JP2013244563A - サファイア基板及びその製造方法。 - Google Patents

サファイア基板及びその製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】発光素子の発光効率を向上させるために表面に突起を設けた基板において、基板の裏面を凸面とするサファイア基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】サファイアインゴットからスライスして得られた基板10に複数工程に亘る加工を施した後に、基板10の表面10Aを反応性イオンエッチング加工して、基板10の表面10Aに複数の突起11、11・・・を形成する反応性イオンエッチング工程と、反応性イオンエッチング工程後に、基板10の裏面10Bをウェットブラスト加工するウェットブラスト工程と、を少なくとも施して製造された口径が少なくとも4インチ以上のサファイア基板であって、ウェットブラスト加工後の基板10の裏面10Bが凸面であることを特徴とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、サファイア基板及びその製造方法に関する。
窒化ガリウム(GaN)に代表される窒化物半導体は、バンドギャップが広く、青色系の発光が可能であることから、発光素子(LED)に用いられている。一般的な窒化物半導体を用いた発光素子は、サファイア基板上にMOCVD法やMBE法を用いてGaN層等の窒化物半導体層を結晶成長させることによって製造されている。
しかし、サファイア基板上に結晶成長させたGaN層には、サファイア結晶格子とGaN結晶格子との間の格子不整合が原因で貫通転位が発生する。この貫通転移によって発光素子の発光時のリーク電流がGaN層に発生するため、発光素子の発光効率が減少する現象が生じていた。
このような貫通転位を減らして発光素子の発光効率を向上させる技術が特許文献1に開示されている。ここで、図10を参照しながら特許文献1に開示された発明を説明する。
特許文献1には、サファイア基板900の表面に複数の突起910,910,・・・をランダムに形成し、このサファイア基板900の表面上にGaN層920、多重量子井戸層940,p−AlGaN層950,p−GaN層960、ITO層970の順番で結晶成長させ、GaN層920、ITO層970にそれぞれ電極930、930を形成した半導体発光素子が開示されている(図10参照)。
このように、サファイア基板100の表面に複数の突起910,910,・・・をランダムに形成することにより、サファイア基板900の表面に結晶成長させた半導体層(GaN層920など)の貫通転移を減らすことができ、このサファイア基板900上に形成された発光素子の発光効率を向上させることができる。
さらに、特許文献1には、サファイア基板900の表面に複数の突起910,910,・・・を形成する位置に金属微粒子(不図示)を形成し、この金属微粒子をマスクとしてサファイア基板100の表面を反応性イオンエッチング加工することによって半導体発光素子用のサファイア基板を製造する方法が開示されている。
この製造方法を用いることにより、金属微粒子が形成された位置以外のサファイア基板900の表面が反応性イオンエッチング加工される一方で、金属微粒子が形成された位置のサファイア基板900の表面は金属微粒子によってサファイア基板900の表面が被覆されているため反応性イオンエッチング加工されないこととなる。その後の工程で金属微粒子を除去することにより、サファイア基板900の表面に複数の突起910,910,・・・をランダムに形成することができる。
特開2010−225787号公報
しかしながら、特許文献1に開示された製造方法で製造されたサファイア基板は、反応性イオンエッチング加工による加工応力により、サファイア基板の裏面が凹面となるため、次工程でサファイア基板の表面(凸面)に窒化物半導体層を結晶成長させる際及びその後に行われるバックグラインド工程(サファイア基板を研削して薄くし、ダイシングする工程)において次のような不都合を生じさせるといった問題があった。
一般的に、サファイア基板と窒化物半導体層とでは線膨張係数が異なることから、サファイア基板の表面上に窒化物半導体層を結晶成長させると、熱によって結晶成長中にサファイア基板が裏面側に大きく反ることが知られている。サファイア基板の反りが大きくなり基板表面の突出量が増大すると、結晶成長過程において、ドープする物質の基板表面への入り方が、基板表面の全域で極めて不均一となり、その結果、光特性の基板の面内分布が悪くなるといった不都合が生じてしまう。
また、結晶成長後のサファイア基板の反り量は、結晶成長前よりもさらに大きくなるため、裏面の凹面度合いが顕著となる。その結果、バックグラインド工程が非常に困難になるといった不都合が生じてしまう。
そこで、上記したような不都合を生じさせないためには、サファイア基板に窒化物半導体層を結晶成長させた際にサファイア基板が裏面側に反ったとしても、その反り量が小さくなるよう、結晶成長前のサファイア基板の裏面が凸面であることが望ましい。
サファイア基板の裏面の凹面を解消する方法の一つとして、サファイア基板の裏面に対してラップ加工を行い、サファイア基板の反りをできる限りフラットにすることが考えられる。この場合、精度よくラップ加工を行うためには、ラップ加工の加工レートを比較的遅く設定(数μm/min程度)する必要があった。一例として基板の裏面を50μm程度加工することにより基板の裏面の凹面を改善することができるが、加工には1時間程度要するため加工時間が長くなり、製造コストが高くなる問題が生じていた。
また、ラップ加工に用いられるラップ装置はサファイア基板を載置する定盤を備えているが、精度よくラップ加工を行うためには、ラップ加工を行う都度、定盤表面の平坦性を保つ作業(facing作業)を必要とし、この作業が非常に煩わしいものであった。
また、ラップ加工によってサファイア基板の裏面の凹面を解消できたとしても、サファイア基板の裏面を凸面とすることはできなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、発光素子の発光効率を向上させるために表面に突起を設けた基板において、基板の裏面を凸面とするサファイア基板及びその製造方法を提供することにある。
本発明に係るサファイア基板は、サファイアインゴットからスライスして得られた基板に複数工程に亘る加工を施した後に前記基板の表面を反応性イオンエッチング加工して、前記基板の表面に突起を形成する反応性イオンエッチング工程と、前記反応性イオンエッチング工程後に、前記基板の裏面をウェットブラスト加工するウェットブラスト工程と、を少なくとも施して製造された口径が少なくとも4インチ以上のサファイア基板であって、前記ウェットブラスト加工後の前記基板の裏面が凸面であることを特徴とする。
また、本発明に係るサファイア基板の製造方法は、サファイアインゴットからスライスして得られた基板に、複数工程に亘る加工を施すことによりサファイア基板を製造するサファイア基板の製造方法であって、前記基板の表面を反応性イオンエッチング加工して、前記基板の表面に突起を形成する反応性イオンエッチング工程と、前記反応性イオンエッチング工程後に、前記基板の裏面をウェットブラスト加工するウェットブラスト工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
このような特定事項により、反応性イオンエッチング加工によって基板の裏面が凹面となっても、ウェットブラスト工程によって基板の裏面を凸面とするサファイア基板を製造することができる。
また、上記のサファイア基板であって、前記基板の反り量は、前記基板の裏面側に数十μm以下であることとする。
この場合、サファイア基板の反り量が数十μm以下であるため、サファイア基板製造後に、サファイア基板の表面に窒化物半導体層を結晶成長させても不都合が生じることはなく、本発明のサファイア基板に発光素子が形成されても、発光素子の発光効率を向上させることができる。
本発明によれば、発光素子の発光効率を向上させるために表面に突起を設けた基板において、基板の裏面を凸面とするサファイア基板及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係るサファイア基板の製造方法の研削工程を示す模式図である。 本発明に係るサファイア基板の製造方法の貼付け工程を示す断面図である。 本発明に係るサファイア基板の製造方法のラップ工程を示し、(a)は、ラップ装置の概略を示す平面図、(b)はラップ装置の概略を示す断面図である。 本発明に係るサファイア基板の製造方法のCMP工程を示し、(a)は、CMP装置の概略を示す平面図、(b)はCMP装置の概略を示す断面図である。 (a)は本発明に係るサファイア基板の製造方法の反応性イオンエッチング工程の反応性イオンエッチング加工前の基板を示す断面図、(b)は反応性イオンエッチング工程を示す模式図、(c)は反応性イオンエッチング加工後の基板を示す断面図である。 本発明に係るサファイア基板の製造方法のウェットブラスト工程を示す模式図である。 本発明に係るサファイア基板の製造方法のウェットブラスト工程を示す断面図である。 本発明に係るサファイア基板の断面図である。 本発明に係るサファイア基板の製造方法を示す製造フローである。 特許文献1のサファイア基板の断面図である。
以下、本発明のサファイア基板の製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、この製造方法の説明を以って、本発明に係るサファイア基板の説明に代える。図9は、本発明に係るサファイア基板の製造方法を示す製造フローである。
本発明に係るサファイア基板の製造方法は、サファイアインゴットからスライスして得られた基板10に複数工程に亘る加工、すなわち、サファイアインゴットからスライスして得られた基板10の両面を研削する研削工程と、研削工程後に、基板10の加工応力を除去するアニール工程と、アニール工程後に、基板10を保持する基板保持部材300に基板10を貼付ける貼付工程と、貼付工程後に、基板10の表面をラップ加工するラップ工程と、ラップ工程後に、基板10のラップ加工された面をCMP研磨する研磨工程と、研磨工程後に、基板10を精密洗浄する精密洗浄工程と、を施した後に、基板10の表面10Aを反応性イオンエッチング加工して、基板10の表面10Aに突起11を形成する反応性イオンエッチング工程と、反応性イオンエッチング工程後に、基板10の裏面10Bをウェットブラスト加工するウェットブラスト工程と、を少なくとも含むことを特徴とする。
本発明で使われる基板10は、例えば口径が4インチであり、厚みが850μm、厚みムラが±20μm、反り量が20μmである。この基板10を用いたサファイア基板の製造方法について、以下、工程に沿って説明する。
・研削工程
まず、研削工程について説明する。図1は、本発明に係るサファイア基板の製造方法の研削工程を示す模式図である。
研削工程では、基板10を片面ずつ研削することにより、基板10の両面を研削する。研削工程で用いられる研削装置600は、基板10が吸着載置されるセラミックプレート620と、セラミックプレート620と対峙し、基板10を研削する砥石610と、基板10とセラミックプレート620とを真空吸着させる真空ポンプ(不図示)と、を備えている。そして、セラミックプレート620の表面には複数の孔(不図示)が形成されており、この孔は真空ポンプに接続されている。なお、基板10を研削する砥石610は、ダイヤモンド砥石が好ましい。
本研削装置600を用いて、まず基板10の表面10Aの研削加工を行う。基板10の裏面10Bを、基板10を保持する吸着盤630を介してセラミックプレート620に取り付ける。吸着盤630にも複数の孔が形成されており、真空ポンプを稼働すると、基板10はセラミックプレート620に吸着される。
基板10の裏面10Bがセラミックプレート620に吸着された状態で、基板10の表面10Aを、砥石610によって25μm研削する。基板10の表面10Aを研削した後、真空吸着ポンプを止め、基板10をひっくり返し、基板10の裏面10Bを、前述した方法と同様に25μm研削する。このとき、基板の加工レートは数十μm/min程度とする。
これにより、基板10の厚みは両面の合計で50μm研削されることとなる。すなわち、研削工程終了時の基板10の厚みは800μmとなる。このとき、基板10の厚みムラは、±2μmとなる。よって、厚みムラが研削工程前に比べて低減される。好ましくは基板10を100μm研削することにより、厚みムラを更に低減することができる。ここで、基板10の反り量については研削工程前後で変化はない。また、研削加工を行った面(基板10の両面)には、砥石610による研削痕が残る。この研削痕は、後述するウェットブラスト工程により除去されることとなる。
なお、本実施形態では、先に表面10Aを研削加工したが、裏面10Bを先に研削しても構わない。
・アニール工程
本発明のサファイア基板の製造方法における研削工程後に行われるアニール工程について説明する。
アニール工程では、前述した研削工程によって基板10に生じた加工応力及び加工歪みを緩和する。具体的には、基板10を高温炉(不図示)に入れ、1600℃の加熱温度で3時間保持する。
これにより、基板10の加工応力及び加工歪みを緩和することができる。
なお、上記したアニールの温度及びアニールの時間は一例に過ぎず、上記の例に限定するものではない。
・貼付け工程
次に貼付け工程について説明する。図2は、本発明に係るサファイア基板の製造方法の貼付け工程を示す断面図である。
貼付け工程では、後述するラップ工程及びCMP工程によって基板10を鏡面とする面と逆側の面(本実施形態では、基板10の裏面10B)に基板保持部材300を貼付ける。
基板保持部材300は、プレート310と、プレート310上に固定され、開口を有する保持部材320と、保持部材320の開口に収容され、プレート310に貼付けられた吸着パッド330と、が含まれる。
基板10の裏面10Bに、吸着パッド330を貼付けると共に、基板10の裏面10Bに接着剤であるワックスを用いて、保持部材320と基板10の裏面10Bとを貼付ける。貼付け時には基板10の表面10Aから圧力をかけるとよい。
これにより、プレート310を介して、基板10と基板保持部材300とが貼付けられることとなる。なお、接着剤としては、例えばアクリル樹脂又はガラスエポキシ樹脂が挙げられる。また、プレート310としては、セラミックプレートが挙げられる。
以上、説明したように、基板10の裏面10Bには基板保持部材300が貼付けられているので、後述するラップ工程で基板10をラップ加工する際に、基板10が定盤410方向に押しつけられても、基板保持部材300により基板10を保護することができる。
・ラップ工程
次にラップ工程について説明する。図3は、本発明に係るサファイア基板の製造方法のラップ工程を示し、(a)は、ラップ装置の概略を示す平面図、(b)はラップ装置の概略を示す断面図である。
ラップ工程では、前述した基板10の表面10Aをラップ加工する。ラップ工程に用いられるラップ装置400には、基板10をラップ加工する定盤410と、定盤410と対峙するように基板10が取り付けられる取付具420と、ラップ加工時に使用する遊離砥粒が吐出されるノズル430と、取付具420の中心を回転軸、定盤410の中心を回転軸として、それぞれ独立して回転させるモータ(不図示)と、が備えられている。なお、定盤410には、銅または錫を含む比較的軟質な金属系の定盤が用いられる。
本ラップ装置400を用いて基板10のラップ加工を行う。取付具420に前述した基板保持部材300が貼付けられた基板10を取り付けた後、取付具420が定盤410方向に加重されることによって、基板10の表面10Aが定盤410に押し当てられる。
この状態で、定盤410及び取付具420を互いに逆向きとなるように回転させると共に、ノズル430から遊離砥粒を吐出する。定盤410は、30rpmから80rpmまでの回転数で回転させることが好ましい。
遊離砥粒は、数μmの粒径であり、例えばダイヤモンドスラリーを用いる。その後、数十nmの粒径のシリカ粒子を用いて、軟質の発泡ウレタンまたはスエードタイプの研磨布で基板10の表面10Aを研磨する。
・CMP工程及び精密洗浄工程
次にCMP工程について説明する。図4は、本発明に係るサファイア基板の製造方法のCMP工程を示し、(a)は、CMP装置の概略を示す平面図、(b)はCMP装置の概略を示す断面図である。
CMP工程では、前述したラップ加工を行った後に、そのラップ加工を行った基板10の表面10AをCMP研磨する。
CMP工程に用いられるCMP装置450と前述したラップ装置400とは、遊離砥粒等の化学薬品を精密洗浄するための洗浄液が吐出される洗浄液ノズル460が備えられている点と、遊離砥粒に数十nmの粒径であるコロイダルシリカを用いる点と、が異なるだけであるから、以下、その相違点についてのみ説明し、同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
CMP研磨は、定盤410の回転軸及び取付具420の回転軸によって、定盤410と取付具420とを回転させると共に、ノズル430から遊離砥粒を吐出してCMP研磨を行う。その後に、研磨屑(被研磨物や研磨パッド等の削れ屑)や遊離砥粒の凝集物などの異物の除去や、アルカリ性の化学薬品であるコロイダルシリカの洗浄を行うための洗浄液を洗浄液ノズル460から吐出しながら、基板10の表面10Aの精密洗浄を行う。
これにより、前述した研削工程後は艶のない面であった基板10を、精密洗浄工程後は鏡面仕様とするサファイア基板を製造することができる。
・反応性イオンエッチング工程
次に反応性イオンエッチング工程について説明する。図5は、(a)は本発明に係るサファイア基板の製造方法の反応性イオンエッチング工程の反応性イオンエッチング加工前の基板を示す断面図、(b)は反応性イオンエッチング工程を示す模式図、(c)は反応性イオンエッチング加工後の基板を示す断面図である。
反応性イオンエッチング工程では、前述したCMP加工された基板10の面(基板10の表面10A)を反応性イオンエッチング加工して、基板10の表面10Aに突起11、11、・・・を形成する。
ここで、基板10の表面10Aの複数の突起101、101、・・・をランダムに形成する位置には、予め半導体リソグラフィーのパターニングプロセスによって、フォトレジスト20が配されている(図5(a)参照)。なお、従来技術で示したように、フォトレジスト20の代わりに金属微粒子が形成されていても構わない。このフォトレジスト20が配された基板10に対して反応性イオンエッチング装置100を用いて反応性イオンエッチング加工を行う。
反応性イオンエッチング工程で用いられる反応性イオンエッチング装置100は、基板10を載置する電極110と、電極110と対向する対向電極120と、電極110及び対向電極120を収容し、その内部雰囲気の調整が可能なチャンバ130と、イオン源となるガスをチャンバ130内に供給するガス供給部140と、が備えられている(図5(b)参照)。
本反応性イオンエッチング装置100を用いて基板10の反応性イオンエッチング加工を行う。まず、チャンバ130中の電極110に、基板10の表面10Aを上にして基板10を載置する。その後、ガス供給部140より基板10の表面10Aに向けてガスを噴射する。これとともに電極110及び対向電極120と接続された電源(不図示)によって電極110及び対向電極120に設定電圧を印加する。設定電圧の印加により電極110と対向電極120との間にプラズマが発生し、基板10の表面10Aとガスが反応して、反応性イオンエッチング加工が行われる。
ここで、フォトレジスト20が配された位置以外の基板10の表面10Aは、反応性イオンエッチング加工される一方で、フォトレジスト20が配された位置の基板10の表面10Aは、フォトレジスト20によって基板10の表面10Aが被覆されているため反応性イオンエッチング加工されないこととなる。
本実施の形態では、チャンバ130に供給するガスは、三塩化ボロンを使用している。三塩化ボロンを使用することで50nm/minのレートでエッチングを行うことができ、20分の処理時間で基板10の厚みを1000nmエッチングすることができる。
反応性イオンエッチング加工後、基板10の表面10A上のフォトレジスト20を除去することにより、基板10の表面10Aに突起11、11、・・・が形成されるが、加工応力によって基板10の裏面10Bは凹面となる(図5(c)参照)。この基板10の裏面10Bの凹面を凸面にするため、次工程でウェットブラスト工程を行う。
・ウェットブラスト工程
次にウェットブラスト工程について説明する。図6は本発明に係るサファイア基板の製造方法のウェットブラスト工程を示す模式図、図7は本発明に係るサファイア基板の製造方法のウェットブラスト工程を示す断面図、図8は本発明に係るサファイア基板の製造方法のウェットブラスト工程後の基板を示す断面図である。
ウェットブラスト加工に用いられるウェットブラスト装置500には、基板10を載置するステージ510と、ステージ510を一方向に移動させるステージ移動機構(不図示)と、ステージ510と対峙して配置され、ステージ510上に遊離砥粒と圧縮空気とが混合された遊離砥粒530を噴射するウェットブラストノズル520と、が備えられている。
ウェットブラストノズル520には、遊離砥粒が導入される遊離砥粒導入部521と、圧縮空気が導入される空気導入部522と、導入された遊離砥粒と圧縮空気とが混合される混合室523と、この混合室523から圧縮空気とともに送られてきた遊離砥粒530をステージ510の移動方向(図6の矢符X方向)とステージ510と同一平面において直交する直線上に噴射するスリット状の噴射部524と、が備えられている。
本実施の形態では、ウェットブラストノズル520は、基板10とのなす角度が90°として配置されているが、ウェットブラストノズル520と基板10とのなす角度はこの角度に限られない。
本ウェットブラス装置500を用いて基板10の裏面10Bにウェットブラスト加工を行う。基板10の裏面10B(凹面)をウェットブラストノズル520に向けてウェットブラスト加工されるように、基板10をステージ510に載置し、ステージ移動機構によって、ステージ510を数mm/secの速度で移動させるとともに、ウェットブラストノズル520から1MPa以下の圧力で遊離砥粒530を基板10に向けて垂直に噴射する。基板10が載置されたステージ510が移動することによって、基板10の裏面10B全体に遊離砥粒530が噴射される結果、基板10の裏面10B全面がウェットブラスト加工されることとなる。
ウェットブラスト加工では、加工レートを数μm/minの速度に設定する。ウェットブラスト加工の加工レートは、ステージ510の移動速度に依存している。つまり、ステージ510の移動速度が遅いほど、基板10が遊離砥粒530に曝されている時間が長くなるため、加工量が多くなる。逆に、ステージ510の移動速度が速いほど、基板10が遊離砥粒530に曝されている時間が短くなるため、加工量が少なくなる。
ウェットブラスト工程による基板10の加工量は、少なくとも5μmとする。加工量を5μm以上とすると、前述の研削工程で基板10に生じた研削痕を除去することができるが、加工量を数十μm程度とすると材料ロスが多くなるため、所望の反り量の範囲内でできる限り加工量は少ないことが好ましい。
また、遊離砥粒530は、基板10の平坦性を向上させるため、粒径が揃った遊離砥粒を用いることが望ましく、平均粒径数十から数百μmのアルミナが使用される。
以上、説明したとおり、ウェットブラスト加工によって、加工前は、裏面が凹面であった基板10を凸面とするサファイア基板1を製造することができる。
また、ウェットブラスト処理時間は数分で完了するため、従来技術で示したラップ加工の加工時間(約1時間)に比べて、短時間で処理を行うことができる。
なお、本実施の形態の基板10のウエハサイズは、4インチを想定しているが、6インチ用のステージを使用して6インチの基板10をウェットブラスト加工することもできる。6インチのサファイア基板を製造することにより、そのサファイア基板の表面には、4インチのサファイア基板よりも多くの半導体素子を形成することができるため、半導体素子の採取量が増える。よって、製造コストを低くすることが可能となる。
また、ウェットブラスト加工は、定盤の管理を必要としないため、メンテナンスを容易に行うことができる。
次に、本実施形態におけるウェットブラスト工程の実施例1〜3について説明する。
実施例1〜3では、図9に示した製造フローに沿って反応性イオンエッチング工程まで行い、表面10A側に2μm反った表面10Aが凸面となり、複数の突起11、11、・・・を有する基板10の裏面10B(凹面)に対してウェットブラスト加工を行った。
[実施例1]
基板10の表面10A側に2μm反った基板10に対して、ウェットブラスト加工により基板10の裏面10Bを2μm加工した結果、加工前とは逆に基板10の裏面10B側に3μm反り、複数の突起11、11、・・・を有するサファイア基板1を製造することができた。
[実施例2]
基板10の表面10A側に2μm反った基板10に対して、ウェットブラスト加工により基板10の裏面10Bを4μm加工した結果、加工前とは逆に基板10の裏面10B側に8μm反り、複数の突起11、11、・・・を有するサファイア基板1を製造することができた。
[実施例3]
基板10の表面10A側に2μm反った基板10に対して、ウェットブラスト加工により基板10の裏面10Bを6μm加工した結果、加工前とは逆に基板10の裏面10B側に11μm反り、複数の突起11、11、・・・を有するサファイア基板1を製造することができた。
以上の実施例1〜3では、ウェットブラスト工程前は基板10の表面10A側に2μm反っていた基板を、ウェットブラスト工程後は、基板10の裏面10B側に15μm以下の反り量を有するサファイア基板1とすることができた。
これにより、反応性イオンエッチング工程によって基板10に加工応力がかかって基板10の裏面10Bが凹面となっても、その後のウェットブラスト工程によって、基板10の表面10Aを凸面とすることができ、その基板10の反り量が数十μm以下であるサファイア基板1を製造することができた。
また、このサファイア基板の表面10Aに窒化物半導体層を結晶成長させても不都合が生じることはなく、サファイア基板1上に発光素子が形成されても、発光素子の発光効率を向上させることができる。
なお、上記に示した本発明の実施形態及び実施例はいずれも本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
1 サファイア基板
10 基板
10A 表面
10B 裏面
11 突起
20 フォトレジスト
100 反応性イオンエッチング装置
300 基板保持部材
400 ラップ装置
450 CMP装置
500 ウェットブラスト装置
600 研削装置

Claims (3)

  1. サファイアインゴットからスライスして得られた基板に複数工程に亘る加工を施した後に前記基板の表面を反応性イオンエッチング加工して、前記基板の表面に突起を形成する反応性イオンエッチング工程と、前記反応性イオンエッチング工程後に、前記基板の裏面をウェットブラスト加工するウェットブラスト工程と、を少なくとも施して製造された口径が少なくとも4インチ以上のサファイア基板であって、
    前記ウェットブラスト加工後の前記基板の裏面が凸面であることを特徴とするサファイア基板。
  2. 請求項1に記載のサファイア基板であって、前記基板の反り量は、前記基板の裏面側に数十μm以下であることを特徴とするサファイア基板。
  3. サファイアインゴットからスライスして得られた基板に、複数工程に亘る加工を施すことによりサファイア基板を製造するサファイア基板の製造方法であって、
    前記基板の表面を反応性イオンエッチング加工して、前記基板の表面に突起を形成する反応性イオンエッチング工程と、
    前記反応性イオンエッチング工程後に、前記基板の裏面をウェットブラスト加工するウェットブラスト工程と、
    を少なくとも含むことを特徴とするサファイア基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016216703A (ja) * 2015-05-19 2016-12-22 昭和電工株式会社 研磨組成物、及びその研磨組成物を用いた研磨方法

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