JP2013253489A - 内燃機関の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定したパージ制御時間を延長化するとともに電力消費量を低減する。
【解決手段】キャニスタ11からの燃料ベーパのパージ量を制御するパージ制御弁17と、空燃比を検出する空燃比センサ31と、燃料を噴射する燃料噴射弁4と、パージ制御弁17及び燃料噴射弁4を制御する電子制御ユニット20とを設け、燃料タンク15から発生する蒸発燃料を、キャニスタ11にストレージして機関運転中にパージを行う内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、キャニスタ11の温度制御を行うヒータ40と、ヒータ40に供給する電力を制御するヒータ制御手段Hとを備える。ヒータ制御手段Hは、パージ制御弁17を全開にしても、単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数と目標パージ率との積の負で表されるパージA/F補正係数が下限値を維持できないときに、ヒータ40を作動する。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として車両に搭載される内燃機関の蒸発燃料処理装置に関する。
従来、例えば特許文献1に記載された内燃機関の供給燃料制御装置がある。その供給燃料制御装置は、蒸発燃料を一時的に蓄えるキャニスタとスロットル弁下流の吸気通路とを連結するパージ通路の燃料ベーパのパージ量を制御するパージ制御弁を設けた内燃機関(エンジン)において、パージ量と吸入空気量との比であって同一のパージ制御弁開度に対し機関の運転状態により定まる基準パージ率を算出する基準パージ率算出手段と、目標パージ率を設定する目標パージ率設定手段と、基準パージ率に対する目標パージ率の割合に応じてパージ制御弁の開弁割合を制御するパージ制御弁開度制御手段と、燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、空燃比を検出するために機関排気通路内に配置された空燃比センサと、空燃比センサの出力信号に基づいて空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射量をフィードバック補正係数により補正する第1の噴射量補正手段と、パージを行ったときに生ずるフィードバック補正係数のずれに基づいて単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度を算出するパージベーパ濃度算出手段と、パージを行ったときに単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数と目標パージ率との積に基づいて燃料噴射量を減量する第2の噴射量補正手段とを具備している。その供給燃料制御装置において、単位目標パージ率当たりのパージベーパ濃度は機関運転状態に依らずほぼ一定である。そこで、パージ作用中に目標パージ率と単位目標パージ率当たりのパージベーパ濃度との積、すなわち吸入空気中のパージベーパ濃度に基づいて燃料噴射量を補正することにより空燃比が理論空燃比からずれるのを阻止するようにしている。なお、パージ制御弁の開弁割合が変化した場合でも単位目標パージ率当たりのパージベーパ濃度はほぼ一定値として算出される。また、特許文献2には、キャニスタを温調手段(ヒータ)によって加熱することにより、キャニスタの脱離効率を向上させるようにした蒸発燃料処理装置が記載されている。
特開平5−52139号公報 特開2003−227420号公報
前記特許文献1によると、空燃比センサで単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度(パージ蒸発燃料濃度)を算出し、その値に基づいて燃料噴射量を補正し、空燃比が目標空燃比になるようにフィードバック制御(「空燃比フィードバック制御」という)している。ところで、パージ制御弁の開弁によりキャニスタから内燃機関の吸気系に燃料ベーパがパージされてから、空燃比センサにより空燃比が検出されるまでの時間的間隔が長くかかるため、空燃比フィードバック制御に応答遅れが生じてしまう。この応答遅れによるパージベーパ濃度の算出誤差の影響は、エンジンの吸入空気に対する燃料蒸気(「蒸発燃料」ともいう)の導入量が多い運転状態(パージ制御状態)となった時に顕著となり、その運転域において、空燃比が目標値から大きくずれることになる。
そこで、応答遅れによる算出誤差の影響を抑制する為、目標パージ率(TGTPG)や燃料蒸気導入量(「パージベーパ量」ともいう)に制限値すなわち上限値を設定することが好ましい。なお、図5はパージにかかる時間経過と目標パージ率(TGTPG)との関係を示す特性図である。また、図6はパージにかかる時間経過と燃料蒸気導入量との関係を示す特性図である。また、図7はパージにかかる時間経過とパージA/F補正係数(FPG)との関係を示す特性図である。パージA/F補正係数(FPG)は、パージが行われたときに、燃料噴射弁の燃料噴射量を補正するためのもので、単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数と目標パージ率との積の負で表される。このため、パージA/F補正係数(FPG)の制限値は下限値となる。
図8はパージにかかる時間経過と、目標パージ率(TGTPG)、パージベーパ濃度係数(FPGA)、パージ制御弁の開弁割合(PGDUTY)及びパージA/F補正係数(FPG)との関係を示すタイミングチャートである。図8において、パージのオフはパージ制御弁の閉弁状態を示し、また、パージのオンはパージ制御弁の開弁状態を示している。時刻t0でのパージのオンにともない、目標パージ率が所定値(例えば10%)に設定される。また、パージベーパ濃度係数(FPGA)は、キャニスタの燃料蒸気の脱離特性により、時間経過にともない次第に低下するすなわち薄くなる。また、パージ制御弁の開弁割合(PGDUTY)は、パージベーパ濃度係数(FPGA)が低下するにともない次第に上昇していき、時刻t1でパージベーパ濃度係数(FPGA)が所定値に低下した以降は100%すなわち全開となる。また、パージA/F補正係数(FPG)は、パージ制御弁の開弁割合が100%(全開)となる時刻t1までは下限値を維持する。しかし、その開弁割合が100%になってから(時刻t1以降)は、パージベーパ濃度係数(FPGA)の低下にともない次第に0(ゼロ)に向かって増加していく(図8中、線La参照)。したがって、時刻t1以降は、パージA/F補正係数(FPG)が下限値を維持できない。このため、燃料噴射弁の燃料噴射量に対するパージベーパ量の割合を一定に維持できなくなることから、安定したパージ制御を行うことができない。
そこで、前記特許文献1におけるキャニスタに、前記特許文献2における温調手段(ヒータ)を設け、パージ時にキャニスタをヒータによって加熱することにより、キャニスタの脱離を促進させることが考えられる。この場合のパージベーパ濃度係数(FPGA)、パージ制御弁の開弁割合(PGDUTY)及びパージA/F補正係数(FPG)の特性について図9を参照して述べる。図9は図8に準ずるタイミングチャートである。
図9において、時刻t0で、パージのオンと同時にヒータをオンするものとする。すると、パージベーパ濃度係数(FPGA)は、特性線L11で示すように、特性線L1に比べて、ヒータによる加熱によって所定量増加する。なお、特性線L1は図8におけるパージベーパ濃度係数(FPGA)を示す特性線である。したがって、パージベーパ濃度が濃くなる。これにともない、パージ制御弁の開弁割合(PGDUTY)は、特性線L21で示すように、特性線L2に比べて、パージベーパ濃度係数(FPGA)が低下するにともない次第にゆっくりと上昇していくことになる。そして、時刻t2でパージベーパ濃度係数(FPGA)が所定値に低下すると、パージ制御弁の開弁割合(PGDUTY)が100%すなわち全開となる。なお、特性線L2は図8におけるパージ制御弁の開弁割合(PGDUTY)を示す特性線である。
また、パージA/F補正係数(FPG)は、特性線L31で示すように、特性線L3と異なり、時刻t0から時刻t2までの間で下限値を維持する。これにより、燃料噴射弁の燃料噴射量に対するパージベーパ量の割合を一定に維持することができるから、安定したパージ制御時間を延長することができる。なお、特性線L3は図8におけるパージA/F補正係数(FPG)を示す特性線である。
しかしながら、時刻t0から時刻t1までの間において、パージベーパ濃度係数(FPGA)(特性線L11参照)が増加されているにも関わらず、パージ制御弁の開弁割合(PGDUTY)が制限されている(特性線L21参照)。すなわち、キャニスタのパージ量が制限されるため、結局はキャニスタの脱離を促進できていないとともに、ヒータに要する電力を無駄に消費することになり、ひいては車両の燃費の悪化につながる。
本発明が解決しようとする課題は、安定したパージ制御時間を延長化するとともに電力消費量を低減することのできる内燃機関の蒸発燃料処理装置を提供することにある。
前記課題は、特許請求の範囲に記載された構成を要旨とする内燃機関の蒸発燃料処理装置により解決することができる。
請求項1に記載された内燃機関の蒸発燃料処理装置によると、蒸発燃料を一時的に蓄えるキャニスタとスロットル弁下流の吸気通路とを連結するパージ通路の燃料ベーパのパージ量を制御するパージ制御弁と、空燃比を検出するために機関排気通路内に配置された空燃比センサと、内燃機関の吸気通路に燃料タンク内の燃料を噴射する燃料噴射弁と、パージ制御弁及び燃料噴射弁を制御する制御手段とを設けた内燃機関において、パージ量と吸入空気量との比であって同一のパージ制御弁開度に対し機関の運転状態により定まる基準パージ率を算出する基準パージ率算出手段と、目標パージ率を設定する目標パージ率設定手段と、基準パージ率に対する目標パージ率の割合に応じてパージ制御弁の開弁割合を制御するパージ制御弁開度制御手段と、燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、空燃比センサの出力信号に基づいて空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射弁の燃料噴射量をフィードバック補正係数により補正する第1の噴射量補正手段と、パージ作用を行ったときに生ずる空燃比のずれに基づいて単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度を算出するパージベーパ濃度算出手段と、パージを行ったときに単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数と目標パージ率との積に基づいて燃料噴射弁の燃料噴射量を減量する第2の噴射量補正手段とを備え、燃料タンクから発生する蒸発燃料を、キャニスタにストレージして機関運転中にパージを行う内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、キャニスタの温度制御を行う温調手段と、温調手段に供給する電力を制御する温調制御手段とを備え、温調制御手段は、パージ制御弁を全開にしても、単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数と目標パージ率との積の負で表されるパージA/F補正係数が下限値を維持できないときに、温調手段を作動する。この構成によると、パージ制御弁を全開にしても、単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数と目標パージ率との積の負で表されるパージA/F補正係数が下限値を維持できないときに、温調制御手段が温調手段を作動する。これにより、温調手段の作動によるキャニスタの加熱により脱離を促進することができる。したがって、パージA/F補正係数(FPG)が下限値を維持する状態を長く持続することにより、安定したパージ制御時間を延長化することができる。また、温調手段を作動しなくても、パージA/F補正係数(FPG)が下限値を維持する状態を持続することのできる時間では、温調手段を作動しないので、電力消費量を低減することができる。ひいては、電力消費量の低減によって、車両の燃費の悪化を抑制することができる。
請求項2に記載された内燃機関の蒸発燃料処理装置によると、温調制御手段は、温調手段の作動中において、パージ制御弁を全開にしても、パージA/F補正係数が下限値を維持できないときに、温調手段に供給する電力を増加する。したがって、安定したパージ制御時間を一層延長化することができる。
実施形態1にかかる内燃機関の蒸発燃料処理装置を示す構成図である。 電子制御ユニットのヒータ制御手段の処理手順を示すフローチャートである。 パージにかかる時間経過と、ヒータ、目標パージ率、パージベーパ濃度係数、パージ制御弁の開弁割合及びパージA/F補正係数との関係を示すタイミングチャートである。 実施形態2にかかるパージにかかる時間経過と、ヒータ、目標パージ率、パージベーパ濃度係数、パージ制御弁の開弁割合及びパージA/F補正係数との関係を示すタイミングチャートである。 従来例にかかる目標パージ率に上限値を設定した場合におけるパージにかかる時間経過と目標パージ率との関係を示す特性図である。 燃料蒸気導入量に上限値を設定した場合におけるパージにかかる時間経過と燃料蒸気導入量との関係を示す特性図である。 パージA/F補正係数に下限値を設定した場合におけるパージにかかる時間経過とパージA/F補正係数との関係を示す特性図である。 パージにかかる時間経過と、目標パージ率、パージベーパ濃度係数、パージ制御弁の開弁割合及びパージA/F補正係数との関係を示すタイミングチャートである。 パージにかかる時間経過と、ヒータ、目標パージ率、パージベーパ濃度係数、パージ制御弁の開弁割合及びパージA/F補正係数との関係を示すタイミングチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
[実施形態1]
実施形態1を説明する。本実施形態は、特許文献1(特開平5−52139号公報)の内燃機関の供給燃料制御装置に変更を加えたものである。このため、内燃機関の蒸発燃料処理装置の基本的構成を説明した後、変更にかかる追加構成について詳しく説明する。
内燃機関の蒸発燃料処理装置の基本的構成を説明する。基本的な構成は、特許文献1のものと同一であるから、同一もしくは実質的に同一の構成には同一符号を付して詳しい説明は省略する。図1は内燃機関の蒸発燃料処理装置を示す構成図である。図1において、1は内燃機関の機関本体、2は吸気枝管、3は排気マニホルド、4は各吸気枝管2にそれぞれ取付けられた燃料噴射弁を示す。各吸気枝管2は、共通のサージタンク5に連結されている。サージタンク5は、吸気ダクト6及びエアフローメータ7を介してエアクリーナ8に連結されている。吸気ダクト6内には、スロットル弁9が配置されている。燃料噴射弁4は、電子制御ユニット20(後述する)の出力信号により制御される。なお、吸気枝管2は本明細書でいう「吸気通路」、「機関吸気通路」に相当する。また、排気マニホルド3は本明細書でいう「排気通路」、「機関排気通路」に相当する。
蒸発燃料処理装置は、蒸発燃料を吸着する吸着材としての活性炭10が充填されたキャニスタ11を備えている。キャニスタ11は、活性炭10の両側にそれぞれ燃料蒸気室12と大気室13とを有する。燃料蒸気室12は、一方では導管14を介して燃料タンク15に連結され、他方では導管16を介してサージタンク5内に連結されている。導管16内には、電子制御ユニット20の出力信号により制御されるパージ制御弁17が配置されている。燃料タンク15内で発生した燃料蒸気(「蒸発燃料」ともいう)は、導管14を介してキャニスタ11内の活性炭10に吸着される。パージ制御弁17が開弁すると空気(外気)が大気室13から活性炭10内を通って導管16内に流入する。空気が活性炭10内を通過する際に、活性炭10に吸着されている燃料蒸気が活性炭10から脱離され、燃料蒸気を含んだ空気すなわち燃料ベーパが導管16を介してサージタンク5内にパージされる。また、排気マニホルド3には空燃比センサ31が取付けられている。空燃比センサ31の出力信号は電子制御ユニット20に入力される。なお、導管14は本明細書でいう「蒸発燃料通路」に相当する。また、導管16は本明細書でいう「パージ通路」に相当する。
前記電子制御ユニット(ECU)20は、基準パージ率算出手段Aと、目標パージ率設定手段Bと、パージ制御弁開度制御手段Cと、燃料噴射量算出手段Dと、第1の噴射量補正手段Eと、パージベーパ濃度算出手段Fと、第2の噴射量補正手段Gとを備えている。基準パージ率算出手段Aは、パージ量と吸入空気量との比であって同一のパージ制御弁開度に対し機関の運転状態により定まる基準パージ率(最大パージ率)を算出する。また、目標パージ率設定手段Bは、目標パージ率を設定する。また、パージ制御弁開度制御手段Cは、基準パージ率に対する目標パージ率の割合に応じてパージ制御弁17の開弁割合を制御する。また、燃料噴射量算出手段Dは、燃料噴射量を算出する。また、第1の噴射量補正手段Eは、空燃比センサ31の出力信号に基づいて空燃比が目標空燃比となるように燃料噴射量をフィードバック補正係数により補正する。また、パージベーパ濃度算出手段Fは、パージを行ったときに生ずるフィードバック補正係数のずれ(空燃比のずれ)に基づいて単位目標パージ率当りの蒸発燃料濃度であるパージベーパ濃度を算出する。また、第2の噴射量補正手段Gは、パージを行ったときに単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数と目標パージ率との積に基づいて燃料噴射量を減量する。したがって、パージを行っているときに、過渡運転が行われたとしても空燃比が変動するのを阻止することができる。なお、電子制御ユニット20は本明細書でいう「制御手段」に相当する。
次に、追加構成について詳しく説明する。図1に示すように、前記キャニスタ11の活性炭10内には、キャニスタ11(詳しくは活性炭10)を加熱するための電気ヒータ(「ヒータ」という)ヒータ40が配設されている。ヒータ40に供給する電力は、前記電子制御ユニット20に備えられたヒータ制御手段Hによって制御される。ヒータ制御手段Hは、パージ中において空燃比フィードバック制御の応答遅れによる空燃比のリーン化を抑制するように、ヒータ40に供給する電力を制御する。なお、ヒータ40は本明細書でいう「温調手段」、「加熱手段」に相当する。また、ヒータ制御手段Hは、本明細書でいう「温調制御手段」に相当する。
次に、電子制御ユニット20のヒータ制御手段の処理手順について説明する。図2は電子制御ユニットのヒータ制御手段の処理手順を示すフローチャートである。なお、本制御ルーチンは電子制御ユニット20により所定時間毎に繰り返し実行される。
図2に示すように、ステップS101で、パージ中か否かが判定される。パージ中すなわちパージ制御弁17(図1参照)が開弁中のときは、ステップS102へ進む。ステップS102で、パージベーパ濃度算出手段F(図1参照)によって算出されたパージベーパ濃度が確定されたか否かが判定される。すなわち、空燃比センサ31(図1参照)でパージベーパ濃度を把握できたか否かが判定される。パージベーパ濃度が確定したときは、ステップS103で、ヒータ40(図1参照)がオンしているか否かが判定される。ヒータ40がオンしているときは、本ルーチンを終了する。また、ヒータ40がオフのときは、ステップS104に進む。ステップS104で、パージ制御弁17(図1参照)が全開であるか否かが判定される。パージ制御弁17が全開でないときは、本ルーチンを終了する。また、パージ制御弁17が全開のときは、ステップS105で、パージA/F補正係数が下限値であるか否かが判定される。パージA/F補正係数が下限値であるときは、本ルーチンを終了する。また、パージA/F補正係数が下限値でないときは、ステップS106で、ヒータ40をオンすなわちヒータ40に電力を供給する。このとき、ヒータ40は、オフしているときはオンされ、オンしているときはオン状態が継続される。ヒータ40が作動(通電)されると、キャニスタ11(詳しくは活性炭10)が加熱され、キャニスタ11の脱離が促進される。その後、本ルーチンを終了する。また、前記ステップS101で、パージ中でないときは、ステップS108で、ヒータ40をオフしたのち本ルーチンを終了する。このとき、ヒータ40は、オンしているときはオフされ、オフしているときはオフ状態が継続される。また、ステップS102で、パージベーパ濃度が確定されていないときは、ステップS108で、ヒータ40をオフしたのち本ルーチンを終了する。
図3はパージにかかる時間経過と、ヒータ、目標パージ率(TGTPG)、パージベーパ濃度係数(FPGA)、パージ制御弁の開弁割合(PGDUTY)及びパージA/F補正係数(FPG)との関係を示すタイミングチャートである。図3において、パージのオフはパージ制御弁17(図1参照)の閉弁状態を示し、また、パージのオンはパージ制御弁17の開弁状態を示している。時刻t0でのパージのオンにともない、目標パージ率が所定値(例えば10%)に設定される。また、パージベーパ濃度係数(FPGA)は、キャニスタの燃料蒸気の脱離特性により、時間経過にともない次第に低下すなわち薄くなる。また、パージ制御弁17の開弁割合(PGDUTY)は、パージベーパ濃度係数(FPGA)が低下するにともない次第に上昇していき、時刻t1でパージベーパ濃度係数(FPGA)が所定値に低下したときは100%すなわち全開となる。また、時刻t0から時刻t1までの間では、ヒータ40(図1参照)はオフ状態を維持する。このため、電力を無駄に消費しなくて済む。
また、時刻t1で、ヒータ40がオンすなわちヒータ40が作動(通電)される。このため、キャニスタ11(詳しくは活性炭10)が加熱され、キャニスタ11の脱離が促進される。これにより、パージベーパ濃度係数(FPGA)が上昇し、パージ制御弁17の開弁割合(PGDUTY)が所定の開弁割合まで低下した後、パージベーパ濃度係数(FPGA)が低下するにともない次第に上昇していき、時刻t2でパージベーパ濃度係数(FPGA)が所定値に低下したときは100%すなわち全開となる。また、パージA/F補正係数(FPG)は、パージ制御弁17の開弁割合が100%(全開)となる時刻t2までは下限値を維持する。したがって、時刻t0から時間t2までの間において、パージA/F補正係数(FPG)が下限値を維持する。これにより、燃料噴射弁の燃料噴射量に対するパージベーパ量の割合を一定に維持することができるから、安定したパージ制御を行うことができる。なお、時刻t2以降は、パージ制御弁17の開弁割合が100%(全開)を維持するため、パージベーパ濃度係数(FPGA)の低下にともない、パージA/F補正係数(FPG)が次第に0(ゼロ)に向かって増加していく。
前記蒸発燃料処理装置によると、パージ制御弁17を全開にしても、単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数(FPGA)と目標パージ率(TGTPG)との積の負で表されるパージA/F補正係数(FPG)が下限値を維持できないときに、ヒータ制御手段Hがヒータ40を作動する。これにより、ヒータ40の作動によるキャニスタ11の加熱により脱離を促進することができる。したがって、従来例に比べて、時間t0から時間t2までの間に亘って、パージA/F補正係数(FPG)が下限値を維持する状態を長く持続することにより、安定したパージ制御時間を延長化することができる。また、ヒータ40を作動しなくても、パージA/F補正係数(FPG)が下限値を維持する状態を持続することのできる時間、すなわち時間t0から時間までの間では、ヒータ40を作動しないので、電力消費量を低減することができる。ひいては、電力消費量の低減によって、車両の燃費の悪化を抑制することができる。
[実施形態2]
実施形態2を説明する。本実施形態は、前記実施形態1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。本実施形態のヒータ制御手段H(図1参照)は、ヒータ40の作動中において、パージ制御弁17を全開にしても、パージA/F補正係数(FPG)が下限値を維持できないときに、ヒータ40に供給する電力を増加する。また、ヒータ制御手段Hは、ヒータ40に供給する電力を可変制御可能である。また、本実施形態のパージベーパ濃度係数(FPGA)、パージ制御弁の開弁割合(PGDUTY)及びパージA/F補正係数(FPG)の特性について図4を参照して述べる。図4は図3に準ずるタイミングチャートである。
図4に示すように、時間t1以降のヒータ40の作動中において、時刻t2で、パージベーパ濃度係数(FPGA)が所定値に低下したときは、パージ制御弁17の開弁割合(PGDUTY)は100%すなわち全開となる。また、時刻t2で、ヒータ40(図1参照)に供給する電力が1段階増加される。このため、キャニスタ11(詳しくは活性炭10)が一段と加熱され、キャニスタ11の脱離が促進される。これにより、パージベーパ濃度係数(FPGA)が上昇し、パージ制御弁17の開弁割合(PGDUTY)が所定の開弁割合まで低下した後、パージベーパ濃度係数(FPGA)が低下するにともない次第に上昇していき、時刻t3でパージベーパ濃度係数(FPGA)が所定値に低下したときは100%すなわち全開となる。また、パージA/F補正係数(FPG)は、パージ制御弁17の開弁割合が100%(全開)となる時刻t3までは下限値を維持する。したがって、時刻t0から時刻t3までの間において、安定したパージ制御を行うことができる。なお、時刻t3以降は、パージ制御弁17の開弁割合が100%(全開)を維持するため、パージベーパ濃度係数(FPGA)の低下にともない、パージA/F補正係数(FPG)が次第に0(ゼロ)に向かって増加していく。
本実施形態によると、ヒータ制御手段Hが、ヒータ40の作動中において、パージ制御弁17を全開にしても、パージA/F補正係数(FPG)が下限値を維持できないときに、ヒータ40に供給する電力を増加する。したがって、安定したパージ制御時間をより一層延長化することができる。なお、時刻t3以降についても、ヒータ40の作動中において、パージ制御弁17を全開にしても、パージA/F補正係数(FPG)が下限値を維持できないときに、ヒータ40に供給する電力を段階的に増加することによって、安定したパージ制御時間を更に一層延長化することが可能である。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。
1…機関本体
2…吸気枝管(吸気通路)
3…排気マニホルド(排気通路)
4…燃料噴射弁
9…スロットル弁
11…キャニスタ
15…燃料タンク
16…導管(パージ通路)
17…パージ制御弁
20…電子制御ユニット(制御手段)
31…空燃比センサ
40…ヒータ(温調手段)
H…ヒータ制御手段(温調制御手段)

Claims (2)

  1. 蒸発燃料を一時的に蓄えるキャニスタとスロットル弁下流の吸気通路とを連結するパージ通路の燃料ベーパのパージ量を制御するパージ制御弁と、
    空燃比を検出するために機関排気通路内に配置された空燃比センサと、
    前記内燃機関の吸気通路に前記燃料タンク内の燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記パージ制御弁及び前記燃料噴射弁を制御する制御手段と
    を設けた内燃機関において、
    パージ量と吸入空気量との比であって同一のパージ制御弁開度に対し機関の運転状態により定まる基準パージ率を算出する基準パージ率算出手段と、
    目標パージ率を設定する目標パージ率設定手段と、
    基準パージ率に対する目標パージ率の割合に応じてパージ制御弁の開弁割合を制御するパージ制御弁開度制御手段と、
    燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、
    空燃比センサの出力信号に基づいて空燃比が目標空燃比となるように前記燃料噴射弁の燃料噴射量をフィードバック補正係数により補正する第1の噴射量補正手段と、
    パージ作用を行ったときに生ずる空燃比のずれに基づいて単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度を算出するパージベーパ濃度算出手段と、
    パージを行ったときに単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数と目標パージ率との積に基づいて前記燃料噴射弁の燃料噴射量を減量する第2の噴射量補正手段と
    を備え、
    前記燃料タンクから発生する蒸発燃料を、前記キャニスタにストレージして機関運転中にパージを行う内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
    前記キャニスタの温度制御を行う温調手段と、
    前記温調手段に供給する電力を制御する温調制御手段と
    を備え、
    前記温調制御手段は、前記パージ制御弁を全開にしても、前記単位目標パージ率当りのパージベーパ濃度係数と目標パージ率との積の負で表されるパージA/F補正係数が下限値を維持できないときに、前記温調手段を作動する
    ことを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の蒸発燃料処理装置であって、
    前記温調制御手段は、前記温調手段の作動中において、前記パージ制御弁を全開にしても、前記パージA/F補正係数が下限値を維持できないときに、前記温調手段に供給する電力を増加することを特徴とする内燃機関の蒸発燃料処理装置。
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