JP2015221342A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の入球部への入球率の調整をより容易に行うことのできる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機は、遊技領域PEを流下する遊技球が入球可能な右作動口85と、右作動口85への遊技球の入球に起因して開閉動作可能な開閉扉303を有した右側可変入賞装置83と、右側可変入賞装置83へ入球した遊技球を有利入球部としての第2下流側通路へ誘導可能な切替部材とを備え、第2下流側通路へ遊技球が入球した場合には遊技者に有利な開閉実行モードへ移行する。パチンコ機は、開閉扉303の開閉パターンを複数パターン備え、開閉扉303の開閉制御を行う際、複数パターンのうちのいずれの開閉パターンを実行するかを決定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
従来、遊技機の一種として、所定の遊技領域へ案内される遊技球が入賞可能な作動口と、当該作動口への遊技球の入賞に基づき、開閉部材が開閉動作する可変入賞装置とを備え、当該可変入賞装置に入賞した遊技球が当該可変入賞装置内に設けられた特定入賞部へ入賞することにより、遊技者に有利な特別遊技状態が発生するパチンコ機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−197312号公報
パチンコ機等の遊技機においては、例えば可変入賞装置へ入賞した遊技球の特定入賞部への入賞率が高すぎると、遊技店側の不利益が大きくなり、入賞率が低すぎると、遊技者側の不利益が大きくなるといったように、可変入賞装置へ入賞した遊技球の特定入賞部への入賞率によって両者の利益バランスが大きく崩れるおそれがある。
このため、遊技機の開発段階において、可変入賞装置の内部構造等の設計変更を繰り返し、特定入賞部への入賞率が適切な入賞率となるように調整していた。
しかしながら、上記設計変更が入賞率に与える影響は予測し難く、特定入賞部への入賞率を所望の入賞率に調整する作業は非常に困難なものであった。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、その目的は、所定の入球部への入球率の調整をより容易に行うことのできる遊技機を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
所定の発射手段により発射される遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に起因して開閉動作可能な開閉部材を有し、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態とに切換可能な可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部への遊技球の入球に起因して遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を前記特定入球部へ誘導可能な誘導状態と、前記特定入球部へ誘導不能な非誘導状態とに切換可能な可動部材と、
前記開閉部材の開閉制御を行う際、複数パターンのうちのいずれの開閉パターンを実行するかを決定するパターン決定手段とを備え、
前記可動部材が所定のタイミングで前記非誘導状態から前記誘導状態へ切換わるように構成され、
その切換タイミングに対する前記複数の開閉パターンにおける各開放タイミングが異なるようにしたことをその要旨としている。
本発明の遊技機によれば、所定の入球部への入球率の変更をより容易に行うことができるという優れた効果を奏する。
一実施形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。 (a)内枠及び前扉枠を開放した状態を示す斜視図、(b)内枠及び裏パックユニット等を開放した状態を示す斜視図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a)電動役物が閉鎖状態である場合を示す作動口装置の正面図、(b)電動役物が開放状態である場合を示す作動口装置の正面図である。 表示ユニットを正面側から見た概略図である。 内枠の構成を示す背面図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 主制御装置ユニットを取り外した状態を示す遊技盤の背面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)図4の部分拡大図、(b)右側可変入賞装置を正面側から見た斜視図である。 右側可変入賞装置を正面側から見た分解斜視図である。 右側可変入賞装置を背面側から見た分解斜視図である。 右側大入賞口及びそれに関連する構成を示す右側可変入賞装置の部分断面図である。 ベースユニットと案内通路との関係を示す概略図である。 (a)案内通路を示す概略図、(b)図15のA−A線部分断面図である。 (a)図15のB−B線部分断面図、(b)図15のC−C線部分断面図である。 案内通路と磁気センサとの位置関係を示す概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 (a)下作動口への入賞発生用の当否テーブルを説明するための説明図、(b)右作動口への入賞発生用の当否テーブルを説明するための説明図である。 (a)第1結果表示部用の振分テーブルを説明するための説明図、(b)第2結果表示部用の振分テーブルを説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにおけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。 作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。 情報取得処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技回制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 変動開始処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 特別当たり用の移行処理を示すフローチャートである。 電役サポート処理を示すフローチャートである。 電役開閉制御処理を示すフローチャートである。 異常監視処理を示すフローチャートである。 電波センサ監視処理を示すフローチャートである。 磁気センサ監視処理を示すフローチャートである。 振動センサ監視処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置のMPUにおける異常振動検知時用報知処理を示すフローチャートである。 (a)は、右作動口用表示部における確定表示を説明するためのタイミングチャートであり、(b)は、第1開閉パターンにおける開閉扉の開閉動作を説明するためのタイミングチャートであり、(c)は、第2開閉パターンにおける開閉扉の開閉動作を説明するためのタイミングチャートであり、(d)は、切替部材の動作を説明するためのタイミングチャートである。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10を示す斜視図である。図2(a)は内枠13及び前扉枠14を開放した状態を示す斜視図であり、図2(b)は内枠13及び裏パックユニット15等を開放した状態を示す斜視図である。なお、図2(a)では便宜上パチンコ機10における遊技領域PE内の構成やガラスユニット22等を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2(a),(b)に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としていもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
図2(a)に示すように、前扉枠14の背面には、通路形成ユニット16が取り付けられている。通路形成ユニット16は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路16aと、下皿34に通じる前扉側下皿通路16bとが形成されている。通路形成ユニット16において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部16cが形成されており、当該受口部16cを仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路16aの入口部分と前扉側下皿通路16bの入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路16a及び前扉側下皿通路16bは上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路16aに入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路16bに入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2(a)に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図3に基づき内枠13について詳細に説明する。図3は内枠13の正面図である。なお、図3においては図2(a)と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース70は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース70との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板11aが装着されている。幕板11aは、樹脂ベース70(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース70が幕板11aの上に載ることとなる。なお、幕板11aと樹脂ベース70との間に若干のクリアランスを設けてもよい。
樹脂ベース70の前面における回動基端側(図3の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70の前面における回動先端側(図3の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63(図2(a)参照)を挿入するための挿入孔73がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔73を介して施錠装置75(詳しくは前扉用鉤受け部材76)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
樹脂ベース70の中央部には略楕円形状の窓孔74が形成され、樹脂ベース70に装着された遊技盤80によって同窓孔74が後方から塞がれている。遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔74を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86、主表示ユニット87及び可変表示ユニット88等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82,83及び作動口84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘90が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘90や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット88は遊技盤80の中央に配されており、同可変表示ユニット88の周辺に作動口84,85等が配設されている。作動口84,85は、可変表示ユニット88の下方に配設された下側の作動口84(以下便宜上、下作動口84と称する)と、同可変表示ユニット88の右方に配設された右側の作動口85(以下便宜上、右作動口85と称する)とによって構成されており、特に右作動口85には、開閉式の入球補助装置としての電動役物91が設けられている。図5の模式図に示すように電動役物91は、左右一対の可動片91aと同可動片91aを駆動させるソレノイド式の駆動部(電動役物駆動部)91bとを有してなり、図5(a)に示すように右作動口85への入球が可能又は容易となる開状態と、図5(b)に示すように同入球が不可又は困難となる閉状態とに切替可能となっている。右作動口85が本実施形態における始動入球手段を構成する。
再び図4を参照して説明すれば、この右作動口85の上方に上記スルーゲート86が配置されており、遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ開状態となる。
なお、下作動口84への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、右作動口85への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下作動口84に対する右作動口85の有利性を高める上では、下作動口84に係る払出個数よりも右作動口85に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置82,83についても、下作動口84及び右作動口85と同様に、可変表示ユニット88の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット88の下方(詳しくは下作動口84の下方)に配置された可変入賞装置82を「下側可変入賞装置82」と称し、可変表示ユニット88の右方(詳しくは右作動口85の下方)に配置された可変入賞装置83を「右側可変入賞装置83」と称する。右側可変入賞装置83が本実施形態における可変入球手段を構成する。
下側可変入賞装置82は、遊技盤80の背面側へと通じる大入賞口82aを備えているとともに、当該大入賞口82aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉82bを備えている。開閉扉82bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態と、同入球が不可又は困難となる閉状態とに切替可能となっている。また、同開閉扉82bは、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部82c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉82bは閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉82bの開放が繰り返されるように設定されているものがある。
詳しくは後述するが、右側可変入賞装置83は、下側可変入賞装置82と同様に、遊技盤80の背面側へと通じる右側大入賞口と、当該右側大入賞口を開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉とを備えている。開閉扉は、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態と、同入球が不可又は困難となる閉状態とに切替可能となっている。また、同開閉扉は、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては、開閉扉は閉状態のまま維持され、右作動口85への入球に基づく内部抽選において後述する特別当たりに当選した場合に抽選結果確定モードに切り替えられるようになっている。
ここで、抽選結果確定モードとは、右作動口85における抽選結果(特別当たり)が有効となって下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されるか、つまり開閉実行モードへの移行が確定されるか、それとも抽選結果が無効となり開閉実行モードへの移行が回避されるかを抽選するモードである。
次に、可変表示ユニット88について説明する。可変表示ユニット88には、作動口84,85への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置96が設けられている。また、可変表示ユニット88には、図柄表示装置96を囲むようにしてセンターフレーム97が配設されている。センターフレーム97の下部には、下作動口84に対応する下作動口用保留ランプ部98と、右作動口85に対応する右作動口用保留ランプ部99とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動口84,85を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部98,99の点灯によって各作動口84,85に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
図柄表示装置96は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置96には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
作動口84,85は、可変表示ユニット88寄りとなる位置に配置されている。作動口84,85への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動口84,85に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置96に注目するものと考えられる。作動口84,85を可変表示ユニット88寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット88周辺に集中させるための工夫である。
可変表示ユニット88を挟んで右側可変入賞装置83とは反対側には、上記主表示ユニット87が配されている。主表示ユニット87は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤80の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット87の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット87の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
ここで、図6を参照して主表示ユニット87について補足説明する。図6は主表示ユニット87を正面側から見た概略図である。
主表示ユニット87においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下作動口84への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部DLと、右作動口85への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部DRとを有してなる。
下作動口用表示部DLでは、下作動口84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口84への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動口用表示部DRでは、右作動口85への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右作動口85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右作動口85への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モード又は抽選結果確定モードに移行される。右作動口用表示部DRが本実施形態における表示手段を構成する。
ここで、いずれかの作動口84,85への入賞に基づいて、対応する表示部DL,DRにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口84,85への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには両表示部DL,DR以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右作動口85に設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート86を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DL,DR,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DR,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。なお、これら各表示部DL,DR,DS,DHにおける表示態様については後述する。
再び図3を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する発射手段としての遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで、樹脂ベース70に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図3に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
前扉枠14の閉鎖時において、上記隙間の下側に位置する上記通路形成ユニット16にはファール球通路16dが形成されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路16d内に入ることとなる。ファール球通路16dは前扉側下皿通路16bに通じており、ファール球通路16dに入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット16の受口部16cが入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路16aが配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路16bが配置されている。
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット16に設けられた受口部16cにより付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路16aとが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路16bとが連通している。
次に、図7に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図7は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図7の右側)には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース70に対して遊技盤80が取り付けられている。ここで、図8及び図9を参照して遊技盤80の背面の構成を説明する。図8は遊技盤80を遊技機後方から見た斜視図、図9は遊技盤80から主制御装置ユニットを取り外した状態を示す背面図である。
図8に示すように、遊技盤80の中央に配置される可変表示ユニット88には、センターフレーム97を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置96が取り付けられるとともに、その図柄表示装置96を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置96及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
図9に示すように、可変表示ユニット88の下方には一般入賞口81や作動口84,85等を介して遊技盤80の背面側に移動した遊技球を回収する集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150は遊技盤80に固定されており、同集合板ユニット150には当該集合板ユニット150を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている(図8参照)。なお、主制御装置ユニット160の搭載対象は、集合板ユニット150に限定されるものではない。例えば、主制御装置ユニット160を遊技盤80に搭載することも可能である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製を用いて形成された無色透明な取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。取付台161は、集合板ユニット150によって回動可能に支持されており、取付台161ごと主制御装置ユニット160を回動させることで同取付台161から主制御装置162を取り外すことなく目視による確認作業が可能となっている。
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図2及び図10に基づき裏パックユニット15について説明する。図10はパチンコ機10の背面図である。
既に説明したように内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。図10に示すように、裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも上記可変表示ユニット88を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔79に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔79に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路16aを介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路16bを介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている(図2(b)参照)。排出通路盤203には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、後述する集合板151の回収通路等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
図10に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
ここで、上記集合板ユニット150とそれに関連する構成とについて補足説明する。集合板ユニット150は、上述した一般入賞口81等を介して遊技盤80の背面側に誘導された遊技球を回収する集合板151を備えている。集合板151は、光透過性を有する(具体的には無色透明な)合成樹脂材料によって形成されており、遊技球の流下経路の目視による確認が容易化されている。これにより、仮に集合板151にて球詰まり等が発生した場合であっても、そのような不都合がどの箇所で生じているかを容易に把握することが可能となっている。
集合板151は、遊技球を回収する機能が付与された本体部と遊技盤80に対する取付部とが一体成形されてなり、全体として遊技盤80の左右両端部に跨って延びる横長状をなしている。取付部は、遊技盤80の背面に対して平行な板状をなしており、同取付部261が遊技盤80に面当りした状態でネジ止めされることにより、集合板151と遊技盤80とが一体化されている。
集合板151の本体部には遊技盤80の背面に向けて起立する一対の壁部が設けられており、これら各壁部によって遊技球を回収する回収通路が区画形成されている。回収通路は、一般入賞口81、作動口84,85及び可変入賞装置82,83等の各入球部に対応して複数設けられている。それら各入球部に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤80の下部に集められる。
遊技盤80の下方には上述した排出通路盤203が配置されており、回収通路によって遊技盤80の下部に集められた遊技球は排出通路231に導出され、その後パチンコ機10の外部に排出される、詳しくは島設備に返却される。なお、上述したアウト口89についても同様に排出通路231に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は同アウト口89を介して排出通路231内に導出され、パチンコ機10の外部に排出される。
各回収通路のうち一般入賞口81及び下作動口84に対応する回収通路の途中位置には、遊技球の通過を検知する検知センサが設けられている。各検知センサ270は、各回収通路の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口81等の入球部への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各検知センサは、遊技盤80の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置162)に電気的に接続されており、それら検知センサにて生成された検知信号が同主制御装置162に対して出力される構成となっている。
<右側可変入賞装置83>
本実施の形態においては、上述した右側可変入賞装置83について特徴的な構成を有している。ここで、図11〜図14に基づき右側可変入賞装置83について詳しく説明する。図11(a)は図4における右側可変入賞装置83及びその周辺部位を示す部分拡大図、図11(b)は右側可変入賞装置83を正面側から見た斜視図、図12は右側可変入賞装置83を正面側から見た分解斜視図、図13は右側可変入賞装置83を背面側から見た分解斜視図、図14は右側大入賞口を示す右側可変入賞装置83の部分断面図である。なお、図11(b)においては右側大入賞口が開放された状態を示し、図12及び図13においては遊技盤80を2点鎖線によって表している。
既に説明したように遊技盤80において可変表示ユニット88の右側となる部位には開口部92が形成されている(図11(a)参照)。開口部92は遊技盤80の厚さ方向に貫通しており、この開口部92に対して遊技機前方から右側可変入賞装置83が嵌まっている。このようにして右側可変入賞装置83が配置された状態では、当該右側可変入賞装置83の前面部を構成するとともに遊技盤80に対する取付部としての機能が付与されたベースユニット300によって同開口部92が覆われている。
ベースユニット300は、開口部92の縁部に沿って形成された枠体301を備えている。枠体301は遊技盤80の前面と対向する略環状の対向板部301aと当該対向板部301aから遊技機後方に起立するとともに遊技盤80の開口部92の内壁面に沿うようにして形成された筒状部301bとを有している(図13参照)。対向板部301aが遊技盤80の前面に対して当接した状態で同遊技盤80にネジ止めされることにより、右側可変入賞装置83が遊技盤80に対して一体化されている。
枠体301(詳しく対向板部301a)において当該枠体301の中央開口部分よりも上方となる部位には、右側可変入賞装置83に流入した遊技球を遊技盤80の背面側へと誘導する上記右側大入賞口302が形成されている。右側大入賞口302は、枠体301の厚さ方向(遊技機における前後方向)に貫通するようにして形成された入口部302aを有し、枠体301には、同入口部302aを遊技機前方から覆うようにして上記開閉扉303が開閉可能な状態で取り付けられている。また、枠体301には開閉扉303を駆動させる動力源としての可変入賞駆動部304(詳しくはソレノイド)が搭載されている。開閉扉303が本実施形態における開閉部材を構成する。
右側大入賞口302は、図11に示すように、左右に延びる横長状をなしており、その一端部(詳しくは遊技領域PEの中央側となる端部)の奥側(詳しくは右側大入賞口302の出口部分)には同右側大入賞口302へ流入した遊技球を検知する検知センサ305(詳しくは磁気センサ)が配設されている(図14参照)。
検知センサ305は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該検知センサ305からの検知信号(検知情報)が同主制御装置162に出力される。この検知信号に基づいて、主制御装置162にて右側大入賞口302への入賞の有無等を把握することが可能となっている。
図14に示すように、ベースユニット300において上記右側大入賞口302の下方には、枠体301の中央開口部分(すなわち上記筒状部301bの前側開口部)を覆うようにして前側パネル部材306が設けられている。前側パネル部材306は、枠体301に対して固定されており、これら前側パネル部材306及び枠体301によって開口部92が塞がれている。
また、枠体301には、前側パネル部材306と所定の隙間(詳しくは遊技盤80の厚さ寸法と同寸法となるように設定された隙間)を隔てて遊技機後方から対向する後側パネル部材307が設けられている。後側パネル部材307は平板状をなしており、同後側パネル部材307によって上記筒状部301bの後側開口部が遊技機後方から塞がれた状態となっている。
前側パネル部材306及び後側パネル部材307は透明性を有する合成樹脂材料によって形成されており、これら両パネル部材306,307を通じてベースユニット300の後方が視認可能となっている。ベースユニット300の後方には、右側大入賞口302へ流入した遊技球であって上記検知センサ305による検知領域を通過した遊技球を集合板151(詳しくは回収通路)へと案内する案内通路320が設けられている。
ここで、図11〜図14に加えて図15及び図16を適宜参照し、案内通路320について説明する。図15はベースユニット300と案内通路320との関係を示す概略図、図16(a)は案内通路320を示す概略図、図16(b)は図15のA−A線部分断面図である。
図14に示すように、案内通路320はベースユニット300と同ベースユニット300の後方に配置された通路形成ユニット330とが組み合わされることにより形成されている。
より具体的には、通路形成ユニット330は、後側パネル部材307と所定の隙間を隔てて対向する平板状の基部331を有している。基部331において後側パネル部材307と対向している部分には、同後側パネル部材307側へ起立する起立壁部332が複数形成されている。これら起立壁部332は遊技球の直径寸法よりも僅かに大きな隙間を隔てて相対向しており、同起立壁部332によって後側パネル部材307側(遊技機前方)に開放された溝部333が形成されている。そして、この溝部333における遊技機前方への開放部分が後側パネル部材307によって塞がれることで、上記案内通路320が形成されている。このようにして案内通路320をパネル部材306,307の後方に配するとともに後側パネル部材307を用いて案内通路320を形成することにより、同案内通路320を通過する遊技球を遊技機前方から視認可能となっている。
図15に示すように、案内通路320は、ベースユニット300の上記右側大入賞口302に連通する上流側通路321を有している。上流側通路321は、横長状をなしており、その一端部に上方に開放された入口部が形成されている。右側大入賞口302を通じて遊技盤80の背面側に到達し、同右側大入賞口302の出口部分から流出した遊技球は、上記入口部を通じて案内通路320へ流入することとなる。
図16(a)に示すように、上流側通路321は、当該上流側通路321の入口部から反対側の端部へ向けて(詳しくは遊技領域PEの中央側へ向けて)下り傾斜している。同入口部から上流側通路321に流入した遊技球は、上記起立壁部332において上流側通路321の底部を形成している部位(以下便宜上、底部332Bと称する)に沿って流下する。底部332Bについては、遊技機における前後方向への傾きが回避されている。これにより、底部332Bに沿って流下する遊技球の前後方向への移動が抑制されている。
上流側通路321における下流側の端部には、遊技球の流下方向を変化させるようにして第1下流側通路322が連なっている。第1下流側通路322は鉛直方向に延びており、上流側通路321を経由して当該第1下流側通路322に達した遊技球は、自重により同第1下流側通路322に沿って落下することとなる。なお、上流側通路321と第1下流側通路322との繋ぎ部分、言い換えれば上流側通路321の延長上となる部位については下方へと滑らかに湾曲しており、上流側通路321に沿って移動した遊技球が同部位に当たった際の横方向への跳ね返りが抑えられている。これにより、第1下流側通路322内での遊技球の暴れを抑制可能となっている。
第1下流側通路322の出口部分には、当該第1下流側通路322へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第1下流側通路322における第1検知領域DE1を通過する遊技球を検知可能な)第1検知センサ325が設けられている。第1検知センサ325には、第1検知領域DE1を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第1検知センサ325は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該第1検知センサ325からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、第1検知領域DE1における遊技球通過の有無、すなわち第1下流側通路322への入球の有無を主制御装置162にて把握することが可能となっている。
また、案内通路320は第1下流側通路322の途中位置から分岐する第2下流側通路323を有している。つまり、案内通路320は、その途中位置にて2条に分岐している。右側大入賞口302へ流入した遊技球はその流入タイミング等に応じてその移動先(振り分け先)が変化する構成となっている。
第1下流側通路322を形成する起立壁部332には、第2下流側通路323への入口部としての開口335が形成されている。この開口335は、第1下流側通路322及び第2下流側通路323の両者に連通しており、同開口335を通じた第1下流側通路322から第2下流側通路323への遊技球の流入が許容されている。
なお、第1下流側通路322と分岐との関係について補足すれば、第1下流側通路322において分岐部分(以下便宜上、中間部322Mと称する)よりも上流側となる部位(以下便宜上、上流部322Uと称する)は鉛直方向に延びており、同上流部322Uの出口部分が下方に開放されている。当該出口部分の下流側への延長上には一方の分岐通路としての下流部322L(第1分岐通路)の入口部分が位置しており、同入口部分は上記上流部322Uの出口部分側(上方)に開放されている。一方、他方の分岐通路としての第2下流側通路323(第2分岐通路)の入口部分(開口335)は、上流部322Uの延長上から外れた位置に配されているとともにその延長方向とは異なる方向、具体的には両下流側通路322,323の並設方向(詳しくは横方向)に開放されている。このため、上流部322Uに沿って落下した遊技球は通常、第1下流側通路322の下流部322Lへと流入し、第2下流側通路323への流入が回避されることとなる。
第2下流側通路323の途中位置には、当該第2下流側通路323へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第2下流側通路323における第2検知領域DE2を通過する遊技球を検知可能な)第2検知センサ326が設けられている。第2検知センサ326には、第2検知領域DE2を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第2検知センサ326は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該第2検知センサ326からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、第2検知領域DE2における遊技球通過の有無、すなわち第2下流側通路323への遊技球流入の有無を主制御装置162にて把握することが可能となっている。
右側大入賞口302に流入した遊技球は先ず上流側の検知センサ305によって検知され、その後、下流側の第1検知センサ325又は第2検知センサ326によって検知される。上流側の検知センサ305によって右側大入賞口302への入球が検知されると、同入球に応じて予め定められた数の遊技球が払い出される。このように、上流/下流の各検知センサ305,325,326のうち上流側の検知センサ305による検知結果にもとづいて遊技球の払出しを行う構成とすることにより、下流側の検知センサ325,326による検知結果に基づいて遊技球の払出しを行う構成と比較して、払出しの迅速化に貢献している。
右側大入賞口302へ流入した遊技球の数は上流側の検知センサ305及び下流側の検知センサ325,326によって検知され、それら各検知センサ305,325,326によって検知された遊技球の数を比較することにより案内通路320内に遊技球が残存しているか否かを確認することが可能となっている。但し、このようにして上流・下流にそれぞれ検知センサを設ける必要は必ずしもなく、上流側の検知センサ305については省略することも可能である。
なお、本実施の形態においては、各検知センサ305,325,326に磁気センサを適用したが、これを変更し、それら各検知センサ305,325,326にフォトセンサを適用することも可能である。特に、右側可変入賞装置83については、他の入球部と比較して複数の遊技球が同時に入球する機会が少ないと想定される。故に、複数の遊技球が一体となって検知領域を通過する際の個々の遊技球の検知精度の向上が難しいと想定されるフォトセンサを適用したとしても、それに起因した不都合の発生を好適に抑制できる。詳しくは、下流側の検知センサ325,326については、流入した遊技球の数の把握よりも有利入球部への入球が発生したか否かを把握することが重要である。故に、複数の遊技球が一体となって検知領域を通過した際の個々の遊技球の検知機能が低下したとしても、少なくとも遊技球が通過したという事実が分かるためこれに起因した不利益等の発生は回避される。また、磁気センサと比較してフォトセンサのほうが電波や磁気の影響を受けにくい。そこで、有利入球部に係る検知センサについては特にフォトセンサを適用することで防犯機能の更なる向上が期待できる。因みに、上流側の検知センサ305には賞球に係る機能が付与されている点に鑑みれば、上記変形例を採用する場合には、上流側の検知センサ305に磁気センサを適用するとともに下流側の検知センサ325,326のフォトセンサを適用することが好ましい。
また、上述した分岐位置(第1下流側通路322の中間部322M)には、上流側通路321から第1下流側通路322に流入した遊技球を第2下流側通路323へと誘導する誘導状態と同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能な可動部材としての切替部材341が設けられている。切替部材341は、非誘導状態においては案内通路320(詳しくは第1下流側通路322)への突出が抑えられており、誘導状態に切り替わることで、同第1下流側通路322を塞ぎ上記第1検知領域DE1への遊技球の到達を不可とする位置へと突出する(図16(a)の2点鎖線参照)。
切替部材341の配置について補足説明すれば、起立壁部332において上記開口335と対向している部分には切替部材341を収容する収容部336が形成されている。収容部336は起立壁部332に形成された開放部337を通じて上記第1下流側通路322と連通している。開放部337は切替部材341の通過を許容する大きさを有しており、同切替部材341が上記非誘導状態である場合には当該切替部材341によって同開放部337が塞がれている。
切替部材341は、当該切替部材341における上流側の端部に設けられた軸部342が通路形成ユニット330の基部331に形成された軸受け部によって軸支されることにより、回動可能な状態で同通路形成ユニット330に取り付けられている。軸部342及び軸受け部については、切替部材341の回動中心軸線が開口335が向く方向及び第1下流側通路322における遊技球の流下方向に対して直交するように、具体的には切替部材341の回動中心軸線が前後方向に延びるようにして形成されている。切替部材341の軸部342(回動基端部)については、開口335と対峙する位置に配されている。切替部材341は第1下流側通路322の下流側へ延びており、その先端部(回動先端部)については、上記開口335よりも下流側に位置している。
切替部材341には、当該切替部材341が誘導状態となっている場合に第1下流側通路322を流下(落下)する遊技球に対して当該第1下流側通路322の下流側から当接することにより同遊技球を第1下流側通路322の上流部322Uからの流れのままに開口335側へと導く機能が付与された誘導傾斜面343が形成されている。誘導傾斜面343は、非誘導状態においては回動基端側(上流側)の凡そ半分が上記開口335と対峙しているとともに、回動先端側(下流側)の凡そ半分が両下流側通路322,323を仕切る「仕切り部」としての起立壁部332Dと対峙している。また、誘導傾斜面343は開口335側への突出が抑えられており、同誘導傾斜面343によって第1下流側通路322(詳しくは中間部322M)の一部が構成されている。これにより、非誘導状態において第1下流側通路322の中間部322Mを通過する遊技球の落下経路のばらつきを誘導傾斜面343によって抑えることが可能となっている。
誘導状態への切替時には上記回動基端部を中心として切替部材341が回動し、これにより、同切替部材341における誘導傾斜面343の回動先端部が起立壁部332Dに対して近づく側に変位することとなる。そして、誘導傾斜面343の回動先端部が起立壁部332Dの上端縁に近接する位置(詳しくは当該上端縁よりも僅かに上位となる位置)に到達することで回動量が最大となり、切替部材341が停止する。係る状態においては、誘導傾斜面343が上流側通路321の延長上に位置することとなる。
このように誘導状態に切り替った場合には、誘導傾斜面343における回動基端側の端部に対して同誘導傾斜面343における回動先端側の端部が下方に位置し、同誘導傾斜面343が第2下流側通路323の入口部分(開口335)に向けて下り傾斜した状態となる。このため、同誘導状態においては、上流側通路321から第1下流側通路322へ流入した遊技球は、誘導傾斜面343に衝突して同誘導傾斜面343に沿って移動することにより又は開口335側へ反射することにより第2下流側通路323(開口335)へと導かれることとなる。
なお、このように第2下流側通路323へ遊技球を誘導する機能に着目すれば切替部材341を「誘導手段341」と称することも可能である。また、第1下流側通路322の第1検知領域DE1への遊技球の流入を阻止する点に着目すれば、同切替部材341を「シャッタ341」と称することも可能である。
通路形成ユニット330の後方には、切替部材341を案内通路320への突出が抑えられた位置に向けて付勢する付勢部材351と、同付勢部材351の付勢力に抗して切替部材341を突出位置へと移動させるソレノイド式の切替部材用駆動部352と、それら各種構成351,352を収容する収容ケース353とを有してなる駆動ユニット350が設けられている。
切替部材用駆動部352は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、同主制御装置162から出力される信号に基づいて駆動する。本実施の形態においては、通常は付勢部材の付勢力によって切替部材341が非誘導状態にて保持され、上記右作動口85への入賞に基づく抽選にて特別当たりが発生した場合に切替部材用駆動部352が駆動することで同切替部材341が誘導状態へと切り替る。つまり、第2下流側通路323への遊技球の流入が許容されることとなる。
詳細については後述するが、第2下流側通路323へと流入した遊技球が第2検知センサ326によって検知されると右作動口85への入賞に基づく抽選結果に応じた当たりが確定し、第1下流側通路322へと流入した遊技球が第1検知センサ325によって検知されると右作動口85への入賞に基づく抽選結果に応じた当たりがキャンセルされる。つまり、案内通路320に流入した遊技球が第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2のうちどちらに到達するかによってその後の遊技進行に有利不利の差が生じる構成となっている。
ここで、開閉扉303及び切替部材341の動作について説明する。開閉扉303は上記右作動口85への入賞に基づく抽選にて特別当たりが発生した場合に可変入賞駆動部304が駆動することにより閉鎖状態から開放状態に切り替り、これと同期して切替部材用駆動部352が駆動することで同切替部材341が誘導状態へと切り替る。これに対して、開閉扉303及び切替部材341の初期状態への復帰タイミングについては同タイミングとならないように設定されている。具体的には、先ず切替部材341が非誘導状態に切り替わり、同切替タイミングから所定の期間が経過した後、開閉扉303が閉鎖状態へと切り替る。このため、右側大入賞口302に流入した遊技球は必ずしも第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2の一方にのみ到達するのではなく、右側大入賞口302への流入タイミングによって第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2のどちらに到達するかが振り分けられる構成となっている。詳しくは、開閉扉303の開放直後に流入した遊技球は第2検知領域DE2へと案内されやすく、開閉扉303の閉鎖直前に流入した遊技球は第1検知領域DE1へと案内されやすくなるように開閉扉303及び切替部材341の動作態様が設定されている。
以上詳述したように案内通路320を流下する遊技球をその途中位置にて有利不利の差が生じるように振り分ける構成においては、仮に案内通路320内(特に分岐部分)にて球詰まり等が発生すると、上述した振分が正常に行われなくなり遊技者や遊技ホールが不利益を被ると懸念される。このような不都合は、切替部材等の可動部の動きに起因して発生しやすいと想定される。この点、本実施の形態においては、切替部材341及びそれに関連する構成を工夫することにより、上記不都合の発生を好適に抑制している。以下、図16(a)に基づき切替部材341の動きと遊技球との関係について説明する。図16(a)においては便宜上、案内通路320に流入した遊技球を2点鎖線によって例示している。なお、切替部材341は通常、非誘導状態(初期状態)→誘導状態→非誘導状態の順に切り替るが、以下の説明においては先ず誘導状態及び同誘導状態→非誘導状態の切り替えについて説明し、その後、非誘導状態→誘導状態の切り替えについて説明する。
切替部材341が誘導状態となっている場合には、当該切替部材341(詳しくは誘導傾斜面343)における回動先端部分は、開口335の下端部(起立壁部332の上端部)と横並びとなる位置に配置されている。誘導傾斜面343と起立壁部332との隙間は、遊技球の直径よりも小さく設定されており、誘導傾斜面343に沿って移動した遊技球B1が切替部材341と起立壁部332との間に嵌まることが好適に回避されている。また、この誘導状態においては、誘導傾斜面343と開口335の上端部との間の隙間が、遊技球の直径寸法よりも大きくなるように設定されており、誘導傾斜面343に沿って移動する遊技球B1が開口335の上端縁と誘導傾斜面343との間に挟まることが回避されている。これにより、誘導状態における案内通路320内での球詰まりの発生が好適に回避されている。
係る誘導状態から非誘導状態に復帰する場合には、切替部材341が回動することにより当該切替部材341の回動先端部分(下流側の端部)が起立壁部332Dから遠ざかる側へ移動する。この際、切替部材341は誘導状態にて遊技球の流下が不可となっていた領域を通過するようにして変位するため、同切替部材341と案内通路320の通路壁面(例えば開放部337の下端縁)と間に遊技球が存在することは無い。故に、切替部材341の非誘導状態への復帰が、遊技球の噛み込みによって妨げられることが回避される。
次に、切替部材341が非誘導状態から誘導状態に切り替る場合について説明する。切替部材341が非誘導状態から誘導状態に切り替る場合には、同切替部材341の回動に伴って誘導傾斜面343が起立壁部332Dに近づく側へ移動する。誘導傾斜面343と起立壁部332Dとの隙間が徐々に小さくなっている最中に、遊技球B2が開口335横を通過して第1下流側通路322の下流部322Lに到達すると、同遊技球B2が誘導傾斜面343と起立壁部332Dとの間に挟まる(噛み込む)可能性がある。仮にこのような遊技球B2の噛み込み発生すると、切替部材341の誘導状態への切り替えが妨げられることとなる。しかしながら、このように遊技球B2が噛み込んだ場合には、同遊技球B2に後続の遊技球B2を開口335へ誘導する機能が付与されることとなり、切替部材341が誘導状態に切り替っていなくとも開口335へ導かれるべき遊技球は同開口335へと導かれる。つまり、噛み込んだ遊技球B2を先頭とした球詰まり等の発生を回避し、更には案内通路320における遊技球の振分機能の低下を好適に抑制することができる。
但し、このようにして噛み込んだ遊技球B2がいつまでも案内通路320内に残留することは防犯機能向上の観点から好ましくない。詳しくは、既に説明したように、本実施の形態においては案内通路320に流入した遊技球の数と同案内通路320から流出した遊技球の数とを比較することにより、案内通路320における残存遊技球の数を把握することにより、案内通路320内で遊技球を意図的に往復させるといった不正行為等を抑制することが可能となっている。このため、上述の如く遊技球が案内通路320内にて残留し続けることは、防犯機能の信頼性向上の妨げとなり得るため好ましくない。
この点、本実施の形態においては上述の如く切替部材341は遊技球の流下が不可となっていた領域を通過するようにして変位するため、同切替部材341と案内通路320の通路壁面(例えば開放部337の下端縁)と間に遊技球が存在することは無い。つまり、遊技球B2を噛み込んだ状態から切替部材341が非誘導状態に復帰することを妨げるものは無い。このため、切替部材341が非誘導状態に切り替るようにして回動することにより、誘導傾斜面343が起立壁部332から遠ざかる側へ移動する。これにより、誘導傾斜面343と起立壁部332との隙間が拡がり、それら両者によって挟まれていた遊技球B2は、第1下流側通路322の下流部322Lへと流入することとなる。
上述の如く流下が停止されていた遊技球B2は、開口335横を通過し第2下流側通路323への流入の機会を逃しているものであるため、当該遊技球が下流部322Lへ流入することで、遊技者又はホール管理者が不利益を被ることはない。
このように、仮に切替部材341と通路壁面との間に遊技球が噛み込んだとしても、それに起因した球詰まり等の発生を回避可能とすることで、案内通路320における振分機能を好適に担保することができる。
収容ケース353は、通路形成ユニット330側に開放されており、その内部に上記付勢部材351や切替部材用駆動部352等が収容されている。駆動ユニット350は、ベースユニット300に対して通路形成ユニット330と共にネジ止めされ、これにより各ユニット300,330,350が一体化されている。このようにして一体化された状態では、収容ケース353の開放部位が上記通路形成ユニット330(詳しくは基部331)によって覆われた状態となり、右側可変入賞装置83外部からの切替部材用駆動部352や切替部材341へのアクセスが困難となる。また、案内通路320についても、ベースユニット300と駆動ユニット350とによって前後に挟まされた状態となることで、右側可変入賞装置83の外部への露出が抑えられ、当該案内通路320への不正なアクセスが抑制されている。
収容ケース353の背面側には、遊技機後方に突出させて振動センサ355が取り付けられている。この振動センサ355によって右側可変入賞装置83に生じた(加わった)振動を検知することが可能となっている。
上述の如く案内通路320に流入した遊技球が第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2のうちどちらに到達するかによってその後の遊技進行に有利不利の差が生じる構成においては、パチンコ機10を叩いたり揺すったりすることで、遊技球の移動先を変化させるといった行為がなされると想定される。この点、本実施の形態においては、上記振動センサ355を右側可変入賞装置83に配設することにより、そのような行為が行われた場合には、これを容易に把握することができる。
また、本実施の形態においては、振動センサ355のみならず、パチンコ機10への振動等による上記不都合の発生を抑えるための各種工夫が施されている。以下、図16及び図17に基づき案内通路320における対振動構造について説明する。図17(a)は図15のB−B線部分断面図、図17(b)は図15のC−C線部分断面図である。なお、図17(a)において第1下流側通路と第2下流側通路との関係、図17(b)において検知センサと案内通路との位置関係を概略的に示している。
既に説明したように、第1下流側通路322及び第2下流側通路323は左右に並設されている。これら両下流側通路322,323に連通する開口335については、図16(a)に示すように、同下流側通路322,323の並設方向、詳しくは上記切替部材341側に開放されているとともに、第1下流側通路322における上流部322Uの延長上から外れた位置に配置されている。更には、下流側通路322の上記並設方向における通路幅寸法は、遊技球の直径寸法よりも僅かに大きい程度に抑えられている。これにより、第1下流側通路322に沿って落下する遊技球が切替部材341による誘導なしに開口335へ流入することが好適に抑制されている。
また、案内通路320(詳しくは上流側通路321)は、右側大入賞口302に流入した遊技球が案内通路320に移る際に上流側通路321にて十分に減速されるとともに上流側通路321の延長先において再び減圧され、当該上流側通路321の延長上に位置する壁面に沿って移動することにより同遊技球の横方向への跳ね返りが十分に抑制される構成となっている。これにより、切替部材341が第1下流側通路322に突出していない場合には、鉛直落下している遊技球が当該第1下流側通路322(詳しくは上流部322U)にて暴れる等して開口335へ流入するといった不都合の発生が好適に回避されている。
図16(b)及び図17(a)に示すように、ベースユニット300の後側パネル部材307において第1下流側通路322の上流部322U及び中間部322Mを形成している部位、すなわち通路内壁面を形成している部位(以下便宜上、内壁面形成部位307aと称する)は、遊技機後方を向く平面状をなしており、同案内通路320内方への突出や隆起が回避されている。また、通路形成ユニット330の基部331において第1下流側通路322の上流部322U及び中間部322Mを形成している部位、すなわち通路内壁面を形成している部位(以下便宜上、内壁面形成部位331a)は、遊技機前方を向く平面状をなしており、同案内通路320内方への突出や隆起が回避されている。
より詳しくは、各内壁面形成部位307a,331aについては、上下方向や左右方向への傾斜が回避されており、内枠13及び前扉枠14の並設方向(前後方向)と直交するようにして配置されている。
このため、仮に遊技球が第1下流側通路322を落下している際に前扉枠14が叩かれたり遊技機が前後に揺すられたりすることで内壁面形成部位307a,331aと遊技球とが干渉した場合であっても、内壁面形成部位307a,331aの一方に当たった遊技球は同内壁面形成部位307a,331aの他方側へ反射しやすいと想定される。つまり、上記干渉によって遊技球が開口335側や同開口335とは反対側に反射することを好適に回避することができる。これにより、上述した台叩き等に起因した振動等の揺れによって遊技球の振分先が変化することを好適に抑制することができる。
また、図16(a)及び図17に示すように、通路形成ユニット330の起立壁部332において第1下流側通路322の上流部322Uを形成している部位、すなわち通路内壁面を形成している部位(以下便宜上、内壁面形成部位332aと称する)は、左右を向く平面状をなしており、同案内通路320内方への突出や隆起が回避されている。より詳しくは、各内壁面形成部位332aについては、上下方向や前後方向への傾斜が回避されており、左右方向と直交するようにして配置されている。このため、仮に遊技球が第1下流側通路322を落下している際に前扉枠14が叩かれたり、遊技機が前後に揺すられたりして遊技球の落下経路が両内壁面形成部位332aのうち一方寄りとなるように変化した場合であっても、それら内壁面形成部位332aによって遊技球が開口335側や同開口335とは反対側に押されることを好適に回避することが可能となっている。
また、本実施の形態においては、上記第1下流側通路322へ流入する遊技球が内壁面形成部位307a,331aの中間位置に到達し、それら各内壁面形成部位307a,331aに対して同遊技球が接触することを抑制するための工夫が施されている。以下、図14及び図17(b)を参照して、当該工夫について説明する。図17(b)は右側大入賞口302の出口部分と案内通路320との位置関係を示す概略図である。
既に説明したように、右側大入賞口302の出口部分には、当該右側大入賞口302に流入した遊技球を検知する検知センサ305が配設されている。図14に示すように、検知センサ305には、上下方向に貫通する貫通孔305aが形成されており、当該貫通孔305aによって囲まれた領域を遊技球が通過することで、同遊技球が検知される構成となっている。
貫通孔305aは丸孔状をなしており、その内径寸法が遊技球の直径寸法よりも僅かに大きくなるように設定されている。これにより、当該貫通孔305aを通過する際の遊技球の落下経路のばらつきが抑えられている。つまり、右側大入賞口302へ流入した遊技球は、検知センサ305を通過する際に、その落下経路が貫通孔305aの中心軸線CLに沿うように規定されることとなる。
図17(b)に示すように、貫通孔305aの中心軸線CLは、後側パネル部材307と基部331との中間に位置している。このため、貫通孔305aを通過した遊技球は、後側パネル部材307と基部331との中間位置に落下し、それら各構成307,331と案内通路320へ流入した遊技球との間には隙間が確保されることとなる。
ここで、上流側通路321の底部332Bについては前後方向への傾きが回避されているため、遊技球と後側パネル部材307及び基部331と間に設けられた上記隙間は遊技球が同底部332Bに沿って移動している間は担保されることとなる。これにより、第1下流側通路322へ流入した遊技球と上記内壁面形成部位307a,331aとの間に隙間が確保された状態となる。
また、本実施の形態においては、上述した振動等に対する防御機能の他に、磁石等の磁気に対する防御機能が付与されて、パチンコ機10における防犯性の強化が図られている。具体的には、遊技領域PEにおいては遊技球の流下経路に沿うようにして複数の磁気センサが配置されており、これら各磁気センサによって磁石等を用いた不正行為が行われていないかを監視可能となっている。
特に、右側可変入賞装置83においては、上述の如く遊技球の入球のタイミング等によって有利不利の差が発生するため、磁石等によって右側大入賞口302への遊技球の流入タイミングや下流側通路322への流入タイミングが調整されることで同遊技球を各下流側通路322,323へと任意に振り分けられることは好ましくない。そこで、上記磁気センサのうち少なくとも1つについては、右側可変入賞装置83の周辺に配置され、同右側可変入賞装置83周辺での磁石等の使用を監視する構成を採用している。
以下、図4,図12,図14,図18に基づき、右側可変入賞装置83に付随する磁気センサ311及び同磁気センサ311に関連する構成について説明する。図18は、案内通路320と磁気センサ311との位置関係を示す概略図である。
図4に示すように、右側可変入賞装置83(詳しくはベースユニット300)において右側大入賞口302の下方となる部位には、当該右側可変入賞装置83へ入賞することなく右側大入賞口302の前方を通過した遊技球を遊技領域PEの中央側へと導く球通路315が設けられている。球通路315によって右側可変入賞装置83を素通りした遊技球を下作動口84の下方へと導くことにより、右側可変入賞装置83へ入賞しなかった遊技球にも一般入賞口81への入球の機会を与えることが可能となっているとともに、第2下流側通路323への遊技球の流入に基づき右側可変入賞装置83に続いて下側可変入賞装置82が開放された場合に遊技球発射ハンドル41の操作量を変更することなく、当該下側可変入賞装置82へ遊技球を入賞させることが可能となっている。
図14に示すように、球通路315はベースユニット300の前側パネル部材306から遊技機前方に起立する起立部308を有してなる。起立部308は、上述した上流側通路321に沿うようして左右に延びる突条をなしている。より詳しくは、起立部308は、通路形成ユニット330における上流側通路321の底部332Bの前方に位置し同底部332Bに沿って延びている。なお、ベースユニット300の起立部308は球通路315の通路長が上流側通路321の通路長よりも長くなるように設定されており、同起立部308の中間部位が遊技機正面視において第1下流側通路322と交差している。
起立部308については、遊技機正面視において上流側通路321と同起立部308の一部が重なるようにして形成されている。より詳しくは、起立部308はその一部が上流側通路321の前方に位置しているものの、同起立部308と上流側通路321との重なり量が上流側通路321を通過する遊技球の視認性を担保できる程度となるようにして形成されている。
起立部308の起立先端部分には、遊技機後方へと凹む溝部309が形成されている。溝部309は上流側通路321に沿うようにして形成されており、その内部には上記磁気センサ311が収容されている。溝部309については、装飾が施されたカバー部材313によって遊技機前方から覆われており、磁気センサ311を遊技機前方から視認しにくくなっている。また、カバー部材313については、ベースユニット300の背面側から固定されているとともに、それら固定部分は通路形成ユニット330等によって覆われている。これにより、磁気センサ311へのアクセスや取外しを困難なものとし、防犯機能の向上が図られている。
磁気センサ311は、溝部309と同様に上流側通路321に沿って延びる横長状をなしており、少なくとも上流側通路321の全域が磁気検知の範囲となるように構成されている。また、磁気センサ311は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該磁気センサ311からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、右側可変入賞装置83付近における磁気の変化を監視し、例えば磁石等を用いた不正行為が行われた場合には、同不正行為を主制御装置162にて把握することが可能となっている。
本実施の形態においては、上述した振動や磁気等に対する防御機能の他に、有害な電波等に対する防御機能が付与されパチンコ機10の機能担保が図られている。具体的には、上述したように各種検知センサ305,325,326等に磁気センサを採用している場合には、同検知センサ305,325,326等に電磁波が照射されることで検知信号にノイズ等が混入し、入賞が発生していないにも関わらずあたかも入賞が発生したかのよう検知信号が改ざんされる可能性がある。そこで、このような不都合の発生を抑制すべく遊技盤80には電波センサ371が設けられている。
電波センサ371は、右側可変入賞装置83に隣接するようにして、遊技盤80の前面であって遊技領域PE外となる領域に配置されている。また、電波センサ371は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該電波センサ371からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、右側可変入賞装置83に向けた電波の照射を監視し、例えば第2検知センサ326等に電波が照射された場合には、同不正行為を主制御装置162にて把握することが可能となっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図19のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242及び各種検知センサなどが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、センサ群の一部として、一般入賞口81,下側可変入賞装置82,右側可変入賞装置83,下作動口84,右作動口85及びスルーゲート86などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、下作動口84及び右作動口85への入賞に基づいて大当たりや特別当たりの発生抽選を実行するとともに、スルーゲート86への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び音声ランプ制御装置143(詳しくは音声ランプ制御基板651)が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82,83への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口84への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右作動口85への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置143には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下側可変入賞装置82の可変入賞駆動部82c、右側可変入賞装置83の可変入賞駆動部304、切替部材341の駆動部352、右作動口85の電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部91b、及び主表示ユニット87が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては下側可変入賞装置82の開閉扉82bが開閉されるように、MPU602において可変入賞駆動部82cの駆動制御が実行される。また、電動役物91の開放状態当選となった場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部91bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示部Dの発光制御が実行される。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた各種ランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置725を制御するものである。
音声ランプ制御基板651は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて各種ランプ部26〜28、スピーカ部29及び表示制御装置725を制御するものである。演算装置であるMPU661は、そのMPU661により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM662と、ワークメモリ等として使用されるRAM663とを備えている。RAM663は、各種カウンタエリア671や各種フラグ格納エリア672を備えている。
表示制御装置725では、音声ランプ制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置96の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たりや特別当たりの発生抽選、主表示部Dの表示の設定(すなわち主表示基板の発光態様の設定)、図柄表示装置96の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図20に示すように、大当たりや特別当たりの発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、後述する高頻度サポートモードの有無を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示部Dの下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DR並びに図柄表示装置96における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右作動口85の電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC3を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。RAM604には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア632が設けられている。そして、この保留球格納エリア632に、下作動口84又は右作動口85への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図21を用いて説明する。図21に示すように、当否テーブルとしては、各作動口84,85に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下作動口84への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の当否テーブル(下作動口用当否情報群)と、右作動口85への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の当否テーブル(右作動口用当否情報群)とが設定されている。
上記抽選に際して下作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図21(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち、「7」及び「307」が大当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
一方、上記抽選に際して右作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、上記下作動口用の当否テーブルと同様に、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。また、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「51〜60」,「151〜160」,・・・,「551〜560」が特別当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
ここで、大当たり結果と特別当たり結果と違いについて説明する。各作動口84,85への入賞に基づいた抽選により大当たり結果となった場合には、下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行される。一方、同抽選により特別当たり結果となった場合には、直ちに下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されるのではなく、もう一度別の抽選を行う権利が付与されることとなり、その抽選に当選することで上記大当たり結果の場合と同様に下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されることとなる。
具体的には、特別当たり結果となった場合には、先ず右側可変入賞装置83が開状態に移行される。その際、右側大入賞口302に入賞した遊技球が上記両下流側通路322,323のうち第2下流側通路323に流入することで当たりが確定し、下側可変入賞装置82が開閉実行モードに移行される。言い換えれば、特別当たりに当選した場合には、第2下流側通路323への入球を契機として大当たりと同様の結果が遊技者に対して付与される。なお、第2下流側通路323への入球によって当たりが確定する点に着目すれば、同第2下流側通路323を「有利入球部(特定入球部)323」と称することも可能である。
次に当たり種別カウンタC2について説明する。当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図22を用いて説明する。図22に示すように、振分テーブルとしては、各作動口84,85に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下作動口84への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の振分テーブル(下作動口用振分情報群)と、右作動口85への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の振分テーブル(右作動口用振分情報群)とが個別に設定されている。
これら振分テーブルを参照して、開閉実行モード終了後の右作動口85の電動役物91におけるサポートモードの振分が行われる。
右作動口85の電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右作動口85の電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC3を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右作動口85よりも下作動口84への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下作動口84よりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右作動口85への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、スルーゲート用表示部DSにおける1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
本パチンコ機10では、大当たり結果又は特別当たり結果となった場合の低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードへの振分態様は、下作動口84への入賞に基づいて当たり当選となった場合と、右作動口85への入賞に基づいて当たり当選となった場合とで異なっている。
具体的には、上記振分に際して下作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図22(a)に示すように、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜14」の15個である。一方、上記振分に際して右作動口用の振分テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、図22(b)に示すように、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜24」の25個である。つまり、下作動口84への入賞により大当たりに当選した場合には1/2の確率で高頻度サポートモードに振り分けられ、右作動口85への入賞により大当たり又は特別当たりに当選した場合には、5/6の確率で高頻度サポートモードに振り分けられることとなる。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらにサポートモードの変更は発生しない。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87の下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示時間と、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置96による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC3は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート86に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC3の値によって電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C3=0〜199であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C3=200〜249であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623が用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア624が用いられる。
<主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断信号の入力により起動され、RAM604の各種フラグ格納エリアにおける電断フラグ格納エリア(電断情報記憶手段)に電断フラグ(電断情報)を格納するNMI割込み処理が実行されるが、同処理についての詳細な説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むと共に、同検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC3の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート86への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。
<スルー用の入賞処理>
ここで、スルー用の入賞処理について図24のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球がスルーゲート86に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート86に入賞したと判定した場合には、ステップS202に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
ステップS201でスルーゲート86に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS202にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC3の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球がスルーゲート86に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS203に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS204では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC3の値をRAM604の電役保留エリア633の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、保留数用表示部DHを点灯させるための処理を実行する。役物保留記憶数SNに応じて保留数用表示部DHに対応する発光体が順次点灯されるようになっている。
その後、ステップS105にて、作動口84,85への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
以下、作動口用の入賞処理について図25のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、遊技球が下作動口84に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口84に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口84に入賞したと判定すると、ステップS302では、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS303では、下作動口84に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS304では、結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS305では、当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS301にて遊技球が下作動口84に入賞していないと判定した場合、ステップS306では、遊技球が右作動口85に入賞(始動入賞)したか否かを右作動口85に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が右作動口85に入賞したと判定すると、ステップS307にて払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS308では、右作動口85に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS309では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS305にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS301、ステップS306の両者にて否定判定をした場合には、すなわち下作動口84及び右作動口85のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS302,S307にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて払出制御装置242に対して送信される。
ここで、ステップS305の情報取得処理を図26のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS401では、上述したステップS304又はステップS309にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS402にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS403にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS404では、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。かかるステップS404の処理機能が本実施形態における抽選手段を構成する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図27のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S508の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS509,S510のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置143に対して送信する。
次に、ステップS502では、磁気センサ311等の各種監視センサからの信号に基づいて遊技機に異常が発生していないかの異常監視処理を実行する。この異常監視処理に関しての詳細な説明は後述する。
次に、ステップS503では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS504では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たりや特別当たりの当たり判定、図柄表示装置96による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の各表示部DL,DRの表示制御などを行う。この遊技回制御処理についての詳細は後述する。
その後、ステップS505では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードや高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS506では、右作動口85に設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物91を開状態とするか否かの判定、スルーゲート用表示部DSの表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
その後、ステップS507では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS508にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS509では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS510では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS501〜S508の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS505の遊技回制御処理を図28〜図30のフローチャートを参照して説明する。
図28に示す遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口84,85への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、主表示ユニット87の作動口用表示部DL,DRのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、作動口用表示部DL,DRのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動口用表示部DL,DRが変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、下作動口84及び右作動口85のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にて作動口用表示部DL,DRにおける変動表示及び図柄表示装置96における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS602にて、作動口用表示部DL,DRが変動表示中であると判定された場合には、ステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理を実行する。
遊技回進行用処理では、先ずステップS606にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、後述する変動表示時間の設定処理(ステップS814)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS607にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る作動口用表示部DL,DRにおける表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS608にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、後述するステップS806等のいずれかの処理にてRAM604に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る表示部DL,DRにて表示されるように当該表示部DL,DRを表示制御する。
続くステップS609では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS609にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図27)におけるステップS501にて主表示ユニット87に送信される。主表示ユニット87では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回に係る所定の絵柄を確定表示(最終停止表示)させる。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
<データ設定処理>
先ず、データ設定処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち右作動口用表示部DRについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、右作動口85に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS703では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS706では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が下作動口用表示部DL又は右作動口用表示部DRのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置143に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM603のコマンド情報記憶エリア625から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち下作動口84に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図27)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット88の下作動口用保留ランプ部98における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS709では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS712では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置143に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM603のコマンド情報記憶エリア625から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち右作動口85に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図27)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット88の右作動口用保留ランプ部99における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。変動開始処理では、主表示ユニット87の各作動口用表示部DL,DRにおける変動表示を開始させるとともに、図柄表示装置96における変動表示を開始させるように音声ランプ制御装置143に出力するコマンドを設定する。
先ずステップS801にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり結果、特別当たり結果、又は外れ結果のいずれに対応しているかを判定する。具体的には、先ず入賞先が下作動口84及び右作動口85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記当否テーブルを選択し、その選択した当否テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1の値が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。大当たり結果に対応していない場合、特別当たり結果に対応しているか否かを判定する。特別当たり結果に対応していない場合、外れ結果に対応しているものと判定する。つまり、当たり乱数カウンタC1の値が外れ結果に対応した値と一致するか否かの判定を行わない。
なお、当否判定処理の方法を変更してもよく、例えば、大当たり結果に対応しているか否か、特別外れ結果に対応しているか否か、及び、完全外れ結果に対応しているか否かの判定をそれぞれ行うようにしてもよい。
続くステップS802では、振分判定処理を実行する。振分判定処理では、ステップS801での当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果であるか否かを判定し、判定の結果が外れ結果である場合には本処理を終了する。一方、当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果である場合には、入賞先が下作動口84及び右作動口85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記振分テーブルの選択を行い、その選択された振分テーブルを参照して当たり種別カウンタC2の値が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。つまり、当たり種別カウンタC2の値が低頻度サポートモードに対応しているか否かの判定を行わない。
当否判定処理及び振分判定処理を実行したらステップS803〜ステップS811にて、今回の遊技回において作動口用表示部DL,DRで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。
具体的には、ステップS803では、当否判定処理の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合、ステップS804に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に開閉実行モードフラグをセットした後、ステップS805に進む。
ステップS805では振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS806に進み、高頻度サポートモード対応の大当たり(以下便宜上、第1大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第1大当たり当選用の停止結果設定処理においては、第1大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1大当たり結果に対応していることを特定できる。第1大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS807に進み、高頻度サポートモード非対応の大当たり(以下便宜上、第2大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第2大当たり当選用の停止結果設定処理においては、第2大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2大当たり結果に対応していることを特定できる。第2大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
ステップS801での当否判定処理の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS808に進み、同当否判定処理の結果が特別当たり当選であるか否かを判定する。特別当たり当選である場合、ステップS809に進み、抽選結果確定モードフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア635にセットした後、ステップS810に進む。なお、抽選結果確定モードフラグは、特別当たり発生後に、右側可変入賞装置83を開放することで、上述した有利入球部としての第2下流側通路323への入賞を許容するフラグであり、同フラグについての詳細は後述する。
続くステップS808では、振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS811に進み、高頻度サポートモード対応の特別当たり(以下便宜上、第1特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第1特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、第1特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1特別当たり結果に対応していることを特定できる。第1特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS812に進み、高頻度サポートモード非対応の特別当たり(以下便宜上、第2特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第2特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、第2特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2特別当たり結果に対応していることを特定できる。第2特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
ステップS808にて特別当たりに当選していないと判定された場合、ステップS813に進む。ステップS813では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。本停止結果設定処理では、表示テーブルに記憶された完全外れ結果に対応した表示データが停止結果として設定される。各停止結果設定処理では、変動表示が終了した場合の各表示部DL,DRにおける停止結果を設定する。
ステップS806、ステップS807、ステップS811、ステップS812、ステップS813のいずれかにて停止結果設定処理を実行したら、ステップS814に進む。ステップS814では、変動表示時間の設定処理を実行する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに変動表示時間をセットする。変動表示時間カウンタエリアの値は所定期間毎に減算されるようになっており、その値が「0」となった場合にその遊技回が終了される。
変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、ROM603に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択するようになっている。変動表示時間テーブルには、大当たり結果に対応したものと、特別当たり結果に対応したものと、外れ結果に対応したものと、が設定されている。これにより、変動種別カウンタCSの値が同一であったとしても遊技結果によって変動表示時間を異ならせることが可能となる。この結果、設定される変動表示時間のパターンを多様化できる。
変動表示時間を設定したらステップS815に進む。ステップS815では、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、大当たり結果、特別当たり結果、高頻度サポートモード対応の有無の情報などが含まれる。
ステップS815にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図27)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置96での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置143から表示制御装置725に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置725では、音声ランプ制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。
その後、ステップS816にて、各表示部DL,DRにおいて絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
ここで、再び図6を参照し、各作動口用表示部DL,DRにおける表示態様について説明する。既に説明したように、主表示ユニット87の主表示部Dは自身の後方に配置された主表示基板から供給される光によって表示態様が決定されている。主表示基板には26個の発光体87aが設けられており、そのうち10個が下作動口用表示部DLに割り当てられている。これら10個の発光体87aが点滅等することにより変動表示が行われるとともに、最終的に点灯又は消灯することで停止絵柄が表示される。下作動口用表示部DLにおける停止絵柄としては、第1大当たり結果,第2大当たり結果及び外れ結果が設定されている。
また、右作動口用表示部DRについても10個の発光体87aが割り当てられており、これら発光体87aが点滅等することにより変動表示が行われる。右作動口用表示部DRにおける停止絵柄としては、第1大当たり結果,第2大当たり結果,第1特別当たり結果,第2特別当たり結果及び外れ結果が設定されている。
各表示部DL,DRにおける停止絵柄は、ROM603の停止結果テーブル記憶エリア624に、第1大当たり結果〜外れ結果の各結果に対応させて複数ずつ記憶され、表示態様の多様化が図られている。
本実施の形態においては特に、高頻度サポートモード対応の当たり結果に対応する停止絵柄の表示パターンと、高頻度サポートモード非対応の当たり結果に対応する停止絵柄の表示パターンとが同数となっている。これにより、停止された絵柄の表示パターンを確認することで抽選結果が高頻度サポートモード対応しているか否かを判別することを困難なものとしている。
なお、これら各表示部DL,DRの変動表示パターンについては、ROM603に記憶された表示テーブルによって予め複数設定されており、変動パターン決定の際には同表示テーブルを参照する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS505の遊技状態移行処理を図31のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS901では、大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中か否かを判定する。大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中でない場合には、ステップS902に進む。ステップS902では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中か否かを判定する。つまり、右作動口85への入賞に基づく抽選結果が特別当たり結果となり、右側可変入賞装置83への遊技球の流入が許容されるモードへ切り替わっているか否かを判定する。
ステップS901及びステップS902のそれぞれでは、各種フラグ格納エリア635に設けられた開閉実行モードフラグ格納エリア及び抽選結果確定モードフラグ格納エリアに対応したフラグがセットされているか否かによって判定する。なお、抽選結果確定モードフラグは、右作動口85への入賞に基づく抽選を行った際に、特別当たりに当選することで上記フラグ格納エリアに格納される。
ステップS902にて特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中であると判定した場合には、ステップS903の特別当たり用の移行処理に進む。この特別当たり用の移行処理については後述する。
一方、ステップS902にて抽選結果確定モード中でないと判定した場合、ステップS904に進む。ステップS904では、1の遊技回の各表示部DL,DRにおける変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS905にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。同フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS906にて第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
続くステップS907においては、今回の当たり結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定し、同高頻度サポートモードに対応している場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートモードフラグをセットする。
ステップS907の処理を実行した後は、ステップS908にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図27)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置143に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度サポートモード又は低頻度サポートモードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置143から表示制御装置725に送信され、表示制御装置725では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。ステップS908の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、図32のフローチャートを参照して特別当たり用の移行処理について説明する。
先ずステップS1001では、右側可変入賞装置83が第1開放パターンによる開放中(以下、第1開放パターン中という)であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開放パターンフラグ格納エリアに第1開放パターンフラグが格納されているか否かを判定する。当該第1開放パターンフラグは、後述するフラグ・タイマ設定処理(ステップS1004)にて遊技状態を抽選結果確定モードに移行させる場合に格納され、抽選結果確定モードを終了させる場合(ステップS1019,S1020)に消去される。
ステップS1001にて右側可変入賞装置83が第1開放パターン中でないと判定された場合には、ステップS1002に進む。ステップS1002では、右側可変入賞装置83が第2開放パターンによる開放中(以下、第2開放パターン中という)であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開放パターンフラグ格納エリアに第2開放パターンフラグが格納されているか否かを判定する。当該第2開放パターンフラグは、後述するフラグ・タイマ設定処理(ステップS1005)にて遊技状態を抽選結果確定モードに移行させる場合に格納され、抽選結果確定モードを終了させる場合(ステップS1019,S1020)に消去される。
ステップS1002にて右側可変入賞装置83が第2開放パターン中でないと判定された場合には、ステップS1003に進む。ステップS1003では、今回の開放パターンを第1開放パターン又は第2開放パターンのいずれにするかを決定する。かかる処理機能が本実施形態におけるパターン決定手段を構成する。具体的には、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値(特別当たり結果)が、第1開放パターンに対応した値か否かを判定する。ここで、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1のうちの上記特別当たり結果〔図21(b)参照〕に対応した「51〜60」,「151〜160」,「251〜260」,「351〜360」,「451〜460」,「551〜560」のうち、「51〜60」,「251〜260」,「451〜460」が第1開放パターンに相当し、「151〜160」,「351〜360」,「551〜560」が第2開放パターンに相当する。
ステップS1003にて当たり乱数カウンタC1の値が第1開放パターンに対応した値であると判定された場合には、ステップS1004に進む。ステップS1004では、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開放パターンフラグ格納エリアに第1開放パターンフラグを格納すると共に、RAM604に設けられた第1タイマエリアt1に「800」をセットする。第1タイマエリアt1にセットされたカウント値は、所定周期(2msec周期)で1ディクリメントされる。
一方、ステップS1003にて当たり乱数カウンタC1の値が第1開放パターンに対応した値でない、すなわち第2開放パターンに対応した値であると判定された場合には、ステップS1005に進む。ステップS1005では、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開放パターンフラグ格納エリアに第2開放パターンフラグを格納すると共に、RAM604に設けられた第1タイマエリアt1に「1300」をセットする。
ステップS1004,S1005のフラグ・タイマ設定処理が終了するとステップS1006に進み、開放コマンドをセットするとともに、開閉扉303の開放処理を実行する。開放コマンドは、外部出力処理(ステップS501)にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、特別当たり結果に対応した抽選確定実行モードにおいて右側可変入賞装置83が開閉動作中である場合の演出を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。開閉扉303の開放処理では、右側大入賞口302を開放すべく可変入賞駆動部304を駆動状態とする。ステップS1006の処理を実行したら、本特別当たり用の移行処理を終了する。
一方、ステップS1001にて右側可変入賞装置83が第1開放パターン中であると判定した場合には、ステップS1007に進む。ステップS1007では、第1タイマエリアt1の値が「300」であるか否かを判定する。すなわち開閉扉303を開放した後、1秒が経過したか否かを判定する。第1タイマエリアt1の値が「300」であると判定した場合には、ステップS1008に進み、切替部材341を非誘導状態から誘導状態に切り替える駆動処理を行う。具体的には駆動部352を励磁することによって、切替部材341を誘導状態に切り替えることで、第1下流側通路322への遊技球の流入を不可とするとともに、第2下流側通路323へ遊技球を誘導可能な状態とする。
ステップS1007にて第1タイマエリアt1の値が「300」であると判定しなかった場合、又は、ステップS1008にて切替部材341の駆動処理を実行した場合には、ステップS1009へ移行する。
ステップS1009では、第1タイマエリアt1の値が「200」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材341を誘導状態に切り替えた後、0.2秒が経過したか否かを判定する。第1タイマエリアt1の値が「200」であると判定した場合には、ステップS1010に進み、切替部材341の復帰処理を実行する。切替部材復帰処理においては、駆動部352の励磁を解除することにより、切替部材341が非誘導状態へと切り替わる。これにより、第2下流側通路323への遊技球の流入が不可となり、この後のタイミングで右側可変入賞装置83に流入した遊技球は第1下流側通路322へ導かれることとなる。
ステップS1009にて第1タイマエリアt1の値が「200」であると判定しなかった場合、又は、ステップS1010にて切替部材341の復帰処理を実行した場合には、ステップS1017へ移行する。
一方、ステップS1002にて右側可変入賞装置83が第2開放パターン中であると判定した場合には、ステップS1011に進む。ステップS1011では、第1タイマエリアt1の値が「1250」であるか否かを判定する。すなわち開閉扉303を開放した後、0.1秒が経過したか否かを判定する。第1タイマエリアt1の値が「1250」であると判定した場合には、ステップS1012に進み、開閉扉303の閉鎖処理を実行する。かかる閉鎖処理では、右側大入賞口302を閉鎖すべく可変入賞駆動部304を非駆動状態とする。
ステップS1011にて第1タイマエリアt1の値が「1250」であると判定しなかった場合、又は、ステップS1012にて開閉扉303の閉鎖処理を実行した場合には、ステップS1013へ移行する。
ステップS1013では、第1タイマエリアt1の値が「800」であるか否かを判定する。すなわち開閉扉303を開放した後、1秒が経過したか否かを判定する。第1タイマエリアt1の値が「800」であると判定した場合には、ステップS1014に進み、再び開閉扉303の開放処理を実行すると共に、切替部材341の駆動処理を実行する。
ステップS1013にて第1タイマエリアt1の値が「800」であると判定しなかった場合、又は、ステップS1014にて開閉扉303の開放処理等を実行した場合には、ステップS1015へ移行する。
ステップS1015では、第1タイマエリアt1の値が「700」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材341を誘導状態に切り替えた後、0.2秒が経過したか否かを判定する。第1タイマエリアt1の値が「700」であると判定した場合には、ステップS1016に進み、切替部材341の復帰処理を実行する。
ステップS1015にて第1タイマエリアt1の値が「700」であると判定しなかった場合、又は、ステップS1016にて切替部材341の復帰処理を実行した場合には、ステップS1017へ移行する。
ステップS1017では、第1タイマエリアt1の値が「0」であるか否かを判定する。すなわち開閉扉303の開放終了のタイミングか否かを判定する。第1タイマエリアt1の値が「0」でない場合には、ステップS1018に進む。
ステップS1018では、有利入球部(特定入球部)としての第2下流側通路323に遊技球が流入したか否かを判定する。具体的には、上述したタイマ割込み処理におけるステップS101の読み込み処理にて、右側可変入賞装置83に設けられた第2検知センサ326が遊技球の入賞を検知していたか否かを判定する。ステップS1018にて第2下流側通路323への入賞有りと判定した場合、ステップS1019にて下側可変入賞装置82に対応した開閉実行モード設定処理を実行する。ステップS1018にて第2下流側通路323への入賞有りと判定しなかった場合、又は、ステップS1019にて開閉実行モード設定処理を実行した場合、そのまま本移行処理を終了する。かかる処理機能が本実施形態における特別遊技状態発生手段を構成する。
一方、ステップS1017にて第1タイマエリアt1の値が「0」であると判定した場合、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味する。この場合、先ず、ステップS1020にて、閉鎖コマンドをセットするとともに、開閉扉303の閉鎖処理を実行する。閉鎖コマンドは、外部出力処理(ステップS501)にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。具体的には、本処理が実行された場合、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味するため、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードの終了に対応した演出が実行される。例えば「リトライ!」等のメッセージを図柄表示装置96にて表示する。
続くステップS1021では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードフラグをクリアして特別当たり用の移行処理を終了する。
上記特別当たり用の移行処理により第1開放パターンが行われた場合には、図40(b)に示すように、右作動口用表示部DRにて特別当たりに対応した所定の絵柄が確定表示されたタイミングTx〔図40(a)参照〕から、所定時間(本実施形態では1.0秒)経過後のタイミングT0において開閉扉303が開放され、それから1.6秒経過した後のタイミングT4において、開閉扉303が閉鎖される。
一方、第2開放パターンが行われた場合には、図40(c)に示すように、右作動口用表示部DRにて特別当たりに対応した所定の絵柄が確定表示されたタイミングTx〔図40(a)参照〕から、所定時間(本実施形態では1.0秒)経過後のタイミングT0において開閉扉303の1度目の開放が行われ、それから0.1秒経過後のタイミングT1において一旦開閉扉303が閉鎖される。そして、そこから0.9秒経過後(1度目の開放開始タイミングT0から1.0秒経過後)のタイミングT2において開閉扉303の2度目の開放が開始され、それから1.6秒経過した後のタイミングT5において、開閉扉303が閉鎖される。なお、開閉扉303の1度目(0.1秒間)の開閉動作は、右側可変入賞装置83へ遊技球が入球できない程度の開閉速度で行われる。これに代えて、ある程度、右側可変入賞装置83へ遊技球が入球可能な開閉速度、例えば遊技球の発射間隔(例えば0.6秒)以下で行う構成としてもよい。ここで、第1開放パターンに係る開閉扉303の開閉動作(1.6秒)、及び、第2開放パターンに係る開閉扉303の2度目の開閉動作(1.6秒)が本実施形態における長開閉動作に相当する。一方、第2開放パターンに係る開閉扉303の1度目の開閉動作(0.1秒)が本実施形態における短開閉動作に相当する。
また、図40(d)に示すように、両開閉パターン中とも同様に、開閉扉303の最初の開放開始タイミングT0から1秒経過後のタイミングT2において、切替部材341が非誘導状態から誘導状態に切り替えられ、それから0.2秒経過した後のタイミングT3において、切替部材341が非誘導状態に復帰する。
上記構成により、第2開放パターンが実行された場合には、右側可変入賞装置83へ入球した遊技球が第2下流側通路323への分岐に差し掛かる時点には、既に切替部材341が非誘導状態へ切り替わってしまっているため、遊技球が第2下流側通路323へ流入することがほとんどあり得ない状況となる。
かかる構成の下、本実施形態では、開発段階の実射試験等を経て、第1開閉パターン及び第2開閉パターンの出現率を上記のとおりそれぞれ50%とすることにより、右側可変入賞装置83へ入球した遊技球が第2下流側通路323を通過する通過率が12分の1となるように設定されている。
従って、右側可変入賞装置83へ入球した遊技球が第2下流側通路323を通過する通過率を変更したい場合には、各開閉パターンの出現率を変更すればよい。例えば、第1開閉パターンの発生率を50%→40%へ変更し、第2開閉パターンの発生率を50%→60%へ変更することにより、遊技球が第2下流側通路323を通過する通過率を低下させることができ、また第1開閉パターンの発生率を50%→70%へ変更し、第2開閉パターンの発生率を50%→30%へ変更することにより、遊技球が第2下流側通路323を通過する通過率を高めることができる。
なお、本実施形態では、遊技球が発射された後、当該遊技球が右側可変入賞装置83へ到達するまでの時間が約2秒に設定されている。かかる構成の下、右作動口用表示部DRにて特別当たりに対応した所定の絵柄が確定表示されたタイミングTxから、2秒経過後のタイミングT2において、切替部材341が非誘導状態から誘導状態に切り替えられる構成となっている。
なお、上記構成の下、仮にタイミングTxからタイミングT2までの時間が比較的長い(例えば5秒)場合には、遊技者が切替部材341の動作タイミング(開閉扉303の開放タイミング)に合わせて遊技球を発射させることが可能となる。その結果、著しく遊技者に有利となってしまい、遊技店側と遊技者側との利益バランスを大きく崩すおそれがある。この点、本実施形態では、右作動口用表示部DRにて所定の絵柄が確定表示された後、切替部材341の動作タイミングに合わせて遊技球を発射させる余裕がないため、このような不具合の発生を防止することができる。
遊技状態移行処理(図31)の説明に戻り、ステップS901にて大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS906〜ステップS912の大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード用の処理を実行する。
ステップS901にて大当たりに対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS909に進む。ステップS909では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS910にて下側可変入賞装置開閉処理を実行する。
下側可変入賞装置開閉処理では、下側大入賞口82aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部82cを駆動状態とすることで大入賞口82aを開放させる。また、大入賞口82aが開放中である場合には、当該大入賞口82aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部82cの駆動状態を停止し、大入賞口82aを閉鎖させる。
ステップS910にて下側可変入賞装置開閉処理を実行した後に、続くステップS911にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS912にて開閉実行モードフラグをクリアする。
ステップS912にて開閉実行モードフラグをクリアしたらステップS913に進み、高頻度サポートモードフラグがセットされているか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグがセットされていない場合、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。高頻度サポートモードフラグがセットされている場合、ステップS914に進み、RAM604に設けられた遊技回数カウンタに「100」をセットして本遊技状態移行処理を終了する。遊技回数カウンタに「100」がセットされることにより、高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、サポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。なお、高頻度サポート継続回数(制限遊技回数)は、100回に限定されることはなく、10回、20回、30回といった1回以上100回未満であってもよく、101回以上であってもよい。
<電役サポート用処理>
次に、通常処理におけるステップS506の電役サポート用処理を図33及び図34のフローチャートを参照して説明する。
図33に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1101にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、右作動口85の電動役物91を開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1102に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物91を開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1103に進み、RAM604に設けられた第2タイマエリアt2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアt2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
第2タイマエリアt2の値が「0」である場合には、ステップS1104にて、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1105にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で主表示ユニット87のスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了される。
第2タイマエリアt2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1106にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1107にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1108にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1109にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC3の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアt2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2タイマエリアt2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1110では、ステップS1109の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1111の処理を実行することなくステップS1112に進み、サポート当選である場合には、ステップS1111にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM604に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1112に進む。
ステップS1112では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされる。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1113にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1114では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1114にて設定された低頻度サポートコマンドは、外部出力処理(ステップS401)にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置725に送信する。表示制御装置725では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1115にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC3の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアt2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS1116では、ステップS1115の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1117にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1102にて肯定判定をし、ステップS1118に進み、第2タイマエリアt2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアt2の値が「0」でない場合には、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアt2の値が「0」である場合には、ステップS1119にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態でスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1120では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1121に進み、電動役物91を開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、図34のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1201にて電動役物91が開放中であるか否かを判定する。電動役物91が開放中であるか否かは、電動役物駆動部91bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物91が開放されている場合にはステップS1202に進み、第2タイマエリアt2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマエリアt2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアt2の値が「0」である場合にはステップS1203に進み、電動役物91を閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアt2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
その後、ステップS1204では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1205にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、ステップS1206にてサポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物91が開放中でない場合にはステップS1201にて否定判定をし、ステップS1207に進む。ステップS1207では、第2タイマエリアt2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアt2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアt2が「0」である場合には、ステップS1208にて、電動役物91を開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS1209にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1210にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1211にて第2タイマエリアt2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1212にて第2タイマエリアt2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
次に、図35〜図39のフローチャートを参照して、通常処理のステップS502における異常監視処理について説明する。
<異常監視処理>
図35に示すように異常監視処理においてはステップS1301〜S1303の各処理にて各種監視センサ311,355,371からの検知信号に基づいてパチンコ機10に異常が発生していないかを監視し、仮に異常が発生している場合には、その種類毎に定められた報知等の各種処理を実行する。
具体的には、電波センサ371からの検知信号に基づいてパチンコ機10に対する電波の照射が行われたと判定した場合には、電波の照射が発生した旨の報知を音声ランプ制御装置143を通じて実行するとともに外部端子板681を通じてホールコンピュータに電波の照射が発生した旨の情報を出力する。
磁気センサ311からの検知信号に基づいてパチンコ機10に対する磁気の照射が行われたと判定した場合には、磁気の照射が発生した旨の報知を音声ランプ制御装置143を通じて実行するとともに外部端子板681を通じてホールコンピュータに磁気の照射が発生した旨の情報を出力する。更には、所定の解除操作が行われるまで遊技機の進行を一時的に停止させる。
また、振動センサ355からの検知信号に基づいてパチンコ機10に振動が加わったと判定した場合には、振動が加わった旨の報知を音声ランプ制御装置143を通じて実行するとともに外部端子板681を通じてホールコンピュータに振動が加わった旨の情報を出力する。更には、振動発生に基づいて監視が強化され、同監視強化中に遊技球の入賞が発生した場合には、所定の解除操作が行われるまで遊技機の進行を一時的に停止させる。
<電波センサ監視処理>
以下、先ず図36を参照し電波センサ371からの検知信号に基づいて行われるステップS1301の電波センサ監視処理について説明する。
電波センサ監視処理では、ステップS1401にて電波検知に対応する報知を実行中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた報知期間用カウンタITCが「0」であるか否かを判定する。報知期間用カウンタITCは、電波検知に対応する報知を実行する期間を定めるカウンタである。
ステップS1401にて否定判定をした場合、すなわち電波検知を実行中でないと判定した場合には、ステップS1402に進み電波センサ371からの信号を無効とする期間中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた無効期間用カウンタCTCが「0」であるか否かを判定する。本実施の形態においては、電波検知に対応する報知が実行されてから「1sec」は電波センサ371の検知信号に基づく各種判定が無効化され、例えば携帯電話等から発せられる電波等の影響により過剰な報知が実行されることを抑制している。
ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1403に進む。ステップS1403では、電波センサ371から電波検知に対応する検知信号が入力されているか否かを判定する。ステップS1403にて肯定した場合には、ステップS1404にてRAM604の各種カウンタエリア634に設けられた検知用カウンタTC1を「1」加算し、続くステップS1405にて検知用カウンタTC1の値が「3」となっているか否かを判定する。ステップS1405にて否定判定をした場合にはそのまま本電波センサ監視処理を終了する。一方、ステップS1405にて肯定判定をした場合には、続くステップS1406にて電波検知報知処理を実行した後本電波センサ監視処理を終了する。
電波検知放置処理では、電波検知に対応する報知実行用のコマンドを音声ランプ制御装置143に対して出力するとともに外部端子板681を通じてホールコンピュータに電波検知に対応した情報を出力し、上記報知期間用カウンタITCに「7750:31secに相当」をセットする。音声ランプ制御装置143では、報知実行用コマンドを受信することで、エラー表示ランプ部27を点灯させるとともにスピーカ部29から警告音を出力し、更には図柄表示装置96の表示画面96aに電波を受信した旨のメッセージを表示する。
なお、音声ランプ制御装置143においては、上述した報知を実行するか否かを遊技ホールの営業形態等に応じて任意に選択することが可能となっている。具体的には、音声ランプ制御装置143には前扉枠14に配設された演出用ボタンが電気的に接続されているが、パチンコ機10の電源ON時にこの演出用ボタンを押したままON操作を行うことで音声ランプ制御装置143による報知が制限されることとなる。つまり、上記報知実行用コマンドを受信した場合であっても、上記報知が回避されることとなる。
一方、ステップS1403にて否定判定をした場合、すなわち電波検知に対応する検知信号が入力されていない場合には、ステップS1407に進む。ステップS1407では、検知用カウンタTC1が「0」であるか否かを判定する。ステップS1407にて肯定判定をした場合には、そのまま本電波センサ監視処理を終了し、ステップS1407にて否定判定をした場合には続くステップS1408にて検知用カウンタTCの値を「1」減算した後、本電波センサ監視処理を終了する。
これらステップS1404,S1405,S1407,S1408の各種処理は、電波センサ371からの検知信号にノイズ等が混入した場合に、同ノイズによってステップS1406の電波検知報知処理が実行されることを抑制するための工夫である。なお、検知用カウンタTCを不採用とし、電波検知に対応する検知信号が入力された場合には直ちに電波検知用報知処理を実行する構成とすることも可能である。
以上詳述した各種処理は、電波検知用報知が実行中でなく且つ無効期間中でもない場合に実行される。一方、電波検知用報知が終了した後の無効期間中である場合には、以下の処理が実行される。すなわち、ステップS1402にて肯定判定をした場合(無効期間用カウンタCTCが「0」でない場合)にはステップS1409に進み、無効期間用カウンタCTCの値を「1」減算する。
また、電波検知用報知の実行中である場合、すなわちステップS1401にて肯定判定をした場合には、ステップS1410〜S1413の報知実行中の各種処理を実行する。具体的には、先ずステップS1410にて報知期間用カウンタITCの値を「1」減算し、続くステップS1411にて報知期間用カウンタITCが「0」であるか否かを判定する。
ステップS1411にて否定判定をした場合には、そのまま本電波センサ監視処理を終了する。一方、ステップS1411にて肯定判定をした場合には、続くステップS1412に進み、報知解除用処理を実行する。報知解除用処理では、音声ランプ制御装置143に電波検知用の報知を終了用のコマンドを出力する。ステップS1412にて報知解除用処理を実行した後は、続くステップS1413にて無効期間用カウンタCTCに「250」をセットして本電波センサ監視用処理を終了する。このように、無効期間用カウンタCTCに「250」をセットすることで、その後1secに亘って電波センサ371からの検知信号に基づくステップS1403〜S1408の各種処理がキャンセルされることとなる。
<磁気センサ監視処理>
次に、図37に基づきステップS1302の磁気センサ監視処理について説明する。磁気センサ監視処理においては、先ずステップS1501にて遊技制限中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に磁気検知用遊技制限フラグが格納されているか否かを判定する。磁気検知用遊技制限フラグは、磁気センサ311からの検知信号に基づいて異常が発生したと判定された場合に各種フラグ格納エリア635に格納されるフラグであり、同磁気検知用遊技制限フラグに基づいて上記通常処理におけるステップS504〜S507の各種処理が不可となる。
ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1502に進み、磁気センサ311から検知信号が入力されているか否かを判定する。具体的には、磁気センサ311から入力されている信号が予め設定された閾値を超えているか否かを判定する。
ステップS1502にて肯定判定をした場合には、ステップS1503に進み、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた検知用カウンタTC2の値を「1」加算する。続くステップS1504では、検知用カウンタTC2の値が「3」であるか否かを判定する。ステップS1504にて否定判定をした場合には、そのまま本磁気センサ監視処理を終了する。
一方、ステップS1504にて肯定判定をした場合、すなわち検知用カウンタTC2の値が「3」に達した場合には、続くステップS1505にて遊技制限処理を実行する。この遊技制限処理では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に上述した遊技制限フラグを格納する。これにより、所定の解除処理が実行されるまで、遊技進行が制限されることとなる。
ステップS1505にて遊技制限処理を実行した後は、続くステップS1506にて磁気検知用の報知処理を実行し、本磁気センサ監視処理を終了する。磁気検知用報知処理では、磁気検知に対応する報知実行用のコマンドを音声ランプ制御装置143に対して出力するとともに外部端子板681を通じてホールコンピュータに磁気検知に対応した情報を出力する。音声ランプ制御装置143では、報知実行用コマンドを受信することで、エラー表示ランプ部27を点灯させるとともにスピーカ部29から警告音を出力し、更には図柄表示装置96の表示画面96aに電波を受信した旨のメッセージを表示する。
一方、ステップS1502にて否定判定をした場合には、ステップS1507に進み、検知用カウンタTC2が「0」であるか否かを判定する。ステップS1507にて肯定判定をした場合にはそのまま本磁気センサ監視処理を終了し、ステップS1507にて否定判定をした場合にはステップS1508にて検知用カウンタTC2の値を「1」減算した後、本磁気センサ監視処理を終了する。
以上詳述したステップS1502〜S1508の各種処理については遊技制限中でない場合に実行されるが、遊技制限中においてはステップS1509〜S1512の遊技制限中用処理を実行する。
具体的には、ステップS1501にて肯定判定をした場合には、先ずステップS1509にて制限解除操作があったか否かを判定する。具体的には、主制御装置162に設けられた解除スイッチが操作されたか否かを判定する。ステップS1509にて否定判定をした場合、すなわち解除操作が行われなかった場合には、そのまま本磁気センサ監視処理を終了する。
一方、ステップS1509にて肯定判定をした場合には、ステップS1510にて制限解除処理を実行する。制限解除処理においては、RAM604の各種フラグ格納エリア635に格納されている遊技制限フラグを消去する。
その後、ステップS1511にて音声ランプ制御装置143に報知解除用のコマンドを出力し、更にステップS1512にて検知用カウンタTC2に「0」をセットした後、本磁気センサ監視処理を終了する。
なお、本実施の形態における磁気センサ監視処理においては、磁気センサ311からの信号にノイズ等が混入した場合の誤報知等を抑制すべく、検知用カウンタTC2を用いて磁気の判定に余裕代を付与したが、これに限定されるものではない。例えば、磁気センサ311から検知信号を受信した時点で直ちに上記報知及び遊技制限を実行する構成としてもよい。
<振動センサ監視処理>
次に、図38に基づきステップS1303振動センサ監視処理について説明する。振動センサ監視処理は、上述した磁気センサ監視処理と遊技制限の発動条件が異なっている。故に、上記磁気センサ監視処理と共通する部分については説明を簡略化する。
振動センサ監視処理においては、先ずステップS1601にて遊技制限中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に振動検知用遊技制限フラグが格納されているか否かを判定する。振動検知用遊技制限フラグは、振動センサ355からの検知信号に基づいて異常が発生したと判定された場合に各種フラグ格納エリア635に格納されるフラグであり、同振動検知用遊技制限フラグに基づいて上記通常処理におけるステップS504〜S507の各種処理が不可となる。
ステップS1601にて肯定判定をした場合、ステップS1602〜ステップS1604に示す遊技制限中用の処理を実行する。先ず、ステップS1602では、主制御装置162に設けられた解除スイッチが操作されたか否かを判定する。ステップS1602にて否定判定した場合にはそのまま本振動センサ監視処理を終了し、同ステップS1602にて肯定判定をした場合にはステップS1603にて遊技制限の解除処理を実行するとともに、続くステップS1604にて第2報知解除処理を実行した後、本振動センサ監視処理を終了する。振動センサ監視処理においては、警告レベルの異なる2種類の報知態様が設定されており、第2報知については警告レベルが相対的に高く設定されている報知態様となっている。
ステップS1601にて否定判定をした場合には、ステップS1605に進み、右側大入賞口302への入賞を監視している最中であるか否かを判定する。本振動センサ監視処理においては、振動センサ355からの入力に基づいて振動が発生したと判定された場合には、同振動に基づいて右側大入賞口302への入賞が発生する可能性を考慮して監視レベル(警戒レベル)が高くなる構成となっている。
ステップS1605にて肯定判定をした場合、すなわち監視レベルが上がり右側大入賞口302への入賞も監視対象となっている場合には、ステップS1606〜S1609の入賞監視中用の処理を実行する。具体的には、先ずステップS1606にて入賞監視中に右側大入賞口302への入賞が発生したか否かを判定する。
ステップS1607にて肯定判定をした場合には、ステップS1607に進み遊技制限処理を実行する。遊技制限処理ではRAM604の各種フラグ格納エリア635に上記振動検知用遊技制限フラグを格納する。そして、ステップS1608にて第2報知用処理を実行した後、本振動センサ監視処理を終了する。第2報知処理では、入賞発生に対応する第2報知実行用のコマンドを音声ランプ制御装置143に対して出力するとともに外部端子板681を通じてホールコンピュータに振動発生に伴って入賞が発生した可能性がある旨の情報を出力する。音声ランプ制御装置143では、第2報知実行用コマンドを受信することで、エラー表示ランプ部27を点灯させるとともにスピーカ部29から警告音を出力し、更には図柄表示装置96の表示画面96aに電波を受信した旨のメッセージを表示する。
一方、ステップS1606にて否定判定をした場合には、ステップS1609に進み、RAM604の各種カウンタエリア671に設けられた入賞監視用カウンタOTCの値を「1」減算する。入賞監視用カウンタOTCは、入賞監視の継続期間を定めるためのカウンタであり、上述したステップS1605の処理においては、当該入賞監視用カウンタOTCの値が「0」であるか否かを確認することにより、入賞監視中であるか否かの判定をする構成となっている。
ステップS1605にて否定判定をした場合、又はステップS1609にて入賞監視用カウンタOTCの減算処理を実行した後は、ステップS1610に進む。ステップS1610では、振動センサ355から振動検知を示す検知信号が入力されているか否かを判定する。具体的には、振動センサ355からの信号が、予め設定された閾値を超えているか否かを判定する。
ステップS1610にて肯定判定をした場合には、ステップS1611に進む。ステップS1611では、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた検知用カウンタTC3の値を「1」加算する。続くステップS1612では、検知用カウンタTC3の値が「49」よりも大きいか否かを判定する。検知用カウンタTC3の値が「49」でない場合には、そのまま本振動センサ監視処理を終了する。一方、検知用カウンタTC3の値が「49」である場合には、ステップS1613に進む。
ここで、振動センサ監視処理は、通常処理の一部であり、4msec周期で実行される。これにより、検知用カウンタTC3の値が「49」になっていることは、振動検知信号が入力されている状態が0.2sec継続していることを意味する。つまり、振動検知報知処理は、振動検知信号が入力されている場合に直ちに実行されるのではなく、所定の検知期間(0.2sec)だけ振動検知信号が入力されている状態が継続した場合等に実行されるようになっている。これにより、振動センサ355の感度向上に起因した誤検知の発生を抑制されている。
ステップS1613では、第1報知を実行中であるか否かを判定する。ステップS1613にて肯定判定をした場合には、そのまま本振動センサ監視処理を終了する。一方、ステップS1613にて否定判定をした場合には、続くステップS1614にて、第1報知用処理を実行する。
第1報知用処理では、振動発生に対応する第1報知実行用のコマンドを音声ランプ制御装置143に対して出力するとともに外部端子板681を通じてホールコンピュータに振動発生に対応する情報を出力する。音声ランプ制御装置143では、第1報知コマンドを受信することで、エラー表示ランプ部27を点灯させるとともにスピーカ部29から警告音を出力し、更には図柄表示装置96の表示画面96aに振動が発生した旨のメッセージを表示する。また、第1報知用処理においては、RAM604の各種カウンタエリア634に設けられた報知期間計測用カウンタに予め設定された値(例えば「750:3secに相当」)を入力する。この報知用期間計測カウンタについては、振動センサ監視用処理が実行される毎に「1」づつ減算される。上述したステップS1613の処理について補足説明すれば、同ステップS1613の処理では報知用期間計測カウンタが「0」であるか否かを判定することで、第1報知が実行中であるか否かを判定する。
なお、ステップS1608の第2報知処理が第1報知中に実行される場合には、第1報知がキャンセルされ、第2報知が優先される。
ステップS1614にて第1報知処理を実行した後は、続くステップS1615にて上記入賞監視用カウンタOTCに「750」をセットして、本振動センサ監視処理を終了する。
一方、上記ステップS1610にて否定判定をした場合には、ステップS1616に進み、検知用カウンタTC3の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1616にて肯定判定をした場合にはそのまま本振動センサ監視処理を終了し、同ステップS1616にて否定判定をした場合には続くステップS1617にて検知用カウンタTC3の値を「1」減算した後、本振動センサ監視処理を終了する。
<異常振動検知時用報知処理>
次に、主制御装置162から出力される第1報知用コマンド及び第2報知用コマンドに基づいて音声ランプ制御装置143にて実行される異常振動検知時用報知処理について図39のフローチャートを参照して説明する。
異常振動検知時用報知処理では、先ずステップS1701にて前扉枠14及び内枠13の少なくともいずれか一方が開放中であるか否かを判定する。具体的には、前扉枠14用の開放センサ及び内枠13用の開放センサのいずれか一方から主制御装置162に対して開放信号が出力されている場合には、同開放信号に基づいて主制御装置162から音声ランプ制御装置143に対して開放検知コマンドが出力される。音声ランプ制御装置143のMPU661ではこの開放検知コマンドを受信しているか否かに基づいてステップS1701における判定を実行する。
ステップS1701にて否定判定をした場合には、ステップS1702に進み、RAM663の各種カウンタエリア671に設けられた制限カウンタCTCの値が「0」であるか否かを判定する。制限カウンタCTCは、前扉枠14及び内枠13が開放されている場合及び閉じてから所定期間が経過するまでの間、上記第1報知コマンドに基づく報知を一部制限する際に利用されるカウンタである。
ステップS1702にて否定判定をした場合には、ステップS1703にて制限カウンタCTCの値を「1」減算する。
一方、ステップS1701にて肯定判定をした場合には、ステップS1704にて制限カウンタCTCに「7750:31secに相当」をセットする。これにより、前扉枠14及び内枠13の両者が閉じてから、31sec間は上述した報知制限が有効となる。
ステップS1703,S1704の処理を実行した後、又はステップS1702にて肯定判定をした場合には、ステップS1705に進む。ステップS1705では、第1報知コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS1705にて肯定判定をした場合には、ステップS1706に進み、上述した制限カウンタCTCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1706にて肯定判定をした場合には、ステップS1707に進み、第1報知処理を実行する。第1報知用処理においては、エラー表示ランプ部27を点灯させるとともにスピーカ部29から警告音を出力し、更には図柄表示装置96の表示画面96aに「台を叩かないで下さい」等のメッセージを表示する。
一方、ステップS1706にて否定判定をした場合には、ステップS1708に進み制限付第1報知処理を実行する。制限付第1報知処理においては、エラー表示ランプ部27を点灯させるとともに、図柄表示装置96の表示画面96aに「台を叩かないで下さい」等のメッセージを表示する。つまり、ステップS1707の第1報知処理における警告音の出力が制限される。
ステップS1705にて否定判定をした場合には、ステップS1709に進み、第2報知コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1709にて否定判定をした場合には、そのまま本異常振動検知時用報知処理を終了する。一方、ステップS1709にて肯定判定をした場合には、第2報知処理を実行する。第2報知用処理においては、エラー表示ランプ部27を点灯させるとともにスピーカ部29から警告音を出力し、更には図柄表示装置96の表示画面96aに「店員を呼んで下さい」等のメッセージを表示する。
ステップS1707,S1708,S1710の各種報知処理を実行した後は、本異常振動検知時用報知処理を終了する。
異常詳述した異常振動検知時用報知処理においては、扉体としての内枠13及び前扉枠14が閉じてから所定期間が経過するまでの間、報知を一部制限する構成としたことにより以下の効果が期待できる。すなわち、遊技機が叩かれるといった行為が行われていないにもかかわらず報知が実行されることで、遊技者やホール管理者に対して不快感を与えることを抑制することができる。これにより、防犯機能の向上を図りつつそれに起因した煩わしさ等の発生を好適に抑制することができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、右側可変入賞装置83へ入球した遊技球の第2下流側通路323(有利入球部)への入球率を所望の入球率に調整する作業を、開閉扉303の開閉パターンの選択確率をソフト的に変更するだけで、比較的容易に行うことができる。ひいては、パチンコ機10の開発効率の向上を図ることができる。
なお、切替部材341の動作パターンを複数設け、当該パターンの選択確率を変更して第2下流側通路323への入球率を変更する調整方法も考えられるが、所定の動作を行うことにより遊技球の挙動に変化を加える切替部材341の動作態様を変更して、第2下流側通路323への入球率を所望の入球率に調整するといった作業は非常に難しく、何度も試行錯誤を繰り返す必要がある。これに対し、本実施形態によれば、切替部材341の動作態様を設定変更することなく、比較的容易に第2下流側通路323への入球率の調整作業を行うことができる。
また、本実施形態では、開閉扉303の2種類の開閉パターンにおいて、最初の開閉動作の開放開始時点が一定となっている。これにより、仮に右側可変入賞装置83へ入球する遊技球がより第2下流側通路323へ入球し易くなるよう、不正に開閉扉303の開放タイミングを改変した不正制御基板が取付けられた場合においても、当該不正行為を早期発見することができる。
さらに、本実施形態では、右側可変入賞装置83の開状態中における切替部材341の動作態様が一定となっている。より詳しくは、開閉扉303の各開閉パターンにおいて、最初の開閉動作の開放開始時点から、切替部材341が非誘導状態から誘導状態へ切換わる時点までの時間が一定となっている。これにより、上記同様、仮に右側可変入賞装置83へ入球する遊技球がより第2下流側通路323へ入球し易くなるよう、不正に切替部材341の駆動タイミングを改変した不正制御基板が取付けられた場合においても、当該不正行為を早期発見することができる。加えて、切替部材341の動作態様が一定でないと、従来同様に第2下流側通路323への入球率を調整する作業が複雑化するおそれがあるが、本実施形態によれば、このような不具合の発生を抑制することができる。
また、上述したように、切替部材341の動作タイミングが、開閉扉303の開放開始時点から比較的遅い場合には、遊技者が切替部材341の動作タイミングに合わせて遊技球を発射させることが可能となる。そのため、切替部材341の動作タイミングが一定でないと、パチンコ機10の開発段階で開閉扉303の開閉パターンの選択確率を変更するだけでは、第2下流側通路323への現実の入球率が予定した入球率とならず、遊技店側と遊技者側との利益バランスを大きく崩すおそれがある。本実施形態によれば、このような不具合を低減することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)右側可変入賞装置83の構成は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、第1下流側通路322の途中位置から第2下流側通路323が分岐する構成としたが、これに限らず、案内通路320が1条の鉛直通路を有し、その鉛直通路の下端にて第1下流側通路と第2下流側通路とに分岐する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、切替部材341が回動することにより誘導状態と非誘導状態とに切り替る構成となっているが、これに限らず、切替部材をスライド移動可能に設け、当該切替部材が開口335側へ突出することにより誘導状態となり、開口335側への突出が抑えられることで非誘導状態となる構成とすることも可能である。
(b)上記実施形態では、右側可変入賞装置83の開閉パターンとして、2つの開閉パターンを備えた構成となっているが、これに限らず、3つ以上の開閉パターンを備えた構成としてもよい。
(c)上記実施形態における第1開閉パターンでは開閉動作が1回行われ、第2開閉パターンでは開閉動作が2回行われる構成となっているが、開閉動作の数はこれに限定されるものではなく、3回以上の開閉動作を行う構成としてもよい。
(d)開閉扉303の開放時間は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、各開閉パターンに係る長開閉動作の開放時間が共に1.6秒に設定されているが、これに限らず、遊技球が右側可変入賞装置83へ入球可能な時間(例えば、0.2秒)以上であれば、それぞれどのように設定されていてもよい。また、第2開閉パターンにおける1度目の開閉動作に係る開放時間が0.1秒以上であってもよい。
(e)上記実施形態では、各開閉パターンによって長開閉動作に係る開放開始タイミングがそれぞれ異なるように設定されているが、これに限らず、例えば長開閉動作に係る開放開始タイミングを同じくし、当該長開閉動作に係る開放時間が異なるような設定としてもよい。
(f)上記実施形態における第2開閉パターンでは、長開閉動作(2度目の開閉動作)の前段階に、遊技球が入球不能な開閉動作(1度目の開閉動作)が行われる構成となっているが、当該遊技球が入球不能な開閉動作を省略した構成としてもよい。また、1度目の開閉動作も、遊技球が入球可能な開閉動作としてもよい。
(g)上記実施形態では、各開閉パターンにおいて、1度目の開閉動作の開放開始タイミングが一定となるように設定されているが、これに限らず、1度目の開閉動作の開放開始タイミングを異ならせた構成としてもよい。
(h)開閉パターンの決定方法は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、当たり乱数カウンタC1の値(特別当たり結果)によって開閉パターンの種別を決定する構成となっているが、これに限らず、別途、開閉パターンの種別を決定する処理を行う構成としてもよい。
(i)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。例えば、表示手段による当落抽選を経ることなく、遊技球が始動入球手段へ入球することにより可変入球手段が作動し、その中の特定入球部へ遊技球が入球することに基づき大当たり状態が発生するパチンコ機として実施してもよい。勿論、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球など他の遊技機として実施してもよい。
以下、特許請求の範囲の請求項に記載されないものであって、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
手段1.所定の発射手段により発射される遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に起因して開閉動作可能な開閉部材を有し、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態とに切換可能な可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部への遊技球の入球に起因して遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を前記特定入球部へ誘導可能な誘導状態と、前記特定入球部へ誘導不能な非誘導状態とに切換可能な可動部材とを備えるとともに、
前記開閉部材の開閉パターンを複数パターン設け、
前記開閉部材の開閉制御を行う際、前記複数パターンのうちのいずれの開閉パターンを実行するかを決定するパターン決定手段を備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、可変入球手段へ入球した遊技球の特定入球部への入球率を所望の入球率に調整する作業を、開閉部材の開閉パターンの選択確率を変更するだけで、比較的容易に行うことができる。ひいては、遊技機の開発効率の向上を図ることができる。
なお、可動部材の動作パターンを複数設け、当該パターンの選択確率を変更して特定入球部への入球率を変更する調整方法も考えられるが、所定の動作を行うことにより遊技球の挙動に変化を加える可動部材の動作態様を変更して、特定入球部への入球率を所望の入球率に調整するといった作業は非常に難しく、何度も試行錯誤を繰り返す必要がある。これに対し、本手段1によれば、可動部材の動作態様を設定変更することなく、比較的容易に特定入球部への入球率の調整作業を行うことができる。
また、可変入球手段へ入球した遊技球の特定入球部への入球率は、遊技領域から可変入球手段への入球率とは異なり、遊技店側が釘調整等により適宜調整することができないものである。このため、遊技店側と遊技者側との利益バランスが大きく崩れないよう、メーカー側が遊技機の開発段階で適切に調整しておく必要がある。
手段2.所定の発射手段により発射される遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に起因して開閉動作可能な開閉部材を有し、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態とに切換可能な可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部への遊技球の入球に起因して遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を前記特定入球部へ誘導可能な誘導状態と、前記特定入球部へ誘導不能な非誘導状態とに切換可能な可動部材と、
前記開閉部材の開閉制御を行う際、複数パターンのうちのいずれの開閉パターンを実行するかを決定するパターン決定手段とを備え、
前記可動部材が所定のタイミングで前記非誘導状態から前記誘導状態へ切換わるように構成され、
その切換タイミングに対する前記複数の開閉パターンにおける各開放タイミングが異なるようにしたことを特徴とする遊技機。
上記手段2によれば、上記手段1と同様の作用効果が奏される。
手段3.前記複数パターンのうちの少なくとも1つの開閉パターンは、複数回の開閉動作を含み、そのうち最短の開放時間を有する短開閉動作よりも長い開放時間を有する長開閉動作の開放開始時点と所定時点との間の時間が他の開閉パターンとは異なることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
上記手段3によれば、開閉部材の開閉パターンの選択確率を変更するだけで、特定入球部への入球率の調整作業を行うことができるといった上記手段1等の作用効果がより確実に奏される。当該作用効果をさらに確実なものとするためには、長開閉動作が、少なくとも遊技球が可変入球手段へ入球可能な所定時間(例えば、0.2秒)以上の開放時間を有する開閉動作であることが好ましい。加えて、少なくとも長開閉動作の開放開始時点が、可動部材が非誘導状態から最初に誘導状態へ切換わる時点以前(同時を含む)となっていることが好ましい。
なお、上記「所定時点」としては、例えば手段2の「切換タイミング」、すなわち「可動部材が非誘導状態から誘導状態へ切換わる時点」などが挙げられる。また、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき所定の当落抽選を行う抽選手段と、変動表示を行った後、前記当落抽選の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段とを備え、少なくとも前記当落抽選により当選結果を得た場合において前記可変入球手段の開閉部材が開放される」構成等においては、「前記表示手段における前記停止表示の確定時点」などが挙げられる。
手段4.前記複数の開閉パターンにおいて、
最初の開閉動作の開放開始時点と所定時点との間の時間が一定となるようにしたことを特徴とする手段3に記載の遊技機。
上述したような可変入球手段を備えた遊技機においては、例えば可変入球手段へ入球する遊技球がより特定入球部へ入球し易くなるよう、不正に可変入球手段の開閉部材の開放タイミングを改変した不正制御基板が取付けられるおそれがある。
開閉部材の開閉パターンを複数通り設けた場合、これら各パターンにおける開閉部材の開放タイミングが一定でないと、上記不正行為の発見が困難となる。これに対し、本手段のように、複数の開閉パターンにおいて、最初の開閉動作の開放開始時点が一定となるようにすれば、上記不正行為が行われた場合においても、当該不正行為を早期発見することができる。
また、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき所定の当落抽選を行う抽選手段と、変動表示を行った後、前記当落抽選の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段とを備え、少なくとも前記当落抽選により当選結果を得た場合において前記可変入球手段の開閉部材が開放される」構成等においては、「前記表示手段における前記停止表示の確定時点から、最初の開閉動作の開放開始時点までの時間が一定となる」ようにすれば、表示手段における停止表示といった目視による判断基準ができ、上記不正行為の発見がより容易となる。さらに、上述したような可変入球手段内における遊技球の挙動に応じて特別遊技状態の発生の有無が決定される構成においては、可変入球手段に対する遊技者の注目度が高くなると考えられるため、上記不正行為をさらに発見しやすくなる。
なお、複数回の開閉動作を含む開閉パターンにおいては、最初の開閉動作が、発射手段による遊技球の発射間隔(例えば0.6秒)以下の開放時間を有するものであることが好ましい。さらには、最初の開閉動作が、遊技球が可変入球手段へ入球不能となる所定時間(例えば、0.1秒)以下の開放時間を有するものであることが好ましい。
手段5.前記複数の開閉パターンにおいて、
最初の開閉動作の開放開始時点から、前記可動部材が前記非誘導状態から最初に前記誘導状態へ切換わる時点までの時間が一定となるようにしたことを特徴とする手段3又は4に記載の遊技機。
上記手段4と同様、上述したような可変入球手段を備えた遊技機においては、例えば可変入球手段へ入球する遊技球がより特定入球部へ入球し易くなるよう、不正に可変入球手段の可動部材の駆動タイミングを改変した不正制御基板が取付けられるおそれがある。
開閉部材の開閉動作との関係で可動部材の駆動タイミングが一定でないと、上記不正行為の発見が困難となる。これに対し、本手段のようにすれば、上記不正行為が行われた場合においても、当該不正行為を早期発見することができる。
また、上記手段4と同様、「前記始動入球手段への遊技球の入球に基づき所定の当落抽選を行う抽選手段と、変動表示を行った後、前記当落抽選の抽選結果に基づく所定態様で停止表示を行う表示手段とを備え、少なくとも前記当落抽選により当選結果を得た場合において前記可変入球手段の開閉部材が開放される」構成等においては、「前記表示手段における前記停止表示の確定時点から、前記可動部材が前記非誘導状態から最初に前記誘導状態へ切換わる時点までの時間が一定となる」ようにすれば、上記不正行為の発見がより容易となる。さらに、上述したような可変入球手段内における遊技球の挙動に応じて特別遊技状態の発生の有無が決定される構成においては、可変入球手段に対する遊技者の注目度が高くなると考えられるため、上記不正行為をさらに発見しやすくなる。
さらに、可動部材の動作タイミングが、表示手段における停止表示の確定時点等から比較的遅い場合には、遊技者が当該可動部材の動作タイミングに合わせて遊技球を発射させることが可能となる。そのため、可動部材の動作タイミングが一定でないと、遊技機の開発段階で開閉部材の開閉パターンの選択確率を変更するだけでは、特定入球部への現実の入球率が予定した入球率とならず、遊技店側と遊技者側との利益バランスを大きく崩すおそれがある。上記手段によれば、このような不具合を低減することができる。
手段6.前記可動部材の動作態様が一定であることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
可動部材の動作態様が一定でないと、従来同様に特定入球部への入球率を調整する作業が複雑化するおそれがあるが、本手段によれば、このような不具合の発生を抑制することができる。ここでいう「可動部材の動作態様」には、例えば「可動部材が誘導状態となっている期間」なども含まれる。
手段7.手段1乃至6のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であること。パチンコ機の基本構成としては、操作手段としてのハンドルを備えており、そのハンドル操作に応じて遊技球を遊技領域に発射させる。
10…パチンコ機、14…前扉枠、80…遊技盤、83…右側可変入賞装置、85…右作動口、302…右側大入賞口、303…開閉扉、320…案内通路、321…上流側通路、322…第1下流側通路、323…第2下流側通路、341…切替部材、162…主制御装置、PE…遊技領域。
上記の目的を達成するため、本発明に係る遊技機は、
所定の発射手段により発射される遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
前記始動入球手段への遊技球の入球に起因して開閉動作可能な開閉部材を有し、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態とに切換可能な可変入球手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
前記特定入球部への遊技球の入球に起因して遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を前記特定入球部へ誘導可能な誘導状態と、前記特定入球部へ誘導不能な非誘導状態とに切換可能な可動部材と、
前記開閉部材の開閉制御を行う際、複数の開閉動作群のうちのいずれの開閉動作群を実行するかを決定する開閉動作群決定手段とを備え、
前記複数の開閉動作群は、
遊技球が前記可変入球手段へ入球困難な第1の開放時間を有する第1開閉動作と、遊技球が前記可変入球手段へ入球可能な第2の開放時間を有する第2開閉動作とを含み、最初の開閉動作が前記第1開閉動作となる開閉動作群を有し、
前記可動部材が所定のタイミングで前記非誘導状態から前記誘導状態へ切換わるように構成され、
その切換タイミングに対する前記複数の開閉動作群における前記第2開閉動作の開放タイミングが異なるようにしたことをその要旨としている。

Claims (2)

  1. 所定の発射手段により発射される遊技球が案内される遊技領域と、
    前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球手段と、
    前記始動入球手段への遊技球の入球に起因して開閉動作可能な開閉部材を有し、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不能な閉状態とに切換可能な可変入球手段と、
    前記可変入球手段へ入球した遊技球が入球可能な特定入球部と、
    前記特定入球部への遊技球の入球に起因して遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能な特別遊技状態発生手段と、
    前記可変入球手段へ入球した遊技球を前記特定入球部へ誘導可能な誘導状態と、前記特定入球部へ誘導不能な非誘導状態とに切換可能な可動部材と、
    前記開閉部材の開閉制御を行う際、複数パターンのうちのいずれの開閉パターンを実行するかを決定するパターン決定手段とを備え、
    前記可動部材が所定のタイミングで前記非誘導状態から前記誘導状態へ切換わるように構成され、
    その切換タイミングに対する前記複数の開閉パターンにおける各開放タイミングが異なるようにしたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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