JP2013250688A - 接近報知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】側方からの移動体の接近が繰り返して報知されることを抑制する。
【解決手段】車両の進行方向に対して側方を監視して、移動体が検出された場合には移動体までの距離を測定し、その結果に基づいて所定の指標値を取得する。そして、指標値と報知閾値との大小関係に基づいて、移動体の接近を報知する。ここで、複数の移動体が連続して接近してきた場合は、先頭の移動体を報知した後、後続する移動体に対する報知は開始しない。こうすれば側方から接近する全ての移動体に対して連続して報知されることがないので、移動体の接近が繰り返されることを抑制可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両に搭載されて、車両の進行方向に対して側方から接近する移動体の存在を、車両の運転者に報知する接近報知装置に関する。
見通しの悪い交差点に進入する際に、進行方向を横切ろうとする車両に側方から衝突されることがある。そこで、こうしたことを避けるため、側方から自車両に接近してくる物体(移動体)を検知して、そのような移動体の存在を運転者に報知する技術(CTA:Cross Traffic Alert )が開発されている。例えば、特許文献1では、見通しの悪い交差点でも出来るだけ死角が少なくなる方法で、側方から自車両に接近してくる車両や歩行者の存在を検出可能とする技術が提案されている。
この提案の技術によれば、交差点で側方から自車両に接近してくる車両や歩行者の存在を、運転者からは見えない範囲に居る時点から報知することができる。このため、側方から接近する車両などの存在に気付かないまま交差点に進入して、出会い頭に衝突することを回避することができる。
特開2010−137767号公報
しかし、提案されている技術では、側方から複数台の車両が連なった状態で接近してくるような場合、何度も報知が繰り返されてしまうことがあるという問題があった。
この発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、側方からの車両や歩行者などの接近が、何度も過剰に報知されることを抑制可能な技術の提供を目的とする。
上述した問題を解決するために、本発明の接近報知装置においては、側方から接近する移動体が検出されると、その移動体についての指標値を取得して、その指標値を報知閾値と比較することによって移動体の接近の報知を開始する。更に、側方から接近する移動体(第1移動体)と、その移動体の後方から接近する移動体(第2移動体)とが検出されて第1移動体に対する報知が開始され、且つ、第1移動体に対する指標値と第2移動体についての指標値との差が所定値以下であった場合には、第2移動体に対する報知の開始を禁止する。
こうすれば、側方から複数の移動体が連続した状態で接近してくるような場合、先頭の移動体に対して報知を開始した後は、後続する移動体に対しては報知が開始されないので、何度も報知が繰り返されることを抑制できる。
尚、移動体に対する指標値としては、移動体までの距離に応じて定まる値であればよく、例えば距離そのものを指標値として用いることもできる。また、指標値と報知閾値とを比較して、何れが大きかった場合に移動体の接近を報知するのかについては、距離に対する指標値の決め方に依存する。例えば、距離そのものを指標値とするのであれば、指標値(すなわち距離)が報知閾値よりも小さい場合に移動体の接近を報知すると判断する。
また、上述した本発明の接近報知装置においては、側方で移動体が検出された場合には、移動体までの距離に加えて、移動体が接近してくる速度(接近速度)を測定してもよい。そして、移動体までの距離と、移動体の接近速度との比率に基づいて指標値を取得するようにしてもよい。
尚、指標値としては、移動体までの距離と接近速度との比率によって決まる値であれば良く、例えば比率そのものを指標値とすることもできる。
例えば、移動体が速い速度で接近してくるのであれば、その移動体が遠くにある段階から移動体の接近を報知することが望ましい。逆に、移動体がゆっくりと接近しているのであれば、移動体が近付くまでは、それほど急いで接近を報知する必要性はない。移動体までの距離と、移動体の接近速度との比率に基づいて指標値を取得してやれば、このような場合を考慮して適切に移動体の接近を報知することが可能となる。
また、上述した本発明の接近報知装置においては、第1移動体に対する指標値と第2移動体についての指標値との差が所定値以下であった場合には、次のような方法で、第2移動体に対する報知の開始を禁止することとしても良い。すなわち、第1移動体に対して開始された報知を、少なくとも第2移動体に対する報知が開始されるまで延長することによって、第2移動体に対する報知の開始を禁止することとしてもよい。
こうすれば、第1移動体が通過した後も報知が継続されるので、第2移動体の接近に対しても運転者の注意を喚起することができる。それでいながら、第1移動体に対する報知が継続されるだけなので、第2移動体に対する報知が改めて開始した場合のように、報知が繰り返されることがない。
また、第1移動体に対する報知を延長する本発明の接近報知装置においては、次のようにして、第1移動体の指標値と第2移動体の指標値との差が所定値以下となったことを検出しても良い。先ず、側方から接近する移動体を検知すると、移動体までの距離を接近速度で除算した衝突時間を、移動体に対する指標値として取得する。そして、第1移動体に対して開始した報知の残り時間が、第2移動体に対する衝突時間(指標値)よりも小さく、且つ、報知の残り時間と第2移動体に対する衝突時間(指標値)との差が所定の閾値時間以下であった場合に、第1移動体の指標値と第2移動体の指標値との差が所定値以下と判断して、第2移動体に対する報知の開始を禁止してもよい。
こうすれば、報知が終了した後、閾値時間より短い時間で再び報知が開始されることがない。このため、複数の移動体が連続して接近してくる場合でも、報知が繰り返されることを抑制することができる。
また、上述した本発明の接近報知装置においては、第1移動体に対する指標値と第2移動体についての指標値との差が所定値以下であった場合には、次のような方法で、第2移動体に対する報知の開始を禁止することとしても良い。すなわち、移動体の接近が報知されにくくなる方向に報知閾値を変更することによって、第2移動体に対する報知の開始を禁止することとしてもよい。
尚、移動体の接近が報知されにくくなる方向が、報知閾値を増加させる方向、あるいは減少させる方向の何れにかるかは、指標値の決め方に依存する。
こうすれば、第1移動体に対する報知が終了した後は、第2移動体が接近しても報知が開始されることがない。このため、複数の移動体が連続して接近してくる場合でも、報知が何度も開始されることを抑制できる。
あるいは、上述した本発明の接近報知装置においては、次のような方法で、第2移動体に対する報知の開始を禁止することとしても良い。すなわち、第1移動体に対する指標値と第2移動体についての指標値との差が所定値以下であった場合には、第2移動体についての指標値と報知閾値との大小関係の判断を行わないことによって、第2移動体に対する報知の開始を禁止することとしてもよい。
こうしても、第1移動体に対する報知が終了した後は、第2移動体が接近しても報知が開始されないので、報知が何度も開始されることを抑制できる。
また、第1移動体に対する報知を延長する方法によらずに、第2移動体に対する報知の開始を禁止する本発明の接近報知装置においては、次のようにして、第1移動体の指標値と第2移動体の指標値との差が所定値以下となったことを検出しても良い。すなわち、第1移動体が前方を通過した時点での第2移動体に対する指標値を取得する。そしてこの指標値が所定の判定値よりも小さかった場合に、第1移動体の指標値と第2移動体の指標値との差が所定値以下と判断して、第2移動体に対する前記報知の開始を禁止してもよい。
こうすれば、第1移動体が前方を通過した後、判定値に対応する短い時間で再び報知が開始されることがない。このため、報知が繰り返されることを抑制できる。
接近報知装置10を搭載した車両1の構成を示す説明図である。 接近報知装置10の詳細な構成を示すブロック図である。 第1実施例の側方接近報知処理のフローチャートである。 第1実施例で報知時間を延長する報知時間延長処理のフローチャートである。 第1実施例で報知時間が延長される様子を説明する説明図である。 第2実施例の側方接近報知処理のフローチャートである。 第2実施例で報知閾値を変更する報知閾値変更処理のフローチャートである。 第2実施例で報知閾値が変更される様子を説明する説明図である。 第3実施例の側方接近報知処理のフローチャートである。 第3実施例で再報知禁止フラグを切り換える再報知禁止フラグ切換処理のフローチャートである。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために実施例について説明する。
A.装置構成 :
図1には、本実施例の接近報知装置10を搭載した車両1の大まかな構成が示されている。接近報知装置10を搭載した車両1には、車両1の進行方向に向かって前方のほぼ中央の位置に前方監視装置12が搭載されており、前方監視装置12の左側には左側方監視装置14が、前方監視装置12の右側には右側方監視装置16が搭載されている。
前方監視装置12は、車両1の進行方向を中心として所定の角度範囲(図1中に斜線を付した角度範囲)を監視する。前方監視装置12としては、車載カメラや、各種波長のレーダー、ソナーなどの何れかを用いることができる。
左側方監視装置14は、車両1の進行方向に対して左側方を監視して、左側方に存在する移動体(車両や、自転車、歩行者など)を検出する。同様に、右側方監視装置16は、車両1の進行方向に対して右側方を監視して、右側方に存在する移動体を検出する。本実施例の左側方監視装置14および右側方監視装置16では、ミリ波レーダーやレーザーレーダーなどのように指向性の高い電磁波をビーム状に発射して、所定の角度範囲を20〜100msec程度の短い時間間隔で走査することによって移動体を検出する。図1には、左側方監視装置14および右側方監視装置16が、それぞれビーム14r,16rを発射して、所定の角度範囲14a,16aを走査する様子が示されている。
尚、左側方監視装置14および右側方監視装置16についても、前方監視装置12と同様に、車載カメラや、各種波長のレーダー、ソナーなどを用いて実現してもよい。本実施例の左側方監視装置14および右側方監視装置16は、本発明における「側方監視手段」に対応する。
前方監視装置12や、左側方監視装置14、右側方監視装置16は、制御装置100に接続されている。制御装置100は、CPUや、ROM、RAM、タイマーなどがバスによって相互にデータを読み書き可能に接続されて構成されたコンピューターである。制御装置100は、左側方監視装置14からの出力によって左側方から移動体が接近してくることを検出すると、助手席側に設けられた左側スピーカー30から報知音を出力する。また、右側方監視装置16からの出力で右側方から移動体が接近してくることを検出すると、運転席側に設けられた右側スピーカー32から報知音を出力する。このため、車両1の運転者からは見えない時点で、側方から接近する移動体の存在を報知することができる。
図2には、接近報知装置10の詳細な構成を示すブロック図が示されている。図示されるように、制御装置100には判定モジュール102や、報知モジュール104が設けられている。尚、「モジュール」とは、制御装置100を機能に着目して便宜的に分割した抽象的な概念であり、モジュールの実体は、プログラムの一部分や、複数のプログラムの集まり、あるいは制御装置100に搭載されたハードウェアなどとすることができる。
判定モジュール102には、前方監視装置12や、左側方監視装置14、右側方監視装置16が接続されている。また、判定モジュール102には、車速センサー20や、ブレーキペダルスイッチ22なども接続されている。ここで、車速センサー20とは、車両1の図示しない車輪軸に装着されて車速を検出するセンサーである。また、ブレーキペダルスイッチ22とは、車両1の図示しないブレーキペダルに装着されて、ブレーキペダルが踏まれたことを検出するスイッチである。尚、ブレーキペダルスイッチ22に替えて、ブレーキペダルの踏み込み量を検出可能なポジションセンサーを用いることもできる。
報知モジュール104には、左側スピーカー30や、右側スピーカー32が接続されている。更に、報知モジュール104には、車両1の図示しないダッシュボードに搭載された表示モニター34も接続されている。前述した判定モジュール102は、装置類やセンサー類からの出力に基づいて、側方から接近する移動体の存在を報知するか否かを判定して、報知モジュール104に判定結果を出力する。報知モジュール104は、判定モジュール102からの判定結果に従って、左側スピーカー30や、右側スピーカー32、あるいは表示モニター34を用いて移動体の存在を車両1の運転者に報知する。
前述したように、このような接近報知装置10が車両1に搭載されていれば、交差点などに進入する際に側方から接近する移動体の存在を、車両1の運転者からは見えないうちから報知することができるので、出会い頭の衝突を避けることができて便利である。しかし、側方から複数台の車両が連なった状態で接近してくるような場合、何度も報知が繰り返されて、運転者が耳障りに感じてしまうことがある。そこでこうした虞を回避するために、本実施例の接近報知装置10では、次のような処理が採用されている。
B.第1実施例 :
B−1.側方接近報知処理 :
図3には、側方から接近する移動体の存在を報知するための第1実施例の側方接近報知処理のフローチャートが示されている。この処理は、制御装置100内の判定モジュール102および報知モジュール104によって実行される。
第1実施例の側方接近報知処理を開始すると、先ず始めに判定モジュール102は、自車両の車速が、報知速度以下か否かを判断する(S100)。ここで報知速度とは、側方から接近する移動体の存在を検出して報知するか否かを判断するための速度である。移動体の報知は、交差点などにゆっくりと進入する際に、運転者が見えない範囲から車両や歩行者などが接近してくる場合を想定しているから、自車両の車速が一定速度以下の場合に報知すればよい。この一定速度が報知速度である。また、自車両の車速は、車速センサー20によって検出することができる(図2参照)。尚、報知速度は、代表的には時速10km程度に設定されている。
自車両の車速が報知速度以下であった場合は(S100:yes)、判定モジュール102は側方から接近してくる移動体を検出する(S102)。自車両の左側の移動体は左側方監視装置14を用いて検出し、自車両の右側の移動体は右側方監視装置16を用いて検出することができる。また、移動体が存在する場合は、その移動体までの距離Xと、その移動体が自車両に向かって接近してくる速度(接近速度V)とが検出される。
尚、接近速度Vを検出する方法には、周知の種々の方法を用いることができるが、本実施例では、所定時間(例えば、50msec)を空けて、移動体までの距離を複数回検出し、それらの距離の差から接近速度Vを検出する。また、自車両に向かって接近してくる移動体が複数存在する場合は、それぞれの移動体について、距離Xと接近速度Vとを検出する。
尚、以下に説明する処理は、左側方監視装置14によって自車両の左側に検出された移動体と、右側方監視装置16によって自車両の右側に検出された移動体とで、全く同じ処理が並行して行われる。そこで、説明が煩雑となることを避けるために、以下では左側と右側とを区別することなく説明する。
続いて、側方から接近する移動体が検出されたか否かを判断する(S104)。そして、移動体が検出されていた場合は(S104:yes)、その移動体について得られた距離Xを接近速度Vで除算することによって、衝突時間TTC(Time To Collision)と呼ばれる指標値を算出する(S106)。ここで、TTCとは、移動体がその接近速度Vを保ったまま接近した場合に、自車両に衝突するまでに要する時間を表している。また、複数の移動体が検出された場合には、それぞれに移動体についてTTCを算出する。
尚、本実施例では判定モジュール102が指標値を算出していることから、判定モジュール102が本発明における「指標値取得手段」に対応する。
その後、報知音を出力中であるか否かを判断する(S108)。すなわち、後述するように、側方から接近する移動体の存在を報知するための報知音は、所定の標準時間に亘って出力される。従って、先に行われた側方接近報知処理で既に移動体の接近が報知されて、その報知音の出力が継続されている場合がある。そこで、S108では、報知音が出力中か否かを判断する。尚、報知音が出力中か否かは、左側スピーカー30と、右側スピーカー32とで別々に判断する。
その結果、報知音が出力中ではないと判断した場合は(S108:no)、S106で算出したTTCの中の最小のTTC(1つのTTCしか算出しなかった場合は、そのTTC)が、所定の報知閾値Thよりも小さいか否かを判断する(S110)。
ここで、報知閾値Thとは、移動体の接近を報知するか否かを判断するために用いられる閾値である。すなわち、上述したようにTTCは移動体が自車両に衝突するまでに要する時間を表しており、TTCが大きければ、その移動体が自車両に衝突するまでにはまだ時間があるので、移動体の接近を報知する必要性は高くない。これに対してTTCが小さい場合は、移動体の接近を報知する必要性が高くなる。このことから明らかなように、適切な閾値を予め設定しておき、TTCが閾値よりも小さくなった場合に、移動体の接近を報知すればよい。報知閾値Thとは、このように、TTCと比較することによって移動体の接近を報知するか否かを判断するための閾値である。
その結果、最小TTCが報知閾値Thよりも小さかった場合は(S110:yes)、標準の報知時間で報知音の出力を開始する(S112)。すなわち、判定モジュール102が、移動体の接近を報知する旨の命令を報知モジュール104に出力すると、報知モジュール104は、判定モジュール102からの命令に従って、左側スピーカー30あるいは右側スピーカー32から標準の報知時間の間、報知音の出力を開始する。その結果、移動体の接近の報知が開始される。本実施例では、標準の報知時間は約2.5秒間に設定されている。また、報知音の出力に加えて、表示モニター34でも移動体の接近を報知しても良い。
一方、最小TTCが報知閾値Thよりも小さくなかった場合は(S110:no)、報知音の出力は行わない。
尚、最小TTCと報知閾値Thとの大小関係は判定モジュール102が判断していることから、判定モジュール102が本発明における「大小関係判断手段」に対応する。また、最小TTCが報知閾値Thよりも小さかった場合には、判定モジュール102が報知モジュール104に命令を出力することによって報知音の出力が開始される。従って、判定モジュール102は、本発明における「報知開始手段」にも対応する。
その後、自車両の運転終了か否かを判断する(S114)。運転終了か否かは、車両1に搭載された図示しないIGスイッチあるいはエンジンスタートスイッチがOFFにされたか否かによって判断することができる。
その結果、運転終了ではないと判断した場合は(S114:no)、側方接近報知処理の先頭に戻って、S100以降の続く一連の処理を開始する。
そして、移動体の接近の報知を開始した直後であれば、多くの場合は、自車両の車速が報知速度以下であると判断され(S100:yes)、移動体は未だ通り過ぎていないので移動体が検出されて(S104:yes)、再びTTCが算出される(S106)。その後、報知音が出力中と判断されるので(S108:yes)、今度は、報知時間延長処理が開始される(S150)。詳細には後述するが、報知時間延長処理では、複数の移動体(車両など)が連続した状態で接近してくるような場合に、報知音の報知時間を標準よりも長い時間に延長する。その結果、先頭の移動体に対して報知音の出力が開始された後は、その移動体に後続する移動体については報知音の出力が行われなくなる。
そして、報知時間延長処理(S150)を終了したら、自車両の運転終了か否かを判断する(S114)。その結果、運転終了ではなかった場合は(S114:no)、側方接近報知処理の先頭に戻って、S100以降の続く一連の処理を開始する。このような処理を繰り返しているうちに、自車両の車速が報知速度よりも大きくなるか(S100:no)、あるいは、側方から接近する移動体が検出されなくなると(S104:no)、報知時間を標準の時間に設定する(S116)。後述する報知時間延長処理(S150)で報知時間が延長されていた場合は、このS116で標準の報知時間に戻される。その後、運転終了か否かを判断し(S114)、運転終了でなければ(S114:no)、再びS100に戻って上述した一連の処理を開始する。
これに対して、運転終了と判断した場合は(S114:yes)、側方接近報知処理を終了する。
B−2.報知時間延長処理 :
図4には、第1実施例の側方接近報知処理の中で実行される報知時間延長処理のフローチャートが示されている。前述したように、この処理は、側方から接近する移動体が検出されて、且つ、既に報知音が出力中と判断された場合に、制御装置100内の判定モジュール102によって実行される。
図4に示されるように、報知時間延長処理(S150)を開始すると先ず始めに、出力中の報知音の残り時間(残り報知時間)を取得する(S152)。報知音の出力が開始された時点では、報知時間は標準の時間に設定されているから(図3のS112参照)、報知音の出力を開始してからの経過時間を図示しないタイマーで測定しておき、標準の報知時間から減算することで、残り報知時間を得ることができる。
続いて、得られた残り報知時間が、最小TTCよりも小さいか否かを判断する(S154)。本実施例では、標準の報知時間は、報知閾値Thよりも少し長い時間(例えば、報知閾値Thが2秒に対して、標準の報知時間は2.5秒)に設定されている。このため、報知音の出力が開始されると、その報知音を出力する原因となった移動体が自車両の前を通過するまでは、報知音が継続される。換言すれば、報知音の残り報知時間は、その報知音を出力する原因となった移動体のTTCよりも常に大きくなる。このことから、残り報知時間と最小TTCとを比較して、残り報知時間の方が最小TTCよりも大きければ(同じ場合も含む)、その報知音を出力する原因となった移動体が、未だ自車両の前を通過していないと判断することができる。逆に、最小TTCの方が残り報知時間よりも大きければ、そのTTCは後続する移動体について得られたTTCであって、報知音を出力する原因となった移動体は、既に自車両の前を通過したものと判断することができる。
S154では、以上の理由から、残り報知時間が最小TTCよりも小さい(同じ場合も含まない)か否かを判断する。そして、残り報知時間が最小TTC以上であった場合は(S154:no)、報知時間を延長することなく、図4の報知時間延長処理を終了して、図3の側方接近報知処理に復帰する。
これに対して、残り報知時間が最小TTCよりも小さかった場合は(S154:yes)、その最小TTCは、報知音を出力する原因となった移動体に後続する移動体であると考えられる。そこで、最小TTCから残り報知時間を減算し(S156)、得られた算出時間が、所定の閾値時間以下か否かを判断する(S158)。その結果、算出時間が閾値時間以下であった場合は(S158:yes)、現在出力中の報知を終了しても直ぐに次の移動体に対する報知を開始することになる。そこで、現在出力中の報知の残り報知時間を、最小TTCに延長する(S160)。
尚、本実施例の閾値時間は、1秒〜3秒の間で選択された適切な値に設定されている。また、S160で残り報知時間を延長する場合には、最小TTCよりも若干長めに延長することとしても良い。すなわち、上述したように、標準の報知時間は、移動体が自車両の前を通過するまでに要する時間(TTC)よりも若干長め(例えば0.5秒)に設定されている。そこで、残り報知時間を延長する場合にも、これと同程度に(例えば0.5秒程度)、残り報知時間を最小TTCよりも長めに延長することとしても良い。
一方、S156で得られた算出時間(=最小TTC−残り報知時間)が閾値時間よりも大きかった場合は(S158:no)、現在出力中の報知を終了した後、次の移動体に対する報知を開始するまでには、しばらく時間がかかることになる。そこでこの場合は、残り報知時間を延長することなく、図4の報知時間延長処理を終了して、図3の側方接近報知処理に復帰する。
図5には、上述した第1実施例の側方接近処理によって移動体の接近が報知される様子が例示されている。例えば、図5(a)に例示したように、自車両が交差点に進入しようとしたときに、左側から接近する2台の車両Aおよび車両Bが検出されたものとする。自車両からの距離は、手前側の車両Aの方が後ろ側の車両Bよりも小さく接近速度はほぼ同じである。従って、車両AについてTTC(=Xa/Va)が最小TTCとなり、このTTCに基づいて車両Aの接近を報知するべく、標準の報知時間で報知音の出力が開始される(図3のS112参照)。
報知音の出力開始後も車両Aは自車両に接近してくるので、車両AのTTCは小さくなっていく。しかし、車両Aが自車両の前を通過するまでは、最小TTC(車両AのTTC)が残り報知時間よりも小さいと判断されて(図4のS154:no)、そのまま報知音の出力が継続される。図5(b)には、こうして報知音の出力が継続される様子が示されている。
その後、車両Aが自車両の前まで来ると、車両Aの後ろを走行する車両BのTTC(=Xb/Vb)が最小TTCとなる。その結果、最小TTC(車両BのTTC)が残り報知時間よりも大きくなるので(図4のS154:yes)、今度は、最小TTC(車両BのTTC)が、残り報知時間よりもどれだけ長いかを算出する(図4のS156参照)。図5(c)に示した例では、車両Bは車両Aの直ぐ後ろを走行しているので、車両Aが自車両の前まで来た時点で既に車両BのTTCは小さな値となっている。このため、最小TTC(車両BのTTC)から残り報知時間を減算した値は、閾値時間よりも小さくなるので(図4のS158:yes)、残り報知時間が延長される(図4のS160参照)。その結果、車両Bについての報知が開始されることなく、車両Aに対して開始された報知音の出力がそのまま継続される。
尚、残り報知時間は、少なくとも最小TTC(車両BのTTC)に延長されるが、最小TTCよりも若干長めに(例えば0.5秒程度)延長しても良い。
また、上述したように車両Aに対する報知時間が延長された結果、車両Bに対する報知が開始されなくなっていることから、報知時間を延長する処理を実行している判定モジュール102が本発明における「報知開始禁止手段」に対応する。
車両Bについても、車両Aと同様な処理が行われる。すなわち、車両Bが自車両の前に来るまでは、最小TTCが残り報知時間よりも小さいと判断されて、そのまま報知が継続されるが、車両Bが自車両の前まで来ると、今度は、車両Bの後ろを走行していた車両CのTTC(=Xc/Vc)が、最小TTCとなる。そして、図5(d)に示すように車両Cは車両Bのかなり後方を走行しているので、最小TTC(車両CのTTC)から残り報知時間を減算した値は、閾値時間よりも大きくなる(図4のS158:no)。その結果、残り報知時間は延長されることがないので、報知音は一旦、終了し、その後、車両Cが近づいて車両CのTTCが報知閾値Thよりも小さくなった時点で、車両Cに対する報知音の出力が開始される。
このように、第1実施例の側方接近報知処理では、車両Aおよび車両Bのように複数の移動体が連続して接近してくる場合には、初めの移動体に対して開始された報知音の出力が延長されて、後続する移動体については報知音の出力が開始されることがない。このため、複数の移動体が連続して接近してくる場合、接近が何度も続けて報知されることがないので、運転者が耳障りに感じることがない。また、車両Aと車両Bとは接近しているので、車両Aの接近に気が付けば同時に車両Bの接近にも気が付く。このため、改めて報知されなくても、運転者が車両Bの接近を見落として交差点に進入し、車両Bと衝突することはない。
その一方で、車両Bと車両Cとの関係のように、先行する車両(ここでは車両B)との距離が離れている車両(ここでは車両C)については、改めて接近が報知される。このため、車両Bが通過した後、車両Cの接近に気づかずに交差点に進入して、車両Cと衝突することを回避することが可能となる。
C.第2実施例 :
上述した第1実施例では、側方から複数の移動体が連続して接近してくる場合に、先頭の移動体に対する報知音を延長することによって、後続する移動体に対する報知が開始されないようにした。しかし、後続する移動体に対する報知を開始しないようにする方法は、報知音を延長する方法に限られるものではない。例えば、報知音の出力は最小TTCが報知閾値Thよりも小さくなった場合に開始されるから、後続する移動体については報知閾値Thを小さくすることによって、報知音の出力が開始されないようにしても良い。以下では、このような第2実施例について説明する。
C−1.側方接近報知処理 :
図6には、第2実施例の側方接近報知処理のフローチャートが示されている。この処理も、制御装置100内の判定モジュール102および報知モジュール104によって実行される。
第2実施例の側方接近報知処理においても、先ず始めに判定モジュール102は、自車両の車速が、報知速度以下か否かを判断する(S200)。そして、自車両の車速が報知速度以下であった場合は(S200:yes)、側方から接近してくる移動体を検出する(S202)。また、移動体が複数存在する場合は、それぞれの移動体について、距離Xと接近速度Vとを検出する。
尚、第2実施例においても、前述した第1実施例の場合と同様に、自車両の左側と右側とで全く同じ処理が並行して行われるので、左側と右側とを区別することなく説明する。
続いて、側方から接近する移動体が検出されたか否かを判断する(S204)。そして、移動体が検出されていた場合は(S204:yes)、その移動体について得られた距離Xを接近速度Vで除算することによってTTCを算出する(S206)。複数の移動体が検出された場合には、それぞれに移動体についてTTCを算出する。
その後、報知閾値変更処理を開始する(S250)。報知閾値変更処理の詳細については後述するが、この処理では、複数の移動体が連続して接近しているか否かを判断して、その結果に基づいて報知閾値Thを変更する。
そして、S206で算出したTTCの中の最小のTTC(1つのTTCしか算出しなかった場合は、そのTTC)が、報知閾値Thよりも小さいか否かを判断する(S208)。その結果、最小TTCが報知閾値Thよりも小さかった場合は(S208:yes)、標準の報知時間で報知音の出力を開始する(S210)。そして、第2実施例では、報知閾値Thを「0」に設定する(S212)。前述したように報知音の出力は最小TTCが報知閾値Thよりも小さくなった場合に開始されるから、報知閾値Thが「0」に設定されると、それ以降は報知音の出力が開始されない状態となる。尚、ここでは報知閾値Thを「0」に設定するものとして説明するが、充分に小さな値であればよく、必ずしも「0」でなくても構わない。
一方、最小TTCが報知閾値Thよりも小さくなかった場合は(S208:no)、報知音の出力を開始したり、報知閾値Thを「0」に設定したりする処理(S210,S212)は省略する。
尚、第2実施例では、報知閾値Thを「0」に設定することによって以降の移動体に対する報知の開始を禁止していることから、判定モジュール102が本発明における「報知開始禁止手段」に対応する。
その後、自車両の運転終了か否かを判断する(S214)。その結果、運転終了ではないと判断した場合は(S214:no)、側方接近報知処理の先頭に戻って、S200以降の続く一連の処理を開始する。
また、自車両の車速が報知速度よりも大きくなるか(S200:no)、あるいは、側方から接近する移動体が検出されなくなると(S204:no)、報知閾値Thを標準値に設定する(S216)。
そして、運転終了か否かを判断し(S214)、運転終了でなければ(S214:no)、再びS200に戻って上述した一連の処理を開始する。
一方、運転終了と判断した場合は(S214:yes)、第2実施例の側方接近報知処理を終了する。
C−2.報知閾値変更処理 :
図7には、第2実施例の側方接近報知処理の中で実行される報知閾値変更処理のフローチャートが示されている。前述したように、この処理は、側方から接近する移動体が検出されて、その移動体についてのTTCが算出された後に(図6のS206)、制御装置100内の判定モジュール102によって実行される。
図7に示されるように、報知閾値変更処理(S250)では、先ず始めに、報知閾値Thが「0」に設定されているか否かを判断する(S252)。上述したように報知閾値Thは、移動体に対する報知が開始されると「0」に設定され、自車両の車速が報知速度を超えるか、あるいは側方から接近する移動体が検出されなくなると、標準値に戻される。
報知閾値Thが「0」に設定されていた場合は(S252:yes)、最小TTCが連続判定値よりも大きいか否かを判断する(S254)。ここで、連続判定値とは、複数の移動体が存在する場合に、それら移動体が連続しているか否かを判定する値である。例えば、報知音の出力が開始された先頭の移動体の後ろにも移動体が存在していた場合、先頭の移動体のTTCと後ろの移動体のTTCとの差が小さければ、それらの移動体は連続していると考えることができる。逆に、それら移動体のTTCの差が大きければ、連続していないと考えることができる。連続判定値とは、このように複数の移動体が連続しているか否かを判定するために用いる閾値である。連続判定値は予め適切な値に設定しておけばよいが、本実施例では、標準の報知閾値Thよりも大きな値(代表的には報知閾値Thの2倍程度の値)に設定されている。尚、本実施例の連続判定値は、本発明における「判定値」に対応する。
その結果、最小TTCが連続判定値よりも大きいと判断した場合は(S254:yes)、報知閾値Thを標準値に設定する(S256)。すなわち、連続判定値は報知閾値Thよりも大きな値に設定されているから、最小TTCが連続判定値よりも大きいということは、報知閾値Thよりも大きいことに他ならず、従って、そのTTCは、報知音の出力が開始された移動体よりも後ろの移動体について得られたものと考えられる。更に、そのTTCが連続判定値よりも大きいのだから、そのTTCが得られた移動体と、先行する移動体とは連続していないと考えられる。このような場合には、改めて移動体の接近を報知した方が好ましい。そこで、報知閾値Thを標準値に戻しておく(S256)。そして、報知閾値変更処理を終了し、図6に示した第2実施例の側方接近報知処理に復帰する。
これに対して、最小TTCが連続判定値よりも小さかった場合は(S254:no)、ブレーキがOFFにされたか否かを判断する(S258)。図2に示したように、制御装置100にはブレーキペダルスイッチ22が接続されているので、ブレーキがOFFになれば直ちに認識することができる。
その結果、ブレーキがOFFのままなら(S258:no)、自車両の運転者は側方から接近する移動体の通過を待っているものと判断できるので、そのまま(すなわち、報知閾値Thが「0」に設定されたまま)、報知閾値変更処理を終了して、図6の側方接近報知処理に復帰する。
これに対して、ブレーキがONになったら(S258:yes)、自車両の運転者は側方から接近する移動体の切れ目を狙って、あるいは側方から接近する移動体に気づかずに、交差点に進入しようとしているものと考えられる。そこで、この場合は、改めて移動体の接近を報知可能とするために報知閾値Thを標準値に戻した後(S256)、報知閾値変更処理を終了して、図6の側方接近報知処理に復帰する。
図8には、上述した第2実施例の側方接近処理によって移動体の接近が報知される様子が例示されている。図示した例では、自車両が交差点に進入しようとしたときに、左側から3台の車両(車両A〜Cの)が連続して接近しており、その後ろから、少し間隔を空けて4台目の車両Dが接近してくる様子が示されている。
この場合、先頭の車両AについてのTTC(=Xa/Va)が最小TTCとして検出され、このTTCが報知閾値Thよりも小さくなると、報知音の出力が開始され(図6のS210参照)、そして報知閾値Thが「0」に設定される(図6のS212参照)。このため、車両Aに対する報知音の出力が終了しても、後続する車両Bおよび車両Cに対しては報知音の出力が開始されることはない。
しかし、車両Cと車両Dとの間には間隔が空いている。このため、車両Cが自車両の前を通過して車両DについてのTTCが最小TTCとして検出されると、最小TTCが連続判定値よりも大きいと判断されて、報知閾値Thが標準値に戻される(図7のS254、S256参照)。その結果、車両DのTTCが報知閾値Thよりも小さくなった時点で、車両Dに対する報知が開始される。
このように、第2実施例の側方接近報知処理では、車両A〜車両Cのように複数の移動体が連続して接近してくる場合には、初めの移動体(車両A)に対してのみ報知音の出力が開始されるが、後続する移動体(車両Bおよび車両C)については、報知音が出力されることがない。このため、移動体の接近が何度も続けて報知されることがないので、運転者が耳障りに感じることがない。また、車両A〜車両Cは連続しているので、先頭の車両Aの接近のみ報知しておけば、連続する車両Bおよび車両Cの接近は報知しなくても自車両の運転者が後続する車両に気付くことができる。このため、自車両が交差点に進入する虞は生じない。
その一方で、車両Dのように、先行する車両(ここでは車両C)との距離が離れている車両については、改めて接近が報知される。このため、車両Cが通過した後、車両Dの接近に気づかずに交差点に進入してしまうことを回避することが可能となる。
D.第3実施例 :
上述した第2実施例では、側方から複数の移動体が連続して接近してくる場合に、先頭の移動体に対する報知音を出力すると報知閾値Thを小さく(上述した実施例では「0」)することによって、後続する移動体に対する報知が開始されないようにした。しかし、後続する移動体に対する報知を開始しないようにする方法は、報知閾値Thを小さくする方法に限られるものではない。例えば、先頭の移動体に対して報知音の出力を開始した後は、後続する移動体については報知音を出力するか否かを判断しないようにすることによって、報知音の出力が開始されないようにしても良い。以下では、このような第3実施例について説明する。
D−1.側方接近報知処理 :
図9には、第3実施例の側方接近報知処理のフローチャートが示されている。この処理は、図6を用いて前述した第2実施例の側方接近報知処理に対して、報知音を出力すると報知閾値Thを「0」に設定する代わりに、再報知中止フラグをONに設定する点が異なっている。以下では、この相違点を中心として簡単に説明する。
第3実施例の側方接近報知処理においても、先ず始めに自車両の車速が報知速度以下か否かを判断し(S300)、報知速度以下であった場合は(S300:yes)、側方から接近してくる移動体を検出する(S302)。
尚、第3実施例においても、前述した第2実施例の場合と同様に、自車両の左側と右側とで全く同じ処理が並行して行われる。
続いて、側方から接近する移動体が検出されたか否かを判断し(S304)、移動体が検出されていた場合は(S304:yes)、検出された移動体についてTTCを算出する(S306)。第3実施例においても、複数の移動体が検出された場合には、それぞれの移動体についてTTCを算出する。
その後、再報知中止フラグがOFFか否かを判断する(S308)。ここで、再報知中止フラグとは、移動体の接近が報知されるとONに設定されるフラグである。詳細には後述するが、複数の移動体が連続して接近してくる場合は、先頭の移動体に対して報知が開始されると再報知中止フラグがONに設定され、その後は、連続する移動体が自車両の前を通過するまでフラグがONの状態に保たれる。そして、連続する最後の移動体が自車両の前を通過すると、再報知中止フラグがOFFに戻される。
その結果、再報知中止フラグがOFFと判断した場合は(S308:yes)、S306で算出したTTCの中の最小のTTC(1つのTTCしか算出しなかった場合は、そのTTC)が、報知閾値Thよりも小さいか否かを判断する(S310)。その結果、最小TTCが報知閾値Thよりも小さかった場合は(S310:yes)、標準の報知時間で報知音の出力を開始した後(S312)、再報知中止フラグをONに設定する(S314)。このように、再報知中止フラグとは、報知音を出力したことを覚えておくためのフラグである。
一方、最小TTCが報知閾値Thよりも小さくなかった場合は(S310:no)、報知音の出力を開始したり、再報知中止フラグをONにしたりする処理(S312,S314)は省略する。
その後、自車両の運転終了か否かを判断する(S316)。その結果、運転終了ではないと判断した場合は(S316:no)、側方接近報知処理の先頭に戻って、S300以降の続く一連の処理を開始する。
また、自車両の車速が報知速度よりも大きくなるか(S300:no)、あるいは、側方から接近する移動体が検出されなかった場合(S304:no)は、再報知中止フラグをOFFに設定した後(S318)、運転終了か否かを判断する(S316)。そして、運転終了でなければ(S316:no)、再びS300に戻って上述した一連の処理を開始する。
一方、運転終了と判断した場合は(S316:yes)、第3実施例の側方接近報知処理を終了する。
以上、S308で再報知中止フラグの設定がOFFと判断した場合の処理について説明したが、再報知中止フラグがONと判断した場合は(S308:no)、以下に説明する再報知中止フラグ切換処理を開始する(S350)。
尚、第3実施例では、再報知中止フラグをONに設定することによって以降の移動体に対する報知の開始を禁止していることから、判定モジュール102が本発明における「報知開始禁止手段」に対応する。
D−2.再報知中止フラグ切換処理 :
図10には、第3実施例の側方接近報知処理の中で実行される再報知中止フラグ切換処理のフローチャートが示されている。前述したように、この処理は、側方から接近する移動体についてのTTCを算出した後(図9のS306)、再報知中止フラグがONと判断した場合に(図9のS308:no)、制御装置100内の判定モジュール102によって実行される。
図10に示されるように、再報知中止フラグ切換処理(S350)では、先ず始めに、最小TTCが連続判定値よりも大きいか否かを判断する(S352)。第2実施例の報知閾値変更処理で説明したように、連続判定値とは、複数の移動体が存在する場合に、それら移動体が連続しているか否かを判定する値である。第3実施例においても、連続判定値は、標準の報知閾値Thよりも大きな値(代表的には報知閾値Thの2倍程度の値)に設定されている。尚、第3実施例においては、連続判定値が本発明における「判定値」に対応する。
その結果、最小TTCが連続判定値よりも大きいと判断した場合は(S352:yes)、再報知中止フラグをOFFに設定する(S354)。そして、再報知中止フラグ切換処理を終了し、図9に示した第3実施例の側方接近報知処理に復帰する。
これに対して、最小TTCが連続判定値よりも小さかった場合は(S352:no)、ブレーキがOFFにされたか否かを判断する(S356)。その結果、ブレーキがOFFのままなら(S356:no)、自車両の運転者は側方から接近する移動体の通過を待っているものと判断できるので、そのまま(すなわち、再報知中止フラグをONに設定したまま)、再報知中止フラグ切換処理を終了して、図9の側方接近報知処理に復帰する。
これに対して、ブレーキがONになったら(S356:yes)、自車両の運転者は側方から接近する移動体の切れ目を狙って、あるいは側方から接近する移動体に気づかずに、交差点に進入しようとしているものと考えられる。そこで、この場合は、改めて移動体の接近を報知可能とするために、再報知中止フラグをOFFに戻した後(S354)、再報知中止フラグ切換処理を終了して、図9の側方接近報知処理に復帰する。
以上に説明した第3実施例においても、側方から複数台の車両が連続して接近してくる場合に、何度も報知が繰り返されて運転者が耳障りに感じてしまうことを回避することができる。例えば、図8に例示した場合であれば、先頭の車両Aに対して報知音の出力を開始すると、再報知中止フラグがONに設定され(図9のS314参照)、その後は、再報知中止フラグ切換処理で再報知中止フラグがOFFに切り換えられない限り、報知音の出力が開始されることはない。
そして、再報知中止フラグ切換処理では、最小TTCが連続判定値よりも大きくなった場合に(図10のS352:yes)初めて、再報知中止フラグがOFFに切り換えられる。このため、図8に示した例では、車両Aに対する報知音を出力した後、車両Cが自車両の前に達するまでは再報知中止フラグがONのままに保たれるため、車両Bや車両Cに対して報知音の出力が開始されることはない。
その後、車両DのTTCが最小TTCとして検出されると、再報知中止フラグがOFFに切り換わって、車両Dに対して報知音の出力が開始される。このため、移動体の接近が何度も続けて報知されることがないので、運転者が耳障りに感じることがない。
以上、本発明の接近報知装置10について説明したが、本発明は上記の各種実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。
1…車両、 10…接近報知装置、 12…前方監視装置、
14…左側方監視装置、 16…右側方監視装置、 20…車速センサー、
22…ブレーキペダルスイッチ、 30…左側スピーカー、
32…右側スピーカー、 34…表示モニター、 100…制御装置、
102…判定モジュール、 104…報知モジュール

Claims (7)

  1. 車両に搭載されて、該車両の進行方向に対して側方から接近する移動体の存在を、該車両の運転者に報知する接近報知装置であって、
    前記車両の進行方向に対して側方を監視し、前記移動体が検出された場合には該移動体までの距離を測定する側方監視手段と、
    前記側方監視手段によって前記移動体が検出されると、該移動体までの距離に基づいて所定の指標値を取得する指標値取得手段と、
    前記指標値取得手段によって得られた前記指標値と所定の報知閾値との大小関係を判断する大小関係判断手段と、
    前記大小関係が所定の関係であった場合には、所定時間の前記報知を開始する報知開始手段と、
    側方から接近する前記移動体である第1移動体と該第1移動体の後方から接近する前記移動体である第2移動体とが検出されて、該第1移動体に対する前記報知が開始され、且つ、該第1移動体に対する前記指標値と該第2移動体についての前記指標値との差が所定値以下であった場合には、該第2移動体に対する前記報知の開始を禁止する報知開始禁止手段と
    を備える接近報知装置。
  2. 請求項1に記載の接近報知装置であって、
    前記側方監視手段は、前記移動体が検出された場合には、該移動体までの距離に加えて、該移動体が接近してくる接近速度を測定する手段であり、
    前記指標値取得手段は、前記移動体までの距離と、該移動体の前記接近速度との比率に基づいて、前記指標値を取得する手段である
    接近報知装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の接近報知装置であって、
    前記報知開始禁止手段は、前記第1移動体に対する前記報知を、少なくとも前記第2移動体に対する前記報知を開始するまで延長することによって、該第2移動体に対する前記報知の開始を禁止する手段である
    接近報知装置。
  4. 請求項3に記載の接近報知装置であって、
    前記指標値取得手段は、前記移動体までの距離を前記接近速度で除算することによって得られた衝突時間を、前記指標値として取得する手段であり、
    前記報知開始禁止手段は、
    前記第1移動体に対して開始された前記報知の残り時間が、前記第2移動体に対する前記衝突時間よりも小さく、且つ、
    前記報知の残り時間と前記第2移動体に対する前記衝突時間との差が所定の閾値時間以下であった場合に、
    前記第1移動体に対する前記指標値と該第2移動体についての前記指標値との差が前記所定値以下と判断して、該第2移動体に対する前記報知の開始を禁止する手段である
    接近報知装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の接近報知装置であって、
    前記報知開始禁止手段は、前記移動体の接近が報知されにくくなる方向に前記報知閾値を変更することによって、前記第2移動体に対する前記報知の開始を禁止する手段である
    接近報知装置。
  6. 請求項1または請求項2に記載の接近報知装置であって、
    前記報知開始禁止手段は、前記第2移動体については、前記大小関係の判断を禁止することによって、前記第2移動体に対する前記報知の開始を禁止する手段である
    接近報知装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の接近報知装置であって、
    前記報知開始禁止手段は、前記第1移動体が前方を通過した時点で前記第2移動体に対して得られた前記指標値が、所定の判定値よりも小さかった場合に、該第1移動体に対する前記指標値と該第2移動体についての前記指標値との差が所定値以下と判断して、該第2移動体に対する前記報知の開始を禁止する手段である
    接近報知装置。
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