JP2013248237A - 空気精製処理装置およびこれを用いた空気の精製処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高価な触媒等を用いずに、煩雑な保守なく、長期間、連続的に安定的に、低濃度メタンの除去が可能となるとともに、装置全体のエネルギー負荷を軽減すること。
【解決手段】 処理対象となる原料空気の供給を担う原料供給部1と、内部に熱交換手段を有し、原料供給部1から供給された原料空気が予備加熱処理される予備加熱部2と、予備加熱部2から供給された空気が高温酸化処理される反応器3と、高温酸化処理された空気が供出される反応器3の供出部と熱交換手段を接続する還流流路4と、還流流路4を介して熱交換手段から供出された空気を冷却する1以上の冷却部5,6と、冷却部5,6において冷却された空気中の残存不純物が吸着処理される吸着処理部7と、を備え、予備加熱部2において600℃以上に予備加熱され、反応器3において無触媒条件で800℃以上に加熱されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気精製処理装置およびこれを用いた空気の精製処理方法に関するものであり、特に、空気中のメタン等の炭化水素を含む低濃度成分の除去処理を行う空気精製処理装置およびこれを用いた空気の精製処理方法に関する。
空気浄化装置は、各種化学プラントや薬品工場等の産業分野だけではなく、一般家庭においても広く利用されている。このとき、清浄化される対象は、一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)あるいはホルムアルデヒド(HCHO)やトルエン(C)等の有害物質であり、メタン等の低炭素の炭化水素は、あまり注目されることはなく、メタン以外の有機物質の除去効率を向上させる方法が望まれていた。
例えば、図5に示すような空気浄化装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。長寿命で、効果的に空気中の有害成分を無害化して空気浄化を行うことを目的として、被処理対象成分を含む空気を装置外から装置内に導入する気体ポンプ101と、気体ポンプ101によって導入された空気中の被処理対象成分を高分子から低分子に分解するように空気を処理する放電部102と、放電部102によって処理された空気を装置内から装置外に放出する前に通過させるゼオライトフィルター105とを備え、ゼオライトフィルター105は、直径が0.1nm以上1nm以下の微細な孔を有する材料を含む。ここで、反応室104では、沿面放電電極107と108に印加された交流電圧による放電から、プラズマ、オゾン、イオン、ラジカル等の活性なガスが発生する。この活性ガスと、外部より吸引された空気に含まれている有機化学物質とが反応し、有機化学物質が酸化反応あるいは分解反応を生じ、その結果、低分子の化学物質または二酸化炭素に変化する化学反応が生じる。反応室104には、ゼオライトフィルター105とともに、活性炭フィルター106とが配置されている(段落0030〜0031)。
しかしながら、メタンは、生体等の有機物から発生し、空気中に常に2〜10ppm存在するために、他の炭化水素との分離が必要な場合にバックグランドとしての存在が妨害となることがあるとともに、温暖化係数が大きいことから、低濃度メタンの除去手段の研究が進められてきた。例えば、メタン濃度が大きく変動しても性能が低下することなく、長期にわたって安定した除去性能が得られることを目的として、図6に示すような低濃度メタンの除去装置が提案されている(例えば特許文献2参照)。具体的には、被処理ガスGを、熱交換器203の低温流路203aに通じて予熱した後、酸化触媒202に通じ、高温流路203bに通じて反応前の被処理ガスGとの熱交換により熱回収を行った後排出する流路に供給し、低温流路203aに供給される被処理ガスGの一部を、流路における熱交換器203の上流側と下流側とを短絡して設けられた短絡流路207に通じる。短絡流路207に通じる被処理ガスの割合は、被処理ガス中のメタン濃度が低い場合ほど低く、メタン濃度が高い場合ほど高い割合に設定変更する。ここで、201は送風機、204はメタン濃度の検知手段、205は流量調整弁、206は制御手段、208は吸引管を表わす。
特開2006−158677号公報 特開2011−183322号公報
しかし、上記のような空気浄化装置や低濃度メタンの除去装置では、以下に挙げるような問題点や課題が生じることがあった。
(i)メタンは化学的に非常に安定であり、上記装置を用いても、1ppm以下の低濃度まで浄化することは非常に難しく、一時的に実現しても、連続式の装置において、長期的にその性能を維持することができる実動可能な装置は皆無といえる。こうした連続式の長期使用可能なメタン除去装置の要請は、大きな課題となっている。
(ii)メタンの除去には、例えば特許文献2に記載されるように、ジルコニアまたはチタニアまたはその混合物からなる担体にイリジウムおよび白金を担持した触媒あるいは、ジルコニアまたはチタニアまたはその混合物からなる担体にパラジウムおよび白金を担持した触媒が用いられる。しかし、ここではメタン1000ppmを含む空気相当のガスを対象とするものであり(段落0030〜0031)、1〜10ppmの低濃度メタンに対しては、十分機能せず、一時的に実現しても、連続式の装置においては、高価な貴金属系触媒を定期的に交換する必要があることから、特に大量の空気を消費する設備において、ランニングコストの低いメタン除去装置が大きな課題となる。
(iii)また、放電による酸化分解作用を用いた空気清浄装置においても、長期的な使用による放電用の電極部の劣化が生じるとともに、ゼオライトフィルターの劣化は、放電時に発生するプラズマ、オゾン、イオン、ラジカル等の漏出を招来する。こうした特殊な手法を用いずに、連続式の長期使用可能なメタン除去装置が望まれている。
そこで、本発明の目的は、高価な触媒あるいは放電手段やオゾン発生器等特殊な手段を用いずに、煩雑な保守を必要とせずに、長期間、連続的に安定的に、1ppmレベルの低濃度メタンの除去が可能な空気精製処理装置およびこれを用いた空気の精製処理方法を提供することにある。また、空気の精製処理において必要となるエネルギーを、効率的に使用し、装置全体のエネルギー負荷を軽減することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す空気精製処理装置およびこれを用いた空気の精製処理方法によって、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明に係る空気精製処理装置は、処理対象となる原料空気の供給を担う原料供給部と、内部に熱交換手段を有し、前記原料供給部から供給された原料空気が予備加熱処理される予備加熱部と、該予備加熱部から供給された空気が高温酸化処理される反応器と、高温酸化処理された空気が供出される該反応器の供出部と前記熱交換手段を接続する還流流路と、該還流流路を介して前記熱交換手段から供出された空気を冷却する1以上の冷却部と、該冷却部において冷却された空気中の残存不純物が吸着処理される吸着処理部と、を備え、前記予備加熱部において600℃以上に予備加熱され、前記反応器において無触媒条件で800℃以上に加熱されることを特徴とする。
既述のように、低濃度のメタンを含む空気を、高度の精製処理を行うことは非常に難しく、特に、触媒等を用いずにppmオーダーのメタンを0.1ppm以下に低減することは、従前の方法では実現することはできなかった。本発明は、予備加熱段階で600℃以上に予備加熱された空気を準備し、これをさらに800℃以上に加熱することによって、触媒等を用いずにメタン濃度0.1ppm以下の空気を得ることを可能とした。加熱のみの酸化処理を可能とすることによって、長期間の使用における保守の大幅軽減、ランニングコストの低減を図ることを可能とした。さらに、反応器からの高温の空気の顕熱を予備加熱部の熱源として利用することによって、エネルギー効率の高い空気精製処理装置を可能とした。特に大量の空気を消費する設備において、非常に大きな効果を得ることができた。
本発明は、上記空気精製処理装置であって、前記熱交換手段が、前記予備加熱部の内部にジャバラ状の管状部を有する複数の細管を備え、該細管の内外部に流通する空気間での熱交換を行い、前記反応器が、メッシュ状または網目状の加熱素子からなる加熱体または/および加熱素子が内壁に密着して設けられた複数の細孔を有する加熱体を有し、該加熱体が反応器上流から下流に複数段に配設され、前記吸着処理部が、焼結処理された活性炭が配設されたことを特徴とする。
上記のように、原料空気を急速に600℃以上に予備加熱する機能と合せて800℃以上の高温で酸化処理された空気の1次冷却する機能を有する予備加熱部と、800℃以上の高温で酸化処理する機能を有する反応器と、高温処理された空気を徐々に冷却する機能を有する多段の冷却部と、高い吸着処理機能を有する吸着処理部が、一体として、無触媒式で優れた空気精製処理装置を構成する。本発明は、こうした個々の機能を確保するために各構成要素を最適な構成としたもので、こうした構成によって、予備加熱部に要求される高い熱交換効率と耐熱性を確保するとともに、特に急速で、かつ大幅な温度変化に伴う熱歪を吸収することを可能とし、反応器に要求される空気の均等な高温加熱機構と耐熱性を確保し、吸着処理部に要求される高温酸化処理された後の低濃度成分に対する吸着能力と耐久性を確保することができる。
本発明は、上記いずれかの空気精製処理装置を用いた空気の精製処理方法であって、少なくとも(1)処理対象となる原料空気を、600℃以上に急速予備加熱処理する工程と、(2)予備加熱された空気を、800℃以上に急速高温酸化処理する工程と、(3)酸化処理された空気を、原料空気と熱交換し1次冷却処理する工程と、(4)1次冷却処理された空気に対し、2以上の多次の低速冷却処理を行う工程と、(5)多次の冷却処理された空気中の残存不純物を、吸着処理する工程と、を有することを特徴とする。
こうした精製プロセスによって、触媒等を用いずにメタン濃度0.1ppm以下の空気を得ることを可能とし、長期間の使用における保守の大幅軽減、ランニングコストの低減を図り、さらに、エネルギー効率の高い空気精製処理を可能とした。また、急速加熱による高温酸化処理によって、一気に被酸化物の酸化処理を行い、酸化処理後の2次副生物の発生を抑制することができるとともに、多段階の冷却処理によって、吸着処理までの処理手段の材質的あるいは構造的な負荷を軽減することができる。
本発明に係る空気精製処理装置の基本構成を例示する全体構成図。 予備加熱部の内部構成を例示する構成図。 反応器の構成を例示する構成図。 メタンを含む炭化水素の反応率の温度特性を例示する説明図。 従来技術に係る空気浄化装置を例示する全体構成図。 従来技術に係る低濃度メタンの除去装置を例示する全体構成図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明に係る空気精製処理装置(以下「本装置」という)は、処理対象となる原料空気の供給を担う原料供給部と、内部に熱交換手段を有し、原料供給部から供給された原料空気が予備加熱処理される予備加熱部と、予備加熱部から供給された空気(以下「予熱空気」という)が高温酸化処理される反応器と、高温酸化処理された空気(以下「処理空気」ということがある)が供出される反応器の供出部と熱交換手段を接続する還流流路と、還流流路を介して予備加熱部からから供出された空気(以下「1次冷却空気」ということがある)を冷却する1以上の冷却部と、冷却部において冷却された空気(以下「2次冷却空気」,「3次冷却空気」,・・ということがある)が吸着処理される吸着処理部と、を備え、予備加熱部において600℃以上に予備加熱され、反応器において無触媒条件で800℃以上に加熱されることを特徴とする。具体的には、以下の構成によって、高価な触媒等を用いずに、煩雑な保守なく、長期間、連続的に安定的に、1ppmレベルの低濃度メタンの除去が可能となるとともに、装置全体のエネルギー負荷を軽減することが可能となった。
<本装置の構成例>
本装置の実施態様として、基本的な概略全体構成を、図1に示す。本装置は、原料供給部1、予備加熱部2、反応器3、還流流路4、第1冷却部5、第2冷却部6、吸着処理部7を備える。空気精製処理開始において、原料空気が、原料供給部1から予備加熱部2に導入される。原料供給部1では、原料空気が、ろ過フィルタ(図示せず)によって粉塵や微粒子が除去された後、ポンプやブロア等の給送手段によって、予備加熱部2に給送される。予備加熱部2に導入された原料空気は、予備加熱部2内に設けられた熱交換手段20(後述)において反応器3からの高温の処理空気との熱交換によって、600℃以上に予備加熱される(予熱空気)。予熱空気は、反応器3に導入され、高温酸化処理される(処理空気)。処理空気は、還流流路4を介して予備加熱部2に還流され、熱交換手段20における原料空気との熱交換によって、約200〜300℃に1次冷却される(1次冷却空気)。1次冷却空気は、第1冷媒が供給される第1冷却部5に導入され、第1冷媒との熱交換によって、約50〜100℃に2次冷却される(2次冷却空気)。2次冷却空気は、第2冷媒が供給される第2冷却部6に導入され、第2冷媒との熱交換によって、約20〜30℃に3次冷却される(3次冷却空気)。3次冷却空気は、吸着剤が配設された吸着処理部7に導入され、残存する不純物が吸着処理され、精製空気が供出される。
〔予備加熱部〕
予備加熱部2は、図2に例示するような構成が挙げられる。外部との取合いフランジ部に2つの空気導入口(第1導入口2a,第2導入口2d)と2つの空気供出口(第1供出口2c,第2供出口2e)を有し、内部空間2bに複数のジャバラ状の管状部21と細管部22を有する熱交換手段20が配設されている。第1導入口2aから導入された低温の原料空気は、内部空間2bにおいて管状部21外壁からの温熱を吸収して急速に温度上昇し、さらに細管部22の外壁からの温熱を吸収して、第1供出口2cから600℃以上の高温の予熱空気として供出される。一方、第2導入口2dから導入された800℃以上の高温の処理空気は、細管部22において温熱(顕熱)を放出して徐々に温度低下し、さらに管状部21において温熱を吸収して、第2供出口2eから約200〜300℃に1次冷却された1次冷却空気として供出される。
なお、ここでは、熱交換手段20の外部に原料空気を供給し、内部に処理空気を向流式に供給する構成を例示したが、原料空気と原料空気を入れ替えた場合や並流式の構成を用いることができることはいうまでもない。また、予備加熱部2は、800℃以上の高温の処理空気が導入されることから、熱伝導性に加え、弾性を有する耐熱性の高い素材によって構成されることが要求され、例えばステンレス鋼としてSUS−310S等を用いることが好ましい。さらに、予備加熱部2には、精製空気の需要量が多くなり、還流される処理空気の温熱だけでは予備加熱に必要な熱源が不足する場合に備え、別途加熱手段を設けることが好ましい。このとき、原料空気の導入側に近く、処理空気の供出側に遠い部位に加熱手段を設けることが好ましい。
また、管状部21における「ジャバラ状」とは、管状体の断面が、近似的に波状や三角状あるいは半球状またはこれらの組合せの形状、またはこうした断面がスパイラル状に配設された形状を含む。熱交換に資する管体の表面積を大きくすることができるとともに、菅壁の一面に高温の処理空気(最大約800℃)が流通し、他面に低温の原料空気(最低常温:例えば20℃)が流通することから生じる熱歪に伴う管体の変形を緩衝することができる。また、ジャバラ状部分は、自在性を確保するために菅の肉厚を小さくすることができることから、この部分において高い熱交換効率を得ることができる。つまり、予備加熱部2における原料空気の急速加熱を可能とし、同時に処理空気の1次冷却に寄与する。
一方、細管部22は、管状部21に比較して単位長さ当りに大きな熱容量を有する直管状に構成されることによって、処理空気の高い顕熱を細管部22に保持し、原料空気を穏やかに安定的に加熱することができる。従って、予熱空気の予熱温度の安定化を図ることができ、後段の反応器3での加熱温度(反応温度)の安定化に寄与することができる。
〔反応器〕
反応器3は、図3(A),(B)に例示するような構成が挙げられる。外部との取合いフランジ部に予熱空気導入口3aと処理空気供出口3bを有し、加熱体3cが反応空間部3dを介在させて、反応器3内部の上流から下流に複数段に配設されている。予熱空気導入口2aから導入された600℃以上の高温の予熱空気は、加熱体3cによってさらに800℃以上の高温に加熱され、空気中のメタン等の炭化水素や一酸化炭素を含む低濃度成分が酸化処理される。酸化処理された処理空気は、処理空気供出口3bから高温状態を維持した状態で供出される。ここで、反応器3は、800℃以上の高温酸化処理が行われることから、耐熱性が高く高温破壊に強い素材によって構成されることが要求され、例えばステンレス鋼としてSUS−310S等を用いることが好ましい。
加熱体3cは、メッシュ状または網目状の加熱素子からなる構成、または/および加熱素子が内壁に密着して設けられた複数の細孔を有する構成が挙げられる。こうした構成によって、被加熱空気を効率的に分散することができるとともに、均等な流れを形成することができ、800℃以上の高温に加熱することが可能となり、かつ長期的に安定な加熱が可能となった。また、被加熱空気との接触時間が長く、均一な流通を形成することが可能となった。さらに、こうした構成は、高温加熱に伴い発生する熱歪による加熱体3cの変形を防止し、高熱破壊を回避することが可能となった。具体的には、ニクロム等からなる抵抗式加熱素子をメッシュ状に成形し、周端部を反応器3の内壁に接触させたタイプ,網目状に形成された平面状の抵抗式加熱素子を巻回し、周回部を反応器3の内壁に接触させたタイプ,あるいは板状体に多数の細孔を設け、線状の加熱素子を細孔の内壁に密着して設けられたタイプを用いることができる。
また、反応器3の内部に加熱体3cが反応空間部3dを介在させて複数段に配設された構成によって、反応器3の内部において被加熱空気の均等な流れを形成することが可能となった。具体的には、分散素子として機能する加熱体3cによって、被加熱空気は乱流状態を形成し、流れに垂直な方向に均等な熱分布を形成することができる。反応空間部3dでは、こうした状態で受けて、層流に近い状態で下流の加熱体3cに被加熱空気が送給される。こうした流れを複数段経由することによって、反応器3に導入された予熱空気は、均等に加熱され、均等な高温酸化処理を安定的に行うことができる。
〔反応温度〕
本装置は、反応器3において、無触媒条件で800℃以上に反応温度が設定される。図4は、例えば、低濃度の炭化水素約3ppmC(炭素換算値:メタン約1.5ppmを含む)を含む空気を反応器3に導入し、そのときの酸化反応率と反応温度の関係を実証した結果を示す。約700℃下回る温度までは、殆ど低(無)反応状態が保たれるとともに、約700℃を超えると急激に酸化反応が進み、約800℃において略100%近い反応率となることが判る。本装置では、こうした反応特性を有効に活かし、予備加熱を、反応温度に近く、かつ副次的な反応が生じない約600℃以上(約700℃下回る温度)に設定することが好ましい。反応器3における負荷を軽減するとともに、処理空気が有する温熱を効果的に吸収することができる。
〔第1・第2冷却器〕
本装置では、1次冷却空気がさらに第1冷却部5に導入され、約50〜100℃の2次冷却空気が形成され、2次冷却空気は、次に第2冷却部6に導入され、約20〜30℃の3次冷却空気が形成される。第1冷却部5には、1次冷却空気と熱交換をする第1冷媒が導入される。第1冷媒としては、処理対象の空気が多量の場合には、熱容量の大きい例えば常温の市水や工場用水等を用いることができる。第2冷却部6には、2次冷却空気と熱交換をする第2冷媒が導入される。第2冷媒としては、チラー等熱媒体用冷却機を用いて例えば5〜20℃に冷却された市水や工場用水等あるいはブライン水を用いることができる。精製空気の需要量が大きい場合には、その前段(1次冷却水の処理)あるいは第1冷却器5と第2冷却器6の中間段階等に更なる冷却器を設け、多次の冷却処理を行うことも可能である。ここで、第2冷却部6から供出された第2冷媒を、第1冷媒として第1冷却器5に供給し、供出された第1冷媒をさらに第2冷媒の原水として利用する構成を用いることが可能である。複数の冷媒を準備することなく、循環的に冷媒を利用することによって、コンパクトな本装置を構成し、エネルギーの効率的利用ができる。
〔吸着処理部〕
吸着処理部7には、粒状体や粉状体あるいはハニカム状体の吸着材が配設された構成が挙げられる。被処理空気との接触が均等で、かつ大きな空間速度を確保するができる。吸着材としては、微量の不純物の除去可能な吸着材であれば、特に限定されるものではないが、1ppm以下の非常に微量な成分を、さらに低濃度まで除去することができる素材の選定が好ましい。安価な活性炭を用いることができる。本装置では、さらに焼結処理された活性炭が好適である。高温酸化処理された後の低濃度成分に対する吸着能力と耐久性を確保し、高度な精製機能を長期間維持することができる。また、細砕化されることによって、強固な状態を維持した状態で、より大きな空間速度を確保するができる。ここで用いる吸着材は、比表面積が1000m/g以上、より好ましくは1500m/g以上であることによって、原料空気中に含まれる微量の不純物を除去することができる。また、充填密度が0.3g/cm以上、より好ましくは0.4g/cm以上であることによって、より均等な被処理空気との接触を確保し、大きな空間速度を得ることができる。
<本装置を用いた有機物質を含む原料の処理方法>
次に、本装置を用いた原料の処理方法(以下「本処理方法」という)を詳述する。本処理方法は、本装置において、少なくとも(1)処理対象となる原料空気を、600℃以上に急速予備加熱処理する工程と、(2)予備加熱された予熱空気を、800℃以上に急速高温酸化処理する工程と、(3)酸化処理された処理空気を、原料空気と熱交換し1次冷却処理する工程と、(4)1次冷却処理された1次冷却空気に対し、2以上の多次の冷却処理を行う工程と、(5)多次の冷却処理された空気中の残存不純物を、吸着処理する工程と、を有する。触媒等を用いずにメタン濃度0.1ppm以下の精製された空気を得ることを可能とし、長期間の使用における保守の大幅軽減、ランニングコストの低減を図り、さらに、エネルギー効率の高い空気精製処理を可能とした。
また、本処理方法は、急速加熱による高温酸化処理によって、一気に被酸化物の酸化処理を行い、サーマルNOx等酸化処理後の2次副生物の発生を抑制することができるとともに、多段階の冷却処理によって、過冷却による凝縮物発生や局部冷却による腐食の発生等を防止し、吸着処理までの処理手段の材質的あるいは構造的な負荷を軽減することができる。以下、各工程について、図1のような構成を有する本装置を用いた場合に基づき、詳述する。
(1)処理対象となる空気を、600℃以上に急速予備加熱処理する工程
原料供給部1から予備加熱部2に導入された低温(常温)の原料空気が、後段(3)における高温の処理空気と熱交換し、600℃以上に予備加熱される。このとき、急速に反応温度に近く、かつ副次的な反応が生じない約600℃以上(約700℃下回る温度)にまで加熱することによって、さらに高温に加熱する反応器3における負荷を軽減するとともに、処理空気が有する温熱を効果的に吸収することができる。
(2)予備加熱された予熱空気を、800℃以上に急速高温酸化処理する工程
非常に低濃度成分の酸化処理は、処理される予熱空気を迅速に反応温度にまで上げて所定時間その状態を確保することが好ましい。反応器3では、600℃以上にまで加熱された予熱空気を、迅速に反応温度まで上げ、多段の加熱体3cによる加熱によって反応温度を維持し、低濃度のメタンを含む不純物に対して高い高温酸化処理効率を確保した。
(3)酸化処理された処理空気を、原料空気と熱交換し1次冷却処理する工程
酸化処理された処理空気は、吸着機能を確保するために常温付近まで冷却する必要があるとともに、それが有する大きな温熱(顕熱)をそのまま放出するのはエネルギー損失が大きい。従って、処理空気を原料空気と熱交換することによって、この顕熱を原料空気に伝達するとともに、自らは低温化された1次冷却空気として次なる処理がなされる。
(4)1次冷却処理された1次冷却空気に対し、2以上の多次の冷却処理を行う工程
800℃以上の処理空気を常温まで一気に冷却するのは、エネルギーのロスも大きく、また上記のように、過冷却による凝縮物発生や局部冷却による腐食の発生が生じるおそれがある。多次の冷却処理を行うことによって、こうしたリスクを回避し、高度に酸化処理された処理空気の性状を維持したまま安定的に後段の処理を行うことができる。
(5)多次の冷却処理された空気中の残存不純物を、吸着処理する工程
常温近くに冷却された処理空気は、例えば無機化合物や窒素酸化物等、酸化処理では除去できない不純物を処理することが要求される。本装置では、焼結活性炭等の吸着剤によって、こうした不純物を処理することによって、非常に高い精製処理がなされた精製空気を得ることができる。
<本装置による精製機能の検証>
本装置を用い、原料空気を流量約10Nm/minで供給し、精製空気中の炭化水素(THC:メタン約1.5ppmを含む),一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NOx)を測定した。表1に示すように、各成分が非常に低い濃度まで低減されていることが実証された。また、炭化水素については、吸着処理部前での測定においても、同様の結果を得ることができた。予備加熱部−反応器での高温酸化処理の機能を実証することができた。
Figure 2013248237
1 原料供給部
2 予備加熱部
3 反応器
4 還流流路
5 第1冷却部
6 第2冷却部
7 吸着処理部

Claims (3)

  1. 処理対象となる原料空気の供給を担う原料供給部と、内部に熱交換手段を有し、前記原料供給部から供給された原料空気が予備加熱処理される予備加熱部と、該予備加熱部から供給された空気が高温酸化処理される反応器と、高温酸化処理された空気が供出される該反応器の供出部と前記熱交換手段を接続する還流流路と、前記還流流路から供出された空気を冷却する1以上の冷却部と、該冷却部において冷却された空気中の残存不純物が吸着処理される吸着処理部と、を備え、
    前記予備加熱部において600℃以上に予備加熱され、前記反応器において無触媒条件で800℃以上に加熱されることを特徴とする空気精製処理装置。
  2. 前記熱交換手段が、前記予備加熱部の内部にジャバラ状の管状部を有する複数の細管を備え、該細管の内外部に流通する空気間での熱交換を行い、
    前記反応器が、メッシュ状または網目状の加熱素子からなる加熱体または/および加熱素子が内壁に密着して設けられた複数の細孔を有する加熱体を有し、該加熱体が反応器上流から下流に複数段に配設され、
    前記吸着処理部が、焼結処理された活性炭が配設されたことを特徴とする請求項1記載の空気精製処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の空気精製処理装置を用いた空気の精製処理方法であって、少なくとも、
    (1)処理対象となる原料空気を、600℃以上に急速予備加熱処理する工程と、
    (2)予備加熱された空気を、800℃以上に急速高温酸化処理する工程と、
    (3)酸化処理された空気を、前記原料空気と熱交換し1次冷却処理する工程と、
    (4)1次冷却処理された空気に対し、2以上の多次の冷却処理を行う工程と、
    (5)多次の冷却処理された空気中の残存不純物を、吸着処理する工程と、
    を有することを特徴とする空気の精製処理方法。
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