JP2013247593A - 圧電薄膜共振子 - Google Patents

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聖人 荒木
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Abstract

【課題】所望とする共振周波数を精度良く実現できる共振周波数可変型の圧電薄膜共振子を提供する。
【解決手段】ベース基板30の表面には、メンブレン支持部41によってベース基板30から離間して支持されたメンブレン40を備える。メンブレン40の表面には、メンブレン保護膜51が形成されている。メンブレン保護膜51は、ベース基板30側と反対側の面が平坦化処理された膜である。メンブレン40を備えるベース基板30から空間90を介して離間した位置に、圧電体層12が配置されている。圧電体層12のベース基板30側の面には下部電極13が形成され、ベース基板30側と反対側の面には上部電極14が形成されている。圧電体層12のベース基板30側の面には、所定レベル以下の表面粗さからなる圧電体下部保護膜が設けられていてもよい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電薄膜を用いた共振子、特に、バルク弾性波の圧電薄膜共振子に関する。
従来、共振周波数を調整可能なバルク弾性波共振子が考案されている。例えば、特許文献1では、共振器主体部と、平板状のスイッチング素子とを備える。共振器主体部は、単独で特定の共振周波数を有する。平板状のスイッチング素子は、スイッチング制御により、共振器に当接する態様と共振器から離間する態様のいずれかに選択される。スイッチング素子が共振器主体部から離間している態様では、当該共振器は、主体部に固有の共振周波数となる。スイッチング素子が共振器に当接している態様では、主体部とスイッチング素子とによる合計の厚みに応じた共振周波数となる。
この原理を利用し、特許文献1の共振器は、共振器主体部へのスイッチング素子の当接または離間の状態を制御することで、共振周波数を変化させている。
特許文献1の共振器は、スイッチング素子と共振器主体部とが離間する態様を有する必要があるため、スイッチング素子と共振器主体部との間に空間を設ける必要がある。
そして、このような共振器の構造は、一般的に、ベース基板上に各機能層を順次積層し、積層方向の中間の所定位置に空間を形成することによって実現される。
特表2010−516213号公報
しかしながら、このように機能層を順次積層してなる圧電薄膜共振子の場合、積層された各機能層の状態によって共振周波数がばらついてしまう。このため、所望の共振周波数が得られない等の問題が生じることがある。
特に、上述の従来技術に示すように、複数の共振周波数を可変する圧電薄膜共振子の場合、これら複数の共振周波数を所望値にする必要があり、従来技術の構成では、所望とする複数の共振周波数を高精度に実現することが容易でない。
この発明の目的は、所望とする共振周波数を精度良く実現できる共振周波数可変型の圧電薄膜共振子を提供することにある。
この発明の圧電薄膜共振子は、次の構成を備えることを特徴としている。圧電薄膜共振子は、基板と、該基板の一方主面側に配置された圧電体層と、該圧電体層の基板側の面に配置された下部電極、および、該下部電極に対向して圧電体層の基板と反対側の面に配置された上部電極と、基板の一方主面側に配置された中空を有するメンブレンと、を備える。圧電体層と上部電極と下部電極とからなる共振子部がメンブレンに当接する態様と、共振子部がメンブレンから離間する態様とが切り替えられて制御される構造からなる。圧電体層とメンブレンとの間に平坦化処理膜が備えられている。
この発明の圧電薄膜共振子の製造方法は、次の工程を有することを特徴としている。圧電薄膜共振子の製造方法は、基板の表面にメンブレンを形成する工程と、メンブレンの上層に犠牲層を形成する工程と、下部電極と上部電極を対向させた圧電体層からなる共振子部を犠牲層の表面に形成する工程と、犠牲層を除去する工程と、を有する。
前記メンブレンを形成する工程と前記共振子部とを形成する工程との間に平坦化処理膜を形成する工程を、有する。
この構成および製造方法を用いることで、圧電薄膜共振子を積層形成する途中に、平坦な膜が形成される。これにより、所望の膜の表面の平坦度が向上したり、当該平坦面上に形成される層の結晶性が向上する。したがって、所望の共振周波数を高精度に得られる圧電薄膜共振子を実現し易い。
また、この発明の圧電薄膜共振子では、平坦化処理膜は、メンブレンの共振子部側の表面に形成されているとよい。
また、この発明の圧電薄膜共振子の製造方法では、平坦化処理膜の形成工程は、メンブレンを形成する工程と犠牲層を形成する工程との間に行われるとよい。
この構成および製造方法を用いることで、メンブレンの表面の平坦度が向上する。これにより、共振子部がメンブレンに当接する態様において、共振子部とメンブレンとの当接面積が向上し、当接時の特性劣化が抑制される。
また、この発明の圧電薄膜共振子では、平坦化処理膜は、圧電体層および下部電極の基板側の面に形成されているとよい。
また、この発明の圧電薄膜共振子の製造方法では、平坦化処理膜の形成工程は、犠牲層を形成する工程と、共振子部を形成する工程との間に行われるとよい。
この構成及び製造方法を用いることで、圧電体層を形成する面の平坦度が向上する。これにより、圧電体層の結晶性が向上し、圧電性が向上する。
また、この発明の圧電薄膜共振子では、平坦化処理膜を、積層成膜された層の表面に対して物理的または化学的平坦化処理を行った層によって実現するとよい。
また、この発明の圧電薄膜共振子の製造方法では、平坦化処理膜の形成工程は、積層成膜工程と、積層成膜された膜の表面を物理的または化学的に平坦化処理を行う工程と、を有するとよい。
この構成および製造方法では、平膜化処理膜の具体的な形成方法を示している。物理的平坦化処理または化学的平坦化処理を用いることで、従来構成の材料をそのまま用いても、平坦化処理膜を形成することができる。
また、この発明の圧電薄膜共振子では、平坦化処理膜を、液状材料を塗布、硬化した層によって実現するとよい。
また、この発明の圧電薄膜共振子の製造方法では、平坦化処理膜の形成工程は、液状材料を塗布する工程と、塗布された液状材料を硬化する工程と、を有するとよい。
この構成および製造方法では、平膜化処理膜の具体的な形成方法を示している。液状材料によって平膜化処理膜を形成することで、成膜工程だけで所望の平坦面を形成することができる。
また、この発明の圧電薄膜共振子では、平坦化処理膜は、積層成膜された層の表面に液状材料を塗布、硬化した層であってもよい。
また、この発明の圧電薄膜共振子の製造方法では、平坦化処理膜の形成工程は、積層成膜工程と、液状材料を塗布する工程と、該塗布された液状材料を硬化する工程と、有するようにしてもよい。
この構成および製造方法でも、平膜化処理膜を形成することができる。
また、この発明の圧電薄膜共振子および圧電共振子の製造方法では、液状材料は感光性樹脂材料であることが好ましい。
この構成および製造方法とすることで、形成範囲が広く、容易な加工により、平膜化処理膜を形成することができる。
また、この発明の圧電薄膜共振子および圧電共振子の製造方法では、液状材料は液体塗布ガラスであることが好ましい。
この構成および製造方法とすることで、高温耐性の高い平膜化処理膜を形成することができる。
この発明によれば、共振周波数可変型の圧電薄膜共振子において、所望とする共振周波数を精度良く実現できる。
本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子の使用態様を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子の所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子の所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子の所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る圧電薄膜共振子の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る圧電薄膜共振子の所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る圧電薄膜共振子の所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Bの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Cの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Cの所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。 本発明の第5の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Dの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Dの所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。 本発明の第6の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Eの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の第6の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Eの所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。 本発明の第7の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。 本発明の第7の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Fの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の第7の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Fの所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。
本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子について、図を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。
圧電薄膜共振子10は、平板状からなるベース基板30を備える。ベース基板30は、Si(シリコン)やGaAs(ガリウムヒ素)等を主材料とする平板状の基材31と、SiO(酸化ケイ素)やSiN(窒化ケイ素)等からなる絶縁膜32とを備える。絶縁膜32は、基材31の表面に成膜されている。絶縁膜32は、基板と素子との絶縁性を高める場合や、積層材料の基板への拡散防止のために形成される。絶縁膜32は必ずしも設けられなくてもよい。
基板30の絶縁膜32側の表面には、下側駆動電極22と、ストッパ用の下地電極23とが形成されている。下側駆動電極22および下地電極23は、所定距離離間するように、二箇所に設けられている。下側駆動電極22および下地電極23は、図1に示すように絶縁膜32の表面から埋め込まれた形状であってもよく、表面から突出する形状であってもよい。
基板30の絶縁膜32側の表面には、下地電極23の形成位置から突出する形状で、ストッパ24が形成されている。ストッパ24は、下地金属23と比べて高さ(突出する方向の長さ)が異なっており、金属からなる。なお、ストッパ24は絶縁体であってもよい。
基板30の絶縁膜32側の表面には、二箇所の下側駆動電極22および下地電極23の形成領域に挟まれる位置に、所定の高さからなるメンブレン支持部41が形成されている。メンブレン支持部41は、所定高さの壁状からなる。メンブレン支持部41は、ストッパ24と同様に、金属で構成されている。なお、メンブレン支持部41は絶縁体から構成されていてもよい。
平行に形成された壁状のメンブレン支持部41における基板30と反対側の端面は、平板状のメンブレン40によって繋がれている。言い換えれば、メンブレン40は、平行に設置された二個のメンブレン支持部41によって、基板30の表面から離間して支持されるように、設置されている。メンブレン40の平板面は、基板30の平板面と平行である。メンブレン40は、金属等の導体であっても、絶縁体であってもよい。
メンブレン40の表面およびメンブレン支持部41の表面には、メンブレン保護膜50が形成されている。ここで、メンブレン40の表面とは、メンブレン40における基板30側と反対側の面である。また、メンブレン支持部41の表面とは、メンブレン40のメンブレン支持部41とによって形成される橋状体の外面側に該当する面である。
メンブレン保護膜50は、当該メンブレン保護膜50の表面の表面粗さが所定値以下になるように形成された膜である。メンブレン保護膜50の表面とは、メンブレン保護膜50におけるメンブレン40に当接する面と反対側の面である。なお、表面粗さとしては、算術平均粗さRaが1nm程度以下であることが好ましい。
具体的には、メンブレン保護膜50を積層成膜し、当該成膜面の表面を、物理的もしくは化学的に平坦化処理することによって形成されている。このメンブレン保護膜50が、本発明の「平坦化処理膜」に相当する。なお、ここではメンブレン保護膜はメンブレン40の表面に設けられているが、メンブレン保護膜とメンブレンの間に、さらに接着層などが形成されていてもよい。
基板30の絶縁膜32側には、定常状態(後述の駆動電圧の非印加状態)で、メンブレン40に接触せず、当該メンブレン40の表面から所定距離離間して、圧電体層12が設置されている。
圧電体層12は、例えばAlN(窒化アルミニウム)からなる。圧電体層12の裏面、すなわち、圧電体層12の基板30側の面には、上側駆動電極21および下部電極13が形成されている。上側駆動電極21は、基板30に形成された下側駆動電極22と対向するように形成されている。下部電極13は、メンブレン40と対向するように形成されている。
圧電体層12の表面、すなわち圧電体層12の基板30側と反対側の面には、上部電極14が形成されている。上部電極14は、少なくとも一部の領域が、圧電体層12を挟んで下部電極13と対向するように形成されている。
このように、上部電極14および下部電極13によって圧電体層12が挟持された領域が共振子部11となる。
圧電体層12の表面には、略全面に表面保護膜51が形成されている。表面保護膜51は、例えばSiNやSiO,AlN等から形成されている。
圧電体層12の表面には、上部電極14に接続し、表面保護膜51を貫通して外部に露出する形状で、上部電極用ブリッジ導体17が形成されている。また、圧電体層12の表面保護膜51の表面には、下部電極用ブリッジ導体16が形成されている。下部電極用ブリッジ導体16は、表面保護膜51および圧電体12を貫通するビア導体15によって、下部電極13に接続されている。
以上のような構成により、圧電薄膜共振子10は、圧電素子12を主体として共振子部11を備える振動部と、基板30を主体として、メンブレン40を備えるベース部とが、空間90を介して配置される構造となっている。なお、圧電素子12を備える振動部は、後述の図2に示すように、定常状態として、駆動梁によって保持されており、この保持機構によって、振動部とベース部との間に空間90が形成されている。
このような構造の圧電薄膜共振子10は、次に示すような駆動制御を行うことで、異なる複数の共振周波数を有する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子10の使用態様を示す断面図である。図2(A)は駆動電圧を印加していない定常状態を示す図であり、図2(B)は駆動電圧を印加した状態を示す図である。なお、図2は、圧電薄膜共振子1の使用態様の説明に必要な構造のみを記載したものである。
上側駆動電極21と下側駆動電極22との間に駆動電圧が印加されていない場合、図2(A)に示すように、駆動梁130,140によって圧電体層12を主体とする振動部は、基板30(メンブレン40)に対して、空間90を介して保持された状態となる。このため、圧電体層12の下部電極13側の面と、メンブレン保護膜50の表面との間は、空間90を介して離間している。この状態が、本発明の「共振子部がメンブレンから離間する態様」に相当する。
この場合、共振子部11は、上部電極14の厚み、圧電体層12の厚み、下部電極13の厚みの合計の厚みに応じた共振周波数となる。
上側駆動電極21と下側駆動電極22との間に駆動電圧が印加された場合、上側駆動電極21と下側駆動電極22との間に静電引力が発生し、駆動梁130,140が湾曲する。そして、湾曲量が所定値に達すると、圧電体層12の下部電極13側の面と、メンブレン保護膜50の表面とが当接する。この状態が、本発明の「共振子部がメンブレンに当接した態様」に相当する。
この場合、メンブレン保護膜50の厚み、メンブレン40の厚みが共振周波数に作用する。具体的には、上部電極14の厚み、圧電体層12の厚み、下部電極13の厚みとともに、メンブレン保護膜50の厚み、メンブレン40の厚みを加えた合計の厚みに応じた共振周波数となる。したがって、図2(B)に示すような駆動された態様では、駆動されていない態様と比較して、共振周波数が低下する。
この際、圧電体層12または下部電極13とメンブレン保護膜50との当接面積が共振周波数に影響する。当接面積が広ければ共振周波数は低くなり、当接面積が狭ければ共振周波数は高くなる。すなわち、当接面積によって、駆動された態様での共振周波数は変化する。
したがって、本実施形態に示すように、メンブレン保護膜50の表面を平坦化処理することで、メンブレン保護膜50の表面、すなわち圧電体層12または下部電極13に当接する面積が素子によってばらつかない。したがって、所望とする共振周波数を得られる圧電薄膜共振子を正確に実現することができる。
次に、圧電薄膜共振子10の製造方法について、図を参照して説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子10の製造工程を示すフローチャートである。図4、図5、図6は、本発明の第1の実施形態に係る圧電薄膜共振子10の所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。以下では、図3のフローチャートに沿い、図4、図5、図6の各図を参照しながら説明する。
まず、図4(A)に示すように、基板30を形成する。具体的には、平板状の基材31の表面に、SiNからなる絶縁膜32を成膜し、下側駆動電極22および下地電極23を形成する(S101)。基材31はGaAsからなり、絶縁膜32は、SiNからなる。絶縁膜32は、例えば約1μmの厚みで形成されている。基板30の絶縁膜32側の表面に、下側駆動電極22および下地電極23を形成する。下側駆動電極22および下地電極23は、例えばAu(金)膜であり、膜厚は300nm程度である。
図4(B)に示すように、基板30の絶縁膜32側の表面に、第1犠牲層61を形成する(S102)。この際、第1犠牲層61に対して、ストッパ24およびメンブレン支持部41の形成領域が基板30の表面に露出するように開口部を形成する。なお、第1犠牲層61の高さは、ストッパ24およびメンブレン支持部41の高さと同じ高さに設定されている。第1犠牲層61は、例えばZnOからなる。
図4(C)に示すように、第1犠牲層61の開口部に、導電体からなるストッパ24およびメンブレン支持部41を形成する(S103)。ストッパ24およびメンブレン支持部41は、例えば、Au膜を800nm程度の高さで形成することによって得られる。
図4(D)に示すように、第1犠牲層61の表面で且つメンブレン支持部41を渡すように、メンブレン40を形成する(S104)。メンブレン40の材料は、導体、絶縁体のいずれでもよい。なお、メンブレン40の材料は、上述のように共振周波数を変化させた時にも良好な共振子特性を得るために、共振子の弾性ロスが少なくなる音響インピーダンスの高い材料を用いるとよい。例えば、音響インピーダンスが30×10g/(cm・s)以上であるMo(モリブデン),Ru(ルテニウム),Rh(ロジウム),Ta(タンタル),W(タングステン),Re(レニウム),Ir(イリジウム),Pt等を含む材料を用いるとよい。
図4(E)に示すように、メンブレン40の表面およびメンブレン支持部41の表面に、メンブレン保護膜50を形成する(S105)。メンブレン保護膜50もメンブレン40と同様の材料を用いるとよい。なお、次の平坦化工程における平坦化方法に応じて、これらの材料の中から平坦化しやすい材料を用いるとよりよい。
このよう複数の層を順次積層形成する工程を経ることによって、図4(E)に示すように、メンブレン保護膜50の表面には凹凸が現れてしまう。
そこで、図4(F)に示すように、メンブレン保護膜50の表面を平坦化処理する(S106)。平坦化処理の方法としては、例えば、CMP,RIE,Arミリング、エッチバック等を用いるとよい。特に、ドライエッチングやミリングを用いた場合には、メンブレン保護膜50の材料に対する依存性が少なく、よりよい。この平坦化処理により、メンブレン保護膜50の表面に現れた凹凸が平坦化され、所定のレベル以下の表面粗さが実現される。
メンブレン保護膜50の表面の平坦化処理を行った後、図5(G)に示すように、メンブレン保護膜50、第1犠牲層61、ストッパ24の表面を所定の厚みで覆うように第2犠牲層62を形成する(S107)。第2犠牲層62は、例えばZnO(酸化亜鉛)からなる。この第2犠牲層62の厚みによって、圧電薄膜共振子10における空間90の高さが設定される。例えば、1.0μm程度に設定されている。
図5(H)に示すように、第2犠牲層62の表面に、上側駆動電極21と下部電極13とを形成する(S108)。上側駆動電極21は、第1犠牲層61および第2犠牲層62を介して下側駆動電極22と対向するように形成されている。下部電極13は、第2犠牲層62を介してメンブレン40と対向するように形成されている。上側駆動電極21および下部電極13は、例えば、Moからなり、0.3μm程度の厚みで形成されている。
図5(I)に示すように、上側駆動電極21と下部電極13とが成膜された第2犠牲層62の表面に、圧電体層12を形成する(S109)。圧電体層12は、例えばAlN(窒化アルミニウム)からなる。圧電体層12は、例えば1.5μm程度の厚みで形成されている。
図5(J)に示すように、圧電体層12の表面に、上部電極14を形成する(S110)。上部電極14は、少なくとも一部が圧電体層12を挟んで下部電極13と対向する位置に形成されている。上部電極14は、下部電極13と同様に、例えば、Moからなり、0.3μm程度の厚みで形成されている。
図6(K)に示すように、上部電極14が形成された圧電体層12の表面に、表面保護膜51を形成する(S111)。表面保護膜51は、SiNからなる。
図6(L)に示すように、ビア導体15、下部電極用ブリッジ導体16、上部電極用ブリッジ導体17を形成する(S112)。ビア導体15は、圧電体層12および表面保護膜51を貫通し下部電極13に接続する形状で形成されている。下部電極用ブリッジ導体16は、ビア導体15に接続する形状で、表面保護膜51の表面に形成されている。上部電極用ブリッジ導体17は、表面保護膜51を貫通し、上部電極14に接続する形状で形成されている。これらビア導体15、下部電極用ブリッジ導体16、および上部電極用ブリッジ導体17は、Auによって形成されている。
図6(M)に示すように、第1犠牲層61および第2犠牲層62を除去し、空間90を形成する(S113)。具体的には、上述のように、第1犠牲層61および第2犠牲層62として、ZnOを用いた場合、酢酸、リン酸、水からなるウエットエッチング液によって、第1犠牲層61および第2犠牲層62をエッチングする。
このような製造工程によって、本実施形態に係る圧電薄膜共振子10を製造することができる。そして、本実施形態の製造工程に示すように、メンブレン保護膜50の表面の平坦化処理を行うことで、上部電極14、圧電体層12、および下部電極13からなる共振子部11と、メンブレン保護膜50との当接面積が、圧電薄膜共振子毎にばらつくことなく安定する。これにより、所望の共振特性を有する圧電薄膜共振子10を安定して製造することができる。
次に、第2の実施形態に係る圧電薄膜共振子について、図を参照して説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。本実施形態の圧電薄膜共振子10Aは、第1の実施形態に示した圧電薄膜共振子10に対して、メンブレン保護膜50が削除され、圧電体下部保護膜52が追加されたものである。したがって、以下、第1の実施形態の圧電薄膜共振子10と同じ箇所は説明を省略し、異なる箇所のみを具体的に説明する。
基板30の表面には、ストッパ24と、メンブレン支持部41とが形成されている。メンブレン支持部41における基板30と反対側の端面は、メンブレン40によって渡しがかけられており、メンブレン40とメンブレン支持部41とにより橋状体が形成されている。
圧電体層12の裏面側、すなわち圧電体層12の基板30側には、圧電体下部保護膜52が形成されている。圧電体下部保護膜52の圧電体層12側の面は、第1の実施形態のメンブレン保護膜50の平坦化処理と同様の処理が施されている。なお、ここでは圧電体下部保護膜に圧電体層12が設けられているが、圧電体下部保護膜と圧電体層の間に、さらに接着層などが形成されていてもよい。
このような構成とすることで、圧電体層12が平坦度の高い圧電体下部保護膜52の表面に形成される。したがって、圧電体層12の結晶性が向上し、圧電体層12の圧電特性が向上する。これにより、共振部11Aの共振特性を向上させることができる。また、圧電薄膜共振子毎に共振特性がばらつくことがなくなるので、該共振特性を安定させることができる。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Aの製造方法について、図を参照して説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Aの製造工程を示すフローチャートである。図9、図10は、本発明の第2の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Aの所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。以下では、図8のフローチャートに沿い、図9、図10の各図を参照しながら説明する。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Aの製造方法は、メンブレン40の形成工程までが、第1の実施形態に示した圧電薄膜共振子10の製造方法と同じである。すなわち、図7のステップS201からステップS204までの工程が、図3のステップS101からステップS104の工程と同じである。これにより、図9(A)に示すような積層体が形成される。
図9(B)に示すように、メンブレン40、第1犠牲層61、ストッパ24の表面を所定の厚みで覆うように第2犠牲層62を形成する(S205)。
図9(C)に示すように、第2犠牲層62の表面に、圧電体下部保護膜52を形成する(S206)。圧電体下部保護膜52は、絶縁性を有する材料からなる。具体的には、圧電体下部保護膜52は、SiNやSiO、AlN等によって形成されている。
このように複数の層を順次積層形成する工程を経ることによって、図9(C)に示すように、第2犠牲層62の表面には凹凸が現れてしまう。
図9(D)に示すように、圧電体下部保護膜52の表面を平坦化処理する(S207)。平坦化処理の方法としては、例えば、CMP,RIE,Arミリング、エッチバック等を用いるとよい。特に、ドライエッチングやミリングを用いた場合には、圧電体下部保護膜52の材料に対する依存性が少なく、よりよい。この平坦化処理により、圧電体下部保護膜52の表面に現れた凹凸が平坦化され、所定のレベル以下の表面粗さが実現される。
圧電体下部保護膜52の表面の平坦化処理を行った後、図9(E)に示すように、圧電体下部保護膜52の表面に、上側駆動電極21と下部電極13とを形成する(S208)。上側駆動電極21は、圧電体下部保護膜52、第2犠牲層62、第1犠牲層61を介して下側駆動電極22と対向するように形成されている。下部電極13は、圧電体下部保護膜52および第2犠牲層62を介してメンブレン40と対向するように形成されている。
図10(F)に示すように、上側駆動電極21と下部電極13とが成膜された圧電体下部保護膜52の表面に、圧電体層12を形成する(S209)。ここで、上述のように、平坦化処理された圧電体下部保護膜52の表面に圧電体層12が形成されることで、圧電体層12の結晶性が向上する。したがって、圧電薄膜共振子毎に結晶性がばらつくことなく安定する。
図10(G)に示すように、第1の実施形態と同様に、圧電体層12の表面に上部電極14を形成し(S210)、上部電極14が形成された圧電体層12の表面に表面保護膜51を形成し(S211)、所定の位置に、ビア導体15、下部電極用ブリッジ導体16、上部電極用ブリッジ導体17を形成する(S212)。
図10(H)に示すように、第1犠牲層61および第2犠牲層62を除去し、空間90を形成する(S213)。これにより、共振子部11Aを備える圧電薄膜共振子10Aを形成することができる。
このような製造工程によって、本実施形態に係る圧電薄膜共振子10Aを製造することができる。そして、本実施形態の製造工程に示すように、圧電体下部保護膜52の表面の平坦化処理を行うことで、圧電体層12の結晶性が向上するとともに、圧電薄膜共振子毎にばらつくことなく安定する。これにより、所望の共振特性を有する圧電薄膜共振子10Aを安定して製造することができる。
次に、第3の実施形態に係る圧電薄膜共振子について、図を参照して説明する。図11は、本発明の第3の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。本実施形態の圧電薄膜共振子10Bは、第1の実施形態に示した圧電薄膜共振子10の構成と、第2の実施形態に示した圧電薄膜共振子10Aの構成とを組み合わせたものである。したがって、以下では、本実施形態の圧電薄膜共振子10Bに特有な箇所を具体的に説明する。
基板30の表面には、ストッパ24と、メンブレン支持部41とが形成されている。メンブレン支持部41における基板30と反対側の端面は、メンブレン40によって渡しがかけられており、メンブレン40とメンブレン支持部41とにより橋状体が形成されている。
メンブレン40とメンブレン保護膜50の表面には、メンブレン保護膜50が形成されている。メンブレン保護膜50の表面は、上述の第1の実施形態と同様の平坦化処理が施されている。
圧電体層12の裏面側、すなわち圧電体層12の基板30側には、圧電体下部保護膜52が形成されている。圧電体下部保護膜52の圧電体層12側の面は、第1の実施形態のメンブレン保護膜50の平坦化処理と同様の処理が施されている。
このような構成とすることで、メンブレン保護膜50との当接面積が、圧電薄膜共振子毎にばらつくことなく安定し、且つ、圧電体層12の結晶性が向上し、圧電体層12の圧電特性が向上する。これにより、共振部11Bの共振特性をいずれの態様においても向上させることができる。また、圧電薄膜共振子毎に共振特性がばらつくことを、さらに効果的に抑制することができる。
次に、本実施形態の圧電薄膜共振子10Bの製造方法について、図を参照して説明する。図12は、本発明の第3の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Bの製造工程を示すフローチャートである。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Bの製造方法は、第2犠牲層62の形成工程までが、第1の実施形態に示した圧電薄膜共振子10の製造方法と同じである。すなわち、図12のステップS301からステップS307までの工程が、図3のステップS101からステップS107の工程と同じである。
そして、本実施形態の圧電薄膜共振子10Bの製造方法は、圧電体下部保護膜52の形成工程から犠牲層の除去工程までが、第2の実施形態に示した圧電薄膜共振子10Aの製造方法と同じである。すなわち、図12のステップS308からステップS315までの工程が、図8のステップS206からステップS213の工程と同じである。これにより、共振子部11Bを備える圧電薄膜共振子10Bを形成することができる。
このような製造工程によって、本実施形態に係る圧電薄膜共振子10Bを製造することができる。そして、本実施形態の製造工程に示すように、メンブレン保護膜50および圧電体下部保護膜52の表面の平坦化処理を行うことで、圧電体層12の結晶性が向上するとともに、圧電薄膜共振子毎にばらつくことなく安定する。また、メンブレン保護膜50との当接面積が、圧電薄膜共振子毎にばらつくことなく安定するため、駆動時の共振周波数のばらつきを抑制できる。これにより、所望の共振特性を有する圧電薄膜共振子10Bを安定して製造することができる。
次に、第4の実施形態に係る圧電薄膜共振子について、図を参照して説明する。図13は、本発明の第4の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。本実施形態の圧電薄膜共振子10Cは、第1の実施形態に示した圧電薄膜共振子10に対して、メンブレン保護膜50Cの構成が異なるものである。したがって、以下、第1の実施形態の圧電薄膜共振子10と同じ箇所は説明を省略し、異なる箇所のみを具体的に説明する。
メンブレン保護膜50Cは、液体塗布材料からなる。例えば、メンブレン保護膜50Cは、SOG(Spin−On−Glass)の利用できる材料や、エポキシ樹脂、ポリイミド等からなる。このように液体塗布材料を用いることで、上述の積層成膜による方法よりも、当該液体塗布材料を塗布して硬化させた後の表面の平坦度を高くすることができる。これにより、上述のような平坦化処理を行うことなく、メンブレン保護膜50Cの表面を所定レベル以下の表面粗さにすることができる。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Cの製造方法について、図を参照して説明する。図14は、本発明の第4の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Cの製造工程を示すフローチャートである。図15は、本発明の第4の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Cの所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。以下では、図14のフローチャートに沿い、図15の各図を参照しながら説明する。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Cの製造方法は、メンブレン40の形成工程までが、第1の実施形態に示した圧電薄膜共振子10の製造方法と同じである。すなわち、図14のステップS401からステップS404までが、図3のステップS101からステップS104と同じである。これにより、図15(A)に示すような積層体が形成される。
図15(B)に示すように、メンブレン40が形成されたこの積層体の表面に、液体塗布材料を塗布し、硬化させることで、メンブレン保護膜50Cを形成する(S405)。この際、メンブレン保護膜50Cは、硬化後にパターニング処理することで、メンブレン40の表面、もしくは、メンブレン40およびメンブレン支持部41の表面のみが覆われるように形成する。
このような製造方法を用いることで、物理的もしくは化学的な平坦化処理を行うことなく、メンブレン保護膜50Cの表面を、所定レベル以下の表面粗さにすることができる。
そして、図15(C),(D)に示しように、メンブレン保護膜50Cの形成工程以降は、第1の実施形態の製造方法と同じである。すなわち、図14のステップS406からステップS412までの工程が、図3のステップS107からステップS113の工程と同じである。これにより、共振子部11Cを備える圧電薄膜共振子10Cを形成することができる。
このような製造方法を用いても、第1の実施形態と同じ作用効果を得ることができる。さらに、本実施形態の製造方法を用いれば、メンブレン保護膜の形成工程と平坦化処理工程とを同時に実現できる。したがって、物理的もしくは化学的な平坦化処理を行う工程を省略でき、製造工程を簡素化することができる。
次に、第5の実施形態に係る圧電薄膜共振子について、図を参照して説明する。図16は、本発明の第5の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。本実施形態の圧電薄膜共振子10Dは、第1の実施形態に示した圧電薄膜共振子10に対して、平坦化処理を省略し、代わりに積層成膜の表面に液体塗布材料を塗布するものである。したがって、以下、第1の実施形態の圧電薄膜共振子10と同じ箇所は説明を省略し、異なる箇所のみを具体的に説明する。
メンブレン40およびメンブレン支持部41の表面には、第1メンブレン保護膜501が形成される。第1メンブレン保護膜501は、メンブレン40と同様の材料によって積層成膜されている。第1メンブレン保護膜501の表面には、第2メンブレン保護膜502が形成されている。第2メンブレン保護膜502は、第4の実施形態と同様に、液体塗布材料を第1メンブレン保護膜501の表面に塗布して硬化させることによって形成されている。これら第1メンブレン保護膜501と第2メンブレン保護膜502とによりメンブレン保護膜50Dが構成される。
このような構成であっても、メンブレン保護膜50Dの表面は、所定レベル以下の表面粗さになる。したがって、上述の第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Dの製造方法について、図を参照して説明する。図17は、本発明の第5の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Dの製造工程を示すフローチャートである。図18は、本発明の第5の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Dの所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。以下では、図17のフローチャートに沿い、図18の各図を参照しながら説明する。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Dの製造方法は、メンブレン40の形成工程までが、第1の実施形態に示した圧電薄膜共振子10の製造方法と同じである。すなわち、図17のステップS501からステップS504までが、図3のステップS101からステップS104と同じである。
図18(A)に示すように、メンブレン40の表面およびメンブレン支持部41の表面に、第1メンブレン保護膜501を形成する(S505)。この状態では、図18(A)に示すように、第1メンブレン保護膜501の表面には凹凸が現れてしまう。
図18(B)に示すように、第1メンブレン保護膜501の表面に、液体塗布材料を塗布し、硬化させることで、第2メンブレン保護膜502を形成する(S506)。
このような製造方法を用いることで、物理的もしくは化学的な平坦化処理を行うことなく、メンブレン保護膜50Dの表面を、所定レベル以下の表面粗さにすることができる。
そして、図18(C),(D)に示しように、メンブレン保護膜50Dの形成工程以降は、第1の実施形態の製造方法と同じである。すなわち、図17のステップS507からステップS513までの工程が、図3のステップS107からステップS113の工程と同じである。これにより、共振子部11Dを備える圧電薄膜共振子10Dを形成することができる。
このような製造方法を用いても、第1の実施形態と同じ作用効果を得ることができる。さらに、本実施形態の製造方法を用いれば、物理的もしくは化学的な平坦化処理を行う工程を用いなくても所定レベル以下の表面粗さを実現することができる。
次に、第6の実施形態に係る圧電薄膜共振子について、図を参照して説明する。図19は、本発明の第6の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。本実施形態の圧電薄膜共振子10Eは、第2の実施形態に示した圧電薄膜共振子10Aに対して、圧電体下部保護膜52Eの構成が異なるものである。したがって、以下、第2の実施形態の圧電薄膜共振子10と同じ箇所は説明を省略し、異なる箇所のみを具体的に説明する。
圧電体下部保護膜52Eは、液体塗布材料からなる。例えば、圧電体下部保護膜52Eは、SOG(Spin−On−Glass)材料や、エポキシ樹脂、ポリイミド等からなる。このように液体塗布材料を用いることで、上述の積層成膜による方法よりも、当該液体塗布材料を塗布して硬化させた後の表面の平坦度を高くすることができる。これにより、上述のような平坦化処理を行うことなく、圧電体下部保護膜52Eの表面を所定レベル以下の表面粗さにすることができる。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Eの製造方法について、図を参照して説明する。図20は、本発明の第6の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Eの製造工程を示すフローチャートである。図21は、本発明の第6の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Eの所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。以下では、図20のフローチャートに沿い、図21の各図を参照しながら説明する。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Eの製造方法は、第2犠牲層62の形成工程までが、第2の実施形態に示した圧電薄膜共振子10Aの製造方法と同じである。すなわち、図20のステップS601からステップS605までが、図8のステップS201からステップS205と同じである。これにより、図21(A)に示すような積層体が形成される。
図21(B)に示すように、第2犠牲層62が形成されたこの積層体の表面に、液体塗布材料を塗布し、硬化させることで、圧電薄膜共振子10Eを形成する(S606)。
このような製造方法を用いることで、物理的もしくは化学的な平坦化処理を行うことなく、圧電薄膜共振子10Eの表面を、所定レベル以下の表面粗さにすることができる。
そして、図21(C),(D)に示しように、圧電薄膜共振子10Eの形成工程以降は、第2の実施形態の製造方法と同じである。すなわち、図20のステップS607からステップS612までの工程が、図8のステップS208からステップS203の工程と同じである。これにより、共振子部11Eを備える圧電薄膜共振子10Eを形成することができる。
このような製造方法を用いても、第1の実施形態と同じ作用効果を得ることができる。さらに、本実施形態の製造方法を用いれば、圧電体下部保護膜の形成工程と平坦化処理工程とを同時に実現できる。したがって、物理的もしくは化学的な平坦化処理を行う工程を省略でき、製造工程を簡素化することができる。
次に、第7の実施形態に係る圧電薄膜共振子について、図を参照して説明する。図22は、本発明の第7の実施形態に係る圧電薄膜共振子の主要部を示す側面断面図である。本実施形態の圧電薄膜共振子10Fは、第2の実施形態に示した圧電薄膜共振子10Aに対して、平坦化処理を省略し、代わりに積層成膜の表面に液体塗布材料を塗布するものである。したがって、以下、第2の実施形態の圧電薄膜共振子10Aと同じ箇所は説明を省略し、異なる箇所のみを具体的に説明する。
圧電体層12の裏面、すなわち下部電極13および上側駆動電極21の形成された面には、第1圧電体下部保護膜521と第2圧電体下部保護膜522とが層状に形成されている。この際、第2圧電体下部保護膜522が、圧電体層12側になるように層状化されている。第1圧電体下部保護膜521は、積層成膜された層である。第2圧電体下部保護膜522は、液体塗布材料を塗布し硬化させた層である。第1圧電体下部保護膜521と第2圧電体下部保護膜522とにより圧電体下部保護膜52Fが構成される。
このような構成であっても、圧電体下部保護膜52Fの表面は、所定レベル以下の表面粗さになる。したがって、第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Fの製造方法について、図を参照して説明する。図23は、本発明の第7の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Fの製造工程を示すフローチャートである。図24は、本発明の第7の実施形態に係る圧電薄膜共振子10Fの所定の製造工程での形成状態を示す側面図である。以下では、図23のフローチャートに沿い、図24の各図を参照しながら説明する。
本実施形態の圧電薄膜共振子10Fの製造方法は、第2犠牲層62の形成工程までが、第2の実施形態に示した圧電薄膜共振子10Aの製造方法と同じである。すなわち、図23のステップS701からステップS705までが、図8のステップS201からステップS205と同じである。これにより、図24(A)に示すような積層体が形成される。
図24(B)に示すように、第2犠牲層62の表面に、第1圧電体下部保護膜521を形成する(S706)。この状態では、図24(B)に示すように、第1圧電体下部保護膜521の表面には凹凸が現れてしまう。
図24(C)に示すように、第1圧電体下部保護膜521の表面に、液体塗布材料を塗布し、硬化させることで、第2圧電体下部保護膜522を形成する(S707)。
このような製造方法を用いることで、物理的もしくは化学的な平坦化処理を行うことなく、圧電体下部保護膜52Fの表面を、所定レベル以下の表面粗さにすることができる。
そして、図24(D),(E)に示しように、圧電体下部保護膜52Fの形成工程以降は、第2の実施形態の製造方法と同じである。すなわち、図23のステップS708からステップS713までの工程が、図8のステップS208からステップS213の工程と同じである。これにより、共振子部11Fを備える圧電薄膜共振子10Fを形成することができる。
このような製造方法を用いても、第1の実施形態と同じ作用効果を得ることができる。さらに、本実施形態の製造方法を用いれば、物理的もしくは化学的な平坦化処理を行う工程を用いなくても所定レベル以下の表面粗さを実現することができる。
なお、上述の各実施形態の構成および製造方法は、本発明の特徴を示す数例であり、上述の各実施形態に基づいて想定し得る、メンブレン保護膜、圧電体下部保護膜の表面が所定レベル以下の表面粗さとなるように構成および製造方法であれば、上述の作用効果を得ることができる。
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F:圧電薄膜共振子、
11,11A,11B,11C,11D,11E,11F:共振子部、
13:下部電極、
14:上部電極、
15:ビア導体、
16:下部電極用ブリッジ導体、
17:上部電極用ブリッジ導体、
21:上側駆動電極、
22:下側駆動電極、
23:下地電極、
24:ストッパ、
30:ベース基板、
31:基材、
32:絶縁膜、
40:メンブレン、
41:メンブレン支持部、
50,50C,50D:メンブレン保護膜
51:表面保護膜、
52,52E,52F:圧電体下部保護膜、
61:第1犠牲層、
62:第2犠牲層、
90:空間
501:第1メンブレン保護膜、
502:第2メンブレン保護膜、
521:第1圧電体下部保護膜、
522:第2圧電体下部保護膜

Claims (16)

  1. 基板と、
    該基板の一方主面側に配置された圧電体層と、
    該圧電体層の前記基板側の面に配置された下部電極、および、該下部電極に対向し、前記圧電体層の前記基板と反対側の面に配置された上部電極と、
    前記基板の一方主面側に配置された中空を有するメンブレンと、を備え、
    前記圧電体層と前記上部電極と前記下部電極とからなる共振子部が前記メンブレンに当接する態様と、前記共振子部が前記メンブレンから離間する態様とが切り替えられて制御される構造からなり、
    前記圧電体層と前記メンブレンとの間に平坦化処理膜が備えられている、圧電薄膜共振子。
  2. 前記平坦化処理膜は、前記メンブレンの前記共振子部側の表面に形成されている、請求項1に記載の圧電薄膜共振子。
  3. 前記平坦化処理膜は、前記圧電体層および前記下部電極の前記基板側の面に形成されている、請求項1または請求項2に記載の圧電薄膜共振子。
  4. 前記平坦化処理膜は、積層成膜された層の表面に対して物理的または化学的平坦化処理を行った層である、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  5. 前記平坦化処理膜は、液状材料を塗布、硬化した層である、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  6. 前記平坦化処理膜は、積層成膜された層の表面に液状材料を塗布、硬化した層である、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  7. 前記液状材料は感光性樹脂材料である、請求項5または請求項6に記載の圧電薄膜共振子。
  8. 前記液状材料は液体塗布ガラスを含む材料である、請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の圧電薄膜共振子。
  9. 基板の表面にメンブレンを形成する工程と、
    前記メンブレンの上層に犠牲層を形成する工程と、
    前記犠牲層の表面に、下部電極と上部電極を対向させた圧電体層からなる共振子部を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去する工程と、有する圧電薄膜共振子の製造方法であって、
    前記メンブレンを形成する工程と前記共振子部とを形成する工程との間に平坦化処理膜を形成する工程を、有する圧電薄膜共振子の製造方法。
  10. 前記平坦化処理膜の形成工程は、
    前記メンブレンを形成する工程と前記犠牲層を形成する工程との間に行われる、請求項9に記載の圧電薄膜共振子の製造方法。
  11. 前記平坦化処理膜の形成工程は、
    前記犠牲層を形成する工程と、前記共振子部を形成する工程との間に行われる、請求項9または請求項10に記載の圧電薄膜共振子の製造方法。
  12. 前記平坦化処理膜の形成工程は、
    積層成膜工程と、
    積層成膜された膜の表面を物理的または化学的に平坦化処理を行う工程と、を有する請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の圧電薄膜共振子の製造方法。
  13. 前記平坦化処理膜の形成工程は、
    液状材料を塗布する工程と、
    該塗布された液状材料を硬化する工程と、
    を有する、請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の圧電薄膜共振子の製造方法。
  14. 前記平坦化処理膜の形成工程は、
    積層成膜工程と、
    液状材料を塗布する工程と、
    該塗布された液状材料を硬化する工程と、
    を有する、請求項9乃至請求項11のいずれかに記載の圧電薄膜共振子の製造方法。
  15. 前記液状材料は感光性樹脂材料である、請求項13または請求項14に記載の圧電薄膜共振子の製造方法。
  16. 前記液状材料は液体塗布ガラスを含む材料である、請求項13乃至請求項14のいずれかに記載の圧電薄膜共振子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2018235876A1 (ja) * 2017-06-23 2020-04-09 株式会社村田製作所 弾性波装置、フロントエンド回路及び通信装置

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