JP2013255301A - エレベータ用巻上機の固定子 - Google Patents
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Abstract
【課題】エレベータ用巻上機のモータを高出力化するに伴って、三相口出し用電線の線径を太くする必要が生じた場合にも、装置全体の大型化を抑制することのできるエレベータ用巻上機の固定子を得る。
【解決手段】三相の各相に対応するコイルと、三相口出し用電線(10)と、N相用電線(20)との接続を行う場合に、所望のモータ特性の許容範囲を満たすような直列コイル数mと並列回路数nの組合せの中で、並列回路数nがより大きくなるような組合せを決定することで、N相用電線の線径を三相口出し用電線の線径と比較して細線化する。
【選択図】図1
【解決手段】三相の各相に対応するコイルと、三相口出し用電線(10)と、N相用電線(20)との接続を行う場合に、所望のモータ特性の許容範囲を満たすような直列コイル数mと並列回路数nの組合せの中で、並列回路数nがより大きくなるような組合せを決定することで、N相用電線の線径を三相口出し用電線の線径と比較して細線化する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エレベータ用巻上機のモータ高出力化に伴い、小型化を実現するためのエレベータ用巻上機の固定子に関するものである。
従来のエレベータ用巻上機のステータ(固定子)は、複数のティースが一定間隔にて突出するコアと、ティースに絶縁ボビンを介してそれぞれに集中して巻回されたステータコイル(以下、コイルと称す)と、これらのコイルに三相電力を供給するためのU相用、V相用およびW相用の口出し用電線(以下、三相口出し用電線と称す)と、線間の中性点の結線を行うための中性点結線用電線(以下、N相用電線と称す)とを備える。
さらに、三相口出し用電線は、それぞれの相に対応する同相のコイルの一端に接続されており、N相用電線は、これらのコイルの他端に接続されている。そして、三相口出し用電線およびN相用電線は、ステータコア端部の周方向に沿って配置されている(例えば、特許文献1参照)。
また、三相口出し用電線およびN相用電線は、振動等による動きを防止し、さらに、これらの電線とコイル線との絶縁を確実に行う必要がある。そのため、樹脂成形の固定用部品を用いることによって、これらの電線とコイル線との結線部は、強固に固定される(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、従来技術には以下のような課題がある。
従来のエレベータ用巻上機のモータを高出力化する場合には、モータに対する必要電流が大きくなり、さらに、電流を大きくすることによって、ステータ内に配置される三相口出し用電線の温度上昇がより大きくなる。
従来のエレベータ用巻上機のモータを高出力化する場合には、モータに対する必要電流が大きくなり、さらに、電流を大きくすることによって、ステータ内に配置される三相口出し用電線の温度上昇がより大きくなる。
したがって、多くの電流を流すとともに、電線の温度上昇を抑制するためには、三相口出し用電線の線径を太くしなければならない。また、N相用電線に流れる電流が大きくなるため、N相用電線の線径も太くしなければならない。さらに、三相口出し用電線およびN相用電線と、コイル線との結線部の固定を確実に行う必要がある。
従来では、以上のような制約があったため、三相口出し用電線の線径を太くする場合には、三相口出し用電線の線径と同一の太さになるように、N相用電線の線径も太くしなければならなかった。このため、N相用電線の電線材料の使用量が増加するという問題点があった。
さらに、三相口出し用電線の線径と同一の太さになるように、N相用電線の線径を太くした場合にも、三相口出し用電線およびN相用電線をステータ内の限られたスペースに配置する必要がある。その結果、配置スペースを確保するために、ステータコアを径方向に拡大化しなければならない(ステータ自体を大型化しなければならない)という問題点もあった。
なお、特許文献1、2には、エレベータ用巻上機のモータを高出力化する場合における、ステータ内に配置される三相口出し用電線およびN相用電線の線径についての記載がない。したがって、従来と同様に、三相口出し用電線の線径を太くする場合には、三相口出し用電線の線径とN相用電線の線径とが同一の太さになるように、N相用電線の線径を太くしなければならないため、同様の問題点が生じる。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、エレベータ用巻上機のモータを高出力化するに伴って、三相口出し用電線の線径を太くする必要が生じた場合にも、装置全体の大型化を抑制することのできるエレベータ用巻上機の固定子を得ることを目的とする。
本発明におけるエレベータ用巻上機の固定子は、三相モータである巻上機の各相に対応するコイルと、各相に対応するコイルの一端に接続された三相口出し用電線と、各相に対応するコイルの他端に接続されたN相用電線とを備えたエレベータ用巻上機の固定子であって、各相に対応するコイルのそれぞれは、直列コイル数m、並列回路数nからなる直並列回路としてm×n個のコイルで構成されており、所望のモータ特性を満たすような直列コイル数mおよび並列回路数nの組合せの中で、並列回路数nがより大きくなる組合せとして直並列回路の構成が決定されることを特徴とするものである。
本発明におけるエレベータ用巻上機の固定子によれば、三相の各相に対応するコイルと、三相口出し用電線と、N相用電線との接続を行う場合に、所望のモータ特性の許容範囲を満たすような直列コイル数mと並列回路数nの組合せの中で、並列回路数nがより大きくなるように組合せを決定する。これにより、N相用電線の線径を三相口出し用電線の線径と比較して細線化することが可能となり、エレベータ用巻上機のモータを高出力化するに伴って、三相口出し用電線の線径を太くする必要が生じた場合にも、装置全体の大型化を抑制することのできるエレベータ用巻上機の固定子を得ることができる。
以下、本発明のエレベータ用巻上機の固定子の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1におけるステータの概略構成を示す平面図である。ここで、図1(a)は、ステータの全体図であり、図1(b)は、図1(a)において、破線で囲まれた箇所Aの拡大図である。
図1は、本発明の実施の形態1におけるステータの概略構成を示す平面図である。ここで、図1(a)は、ステータの全体図であり、図1(b)は、図1(a)において、破線で囲まれた箇所Aの拡大図である。
図1(a)、(b)におけるステータは、三相口出し用電線10、N相用電線20、および固定用部品30を備える。
また、図示しないが、従来と同様に、磁極ティース、ステータコア、コイル、および絶縁ボビンを備える。なお、ステータに具備されるコイルは、U相に対応するコイルと、V相に対応するコイルと、W相に対応するコイルとから構成される。また、三相口出し用電線10は、U相の口出し用電線11と、V相の口出し用電線12と、W相の口出し用電線13とから構成される。
磁極ティースは、ステータ内に複数配置されている。また、ステータコアは、複数の磁極ティースが一定間隔で突出する部分である。コイルは、それぞれの磁極ティースに絶縁ボビンを介し、集中して巻回されている。
三相口出し用電線10を構成するU相の口出し用電線11、V相の口出し用電線12、およびW相の口出し用電線13は、コイルに三相電力を供給するために、各相に対応するコイルの一端とそれぞれ接続されている。N相用電線20は、各相における線間の中性点の結線を行うために、各相に対応するコイルの他端と接続されている。
なお、コイルと、三相口出し用電線10およびN相用電線20との接続を行うには、例えば、これらの電線をそれぞれ中間皮膜剥きし、中間皮膜剥きされている各部と各相に対応するコイルを結線し、これらの結線部を絶縁処理すればよい。
そして、図1に示すように、三相口出し用電線10およびN相用電線20は、ステータコアの端部の周方向に沿って配置されている。さらに、三相口出し用電線10は、各相の電線の両端部をステータの周方向の所定の位置から折曲され、所定の間隔を介して、順次外方向に延出している。一方、N相用電線20は、周方向からは延出しておらず、ループ状の構造となっている。
固定用部品30は、例えば、樹脂成形のものが用いられ、三相口出し用電線10およびN相用電線20とコイルとの結線部を強固に固定する。固定用部品30の詳細については、後述する。
次に、本実施の形態1の技術的特徴について説明する。ここで、本実施の形態1の技術的特徴は、ステータ内の各相に対応するコイルを三相口出し用電線10およびN相用電線20に結線する場合において、各相のコイルの接続の仕方を調整し、N相用電線20に流れる電流値の大きさを変更することで、N相用電線20の線径を三相口出し用電線10の線径よりも細くすることを可能とする点にある。
すなわち、モータを高出力化するために、三相口出し用電線10の線径を太くする必要が生じた場合にも、N相用電線20に流れる電流値の大きさが可能な限り小さくなるように、所望のモータ特性を具備する範囲内で、各相のコイルの直並列接続の仕方を調整し、N相用電線20を三相口出し用電線10と比べて細線化することが、本願の技術的特徴である。
ここで、各相のコイルの直並列接続の仕方を鋭意検討した結果、各相のコイルに対して、直列に接続したコイル数(以下、直列コイル数と称す)と並列に接続した回路数(以下、並列回路数と称す)の組合せを決定する際に、所望のモータ特性の許容範囲を満たすような直列コイル数と並列回路数の組合せの中で、並列回路数がより大きくなるような組合せとして直並列回路の構成を決定すれば、N相用電線20に流れる電流の大きさがより小さくなることを見出した。
なお、ここでいうモータ特性とは、モータの電圧値・電流値・トルク値・回転数等の特性を意味し、適用対象に応じて、これらのパラメータがとり得る値の許容範囲があらかじめ規定されることとなる。また、このモータ特性は、各相のコイルに対する直列コイル数と並列回路数の組合せによって変化し、所望のモータ特性を実現する組合せは、1つとは限らず、一般的には複数存在する。
次に、各相のコイルの具体的な直並列接続の方法について、結線図を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態1におけるステータの各相に対応するコイルと、三相口出し用電線10と、N相用電線20との接続に関する結線図である。
図2(a)、(b)のそれぞれにおいて、ステータ内の全体のコイル数をY個、各相に対応するコイル数をX個とすると、全体のコイル数は、三相分のコイル数の和であるため、下式(1)の関係式が成立する。
Y=3×X (1)
Y=3×X (1)
また、X個ある各相に対応するコイルにおいて、直列コイル数をm、並列に接続したコイルの並列回路数をnとすると、下式(2)の関係式が成立する。
X=m×n (2)
X=m×n (2)
なお、図2(a)、(b)においては、このような本発明の技術的特徴について具体的に説明するために、各相のコイル数X=6(Y=18)とした場合を例示している。また、X=6の場合において、上式(2)を満たすような直列コイル数mおよび並列回路数nの組合せは、(m,n)=(6,1)、(3,2)、(2,3)、(1,6)である。
ここでは、これらの組合せにおいて、所望のモータ特性の許容範囲を満たすような直列コイル数mと並列回路数nの組合せは、(m,n)=(3,2)、(2,3)とする。
そこで、図2(a)においては、(m,n)=(3,2)である場合、図2(b)においては、(m,n)=(2,3)である場合を例示している。
次に、図2(a)、(b)で示した結線図において、三相口出し用電線10およびN相用電線20に流れる電流の大きさについて説明する。まず、図2(a)において、三相交流電源から三相(U相、V相およびW相)のそれぞれの口出し用電線に流れる交流電流(相電流)の実効値をIとする。
なお、ここでいう三相交流とは、三相の起電力および周波数が等しく、位相差が三相すべて2π/3の関係にあり、結果として、三相の起電力(瞬時値)のベクトル和が0になるものである。
図2(a)においては、U相の口出し用電線11と結線されているコイルの直列コイル数mが3、並列回路数nが2であり、U相に着目すると、3つのコイルU11、U12、U13と、3つのコイルU14、U15、U16からなる直並列回路が構成されている。したがって、コイルU11、U12、U13およびコイルU14、U15、U16に流れる電流の実効値は、ともにI/2となる。
同様に、V相およびW相においても、それぞれの口出し用電線と結線されているそれぞれのコイルの直列コイル数mが3、並列回路数nが2であるため、それぞれのコイルに流れる電流の実効値は、I/2となる。
次に、図2(b)において、図2(a)と同様に、三相交流電源から三相(U相、V相およびW相)のそれぞれの口出し用電線に流れる交流電流(相電流)の実効値をIとする。なお、図2(a)、(b)における相電流の実効値Iについては、同じ値になるように、それぞれの電源の交流電圧(相電圧)を制御すればよい。
図2(b)においては、U相の口出し用電線11と結線されているコイルの直列コイル数mが2、並列回路数nが3であり、U相に着目すると、2つのコイルU11、U12と、2つのコイルU13、U14と、2つのコイルU15、U16とからなる直並列回路が構成されている。したがって、コイルU11、U12、コイルU13、U14、およびコイルU15、U16に流れる電流の実効値は、ともにI/3となる。
同様に、V相およびW相においても、それぞれの口出し用電線と結線されているそれぞれのコイルの直列コイル数mが2、並列回路数nが3であるため、それぞれのコイルに流れる電流の実効値は、I/3となる。
そして、N相用電線20に流れる電流の大きさは、三相口出し用電線10のそれぞれに流れる電流のベクトル和の大きさとなる。したがって、各相に対応するコイルのインピーダンスがそれぞれ等しければ(コイル間が平衡であれば)、理想的には0となる。
しかしながら、各相に対応するコイル間が不平衡である場合、あるいは欠相事故などが行った場合には、N相用電線20に電流が流れる。
ここで、各相に対応するコイル間が不平衡である場合を考えると、図2(a)において、N相用電線20に流れる電流の大きさは、コイルU11、U12、U13に流れる電流、コイルV11、V12、V13に流れる電流およびコイルW11、W12、W13に流れる電流のベクトル和の大きさとなる。
また、前述したように、図2(a)の構成において、これらのコイルに流れる電流の実効値は、I/2である。したがって、各相に対応するコイルに流れる電流のベクトル和を求めることにより、N相用電線20に流れる電流の実効値がとり得る値は、最大でI/2であることが分かる。
一方、図2(b)の構成において、N相用電線20に流れる電流の大きさを同様に算出すると、以下の通りになる。すなわち、各相に対応するコイルに流れる電流のベクトル和を求めることにより、N相用電線20に流れる電流の実効値がとり得る値は、最大でI/3であることが分かる。
したがって、図2(a)、(b)を比較した結果、各相に対応するコイルに対して、直列コイル数mと並列回路数nの組合せを決定する際に、並列回路数nが大きくなるように組合せを決定すれば、N相用電線20に流れる電流の実効値がとり得る最大値を小さくすることができ、不平衡あるいは欠相事故が生じた場合にも、N相用電線20に流れる電流の大きさをより小さくすることができる。
なお、N相用電線20に流れる電流について具体的に説明するために、ステータ内の全体のコイル数Y、各相のコイル数X、直列コイル数m、および並列回路数nの各パラメータの数値を設定したが、各パラメータがとり得る値は、ここで設定した数値に限定されない。
また、一般的には、ステータ内の全体のコイル数Y、各相のコイル数Xに対して、直列コイル数m、並列回路数nとした場合には、N相用電線20に流れる電流の実効値がとり得る値の最大値は、(各相に流れる電流の実効値I)/(並列回路数n)となる。
したがって、各相のコイル数Xに対する直列コイル数mと並列回路数nの組合せを決定する際には、所望のモータ特性を満たすような直列コイル数mと並列回路数nの組合せの中で、並列回路数nが大きくなるように組合せを決定すれば、N相用電線に流れる電流の大きさをより小さくすることができる。
そして、このようにN相用電線20に流れる電流の大きさを小さくすることで、電線の温度上昇が抑制されるため、三相口出し用電線10と比べて、N相用電線20を細線化することができる。
なお、N相用電線20の線径のサイズについては、このように算出したN相用電線20に流れる電流の大きさに基づいて決めればよい。
次に、本実施の形態1におけるコイル40および各電線の結線部について、従来のステータのコイル40および各電線の結線部と比較しながら、図3を参照して説明する。図3は、従来におけるステータのコイル40および各電線の結線部の断面と、本発明の実施の形態1におけるステータのコイル40および各電線の結線部の断面とを比較した説明図である。
なお、図3(b)においては、先の図1、2におけるW相に対応するコイルの一端とW相の口出し用電線13との結線部、このコイルの他端とN相用電線20との結線部、およびこれらの結線部を固定する固定用部品30の断面図(すなわち、先の図1(b)のB−B’に沿った断面図)を示している。
また、従来のステータに用いられる固定用部品30aの断面に対応する図3(a)においても、図3(b)と対比するために、ここでは、同様の構成に対する固定状態を示している。
まず、図3(a)における従来のステータは、図示するように、コイル40の一端とW相の口出し用電線13との結線部、およびこのコイル40の他端とN相用電線20との結線部の上下を、上部固定用部品31aおよび下部固定用部品32aを用いて、嵌めこむように固定していた。
なお、図3(a)、(b)に示した断面箇所においては、U相口出し用電線11およびV相口出し用電線12は、W相に対応するコイルとは結線されないため、それぞれ口出し用電線のみの断面を図示している。
また、従来では、モータの高出力化に伴い、三相口出し用電線10の線径を太くする必要が生じた場合には、三相口出し用電線10の線径と同一の太さになるように、N相用電線20の線径を太くしていた。
したがって、三相口出し用電線10およびN相用電線20は、同一線径であるため、図3(a)に示すように、固定用部品30の上部の形状としては、フラット形状のものを用いていた。
そして、三相口出し用電線10およびN相用電線20をステータ内の限られたスペースに配置するためのスペースを確保する必要があるため、ステータコアを径方向に拡大化しなければならなかった(ステータ自体を大型化しなければならなかった)。
それに対し、図3(b)における本実施の形態1のステータは、前述したように、モータの高出力化に伴い、三相口出し用電線10の線径が太くなっても、N相用電線20に流れる電流値の大きさが可能な限り小さくなるように、各相に対応するコイルの直並列接続の仕方を調整する。これにより、N相用電線20の線径を三相口出し用電線10の線径と同一の太さまで太くする必要がない。
また、従来では、三相口出し用電線10およびN相用電線20が同一線径のものでない場合には、結線部の固定を確実に行うことができなかった。しかしながら、従来の固定用部品30aの構造を改良することにより、結線部の固定を確実に行うことができる。
すなわち、図3(b)に図示するように、コイル40とW相の口出し用電線13との結線部、コイル40とN相用電線20との結線部の上下を、各電線に対して段差のついた形状を有した上部固定用部品31およびティースの各絶縁ボビンに嵌められた下部固定用部品32を用いて、嵌めこむように固定することで、結線部の固定を確実に行うことができる。
なお、以上の説明では、具体的に説明するために、固定用部品30を用いて、W相における結線部を固定する場合について例示したが、U相およびV相においても、同様に、固定用部品30を用いて、それぞれの相に対応する結線部を固定しているため、W相の場合と同様のことがいえる。
以上のように、本発明の実施の形態1によれば、エレベータ用巻上機の固定子における三相の各相に対応するコイルと、三相口出し用電線と、N相用電線との結線において、各相のコイルに対して、直列コイル数と並列回路数の組合せを決定する際に、所望のモータ特性の許容範囲を満たすような直列コイル数と並列回路数の組合せの中で、並列回路数が大きくなる組合せとして、直並列回路の構成を決定している。この結果、N相用電線に流れる電流の大きさを相対的に小さくすることができる。
そして、N相用電線に流れる電流の大きさを相対的に小さくできることにより、三相口出し用電線の線径を太くする場合において、N相用電線の線径を同一の太さにする必要がない。このため、電線材料の使用量が削減され、さらに、電線を配置するためのスペースが確保される。
また、線径が異なる電線を固定するために、段差形状を有する固定用部品を採用することで、省スペース化と確実な固定の両立を図ることができる。さらに、N相用電線を、ループ状で構成し、周方向からは延出しない構造とすることで、さらなる省スペース化が可能となる。
10 三相口出し用電線、11 U相口出し用電線、12 V相口出し用電線、13 W相口出し用電線、20 N相用電線、30、30a 固定用部品、31、31a 上部固定用部品、32、32a 下部固定用部品、40 コイル。
Claims (3)
- 三相モータである巻上機の各相に対応するコイルと、
前記各相に対応するコイルの一端に接続された三相口出し用電線と、
前記各相に対応するコイルの他端に接続されたN相用電線と
を備えたエレベータ用巻上機の固定子であって、
前記各相に対応するコイルのそれぞれは、直列コイル数m、並列回路数nからなる直並列回路としてm×n個のコイルで構成されており、所望のモータ特性を満たすような前記直列コイル数mおよび前記並列回路数nの組合せの中で、前記並列回路数nがより大きくなる組合せとして前記直並列回路の構成が決定される
ことを特徴とするエレベータ用巻上機の固定子。 - 請求項1に記載のエレベータ用巻上機の固定子において、
前記N相用電線は、固定子の周方向からは延出しないループ状として構成される
ことを特徴とするエレベータ用巻上機の固定子。 - 請求項1または2に記載のエレベータ用巻上機の固定子において、
前記三相口出し用電線と前記各相に対応するコイルの一端とを接続する第一結線部、および前記三相口出し用電線と比較して線径が細い前記N相用電線と前記各相に対応するコイルの他端とを接続する第二結線部の両方を固定子に固定するために用いられ、段差形状を有する固定用部品をさらに備える
ことを特徴とするエレベータ用巻上機の固定子。
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