JP2013252682A - 生花の加工方法及び加工生花 - Google Patents
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Abstract
【課題】生花を長期間保存するプリザーブドフラワー法で加工すると、萼の色と花弁の色が同一色になるため生花全体の色調が単調となり、また茎折れが発生し、生花の外観を損なう。
【解決手段】生花の茎1をアルコール染料よりなる加工溶液に浸漬させ、萼8の着色が終了したら生花を加工溶液から取り出す。また、生花の茎から萼の上部までワイヤー3を挿通し、花の向き、角度などを自由に変えれるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】生花の茎1をアルコール染料よりなる加工溶液に浸漬させ、萼8の着色が終了したら生花を加工溶液から取り出す。また、生花の茎から萼の上部までワイヤー3を挿通し、花の向き、角度などを自由に変えれるようにした。
【選択図】図1
Description
この発明は、プリザーブドフラワーやドライフラワー等に適用することを目的とした生花の加工方法及び加工生花に関する。
生花を長期間保存するための加工としては、プリザーブドフラワーと称する加工技術が知られている。この技術は、生花を脱水した後にグリセリン系の置換薬剤を作用させて処理した後、再乾燥させるものである。この処理により自然に近い外様の花形、花色を保ったまま長期間保存することができるので、装飾などに多用されている。従って、生花の雰囲気を保ったまま1年以上の保存も可能とされている。
然しながら、置換薬剤の作用によって、萼の色と花弁の色が同一色になるために生花全体の色調が単調になる問題点があった。
然るにこの発明は、萼に色彩を付与することにより、生花全体として自然花に近い外観となり、装飾効果を著しく向上させることに成功したのである。
従来知られている生花を加工する技術において、コーティング剤を塗布する技術(特許文献1)では、生花に外的付加をした外観を呈し、ワックスを浸み込ませる技術(特許文献4)では、加工物の外観を呈してしまうので、生花の外観を損なうおそれがあった。また、エタノール又はメタノール処理(特許文献2、3)の技術でも、生花全体が同一色となり、生花の外観を損なうおそれがあった。
この発明は、生花全体を脱色した後、萼部のみを緑色(その他実物と同色)に彩色することにより、生花そのものの外観となり、自然物の外観を保有したプリザーブドフラワーを得て、前記従来の問題点を解決したのである。
従来花弁などの彩色は塗布又は吹き付けに限られていたために、外観上加工生花となり、色彩の外的処理の場合によっては色が他物(例えば衣服)に付きやすいのみならず、生花との相違点が目立つ問題点があった。
この発明では、植物の特性による水分等の吸引力を利用して染料を吸引することにより内部から着色するので、生花の外部に接触しても染料が付着するおそれがなく、また、染料の吸入には人工的付加がなく、自動的に行われるので、染料の吸入に関し問題点はない。
実験の結果によれば、花の茎をアルコール染料よりなる加工溶液に挿入(例えば長さ2cm)した場合に、萼への吸入が終了した時に、花弁の下部へ若干吸入される程度であって、萼への吸入が早く行われる。そこで萼の着色が終了した状態で、前記加工溶液から茎を取り出せば目的を達成することができる。
従来、前記花弁と萼との染料の吸入速度の相違があることに気付かなかったので、染料の吸入による萼のみへ着色する技術は実施されていなかった。常識上萼のみへの染料の吸入着色は不可能とされていた(但し、スプレーすればできる)。
次に、茎から萼の上部まで直径0.1mm〜0.01mmのワイヤーを挿通する。前記ワイヤーを挿通することによって、従来見られた茎折れがなくなると共に、花の支持状態に変化を与えることができる。例えば、前記プリザーブドフラワーの場合、花の向き、角度などを自由に変えることができる。
前記における加工溶液は、アルコール類(例えばエチルアルコール又はメチルアルコール)30%〜70%にエチレングリコール70%〜30%を混合して調製する。加工溶液としてアルコール類のみを使用する場合もあるが、アルコール類にエチレングリコールを添加し、混合して加工溶液とした。前記におけるアルコールは花の仕上がり上エチルアルコールがより好ましいと認められた。
このように、アルコール又はアルコール染料液の吸入は自動的に行われるので、十分吸入された状態で取り出して花の加工を終了する。
前記処理については手動作業を前提として説明したが、自動化(例えば花弁容器の移動及びセット)すれば、労力を著しく節減することができる。
この発明によれば、萼を着色するので、外観上生花そのものとなり、装飾効力を著しく向上させることができる効果がある。
また、金属線を挿通すれば、強度が増強するとともに、花の傾度又は方向を容易に規制し、装飾上の形状変化(主として傾角)を容易かつ任意に選定し得るなどの諸効果がある。
この発明は、茎付き生花の花弁、萼の水分をアルコール類で置換し、萼へ染料を浸透させて乾燥した花であって、水分がアルコール類になった他は生花と同一である。従って、装飾に使用した場合に生花と同一外観を呈し、従来知られている加工花の如く花弁の色素が他物に付着するおそれはない。
また、水がアルコール類に置換されているために経時的変化が少なく、永く(1年以上)同一外観を保ち、装飾効果を保持することができると共に、腐食するおそれもない。
また、茎から萼の上部までワイヤー(例えば直径0.1mm〜0.01mm)を挿通することにより、茎を補強し、茎の折損がないのみならず、保形性(一定の方向に屈曲、湾曲その他の変形)を保持することができる。前記ワイヤーは萼全部に入れてもよいが、通常1〜2本で保形性を保つことができる。
前記において、萼の色は通常緑色を選定するが、任意の彩色ができるので花弁との関係で最も相応しい色を選定する。
この発明の生花を室内装飾に使用する場合には、室内の色調と生花の色彩を対応させるような彩色にすることが好ましく、予め数種の色彩を用意しておくことが好ましい。
この発明の第一の実施例を図1に基づいて説明する。茎1付きのバラの花2の水分をアルコール置換すると共に、萼8を色素で緑色に着色した後、乾燥すれば製品となる。
前記において、バラの花2の茎部にワイヤー3を挿通すると茎の強度が増強すると共に、保形性を有し、茎に対する花の傾きを自由に選定、保持することができる。
また、アルコールに染料を混合してなる加工溶液中に花の茎部を浸漬して5時間〜10時間静置して萼8が着色(例えば通常の若葉のような緑色)したならば、花を取り出し、常温で乾燥すれば、この発明の加工花が完成する。前記において乾燥は、常温通風下であって、加温などの必要はない。
前記における排気には、アルコールが混入するおそれがあるので、排気の清浄化(例えばアルコールの吸着フィルター付)が好ましい。
前記における着色処理は目視であるが、同一状体の処理物(例えば花)ならば、同一時間で処理されるので時間管理により処理できる。
本実施例における加工溶液はエチルアルコールのみとしたが、エチルアルコール30%〜70%とエチレングリコール70%〜30%の混合液とする場合もある。前記加工溶液をアルコール類のみにする場合と、アルコール類にエチレングリコールを添加する場合とあるが、加工すべき花の状態、種類により適宜選定する。
この発明の第二の実施例を図2に基づいて説明する。花2の茎1を容器4の金網6に挿通して支持させ、容器4の金網6を加工溶液の容器5の液面7付近にセットし、茎1を加工溶液中へ挿入(例えば茎長3cm位)する。この状態で所定時間静置すれば、茎より吸入した色素により所定の色に萼8を着色することができる。
なお、茎の挿入時間が長くなると花弁も染まるので、萼のみ染まるように時間管理が必要である。挿入時間は、色素の性質、濃度、温度により異なるので、最初に試験して条件を設定する必要がある。特に、挿入時間が長くなると、萼のみならず、花弁の基部も彩色されるおそれがあるので、時間管理は正確にしなければならない。
前記において、生花の種類又は色素によってアルコールとの置換時間が異なるので、実験結果に基づき時間管理を正確にし、処理状態の均一化を図ることが好ましい。
1 茎
2 花
3 ワイヤー
8 萼
2 花
3 ワイヤー
8 萼
Claims (4)
- 生花の茎部を染料入り加工溶液に浸漬させ、生花の萼部を彩色した後、前記生花を前記加工溶液から取り出すことを特徴とする生花の加工方法。
- ワイヤーを挿通した生花の茎部を染料入り加工用液に浸漬させ、生花の萼部を彩色した後、前記生花を前記加工溶液から取り出すことを特徴とする生花の加工方法。
- 所定の形状に成形した生花を請求項1又は2記載の加工方法で加工することを特徴とした生花の加工方法。
- 請求項1乃至3のいずれか一項記載の加工方法により加工したことを特徴とする加工生花。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012130921A JP2013252682A (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | 生花の加工方法及び加工生花 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012130921A JP2013252682A (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | 生花の加工方法及び加工生花 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013252682A true JP2013252682A (ja) | 2013-12-19 |
Family
ID=49950614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2012130921A Pending JP2013252682A (ja) | 2012-06-08 | 2012-06-08 | 生花の加工方法及び加工生花 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013252682A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108184821A (zh) * | 2017-12-26 | 2018-06-22 | 云南欣绿茶花股份有限公司 | 一种能保留茶花鲜切花自然原色的前处理液及其应用 |
CN109050142A (zh) * | 2018-08-16 | 2018-12-21 | 寻花郎(福建)农业开发有限公司 | 一种鲜花精深加工方法 |
-
2012
- 2012-06-08 JP JP2012130921A patent/JP2013252682A/ja active Pending
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