JP2013245261A - エレクトレットシート - Google Patents

エレクトレットシート Download PDF

Info

Publication number
JP2013245261A
JP2013245261A JP2012118735A JP2012118735A JP2013245261A JP 2013245261 A JP2013245261 A JP 2013245261A JP 2012118735 A JP2012118735 A JP 2012118735A JP 2012118735 A JP2012118735 A JP 2012118735A JP 2013245261 A JP2013245261 A JP 2013245261A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic resin
sheet
electret
phthalocyanine compound
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012118735A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunichi Kobayashi
俊一 小林
Kazuho Uchida
かずほ 内田
Bungo Hatta
文吾 八田
Takazumi Okabayashi
賞純 岡林
Kunio Kusachi
邦夫 草地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2012118735A priority Critical patent/JP2013245261A/ja
Publication of JP2013245261A publication Critical patent/JP2013245261A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G7/00Capacitors in which the capacitance is varied by non-mechanical means; Processes of their manufacture
    • H01G7/02Electrets, i.e. having a permanently-polarised dielectric
    • H01G7/021Electrets, i.e. having a permanently-polarised dielectric having an organic dielectric
    • H01G7/023Electrets, i.e. having a permanently-polarised dielectric having an organic dielectric of macromolecular compounds

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、高い圧電性を有するエレクトレットシートを提供する。
【解決手段】本発明のエレクトレットシートは、合成樹脂及びフタロシアニン系化合物を含む合成樹脂シートに電荷を注入して上記合成樹脂シートを帯電させることにより、合成樹脂粒子とフタロシアニン系化合物との界面に電荷をトラップすることができ、優れた圧電性を発揮することができる。このような本発明のエレクトレットシートに外力が加わると、合成樹脂とフタロシアニン系化合物との界面にたまった正電荷と負電荷とが相対変位を生じ、この相対変位に伴って良好な電気応答を生じさせることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた圧電性を有するエレクトレットシートに関する。
エレクトレットは絶縁性の高分子材料に電荷を注入することにより、内部に帯電を付与した材料である。エレクトレットは繊維状に成形して集塵フィルターなどとして広く用いられている。
又、合成樹脂シートはこれを帯電させることによってセラミックスに匹敵する非常に高い圧電性を示すことが知られている。このような合成樹脂シートを用いたエレクトレットは、その優れた感度を利用して音響ピックアップや各種圧力センサーなどへの応用が提案されている。
エレクトレットシートとして、特許文献1には、塩素化ポリオレフィンが付与されているシートであって、かつ、該シートが1×10-10クーロン/cm2以上の表面電荷密度を有するエレクトレットシートが開示されているが、エレクトレットシートの圧電性が低いという問題点を有している。
特開平8−284063号公報
本発明は、高い圧電性を有するエレクトレットシートを提供する。
本発明のエレクトレットシートは、合成樹脂及びフタロシアニン系化合物を含む合成樹脂シートに電荷を注入して上記合成樹脂シートを帯電させてなることを特徴とする。
(合成樹脂)
合成樹脂としては、特に制限されず、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂が挙げられる。合成樹脂として、具体的には、エチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリ−4−メチルペンテン、エチレン−プロピレンゴムなどのオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シクロオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体などのジエン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレンなどの塩素系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などのフッ素系樹脂、ポリシアン化ビニル、ポリシアン化ビニリデンなどのシアノ系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸樹脂などのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11などのポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。
エチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、又はエチレン成分を50重量%を超えて含有するエチレンと少なくとも1種の炭素数が3〜20のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。エチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などを挙げることができる。直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である。なお、直鎖状低密度ポリエチレン中におけるα−オレフィンの含有量は、1〜15重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましい。
エチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、及び1−エイコセンなどが挙げられる。なかでも、炭素数が4〜10のα−オレフィンが好ましく、1−オクテンがより好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.90〜0.93g/cm3が好ましく、0.915〜0.925g/cm3がより好ましい。なお、本発明において、直鎖状低密度ポリエチレンの密度とは、JIS K7112 「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準拠して測定された値を意味する。
プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、又はプロピレン成分を50重量%以上含有するプロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素数2〜20のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。プロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素数2〜20のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。
プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。
シクロオレフィン系樹脂としては、シクロアルケンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。シクロアルケンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセンなどが挙げられる。シクロオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリシクロブテン、ポリシクロペンテン、ポリシクロヘキセン、ポリシクロオクテン、ポリ3−メチルシクロペンテン、ポリ4−メチルシクロペンテン、ポリ3−メチルシクロヘキセンなどが挙げられる。
ジエン系樹脂としては、ジエン系モノマーの単独重合体又は共重合体が挙げられる。ジエン系モノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、クロロプレンなどの共役ジエン化合物が挙げられる。ジエン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリペンタジエン、ポリヘキサジエン、ポリジシクロペンタジエンなどを挙げることができる。ジエン系モノマーには、エチレンとプロピレンと上記ジエン系モノマーとの共重合体も含まれる。
ノルボルネン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーとα−オレフィンとの付加型重合体、ノルボルネン系モノマー同士の付加重合体、及び、これらの誘導体などが挙げられる。ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。ノルボルネン系モノマーと付加重合するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる 。
合成樹脂としては、吸湿性が低くて絶縁性に優れており電荷保持力が高いことから、熱可塑性樹脂が好ましく挙げられ、オレフィン系樹脂がより好ましく挙げられる。なかでも、絶縁性、柔軟性及び電荷保持性が優れており、エレクトレットシートが優れた圧電性を有することから、プロピレン系樹脂及びエチレン系樹脂が特に好ましく挙げられる。なお、合成樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
合成樹脂がエチレン系樹脂とプロピレン系樹脂とを含有する場合、合成樹脂中におけるエチレン系樹脂の含有量は、1〜55重量%が好ましく、5〜50重量%がより好ましい。また、合成樹脂がエチレン系樹脂とプロピレン系樹脂とを含有する場合、合成樹脂中におけるプロピレン系樹脂の含有量は、45〜99重量%が好ましく、50〜95重量%がより好ましい。このような含有量でエチレン系樹脂とプロピレン系樹脂とを含む合成樹脂によれば、圧電性に優れているエレクトレットシートを提供することができる。
(フタロシアニン系化合物)
本発明のエレクトレットシートは、フタロシアニン系化合物を含有している。フタロシアニン系化合物と合成樹脂との界面では電荷をトラップし易い。従って、フタロシアニン系化合物によればエレクトレットシート中の総電荷量を増加させて、エレクトレットシートの圧電性を向上させることができる。
フタロシアニン系化合物としては、例えば、中心金属を有していないフタロシアニン系化合物、及び中心金属を有しているフタロシアニン系化合物などが挙げられる。
中心金属を有していないフタロシアニン系化合物としては、下記式(1)で示されるフタロシアニンが好ましく挙げられる。
Figure 2013245261

また、中心金属を有しているフタロシアニン系化合物としては、下記一般式(2)で示されるフタロシアニン系化合物が好ましく挙げられる。
Figure 2013245261

(一般式(2)中、Mは、金属原子を表し、R1〜R16は、相互に同一であっても異なってもよく、それぞれ独立して、水素原子又は電子吸引基を表し、点線は配位結合を表す。)
一般式(2)において、金属原子Mとしては、Cu、Fe、Zn、Co、Pb、Ni、Ti、Si、V、Mg、Ga、B、及びAlなどが挙げられ、Cu、及びFeが好ましい。
一般式(2)において、R1〜R16は、水素原子又は電子吸引基である。電子吸引基としては、−SO3Na、−SO3H、及びハロゲン原子が好ましく挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子などが挙げられる。
一般式(2)のフタロシアニン系化合物は、電子吸引基を有していることが好ましい。電子吸引基を有するフタロシアニン系化合物によれば、得られるエレクトレットシートの圧電性をより向上させることができる。
一般式(2)のR1〜R16のうち、4個以上、特に4〜16個が電子吸引基であることが好ましい。R1〜R16のうち4個以上が電子吸引基であるフタロシアニン系化合物によれば、得られるエレクトレットシートの圧電性をより向上させることができる
さらに、フタロシアニン系化合物としては、下記一般式(3)で示されるフタロシアニン系化合物も好ましく挙げられる。
Figure 2013245261

(一般式(3)中、xは、水和数であり、1以上の整数である。)
エレクトレットシートにおいて、上述したフタロシアニン系化合物が、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
なかでも、フタロシアニン系化合物としては、上記一般式(2)で示されるフタロシアニン系化合物が好ましく、上記一般式(2)において、MがCuであり且つR1〜R16がClであるフタロシアニン系化合物がより好ましく挙げられる。合成樹脂シートに後述するコロナ放電処理を行う時に、フタロシアニン系化合物の中心金属が放電起点となって電荷を発生させることができ、この電荷がフタロシアニン系化合物と合成樹脂との界面にトラップされることによって、得られるエレクトレットシート中の総電荷量をより増加させることができ、エレクトレットシートの圧電性をさらに向上させることが可能となる。
合成樹脂シート中におけるフタロシアニン系化合物の含有量は、合成樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜5重量部が特に好ましい。合成樹脂シート中におけるフタロシアニン系化合物の含有量が少な過ぎると、得られるエレクトレットシートの圧電性が低下する虞れがある。また、合成樹脂シート中におけるフタロシアニン系化合物の含有量が多過ぎると、エレクトレットシート中でフタロシアニン系化合物同士の距離が短くなり、合成樹脂とフタロシアニン系化合物との間にトラップされた電荷が他のフタロシアニン系化合物を通じて容易に拡散し易くなり、エレクトレットシートの圧電性が低下する虞れがある。
なお、合成樹脂シートには、その物性を損なわない範囲内において、酸化防止剤、金属害防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、ブロッキング防止剤などの添加剤が含有されていてもよい。
そして、合成樹脂シートは、合成樹脂非発泡シートであっても合成樹脂発泡シートであってもよい。なかでも、高い圧電性を有するエレクトレットシートを提供することができることから、合成樹脂発泡シートが好ましい。又、合成樹脂シートは、汎用の要領で一軸延伸又は二軸延伸されていてもよい。
合成樹脂非発泡シートの製造方法としては、例えば、(I)合成樹脂及びフタロシアニン系化合物を含む合成樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し押出機に取り付けたTダイからシート状に押出して合成樹脂非発泡シートを製造する方法、(II)合成樹脂及びフタロシアニン系化合物を含む合成樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し押出機に取り付けたサーキュラダイから円筒状体を押出し、この円筒状体を押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断して円筒状体を展開し合成樹脂非発泡シートを製造する方法が挙げられる。
又、合成樹脂発泡シートの製造方法としては、合成樹脂、フタロシアニン系化合物、及び、熱分解型発泡剤を含む合成樹脂組成物を押出機に供給して熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度にて溶融混練し押出機に取り付けたTダイから押出して発泡性樹脂シートを得、この発泡性樹脂シートを必要に応じて架橋した上で、発泡性樹脂シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させて合成樹脂発泡シートを製造する方法が挙げられる。
熱分解型発泡剤としては、分解によってガスを発生させればよく、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。
発泡性樹脂シートを架橋させる場合、合成樹脂組成物が多官能モノマーをさらに含んでいることが好ましい。合成樹脂、フタロシアニン系化合物、熱分解型発泡剤、及び多官能モノマーを含む合成樹脂組成物を押出機に供給して熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度にて溶融混練し押出機に取り付けたTダイから押出して発泡性樹脂シートを得、この発泡性樹脂シートを架橋した上で、発泡性樹脂シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させて合成樹脂架橋発泡シートを得ることができる。
多官能モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、シアノエチルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどが挙げられ、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼンが好ましい。なお、(メタ)アクリレートは、メタクリレート又はアクリレートを意味する。
合成樹脂シートの厚みは、薄いと、エレクトレットシートの強度が不十分となることがあり、厚いと、エレクトレットシートの取扱い性が低下することがあるので、10〜3000μmが好ましい。
上記合成樹脂シートに汎用の要領で電荷を注入することによって合成樹脂シートを帯電させてエレクトレットシートを製造することができる。合成樹脂シートに電荷を注入する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)合成樹脂シートを一対の平板電極で挟持し、一方の平板電極をアースすると共に他方の平板電極を高圧直流電源に接続して、合成樹脂シートに直流又はパルス状の高電圧を印加して合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させる方法、(2)電子線、X線などの電離性放射線や紫外線を合成樹脂シートに照射して、合成樹脂シートの近傍部の空気分子をイオン化することによって合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させる方法、(3)合成樹脂シートの一面にアースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、合成樹脂シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極又はワイヤー電極を配設し、針状電極の先端又はワイヤー電極の表面近傍への電界集中によりコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極又はワイヤー電極の極性により発生した空気イオンを反発させて合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートを帯電させる方法などが挙げられる。上記方法の中で合成樹脂シートに容易に電荷を注入することができるので、上記(2)又は(3)の方法が好ましく、上記(3)の方法がより好ましい。
上記(1)及び(3)の方法において、合成樹脂シートに印加する電圧の絶対値は、小さいと、合成樹脂シートに十分に電荷を注入することができず、高い圧電性を有するエレクトレットシートを得ることができないことがあり、大きいと、アーク放電してしまい、却って、合成樹脂シートに十分に電荷を注入することができず、高い圧電性を有するエレクトレットシートを得ることができないことがあるので、3〜100kVが好ましく、5〜50kVより好ましい。
上記(2)の方法において、合成樹脂シートに照射する電離性放射線の加速電圧の絶対値は、小さいと、空気中の分子を十分に電離することができず、合成樹脂シートに十分な電荷を注入することができず、圧電性の高いエレクトレットシートを得ることができないことがあり、多いと、電離性放射線が空気を透過するので、空気中の分子を電離させることができないことがあるので、5〜15kVが好ましい。
本発明のエレクトレットシートは、上述の如き構成を有しており、優れた圧電性を有している。したがって、このようなエレクトレットシートに外力が加わると、合成樹脂とフタロシアニン系化合物との界面にたまった正電荷と負電荷とが相対変位を生じ、この相対変位に伴って良好な電気応答を生じることができる。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
なお、下記実施例及び比較例では、それぞれ下記に示す構造を有するフタロシアニン系化合物(A)〜(F)を用いた。
Figure 2013245261

Figure 2013245261

Figure 2013245261

Figure 2013245261

Figure 2013245261

Figure 2013245261

(実施例1〜11、及び比較例1〜3)
ホモポリプロピレン(メルトフローレート0.5g/10分、日本ポリプロ社製 製品名「EA9」)、直鎖状低密度ポリエチレン(メルトフローレート1.3g/10分、日本ポリプロ社製 製品名「0138CN」)、及びフタロシアニン系化合物(A)〜(F)を、それぞれ表1に示した配合量で、押出機に供給して溶融混練し、Tダイからシート状に押出すことにより、合成樹脂非発泡シート(厚み0.1mm)を製造した。
次に、合成樹脂非発泡シートの一面にアースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、合成樹脂非発泡シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極を配設し、針状電極の表面近傍への電界集中により、電圧−10kV、放電距離10mm及び電圧印可時間1分の条件下にてコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極の極性により発生した空気イオンを反発させて合成樹脂非発泡シートに電荷を注入して合成樹脂非発泡シートを帯電させた。その後、電荷を注入した合成樹脂非発泡シートを、接地されたアルミニウム箔で包み込んだ状態で3時間に亘って保持することで合成樹脂非発泡シート表面に存在する静電気を除去してエレクトレットシートを得た。
(実施例12〜21及び比較例4)
ホモポリプロピレン(メルトフローレート0.5g/10分、日本ポリプロ社製 製品名「EA9」)、直鎖状低密度ポリエチレン(メルトフローレート1.3g/10分、日本ポリプロ社製 製品名「0138CN」)、多官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリメタクリレート、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド、酸化防止剤として2,6−ジブチル−p−クレゾール及びジラウリルチオプロピオネート、金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾール、並びにフタロシアニン系化合物(A)〜(F)を、それぞれ表2に示した配合量で、バレル温度が170℃に調整された二軸押出機に供給し溶融混練し、Tダイからシート状に押出すことにより、発泡性合成樹脂シート(厚み0.3mm)を製造した。
次に、発泡性樹脂シートに電子線を加速電圧300kVにて25kGy照射して、発泡性合成樹脂シートを架橋させた。そして、架橋させた発泡性合成樹脂シートを熱風オーブンに投入して250℃に加熱することにより、熱分解型発泡剤を分解させて、発泡性架橋樹脂シートを発泡させることにより、合成樹脂発泡シート(厚み0.5mm)を得た。
そして、合成樹脂発泡シートを熱風オーブン中に供給し、合成樹脂発泡シートの表面温度を150℃とした上で、合成樹脂発泡シートをその押出方向(長さ方向)のみに延伸倍率2倍で一軸延伸することによって、延伸させた合成樹脂発泡シート(厚み0.3mm)を得た。
次に、合成樹脂発泡シートの一面にアースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、合成樹脂発泡シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極を配設し、針状電極の表面近傍への電界集中により、電圧−10kV、放電距離10mm及び電圧印可時間1分の条件下にてコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極の極性により発生した空気イオンを反発させて合成樹脂発泡シートに電荷を注入して合成樹脂発泡シートを帯電させた。その後、電荷を注入した合成樹脂発泡シートを、接地されたアルミニウム箔で包み込んだ状態で3時間に亘って保持することで合成樹脂発泡シート表面に存在する静電気を除去してエレクトレットシートを得た。
(評価)
実施例及び比較例において作製したエレクトレットシートの電荷発生量を下記の要領で測定し、その結果を表1及び表2に示した。
(電荷発生量)
エレクトレットシートを切断することにより、一辺が5cmの平面正方形状の試験片を得た。
試験片の上下面の中央部のそれぞれに、一辺が3cmで且つ厚みが0.3mmの平面正方形状のアルミ箔を密着状態に配設することにより、試験体を得た。この試験体に加振機を用いて荷重Fが2N、動的荷重が±0.25N、周波数が110Hzの条件下にて押圧力を加え、その時に発生する電荷Q(pC)を計測した。そして、電荷Q(pC)を荷重F(N)で除することによって、試験片の電荷発生量(pC/N)を算出した。
Figure 2013245261
Figure 2013245261

Claims (7)

  1. 合成樹脂及びフタロシアニン系化合物を含む合成樹脂シートに電荷を注入して上記合成樹脂シートを帯電させてなることを特徴とするエレクトレットシート。
  2. 合成樹脂が、熱可塑性樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のエレクトレットシート。
  3. 合成樹脂が、オレフィン系樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレクトレットシート。
  4. 合成樹脂が、エチレン系樹脂及び/又はプロピレン系樹脂を含んでいることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のエレクトレットシート。
  5. 合成樹脂シートが、フタロシアニン系化合物を合成樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエレクトレットシート。
  6. 合成樹脂シートが、合成樹脂発泡シートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエレクトレットシート。
  7. 合成樹脂シートにコロナ放電処理によって電荷を注入してなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のエレクトレットシート。
JP2012118735A 2012-05-24 2012-05-24 エレクトレットシート Pending JP2013245261A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012118735A JP2013245261A (ja) 2012-05-24 2012-05-24 エレクトレットシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012118735A JP2013245261A (ja) 2012-05-24 2012-05-24 エレクトレットシート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013245261A true JP2013245261A (ja) 2013-12-09

Family

ID=49845308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012118735A Pending JP2013245261A (ja) 2012-05-24 2012-05-24 エレクトレットシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013245261A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014011282A (ja) エレクトレットシート
JP5926860B2 (ja) エレクトレットシート及び圧電センサ
JP2014143369A (ja) エレクトレットシート
JP2013075945A (ja) エレクトレットシート
JP2014100868A (ja) エレクトレットシート
JP6200799B2 (ja) エレクトレットシート
JP2014093313A (ja) エレクトレットシート
JP5908230B2 (ja) エレクトレットシート
JP2013258320A (ja) エレクトレットシートの製造方法
JP2014034592A (ja) エレクトレットシート
JP7411022B2 (ja) エレクトレットシート
JP2013245261A (ja) エレクトレットシート
CN108604499B (zh) 驻极体片
JP6959013B2 (ja) エレクトレットシート
JP2014037451A (ja) エレクトレットシート
JP6798898B2 (ja) エレクトレットシート
JP7271641B2 (ja) エレクトレットシート
JP2017139467A (ja) エレクトレットシート
US11688563B2 (en) Electret sheet
JP7198189B2 (ja) 圧電シート及びその製造方法並びに圧電センサ
JP2014101465A (ja) エレクトレットシート
JP2017179126A (ja) エレクトレットシート及び圧電センサ
JP2013216816A (ja) エレクトレットシート
JP2014136712A (ja) エレクトレットシート
JP2013231105A (ja) エレクトレットシート