JP2013250192A - 発振器同定装置及び発振器同定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発振器同定部8が、周波数領域データベース7に記憶されている複数の周波数スペクトルの形状データのすべてを記憶せずに、周波数スペクトルの形状データを特徴付ける限られた情報を用い、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルと最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出し、その周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定する。
【選択図】図1
Description
この発振器同定装置は、受信アンテナ101、受信機102、A/D変換部103、パルス抽出部104、時間領域特徴抽出部105及び同定結果表示部106から構成されている。
以下、従来の発振器同定装置の動作について説明する。
受信機102は、受信アンテナ101がパルス変調RF信号を受信すると、そのパルス変調RF信号を検波する。
A/D変換部103は、受信機102により検波されたパルス変調RF信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
時間領域特徴抽出部105は、パルス抽出部104がパルス信号を抽出すると、以下の非特許文献1に開示されている原理に基づいて、受信アンテナ101により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定する。
具体的には、以下のようにして、受信アンテナ101により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定する。
例えば、パルスの立ち上がり/立ち下がり時間(時定数)や、立ち上がり時のオーバーシュート、立ち下がり時のアンダーシュートなどを特徴量として抽出する(非特許文献1の第250頁のFig.4を参照)。
あるいは、位相変調信号の位相変化の微小な勾配の差異を特徴量として抽出する(非特許文献1の第250頁のFig.5を参照)。
同定結果表示部106は、時間領域特徴抽出部105が送信元の発振器を同定すると、その同定結果を表示する。
特許文献1に開示されている方法では、識別対象となる瞳孔のアイリスデータを入力すると、そのアイリスデータと予めデータ記憶部に記憶されているアイリスデータとを照合し、予めデータ記憶部に記憶されているアイリスデータの中で、入力されたアイリスデータと一致するアイリスデータを検索することで、個体の同定を行っている。
このとき、ほとんどノイズがない理想的なパルスの場合には精度の良い近似が期待できる(非特許文献1の第250頁のFig.4を参照)。しかし、実際のパルス信号には、受信機の熱雑音の影響でノイズが重畳され、パルスの先端と後端を明瞭に認識することが困難であるため、一次近似の精度が劣化し、正しい特徴量の抽出に支障をきたすことがある。
一般に、パルス信号とノイズの電力比を表すSNR(Signal to Noise Ratio)が小さくなると、時間軸で近似する場合、パルスの立ち上がり/立ち下がりでパルス信号が本来持つ勾配部分の占める範囲が狭くなり、さらに近似や特徴点抽出処理が複雑化して精度が劣化する。また、個々のパルス信号に対して、非特許文献1のような近似と特徴点抽出処理を行うことは、信号処理装置の演算時間の増加につながり、規模増大、重量増、消費電力増の要因になる。
ここでの個体同定は、個体識別や個体鑑識と同一の意味として、同一型式及び同一仕様で製作された複数の発振器の中で、同じ特性の信号波形を出力する構成になっているのにかかわらず、各々の発振器の内部部品のバラつき、調整精度や製造バラつきなどによって、本来埋め込まれた微小な特徴量を検出することで、特定の発振器の分類やグルーピングすることを意味している。
究極的には、特定の発振器を他の同一型式及び同一仕様で製作された複数の発振器と識別して、特定の発振器のID(IDentification:製造シリアルナンバーなどの固有の情報)を特定し、どのIDを持つ発振器が使用されたかを推定することを意味している。
ただし、特許文献2に開示されている技術では、時間領域のパルス列諸元データとパルス列特性データベースを比較しており、周波数領域でのデータ比較ではない。
また、時間領域のパルス列諸元データとパルス列特性データベースとの照合演算の高速化や大規模化を回避する策については言及していない。
また、受信機の熱雑音の影響でパルス信号にノイズが重畳されると、パルスの先端と後端を明瞭に認識することが困難であるため、一次近似の精度が劣化し、正しい特徴量の抽出に支障をきたすことがある。その結果、発振器の同定精度が劣化してしまう課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1による発振器同定装置を示す構成図である。
図1において、受信アンテナ1は同一形式及び同一仕様で製作された複数の発振器のうち、いずれかの発振器から送信されたパルス変調RF信号を受信する。
受信機2は受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号を検波する処理を実施する。
なお、受信アンテナ1及び受信機2から信号受信手段が構成されている。
信号処理装置4はパルス抽出部5、高速フーリエ変換部6、周波数領域データベース7及び発振器同定部8から構成されており、A/D変換部3によりデジタル信号に変換されたパルス変調RF信号から、そのパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定する処理を実施する。
高速フーリエ変換部6は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、パルス抽出部5により抽出されたパルス信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する高速フーリエ変換処理(FFT:Fast Fourier Transform)を実施して、周波数領域の信号である周波数スペクトルを出力する処理を実施する。なお、高速フーリエ変換部6は信号変換手段を構成している。
また、発振器同定部8は送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する処理を実施する。
比較結果表示部9は例えばGPU(Graphics Processing Unit)などから構成されており、発振器同定部8による送信元の発振器の同定結果や、最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号をディスプレイに表示する処理を実施する。
なお、発振器同定部8及び比較結果表示部9から発振器同定手段が構成されている。
信号処理装置4がコンピュータで構成されている場合、周波数領域データベース7をコンピュータの内部メモリ又は外部メモリ上に構成するとともに、パルス抽出部5、高速フーリエ変換部6及び発振器同定部8の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2はこの発明の実施の形態1による発振器同定装置の処理内容(発振器同定方法)を示すフローチャートである。
同一型式及び同一仕様で発振器が大量に製作される場合において、発振器の内部の多種の部品が本来持つ特性のバラつきや調整精度のバラつき、また、製作や最終調整における製造バラつきが積み重なる。このため、同一型式及び同一仕様で製作された発振器でも、各個体には意図されない特徴が埋め込まれてしまう。この意図されない特徴は、一般的にUMOP(Unintentional Modulation On the Pulse)と呼ばれる。
発振器同定装置は、そのUMOPの情報を利用して、同一型式及び同一仕様で製作された複数の発振器の意図されない特徴を抽出し、ある特性を持つグループに分類する類別処理(グルーピング処理)や、規定の指標を軸とした平面にマッピングしたときに現れる特性の差異抽出処理(マッピング処理)を行うことで、複数の発振器の中から特定の発振器が含まれるグループを絞り込み、究極的には、特定の発振器を一意に特定することを目的としている。
同一形式及び同一仕様で製作された複数の発振器のうち、いずれかの発振器がパルス変調RF信号を送信すると、受信アンテナ1が当該パルス変調RF信号を受信する(図2のステップST1)。
受信機2は、受信アンテナ1がパルス変調RF信号を受信すると、そのパルス変調RF信号を検波する(ステップST2)。
A/D変換部3は、受信機2により検波されたパルス変調RF信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する(ステップST3)。
即ち、パルス抽出部5は、受信機2の熱雑音の影響でパルス変調RF信号にノイズが重畳されているために、パルスの先端と後端を明瞭に認識することが困難な場合があるが、そのような場合でも、少ない演算量で、そのパルス変調RF信号から正確にパルス信号を抽出することができるようにするために、パルス抽出用のウインドウサイズを1パルスの幅の1.2〜1.4倍程度に設定し、そのウインドウサイズで、そのパルス変調RF信号からパルス信号を抽出する。
図3を参照しながら、パルス変調RF信号の波形エンベロープ、特に、立ち上がり/立ち下がり勾配(時定数)の定義について説明する。
図3では、パルス信号の立ち上がり部分を拡大しているが、立ち下がり部分は図3を左右に反転した形状になる。
通常の発振器は、規定された周波数帯域外にスプリアスを発生させてはならないとする電波法の規定に従うため、立ち上がり/立ち下がりに意図的な時定数を与えるディレイ生成部(図示せず)と、周波数帯域通過フィルタ(図示せず)とを備えている。
このため、実際の発振器から送信されるパルス信号を模擬するように、特異点を避けて滑らかに波形が立ち上がり/立ち下がるようなsin関数を用いた台形波(sin)を後述のリファレンス信号の波形のベースとしている。
また、立ち上がり時間は、規格化された振幅の10%から90%に至るまでの時間であり、図3では、80nsecの例を示している。
ここで、パルス幅が同一で、規格化された振幅を有するパルス信号の波形をFFTすると、パルス信号の立ち上がり/立ち下がりの勾配(時定数)と、周波数領域における周波数スペクトルの形状との間には、一定の相関がある。
図4はパルス信号の立ち上がり時間が60nsecの場合のFFT後の周波数スペクトラム特性を示しており、図5はパルス信号の立ち上がり時間が100nsecの場合のFFT後の周波数スペクトラム特性を示している。
また、図6はパルス信号の立ち上がり時間が200nsecの場合のFFT後の周波数スペクトラム特性を示している。
図4から図6を見ると分かるように、パルス信号の立ち上がり時間によって、FFT後の周波数スペクトラムの形状が明確に異なり、周波数領域の信号から逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse−FFT)を実施して、時間領域の信号に戻したときのパルス信号の立ち上がり時間を推定することが可能である。
即ち、実際の発振器から送信されるパルス変調RF信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータ(例えば、パルス信号の立ち上がり時間に関するパラメータ)を微小に変化させることで、事前にパルス形状のリファレンス信号を複数生成し、複数のリファレンス信号をFFT処理することで、周波数領域の信号である周波数スペクトルを複数生成する。
周波数領域データベース7には、複数の周波数スペクトルの形状を特徴付ける情報の数値データとパルス信号の形状決定に係るパラメータ(例えば、パルス信号の立ち上がり時間に関するパラメータ)の対応関係が記憶される。
発振器同定部8は、相互相関演算を実施すると、その演算結果である相関係数を比較して、周波数領域データベース7に記憶されている複数の周波数スペクトルの形状の中で、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルの形状と最も相関一致度が高い周波数スペクトル(相関係数が最高の周波数スペクトル)を検出する(ステップST7)。
即ち、発振器同定部8は、最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するパルス信号の形状決定に係るパラメータ(例えば、パルス立ち上がり時間に関するパラメータ)が波形全体の複素数データではなく、波形の形状を特徴付ける数値データとして周波数領域データベース7に記憶されているので、そのパラメータを参照することで、パルス信号のパルス形状(例えば、パルス信号の立ち上がり時間)を認識することができる。
これにより、発振器同定部8は、その認識したパルス信号のパルス形状が、実際の発振器から送信されたパルス変調RF信号の変調前のパルス信号のパルス形状であると推定することができる。
以降、同じ推定結果が得られた際には、発振器の同定結果として、同じ識別番号が比較結果表示部9に出力されることになる。
ここでは、実際の発振器から送信されたパルス変調RF信号の変調前のパルス信号のパルス形状を推定すると、その発振器に対して識別番号を付与する例を示したが、例えば、パルス信号の立ち上がり時間が近い発振器や、オーバーシュートが近い発振器には、同じ識別番号を付与することで、発振器をグループ分けするようにしてもよい。この場合、発振器の同定結果として、グループの識別番号を出力することになる。
比較結果表示部9は、発振器同定部8から出力された送信元の発振器の同定結果や、最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号をディスプレイに表示する(ステップST9)。
即ち、パルス信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換して、周波数領域で周波数スペクトル形状の照合処理を行うものであるため、時間領域で照合処理を行う際に必要な複雑で高演算量な個々のパルスの近似処理や特徴点抽出処理などを実施する必要がない。また、周波数領域データベース7には周波数スペクトル全体の複素データではなく、周波数スペクトルの形状を特徴付ける数値データに限定したため、周波数領域データベース7に記憶される情報容量を低減し、かつ少ない演算量で、高精度に発振器を同定することができる。
即ち、同一諸元のパルス変調RF信号が複数到来してきた場合、従来のように、時間領域で照合処理を行う方式では、受信機2の熱雑音の影響で、明瞭でないパルスの立ち上がりや立ち下がり部分の時刻合わせ処理が必要になるため、演算量が増加する。しかし、パルスの立ち上がりや立ち下がりが揃っていなくても、1パルスを完全に包含するウインドウサイズであれば、複数のパルス変調RF信号に対しても、同一形状のパルス信号を抽出することができるため、従来方式と比較して、演算量化を低減することができ、信号処理装置4の小型・軽量化、低消費電力や処理高速化などを図ることができる。
上記実施の形態1では、発振器同定部8が、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルと、周波数領域データベース7に記憶されている複数の周波数スペクトルとの間で相互相関演算を実施し、周波数領域データベース7に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、相関係数が最高の周波数スペクトルを検出するものを示したが、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルの特徴点(周波数スペクトルにおけるピーク部分の峰形状を特定する特徴点)と、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルの特徴点とを比較して、特徴点の一致度を算出し、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、特徴点の一致度が最高の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するようにしてもよい。
周波数領域データベース11は例えばRAMやハードディスクなどの記録媒体から構成されており、実際の発振器から送信されるパルス変調RF信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号(パルス形状の信号)が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルの特徴点(周波数スペクトルにおけるメインローブの峰形状を特定する複数の特徴点)を記憶している。なお、周波数領域データベース11は周波数スペクトル記憶手段を構成している。
また、発振器同定部13は、最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定し、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する処理を実施する。
なお、メインローブ形状特徴抽出部12及び発振器同定部13から発振器同定手段が構成されている。
受信アンテナ1から高速フーリエ変換部6に至るまでの処理は、上記実施の形態1と同様である。
上記実施の形態1では、発振器同定部8が、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルと、周波数領域データベース7に記憶されている複数の周波数スペクトルとの間で相互相関演算を実施し、周波数領域データベース7に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、相関係数が最高の周波数スペクトルを検出するものを示したが、相互相関演算が所定の周波数帯域内のスペクトラム情報(一般には複素数である)に対して行われる場合、演算量が増加して演算負荷が高くなることがある。
また、所定の周波数帯域内の全てのスペクトラム情報を周波数領域データベース7に記憶しておく必要があるため、記憶容量の増加によるデータベースの大型化が問題になることがある。
上述したように、実際の発振器が送信するパルス変調RF信号のパルス立ち上がり/立ち下がり時間の勾配(時定数)と、同一パルス幅及び規格化された振幅値を持つリファレンス信号のFFT処理結果には一定の相関がある。
これは時間領域のパルスエンベロープ形状の差異と周波数領域における周波数スペクトラム形状の差異に相対関係があることを示している。その中でも、特に周波数スペクトラムにおけるメインローブの峰形状に注目すると、パルス立ち上がり/立ち下がり時間が短いほど(急峻に立ち上がるパルスほど)、それをFFT処理した周波数スペクトラムのメインローブの幅が狭くなり、急峻であることが図4から図6によって判別される。
そのため、メインローブの峰形状を特定の比較指標とすることができるため、この実施の形態2では、メインローブの峰形状を特定の比較指標としている。
ここで、図8は周波数スペクトルにおけるメインローブの峰形状を特定する特徴点の一例を示す説明図である。
図8の例では、複数の特徴点が抽出される。
発振器同定部13は、特徴点の一致度をそれぞれ算出すると、周波数領域データベース11に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、特徴点の一致度が最高の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出する。
また、発振器同定部13は、図1の発振器同定部8と同様に、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する。
上記実施の形態2では、発振器同定部13が、特徴点の一致度が最高の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するものを示したが、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルにおけるメインローブのピーク(最大値)と第1サイドローブのピーク間のレベル差と、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間のレベル差とを比較して、レベル差の差分を算出し、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、レベル差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するようにしてもよい。
周波数領域データベース14は例えばRAMやハードディスクなどの記録媒体から構成されており、実際の発振器から送信されるパルス変調RF信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号(パルス形状の信号)が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルのメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間のレベル差を記憶している。なお、周波数領域データベース14は周波数スペクトル記憶手段を構成している。
また、発振器同定部16は、最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定し、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する処理を実施する。
なお、レベル差検出部15及び発振器同定部16から発振器同定手段が構成されている。
受信アンテナ1から高速フーリエ変換部6に至るまでの処理は、上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態3でも、上記実施の形態2と同様に、演算負荷の増加を抑制するとともに、周波数領域データベースにおける記憶容量の増加を抑制することを目的としており、この実施の形態3では、メインローブのピークと第1サイドローブのピーク間のレベル差を比較指標として選択している。
ピークのレベル差を検出する処理自体は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、図10は周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間のレベル差を示す説明図である。
発振器同定部16は、レベル差の差分をそれぞれ算出すると、周波数領域データベース14に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、レベル差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出する。
また、発振器同定部16は、図1の発振器同定部8と同様に、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する。
上記実施の形態2では、発振器同定部13が、特徴点の一致度が最高の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するものを示したが、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間の周波数差と、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間の周波数差とを比較して、周波数差の差分を算出し、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、周波数差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するようにしてもよい。
周波数領域データベース17は例えばRAMやハードディスクなどの記録媒体から構成されており、実際の発振器から送信されるパルス変調RF信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号(パルス形状の信号)が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルのメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間の周波数差を記憶している。なお、周波数領域データベース17は周波数スペクトル記憶手段を構成している。
また、発振器同定部19は、最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定し、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する処理を実施する。
なお、周波数差検出部18及び発振器同定部19から発振器同定手段が構成されている。
受信アンテナ1から高速フーリエ変換部6に至るまでの処理は、上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態4でも、上記実施の形態2と同様に、演算負荷の増加を抑制するとともに、周波数領域データベースにおける記憶容量の増加を抑制することを目的としており、この実施の形態4では、メインローブのピークと第1サイドローブのピーク間の周波数差を比較指標として選択している。
ピークの周波数差を検出する処理自体は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、図12は周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間の周波数差を示す説明図である。
発振器同定部19は、周波数差の差分をそれぞれ算出すると、周波数領域データベース17に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、周波数差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出する。
また、発振器同定部19は、図1の発振器同定部8と同様に、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する。
上記実施の形態2では、発振器同定部13が、特徴点の一致度が最高の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するものを示したが、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間のレベル差と、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間のレベル差とを比較して、レベル差の差分を算出し、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、レベル差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するようにしてもよい。
周波数領域データベース20は例えばRAMやハードディスクなどの記録媒体から構成されており、実際の発振器から送信されるパルス変調RF信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号(パルス形状の信号)が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルのメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間のレベル差を記憶している。なお、周波数領域データベース20は周波数スペクトル記憶手段を構成している。
また、発振器同定部22は、最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定し、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する処理を実施する。
なお、レベル差検出部21及び発振器同定部22から発振器同定手段が構成されている。
受信アンテナ1から高速フーリエ変換部6に至るまでの処理は、上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態5でも、上記実施の形態2と同様に、演算負荷の増加を抑制するとともに、周波数領域データベースにおける記憶容量の増加を抑制することを目的としており、この実施の形態5では、メインローブのピークと第2サイドローブのピーク間のレベル差を比較指標として選択している。
ピークのレベル差を検出する処理自体は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、図14は周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間のレベル差を示す説明図である。
発振器同定部22は、レベル差の差分をそれぞれ算出すると、周波数領域データベース20に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、レベル差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出する。
また、発振器同定部22は、図1の発振器同定部8と同様に、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する。
上記実施の形態2では、発振器同定部13が、特徴点の一致度が最高の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するものを示したが、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間の周波数差と、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間の周波数差とを比較して、周波数差の差分を算出し、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、周波数差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するようにしてもよい。
周波数領域データベース23は例えばRAMやハードディスクなどの記録媒体から構成されており、実際の発振器から送信されるパルス変調RF信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号(パルス形状の信号)が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルのメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間の周波数差を記憶している。なお、周波数領域データベース23は周波数スペクトル記憶手段を構成している。
また、発振器同定部25は、最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定し、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する処理を実施する。
なお、周波数差検出部24及び発振器同定部25から発振器同定手段が構成されている。
受信アンテナ1から高速フーリエ変換部6に至るまでの処理は、上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態6でも、上記実施の形態2と同様に、演算負荷の増加を抑制するとともに、周波数領域データベースにおける記憶容量の増加を抑制することを目的としており、この実施の形態6では、メインローブのピークと第2サイドローブのピーク間の周波数差を比較指標として選択している。
ピークの周波数差を検出する処理自体は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、図16は周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間の周波数差を示す説明図である。
発振器同定部25は、周波数差の差分をそれぞれ算出すると、周波数領域データベース23に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、周波数差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出する。
また、発振器同定部25は、図1の発振器同定部8と同様に、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する。
上記実施の形態2では、発振器同定部13が、特徴点の一致度が最高の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するものを示したが、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルにおけるメインローブのピークより3dB低い周波数帯域幅と、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブより3dB低い周波数帯域幅とを比較して、ピークより3dB低い周波数帯域幅の差分を算出し、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、ピークより3dB低い周波数帯域幅の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するようにしてもよい。
周波数領域データベース26は例えばRAMやハードディスクなどの記録媒体から構成されており、実際の発振器から送信されるパルス変調RF信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号(パルス形状の信号)が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークより3dB低い周波数帯域幅を記憶している。なお、周波数領域データベース26は周波数スペクトル記憶手段を構成している。
また、発振器同定部28は、最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定し、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する処理を実施する。
なお、3dBダウン周波数帯域幅検出部27及び発振器同定部28から発振器同定手段が構成されている。
受信アンテナ1から高速フーリエ変換部6に至るまでの処理は、上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態7でも、上記実施の形態2と同様に、演算負荷の増加を抑制するとともに、周波数領域データベースにおける記憶容量の増加を抑制することを目的としており、この実施の形態7では、メインローブのピークより3dB低い周波数帯域幅を比較指標として選択している。
メインローブのピークより3dB低い周波数帯域幅を検出する処理自体は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、図18は周波数スペクトルにおけるメインローブより3dB低い周波数帯域幅を示す説明図である。
発振器同定部28は、ピークより3dB低い周波数帯域幅の差分をそれぞれ算出すると、周波数領域データベース26に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、ピークより3dB低い周波数帯域幅の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出する。
また、発振器同定部28は、図1の発振器同定部8と同様に、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する。
上記実施の形態2では、発振器同定部13が、特徴点の一致度が最高の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するものを示したが、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルにおけるメインローブのピークより6dB低い周波数帯域幅と、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブより6dB低い周波数帯域幅とを比較して、ピークより6dB低い周波数帯域幅の差分を算出し、周波数領域データベースに記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、ピークより6dB低い周波数帯域幅の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出するようにしてもよい。
周波数領域データベース29は例えばRAMやハードディスクなどの記録媒体から構成されており、実際の発振器から送信されるパルス変調RF信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号(パルス形状の信号)が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークより6dB低い周波数帯域幅を記憶している。なお、周波数領域データベース29は周波数スペクトル記憶手段を構成している。
また、発振器同定部31は、最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定し、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する処理を実施する。
なお、6dBダウン周波数帯域幅検出部30及び発振器同定部31から発振器同定手段が構成されている。
受信アンテナ1から高速フーリエ変換部6に至るまでの処理は、上記実施の形態1と同様である。
この実施の形態8でも、上記実施の形態2と同様に、演算負荷の増加を抑制するとともに、周波数領域データベースにおける記憶容量の増加を抑制することを目的としており、この実施の形態8では、メインローブのピークより6dB低い周波数帯域幅を比較指標として選択している。
メインローブのピークより6dB低い周波数帯域幅を検出する処理自体は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
ここで、図20は周波数スペクトルにおけるメインローブより6dB低い周波数帯域幅を示す説明図である。
発振器同定部31は、ピークより6dB低い周波数帯域幅の差分をそれぞれ算出すると、周波数領域データベース29に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、ピークより6dB低い周波数帯域幅の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出する。
また、発振器同定部31は、図1の発振器同定部8と同様に、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力する。
上記実施の形態1〜8では、発振器同定部8等が、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルと、周波数領域データベース7等に記憶されている複数の周波数スペクトルとの間で相互相関演算(あるいは、特定の指標を比較する処理)を実施するものを示したが、例えば、周波数領域データベース7に記憶されている周波数スペクトルの個数がN個である場合、相互相関演算をN回実施することになる。
したがって、周波数領域データベース7等に記憶されている周波数スペクトルの個数が多いほど、相互相関演算の実施回数が増えて、相関係数が最高の周波数スペクトルを検出するまでに長時間を要することがある。
そこで、この実施の形態9では、相互相関演算の実施回数を減らして、相関係数が最高の周波数スペクトルを検出するまでに要する処理時間の短縮を図る方法を説明する。
まず、発振器同定部8等は、周波数領域データベース7等に記憶されている周波数スペクトルの全てを最も相関一致度が高い周波数スペクトルの検出対象に設定せずに、一部の周波数スペクトルだけを検出対象に設定し、検出対象の周波数スペクトルの中で、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルと最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出する粗探索を実施する。
例えば、周波数領域データベース7等に記憶されているN個の周波数スペクトルの中から、リファレンス信号のパルス形状が大きく異なっている同士のa個の周波数スペクトル(例えば、パルス立ち上がり時間やパルス立下り時間が大きく異なっているa個の周波数スペクトル)を選択し、a個の周波数スペクトルを検出対象とする。ただし、N>aである。
即ち、粗探索で検出した周波数スペクトルと比較して、リファレンス信号のパルス形状の変化量が小さいb個の周波数スペクトル(例えば、パルス立ち上がり時間やパルス立下り時間が近いb個の周波数スペクトル)を検出対象とする。ただし、N>bである。
発振器同定部8等は、b個の周波数スペクトルを検出対象に設定すると、b個の周波数スペクトルの中で、高速フーリエ変換部6から出力された周波数スペクトルと最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出する。
このように、最も相関一致度が高い周波数スペクトルの検出処理の探索範囲を次第に細かく設定しながら、複数段階実施することで、最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出する際の相互相関演算の実施回数を上記実施の形態1〜8よりも減らすことができる。
上記実施の形態1〜9では、発振器同定部8等が、最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出すると、直ちに、その周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定し、送信元の発振器の同定結果と最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を比較結果表示部9に出力するものを示したが、最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出しても、直ちに、送信元の発振器を同定せずに、最も相関一致度が高い周波数スペクトルを周波数領域の信号から時間領域の信号であるリファレンス信号に逆変換し、時間領域データベースに記憶されている複数のリファレンス信号の中で、逆変換後のリファレンス信号と最も相関一致度が高いリファレンス信号を検出し、そのリファレンス信号を高速フーリエ変換部6に戻す反復処理を行うようにしてもよい。
図22の構成は、上記実施の形態1に適用している例を示しているが、上記実施の形態2〜9に適用してもよいことは言うまでもない。
逆高速フーリエ変換部41は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、発振器同定部8により検出された最も相関一致度が高い周波数スペクトルを周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する逆高速フーリエ変換処理(IFFT:Inverse−FFT)を実施して、時間領域の信号であるリファレンス信号を出力する処理を実施する。なお、逆高速フーリエ変換部41は信号逆変換手段を構成している。
時間領域比較部43は時間領域データベース42に記憶されている複数のリファレンス信号の中で、逆高速フーリエ変換部41により逆変換されたリファレンス信号と最も相関一致度が高いリファレンス信号を検出し、そのリファレンス信号を高速フーリエ変換部6に出力する処理を実施する。なお、時間領域比較部43はリファレンス信号検出手段を構成している。
図23はこの発明の実施の形態10による発振器同定装置の反復処理を示す説明図である。
上記実施の形態1〜9のように、発振器同定部8等が、最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出すると、直ちに、その周波数スペクトルから送信元の発振器を同定する場合でも、正確に同定することができるが、この実施の形態10では、更に発振器の同定精度を高める方法を開示する。
逆高速フーリエ変換部41は、発振器同定部8から最も相関一致度が高い周波数スペクトルを受けると、その周波数スペクトルを周波数領域の信号から時間領域の信号に変換するIFFTを実施して、時間領域の信号であるリファレンス信号を時間領域比較部43に出力する。
時間領域比較部43は、相互相関演算を実施すると、その演算結果である相関係数を比較して、時間領域データベース42に記憶されている複数のリファレンス信号の中で、逆高速フーリエ変換部41から出力されたリファレンス信号と最も相関一致度が高いリファレンス信号(相関係数が最高のリファレンス信号)を検出する。
時間領域比較部43は、最も相関一致度が高いリファレンス信号を検出すると、そのリファレンス信号を高速フーリエ変換部6及び比較結果表示部9に出力する。
発振器同定部8は、高速フーリエ変換部6から周波数スペクトルを受けると、上記実施の形態1と同様に、最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出し、その周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、受信アンテナ1により受信されたパルス変調RF信号の送信元の発振器を同定する。
図24はこの発明の実施の形態11による発振器同定装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図24の構成は、上記実施の形態1に適用している例を示しているが、上記実施の形態2〜10に適用してもよいことは言うまでもない。
パラメータ記憶部51は例えばRAMやハードディスクなどの記録媒体から構成されており、発振器同定部8により検出された最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状を示すパラメータを記憶する処理を実施する。なお、パラメータ記憶部51はパラメータ記憶手段を構成している。
識別番号設定部53は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、発振器同定部8により同定された送信元の発振器と、パラメータ記憶部51により記憶されたパラメータとを紐付ける識別番号を設定する処理を実施する。
また、識別番号設定部53は到来パルス諸元記憶部52により記憶されたパラメータがパラメータ記憶部51に記憶されているパラメータと一致する場合、そのパラメータと紐付いている発振器の識別番号を出力する処理を実施する。
なお、到来パルス諸元記憶部52及び識別番号設定部53から識別番号設定手段が構成されている。
また、目標検出部54は識別番号設定部53から出力された識別番号が、予め設定されている目標の発振器の識別番号と一致する毎に、パルス抽出部5により抽出されたパルス信号を収集し、そのパルス信号のパルス形状を分析して、発振器の運動諸元を推定する処理を実施する。
なお、目標検出部54は同定通知手段及び目標検出手段を構成している。
ただし、パラメータ記憶部51、到来パルス諸元記憶部52、識別番号設定部53及び目標検出部54を実装している点以外は、上記実施の形態1〜10と同様であるため、パラメータ記憶部51、到来パルス諸元記憶部52、識別番号設定部53及び目標検出部54の処理内容だけを説明する。
識別番号設定部53は、発振器同定部8が最も相関一致度が高い周波数スペクトルから送信元の発振器を同定すると、送信元の発振器とパラメータ記憶部51により記憶されたパラメータとを紐付ける識別番号を設定する。
識別番号設定部53は、識別番号を設定したのち、パルス抽出部5によって、新たに到来してきたパルス変調RF信号からパルス信号が抽出されて、そのパルス信号のパルス形状を示すパラメータが到来パルス諸元記憶部52に記憶されると、そのパラメータがパラメータ記憶部51に記憶されているパラメータと一致しているか否かを判定する。
パラメータの一致判定は、時間領域でのパルス形状の一致判定に相当し、この一致判定自体は公知の技術であるため、詳細な説明を省略する。
目標検出部54は、識別番号設定部53から発振器の識別番号を受けると、その識別番号が、予め設定されている目標の発振器の識別番号と一致する場合、目標の発振器を同定した旨を比較結果表示部9に表示させることで、目標の発振器を同定した旨を発振器同定装置のオペレータ等に通知する。
これにより、発振器同定装置のオペレータ等は、目標の発振器を同定したことを認識することができる。
ここでは、目標の発振器を同定した旨を比較結果表示部9に表示する例を示しているが、アラームの出力や光点滅などを行うことで、目標の発振器を同定した旨を通知するようにしてもよい。
発振器の運動諸元を推定する処理自体は公知の技術であるため、詳細な説明を省略するが、例えば、パルス抽出部5により抽出されたパルス信号の到来頻度や到来時間間隔などを統計的に処理(例えば、標準偏差の計算)することで、目標の発振器の行動や未来予測などの特性評価を行うことができる。
また、この実施の形態11によれば、目標検出部54が、識別番号設定部53から出力された識別番号が、予め設定されている目標の発振器の識別番号と一致する毎に、パルス抽出部5により抽出されたパルス信号を収集し、そのパルス信号のパルス形状を分析して、発振器の運動諸元を推定するように構成したので、目標の発振器の行動や未来予測などの特性評価を行うことができる効果を奏する。
図25はこの発明の実施の形態12による発振器同定装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
図25の構成は、上記実施の形態1に適用している例を示しているが、上記実施の形態2〜11に適用してもよいことは言うまでもない。
初期位相調整部61は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、パルス抽出部5により抽出された到来時刻が異なる複数のパルス信号を収集し、複数のパルス信号の初期位相を調整して、複数のパルス信号の立ち上がり時刻を揃え、初期位相調整後の複数のパルス信号を高速フーリエ変換部6に出力する処理を実施する。なお、初期位相調整部61は初期位相調整手段を構成している。
ただし、初期位相調整部61及びコヒーレント加算部62を実装している点以外は、上記実施の形態1〜11と同様であるため、初期位相調整部61及びコヒーレント加算部62の処理内容だけを説明する。
一般に、実際の発振器から送信されるパルス変調RF信号の到来時刻と、そのパルス変調RF信号を受信観測する側の観測時刻とは同期しない。
このため、複数回の受信観測データでは、パルスの立ち上がり時刻が揃わず、複数回の受信観測データの到来時刻を重ね描きすると、数学的にはガウス分布に従うランダムに到来するパルス系列として捕らえられる。
したがって、この状態のまま、パルス系列の積分を行う(振幅方向に加算演算する)と、ガウス分布の特性に従って平均値が0となり、目標の発振器の情報を消失する事態が発生することがある。
また、複数のパルス到来時刻を揃えることで、パルス変調RF信号の特性のうち、平均値、標準偏差、分散などの統計的評価が可能になる。また、パルス立ち上がり時のオーバーシュートや立ち下がり時のアンダーシュートもより明確になり、これらの特性が揃っている場合は、目標の発振器からのパルス変調RF信号のみを受信観測できることになる。
図27はこの発明の実施の形態13による発振器同定装置を示す構成図であり、図において、図25と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
パルス到来時刻記録部63は例えばRAMやハードディスクなどの記録媒体や、CPUを実装している半導体集積回路などから構成されており、高速フーリエ変換部6から出力された複数の周波数スペクトルの統計処理(例えば、平均値、標準偏差、分散などの計算)を実施するとともに、統計処理後の周波数スペクトルの波形から逸脱している周波数スペクトルを検出して、その周波数スペクトルの到来時刻を記録する処理を実施する。なお、パルス到来時刻記録部63は到来時刻記録手段を構成している。
発振器位置特定部66は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、特異パルス検出部64によりフラグが記録されている到来時刻と、データベース65に記憶されている特異パルスのシミュレーション結果とを照合して、発振器の概略位置を特定する処理を実施する。なお、発振器位置特定部66は位置特定手段を構成している。
ただし、パルス到来時刻記録部63、特異パルス検出部64、データベース65及び発振器位置特定部66を実装している点以外は、上記実施の形態12と同様であるため、パルス到来時刻記録部63、特異パルス検出部64、データベース65及び発振器位置特定部66の処理内容だけを説明する。
また、パルス到来時刻記録部63は、統計処理後の周波数スペクトルの波形から逸脱している周波数スペクトルを検出して、その周波数スペクトルの到来時刻を記録する。
特異パルスの発生原因は様々考えられるが、例えば、マルチパスや回折などの電波伝搬特性の変化や、発振器と受信アンテナ1の相対的な位置関係の変化などが考えられる。特に、後者は位置によって、その特性が異なるため「位置指紋」と呼ばれる。
このようにフラグを記録することで、フラグを与えている特異パルスを統計的集団から除外することが可能なる。また、その発生要因の特定によって、特異パルスとなった原因が、そもそも目標の発振器とは異なる個体だったことの把握、もしくは、電波伝搬経路や位置指紋が変化したという状況の把握が可能になる。
発振器位置特定部66は、特異パルス検出部64によりフラグが記録されている到来時刻と、データベース65に記憶されている特異パルスのシミュレーション結果(特異パルスが発生する時刻)とを照合し、一致する時刻の発振器の位置を示すシミュレーション結果を発振器の概略位置として特定する。
Claims (21)
- 同一形式及び同一仕様で製作された複数の発振器のうち、いずれかの発振器から送信されたパルス変調信号を受信する信号受信手段と、
上記信号受信手段により受信されたパルス変調信号からパルス信号を抽出するパルス信号抽出手段と、
上記パルス信号抽出手段により抽出されたパルス信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換して周波数スペクトルを出力する信号変換手段と、
上記発振器と同一形式及び同一仕様で製作された実際の発振器から送信されるパルス変調信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルを記憶する周波数スペクトル記憶手段と、
上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、上記信号変換手段から出力された周波数スペクトルと最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出し、上記周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、上記信号受信手段により受信されたパルス変調信号の送信元の発振器を同定する発振器同定手段とを備え、
上記周波数スペクトル記憶手段に記憶される情報は、事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルの全形状情報ではなく、周波数スペクトルの形状決定に係る特徴点であることを特徴とする発振器同定装置。 - 信号変換手段は、1パルスを完全に包含するウインドウサイズで、パルス信号抽出手段により抽出されたパルス信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換して周波数スペクトルを出力することを特徴とする請求項1記載の発振器同定装置。
- 発振器同定手段は、信号変換手段から出力された周波数スペクトルと最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号を表示することを特徴とする請求項1または請求項2記載の発振器同定装置。
- 周波数スペクトル記憶手段は、実際の発振器から送信されるパルス変調信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルの形状決定に係る特徴点のうち、メインローブ周辺部分の峰形状を特定する特徴点を記憶しており、
発振器同定手段は、信号変換手段から出力された周波数スペクトルにおけるピーク周波数周辺部分の峰形状を特定する特徴点と、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブ周辺部分の峰形状を特定する特徴点とを比較して、特徴点の一致度を算出し、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、特徴点の一致度が最大の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 周波数スペクトル記憶手段は、実際の発振器から送信されるパルス変調信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間のレベル差を記憶しており、
発振器同定手段は、信号変換手段から出力された周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間のレベル差と、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間のレベル差とを比較して、レベル差の差分を算出し、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、レベル差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 周波数スペクトル記憶手段は、実際の発振器から送信されるパルス変調信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間の周波数差を記憶しており、
発振器同定手段は、信号変換手段から出力された周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間の周波数差と、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第1サイドローブのピーク間の周波数差とを比較して、周波数差の差分を算出し、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、周波数差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 周波数スペクトル記憶手段は、実際の発振器から送信されるパルス変調信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間のレベル差を記憶しており、
発振器同定手段は、信号変換手段から出力された周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間のレベル差と、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間のレベル差とを比較して、レベル差の差分を算出し、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、レベル差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 周波数スペクトル記憶手段は、実際の発振器から送信されるパルス変調信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間の周波数差を記憶しており、
発振器同定手段は、信号変換手段から出力された周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間の周波数差と、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルにおけるメインローブのピークと第2サイドローブのピーク間の周波数差とを比較して、周波数差の差分を算出し、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、周波数差の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 周波数スペクトル記憶手段は、実際の発振器から送信されるパルス変調信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルのピークより3dB低い周波数帯域幅を記憶しており、
発振器同定手段は、信号変換手段から出力された周波数スペクトルのピークより3dB低い周波数帯域幅と、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルのピークより3dB低い周波数帯域幅とを比較して、ピークより3dB低い周波数帯域幅の差分を算出し、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、ピークより3dB低い周波数帯域幅の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 周波数スペクトル記憶手段は、実際の発振器から送信されるパルス変調信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルのピークより6dB低い周波数帯域幅を記憶しており、
発振器同定手段は、信号変換手段から出力された周波数スペクトルのピークより6dB低い周波数帯域幅と、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルのピークより6dB低い周波数帯域幅とを比較して、ピークより6dB低い周波数帯域幅の差分を算出し、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、ピークより6dB低い周波数帯域幅の差分が最小の周波数スペクトルを最も相関一致度が高い周波数スペクトルとして検出することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 発振器同定手段は、演算負荷の低減を目的として、周波数スペクトル記憶手段に記憶されている周波数スペクトルの全てを最も相関一致度が高い周波数スペクトルの検出対象に設定せずに、一部の周波数スペクトルだけを検出対象に設定し、検出対象の周波数スペクトルの中で、信号変換手段から出力された周波数スペクトルと最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出する粗探索を実施したのち、
上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルのうち、リファレンス信号のパルス形状が上記粗探索で検出した周波数スペクトルをさらに細分化した一部の周波数スペクトルを検出対象に設定し、検出対象の周波数スペクトルの中で、上記信号変換手段から出力された細分化された周波数スペクトルと最も相関一致度が高い周波数スペクトルを精探索して検出することを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 実際の発振器から送信されるパルス変調信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号を記憶するリファレンス信号記憶手段と、
発振器同定手段により検出された最も相関一致度が高い周波数スペクトルを周波数領域の信号から時間領域の信号であるリファレンス信号に逆変換する信号逆変換手段と、
上記リファレンス信号記憶手段に記憶されている複数のリファレンス信号の中で、上記信号逆変換手段により逆変換されたリファレンス信号と最も相関一致度が高いリファレンス信号を検出するリファレンス信号検出手段とを設け、
信号変換手段は、上記リファレンス信号検出手段により検出されたリファレンス信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換して周波数スペクトルを出力し、
上記発振器同定手段は、上記周波数スペクトル記憶手段に記憶されている複数の周波数スペクトルの中で、上記信号変換手段から出力された周波数スペクトルと最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出し、上記周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、上記信号受信手段により受信されたパルス変調信号の送信元の発振器を同定することを特徴とする請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 発振器同定手段により検出された最も相関一致度が高い周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状を示すパラメータを記憶するパラメータ記憶手段と、
上記パラメータと上記発振器同定手段により上記リファレンス信号のパルス形状から同定された発振器とを紐付ける識別番号を設定する識別番号設定手段と設けたことを特徴とする請求項1から請求項12のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 識別番号設定手段は、パルス信号抽出手段により抽出されたパルス信号のパルス形状を示すパラメータが上記パラメータ記憶手段に記憶されているパラメータと一致する場合、上記パラメータと紐付いている発振器の識別番号を出力することを特徴とする請求項13記載の発振器同定装置。
- 識別番号設定手段から出力された識別番号が目標の発振器の識別番号と一致する場合、目標の発振器を同定した旨を通知する同定通知手段を設けたことを特徴とする請求項14記載の発振器同定装置。
- 識別番号設定手段から出力された識別番号が目標の発振器の識別番号と一致する毎に、パルス信号抽出手段により抽出されたパルス信号を収集し、上記パルス信号のパルス形状を分析して、上記発振器の運動諸元を推定する目標検出手段を設けたことを特徴とする請求項14記載の発振器同定装置。
- パルス信号抽出手段により抽出された到来時刻が異なる複数のパルス信号を収集し、複数のパルス信号の初期位相を調整して、複数のパルス信号の立ち上がり時刻を揃え、初期位相調整後の複数のパルス信号を信号変換手段に出力する初期位相調整手段と、
上記信号変換手段により初期位相調整後の複数のパルス信号が周波数領域の信号に変換されて、上記信号変換手段から出力された複数の周波数スペクトルをコヒーレント加算し、その加算結果を発振器同定手段に出力するコヒーレント加算手段と
を設けたことを特徴とする請求項1から請求項16のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - パルス信号抽出手段により抽出された到来時刻が異なる複数のパルス信号を収集し、複数のパルス信号の初期位相を調整して、複数のパルス信号の立ち上がり時刻を揃え、初期位相調整後の複数のパルス信号を信号変換手段に出力する初期位相調整手段と、
上記信号変換手段により初期位相調整後の複数のパルス信号が周波数領域の信号に変換されて、上記信号変換手段から出力された複数の周波数スペクトルの統計処理を実施するとともに、統計処理後の周波数スペクトルの波形から逸脱している周波数スペクトルを検出して、上記周波数スペクトルの到来時刻を記録する到来時刻記録手段と
を設けたことを特徴とする請求項1から請求項17のうちのいずれか1項記載の発振器同定装置。 - 到来時刻記録手段により記録された周波数スペクトルの到来時刻において、特異パルスが発生している旨を示すフラグを記録する特異パルス検出手段を設けたことを特徴とする請求項18記載の発振器同定装置。
- 発振器と信号受信手段の受信アンテナとの位置関係の変化に伴って発生する特異パルスのシミュレーション結果を記憶するデータベースと、
上記データベースに記憶されているシミュレーション結果と到来時刻記録手段により記録された周波数スペクトルの到来時刻とを照合して、発振器の位置を特定する位置特定手段とを設けたことを特徴とする請求項18または請求項19記載の発振器同定装置。 - 信号受信手段が、同一形式及び同一仕様で製作された複数の発振器のうち、いずれかの発振器から送信されたパルス変調信号を受信する信号受信処理ステップと、
パルス信号抽出手段が、上記信号受信処理ステップで受信されたパルス変調信号からパルス信号を抽出するパルス信号抽出処理ステップと、
信号変換手段が、上記パルス信号抽出処理ステップで抽出されたパルス信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換して周波数スペクトルを出力する信号変換処理ステップと、
発振器同定手段が、上記発振器と同一形式及び同一仕様で製作された実際の発振器から送信されるパルス変調信号の変調前のパルス信号の形状決定に係るパラメータを変化させることで、事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルの中で、上記信号変換処理ステップにより出力された周波数スペクトルと最も相関一致度が高い周波数スペクトルを検出し、上記周波数スペクトルに対応するリファレンス信号のパルス形状から、上記信号受信処理ステップで受信されたパルス変調信号の送信元の発振器を同定する発振器同定処理ステップとを備え、
事前に生成された複数のリファレンス信号が、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換された場合の周波数スペクトルの全形状情報ではなく、周波数スペクトルの形状決定に係る特徴点であることを特徴とする発振器同定方法。
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