[回胴式遊技機の全体構成]
図1は、回胴式遊技機1(単に、「遊技機1」とも呼ぶ)の外観を示す正面図である。なお、本明細書中において、「右」、「左」、「上」、「下」は、遊技機1の正面からみた位置関係を示している。
遊技機1は、図1に示すように、箱状に形成された筐体3と、筐体3の前面側を覆うようにして設けられた前面扉2などが設けられている。前面扉2は、実際に遊技が行われる中段の領域と、遊技の進行に応じて種々の演出が行われる上段の領域2uと、遊技メダルが払い出される下段の領域2dとの大きく3つの領域から構成され、更に中段の領域は、遊技の状態を表示するための遊技状態表示部2maと、遊技を行うための操作部2mbとから構成されている。
上段の領域2uには、中央に演出表示装置10が設けられ、演出表示装置10の左右にはスピーカ14が設けられ、演出表示装置10およびスピーカ14の上方には、各種のランプ類12が設けられている。演出表示装置10は、いわゆる液晶表示装置によって構成されており、遊技の進行状況に合わせて種々の図柄を表示して演出を行うことが可能となっている。
前面扉2の中段に設けられた遊技状態表示部2maの中央には、大きな表示窓20が設けられており、内部に設けられた3つの回胴20a、20b、20cが回転する様子を視認可能となっている。表示窓20の左方には、遊技メダルの投入枚数に応じて表示される投入枚数表示ランプ22が設けられ、表示窓20の右方には、演出内容を表示する中間ランプ23が設けられている。表示窓20の下方には、貯留されている遊技メダルの枚数を表示する貯留枚数表示器24と、遊技状態を表示する遊技状態表示器25と、遊技メダルの払出し枚数を表示する払出枚数表示器26が設けられている。
前面扉2の中段下方に設けられた操作部2mbは、手前に向かって突出した形状に形成されており、上面には、遊技メダルを投入するための遊技メダル投入口30と、クレジットとして貯留されている遊技メダルを1枚だけ投入するための一枚投入ボタン32と、貯留されている遊技メダルを3枚投入するための三枚投入ボタン34などが設けられている。一枚投入ボタン32と三枚投入ボタン34は、ベットボタンとして構成されている。遊技メダルの貯留とは、遊技メダルを実際に払い出す代わりにメダルの枚数を記憶しておくこと(いわゆるクレジットのこと)をいう。
操作部2mbの前面には、遊技メダルの投入後に回胴20a,20b,20cの回転を開始するためのスタートレバー60と、3つの回胴20a,20b,20cの回転をそれぞれ停止させるための回胴停止ボタン80a,80b,80c、スタートレバー60に隣接して配置された演出用の操作レバーとしての演出レバー70と、回胴停止ボタン80a,80b,80cのそれぞれに隣接して配置された演出用の操作ボタンとしての演出ボタン90a,90b,90cなどが設けられている。なお、スタートレバー60や演出レバー70、回胴停止ボタン80a,80b,80c、演出ボタン90a,90b,90cの詳細については後述する。
また、操作部2mbには、上面に精算ボタン40が設けられ、前面に返却ボタン42が設けられている。ここで、精算ボタン40とは、遊技機1の内部に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す際に操作するボタンである。遊技メダルの投入後も、スタートレバー60を操作して回胴20a,20b,20cの回転を開始するまでの間であれば、投入済みの遊技メダルも精算ボタン40を操作することによって払い出すことが可能である。また、返却ボタン42とは、投入した遊技メダルが遊技機1の内部で詰まった場合に、メダルの詰まりを解消するために操作されるボタンである。
前面扉2の下段の領域2dには、遊技メダルが払い出される遊技メダル払出口50と、払い出された遊技メダルを受け止める受け皿52などが設けられている。
図2は、前面扉2を開いて遊技機1の内部の構成を示した斜視図である。前面扉2の裏面側上部には、サブ制御基板ユニット102が設けられており、その左右には一対のスピーカ14が取り付けられている。サブ制御基板ユニット102の内部には、後述するサブ制御基板220が格納されている。サブ制御基板220は、図1に示した演出表示装置10や、各種ランプ類12、スピーカ14などを用いて行われる各種演出の制御を司っている。
前面扉2のほぼ中央には表示窓20が設けられており、その下方には、後述する扉基板240が格納された扉基板ユニット104が設けられている。また、扉基板ユニット104の下方には、投入された遊技メダルの通路となるメダルセレクタ106や、遊技メダルを遊技メダル払出口50に導くためのコインシュータ108などが設けられている。メダルセレクタ106は、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルを主に寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルだけを受け入れる機能を有している。遊技者がスタートレバー60を操作する前に遊技メダルを投入すると、遊技メダルはメダルセレクタ106によって選別され、規格を満足しているものだけがホッパー116内に投入され、規格を満たしていないメダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却されるようになっている。
これに対して、スタートレバー60が操作された後に遊技メダルが投入された場合は、メダルセレクタ106内の通路が切り換わり、投入された遊技メダルはコインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50に返却される。また、メダルセレクタ106の内部には、図示しないメダルセンサが設けられており、寸法規格を満たして受け入れられた遊技メダルが通過すると、メダルセンサによって検出されて、その信号が後述する主制御基板200に供給されるようになっている。
前面扉2が取り付けられる筐体3のほぼ中央には、3つの回胴20a,20b,20cが設けられており、各回胴の外周面には、後述するように複数種類の図柄が描かれている。これら回胴の上方には、遊技全体の制御を司る後述する主制御基板200が格納された主制御基板ユニット110と、各回胴を駆動するための回胴基板260(図9参照)が格納された回胴基板ユニット111が設けられている。
3つの回胴20a,20b,20cの下方には、リアスピーカ114が設けられ、更にその下方には、投入された遊技メダルが集められるホッパー116や、遊技メダルを払い出すメダル払出装置118、遊技機1全体に電源を供給するための後述する電源基板280(図9参照)が格納された電源ユニット120などが搭載されている。メダル払出装置118から払い出された遊技メダルは、コインシュータ108を通って、遊技メダル払出口50から払い出されるようになっている。
電源ユニット120の前面には、遊技機1の電源を投入するための電源スイッチ120sが設けられ、電源ユニット120の上面には、設定キースイッチ120kが設けられている。電源スイッチ120sをオフにした状態で、設定キースイッチ120kを「ON」位置にして電源スイッチ120sをオンにした場合には、遊技メダルの投入枚数に対する払出し枚数の割合である出玉率の設定変更が可能となる。出玉率は、予め複数段階の中から選択して設定される。遊技状態表示器25には現在の出玉率の設定内容が表示される。出玉率の設定変更は、筐体3内部に設けられた図示しない設定変更スイッチを押すことで行うことができ、設定変更スイッチを押す度に遊技状態表示器25に表示される出玉率の設定値が6段階(1〜6)で切り替わる。所望の設定値が遊技状態表示器25に表示されている際にスタートレバー60を操作することで、出玉率の設定値が遊技状態表示器25に表示されている出玉率に決定される。
図3は、3つの回胴20a,20b,20cの外周面に描かれた図柄の配列を示す説明図である。各回胴には、何れも21個の図柄が外周面に描かれている。また、何れの回胴についても、描かれている図柄の種類は同じであるが、図柄の配列については回胴毎に異なる配列に設定されている。
図4は、スタートレバー60および演出レバー70の断面を示す断面図である。スタートレバー60は、図4に示すように、半球体として形成されたノブ61aと、中間部が階段状に屈曲され先端部にノブ61aが取り付けられたシャフト61bと、箱状に形成されシャフト61bの基端部を収容するハウジング62とにより構成されている。ハウジング62は、その開口部を覆うように蓋体62aが接合されており、蓋体62aに形成された挿入孔を介してシャフト61bの基端部が内部に挿入されている。シャフト61bの基端部には、コイルスプリング64が巻装されている。コイルスプリング64は、一端側が蓋体62aを介してハウジング62に係止されており、他端側が係止片(ワッシャー63a,止め具63b)によりシャフト61bに係止されている。これにより、シャフト61bは、ハウジング62に対して直立姿勢で傾動自在に支持されることとなる。即ち、ノブ61aを把持してスタートレバー60を操作すると、コイルスプリング62の収縮を伴ってスタートレバー60が傾動し、ノブ61aを解放すると、コイルスプリング62の付勢力によってスタートレバー60が直立姿勢に復帰する。また、ハウジング62には、スタートレバー60が傾動操作されたことを検知するための傾動検知センサ66が取り付けられている。傾動検知センサ66は、本実施例では、発光素子と受光素子とが対向配置されたフォトセンサとして構成されており、スタートレバー60が直立姿勢にあるときにはシャフト61bの基端部によって発光素子からの受光素子に向かって発光された光が遮られ、スタートレバー60が傾動されると、発光素子から発光された光が受光素子で受光されることにより、スタートレバー60が傾動操作されたことを検知する。尚、ノブ61aを把持してスタートレバー60を傾動させる操作態様で操作してもよいし、スタートレバー60から所定距離離れたところから手でノブ61aを叩いて(はたいて)スタートレバー60を傾動させる操作態様で操作してもよい。操作態様は遊技者によってさまざまである。
演出レバー70は、ハウジング72が前面プレート36を介して操作部2mbに固定されており、スタートレバー60と同様に、半球体に形成されたノブ71aと、中間部が階段状に屈曲され先端部にノブ71aが取り付けられたシャフト71bと、箱状に形成されシャフト71bの基端部を収容するハウジング72とにより構成されている。ハウジング72は、その開口部を覆うように蓋体72aが接合されており、蓋体72aに形成された挿入孔を介してシャフト71bの基端部が内部に挿入されている。シャフト71bの基端部には、コイルスプリング74が巻装されている。コイルスプリング74は、一端側が蓋体72aを介してハウジング72に係止されており、他端側が係止片(ワッシャー73a,止め具73b)によりシャフト71bに係止されている。これにより、シャフト71bは、ハウジング72に対して直立姿勢で傾動自在に支持されることとなる。即ち、ノブ71aを把持して演出レバー70を操作すると、コイルスプリング72の収縮を伴って演出レバー70が傾動し、ノブ71aを解放すると、コイルスプリング72の付勢力によって演出レバー70が直立姿勢に復帰する。また、ハウジング72には、演出レバー70が傾動操作されたことを検知するための傾動検知センサ76が取り付けられている。傾動検知センサ76は、本実施例では、発光素子と受光素子とが対向配置されたフォトセンサとして構成されており、演出レバー70が直立姿勢にあるときにはシャフト71bの基端部によって発光素子からの受光素子に向かって発光された光が遮られ、演出レバー70が傾動されると、発光素子から発光された光が受光素子で受光されることにより、演出レバー70が傾動操作されたことを検知する。尚、演出レバー70の操作についてもスタートレバー60の操作と同様に、ノブ71aを把持して演出レバー70を傾動させる操作態様としてもよいし、演出レバー70から所定距離離れたところから手でノブ71aを叩いて(はたいて)演出レバー70を傾動させる操作態様で操作してもよい。操作態様は遊技者によってさまざまである。
また、演出レバー70は、複数(例えば、二つ)のソレノイド装置75によりその操作負荷の高低を変更できるようになっている。図5は、演出レバー70の低負荷時および高負荷時の様子を示す説明図である。複数のソレノイド装置75は、図示するように、ソレノイドコイル75aと、可動片75bと、シャフト71bの基端部を狭持する方向に可動片75bを付勢するコイルスプリング75cとを備える。このソレノイド装置75は、ソレノイドコイル75aへの通電がオンされると、ソレノイドコイル75aで発生される磁気吸引力により可動片75bを引き込むことで可動片75bをシャフト71bから離間し(図5(a)参照)、ソレノイドコイル75aへの通電がオフされると、コイルスプリング75cの付勢力により可動片75bを押し出すことでシャフト71bに当接してシャフト71bを拘束する(図5(b)参照)。即ち、ソレノイドコイル75aへの通電がオンの場合には、コイルスプリング72の付勢力のみが演出レバー70の傾動操作に対する負荷(低負荷)となり、ソレノイドコイル75aへの通電がオフの場合には、コイルスプリング72の付勢力とコイルスプリング75cの付勢力とが演出レバー70の傾動操作に対する負荷(高負荷)となる。ここで、スタートレバー60については、操作負荷の高低を変更できないようになっており、遊技者は常に一定の操作負荷により傾動操作を行うことができる。
スタートレバー60と演出レバー70は、ノブ61aおよびノブ71aの二つの半球体が所定間隔隔てて互いに向かい合うように隣接配置されており、又、両ノブ61a、71aで一の形態を成すように構成しているため、両者を一つの球体として扱って、同時に傾動操作することが可能となっている(両方を同時に操作しやすい形状とされている)。勿論、スタートレバー60と演出レバー70は、互いに独立して構成されているから、それぞれ別々に傾動操作することも可能である。例えば、遊技者が内部当選したことを認識していない場合は、両レバー(スタートレバー60、演出レバー70)を同時に傾動操作することで、ゲームを進行させつつ演出レバーの変化を待つものとし、遊技者が停止図柄態様(リーチ目)や演出レバーの変化や装飾手段(表示装置、LED、ランプ等)の変化等により、内部当選したことを認識した場合には、スタートレバー60のみを操作することで、演出レバー70によって円滑な遊技操作が阻害されることを回避することができる。尚、内部当選したことを認識した場合であっても、両レバーを同時操作することで、又は演出レバー70のみを操作することで、演出レバー70の変化を何度も体感して遊技を楽しむこともできる。
また、スタートレバー60はハウジング62がスライド機構を介して操作部2mbに固定されており、操作部2mbに対してスライド移動させることが可能となっている。図6は、スタートレバー60のスライド機構を説明する説明図である。スタートレバー60のスライド機構は、図示するように、操作部2mbに固定されたスライドレール68と、ハウジング62に形成されスライドレール68のレール溝68aに係合されたスライダ62bとを備える。遊技者は、スタートレバー60のノブ61aを把持してスライド移動させることで、スタートレバー60を演出レバー70から離間させたり、スタートレバー60を演出レバー70に近接させたりすることができる。これにより、スタートレバー60と演出レバー70とを併設するものとしても、スタートレバー60のみを操作しようとした際に、誤って演出レバー70と干渉することなく、スタートレバー60単独での傾動操作をし易くすることができる。もちろん、演出レバー70のみを操作しようとした際に、誤ってスタートレバー60と干渉するのを防ぎ、演出レバー70単独での傾動操作をし易くすることができる。
図7は、回胴停止ボタン80a,80b,80cおよび演出ボタン90a,90b,90cの断面を示す断面図である。図7に示すように、演出ボタン90a,90b,90cは、丸型の押しボタンとして構成されており、回胴停止ボタン80a,80b,80cは、演出ボタン90a,90b,90cの外周を囲むように形成されたリング型の押しボタンとして構成されている。こうした構成によって、遊技者は、回胴停止ボタン80a,80b,80cと演出ボタン90a,90b,90cとを同時に押圧操作することが可能であると共に、それぞれ独立して押圧操作することが可能となっている。
回胴停止ボタン80a,80b,80cは、図7に示すように、何れも、操作部2mbに対して奥から手前の方向へ円筒状に突出したベース部81と、ベース部81の内周面を摺動可能なリング形状のボタン本体82と、ボタン本体82を基準位置に付勢するコイルスプリング83とにより構成されている。この回胴停止ボタン80a,80b,80cでは、遊技者によりボタン本体82が押圧されると、コイルスプリング83の収縮を伴ってボタン本体82が操作部2mbの前面に対して基準位置から奥へ移動し、ボタン本体82の押圧が解放されると、コイルスプリング83の付勢力によってボタン本体82が基準位置に復帰する。ベース部81には、ボタン本体82が押圧操作されたことを検知するための押圧検知センサ84が設けられている。押圧検知センサ84は、本実施例では、発光素子と受光素子とが対向配置されたフォトセンサとして構成するものとした。ボタン本体82には押圧検知センサ84に向かってボタン本体82の押圧方向に突出する突出部(被検知片)82aが形成されており、ボタン本体82が所定量押し込まれると、突出部82aが押圧検知センサ84まで移動し、突出部82aで発光素子から受光素子に向かう光を遮ることにより、ボタン本体82が押圧操作されたことを検知する。
演出ボタン90a,90b,90cは、図7に示すように、何れも、操作部2mbの前面に対して奥から手前に円筒状に突出したベース部91と、ベース部91の内周面を摺動可能な丸形状のボタン本体92と、ボタン本体92を基準位置に付勢するコイルスプリング93とにより構成されている。この演出ボタン90a,90b,90cでは、遊技者によりボタン本体92が押圧されると、コイルスプリング93の収縮を伴ってボタン本体92が操作部2mbの前面に対して基準位置から奥へ移動し、ボタン本体92の押圧が解放されると、コイルスプリング93の付勢力によってボタン本体92が基準位置に復帰する。ベース部91には、ボタン本体92が押圧操作されたことを検知するための押圧検知センサ94が設けられている。押圧検知センサ94は、本実施例では、発光素子と受光素子とが対向配置されたフォトセンサとして構成するものとした。ボタン本体92には押圧検知センサ94に向かってボタン本体92が押圧方向に突出する突出部(被検知片)92aが形成されており、ボタン本体92が所定量押し込まれると、突出部92aが押圧検知センサ94まで移動し、突出部92aで発光素子から受光素子に向かう光を遮ることにより、ボタン本体92が押圧操作されたことを検知する。
また、演出ボタン90a,90b,90cは、ソレノイド装置95によりその操作負荷の高低を変更できるようになっている。図8は、演出ボタン90の低負荷時および高負荷時の様子を示す説明図である。ソレノイド装置95は、図8に示すように、ソレノイドコイル95aと、可動片95bと、ボタン本体92の押圧に対して反発力を付与する方向に可動片95bを付勢するコイルスプリング95cとを備える。このソレノイド装置95は、ソレノイドコイル95aへの通電がオンされると、ソレノイドコイル95aで発生される磁気吸引力により可動片95bを引き込むことで、ボタン本体92の移動範囲内でボタン本体92の裏面に当接しないよう可動片95bをボタン本体92から離間し(図8(a)参照)、ソレノイドコイル95aへの通電がオフされると、コイルスプリング95cの付勢力により可動片95bを押し出すことで可動片95bをボタン本体92の裏面に当接させる(図8(b)参照)。即ち、ソレノイドコイル95aへの通電がオンの場合には、コイルスプリング93の付勢力のみがボタン本体92の押圧操作に対する負荷(低負荷)となり、ソレノイドコイル95aへの通電がオフの場合には、コイルスプリング93の付勢力とコイルスプリング95cの付勢力との合力がボタン本体92の押圧操作に対する負荷(高負荷)となる。ここで、回胴停止ボタン80a,80b,80cについては、操作負荷の高低を変更できないようになっており、遊技者は常に一定の操作負荷により押圧操作を行うことができる。
[電気的構成]
図9は、本実施例に係る遊技機1の電気的構成を示す説明図である。図9に示すように、遊技機1は、主制御基板200を中心として、サブ制御基板220、扉基板240、回胴基板260、電源基板280、中継基板300等がデータを通信可能に接続されて構成されている。
主制御基板200は、遊技機1で行われる遊技全体の進行や演出を司る基板である。この主制御基板200には、CPU201、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて搭載されており、前面扉2に搭載された扉基板240から、スタートレバー60が操作されたことを示す信号などを受信して、後述する遊技制御処理を実行しながら、サブ制御基板220や、扉基板240、回胴基板260などに向かって制御コマンド(あるいは制御信号)を送信することにより、これら各種基板の動作を制御している。
サブ制御基板220も、上述した主制御基板200と同様に、CPU221や、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)などがバスによって互いにデータを通信可能に接続されて構成されている。また、サブ制御基板220には、各種のランプ類12や、各種のスピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどが接続されている。ここで回胴バックライト20Lとは、各回胴20a,20b,20cの内部に設けられ、回胴の表面に描かれた図柄(図3参照)を裏側から照らすライトである。サブ制御基板220は、主制御基板200から受信した制御コマンドを解析して、各種ランプ類12、各種スピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lにそれぞれ駆動信号を送信することにより、各種の演出を行っている。
扉基板240には、メダルセレクタ106や、貯留されている遊技メダルを投入するための投入ボタン32,34、回胴の回転を開始するためのスタートレバー60、スタートレバー60の傾動操作に伴って所定の演出を行うための演出レバー70、回転している回胴を停止させるための回胴停止ボタン80a,80b,80c、回胴停止ボタン80a,80b,80cの押圧操作に伴って所定の演出を行うための演出ボタン90a,90b,90c、貯留されている遊技メダルや投入された遊技メダルを払い出して遊技を終了するための精算ボタン40、遊技の状態を表示する各種の表示パネル22などが接続されている。また、この扉基板240は、前述した主制御基板200とデータを通信可能に接続されている。このため、前面扉2に設けられたスタートレバー60や、回胴停止ボタン80a,80b,80c、投入ボタン32,34、精算ボタン40などを操作すると、扉基板240を介して、その信号が主制御基板200に供給されるようになっている。また、メダルセレクタ106が、内蔵するメダルセンサによって遊技メダルの通過を検出した信号も、扉基板240を介して主制御基板200に供給される。さらに、演出レバー70が操作されたことを示す操作信号や、演出ボタン90a,90b,90cが操作されたことを示す操作信号も、扉基板240を介して主制御基板200に供給される。また、扉基板240は、主制御基板200からの制御信号に基づいて、演出レバー70のソレノイド装置75や演出ボタン90a,90b,90cのソレノイド装置95の駆動制御を行う。
回胴基板260には、3つの回胴20a,20b,20cをそれぞれ回転させるための回胴モータ24a,24b,24cと、それぞれの回胴の回転位置を検出するための回胴センサ26a,26b,26cなどが接続されている。回胴基板260は、回胴センサ26a,26b,26cによって、各回胴20a,20b,20cの回転位置を検出しながら、回胴モータ24a,24b,24cを駆動することにより、それぞれの回胴20a,20b,20cを、所望の位置で停止させることが可能となっている。尚、本実施例の遊技機1では、回胴モータ24a,24b,24cには、いわゆるステッピングモータが使用されている。
また、メダル払出装置118は、中継基板300を介して、主制御基板200に接続されており、主制御基板200からの制御信号に基づいて、所定枚数の遊技メダルを払い出す動作を行う。
また、これら各種制御基板、および基板で消費される電力は、電源基板280から供給されている。電源基板280には100Vの交流電圧が供給されており、この電力を規定電圧の直流電圧に変換した後、それぞれの制御基板および基板に供給している。図9では、電源基板280から電力が供給される様子を破線の矢印で表している。
[遊技機の動作の概要]
次に、こうして構成された実施例の回胴式遊技機1の動作について説明する。まず、回胴式遊技機1で行われる遊技の概要について説明し、その後、本発明に係る遊技の詳細について説明する。
遊技を開始するにあたっては、遊技メダル投入口30から遊技メダルを投入して、遊技メダルのベットを行う。ベットする遊技メダル数は、通常、1枚または3枚に固定されている。遊技メダルがクレジットとして予め内部に貯留されている場合は、一枚投入ボタン32、あるいは三枚投入ボタン34を押すことにより、それぞれ1枚または3枚の遊技メダルをベットすることも可能である。
規定枚数の遊技メダルをベットして、スタートレバー60を操作すると、3つの回胴20a,20b,20cが回転を開始する。図3を用いて前述したように、各回胴には複数の図柄が描かれているため、回胴が回転すると、これら図柄が変動表示されることになる。また、図1を用いて前述したように、前面扉2の前面側には、各回胴に対応して3つの回胴停止ボタン80a,80b,80cが設けられている。回胴20a,20b,20cの回転中に回胴停止ボタン80a,80b,80cを押すと、押したボタンに対応する回胴が回転を停止し、これに伴って、変動表示されてた図柄が何れかの図柄で停止表示される。本実施例の遊技機1では、表示窓20の大きさは、各回胴あたり3つずつ、図柄が表示されるような大きさに設定されている。このため、3つの回胴20a,20b,20cが停止表示されると、表示窓20には、3行3列の合計9つの図柄が表示されるようになる。また、これら9つの図柄が表示される位置には、複数本の図柄組み合わせラインが予め設定されている。
図10は、本実施例の遊技機1に設定されている図柄組合せラインを示す説明図である。図10に示すように、本実施例では、右斜め上向きの第1図柄組合せラインL1と、上段の第2図柄組合せラインL2と、中段の第3図柄組合せラインL3と、下段の第4図柄組合せラインL4と、右斜め下向きの第5図柄組合せラインL5からなる合計5本の図柄組合せラインが設定されている。遊技メダルを1枚だけベットした場合には中段の図柄組合せラインL3だけが有効になり、遊技メダルを3枚ベットした場合には5本全部の図柄組合せラインL1〜L5が有効になる。そして、3つの回胴20a〜20cが停止すると、有効な図柄組合せライン上には、何らかの図柄組合せが得られることとなる。なお、図10に示す例では、5種類の直線状の図柄組合せラインL1〜L5を設定したが、これに限らず、例えば、左回胴20aの上段位置と、中回胴20bの中段位置と、右回胴20cの上段位置とを結ぶ図柄組合せラインや、左回胴20aの下段位置と、中回胴20bの中段位置と、右回胴20cの下段位置とを結ぶ図柄組合せラインなどの非直線状の図柄組合せラインなどを加えて、より多種類の図柄組合せラインを設定しておくこともできる。
そして、有効な図柄組合せライン上で揃った図柄組合せがいずれかの遊技役を成立させる図柄組合せだった場合には、成立した遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。図11は、遊技機に設定されている遊技役とその遊技役を成立させる図柄組み合せと付与される特典とを例示する説明図である。図11では、左端の欄に遊技役の種類が表示され、中央の欄に遊技役を成立させる図柄組合せが表示され、右端の欄に遊技役が成立した場合に遊技者に付与される特典が表示されている。これらの図柄組合せは、主制御基板200に搭載されたROMに予め記憶されている。図11に示すように、遊技役は、ボーナス役と小役に大別できる。ボーナス役には、RB(レギュラーボーナス役)役とBB役(ビッグボーナス役)が設定され、小役には、ベルの小役、スイカの小役、チェリーの小役、再遊技役(リプレイ役)が設定されている。これらの遊技役の成立によって、遊技役に応じた特典が遊技者に付与される。特典の付与は、主制御基板200のCPU201の制御によって行われる。
RB役は、「バー」と呼ばれる図柄が各回胴で3つ整列する図柄組合せが対応付けられている。RB役の図柄組合せが有効ライン上に停止表示した場合には、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)の開始という特典が遊技者に付与される。RB遊技では、各小役の入賞が成立する確率が高くなるボーナス遊技が、所定回数の遊技(例えば12回)が行われるか、または小役の入賞が予め定められた上限回数だけ入賞(例えば8回入賞)が成立するまで実行される。
BB役は、「赤セブン(赤色の7)」と呼ばれる図柄が各回胴で3つ整列する図柄組合せ、「青セブン(青色の7)」と呼ばれる図柄が各回胴で3つ整列する図柄組合せからなる2種類の図柄組合せが対応付けられており、いずれの図柄組合せが有効ライン上に停止表示した場合でも、ビッグボーナス遊技(BB遊技)の開始という特典が遊技者に付与される。BB遊技では、所定枚数(例えば465枚)の遊技メダルが払い出されるまで上述のRB遊技が複数回行われる。このように、BB役は、RB役よりも遊技者にとって更に有利な遊技状態であり、本実施例では最も大量のメダルを獲得可能な遊技状態であることから、遊技者にとって最も有利な特典といえる。
ベルの小役は、左回胴20aの図柄が「赤セブン」、「青セブン」、「バー」のいずれかであり、中回胴20bと右回胴20cの図柄が「ベル」の図柄組合せの3種類が設定されている。左図柄20aが「赤セブン」の場合は「ベルAの小役」と呼び、左図柄20aが「青セブン」の場合は「ベルBの小役」と呼び、左図柄20aが「バー」の場合は「ベルCの小役」と呼ぶ。これらのベルの小役に対して遊技者に付与される特典として、通常遊技中とボーナス遊技中ともに15枚の遊技メダルが払い出される。
スイカの小役は、3つの回胴20a〜20cのすべてが「スイカ」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。スイカの小役に対する特典としては、通常遊技中には6枚の遊技メダルが払い出され、ボーナス遊技中には15枚の遊技メダルが払い出される。また、チェリーの小役は、左回胴20aの図柄が「チェリー」の図柄であり、中図柄20bおよび右図柄20cはどのような図柄の組合せであっても構わない図柄組合せが設定されている。チェリーの組合せに対しては、通常遊技中には2枚の遊技メダルが払い出され、ボーナス遊技中には15枚の遊技メダルが払い出される。
再遊技役(リプレイ)は、3つの回胴20a〜20cがいずれも「再遊技」の図柄で揃った図柄組合せが設定されている。本実施例の遊技機1では、3つの回胴20a〜20cのすべてが「再遊技」の図柄で揃った図柄組合せが再遊技役として設定されている。再遊技役の図柄組合せが揃えば、再遊技役の入賞を成立させることができる。再遊技役に付与される特典としては、通常遊技中に新たな遊技メダルをベットすることなく、再度遊技を行う権利が付与される。つまり、再遊技役の入賞を成立させたときにベットしていた遊技メダルと同じ遊技メダルがベットされたものとしてもう一度遊技を行うことが可能となる。
3つの回胴20a〜20cが停止したときに、図11に示すいずれの遊技役も成立しなかった場合は、再び1枚または3枚の遊技メダルをベットした後、スタートレバー60を操作して回胴20a〜20cを回転させることで、次のゲームを行う。本実施例の遊技機1では、こうした操作を繰り返すことによってゲームが進行するようになっている。
図11で示したいずれの遊技役に当選するかは後述する内部抽選で決定される。内部抽選処理では、主制御基板200のCPU201がスタートレバー60が操作されたタイミングで取得した内部抽選用乱数に応じて遊技役を内部的に抽選する。内部抽選用乱数とは、主制御基板200がスタートレバー操作信号を受け取ったときに取得する乱数である。本実施例の内部抽選用乱数は2バイトデータとなっており、0〜65535の範囲の乱数値を取得することが可能となっている。内部抽選用乱数は、主制御基板200に搭載された専用の乱数発生回路を用いてハードウェア的に生成することもでき、あるいは乱数発生用プログラムを用いてソフトウェア的に生成することもできる。
ただし、内部抽選処理でいずれかの遊技役に当選したとしても、直ちに遊技役が成立するわけではなく、回胴停止ボタン80a〜80cを操作することにより、対応する図柄組合せを図柄組合せライン上に揃えなければ当選した遊技役を成立させることはできない。逆にどのようなタイミングで回胴停止ボタン80a〜80cを操作しても、内部抽選で当選した遊技役でなければ図柄組合せライン上に対応する図柄組合せを揃えることはできない。このように内部抽選は、図柄組合せを揃えて遊技役を成立させるための前提条件として内部的に行われる抽選となっている。内部抽選に当選した状態は、内部当選状態(または単に内部当選)であり、換言すれば遊技役の入賞(図柄組合せの成立)が許容された状態である。内部抽選でいずれの遊技役に内部当選したかは内部当選フラグに設定される。内部当選フラグとは、内部抽選の結果を保存しておくために用いられるフラグであり、主制御基板200のRAMの所定アドレスに設定されている。回胴停止ボタン80a〜80cの操作に起因する回胴20a〜20cの停止は、主制御基板200のCPU201の制御によって行われる。
図12は、本実施例の遊技機1で用いられるフラグのデータ構造を示している。図12に示すように、本実施例の遊技機1では、図12(a)に示す小役および再遊技役についての内部当選フラグ(小役当選フラグ)と、図12(b)に示すボーナス役についての内部当選フラグ(ボーナス役内部当選フラグ)とに分けて記憶されており、それぞれ1バイトずつのデータが割り当てられている。
図12(a)に示すように、小役内部当選フラグに割り当てられた1バイトデータは、下位側の6ビットが内部当選フラグとして用いられている。これら下位側6ビットの内訳は、上位から順に、ベルAの小役、ベルBの小役、ベルCの小役、スイカの小役、チェリーの小役、再遊技役に対応するビットになっている。いずれかの小役に内部当選した場合には、対応するビットに「1」が設定される。
また、図12(b)に示すように、BB役内部当選フラグに割り当てられた1バイトデータは、下位側の3ビットが内部当選フラグとして用いられている。これら3ビット中の先頭のビットは、上位から順に、赤7のBB役、青7のBB役、バーのRB役に対応するビットになっている。いずれかのボーナス役に内部当選した場合には、対応するビットに「1」が設定される。
遊技役の内部抽選は、各遊技役に対して乱数範囲が設定された抽選テーブルを用いて行われる。抽選テーブルの内容は、遊技状態によって異なる。本実施例の遊技機1には、通常遊技、RB遊技(レギュラーボーナス遊技)、BB遊技(ビッグボーナス遊技)の3種類の遊技状態が設けられており、これらの遊技状態が切り替わりながら遊技が行われる。現在の遊技状態は、遊技状態フラグに設定されている。主制御基板200に搭載されたRAMの所定アドレスには、遊技状態フラグを設定するための1バイト分の領域が確保されている。
図12(c)は、遊技状態フラグが設定される1バイト分の領域のデータ構造を例示した説明図である。本実施例の遊技機1では、RAM上の所定アドレスの1バイトデータのうち、下位側の3ビットが遊技状態フラグとして用いられている。これら3ビットのうち最下位のビットがRBフラグに設定されている。このビットに「1」を設定すると、RB遊技フラグがONに設定された状態となる。また、BB遊技フラグは、最下位から2、3番目のビットに設定されており、このビットに「1」を設定すると、BB遊技フラグがONに設定された状態となる。本実施例では、BB役を成立させる図柄組合せ(赤7、青7)により2種類のBB遊技フラグが用意されている。
ここで、遊技状態の切り替わりを説明する。遊技状態は、通常遊技からボーナス遊技に切り替わることができ、ボーナス遊技から通常遊技に切り替わることができるように設定されている。通常遊技とボーナス遊技との間の切り替えは、主制御基板200のCPU201がROMに記憶されている抽選テーブルを選択することによって行われる。
まず、通常遊技について説明する。遊技を開始した直後(RAMクリア処理等を行って遊技状態を初期状態にしたとき)は、図12(c)の遊技状態フラグはすべてのビットに「0」が設定される。したがって、遊技状態が最も一般的な遊技状態である通常遊技に設定されている。通常遊技状態では、通常遊技用抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図13(a)は通常遊技用抽選テーブルを示し、図13(b)は通常遊技用抽選テーブルに設定されている各遊技役と内部抽選用乱数の乱数範囲との対応関係を示している。図13(a)に示す通常遊技用の抽選テーブルでは、「ベルA+B+Cの小役」に対して0〜818の乱数値が設定されている。これは、取得した乱数値がこの範囲内にあった場合には、ベルA、ベルB及びベルCの小役に重複して内部当選することを表わしている。このように同じ範囲の乱数値に対して複数の遊技役が設定されている場合、これらの遊技役は重複役と呼ばれる。同様に、「ベルAの小役」には819〜1637、「ベルBの小役」には1638〜2456、「ベルCの小役」には2457〜3275、「スイカの小役」には3276〜3930、「チェリーの小役」には3931〜4368、「BB役(赤7)」には4369〜4468、「BB役(青7)」には4469〜4568、「BB役(バー)」には4569〜4768、「再遊技役」には4769〜13968のそれぞれの乱数値が設定されている。13969〜65535の乱数値には、いずれの遊技役も設定されておらず、取得した乱数値がこの範囲にあった場合には、「外れ」となる。また、本実施例では、通常遊技中に単独のベル小役(ベルA、ベルB、ベルCのいずれか)に内部当選したときに、この3種類のベル小役の何れに当選したか遊技者が認識できない構成としている(ベル小役内部当選を完全に報知しない)。したがって、単独のベル小役の何れかに内部当選したとしても、遊技者はいずれのベル小役を狙って回胴20を停止させればよいか分からないことから、入賞成立確率は1/3となる。
次に、ボーナス遊技(BB遊技とRB遊技)について説明する。BB遊技では、BB遊技用抽選テーブル(図示せず)を用いて内部抽選が行われ、RB遊技では、RB遊技用抽選テーブル(図示せず)を用いて内部抽選が行われる。RB遊技用抽選テーブルとRB遊技用抽選テーブルは、他の抽選テーブルと比較して、重ねてBB役又はRB遊技に内部当選することを避けるために、BB役とRB役に対する乱数範囲が設定されていない点が異なっている。また、各小役の当選確率が他の通常遊技抽選テーブルと比較して非常に高く設定されており、それに伴い「ハズレ」の確率が低くなっている。したがって、BB遊技およびRB遊技では、ほとんど毎遊技で何らかの小役が入賞することができ、遊技者は短期間で多くのメダルを獲得することができる。
また、本実施例の遊技機1では、通常遊技でBB役又はRB役に内部当選した状態において遊技が開始された場合に用いられる「内部当選状態用抽選テーブル」が設けられている(図示省略)。この内部当選状態用抽選テーブルでは、BB役又はRB役に重ねて内部当選することを避けるために、BB役およびRB役に対する乱数範囲が設定されていない。また、他の遊技役(小役等)に対する乱数値は通常遊技と同じに設定されている。このように本実施例の遊技機1には、遊技状態毎に専用の抽選テーブルが予め用意されている。
本実施例の遊技機1では、BB遊技中は、BB遊技役の種類毎に複数設定された所定枚数(例えば465枚)の遊技メダルが払い出されるまで継続され、払出し枚数が所定枚数に達したら、通常遊技に切り替わる。遊技の進行は、主制御基板200によって制御されている。以下、主制御基板200が遊技の進行を制御するために行っている処理内容について説明する。
[遊技制御処理]
図14は、本実施例の遊技機1において主制御基板200のCPU201が遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理を示すフローチャートである。この遊技制御処理は、遊技機1に電源が投入され、更に主制御基板200や、サブ制御基板220に搭載されたROMのチェックサムなどの初期化処理が行われた後に実行される。
遊技制御処理が開始されると、主制御基板200のCPU201は、まず、遊技状態設定処理を行う(S100)。本実施例の遊技機1では、上述したボーナス遊技を含む複数種類の遊技状態が設定されており、遊技状態の種類によって、回胴20a〜20cの回転停止時の遊技役の成立しやすさや成立する遊技役の種類を切り替えることが行われている。このため、遊技状態設定処理では、こうした遊技状態を設定する処理を行う。以下、遊技制御処理の説明を中断し、図15に示す遊技状態設定処理について説明する。遊技状態設定処理は、主制御基板200が、ROMに記憶されている抽選テーブルを選択することによって、複数の遊技状態を切り替えることにより行う。
遊技状態設定処理では、主制御基板200のCPU201は、遊技状態フラグ(図12(c)参照)を参照して、BB遊技フラグがONに設定されているか否か(S200)、RB遊技フラグがONに設定されているか否かを(S202)をそれぞれ判定する。BB遊技フラグおよびRB遊技フラグの何れもONに設定されていない、即ちOFFに設定されていると判定すると、現在の遊技状態は通常遊技状態と判断し、通常遊技用抽選テーブルを選択すると共に(S204)、通常遊技用演出コマンドをサブ制御基板220に送信して(S206)、遊技状態設定処理を終了する。サブ制御基板220は、通常遊技用演出コマンドを受信すると、コマンドの内容に応じて各種ランプ類12や、各種スピーカ14、114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどを制御することにより、現在の遊技状態が通常遊技中であることを印象付けるような演出を行う。
S200の判定処理で、BB遊技フラグがONに設定されていると判定すると、BB遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S208)。ここで、本実施例では、BB遊技中に所定枚数(例えば465枚)の遊技メダルが払い出されると、BB遊技が終了するよう設定しているから、S208の判定処理は、BB遊技中に払い出した遊技メダルの枚数が所定枚数に達したか否かを判定することにより行う。BB遊技の終了条件が成立していないと判定すると、BB遊技用抽選テーブル(図示せず)を選択すると共に(S210)、BB遊技用演出コマンドをサブ制御基板220に送信して(S212)、遊技状態設定処理を終了する。サブ制御基板220は、主制御基板200からBB遊技用演出コマンドを受信すると、各種ランプ類12や各種スピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどを用いて、現在の遊技状態がBB遊技中であることを遊技者に印象付けるような演出を行う。一方、BB遊技の終了条件が成立していると判定すると、遊技状態をBB遊技状態から通常遊技状態へ切り替えるために、BB遊技フラグをOFFに設定し(S214)、通常遊技用抽選テーブルを選択すると共に(S204)、通常遊技用演出コマンドをサブ制御基板220に送信して(S206)、遊技状態設定処理を終了する。
S202の判定処理で、RB遊技フラグがONに設定されていると判定すると、RB遊技の終了条件が成立したか否かを判定する(S216)。ここで、RB遊技の終了条件は、本実施例では、12回のゲームが行われるか、または小役の入賞が8回成立した場合に成立するものとしたから、S216の判定処理は、12ゲーム終了したか、または小役の入賞が8回成立したかを判定することにより行う。RB遊技の終了条件が成立していないと判定すると、RB遊技用抽選テーブル(図示せず)を選択すると共に(S218)、RB遊技用演出コマンドをサブ制御基板220に送信して(S220)、遊技状態設定処理を終了する。サブ制御基板220は、主制御基板200からRB遊技用演出コマンドを受信すると、各種ランプ類12や各種スピーカ14,114、演出表示装置10、回胴バックライト20Lなどを用いて、現在の遊技状態がRB遊技中であることを遊技者に印象付けるような演出を行う。一方、RB遊技の終了条件が成立していると判定すると、遊技状態をRB遊技状態から通常遊技状態へ切り替えるために、RB遊技フラグをOFFに設定し(S222)、通常遊技用抽選テーブルを選択すると共に(S204)、通常遊技用演出コマンドをサブ制御基板220に送信して(S206)、遊技状態設定処理を終了する。以上、遊技状態設定処理について説明した。
図14の遊技制御処理に戻って、こうしてS100で遊技状態設定処理を実行すると、次に、メダル投入確認処理を行う(S102)。メダル投入確認処理では、遊技メダル投入口30から遊技メダルが投入されたか否か、あるいは一枚投入ボタン32または三枚投入ボタン34が操作されたか否かを判定する。前述したように、遊技メダル投入口30から投入された遊技メダルは、メダルセレクタ106を通過する際にメダルセレクタ106内に設けられた図示しないメダルセンサによって検出され、その検出信号が主制御基板200に供給される。また、各種投入ボタン32、34を操作した場合には、その操作信号が主制御基板200に供給される。主制御基板200は、これらの信号に基づいて遊技メダルが投入されたか否かを判定する。そして、遊技メダルが投入されたら、遊技を開始可能な状態にする。各種投入ボタン32、34が操作された場合には、遊技メダルの貯留枚数から投入枚数を減算する処理も同時に行われる。遊技メダルの投入が確認できた場合には、スタートレバー60を操作することにより、いつでも遊技を開始することが可能となる。
そして、精算ボタン40が操作されたか否かを判定する(S104)。精算ボタン40が操作されたと判定すると、クレジットとして貯留されている遊技メダルおよび投入した遊技メダルを払い出す精算処理を行い(S106)、S100の遊技状態設定処理に戻る。即ち、遊技メダルをベットした後であっても、スタートレバー60を操作して回胴20a〜20cを回転させる前であれば、ベットした遊技メダルも含めて精算可能となっている。なお、遊技メダルの払い出しは、主制御基板200からメダル払出装置118に対して払い出すべき遊技メダルの枚数を指示する制御信号を出力することにより行われる。
一方、S104の判定処理で、精算ボタン40が操作されていないと判定すると、スタートレバー60が操作されたか否かを判定する(S108)。S108の判定処理は、傾動検知センサ66からの検知信号を扉基板240を介して入力すると共に入力した検知信号に基づいてスタートレバー60が操作されたか否かを判定することにより行う。スタートレバー60が操作されていないと判定すると、S104に戻り、スタートレバー60が操作されるまで待機する。一方、スタートレバー60が操作されたと判定すると、内部抽選用乱数を取得し(S110)、取得した内部抽選用乱数とS100で遊技状態に応じて選択した抽選テーブルとを用いて内部抽選処理を行う(S112)。S112の内部抽選処理は、前述したように、選択した抽選テーブルを用いて、取得した内部抽選用乱数が、何れかの遊技役が設定されている乱数値の範囲内にあるか否かを判定することにより行う。内部抽選処理で何れかの遊技役に内部当選した場合には、内部当選フラグ(図12(a),図12(b)参照)の当選した遊技役に対応するビットに「1」を設定する。主制御基板200は、内部抽選処理にて内部当選役が決定したとき、内部当選の結果を示す当選役情報をサブ制御基板220に送信する。この当選役情報には、どの遊技役に内部当選したのかを示す情報も含まれている。サブ制御基板220は、当選役情報を受信すると、当選役情報に基づいて様々な演出処理を実行する。
続いて、S110で取得した内部抽選用乱数が特定値であるか否かを判定する(S114)。ここで、特定値は、本実施例では、BB遊技の遊技役が成立する乱数値範囲内の乱数値として定められている。従って、S114の判定は、BB遊技役に内部当選しているか否かを判定するものとなる。勿論、特定値にBB遊技役以外の遊技役(例えば、RB遊技役)が成立する乱数値を含めるものとしてもよいし、遊技役が成立する乱数値に加えて何れの遊技役も成立しない外れの乱数値も含めるものとしてもよい。内部抽選用乱数が特定値でないと判定すると、演出レバー70の操作負荷を低負荷状態のまま維持し、内部抽選用乱数が特定値であると判定すると、演出レバー70の操作負荷を低負荷状態から高負荷状態に切り替える(S116)。高負荷状態への切り替えは、前述したように、主制御基板200が扉基板240に制御信号を出力することにより、制御信号を受信した扉基板240が制御信号に従ってソレノイド装置75を駆動制御することにより行われる。ここで、S116の処理は、傾動検知センサ66によりスタートレバー60の操作が検知された後に実行されることになるが、傾動検知センサ66の検知はスタートレバー60の操作の途中でなされ、高負荷状態への切り替えは傾動検知センサ66でスタートレバー60の操作が検知されてから極短時間の間に行われることから、スタートレバー60と演出レバー70とを同時に操作している遊技者にとっては、恰もスタートレバー60が重くなったような印象を受けることになる。従って、遊技者は、こうした体感的な演出により内部抽選結果が当選(例えば、特定値がBB遊技役を成立させる乱数値に設定されている場合にはBB遊技役に当選)したことを知ることができる。本実施例では、スタートレバー60の操作とほぼ同時に演出レバー70が操作(例えば、スタートレバー60が操作されたタイミングの前後の所定時間以内に演出レバー70が操作)された場合、主制御基板200はサブ制御基板220に演出レバー操作信号を送信している。サブ制御基板220は、演出レバー操作信号を受信すると、所定の演出を行う。所定の演出としては、例えば、演出表示装置10の画面に内部当選の信頼度を数値で表示したり、演出表示装置10の画面に特定のキャラクタを登場させたり、演出表示装置10の画面の背景色を変更したりすることができる。一方、スタートレバー60の操作負荷は常に一定で変更されないから、スタートレバー60を単独で操作している遊技者にとっては、演出レバー70の体感的な演出がスタートレバー60の操作に何ら影響を受けることはない。また、本実施例では、内部当選(例えばBB(ビッグボーナス)当選時)した遊技(抽選が行われて当りとなった遊技)において、直ちに演出レバー70の負荷を変更するものとしたが、内部当選した遊技では、負荷を変更せず、次回以降の遊技の際(次回以降のスタートレバー60および演出レバー70の操作まで)に負荷を変更する態様としてもよい。この場合、内部当選した遊技において、全ての回胴が停止する際に、演出レバー70の負荷を変更するか否かを判定する負荷変更判定手段を備え、当該負荷変更判定手段が負荷を変更すると判定した場合には、演出レバー70の負荷を変更するものとしてもよい。また、負荷変更判定手段は、予め定められた所定の役が内部当選した場合に(内部当選フラグにより判断)、必ず負荷を変更してもよいし、内部当選した場合の所定割合において負荷を変更してもよい。また、内部当選していない場合にも負荷を変更する態様を含んでもよい(所謂、ガセ演出)。負荷変更判定手段は、遊技の終了時毎(全ての回胴が停止する度)に演出レバー70の負荷を変更するか否かを判断するものとすることができる。また、負荷変更判定手段の判定タイミングについては、遊技の終了時(全ての回胴が停止する度)に限らず、スタートレバー60の操作時であってもよいし、最初の回動が停止するときであってもよいし、どのタイミングに設定されてもよい(所定のタイミングで判定)。
次に、回胴始動処理を行う(S118)。回胴始動処理では、スタートレバー60が操作されていることに加えて、所定の条件が成立している場合に、3つの回胴20a〜20cを回転させる処理を行う。所定の条件は、本実施例では、前回に回胴20a〜20cの回転が開始されてから所定時間(例えば、4.1秒)経過した場合に成立する条件である。回胴20a〜20cの回転駆動は、各回胴20a〜20cにそれぞれ設けられた回胴モータ24a〜24cに対して駆動信号を出力することにより行う。
そして、回胴20a〜20cの回転を停止させる回胴停止処理を行う(S120)。ここで、遊技制御処理の説明を中断して、回胴停止処理の詳細について説明する。図16は、回胴停止処理の一例を示すフローチャートである。回胴停止処理では、全ての回胴20a〜20cの回転速度が所定速度に到達したか否かを判定する(S300)。なお、S300の判定処理は、回胴センサ26a〜26cにより検出された各回胴20a〜20cの回転位置を回胴基板260を介して入力し、入力した回転位置に基づいて各回胴20a〜20cの回転速度を演算し、演算した回転速度と所定速度とを比較することにより行うことができる。全ての回胴20a〜20cの回転速度が所定速度に到達していないと判定すると、全ての回胴20a〜20cの回転速度が所定速度に到達するまで待機する。全ての回胴20a〜20cの回転速度が所定速度に到達したと判定すると、内部抽選用乱数が前述した特定値であるか否かを判定する(S302)。内部抽選用乱数が特定値であると判定すると、演出レバー70の操作負荷を高負荷状態から低負荷状態に戻す(高負荷状態を終了する)と共に(S304)、演出ボタン90a〜90cの操作負荷を低負荷状態から高負荷状態へ切り替えて(S306)、回胴停止ボタン80a〜80cの操作を有効化する(S308)。演出ボタン90a〜90cの高負荷状態への切り替えは、前述したように、主制御基板200が扉基板240に制御信号を出力することにより、制御信号を受信した扉基板240が制御信号に従ってソレノイド装置95を駆動制御することにより行われる。従って、回胴停止ボタン80a〜80cと演出ボタン90a〜90cとを同時に操作しようとする遊技者にとっては、恰も回胴停止ボタン80a〜80cが硬くなったような印象を受けることになる。従って、遊技者は、こうした体感的な演出により内部抽選結果が当選(例えば、特定値がBB遊技役を成立させる乱数値に設定されている場合にはBB遊技役に当選)したことを知ることもできる。本実施例では、回胴停止ボタン80a〜80cの操作とほぼ同時に演出ボタン90a〜90cが操作(例えば、回胴停止ボタン80a〜80cが操作されたタイミングの前後の所定時間以内に演出ボタン90a〜90cが操作)された場合、主制御基板200はサブ制御基板220に演出ボタン操作信号を送信している。サブ制御基板220は、演出ボタン操作信号を受信すると、所定の演出を行う。この所定の演出は、演出レバー操作信号に基づいて行われる演出と同一の演出を行うものとしてもよいし、異なる演出を行うものとしてもよい。前者の場合、演出レバー操作信号と演出ボタン操作信号の両方の操作信号が受信されたときでも、所定の演出の実行を一回のみとするものとしてもよい。一方、前述したように、回胴停止ボタン80a〜80cの操作負荷は常に一定で変更されないから、回胴停止ボタン80a〜80cを単独で操作している遊技者にとっては、演出ボタン90a〜90cの体感的な演出が回胴停止ボタン80a〜80cの操作に何ら影響を受けることはない。なお、S302で内部抽選用乱数が特定値でないと判定すると、S304,S306の処理をスキップして、回胴停止ボタン80a〜80cの操作を有効化する(S308)。
回胴停止ボタン80a〜80cの操作を有効化すると、次に、押圧検知センサ84からの検知信号に基づいて、回胴停止ボタン80a〜80cの操作が行われたか否かを判定する(S310)。回胴停止ボタン80a〜80cの操作が行われていないと判定すると、回胴停止ボタン80a〜80cの操作が行われるまで待機する。一方、回胴停止ボタン80a〜80cの操作が行われたと判定すると、操作された回胴停止ボタン80a〜80cを停止させる(S312)。S312の処理は、主制御基板200が、回胴停止ボタン80a〜80cが操作された時に回胴センサ26a〜26cにより検知された各回胴20a〜20cの回転位置を回胴基板260から入力し、入力した回転位置に基づいて各回胴20a〜20cの停止位置を決定し、決定した位置で回胴20a〜20cを停止させる制御信号を回胴基板260に出力することにより行う。なお、操作された回胴停止ボタン80a〜80cに対応する回胴20a〜20cを停止させると、操作された回胴停止ボタン80a〜80cの操作を無効化する。各回胴20a〜20cの停止位置を決定する際には、S112の内部抽選処理の結果が参照され、いずれの遊技役にも内部当選していない場合には、どのようなタイミングで回胴停止ボタン80a〜80cが操作されても、遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されないように、回胴20a〜20cの停止位置が決定される。一方、ある遊技役に内部当選している場合には、よほどタイミングが外れていない限り、内部当選した遊技役を成立させる図柄組合せが停止表示されるように、各回胴20a〜20cの停止位置が決定されるようになっている。なお、遊技役を成立させる図柄組合せは、図10に示すL1〜L5のいずれかの図柄組合せライン上に停止表示されるが、どの図柄組合せライン上に停止表示されるかは、回胴停止ボタン80a〜80cの操作タイミング等によりその都度異なる。
そして、操作された回胴停止ボタン80a〜80cに対応する演出ボタン90a〜90cが高負荷状態にあるか否かを判定し(S314)、操作された回胴停止ボタン80a〜80cに対応する演出ボタン90a〜90cが高負荷状態にあると判定すると、その演出ボタン90a〜90cの操作負荷を高負荷状態から低負荷状態に戻す(S316)。一方、操作された回胴停止ボタン80a〜80cに対応する演出ボタン90a〜90cが高負荷状態にないと判定すると、S316をスキップして次の処理に進む。次に、全ての回胴20a〜20cが停止したか否かを判定する(S318)。停止していない回胴20a〜20cがあると判定すると、S310に戻って、S310〜S316の処理を繰り返し、全ての回胴20a〜20cが停止したと判定すると、これで回胴停止処理を終了する。以上、回胴停止処理について説明した。
図14の遊技制御処理に戻って、こうしてS120の回胴停止処理を実行すると、次に、いずれかの遊技役の入賞が成立したか否かを判定する(S122)。ここで、「遊技役の入賞が成立する」とは、内部当選した遊技役に対応する図柄組合せが、有効な図柄組合せライン上に揃って表示されることをいう。前述したように、本実施例の遊技機1では、内部抽選処理S112でいずれかの遊技役に内部当選していても、回胴停止ボタン80a〜80cを押すタイミングによっては、その遊技役に対応する図柄組合せが有効な図柄組合せライン上に揃うとは限らない。そこで、主制御基板200は、回胴の回転を停止させた後、内部抽選で当選した遊技役の入賞が成立しているか否かを判定する。
そして、いずれの遊技役の入賞も成立していないと判定した場合には、その遊技は終了となり、遊技制御処理の先頭に戻ってS100の遊技状態設定処理を行う。なお、本実施の遊技機1では、前述したS112の内部抽選処理でボーナス役(BB役又はRB役)に当選した場合において、有効な入賞ライン上にボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示されず、ボーナス役の入賞が成立しなかったときに限り、ボーナス役の内部当選が持ち越され、次回の遊技以降も「ボーナス役」の内部当選フラグがセットされている状態で遊技が行われる。これに対して、他の遊技役(「小役」や「再遊技役」)に内部当選した場合は、有効な入賞ライン上に当選役に対応する図柄組合せを停止表示させることができなければ、その内部当選は次遊技以降に持ち越されることなくリセットされる。
一方、いずれかの遊技役の入賞が成立したと判定した場合は、入賞の成立した遊技役が再遊技役であるか否かを判定する(S124)。入賞した遊技役が再遊技役と判定した場合には、再遊技フラグをONに設定する(S126)。ここで、再遊技フラグとは、再遊技役に入賞したことを記憶しておくためのフラグである。この再遊技フラグがONにセットされていると、次回の遊技のメダル投入確認処理S102において、再遊技役に入賞した遊技で投入されていた枚数の遊技メダルが自動的に再投入される。
入賞した遊技役が再遊技役でないと判定すると、入賞した遊技役がBB役か否かを判定する(S128)。入賞した遊技役がBB役と判定した場合には、BB遊技フラグをONに設定する(S130)。
入賞した遊技役がBB役でないと判定すると、入賞した遊技役がRB役か否かを判定する(S132)。入賞した遊技役がRB役と判定した場合には、RB遊技フラグをONに設定する(S134)。一方、入賞した遊技役がRB役でないと判定した場合には、いずれかの小役に入賞したものと判断し、入賞した遊技役に応じた枚数の遊技メダルを払い出す処理を行う(S136)。本実施例では、入賞した遊技役がベルの小役であれば、15枚の遊技メダルを払い出し、スイカの小役であれば6枚の遊技メダルを、そしてチェリーの小役であれば、2枚の遊技メダルを払い出す処理を行う。遊技メダルの払出し処理は、主制御基板200の内部で払い出すべき遊技メダルの枚数を決定した後、主制御基板200からメダル払出装置118に対して制御信号を出力することによって行われる。こうして遊技メダルを払い出したら、S100に戻って、新たな遊技を開始する。
以上のS100〜S136の処理を繰り返すことにより、遊技メダルを投入し、スタートレバー60を操作すると、回胴20a〜20cの回転が開始され、回胴停止ボタン80a〜80cを押して回胴が停止したときに遊技役の入賞が成立しているか否かによって遊技メダルが払い出されるという遊技を繰り返し行うことができる。本実施例の遊技機1では、複数の遊技状態が設けられており、いずれの遊技状態であるかに応じて、遊技役の入賞し易さや入賞する遊技役の種類を切り替えることによって、遊技の印象を大きく異ならせることができる。この遊技状態を切り替えるための処理は、遊技制御処理の先頭で行われるS100の遊技状態設定処理において行われる。
以上説明した実施例の回胴式遊技機1によれば、スタートレバー60と演出レバー70とを隣接して配置したから、スタートレバー60と演出レバー70とを同時に操作することが可能となると共に、スタートレバー60と演出レバー70とをそれぞれ単独で操作することも可能となる。この結果、演出レバー70に対して体感的な演出を付与することで、スタートレバー60と演出レバー70とを同時に操作する遊技者に対しては、恰もスタートレバー60に体感的な演出が付与されているように感じさせることができ、遊技興趣の向上を図ることができる。一方、スタートレバー60だけを単独で操作しようとする遊技者に対しては、演出レバー70に付与される体感的な演出がスタートレバー60の操作に影響を与えないようにすることができる。しかも、スタートレバー60のノブ61aと演出レバー70のノブ71aとを半球体として構成し、両ノブ61a,71aを所定間隔を隔てて向かい合うように配置したから、スタートレバー60と演出レバー70とを同時に操作する場合の操作性をより良好なものとすることができる。さらに、スタートレバー60にスライド機構を設けたから、遊技者がスタートレバー60をスライド移動させて演出レバー70から離間させることにより、スタートレバー60だけを単独で操作しようとする場合の操作性をより向上させることができる。また、演出レバー70に付与する体感的な演出は、スタートレバー60の操作に起因して取得された内部抽選乱数の値が特定値である場合に実行されるから、遊技者に対して内部抽選結果を効果的に報知することができる。
また、実施例の回胴式遊技機1によれば、回胴停止ボタン80a〜80cと演出ボタン90a〜90cとをそれぞれ隣接して配置したから、回胴停止ボタン80a〜80cと演出ボタン90a〜90cとを同時に操作することが可能となると共に、回胴停止ボタン80a〜80cと演出ボタン90a〜90cとをそれぞれ単独で操作することも可能となる。この結果、演出ボタン90a〜90cに対して体感的な演出を付与することで、回胴停止ボタン80a〜80cと演出ボタン90a〜90cとを同時に操作する遊技者に対しては、恰も回胴停止ボタン80a〜80cに体感的な演出が付与されているように感じさせることができ、遊技興趣の向上を図ることができる。一方、回胴停止ボタン80a〜80cだけを単独で操作しようとする遊技者に対しては、演出ボタン90a〜90cに付与される体感的な演出が回胴停止ボタン80a〜80cの操作に影響を与えないようにすることができる。しかも、演出ボタン90a〜90cの丸型の押しボタンとして構成すると共に回胴停止ボタン80a〜80cを演出ボタン90a〜90cの外周を囲むリング型の押しボタンとして構成するものとしたから、回胴停止ボタン80a〜80cと演出ボタン90a〜90cとを同時に操作する場合の操作性をより良好なものとすることができる。また、演出ボタン90a〜90cに付与する体感的な演出は、内部抽選乱数の値が特定値である場合に実行されるから、遊技者に対して内部抽選結果を効果的に報知することができる。
本実施例の遊技機1では、スタートレバー60と演出レバー70とを離間させることができるように、スタートレバー60にスライド機構を設けるものとしたが、これに限られず、演出レバー70にスライド機構を設けるものとしてもよいし、スタートレバー60と演出レバー70の双方にスライド機構を設けるものとしてもよい。
本実施例の遊技機1では、スライド機構を設けてスタートレバー60と演出レバー70とを離間させることができるようにしたが、回転機構を設けてスタートレバー60と演出レバー70の位置関係を変更できるようにしてもよい。図17は、変形例のスタートレバーおよび演出レバーの断面構成を示す断面図である。図17に示すように、スタートレバー60のハウジング62および演出レバー70のハウジング72は、回転テーブル368に固定されており、回転テーブル368の回転軸368aが前面扉2(操作部2mb)に回転自在に支持されている。なお、図示しないが、回転テーブル368には、回転可能な範囲(例えば、360度)を規制するストッパが設けられている。遊技者は、スタートレバー60および演出レバー70のノブ61a,71aを把持して回転させることで、スタートレバー60と演出レバー70の位置関係を変更することができる。例えば、スタートレバー60と演出レバー70とを同時に操作しようとする場合には、スタートレバー60のノブ61aと演出レバー70のノブ71aが図1の遊技盤1に対して上下方向に整列するように位置関係を変更する。この状態において、遊技者が上方から下方に向かってノブを叩けば、自ずと両方のレバー60、70が操作されることとなる。また、スタートレバー60と演出レバー70とをそれぞれ単独で操作しようとする場合には、スタートレバー60のノブ61aと演出レバー70のノブ71aが図1の遊技盤1に対して左右方向に整列するように位置関係を変更することができる。この状態において、遊技者が上方から下方に向かってノブを叩けば、スタートレバー60又は演出レバー70の一方のみを操作することができる。
本実施例の遊技機1では、演出ボタン90a〜90cを丸型の押しボタンとして構成すると共に回胴停止ボタン80a〜80cをリング型の押しボタンとして構成するものとしたが、回胴停止ボタン80a〜80cを丸型の押しボタンとして構成すると共に演出ボタン90a〜90cをリング型の押しボタンとして構成するものとしてもよい。また、回胴停止ボタン80a〜80cおよび演出ボタン90a〜90cの一方を丸型の押しボタンとして構成し他方をリング型の押しボタンとして構成するものに限られず、例えば、半月型の押しボタンを互いに向かい合わせて配置するなど、回胴停止ボタン80a〜80cと演出ボタン90a〜90cを同時に操作可能であると共に何れか一方を単独で操作可能に構成するものであれば、如何なる構成によるものとしてもよい。
本実施例の遊技機1では、ソレノイドコイル75aの電磁力とコイルスプリング75cの付勢力とにより演出レバー70の操作負荷を変更できるよう構成するものとしたが、これに限られず、例えば、シャフト71bに永久磁石を取り付けると共にハウジング72に電磁石を取り付け、電磁石を作動させることにより操作レバー70の操作負荷を変更できるように構成するなど、演出レバー70の操作負荷を変更できるものであれば、如何なる構成によるものとしてもよい。
本実施例の遊技機1では、ソレノイドコイル95aの電磁力とコイルスプリング95cの付勢力とにより演出ボタン90a〜90cの操作負荷を変更できるよう構成するものとしたが、これに限られず、例えば、ボタン本体92に永久磁石を取り付けると共にベース部91に電磁石を取り付け、電磁石を作動させることにより演出ボタン90a〜90cの操作負荷を変更できるように構成するなど、演出ボタン90a〜90cの操作負荷を変更できるものであれば、如何なる構成によるものとしてもよい。
本実施例の遊技機1では、演出レバー70や演出ボタン90a〜90cの操作負荷を低負荷状態と高負荷状態の2段階に切り替えることができるように構成したが、操作負荷を3段階以上の多段階に切り替えることができるように構成するものとしてもよい。この場合、演出レバー70のシャフト71bや演出ボタン90a〜90cのボタン本体92の操作に対する抵抗力を付与するためのソレノイド装置を複数セット設けるものとし、抵抗力を付与するソレノイド装置の数を適宜変更することにより、操作負荷を多段階に切り替えることができる。なお、演出レバー70や演出ボタン90a〜90cの操作負荷を多段階に切り替える場合、内部抽選結果で当選した遊技役に応じて負荷状態の高低を設定するものとしてもよく、例えば、当選した遊技役が遊技者に有利な遊技役であるほど高くなる傾向に操作負荷を設定することができる。
本実施例の遊技機1では、演出レバー70や演出ボタン90a〜90cの操作方向に対する抵抗力を付与することで、その操作負荷を変更できるように構成するものとしたが、これに限られず、例えば、モータの回転軸に偏心部材(アンバランスウェイト)を取り付けてモータを回転駆動させることにより、演出レバー70や演出ボタン90a〜90cを振動させるものとしてもよいし、演出レバー70のハウジング72や演出ボタン90a〜90cのベース部91に回転部材を取り付け、回転部材をモータにより回転駆動することで、演出レバー70や演出ボタン90a〜90cを回転させるものとしてもよい。
また、本実施例では内部抽選乱数の値が特定値の場合に、演出レバー70や演出ボタン90a〜90cの操作負荷の状態を変化するものを例示したが、これに限らず、内部当選に係るフラグの状態(ボーナスに内部当選しているか)やサブ制御部(サブ制御基板220)で取得した乱数値に基づいて、操作負荷の状態を変化するかどうかを決定してもよい。また、本実施例では、演出レバー70の負荷状態を変化させ、演出レバー70(スタートレバー60)が操作されると、演出レバー70の負荷状態を通常状態に戻すと共に、続いて演出ボタン90a〜90cの負荷状態を変化させ、演出ボタン(対応する回胴停止ボタン)が操作される毎に、操作された演出ボタンの負荷状態を通常状態に戻す制御を実行するものとしたが、負荷状態を変化させる制御はこの態様に限らない。例えば、負荷状態を変化すると判定した場合には、演出レバー70及び演出ボタン90a〜90cの負荷状態を同時に変化させ(高負荷にし)、対応する操作部材を操作されたとしても所定時間が経過するまで、負荷状態の変化を維持する構成としてもよい。この様にすることで、遊技者は、高負荷又は通常負荷の演出レバー70(演出ボタン90a〜90c)を一旦操作した後に、再度操作することで、負荷状態を再確認することができる。
また、本実施例では、内部抽選の結果に基づいて(内部抽選の結果を報知するために)、演出レバー70又は演出ボタン90a〜90cの負荷状態を変化させるものとしたが、負荷状態を変化させる対象はこれに限らない、精算ボタン40や投入ボタン32,34を本実施例の演出ボタン90a〜90c及び回胴停止ボタン80a〜80cと同様の構造としてもよい。また、演出表示装置10上で実行される演出を進行させるための演出進行ボタンを別途設けて、当該演出進行ボタンを演出ボタン90a〜90c及び回胴停止ボタン80a〜80cと同様の構造としてもよい。
また、本実施例では、内部抽選の結果に基づいて(内部抽選の結果を報知するために)、演出レバー70又は演出ボタン90a〜90cの負荷状態を変化させるものとしたが、負荷状態が変化した操作部材に基づいて、所定の遊技役(ボーナス)に内部当選した(当否判定手段が当りと判定した)可能性を報知してもよい。この場合には、負荷状態が変化した操作部材の個数が多いほど、内部当選(当り)の可能性が高いものとしてもよいし、遊技者に付与される遊技利益として大きい遊技利益と小さい遊技利益がある場合には、負荷状態が変化した操作部材の個数が多いほど、大きい遊技利益であるものとしてもよい。
回胴停止ボタン80a〜80cが特定順序で操作された場合に、遊技者に所定の利益を付与する遊技機において、演出ボタン90a〜90cの操作負荷を変化させることで、遊技者が選択した回胴停止ボタンの押し順が正解であったか誤りであったかを報知することもできる。例えば、特定順序が左→右→中であった場合、何れの回胴停止ボタン80a〜80cも未操作の状態で、左の演出ボタン90aのみが負荷状態を変化させられる。遊技者は、負荷状態が変化している演出ボタン(回胴停止ボタン)を狙って何れかの演出ボタン90a〜90c(回胴停止ボタン80a〜80c)を操作する。そして、遊技者が、左の演出ボタン90aを操作した場合には、押し順が正解となり、次に右演出ボタン90cの負荷状態が変化させられる。遊技者は、負荷状態が変化している演出ボタン(回胴停止ボタン)を狙って右の演出ボタン90c(回胴停止ボタン80c)又は中の演出ボタン90b(回胴停止ボタン80b)を操作する。そして、遊技者が、右の演出ボタン80cを操作した場合には、押し順が正解となり、所定の利益が付与される。また右の演出ボタン80cより先に中の演出ボタン80bが操作された場合には押し順が不正解となり、所定の利益が付与されない。所定の利益としては、回胴停止ボタン80a〜80cの押し順を報知して所定の役を成立させやすくする所謂アシストタイム(押し順報知遊技)が例示される。
本実施例の遊技機1では、本発明を回胴式遊技機(スロットマシン)に適用して説明したが、パチンコ機に適用する形態や、アレンジボール機に適用する形態、パチンコ機とスロットマシンとの融合機に適用する形態なども考えることができる。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、回胴式遊技機1が「遊技機」に相当し、スタートレバー60や回胴停止ボタン80a〜80cが「本操作手段」に相当し、演出レバー70や演出ボタン90a〜90cが「演出操作手段」に相当し、図14の遊技制御処理を実行する主制御基板200が「遊技進行手段」に相当し、ソレノイド装置75,95が「操作力可変手段」に相当し、遊技制御処理のS114,S116や回胴停止処理のS302〜S306,S314,S316の処理を実行する主制御基板200が「駆動制御手段」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行われるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。