JP2013216816A - エレクトレットシート - Google Patents

エレクトレットシート Download PDF

Info

Publication number
JP2013216816A
JP2013216816A JP2012089850A JP2012089850A JP2013216816A JP 2013216816 A JP2013216816 A JP 2013216816A JP 2012089850 A JP2012089850 A JP 2012089850A JP 2012089850 A JP2012089850 A JP 2012089850A JP 2013216816 A JP2013216816 A JP 2013216816A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synthetic resin
sheet
electret sheet
resin sheet
electret
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012089850A
Other languages
English (en)
Inventor
Bungo Hatta
文吾 八田
Hitomi Muraoka
仁美 村岡
Takazumi Okabayashi
賞純 岡林
Shunichi Kobayashi
俊一 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2012089850A priority Critical patent/JP2013216816A/ja
Publication of JP2013216816A publication Critical patent/JP2013216816A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G7/00Capacitors in which the capacitance is varied by non-mechanical means; Processes of their manufacture
    • H01G7/02Electrets, i.e. having a permanently-polarised dielectric
    • H01G7/021Electrets, i.e. having a permanently-polarised dielectric having an organic dielectric
    • H01G7/023Electrets, i.e. having a permanently-polarised dielectric having an organic dielectric of macromolecular compounds

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、高い圧電性を有するエレクトレットシートを提供する。
【解決手段】 本発明のエレクトレットシートAは、エレクトレットシート本体1に電荷を注入してエレクトレットシート本体1内を帯電させてなるエレクトレットシートにおいて、上記エレクトレットシート本体1に空隙部4が形成されており、この空隙部4の表面に電荷を保持させていることを特徴とするので、エレクトレットシートに外力が加わると、空隙部の表面にたまった正電荷と負電荷とが相対変位を生じ、この相対変位に伴って良好な電気応答を生じ、エレクトレットシートは優れた圧電性を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、優れた圧電性を有するエレクトレットシートに関する。
エレクトレットは絶縁性の高分子材料に電荷を注入することにより、内部に帯電を付与した材料である。エレクトレットは繊維状に成形して集塵フィルターなどとして広く用いられている。
又、合成樹脂シートはこれを帯電させることによってセラミックスに匹敵する非常に高い圧電性を示すことが知られている。このような合成樹脂シートを用いたエレクトレットは、その優れた感度を利用して音響ピックアップや各種圧力センサーなどへの応用が提案されている。
エレクトレットシートとして、特許文献1には、塩素化ポリオレフィンが付与されているシートであって、かつ、該シートが1×10-10クーロン/cm2以上の表面電荷密度を有するエレクトレットシートが開示されているが、エレクトレットシートの圧電性が低いという問題点を有している。
特開平8−284063号公報
本発明は、高い圧電性を有するエレクトレットシートを提供する。
本発明のエレクトレットシートは、エレクトレットシート本体に電荷を注入してエレクトレットシート本体を帯電させてなるエレクトレットシートにおいて、上記エレクトレットシート本体に空隙部が形成されており、この空隙部の表面に電荷を保持させていることを特徴とする。
上記エレクトレットシートにおいて、エレクトレットシート本体は、二枚の合成樹脂シートを積層することによって構成されており、上記二枚の合成樹脂シートの対向面の少なくとも一方の表面が粗面に形成されており、上記二枚の合成樹脂シートの対向面間に空隙部が形成されていることを特徴とする。
上記エレクトレットシートにおいて、合成樹脂シートの粗面の算術平均粗さRaが13μm以上であることを特徴とする。
上記エレクトレットシートにおいて、空隙部は、エレクトレットシート本体の厚み方向に交差する方向に拡がっていることを特徴とする。
本発明のエレクトレットシートは、上述の如き構成を有しており、エレクトレットシートに外力が加わると、空隙部の表面にたまった正電荷と負電荷とが相対変位を生じ、この相対変位に伴って良好な電気応答を生じ、エレクトレットシートは優れた圧電性を有している。
本発明のエレクトレットシートAの一例を図面を参照しつつ説明する。図1、2に示したように、エレクトレットシートAのエレクトレットシート本体1は、二枚の合成樹脂シート2、3を積層することによって構成されている。
二枚の合成樹脂シートを構成している合成樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ−4−メチルペンテン、エチレン−プロピレンゴムなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリシクロオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体などのジエン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレンなどの塩素系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などのフッ素系樹脂、ポリシアン化ビニル、ポリシアン化ビニリデンなどのシアノ系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸樹脂などのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11などのポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテルイミド、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられ、吸湿性が低くて絶縁性に優れており電荷保持力が高いことから、ポリオレフィン系樹脂を含有していることが好ましく、絶縁性、柔軟性及び電荷保持性が優れており、エレクトレットシートが優れた圧電性を有することから、ポリプロピレン系樹脂を含有していることがより好ましい。なお、合成樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
合成樹脂は絶縁性に優れていることが好ましく、合成樹脂としては、JIS K6911に準拠して印可電圧500Vにて電圧印可1分後の体積固有抵抗値(以下、単に「体積固有抵抗値」という)が1.0×1010Ω・m以上である合成樹脂が好ましい。
合成樹脂の上記体積固有抵抗値は、エレクトレットシートがより優れた圧電性を有することから、1.0×1013Ω・m以上が好ましく、1.0×1015Ω・m以上がより好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、又は、エチレン成分を50重量%を超えて含有するエチレンと少なくとも1種のエチレン以外の炭素数が3〜20のα―オレフィンとの共重合体を挙げることができる。エチレン単独重合体としては、高圧下でラジカル重合させた低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中低圧で触媒存在下で重合させた中低圧法高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)などを挙げることができる。エチレンとα―オレフィンを共重合させることで直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)を得ることができ、上記α―オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、炭素数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。なお、直鎖状低密度ポリエチレン中におけるα−オレフィンの含有量は通常、1〜15重量%である。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン成分を50重量%を超えて含有しておれば、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素数3〜20のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。なお、ポリプロピレン系樹脂は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素数3〜20のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。
なお、プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、エチレンが好ましい。
合成樹脂がポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを含有する場合、合成樹脂中におけるポリエチレン系樹脂の含有量は、多すぎると、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあるので、50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましい。又、合成樹脂としてポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを併用する場合、合成樹脂中におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は、少なすぎると、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあるので、50重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率は、小さいと、エレクトレットシートの電荷の保持性が低下してエレクトレットシートの性能が長期間に亘って安定的に維持されないことがあるので、150MPa以上が好ましく、150〜3000MPaがより好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率は、JIS K7171に準拠して測定された値をいう。
ポリシクロオレフィン系樹脂としては、シクロアルケンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。シクロアルケンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセンなどが挙げられる。ポリシクロオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリシクロブテン、ポリシクロペンテン、ポリシクロヘキセン、ポリシクロオクテン、ポリ3−メチルシクロペンテン、ポリ4−メチルシクロペンテン、ポリ3−メチルシクロヘキセンなどが挙げられる。
ジエン系樹脂としては、ジエン系モノマーの単独重合体又は共重合体が挙げられる。ジエン系モノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、クロロプレンなどの共役ジエン化合物が挙げられる。ジエン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリペンタジエン、ポリヘキサジエン、ポリジシクロペンタジエンなどを挙げることができる。ジエン系モノマーには、エチレンとプロピレンと上記ジエン系モノマーとの共重合体も含まれる。
ノルボルネン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーとα−オレフィンとの付加型重合体、ノルボルネン系モノマー同士の付加重合体、及び、これらの誘導体などが挙げられる。ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。ノルボルネン系モノマーと付加重合するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる 。
エレクトレットシート本体1を構成している二枚の合成樹脂シート2、3の対向面のうちの少なくとも一方の表面は粗面21(31)に形成されており、この粗面21(31)によって二枚の合成樹脂シート2、3の対向面間に空隙部4が形成されている。なお、二枚の合成樹脂シート2、3の対向面が共に粗面21、31に形成されていてもよい。
合成樹脂シート2(3)の粗面21(31)の算術平均粗さRaは、小さいと、二枚の合成樹脂シートの対向面間に形成される空隙部の間隔が小さくなり、正電荷と負電荷とを分極した状態に保持することができないので、13μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、大きすぎても、正電荷と負電荷とを分極した状態に保持することができないので、50μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましい。なお、合成樹脂シートの粗面21(31)の算術平均粗さRaは、合成樹脂シートを20℃、相対湿度50%の恒温恒湿条件下に2時間に亘って保存後、基準長さを8mmとしてJIS B0601に準拠して測定された、合成樹脂シートの算術平均粗さRaをいう。なお、合成樹脂シートの粗面21(31)の算術平均粗さRaは、小坂研究所から商品名「触針式表面粗さ測定器サーフコーダーSE−40D」にて市販されている測定装置を用いて測定することができる。
合成樹脂シート2(3)の粗面21(31)の算術平均粗さRaを調整する方法としては、合成樹脂シートを押出成形によって製造する際に、押出機に取り付けたTダイのリップ部のエンボスの深さを調整する方法、合成樹脂シートを溶融状態にてエンボスロールに押し付けて合成樹脂シートの表面にエンボスを転写して合成樹脂シートの表面を粗面に形成するにあたって、エンボスロールのエンボス深さを調整する方法などが挙げられる。
なお、合成樹脂シートには、その物性を損なわない範囲内において、酸化防止剤、金属害防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、ブロッキング防止剤などの添加剤が含有されていてもよい。
そして、合成樹脂シートは、合成樹脂非発泡シートであっても合成樹脂発泡シートであってもよい。又、合成樹脂シートは、汎用の要領で一軸延伸又は二軸延伸されていてもよい。
合成樹脂非発泡シートの製造方法としては、例えば、(1)合成樹脂を押出機に供給して溶融混練し押出機に取り付けたTダイからシート状に押出して合成樹脂非発泡シートを製造する方法、(2)合成樹脂を押出機に供給して溶融混練し押出機に取り付けたサーキュラダイから円筒状体を押出し、この円筒状体を押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断して円筒状体を展開し合成樹脂非発泡シートを製造する方法が挙げられる。
又、合成樹脂発泡シートの製造方法としては、合成樹脂及び熱分解型発泡剤を含む合成樹脂組成物を押出機に供給して熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度にて溶融混練し押出機に取り付けたTダイから発泡性樹脂シートを押出し、この発泡性樹脂シートを必要に応じて架橋した上で、発泡性樹脂シートを熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させて合成樹脂発泡シートを製造する方法が挙げられる。なお、熱分解型発泡剤としては、分解によってガスを発生させればよく、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。
合成樹脂シートの厚みは、薄いと、エレクトレットシートの強度が不十分となることがあり、厚いと、エレクトレットシートの取扱い性が低下することがあるので、10〜3000μmが好ましい。
上記合成樹脂シートに汎用の要領で電荷を注入し、エレクトレットシート本体1に形成された空隙部4を構成している表面に正電荷と負電荷とを分極状態に保持することによってエレクトレットシートAを製造することができる。
具体的には、二枚の合成樹脂シートのうちの一方の合成樹脂シートの表面に電荷を注入した上で、上記電荷が注入された合成樹脂シートの帯電処理面が内側となるように、二枚の合成樹脂シートを重ね合わせると、一方の合成樹脂シートの帯電処理面に対向する他方の合成樹脂シートの表面に、一方の合成樹脂シートの帯電処理面に帯電している電荷と反対の電荷が発生し、二枚の合成樹脂シートの対向面間に形成された空隙部の表面には正電荷と負電荷とが分極状態に保持された状態となってエレクトレットシートAを製造することができる。なお、電荷を注入させる合成樹脂シートとしては、算術平均粗さRaが大きい合成樹脂シートの表面に電荷を注入することが好ましい。算術平均粗さRaが大きいほど合成樹脂シートの表面積が大きくなり、合成樹脂シートの表面により多くの電荷をためることができ、得られるエレクトレットシートの圧電性を向上させることができるからである。
又、二枚の合成樹脂シートの双方の表面に電荷を注入した上で、上記電荷が注入された合成樹脂シートの帯電処理面同士が対向した状態となるように、二枚の合成樹脂シートを重ね合わせてエレクトレットシートAを製造してもよい。
二枚の合成樹脂シートを重ね合わせた上で、二枚の合成樹脂シートの対向する表面の何れか一方又は双方に電荷を注入してもよい。二枚の合成樹脂シートの何れか一方の表面にのみ電荷を注入する場合、上記と同様の理由で、電荷を注入させる合成樹脂シートとしては、算術平均粗さRaが大きい合成樹脂シートの表面に電荷を注入することが好ましい。
合成樹脂シートの表面に電荷を注入する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)合成樹脂シートを一対の平板電極で挟持し、帯電させたい表面に接触させている平板電極を高圧直流電源に接続すると共に他方の平板電極をアースし、合成樹脂シートに直流又はパルス状の高電圧を印加して合成樹脂に電荷を注入して合成樹脂シートの表面を帯電させる方法、(2)電子線、X線などの電離性放射線や紫外線を合成樹脂シートの表面に照射して、合成樹脂シートの近傍部の空気分子をイオン化することによって合成樹脂の表面に電荷を注入して合成樹脂シートの表面を帯電させる方法、(3)合成樹脂シートの一面に、アースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、合成樹脂シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極又はワイヤー電極を配設し、針状電極の先端又はワイヤー電極の表面近傍への電界集中によりコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極又はワイヤー電極の極性により発生した空気イオンを反発させて合成樹脂の他面に電荷を注入して合成樹脂シートの表面を帯電させる方法などが挙げられる。上記方法の中で合成樹脂シートに容易に電荷を注入することができるので、上記(2)(3)の方法が好ましく、上記(3)の方法がより好ましい。
上記(1)(3)の方法において、合成樹脂シートに印加する電圧の絶対値は、小さいと、合成樹脂シートに十分に電荷を注入することができず、高い圧電性を有するエレクトレットシートを得ることができないことがあり、大きいと、アーク放電してしまい、却って、合成樹脂シートに十分に電荷を注入することができず、高い圧電性を有するエレクトレットシートを得ることができないことがあるので、3〜100kVが好ましく、5〜50kVより好ましい。
上記(2)の方法において、合成樹脂シートに照射する電離性放射線の加速電圧の絶対値は、小さいと、空気中の分子を十分に電離することができず、合成樹脂シートに十分な電荷を注入することができず、圧電性の高いエレクトレットシートを得ることができないことがあり、多いと、電離性放射線が空気を透過するので、空気中の分子を電離させることができないことがあるので、5〜15kVが好ましい。
そして、得られたエレクトレットシートAは、そのエレクトレットシート本体1の空隙部4に正電荷と負電荷とが分極状態に保持されており、正電荷と負電荷との相対変位を生じさせることによって良好な電気応答を生じさせることができ、エレクトレットシートAは優れた圧電性を有している。
エレクトレットシート本体1の空隙部4に保持された正電荷と負電荷との相対変位を生じさせる方法としては、特に限定されず、例えば、(1)エレクトレットシートAをその厚み方向、即ち、二枚の合成樹脂シートの積層方向に圧縮させるように外力を加える方法、(2)エレクトレットシートAを構成している一方の合成樹脂シートを他方の合成樹脂シートに対して相対的に回転又は合成樹脂シートの面方向にずらす方法などが挙げられる。
上記では、二枚の合成樹脂シート2、3を積層させ、二枚の合成樹脂シート2、3の対向面間に空隙部4を形成した場合を説明したが、図3、4に示したように、二枚の合成樹脂シートを積層することなく、一枚の合成樹脂シート5の一部に空隙部51を形成し、この空隙部51の表面に電荷を保持させてもよい。
一枚の合成樹脂シート5の一部に形成された空隙部51は、合成樹脂シート5の厚み方向に交差する方向に、好ましくは合成樹脂シートの表面に沿った方向に連続的に拡がっていることが好ましい。合成樹脂シート5の一部に合成樹脂シートの表面に沿った方向に連続的に拡がる空隙部51が形成されていることによって、合成樹脂シート5をその厚み方向に圧縮する外力が合成樹脂シート5の任意の部分に加わっても、空隙部51に保持された正電荷と負電荷とを確実に相対変位させることができ、この相対変位によって良好な電気応答を生じ、エレクトレットシートAは優れた圧電性を示す。
又、一枚の合成樹脂シート5の一部に形成された空隙部51は、合成樹脂シート5の厚み方向に沿った端面に開口していることが好ましく、合成樹脂シート5の厚み方向に沿った対向する一対の端面間に亘って貫通して開口していることがより好ましい。このように、一枚の合成樹脂シート5の一部に形成された空隙部51が合成樹脂シート5の厚み方向に沿った端面に開口していることによって、合成樹脂シート5をその厚み方向に圧縮する外力が合成樹脂シート5に加わった場合に、空隙部51に保持された正電荷と負電荷とをより確実に相対変位させることができ、この相対変位によって、より良好な電気応答を生じ、エレクトレットシートAはより優れた圧電性を示す。
一枚の合成樹脂シート5の一部に空隙部51を形成する方法としては、合成樹脂シートの製造時に空隙部51が形成されるように合成樹脂シートを製造する方法の他、合成樹脂シートを製造した後、この合成樹脂シートの一部を切除又は溶解させることによって空隙部51を形成してもよい。
一枚の合成樹脂シート5の空隙部51の表面に電荷を保持させる方法としては、特に限定されず、例えば、合成樹脂シートの空隙部51の対向する表面のうちの一方の表面に、アースされた平板電極を密着状態に接触させ、合成樹脂シートの空隙部51の対向する表面のうちの他方の表面から所定間隔を存した状態に直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極又はワイヤー電極を配設し、針状電極の先端又はワイヤー電極の表面近傍への電界集中によりコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極又はワイヤー電極の極性により発生した空気イオンを反発させて、合成樹脂シートの空隙部51の対向する表面のうちの他方の表面に電荷を注入して合成樹脂シート5の空隙部51の表面に電荷を保持させる方法などが挙げられる。
本発明のエレクトレットシートを示した縦断面図である。 空隙部を示した部分拡大図である。 本発明のエレクトレットシートを示した縦断面図である。 空隙部を示した部分拡大図である。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜4)
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレンの含有量:4.5重量%以下、融解開始温度:97℃、曲げ弾性率:850MPa)及び酸化防止剤としてテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタンを押出機に供給し溶融混練してTダイからシート状に押出して厚みが100μmの第一合成樹脂シートを製造した。第一合成樹脂シート2を一辺が2.5cmの平面正方形状に切断した。
得られた第一合成樹脂シート2の一面に、アースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、第一合成樹脂シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極を配設し、針状電極の表面近傍への電界集中により、加速電圧−10kV、放電距離10mm及び電圧印可時間1分の条件下にてコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極の極性により発生した空気イオンを反発させて第一合成樹脂シートの他面を帯電させた。その後、電荷を注入した第一合成樹脂シートを、接地されたアルミニウム箔で包み込んだ状態で3時間に亘って保持した。なお、第一合成樹脂シートの帯電処理面21の算術平均粗さRaを表1に示した。
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量:4.5重量%以下、融解開始温度:116℃、曲げ弾性率:850MPa)及び酸化防止剤としてテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタンを押出機に供給し溶融混練してTダイからシート状に押出して厚みが100μmの第二合成樹脂シートを製造した。第二合成樹脂シート3を一辺が2.5cmの平面正方形状に切断した上で、第二合成樹脂シートを、接地されたアルミニウム箔で包み込んだ状態で3時間に亘って保持した。第一合成樹脂シートの帯電処理面に対向させた第二合成樹脂シートの表面31の算術平均粗さRaを表1に示した。
第一合成樹脂シート2と第二合成樹脂シート3とを第一合成樹脂シートの帯電処理面21が第二合成樹脂シート3に対向した状態に重ね合わせ、第一合成樹脂シート2及び第二合成樹脂シート3とをそれらの外周縁部において150℃の熱プレス機を用いて熱圧着させて熱融着一体化してエレクトレットシートAを得た。
(実施例5)
実施例1と同様の要領で、一辺が2.5cmの平面正方形状の第一合成樹脂シート2を製造し、実施例1と同様の要領で第一合成樹脂シートに電荷を注入した。
実施例1と同様の要領で、一辺が2.5cmの平面正方形状の第二合成樹脂シート3を製造した。第二合成樹脂シートの一面に、アースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、第二合成樹脂シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極を配設し、針状電極の表面近傍への電界集中により、加速電圧+10kV、放電距離10mm及び電圧印可時間1分の条件下にてコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極の極性により発生した空気イオンを反発させて第二合成樹脂シートの他面を帯電させた。その後、電荷を注入した第二合成樹脂シートを、接地されたアルミニウム箔で包み込んだ状態で3時間に亘って保持した。
第一合成樹脂シート2と第二合成樹脂シート3とを、第一合成樹脂シートの帯電処理面21が第二合成樹脂シート3の帯電処理面31に対向した状態に重ね合わせ、第一合成樹脂シート2及び第二合成樹脂シート3とをそれらの外周縁部において150℃の熱プレス機を用いて熱圧着させて熱融着一体化してエレクトレットシートAを得た。
得られたエレクトレットシートの発生電荷量を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(発生電荷量)
エレクトレットシートから一辺が10mmの平面正方形状の試験片を切り出し、試験片の両面に金蒸着を施して試験体を作製した。
試験体に加振機を用いて荷重Fが2N、動的荷重が±0.25N、周波数が110Hzの条件下にて押圧力を加え、その時に発生する電荷Q(クーロン)を計測した。電荷Q(クーロン)を荷重F(N)で除することによって発生電荷量を算出した。
製造直後のエレクトレットシートの発生電荷量を測定し、初期発生電荷量とした。
エレクトレットシートをアルミニウム箔で包み込んだ状態で50℃、相対湿度95%の恒温恒湿槽内に1週間に亘って放置した後、エレクトレットシートを23℃、相対湿度30%の恒温恒湿槽内に24時間に亘って放置した。このエレクトレットシートの発生電荷量を測定し、耐久発生電荷量とした。
Figure 2013216816
1 エレクトレットシート本体
2,3,5 合成樹脂シート
4 空隙部
A エレクトレットシート

Claims (6)

  1. エレクトレットシート本体に電荷を注入してエレクトレットシート本体を帯電させてなるエレクトレットシートにおいて、上記エレクトレットシート本体に空隙部が形成されており、この空隙部の表面に電荷を保持させていることを特徴とするエレクトレットシート。
  2. エレクトレットシート本体は、二枚の合成樹脂シートを積層することによって構成されており、上記二枚の合成樹脂シートの対向面の少なくとも一方の表面が粗面に形成されており、上記二枚の合成樹脂シートの対向面間に空隙部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のエレクトレットシート。
  3. 合成樹脂シートの粗面の算術平均粗さRaが13μm以上であることを特徴とする請求項2に記載のエレクトレットシート。
  4. 空隙部は、エレクトレットシート本体の厚み方向に交差する方向に拡がっていることを特徴とする請求項1に記載のエレクトレットシート。
  5. 空隙部がエレクトレットシート本体の端面に開口していることを特徴とする請求項4に記載のエレクトレットシート。
  6. コロナ放電処理によってエレクトレットシート本体に電荷を注入していることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のエレクトレットシート。
JP2012089850A 2012-04-11 2012-04-11 エレクトレットシート Pending JP2013216816A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012089850A JP2013216816A (ja) 2012-04-11 2012-04-11 エレクトレットシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012089850A JP2013216816A (ja) 2012-04-11 2012-04-11 エレクトレットシート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013216816A true JP2013216816A (ja) 2013-10-24

Family

ID=49589313

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012089850A Pending JP2013216816A (ja) 2012-04-11 2012-04-11 エレクトレットシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013216816A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014011282A (ja) エレクトレットシート
US11264556B2 (en) Piezoelectric sensor
JP6018888B2 (ja) エレクトレットシート
JP2013075945A (ja) エレクトレットシート
JP5908230B2 (ja) エレクトレットシート
JP7411022B2 (ja) エレクトレットシート
JP2014093313A (ja) エレクトレットシート
TW202027108A (zh) 駐極體片及壓電感測器
JP2013258320A (ja) エレクトレットシートの製造方法
JP2013216816A (ja) エレクトレットシート
JP6959013B2 (ja) エレクトレットシート
JP7036538B2 (ja) エレクトレットシート
TWI712059B (zh) 駐極體片
JP7271641B2 (ja) エレクトレットシート
KR102588134B1 (ko) 일렉트릿 시트
JP6798898B2 (ja) エレクトレットシート
JP2013075946A (ja) エレクトレットシート
JP2020010401A (ja) 圧電シート及びその製造方法並びに圧電センサ
JP2017179126A (ja) エレクトレットシート及び圧電センサ
JP2013245261A (ja) エレクトレットシート
JP2013231105A (ja) エレクトレットシート
JP2014101465A (ja) エレクトレットシート