以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10における遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、外枠11によって開閉可能な状態で支持されている。具体的には、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられている。これら上側支持用金具17及び下側支持用金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図1に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって同前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有する複数のガラスパネル23と、それらガラスパネル23を保持するガラスホルダとを備えている。ガラスホルダには、ガラスパネル23の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23は仕切り部を挟んで前後に相対向している。つまり、両ガラスパネル23の間に所定の隙間を確保することにより、ガラスパネル23同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしも両ガラスパネル23をガラスホルダを用いてユニット化する必要は無く、各ガラスパネル23を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。更には、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としていもよい。但し、安全性及び防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
ガラスユニット22(詳しくは窓部21)の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部26が設けられている。環状電飾部26では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。また、左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、通路形成ユニットが取り付けられている。通路形成ユニットは、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とが形成されている。通路形成ユニットにおいて、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部が形成されており、当該受口部を仕切壁によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが区画形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側には、その上端部及び下端部に突起軸が設けられている。これら突起軸は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、図3に基づき内枠13について詳細に説明する。図3は内枠13の正面図である。なお、図3においては図2と同様に便宜上パチンコ機10の遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、樹脂ベース70は外枠11の上側枠部に寄せて配置され、外枠11の下側枠部と樹脂ベース70との間には若干の隙間が形成されている。外枠11にはこの隙間を塞ぐようにして幕板が装着されている。幕板は、樹脂ベース70(詳しくはその下端部)の下方に配置されており、内枠13が外枠11に対して閉じられた状態では樹脂ベース70が幕板の上に載ることとなる。なお、幕板と樹脂ベース70との間に若干のクリアランスを設けてもよい。
樹脂ベース70の前面における回動基端側(図3の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具71,72が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具71,72には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース70の前面における回動先端側(図3の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63(図2参照)を挿入するための挿入孔73がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔73を介して施錠装置75(詳しくは前扉用鉤受け部材76)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。また、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
樹脂ベース70の中央部には略楕円形状の窓孔74が形成され、樹脂ベース70に装着された遊技盤80によって同窓孔74が後方から塞がれている。遊技盤80は、木製の合板と同合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が上記窓孔74を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤80の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)によって覆われている。ガラスユニット22は、後側のガラスパネル23と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤80は木製に限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
以下、図4に基づき遊技盤80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図4は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86、主表示ユニット87及び可変表示ユニット88等がそれぞれ配設されている。一般入賞口81、可変入賞装置82,83及び作動口84,85に遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。その他に、遊技盤80の最下部にはアウト口89が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口89を通って遊技領域PEから排出される。以下の説明では、アウト口89への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82,83、作動口84,85、スルーゲート86への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
また、遊技盤80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘90が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘90や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
上記可変表示ユニット88は遊技盤80の中央に配されており、同可変表示ユニット88の周辺に作動口84,85等が配設されている。作動口84,85は、可変表示ユニット88の下方に配設された下側の作動口84(以下便宜上、下作動口84と称する)と、同可変表示ユニット88の右方に配設された右側の作動口85(以下便宜上、右作動口85と称する)とによって構成されており、特に右作動口(抽選契機入球部)85には、開閉式の入球補助装置(入球補助手段)又は開閉部材(開閉手段)としての電動役物91が設けられている。図5の模式図に示すように電動役物91bは、左右一対の可動片91aと同可動片91aを駆動させるソレノイド式の駆動部とを有してなり、図5(a)に示すように右作動口85への入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、図5(b)に示すように同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
再び図4を参照して説明すれば、この右作動口85の上方に上記スルーゲート86が配置されており、遊技球のスルーゲート86の通過をトリガとした抽選にて当選となった場合には、電動役物91が所定時間だけ開状態となる。
なお、下作動口84への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、右作動口85への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行されるが、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、下作動口84に対する右作動口85の有利性を高める上では、下作動口84に係る払出個数よりも右作動口85に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
可変入賞装置(特別入球装置又は特別入球手段)82,83についても、下作動口84及び右作動口85と同様に、可変表示ユニット88の下方及び右方に個別に配置されている。以下便宜上、可変表示ユニット88の下方(詳しくは下作動口84の下方)に配置された可変入賞装置82を「下側可変入賞装置82」と称し、可変表示ユニット88の右方(詳しくは右作動口85の下方)に配置された可変入賞装置83を「右側可変入賞装置83」と称する。
下側可変入賞装置82は、遊技盤80の背面側へと通じる大入賞口82aを備えているとともに、当該大入賞口82aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉82bを備えている。開閉扉82bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉82bは、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部82c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては開閉扉82bは閉状態のまま維持され、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に開状態に切り替えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードにおける可変入賞装置82の開放態様としては、例えば所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした開閉扉82bの開放が繰り返されるように設定されているものがある。
右側可変入賞装置83は、下側可変入賞装置82と同様に、遊技盤80の背面側へと通じる大入賞口83aと、当該大入賞口83aを開閉する開閉部材(開閉手段)としての開閉扉83bとを備えている。開閉扉83bは、遊技球の入球が可能又は容易となる開状態(補助状態)と、同入球が不可又は困難となる閉状態(非補助状態)とに切替可能となっている。また、同開閉扉83bは、遊技盤80の背面側に設けられた可変入賞駆動部83c(詳しくはソレノイド)と連結されており、通常時においては、開閉扉は閉状態のまま維持され、右作動口85への入球に基づく内部抽選において後述する特別当たりに当選した場合に抽選結果確定モードに切り替えられるようになっている。
ここで、抽選結果確定モードとは、右作動口85における抽選結果(特別当たり)が有効となって下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されるか、つまり開閉実行モードへの移行が確定されるか、それとも抽選結果が無効となり開閉実行モードへの移行が回避されるかを抽選するモードである。抽選結果確定モードにおける右側可変入賞装置83の開放態様としては、後述する右作動口用表示部に特別当たりを示す絵柄が表示されたタイミングから所定期間(例えば3sec)が経過するまで開閉扉83bが開放されるように設定されている。
ここで、図6に基づき右側可変入賞装置83について詳しく説明する。図6(a)は図4のA−A線部分断面図、図6(b)は図6(a)のA矢視図である。
図6(a)に示すように、右側可変入賞装置83には、大入賞口83aから流入した遊技球を遊技盤80の背面側、詳しくは後述する回収通路へと案内する案内通路92が設けられている。図6(b)に示すように、案内通路92は、当該案内通路92における同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように形成されており、その途中位置から2股に分岐している。つまり、案内通路92は、分岐位置の上流側に位置する1条の上流側通路92aと、同分岐位置の下流側に位置する2条の下流側通路92b,92cとを有している。
上流側通路92aにおいて出口部分を含んだ下流側の一部は上下方向に延びており、同出口部分が下方に開放されている。上流側通路92aの下流側への延長上には一方の下流側通路92b(以下便宜上、第1下流側通路92bと称する)の入口部分が位置しており、同入口部分は上流側通路92aの出口部分側(上方)に開放されている。一方、他方の下流側通路92c(以下便宜上、第2下流側通路92cと称する)の入口部分は、上流側通路92aの延長上から外れた位置に配されているとともにその延長方向とは異なる方向に開放されている。このため、上流側通路92aに沿って落下した遊技球は通常、第1下流側通路92bへと流入し、第2下流側通路92cへの流入が回避されることとなる。
また、上記分岐位置には、上流側通路92aから流出した遊技球を第2下流側通路92cへと誘導する誘導状態と同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能な切替部材93が設けられている。切替部材93は、非誘導状態においては案内通路92(詳しくは第1下流側通路92bの入口部分)への突出が抑えられており、誘導状態に切り替わることで、同入口部分を覆い当該入口部分への遊技球の流入を不可とする位置へと突出する(図6(b)の2点鎖線参照)。
より具体的には、切替部材93には、誘導状態において上流側通路92aの延長上に位置し、第2下流側通路92cの入口部分へ向けて下り傾斜する誘導傾斜面93aが形成されている。このため誘導状態においては、上流側通路92aから流出した遊技球は、誘導傾斜面93aに衝突し、同誘導傾斜面93aに沿って移動することで第2下流側通路92cへと導かれることとなる。このように、第2下流側通路92cへ遊技球を誘導する機能に着目すれば切替部材93を「誘導手段93」と称することも可能である。また、第1下流側通路92bへの遊技球の流入を阻止する点に着目すれば、同切替部材93を「シャッタ93」と称することも可能である。
また、右側可変入賞装置83には、切替部材93の他に、同切替部材93を案内通路92への突出が抑えられた位置に向けて付勢する付勢部材(図示略)と、同付勢部材の付勢力に抗して切替部材93を突出位置へと移動させるソレノイド式の駆動部94とが設けられている。駆動部94は、後述する主制御装置に対して電気的に接続されており、同主制御装置から出力される信号に基づいて駆動する。
本実施の形態においては、通常は付勢部材の付勢力によって切替部材93が非誘導状態にて保持され、上記右作動口85への入賞に基づく抽選にて特別当たりが発生した場合に駆動部94が駆動することで同切替部材93が誘導状態へと切り替る。つまり、第2下流側通路92cへの遊技球の流入が許容されることとなる。
第2下流側通路92cの途中位置には検知センサ95が設けられており、当該第2下流側通路92cへと流入した遊技球が同検知センサ95によって検知される。詳しくは、検知センサ95は、第2下流側通路92cに設けられた検知領域を遊技球が通過することで入球を検知するものであり、上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。検知センサ95は、主制御装置に対して電気的に接続されており、当該検知センサ95から出力される検知情報に基づいて第2下流側通路92cへの入球の有無が判定される。
再び図4を参照して、可変表示ユニット88について説明する。可変表示ユニット88には、作動口84,85への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置96が設けられている。また、可変表示ユニット88には、図柄表示装置96を囲むようにしてセンターフレーム97が配設されている。センターフレーム97の下部には、下作動口84に対応する下作動口用保留ランプ部98と、右作動口85に対応する右作動口用保留ランプ部99とが設けられている。本実施の形態においては、遊技球が各作動口84,85を通過した回数はそれぞれ最大4回まで保留される構成となっているが、保留ランプ部98,99の点灯によって各作動口84,85に対応する保留個数が個別に表示されるようになっている。
図柄表示装置96は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置96には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
作動口84,85は、可変表示ユニット88寄りとなる位置に配置されている。作動口84,85への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動口84,85に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置96に注目するものと考えられる。作動口84,85を可変表示ユニット88寄りに設けたことは、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット88周辺に集中させるための工夫である。
可変表示ユニット88を挟んで右側可変入賞装置83とは反対側には、上記主表示ユニット87が配されている。主表示ユニット87は、遊技領域PEの下部側の外縁に沿って配置されており、遊技盤80の前面からパチンコ機10前方に突出している。主表示ユニット87の前面は、遊技領域PEをパチンコ機10前方から視認可能とする上記ガラスユニット22(詳しくは後側のガラスパネル23)と対向しており、さらに後側のガラスパネル23との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、主表示ユニット87の前面の前方を遊技球が落下することが回避されている。
ここで、図7を参照して主表示ユニット87について補足説明する。図7は主表示ユニット87を正面側から見た概略図である。
主表示ユニット87においてガラスユニット22と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示部Dが設けられている。主表示部Dは、下作動口84への入賞に基づいた抽選結果を表示する下作動口用表示部DLと、右作動口85への入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する右作動口用表示部DRとを有してなる。
下作動口用表示部DLでは、下作動口84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口84への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口84への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部DLにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
右作動口用表示部DRでは、右作動口85への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、右作動口85への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。右作動口85への入賞に基づく内部抽選の結果が大当たり又は特別当たりに対応した当選結果であった場合には、右作動口用表示部DRにて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、その結果に応じて上記開閉実行モード又は抽選結果確定モードに移行される。
ここで、いずれかの作動口84,85への入賞に基づいて、対応する表示部DL,DRにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口84,85への入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
また、主表示ユニット87の主表示部Dには両表示部DL,DR以外に、スルーゲート86への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部DSが併設されている。スルーゲート用表示部DSでは、スルーゲート86への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート86への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート86への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部DSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、右作動口85に設けられた上記電動役物91が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート86を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット87の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部DHが設けられている。
これら各表示部DL,DR,DS,DHについては、前扉枠14のガラスユニット22を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部DL,DR,DS,DHの前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。なお、これら各表示部DL,DR,DS,DHにおける表示態様については後述する。
再び図3を用いて内枠13の構成について説明すれば、樹脂ベース70における遊技盤80の下方には、上記遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース70に固定されることで、樹脂ベース70に対して一体化されている。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤80側、詳しくは遊技盤80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分→出口部分)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤80において出口部分の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100を構成している各レール101,102は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしている。このため、誘導通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、すなわち外レール102に接触したまま移動(摺動又は転動)しやすくなっている。
同図3に示すように、誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レール100,112は、同誘導レール100の入口部分と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レール100,112を遊技盤80の下端縁に近づけつつ、誘導レール100の入口部分と発射レール112との間には所定間隔の隙間を形成している。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路が配設されている。ファール球通路は前扉枠14の通路形成ユニットに一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路内に入ることとなる。ファール球通路は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース70において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース70を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース70に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニットの受口部が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース70において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する付勢部材が設けられている。従って、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニットに設けられた受口部により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路とが連通している。
次に、図8に基づき内枠13(樹脂ベース70及び遊技盤80)の背面構成について説明する。図8は内枠13の背面図である。
樹脂ベース70の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が上下に並設されている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部が形成されており、これら軸受け部により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース70に対して遊技盤80が取り付けられている。ここで、図9及び図10を参照して遊技盤80の背面の構成を説明する。図9は遊技盤80を遊技機後方から見た斜視図、図10は遊技盤80から主制御装置ユニットを取り外した状態を示す背面図である。
図9に示すように、遊技盤80の中央に配置される可変表示ユニット88には、センターフレーム97を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置96が取り付けられるとともに、その図柄表示装置96を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置96及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
図10に示すように、可変表示ユニット88の下方には一般入賞口81や作動口84,85等を介して遊技盤80の背面側に移動した遊技球を回収する集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150は遊技盤80に固定されており、同集合板ユニット150には当該集合板ユニット150を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている(図9参照)。なお、主制御装置ユニット160の搭載対象は、集合板ユニット150に限定されるものではない。例えば、主制御装置ユニット160を遊技盤80に搭載することも可能である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製を用いて形成された無色透明な取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。取付台161は、集合板ユニット150によって回動可能に支持されており、取付台161ごと主制御装置ユニット160を回動させることで同取付台161から主制御装置162を取り外すことなく目視による確認作業が可能となっている。
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片が設けられている。これら結合片は、取付台161に形成された複数の被結合片と1対1で対応しており、結合片と被結合片とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、図2及び図11に基づき裏パックユニット15について説明する。図11は裏パックユニット15の正面図である。
既に説明したように内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。図11に示すように、裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも上記可変表示ユニット88を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた軸受け金具132(詳しくは軸受け部)に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211における回動先端部には、内枠13に設けられた被締結孔に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている(図2参照)。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
図11に示すように、制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
ここで、図12,図13及び図14に基づき上記集合板ユニット150とそれに関連する構成とについて詳しく説明する。図12は遊技盤80から集合板ユニット150を取り外した状態を示す分解斜視図、図13は集合板ユニット150を遊技機後方から見た分解斜視図、図14は集合板ユニット150を遊技機前方から見た分解斜視図である。
集合板ユニット150は、上述した一般入賞口81等を介して遊技盤80の背面側に誘導された遊技球を回収する集合板250を備えている。集合板250は、光透過性を有する(具体的には無色透明な)合成樹脂材料によって形成されており、遊技球の流下経路の目視による確認が容易化されている。これにより、仮に集合板250にて球詰まり等が発生した場合であっても、そのような不都合がどの箇所で生じているかを容易に把握することが可能となっている。
図12に示すように、集合板250は、遊技球を回収する機能が付与された本体部251と遊技盤80に対する取付部261とが一体成形されてなり、全体として遊技盤80の左右両端部に跨って延びる横長状をなしている。取付部261は、遊技盤80の背面に対して平行な板状をなしており、同取付部261が遊技盤80に面当りした状態でネジ止めされることにより、集合板250と遊技盤80とが一体化されている。
図13及び図14に示すように、本体部251は、遊技盤80の背面80aに対して所定の間隔を隔てて対向する対向部252と、同対向部252において遊技盤80と対向している側の板面(前板面251a)から遊技盤80の背面に向けて起立する一対の壁部253,254とを有している。それら壁部253,254は、遊技球の直径よりも僅かに大きな間隔を隔てて相対向するとともに、各壁部253,254の先端が遊技盤80に対して当接するように形成されている。これら各壁部253,254、対向部252及び遊技盤80(詳しくは背面80a)によって遊技球を回収する回収通路CPが区画形成されている。言い換えれば、壁部253,254及び対向部252によって遊技盤80側に開放された溝部が形成されており、それら溝部の開放部位が遊技盤80によって塞がれることにより、遊技球の回収通路CPが形成されている。
回収通路CPは、一般入賞口81、作動口84,85及び可変入賞装置82,83等の各入球部に対応して複数設けられている。それら各入球部に入賞した遊技球は何れも回収通路CPを介して遊技盤80の下部に集められる。遊技盤80の下方には上述した排出通路盤203(図2参照)が配置されており、回収通路CPによって遊技盤80の下部に集められた遊技球は排出通路231に導出され、その後パチンコ機10の外部に排出される、詳しくは島設備に返却される。なお、上述したアウト口89についても同様に排出通路231に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球は同アウト口89を介して排出通路231内に導出され、パチンコ機10の外部に排出される。
各回収通路CPのうち一般入賞口81及び下作動口84に対応する回収通路CPの途中位置には、遊技球の通過を検知する検知センサ270が設けられている。詳しくは、対向部252にはそれら検知センサ270を収容するセンサ収容部が一体形成されており、検知センサ270はそれらセンサ収容部に対して嵌まった状態で固定されている。なお、センサ収容部は、対向部252の背面側に開放されており、その開放部位を介して検知センサ270の着脱が可能となっている。換言すれば、集合板250を遊技盤80に対して取り付けた状態のまま、同検知センサ270の着脱作業が可能となっている。
各検知センサ270は、各回収通路151の途中位置に設けられた検知領域を遊技球が通過することで、一般入賞口81等の入球部への入球を検知するものであり、具体的には上記検知領域を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握する磁気センサが採用されている。
これら各検知センサ270は、遊技盤80の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(詳しくは主制御装置162)に電気的に接続されており、それら検知センサ270にて生成された検知信号が同主制御装置162に対して出力される構成となっている。
本体部251の一側部(詳しくは右側可変入賞装置83寄りとなる部分)には、主制御装置ユニット160を支持する支持部255が設けられている。支持部255には、上下方向に延びる軸体(図示略)が取り付けられており、この軸体に対して主制御装置ユニット160(詳しくは取付台161)に形成された軸受け孔が挿通されることにより、集合板ユニット150に対して主制御装置ユニット160が回動可能な状態で支持されている。
再び図12を参照して説明すれば、集合板250において支持部255が設けられている側とは反対側の端部、詳しくは上記主表示ユニット87の後方に位置する部分には、上記主表示ユニット87へ光を供給する発光部300が設けられている。発光部300から供給された光が主表示ユニット87(詳しくは主表示部D)を通じて遊技機前方へ射出されることにより、あたかも主表示ユニット87自身が発光しているかのように見せる構成が採用されている。以下、図12〜図14に加え図15を参照し、発光部300及びそれに関連する構成について説明する。図15(a)は図10のB−B線部分断面図、図15(b)は図10のC−C線部分断面図である。
図14に示すように、発光部300は、複数の発光体311が実装されてなる主表示基板310と、同主表示基板310を発光体311の実装面(表面)が遊技盤80の背面に対向するようにして収容する基板収容部320とを有している。基板収容部320は、同主表示基板310を表側(遊技機前方)から覆うケース体331と、同主表示基板310を裏側(遊技機後方)から覆うとともに集合板250の本体部251に一体成形された集合板側ケース部341とが組み合わせられてなり、それらケース体331と集合板側ケース部341とによって囲まれた領域に主表示基板310が配置されることで、同主表示基板310の基板収容部320外部への露出が抑えられている。
図13に示すように、ケース体331は、主表示基板310の表面に対向する平面部332を有している。平面部332には、主表示基板310側に突出する複数のボス333が形成されており、これらボス333に対して同主表示基板310が当接することで当該主表示基板310の前面と平面部332との間に所定の隙間が確保されている。また、ボス333にはネジ孔が形成されており、主表示基板310の貫通孔に当該主表示基板310の背面側から挿通されたネジ334が同ネジ孔に対して螺着されることでケース体331と主表示基板310とが一体化されている。
図14に示すように、平面部332には、各発光体311に1対1で対応するようにして複数の貫通孔335が形成されている。貫通孔335は前後方向に延びており、これら貫通孔335に対して発光体311が挿入されている。詳しくは、それら発光体311の先端部分が貫通孔335の途中位置に達した状態となっている(図15参照)。貫通孔335の内形は、発光体311の外形に合わせて形成されており、同貫通孔335に発光体311が挿入されることで、当該貫通孔335が同発光体311によってほぼ塞がれた状態となっている。
なお、本実施の形態における発光体311については発光ダイオードが採用されており、同貫通孔335を通じて遊技機前方へと指向性を有する光が射出される。
平面部332の外周縁には主表示基板310側へ(遊技機後方へ)起立する周壁部336が形成されている。周壁部336は、主表示基板310の周縁に対峙しているとともに同周縁に沿って延びる環状をなしており、この周壁部336によって主表示基板310が覆われている。言い換えれば、ケース体331は全体として後方に開放された略箱状をなしており、平面部332及び周壁部336によって区画された領域に主表示基板310やネジ334が収容されている。
ケース体331については有色不透明な合成樹脂材料を用いて形成されており、同ケース体331に主表示基板310が組み付けられた状態において上述した貫通孔335を通じた光の射出を許容しつつ、同貫通孔335以外からの光漏れが抑制されている。なお、ケース体331を集合板250と同様に無色透明な合成樹脂材料で形成することも可能であるが、このような変更を行う場合、光漏れを抑制するための工夫を施すことが好ましい。
集合板側ケース部341は、ケース体331の平面部332に対して主表示基板310を挟んで対向する対向部342を有している。対向部342は、主表示基板310と平行な平板状をなしており、その前面に対してケース体331における周壁部336の後端部分が当接している(図15参照)。対向部342の外周縁には、ケース体331を囲む囲み部343が形成されている。
囲み部343は、対向部342から起立しているとともに、ケース体331の周壁部336に対して主表示基板310とは反対側から対向する壁状をなしている。集合板側ケース部341は、前方に開放された略箱状をなしており、囲み部343及び対向部342によって囲まれた領域内にケース体331及び主表示基板310が収容されている。
囲み部343の前端部分には、遊技盤80に当接する当接部344が設けられている。当接部344は、上記本体部251の取付部261と同様に遊技盤80の背面と平行な平板状をなしており、同遊技盤80に対してネジ止めされている。このように、主表示基板310の周辺にて集合板ユニット150の固定を行うことにより、主表示基板310周辺での集合板ユニット150の浮き上がり等が好適に抑制されている。
ここで、ケース体331と集合板側ケース部341との組み合わせに関する構成について説明する。
ケース体331における周壁部336の外周面には上方に凸となる突起337が形成されており、集合板側ケース部341の囲み部343には、上記突起337が挿通される挿通孔345が設けられている。挿通孔345は、囲み部343の前端寄りに配されており、上記当接部344に跨っている。この当接部344に対して突起337が遊技盤80とは反対側から当接していることで、ケース体331の遊技盤80側(遊技機前方)への移動が抑えられている。
周壁部336の外周面において突起337が形成されている部分に対して主表示基板310を挟んで反対側となる部分には取付部338が形成されている。取付部338は同外周面から下方に突出しており、集合板側ケース部341の囲み部343には取付部338に対応させて凹部346が形成されている。凹部346は、遊技盤80側(遊技機前方)に開放されており、この開放部分を通じて同凹部346に取付部338が嵌まる構成となっている。
凹部346の底部にはネジ穴346aが形成されている。一方、ケース体331の取付部338にはネジ穴346aと同軸上に位置するようにして形成された貫通孔338aが形成されている。この貫通孔338aに遊技盤80側(遊技機前方)から挿通されたネジ325がネジ穴346aに螺着されることで、ケース体331と集合板側ケース部341とが一体化されている。
取付部338に関しては、遊技盤80の背面80aに対向する位置に配設されており、集合板ユニット150が遊技盤80に対して固定されている状態では、ネジ325の取り外し軌道上に遊技盤80が位置することで、同ネジ325の取り外しが不可となる。更には、取付部338には、ネジ325の頭部に合わせて凹みが形成されている。この凹みは、遊技盤80側に開放されており、ネジ325の取付経路を確保するとともに、同ネジ325の頭部の収容領域を区画している。この凹みの開放部分は、遊技盤80の背面80aによって塞がれており、これによってネジ325へのアクセスが困難なものとなっている。つまり、ネジ325を取り外すには、先ず集合板ユニット150を遊技盤80から取り外す必要がある。
ここで、集合板側ケース部341に対するケース体331の組み付け作業について間単に説明する。ケース体331を集合板側ケース部341に対して組み付ける場合には、先ずケース体331の突起337を集合板側ケース部341の挿通孔345に挿通する。このように突起337が挿通孔345に対して挿通された状態で、同ケース体331を突起337を中心として集合板250側に回動させることで、ケース体331が集合板側ケース部341内に収容されるとともに、ケース体331の取付部338が集合板側ケース部341の凹部346に嵌まることとなる。その後、ネジ325をネジ穴346aに螺着することで、ケース体331と集合板側ケース部341とが一体化される。
本実施の形態においては、基板収容部320内に主表示基板310を収容することにより、遊技機外部からの主表示基板310に対するアクセスを好適に抑制することが可能となっている。しかしながら、このように主表示基板310へのアクセスを抑制したとしても、例えば主制御装置162と主表示基板310とを繋ぐ配線の着脱が容易となれば、主表示基板310における防犯機能が低下し得る。そこで、本実施の形態においては、配線の接続に関する工夫が施されている。以下、図13〜図15に基づき、配線の接続に関する構成について説明する。
図13に示すように、主表示基板310において対向部342側を向いた板面(裏面)には、基板側コネクタCN1が取り付けられている。基板側コネクタCN1はその接続端子が後方を向いた状態で固定されており、同基板側コネクタCN1には主制御装置162に連なる配線Hに設けられた配線側コネクタCN2が接続されている。
図14に示すように、集合板側ケース部341の対向部342には、これら各コネクタCN1,CN2の通過を許容する開口部347が形成されており、この開口部347よりも後方には両コネクタCN1,CN2を収容するコネクタ収容部348が設けられている。コネクタ収容部348は、開口部347の周縁部に沿って形成された壁面部と同開口部347を後方から覆う覆い部とによって構成されており、全体として後方に張り出した略箱状をなし、集合板側ケース部341に一体成形されている。
コネクタ収容部348には、配線Hが挿通される挿通孔348aが形成されている。挿通孔348aは、配線Hの通過を許容するとともに配線側コネクタCN2の通過を許容しないように構成されている。また、挿通孔348aはコネクタ収容部348の内外に貫通しているとともに開口部347に対して部分的に連なっている。囲み部343には同挿通孔348aに連なる切欠き部349が設けられており、開口部347及び切欠き部349によって挿通孔348aへと続く配線用の通路が形成されている。
特に、切欠き部349は、遊技盤80側(遊技機前方)に開放されており、その開放幅が挿通孔348aの入口部分の開放幅よりも大きく形成されている。より詳しくは、配線側コネクタCN2の通過を許容する大きさを有している。このように上述した配線用通路の入口部分を拡げておくことにより、挿通孔348aへの配線Hの挿通作業が容易化されている。
一方、ケース体331の周壁部336には、切欠き部349に合わせて形成された張出部339が形成されている。ケース体331が、集合板側ケース部341に対して嵌まることにより張出部339によって切欠き部349が塞がれている。
ここで、図16に基づき、配線Hの取り回しを踏まえてケース体331及び集合板側ケース部341の組み付け作業の流れについて説明する。図16(a)群は発光部300の内部構成を示す概略図、図16(b)群は発光部300を側方から見た概略図、図16(1)群はケース体331を集合板側ケース部341から取り外した状態を示す概略図、図16(2)群はケース体331を集合板側ケース部341に組み付けた状態を示す概略図である。
図16(a1)及び図16(b1)に示すように主表示基板310がケース体331に取り付けられている状態にて、配線側コネクタCN2を基板側コネクタCN1に接続する。その後、ケース体331を集合板側ケース部341側へ移動させるが、この際、配線Hを開口部347及び切欠き部349を通じて、挿通孔348aへと誘導する。開口部347及び切欠き部349については、コネクタCN2よりも大きく形成されており、少なくとも同開口部347等を通じたコネクタCN2の移動が許容されている。これにより、コネクタCN1,CN2と集合板側ケース部341と間に配線Hが挟まることが抑制されているとともに、配線用の案内通路の入口部分を大きく設定しておくことで、配線Hの挿通作業が容易化されている。
その後、ケース体331を集合板側ケース部341の奥側へ押し込むことにより、切欠き部349の前方への開放部分が張出部339によって覆われるとともに、開口部347がコネクタCN1,CN2によって覆われることとなる。
図16(a2)及び図16(b2)に示すようにケース体331の集合板側ケース部341に対する組み付けが完了すると、切欠き部349が張出部339によって塞がれることにより同切欠き部349や挿通孔348aを通じたコネクタCN2の取り外しが不可となる。つまり、ケース体331と集合板側ケース部341とを一体化することにより、コネクタCN2の取り外しが不可となる。
更には、コネクタCN1からのコネクタCN2の離脱軌道上にコネクタ収容部348(詳しくは上記覆い部)が位置していることで、同コネクタCN2の引き抜きも不可となる。
また、挿通孔348aは、その一部が基板収容部320の内側からコネクタCN1,CN2によって覆われることとなり、開放部分が縮小される。これにより、配線側コネクタCN2を基板収容部320内に主表示基板310ごと収容しつつ、それに起因した組み付け作業性の低下及び防犯性の低下を好適に抑制することが可能となっている。
このようにして集合板250に対して一体化された発光部300は、遊技盤80に設けられた前記主表示ユニット87の後方に配置されている。ここで、図12,図15及び図17に基づいて主表示ユニット87について補足説明し、その後、図18を加えて同主表示ユニット87と発光部300との関係について補足説明する。図17(a)は主表示ユニット87を遊技機前方から見た斜視図、図17(b)は主表示ユニット87を遊技機後方から見た斜視図、(a)ケース体331と集合板側ケース部341との関係を示す概略図、(b)主表示ユニット87と発光部300との関係を示す概略図、(c)ケース体331と集合板側ケース部341と組付態様を示す概略図である。
図17に示すように、主表示ユニット87は、遊技盤80に対する取付部としてのベース部材410を有している。ベース部材410は、遊技盤80の前面に対して面接触している板状部411を有しており、当該板状部411が遊技盤80に対して同遊技盤80の前面側からネジ止めされることにより、主表示ユニット87が遊技盤80に対して固定されている。
図15に示すようにベース部材410には、板状部411から後方に起立し、遊技盤80に形成された開口80bの内壁面に沿って延びる環状部412が設けられている。このように、環状部412を設けることにより、ベース部材410の強度向上が図られている。
環状部412には遊技機後方から後側導光部材420が挿入されている。後側導光部材420は、環状部412に対して遊技機後方から当接した状態で、ベース部材410に対して固定されている。後側導光部材420は、個々の発光体311に1対1で対応する後側筒部421を有し、全体として前後方向に延びるハニカム状に形成されている。より詳しくは、各筒部421は、ケース体331の貫通孔335と同一軸線上に位置するようにして形成されているとともに、その後側の端部がケース体331の平面部332に対して当接している。
後側導光部材420は、光の透過が抑えられた有色不透明な合成樹脂材料を用いて形成されており、各筒部421間での光の往来が抑制されている。このため、発光体311から射出された光は同発光体311に1対1で対応する後側筒部421に沿うようにして遊技機前方へと導かれることとなる。
後側導光部材420の前方には、同後側導光部材420と対をなす前側導光部材430が設けられている。前側導光部材430は、ベース部材410の板状部411に対して遊技機前方から当接した状態で同板状部411に対して固定されている。
前側導光部材430は後側導光部材420の各後側筒部421に1対1で対応する複数の前側筒部431を有している。前側筒部431はその中心軸線が後側筒部421の中心軸線と重なるように形成されており、同後側筒部421に連通している。つまり、後側筒部421及び前側筒部431によって光を誘導する一連の誘導通路が形成されている。
なお、後側導光部材420についても前側導光部材430と同様に、光の透過が抑えられた有色不透明な合成樹脂材料を用いて形成されており、各筒部431間での光の行き来が抑制されている。
前側導光部材430の前方には、前側筒部431における前側の開放部分を塞ぐようにしてカバー部材440が配設されている。カバー部材440は光透過性を有する有色透明な合成樹脂材料からなり、発光体311から射出され貫通孔335→後側筒部421→前側筒部431を経由してカバー部材440に到った光は、同カバー部材440を通過して遊技機前方に射出されることとなる。
また、主表示ユニット87は、遊技盤80の前面側に突出して設けられた前側導光部材430及びカバー部材440を遊技機前方から覆うケース体450を有している。ケース体450はベース部材410に対して固定されており、同ベース部材410と前側導光部材430とによってカバー部材440が挟持されている。ケース体450は有色不透明の合成樹脂材料によって形成され、光の透過が不可となっているが、同ケース体450の前面部分には、上述した主表示部Dを遊技機前方に露出させる開口部451が形成されている。これにより、カバー部材440を通過した光の視認性を担保しつつ、主表示部D以外からの光漏れを抑制している。
また、本実施の形態における主表示ユニット87(詳しくはベース部材410及びケース体450)は、パチンコ機10の正面視において遊技盤80の開口80bよりも大きく形成されており(図15参照)、同開口80bが遊技機前方から視認されにくくなっている。これにより、開口80bの縁部が露出して遊技盤80の装飾性が低下するといった不都合を生じにくくしている。更には、主表示ユニット87において遊技盤80の前面側に突出している部分、すなわち遊技領域PE内に位置している部分に、開口80bの内形に合わせた外形の制約が生じることを抑制している。これにより、主表示ユニット87の設計の自由度を向上し、同主表示ユニット87の装飾性の向上に貢献している。
但し、上述の如く、遊技盤80に対して主表示ユニット87を前面側から取り付けるとともに、同遊技盤80に対して発光部300を背面側から取り付ける構成とした場合、両者の位置合わせが困難になると想定される。特に、集合板ユニット150を遊技盤80に対して取り付けることにより発光部300の遊技盤80への取り付けが完了する構成である場合、位置合わせの困難さが顕著になり得る。そこで、本実施の形態においては、遊技盤80を挟んで主表示ユニット87及び発光部300を取り付ける構成を採用しつつ、そのような不都合の発生を抑制するための工夫が施されている。
以下、図17(b)及び図18に基づき、主表示ユニット87及び発光部300の位置合わせに関する構成について説明する。図18(a)は集合板側ケース部に対するケース体の取付構造を示す概略図、図18(b)はケース体と集合板側ケース部との関係を示す概略図、図18(c)は主表示ユニットと発光部との関係を示す概略図である。
既に説明したように、主表示基板310はケース体331に対して固定されており、同ケース体331は集合板側ケース部341に対して取り付けられている。図18(a)に示すように、ケース体331及び集合板側ケース部341は、ネジ325を用いて一体化されている。ケース体331の取付部338に形成された貫通孔338aについては、その内径がネジ325の外径よりも大きく設定されている。つまり、ネジ325と貫通孔338aとの間には所定の隙間が確保されている。
図18(b)に示すように、取付部338と凹部346との間にもネジ325の放射方向において上記所定の隙間と同等の隙間が確保されており、ケース体331の周壁部336と集合板側ケース部341の囲み部343との間にも上記所定の隙間と同等の隙間が確保されている。更には、突起337と同突起337が挿通されている挿通孔345との間にも、左右方向に上記所定の隙間と同等の隙間が確保されている。
このように、ケース体331と集合板側ケース部341との間にケース体331の移動を許容する隙間(すなわち可動領域)を確保しておくことで、集合板250が遊技盤80に対して固定されている状態でも同遊技盤80の背面に沿ったケース体331のスライド移動(例えば上下方向や左右方向への移動)が許容されている。
また、再び図18(a)を参照して説明すれば、ネジ325が螺着されているネジ穴346aは有底となっており、ネジ325をネジ穴346aの底部に達するまで挿入した状態ではネジ325の頭部と取付部338(詳しくはその前面)との間に僅かな隙間が確保されている。これにより、上述したケース体331のスライド移動が、ネジ325の締結力によって妨げられることを抑制し、同ケース体331の移動の円滑化を図っている。
ここで、図18(c)に基づきケース体331と主表示ユニット87との関係について補足説明する。主表示ユニット87のベース部材410には、板状部411から後方に凸となる突起413が一体形成されている。突起413は前後に延びる円柱状をなしており、後側導光部材420に形成された嵌合孔422に対して嵌まっている。これにより、ベース部材410に対する後側導光部材420の位置合わせがなされている。
嵌合孔422は前後方向に貫通しており、その後側の開放部分から突起413の先端部分が突出している。突起413の先端部分は、ケース体331の平面部332に形成された位置決め凹部332aに嵌まっている。
突起413の先端部分は先細り状をなしているとともに、位置決め凹部332aの入口部分は前方に向けて僅かに拡張されている。言い換えれば、突起413の先端部分と位置決め凹部332aの入口部分とには、集合板ユニット150(詳しくはケース体331)の前方への移動に伴って突起413を位置決め凹部332aへと誘導する誘導部414,332bが形成されている。
集合板ユニット150を遊技盤80に対して取り付ける際には、誘導部414,332bによって突起413が位置決め凹部332aに誘導されることによりケース体331が遊技盤80と平行に移動する。これにより、発光部300(詳しくは主表示基板310)と主表示ユニット87との位置合わせが行われることとなる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図19のブロック図に基づき説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、MPU602が搭載されている。MPU602には、当該MPU602により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM603と、そのROM603内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM604と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU602が有する機能の一部、例えば、ROM603の機能やRAM604の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU602には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU602の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板605、払出制御装置242及び各種検知センサ(例えば検知センサ95,270)などが接続されている。この場合に、停電監視基板605には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU602には停電監視基板605を介して電力が供給される。また、センサ群の一部として、一般入賞口81,下側可変入賞装置82,右側可変入賞装置83,下作動口84,右作動口85及びスルーゲート86などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置162のMPU602において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU602では、下作動口84及び右作動口85への入賞に基づいて大当たりや特別当たりの発生抽選を実行するとともに、スルーゲート86への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU602の出力側には、停電監視基板605、払出制御装置242及び音声ランプ制御装置143が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。そして、一般入賞口81への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置82,83への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口84への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、右作動口85への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置143には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM603のコマンド情報記憶エリア625が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU602の出力側には、下側可変入賞装置82の可変入賞駆動部82c、右側可変入賞装置83の可変入賞駆動部83c、切替部材93の駆動部94、右作動口85の電動役物91を開閉動作させる電動役物駆動部91b、及び発光部300の主表示基板310が接続されている。主制御基板601には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU602は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては下側可変入賞装置82の開閉扉82bが開閉されるように、MPU602において可変入賞駆動部82cの駆動制御が実行される。また、電動役物91の開放状態当選となった場合には、電動役物91が開閉されるように、MPU602において電動役物駆動部91bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU602において主表示部D(詳しくは発光部300の主表示基板310)の発光制御が実行される。
停電監視基板605は、主制御基板601と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置242は、主制御装置162から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板601や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110(詳しくはソレノイド111)は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置143は、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた各種ランプ部26〜28やスピーカ部29を駆動制御するとともに、表示制御装置725を制御するものである。
表示制御装置725では、音声ランプ制御装置143から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置96の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置143では、主制御装置162から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU602は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たりや特別当たりの発生抽選、主表示部Dの表示の設定(すなわち主表示基板310の発光態様の設定)、図柄表示装置96の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図20に示すように、大当たりや特別当たりの発生の抽選に使用する当たり乱数カウンタC1と、後述する高頻度サポートモードの有無を判定する際に使用する当たり種別カウンタC2と、当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示部Dの下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DR並びに図柄表示装置96における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、右作動口85の電動役物91を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC3を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM604の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ631に適宜格納される。RAM604には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア632が設けられている。そして、この保留球格納エリア632に、下作動口84又は右作動口85への遊技球の入賞履歴に合わせて、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
当たり当選となる乱数の値は、ROM603における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア621に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図21を用いて説明する。図21に示すように、当否テーブルとしては、各作動口84,85に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下作動口84への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の当否テーブル(下作動口用当否情報群)と、右作動口85への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の当否テーブル(右作動口用当否情報群)とが設定されている。
上記抽選に際して下作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図21(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。つまり「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち、「7」及び「307」が大当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
一方、上記抽選に際して右作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、上記下作動口用の当否テーブルと同様に、大当たり当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「7」及び「307」の2個である。また、「0〜599」の当たり乱数カウンタC1の値のうち「51〜60」,「151〜160」,・・・,「551〜560」が特別当たり結果に対応しており、それ以外が外れ結果に対応している。
ここで、大当たり結果と特別当たり結果と違いについて説明する。各作動口84,85への入賞に基づいた抽選により大当たり結果となった場合には、下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行される。一方、同抽選により特別当たり結果となった場合には、直ちに下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されるのではなく、もう一度別の抽選を行う権利が付与されることとなり、その抽選に当選することで上記大当たり結果の場合と同様に下側可変入賞装置82が開閉実行モードへ移行されることとなる。
具体的には、特別当たり結果となった場合には、先ず右側可変入賞装置83が開状態に移行される。その際、右側大入賞口83aに入賞した遊技球が上記両下流側通路92b,92cのうち第2下流側通路92cに流入することで当たりが確定し、下側可変入賞装置82が開閉実行モードに移行される。言い換えれば、特別当たりに当選した場合には、第2下流側通路92cへの入球を契機として大当たりと同様の結果が遊技者に対して付与される。なお、第2下流側通路92cへの入球によって当たりが確定する点に着目すれば、同第2下流側通路92cを「有利入球部92c」と称することも可能である。
次に当たり種別カウンタC2について説明する。当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が下作動口84又は右作動口85に入賞したタイミングでRAM604の保留球格納エリア632に格納される。より詳しくは、下作動口84に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、右作動口85に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM603における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア622に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図22を用いて説明する。図22に示すように、振分テーブルとしては、各作動口84,85に個別に対応させて2種類設定されている。つまり、下作動口84への入賞が発生した場合に参照される下作動口用の振分テーブル(下作動口用振分情報群)と、右作動口85への入賞が発生した場合に参照される右作動口用の振分テーブル(右作動口用振分情報群)とが個別に設定されている。
これら振分テーブルを参照して、開閉実行モード終了後の右作動口85の電動役物91におけるサポートモードの振分が行われる。
右作動口85の電動役物91におけるサポートモードとしては、遊技領域PEに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、右作動口85の電動役物91が単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC3を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物91が開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物91の開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、右作動口85よりも下作動口84への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、下作動口84よりも右作動口85への入賞が発生する確率が高くなる。そして、右作動口85への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、スルーゲート用表示部DSにおける1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
本パチンコ機10では、大当たり結果又は特別当たり結果となった場合の低頻度サポートモード及び高頻度サポートモードへの振分態様は、下作動口84への入賞に基づいて当たり当選となった場合と、右作動口85への入賞に基づいて当たり当選となった場合とで異なっている。
具体的には、上記振分に際して下作動口用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図22(a)に示すように、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜14」の15個である。一方、上記振分に際して右作動口用の振分テーブルが参照されることとなる遊技状況下では、図22(b)に示すように、高頻度サポートモード当選となる乱数の値(すなわち、当選情報)は「0〜24」の25個である。つまり、下作動口84への入賞により大当たりに当選した場合には1/2の確率で高頻度サポートモードに振り分けられ、右作動口85への入賞により大当たり又は特別当たりに当選した場合には、5/6の確率で高頻度サポートモードに振り分けられることとなる。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらにサポートモードの変更は発生しない。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、主表示ユニット87の下作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示時間と、図柄表示装置96における図柄の変動表示時間とをMPU602において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置96による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC3は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC3は定期的に更新され、スルーゲート86に遊技球が入賞したタイミングでRAM604の電役保留エリア633に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC3の値によって電動役物91を開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C3=0〜199であれば、電動役物91を開放状態に制御し、C3=200〜249であれば、電動役物91を開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU602では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM603の変動表示時間テーブル記憶エリア623が用いられる。また、MPU602では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値及び当たり種別カウンタC2の値を用いて、作動口用表示部DL及び右作動口用表示部DRにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM603の停止結果テーブル記憶エリア624が用いられる。
<主制御基板601のMPU602にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板601のMPU602により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU602の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される通常処理と、通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後通常処理を説明する。なお、MPU602では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断信号の入力により起動され、RAM604の各種フラグ格納エリアにおける電断フラグ格納エリア(電断情報記憶手段)に電断フラグ(電断情報)を格納するNMI割込み処理が実行されるが、同処理についての詳細な説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU602により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置162に接続されている各種検知センサの状態を読み込むと共に、同検知センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC3の更新を実行する。具体的には、当たり乱数カウンタC1、当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC3をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C3の更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート86への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。
<スルー用の入賞処理>
ここで、スルー用の入賞処理について図24のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球がスルーゲート86に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート86に入賞したと判定した場合には、ステップS202に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
ステップS201でスルーゲート86に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS202にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC3の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球がスルーゲート86に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS203に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS204では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC3の値をRAM604の電役保留エリア633の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、保留数用表示部DHを点灯させるための処理を実行する。役物保留記憶数SNに応じて保留数用表示部DHに対応する発光体311が順次点灯されるようになっている。
その後、ステップS105にて、作動口84,85への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
以下、作動口用の入賞処理について図25のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、遊技球が下作動口84に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口84に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口84に入賞したと判定すると、ステップS302では、払出制御装置242に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS303では、下作動口84に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS304では、結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS305では、当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS301にて遊技球が下作動口84に入賞していないと判定した場合、ステップS306では、遊技球が右作動口85に入賞(始動入賞)したか否かを右作動口85に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が右作動口85に入賞したと判定すると、ステップS307にて払出制御装置242に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS308では、右作動口85に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS309では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS305にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS301、ステップS306の両者にて否定判定をした場合には、すなわち下作動口84及び右作動口85のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS302,S307にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS501)にて払出制御装置242に対して送信される。
ここで、ステップS305の情報取得処理を図26のフローチャートにより詳細に説明する。
先ずステップS401では、上述したステップS304又はステップS309にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS402にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS403にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS404では、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
また、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した当たり乱数カウンタC1及び当たり種別カウンタC2の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS402にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図27のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS501〜S506の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS508,S509のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS501では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に対して送信する。また、所定の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置143に対して送信する。
次に、ステップS502では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS503では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たりや特別当たりの当たり判定、図柄表示装置96による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の各表示部DL,DRの表示制御などを行う。この遊技回制御処理についての詳細は後述する。
その後、ステップS504では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードや高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS506では、右作動口85に設けられた電動役物91を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物91を開状態とするか否かの判定、スルーゲート用表示部DSの表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
その後、ステップS506では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS507にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS508では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。また、ステップS509では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM604の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS501〜S506の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS504の遊技回制御処理を図28〜図30のフローチャートを参照して説明する。
図28に示す遊技回制御処理では、先ずステップS601にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS602以降の処理、すなわちステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理及びステップS606〜ステップS609の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口84,85への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS602にて、主表示ユニット87の作動口用表示部DL,DRのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM604の各種フラグ格納エリア635における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、作動口用表示部DL,DRのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
作動口用表示部DL,DRが変動表示中でない場合には、ステップS603〜ステップS605の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS603にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、下作動口84及び右作動口85のいずれについても始動保留記憶数が「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS604にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS605にて作動口用表示部DL,DRにおける変動表示及び図柄表示装置96における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS604のデータ設定処理及びステップS605の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
<データ設定処理>
先ず、データ設定処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS701にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS702〜ステップS707の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS708〜ステップS713の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち右作動口用表示部DRについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、右作動口85に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS702にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS703では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS704では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS705にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS706では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が下作動口用表示部DL又は右作動口用表示部DRのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS707では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置143に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM603のコマンド情報記憶エリア625から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち下作動口84に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS707にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図27)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット88の下作動口用保留ランプ部98における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS708にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS709では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS710では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS711にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS712では、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS713では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置143に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM603のコマンド情報記憶エリア625から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち右作動口85に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声ランプ制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS713にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図27)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット88の右作動口用保留ランプ部99における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。変動開始処理では、主表示ユニット87の各作動口用表示部DL,DRにおける変動表示を開始させるとともに、図柄表示装置96における変動表示を開始させるように音声ランプ制御装置143に出力するコマンドを設定する。
先ずステップS801にて当否判定処理を実行する。当否判定処理では、実行エリアAEに格納されている当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり結果、特別当たり結果、又は外れ結果のいずれに対応しているかを判定する。具体的には、先ず入賞先が下作動口84及び右作動口85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記当否テーブルを選択し、その選択した当否テーブルを参照して当たり乱数カウンタC1の値が大当たり結果に対応しているか否かを判定する。大当たり結果に対応していない場合、特別当たり結果に対応しているか否かを判定する。特別当たり結果に対応していない場合、外れ結果に対応しているものと判定する。つまり、当たり乱数カウンタC1の値が外れ結果に対応した値と一致するか否かの判定を行わない。
なお、当否判定処理の方法を変更してもよく、例えば、大当たり結果に対応しているか否か、特別外れ結果に対応しているか否か、及び、完全外れ結果に対応しているか否かの判定をそれぞれ行うようにしてもよい。
続くステップS802では、振分判定処理を実行する。振分判定処理では、ステップS801での当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果であるか否かを判定し、判定の結果が外れ結果である場合には本処理を終了する。一方、当否判定処理の結果が大当たり結果又は特別当たり結果である場合には、入賞先が下作動口84及び右作動口85の何れであるかを判別する。そして判別された入賞先に応じて上記振分テーブルの選択を行い、その選択された振分テーブルを参照して当たり種別カウンタC2の値が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。つまり、当たり種別カウンタC2の値が低頻度サポートモードに対応しているか否かの判定を行わない。
当否判定処理及び振分判定処理を実行したらステップS803〜ステップS811にて、今回の遊技回において作動口用表示部DL,DRで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。
具体的には、ステップS803では、当否判定処理の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合、ステップS804に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に開閉実行モードフラグをセットした後、ステップS805に進む。
ステップS805では振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS806に進み、高頻度サポートモード対応の大当たり(以下便宜上、第1大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第1大当たり当選用の停止結果設定処理においては、第1大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1大当たり結果に対応していることを特定できる。第1大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS807に進み、高頻度サポートモード非対応の大当たり(以下便宜上、第2大当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第2大当たり当選用の停止結果設定処理においては、第2大当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2大当たり結果に対応していることを特定できる。第2大当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
ステップS801での当否判定処理の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS808に進み、同当否判定処理の結果が特別当たり当選であるか否かを判定する。特別当たり当選である場合、ステップS809に進み、抽選結果確定モードフラグをRAM604の各種フラグ格納エリア635にセットした後、ステップS810に進む。なお、抽選結果確定モードフラグは、特別当たり発生後に、右側可変入賞装置83を開放することで、上述した有利入球部としての第2下流側通路92cへの入賞を許容するフラグであり、同フラグについての詳細は後述する。
続くステップS808では、振分判定処理の結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定する。この結果、高頻度サポートモードに対応している場合には、ステップS811に進み、高頻度サポートモード対応の特別当たり(以下便宜上、第1特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第1特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、第1特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第1特別当たり結果に対応していることを特定できる。第1特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
一方、高頻度サポートモードに対応していない場合には、ステップS812に進み、高頻度サポートモード非対応の特別当たり(以下便宜上、第2特別当たりと称する)当選用の停止結果設定処理を実行する。第2特別当たり当選用の停止結果設定処理においては、第2特別当たり結果に対応したフラグがセットされる。これにより、今回の遊技回が第2特別当たり結果に対応していることを特定できる。第2特別当たり結果に対応したフラグは、その遊技回が終了し、変動終了用の移行処理が終了したタイミングでクリアされる。
ステップS808にて特別当たりに当選していないと判定された場合、ステップS813に進む。ステップS813では、外れ結果用の停止結果設定処理を実行する。本停止結果設定処理では、表示テーブルに記憶された完全外れ結果に対応した表示データが停止結果として設定される。各停止結果設定処理では、変動表示が終了した場合の各表示部DL,DRにおける停止結果を設定する。
ステップS806、ステップS807、ステップS811、ステップS812、ステップS813のいずれかにて停止結果設定処理を実行したら、ステップS814に進む。ステップS812では、変動表示時間の設定処理を実行する。具体的には、RAM604の変動表示時間カウンタエリアに変動表示時間をセットする。変動表示時間カウンタエリアの値は所定期間毎に減算されるようになっており、その値が「0」となった場合にその遊技回が終了される。
変動表示時間の設定処理では、変動種別カウンタCSの値を取得するとともに、ROM603に記憶された変動表示時間テーブルからその変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を選択するようになっている。変動表示時間テーブルには、大当たり結果に対応したものと、特別当たり結果に対応したものと、外れ結果に対応したものと、が設定されている。これにより、変動種別カウンタCSの値が同一であったとしても遊技結果によって変動表示時間を異ならせることが可能となる。この結果、設定される変動表示時間のパターンを多様化できる。
変動表示時間を設定したらステップS815に進む。ステップS815では、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、大当たり結果、特別当たり結果、高頻度サポートモード対応の有無の情報などが含まれる。
ステップS815にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図27)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置96での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は音声ランプ制御装置143から表示制御装置725に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置725では、音声ランプ制御装置143から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。
その後、ステップS816にて、各表示部DL,DRにおいて絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
ここで、再び図7を参照し、各作動口用表示部DL,DRにおける表示態様について説明する。既に説明したように、主表示ユニット87の主表示部Dは自身の後方に配置された主表示基板310から供給される光によって表示態様が決定されている。主表示基板310には26個の発光体311が設けられており、そのうち10個が下作動口用表示部DLに割り当てられている。これら10個の発光体311が点滅等することにより変動表示が行われるとともに、最終的に点灯又は消灯することで停止絵柄が表示される。下作動口用表示部DLにおける停止絵柄としては、第1大当たり結果,第2大当たり結果及び外れ結果が設定されている。
また、右作動口用表示部DRについても10個の発光体311が割り当てられており、これら発光体311が点滅等することにより変動表示が行われる。右作動口用表示部DRにおける停止絵柄としては、第1大当たり結果,第2大当たり結果,第1特別当たり結果,第2特別当たり結果及び外れ結果が設定されている。
各表示部DL,DRにおける停止絵柄は、ROM603の停止結果テーブル記憶エリア624に、第1大当たり結果〜外れ結果の各結果に対応させて複数ずつ記憶され、表示態様の多様化が図られている。
本実施の形態においては特に、高頻度サポートモード対応の当たり結果に対応する停止絵柄の表示パターンと、高頻度サポートモード非対応の当たり結果に対応する停止絵柄の表示パターンとが同数となっている。これにより、停止された絵柄の表示パターンを確認することで抽選結果が高頻度サポートモード対応しているか否かを判別することを困難なものとしている。
なお、これら各表示部DL,DRの変動表示パターンをについては、ROM603に記憶された表示テーブルによって予め複数設定されており、変動パターン決定の際には同表示テーブルを参照する。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS504の遊技状態移行処理を図31のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS901では、大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中か否かを判定する。大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中でない場合には、ステップS902に進む。ステップS902では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中か否かを判定する。つまり、右作動口85への入賞に基づく抽選結果が特別当たり結果となり、右側可変入賞装置83への遊技球の流入が許容されるモードへ切り替わっているか否かを判定する。
ステップS901及びステップS902のそれぞれでは、各種フラグ格納エリア635に設けられた開閉実行モードフラグ格納エリア及び抽選結果確定モードフラグ格納エリアに対応したフラグがセットされているか否かによって判定する。なお、抽選結果確定モードフラグは、右作動口85への入賞に基づく抽選を行った際に、特別当たりに当選することで上記フラグ格納エリアに格納される。
ステップS902にて特別当たり結果に対応した抽選結果確定モード中であると判定した場合には、ステップS903の特別当たり用の移行処理に進む。この特別当たり用の移行処理については後述する。
一方、ステップS902にて抽選結果確定モード中でないと判定した場合、ステップS904に進む。ステップS904では、1の遊技回の各表示部DL,DRにおける変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS905にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM604に、開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。同フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS906にて第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
続くステップS907においては、今回の当たり結果が高頻度サポートモードに対応しているか否かを判定し、同高頻度サポートモードに対応している場合には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に高頻度サポートモードフラグをセットする。
ステップS907の処理を実行した後は、ステップS908にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図27)におけるステップS501にて、音声ランプ制御装置143に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置143では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置143から表示制御装置725に送信され、表示制御装置725では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置96を表示制御する。ステップS908の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
ここで、図32のフローチャートを参照して特別当たり用の移行処理について説明する。
先ずステップS1001では、右側可変入賞装置83が開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部83cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。右側可変入賞装置83が開放中でない場合には、ステップS1002にて切替部材93を非誘導状態から誘導状態に切り替える。具体的には駆動部94を励磁することによって、切替部材93を誘導状態に切り替えることで、第1下流側通路92bへの遊技球の流入を不可とするとともに、第2下流側通路92cへ遊技球を誘導可能な状態とする。
続くステップS1003では、RAM604に設けられた第1タイマエリアt1に「1500」をセットする。ここでセットされたカウント値は、所定周期(2msec周期)で1ディクリメントされる。
第1タイマエリアt1に値をセットしたらステップS1004に進み、開放コマンドをセットするとともに、右側可変入賞装置の開放処理を実行する。開放コマンドは、外部出力処理(ステップS501)にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した開放コマンドに基づいて、特別当たり結果に対応した抽選確定実行モードにおいて右側可変入賞装置83が開放中である場合の演出を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。右側可変入賞装置の開放処理では、大入賞口83aを開放すべく可変入賞駆動部83cを駆動状態とする。ステップS1004の処理を実行したら、本特別当たり用の移行処理を終了する。
一方、ステップS1001にて右側可変入賞装置83が開放中であると判定した場合には、ステップS1005に進む。ステップS1005では、第1タイマエリアt1の値が「500」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材93を誘導状態に切り替えた後2秒が経過したか否かを判定する。第1タイマエリアt1の値が「500」であると判定した場合には、ステップS1006に進み切替部材93の復帰処理を実行する。切替部材復帰処理においては、駆動部94の励磁を解除することにより、切替部材93が非誘導状態へと切り替わる。これにより、第2下流側通路92cへの遊技球の流入が不可となり、この後のタイミングで右側可変入賞装置83に流入した遊技球は第1下流側通路92bへ導かれることとなる。
続くステップS1007では、第1タイマエリアt1の値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、切替部材93を誘導状態に切り替えた後3秒が経過したか否かを判定する。
第1タイマエリアt1の値が「0」でない場合には、ステップS1008に進む。ステップS1008では、有利入球部としての第2下流側通路92cに遊技球が流入したか否かを判定する。具体的には、上述したタイマ割込み処理におけるステップS101の読み込み処理にて、右側可変入賞装置83に設けられた検知センサ95が遊技球の入賞を検知していたか否かを判定する。ステップS1008にて有利入球部への入賞有りと判定した場合、ステップS1009にて下側可変入賞装置82に対応した開閉実行モード設定処理を実行する。ステップS1008にて有利入球部への入賞有りと判定しなかった場合、又は、ステップS1007にて開閉実行モード設定処理を実行した場合、そのまま本特別外れ結果用の移行処理を終了する。
一方、ステップS1007にて第1タイマエリアt1の値が「0」であると判定した場合、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味する。この場合、先ず、ステップS1010にて、閉鎖コマンドをセットするとともに、右側可変入賞装置の閉鎖処理を実行する。閉鎖コマンドは、外部出力処理(ステップS501)にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。具体的には、本処理が実行された場合、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードが終了したことを意味するため、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードの終了に対応した演出が実行される。例えば「リトライ!」等のメッセージを図柄表示装置96にて表示する。
右側可変入賞装置閉鎖処理では、大入賞口83aを閉鎖すべく可変入賞駆動部83cを非駆動状態とする。続くステップS1011では、特別当たり結果に対応した抽選結果確定モードフラグをクリアして本特別当たり用の移行処理を終了する。
遊技状態移行処理(図31)の説明に戻り、ステップS901にて大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS906〜ステップS912の大当たり結果又は特別当たり結果に対応した開閉実行モード用の処理を実行する。
ステップS901にて大当たりに対応した開閉実行モード中であると判定した場合、ステップS909に進む。ステップS909では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS910にて下側可変入賞装置開閉処理を実行する。
下側可変入賞装置開閉処理では、下側大入賞口82aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部82cを駆動状態とすることで大入賞口82aを開放させる。また、大入賞口82aが開放中である場合には、当該大入賞口82aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部82cの駆動状態を停止し、大入賞口82aを閉鎖させる。
ステップS910にて下側可変入賞装置開閉処理を実行した後に、続くステップS911にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS912にて開閉実行モードフラグをクリアする。
ステップS912にて開閉実行モードフラグをクリアしたらステップS913に進み、高頻度サポートモードフラグがセットされているか否かを判定する。高頻度サポートモードフラグがセットされていない場合、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。高頻度サポートモードフラグがセットされている場合、ステップS914に進み、RAM604に設けられた遊技回数カウンタに「100」をセットして本遊技状態移行処理を終了する。遊技回数カウンタに「100」がセットされることにより、高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、サポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。なお、高頻度サポート継続回数(制限遊技回数)は、100回に限定されることはなく、10回、20回、30回といった1回以上100回未満であってもよく、101回以上であってもよい。
<電役サポート用処理>
次に、通常処理におけるステップS505の電役サポート用処理を図33及び図34のフローチャートを参照して説明する。
図33に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1101にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、右作動口85の電動役物91を開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1102に進み、RAM604の各種フラグ格納エリア635に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物91を開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1103に進み、RAM604に設けられた第2タイマエリアt2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアt2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
第2タイマエリアt2の値が「0」である場合には、ステップS1104にて、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1105にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で主表示ユニット87のスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了される。
第2タイマエリアt2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1106にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1107にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1108にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1109にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC3の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアt2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2タイマエリアt2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1110では、ステップS1109の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1111の処理を実行することなくステップS1112に進み、サポート当選である場合には、ステップS1111にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM604に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1112に進む。
ステップS1112では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされる。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1113にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1114では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置143への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1114にて設定された低頻度サポートコマンドは、外部出力処理(ステップS401)にて、音声ランプ制御装置143に送信される。音声ランプ制御装置143は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置725に送信する。表示制御装置725では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1115にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC3の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアt2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS1116では、ステップS1115の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1117にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1102にて肯定判定をし、ステップS1118に進み、第2タイマエリアt2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアt2の値が「0」でない場合には、スルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアt2の値が「0」である場合には、ステップS1119にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態でスルーゲート用表示部DSにおける絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1120では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1121に進み、電動役物91を開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、図34のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1201にて電動役物91が開放中であるか否かを判定する。電動役物91が開放中であるか否かは、電動役物駆動部91bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物91が開放されている場合にはステップS1202に進み、第2タイマエリアt2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマエリアt2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアt2の値が「0」である場合にはステップS1203に進み、電動役物91を閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアt2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
その後、ステップS1204では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1205にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、ステップS1206にてサポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物91が開放中でない場合にはステップS1201にて否定判定をし、ステップS1207に進む。ステップS1207では、第2タイマエリアt2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアt2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアt2が「0」である場合には、ステップS1208にて、電動役物91を開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS1209にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1210にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1211にて第2タイマエリアt2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1212にて第2タイマエリアt2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主表示基板310から射出された光によって主表示部Dに抽選結果が表示される。この抽選結果には、高頻度サポートモード対応の特別当たりと高頻度サポートモード非対応の特別当たりとを識別可能な情報が含まれているため、仮にこの情報に基づいて当たり結果の有利不利が判断可能となれば、右側可変入賞装置83へ遊技球を打ち出すか否かを調整することで過剰に特典が取得される可能性がある。つまり、高頻度サポートモード非対応の当たり結果となった場合には右側可変入賞装置83への遊技球の打ち出しを回避し、高頻度サポートモード対応の当たり結果となった場合にのみ右側可変入賞装置83への遊技球の打ち出しを行うことにより、遊技機において予め定められている確率を遥かに超えて高頻度サポートモード対応の当たり結果が継続される可能性がある。このような技術介入が可能となれば、遊技の熟練者と初心者とが取得可能な利益に多大な差が生じるばかりでなく、遊技ホール等において過度な損失が生じ得る。これは、遊技の健全性を損なう要因となり得るため好ましくない。
この点、本実施の形態においては、主表示部Dに表示される停止結果を多様化することで、高頻度サポートモード対応の当たり結果であるか否かの判断を困難なものとしている。これにより、上述した不都合の発生を抑制することができる。
しかしながら、このような対策を行った場合には、主表示部Dに表示される停止結果を簡素化することを目的として、主表示基板310に対する不正なアクセスがなされる可能性が生じる。仮にこのような不正行為が行われた場合、例えば主表示基板が不正基板に交換され、高頻度サポートモード対応の当たり結果の場合には簡素化された(例えば1パターンの)停止結果を表示させるように同停止結果が改ざんされるおそれがある。この場合、上述した防犯機能を享受することができなくなると想定される。
この点、本実施の形態においては、主表示基板310を遊技盤80(詳しくは開口80b)の後方に配置することにより、開口80bを通じた主表示基板310へのアクセスを難しくすることができる。これにより、上述したような不正基板等への交換を困難なものとすることができる。
また、基板収容部320を構成するケース体331を上記開口80bと主表示基板310との間に配置することによって、開口80bを通じた同主表示基板310へのアクセスを一層困難なものとしている。
ケース体331については、その前面が遊技盤80の背面80aに当接しているため、このケース体331を迂回して主表示基板310へアクセスすることが難しくなっている。
主表示基板310は、ケース体331及び集合板側ケース部341によって区画された領域に格納されており、外部からのアクセスが抑制されている。本実施の形態においては特に、集合板側ケース部341が集合板250に一体形成されていることにより、以下の効果が期待できる。
すなわち、開口80bを通じた主表示基板310の取り外しを抑制するには、遊技盤80に対して基板収容部320を強固に固定することが効果的であるが、例えば単に固定箇所を多く設定した場合には、防犯機能の向上が期待できる反面、組み立て作業の煩雑化すると想定される。この点、固定に関する構成を集合板250との間で共有することにより、固定箇所の増加を抑えつつ、上記防犯機能を享受することができる。
また、開口80bを通じた主表示基板310の取り外しを抑制するには、基板収容部320を開口80bを通過できない程度に大型化することも効果的である。しかしながら、単に基板収容部320を大型化した場合には、遊技盤80の背面側における発光部300の占有領域が無駄に拡がってしまう。近年では、各種役物や可変表示ユニット88等の大型化によって遊技盤80の背面側においても遊技部品が多く配置される傾向にある。この場合、上述の如く開口80bの通過を不可とする目的だけのために発光部300を大型化することは、周辺部品との共存を困難にする要因となり得るため好ましくない。この点、基板収容部320としての機能を集合板250に付与することにより、占有領域の無駄な拡がりを抑えつつ、開口80bを通じた発光部300の取り出しを不可とすることができ、実用上好ましい構成を実現している。
このように、遊技盤80の背面側から発光部300を取り付ける構成と併せて、主表示ユニット87を遊技盤80の前面側から取り付ける構成を採用している。つまり、遊技盤80を挟んで2つのユニットが対峙するように配置している。これにより、以下の効果が期待できる。主表示ユニット87を遊技盤80の前面側から取り付ける構成とすることにより、主表示ユニット87(特にベース部材410やケース体450)の外形の自由度が向上されている。つまり、開口80bの内形にとらわれることなく主表示ユニット87の外形を定めることが可能となっている。これにより、主表示ユニット87の装飾性を高めることが可能となっている。特に、主表示ユニット87は遊技領域PE内に設けられているだけでなく、遊技者の注意が集まると想定される主表示部Dを有している。このような構成に対して、装飾性を高めることで、その効果が顕著なものとなり得る。
また、遊技盤80が開口80bを有する構成においては、同開口80bが遊技機前方から視認可能となれば、遊技盤80の見栄えが低下すると考えられる。この点、主表示ユニット87を遊技盤80の前面側から取り付ける構成が採用されているため、上記ベース部材410やケース体450を開口80bよりも大きく形成することができ、遊技機前方への開口80bの露出を抑えることができる。これにより、遊技盤80の装飾性の低下を好適に抑えることができる。
また、主表示ユニット87とは別体で発光部300を設け、同発光部300を遊技盤80の背面に取り付けたことで、仮に主表示ユニット87が取り外された場合であっても、同発光部300がそれに追従して外れることが回避される。これは、防犯性向上の点においても優れている。
但し、このように、主表示ユニット87と発光部300とを別体化した場合には、両者の位置合わせが困難となり得る。特に、主表示ユニット87が遊技盤80の前面側、発光部300が遊技盤80の背面側、それぞれ別の基準で固定されることで、上記位置合わせは一層困難になると想定される。
この点、本実施の形態においては、発光部300の基板収容部320をケース体331と集合板側ケース部341とで構成し、ケース体331を集合板側ケース部341に対して相対移動可能な状態で取り付ける構成とした。具体的には、遊技盤80の平面に沿ってスライド移動可能な状態で、同遊技盤と集合板側ケース部341とによって挟持する構成とした。ここで、主表示基板310については、この可動式のケース体331に固定されているため、同ケース体331と一体となって移動する構成となっている。主表示ユニット87とケース体331とには、位置合わせを行う手段として突起413及び挿通孔345が形成されており、突起413が挿通孔345に嵌まることで、主表示基板310と主表示ユニット87(詳しくは主表示部D)との位置合わせがなされる。これにより、主表示部Dにおいて所望とする位置から光を射出させることができ、実用上好ましい構成が実現されている。
また、ケース体331の可動範囲内では、同ケース体331の遊技機前方への移動が遊技盤80によって阻止されている。これにより、開口80bを通じてケース体331及び主表示基板310を取り出すといった行為が困難なものとなっている。
更には、ケース体331と集合板側ケース部341とはネジ325によって一体化されているが、このネジ325に関しては遊技盤80の背面と対向する位置に配されている。このため、上述した開口80b等を通じて同ネジ325にアクセスすることが困難となっている。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。因みに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、「表示基板」としての主表示基板310を「前側収容部構成体」としてのケース体331に固定する構成としたが、これを変更し、主表示基板310を「後側収容部構成体」としての集合板側ケース部341に固定する構成としてもよい。
但し、このような変更を行った場合には、主表示ユニット87と主表示基板310との位置合わせを行うことが困難となり得る。故に、望ましくは主表示基板310はケース体331に固定する構成とするとよい。
(2)上記実施の形態では、「カバー体」としての主表示ユニット87を遊技盤80の前面側から取り付ける構成としたがこれに限定されるものではない。主表示ユニットを遊技盤80の背面側から取り付ける構成とすることも可能である。
但し、このような変更を行った場合には、主表示ユニット87を構成するカバー部材440やケース体450の外形に対する設計自由度が低下し得る。具体的には、表示ユニット取り付け時にそれらケース体等を開口部を通過させる必要があるため開口部よりも大きな形状とすることが困難になり、必然的にケース体等の外形が開口部の内形によって制限されることとなる。これは、ケース体やカバー部材、ひいては主表示部Dの装飾性を低下させる要因となり得る。
故に、望ましくは、主表示ユニット87については、遊技盤80の前面側から取り付ける構成とするとよい。
(3)上記実施の形態では、「後側収容部構成体」としての機能を集合板250に付与する構成としたが、これを変更し、集合板250とは別に後側収容部構成体を設けてもよい。つまり、「前側収容部構成体」としてのケース体331と対をなす後側のケース体を設けてもよい。
主表示基板310については不正の対象となりやすい構成であるため、遊技盤へのケース体の取り付けは強固なものとすることが望ましい。但し、このように、取り付けを強固にしようとすれば、それに伴う占有領域の増大や作業工程の煩雑化が生じ得る。更には、ケース体を大型化することで、開口80bを通じた遊技機前方からのケース体(主表示基板310)の取り外しを抑制することが可能であるが、これは遊技盤80の背面側でのケース体の占有領域が過度に拡がる要因となり得るため好ましくない。
この点、上記実施の形態に示したように後側収容部構成体としての機能を集合板250に付与する構成においては、これら各種不都合を払拭することが可能である。故に、集合板250を利用して主表示基板310を収容する構成とすることが好ましい。
(4)上記実施の形態では、ケース体331(詳しくは平面部332)の前面が遊技盤80の背面80aに当接する構成としたが、これに限定されるものではなく、同ケース体331が当接しない構成とすることも可能である。つまり、集合板ユニット150が遊技盤80に固定された状態にて、ケース体331の前面と遊技盤80の背面80aとの間に所定の隙間が確保される構成とすることも可能である。しかしながら、このような変更を行った場合には、開口80bを通じた主表示基板310へのアクセスを行う際に、ケース体331の迂回が容易となり、防犯機能が低下する可能性がある。故に、望ましくは、ケース体331の前面を遊技盤80に当接させるとよい。
(5)上記実施の形態では、「後側収容部構成体」としての集合板側ケース部341を遊技盤80に固定する構成としたが、これを変更し。「前側収容部構成体」としてのケース体331を遊技盤80に固定する構成としてもよい。
このような変更を行う場合には、併せて以下の変更を行うことも可能である。すなわち、主表示ユニット87の後側導光部材420を上下・左右にスライド移動可能な状態で保持する構成とし、ケース体331(詳しくは主表示基板310)との位置合わせを行う構成とすることも可能である。但し、このような変更を行った場合には、後側導光部材420と前側導光部材430更にはカバー部材440との位置関係が多様なものとなり得る。これは、遊技機前方へと効率良く光を射出させる上で妨げや、光を射出させる位置が一義的に決まらない要因となり得る。故に、望ましくは主表示基板310側を可動式とし、主表示ユニット87との相対位置のばらつきを吸収する構成とするとよい。
(6)上記実施の形態では、「第1収容部構成体」としてのケース体331と「第2収容部構成体」としての集合板側ケース部341とを前後に組み合わせる構成としたが、これを変更し、上下又は左右に組み合わせる構成としてもよい。
(7)上記実施の形態では、ケース体331と集合板側ケース部341とを固定する固定手段としてのネジ325を遊技盤80の背面80aと対峙する位置に配置したが、同ネジ325をどの位置に配置するかは任意である。但し、上述の如くネジ325の配置を工夫することで、ネジ325の不正な取り外しを困難なものとすることができ、防犯機能の向上に貢献することができる。
(8)上記実施の形態では、配線側コネクタCN2を基板収容部320内に収容する構成としたが、これに限定されるものではない。配線側コネクタCN2を基板収容部320の外に配する構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合には、配線側コネクタCN2の着脱が容易となり、配線Hが不正な入れ替えられたり、不正基板等のぶらさげが容易になると想定される。故に、望ましくは上記実施の形態に示したように配線側コネクタCN2を基板収容部320内に主表示基板310とともに収容する構成とするとよい。
(9)上記実施の形態では、「挿通部」としての挿通孔348a及び切欠き部349を「後側収容部構成体」としての集合板側ケース部341に設けたが、これを変更し、「挿通部」に相当する構成を「前側収容部構成体」としてのケース体331に設けてもよい。
(10)上記実施の形態では、基板側コネクタCN1を基板収容部320の内側から挿通孔348aに対向させることにより挿通孔348aにおいて配線Hが挿通可能な領域を減縮する構成としたが、これに限定されるものではない。基板側コネクタCN1に代えてケース体331の壁部を挿通孔348aに対峙させる構成としてもよい。
(11)上記実施の形態では、「導光部」としての導光部材420を「カバー体」としての主表示ユニット87に配設したが、これを変更し導光部材420を発光部300に配設する構成としてもよい。
(12)上記実施の形態では、右側可変入賞装置83が「第2入球部」としての第2下流側通路92cを有する構成としたが、これを変更し、「第2入球部」として右側大入賞口83aを採用してもよい。すなわち、右側可変入賞装置83に遊技球が入球した場合には、同遊技球が必ず「第2入球部」へ到達する構成としてもよい。但し、このような変更を行った場合、主表示部Dに抽選結果が表示されてから「第1制限手段」としての開閉扉83bの開放が終了するまでの期間がよりシビアになると想定される。つまり、上述した過剰な特典の取得を回避しようとすれば、開閉扉83bの開放期間を更に短く設定する必要が生じる。これは、遊技者に対して、第2入球部への入球が極めて困難な印象を与え遊技意意欲の減退を招く可能性が生じるため好ましくない。故に、好ましくは、「第2入球部」としての第2下流側通路92cを右側大入賞口83aとは別に設定し、同第2下流側通路92cへの遊技球の流入を「第2制限手段」としての切替部材93によって制限しつつ、その分「第1制限手段」としての開閉扉83bの開放期間を長めに設定するとよい。
(13)上記実施の形態では、発光部300を集合板250において主制御装置ユニット160を回動可能に支持している側とは反対側に設けたが、これを変更し、主制御装置ユニット160を回動可能に支持している側と同じ側に設けてもよい。これにより主制御装置ユニット160を回動を許容すべく配線Hに付与するゆとりを低減することができ、同配線Hに生じるたるみ等を減らすことができる。
また、主制御装置ユニット160を支持している部位の周辺では、集合板250の固定箇所も他の部位と比べて多めに設定されている。このように、強固に固定されている箇所に近づけて発光部300を配することで、主表示基板310の取り外しを好適に抑制することができる。
(14)上記実施の形態では、主表示部Dにおいて下作動口用表示部DLと右作動口用表示部DRとを個別に設けたが、これら両者を一体化してもよい。つまり、両作動口84,85への入賞に基づく抽選結果を同一の発光体311を用いて表示する構成としてもよい。
(15)上記実施の形態では、主表示ユニット87用の発光体311として単色の発光ダイオードを用いたがこれに限定されるものではない。少なくとも光を発することができるものであればよく、複数色の発光ダイオードを混合して構成してもよい。これにより、主表示部における抽選結果の表示態様を更に多様化することができる。但しかかる変更を行う場合、カバー部材440において光が透過する部位については透明樹脂材料により形成することが望ましい。なお、発光ダイオードに代えて豆球等の電球を用いる構成とすることも可能である。
(16)上記実施の形態では、主表示ユニット87と「第2入球部」を有する右側可変入賞装置83とを図柄表示装置96を挟んで配置したが、両者の配置に関しては任意である。但し、主表示ユニット87にて表示される抽選結果が、右側可変入賞装置83への入球によって遊技に反映されるか否かが決定される点を考慮すれば、両者をなるべく遠ざけて配置することが好ましい。これにより、抽選結果に合わせて遊技球の打ち分けを行うといった行為を難しくすることができる。
また、主表示ユニット87を遊技領域PE内に配置したが、同主表示ユニット87を遊技領域PE外に配置することも可能である。
(17)上記実施の形態では、「第1入球部」としての右作動口85と、「第2入球部」を有する右側可変入賞装置83とを遊技領域PEの右側領域に配置したが、これら作動口85及び可変入賞装置83の配置は任意である。例えば、下作動口84や下側可変入賞装置82と同様に遊技領域PEの下側領域に配置することも可能であり、遊技領域PEの左側領域に配置することも可能である。
(18)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
特徴A1.前面に遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤80)と、
前記遊技盤に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1入球部(右作動口85)及び第2入球部(右側大入賞口83aの第2下流側通路92c)と、
前記第1入球部に遊技球が入球した場合に、予め定められた抽選を行う抽選手段(主制御装置162のMPU602においてステップS801,S802を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果を表示する表示部(主表示ユニット87や発光部300)と、
前記第2入球部に遊技球が入球した場合に、前記抽選手段による抽選結果に応じて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置162のMPU602においてステップS910を実行する機能)と
を備え、
前記表示部は、
前記遊技盤に設けられた開口部(開口80b)を通じて当該遊技盤の前方に光を発する発光体(発光体311)が搭載されてなる表示基板(主表示基板310)と、
前記遊技盤の背面側に設けられ、前記発光体から発せられた光の通過を許容するとともに前記表示基板を収容する表示基板収容部(基板収容部320)と
を有し、
前記表示基板は前記開口部の後方に配されており、
前記表示基板収容部は、前記開口部と前記表示基板との間に位置するとともに、同表示基板を前記開口部側から覆うようにして形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、第1入球部への入球が発生すると、抽選手段によって予め定められた抽選が実行され、その抽選結果が表示部によって表示される。その後、第2入球部への入球が発生した場合には、第1入球部への入球に基づき事前に決定された抽選結果に応じて遊技者に特典が付与される。このような構成においては、表示部に表示された抽選結果に応じて第2入球部への遊技球の入球の有無がコントロールされ得る。例えば、遊技者は抽選結果が望ましい結果であると認識した場合には第2入球部への入球が発生するようにして遊技を行い、一方、抽選結果が望ましくない結果であると認識した場合には第2入球部への入球を積極的に回避するようにして遊技を行うと想定される。これは、過剰な特典の取得を助長する要因となり得るため好ましくない。
そこで、表示部に表示される抽選結果の態様を多様化し、有利不利の判断を困難にすることで、上記不都合の発生を抑えるといった対策が考えられるが、このような対策は以下の対応がなされることで無力化されると考えられる。例えば、表示基板が不正な基板に入れ替えられて抽選結果の表示態様が簡素化されると、抽選結果を容易に把握することが可能となり得る。このように表示部の表示態様をどれだけ多様化したとしても、不正によって表示態様の簡素化が可能であれば、表示部が不正の対象として狙われやすくなると想定される。
この点、本特徴によれば、表示基板を開口部の後方に配置することにより、同開口部を通じた表示基板へのアクセスを難しくすることができる。また、表示基板を開口部の後方に配置するとともに表示基板収容部によって表示基板の開口部側への露出を抑えることができる。故に、表示基板へのアクセスを一層困難なものとし、表示基板が不正基板と入れ替えられるといった不都合の発生を好適に抑制することができる。これにより、表示部における抽選結果の表示を利用した特典の不正取得を抑制し、遊技ホール等における過度な損失の発生を抑えることが可能となる。
特徴A2.前記表示基板収容部は、その前面が前記遊技盤の背面に当接した状態にて、同遊技盤に対してその背面側から取り付けられていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、表示基板収容部の前面を遊技盤の背面に当接させることにより、当該表示基板収容部を迂回して表示基板へアクセスされるといった不都合を生じにくくすることができる。また、遊技機前方から開口部を通じて表示基板収容部(表示基板)を取り外そうとしても、同表示基板収容部は遊技盤の背面側に取り付けられているため、同表示基板収容部の不正な取り外しを困難なものとすることができる。故に、上述した表示基板を入れ替えによる特典の不正取得を抑制することができる。
特徴A3.前記表示部は、前記開口部を前記遊技盤の前面側から覆うカバー体(主表示ユニット87)を有し、
前記カバー体には、前記発光体からの光が通過する光通過部(カバー部材440)が形成されており、
前記表示基板収容部は前記遊技盤に対して同遊技盤の背面側から取り付けられているとともに、前記カバー体は当該遊技盤に対して同遊技盤の前面側から取り付けられていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、遊技盤の前面側にカバー体を設けることにより、遊技機前方からの表示部に対するアクセスを難しくし、上述した防犯機能の更なる向上が期待できる。
また、表示部を構成するカバー体及び表示基板収容部を遊技盤を挟むようにして取り付けることで、以下の優れた効果を享受することができる。仮にカバー体に相当する構成を開口部に対して後側から取り付けると(例えば表示基板収容部等と1ユニット化して取り付けると)、開口を覆うことが困難となるばかりか、開口部の内形によってカバー体の外形が制約を受けやすくなると想定される。カバー体が遊技者の目に触れる位置に配置される点に着目すれば、同カバー体に装飾を施すことが好ましいと考えられるが、上記制約によって装飾付与の自由度が低下することは好ましくない。この点、カバー体を表示基板収容部とは別に設け、遊技盤の前面側から取り付ける構成とすることで、そのような不都合を払拭し、カバー体に対する装飾の付与を促進することができる。故に、表示基板に対する不正なアクセスを抑制しつつ、遊技機の装飾性の向上に貢献することができる。また、カバー体を前側から取り付けることで、同カバー体を開口部よりも大きくすることが可能となる。これにより、同カバー体によって開口部の露出を押さえて見栄え及び防犯性の向上に貢献することが可能となる。
特徴A4.前記表示基板は、前記発光体を複数有し、
前記カバー体には、前記開口部内に配設され、前記各発光体からの光を個別に前記光通過部へと導く導光部(導光部材420)を有していることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A3に示したように、表示基板を開口部よりも後方に配置している構成においては、上記防犯機能の向上効果が期待できる反面、以下の不都合が生じ得る。つまり、発光体と、遊技盤の前方に光が射出される部位(すなわち遊技者等からあたかも発光していると認識される部位)とが遠ざかることで、同部位に到達するまでに光が拡散されやすくなる。このため、抽選結果のみやすさを担保しつつ表示パターンの多様化を行うことが難しくなると想定される。
この点、本特徴に示すように導光部を採用すれば、各発光体からの光が相互干渉することを抑制し、抽選結果の視認性を担保しつつ表示パターンの多様化を図ることができる。更には、発光体同士を近づけて配置し、発光体の配置領域を減縮することが可能となる。これにより、開口部の拡がりを抑えることが可能となる。結果として、開口部を通じた上記不正アクセスの抑制に貢献することができる。また、導光部を開口部内に配することで、開口部を通じた収容部(詳しくは表示基板)へのアクセスを難しくすることができる。故に、表示機能を好適なものとしつつ、更なる防犯性の向上に貢献することができる。
特徴A5.前記表示基板収容部は、遊技機前方から前記表示基板を覆う前側収容部構成体(ケース体331)と、同表示基板を遊技機後方から覆う後側収容部構成体(集合板側ケース部341)とが組み合わせられてなり、
前記表示基板は、前記前側収容部構成体に固定されており、
前記後側収容部構成体及び前記カバー体は、前記遊技盤に固定されており、
前記前側収容部構成体は、前記遊技盤の背面に沿ったスライド移動が許容された状態で前記後側収容部構成体と前記遊技盤とによって挟まれており、
前記前側収容部構成体及び前記カバー体には、前記前側収容部構成体と前記カバー体とが近づくことにより同前側収容部構成体を前記カバー体に対して予め定められた位置へ誘導する誘導手段(位置決め凹部332a及び突起413の誘導部332b,414)が設けられていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
特徴A3等に示したように、遊技盤を挟んでカバー体と表示基板とを配置している構成においては、両者の位置合わせが困難になると想定される。これは、所望とする位置へ光を到達させることが難しくなる要因となり得るため好ましくない。
この点、本特徴においては、表示基板を前側収容部構成体に固定するとともに、同前側収容部構成体を遊技盤の背面に沿ってスライド移動可能とした。このため、例えばカバー体を遊技盤に対して取り付けた状態で、表示基板収容部を遊技盤に対して取り付ける場合には、誘導手段によって前側収容部構成体の位置が調整され、カバー体に対して予め定められた位置に同前側収容部構成体(表示基板)が誘導されることとなる。これにより、カバー体と前側収容部構成体との位置合わせがなされ、所望とする位置へと光を到達させることが可能となる。
特徴A6.前記前側収容部構成体は、自身のスライド移動が許容されている範囲内において、前記遊技盤によって遊技機前方への移動が阻止されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A5に示した構成を採用する場合には、本特徴に示すようにスライド移動が許容されている範囲内にて前方への移動が遊技盤によって阻止される構成とすることで実用上好ましい構成を実現できる。これにより、簡素な構成によって開口部を通じた表示基板の取り外しを抑制することが可能となる。
特徴A7.前記後側収容部構成体は、前記遊技盤に形成された誘導通路(一般入賞口81やアウト口89等)を通じて同遊技盤の背面側に誘導された遊技球を回収する回収通路形成部材であることを特徴とする特徴A3乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A3等に示したように後側収容部構成体を遊技盤に対して取り付ける構成においては、同後側収容部構成体の固定箇所を増やすことで、表示基板の不正な取り外しを抑制することができる。
しかしながら、防犯性を向上するために後側収容部構成体を強固に固定しようとすれば、組み立てに要する期間が増大し、製造性の低下を招来し得るため好ましくない。この点、強固に固定しておくことが好ましい部材に収容部としての機能を付与すれば、固定箇所を共用することができ、上記不都合を好適に抑制できる。つまり、防犯性の向上と作業性の担保とを両立できる。
また、開口部を通じた表示基板や表示基板収容部の取り外しを抑制しようとすれば、同表示基板収容部を開口部に対して大きく設定することが好ましいが、このように取り外しを困難なものとするだけのために表示基板収容部を大型化することは、遊技盤の背面領域での周辺部品との共存を困難にする要因となり得る。そこで、回収通路形成部材に収容部としての機能を付与する構成とすれば、上述した無駄な大型化を抑制し、実用上好ましい構成を実現することができる。
特徴A8.前記表示基板には、当該表示基板を制御する制御装置(主制御装置162)に接続された配線(配線H)が有する配線側コネクタ(配線側コネクタCN2)の接続対象として基板側コネクタ(基板側コネクタCN1)が設けられており、
前記表示基板収容部は、当該表示基板収容部内に前記配線側コネクタ及び前記基板側コネクタを収容可能に形成されており、
さらに、前記表示基板収容部には前記配線が挿通される挿通部(切欠き部349や挿通孔348a)が形成され、当該挿通部を通じて前記配線が前記収容部の外部に露出しており、
前記挿通部は、前記前側収容部構成体と前記後側収容部構成体とが分離されている状態では前記配線側コネクタの通過を許容し、前記前側収容部構成体と前記後側収容部構成体とが組み合わせられている状態では前記配線の通過を許容するとともに前記配線側コネクタの通過を不可とすることを特徴とする特徴A4乃至特徴A7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A8によれば、配線側コネクタ及び基板側コネクタの両者を表示基板収容部内に収容することで、それら各コネクタに対する不正なアクセスを好適に抑制することができる。このように、コネクタを収容部内に隠す構成においては、両構成を組み合わせる前にコネクタ同士を結合させておく必要が生じる。そこで、挿通部を両収容部構成体の組み合わせ前には十分に大きくしておくことで、装着作業が難しくなることを抑制することができる。更には、最終的に両収容部構成体が組み合わせられた状態では、挿通部が縮小されることで、同挿通部を通じたコネクタの抜き取り等を抑制することができる。これにより、更なる防犯性の向上に貢献することができる。
なお、配線側コネクタを基板側コネクタから取り外す際の取り外し軌道上に上記収容部構成体の一部が位置する構成とすることで、更なる防犯性の向上に貢献することができる。
特徴A9.前記挿通部は、前記前側収容部構成体及び前記後側収容部構成体の一方側に設けられているとともに、前記前側収容部構成体と前記後側収容部構成体とが分離されている状態では、それら前側収容部構成体及び後側収容部構成体の他方側に開放されていることで前記配線及び前記配線側コネクタとの通過を許容する大きさとなっており、
さらに、前記挿通部は、前記前側収容部構成体と前記後側収容部構成体とが組み合わせられることでそれら前側収容部構成体及び後側収容部構成体の他方によって当該挿通部における開放部分が塞がれることにより、前記配線の通過を許容しつつ前記配線側コネクタの通過が不可となる大きさに縮小されることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
本特徴によれば、特徴8に示した構成を好適に実現することができる。
特徴A10.前記基板側コネクタ及び前記配線側コネクタは、同基板側コネクタの外周面及び同配線側コネクタの外周面の少なくとも一方が、前記表示基板収容部の内側から前記挿通部に対向するように配置されていることを特徴とする特徴A8又は特徴A9に記載の遊技機。
特徴A8等に示したように、挿通部に配線を通す構成においては、当該挿通部を通じて表示基板への不正なアクセスがなされる可能性がある。そこで、本特徴に示すように、挿通部に対して表示基板収容部の内側からコネクタの壁面を対向させる構成とすることで、同挿通部を通じた表示基板への不正なアクセスを難しくすることができる。
例えば挿通部の少なくとも一部が両コネクタの着脱方向と平行となるように同挿通部を形成し、当該挿通部において上記平行となっている部分を表示基板収容部の内側からそれらコネクタの外周面によって覆う構成とするとよい。
特徴A11.前記第1入球部へ遊技球が入球しにくい又は入球が不可となる非受入状態、及び同非受入状態よりも遊技球が入球しやすい受入状態に切替可能な第1受入手段(電動役物91)と、
前記第1受入手段における前記非受入状態及び前記受入状態の切り替えを制御する第1切替制御手段(主制御装置162のMPU602におけるステップS1101〜ステップS1212を実行する機能)と、
前記第2入球部へ遊技球が入球しやすい又は入球が不可である非受入状態及び同非受入状態よりも遊技球が入球しやすい受入状態に切替可能な第2受入手段(右側可変入賞装置83)と、
前記第2受入手段における前記非受入状態及び前記受入状態の切り替えを制御する第2切替制御手段(主制御装置162のMPU602におけるステップS1001〜ステップS1011を実行する機能)と
を備え、
前記第1切替制御手段は、前記第1受入手段を前記非受入状態及び前記受入状態に切り替える切替モードとして、第1切替モード及び同第1切替モードよりも前記受入状態になりやすい第2切替モードを有し、
前記第2切替制御手段は、前記抽選手段の抽選結果に応じて、予め設定された期間に亘って前記第2受入手段を前記受入状態に切り替えるものであり、
前記抽選手段は、前記第1切替制御手段を前記第2切替モードとするか否かを抽選する機能を有し、
さらに、前記抽選手段による抽選結果を、次回の前記第1入球部への入球に基づく抽選が実行されるまでの間又は抽選後予め設定された期間が経過するまで記憶する抽選結果記憶手段(主制御装置162のRAM604における各種フラグ格納エリア635)を備えており、
前記第1切替制御手段は、前記第2入球部への入球が発生した場合に、前記抽選結果記憶手段に記憶されている結果に応じて前記第1受入手段を前記第2切替モードと前記第1切替モードとに切り替えることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11に示すように、第1入球部への入球に基づく抽選結果に有利不利が設定されているタイプの遊技機においては、抽選結果が第1切替モードの場合には第2入球部への入球を避け、抽選結果が第2切替モードの場合には第2入球部へ遊技球を狙うことで、第2切替モードの恩恵を繰り返し享受することが可能となる。このような技術介入が可能となれば、特典が過剰に取得されることにって遊技ホールが被る損失は多大なものとなり得る。そこで、特徴A1等に示した技術的特徴を本特徴に示すタイプの遊技機に適用すれば、上述した各種効果を好適に発揮させることができる。
特徴A12.前記第2受入手段は、
前記遊技領域を流下する遊技球を前記第2入球部へ案内する案内通路(案内通路92の上流側通路92a)と、
前記案内通路の入口部分に設けられ、当該案内通路への遊技球の流入が困難又は不可となる第1状態、及び同案内通路への流入が前記第1状態よりも容易となる第2状態に切替可能に設けられた第1入球制限手段(開閉扉83b)と、
前記案内通路の途中位置に設けられ、前記予め設定された期間のうち同期間の開始タイミングから所定の期間が経過するまでの間は前記第2入球部への入球を許容するとともに、前記予め定められた期間のうち残りの期間においては前記第2入球部への入球を不可とする第2入球制限手段(切替部材93)と
を備えていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、第1入球制限手段が開放された後、早いタイミングで流入した遊技球は第2入球部へ流入するが、遅いタイミングで流入した遊技球は第2入球部へ流入しない。表示部に表示される抽選結果を目視にて確認した後に案内通路へ遊技球を流入させたとしてもそのタイムラグにより特典を取得することが困難になる。
例えば、遊技領域の中央に絵柄を表示する絵柄表示手段(図柄表示装置96)が配置される構成においては、同絵柄表示装置を挟んで表示部及び第2入球部を配置するとよい。これにより、上述したような目視による抽選結果の確認後に第2入球部へ遊技球を流入させるといった行為を一層困難なものとすることができる。
上記特徴A群は以下の課題に対して適用すると効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技盤(詳しくは遊技領域)に設けられた入球部に遊技球が入球することにより、大当たり等の当否抽選を行い、その抽選結果に応じて遊技球の払出等の特典が遊技者に付与されるものがある。この種の遊技機においては、抽選結果を表示する表示部を設け、表示部に示されている情報から特典付与の有無を目視にて確認可能となっていることが多い(例えば、特許文献1参照)。
また近年では、遊技機の興趣向上等を目的として様々なタイプの遊技機が提案され、遊技態様の多様化が図られている。例えば、上記入球部に相当する第1入球部と同第1入球部とは別に設けられた第2入球部を有し、第1入球部への入球に基づいて特典付与に関する抽選を行うとともにその抽選結果を表示部にて表示し、第2入球部への入球に基づいてその抽選結果が遊技に反映されるタイプの遊技機が提案されている。しかしながら、このタイプの遊技機においては、以下の不都合が生じると想定される。例えば表示部に表示された抽選結果が遊技者にとって好ましくないものである場合には遊技(詳しくは遊技球の打ち出し)を中断される等して第2入球部への入球が意図的に回避されると想定される。言い換えれば、抽選結果が好ましいものである場合にのみ第2入球部を狙って遊技球が発射される可能性が生じる。これは、遊技者による過剰な利益取得、すなわち遊技ホールにおける甚大な損失を発生させる要因となり得るため好ましくない。
また、例えば表示部における抽選結果の表示態様を多様化するといった対策を講じることにより抽選結果の把握を難しくし、そのような不都合の発生を抑制することは可能である。しかしながら、このような対策だけでは上記不都合の発生を払拭することは難しいと想定され、未だ改善の余地があると考えられる。
特徴B1.基板(主表示基板310)及び当該基板を収容する基板収容部(基板収容部320)を有してなる制御装置(例えば集合板ユニット150)と、
前記基板収容部に形成され、前記制御装置とは別に設けられた外部機器(例えば主制御装置162)と同制御装置とを電気的に接続する配線(配線H)が挿通された挿通部(挿通孔348aや切欠き部349等)と、
前記基板に設けられ、前記配線(配線H)の配線側コネクタ(配線側コネクタCN2)が接続される基板側コネクタ(基板側コネクタCN1)と
を有し、
前記基板収容部は、第1収容部構成体(ケース体331)及び第2収容部構成体(集合板側ケース部341)が組み合わせられてなり、
前記挿通部は、前記第1収容部構成体に設けられ、それら両収容部構成体の組み合わせ方向と交差する方向に貫通しているとともに前記第2収容部構成体側に開放されており、
前記挿通部の前記開放部分が、前記第2収容部構成体によって覆われていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、基板だけでなく、基板側コネクタ及び配線側コネクタを基板収容部内に収容することで、それら各コネクタに対する不正なアクセスを抑制することができる。
外部機器と基板とを繋ぐ配線は、挿通部を通じて基板収容部の外部に延出しているが、このような挿通部を有する構成においては、同挿通部を大きくすることで配線の挿通作業が容易化される反面、当該挿通部を通じた基板収容部内へのアクセスが可能となり、同挿通部を小さくすることで当該挿通部を通じた基板収容部内へのアクセスを抑制できる反面当該挿通部への配線の挿通作業が困難になると想定される。つまり、防犯性の向上と作業性の向上とを両立することは困難であると想定される。
この点、本特徴によれば、両収容部構成体が組み合わせられて挿通部の開放部分が覆われることにより配線を挿通可能な領域が縮小されることとなる。つまり、表示基板を収容する際には挿通部の開放部分を通じて配線を挿通させることで作業を容易に行うことができ、表示基板の収容が完了した後は、同挿通部の開放部分が覆われることで挿通部を通じた基板収容部内へのアクセスを抑制することができる。これにより、防犯性の向上と作業性の向上とを両立することが可能となる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール100)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘90等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。