JP2013249844A - リーフシール - Google Patents

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Abstract

【課題】静止側構成要素と、回転軸線を有する相対的回転側構成要素との間をシールするリーフシールを提供する。
【解決手段】使用時に静止側構成要素内で、互いに軸線方向に隔てられた、より高圧の上流側区画429と、より低圧の下流側区画430とを画成するリーフシール410である。このリーフシール410は、静止側構成要素に対して取り付けるための根元端部416と、回転側構成要素とワイピング接触するための自由端部418と、根元端部から自由端部まで延びる上流側縁部420と、根元端部から自由端部まで延びる下流側縁部422とを有するリーフ要素412を複数備える。リーフ要素412における、根元端部416での上流側縁部420と下流側縁部422との間の幅がaであり、自由端部418での上流側縁部420と下流側縁部422との間の幅がb<0.5aとなるbである。
【選択図】図4

Description

この発明は、リーフシールに関する。特に、この発明は、ガスタービンエンジンで用いるためのリーフシールに関する。
図1を参照すると、本発明を含み得るダクテッドファン・ガスタービンエンジンが、全体的に符合10で示されると共に、主軸線である回転軸線X−Xを有している。そのエンジンは、軸流方向へ直列に、吸気口11、推進ファン12、中圧圧縮機13、高圧圧縮機14、燃焼装置15、高圧タービン16、および中圧タービン17、低圧タービン18、およびコアエンジン排気ノズル19を備えている。ナセル21が、エンジン10を概して取り囲むと共に、吸気口11、バイパスダクト22、およびバイパス排気ノズル23を画成している。
運転中、吸気口11へ入る空気が、ファン12によって加速されて、2つの空気流:中圧圧縮機13内への第1の空気流Aと、バイパスダクト22を通過して推進スラストをもたらす第2の空気流Bとを造り出す。中圧圧縮機13は、その中へと差し向けられた空気流Aを、圧縮してから、更なる圧縮が行われる高圧圧縮機14へと送り出す。
高圧圧縮機14から排気された圧縮空気は、燃焼装置15内へと差し向けられて、そこで燃料と混合され、その混合気が燃焼させられる。その結果として生じる高温の燃焼生成物は、それから通過しつつ膨張し、それにより高圧、中圧、および低圧の各タービン16,17,18を駆動してから、ノズル19を通じて排気されて、付加的な推進スラストをもたらす。高圧、中圧、および低圧の各タービンは、それぞれ、適当な相互連結シャフトによって、高圧、中圧の各圧縮機14,13、およびファン12を駆動する。
このエンジンは、例えば相互連結シャフトと、このシャフトのためのケーシングとの間に設置される、1つないし複数のシールを有していてもよい。そのようなシールは、いわゆるリーフシールであってもよい。
一般的に、リーフシールは、互いに相対的に回転する2つの構成要素同士の間のシール(密封)を形成するのに使われる。これは、高圧と低圧の区画同士を画するところの圧力境界をもたらすためである。その圧力境界には、多数の、典型的に矩形のリーフ(薄板)が設けられる。それらのリーフは、シールの外周を巡る放射状の全体に、定められた角度で保持されている。リーフは、可撓性であって、互いに相対的に回転する2つの構成要素同士の半径方向位置の変化を吸収することのできる半径方向のコンプライアンス(撓み性)を可能としている。リーフ同士は、有効な圧力境界をもたらすのに十分な密度に束ねられるが、リーフの使用は必然的に、リーフ間の間隙へと、そしてシールを横切る空隙率へと繋がってしまう。
図2は、リーフ32の束を備えた典型的なリーフシール31の一部分の破断斜視図を模式的に示している。図3aは、回転シャフトの回転軸線に沿って見た、リーフシールの一部分の端面図を示している。図3bは、単一のリーフ32の正面図を示している。
各リーフ32は、プレートの形態であって、それぞれ根元端部40、自由端部41、軸線方向幅w、および厚さtを有している。リーフは、根元端部40でスペーサ要素33と互い違いになっていて、ハウジングの支持リング34に対して固定されている。ハウジングは典型的に、前部35a(高圧側)と後部(低圧側)35bの各剛性環状カバープレートをも備えている。リーフ32の自由端部41は、端部縁36を、回転側構成要素(シャフト)の表面37の方へ向けている。回転側構成要素は通常、矢印38で示す方向へ回転する。リーフ32、特にリーフ32の自由端部縁36は、アッセンブリ31を横切るシールを造り出すために、表面37に対して作用する。各リーフ32は、表面37の回転に半径方向に順応するために、十分なコンプライアンスを持っている。その結果、良好なシール効果が生み出される。スペーサ33は、図示するように、通常はリーフ32と表面37との間に傾斜角がある状態で、適切にリーフ32を表面37の方へ向けるのに可撓性を利用できることを保証する。スペーサ33は、互いに隣り合うリーフ32の作動部分41同士の間に、リーフ間の隙間39を形成するのにも役立つ。
漏洩流は、自由端部縁36がロータ表面37に当たるように半径方向内側へ圧迫されるリーフのブローダウン(圧し下げ)の一因となる可能性がある。自由端部縁36と表面37との間の良好なシールを造り出すのに、限定された量のブローダウンは望ましいが、過剰なブローダウンは、過剰なロータ荷重や、シールとロータの摩耗を引き起こしてしまう。端部縁および/またはロータの摩耗は、シールの有効寿命を限定してしまう可能性がある。
ブローダウンの量を制御するのに役立てるよう、様々な構成のリーフシールが提案されてきた。これの一例が、WO06016098(特許文献1)に記載されている。それは、縁の面取りのあるリーフ、および向かい合うカバープレート上の関連構造を実施するものであり、それら2つの間隔が、リーフの半径方向撓みによって左右される制御隙間を画成している。
リーフシールに伴う、もう1つの潜在的な問題は、切れ目なく続くリーフを使うことの結果である、不均一な周方向の圧力分布である。これを軽減するのを助けるように、圧力均等化構造を導入して、切れ目のないリーフ要素を横切る力の差を減らすのに役立てるのが有利となり得る。
圧力の均等化をもたらす1つの方法は、リーフの作動部分に1つないし複数の開口を付け加えて、リーフの2つの側面同士の間の流れをもたらすことである。このことは、開口付近で圧力を均等化してリーフ上の荷重を減少させるのに有効な可能性はあるが、それらの開口はリーフ応力の増大に繋がるものである。これは、圧力の均等化で成し遂げられる如何なる利益をも大きく打ち消してしまう。
周方向の圧力均等化を首尾良く達成すべきならば、開口は、応力を上昇させる構造の使用を避けると共に、リーフ要素の軸線方向長さに比べて小さくなっている必要がある。しかしながら、標準的な矩形断面のリーフは、使用時の圧力荷重によって、根元端部に大きな荷重を受けてしまう。それ故、この形状の断面に穴を含むことは、一般的には問題がある。
国際公開第06016098号パンフレット
本発明の目的は、改良されたリーフシールを提供することである。
本発明は、静止側構成要素と、回転軸線を有する相対的回転側構成要素との間をシールするためのリーフシールであって、使用時に、互いに軸線方向に隔てられた、より高圧の上流側区画と、より低圧の下流側区画とを画成し、静止側構成要素に対して取り付けるための根元端部と、回転側構成要素とワイピング接触(wiping contact)するための自由端部と、根元端部から自由端部まで延びる上流側縁部と、根元端部から自由端部まで延びる下流側縁部とを有するリーフ要素を複数備え、リーフ要素における、根元端部での上流側縁部と下流側縁部との間の幅がaであり、自由端部での上流側縁部と下流側縁部との間の幅がbであってb<0.5aである、リーフシールを提供する。
リーフ要素のテーパ(先細形状)によって、有利なことに、軸線方向の圧力降下に耐える必要のないリーフ要素の自由端部から材料が取り除かれる。更に、そのテーパは、リーフ要素の根元端部を、所与の重量に対してより幅広くすることを可能とする。これは、リーフが、圧力均等化構造を含んだり、半径方向の撓みに対する弾性復元力がより大きくなるようにしたりすることができる、ということを意味する。
bは、0.1a<b<0.5aの範囲内にあることが好ましい。
少なくとも1つのリーフ要素における上流側縁部および下流側縁部の一方または両方の、回転軸線に垂直な直線に対するテーパ角が、2度から45度の間にあってもよい。回転軸線に垂直な直線に対する上流側縁部のテーパ角は、5度から20度の間にあるのが好ましい。回転軸線に垂直な直線に対する下流側縁部のテーパ角は、5度から20度の間にあるのが好ましい。
リーフシールは、上流側および下流側のカバープレートを更に備えていてもよい。各カバープレートは、使用時にリーフ要素に面する内壁を有していてもよい。回転軸線に垂直な直線に対する上流側の内壁および下流側の内壁の一方または両方の角度が2度から45度の間にあってもよい。回転軸線に垂直な直線に対する上流側の内壁の角度は、5度から20度の間にあるのが好ましい。回転軸線に垂直な直線に対する下流側の内壁は、5度から20度の間にあるのが好ましい。
上流側および下流側の内壁の一方または他方と、リーフ要素の対応する縁部との、回転軸線に垂直な直線に対する角度の差が10度未満であってもよい。上流側および下流側の内壁の一方または他方と、リーフシールの対応する縁部との、回転軸線に垂直な直線に対する角度の差は5度未満であることが好ましい。上流側または下流側のカバープレートの一方または両方の内壁と、リーフシールの対応する縁部との角度は、リーフシールが不作動の低温状態にあるか、或いは所与の用途による公称運転点ないし特定運転点にあるときには、実質的に同じであってもよい。
リーフ要素の上流側および下流側縁部の一方または両方が、凸状部分および凹状部分の一方または両方を含んでいてもよい。
上流側または下流側のカバープレートの内壁の一方または両方が、凸状部分および凹状部分の一方または両方を含んでいてもよい。
上流側または下流側のリーフ要素の縁部の少なくとも一方が、隣り合う内壁の対応する部分から間隙によって隔てられていてもよい。間隙は、内壁の半径方向の長さに沿って実質的に一定であってもよい。
間隙は、自由端部での間隔に比べて、根元端部で軸線方向により大きくなっていてもよい。或いは、間隙は、自由端部での間隔に比べて、根元端部で軸線方向により小さくなっていてもよい。
少なくとも1つのリーフ要素は、半径方向に延びる中央線について非対称であってもよい。上流側および下流側のカバープレートの内壁の配置は、半径方向に延びる中央線について非対称であってもよい。
カバープレートは軸線方向の厚さを有しており、上流側および下流側のカバープレートの一方または両方は、根元端部でより厚い断面を有するようにテーパが付けられ(先細にされ)ていてもよい。
少なくとも1つのリーフ要素は、当該リーフ要素の周方向の厚さを横切る圧力の均等化のための開口を含んでいてもよい。開口は、根元端部の近くにあってよい。開口は、リーフ要素における周方向の一方の面から、周方向の他方の面まで、リーフ要素の周方向の厚さを貫通していてもよい。開口は、リーフ要素の結合される支持プレートから延びていてもよい。開口によって根元端部が二股に分かれた、実質的にV字形ないしY字形のリーフ要素をもたらすように、開口が三角形状になっていてもよい。
リーフ要素は、少なくとも1つのラビリンス歯を含んでいてもよい。ラビリンス歯は、開口内にあってもよい。その開口は、圧力均等化開口であってもよい。ラビリンス歯は、半径方向の断面内で対称であってもよい。ラビリンス歯は、開口内で中央に置かれていてもよい。或いは、ラビリンス歯は、その上流側または下流側に開いた通路をもたらすように、開口内で軸線方向に偏倚させられていてもよい。ラビリンス歯は、リーフ要素の取り付けられる支持プレートから延びるリブやフランジであってもよい。共通の開口内に複数のラビリンス歯があってもよい。複数のラビリンス歯同士が、互いに軸線方向に隔てられ、半径方向線によって分けられていてもよい。複数のラビリンス歯が、半径方向線について対称に配置されていてもよい。複数のラビリンス歯が、開口に対して軸線方向に偏倚させられたり、非対称に配置されたりしてもよい。
当該シールの外部にある圧力源と流体連通(流体が流通可能に連絡)した空洞を更に備えていてもよい。外部の圧力源は、シールに対して上流側の区域から持ってきてもよい。外部の圧力源は、空洞内に中圧をもたらすように計量供給されてもよい。中圧とは、シールの直ぐ上流側と下流側の区域によって境界付けられる範囲内にあるであろうことを意味する。空洞は、開口やラビリンス歯の直近にあってもよい。複数のラビリンス歯が存在する場合には、それら複数のラビリンス歯のうちの1つ以上によって空洞が部分的に画成されていてもよい。
当該リーフシールの任意の縁部が、円周面によって画定される断面において丸められていてもよい。リーフシールは、断面においてブルノーズ(隅丸)型、レーストラック(走路)型、または楕円形の形状を有していてもよい。リーフ要素は、一定な軸線方向の厚さを有していてもよい。半径方向の厚さは、変化していてもよい。半径方向の軸線に垂直な直線によって画定される平面内において、根元端部がより厚くなっていてもよい。
もう1つの態様において、本発明は、静止側構成要素と、回転軸線を有する相対的回転側構成要素との間をシールするためのリーフシールであって、使用時に静止側構成要素内で、互いに軸線方向に隔てられた、より高圧の上流側区画と、より低圧の下流側区画とを画成し、静止側構成要素に対して取り付けるための根元端部と、回転側構成要素とワイピング接触するための自由端部と、根元端部から自由端部まで延びる上流側縁部と、根元端部から自由端部まで延びる下流側縁部とを有するリーフ要素を複数備え、リーフ要素は、自由端部へ向かってテーパが付けられており、回転軸線に垂直な直線に対する上流側縁部および下流側縁部のテーパ角が、不作動状態において2度から45度の間にある、リーフシールを提供する。
最小テーパ角は5度であってよい。上流側および下流側の縁部のテーパ角は5度から45度の間にあってよい。テーパ角は2度から20度の間にあってもよい。
当該シールは、ガスタービンエンジンで用いられてもよい。
ここで、以下の図面の助けを借りて、本発明の実施形態を説明することとする。
従来のガスタービンエンジンを示す図。 既知のリーフシールの一部分の破断斜視図。 周囲がシールされる回転シャフトの回転軸線に沿って見た、リーフシールの一部分の端面図。 単一のリーフの正面図。 本発明によるリーフシールの断面図。 傾斜した内壁を伴うカバープレートを有したリーフシールを示す図。 本発明のリーフシールの寸法を示す模式的表現。 第1および第2の半径方向位置におけるリーフシールの寸法を示す模式的表現。 二次の幅プロファイルを有するリーフ要素の模式的表現。 凸状の縁プロファイルを有するリーフ要素の模式的表現。 概して凹状である縁プロファイルを有したリーフ要素の模式的表現。 凸状と凹状の部分を伴った縁プロファイルを有する対称型リーフ要素の模式的表現。 凸状と凹状の部分を伴った縁プロファイルを有する非対称型リーフ要素の模式的表現。 斜めになった非対称型のテーパ付きリーフ要素を示す図。 もう1つの斜めになった非対称型のテーパ付きリーフ要素を示す図。 離隔間隙に半径外側方向のテーパが付けられた、リーフ要素とカバープレートとの代替的構成を示す図。 離隔間隙に半径内側方向のテーパが付けられた、リーフ要素とカバープレートとの代替的構成を示す図。 対応するカバープレートを伴った凹状のシール要素を示す図。 半径方向に凸凹状のカバープレートを伴っているが、離隔間隙が変化している、半径方向に凸凹状のシール要素を示す図。 変化する離隔間隙をもたらす非対称型のカバープレート・プロファイルを示す図。 テーパ付きのカバープレートを伴ったリーフシールを示す図。 開口の形態の圧力均等化構造を有するリーフシールを示す図。 軸流制限構造を有するリーフシールを示す図。 相互間にフレア状に広がった離隔間隙をもたらすように互いに対応する凹状のリーフ要素と凸状のカバープレート内壁とを有したリーフシールを示す図。 2部品型の軸流制限器を示す図。 空気注入を伴う2部品型の軸流制限器を示す図。 様々なレベルの丸められた縁部を明示するために、互いに異なるリーフ要素を切った複数の断面を示す図。
図4は、本発明によるリーフシール410の断面を示している。このシールは、多くの点で図2および図3a,bで説明したシールと同様であり、ハウジング414内に環状の配列で保持された複数のリーフ要素412を含んでいる。そのハウジング414は、静止側構成要素(図示せず)に対して取り付けるのに適している。各リーフ要素412(そのうち1つだけを示す)は、根元端部416、自由端部418、上流側縁部420、および下流側縁部422を含んでいる。根元端部416は、ハウジング414の支持プレート424に対して取り付けられている。上流側420および下流側422の各縁部の側方には、対応する剛性の環状カバープレート426,428が配置されている。
使用時には、複数のリーフ要素412が、シールの周囲を巡って、半径方向に対して定められた角度で配列されて、シールの上流側429から下流側430への空気流を妨げるバリア(境界)をもたらす。不平なリーフ要素412の自由端部418は、回転シャフト432との間のシール面434をもたらすように、その回転シャフト432とワイピング接触(wiping contact)状態にされている。個々のリーフ要素412同士の間の間隔は、根元端部416に向かって大きくなって行くが、これはシール410を横切る幾らかの空隙率や漏洩に繋がる。
リーフ要素412の半径方向の長さには、根元端部416の方が大きい軸線方向の幅を有した台形の形状をもたらすように、根元端部416から自由端部418へとテーパが付けられている。そのテーパは、半径方向に延びる中央線436について対称であって、自由端部418から、根元端部416での支持プレート424との接合部まで延びている。それは、上流側420および下流側422の各縁部の全長が、半径方向の中央線436に対して傾斜しているようなものである。上流側420および下流側422の各縁部は、均一なテーパをもたらすように真っ直ぐになっている。各リーフ要素412の周方向の厚さは均一である。
図4に示す実施形態のカバープレート426,428は、リーフ要素412に面した内壁438,439と、上流側429および下流側430の各圧力区画にそれぞれ面した外壁とを伴う厚さを有するように軸線方向に延びている。図4に示すカバープレート426,428の内壁438,439は、回転軸線442に垂直な平面内にあるように、その回転軸線442に対して垂直に配置されている。そのようにして、リーフ要素412のテーパ付き形状によって、リーフ要素の縁部420,422からそれぞれ内壁438を隔てる間隙444,446に、テーパが付けられている。
図5は、代替的なカバープレート526,528を伴ったリーフシール510を示している。それらのカバープレート526,528においては、内壁538,539が半径方向に対して傾けられてリーフシール510のテーパに対応している。この場合、内壁538,539と、テーパ付きのリーフ要素縁部520,522との間の離隔間隙544,546は、それぞれリーフ要素512の長さに沿って実質的に一定である。それらの離隔間隙は、シール510の運転条件によって左右されることとなり、使用中に変動し得る、ということを認識されたい。従って、用語「実質的に一定」は、近似として、また当該シールが、不作動の低温状態と、特定用途に要求されるような公称運転点ないし特定運転点とのいずれかにあるときのことと見做すべきである。
下記で説明する実施形態から分かることとなるように、リーフシールの上流側および下流側の各縁部に対する、対応するカバープレート内壁の角度と間隔との間の関係は、当該シールに要求される性能をもたらすように変えることができる。
本発明のリーフ要素のテーパと、カバープレートの外形とは、図6に示す諸寸法を用いて特徴付けることができる。かくして、軸線方向の幅aを有する根元端部616と、軸線方向の幅bを有する自由端部618との模式図が示されている。リーフ要素612は半径方向の長さLを有しているが、この半径方向長さLは、長さYのテーパ部分と、長さXの真っ直ぐな部分とを含んで成ることができる。これは、図4および図5においてはテーパ部分Yがリーフ要素412,512の半径方向の全長を延びているのとは対照的である。リーフのテーパ角φは、回転軸線に垂直な直線(即ち半径方向の線636)との関係において定めることができ、カバープレート内壁の角度ψも同様である。
リーフ要素612のテーパによって、有利なことに、軸線方向の圧力降下に耐える必要のないリーフ要素612の自由端部618から材料が取り除かれる。更に、そのテーパは、リーフ要素612の根元端部616をより幅広くすることを可能とする。リーフシールにおける圧力荷重負荷容量は、リーフ要素の半径方向長さに沿った曲げモーメントM(z)によって決まる。しかしながら、この曲げモーメントは、根元から先端へと、二次の関係式 M(z)=(1/2)(P−P)t(L−z) に従って減少する。ここで、Pは上流側圧力、Pは下流側圧力、tはリーフの厚さ、Lはリーフの長さ、zはリーフ要素の根元から考察箇所までの長さである。従って、曲げモーメントM(z)は、根元端部からリーフ要素の長さに沿って減少する。これは、標準的な矩形のリーフ要素においては、自由端部での幅が、軸線方向の圧力による曲げモーメントに耐えるのに必要な幅よりも大きくなってしまう、ということを意味する。
テーパ付きのリーフ要素612を設けることは、曲げモーメントの減少の原因となる。但し、テーパの角度は、他の要因を用いて決定されてもよい。例えば、テーパ角φは任意選択的に、テーパ無しの同等なリーフ要素よりも幅の広い根元端部616を有するように増大させてもよい。このことは、より幅の狭い自由端部618の理由となるような付加的な強度、および、または、後で説明する図21との関係で後述するような圧力均等化構造を収容するための付加的な周囲寸法をもたらし得る。
aに対するbの比率、並びに、リーフ要素612およびカバープレート内壁638,639のテーパ角は、特定の用途向けのものになるであろう、ということを認識されたい。有利な一実施形態において、aに対するbの比率は、b<a、より具体的にはb<0.5aとして規定することができる。但し、bは0.5aから0.1aの間にあることが好ましい。リーフ要素のテーパ角φは、2度から45度までの範囲内にあってよいが、5度から20度の間にあることが好ましい。カバープレートがテーパ付きの内壁638,639を有する場合には、そのテーパ角ψは、リーフ縁部のテーパ角φと同等であってもよく、そのようにして、2度から45度までの範囲内にあってよいが5度から20度の間にあることが好ましい。但し、2つの角度φ,ψに差を設けることが有利となり得る。この場合、それらの角度φ,ψは、互いに10度ほども異なっていてよいが、5度以内が好ましいであろう。テーパの延びる長さYは、これもまた特定の用途向けのものになるが、カバープレート626,628の半径方向範囲よりも大きくなるのが一般的である。
本発明において考察されるリーフ要素の典型的な長さは、およそ20mmから40mmの間である。ここで、aは、およそ4mmから15mmの間であってよく、bは1mmから4mmの間であってよい。但し、他の寸法を有するリーフ要素が本発明の範囲内にあってもよい、ということを認識されたい。
一般的に、リーフシールにおけるカバープレートの内壁は、当該シールを通る空気流の漏洩と、その結果としてリーフ要素に生じるブローダウンやリフトアップ(圧し上げ)の力とを制御するように、リーフ要素との関係において設けられる。かくして、矩形のリーフ要素を伴った従来のシールにおいては、特定の用途にとって望ましいレベルのブローダウンやリフトアップをもたらすように、カバープレートの半径方向長さと、リーフ要素からの隔たりとが決められる。
ブローダウンに対する2つの主な誘因:一方の誘因は、リーフの厚さを横切る圧力の不釣合、他方の誘因は、リーフ束への進入時に流れ方向が変化する際の流れの運動量変化、が存在する。これらの概念は、本明細書に援用される「フランチェスキーニ,G.、ジョーンズ,T.V.、およびガルスピー,D.R.H.、フィラメントシールにおけるブローダウンの進歩的理解、ターボ機械ジャーナル132(2010年)041004、TURBO−09−1028(Franceschini, G., Jones, T.V., and Gillespie, D.R.H, Improved Understanding of Blow-Down in Filament Seals, Journal of Turbomachinery 132(2010)041004, TURBO-09-1028)」並びに「フランチェスキーニ,G.、ジョーンズ,T.V.、およびガルスピー,D.R.H.、フィラメントシールにおけるブローダウンの進歩的理解、ASMEターボ博覧会2008:陸上、海上、および空中用の動力、ベルリン、独国、2008年、ASME、GT2008−51197(Franceschini, G., Jones, T.V., and Gillespie, D.R.H, Improved Understanding of Blow-Down in Filament Seals, in ASME Turbo Expo 2008: Power for Land, Sea and Air, Berlin, Germany, 2008, ASME, GT2008-51197)」において議論されている。
テーパ状になっている内壁との関係においてテーパ付きのリーフを有していることは、ブローダウンの制御にとって特に有利である。それによって、使用時にリーフ要素が半径方向に撓む際に、カバープレートの内壁とリーフ要素の縁部との間のそれぞれの離隔間隙が調節されることが可能となるからである。即ち、リーフ要素が半径方向に撓む際に、そのリーフ要素が傾斜したカバープレートへ近付くように動いて、離隔間隙が減少する。流体の流速が低下するにつれて、運動量変化のブローダウンの期間が減少することとなる。また、カバープレートの間隙が狭いほど、その隙間の中で圧力がより大きく降下し、かくしてリーフに渡って降下する圧力がより小さくなるので、圧力の不釣合の期間が減少する。かくして、ブローダウンは減少することとなる。
リーフとカバープレートとの間の真っ直ぐで平行な間隙は、矩形のリーフ要素にとっては、様々なレベルのブローダウンやリフトアップの力を被るときに、それらのリーフ要素がロータへ向かって、或いはロータから遠ざかって撓むことを可能とするために必要なものである。しかしながら、一様な半径方向へ延びる間隙を有することは、リーフ要素とカバープレートとの半径方向の間隔が常に一定であるということを意味する。そして、撓みが生じる際にリーフシールのブローダウンやリフトアップの挙動を変化させることができるように当該間隙を調節することが有利となり得る。
図7に示すように、テーパ付きのリーフ要素610とカバープレート内壁638の場合における間隙Gの狭まりが、リーフのテーパ角φの正弦によって、リーフ要素612の局所的な半径方向撓みに関連付けられる。破線620aは、第1組の運転パラメータの下での、カバープレート内壁638とリーフ要素612の上流側縁部620との間の初期の離隔間隙Gを示している。第2組の運転パラメータの下では、新たな離隔間隙G+ΔGをもたらすように、リーフ要素612がある量Bだけ半径方向に撓む。Bの半径方向撓みを引き起こすブローダウンは、ΔG=Bsin(φ)に帰結することとなる、ということを認めることができる。
先に説明した図面に示すリーフ要素のテーパは、均一なテーパを有していて、真っ直ぐな縁のリーフになっている。しかしながら、テーパ角や全体的な縁のプロファイル形状は、必要な負荷容量や、半径方向撓みに対する調整された応答性を与えられるようにするのが有利になり得る、ということを認識されたい。図8から図12は、リーフのプロファイルについての幾つかの代替的な構成を与えている。
図8は、二次の幅プロファイルを有するリーフ要素812を示している。その二次の幅プロファイルは、リーフ要素812の半径方向長さに沿った曲げモーメントの減少に、およそ対応している。ここで、当該プロファイルは、w=c1z+c2z+c3で記述される。この場合、zはリーフ要素の自由端部618から測った距離である。c2=0である特別な場合には、c3=bおよびc1=(a−b)/Lと表すことができる。この場合、Lはリーフの長さである。
図9は、全体的に凸状なリーフ要素912のプロファイルを示している。このプロファイルにおいて、上流側920および下流側の縁部922は、半径方向長さに沿って凸状になってはいるが、必ずしも二次(曲線)的なものではない。図10は、全体的に凹状なリーフ要素1012のプロファイルを示している。このプロファイルにおいて、上流側1022および下流側1024の各縁部は、半径方向長さに沿って凹状になってはいるが、必ずしも二次(曲線)的なものではない。図11は、半径方向に連続した凹状1120aおよび凸状1120bの部分を有したリーフ要素1112のプロファイルを示している。各凸状部分は、根元端部1116へは増大した強度を与える一方で自由端部1118では減少した幅を有するように、根元端部1116へ向かって配置されている。
図8から図11に示すプロファイルは全体的に、半径方向に延びる中央線について対称である。図12に示すリーフ要素1212は、凸状と凹状の部分を伴った非対称のプロファイルを有している。かくして、リーフ要素1212の上流側縁部1220は、根元端部1216で凹状部分1220aをもたらし、半径方向に連続して自由端部1218では凸状部分1220bを伴っている。下流側縁部1222は、根元端部1216に凸状部分1222aを含み、半径方向に連続して自由端部1218では凹状部分1222bを伴っている。
認識されることとなるように、シールの性能を調節するためにリーフ要素のプロファイルを変えるだけでなく、リーフ要素とカバープレートとの間の関係を変更することもできる。このことは、カバープレートの内壁や外壁との相対的な軸線方向間隔を調節したり、それらの内壁や外壁のプロファイルを調節したりすることを含んでいてもよい。
図13は、傾けられた非対称型のテーパ付きリーフ要素1312を示している。このリーフ要素1312において、テーパはb<0.5aの限定内の中で与えられるが、リーフ要素1312の縁部1322,1324同士の間の中央線1336aが、ロータの半径方向線1336に対して傾けられている。その傾きは、下流側縁部はロータの回転軸線1342に対して垂直であって、上流側縁部1322が傾斜しているようなものである。
図13に示す実施形態において、カバープレートの内壁1338,1339は両方とも垂直である。そのような構成は、上流側および下流側における半径方向の撓みに対して一定不変である。但し必要ならば、傾斜した上流側カバープレートを用いて、離隔間隙や流れの制限に幾らかの変化を与えてもよい。
リーフにおける如何なる高応力箇所をも減少させるように、リーフ要素1312の角部が和らげられて、即ち丸められていることに留意されたい。既述の実施形態のいずれにおいても、リーフ要素の自由端部における角部を丸めるのが有利となり得る、ということを認識されたい。
図14は、図13に示したものと類似した、もう1つの傾けられた非対称型のテーパ付きリーフ要素1412を示している。但し、このリーフ要素1412においては、リーフ1412の中央線1436aの傾きが、同様のアスペクト比のリーフ1412に対して、より急になっている。このことは、リーフ1412の上流側1420および下流側1422の各縁部が、シールの上流側端部に向かって傾斜しているが、必要なテーパ比をもたらすように互いに異なる角度で傾斜している、という結果になる。かくして、上流側縁部1420は回転軸線に垂直な線に対して角度αを成し、下流側縁部は、β<αである角度βを成しているが、共通の方向、即ち上流側に傾いている。図13の場合と同様、カバープレート1426,1428は両者とも、回転軸線1442に垂直な平面内に置かれている。このことは、テーパ付きのリーフ要素1412との組合せにおいて、上流側縁部1422上では根元端部1416に向かって、下流側縁部1424上では自由端部1418に向かってテーパの付いた(先細になる)離隔間隙をもたらす。
図15および図16は、代替的なリーフ要素1512,1612およびカバープレート1526,1626,1528,1628の構成を示している。この構成においては、離隔間隙1544,1644,1546,1646に、それぞれ半径方向外側と半径方向内側の方向へテーパが付けられている。かくして、図15は、カバープレート内壁1538のテーパ角ψよりも大きいテーパ角φを有するリーフ要素1512を示している。従って、離隔間隙1544は、リーフ要素1512の自由端部1518でより大きくなるように、自由端部1518から根元端部1516へ向かってテーパが付いている。図16はこの構成とは反対のものを与えており、角度ψの方が、リーフ要素のテーパ角φよりも大きくなっている。従って、離隔間隙1644は、根元端部1616でのより広い間隙から、自由端部1618での狭い間隙へと向かってテーパが付いている。
図17は、図9に示したのと同様な凹状のリーフ要素1712を、対応するカバープレートと共に示している。リーフ要素1712の上流側および下流側の各縁部を隔てる間隙1744,1746は、カバープレートの長さに沿って実質的に一定である。
図18は、凸凹状のリーフ要素1812を、凸凹状のカバープレート1826,1828と共に示している。但し、これらはリーフ要素の対応する縁部とカバープレートとの間に変化する間隙をもたらしている。
図19は、非対称型のカバープレート1926,1928を有したリーフ要素1912を示している。それらのカバープレート1926,1928は、リーフ要素1912の上流および下流側上に、変化する離隔間隙1944,1946をもたらしている。かくして、真っ直ぐな両縁部を伴って対称にテーパの付いたプロファイルを有するリーフ要素1912と、凸状の内壁1938,1939を伴ったカバープレート1926,1928とが設けられている。上流側の内壁1938の曲率は、下流側の内壁1939よりも小さくなっている。それは、上流側の内壁1938とリーフ要素1912との間の最大間隔が、下流側の最大間隔よりも小さくなるようなものである。何れの場合も、最大間隔は、リーフ要素1912の自由端部1918に向かって与えられている。それは、半径方向の撓みが生じているとき、根元端部へ向かって離隔間隙の絞りがもたらされるようなものである。
図20は、テーパ付きのカバープレート2026,2028を伴ったリーフシール2012を示している。それは、軸線方向に延びる幅が、カバープレート2026,2028の根元端部2016へ向かって広がり、自由端部2018へ向かって狭まるようなものである。当該シールは、図示の実施形態では対称である。但し、適切な場合には、既述の実施形態の何れかにテーパ付きのカバープレートを設けてもよい、ということを認識されたい。
図21は、開口2150の形態の圧力均等化構造を有したリーフシール2112を示している。上述したように、リーフ要素2112は、使用時には、自由端部2118がぎりぎりまで近接するか、或いは直接的に接触していてもよい。従って、リーフ要素2112のシール面における相対的な空隙率は、根元端部2116と比較したとき、より低くなっているのが一般的である。根元端部2116は、あまりシール機能を果たしていないので、リーフ要素を貫く周方向の流れを許容する何らかの構造を含んでいて、それによりリーフ要素を横切る幾らかの圧力均等化をもたらすことが有益である。このことは、ブローダウンや、流れにより引き起こされる他の力を減少させるのに有利な可能性がある。かくして、図21に見られるように、リーフ要素2112の根元端部2116は、長く延びたスロットの形態の開口2150を含むことができる。そのスロットの形態の開口2150は、リーフ2112の根元端部2116から、半径方向へ延びるリーフ2112の中央線2136に沿って、半径方向内側へ延びている。スロット2150は、リーフ要素2112の長さに沿って約5分の2の距離を延びており、鈍らせた、即ち丸められた頂部を伴う概して三角形ないしV字形の形状になっている。但し、当該開口の半径方向長さは、リーフ要素の長さの約5分の3から5分の1によって限度付けられた範囲内にあるかもしれない。V字の角度は、テーパと同様である。それは、当該スロットが2つのアーム2152a,bを画成していて、それらのアーム2152a,bが、リーフ要素2112の中央部分から支持プレート2124まで延びて、均一な幅を有しているようなものである。使用時には、開口2150が、リーフ要素2112の周方向両側での圧力均等化を助ける空気流の通路をもたらす。このことは、ブローダウンの低減に役立つことができる。
図22は、リブの形態の軸流制限器ないし固体バリア(障壁)2260がスロット2262内に設けられた、図21に示すシールの改変例を示している。そのリブは、スロット内の中央に配置されて漏洩空気に対するより蛇行した経路をもたらすように、シャフトに向かって半径方向内側へ延びている。図22に示す構成において、リブは、自らが貫通している開口2262に概して対応する断面を有した、鈍らせたラビリンス歯とみなすことができる。それは、自由端部の端の方へより大きな間隙がある状態で、リブの両側に沿って実質的に均一な離隔間隙が存在するようなものである。自由端部の方のより大きな間隙は、半径方向の撓みのための幾らかの間隔をもたらすと共に、リーフを横切る幾らかの圧力均等化をもたらしてもくれる。リブと開口との他の形態も可能ではあるが、大抵の用途において、固体障壁2260は、シールの半径方向のコンプライアンスを容易にするように、シールの半径方向の移動量を上回る半径方向の間隔を有することとなる。更に、リブは、非対称な配置をもたらすように、開口内で軸線方向に偏倚されていてもよい。その非対称な配置においては、圧力均等化の目的のために、一方の側により大きな開口がもたらされる。更に、軸線方向に偏倚されたリブは、片寄ったリフトアップやブローダウンの応答性をもたらし得る。その片寄ったリフトアップやブローダウンの応答性は、特定の用途に対しては有利となり得るのである。
各リーフが圧力均等化開口を有する場合には、当該リブが、支持プレートから延びる(任意選択的に支持プレートと一体的に形成される)環状リブによってもたらされてもよい、ということを認識されたい。
上述したリーフ要素の形状および対応するカバープレートの構成における諸変形例は、図21との関係で説明した圧力均等化開口や、図22で説明した軸線方向の圧力制限と組み合わせて用いられてもよい。かくして、これの一例として図23は、凹状の上流側2320および下流側2322の各縁部を有した対称型のリーフ要素2312と、凸状の内壁を有したカバープレート2326,2328とを示している。各内壁は、リーフ要素の各縁部よりも大きな曲率を有しており、その結果、連続的に増大する離隔間隙をもたらすように、リーフ要素の半径方向長さに沿って間隔が大きくなって行っている。
図24は、図19に示したシールの変形例を与えている。ここで、シール2410は、支持プレート2424から自由端部2418へ向かって半径方向内側に延びる一対のリブ2460a,bの形態の軸流制限器2460を含んでいる。それらのリブ2460a,bは、リーフ要素2412の半径方向の中央線について対称に配置されると共に、断面内でテーパが付けられた各リブの平均幅に略等しい間隙によって互いに隔てられている。2つの部分での軸線方向の制限をもたらすことによって、開口内での乱流が引き起こされ、この乱流が、シールを横切る軸線方向の漏洩を妨げて減少させるように作用する。
図25は、2部品型の軸流制限器2460a,bが、補助的な給気を受け入れるための取入口2466を含んでいる、図24に示した構成の改変版を示している。使用時には、互いに軸線方向に隔てられたリブ同士の間の空洞へ空気が注入されるように、中圧給気源が当該空洞と流体連通状態にされる。中圧給気源は、シールの上流側に接続されるかもしれず、或いは、独立した圧力区画や、システムのインテグレータ(integrator)として役立つシールされたリザーバに接続されるかもしれない。そのような注入システムは、適切な場合には既述の実施形態の他のものと選択的に用いられてもよい、ということを認識されたい。
図26は、互いに異なるリーフ要素を切った複数の断面2612a,b,cを示している。リーフ要素2612a,b,cのそれぞれは、当該リーフ要素2612a,b,cの根元端部2616での縁部の丸め方の異なる度合いを表示している。かくして、a)に示す四角い断面と、b)における、一定の曲率半径を伴った縁部を有するブルノーズ型ないしレーストラック型の断面と、c)における楕円形状断面とがある。他の丸められた諸断面が本発明の範囲内にあると考えられる。
既述の実施形態に対する諸変形が、本発明の範囲内にあると考えられる。例えば、リーフ要素は、幅におけるテーパだけでなく厚さにおけるテーパも存在するように、先端部よりも根元端部の方で周方向により厚くなっていてもよい。テーパは、リーフの先端部が、リーフの根元部に向かってリーフ要素の更に上の所よりも僅かに厚くなるようなものであってもよい。適切なブローダウン応答性を達成するためには、厚さプロファイルが、直線的であったり、所望のプロファイルに設計されたりしていてもよい。シールが、ロータ、即ち半径方向内側の構成要素に対して固定される場合には、各リーフ要素の自由端部はより大径の所に置かれ、従って根元端部よりも自由端部の方で厚さがより大きくなっているべきである、ということを認識されたい。
互いに異なる諸実施形態において上述した様々な特徴は、明示的に述べていない場合であっても、可能ならば他の特徴とは無関係に実施されてもよく、また幾つかの有利な実施形態において様々な特徴が互いに組み合わされてもよい、ということを認識されたい。

Claims (20)

  1. 静止側構成要素と、回転軸線を有する相対的回転側構成要素との間をシールするためのリーフシールであって、使用時に、互いに軸線方向に隔てられた、より高圧の上流側区画と、より低圧の下流側区画とを内部に画成し、
    前記静止側構成要素に対して取り付けるための根元端部と、
    前記回転側構成要素とワイピング接触するための自由端部と、
    前記根元端部から前記自由端部まで延びる上流側縁部と、
    前記根元端部から前記自由端部まで延びる下流側縁部と、
    を有するリーフ要素を複数備え、
    前記リーフ要素は、前記自由端部へ向かってテーパが付けられており、前記回転軸線に垂直な直線に対する前記上流側縁部および下流側縁部のテーパ角が、不作動状態において2度から45度の間にある、リーフシール。
  2. 上流側および下流側のカバープレートを更に備え、各カバープレートは、前記リーフ要素に面した内壁を有している、請求項1記載のリーフシール。
  3. 前記回転軸線に垂直な直線に対する前記上流側の内壁および下流側の内壁の一方または両方の角度が2度から45度の間にある、請求項2記載のリーフシール。
  4. 前記回転軸線に垂直な直線に対する前記上流側および下流側縁部の最小テーパ角が5度である、請求項1記載のリーフシール。
  5. 前記上流側または下流側のカバープレートの内壁の一方または両方が、凸状部分および凹状部分の一方または両方を含んでいる、請求項2記載のリーフシール。
  6. 前記リーフ要素の上流側および下流側縁部の一方または両方が、凸状部分および凹状部分の一方または両方を含んでいる、請求項5記載のリーフシール。
  7. 前記凸状部分と前記凹状部分とが半径方向に連続している、請求項6記載のリーフシール。
  8. 前記上流側または下流側のリーフ要素の縁部の少なくとも一方が、隣り合う前記内壁の対応する部分から間隙によって隔てられており、前記間隙は、前記内壁の半径方向の長さに沿って実質的に一定である、前記請求項のうちいずれか一項に記載のリーフシール。
  9. 少なくとも1つのリーフ要素は、半径方向に延びる中央線について非対称である、前記請求項のうちいずれか一項に記載のリーフシール。
  10. 前記上流側および下流側のカバープレートの内壁の配置は、半径方向に延びる中央線について非対称である、請求項2から9のいずれか一項に記載のリーフシール。
  11. 前記カバープレートは軸線方向の厚さを有しており、前記上流側および下流側のカバープレートの一方または両方は、前記根元端部でより厚い断面を有するようにテーパが付けられている、請求項2から10のいずれか一項に記載のリーフシール。
  12. 少なくとも1つのリーフ要素は、当該リーフ要素の周方向の厚さを横切る圧力の均等化のための開口を含んでいる、前記請求項のうちいずれか一項に記載のリーフシール。
  13. 前記開口は、三角形またはV字形の形状である、請求項12記載のリーフシール。
  14. 前記リーフ要素は、少なくとも1つのラビリンス歯を含んでいる、前記請求項のうちいずれか一項に記載のリーフシール。
  15. 当該シールの外部にある圧力源と流体連通した空洞を更に備える、前記請求項のうちいずれか一項に記載のリーフシール。
  16. 当該リーフシールの任意の縁部が、円周面によって画定される断面において丸められている、前記請求項のうちいずれか一項に記載のリーフシール。
  17. 静止側構成要素と、回転軸線を有する相対的回転側構成要素との間をシールするためのリーフシールであって、使用時に、互いに軸線方向に隔てられた、より高圧の上流側区画と、より低圧の下流側区画とを画成し、
    前記静止側構成要素に対して取り付けるための根元端部と、
    前記回転側構成要素とワイピング接触するための自由端部と、
    前記根元端部から前記自由端部まで延びる上流側縁部と、
    前記根元端部から前記自由端部まで延びる下流側縁部と、
    を有するリーフ要素を複数備え、
    前記リーフ要素における、前記根元端部での前記上流側縁部と下流側縁部との間の幅がaであり、前記自由端部での前記上流側縁部と前記下流側縁部との間の幅がbであってb<0.5aである、リーフシール。
  18. 少なくとも1つのリーフ要素における前記上流側縁部および下流側縁部の一方または両方の、前記回転軸線に垂直な直線に対するテーパ角が、2度から45度の間にある、請求項17記載のリーフシール。
  19. 上流側および下流側のカバープレートを更に備え、各カバープレートは、前記リーフ要素に面した内壁を有しており、前記回転軸線に垂直な直線に対する前記上流側の内壁および下流側の内壁の一方または両方の角度が2度から45度の間にある、請求項17記載のリーフシール。
  20. 前記上流側および下流側の内壁の一方または他方と、前記リーフ要素の対応する前記縁部との、前記回転軸線に垂直な直線に対する角度の差が10度未満である、請求項19記載のリーフシール。
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