JP2013247253A - 発光装置 - Google Patents

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浩司 宮坂
Satoshi Umeda
悟史 梅田
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Abstract

【課題】高い歩留りで製造することができ、破壊されにくい構造の発光装置を提供する。
【解決手段】基材の上に設置された発光素子と、前記発光素子の上に形成された透明板と、を有し、前記透明板は、破壊靱性値が0.76MPa・m0.5よりも大きいガラスにより形成されているものであることを特徴とする発光装置を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、発光装置に関する。
発光ダイオードのような発光装置において、発光装置の出射側に構造物を形成することにより、発光装置における発光部から発光装置の外へ出射される光の取り出し効率を向上させることのできる技術が開示されている(特許文献1)。また、発光装置の出射側に構造物を形成することにより、発光装置の外へ出射される光の放射強度分布を制御させることのできる技術が開示されている(特許文献2)。
具体的には、特許文献1に記載されているものは、半導体チップを覆うように設けられた透光性封止樹脂の表面のうち、半導体チップの上方に位置する中央部を平滑表面とし、かつ、この平滑表面を除く周辺部分を粗面とした発光装置である。また、特許文献2に記載されているものは、円錐構造、角錐構造、角柱構造、または複合放物面を逆にしたような構造を有する角度フィルタ要素を備えた照明装置である。
また、半導体発光装置の光出射面のエッジを直線状に形成することにより、配光パターンのカットオフラインを理想的な直線状にするために波長変換層の上に透明板を設置する技術が開示されている(特許文献3)。具体的には、特許文献3においては、透明板として厚さ0.2mm以下のガラス等の無機材料を用いることが開示されている。
特許第3951406号公報 特表2011−505057号公報 特開2011−204376号公報 特開2012−33823号公報
一般に発光装置は発熱による内部の温度上昇が起こるため、上記のような構造物を形成する場合、耐熱性の観点から無機のガラス材料を用いることが好ましい。また、発光装置における発光体から発光装置の出射側の表面までの厚みが厚くなると、側面の影響が大きくなる。発光体から出射された光のうち、その一部は発光装置の出射側の表面によって全反射され側面に到達するため、発光装置の出射側表面から効率的に光を出射することができなくなる。したがって、発光装置の表面にガラス材料を設置するような場合、ガラス材料の厚みが薄い方が好ましい。
しかしながら、ガラス材料は脆性があるため、使用するガラスの材料によっては、発光装置を製造する際に、発光装置を形成しているガラスの端面に比較的大きなチッピングやクラック等の欠けが発生する場合があり、これにより歩留りの低下を招いてしまう。また、発光装置を形成しているガラスの端面において、比較的大きなチッピングやクラック等の欠けが発生すると、例えば、車両等に搭載した場合、外部からの振動により、チッピングやクラック等の欠けからヒビ等が生じ、発光装置が破壊されてしまう場合がある。また、ガラス材料上に構造物を形成する場合、応力が集中しやすい形状であると、構造物の破壊の原因となり、このような破壊が生じると特性に変化が生じてしまう。
本発明は、上述のような課題を鑑みてなされたものであり、高い歩留りで製造することができ、破壊されにくい構造の発光装置を提供することを目的とする。
本発明は、基材の上に設置された発光素子と、前記発光素子の上に形成された透明板と、を有し、前記透明板は、破壊靱性値が0.76MPa・m0.5よりも大きいガラスにより形成されているものであることを特徴とする。
また、本発明は、基材の上に設置された発光素子と、前記発光素子の上に形成された透明板と、を有し、前記透明板は、透明板状部と、前記透明板状部において、前記発光素子が設けられている側となる一方の面とは反対側の他方の面に形成された凹凸部と、を有しており、前記凹凸部は、底面部と上面部と前記底面部と前記上面部との間の曲面部により形成されており、前記曲面部と前記底面部との境界は、曲率半径が1μm以上であることを特徴とする。
また、本発明は、基材の上に設置された発光素子と、前記発光素子の上に形成された透明板と、を有し、前記透明板は、透明板状部と、前記透明板状部において、前記発光素子が設けられている側となる一方の面とは反対側の他方の面に形成された凹凸部と、を有しており、前記凹凸部は、底面部と上面部と前記底面部と前記上面部との間の曲面部により形成されており、前記曲面部はウェットエッチングにより形成されたものであることを特徴とする。
本発明により、高い歩留りで製造することができ、破壊されにくい構造の発光装置を提供することができる。
第1の実施の形態における発光装置の断面模式図 発光装置の製造方法の説明図 ガラスおいて引っ掻き試験を行った結果の写真 第2の実施の形態における発光装置の断面模式図 第2の実施の形態における発光装置の凹凸部の構造図(1) 第2の実施の形態における発光装置の凹凸部の構造図(2) 第2の実施の形態における発光装置の凹凸部の構造図(3) 第2の実施の形態における発光装置の凹凸部の構造図(4) 凹凸部の形状の違いによる光の反射の説明図 第3の実施の形態における発光装置の断面模式図 発光装置における放射強度の測定方法の説明図 例2〜5における発光装置の説明図 例6における発光装置の説明図 例7における発光装置の説明図 例1〜5における発光装置の放射角度と放射強度の相関図 例1、6、7における発光装置の放射角度と放射強度の相関図
発明を実施するための形態について、以下に説明する。なお、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態における発光装置10を模式的に示す断面図である。発光装置10は、セラミックスやシリコン等により形成された基材11の上に発光素子12を備え、発光素子12の上に波長変換部材13を備え、さらに、波長変換部材13の上には透明板14を備えている。
発光素子12は、LED(Light Emitting Diode)等の電流等を流すことにより発光するものである。なお、発光素子12は、図1には不図示の電極を有しており、この電極を介して基材11に接合されている。
波長変換部材13は蛍光体を含有しており、発光素子12から出射された光のうち一部を吸収し、波長変換された蛍光を出射する。なお、発光装置10の側面から漏れる光を前方に出射させるために発光装置10の側面に反射機能を有する層を設けてもよい。また、発光装置10の側面を散乱体で覆うような構造としてもよい。
透明板14の表面に対して大きな入射角で入射する光は、透明板14の表面において全反射され発光装置10の側面に到達する。したがって発光装置10において側面の厚みが厚くなると、発光装置10の上面から出射される光の光量が減るため、透明板の厚みは薄い方が好ましい。透明板14を形成している基板が薄いと加工も難しくなるため、透明板14の上面から出射される光量とのバランスをとる必要があるが、透明板14をの基板の厚さは、0.3mm以下であることが好ましく、さらには、0.2mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることが、より一層好ましい。
本実施の形態においては、発光装置10に透明板14を設けることにより、波長変換部材13の厚みを均一にすることができ、発光装置から出射される光の色温度の均一性を向上させることができる。また、波長変換部材13の端部の形状を透明板14と発光素子12によって生じる表面張力によって整えることができるため、出射光の配光パターンを整形することができる。
透明板14はガラスなどの耐熱性を有する材料であることが好ましい。特に、ガラスのヤケや波長変換部材13への不純物混入を防ぐため無アルカリガラスまたは低アルカリガラスであることが好ましい。また透明板14の表面には反射防止膜等の光に対して機能する層が形成されていてもよい。
透明板14としてガラスを用いる場合、破壊靭性値が大きなものを用いることが好ましい。これは後述するように、ガラスの破壊が生じることによって発光装置10の光の出射特性に変化が生じる場合があるためである。ガラスの破壊の一つの例としては、発光装置を製造する場合において、透明板14を切断する際に、ガラスが有する脆性によって透明板の周辺分にチッピングやクラック等の欠けが発生する場合がある。このように発生したチッピングやクラック等の欠けにより、発光装置の歩留りが低下する場合があり、また、経時変化や振動によってチッピングやクラック等の欠けからヒビ等が生じる場合がある。
具体的には、本実施の形態における発光装置は、図2に示されるように、最初に、基材11となるウエハ21の上に、発光素子12となる発光素子層22、波長変換部材13となる波長変換部材層23、透明板14となる透明板層24を積層することによりウエハ部材20を形成する。この後、形成されたウエハ部材20を破線2A及び2Bに示される位置で、縦横にダイシング等により切断することにより作製することができる。このように作製される発光装置においては、ダイシング等により切断する際に、破線で示されるダイシング等により切断される領域において、クラックやチッピング等が発生する場合がある。なお、透明板14を発光素子12の大きさに切断し、発光素子12の上に載せることにより発光装置を作製する場合もあるが、この場合も上記と同様である。
このようにダイシング等により切断されて製造される発光装置の幅は、数ミリメートル程度であることから、クラックやチッピング等が発生した場合の影響は大きい。即ち、透明板14となる透明板層24に、破壊靭性値が小さいガラスを用いた場合には、ダイシング等による切断の際にクラックやチッピングが起こりやすくなる。なお、図2(a)は、切断される前のウエハ部材20の側面図であり、図2(b)は上面図である。
次に、破壊靭性とガラスの破壊の関係について説明する。破壊靭性とは、材料に荷重を加えた場合に亀裂の伝播に対する耐性を意味するものである。「ガラス工学ハンドブック」(朝倉書店)にはガラスの破壊靭性値の参考値として表1のような値が示されている。
図3は、ソーダ石灰ガラス及びアルミノホウケイ酸ガラスについて、先端の曲率半径が30μmのダイアモンドスタイラスに荷重をかけて引っ掻き試験を行った後の状態を示すものである。ここで用いられているソーダ石灰ガラスにおける破壊靭性値は0.76である。また、アルミノホウケイ酸ガラスとしては、EAGLE XG(登録商標)を用いており、この破壊靭性値は「The Thermal Fracture Technique on Laser Cutting of Brittle Materials」(国立中山大学、1999年)によれば0.83である。なお、図3は、ソーダ石灰ガラスについて、荷重が200g、250g、300gにおける引っ掻き試験を行った後の状態、及び、アルミノホウケイ酸ガラスについて、荷重が200g、250g、300g、350g、450g、550gにおける引っ掻き試験を行った後の状態を示すものである。
図3に示されるように、ソーダ石灰ガラスでは、300gの荷重で引っ掻き試験を行った場合には大きなチッピングが発生する。これに対しアルミノホウケイ酸ガラスでは、300gの荷重で引っ掻き試験を行った場合には大きなチッピングが発生することはなく、550gの荷重のまでは大きなチッピングは発生していない。したがって、同一の荷重がかかった場合に破壊靭性値が大きい方がチッピングは生じにくい。この結果に基づくならば、透明板14を形成するガラスの破壊靭性値は、0.76MPa・m0.5よりも大きいことが好ましく、さらには0.8MPa・m0.5以上であることが好ましく、0.85MPa・m0.5以上であることがより一層好ましい。
したがって、上述した破壊靱性値の範囲及び表1に基づくならば、透明板14を形成するガラスとしては、破壊靱性値が約0.79MPa・m0.5となるシリカガラス、破壊靱性値が約0.91MPa・m0.5となるアルミノケイ酸ガラス、破壊靱性値が約0.77MPa・m0.5となるホウケイ酸ガラス、破壊靱性値が約0.83MPa・m0.5となるアルミノホウケイ酸ガラスが好ましく、さらにこのうち、破壊靱性値が約0.91MPa・m0.5となるアルミノケイ酸ガラス、破壊靱性値が約0.83MPa・m0.5となるアルミノホウケイ酸ガラスが好ましく、破壊靱性値が約0.91MPa・m0.5となるアルミノケイ酸ガラスがより一層好ましい。
また、透明板14において形成された初期のチッピングが大きい場合にも、クラックの進行が起こりやすいため、透明板14の外周部のチッピングの大きさとしては、100μm以下であることが好ましく、さらには、75μm以下であることがより好ましい。また、透明板14の外周部が面取りまたは、レーザなどによって生じる熱による熱処理や酸によるエッチングなどよって端面が滑らかになるような処理を行ってもよい。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。図4は、第2の実施の形態における発光装置110を模式的に示す断面図である。本実施の形態における発光装置110は、基材11の上に発光素子12を備え、発光素子12の上に波長変換部材13を備え、さらに、波長変換部材13の上に透明板130を備えている。
透明板130は、透明板状部131と透明板状部131の表面に形成された凹凸部132とを有している。なお、透明板状部131は一方の面において波長変換部材13と接しており、透明板状部131の他方の面に凹凸部132が形成されている。透明板状部131は、0.3mm以下の厚さが好ましく、さらには、0.2mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることがより一層好ましい。また、透明板状部131はガラスなどの耐熱性を有する材料であることが好ましい。特にガラスのヤケや波長変換部材13への不純物混入を防ぐため無アルカリガラスまたは低アルカリガラスであることが好ましい。また透明板状部131の上面に反射防止膜などの光に対して機能を有する層を形成したものであってもよい。また、透明板状部131としてガラスを用いる場合、第1の実施の形態と同様に、破壊靭性値が大きなものを用いることが好ましい。
透明板状部131の他方の面に形成された凹凸部132は、底面部133と上面部134と底面部133と上面部134との間に形成された曲線部135を有している。本実施の形態においては、底面部133と曲線部135とは滑らかに接続されるような形状により形成されている。なお、本願においては、曲線部135とは断面が直線ではなく、曲線となる部位を意味するものであり、以下において、断面が直線となる部位を直線部と記載する場合がある。凹凸部132は透明板状部131の上に傾斜をつける構造となるため、凹凸部132がない場合には透明板状部131の内部で全反射される光の一部を取りだすことができ、出射効率を向上させることができる。また、凹凸部132の形状及び構造を所定の形状及び構造となるように形成することにより、発光装置110からの光の出射パターンを制御することができる。
凹凸部132において、底面部133と曲面部135とが滑らかに接続されるような形状としては、例えば、図5から図8に示される形状が挙げられる。
図5に示されるものは、凸型の凹凸部132aであり、略円形の平坦部により上面部134aが形成されており、曲面部135aは底面部133aと滑らかに接続されている構造のものである。この凹凸部132aにおける曲面部135aは、上面部134aを中心に同心円状に高さが変化するように形成されている。なお、図5(a)は、凹凸部132aを形成している部分の断面図であり、図5(b)は上面図である。
また、図6に示されるものは、凸型の凹凸部132bであり、上面部134bが曲面で形成されており、曲面部135bは底面部133bと滑らかに接続されている構造のものである。この凹凸部132bにおける曲面部135bは、上面部134bの頂を中心に同心円状に高さが変化するように形成されている。なお、図6(a)は、凹凸部132bを形成している部分の断面図であり、図6(b)は上面図である。
また、図7に示されるものは、凸型の凹凸部132cであり、略円形の平坦部により上面部134cが形成されており、凹凸部132cの上部が円柱状であって、下部が曲面部135cとなっており、曲面部135cは底面部133cと滑らかに接続されている。この凹凸部132cにおける曲面部135cは、上面部134cを中心に同心円状に高さが変化するように形成されている。なお、図7(a)は、凹凸部132cを形成している部分の断面図であり、図7(b)は上面図である。
また、上記における図5及び図7に示されるものでは、平坦部は略円形等の回転対称な形状としたが、これに限らず上面図から見た形状が楕円などの回転対称ではない形状としてもよい。
また、図8に示されるものは、凹型の凹凸部132dであり、曲面部135dが底面部133dと滑らかに接続されている。また、上面部134dは底面部133d及び曲面部135dの周囲に形成されており、この凹凸部132dにおける曲面部135dは、底面部133dを中心に同心円状に高さが変化するように形成されている。なお、図8(a)は、凹凸部132dを形成している部分の断面図であり、図8(b)は上面図である。
本実施の形態は、上述例に限定されることはなく、凹凸部132等は底面部133等と曲面部135等がなめらかに接続されている形状であればよい。また、凹凸部132等は透明板状部131の表面上に正方配列やハニカム配置などのように規則的に配置してもよいし、ランダムに配置してもよい。また、異なる大きさの凹凸部132等を配置したような構造であってもよい。
このような底面部133等と曲面部135等とが滑らかに接合された構造の凹凸部132等を形成することにより、凹凸部132等における耐久性を向上させ、形成される発光装置の信頼性を向上させることができる。これは、一般的に平面と平面が接合されたような部位に対しては大きな応力がかかり振動などの外部からの揺動によって、凹凸部に相当するものが破壊されることがあるのに対して、底面部133等と曲面部135等が滑らかに接合された構造の凹凸部132等であれば、応力を緩和することができるからである。
また、本実施の形態においては、凹凸部132は曲面部135を有しているため、出射光の分布の均一性を向上させることが可能となる。このことを図9に基づき説明する。例えば、図9(a)のように、曲面部135を有する凹凸部132に対して、凹凸部132が形成されていない側より、所定の角度で凹凸部132に光線151と光線152が入射した場合、凹凸部132に入射する位置によって光線151と光線152とは異なる方向へ偏向される。これに対し、図9(b)に示すように、曲面部135に相当する部分が直線的に形成された直線部935を有する凹凸部932の場合において、凹凸部932に対して、凹凸部932が形成されていない側より、所定の角度で凹凸部932に光線953と光線954が入射した場合、凹凸部932に入射する位置にかかわらず光線953と光線954とは同じ方向へ偏向される。仮に、光線953と光線954が全反射によって凹凸部932の外部へ出射されない場合、このような光線は光量の低下となるため出射光の均一性を低下させてしまう。
次に、本実施の形態における発光装置における凹凸部132の形成方法について説明する。本実施の形態における発光装置における凹凸部132は、透明板状部131を含む基板をウェットエッチングすることによって形成することができる。例えば、透明板状部131を含む基板の表面に、フォトレジストを塗布し、露光装置による露光、現像を行なうことにより、凹凸部132において凹部が形成される領域に開口部を有するレジストパターンを形成する。この後、ウェットエッチングによりレジストパターンの形成されていない領域の基板をレジストパターンの開口部より除去する。ウェットエッチングは等方的な加工方法であるため、形成される凹凸部132における曲面部135は、所定の曲率半径を有する形状となる。また、ウェットエッチングに限らずサンドブラストなどのように基板に粒子を衝突させるような方法であってもよい。サンドブラストを用いる場合、粒子の粒径や衝突条件を調節することにより、表面の粗さを調節することができる。また、切削や研削などにより形成してもよい。また、ドライエッチングとウェットエッチングとを組み合わせるなど複数の方法を用いて構造物の加工を行ってもよい。底面部133と接合される曲面部135の曲率半径は1μm以上であると好ましく、3μm以上であればより好ましい。また、ここで、なめらかに接続されているとは、ある断面において10度以下の角度で接続されていることをいう。具体的には、曲面部135と底面部133との接続部分における曲面部135の法線と底面部133の法線が、10度以下の角度となるように接続されることをいう。
なお、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。図10は、第3の実施の形態における発光装置210を模式的に示す断面図である。発光装置210はパッケージ211の内部に発光素子12を備え、発光素子12の上に波長変換部材13を備え、波長変換部材13の上に透明板130を備えた構造のものである。本実施の形態における発光装置においては、パッケージ211は、凹状に形成されており、この凹状に形成された部分に、発光素子12及び波長変換部材13が設置されており、発光素子12及び波長変換部材13が設置されている凹状の形成された部分を覆うように、透明板130が設置されている。
透明板130は、透明板状部131と透明板状部131の表面に形成された凹凸部132とを有している。なお、透明板状部131は一方の面において波長変換部材13と接しており、凹凸部132は透明板状部131の他方の面に形成されている。透明板状部131は、0.3mm以下の厚さが好ましく、さらには、0.2mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることがより一層好ましい。透明板状部131はガラスなどの耐熱性を有する材料であることが好ましい。特にガラスのヤケや波長変換部材13への不純物混入を防ぐため無アルカリガラスまたは低アルカリガラスであることが好ましい。また透明板状部131の上面には、反射防止膜などの光に対して機能する層が形成されていてもよい。透明板状部131としてガラスを用いる場合、第1の実施の形態と同様に、破壊靭性値が大きなものを用いることが好ましい。
透明板状部131の他方の面に形成された凹凸部132は、底面部133と上面部134と底面部133と上面部134との間に形成された曲線部135を有している。本実施の形態においては、底面部133と曲線部135とは滑らかに接続されるような形状により形成されている。凹凸部132は透明板状部131の上に傾斜をつける構造となるため、凹凸部132がない場合には、透明板状部131の内部で全反射される光の一部を取りだすことが可能となる。また、凹凸部132の形状及び構造を所定の形状及び構造となるように形成することにより、発光装置210からの光の出射パターンを制御することができる。なお、上記以外の内容については、第2の実施の形態と同様である。
次に、実施例となる例1〜7について説明する。なお、後述するように、例1〜7における発光装置については、図11に示されるモデルに基づいて発光装置の出射光について計算を行った。図11に示されるモデルでは、波長変換部材13から光があらゆる方向に出射されるものとし、発光装置の側面75は反射面になっており、底面76は吸収面であるとしている。発光装置を中心として半径1000mmの仮想的な検出器73を設置し、透明板14または130から出射される光線を検出した。波長変換部材13からは1Wの光が出射されるものとした。
(例1)
実施例となる例1について説明する。例1は、第1の実施の形態における発光装置であり、図1に基づいて説明する。本例は、2mm角の発光素子12が基材11の上に設置されており、不図示の電極によって接合されている。発光素子12の上には、波長変換部材13が塗布により形成されており、さらに、透明板14が接着されている。なお、波長変換部材13の厚みは0.1mmとし、透明板14の厚みを0.2mmとし、破壊靭性値を0.83MPa・m0.5とし、屈折率を1.52とする。
(例2)
次に、実施例となる例2について説明する。例2は、第2の実施の形態における発光装置であり、図4に基づいて説明する。本例は、2mm角の発光素子12が基材11の上に設置されており、不図示の電極によって接合されている。発光素子12の上には、波長変換部材13が塗布により形成されており、さらに、透明板130が接着されている。なお、波長変換部材13の厚みは0.1mmとし、透明板130の厚みを0.2mmとし、破壊靭性値を0.83MPa・m0.5とし、屈折率を1.52とする。
本例における透明板130は、図12(a)に示されるような凸状の凹凸部132を有しており、図12(b)に示されるように、凸状の凹凸部132がハニカム形状を周期的に配置したような構成となっている。なお、図12(a)は、図12(b)における一点鎖線12A−12Bにおいて切断した断面図であり、図12(b)は、上面図である。本例においては、凹凸部132における底面部133と曲面部135との境界部分の直径aを50μm、凹凸部132における上面部134の直径bを10μm、隣接する凹凸部132における上面部134の間隔cを100μm、凹凸部132の高さdを20μmとし、凹凸部132における底面部133と曲面部135との境界部分では、図12(a)に示される断面において、曲率半径Rが20μmとなるように接続されているものとする。
(例3)
次に、実施例となる例3について説明する。例3は、第2の実施の形態における発光装置であり、図4に基づいて説明する。本例は、2mm角の発光素子12が基材11の上に設置されており、不図示の電極によって接合されている。発光素子12の上には、波長変換部材13が塗布により形成されており、さらに、透明板130が接着されている。なお、波長変換部材13の厚みは0.1mmとし、透明板130の厚みを0.2mmとし、破壊靭性値を0.83MPa・m0.5とし、屈折率を1.52とする。
本例における透明板130は、図12(a)に示されるような凸状の凹凸部132を有しており、図12(b)に示されるように、凸状の凹凸部132がハニカム形状を周期的に配置したような構成となっている。本例においては、凹凸部132における底面部133と曲面部135との境界部分の直径aを75μm、凹凸部132における上面部134の直径bを15μm、隣接する凹凸部132における上面部134の間隔cを100μm、凹凸部132の高さdを30μmとし、凹凸部132における底面部133と曲面部135との境界部分では、図12(a)に示される断面において、曲率半径Rが30μmとなるように接続されているものとする。
(例4)
次に、実施例となる例4について説明する。例4は、第2の実施の形態における発光装置であり、図4に基づいて説明する。本例は、2mm角の発光素子12が基材11の上に設置されており、不図示の電極によって接合されている。発光素子12の上には、波長変換部材13が塗布により形成されており、さらに、透明板130が接着されている。なお、波長変換部材13の厚みは0.1mmとし、透明板130の厚みを0.2mmとし、破壊靭性値を0.83MPa・m0.5とし、屈折率を1.52とする。
本例における透明板130は、図12(a)に示されるような凸状の凹凸部132を有しており、図12(b)に示されるように、凸状の凹凸部132がハニカム形状を周期的に配置したような構成となっている。本例においては、凹凸部132における底面部133と曲面部135との境界部分の直径aを90μm、凹凸部132における上面部134の直径bを18μm、隣接する凹凸部132における上面部134の間隔cを100μm、凹凸部132の高さdを36μmとし、凹凸部132における底面部133と曲面部135との境界部分では、図12(a)に示される断面において、曲率半径Rが36μmとなるように接続されているものとする。
(例5)
次に、実施例となる例5について説明する。例5は、第2の実施の形態における発光装置であり、図4に基づいて説明する。本例は、2mm角の発光素子12が基材11の上に設置されており、不図示の電極によって接合されている。発光素子12の上には、波長変換部材13が塗布により形成されており、さらに、透明板130が接着されている。なお、波長変換部材13の厚みは0.1mmとし、透明板130の厚みを0.2mmとし、破壊靭性値を0.83MPa・m0.5とし、屈折率を1.52とする。
本例における透明板130は、図12(a)に示されるような凸状の凹凸部132を有しており、図12(b)に示されるように、凸状の凹凸部132がハニカム形状を周期的に配置したような構成となっている。本例においては、凹凸部132における底面部133と曲面部135との境界部分の直径aを100μm、凹凸部132における上面部134の直径bを20μm、隣接する凹凸部132における上面部134の間隔cを100μm、凹凸部132の高さdを40μmとし、凹凸部132における底面部133と曲面部135との境界部分では、図12(a)に示される断面において、曲率半径Rが40μmとなるように接続されているものとする。
(例6)
次に、実施例となる例6について説明する。例6は、第2の実施の形態における発光装置であり、図4に基づいて説明する。本例は、2mm角の発光素子12が基材11の上に設置されており、不図示の電極によって接合されている。発光素子12の上には、波長変換部材13が塗布により形成されており、さらに、透明板130が接着されている。なお、波長変換部材13の厚みは0.1mmとし、透明板130の厚みを0.2mmとし、破壊靭性値を0.83MPa・m0.5とし、屈折率を1.52とする。
本例における透明板130は、図13(a)に示されるような凹状の凹凸部132を有しており、図13(b)に示されるように、凹状の凹凸部132がハニカム形状を周期的に配置したような構成となっている。なお、図13(a)は、図13(b)における一点鎖線13A−13Bにおいて切断した断面図であり、図13(b)は、上面図である。本例においては、凹凸部132における上面部134と曲面部135との境界部分の直径aを75μm、凹凸部132における底面部133の直径bを15μm、隣接する凹凸部132における底面部133の間隔cを100μm、凹凸部132の高さdを30μmとし、凹凸部132における底面部133と曲面部135との境界部分では、図13(a)に示される断面において、曲率半径Rが30μmとなるように接続されているものとする。
(例7)
次に、実施例となる例7について説明する。例7は、第2の実施の形態における発光装置である。本例は、2mm角の発光素子12が基材11の上に設置されており、不図示の電極によって接合されている。発光素子12の上には、波長変換部材13が塗布により形成されており、さらに、後述する図14に示される透明板330が接着されている。なお、波長変換部材13の厚みは0.1mmとし、透明板330の厚みを0.2mmとし、破壊靭性値を0.83MPa・m0.5とし、屈折率を1.52とする。
本例における透明板330は、図14(a)に示されるような凸状の凹凸部332を有しており、図14(b)に示されるように、凸状の凹凸部332がハニカム形状を周期的に配置したような構成となっている。なお、図14(a)は、図14(b)における一点鎖線14A−14Bにおいて切断した断面図であり、図14(b)は、上面図である。本例においては、凹凸部332における底面部333と直線部335との境界部分の直径aを75μm、凹凸部332における上面部334の直径bを0.1μm、隣接する凹凸部332における上面部334の間隔cを100μm、凹凸部332の高さdを75μmとし、凹凸部332における底面部333と直線部335との境界部分では、図14(a)に示される断面において、63.4°の角度で接続されているものとする。
例1〜7について図11に示されるようなモデルを用いて発光装置の出射光について計算を行った結果について、表2、図15及び図16に基づき説明する。
表2では、例1〜7における発光装置において、凹凸部における凸部の占める面積の比率、0°における放射強度の半値となる角度、積算パワー、例1を基準とした積算パワーの比、接続角度を各々示す。また、図15は、例1〜5における放射角度と放射強度との関係を示すものであり、図16は、例1、6、7における放射角度と放射強度との関係を示すものである。
例1における発光装置に対し、例2〜7における発光装置の積算パワーが2割以上高くなっている。また、発光装置の積算パワーは、凹凸部は凸状に形成されたものも、凹状に形成されたものも殆ど変わらない。
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。
10 発光装置
11 基材
12 発光素子
13 波長変換部材
14 透明板
110 発光装置
130 透明板
131 透明板状部
132 凹凸部
133 底面部
134 上面部
135 曲面部

Claims (8)

  1. 基材の上に設置された発光素子と、
    前記発光素子の上に形成された透明板と、
    を有し、
    前記透明板は、破壊靱性値が0.76MPa・m0.5よりも大きいガラスにより形成されているものであることを特徴とする発光装置。
  2. 前記発光素子と前記透明板との間には、蛍光体を含有する波長変換部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 基材の上に設置された発光素子と、
    前記発光素子の上に形成された透明板と、
    を有し、
    前記透明板は、透明板状部と、前記透明板状部において、前記発光素子が設けられている側となる一方の面とは反対側の他方の面に形成された凹凸部と、を有しており、
    前記凹凸部は、底面部と上面部と前記底面部と前記上面部との間の曲面部により形成されており、
    前記曲面部と前記底面部との境界は、曲率半径が1μm以上であることを特徴とする発光装置。
  4. 基材の上に設置された発光素子と、
    前記発光素子の上に形成された透明板と、
    を有し、
    前記透明板は、透明板状部と、前記透明板状部において、前記発光素子が設けられている側となる一方の面とは反対側の他方の面に形成された凹凸部と、を有しており、
    前記凹凸部は、底面部と上面部と前記底面部と前記上面部との間の曲面部により形成されており、
    前記曲面部はウェットエッチングにより形成されたものであることを特徴とする発光装置。
  5. 前記発光素子と前記透明板との間には、蛍光体を含有する波長変換部材が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の発光装置。
  6. 前記透明板は、透明板状部と、前記透明板状部において、前記発光素子が設けられている側となる一方の面とは反対側の他方の面に形成された凹凸部と、を有しており、
    前記凹凸部は、底面部と上面部と前記底面部と前記上面部との間の曲面部により形成されており、
    前記曲面部と前記底面部との境界は、曲率半径が1μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
  7. 前記透明板は、透明板状部と、前記透明板状部において、前記発光素子が設けられている側となる一方の面とは反対側の他方の面に形成された凹凸部と、を有しており、
    前記凹凸部は、底面部と上面部と前記底面部と前記上面部との間の曲面部により形成されており、
    前記曲面部はウェットエッチングにより形成されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の発光装置。
  8. 前記上面部または前記底面部は略円形状で形成されており、
    前記曲面部は、前記略円形状に形成された前記上面部または前記底面部を中心として、同心円状で高さが変化しているものであることを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の発光装置。
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