JP4056981B2 - レーダ信号分析装置 - Google Patents
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Description
一方、レーダやソナー等において、通常の帯域幅で得られる距離分解能よりも精度の高い距離分解能を得るためにパルス内圧縮を行う変調方式が各種適用されるようになってきた。パルス内圧縮の変調方式としては、チャープや周波数切替といった周波数変調あるいは位相変調がある。図4に示すパルス内変調無しの信号成分と対比し、図5にパルス内変調の変調方式が周波数切替である信号成分、図6に周波数チャープの信号成分、図7にパルス内変調の変調方式が位相変調の信号成分を示す。
第1に、パルス列のパルス内変調には着目していないため、PW等の従来の特徴データが近似ないし同一で、パルス内変調において変調方式のみを変えて差別化している場合に対しては複数のパルス列を類別することが不可能であった。図4から図7の各(a)からわかるように、ビデオ信号からはそれぞれのパルス内変調の変調方式を推定することができなかった。
第3に、将来的に予想されるパルス内変調の変調方式を採用したレーダ送信機が増加するに伴い、各種パルス内変調の分析能力を持たないレーダ信号分析装置では、分類、識別能力が相対的に低下する可能性が有る。
図1は、この発明の実施の形態1におけるレーダ信号分析装置の機能構成を示すブロック図である。
図1において、レーダ信号分析装置は、アンテナ10、RF/IF(高周波周波数/中間周波周波数)変換部11、A/D(アナログ/デジタル)変換部12、メモリ13、パルス分析部14およびパルス列分離部15を備えている。このレーダ信号分析装置は、実在する具体的装置を用いて実現する場合、例えばアンテナ、ダウンコンバータ、デジタルオシロスコープ、プログラム制御されるCPU(Central Processing Unit)、磁気ディスク等の記憶装置を有するデータ処理装置(コンピュータ)等で構成することができる。
アンテナ10は、レーダ信号を受信してRF信号を取り出し、RF/IF変換部11に出力する。RF信号は、RF/IF変換部11でIF信号に変換される。変換されたIF信号は、A/D変換部12によりデジタル波形データに変換され、メモリ13に格納される。同時に、各パルスの到来時刻TOAを記録する。パルス分析部14では、メモリ13に格納されたデジタル波形データを読み出し、後述するように、このデジタル波形データを図2のフローチャートで示されるアルゴリズムに従って処理し、デジタル波形データのパルスの特徴データを分析し、パルス内変調の変調方式の特定を行う。また、特定された変調方式のデジタル波形データについてパラメータを抽出する。パルス列分離部15は、このパルス分析部14から得られたパルスの特徴データおよびパルス内変調の変調方式に基づいて、パルス列を変調方式、すなわち発信源ごとに分離する。
まず、パルス分析部14は、入力されたデジタル波形データにFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理を施す(ステップST1)。この信号処理の結果得られたパルスの周波数帯域幅およびこのパルスの周波数Fを求める(ステップST2)。次に、デジタル波形データをベースバンド信号であるパルス列に変換し、このパルス列からパルス振幅PAおよび図4から図7の各(b)に示す位相プロファイルを求める(ステップST3)。求めたパルス振幅PAからパルスのエッジ(立ち上がり点と立下り点)を求めて、このエッジを用いてパルス幅PWを計算する(ステップST4)。
なお、ステップST9において、パルスがチャープ信号の条件を満たしていない場合、パルスは周波数切替信号であると判定していたが、この替りに、ステップST6で求めた周波数プロファイルから、パルスが周波数切替信号か否かを判定し、周波数切替信号ならば、パルス内変調の変調方式が周波数切替変調であるという特定結果を得るようにしてもよい。パルスが周波数切替信号の場合、図5(c)に示されるように、周波数プロファイルは不連続(段階的)に変化する。周波数プロファイルの連続度がある閾値を上回っていれば、そのパルスは周波数切替信号であるので、周波数プロファイルの不連続度を用いて判定を行うことができる。
ここで、AOAは、2つ以上のアンテナから得られた同一パルスのデジタル波形データから、アンテナ同士の位置関係と位相の差を用いて算出される。また、TOAはデジタル波形データ収集時に同時に記録されている。PRIは、同一レーダ波源からの連続した2パルスのTOAの差であり、デジタル波形データを傾向ごとに分類する際の特徴データとして使用される。
また、パルス列分離部15において、複数のレーダ送信機ごとのレーダ信号に関するパルスの特徴データ、パルス内変調の変調方式および対応したパラメータをデータベースとして予め備えておき、パルス分析部14から得られるパルスの特徴データ、変調方式の特定結果およびそのパラメータのうちのいずれか一つまたは複数をキーとしてマッチング検索を行うことで、レーダ送信機を特定するようにしてもよい。
なお、パルス内変調の変調方式の判定処理にあたっては上記フローチャートの順に説明したが、この発明は、その順序には限定されず、また判定処理の数も限定されるものではない。
Claims (6)
- レーダ信号を受信してRF信号を取り出すアンテナと、
取り出されたRF信号をIF信号に変換するRF/IF変換部と、
変換されたIF信号をデジタル波形データに変換するA/D変換部と、
変換されたデジタル波形データとそのパルスの到来時間を格納するメモリと、
格納されたデジタル波形データを読み出して所定のアルゴリズムに従って、当該デジタル波形データのパルスの特徴データを分析し、パルス内変調の有無を判定し、パルス内変調であるデジタル波形データについて変調方式を特定するとともに特定されたデジタル波形データについてパラメータを抽出するパルス分析部と、
このパルス分析部で得られたパルスの特徴データおよび変調方式の特定結果に基づいて、対応するパルス列を変調方式ごとに分離して出力するパルス列分離部とを備え、
パルス分析部は、特定されたパルス内変調のデジタル波形データについて高速フーリエ変換処理を行い、得られたパルスの周波数帯域幅およびパルスの周波数を求め、
前記デジタル波形データをベースバンド信号であるパルス列に変換し、このパルス列からパルス振幅および位相プロファイルを求め、前記パルス振幅からパルス幅を算出し、
前記周波数帯域幅と前記パルス幅の積に基づいてパルス内変調の有無を判定し、パルス内変調ではない場合には無変調パルスとして判定結果を出力し、一方、パルス内変調と判定された場合には前記位相プロファイルに基づいて周波数プロファイルを求め、
求めた周波数プロファイルに基づいて、パルス内変調の変調方式を判定して、
パルス列分離部は、前記パルス分析部から入力されたパルスの特徴データ、変調方式の特定結果および抽出された前記パラメータのうちのいずれか一つまたは複数のパラメータに基づいて、共通の傾向を持つパルス列をグループごとに分離することを特徴とするレーダ信号分析装置。 - レーダ信号を受信してRF信号を取り出すアンテナと、
取り出されたRF信号をIF信号に変換するRF/IF変換部と、
変換されたIF信号をデジタル波形データに変換するA/D変換部と、
変換されたデジタル波形データとそのパルスの到来時間を格納するメモリと、
格納されたデジタル波形データを読み出して所定のアルゴリズムに従って、当該デジタル波形データのパルスの特徴データを分析し、パルス内変調の有無を判定し、パルス内変調であるデジタル波形データについて変調方式を特定するパルス分析部と、
このパルス分析部で得られたパルスの特徴データおよび変調方式の特定結果に基づいて、対応するパルス列を変調方式ごとに分離して出力するパルス列分離部とを備え、
パルス分析部は、デジタル波形データに高速フーリエ変換処理を行い、得られたパルスの周波数帯域幅およびパルスの周波数を求め、
前記デジタル波形データをベースバンド信号であるパルス列に変換し、このパルス列からパルス振幅および位相プロファイルを求め、前記パルス振幅からパルス幅を算出し、
前記周波数帯域幅と前記パルス幅の積に基づいてパルス内変調の有無を判定し、パルス内変調ではない場合には無変調パルスとして判定結果を出力し、一方、パルス内変調と判定された場合には前記位相プロファイルに基づいて周波数プロファイルを求め、
求めた周波数プロファイルに基づいて、パルス内変調の変調方式を判定し、
パルス列分離部は、複数のレーダ送信機ごとのレーダ信号に関するパルスの特徴データ、パルス内変調の変調方式および対応したパラメータのデータベースを予め備えており、パルス分析部から入力されたパルスの特徴データ、変調方式の特定結果および対応したパラメータのうちのいずれか一つまたは複数のパラメータをキーとしてマッチング検索を行い、レーダ送信機の特定を行うことを特徴とするレーダ信号分析装置。 - パルス分析部は、該当するパルスの周波数プロファイルから集中する特定の周波数のヒストグラムを求め、当該特定の周波数の集中度に基づいてパルス内変調が位相変調であるか否かを判定し、位相変調の場合には位相変調である旨の特定結果、パルスの特徴データおよび前記位相プロファイルから求めた位相変調パラメータを出力することを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ信号分析装置。
- パルス分析部は、該当するパルスの周波数プロファイルの連続度に基づいてパルス内変調がチャープ変調であるか否かを判定し、チャープ変調の場合にはチャープ変調である旨の特定結果、パルスの特徴データおよび前記周波数プロファイルから求めたチャープ変調パラメータを出力することを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ信号分析装置。
- パルス分析部は、該当するパルスの周波数プロファイルの不連続度に基づいてパルス内変調が周波数切替変調であるか否かを判定し、周波数切替変調の場合には周波数切替変調である旨の特定結果、パルスの特徴データおよび前記周波数プロファイルから求めた周波数切替パラメータを出力することを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーダ信号分析装置。
- パルス分析部は、パルス内変調がチャープ変調でない場合には周波数切替変調であると判定し、周波数切替変調である旨の特定結果、パルスの特徴データおよび周波数プロファイルから求めた周波数切替パラメータを出力することを特徴とする請求項4記載のレーダ信号分析装置。
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