JP2013248674A - 硬質被覆層がすぐれた耐熱性と耐摩耗性を維持する表面被覆切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱合金の高速断続切削加工に用いた場合においても、長期間に亘り、すぐれた耐摩耗性と耐欠損性を維持する表面被覆切削工具を提供する。
【解決手段】硬質被覆層が、工具基体上に、直接または下部層を介して形成された平均層厚0.5〜2.0μmのジルコニウムホウ化物層の上部に平均層厚0.5〜1.0μmのニオブホウ化物層が被覆された合計平均層厚が1.0〜3.0μmの積層構造を有し、かつ、前記各ホウ化物層は六方晶の結晶構造を有し、前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の界面において隣り合う結晶粒の方位差を測定した時に、ジルコニウムホウ化物の(0001)方位とニオブホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が全観察界面長の50線分%以上であることにより、前記課題を解決する。
【選択図】図3
【解決手段】硬質被覆層が、工具基体上に、直接または下部層を介して形成された平均層厚0.5〜2.0μmのジルコニウムホウ化物層の上部に平均層厚0.5〜1.0μmのニオブホウ化物層が被覆された合計平均層厚が1.0〜3.0μmの積層構造を有し、かつ、前記各ホウ化物層は六方晶の結晶構造を有し、前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の界面において隣り合う結晶粒の方位差を測定した時に、ジルコニウムホウ化物の(0001)方位とニオブホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が全観察界面長の50線分%以上であることにより、前記課題を解決する。
【選択図】図3
Description
本発明は、切削時に硬質被覆層中に金属ホウ化物を含有させることで、すぐれた耐熱性を発揮し、耐熱合金の高速断続切削加工においても、長期間に亘りすぐれた耐摩耗性を維持する表面被覆切削工具(以下、被覆工具という)に関するものである。
一般に、被覆工具には、各種の鋼や鋳鉄などの被削材の旋削加工にバイトの先端部に着脱自在に取り付けて用いられるインサートや、前記インサートを着脱自在に取り付けて、面削加工や溝加工、さらに肩加工などに用いられるソリッドタイプのエンドミルと同様に切削加工を行うインサート式エンドミルなどが知られている。
例えば、特許文献1に示されるように、基体表面にAl、Si、Cr、W、Ti、Nb、Zrから選択される1種以上の金属元素からなるホウ化物皮膜を被覆した被覆工具において、該ホウ化物皮膜は六方晶の結晶構造を有し、X線回折において最強回折強度を(001)面に有し、残留圧縮応力が0.1GPa以上であること、さらには、ホウ化物皮膜のX線回折における(001)面の半価幅Hw値が、0.6≦Hw≦1.1であることを特徴とする被覆工具が知られている。
また、特許文献2に示されるように、炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン系サーメットからなる超硬基体の表面に、(a)表面層として0.8〜5μmの平均層厚を有するクロムホウ化物層、(b)耐摩耗硬質層として、組成式:(Ti1−xAlx)N(x=0.40〜0.75)を満足し、0.8〜5μmの平均層厚を有するTiとAlの複合窒化物層、以上(a)および(b)からなる硬質被覆層を物理蒸着してなる表面被覆超硬合金製切削工具が知られている。
また、特許文献2に示されるように、炭化タングステン基超硬合金または炭窒化チタン系サーメットからなる超硬基体の表面に、(a)表面層として0.8〜5μmの平均層厚を有するクロムホウ化物層、(b)耐摩耗硬質層として、組成式:(Ti1−xAlx)N(x=0.40〜0.75)を満足し、0.8〜5μmの平均層厚を有するTiとAlの複合窒化物層、以上(a)および(b)からなる硬質被覆層を物理蒸着してなる表面被覆超硬合金製切削工具が知られている。
近年の切削加工装置の自動化はめざましく、加えて切削加工に対する省力化、省エネ化、低コスト化さらに効率化の要求も強く、これに伴い、高送り、高切り込みなどより高効率の重切削加工が要求される傾向にあるが、前記の従来被覆工具においては、各種の鋼や鋳鉄を通常条件下で切削加工した場合に特段の問題は生じないが、耐熱性と耐摩耗性が要求されるチタン合金等の耐熱合金の被削材の高速断続旋削加工や、高速エンドミル加工に用いた場合には、熱伝導率および耐熱性の不足から切れ刃上の被覆層にクラックが発生しやすく、また、摩耗進行が相対的に速く、また、積層構造の中の密着性が十分でないため皮膜剥離が生じやすく、このため比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、チタン合金等の耐熱合金の高速断続切削加工に用いた場合においても、熱伝導率と耐熱性を維持したまま、すぐれた界面密着性、耐熱性および耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具を提供することである。
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題、すなわち、本発明の目的は、チタン合金等の耐熱合金の高速断続切削加工に用いた場合においても、熱伝導率と耐熱性を維持したまま、すぐれた界面密着性、耐熱性および耐摩耗性を発揮する表面被覆切削工具を提供することである。
そこで、本発明者らは、前述のような観点から、被覆工具の熱伝導率と耐熱性を高め、使用寿命の延命化を図るべく、鋭意研究を行った結果、炭化タングステン基超硬合金焼結体からなる工具基体の上に硬質被覆層を有する表面被覆切削工具において、硬質被覆層が、工具基体上に、直接または、(Ti1−xAlx)N(ただし、X=0.2〜0.7)の成分系からなるTiとAlの複合窒化物層からなる下部層を介して形成された平均層厚0.5〜2.0μmの六方晶の結晶構造を有するジルコニウムホウ化物層と、その上部に形成された平均層厚0.5〜1.0μmの六方晶の結晶構造を有するニオブホウ化物層とからなる合計平均層厚1.0〜3.0μmの積層構造の上部層を有し、かつ、ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の界面において隣り合う結晶粒の結晶方位を測定した時に、ジルコニウムホウ化物層の(0001)方位とニオブホウ化物の(0001)方位がなす角度差が、0〜5度の範囲に存在する界面長が全観察界面長の50線分%以上であることによって、ジルコニウムホウ化物層が有するすぐれた耐欠損性とニオブホウ化物層が有する耐摩耗性および耐熱性とが相乗して作用するとともに両層の密着性が向上するため、切削工具の耐摩耗性および耐欠損性を向上させることができるという知見を得た。
従来の被覆工具の(Ti,Al)N層およびジルコニウムホウ化物層またはニオブホウ化物層からなる硬質被覆層は、例えば、図2に示される物理蒸着装置の1種であるアークイオンプレーティング蒸着源と直流スパッタリング蒸着源を持つ成膜装置に炭化タングステン基超硬合金焼結体からなる工具基体を装着し、例えば、蒸着初期には
装置内加熱温度:300〜500℃、
工具基体に印加する直流バイアス電圧:−30〜−50V、
カソード電極:TiAl合金、
アーク電流値:100〜120A
装置内ガス種:窒素(N2)ガスのみ
装置内ガス圧力:3〜5Pa、
の条件で、(Ti,Al)N層(以下、従来(Ti,Al)N層という)を形成したのち、蒸着後期には
工具基体に印加する直流バイアス電圧:−30V、
カソード電極:ZrB2またはNbB2
蒸着方式:直流(DC)スパッタリング
スパッタリング電力:2〜4kW
装置内ガス種:アルゴン(Ar)ガスのみ
装置内ガス圧力:0.2〜0.6Pa、
の条件で、ジルコニウムホウ化物層またはニオブホウ化物層(以下、従来ジルコニウムホウ化物層または従来ニオブホウ化物層という)を蒸着形成することにより製造されている。
装置内加熱温度:300〜500℃、
工具基体に印加する直流バイアス電圧:−30〜−50V、
カソード電極:TiAl合金、
アーク電流値:100〜120A
装置内ガス種:窒素(N2)ガスのみ
装置内ガス圧力:3〜5Pa、
の条件で、(Ti,Al)N層(以下、従来(Ti,Al)N層という)を形成したのち、蒸着後期には
工具基体に印加する直流バイアス電圧:−30V、
カソード電極:ZrB2またはNbB2
蒸着方式:直流(DC)スパッタリング
スパッタリング電力:2〜4kW
装置内ガス種:アルゴン(Ar)ガスのみ
装置内ガス圧力:0.2〜0.6Pa、
の条件で、ジルコニウムホウ化物層またはニオブホウ化物層(以下、従来ジルコニウムホウ化物層または従来ニオブホウ化物層という)を蒸着形成することにより製造されている。
しかし、本発明者らは、(Ti,Al)N層、ジルコニウムホウ化物層およびニオブホウ化物層からなる硬質被覆層(以下、改質硬質被覆層という)の形成を、例えば、図1に概略説明図で示される物理蒸着装置の1種である高出力パルススパッタリング装置を用いて行った。スパッタ法は、真空チャンバに供給したAr、He、Xeなどのスパッタガスをプラズマ雰囲気中でイオン化し、そのイオンを成膜材料(ターゲット材)で形成されたターゲットに衝突させ、ターゲットからスパッタ粒子(主にターゲット材の原子)を放出させ、放出したスパッタ粒子をイオン化して基材の表面に堆積させて薄膜を形成する方法である。このスパッタ法において、カソードを構成するターゲットに供給するスパッタ電力として、パルス状のスパッタ電力を用いるものをパルススパッタという。
近年、パルス化した大電力をターゲットに投入することによりスパッタ粒子を高率でイオン化する大出力パルススパッタ法が実用化されてきている。このようなパルス化した大電力を用いてスパッタリングを行うパルススパッタ法は、大出力パルススパッタ法やHIPIMS(High Power Impulse Magnetron Sputtering) とも呼ばれている。ターゲットにパルス化した大電力を投入することにより、ターゲットから放出したスパッタ粒子を高率でイオン化することができるため、イオン化が寄与する成膜プロセスに効力を発揮する。例えば、表面摩擦の小さなトライボ膜などの緻密性や結晶性にすぐれた薄膜の成膜、トレンチ(溝)構造や凹面への回り込みが要求される成膜などに好適に用いられる。本発明者らは、このような高出力パルススパッタリング法の特性に着目し、この方法を用いて(Ti,Al)N層の上にジルコニウムホウ化物層、さらにその上にニオブホウ化物層を形成することによって、各々の界面において隣り合う結晶粒の結晶方位が揃った積層構造を形成できることを見出した。
具体的には、装置内に工具基体を装着し、まず、
蒸着源1:TiAl合金ターゲット
バイアス電圧:−1000V
という条件下で、工具基体のボンバード処理を行う。ついで、下部層としての窒化物層の形成を行う際には、
工具基体温度:450℃
蒸発源1:TiAl合金ターゲット
蒸発源1のスパッタリング電力:平均6kW、最大120kW
スパッタリング周波数:40Hz
バイアス電圧:−100V
という条件で行う。ついで、ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の2層積層構造からなるホウ化物層の形成を次の条件で行う。
工具基体温度:450℃、
バイアス電圧:−125V
蒸着源2:ZrB2ターゲット、
蒸着源3:NbB2ターゲット、
蒸着源2、3のスパッタリング電力:平均2kW、
スパッタリング周波数:12Hz、
かつ、ホウ化物ターゲットをスパッタする時のパルス出力の瞬間最大電力が、
(a)パルス初期は120kW、パルス後期は200kWとなる2段階のパルス波形状、
(b)パルス初期は150kW、パルス後期は250kWとなる2段階のパルス波形状、
の2つのパルス波形状を30分周期で切り替える。
この結果形成された窒化物層とホウ化物層またはホウ化物層からなる改質硬質被覆層は、耐摩耗層としての(Ti,Al)Nの(111)方位と潤滑特性にすぐれたジルコニウムホウ化物の(0001)配向組織がきわめて近い傾斜方向に存在するため、下部層と上部層とがすぐれた密着特性を発揮し、工具の耐摩耗性を向上させることができることを見出した。
さらに、ホウ化物層を構成するジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層とが、六方晶構造を有しているため、すぐれた高温硬さ、熱伝導性、耐熱性を発揮するとともに、この2つの層の界面構造をエピタキシャル界面とすることで界面強度を向上させることができる。
さらに、ジルコニウムホウ化物層の(0001)ピークの半価幅およびニオブホウ化物層の(0001)ピークの半価幅が所定の値に含まれる、すなわち、結晶性または結晶子サイズをバランスよく制御することで靭性を向上させ耐欠損性を高めるとともに、耐摩耗性を一段と向上させることができ、すぐれた工具寿命を実現する表面被覆切削工具が得られることを見出した。
蒸着源1:TiAl合金ターゲット
バイアス電圧:−1000V
という条件下で、工具基体のボンバード処理を行う。ついで、下部層としての窒化物層の形成を行う際には、
工具基体温度:450℃
蒸発源1:TiAl合金ターゲット
蒸発源1のスパッタリング電力:平均6kW、最大120kW
スパッタリング周波数:40Hz
バイアス電圧:−100V
という条件で行う。ついで、ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の2層積層構造からなるホウ化物層の形成を次の条件で行う。
工具基体温度:450℃、
バイアス電圧:−125V
蒸着源2:ZrB2ターゲット、
蒸着源3:NbB2ターゲット、
蒸着源2、3のスパッタリング電力:平均2kW、
スパッタリング周波数:12Hz、
かつ、ホウ化物ターゲットをスパッタする時のパルス出力の瞬間最大電力が、
(a)パルス初期は120kW、パルス後期は200kWとなる2段階のパルス波形状、
(b)パルス初期は150kW、パルス後期は250kWとなる2段階のパルス波形状、
の2つのパルス波形状を30分周期で切り替える。
この結果形成された窒化物層とホウ化物層またはホウ化物層からなる改質硬質被覆層は、耐摩耗層としての(Ti,Al)Nの(111)方位と潤滑特性にすぐれたジルコニウムホウ化物の(0001)配向組織がきわめて近い傾斜方向に存在するため、下部層と上部層とがすぐれた密着特性を発揮し、工具の耐摩耗性を向上させることができることを見出した。
さらに、ホウ化物層を構成するジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層とが、六方晶構造を有しているため、すぐれた高温硬さ、熱伝導性、耐熱性を発揮するとともに、この2つの層の界面構造をエピタキシャル界面とすることで界面強度を向上させることができる。
さらに、ジルコニウムホウ化物層の(0001)ピークの半価幅およびニオブホウ化物層の(0001)ピークの半価幅が所定の値に含まれる、すなわち、結晶性または結晶子サイズをバランスよく制御することで靭性を向上させ耐欠損性を高めるとともに、耐摩耗性を一段と向上させることができ、すぐれた工具寿命を実現する表面被覆切削工具が得られることを見出した。
本発明は、前記研究結果に基づいてなされたものであって、
「(1) 炭化タングステン基超硬合金焼結体からなる工具基体の上に硬質被覆層を有する表面被覆切削工具において、
前記硬質被覆層が、工具基体上に、直接または下部層を介して形成された平均層厚0.5〜2.0μmのジルコニウムホウ化物層と、その上部に形成された平均層厚0.5〜1.0μmのニオブホウ化物層とからなる合計平均層厚1.0〜3.0μmの積層構造を有し、かつ、前記各ホウ化物層は六方晶の結晶構造を有し、前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の界面において隣り合う結晶粒の方位差を測定した時に、ジルコニウムホウ化物の(0001)方位とニオブホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が、全観察界面長の50線分%以上であることを特徴とする表面被覆切削工具。
(2) 前記下部層として(Ti1−xAlx)N(ただし、X=0.2〜0.6)の成分系からなる窒化物層が存在する表面被覆切削工具であって、前記窒化物層とジルコニウムホウ化物層との界面において隣り合う結晶粒の方位差を測定した時に、(Ti1−xAlx)Nの(111)方位とジルコニウムホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が、全観察界面長の50線分%以上であることを特徴とする(1)に記載の表面被覆切削工具。
(3) 前記ジルコニウムホウ化物のX線回折により測定した(0001)ピークの半価幅が0.8〜1.5度の範囲に存在し、かつ、前記ニオブホウ化物の(0001)ピークの半価幅が0.6〜1.2度の範囲に存在することを特徴とする(1)または(2)に記載の表面被覆切削工具。
(4) 前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層との界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅が20〜100nmであり、硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅が80〜200nmであり、かつ、前記硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅が前記界面から硬質被覆層表面方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅よりも大きいことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
(5) 前記硬質被覆層の表面から測定された該層の微小押し込み硬さが、4000〜5500kgf/mm2であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
「(1) 炭化タングステン基超硬合金焼結体からなる工具基体の上に硬質被覆層を有する表面被覆切削工具において、
前記硬質被覆層が、工具基体上に、直接または下部層を介して形成された平均層厚0.5〜2.0μmのジルコニウムホウ化物層と、その上部に形成された平均層厚0.5〜1.0μmのニオブホウ化物層とからなる合計平均層厚1.0〜3.0μmの積層構造を有し、かつ、前記各ホウ化物層は六方晶の結晶構造を有し、前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の界面において隣り合う結晶粒の方位差を測定した時に、ジルコニウムホウ化物の(0001)方位とニオブホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が、全観察界面長の50線分%以上であることを特徴とする表面被覆切削工具。
(2) 前記下部層として(Ti1−xAlx)N(ただし、X=0.2〜0.6)の成分系からなる窒化物層が存在する表面被覆切削工具であって、前記窒化物層とジルコニウムホウ化物層との界面において隣り合う結晶粒の方位差を測定した時に、(Ti1−xAlx)Nの(111)方位とジルコニウムホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が、全観察界面長の50線分%以上であることを特徴とする(1)に記載の表面被覆切削工具。
(3) 前記ジルコニウムホウ化物のX線回折により測定した(0001)ピークの半価幅が0.8〜1.5度の範囲に存在し、かつ、前記ニオブホウ化物の(0001)ピークの半価幅が0.6〜1.2度の範囲に存在することを特徴とする(1)または(2)に記載の表面被覆切削工具。
(4) 前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層との界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅が20〜100nmであり、硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅が80〜200nmであり、かつ、前記硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅が前記界面から硬質被覆層表面方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅よりも大きいことを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
(5) 前記硬質被覆層の表面から測定された該層の微小押し込み硬さが、4000〜5500kgf/mm2であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の表面被覆切削工具。」
に特徴を有するものである。
本発明について、以下に詳細に説明する。
既に述べたように、本発明は、例えば、図1に概略説明図で示される高出力パルススパッタリング装置を用いて、装置内に炭化タングステン基超硬合金焼結体からなる工具基体を装着し、例えば、
蒸着源1:TiAl合金ターゲット
バイアス電圧:−1000V
という条件下で、工具基体のボンバード処理を行う。ついで、下部層としての窒化物層の形成を行う際には、
工具基体温度:400〜450℃
蒸発源1:TiAl合金ターゲット
蒸発源1のスパッタリング電力:平均7〜8kW、最大120kW
スパッタリング周波数:40Hz
バイアス電圧:−90〜−100V
装置内ガス種:窒素(N2)ガス:アルゴン(Ar)ガス=流量比で70:30〜80:20
装置内ガス圧力:0.3〜0.5Pa、
という条件下で蒸着を行い、工具基体上に(Ti,Al)N層(下部層)を蒸着する。
ついで、ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の積層からなるホウ化物層の形成を、例えば、次のような条件で行う。
工具基体温度:400〜450℃、
バイアス電圧:−110〜−130V
蒸着源2:ZrB2ターゲット、
蒸着源3:NbB2ターゲット、
蒸着源2、3のスパッタリング電力:平均2〜4kW、
スパッタリング周波数:12Hz、
装置内ガス種:アルゴン(Ar)ガス、
装置内ガス圧力:0.3〜0.4Pa、
かつ、ホウ化物ターゲットをスパッタする時のパルス出力の瞬間最大電力が、
(a)パルス初期は120kW、パルス後期は200kWとなる2段階のパルス波形状、
(b)パルス初期は150kW、パルス後期は250kWとなる2段階のパルス波形状、
の2つのパルス波形状を30分周期で切り替える。
このような蒸着方法により、ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の積層からなるホウ化物層を形成することにより、界面構造をエピタキシャル界面とすることができるため、界面強度を向上させることができる。
さらに、ジルコニウムホウ化物のX線回折における(0001)ピークの半価幅が0.8〜1.5度の範囲に入るようにジルコニウムホウ化物を微細化することで、靭性をより向上させ耐欠損性を向上させることができるとともに、ニオブホウ化物のX線回折における(0001)ピークの半価幅が0.6〜1.2度の範囲に入るようにニオブホウ化物を粗粒で高結晶性のものにすることで、すぐれた耐摩耗性を発揮させることができる。
既に述べたように、本発明は、例えば、図1に概略説明図で示される高出力パルススパッタリング装置を用いて、装置内に炭化タングステン基超硬合金焼結体からなる工具基体を装着し、例えば、
蒸着源1:TiAl合金ターゲット
バイアス電圧:−1000V
という条件下で、工具基体のボンバード処理を行う。ついで、下部層としての窒化物層の形成を行う際には、
工具基体温度:400〜450℃
蒸発源1:TiAl合金ターゲット
蒸発源1のスパッタリング電力:平均7〜8kW、最大120kW
スパッタリング周波数:40Hz
バイアス電圧:−90〜−100V
装置内ガス種:窒素(N2)ガス:アルゴン(Ar)ガス=流量比で70:30〜80:20
装置内ガス圧力:0.3〜0.5Pa、
という条件下で蒸着を行い、工具基体上に(Ti,Al)N層(下部層)を蒸着する。
ついで、ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の積層からなるホウ化物層の形成を、例えば、次のような条件で行う。
工具基体温度:400〜450℃、
バイアス電圧:−110〜−130V
蒸着源2:ZrB2ターゲット、
蒸着源3:NbB2ターゲット、
蒸着源2、3のスパッタリング電力:平均2〜4kW、
スパッタリング周波数:12Hz、
装置内ガス種:アルゴン(Ar)ガス、
装置内ガス圧力:0.3〜0.4Pa、
かつ、ホウ化物ターゲットをスパッタする時のパルス出力の瞬間最大電力が、
(a)パルス初期は120kW、パルス後期は200kWとなる2段階のパルス波形状、
(b)パルス初期は150kW、パルス後期は250kWとなる2段階のパルス波形状、
の2つのパルス波形状を30分周期で切り替える。
このような蒸着方法により、ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の積層からなるホウ化物層を形成することにより、界面構造をエピタキシャル界面とすることができるため、界面強度を向上させることができる。
さらに、ジルコニウムホウ化物のX線回折における(0001)ピークの半価幅が0.8〜1.5度の範囲に入るようにジルコニウムホウ化物を微細化することで、靭性をより向上させ耐欠損性を向上させることができるとともに、ニオブホウ化物のX線回折における(0001)ピークの半価幅が0.6〜1.2度の範囲に入るようにニオブホウ化物を粗粒で高結晶性のものにすることで、すぐれた耐摩耗性を発揮させることができる。
さらに、耐摩耗性をより向上させるために工具基体上に耐摩耗層としての複合窒化物層、すなわち、(Ti,Al)Nからなる下部層を形成した場合には、この(Ti,Al)Nの(111)方位と耐欠損性にすぐれているジルコニウムホウ化物の(0001)方位とをきわめて近い傾斜方向とすることができ、その結果、界面構造をエピタキシャル界面とすることができるため下部層と上部層とのすぐれた密着性を発揮し、工具の耐摩耗性特性を一段と向上させることができる。
また、硬質被覆層の表面の硬さを所定の値に制御することにより、一層、すぐれた工具寿命を実現することに成功した。
そして、前記の理由は以下に述べるような、改質硬質被覆層の特異な結晶質相と強い関連性を有する。
前述のような高出力パルススパッタリング法で形成された改質硬質被覆層について、上部層を構成するジルコニウムホウ化物とニオブホウ化物との界面において隣り合う結晶粒の方位差を電子後方散乱回折装置によって測定した時に、ジルコニウムホウ化物の(0001)方位とニオブホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が全観察界面長の50線分%以上であることが密着性を向上させるためのキーファクターであることを見出した。すなわち、上部層のジルコニウムホウ化物とニオブホウ化物とが、その界面において結晶学的な整合性が高い、すなわち、六方晶構造であるジルコニウムホウ化物の最密面であり6回回転軸を持つ(0001)面と、同じく六方晶構造であるニオブホウ化物の最密面であり6回回転軸を持つ(0001)面とが平行な方位関係を有して成長していることが、密着性の向上に寄与しているという新規な知見を得た。逆に前記の関係を満たすように結晶方位を制御して上部層を成膜することによって2層構造でありながら密着性にすぐれているというきわめて有用性の高い膜を再現性よく成膜することに成功した。
ここで角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長の全観察界面長に対する線分割合は、成膜温度と、目標とする皮膜組成、平均スパッタリング電力を適切に調整することによって所定の範囲に制御することが出来ることを幾多の実験を繰り返すことによって突き止めた。
ここで角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長の全観察界面長に対する線分割合は、成膜温度と、目標とする皮膜組成、平均スパッタリング電力を適切に調整することによって所定の範囲に制御することが出来ることを幾多の実験を繰り返すことによって突き止めた。
さらに本発明者らは、下部層として(Ti,Al)N層を形成した場合に、この(Ti,Al)N層と上部層のジルコニウムホウ化物層との界面において、電子後方散乱回折装置を用いて(Ti,Al)Nの(111)方位とジルコニウムホウ化物の(0001)方位を測定し、その角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長を測定したところ、全観察界面長に対する割合が50線分%以上であるものは、特に密着性にすぐれていることを見出した。すなわち、下部層と上部層とがその界面において結晶学的な整合性が高い、すなわち、岩塩形構造である(Ti,Al)Nの最密面であり、6回回転軸を持つ(111)面と、六方晶構造であるジルコニウムホウ化物の最密面であり、同じく6回回転軸を持つ(0001)面とが平行となる方位関係を有して成長していることが、密着性の向上に寄与していることを見出した。
さらに、ジルコニウムホウ化物の(0001)方位の半値幅が0.8〜1.5度に存在し、ニオブホウ化物の(0001)方位の半値幅が0.6〜1.2度に存在するとき、結晶性および結晶子サイズがバランスよく制御され、耐摩耗性を高めたまま耐欠損性を向上させることができることを見出した。
つぎに、本発明における数値範囲の限定理由について説明する。
(a)ジルコニウムホウ化物層の平均層厚を0.5〜2.0μmに限定した理由は、0.5μmを下回ると被膜の持つ耐熱性が十分に発揮されず、2.0μmを超えると圧縮応力の増加によりチッピングしやすくなるからである。
(b)ニオブホウ化物層の平均層厚を0.5〜1.0μmに限定した理由は、0.5μmを下回ると被膜の持つ耐熱性が十分に発揮されず、1.0μmを超えると粒が粗大になりすぎてチッピングしやすくなるからである。
ここで、ジルコニウムホウ化物層およびニオブホウ化物層の平均層厚は、成膜時間を適切に調整することにより所定の範囲に制御することが出来る。
(c)ホウ化物層の合計平均層厚を1.0〜3.0μmに限定した理由は、1.0μmを下回ると耐摩耗性が不十分であり、3.0μmを超えると圧縮応力の増加によりチッピングしやすくなるからである。
(d)ホウ化物界面での(0001)方位のなす方位差を0〜5度に限定した理由は、5度を超えると2つの層の界面における方位整合性が悪く十分な界面強度が得られないからである。
(e)ジルコニウムホウ化物の(0001)方位の半値幅が0.8を下回ると耐欠損性を発揮する低結晶性領域が少なすぎるため好ましくなく、1.5を超えると結晶性が悪すぎる箇所が存在し、全体として耐摩耗性が低下するため好ましくない。
(f)ニオブホウ化物の(0001)方位の半値幅が0.6を下回ると結晶性が高すぎる箇所が存在し全体の耐欠損性が得られないため好ましくなく、1.2を超えると結晶性が悪すぎる箇所が存在し、耐摩耗性を十分に維持することができないため好ましくない。
(g)ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層との界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅が20nm未満では、結晶粒の強度が極端に落ち、せん断応力によって破壊されやすくなるため好ましくなく、100nmを超えると結晶粒が大きくなりすぎ靭性を発揮できないため好ましくない。
(h)硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅が80nm未満では、結晶性ニオブホウ化物が持つ強度を十分に発揮できないため好ましくなく、200nmを超えると結晶粒が粗大になりすぎ、最低限の耐欠損性を発揮できないため好ましくない。しかも、その粒径幅は、界面から硬質被覆層表面方向に100nmの位置における粒径幅よりも大きいことが好ましい。これ理由は、このように制御することにより、結果として硬質被覆層表面に近いほど結晶質が増えることとなり、これが、耐摩耗性を向上させるためである。
(i)硬質被覆層の表面から測定された該層の微小押し込み硬さが、4000kgf/mm2を下回ると塑性変形しやすくなり、5500kgf/mm2を超えると脆性が著しく高くなるため、欠損の原因となるため好ましくない。
(j)また、下部層の(Ti,Al)NのTiとAlの合量に占めるAlの含有比率xをx=0.2〜0.6に限定した理由は、0.6を超えると、高い靭性を有する立方晶型結晶構造をとらず六方晶型結晶構造へ変化し強度が低下するとともに、同時に相対的にTiの含有割合が減少し、高温特性が低下するからである。一方、0.2を下回ると、所定の高温硬さを確保することができず、これが耐摩耗性低下の原因となる。したがって、Alの含有比率xをx=0.2〜0.6に限定した。ここで、下部層の(Ti,Al)NのAlの含有比率xは、使用する合金ターゲットの組成を適切に調整することにより制御することが出来る。
(a)ジルコニウムホウ化物層の平均層厚を0.5〜2.0μmに限定した理由は、0.5μmを下回ると被膜の持つ耐熱性が十分に発揮されず、2.0μmを超えると圧縮応力の増加によりチッピングしやすくなるからである。
(b)ニオブホウ化物層の平均層厚を0.5〜1.0μmに限定した理由は、0.5μmを下回ると被膜の持つ耐熱性が十分に発揮されず、1.0μmを超えると粒が粗大になりすぎてチッピングしやすくなるからである。
ここで、ジルコニウムホウ化物層およびニオブホウ化物層の平均層厚は、成膜時間を適切に調整することにより所定の範囲に制御することが出来る。
(c)ホウ化物層の合計平均層厚を1.0〜3.0μmに限定した理由は、1.0μmを下回ると耐摩耗性が不十分であり、3.0μmを超えると圧縮応力の増加によりチッピングしやすくなるからである。
(d)ホウ化物界面での(0001)方位のなす方位差を0〜5度に限定した理由は、5度を超えると2つの層の界面における方位整合性が悪く十分な界面強度が得られないからである。
(e)ジルコニウムホウ化物の(0001)方位の半値幅が0.8を下回ると耐欠損性を発揮する低結晶性領域が少なすぎるため好ましくなく、1.5を超えると結晶性が悪すぎる箇所が存在し、全体として耐摩耗性が低下するため好ましくない。
(f)ニオブホウ化物の(0001)方位の半値幅が0.6を下回ると結晶性が高すぎる箇所が存在し全体の耐欠損性が得られないため好ましくなく、1.2を超えると結晶性が悪すぎる箇所が存在し、耐摩耗性を十分に維持することができないため好ましくない。
(g)ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層との界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅が20nm未満では、結晶粒の強度が極端に落ち、せん断応力によって破壊されやすくなるため好ましくなく、100nmを超えると結晶粒が大きくなりすぎ靭性を発揮できないため好ましくない。
(h)硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅が80nm未満では、結晶性ニオブホウ化物が持つ強度を十分に発揮できないため好ましくなく、200nmを超えると結晶粒が粗大になりすぎ、最低限の耐欠損性を発揮できないため好ましくない。しかも、その粒径幅は、界面から硬質被覆層表面方向に100nmの位置における粒径幅よりも大きいことが好ましい。これ理由は、このように制御することにより、結果として硬質被覆層表面に近いほど結晶質が増えることとなり、これが、耐摩耗性を向上させるためである。
(i)硬質被覆層の表面から測定された該層の微小押し込み硬さが、4000kgf/mm2を下回ると塑性変形しやすくなり、5500kgf/mm2を超えると脆性が著しく高くなるため、欠損の原因となるため好ましくない。
(j)また、下部層の(Ti,Al)NのTiとAlの合量に占めるAlの含有比率xをx=0.2〜0.6に限定した理由は、0.6を超えると、高い靭性を有する立方晶型結晶構造をとらず六方晶型結晶構造へ変化し強度が低下するとともに、同時に相対的にTiの含有割合が減少し、高温特性が低下するからである。一方、0.2を下回ると、所定の高温硬さを確保することができず、これが耐摩耗性低下の原因となる。したがって、Alの含有比率xをx=0.2〜0.6に限定した。ここで、下部層の(Ti,Al)NのAlの含有比率xは、使用する合金ターゲットの組成を適切に調整することにより制御することが出来る。
本発明の被覆工具は、炭化タングステン基超硬合金焼結体からなる工具基体の上に硬質被覆層を有する表面被覆切削工具において、硬質被覆層が、工具基体上に、直接または下部層を介して形成された平均層厚0.5〜2.0μmのジルコニウムホウ化物層の上部に平均層厚0.5〜1.0μmのニオブホウ化物層が被覆された合計平均層厚が1.0〜3.0μmの積層構造を有し、かつ、各ホウ化物層は六方晶の結晶構造を有し、ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の界面において隣り合う結晶粒の方位差を測定した時に、ジルコニウムホウ化物の(0001)方位とニオブホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が全観察界面長の50線分%以上であることによって、硬質被覆層中の下地層にジルコニウムホウ化物、表面層にニオブホウ化物が含まれていることで、ホウ化物の2層積層からなる上部皮膜層全体ですぐれた硬さ、熱伝導性、耐熱性を発揮するとともに、六方晶構造を有する各ホウ化物層の界面構造をエピタキシャル界面とすることで界面強度を向上させることができる。
さらに、硬質被覆層の下地層であるジルコニウムホウ化物が、X線回折における半値幅が0.8度以上1.5度以下となる微細組織を有することにより、靭性と耐欠損性を向上させるとともに、表面層であるニオブホウ化物が、X線回折における半値幅が0.6度以上1.2度以下となる粗粒で高結晶性の組織を有することで、すぐれた耐摩耗性を発揮する。
さらに、前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層との界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅が20〜100nmであることにより、さらに過酷な高速断続切削加工においてもすぐれた耐欠損性を発揮するとともに、硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅が80〜200nmであることにより、過酷な高速断続切削加工においてもすぐれた耐摩耗性を発揮する。さらに、前記硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅がホウ化物層間界面から硬質被覆層表面方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅よりも大きいことにより、表面側から進展する亀裂が層中に進展するにしたがって分散し、すぐれた耐欠損性を発揮する。
さらに、耐摩耗性を維持するために必要に応じて形成されるTiとAlの複合窒化物からなる下部層ともエピタキシャル界面を形成させることで、下部層とのすぐれた密着性を発揮し、工具の耐摩耗性を一段と向上させることができる。
さらに、硬質被覆層の表面が高い硬さを有することで、すぐれた工具寿命を実現する表面被覆切削工具を提供することができる。
さらに、硬質被覆層の下地層であるジルコニウムホウ化物が、X線回折における半値幅が0.8度以上1.5度以下となる微細組織を有することにより、靭性と耐欠損性を向上させるとともに、表面層であるニオブホウ化物が、X線回折における半値幅が0.6度以上1.2度以下となる粗粒で高結晶性の組織を有することで、すぐれた耐摩耗性を発揮する。
さらに、前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層との界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅が20〜100nmであることにより、さらに過酷な高速断続切削加工においてもすぐれた耐欠損性を発揮するとともに、硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅が80〜200nmであることにより、過酷な高速断続切削加工においてもすぐれた耐摩耗性を発揮する。さらに、前記硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅がホウ化物層間界面から硬質被覆層表面方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅よりも大きいことにより、表面側から進展する亀裂が層中に進展するにしたがって分散し、すぐれた耐欠損性を発揮する。
さらに、耐摩耗性を維持するために必要に応じて形成されるTiとAlの複合窒化物からなる下部層ともエピタキシャル界面を形成させることで、下部層とのすぐれた密着性を発揮し、工具の耐摩耗性を一段と向上させることができる。
さらに、硬質被覆層の表面が高い硬さを有することで、すぐれた工具寿命を実現する表面被覆切削工具を提供することができる。
つぎに、本発明の被覆工具を実施例により具体的に説明する。
なお、ここでは被覆インサートと被覆エンドミルを中心にして説明するが、本発明が対象とする被覆工具は、これらに限らず、被覆ドリル等の各種の被覆工具に適用できるものである。
なお、ここでは被覆インサートと被覆エンドミルを中心にして説明するが、本発明が対象とする被覆工具は、これらに限らず、被覆ドリル等の各種の被覆工具に適用できるものである。
原料粉末として、いずれも0.8〜3.0μmの平均粒径を有するWC粉末、Co粉末、TiC粉末、TaC粉末、Cr3 C2 粉末、VC粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、100MPaの圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を6Paの真空中、温度:1400℃に1時間保持の条件で焼結し、焼結後、切刃部分にR:0.03のホーニング加工を施してISO規格・CNMG120408のインサート形状をもった炭化タングステン基超硬合金焼結体製のインサート用の工具基体A1〜A4を形成した。
同様に、原料粉末として、いずれも0.8〜3.0μmの平均粒径を有するWC粉末、Co粉末、TiC粉末、TaC粉末、Cr3 C2 粉末、VC粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ表2に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、所定形状の各種の圧粉体に押し出し成形した後、これらの圧粉体を、6Paの真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度に1時間保持後、炉冷の条件で焼結して、直径が8mmの基体形成用丸棒焼結体を形成し、さらに前記の丸棒焼結体から、研削加工にて切刃部の直径×長さが6mm×15mmの寸法をもったボールタイプのエンドミル用の工具基体B1〜B4を製造した。
同様に、原料粉末として、いずれも0.8〜3.0μmの平均粒径を有するWC粉末、Co粉末、TiC粉末、TaC粉末、Cr3 C2 粉末、VC粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ表2に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、所定形状の各種の圧粉体に押し出し成形した後、これらの圧粉体を、6Paの真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度に1時間保持後、炉冷の条件で焼結して、直径が8mmの基体形成用丸棒焼結体を形成し、さらに前記の丸棒焼結体から、研削加工にて切刃部の直径×長さが6mm×15mmの寸法をもったボールタイプのエンドミル用の工具基体B1〜B4を製造した。
ついで、前記インサート用の工具基体A1〜A4およびエンドミル用の工具基体B1〜B4(以下、「工具基体」という)を、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、図1に示される高出力パルススパッタリング装置に装着し、ターゲット電極として、TiAl合金およびZrB2、NbB2装着し、まず、装置内を排気して6.0×10−3Pa以下の真空に保持しながらヒーターで装置内を400℃に加熱した後、工具基体に−1000Vの直流バイアス電圧を印加した状態で、TiAl合金に高出力パルススパッタ電源から平均8kW、最大120kW、スパッタリング周期40Hzのパルス状のスパッタ電力を供給し、装置内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、スパッタガスのイオンをTiAl合金に衝突させてTi粒子およびAl粒子を放出させ、これらの粒子をイオン化して、もって工具基体表面をTiおよびAlイオンによって、30分間ボンバード処理をした。
ついで、装置内を一旦1×10−3Pa程度の真空にした後、表3および表4に示す条件で、所定の温度に加熱した後、装置内に窒素ガスおよびArガスを導入し所定の圧力に保ち、TiAl合金に高出力パルススパッタ電源から平均7〜8kW、最大120kW、スパッタリング周期40Hzのパルス状のスパッタ電力を供給し、装置内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、スパッタガスのイオンをTiAl合金に衝突させてTi粒子およびAl粒子を放出させ、これらの粒子をイオン化して、工具基体に所定のバイアス電圧をかけながら工具基体表面に、表3および表4に示される所定のスパッタ時間、(Ti,Al)N層の下部層をスパッタ形成する。
引き続き、同じく表3および表4に示す条件で、装置内にArガスを導入し所定の圧力に保ち、ZrB2に高出力パルススパッタ電源から平均2〜3kW、スパッタリング周期12Hzのパルス状のスパッタ電力を供給し、装置内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、スパッタガスのイオンをZrB2に衝突させてZrB2粒子を放出させ、これらの粒子をイオン化して、工具基体に所定のバイアス電圧をかけながら工具基体表面に、表3および表4に示される所定のスパッタ時間、ジルコニウムホウ化物をスパッタ形成した後、同じく表3および表4に示す条件で、装置内にArガスを導入し所定の圧力に保ち、NbB2に高出力パルススパッタ電源から平均2〜3kW、スパッタリング周期12Hzのパルス状のスパッタ電力を供給し、装置内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、スパッタガスのイオンをNbB2に衝突させてNbB2粒子を放出させ、これらの粒子をイオン化して、工具基体に所定のバイアス電圧をかけながらジルコニウムホウ化物層の上部に、表3および表4に示される所定のスパッタ時間、ニオブホウ化物をスパッタ形成することにより、工具基体上に直接または下部層を介して、ジルコニウムホウ化物層の上部にニオブホウ化物層が被覆された積層構造を有する改質硬質被覆層を有する本発明被覆工具としての本発明インサート(以下、本発明インサートという)1〜14および本発明エンドミル(以下、本発明エンドミルという)1〜6を製造した。
なお、表3および表4に、本発明インサート1〜14および本発明エンドミル1〜6の改質硬質被覆層の形成条件である高出力パルススパッタリングの各種条件をそれぞれ示す。
ついで、装置内を一旦1×10−3Pa程度の真空にした後、表3および表4に示す条件で、所定の温度に加熱した後、装置内に窒素ガスおよびArガスを導入し所定の圧力に保ち、TiAl合金に高出力パルススパッタ電源から平均7〜8kW、最大120kW、スパッタリング周期40Hzのパルス状のスパッタ電力を供給し、装置内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、スパッタガスのイオンをTiAl合金に衝突させてTi粒子およびAl粒子を放出させ、これらの粒子をイオン化して、工具基体に所定のバイアス電圧をかけながら工具基体表面に、表3および表4に示される所定のスパッタ時間、(Ti,Al)N層の下部層をスパッタ形成する。
引き続き、同じく表3および表4に示す条件で、装置内にArガスを導入し所定の圧力に保ち、ZrB2に高出力パルススパッタ電源から平均2〜3kW、スパッタリング周期12Hzのパルス状のスパッタ電力を供給し、装置内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、スパッタガスのイオンをZrB2に衝突させてZrB2粒子を放出させ、これらの粒子をイオン化して、工具基体に所定のバイアス電圧をかけながら工具基体表面に、表3および表4に示される所定のスパッタ時間、ジルコニウムホウ化物をスパッタ形成した後、同じく表3および表4に示す条件で、装置内にArガスを導入し所定の圧力に保ち、NbB2に高出力パルススパッタ電源から平均2〜3kW、スパッタリング周期12Hzのパルス状のスパッタ電力を供給し、装置内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、スパッタガスのイオンをNbB2に衝突させてNbB2粒子を放出させ、これらの粒子をイオン化して、工具基体に所定のバイアス電圧をかけながらジルコニウムホウ化物層の上部に、表3および表4に示される所定のスパッタ時間、ニオブホウ化物をスパッタ形成することにより、工具基体上に直接または下部層を介して、ジルコニウムホウ化物層の上部にニオブホウ化物層が被覆された積層構造を有する改質硬質被覆層を有する本発明被覆工具としての本発明インサート(以下、本発明インサートという)1〜14および本発明エンドミル(以下、本発明エンドミルという)1〜6を製造した。
なお、表3および表4に、本発明インサート1〜14および本発明エンドミル1〜6の改質硬質被覆層の形成条件である高出力パルススパッタリングの各種条件をそれぞれ示す。
比較の目的で、前記工具基体A1〜A4およびB1〜B4を、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、図2に示されるアークイオンプレーティング蒸着源およびスパッタリング蒸着源をもつ成膜装置に装着し、アークイオンプレーティング蒸着源のカソード電極としてTiAl合金を、また、スパッタリング蒸着源のカソード電極としてZrB2、NbB2装着し、まず、装置内を排気して6.0×10−3Pa以下の真空に保持しながらヒーターで装置内を400℃に加熱した後、TiAl合金に100Aの放電電流を流しアーク放電させ装置内にTiおよびAlイオンを発生させ、工具基体に−1000Vのバイアス電圧を印加することによって、前記工具基体を10分間TiおよびAlボンバード処理し、ついで、装置内を一旦1×10−3Pa程度の真空にした後、表5および表6に示す条件で、窒素ガスを導入し4Paに保ち、TiAl合金に100〜120Aのアーク電流を流しTiおよびAlのイオンを発生させ、工具基体に所定のバイアス電圧をかけながら工具基体表面に、表5および表6に示される所定の蒸着時間、(Ti,Al)N層からなる下部層を蒸着形成し、ついで、表5および表6に示す条件で、Arガスを導入し所定の圧力に保ち、ZrB2にスパッタリング用電源から平均2〜4kWの直流の電力を投入しスパッタリングによりZrB2のイオンを発生させ、工具基体に所定のバイアス電圧をかけながら工具基体表面に、表5および表6に示される所定のスパッタ時間、ジルコニウムホウ化物をスパッタ形成した後、同じく表5および表6に示す条件で、装置内にArガスを導入し所定の圧力に保ち、NbB2にスパッタリング用電源から平均2〜3kWの直流の電力を供給しスパッタリングによりNbB2のイオンを発生させ、工具基体に所定のバイアス電圧をかけながらジルコニウムホウ化物層の上部に、表5および表6に示される所定のスパッタ時間、ニオブホウ化物をスパッタ形成することにより、工具基体上に直接または下部層を介して、ジルコニウムホウ化物層の上部にニオブホウ化物層が被覆された積層構造を有する従来硬質被覆層を有する従来被覆工具としての従来表面被覆インサート(以下、従来インサートという)1〜10および従来表面被覆エンドミル(以下、従来エンドミルという)1〜6を製造した。
なお、表5および表6には、従来インサート1〜10および従来エンドミル1〜6の従来硬質被覆層の形成条件であるアークイオンプレーティングおよびスパッタリングの各種条件を示す。
なお、表5および表6には、従来インサート1〜10および従来エンドミル1〜6の従来硬質被覆層の形成条件であるアークイオンプレーティングおよびスパッタリングの各種条件を示す。
つぎに、本発明インサート1〜14および従来インサート1〜10について、これを工具鋼製バイトの先端部に固定治具にてネジ止めした状態で、
被削材: Ti−6Al−4V合金、縦方向8本溝入り材
切削速度: 70m/min.、
切り込み: 1.0mm、
送り: 0.15mm/rev.、
切削時間: 2分、
の条件(切削条件1という)でのチタン基耐熱合金の高速断続切削加工試験(通常の切削速度および送りは60m/min.)、
被削材: Ni−15Cr−8Fe合金、縦方向8本溝入り材
切削速度: 60m/min.、
切り込み: 1.0mm、
送り: 0.15mm/rev.、
切削時間: 2分、
の条件(切削条件2という)でのニッケル基耐熱合金の高速断続切削加工試験(通常の速度は、50m/min.)、
を行い、いずれの切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表11に示した。
被削材: Ti−6Al−4V合金、縦方向8本溝入り材
切削速度: 70m/min.、
切り込み: 1.0mm、
送り: 0.15mm/rev.、
切削時間: 2分、
の条件(切削条件1という)でのチタン基耐熱合金の高速断続切削加工試験(通常の切削速度および送りは60m/min.)、
被削材: Ni−15Cr−8Fe合金、縦方向8本溝入り材
切削速度: 60m/min.、
切り込み: 1.0mm、
送り: 0.15mm/rev.、
切削時間: 2分、
の条件(切削条件2という)でのニッケル基耐熱合金の高速断続切削加工試験(通常の速度は、50m/min.)、
を行い、いずれの切削加工試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表11に示した。
同様に、本発明エンドミル1〜6および従来エンドミル1〜6については、
被削材: 平面寸法:150mm×250mm 厚さ:50mmのTi−6Al−4V合金の板材、
工具回転速度:13000min.−1、
深さ切り込み:0.6mm、
横切り込み:1.0mm、
テーブル送り:0.12mm/rev.、
の条件でのチタン合金の湿式高速切削加工試験(通常の工具回転速度は10000min.−1)を行い、切刃部逃げ面摩耗幅を10mの切削長ごとに測定し、前記摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.20mmを超えるまでの切削溝長を測定した。この測定結果を表12に示した。
被削材: 平面寸法:150mm×250mm 厚さ:50mmのTi−6Al−4V合金の板材、
工具回転速度:13000min.−1、
深さ切り込み:0.6mm、
横切り込み:1.0mm、
テーブル送り:0.12mm/rev.、
の条件でのチタン合金の湿式高速切削加工試験(通常の工具回転速度は10000min.−1)を行い、切刃部逃げ面摩耗幅を10mの切削長ごとに測定し、前記摩耗幅が使用寿命の目安とされる0.20mmを超えるまでの切削溝長を測定した。この測定結果を表12に示した。
次に、本発明インサート1〜14および本発明エンドミル1〜6の改質硬質被覆層、ならびに、従来インサート1〜10および従来エンドミル1〜6の従来硬質被覆層について、CuターゲットをX線源としたX線回折装置を用いて、θ−2θ法により、上部層および下部層において、(Ti,Al)Nの(111)ピークの半価幅およびジルコニウムホウ化物の(0001)ピークの半価幅を測定した。
さらに、本発明インサート1〜14および本発明エンドミル1〜6の改質硬質被覆層、ならびに、従来インサート1〜10および従来エンドミル1〜6の従来硬質被覆層の組成および各被覆層を構成する結晶粒子の結晶方位を測定する目的で、本発明インサート1〜14および従来インサート1〜10を工具先端から2mmの位置で切断し、また同様に、本発明エンドミル1〜6および従来エンドミル1〜6を工具先端から2mmの位置で切断し、得られた各工具の断面をArイオンによるイオンエッチングにより精密研磨した。さらに、得られた各被覆層の研磨面を断面方向から観察し各層の平均層厚(5点を測って平均値をとる)を測定するとともに、エネルギー分散型X線分光分析装置(EDS装置)により各層の化学組成を分析したところ、いずれの被覆層においても、目標層厚および目標組成と実質的に同じ平均層厚および化学組成を示した。
さらに、各被覆層の研磨面を断面方向から、走査型電子顕微鏡を用いて、断面の結晶粒組織を観察した。すなわち、高さ3μm×幅4μmの観察領域を、上部層(下地層と表面層を含む)の層厚領域が含まれるように設定し、前記領域を例えば5万倍の倍率で、複数の視野に分割して観察し、それらの像を繋ぎ合わせることで上部層の結晶粒組織の像を得た。ついで、領域の両端点におけるジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の境界点を直線で結んだ線を皮膜間の略界面、領域の両端点における硬質被覆層の最表面の境界点を直線で結んだ線を硬質被覆層表面とし、皮膜間の略界面と並行に、皮膜間の略界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅と、硬質被覆層表面と並行に、硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅を測定した。具体的には、前記皮膜間の略界面と並行に、皮膜間の略界面から工具基体方向に100nmの位置にひいた線分を、ジルコニウムホウ化物結晶粒の結晶粒界が分断する長さを計測し、その平均値を、「前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層との界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅」とし、同様に、前記硬質被覆層表面と並行に、硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置にひいた線分を、ニオブホウ化物結晶粒の結晶粒界が分断する長さを平均した数値を、「硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅」とし、同様に、前記皮膜間の略界面と並行に、皮膜間の略界面から被覆層の表面方向に100nmの位置にひいた線分を、ニオブホウ化物結晶粒の結晶粒界が分断する長さを平均した数値を、「界面から硬質被覆層表面方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅」とした。なお、観察時の顕微鏡倍率については、結晶粒の粒界が認識できる程度の倍率、明るさ、コントラストであることが必要であるが、当業者であれば、その調整は容易である。また、より高い倍率で、より多くの視野に分割して観察し、それぞれの像を繋ぎ合わせることにより像を得てもよいが、高すぎる倍率はかえって分解能が悪くなるため、1万倍〜数万倍程度が望ましい。
さらに、各被覆層の研磨面を断面方向から、電子線後方散乱回折装置(EBSD装置)を用いて(Ti,Al)N層とジルコニウムホウ化物層の結晶方位を、上部層と下部層の間の界面の略平面線を中心として縦1μm×幅10μmの範囲に亘って測定し、隣接する(Ti,Al)Nとジルコニウムホウ化物について、(Ti,Al)Nの(111)と、ジルコニウムホウ化物の(0001)がなす角度差のうち最小の数値が0〜5度となるよう形成された界面を抽出し、その合計長さが観察範囲に存在する界面長に対する割合を計測した。
さらに、各被覆層の研磨面を断面方向から、電子線後方散乱回折装置(EBSD装置)を用いてジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の結晶方位を、ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の間の界面の略平面線を中心として縦1μm×幅10μmの範囲に亘って測定し、隣接するジルコニウムホウ化物とニオブホウ化物について、ニオブホウ化物の(0001)と、ジルコニウムホウ化物の(0001)がなす角度差のうち最小の数値が0〜5度となるよう形成された界面を抽出し、その合計長さの全観察範囲に存在する界面長に対する割合を計測した。
さらに、各被覆層の表面から、先端の曲率半径が50μmのバーコビッチ型形状を有するダイヤモンド圧子が設置された微小押し込み硬さ試験機を用いて圧子荷重200mgfで微小押し込み硬さを測定した。
その結果を表7、表8、表9、表10に示す。
さらに、本発明インサート1〜14および本発明エンドミル1〜6の改質硬質被覆層、ならびに、従来インサート1〜10および従来エンドミル1〜6の従来硬質被覆層の組成および各被覆層を構成する結晶粒子の結晶方位を測定する目的で、本発明インサート1〜14および従来インサート1〜10を工具先端から2mmの位置で切断し、また同様に、本発明エンドミル1〜6および従来エンドミル1〜6を工具先端から2mmの位置で切断し、得られた各工具の断面をArイオンによるイオンエッチングにより精密研磨した。さらに、得られた各被覆層の研磨面を断面方向から観察し各層の平均層厚(5点を測って平均値をとる)を測定するとともに、エネルギー分散型X線分光分析装置(EDS装置)により各層の化学組成を分析したところ、いずれの被覆層においても、目標層厚および目標組成と実質的に同じ平均層厚および化学組成を示した。
さらに、各被覆層の研磨面を断面方向から、走査型電子顕微鏡を用いて、断面の結晶粒組織を観察した。すなわち、高さ3μm×幅4μmの観察領域を、上部層(下地層と表面層を含む)の層厚領域が含まれるように設定し、前記領域を例えば5万倍の倍率で、複数の視野に分割して観察し、それらの像を繋ぎ合わせることで上部層の結晶粒組織の像を得た。ついで、領域の両端点におけるジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の境界点を直線で結んだ線を皮膜間の略界面、領域の両端点における硬質被覆層の最表面の境界点を直線で結んだ線を硬質被覆層表面とし、皮膜間の略界面と並行に、皮膜間の略界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅と、硬質被覆層表面と並行に、硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅を測定した。具体的には、前記皮膜間の略界面と並行に、皮膜間の略界面から工具基体方向に100nmの位置にひいた線分を、ジルコニウムホウ化物結晶粒の結晶粒界が分断する長さを計測し、その平均値を、「前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層との界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅」とし、同様に、前記硬質被覆層表面と並行に、硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置にひいた線分を、ニオブホウ化物結晶粒の結晶粒界が分断する長さを平均した数値を、「硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅」とし、同様に、前記皮膜間の略界面と並行に、皮膜間の略界面から被覆層の表面方向に100nmの位置にひいた線分を、ニオブホウ化物結晶粒の結晶粒界が分断する長さを平均した数値を、「界面から硬質被覆層表面方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅」とした。なお、観察時の顕微鏡倍率については、結晶粒の粒界が認識できる程度の倍率、明るさ、コントラストであることが必要であるが、当業者であれば、その調整は容易である。また、より高い倍率で、より多くの視野に分割して観察し、それぞれの像を繋ぎ合わせることにより像を得てもよいが、高すぎる倍率はかえって分解能が悪くなるため、1万倍〜数万倍程度が望ましい。
さらに、各被覆層の研磨面を断面方向から、電子線後方散乱回折装置(EBSD装置)を用いて(Ti,Al)N層とジルコニウムホウ化物層の結晶方位を、上部層と下部層の間の界面の略平面線を中心として縦1μm×幅10μmの範囲に亘って測定し、隣接する(Ti,Al)Nとジルコニウムホウ化物について、(Ti,Al)Nの(111)と、ジルコニウムホウ化物の(0001)がなす角度差のうち最小の数値が0〜5度となるよう形成された界面を抽出し、その合計長さが観察範囲に存在する界面長に対する割合を計測した。
さらに、各被覆層の研磨面を断面方向から、電子線後方散乱回折装置(EBSD装置)を用いてジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の結晶方位を、ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の間の界面の略平面線を中心として縦1μm×幅10μmの範囲に亘って測定し、隣接するジルコニウムホウ化物とニオブホウ化物について、ニオブホウ化物の(0001)と、ジルコニウムホウ化物の(0001)がなす角度差のうち最小の数値が0〜5度となるよう形成された界面を抽出し、その合計長さの全観察範囲に存在する界面長に対する割合を計測した。
さらに、各被覆層の表面から、先端の曲率半径が50μmのバーコビッチ型形状を有するダイヤモンド圧子が設置された微小押し込み硬さ試験機を用いて圧子荷重200mgfで微小押し込み硬さを測定した。
その結果を表7、表8、表9、表10に示す。
表7、表8、表11、表12に示される結果から、本発明インサート1〜14および本発明エンドミル1〜6は、硬質被覆層の上部層を構成するジルコニウムホウ化物の(0001)方位とニオブホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が全観察界面長の50線分%以上であることにより、上部層がすぐれた密着性を発揮し、被覆工具の耐摩耗性が向上していることが確認された。
さらに、上部層の下地層を構成するジルコニウムホウ化物の(0001)方位と下部層を構成する(Ti,Al)Nの(111)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が全観察界面長の50線分%以上である、本発明インサート1〜10および本発明エンドミル1〜4は、上部層と下部層とがすぐれた密着性を発揮し、被覆工具の耐摩耗性が向上していることが確認された。
さらに、ジルコニウムホウ化物の(0001)ピークの半価幅HZrが0.8〜1.5度およびニオブホウ化物の(0001)ピークの半価幅HNbが0.6〜1.2度である、本発明インサート2、4〜9、11〜13および本発明エンドミル1〜6は、結晶性および結晶子サイズがバランスよく制御されているため耐摩耗性を高めたまま耐クラック性を向上させることができ、一層すぐれた工具寿命が実現できることが確認された。
これに対して、表9、表10、表11、表12に示される結果から、従来インサート1〜10および従来エンドミル1〜6は、硬質被覆層の上部層を構成するジルコニウムホウ化物の(0001)方位とニオブホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が全観察界面長の50線分%未満であることにより、上部層との密着性が劣り、被覆工具が比較的短時間で寿命に至ることが確認された。
なお、前述の切削加工試験では、被削材としてチタン合金を用いたが、他の耐熱合金の高速断続切削においても、皮膜の密着性とともに耐摩耗性と耐欠損性が発揮され同様の結果が得られることは、言うまでもない。
なお、前述の切削加工試験では、被削材としてチタン合金を用いたが、他の耐熱合金の高速断続切削においても、皮膜の密着性とともに耐摩耗性と耐欠損性が発揮され同様の結果が得られることは、言うまでもない。
前述のように、本発明の被覆工具は、硬質被覆層(改質硬質被覆層)がすぐれた耐摩耗性と耐欠損性を維持することにより、被覆インサートばかりでなく、被覆エンドミル、被覆ドリル等の各種被覆工具として用いることができ、そして、これによって、積層界面密着性の不足、耐摩耗性の不足、あるいは皮膜の耐欠損性の不足等に起因する工具欠損の発生を防止し、長期の使用に亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであるから、低コスト化に十分満足に対応できるとともに、工具寿命の延命化を図ることができるものである。
Claims (5)
- 炭化タングステン基超硬合金焼結体からなる工具基体の上に硬質被覆層を有する表面被覆切削工具において、
前記硬質被覆層が、工具基体上に、直接または下部層を介して形成された平均層厚0.5〜2.0μmのジルコニウムホウ化物層と、その上部に形成された平均層厚0.5〜1.0μmのニオブホウ化物層とからなる合計平均層厚1.0〜3.0μmの積層構造を有し、かつ、前記各ホウ化物層は六方晶の結晶構造を有し、前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層の界面において隣り合う結晶粒の方位差を測定した時に、ジルコニウムホウ化物の(0001)方位とニオブホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が、全観察界面長の50線分%以上であることを特徴とする表面被覆切削工具。 - 前記下部層として(Ti1−xAlx)N(ただし、X=0.2〜0.6)の成分系からなる窒化物層が存在する表面被覆切削工具であって、前記窒化物層とジルコニウムホウ化物層との界面において隣り合う結晶粒の方位差を測定した時に、(Ti1−xAlx)Nの(111)方位とジルコニウムホウ化物の(0001)方位の角度差が0〜5度の範囲に存在する界面長が、全観察界面長の50線分%以上であることを特徴とする請求項1に記載の表面被覆切削工具。
- 前記ジルコニウムホウ化物のX線回折により測定した(0001)ピークの半価幅が0.8〜1.5度の範囲に存在し、かつ、前記ニオブホウ化物の(0001)ピークの半価幅が0.6〜1.2度の範囲に存在することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面被覆切削工具。
- 前記ジルコニウムホウ化物層とニオブホウ化物層との界面から工具基体方向に100nmの位置におけるジルコニウムホウ化物の粒径幅が20〜100nmであり、硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅が80〜200nmであり、かつ、前記硬質被覆層表面から工具基体方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅が前記界面から硬質被覆層表面方向に100nmの位置におけるニオブホウ化物の粒径幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
- 前記硬質被覆層の表面から測定された該層の微小押し込み硬さが、4000〜5500kgf/mm2であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の表面被覆切削工具。
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WO2020149006A1 (ja) * | 2019-01-18 | 2020-07-23 | 日東電工株式会社 | 膜付き対象物の製造方法 |
-
2012
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