JP2014011282A - エレクトレットシート - Google Patents

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文吾 八田
Hitomi Muraoka
仁美 村岡
Takazumi Okabayashi
賞純 岡林
Shunichi Kobayashi
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Abstract

【課題】 本発明は、高い圧電性を有するエレクトレットシートを提供する。
【解決手段】 本発明のエレクトレットシート1は、圧縮弾性率の異なる二枚の合成樹脂シート2、3が積層一体化されてなるので、エレクトレットシートにその厚み方向に圧縮させる応力を加えると、二枚の合成樹脂シートのうち、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂シートがその厚み方向により多く圧縮される一方、圧縮弾性率の高い方の合成樹脂シートは、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂シートほどその厚み方向に圧縮されることはない。従って、本発明のエレクトレットシートにその厚み方向に圧縮力を加えると、圧縮弾性率の高い方の合成樹脂シートがエレクトレットシートを相対的に保形する役割を果たしつつ、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂シートが圧縮力によって相対的に大きく変形する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、優れた圧電性を有するエレクトレットシートに関する。
エレクトレットは絶縁性の高分子材料に電荷を注入することにより、内部に帯電を付与した材料である。エレクトレットは繊維状に成形して集塵フィルターなどとして広く用いられている。
又、合成樹脂シートはこれを帯電させることによってセラミックスに匹敵する非常に高い圧電性を示すことが知られている。このような合成樹脂シートを用いたエレクトレットは、その優れた感度を利用して音響ピックアップや各種圧力センサーなどへの応用が提案されている。
エレクトレットシートとして、特許文献1には、塩素化ポリオレフィンが付与されているシートであって、かつ、該シートが1×10-10クーロン/cm2以上の表面電荷密度を有するエレクトレットシートが開示されているが、エレクトレットシートの圧電性が低いという問題点を有している。
特開平8−284063号公報
本発明は、高い圧電性を有するエレクトレットシートを提供する。
本発明のエレクトレットシートは、圧縮弾性率が異なる二枚の合成樹脂シートが積層一体化された積層シートを帯電させたことを特徴とする。
上記エレクトレットシートにおいて、合成樹脂シートを構成している合成樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする。
上記エレクトレットシートにおいて、二枚の合成樹脂シートのうち、圧縮弾性率の高い合成樹脂シートが無孔性合成樹脂シートであると共に、圧縮弾性率の低い合成樹脂シートが有孔性合成樹脂シートであることを特徴とする。
上記エレクトレットシートにおいて、二枚の合成樹脂シートが共に有孔性合成樹脂シートであり、これらの有孔性合成樹脂シートの孔の占有割合が相違することを特徴とする。
上記エレクトレットシートにおいて、二枚の合成樹脂シートのうち、圧縮弾性率の高い合成樹脂シートが発泡倍率5〜14倍の発泡シートであると共に、圧縮弾性率の低い合成樹脂シートが発泡倍率15〜35倍の発泡シートであることを特徴とする。
上記エレクトレットシートにおいて、コロナ放電処理によって帯電処理が施されてなることを特徴とする。
本発明のエレクトレットシートは、圧縮弾性率が異なる二枚の合成樹脂シートが積層一体化された積層シートを帯電させているので、エレクトレットシートにその厚み方向に圧縮させる応力を加えると、二枚の合成樹脂シートのうち、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂シートがその厚み方向により多く圧縮される一方、圧縮弾性率の高い方の合成樹脂シートは、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂シートほどその厚み方向に圧縮されることはない。従って、本発明のエレクトレットシートにその厚み方向に圧縮力を加えると、圧縮弾性率の高い方の合成樹脂シートがエレクトレットシートを保形する役割を果たしつつ、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂シートが圧縮力によって相対的に大きく変形する。
即ち、本発明のエレクトレットシートは、圧縮弾性率の高い方の合成樹脂シートによって、エレクトレットシートが薄くなりすぎないように厚みを維持しつつ、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂シートがその厚み方向に積極的に圧縮され、二枚の合成樹脂シートの界面に分極状態にて保持された正電荷及び負電荷を、エレクトレットシートの両面に分極状態にて保持された正電荷及び負電荷に対して相対的に変位させ、エレクトレットシートの両面の正電荷及び負電荷の分極状態の変化を効果的に誘発させており、エレクトレットシートは優れた圧電性を有している。
本発明のエレクトレットシート1の一例を図面を参照しつつ説明する。図1、2に示したように、エレクトレットシート1は、圧縮弾性率の異なる二枚の合成樹脂シート2、3を積層することによって構成されている。
二枚の合成樹脂シートを構成している合成樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ−4−メチルペンテン、エチレン−プロピレンゴムなどのポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリシクロオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体などのジエン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレンなどの塩素系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、エチレン−四フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体などのフッ素系樹脂、ポリシアン化ビニル、ポリシアン化ビニリデンなどのシアノ系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸樹脂などのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11などのポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテルイミド、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどが挙げられる。なお、合成樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
合成樹脂シートを構成している合成樹脂としては、(1)圧縮弾性率の低い合成樹脂シートの圧縮によって、二枚の合成樹脂シートの界面に分極状態にて保持された正電荷及び負電荷を、エレクトレットシートの両面に保持されている分極状態の正電荷及び負電荷に対して相対的に変位させて、エレクトレットシートの両面に保持された正電荷及び負電荷の分極状態の変化を容易に誘発させ易いこと、(2)二枚の合成樹脂シートの圧縮弾性率の差を大きくして、上述したエレクトレットシートの両面に保持された正電荷及び負電荷の分極状態の変化を容易に誘発させ易いこと、(3)合成樹脂シートの圧縮弾性率を容易に調整することができることなどの理由により、エレクトレットシートの圧電性が優れているので、ポリオレフィン系樹脂を含有していることが好ましく、ポリプロピレン系樹脂を含有していることがより好ましく、ホモポリプロピレンが特に好ましい。
合成樹脂は絶縁性に優れていることが好ましく、合成樹脂としては、JIS K6911に準拠して印可電圧500Vにて電圧印可1分後の体積固有抵抗値(以下、単に「体積固有抵抗値」という)が1.0×1010Ω・m以上である合成樹脂が好ましい。
合成樹脂の上記体積固有抵抗値は、エレクトレットシートがより優れた圧電性を有することから、1.0×1013Ω・m以上が好ましく、1.0×1015Ω・m以上がより好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、又は、エチレン成分を50重量%を超えて含有する、エチレンと少なくとも1種のエチレン以外の炭素数が3〜20のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。エチレン単独重合体としては、高圧下でラジカル重合させた低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中低圧で触媒存在下で重合させた中低圧法高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)などを挙げることができる。エチレンとα−オレフィンとを共重合させることで直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を得ることができ、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。上記α―オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、炭素数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。なお、直鎖状低密度ポリエチレン中におけるα−オレフィンの含有量は通常、1〜15重量%である。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン成分を50重量%を超えて含有しておれば、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、プロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素数3〜20のオレフィンとの共重合体などが挙げられ、ホモポリプロピレンが好ましい。なお、ポリプロピレン系樹脂は単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。又、プロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素数3〜20のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。
なお、プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、エチレンが好ましい。
合成樹脂がポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを含有する場合、合成樹脂中におけるポリエチレン系樹脂の含有量は、少ないと、注入される電荷の量が低下し、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあり、多いと、注入された電荷の保持性能が低下し、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあるので、1〜35重量%が好ましく、2〜25重量%がより好ましい。
合成樹脂としてポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを併用する場合、合成樹脂中におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は、少ないと、注入された電荷の保持性能が低下し、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあり、多いと、注入される電荷の量が低下し、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあるので、65〜99重量%が好ましく、75〜98重量%がより好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の圧縮弾性率は、小さいと、エレクトレットシートの電荷の保持性が低下してエレクトレットシートの性能が長期間に亘って安定的に維持されないことがあるので、150MPa以上が好ましく、150〜3000MPaがより好ましい。なお、合成樹脂の圧縮弾性率は、JIS K7171に準拠して測定された値をいう。
ポリシクロオレフィン系樹脂としては、シクロアルケンの単独重合体又は共重合体が挙げられる。シクロアルケンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセンなどが挙げられる。ポリシクロオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリシクロブテン、ポリシクロペンテン、ポリシクロヘキセン、ポリシクロオクテン、ポリ3−メチルシクロペンテン、ポリ4−メチルシクロペンテン、ポリ3−メチルシクロヘキセンなどが挙げられる。
ジエン系樹脂としては、ジエン系モノマーの単独重合体又は共重合体が挙げられる。ジエン系モノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、クロロプレンなどの共役ジエン化合物が挙げられる。ジエン系樹脂としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリペンタジエン、ポリヘキサジエン、ポリジシクロペンタジエンなどを挙げることができる。ジエン系樹脂には、エチレンとプロピレンと上記ジエン系モノマーとの共重合体も含まれる。
ノルボルネン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーとα−オレフィンとの付加型重合体、ノルボルネン系モノマー同士の付加重合体、及び、これらの誘導体などが挙げられる。ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネンなどが挙げられる。ノルボルネン系モノマーと付加重合するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる 。
本発明のエレクトレットシート1の積層シートは、互いに異なる圧縮弾性率を有する二枚の合成樹脂シートを積層一体化している。なお、合成樹脂シートの圧縮弾性率は、JIS K7181(1994)に準拠して測定された値をいう。
本発明のエレクトレットシート1の積層シートは、圧縮弾性率の異なる二枚の合成樹脂シート2、3を積層一体化させているので、エレクトレットシートをその厚み方向に圧縮した時に、圧縮弾性率の小さい方の合成樹脂シートがより大きく圧縮される一方、圧縮弾性率の大きい方の合成樹脂シートはその圧縮度合いが小さく、元の形状をできるだけ維持する。
従って、エレクトレットシートにその厚み方向に圧縮力を加えると、圧縮弾性率の大きい方の合成樹脂シートがその形状をできるだけ維持し、エレクトレットシート全体が潰れてしまうのを防止しつつ、圧縮力をできるだけ圧縮弾性率の小さい方の合成樹脂シートに集中させて、圧縮弾性率の小さい方の合成樹脂シートの変形を大きくして、二枚の合成樹脂シートの対向面間に分極状態で保持されている正電荷及び負電荷と、エレクトレットシートの両面に分極状態にて保持されている正電荷及び負電荷との相対変位を効果的に生じさせ、エレクトレットシートの両面に保持している正電荷と負電荷の分極状態の変化を効果的に誘発させることができ、本発明のエレクトレットシートは優れた圧電性を有している。
二枚の合成樹脂シートのうち、圧縮弾性率の小さい方の合成樹脂シートの圧縮弾性率は、小さいと、エレクトレットシートの製造が困難となることがあり、大きいと、合成樹脂シートの変形度合いが小さくなり、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあるので、100〜460MPaが好ましく、150〜400MPaがより好ましい。
二枚の合成樹脂シートのうち、圧縮弾性率の大きい方の合成樹脂シートの圧縮弾性率は、小さいと、圧縮弾性率の大きい方の合成樹脂シートの圧縮弾性率と、圧縮弾性率の小さい方の合成樹脂シートの圧縮弾性率との差が小さくなり、エレクトレットシートに圧力が加わった場合に、エレクトレットシートの両面の正電荷及び負電荷の分極状態の変化を効果的に誘発させることができなくなり、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあり、大きいと、圧縮弾性率の大きい方の合成樹脂シートが脆くなることがあるので、550〜2000MPaが好ましく、700〜1900MPaがより好ましい。
二枚の合成樹脂シートは、無孔性合成樹脂シート又は有孔性合成樹脂シートの何れであってもよいが、有孔性合成樹脂シートの場合には、孔の周囲に電荷を分極状態にて保持することができるため、エレクトレットシートの圧電性をより向上させることができる。有孔性合成樹脂シートとは、直径が1μm以上の空隙部が形成されている合成樹脂シートをいい、1μm以上の空隙部が全体的に形成されている合成樹脂シートが好ましい。一方、無孔性合成樹脂シートとは、直径が1μm以上の空隙部が形成されていない合成樹脂シートをいう。無孔性合成樹脂シートとしては、例えば、合成樹脂非発泡シートが挙げられる。有孔性合成樹脂シートとしては、例えば、発泡シート、無機粒子を含有する無孔性合成樹脂シートを延伸して無機粒子と合成樹脂との界面において剥離を生じさせて空隙部を形成してなる合成樹脂シートなどが挙げられる。
合成樹脂シートの空隙部の直径は、下記の要領で測定される。合成樹脂シートを任意の箇所にてその厚み方向の全長に亘って切断する。合成樹脂シートの切断面を電子顕微鏡にて撮影して拡大写真を得る。得られた拡大写真中にあらわれた各空隙部の断面において、各空隙部を包囲し得る最小径の真円の直径をそれぞれの空隙部の直径とする。
合成樹脂シートの圧縮弾性率の調整方法は、特に限定されない。合成樹脂シートが有孔性合成樹脂シートである場合、発泡シートの発泡倍率を調整する方法、発泡シートのゲル分率を調整する方法、有孔性合成樹脂シートの孔の占有割合を調整する方法、有孔性合成樹脂シートを構成している合成樹脂の重量平均分子量を調整する方法などが挙げられる。合成樹脂シートが非発泡シートである場合、合成樹脂シートを構成している合成樹脂の重量平均分子量を調整する方法、合成樹脂シートのゲル分率を調整する方法などが挙げられる。又、合成樹脂シートを構成している合成樹脂として、圧縮弾性率の高い合成樹脂を用いることによって、圧縮弾性率の高い発泡シートを得ることができる。
具体的には、合成樹脂シートが合成樹脂発泡シートの場合には、発泡倍率以外の条件が同じ合成樹脂発泡シート同士では、発泡倍率が小さくなるほど合成樹脂発泡シートの圧縮弾性率は高くなる。
架橋の有無以外の条件が同じ合成樹脂シート同士では、架橋されている合成樹脂シートの方が架橋されていない合成樹脂シートよりも圧縮弾性率が高くなる。
ゲル分率以外の条件が同じ合成樹脂シート同士では、ゲル分率が高い合成樹脂シートの方がゲル分率の低い合成樹脂シートよりも圧縮弾性率が高くなる。
孔の占有割合以外の条件が同じ有孔性合成樹脂シート同士では、孔の占有割合が低い有孔性合成樹脂シートの方が、孔の占有割合が高い有孔性合成樹脂シートよりも圧縮弾性率が高くなる。
合成樹脂シートを構成している合成樹脂の重量平均分子量以外の条件が同じ合成樹脂シート同士では、合成樹脂の重量平均分子量が高い合成樹脂シートほど圧縮弾性率が高くなる。
合成樹脂発泡シートの発泡倍率は、合成樹脂発泡シートを構成している合成樹脂の密度を、合成樹脂発泡シートの見掛け密度で除した値をいう。なお、合成樹脂発泡シートを構成している合成樹脂がn種類の合成樹脂の混合物である場合、各合成樹脂の密度(g/cm3)をρiとし、各合成樹脂の含有量(重量%)をwiとしたとき、下記式で算出される値を合成樹脂の密度(g/cm3)とする。
Figure 2014011282
合成樹脂シートのゲル分率は下記の要領で測定される。合成樹脂シートをAg秤量し、これを120℃のキシレン中に24時間浸漬して不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量を測定し(Bg)、下記式により算出する。
ゲル分率(重量%)=(B/A)×100
有孔性合成樹脂シートの孔の占有割合は、下記式に基づいて算出された値をいう。
有孔性合成樹脂シートの孔の占有割合
=1−〔有孔性合成樹脂シートの見掛け密度(g/cm3
/合成樹脂の密度(g/cm3)〕
なお、合成樹脂発泡シートを構成している合成樹脂が二種以上の合成樹脂の混合物である場合、合成樹脂の密度は上述と同様の要領で算出された値をいう。
なお、合成樹脂シートを構成している合成樹脂の重量平均分子量は、
によって測定された値をいう。
二枚の合成樹脂シートが共に有孔性合成樹脂シートである場合、圧縮弾性率の高い方の有孔性合成樹脂シートの孔の占有割合は、小さいと、圧縮弾性率の高い方の有孔性合成樹脂シートが脆くなることがあり、大きいと、エレクトレットシートに圧縮力を加えた場合に、圧縮弾性率の高い方の有孔性合成樹脂シートが、圧縮弾性率の低い方の有孔性合成樹脂シートと同様に変形し、二枚の合成樹脂シートの対向面間に分極状態で保持されている正電荷及び負電荷と、エレクトレットシートの両面に分極状態にて保持されている正電荷及び負電荷との相対変位が生じにくくなり、エレクトレットシートの圧電性が損なわれることがあるので、0.5〜0.85が好ましく、0.55〜0.83がより好ましい。
一方、圧縮弾性率の低い方の有孔性合成樹脂シートの孔の占有割合は、小さいと、圧縮弾性率の低い方の有孔性合成樹脂シートが圧縮力によって変形し難くなり、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあり、大きいと、エレクトレットシートの製造が困難となることがあるので、0.86〜0.97が好ましく、0.89〜0.95がより好ましい。
二枚の合成樹脂シートが共に合成樹脂発泡シートである場合、圧縮弾性率の高い方の合成樹脂発泡シートの発泡倍率は、小さいと、エレクトレットシートの製造が困難となることがあり、大きいと、エレクトレットシートに圧縮力を加えた場合に、圧縮弾性率の高い方の合成樹脂発泡シートが、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂発泡シートと同様に変形し、二枚の合成樹脂発泡シートの対向面間に分極状態で保持されている正電荷及び負電荷と、エレクトレットシートの両面に分極状態にて保持されている正電荷及び負電荷との相対変位が生じにくくなり、エレクトレットシートの圧電性が損なわれることがあるので、5〜30倍が好ましく、7〜23倍がより好ましい。
一方、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂発泡シートの発泡倍率は、小さいと、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂発泡シートが圧縮力によって変形し難くなり、エレクトレットシートの圧電性が低下することがあり、大きいと、エレクトレットシートの製造が困難となることがあるので、15〜35倍が好ましく、17〜30倍がより好ましい。
なお、合成樹脂シートには、その物性を損なわない範囲内において、酸化防止剤、金属害防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、ブロッキング防止剤などの添加剤が含有されていてもよい。
二枚の合成樹脂シート2、3はそれぞれ、互いに圧縮弾性率が相違しておれば、無孔性合成樹脂シート又は有孔性合成樹脂シートの何れであってもよいが、圧縮弾性率の高い方の合成樹脂シートが無孔性合成樹脂シートであると共に、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂シートが有孔性合成樹脂シートであることが好ましい。このように、圧縮弾性率の高い方の合成樹脂シートを無孔性合成樹脂シートとし且つ圧縮弾性率の低い方の合成樹脂シートを有孔性合成樹脂シートとすることによって、エレクトレットシートにその厚み方向に圧縮力が加わった場合に、無孔性合成樹脂シートがその厚みを殆ど変化させずに形態を保持すると共に、エレクトレットシートに加わった圧縮力を、有孔性合成樹脂シートに集中させて有孔性合成樹脂シートを効率的に変形させて、エレクトレットシートの両面に保持されている正電荷及び負電荷の分極状態の変化を効果的に誘発させて、エレクトレットシートにより優れた圧電性を発現させることができる。
無孔性合成樹脂シートの製造方法としては、例えば、(1)合成樹脂を押出機に供給して発泡剤の不存在下にて溶融、混練し、押出機からシート状に押出して合成樹脂非発泡シートを製造する方法、(2)合成樹脂を発泡剤の不存在下にて押出機に供給して溶融、混練し、押出機から円筒状体を押出し、この円筒状体をその押出方向に連続的に内外周面間に亘って切断して展開することによって合成樹脂非発泡シートを製造する方法などが挙げられる。
有孔性合成樹脂シートの製造方法としては、例えば、(1)合成樹脂及び熱分解型発泡剤を押出機に供給して熱分解型発泡剤の分解温度未満にて溶融、混練し、押出機から発泡性樹脂シートを押出し、この発泡性樹脂シートに必要に応じて電子線、α線、β線、γ線などの電離性放射線を照射して架橋した上で加熱して熱分解型発泡剤を分解させて発泡させ合成樹脂発泡シートを製造する方法、(4)合成樹脂及び物理型発泡剤を押出機に供給して溶融、混練し、押出機から押出発泡させて合成樹脂発泡シートを製造する方法、(5)炭酸カルシウム粒子などの無機粒子を含有している合成樹脂シートを延伸することによって無機粒子と合成樹脂との界面において剥離を生じさせて空隙を形成してなる合成樹脂シートなどが挙げられる。
なお、熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが挙げられる。又、物理型発泡剤としては、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどが挙げられる。
圧縮弾性率の異なる二枚の合成樹脂シート2、3同士を積層一体化する方法としては、特に限定されず、例えば、二枚の合成樹脂シートを重ね合わせた後、合成樹脂シートを加熱して合成樹脂同士を熱融着一体化する方法が挙げられる。
二枚の合成樹脂シート2、3同士の対向面には空隙部が形成されていないことが好ましく、二枚の合成樹脂シートの対向面同士が全面的に密着していることが好ましい。二枚の合成樹脂シート同士の対向面間に空隙部が形成されていると、エレクトレットシートに圧縮力を加えた場合に、この圧縮力が二枚の合成樹脂シート間の空隙部の変形に用いられ、圧縮弾性率の低い方の合成樹脂シートの変形が十分に行われない結果、エレクトレットシートの圧電性が低下する虞れがあるからである。
二枚の合成樹脂シート2、3同士の対向面の形状は、特に限定されず、図1に示したように、平坦面であってもよいし、又は、図2に示したように波形状などの曲面状であってもよい。
そして、圧縮弾性率の異なる二枚の合成樹脂シート2、3を積層一体化してなる積層シートに電荷を注入することによって帯電させて、二枚の合成樹脂シートの対向面間、及び、積層シートの両面に、分極状態にて正電荷と負電荷とを保持させてエレクトレットシート1を製造することができる。
積層シートに電荷を注入する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)積層シートを一対の平板電極で挟持し、第一の平板電極をアースすると共に第二の平板電極を高圧直流電源に接続して、積層シートに直流又はパルス状の高電圧を印加して合成樹脂に電荷を注入して積層シートを帯電させる方法、(2)電子線、X線などの電離性放射線や紫外線を積層シートに照射して、積層シートの近傍部の空気分子をイオン化することによって合成樹脂に電荷を注入して積層シートを帯電させる方法、(3)積層シートの第一の面に、アースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、積層シートの第二の面に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極又はワイヤー電極を配設し、針状電極の先端又はワイヤー電極の表面近傍への電界集中によりコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極又はワイヤー電極の極性により発生した空気イオンを反発させて合成樹脂に電荷を注入して積層シートを帯電させる方法などが挙げられる。上記方法の中で積層シートに容易に電荷を注入することができるので、上記(2)(3)の方法が好ましく、上記(2)の方法がより好ましい。
上記(1)(3)の方法において、積層シートに印加する電圧の絶対値は、小さいと、積層シートに十分に電荷を注入することができず、高い圧電性を有するエレクトレットシートを得ることができないことがあり、大きいと、アーク放電してしまい、却って、積層シートに十分に電荷を注入することができず、高い圧電性を有するエレクトレットシートを得ることができないことがあるので、3〜100kVが好ましく、5〜50kVより好ましい。
上記(2)の方法において、積層シートに照射する電離性放射線の加速電圧の絶対値は、小さいと、空気中の分子を十分に電離することができず、積層シートに十分な電荷を注入することができず、圧電性の高いエレクトレットシートを得ることができないことがあり、多いと、電離性放射線が空気を透過するので、空気中の分子を電離させることができないことがあるので、5〜15kVが好ましい。
上述の如くして得られたエレクトレットシートは、このエレクトレットシートに外力を加えて変形させることによって、二枚の合成樹脂シート同士の界面部に見掛け上、分極した状態で保持された正電荷及び負電荷を、エレクトレットシートの両面に保持された正電荷及び負電荷に対して相対的に変位させ、この変位によって、エレクトレットシートの両面の正電荷及び負電荷の分極状態の変化を効果的に誘発させることができ、エレクトレットシートは優れた圧電性を発揮する。
本発明のエレクトレットシートを示した縦断面図である。 本発明のエレクトレットシートの他の一例を示した縦断面図である。
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
表1に示した所定量のホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製 商品名「ノバテックPP EA9」、圧縮弾性率:1800MPa、メルトフローレイト(MFR):0.5g/10分、体積固有抵抗値:1.0×1015Ω・m以上)、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製 商品名「モアテック0138N」、密度:0.917kg/m3、メルトフローレイト:1.3g/10分、体積固有抵抗値:1.0×1015Ω・m以上)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、アゾジカルボンアミド、酸化防止剤として2,6−ジブチル−p−クレゾール及び金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾールを含む合成樹脂組成物をバレル温度が170℃に調整された二軸押出機に供給して溶融混練し、二軸押出機に取り付けたTダイから押出して厚さ0.3mmの発泡性シートを得た。
発泡性シートに電子線を加速電圧300kVの条件下にて25kGy照射して発泡性シートを架橋した。この発泡性シートを250℃の熱風オーブンに投入してアゾジカルボンアミドを分解させて発泡性シートを発泡させ、厚さ0.5mmのポリオレフィン系樹脂発泡シートを得た。
得られたポリオレフィン系樹脂発泡シートを150℃の雰囲気下にて延伸倍率2倍にて一軸延伸することによって、第一合成樹脂シートとして厚みが0.1mmで且つ発泡倍率が20倍の有孔性合成樹脂シート(発泡シート)を得た。
表1に示した所定量のホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製 商品名「ノバテックPP EA9」、圧縮弾性率:1800MPa、メルトフローレイト(MFR):0.5g/10分、体積固有抵抗値:1.0×1015Ω・m以上)、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製 商品名「モアテック0138N」、密度:0.917kg/m3、メルトフローレイト:1.3g/10分、体積固有抵抗値:1.0×1015Ω・m以上)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、酸化防止剤として2,6−ジブチル−p−クレゾール及び金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾールを含む合成樹脂組成物をバレル温度が170℃に調整された二軸押出機に供給して溶融混練し、二軸押出機に取り付けたTダイから押出して、第二合成樹脂シートとして、無孔性合成樹脂シートである厚さ0.1mmのポリオレフィン系樹脂非発泡シートを得た。
得られた第一合成樹脂シート及び第二合成樹脂シートの圧縮弾性率及び孔の占有割合を表1に示した。第一合成樹脂シート及び第二合成樹脂シートに形成された空隙部の最大値を表1に示した。第一合成樹脂シート及び第二合成樹脂シートのゲル分率を表1に示した。
第一合成樹脂シート上に第二合成樹脂シートを積層し、両合成樹脂シートの積層状態が崩れないように耐熱性の粘着テープを用いて固定して第一積層シートを得た。次に、第一積層シートを真空合わせ装置(ハイテックエンジニアリング社製)のゴムバッグ内に配設し、常温で70cmHgの真空度にて10分間に亘ってゴムバッグ内の排気を行った。上記脱気状態を維持したまま、ゴムバッグを140℃に3分間に亘って加熱した。しかる後、ゴムバッグ内を脱気状態に維持したまま、ゴムバッグを室温まで低下させた上で、ゴムバッグ内の圧力を大気圧に戻して、第一合成樹脂シート上に第二合成樹脂シートを積層一体化して第二積層シートを得た。第一合成樹脂シートと第二合成樹脂シートとはこれらの対向面同士が全面的に密着した状態に一体化していた。
得られた第二積層シートの一面に、アースされた平板電極を密着状態に重ね合わせ、第二積層シートの他面側に所定間隔を存して直流の高圧電源に電気的に接続された針状電極を配設し、針状電極の表面近傍への電界集中により、電圧−10kV、放電距離10mm及び電圧印可時間1分の条件下にてコロナ放電を発生させ、空気分子をイオン化させて、針状電極の極性により発生した空気イオンを反発させて第二積層シートを帯電させた。その後、電荷を注入した第二積層シートを、接地されたアルミニウム箔で包み込んだ状態で3時間に亘って保持してエレクトレットシートを得た。
(実施例2)
表1に示した所定量のホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製 商品名「ノバテックPP EA9」、圧縮弾性率:1800MPa、メルトフローレイト(MFR):0.5g/10分、体積固有抵抗値:1.0×1015Ω・m以上)、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製 商品名「モアテック0138N」、密度:0.917kg/m3、メルトフローレイト:1.3g/10分、体積固有抵抗値:1.0×1015Ω・m以上)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、アゾジカルボンアミド、酸化防止剤として2,6−ジブチル−p−クレゾール及び金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾールを含む合成樹脂組成物を二軸押出機に供給したこと以外は実施例1と同様にして第一合成樹脂シートとして厚みが0.1mmで且つ発泡倍率が20倍の有孔性合成樹脂シート(発泡シート)を得た。
表1に示した所定量のホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製 商品名「ノバテックPP EA9」、圧縮弾性率:1800MPa、メルトフローレイト(MFR):0.5g/10分、体積固有抵抗値:1.0×1015Ω・m以上)、直鎖状低密度ポリエチレン(プライムポリマー社製 商品名「モアテック0138N」、密度:0.917kg/m3、メルトフローレイト:1.3g/10分、体積固有抵抗値:1.0×1015Ω・m以上)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、アゾジカルボンアミド、酸化防止剤として2,6−ジブチル−p−クレゾール及び金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾールを含む合成樹脂組成物を二軸押出機に供給したこと以外は第一合成樹脂シートの製造要領と同様にして、第二合成樹脂シートとして、厚みが0.1mmで且つ発泡倍率が23倍の有孔性合成樹脂シート(発泡シート)を得た。
得られた第一合成樹脂シート及び第二合成樹脂シートの圧縮弾性率及び孔の占有割合を表1に示した。第一合成樹脂シート及び第二合成樹脂シートに形成された空隙部の最大値を表1に示した。第一合成樹脂シート及び第二合成樹脂シートのゲル分率を表1に示した。
得られた第一合成樹脂シート及び第二合成樹脂シートを用いて実施例1と同様にして第一積層シート及び第二積層シートを作製し、第二積層シートを実施例1と同様の要領で帯電させてエレクトレットシートを得た。
(比較例1)
実施例1で得られた第一合成樹脂シートを実施例1と同様の要領で帯電させてエレクトレットシートを得た。
(比較例2)
実施例1で得られた第二合成樹脂シートを実施例1と同様の要領で帯電させてエレクトレットシートを得た。
(比較例3)
実施例2で得られた第二合成樹脂シートを実施例1と同様の要領で帯電させてエレクトレットシートを得た。
得られたエレクトレットシートの圧電性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(圧電性)
エレクトレットシートの両面に金を蒸着させて試験体を作製した。試験体に加振機を用いて荷重Fが2N、動的荷重が±0.25N、周波数が110Hzの条件下にて押圧力を加え、その時に発生する電荷Q(クーロン)を計測した。電荷Q(クーロン)を荷重F(N)で除することによって発生電荷(Q/N)を評価した。
Figure 2014011282
1 エレクトレットシート
2,3 合成樹脂シート

Claims (6)

  1. 圧縮弾性率が異なる二枚の合成樹脂シートが積層一体化された積層シートを帯電させたことを特徴とするエレクトレットシート。
  2. 合成樹脂シートを構成している合成樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトレットシート。
  3. 二枚の合成樹脂シートのうち、圧縮弾性率の高い合成樹脂シートが無孔性合成樹脂シートであると共に、圧縮弾性率の低い合成樹脂シートが有孔性合成樹脂シートであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレクトレットシート。
  4. 二枚の合成樹脂シートが共に有孔性合成樹脂シートであり、これらの有孔性合成樹脂シートの孔の占有割合が相違することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレクトレットシート。
  5. 二枚の合成樹脂シートのうち、圧縮弾性率の高い合成樹脂シートが発泡倍率5〜14倍の発泡シートであると共に、圧縮弾性率の低い合成樹脂シートが発泡倍率15〜35倍の発泡シートであることを特徴とする請求項4に記載のエレクトレットシート。
  6. コロナ放電処理によって帯電処理が施されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のエレクトレットシート。
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