ラウンド以外であるか否かを判定する。ステップS1604にて肯定判定をした場合には、続くステップS1605にて発光演出用処理を実行し、本開閉実行モード用表示処理を終了する。本実施の形態においては、第5ラウンド以外の各ラウンドにおいては、第1表示面421が遊技機前方を向いた状態(第1状態)となっており、この第1表示面421の第1発光体422を発光させることで、開閉実行モードに対応した発光演出が実行されることとなる。具体的には、可変表示装置96がレインボーに輝き続けることとなる。
なお、ステップS1603の処理が実行された際には、当該発光演出が一時的に中断された状態(消灯された状態)となり、所謂消灯演出が実施されることで、遊技者の注目を図柄表示装置95や右側可変入賞装置83へ向けやすくしている。
ステップS1604の説明に戻り、当該ステップS1604にて否定判定をした場合には、ステップS1606に進む。ステップS1606では、第5ラウンドの終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1606にて否定判定をした場合には、そのまま本開閉実行モード用表示処理を終了する。一方、ステップS1606にて肯定判定をした場合には、ステップS1607にて可変表示装置96の復帰処理を実行する。具体的には、モータ413に駆動信号を出力し可動体411を第2状態から第1状態に復帰させる。
以上詳述した開閉実行モード用表示処理を行うことで、開閉実行モード中も特定ラウンド(第5ラウンド)を除いた他のラウンドにおいては、可変表示装置96による開閉実行モード用の表示演出が実行されることとなる。これにより、第1の実施の形態と比べて可変表示装置96における演出機能をより有効に活用することが可能となる。
ここで、図40及び図41のタイミングチャートを参照して、本実施の形態における開閉実行モード中の発光演出(表示演出)と、緊急報知について説明する。
先ず図40を参照して開閉実行モード中の全体の流れについて説明し、その後特定ラウンド(第5ラウンド)とは関係のないラウンドにて停電が発生した場合の様子について説明する。
通常遊技状態にて主制御装置162の当否抽選に当選すると、表示画面95aにて実行されていた図柄の可変表示が終了し、大当たりに(開閉実行モード)対応した所定の図柄の組合せが停止表示される(tc1参照)。この場合、可変表示装置96の可動体411は第1状態のまま維持される。このようにして、開閉実行モードへの移行が確定した後は、可変表示装置96においては、開閉実行モード対応の発光演出が実行されることとなる(詳しくはレインボー色の点滅表示)。
その後、表示画面95aでは開閉実行モードへの移行を示すオープニングムービーが表示され、当該オープニングムービーが終了したtc2のタイミングにて表示画面95aには開閉実行モード対応の画像と遊技者に右打を促す旨のメッセージ等が表示される。
かかるメッセージ表示(報知)については、tc5のタイミングにて第4ラウンドが終了するまで継続され、その後は特定ラウンド(第5ラウンド)に対応した特定報知用の画像が表示されることとなる。当該表示は第5ラウンド終了まで継続され、tc7のタイミングで特定ラウンドが終了したタイミングにて第1〜第4ラウンドと同様の表示に切り替えられることとなる。
ここで、可変表示装置96の可動体411の動作態様について補足説明すると、開閉実行モード移行後も第1状態に維持されていた可動体411は第4ラウンドの終了タイミング(tc5のタイミング)にて第2状態に切り替わり、それまで実行されていた発光演出が一時的に中断される。これは所謂消灯演出に該当するものであり、かかる演出によって遊技者の注目を表示画面95aや右側可変入賞装置83へ向けることができる。
その後、第5ラウンドが終了したtc7のタイミングにて可動体411は再び第1状態へと復帰し、上記発光演出が再開されることとなる。
なお、本実施の形態においては、第4ラウンド終了後から第5ラウンド終了までの特定期間においては、可変表示装置96を消灯させる構成としたが、第2状態となっている場合に、第2発光体432を発光させることで、右打報知用の矢印を表示する構成とすることも可能である。
次に、同図40を参照して、開閉実行モード中の上記特定期間を除く期間中に停電が発生した場合について説明する。
tc2のタイミングにて可変入賞装置82の開閉が開始された後のtc3のタイミング(詳しくは第4ラウンド中)に停電が発生した場合には、下側可変入賞装置82については強制的に閉状態に切り替えられ、表示画面95aについてはブラックアウトする。
その後、tc4のタイミングにて電力の供給が再開されると、表示画面95aには立ち上げ時中のメッセージ(例えば「復帰中」)が表示される。ここで、上記実施の形態においては復帰時に主制御装置162から送信されるコマンドにはラウンド情報が含まれる構成としていたが、本実施の形態においては、当該コマンドにラウンド情報が含まれない構成となっている。このため、電力の供給が再開され、第4ラウンドが再開された場合であっても、特に右打用の報知が表示画面95a等によってなされることはなく、第5ラウンドの開始時に主制御装置162から送信されたコマンドに基づいて右打報知用の画像が表示されることとなる(tc6参照)。
本実施の形態においては、開閉実行モード中の各ラウンドのうち特定ラウンド(第5ラウンド)にて高確遊技状態への移行抽選を行う構成となっており、その他のラウンドと比較してその重要度が高くされていることに鑑みて、可変表示装置96による緊急報知については、その特定ラウンドにかかる停電時にのみ実行される構成となっている。
そこで以下、図41のタイミングチャートを参照して、特定ラウンドにかかる停電が発生した場合について説明する。
td3のタイミングにて第4ラウンドが終了した際には、可変表示装置96の可動体411が第1状態から第2状態に切り替わる。その後、td4のタイミングにて第5ラウンドが開始され、直後(第5ラウンドが終了する前)のtd5のタイミングで停電が発生すると、それまで特定ラウンド用の右打報知が行われていた表示画面95aがブラックアウトする。その後、td6のタイミングにて電力の供給が再開されると、表示画面95aには復帰中であることを示すメッセージが表示される。ここで、可動体411が第2状態に切り替わっていることを察知した報知・演出制御装置140は第2発光体432を点灯させる処理を実行し、可変表示装置96には右向きの矢印が表示されることとなる。つまり、右打の緊急報知が実行されることとなる。掛かる報知は、第5ラウンドの終了するtd8のタイミングまで継続され、それ以降は可動体411が第1状態に復帰することで、第2発光体432に代えて第1発光体422による発光演出が再開されるとともに、表示画面95aに右打報知用の画像が表示されることとなる。
以上詳述した実施の形態によれば、可変表示装置96の演出機能を開閉実行モード中においても好適に発揮させることができ、遊技者の利益に大きくかかわることとなる特定ラウンド(第5ラウンド)についての緊急報知機能が付与されることで、遊技者が停電によって被る不利益を好適に抑えることが可能となる。
因みに、仮に可動体411の第2状態への切り替えを開始したタイミングで停電等が発生し、モータ413への電力の供給がストップした場合であっても、可動体411は自重によって回動を続けることとなる。モータ413の動力によって強制的に第2状態に切り替える場合と比較するとその動作速度(回転速度)は低くなるものの、電力の供給が再開されるタイミング(詳しくは第5ラウンド開始までのインターバルの間)までには、その第2状態への移行が自重によって完了するため、上記td3のタイミングで停電が発生した場合であっても緊急報知機能が発揮されなくなることはない。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記各実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、開閉実行モード中の電断に際して可変表示装置96による緊急時右打報知を実行する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、高頻度サポートモード中に電断が発生した場合に、電力供給再開時の右打緊急報知を可変表示装置96によって実行してもよい。
(2)上記実施の形態では、第2開閉実行モードを経由して高確遊技状態となった場合の背景画像を時短遊技状態における背景画像と共通化する構成としたが、時短遊技状態であることを示す表示と共通化するのであればその対象は背景画像に限定されるものではない。
例えば、変動表示される図柄が低確遊技状態用と時短遊技状態用と高確遊技状態用とに分類されている遊技機においては、第2開閉実行モードを経由して高確遊技状態となった場合の変動図柄を時短遊技状態用のものと共通化することも可能である。
(3)上記実施の形態では、高確遊技状態の遊技回数に制限のあるタイプの遊技機を対象として背景画像の共通化による防犯機能の向上を図ったが、高確遊技状態の遊技回数に制限のないタイプの遊技機に同防犯機能を適用することも可能である。
例えば、時短遊技状態下での遊技回数に制限がある場合には、その遊技回数に達した後も時短表示を継続することで、遊技者の不利益を防止しつつ不正監視機能を強化することができる。なお、上記遊技回数に達した後は、背景画像を高確遊技状態と同じものに切り替えることで昇格演出を行うことも可能である。
(4)上記実施の形態では、開閉実行モード中の特定ラウンド(抽選ラウンド)にて可変表示装置96による右打報知を行う構成としたが、これに限定されるものではない。可変表示装置96における右打報知機能については緊急時のみに限定することも可能である。
(5)上記実施の形態では、可変表示装置96の可動体411は第1状態から第2状態になった後は自重によって同第2状態に維持される構成としたが、第2状態に維持するための付勢手段や、第1状態への復帰を規制する規制手段を有する構成とすることで、開閉実行モード中の第1状態への復帰を抑える構成としてもよい。
(6)上記実施の形態では、可動体411が発光することにより右打報知が実行される構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、遊技者が視認可能な位置に矢印等の形をした可動役物を設け、当該役物によって右打報知を行う場合には、電力の供給が停止した場合であっても同可動役物が右打報知の実行位置に維持される構成とすることで、上記実施の形態に示した緊急報知機能を発揮することができる。
(7)上記実施の形態では、演出機能及び右打報知機能の両機能を実現すべく可動体411に二つの表示面421,431を設けたが、これに限定されるものではない。少なくとも右打報知機能を有していればよく第1表示面421については省略することも可能である。
(8)上記実施の形態では、可動体411が回動することで第1状態と第2状態との切り替えを行う構成としたが、これら両状態での切り替えが可能であれば足り、可動体411の動作態様については任意である。例えば可動体に相当する構成をスライド式としてもよい。
(9)第1又は第3開閉実行モードを経由して高確遊技状態への移行が確定している状況下にて開閉実行モード中に電断が発生した場合に、電力の供給が再開され通常遊技状態へと移行した場合の背景画像を時短遊技状態のものとしてもよい。
(10)上記実施の形態では、図柄表示装置95の表示画面95aよりも可変表示装置96の外周面(表示面)が大きい構成を採用したが、これに限定されるものではない。前者よりも後者のほうが小さくてもよい。但し、緊急報知時に報知が見逃されることを回避する上では、上記実施の形態に示したように表示領域の大きい可変表示装置96に緊急報知機能を付与することが好ましい。
(11)上記実施の形態では、開閉実行モードの最終ラウンド終了時に、可動体411を第2状態から第1状態に復帰させる構成としたが、このように開閉実行モードの終了に先立って可動体411を第1状態に復帰させる必要は必ずしもない。
(12)上記実施の形態では、案内通路320が2股に分岐する構成を採用したが、これに限定されるものではない、案内通路320の分岐数に関しては、少なくとも2つであればよい。例えば3股に分岐する構成を採用する場合、1の分岐通路を当たり用の通路とし、他の2つの分岐通路を外れ用の通路とするとよい。
(13)上記実施の形態では、第1振分通路部311に遊技球が流入した場合に高確遊技状態への移行が確定し、第2振分通路部312にしか遊技球が流入しなかった場合には低確遊技状態となる構成としたが、これを逆にすることも可能である。また、3つ以上の振分通路を設けそのうち何れかに遊技球が流入した場合に高確遊技状態への移行が確定する構成とすることも可能である。
(14)上記実施の形態では、案内通路320が上流側縦通路部321、傾斜通路部322、下流側縦通路部323を有する構成としたが、防犯機能の向上を優先する場合には、上流側縦通路部321や傾斜通路部322を省略することも可能である。但し、右側可変入賞装置83へ流入した遊技球の挙動によって大当たりが確定となるか否かが変化する点に着目すれば、右側可変入賞装置83内での遊技球の動きを目で追いやすくすることが好ましい。この点、分岐位置よりも上流側の通路が鉛直方向に延びる通路のみで構成されている場合には、遊技球の動きを目で追いにくくなり、遊技球への注目度が低下すると想定される。故に、鉛直通路と横通路(例えば水平通路)とを併用する構成とすることが望ましい。
(15)上記実施の形態では、案内通路320を誘導傾斜部330に沿って配設したが、これに限定されるものではない。
但し、遊技球の動きを磁石等によって変化させようとした場合には、比較的動きが緩やかとなる傾斜通路部322を移動中の遊技球が不正の対象となりやすいと想定される。言い換えれば、傾斜通路部322に関しては遊技球の動きを遮るものが無いため、磁石等の磁力によって遊技球の動きを変化させることは困難となりやすい。以上の理由から、不正の対象となりやすいのは傾斜通路部322であると想定される。故に、望ましくは案内通路320を誘導傾斜部330に沿って配置するとよい。
なお、上記実施の形態においては、誘導傾斜部330によって誘導された遊技球の下側可変入賞装置82への入賞を許容する構成とすることで、遊技球発射ハンドル41の操作量の調整頻度が過剰に高くなることを抑制したが、必ずしもこれに限定されるものではない。誘導傾斜部330によって誘導された遊技球の下側可変入賞装置82への入球を不可とする構成とすることも可能である。
(16)上記実施の形態では、振分部材318が回動することにより誘導状態と非誘導状態とに切り替る構成としたが、これを変更し、振分部材をスライド移動可能に設け、同振分部材が開口335側へ突出することにより誘導状態となり、開口335側への突出が抑えられることで非誘導状態となる構成とすることも可能である。但し、振分部材の配置領域及び動作領域の拡がりを抑え、右側可変入賞装置83の小型化を実現する上では、上記実施の形態に示したように切替部材を回動式とすることが好ましい。
(17)上記実施の形態では、報知・演出制御装置140と表示制御装置150とを別体としたがこれらを一体化してもよい。また、可動体411の動作制御及び状態監視の各機能については表示制御装置150に移すことも可能である。
(18)上記実施の形態では、第2開閉実行モードの抽選ラウンドにおいて特定のタイミングで流入した遊技球が有利入球部へ入賞し得る構成としたが、これを変更し、何れのタイミングで流入した遊技球も有利入球部へ入賞しない構成とすることも可能である。
(19)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴A群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技盤(詳しくは遊技領域)に設けられた入球部に遊技球が入球することにより、特別遊技状態等の当否抽選を行うものがある。その抽選結果が特別遊技状態当選となった場合には、例えば遊技球の払出等の特典が遊技者に付与される(例えば、特許文献1:特開2003−190511号公報参照)。この種の遊技機においては、特別遊技状態となっている場合に、特定箇所に遊技球が到達したか否かによってその後の遊技進行が変化するもの、例えば特定箇所へ到達した場合に特別遊技状態終了後の抽選が遊技者にとって有利に行われるものが提案されており、特別遊技状態中の遊技球の動きへの注目度を高めるといった工夫がなされている。しかしながら、特別遊技状態中の遊技球の挙動が後の抽選に影響を与えるタイプの遊技機においては、遊技盤を遊技機前方から覆っている遊技機前面体等を叩いたり揺すったり又は磁石等を用いて遊技球の挙動に変化を与えることで同抽選が遊技者にとって有利となるように不正な操作が行われ得る。このような行為自体は、その実行に要する期間が比較的短くなる。このため、遊技ホールでは当該不正行為を見逃してしまう可能性があり、このような不正行為を見逃すことによって遊技ホールが被る損害は甚大なものになると懸念される」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴A1.前面に遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技領域に設けられ当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(作動口84,85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させるか否かの抽選を行う当否抽選手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記始動入球部への入球に基づいて絵柄の可変表示を実行し、その可変表示の停止結果によって当否抽選手段による抽選の結果を表示する可変表示手段(図柄表示装置95)と、
前記可変表示手段の表示制御を行う表示制御手段(表示制御装置150)と、
前記当否抽選手段による抽選に当選した場合に、遊技状態を前記通常遊技状態から前記特別遊技状態へと移行させる特別遊技状態移行手段(MPU602)と、
前記特別遊技状態に移行した場合に、遊技球の入球が困難な第1状態から当該第1状態よりも同入球が容易な第2状態に切り替わる可変入球装置(可変入賞装置82,83)と
を備え、
前記通常遊技状態には、前記始動入球部への入球頻度が相対的に低くなるように設定された低頻度入球モード及び前記始動入球部への入球頻度が相対的に高くなるように設定された高頻度入球モードを有する入球モードと、前記当否抽選手段による抽選により前記特別遊技状態への移行抽選に当選する確率が相対的に低くなるように設定された低確率モード及び前記当否抽選手段による抽選により前記特別遊技状態への移行抽選に当選する確率が相対的に高く設定された高確率モードを有する抽選モードとの各モードの組合せからなる複数の遊技状態が設定されており、それら各遊技状態への移行を行う通常遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記特別遊技状態中に、所定の条件が成立したことに基づいて入球可能となる特別入球部(有利入球部311)と
を備え、
前記通常遊技状態移行手段は、
前記特別遊技状態中に前記特別入球部への入球が発生しなかった場合には、当該特別遊技状態の終了後に、遊技状態を前記高頻度入球モード且つ前記低確率モードとなる第1通常遊技状態に移行させる第1移行手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記特別遊技状態中に前記特別入球部への入球が発生した場合には、当該特別遊技状態の終了後に、遊技状態を前記高頻度入球モード且つ前記高確率モードとなる第2通常遊技状態に移行させる第2移行手段(主制御装置162のMPU602)と
を有し、
前記特別遊技状態には、第1特別遊技状態と当該第1特別遊技状態よりも前記特別入球部への入球が発生しにくくなるように設定された第2特別遊技状態とが設定されており、
前記表示制御手段は、
前記特別遊技状態中に前記特別入球部への入球が発生しなかった場合には、当該特別遊技状態の終了後に、前記可変表示手段にて前記第1通常遊技状態に対応する表示を行う第1表示手段(表示制御装置150のMPU)と、
前記第1特別遊技状態中に前記特別入球部への入球が発生した場合には、当該特別遊技状態の終了後に、前記可変表示手段にて前記第2通常遊技状態に対応する表示を行う第2表示手段(表示制御装置150のMPU)と
を有し、
さらに、前記表示制御手段は、前記第2特別遊技状態中に前記特別入球部への入球が発生した場合には、前記第1表示手段による表示と同様の表示を行うことを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、高確率モードへの移行抽選は、始動入球部への入球に伴う抽選によって決定されるのではく、特別遊技状態中の特別入球部への入球の有無によって決定される。このように遊技球の動きに基づいて高確率モードへの移行の有無が決定されるタイプの遊技機においては、台を揺すったりセロハン等の不正具を用いたりして遊技球を特別入球部へと導くことにより、高確率モードへの移行を不正に発生させるといった行為がなされる可能性がある。仮に、このような不正行為が頻発すれば遊技ホールが被る被害は甚大なものになる。
ここで、本特徴に示すタイプの遊技機では、特別遊技状態には特別入球部への入球が相対的に発生しやすい第1特別遊技状態と、相対的に発生しにくい第2特別遊技状態とが設けられており、何れの特別遊技状態においても特別入球部への入球が発生し得る。このような構成においては、第2特別遊技状態中に偶然(運よく)特別入球部への入球が発生し得るため、同第2特別遊技状態中に特別入球部への入球が発生した場合に異常等の報知を行うことは遊技者に不快感を与える要因になるため好ましくない。
そこで、本特徴においては、第2特別遊技状態中に特別入球部への入球が発生した場合に、当該入球によって高確率モードへの移行が決定したのであれば、第1特別遊技状態中に特別入球部への入球が発生した場合とはことなり、敢えて特別入球部への入球が発生しなかった場合に実行される表示と同様の表示を実行する構成とした。
運よく第2特別遊技状態中に特別入球部への入球が発生した場合には、可変表示手段にて第1通常遊技状態(高頻度入球モード且つ低確率モード)に対応する表示(又は同様の表示)が行われるため、少なくとも当該表示が継続される限りは遊技を途中で止めてしまうとは考えにくく、実質的に遊技者が不利益を被ることは無い。
また、遊技ホールにて接客を行っている従業員等は過度に連続して特別遊技状態に移行している遊技機においては表示態様を確認することで異常に特別入球部への入球が多発していることを把握することができ、不正行為の確認を行う契機とすることができる。一方、不正行為者にとっては、異常等の特殊な表示がなされるわけではなく、特に目立つこともない表示(既存の表示)と同様の表示がなされるため、不正行為による連続した特別遊技状態への移行によって周囲の注目を過度に集中することを回避できるため、すぐさま遊技を止めてしまうことを抑制できる。この結果、不正行為がなされている現場を上記従業員が確認できる機会を増やし、防犯及び再犯の防止に貢献することができる。
特徴A2.前記通常遊技状態移行手段は、
前記高確率モード下での前記当否抽選手段による抽選回数が第1所定回数に達した場合に、前記低頻度入球モード且つ前記低確率モードである第3通常遊技状態へ移行させる手段と、
前記高頻度入球モード下での前記当否抽選手段による抽選回数が第2所定回数に達した場合に、前記低頻度入球モード且つ前記低確率モードである第3通常遊技状態へ移行させる手段と
を有し、
前記表示制御手段は、前記可変表示手段にて前記第3通常遊技状態に対応する表示を行う第3表示手段(表示制御装置150のMPU)を有し、前記第2特別遊技状態中の前記特別入球部への入球に基づいて前記第1表示手段による表示と同様の表示が行われている状況下にて前記抽選回数が前記第1所定回数又は前記第2所定回数に達した場合に、前記第1表示手段による表示と同様の表示を終了して、前記第3通常遊技状態に対応する表示に移行するように設定されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2に示すように、高確率モードや高頻度入球モードに回数制限があるタイプの遊技機においては、その回数に達する前に特別遊技状態に当選しなかった場合には、当該回数に到達後、第3通常遊技状態に転落することとなる。これに併せて可変表示手段における表示も第3通常遊技状態に対応したものに切り替わる。この種の遊技機においては、前記第2特別遊技状態中の前記特別入球部への入球に基づいて前記第1表示手段による表示と同様の表示についても、上記回数条件に併せて終了し、第3通常遊技状態に対応する表示に移行する構成とすることで、遊技者が困惑することを回避することができる。防犯機能の向上に起因して、遊技者にとって好ましい止め時の見極めが困難になることを抑制できる。
特徴A3.前記特別入球部への入球は遊技機前方から目視にて確認できるように構成されており、
前記第1特別遊技状態中に前記特別入球部への入球が発生した場合にはその旨を報知する入球報知手段を備える一方、前記第2特別遊技状態中に前記特別入球部への入球が発生した場合には前記報知が回避されるように構成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A2に示した高確率モードに回数制限の設けられたタイプの遊技機(所謂ST機)においては、特別入球部への入球を視認可能としておくことで、遊技への注目度の向上が期待できる反面、以下の不都合が生じ得る。すなわち、仮に第2特別遊技状態中に運よく特別入球部への入球が発生した場合には、それが見えているだけに時短表示が行われると、遊技者が困惑する可能性がある。しかも、高確率モードでの遊技回数に制限のある場合上記抽選に当選することなくそのまま高確率モードが終了してしまう可能性があり、遊技ホールに誤作動等の指摘がなされ得る。この点、本特徴に示すように、第1特別遊技状態中の特別入球部への入球発生時にはその旨の報知を行う一方、第2特別遊技状態中の特別入球部への入球発生時には敢えてその旨の報知を行わない構成としておくことで、遊技者が特別入球部への入球を見間違えた可能性を残すことが可能となり、上述の如く抽選に当選することなくそのまま高確率モードが終了してしまった場合であっても遊技者と遊技ホールとの間でもめごと等の不都合が発生することを回避できる。このように何事も無く高確率モードが終了した場合であっても、実際には高確率モードの恩恵を遊技者は享受していることとなり、遊技者に実質的な不利益を与えることは無い。
特徴A4.前記通常遊技状態移行手段は、前記第1特別遊技状態中に前記特別入球部への入球が発生した場合の方が前記第2特別遊技状態中に前記特別入球部への入球が発生した場合よりも前記第1所定回数が多くなりやすい設定となっていることを特徴とする特徴A2又は特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、特別入球部への入球が相対的に難しく設定された第2特別遊技状態にて同特別入球部への入球が発生した場合には、第1所定回数が多くなりやすい。このような差を設けることで、第2特別遊技状態での特別入球部への入球に対する注目度を高めるととともに、遊技の多様化が実現される。
また、第2特別遊技状態にて特別入球部への入球が発生した場合には、第1表示手段による表示と同様の表示が行われる期間が長くなりやすく、当該表示が行われていることが作業者等の目にとまりやすくなる。これにより、上記防犯機能の向上に貢献することができる。
なお、特徴A2〜特徴A4においては、「第1所定回数」と「第2所定回数」とを同一としてもよいし、異なるものとしてもよい。
特徴A5.前記通常遊技状態移行手段は、前記第2通常遊技状態となった場合には前記当否抽選手段による抽選に当選するまで当該遊技状態が継続し、前記第1通常遊技状態となった場合には前記当否抽選手段による抽選回数が所定回数となるまで当該第1通常遊技状態を維持し、同所定回数に到達した後は前記低頻度入球モード且つ前記低確率モードである第3通常遊技状態へ移行させる手段を有し、
前記表示制御手段は、前記第2特別遊技状態中の前記特別入球部への入球に基づいて前記第1表示手段による表示と同様の表示が行われている状況下にて前記所定回数を経過した場合に、当該実行中の表示を前記抽選手段による抽選に当選するまで継続する手段を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
一般的には第1又は第2遊技状態となっている場合、少なくとも第3遊技状態に転落するまでは遊技が継続されることとなる。故に、第1表示手段による表示と同様の表示を続けたとしても遊技者が実質的に不利益を被ることは無い。
一方、このような表示態様とすれば、不正行為を行っている者にとっては特殊な表示がなされるわけではないため、遊技を途中で切り上げて逃げようとすることを回避することができ、更には当該表示が上記作業者等の目にとまる機会を増やすことができるため、不正行為の疑いがあることを把握しやすくなる。故に遊技者にとっての不利益の発生を回避し、更には不正行為者にとっても不正行為がばれていないとおもわせつつ実際には当該不正行為の発見を容易なものとすることができる。
特徴A6.前記通常遊技状態移行手段は、前記第2通常遊技状態となった場合には前記抽選手段による抽選に当選するまで当該遊技状態が継続するように設定されており、前記第1通常遊技状態となった場合には前記抽選手段による抽選回数が所定回数となるまで当該第1通常遊技状態を維持し、同所定回数に到達した後は前記低頻度入球モード且つ前記低確率モードである第3通常遊技状態へ移行させる手段を有し、
前記表示制御手段は、前記第2特別遊技状態中の前記特別入球部への入球に基づいて前記第1表示手段による表示と同様の表示が行われている状況下にて前記所定回数を経過した場合に、前記第2表示手段による表示と同様の表示に切り替える切替手段を有し、
前記切替手段によって表示態様の切替えが実行された場合に、当該切り替えに対応する情報を遊技ホールの管理装置へ出力する手段を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、特別遊技状態終了後には可変表示装置にて第1表示手段による表示又はこれと同様の表示がなされている場合であっても内部的には第2通常遊技状態である可能性がある。このようなケースでは、当該表示が所定回数終了後には第2表示手段による表示に切り替わり、実際には第2通常遊技状態である旨が報知される(見かけ上の昇格が行われる)可能性が生じる。これにより、実際に特別入球部への入球がしてなくても、もしかしたら入球が発生していたかもしれないという期待を遊技者に与えることができ、興趣向上に貢献できる。
但し、このような仕様とした場合には、異常な継続(主として不正行為による人為的操作が行われることで生じた第2通常遊技状態の継続)が発生したことをホール作業者が見逃しやすくなる。そこで、このような遊技機においては、表示の切替えが行われる場合にその旨を示す情報を管理装置に出力する構成とすれば、管理制御室にて不正行為が行われた可能性のある台の監視を行うことができ、不正行為を見逃す可能性を低減できる。
なお、特徴A2〜特徴A6に記載された発明においては、更に「前記特別入球部への入球があった場合には、その旨の報知を行う入球報知手段を備え」る構成とすることも可能である。但し、特徴A2〜特徴A4においては不正ではなく運よく特別入球部への入球が発生した場合に第2表示手段による表示ではなく第1表示手段による表示と同様の表示が行われ、仮に当否抽選手段による抽選に当選することなく第2所定回数(所定回数)を経過してしまうと、あたかも何も特別入球部への入球の利益を享受できなかったかのような印象を遊技者に与える可能性が高くなると想定される。これは、不正ではなく運よく特別入球部への入球を発生させた遊技者にとって酷である。故に、入球報知手段については、上記特徴A5又は特徴A6に示すタイプの遊技機に適用することが好ましい。
特徴A7.前記可変入球装置として個別に動作する第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置を有し、これら両可変入球装置のうち当該第1可変入賞装置には前記特別入球部が設けられており、
前記遊技領域には、前記第1可変入賞装置よりも前記第2可変入賞装置が上流側に位置するように配置され、当該第2可変入賞装置を素通りした場合に、その素通りした遊技球が前記第1可変入賞装置に到達するようにして流路が形成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7によれば、遊技者は打ち方を変更する必要が無いので、操作ミス等に起因して高確率モードへの移行抽選を受けられなくことを抑制することができる。また、特別遊技状態となっている状況下にて、特別入球部への入球が許可されるタイミングを任意に設定したとしても、上記不都合が生じない。故に、遊技者の不利益を回避しつつ、遊技の単調化を抑えることができる。
仮に誤作動等によって両可変入賞装置が開放される等した場合であっても、流路の上流側に第1可変入賞装置が位置しているため、第2可変入賞装置が特別入球部への入球の妨げになることを回避できる。
特徴A8.前記当否抽選手段を有する主制御手段は、
前記抽選手段による抽選にて前記第1特別遊技状態に対応した当選結果となった場合に、当該当選結果にかかる情報を前記表示制御手段へ送信する第1送信手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記抽選手段による抽選にて前記第2特別遊技状態に対応した当選結果となった場合に、当該当選結果にかかる情報を前記表示制御手段へ送信する第2送信手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記特別入球部への入球を監視する監視手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記特別遊技状態にて前記監視手段による前記特別入球部への入球が確認された場合に、当該入球にかかる情報を前記表示制御手段へ送信する第3送信手段(主制御装置162のMPU602)と
を有し、
前記表示制御手段は、前記第2送信手段からの情報を取得した状況下にて前記第3送信手段からの情報を取得した場合に、前記第1表示手段による表示と同様の表示を行うように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A1等に示したように、特別遊技状態終了後に高確/低確のいずれに移行するかは特別遊技状態中の特別入球部への入球の有無により決定されることとなる。本特徴に示すように、各送信手段によって表示制御手段へ各種情報を送信することにより特別入球部への入球が発生するべくして発生したものであるかそれとも運よく又は不正により発生したものであるかを判別しやすくなる。かかる構成においては、主制御手段にて表示態様の詳細を決定するのではなく、当該決定を表示制御手段に委ねることにより、主制御手段における制御負荷が増大することを抑制できる。
以下の特徴B群は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技盤(詳しくは遊技領域)に設けられた入球部に遊技球が入球することにより、特別遊技状態等の当否抽選を行うものがある。その抽選結果が特別遊技状態当選となった場合には、例えば遊技球の払出等の特典が遊技者に付与される(例えば、特許文献1:特開2003−190511号公報参照)。この種の遊技機においては、特別遊技状態と通常遊技状態とで遊技を有利に進めることのできる遊技球の流下経路(すなわち狙い位置)を変化させることにより、遊技への積極的な参加を促したものが提案されている。このように発射操作を遊技状態に応じて調整する必要のあるタイプの遊技機においては、上述したような遊技への積極的な参加を促すことができる反面、遊技者にその旨が上手く伝わらなければ、本来享受できるはずの利益を取りこぼすといった不都合が生じる。そこで、現状では液晶表示装置等による視覚的な報知やスピーカ等による聴覚的な報知を行うことにより上記不都合の発生を抑える工夫がなされている。しかしながら、上記報知にかかる構成については未だ改善の余地がある。例えば、停電等によって遊技機への電力の供給が一時的に停止した場合には、その復帰後に再び上記報知を行う必要がある。ここで、遊技を再開させる際に上述した発射操作の報知が遅れてしまうと、結果として遊技者が不利益を被ることを回避できなくなると想定される」という背景・課題等に鑑みてなされたものである。
特徴B1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
遊技者による操作に応じて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(作動口84,85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させるか否かの抽選を行う当否抽選手段、及び当該当否抽選に当選した場合に遊技状態を前記通常遊技状態から前記特別遊技状態へと移行させる特別遊技状態移行手段を有する第1制御手段(主制御装置162)と、
前記遊技領域に設けられ、前記特別遊技状態に移行した場合に遊技球の入球が困難な状態からそれよりも入球が容易な状態に切り替わる可変入球装置(可変入賞装置82,83)と
を備え、
前記始動入球部及び前記可変入球装置は、前記通常遊技状態にて第1の流下経路を遊技球が通過するようにして遊技者が前記発射操作を行うことにより遊技を有利に進めることができるように、且つ前記特別遊技状態においては遊技球の流下経路を前記第1の流下経路から当該第1の流下経路とは異なる第2の流下経路に変更するようにして遊技者が前記発射操作を行うことにより遊技を有利に進めることができるように構成されており、
前記第1制御手段に電気的に接続された第2制御手段(報知・演出制御装置140)と、
第1状態及び当該第1状態とは異なる第2状態に切替可能な可動体(可動体411)及び当該可動体を前記第1状態又は前記第2状態となるように動作させる駆動部(モータ413)と、
前記第2制御手段に設けられ、前記特別遊技状態に移行する場合に前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える切替手段(報知・演出制御装置140のMPU)と
を備え、
前記可動体は、前記第1状態から前記第2状態に切り替えられた状況下にて遊技機への電力の供給が停止した場合であっても前記第1状態に切り替わらないように構成されており、
前記第2制御手段は、遊技機への電力の供給が停止した後に電力の供給が再開された場合に、前記可動体が前記第2状態となっていることに基づいて前記第2の流下経路を狙った遊技球の発射を行うべき旨の報知を行う報知手段(報知・演出制御装置140のMPU)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、始動入球部への入球に基づく抽選によって特別遊技状態への移行が確定した場合には、可動体が第1状態から第2状態に切り替えられる。可動体は第2状態に切り替えられた後は、例え遊技機への電力の供給が停止したとしても、第1状態に復帰することはない。電力の供給が再開され遊技機が再稼働した際には、表示制御手段が可動体が第2状態となっていることに基づいて第2の流下経路を狙った遊技球の発射を行うべき旨の報知を行うこととなる。このように、第1制御手段に依存することなく第2制御手段独自に上記報知を実行することにより、第2遊技状態での遊技の再開に対して報知が遅れることを抑制することができる。
これにより、突然の電力供給の停止(例えば停電)によって遊技者が本来得られるべき利益を享受できなくなるといった不都合を好適に抑制することができる。
特徴B2.前記第2制御手段には、前記可動体が前記第1状態及び前記第2状態の何れの状態となっているかを監視する監視手段(監視センサ442)が電気的に接続されており、
前記報知手段は、遊技機への電力の供給が停止した後に電力の供給が再開された場合に前記監視手段からの信号に基づいて前記可動体が前記第2状態となっていると判断した場合に、前記第2の流下経路を狙った遊技球の発射を行うべき旨の表示を行うことを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第2制御手段によって可動体の状態が監視されており、第2制御手段にて同可動体が第2状態であると判断した場合には、第1制御手段とは関係なく上記報知が実行されることとなる。このように、第1制御手段からの指令等を受けなくても第2制御手段が独自に報知の判断→報知の実行を行うことにより、第2の流下経路を狙った遊技球の発射を行うべき状況であることを遊技者に迅速に伝えることができる。
特徴B3.前記可動体は、前記第2状態となった場合には当該可動体の自重又は別途設けられた付勢手段の付勢力によって前記第2状態に維持される構成となっていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、可動体は自重又は付勢力によって第2状態に維持されるため、特徴B1に示した報知機能を上手く発揮させることができる。
特徴B4.前記可動体は、遊技者から視認可能となっており、当該可動体が第2状態となっていることにより同可動体が前記第2の流下経路へ向けた遊技球の発射を視覚的に報知する手段として機能することを特徴とする特徴B1乃至特徴B3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B4によれば、可動部自体に報知機能を付与しておくことで報知にかかる構成の簡略化に貢献できる。
特徴B5.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
遊技者による操作に応じて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(作動口84,85)と、
前記始動入球部への入球に基づいて通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させるか否かの抽選を行う当否抽選手段、及び当該当否抽選に当選した場合に遊技状態を前記通常遊技状態から前記特別遊技状態へと移行させる特別遊技状態移行手段を有する第1制御手段(主制御装置162のMPU602)と、
前記遊技領域に設けられ、前記特別遊技状態に移行した場合に遊技球の入球が困難な状態からそれよりも入球が容易な状態に切り替わる可変入球装置(可変入賞装置82,83)と
を備え、
前記始動入球部及び前記可変入球装置は、前記通常遊技状態にて第1の流下経路を遊技球が通過するようにして遊技者が前記発射操作を行うことにより遊技を有利に進めることができるように、且つ前記特別遊技状態においては遊技球の流下経路を前記第1の流下経路から当該第1の流下経路とは異なる第2の流下経路に変更するようにして遊技者が前記発射操作を行うことにより遊技を有利に進めることができるように構成されており、
遊技者から視認可能に設けられ第1状態及び当該第1状態とは異なる第2状態に切替可能な可動体(可動体411)及び当該可動体を同第1状態又は前記第2状態となるように動作させる駆動部(モータ413)を備え、
前記可動体は、前記第2状態となっていることにより前記第2の流下経路へ向けた遊技球の発射を視覚的に報知する報知手段として機能し、
前記特別遊技状態に移行する場合に、前記駆動部を駆動制御することにより前記可動体を前記第1状態から前記第2状態に切り替える切替手段(報知・演出制御装置140のMPU)を備え、
前記可動体は、前記第2状態となっている状況下にて遊技機への電力の供給が停止した場合に、前記第1状態に切り替わらないように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、可動体が第2状態となることで第2の流下経路を狙った遊技球の発射を行うべき状況であることを報知することができる。ここで、可動体については、遊技機への電力の供給が停止した場合であっても第2状態に切り替わることが無いため、報知機能が担保される。このように、第1制御手段による電力供給再開時の復帰用の処理とは関係なく可動体独自で報知を実行できる構成とすれば、電力供給の再開から報知の実行までのタイムラグを削減でき、遊技者が遊技球を発射すべきタイミングを逃して不利益を被ることを抑制できる。
特徴B6.前記第1制御手段に電気的に接続された第2制御手段(報知・演出制御装置140)と、
遊技機前方から視認可能に設けられ、前記第2制御手段によって各種遊技情報が表示される表示画面が設けられた表示装置(可変表示装置96)と
を備え、
前記可動体は前記第1状態となっている場合に前記第2制御手段によって発光制御されることで表示演出を行う機能が付与されており、
前記報知手段は、電力の供給が再開された後に、前記第1制御手段から前記特別遊技状態中である旨の情報を取得したことに基づいて前記表示装置における前記第2の流下経路へ向けた遊技球の発射の報知を開始し、前記可動体による前記報知を終了することを特徴とする特徴B4又は特徴B5に記載の遊技機。
可動体による報知は表示装置における報知が開始されことに合わせて終了することなる。これにより、可動体を第1状態に切り替えるための期間を特別遊技状態の終了間際に確保することができ、通常遊技状態への移行後直ちに可動体を用いた演出を実行することが可能となる。つまり、可動体が緊急報知機能と通常時の演出機能とを併有する構成において、それら両機能を好適に共存させることができる。
特徴B7.前記切替手段は、電力供給が開始又は再開された状況下にて所定の復帰条件が成立した場合に、前記可動体を前記第1状態へと復帰させることが可能となるように構成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7によれば、電力供給がなされている状況下で且つ所定の復帰条件(例えば特別遊技状態の終了)が成立を条件として可動体が第1状態に復帰する構成であるため、可動体が勝手に第1状態に復帰して、上述した報知機能が上手く作用しなくなることを回避することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘90等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。