JP2013246193A - 有機半導体組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】電荷輸送機能を有するトリアリールアミン化合物の合成や精製、化合物を含む剤を調製するのに充分な濃度で溶解する溶媒を探索し、トリアリールアミン化合物を充分に溶解した、安定性の良好な組成物を提供する。
【解決手段】少なくともトリアリールアミン化合物と、一般式[1]又は一般式[2]で表される2環性化合物とを含み、トリアリールアミン化合物が2環性化合物に溶解している組成物。
Figure 2013246193

(Rはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子の何れかを表す。A、B、C、Fはそれぞれ独立して、−CR −、−O−、−NR−の何れかを表し、D、Eはそれぞれ独立して−CR=、−N=の何れかを表し、Rは水素原子、メチル基又はハロゲンを表す。A、B、Cのうち少なくとも一つは−O−又は−NR−であり、D、E、Fのうち少なくとも一つはヘテロ原子を有する。)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体の電荷輸送材料や、有機エレクトロンルミネッセンス素子、有機半導体等の電荷輸送材料として有効なトリアリールアミン化合物を高濃度で含有する有機半導体組成物に関する。
N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(m−トリル)ベンジジン(TPD)や、N,N−ジフェニル−N,N−ビス(1−ナフチル)−4,4−ジアミノビフェニル(α−NPD)といった芳香族アミン化合物は高い電荷輸送機能を持つことから、種々の電子デバイスに使用されている。一例として、複写機やプリンター等の電子写真用有機感光体の電荷輸送材料や、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の電荷輸送材料や発光材料、或いはそれらの中間体として有用であることが知られており、特に正孔輸送材料として好適である。特許文献1では正孔輸送層を形成する電荷輸送材料、すなわち、正孔輸送材料として種々の芳香族アミン系化合物が例示されている。
しかしながら、これらの高い電荷輸送機能を持つ芳香族アミン系化合物は一般的な有機溶媒への溶解性が低い場合があり、特に、α−NPDに例示される複数のトリアリールアミン構造を有するトリアリールアミン化合物は溶解性が低く、化合物の合成や精製、該化合物を含む剤の調製等において、取り扱いが困難な場合があった。溶解度を考慮して電荷輸送材料の分子設計を行うと、電荷輸送性能が低下することが多い等の問題があった。また、通常の溶解性の低い一般溶媒では、塗布剤等に用いた場合、保存中にトリアリールアミン化合物が析出してしまいポットライフが短いという問題があった。
特許文献2では、主に発光機能を付与するアントラセン誘導体を、特定の構造を有する溶媒に溶解し、発光層を形成する技術が開示されており、発光材であるアントラセン誘導体をホストとして、一般的に正孔輸送機能が高いとされるトリアリールアミン構造を有する化合物をゲストして添加する例が記載されている。溶媒に対するアントラセン誘導体の濃度は0.01質量%以上(好ましくは0.05質量%以上)であり、トリアリールアミン化合物の含量はアントラセン誘導体に対して0.01〜20質量%が好ましいとの開示があり、実施例において溶媒に対して0.2質量%が添加されている。
特開平10−36832号公報 WO2010/032447 A1
トリアリールアミン化合物の合成や精製、該化合物を含む剤の調製等を行う場合、特許文献2に記載の溶媒に対するトリアリールアミン化合物の溶解量では充分とはいえないものである。そこで、本発明は、電荷輸送機能を有するトリアリールアミン化合物を合成や精製、該化合物を含む剤を調製するのに充分な濃度で溶解する溶媒を探索し、該トリアリールアミン化合物を充分に溶解した安定性の良好な組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題解決のため、特許文献2において、有機EL素子の発光層を形成するのに有用とされるアントラセン誘導体の溶媒として開示されている種々の溶媒を用いて、トリアリールアミン化合物を溶解しようと試みたが、好ましい溶媒とされている2―エチルトルエン、1,2−メチレンジオキシベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,2,3−トリメチルベンゼン等では、充分な溶解性は得られなかった(比較例1〜4参照)。
一般的に、品質の安定した膜を製造するためには、ホスト分子とゲスト分子は溶液中で均一に分散する必要があり、ホスト分子と相溶性の高いゲスト分子を選ぶことが好ましいとされる。特許文献2においては、ホスト分子であるアントラセン誘導体がゲスト分子であるトリアリールアミンの溶解性を高めている可能性がある。
そこで、本発明者らは、鋭意分子設計を行い、電子吸引性の酸素原子又は窒素原子を有する5員環部と共役π電子を有するベンゼン環部で構成される2環性化合物(以下、単に「2環性化合物」ということもある)が単独でも特異的にトリアリールアミン化合物を溶解することを見出した。また、該2環性化合物の沸点は、トリアリールアミン化合物の反応、精製、該化合物を含む剤の調製に適した領域であることを見出した。すなわち、一般式[1]又は一般式[2]で表されるヘテロ原子を有する2環性化合物が、トリアリールアミン化合物に好適な溶媒であることを見出し、以下の発明に至ったものである。
[発明1]
少なくともトリアリールアミン化合物と、一般式[1]又は一般式[2]で表される2環性化合物とを含み、該トリアリールアミン化合物が該2環性化合物に溶解していることを特徴とする組成物を提供する。
Figure 2013246193
Figure 2013246193
(Rはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子の何れかを表す。A、B、C、Fはそれぞれ独立して、−CR −、−O−、−NR−の何れかを表し、D、Eはそれぞれ独立して−CR=、−N=の何れかを表し、Rは水素原子、メチル基又はハロゲンを表す。A、B、Cのうち少なくとも一つは−O−又は−NR−であり、D、E、Fのうち少なくとも一つはヘテロ原子を有する。)
[発明2]
前記トリアリールアミン化合物が三級窒素原子を少なくとも2つ以上有することを特徴とする、発明1に記載の組成物を提供する。
[発明3]
前記トリアリールアミン化合物の異なる2つの三級窒素原子の間の結合が、(a)〜(e)の何れかの構造であることを特徴とする、発明2に記載の組成物を提供する。
Figure 2013246193
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、Arは後述の一般式[3]と同様である。)
[発明4]
発明1に記載の一般式[1]又は一般式[2]で表される2環性化合物の沸点が150℃から250℃であることを特徴とする発明1乃至発明3の何れかに記載の組成物を提供する。
[発明5]
前記トリアリールアミン化合物が電荷移動材料であることを特徴とする、発明1乃至発明4の何れかに記載の組成物を提供する。
[発明6]
電荷輸送層又は正孔輸送層を形成するための塗布剤であることを特徴とする、発明1乃至発明5の何れかに記載の組成物を提供する。
[発明7]
インクジェット用の塗布剤であることを特徴とする、発明6に記載の組成物を提供する。
[発明8]
反応用途又は精製用途に用いることを特徴とする、発明1乃至発明4の何れかに記載の組成物の使用方法を提供する。
[発明9]
発明1乃至発明8において、2環性化合物100質量部に対してトリアリールアミン0.01〜2質量部であることを特徴とする発明1乃至発明8の何れかに記載の組成物を提供する。
[発明10]
少なくとも0.5質量%以上のトリアリールアミン化合物を含有することを特徴とする、発明1乃至発明9の何れかに記載の組成物を提供する。
本明細書における「溶解する」とは、溶媒に対してトリアリールアミン化合物が分散して均一系を形成し、目視にて不溶解分が確認されないことを表す。また、「充分に溶解する」とは溶媒に対してトリアリールアミン化合物が0.5質量%以上、好ましくは1.0質量%以上溶解することを表す。
本発明の組成物の溶媒は該トリアリールアミン化合物を充分に溶解するため、該トリアリールアミン化合物の再結晶やカラムによる精製が効率的になった。また、高濃度で安定した溶液が調製可能となったので、効率的に欠陥の少ない塗布が可能となった。
また、本発明の溶媒は非常に溶解性が良好であるため、得られる組成物のポットライフが長いという効果が得られる。
本発明は電荷輸送機能をもつトリアリールアミン化合物又はその前駆体であるトリアリールアミン化合物と、該化合物を溶解する一般式[1]又は一般式[2]で表される二環性化合物とを含む組成物を提供するものである。
本発明のトリアリールアミン化合物は、トリアリールアミン構造を少なくとも1つ有するものであればよい。すなわち、3つのアリール基が結合した三級窒素原子(以下、単に「三級窒素原子」ということもある)を少なくとも1つ有する化合物であれば良く、例えば一般式[3]〜[5]に示すような構造が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2013246193
Figure 2013246193
Figure 2013246193
ここで、一般式[3]〜[5]中のArは独立したアリール基を表し、それらはそれぞれ同じでも異なっていても良い。また、式中のX,Yはそれぞれ2価の有機基、3価の有機基であり、X,Yはジアリールアミノ基(ArN−)と直結している。
好ましいアリール基の例として、フェニル基やナフチル基等の多環芳香族炭化水素が挙げられる。Arが多環芳香族炭化水素の場合、そのベンゼン環の数は特に限定されないが、通常1〜6程度であり、1〜2が特に好ましい。また、該アリール基は、その水素の一部が置換されていても良く、置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜16のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロプロピル基、メチルシクロブチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、等の炭素数3〜7のシクロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基等の炭素数1〜16のアルコキシ基、炭素数2〜16のアルケニル基、炭素数3〜16のポリアルコシキ基、フィニル基、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜9のアラルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基があげられる。
本発明のトリアリールアミン化合物中の任意の水素原子がフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子と置換されたものも使用可能であるが、光や熱によって脱ハロゲンが起こることがあるので、遮光等の対応をするとよい。しかし、電荷輸送機能をもつトリアリールアミン化合物を合成する中間体としては、ハロゲン原子が置換したものは有用である。
該トリアリールアミン化合物は、分子内のアリール基の種類や三級窒素原子の数により溶解性が異なる場合があるが、例えばトリフェニルアミンのように三級窒素原子が1つの場合、非常に溶けやすい溶質である場合が多い。そのため、本発明の溶媒でも効率的に溶解するが、その他の一般汎用溶媒でも代替可能である。しかし、α−NPDのように複数の三級窒素原子を有するトリアリールアミン化合物は急に溶解性が低下するため、特異的な溶解性を示す本発明の溶媒は好適である。よって、該トリアリールアミン化合物において、三級窒素原子の数は特に限定されないが、通常1〜10程度であり、2〜6が好ましく、2〜4が特に好ましい。三級窒素原子の数が10以上になると、溶解してもポットライフが短くなる可能性がある。
複数の三級窒素原子を有するトリアリールアミン化合物とは、同種又は異種のトリアリールアミンがカップリングしたものを指す。同種でも異種でも良いが、合成が容易な同種のカップリング化合物が好ましい。これらのトリアリールアミン間の結合(トリアリールアミン化合物中の異なる2つの三級窒素原子の間の結合)、つまり、一般式[4]、[5]における有機基X、有機基Yの構造は特に限定されないが、好ましい結合例としてスキーム1に記載の(a)〜(e)で表される結合が挙げられる。スキーム中、Rは水素又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、Arは一般式[4]、[5]と同じである。
Figure 2013246193
これらの結合の内、特に(a)で表されるように、三級窒素原子同士がビフェニル結合をしているものが好ましい。
前記トリアリールアミン化合物は、その分子量が400より少ない、又は2000より多い場合、該化合物の電荷輸送機能が十分でない場合やポットライフ(溶液の安定性)が不十分な場合があるため、好ましい分子量は400から2000であり、さらに好ましくは、480〜1500である。
本発明で用いることのできるトリアリールアミン化合物のうち、電荷輸送機能に優れた化合物として、α−NPD、TPD、TPAC、PDA、m−MTDATAT等が例示される(スキーム2参照)。これらは、試薬として販売されていたり、有機EL素子の電荷輸送材料等において実用化されていることから、本発明において好適な化合物であるといえる。また、これらの化合物上の水素の一部をメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜16のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロプロピル基、メチルシクロブチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、等の炭素数3〜7のシクロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基等の炭素数1〜16のアルコキシ基、炭素数2〜16のアルケニル基、炭素数3〜16のポリアルコシキ基、フィニル基、ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜9のアラルキル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基で置換されたものも好ましい。また、置換基の種類にも依存するものの、電荷輸送性能を考慮すると、置換数は1〜12が好ましく、さらに好ましくは2〜9である。
Figure 2013246193
次に本発明の溶媒について説明する。本発明の溶媒は一般式[1]又は一般式[2]で表される、ベンゼン環と少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含有する5員環の縮合化合環(2環性化合物)であり、5員環部は飽和でも不飽和でも良い。
Figure 2013246193
Figure 2013246193
式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子の何れかを表す。A、B、C、Fはそれぞれ独立して、−CR −、−O−、−NR−の何れかを表し、D、Eはそれぞれ独立して−CR=、−N=の何れかを表し、Rは水素原子、メチル基又はフッ素原子、塩素原子を表す。A、B、Cのうち少なくとも一つは−O−又は−NR−であり、D、E、Fのうち少なくとも一つはヘテロ原子を有する。塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を含む化合物は、光によってトリアリールアミン化合物をハロゲン化する場合があるので、遮光等の措置が必要である。
具体的なヘテロ原子を含む2環性化合物としては、スキーム3の化合物が例示される。スキーム3中における六員環部の水素原子の一部がメチル基に置換されたものも好ましく、置換されるメチル基の数は1又は2が好ましい。
Figure 2013246193
前記2環性化合物は、後述する何れの用途においても、その沸点は特に限定されないが、150℃〜250℃のものが好ましい。沸点が250℃より高い化合物は、揮発させて除去するときに時間を要することがある。本発明者らが調査した結果、一般式[1]、一般式[2]に該当するする化合物の沸点は150℃以上であった。
前記2環性化合物について、融点の下限は特にないが、上限は25℃が好ましく、特に15℃が好ましい。融点が25℃よりも高い場合、特に冬季は溶解操作が必要となる。
次に本発明の組成物について説明する。該組成物は、前記トリアリールアミン化合物と前記2環性化合物を含むものであり、該2環性化合物に該トリアリールアミン化合物が溶解されているものである。該組成物の溶媒としては一種の2環性化合物で用いても良いが、別の種類の2環性化合物を混合しても良い。また、溶解させるトリアリールアミン化合物は一種でも良いし、複数であっても良い。
前記組成物の組成は、該組成物の用途に応じて適宜検討すればよいが、通常、2環性化合物100質量部に対して、トリアリールアミン化合物が0.01〜2質量部である。好ましくは、トリアリールアミン化合物は0.1〜1.5質量部、特に好ましくは0.5〜1質量部である。
前記組成物は、該2環性化合物の他に、別の溶媒が含まれていても良い。含まれる溶媒の例として、水、脂肪族、脂環式または芳香族の炭化水素、例えば石油エーテル、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはデカリンなど、エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルtert−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンまたはアニソールなど、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノールなど、ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−又はイソブチロニトリルまたはベンゾニトリルなど、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノンなど、アミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドンまたはヘキサメチルホスホルアミドなど、スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシドなど、またはスルホン類、例えばスルホランなどが挙げられる。これらの有機溶媒は、溶媒全体の1〜50質量%を占めることができる。反応溶媒、精製溶媒、塗布溶剤等の用途において、リサイクルを考慮すると1種の2環性化合物を単独で用いた方が、再生が容易である。
また、前記組成物には用途に応じてトリアリールアミン化合物以外の、電荷輸送機能をもつ化合物や、安定剤等が添加されていてもよい。
本発明の組成物の調製方法について説明する。該組成物はトリアリールアミン化合物を、該2環性化合物に溶解したものであれば、その調製方法は特に限定されないが、通常、該2環性化合物に該トリアリールアミン化合物を添加し、攪拌又は超音波照射しながら加熱する方法が良い。
本発明の2環性化合物は、通常の溶媒では溶けにくいトリアリールアミン化合物を良く溶かすので、種々の用途で利用可能である。次に、本発明の組成物を好適に用いることの出来る用途と種々の用途における好ましい条件について例示する。
〔反応用途〕
本発明で用いられるトリアリールアミン化合物を、有機合成的な手法で合成したり、或いはトリアリールアミン化合物を置換基などでさらに修飾したりするときは、通常、溶媒を用いた溶液反応が一般的である。このとき、基質の溶解度が低いと単位反応器あたりの仕込み量が制限されて生産性が低下するので、溶解力の高い2環性化合物は反応溶媒として好適である。一般溶媒では、例えばテトラヒドロフランが該トリアリールアミン化合物を比較的よく溶かすことが知られているが、沸点が66℃であるので、常圧での反応の場合、反応温度が66℃以下に制限されてしまう。それに対して、当該発明の2環性化合物の沸点は150℃以上であるので、当業者の所望する温度での反応が可能である。トリアリールアミン化合物の反応用途として本発明の組成物は好適に用いることができる。
〔精製用途〕
本発明の2環性化合物は、該トリアリールアミン化合物を良好に溶解できるため、該トリアリールアミン化合物の精製に有用な溶媒である。本明細書における「精製」とは、精製操作によって、不純物と該トリアリールアミン化合物を分離することである。具体的には、少なくとも該トリアリールアミン化合物、2環性化合物およびこれら以外の好ましくない不純物を含む組成物をカラム操作、再結晶操作、再沈殿操作等を行い、該トリアリールアミンの純度を向上させることである。この過程において、実質的に好ましくない不純物を含まない、または、低減された、該トリアリールアミン化合物と2環性化合物からなる組成物が得られる。
精製の一例として、再結晶操作について詳述する。該トリアリールアミン化合物の溶解度は温度が高ければ高い程大きくなる。再結晶の温度は、100℃〜200℃が好ましく、これよりも低いと、十分な溶解度が得られなかったり、溶解に時間がかかる場合があり、これよりも高いと該トリアリールアミン化合物が熱分解する場合がある。さらに好ましい温度は、110℃〜150℃である。加熱溶解中は窒素やアルゴン雰囲気下が望ましく、攪拌や超音波照射は溶解を促進する。超音波の照射方法は通常の超音波洗浄機を用いるのが簡便である。前述したテトラヒドロフランの場合、やはり沸点が66℃であるため、好ましい温度領域で溶解を所望するときは、オートクレーブ等で加圧しなければならず、高温下での移液や濾過が困難となる。それに対して当該発明の2環性化合物の沸点は何れも150℃以上であるので、最も適切な領域で再結晶操作が可能である。一般例として、還流塔を有するフラスコに2環性化合物と粗該トリアリールアミン化合物を仕込み、アルゴン雰囲気下130℃で数時間攪拌し、濾過後、ゆっくり冷却して、結晶を析出させ、濾過乾燥する再結晶方法が挙げられる。
別の精製法であるカラム操作の場合は、該トリアリールアミン化合物0.1〜1質量%が2環性化合物に溶解させた組成物を予め調製し、カラムに流通させる方法が推奨される。流通条件は、カラムの長さ、種類、充填物に依存する。カラムを通過した溶液からは、ロータリーエバポレーター等で溶媒を除去することが可能である。また、濃縮後、そのまま再結晶操作をすることも可能である。
〔塗布用途〕
本発明の組成物は、電子写真用有機感光体の電荷輸送層や、有機EL素子の正孔輸送層(以下、これらをまとめて「輸送層」ということもある)を形成するための塗布剤(以下、単に「塗布剤」をいうこともある)として用いられることも好ましい。該塗布剤を、輸送層を形成したい部分に塗布し、乾燥することで、所望する輸送層を得ることが出来る。塗布方法は公知のものであれは特に限定はされず、インクジェット法、ディップコーティング法、スプレー法、スピンコーティング法、フローコーティング法、蒸着法、刷毛塗り、ロールコーティング法、手塗り法などが挙げられ、これらの方法に併せて塗布剤の2環性化合物の種類や組成比の選定を適宜行えばよい。
例えば、塗布方法にインクジェット法を採用する場合、150℃〜250℃の2環性化合物が好ましい。これより沸点が低いと、溶媒が揮発してインクジェットのノズルが詰まることある。また、これよりも高い場合は塗布後の溶媒除去に時間やコストを要するので望ましくはない。塗布剤の組成は、2環性化合物100質量部に対してトリアリールアミン0.01〜1質量部であることが好ましく、特にトリアリールアミン化合物が0.05〜0.5質量部であると良い。当業者の所望により、該塗布剤には有機EL性能を高める助剤や、バインダー樹脂、塗布性改良剤などを適宜加えることも好ましい。
以下、実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔有機半導体組成物の調製〕
トリアリールアミン化合物0.005g、2環性化合物1gを10ccの透明スクリューバイエルに入れ、混合するための装置として50℃の温水を入れた超音波洗浄機にスクリューバイエルを置き、60分間、超音波を照射することにより有機半導体組成物を得た。
〔溶解性試験〕
前述した組成物の調製方法によって得られたサンプルを目視にて観察し、評価を行った。
○:トリアリールアミン化合物を完全に溶解した。
△:目視にて溶け残りが認められた。
×:全く溶解しなかった。
〔ポットライフ試験〕
前述した組成物の調製法によって得られたサンプル(完全溶解しなかったサンプルは、ろ紙(5C)で濾過して、固体分を除去したものを使用した。)を、溶液を密栓して、光を遮断して室温で30日間保管後、目視によってポットライフを評価した。
○:沈殿物が認められずクリアな状態
△:沈殿物は認められないが、溶液に濁りが認められた状態
×:沈殿物が認められた状態
[実施例1]
トリアリールアミン化合物としてα−NPD(0.005g)、2環性化合物として1,3−ジヒドロベンゾフラン(1g)を10ccの透明スクリューバイエルに入れた後、50℃の温水をいれた超音波洗浄機で60分間、超音波を照射し、有機半導体組成物を得た。得られた組成物に対する溶解性試験、ポットライフ試験の結果を表1に記載した。
Figure 2013246193
Figure 2013246193
[実施例2〜10]
2環性化合物の種類、トリアリールアミン化合物の量を種々変更した他は実施例1と同じ条件で有機半導体組成物を得た後、溶解性試験、ポットライフ試験を行った。各実施例の条件と試験の結果を表1に記載した。
実施例1〜10から、本発明の溶媒である2環性化合物はトリアリールアミン化合物を溶解させる能力があることが分った。また、これらの組成物はポットライフが長く、非常に安定性が良いことが分かった。
[比較例1]
2環性化合物の代わりに1,2,4−トリメチルベンゼンを用いた以外は、実施例1と同様の条件でサンプルを調製した後に、溶解性試験、ポットライフ試験を行った。溶解性試験では、目視にてα−NPDの溶け残りが確認された。また、ポットライフ試験においても沈殿物が確認された。表2に結果を記載した。
Figure 2013246193
[比較例2〜4]
2環性化合物の代わりに種々の溶媒を用いた以外は、実施例1と同様の条件でサンプルを調製した後に、溶解性試験、ポットライフ試験を行った。各比較例の条件と試験の結果を表2に記載した。
比較例1〜4の溶媒では、少なくともトリアリールアミン化合物を0.5質量%溶解させる能力が無いことが確認された。また、ポットライフ試験の結果から、これらの溶媒を含む組成物は安定性に問題があることが確認された。
[実施例11]再結晶試験
出口をアルゴンシールした還流塔が付いた250ccのナス型フラスコに、トリアリールアミン化合物として純度99.80%のTPD(5g)と2環性化合物として2,3−ジヒドロベンゾフラン95gを仕込み、攪拌しながら140℃のオイルバスで30分間加熱した後、アルゴン雰囲気下でコース(coarse)のガラスフィルターで濾過し、濾液をゆっくり室温まで冷却した後、−20℃のフリーザーで24時間冷却した。析出した1.9gの結晶を真空乾燥し、HPLC(THF/水グラジエント法)で分析した結果、純度は99.98%に向上したことを確認した。
Figure 2013246193
[実施例12]ポットライフ試験
1,1−ビス[4−[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]フェニル]シクロヘキサン0.05gと1,3−ジヒドロイソベンゾフラン(1g)を用いて実施例6と同様の実験を行った。60日後においても全く沈殿が無く、クリアな溶液であった。
Figure 2013246193

Claims (10)

  1. 少なくともトリアリールアミン化合物と、一般式[1]又は一般式[2]で表される2環性化合物とを含み、該トリアリールアミン化合物が該2環性化合物に溶解していることを特徴とする組成物。
    Figure 2013246193
    Figure 2013246193
    (Rはそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子の何れかを表す。A、B、C、Fはそれぞれ独立して、−CR −、−O−、−NR−の何れかを表し、D、Eはそれぞれ独立して−CR=、−N=の何れかを表し、Rは水素原子、メチル基又はハロゲンを表す。A、B、Cのうち少なくとも一つは−O−又は−NR−であり、D、E、Fのうち少なくとも一つはヘテロ原子を有する。)
  2. 前記トリアリールアミン化合物が三級窒素原子を少なくとも2つ以上有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記トリアリールアミン化合物の異なる2つの三級窒素原子の間の結合が、(a)〜(e)の何れかの構造であることを特徴とする、請求項2に記載の組成物
    Figure 2013246193
    (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表し、Arはアリール基を表す。)
  4. 請求項1に記載の一般式[1]又は一般式[2]で表される2環性化合物の沸点が150℃から250℃であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の組成物。
  5. 前記トリアリールアミン化合物が電荷移動材料であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の組成物。
  6. 電荷輸送層又は正孔輸送層を形成するための塗布剤であることを特徴とする、請求項1乃至請求項5の何れかに記載の組成物。
  7. インクジェット用の塗布剤であることを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
  8. 反応用途又は精製用途に用いることを特徴とする、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の組成物の使用方法。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れかにおいて、2環性化合物100質量部に対してトリアリールアミン化合物が0.01〜2質量部であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の組成物。
  10. 少なくとも0.5質量%以上のトリアリールアミン化合物を含有することを特徴とする、請求項1乃至請求項9の何れかに記載の組成物。
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