JP2013131645A - サファイア基板の製造方法及びサファイア基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】サファイア基板の製造工程の短縮や削減を行い、4インチ以上の大口径の基板においても厚みむらが低減されたサファイア基板の製造方法及びサファイア基板を提供する。
【解決手段】サファイアインゴットからスライスして得られた基板に複数工程に亘る加工を施すことによりサファイア基板を製造するサファイア基板の製造方法であって、基板10の少なくとも主面をウェットブラスト加工するウェットブラスト工程を含むことを特徴とするサファイア基板の製造方法。
【選択図】図5
【解決手段】サファイアインゴットからスライスして得られた基板に複数工程に亘る加工を施すことによりサファイア基板を製造するサファイア基板の製造方法であって、基板10の少なくとも主面をウェットブラスト加工するウェットブラスト工程を含むことを特徴とするサファイア基板の製造方法。
【選択図】図5
Description
本発明は、サファイア基板の製造方法及びサファイア基板に関する。
窒化物III−V族化合物半導体は、LED(Light Emitting Diode)等の発光デバイスや、耐熱性や耐環境性に優れた特徴を活かした電子デバイス用途として実用化されている。このIII−V族窒化物半導体は、単結晶サファイア基板上に成長させることが多く、サファイア基板は一般的に鏡面研磨されたものが用いられる。
サファイア基板の製造には、サファイアインゴットから基板を切り出す切断工程と、
基板の表面をワックスを用いてセラミックブロックに貼り付ける表面貼り付け工程と、セラミックブロックに支持された基板の裏面をラップ加工する裏面片面ラップ工程と、セラミックブロックと基板とを取り外した後に、ラップ加工により生じた加工歪みを緩和する熱処理工程と、基板の裏面をワックスを用いてセラミックブロックに貼り付ける裏面貼り付け工程と、基板の表面をCMP研磨(Chemical Mechanical Polishing)する主面メカノケミカル研磨工程と、が含まれる(特許文献1参照)。
基板の表面をワックスを用いてセラミックブロックに貼り付ける表面貼り付け工程と、セラミックブロックに支持された基板の裏面をラップ加工する裏面片面ラップ工程と、セラミックブロックと基板とを取り外した後に、ラップ加工により生じた加工歪みを緩和する熱処理工程と、基板の裏面をワックスを用いてセラミックブロックに貼り付ける裏面貼り付け工程と、基板の表面をCMP研磨(Chemical Mechanical Polishing)する主面メカノケミカル研磨工程と、が含まれる(特許文献1参照)。
なお、表面貼り付け工程及び裏面片面ラップ工程の代わりに、サファイア基板の両面をラップ加工する両面ラップ工程を行うことや、主面メカノケミカル研磨工程の前にラップ工程を行って、事前に粗研磨する工程も従来技術として知られている(図9参照)。
ラップ加工で使用されるラップ装置は、例えば、粒径が数μmの遊離砥粒が供給されるラップ定盤を有し、このラップ定盤に対して基板を押し当てつつラップ定盤を回転させ、供給された遊離砥粒によって基板が削られる装置である。遊離砥粒の粒径は、後述するCMP研磨の遊離砥粒より大きいため、基板の粗研磨に用いられる。
CMP研磨で用いられるCMP装置は、回転可能な研磨テーブルと、その上に載置された研磨パッドと、研磨パッドの研磨面に基板の被研磨面を押し当てる研磨ヘッドと、研磨パッドを洗浄するために洗浄液を噴射する洗浄液供給ノズルと、遊離砥粒を供給する遊離砥粒供給ノズルと、研磨テーブルを回転させるためのモータと、を有する。
主面メカノケミカル研磨工程では、例えば、粒径が数nmのアルカリ性のコロイダルシリカを遊離砥粒として用いる。これは、ラップ加工で用いられる遊離砥粒の粒径よりも小さい。
このようなCMP装置によって、遊離砥粒供給ノズルから研磨パッド上に遊離砥粒を滴下し、研磨ヘッドにより基板の被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し当て、研磨テーブル及び研磨ヘッドを回転させることで、アルカリ性であるコロイダルシリカの遊離砥粒と基板とが化学反応して化学的及び機械的に研磨される。これより、ラップ加工よりも精密な研磨が行われる。
特許文献1に開示されたサファイア基板の製造方法では、ラップ工程を行うために基板とセラミックブロックとの貼付工程を必要とするが、特許文献2及び特許文献3には、ラップ工程の前の貼付工程を必要としないサファイア基板の製造方法が開示されている。
特許文献2には、基板の裏面側を研磨装置のチャックテーブルに吸着固定してラップ工程を行う製造方法、特許文献3には、基板を収容するための貫通穴を有する治具(テンプレート)に基板を収納し、基板の表面及び裏面をラップ加工する製造方法がそれぞれ開示されている。
特許文献1に開示されたサファイア基板の製造方法では、ラップ工程を行うための基板の貼付工程を必要とするため、製造工程が長くなる問題が生じており、工程費用が非常に高くなる。今般、LED素子などの半導体素子へのコスト低減の要求が強まっている背景から、できるだけ工程の短縮や削減が必要となっている。
一方、特許文献2、特許文献3に開示されたサファイア基板の製造方法ではラップ工程を行うための基板の貼付工程を不要とするため、工程費用が高くなることは無い。
しかし、サファイア基板の大口径化によって基板コストを削減する場合、4インチ以上のサファイア基板が必要となる。この4インチ以上の基板の加工には、粒径の揃った遊離砥粒と、平坦性の良い定盤とが必要となる。
定盤の平坦性を保つためには定盤の表面のfacingといったメンテナンスが常に必要である。しかし、定盤のメンテナンスを常に行ったとしても、4インチ以上の基板を加工する際には、ラップ装置の定盤のそりが原因となって、精度良く基板を加工することができず、サファイア基板に厚みむらが生じてしまう。
また、4インチ以上の大きな基板となると一度のラップ工程で処理できる枚数が極端に減るため、処理時間の短縮化が必要である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サファイア基板の製造工程の短縮や削減を行い、4インチ以上の大口径の基板においても厚みむらが低減されたサファイア基板の製造方法及びサファイア基板を提供することにある。
上記目的を達するために、本発明は次のとおりの構成としている。
本発明に係るサファイア基板の製造方法は、サファイアインゴットからスライスして得られた基板に複数工程に亘る加工を施すことによりサファイア基板を製造するサファイア基板の製造方法であって、前記基板の少なくとも主面をウェットブラスト加工するウェットブラスト工程を含むことを特徴とする
また、本発明に係るサファイア基板は、上記のサファイア基板の製造方法によって製造されたサファイア基板である。
また、本発明に係るサファイア基板は、上記のサファイア基板の製造方法によって製造されたサファイア基板である。
このような特定事項により、従来技術に開示されたサファイア基板の貼付工程を必要としないため、サファイア基板の製造工程の短縮、削減を図ることができ、4インチ以上の大口径のサファイア基板を製造することができる。
上記のサファイア基板の製造方法であって、前記ウェットブラスト工程の前に、前記基板の厚みむらを低減する研削工程を行い、前記ウェットブラスト工程の後に、前記基板に生じた加工応力を緩和するアニール工程とを含むこととする。
このような特定事項により、4インチ以上の大口径の基板であっても、研削による厚みむらが低減され、また、研削による加工応力を緩和することができる。
上記のサファイア基板であって、前記サファイア基板の面粗度が、0.1μmから10μmかつ、厚みむらが±2μmであることとする。
このような特定事項により、裏面(半導体素子が形成される面と反対側の面)の状態が上記の面粗度の範囲内であれば、後工程の半導体素子形成時に行われる有機金属気相成長法の際に、赤外線吸収が効率的行われ、基板の温度調整が可能となり、基板のそり等を調整できるため、良質の結晶成長を行うことができる。
上記のサファイア基板に半導体素子が形成されたこととする。
このような特定事項により、製造工程の短縮、削減され、4インチ以上の大口径のサファイア基板を製造することができるため、製造コストが安いサファイア基板上に半導体素子が形成されたサファイア基板とすることができる。
本発明によれば、サファイア基板の製造工程の短縮や削減を行い、4インチ以上の大口径のサファイア基板においても厚みむらが低減されたサファイア基板の製造方法及びサファイア基板を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図5は、本発明に係るサファイア基板の製造方法の製造フローである。
本実施形態に係るサファイア基板の製造方法は、サファイアインゴットからスライスされた基板10の両面を研削加工する研削工程と、基板10の表面10Aをウェットブラスト装置によって加工するウェットブラスト工程と、両面ラップ工程によって生じた加工応力及び加工歪みを緩和するアニール工程と、ウェットブラスト加工された基板10の表面10AをCMP研磨するCMP研磨工程と、基板10を洗浄する洗浄工程と、を含むものである。
この工程に沿ってサファイア基板の製造方法を説明する。なお、以下に示す実施の形態はいずれも本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
[研削工程]
まず、研削工程について説明する。図1は、本発明に係るサファイア基板の製造方法の研削工程を示す断面図である。
まず、研削工程について説明する。図1は、本発明に係るサファイア基板の製造方法の研削工程を示す断面図である。
研削工程では、サファイアインゴットからスライスされた基板10(厚み850μm、厚みむら±20μm)を片面ずづ研削することにより、基板10の両面を研削する。
研削工程で用いられる研削装置600は、基板10が吸着載置されるセラミックプレート620と、セラミックプレート620と対峙し、基板10を研削する砥石610と、基板10とセラミックプレート620とを真空吸着させる真空ポンプ(不図示)と、を備えている。そして、セラミックプレート620の表面には複数の孔(不図示)が形成されており、この孔は真空ポンプに接続されている。
基板10の表面10Aは、基板10を保持する吸着盤630を介してセラミックプレート620に取り付けられる。吸着盤630の表面にも複数の孔(不図示)が形成されており、真空ポンプを稼働すると、セラミックプレート620と、基板10が吸着される。
基板10の表面10Aがセラミックプレート620に吸着された状態で、基板10の裏面10Bを、砥石610によって75μm研削する。基板10の裏面10Bを研削した後、真空吸着ポンプを止め、基板10をひっくり返し、基板10の表面10Aを、前述した方法と同様に75μm研削する。
これより、基板10の厚みが合計で150μm研削されることとなり、研削工程終了時の基板10の厚みは700μm、厚みむらは、±2μmとなる。
なお、基板10を研削する砥石610は、ダイヤモンド砥石が好ましい。
[ウェットブラスト工程]
次にウェットブラスト工程について説明する。図2は、本発明に係るサファイア基板の製造方法のウェットブラスト工程を示す模式図である。
次にウェットブラスト工程について説明する。図2は、本発明に係るサファイア基板の製造方法のウェットブラスト工程を示す模式図である。
ウェットブラスト工程では、サファイア基板の表面(後述するCMP研磨する面)をウェットブラスト加工する。
ウェットブラスト加工に用いられるウエットブラスト装置500には、基板10を載置するステージ510と、ステージ510を一方向に移動させるステージ移動機構(不図示)と、ステージ510と対峙して配置され、ステージ510上に遊離砥粒と圧縮空気とが混合された遊離砥粒530を噴射するウェットブラストノズル520と、が備えられている。
ウェットブラストノズル520には、遊離砥粒が導入される遊離砥粒導入部521と、圧縮空気が導入される空気導入部522と、導入された遊離砥粒と圧縮空気とが混合される混合室523と、この混合室523から圧縮空気とともに送られてきた遊離砥粒530を、ステージ510の移動方向とステージ510と同一平面において直交する直線上に噴射するスリット状の噴射部524と、が備えられている。
本実施の形態では、ウェットブラストノズル520は、基板10とのなす角度が90°として配置されているが、ウェットブラストノズル520と基板10とのなす角度はこの角度に限られない。
基板10の表面10Aがウェットブラスト加工されるように、基板10をステージ510に載置し、ステージ移動機構によって、ステージ510が速度が1mm/secの速度で移動するとともに、ウェットブラストノズル520から0.4MPaの圧力で遊離砥粒530が基板10に向けて垂直に噴射される。基板10が載置されたステージ510が移動することによって、基板10の表面10A全体に遊離砥粒530が噴射された結果、基板10の表面10A全体がウェットブラスト加工されることとなる。
ウェットブラスト加工では、加工レートを3.0μm/minの速度と設定し、基板10の表面10Aを5μm加工する。つまり、基板10の表面10Aのウェットブラスト処理時間は1分40秒である。
ウェットブラスト加工の加工レートは、ステージ510の移動速度に依存している。つまり、ステージ510の移動速度が遅いほど、基板10が遊離砥粒530に曝されている時間が長くなるため、加工量が多くなる。逆に、ステージ510の移動速度が速いほど、基板10が遊離砥粒530に曝されている時間が短くなるため、加工量が少なくなる。
ここで、遊離砥粒530に使用される遊離砥粒は、基板10の平坦性を向上させるため、粒径が揃った遊離砥粒を用いることが望ましく、平均粒径100μmのアルミナが使用される。
また、本実施の形態の基板10のウエハサイズは、4インチを想定しているが、6インチ用のステージを使用して6インチの基板10をウェットブラスト加工することもできる。6インチのサファイア基板を製造することにより、そのサファイア基板の表面には、4インチのサファイア基板よりも多くの半導体素子を形成することができるため、半導体素子の採取量が増える。よって、製造コストを低くすることが可能となる。
[アニール工程]
次に、本発明のサファイア基板の製造方法におけるウェットブラスト工程後に行われるアニール工程について説明する。
次に、本発明のサファイア基板の製造方法におけるウェットブラスト工程後に行われるアニール工程について説明する。
アニール工程では、前述した両面ラップ工程及びウェットブラスト工程によって基板10に生じた加工応力及び加工歪みを緩和する。具体的には、基板10を高温炉(不図示)に入れ、1600℃の加熱温度で3時間保持している。
これにより、基板10の加工応力及び加工歪みを緩和することができる。
ここで、アニールの温度、アニールの時間は、一例を示しただけであって、上記した温度、時間に限定するものではない。
また、本アニール工程は、前述した研削工程後で且つ、ウェットブラスト工程前に行われても構わない。
[CMP工程及び精密洗浄工程]
次に前述したアニール工程を行った後の、CMP工程について説明する。図8は、本発明に係るサファイア基板の製造方法のラップ工程を示し、(a)は、CMP装置を示す平面図、(b)はCMP装置を示す断面図である。
次に前述したアニール工程を行った後の、CMP工程について説明する。図8は、本発明に係るサファイア基板の製造方法のラップ工程を示し、(a)は、CMP装置を示す平面図、(b)はCMP装置を示す断面図である。
CMP工程では、前述したウェットブラスト加工が行われた基板10の表面10AをCMP研磨する。
CMP工程に用いられるCMP装置450と、比較例で説明したラップ装置400とは、遊離砥粒等の化学薬品を精密洗浄するための洗浄液が吐出される洗浄液ノズル460が備えられている点と、遊離砥粒に数十nmの粒径であるコロイダルシリカを用いる点と、が異なるだけであるから、以下、その相違点についてのみ説明し、同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
CMP研磨は、定盤410の自転軸及び取付具420の自転軸によって、定盤410と取付具420とを自転させると共に、ノズル430から遊離砥粒を吐出してCMP研磨を行う。その後に、研磨屑(被研磨物や研磨パッド等の削れ屑)や遊離砥粒の凝集物などの異物の除去や、アルカリ性の化学薬品であるコロイダルシリカの洗浄を行うための洗浄液を浄液ノズル460から吐出しながら、基板10の表面10Aの精密洗浄を行う。
これにより、面粗度の優れたサファイア基板を作成することができ、さらに、この基板10上にLEDやパワーデバイスといった半導体素子を形成することができる。
なお、CMP研磨工程を行う前に、ラップ工程によってCMP研磨工程を行うサファイア基板の面を事前にラップ加工を行い、粗研磨しても構わない。
[比較例]
本発明の実施形態のウェットブラスト工程までの製造工程について、ウェットブラスト工程に代えて、ラップ工程を行った場合を比較例として説明する。
本発明の実施形態のウェットブラスト工程までの製造工程について、ウェットブラスト工程に代えて、ラップ工程を行った場合を比較例として説明する。
なお、比較例においてラップ工程を行うまでのサファイア基板の製造方法は、本発明における前述したウェットブラスト工程を行うまでのサファイア基板の製造方法と同様の工程を行っている。
これより、ラップ工程を行う前の基板10の厚み(つまり、研削工程終了時の基板10の厚み)は、700μm、厚みむらは、±2μmとなっている。
この基板10に対してラップ工程を行うが、ラップ工程を行うためには、基板10を基板保持部材300に貼り付ける貼り付け工程が必要であるため、先に貼付工程を図6を参照しながら説明する。図6は、比較例に係るサファイア基板の製造方法の貼り付け工程を示す断面図である。
貼り付け工程では、後述するラップ工程によってラップ加工する基板10の面と逆側の面(本実施形態では、基板10の裏面10Bとする。)に基板保持部材300を貼り付ける。
基板保持部材300は、プレート310と、プレート310上に固定され、開口を有する保持部材320と、保持部材320の開口に収容され、プレート310に貼り付けられた吸着パッド330と、が含まれる。
基板10の裏面10Bに、吸着パッド330を貼り付けると共に、基板10の裏面10Bに接着剤であるワックスを用いて、保持部材320と基板10の裏面10Bの貼り付けを行う。貼り付け時には基板10の表面10Aから圧力をかけて貼り付けを行う。
よって、基板10とプレート310とが貼り付けられ、基板10と基板保持部材300とが貼り付けられることとなる。なお、接着剤には、アクリル樹脂又はガラスエポキシ樹脂を用いても構わない。また、プレート310は、セラミックプレートを用いている。
これにより、後述するラップ工程で基板10をラップ加工する際に、基板10の裏面10Bには基板保持部材300が貼り付けられているので、基板10が加重されても、基板10を保護することができる。
次にラップ工程について図7を参照しながら説明する。図7は、比較例に係るサファイア基板の製造方法のラップ工程を示し、(a)は、ラップ装置を示す平面図、(b)はラップ装置を示す断面図である。
ラップ工程では、前述した基板保持部材300が貼り付けられた基板10側(基板10の表面10A)をラップ加工する。
ラップ工程に用いられるラップ装置400には、基板10をラップ加工する定盤410と、定盤410と対峙するように基板10が取り付けられる取付具420と、ラップ加工時に使用する遊離砥粒が吐出されるノズル430と、取付具420の中心を自転軸、定盤410の中心を自転軸として、それぞれ独立して自転させるモータ(不図示)と、が備えられている。
本実施形態の定盤410には、銅または錫を含む比較的軟質な金属系の定盤が用いられる。
取付具420に前述した基板保持部材300が貼り付けられた基板10を取り付けた後、取付具420が定盤410方向に加重されることによって、基板10の表面10Aが定盤410に押し当てられる。
この状態で、定盤410及び取付具420を互いに逆向きとなるように自転させると共に、ノズル430から遊離砥粒を吐出する。定盤410は、30rpmから80rpmまでの回転数で自転させることが好ましい。
遊離砥粒は、数μmの粒径であり、例えばダイヤモンドスラリーを用いる。
その後、数十nmの粒径のシリカ粒子を用いて、軟質の発泡ウレタンまたはスエード状のパッドなどの研磨布で基板10の表面10Aを研磨する。
基板10の加工量は、ウェットブラスト工程と比較するため、ウェットブラスト加工の加工量と同じ5μmとし、加工レートは0.5μm/minとした。つまり、サファイア基板のラップ加工時間は10分必要とする。
[本発明と比較例との比較について]
本発明のサファイア基板の製造方法であるウェットブラスト工程によって加工された基板10と、比較例で説明したラップ工程によって加工された基板10との面粗度について図3、図4を参照しながら説明する。
本発明のサファイア基板の製造方法であるウェットブラスト工程によって加工された基板10と、比較例で説明したラップ工程によって加工された基板10との面粗度について図3、図4を参照しながら説明する。
図3は、本発明に係るサファイア基板の製造方法であって、ラップ加工後の光学顕微鏡画像、図4は、比較例に係るサファイア基板の光学顕微鏡画像である。
前述したとおり、基板10の研削工程後(つまりウェットブラスト工程前又はラップ工程前)の基板の厚みは700μm、厚みむらは±2μmである。
比較例であるラップ工程後の基板10の面粗度は、0.93μmであり、基板10の厚みむらは±2μmである結果が得られた(図4参照)。
一方、本発明の基板10の製造方法であるウェットブラスト工程後の面粗度は、0.913μmであり、厚みむらは±2μmであった(図3参照)。
さらに、前述したように、本発明の基板10の製造方法であるウェットブラスト工程の処理時間は1分40秒であるのに対し、比較例であるラップ工程の処理時間は10分である。
これより、ウェットブラスト工程の方が処理時間を短縮することができ、基板10の面粗度も優れている。この結果は、4インチサファイア基板での処理結果であるが、6インチサファイア基板を用いても同様の面粗度が得られる。
ところで、比較例で説明したラップ装置のメンテナンスとして、定盤410の平坦性を保つためには、定盤410の表面のfacingが常に必要である。一方、ウェットブラスト工程では、サファイア基板はウェットブラストノズルから噴射される噴射剤によって加工されるため、ラップ装置で行われるようなメンテナンスは不要である。
よって、ウェットブラスト工程では、工程の簡素化が見込まれる。
以上により、本発明のウェットブラスト工程を行うことにより、従来技術のサファイア基板の製造方法よりも工程の短縮、削減を図ることができ、4インチ以上の大口径のサファイア基板でも製造することができる。
10 基板
10A 主面
500 ウェットブラスト装置
520 ウェットブラストノズル
10A 主面
500 ウェットブラスト装置
520 ウェットブラストノズル
Claims (5)
- サファイアインゴットからスライスして得られた基板に複数工程に亘る加工を施すことによりサファイア基板を製造するサファイア基板の製造方法であって、
前記基板の少なくとも主面をウェットブラスト加工するウェットブラスト工程を含むことを特徴とするサファイア基板の製造方法。 - 請求項1に記載のサファイア基板の製造方法であって、
前記ウェットブラスト工程の前に、
前記基板の厚みむらを低減する研削工程を行い、
前記ウェットブラスト工程の後に、前記基板に生じた加工応力を緩和するアニール工程
とを含むことを特徴とするサファイア基板の製造方法。 - 請求項1または2に記載のサファイア基板の製造方法により製造されたサファイア基板。
- 請求項3に記載のサファイア基板であって、
前記サファイア基板の面粗度が0.1μm以上10μm以下、且つ、厚みむらが±2μmであることを特徴とするサファイア基板。 - 請求項3または4に記載のサファイア基板であって、
前記サファイア基板に半導体素子が形成されたことを特徴とするサファイア基板。
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CN110125730A (zh) * | 2018-02-07 | 2019-08-16 | 蓝思科技(长沙)有限公司 | 陶瓷盖板的平面度矫正方法和平面度矫正设备 |
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