JP2013244495A - 球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法 - Google Patents

球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本体部や整列シートの変形を防止する。
【解決手段】開口部31cを有する本体部21と、開口部31cにはめ込まれた板状の多孔質体22と、球状体を整列させる挿通孔51が形成されて開口部31cおよび多孔質体22の外面22aを覆った状態で本体部21の一面に配設された整列シート23とを備えて球状体を吸着可能に構成され、整列シート23は、本体部21における一面側の表層および整列シート23における一面に対向する対向面側の表層がレーザ光の照射によって互いに溶着されて一面に固定され、多孔質体22は、外面22aが一面よりも外側に突出するように押し出された状態で本体部21および整列シート23によって保持されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、球状体を吸着する球状体吸着ヘッド、その球状体吸着ヘッドを備えて球状体を搭載対象に搭載する球状体搭載装置、および球状体を吸着する球状体吸着ヘッドを製造する球状体吸着ヘッド製造方法に関するものである。
この種の球状体吸着ヘッドとして、特許第3228131号公報に開示された導電性ボールの搭載装置に備えられている搭載ヘッドが知られている。この搭載ヘッドは、本体、多孔質体および穴開きプレートを備えて構成されている。この場合、本体の底面側には、下部が開口した真空吸引空間が形成されている。また、多孔質体は、板状に構成され、本体に形成されている真空吸引空間の開口部を閉塞すると共に、多孔質体の下面と本体の底面とがフラットとなるように本体にはめ込まれて固定されている。また、穴開きプレートは、一端部が本体の底面に固定されると共に、他端部がノブ付きのねじに連結され、ノブを回転させることによってテンションが加えられた状態で、多孔質体の下面および本体の底面に沿って本体に装着されている。
ここで、上記の搭載ヘッドでは、導電性ボールが吸着される多孔質体の下面と本体の底面とがフラットな状態に構成されて、導電性ボールが吸着される多孔質体の下面の周囲に、その下面と面一の本体の底面が存在している。このため、例えば、搭載対象としての基板の端子の近傍に電子部品などの突起物が配設されているときには、本体の底面における多孔質体の周囲の部分が突起物に接触して導電性ボールの搭載が困難となるおそれがある。このような問題点を解決する手段として、発明者は、多孔質体の下面が本体の底面よりも外側(下側)に突出するように構成した搭載ヘッドを既に開発している。この搭載ヘッドでは、複数の押圧ねじで構成した押圧部が本体に配設され、上記の穴開きプレートに相当する整列シートの外周部が本体の底面における開口部の外周部に接着剤で固定され、本体の開口部にはめ込まれた多孔質体の背面を各押圧ねじのねじ込みによって押圧して、本体の底面よりも外側に多孔質体を突出させている。このように多孔質体を突出させることで、整列シートにおける多孔質体(開口部)に対向する部分と本体の底面の外周部に対向する部分との間における段差を生じさせ、これによって基板の端子の近傍に突起物が配設されている場合においても、整列シートにおける本体の底面の外周部に対向する部分を突起物に接触させることなく、導電性ボールを端子に搭載することが可能となっている。
特許第3228131号公報(第2−3頁、第2図)
ところが、押圧部による押圧によって多孔質体を突出させる上記の搭載ヘッドにも改善すべき以下の課題が存在する。すなわち、この搭載ヘッドでは、整列シートの外周部が本体の底面における開口部の外周部に接着剤で固定されている。この場合、接着剤の厚みを均一に塗布するのは比較的困難なため、接着剤の厚みにばらつきが生じて、整列シートにおける本体との固定部分に凹凸が生じることがある。このようなときには、整列シートにおける多孔質体(開口部)に対向する部分と本体の底面の外周部に対向する部分との段差の高さが所望の高さよりも低くなって十分な機能を果たさないおそれがある。このため、この搭載ヘッドでは、整列シートにこのような凹凸が生じたとしても段差の高さとして所望の高さを確保するため、多孔質体を所望の段差の高さよりも大きく突出させている。この結果、この搭載ヘッドには、必要以上に大きな張力が整列シートに加わることに起因して、整列シートが変形するおそれがある。また、接着剤を用いて整列シートを確実に固定するためには、本体に載置した整列シートに対して高い熱や大きな圧力を加える必要がある。このため、この搭載ヘッドには、高い熱や大きな圧力が加わることに起因して本体が変形するおそれもある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、本体部や整列シートの変形を防止し得る球状体吸着ヘッドおよび球状体搭載装置、並びにその球状体吸着ヘッドを製造する球状体吸着ヘッド製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の球状体吸着ヘッドは、開口部を有する本体部と、前記開口部にはめ込まれた板状の多孔質体と、球状体を整列させる挿通孔が形成されて前記開口部および前記多孔質体の外面を覆った状態で前記本体部の一面に配設された整列シートとを備え、前記多孔質体を介して行われる吸気によって前記挿通孔の形成部位に前記球状体を吸着する球状体吸着ヘッドであって、前記整列シートは、前記本体部における前記一面側の表層および当該整列シートにおける当該一面に対向する対向面側の表層がレーザ光の照射によって互いに溶着されて当該一面に固定され、前記多孔質体は、前記外面が前記一面よりも外側に突出するように押し出された状態で前記本体部および前記整列シートによって保持されている球状体吸着ヘッド。
また、請求項2記載の球状体吸着ヘッドは、請求項1記載の球状体吸着ヘッドにおいて、前記本体部は、前記レーザ光のエネルギーを吸収する吸収率が前記整列シートよりも高い材料で形成されている。
また、請求項3記載の球状体吸着ヘッドは、請求項2記載の球状体吸着ヘッドにおいて、前記本体部および前記整列シートは、互いに同種類の素材を用いて形成され、前記本体部は、前記素材に対する着色によって前記整列シートを形成する前記材料よりも前記吸収率が高められた前記材料で形成されている。
また、請求項4記載の球状体搭載装置は、請求項1から3のいずれかに記載の球状体吸着ヘッドと、前記球状体を吸着させる吸着位置に前記球状体吸着ヘッドを搬送すると共に前記球状体を吸着している前記球状体吸着ヘッドを搭載対象の配置位置まで搬送する搬送装置とを備えて、前記球状体を前記搭載対象に搭載する。
また、請求項5記載の球状体吸着ヘッド製造方法は、開口部を有する本体部と、前記開口部にはめ込まれた板状の多孔質体と、球状体を整列させる挿通孔が形成されて前記開口部および前記多孔質体の外面を覆った状態で前記本体部の一面に配設された整列シートとを備えて前記多孔質体を介して行われる吸気によって前記挿通孔の形成部位に前記球状体を吸着する球状体吸着ヘッドを製造する球状体吸着ヘッド製造方法であって、前記本体部の一面に前記整列シートを配置して当該整列シートの外側から当該整列シートを介して当該本体部にレーザ光を照射して、当該本体部における前記一面側の表層および当該整列シートにおける当該一面に対向する対向面側の表層を互いに溶着させて当該一面に当該整列シートを固定し、前記開口部に前記多孔質体をはめ込み、前記外面が前記一面よりも外側に突出するように前記多孔質体を押し出した状態で前記本体部および前記整列シートによって当該多孔質体を保持させて前記球状体吸着ヘッドを製造する。
また、請求項6記載の球状体吸着ヘッド製造方法は、請求項5記載の球状体吸着ヘッド製造方法において、前記レーザ光のエネルギーを吸収する吸収率が前記整列シートよりも高い材料で形成されている前記本体部を用いて前記球状体吸着ヘッドを製造する。
また、請求項7記載の球状体吸着ヘッド製造方法は、請求項6記載の球状体吸着ヘッド製造方法において、前記本体部を形成するのに用いられる素材と同種類の素材を用いて形成されている前記整列シートと、前記素材に対する着色によって前記整列シートを形成する前記材料よりも前記吸収率が高められた前記材料で形成されている前記本体部とを用いて前記球状体吸着ヘッドを製造する。
請求項1記載の球状体吸着ヘッド、請求項4記載の球状体搭載装置、および請求項5記載の球状体吸着ヘッド製造方法では、本体部における一面側の表層と整列シートにおける対向面側の表層とをレーザ光の照射によって互いに溶着させて一面に整列シートを固定し、外側に押し出した状態の多孔質体を本体部および整列シートによって保持させる。この場合、単位面積当りのレーザ光の照射時間(照射量)を一定にすることで、レーザ光の照射によって溶着される一面側の表層および対向面側の表層の厚みを均一にすることができるため、整列シートにおける溶着範囲を十分に平坦な状態とすることができる。したがって、この球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、整列シートと本体部の一面との固定部分に凹凸が生じるおそれのある接着剤を用いて整列シートを固定する構成および方法とは異なり、凹凸の分だけ多孔質体を大きく突出させて整列シートに必要以上に大きな張力が加わることに起因して整列シートが変形する事態を確実に防止することができる。また、この球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、本体部および整列シートに対して高い熱や大きな圧力を加えることなく整列シートを本体部に確実に固定することができるため、高い熱や大きな圧力が加わることに起因する本体部や整列シートの変形を確実に防止することができる。
また、請求項2記載の球状体吸着ヘッド、請求項4記載の球状体搭載装置、および請求項6記載の球状体吸着ヘッド製造方法によれば、レーザ光のエネルギーを吸収する吸収率が整列シートよりも高い材料で形成されている本体部を用いることにより、照射したレーザ光の大部分を整列シートを透過させることができると共に、透過したレーザ光のエネルギーを本体部の一面側の表層において十分に吸収させて発熱させることができる。このため、この球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、本体部における一面側の表層および整列シートにおける対向面側の表層のみをレーザ光の照射によって溶融させて互いに溶着させることができる結果、整列シートが厚み方向の全域において溶融して整列シートに凹凸が生じる事態を確実に防止することができる
また、請求項3記載の球状体吸着ヘッド、請求項4記載の球状体搭載装置、および請求項7記載の球状体吸着ヘッド製造方法によれば、同種類の素材を用いて形成した本体部および整列シートを用いることにより、本体部の素材と整列シートの素材とを同じ温度(または、ほぼ同じ温度)で溶融させることができるため、溶融した各素材同士を確実に混じり合わせて、整列シートを本体部に対してより確実に固定することができる。
半田ボール搭載装置1の構成を示す構成図である。 吸着ヘッド11の構成を示す斜視図である。 図2における面Aで切断した吸着ヘッド11の断面図である。 半田ボール300の直径L1、挿通孔51の直径L2、規制用プレート61の厚みL3、および挿通孔62の直径L4の関係を説明する説明図である。 吸着ヘッド11の分解斜視図である。 溶着装置500の構成を示す構成図である。 吸着ヘッド11の製造方法を説明する第1の説明図である。 吸着ヘッド11の製造方法を説明する第2の説明図である。 吸着ヘッド11の製造方法を説明する第3の説明図である。 吸着ヘッド11の製造方法を説明する第4の説明図である。 吸着ヘッド11の製造方法を説明する第5の説明図である。 吸着ヘッド11の製造方法を説明する第6の説明図である。 半田ボール300の搭載工程を説明する第1の説明図である。 半田ボール300の搭載工程を説明する第2の説明図である。 半田ボール300の搭載工程を説明する第3の説明図である。 半田ボール300の搭載工程を説明する第4の説明図である。
以下、球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、図1に示す半田ボール搭載装置1の構成について説明する。半田ボール搭載装置1は、球状体搭載装置の一例であって、同図に示すように、吸着ヘッド11、吸引機構12、収容容器13、搬送装置14および制御部15を備え、球状体の一例としての微小な球状粒体である半田ボール(マイクロボール)300(図4参照)を搭載対象としての基板400の端子401に搭載可能に構成されている。この場合、半田ボール300は、直径L1(図4参照)が80μm程度の球状に構成されている。また、半田ボール300は、半田ボール搭載装置1によって基板400の端子401に搭載された後に加熱溶融されることにより、基板400上にボールグリッドアレイ(BGA)を構成する。
吸着ヘッド11は、後述する製造方法(球状体吸着ヘッド製造方法)によって製造される球状体吸着ヘッドの一例であって、図2,3に示すように、全体として直方体状に形成され、半田ボール300を吸着可能に構成されている。具体的には、吸着ヘッド11は、図3,5に示すように、本体部21、多孔質体22、整列シート23および固定ねじ24(図3参照)を備えて構成されている。なお、吸着ヘッド11は、図3に示す本体部21における下側の面(一面に相当する)を下向きにして、同図に示す本体部21の上側の面を上向きにした状態で使用されるが、図2,5および後述する図7,8では、上下を逆にした状態で図示している。
本体部21は、図3,5に示すように、第1部材31および第2部材32を備えて構成されている。第1部材31は、本体部21の一面側(図3における下側であって、図5における上側)を構成する。また、第1部材31は、図5に示すように、上面31bから下面31a(本体部21の一面に相当する)に連通する平面視が略矩形の開口部31c(本体部の開口部に相当する)を中央部に有して、枠状に形成されている。
この場合、開口部31cは、多孔質体22をはめ込み可能に構成されている。具体的には、開口部31cは、多孔質体22をはめ込んだ状態において(図9参照)、開口部31cを構成する内周面31dと多孔質体22の側面22cとの間に僅かな(一例として、0.5mm〜1mm程度)隙間が生じるようにその大きさが規定されている。また、図3,5に示すように、第1部材31の外周部には、固定ねじ24をねじ込み可能な複数(一例として、10個)のねじ穴31eが形成されている。この場合、この吸着ヘッド11では、隣接するねじ穴31e同士の離間距離が互いに等しくなるように各ねじ穴31eの形成位置が規定されている。
第2部材32は、本体部21の他面側(図3における上側であって、図5における下側)を構成する。また、第2部材32は、図5に示すように、第1部材31の開口部31cに嵌合可能な突出部32cを下面32a(同図における上面)の中央部に有して板状に形成されている。この突出部32cは、後述するように、多孔質体22を押圧して多孔質体22を第1部材31の下面31a(本体部21の一面)よりも外側に突出させる機能を有しており、図11に示すように、その高さL7が、第1部材31の厚みL5(開口部31cの深さ)と多孔質体22の厚みL6との差分値よりも高く(下面32aからの突出長が長く)なるように形成されている。この場合、同図に示すように、多孔質体22の突出長L8は、多孔質体22の厚みL6および突出部32cの高さL7の合計値と、第1部材31の厚みL5との差分値となり、この突出長L8が予め決められた長さとなるように、厚みL5,L6および高さL7が規定されている。
また、図3,5に示すように、突出部32cの中央部には、凹部32dが形成されている。さらに、第2部材32には、上面32bから凹部32dに連通する吸気口32fが形成されている。また、第2部材32の外周部には、固定ねじ24が挿通可能な複数(第1部材31のねじ穴31eと同数)の挿通孔32eが形成されている。この場合、各挿通孔32eは、第1部材31と第2部材32とを重ね合わせた状態において第1部材31の各ねじ穴31eにそれぞれ連通するようにその形成位置が規定されている。つまり、この吸着ヘッド11では、隣接する挿通孔32e同士の離間距離が互いに等しくなるように各挿通孔32eの形成位置が規定されている。
多孔質体22は、一例として、連続気泡構造のセラミックスで形成され、図5に示すように、長方形の板状に構成されている。また、多孔質体22は、図3に示すように、本体部21の第1部材31に形成されている開口部31cの下側(図5に示す第1部材31の下面31a側)にはめ込まれている。また、多孔質体22は、図3に示すように、外面22aが第1部材31の下面31aよりも外側(同図における下側)に位置するように、第2部材32の突出部32cによって押圧される(押し出される)ことで外側に突出させられており、突出部32cおよび整列シート23(突出部32cからの押圧力および整列シート23の張力)によってその状態(外側に突出した状態)に保持されている。
整列シート23は、柔軟性を有するシート体であって、図3,5に示すように、本体部21の開口部31c(図5参照)よりも大きい(この例では、第1部材31の下面31aと同じ程度の大きさの)長方形の薄板状に形成されている。また、整列シート23は、本体部21の開口部31cにはめ込まれた多孔質体22の外面22a、および開口部31c(多孔質体22と開口部31cの内周面31d(図9参照)との間の隙間)を覆うように本体部21の下面31a側に配設されている。また、整列シート23は、後述する球状体吸着ヘッド製造方法に従って吸着ヘッド11を製造する際に行われる溶着工程において、その外周部23eが第1部材31の下面31aにおける開口部31cの外周部31f(図3,5,8参照)に固定される。具体的には、整列シート23は、第1部材31における下面31a側の表層および整列シート23の内面23b(対向面に相当する)の表層が整列シート23の外側(外面23a側)からのレーザ光L(図6参照)の照射によって互いに溶着されることで第1部材31の下面31aに固定される。
また、図3〜図5に示すように、整列シート23には、搭載対象としての基板400における端子401の配列位置に合わせて半田ボール300を整列させる機能を有する複数の挿通孔51が形成されている。この場合、図4に示すように、挿通孔51の直径L2は、半田ボール300の直径L1(この例では、80μm)よりも短い40μm程度に規定されている。また、この整列シート23は、後述する製造方法によって吸着ヘッド11を製造する際において、多孔質体22が本体部21の外側に突出させられるときに、多孔質体22の外面22aを覆う部分が多孔質体22と共に外側に突出させられて、この結果、図3に示すように、外面22aを覆う部分がその突出長分だけ伸びることとなる。このため、この整列シート23では、伸びに起因する挿通孔51の位置のずれを防止するため、本体部21の下面31a側に配設する以前の状態における挿通孔51の配列位置が、外側に突出させる状態における整列シート23の伸びに相当する分だけ端子401の配列位置を縮小した位置に規定されている。
この吸着ヘッド11では、本体部21(第1部材31および第2部材32)と整列シート23とが、同種類の素材を用いて(主たる素材として用いて)構成された材料で形成されている。具体的には、本体部21および整列シート23は、一例として、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PP(ポリプロピレン)、PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)、およびPE(ポリエチレン)等の樹脂素材(素材の一例)を用いて構成された樹脂材料(材料の一例)で形成されている。
また、この吸着ヘッド11では、整列シート23は、上記の素材に対して着色がされていない樹脂材料(つまり、素材自体の色の樹脂材料)で形成されている。この場合、上記の各樹脂素材自体の色は半透明(または透明)であり、このような半透明の樹脂素材で構成した樹脂材料は、溶着工程において照射されるレーザ光L(図6,8参照)のエネルギーを吸収する吸収率が比較的低い物性を有している。
一方、本体部21は、上記の素材に加工顔料やマスターバッチなどの着色剤を添加して着色した樹脂材料で形成されている。この場合、本体部21を形成する樹脂材料は暗色(一例として、黒色)に着色されて、そのエネルギー吸収率が整列シート23を形成する樹脂材料のエネルギー吸収率よりも高められている。つまり、本体部21は、そのエネルギー吸収率が整列シート23のエネルギー吸収率よりも高く形成されている。
固定ねじ24は、第2部材32の挿通孔32eおよび第1部材31のねじ穴31eと共に固定部を構成し、重ね合わせた状態の第1部材31と第2部材32とを固定するために用いられる。
この吸着ヘッド11では、多孔質体22の内面22b(図3参照)と第2部材32の突出部32cに形成されている凹部32dとによって形成される空間が吸気口32fからの吸気によって減圧され、それに伴って多孔質体22を介して行われる吸気により、多孔質体22の外面22a側に配設されている整列シート23における挿通孔51の形成部位に半田ボール300を吸着する(この例では、挿通孔51の縁部に吸着する:図4参照)と共に、上記の空間が常圧に復帰したとき(減圧が解除されたとき)に半田ボール300の吸着を解除することが可能となっている。
吸引機構12は、配管を介して吸着ヘッド11における第2部材32の吸気口32fに接続された図外の真空ポンプおよび電磁弁等を備えて構成され、制御部15の制御に従い、多孔質体22の内面22bと第2部材32の凹部32dとによって形成される空間の空気を吸気口32fから吸引する。
収容容器13は、図13に示すように、半田ボール300を収容可能に構成されている。また、収容容器13は、図外の給気機構からの空気の供給によって収容している半田ボール300を浮遊させることが可能となっている。また、収容容器13の上部には、吸着ヘッド11による余剰な半田ボール300の吸着を規制するための(規制作用を有する)規制用プレート61が取り付けられている。この場合、規制用プレート61は、その厚みL3(図4参照)が半田ボール300の直径L1(この例では、80μm)よりも薄い75μm程度に規定された板状に構成されている。
また、規制用プレート61には、吸着ヘッド11における整列シート23を規制用プレート61に近接(または、接触)させた状態(図13参照)において、吸着ヘッド11における整列シート23の各挿通孔51に対向する位置に挿通孔62が形成されている。この場合、挿通孔62の直径L4は、図4に示すように、半田ボール300の直径L1(この例では、80μm)よりも長く、かつ直径L1の2倍よりも短い100μm程度となるように形成されている。
搬送装置14は、制御部15の制御に従い、収容容器13の配置位置(吸着位置)、および基板400の配置位置に吸着ヘッド11を搬送する。
制御部15は、半田ボール搭載装置1を構成する各構成要素を制御する。具体的には、制御部15は、搬送装置14を制御して吸着ヘッド11を収容容器13の配置位置および基板400の配置位置に搬送させる。また、制御部15は、吸引機構12を制御して吸着ヘッド11の内部空間の空気を吸引させる。
次に、吸着ヘッド11の製造方法(球状体吸着ヘッド製造方法)について図面を参照して説明する。
まず、本体部21に整列シート23を固定する。ここで、この製造方法では、後述するように、多孔質体22が本体部21の外側に突出させられるときに、整列シート23における多孔質体22の外面22aを覆う部分が多孔質体22と共に外側に突出させられ、その部分が突出長分だけ伸びることとなる。このため、この製造方法に用いられる整列シート23では、挿通孔51の配列位置が、伸びに相当する分(つまり、多孔質体22の突出長に相当する分)だけ搭載対象としての端子401の配列位置を縮小した位置に規定されている。
一方、この製造方法では、まず、図6に示す溶着装置500を用いた溶着工程を行って本体部21に整列シート23を固定する。この溶着工程では、図7に示すように、溶着装置500の保持台501に下面31aを上向きにした状態の第1部材31を載置して保持させる。次いで、第1部材31における下面31aの上に整列シート23を載置(配置)して、図外の固定具で整列シート23を固定する。この場合、整列シート23に張力を加えることにより、弛みの発生を防止する。
次いで、図6に示す溶着装置500の照射部502を作動させて、整列シート23の外側から(整列シート23の上方から)整列シート23および第1部材31に向けてレーザ光Lを照射させる。この場合、照射部502は、一例として、図8に示すように、帯状(ライン状)の照射範囲にレーザ光Lを照射可能に構成され、レーザ光Lの射出角度(照射角度)を変化させて照射範囲を移動させることで、整列シート23の全領域にレーザ光Lを照射する。
この場合、レーザ光Lのエネルギーを吸収するエネルギー吸収率が比較的低い半透明の樹脂素材で構成した樹脂材料で整列シート23が形成されている。このため、整列シート23によるレーザ光Lのエネルギーの吸収が少なく抑えられて、エネルギーの吸収による整列シート23の発熱も少なく抑えられる。また、エネルギーの吸収が少なく抑えられるため、レーザ光Lの大部分が整列シート23を透過する。また、整列シート23を透過したレーザ光Lは、第1部材31の下面31aにおける外周部31f(図8において斜線を付した部分)に照射される(到達する)。
この場合、第1部材31は、エネルギー吸収率が高い黒色に着色した樹脂材料で形成されている。このため、下面31aに照射されたレーザ光Lのエネルギーが下面31a側の表層で吸収されて、このエネルギーの吸収によって下面31a側の表層が発熱して溶融する。また、下面31a側の表層の熱が、整列シート23の内面23bにおける外周部31fに対向する部分(図8において斜線を付した部分:整列シート23における外周部23eの内面23bであって、以下、この部分を「溶着範囲23c」ともいう)に伝導して、この熱によって内面23b側の表層も溶融する。次いで、溶融した各表層の樹脂同士が混ざり合う。続いて、レーザ光Lが通過した(レーザ光Lの照射が終了した)部分では、溶融して混ざり合った樹脂が冷却されて固化し、これによって下面31a側の表層および内面23b側の表層が互いに溶着される。以上により溶着工程が終了する。
この場合、このレーザ光Lを用いた溶着工程では、単位面積当りのレーザ光Lの照射時間(照射量)を一定にする(上記の例では、レーザ光Lの照射範囲を移動させる速度を一定する)ことで、レーザ光Lの照射によって溶着される(溶融する)下面31a側の表層および内面23b側の表層の厚みを均一にすることが可能となっている。このため、この溶着工程では、接着剤を用いて整列シート23を第1部材31に固定する方法とは異なり、接着剤の厚みのばらつきに起因する固定部分における凹凸の発生が防止されて、この部分に相当する溶着範囲23cを十分に平坦な状態とすることが可能となっている。
また、この溶着工程では、本体部21の上に配置した整列シート23に対して高い熱や大きな圧力を加えることなく整列シート23を本体部21に確実に固定することが可能なため、高い熱や大きな圧力が加わることに起因する本体部21(第1部材31)や整列シート23の変形を確実に防止することが可能となっている。
次いで、図9に示すように、第1部材31の上面31b側から開口部31cに多孔質体22を挿入し、開口部31c内における第1部材31の下面31a側に多孔質体22をはめ込む。
続いて、第1部材31の上に第2部材32を重ね合わせる。具体的には、図10に示すように、第1部材31の上面31b側から開口部31cに第2部材32の突出部32cを嵌合させつつ、第1部材31の上面31bと第2部材32の下面32aとを近接させる。この際に、突出部32cが多孔質体22の内面22bに当接して、多孔質体22が突出部32cによって下向きに押圧される。
続いて、第1部材31の上面31bと第2部材32の下面32aとを当接させる。この際に、図11に示すように、多孔質体22の外面22aが第1部材31の下面31a(本体部21の一面)よりも外側に突出するように、多孔質体22が突出部32cによって第1部材31の外側に押し出される。また、多孔質体22の突出に伴って整列シート23における多孔質体22を覆う部分が外側に突出させられる。この場合、同図に示すように、第1部材31の下面31aからの多孔質体22の突出長L8は、多孔質体22の厚みL6および突出部32cの高さL7の合計値と、第1部材31の厚みL5との差分値となる。
次いで、重ね合わせた状態(上面31bと下面32aとを当接させた状態)の第1部材31と第2部材32とを固定する。具体的には、図12に示すように、第2部材32の各挿通孔32eに固定ねじ24をそれぞれ挿通させる。次いで、固定ねじ24を回転させてその先端部を第1部材31のねじ穴31eにねじ込んで締め付ける。
この場合、この吸着ヘッド11では、隣接するねじ穴31e同士の離間距離が互いに等しく、また、隣接する挿通孔32e同士の離間距離が互いに等しく、かつ第1部材31と第2部材32とを重ね合わせたときにねじ穴31eと挿通孔32eとが互いに連通する(対向し合う)位置(吸着ヘッド11の上下方向において同じ位置)となるように各々の形成位置が規定されているため、重ね合わせた状態の第1部材31および第2部材32の外周縁部に沿って各固定ねじ24が等間隔に配置される。このため、この吸着ヘッド11では、固定ねじ24を単に締め付けるだけで、第1部材31の上面31bと第2部材32の下面32aとが均一に(両面31b,32aが平行な状態で)当接して、突出部32cの先端面と第1部材31の下面31aとが平行な状態となる。この結果、突出部32cによって押し出された多孔質体22の外面22a(つまり、整列シート23の表面)と第1部材31の下面31a(本体部21の一面)とを平行な状態とすることが可能となっている。なお、各固定ねじ24を単に締め付けるだけでも、第1部材31の上面31bと第2部材32の下面32aとを均一に当接させることができるが、トルクレンチを用いて各固定ねじ24を同じトルク(締め付け力)でねじ込むことで、上面31bと下面32aとをさらに均一に当接させることができる。
ここで、この状態では、整列シート23の張力によって多孔質体22が本体部21の内側(第2部材32の突出部32c)に向けて押圧され、この整列シート23の張力による押圧力と突出部32cによる押圧力とが釣り合う結果、多孔質体22が外側に突出した状態に保持される。また、この吸着ヘッド11では、上記したように、整列シート23の伸びの分だけ縮小した位置に挿通孔51が形成されている。このため、多孔質体22の突出に伴って整列シート23が伸びることにより、各挿通孔51の配列位置(形成位置)と搭載対象の端子401の配列位置とが一致する。
以上により、吸着ヘッド11の製造が完了する。この吸着ヘッド11および製造方法では、第1部材31と第2部材32とを重ね合わせるだけで、突出部32cによって多孔質体22を押し出して、多孔質体22の外面22aを第1部材31の下面31aよりも予め決められた突出長L8分だけ外側に位置させる(多孔質体22を外側に突出させる)ことが可能となっている。このため、この吸着ヘッド11および球状体吸着ヘッド製造方法では、複数の押圧ねじをねじ込むことによって多孔質体を突出させる構成および方法とは異なり、各押圧ねじのねじ込み量を調整する煩雑な作業を行うことなく、多孔質体22を予め決められた突出長L8分だけ確実かつ容易に突出させることが可能となっている。
また、この吸着ヘッド11および製造方法では、上記したように、整列シート23の溶着範囲23cが十分に平坦な状態となっている。このため、この部分に凹凸が生じるおそれのある従来の構成(接着剤を用いて整列シート23を本体部21に固定する構成)とは異なり、多孔質体22を必要以上に大きく突出させなくてもよいため、必要以上に大きな張力が整列シート23に加わることに起因して整列シート23が変形する事態が確実に防止されている。
次に、上記のようにして製造された吸着ヘッド11を備えた半田ボール搭載装置1を用いて半田ボール300を基板400の端子401に搭載する方法、およびその際の半田ボール搭載装置1の動作について、図面を参照して説明する。
この半田ボール搭載装置1では、開始操作がされたときに、制御部15が、搬送装置14を制御して、吸着ヘッド11を収容容器13の上方に搬送させ、次いで、図13に示すように、吸着ヘッド11における整列シート23の下面と収容容器13の規制用プレート61とが当接(または、近接)するように吸着ヘッド11を降下させる。続いて、制御部15は、吸引機構12を制御して、多孔質体22の内面22bと第2部材32の凹部32dとによって形成される空間の空気を第2部材32の吸気口32fから吸引(吸気)させる。この際に、その空間が減圧され、これに伴って多孔質体22内の連続気泡を通って多孔質体22の外面22a側の空気が吸引(吸気)される。
次いで、制御部15は、図外の給気機構から収容容器13内に空気を供給させる。この際に、空気の供給によって収容容器13に収容されている半田ボール300が浮遊させられる。また、図14に示すように、収容容器13内で浮遊している半田ボール300が、吸着ヘッド11の多孔質体22を介して行われる吸気に伴う吸引力によって多孔質体22の外面22a側に引き寄せられて、収容容器13の規制用プレート61に形成されている挿通孔62を通って吸着ヘッド11の整列シート23における挿通孔51の形成部位(挿通孔51の縁部)に吸着される。
また、半田ボール300が微小なため、半田ボール300同士が互いに引き合う力が重量に対して相対的に大きく、この結果、図13に示すように、整列シート23における挿通孔51の形成部位に吸着された半田ボール300(以下、この半田ボール300を「搭載対象の半田ボール300」ともいう)に他の半田ボール300(以下、この半田ボール300を「余剰の半田ボール300」ともいう)が付着する。
続いて、制御部15は、収容容器13に対する空気の供給を停止させることにより、半田ボール300の浮遊を停止させる。次いで、制御部15は、搬送装置14を制御して、図15に示すように、吸着ヘッド11を上方に移動させる。この際に、吸着ヘッド11の整列シート23が収容容器13の規制用プレート61から離間するため、挿通孔51の形成部位に吸着されている搭載対象の半田ボール300と余剰の半田ボール300との間に介在している規制用プレート61の規制作用により、余剰の半田ボール300が搭載対象の半田ボール300から引き離される結果、同図に示すように、余剰の半田ボール300が自重によって落下する。
続いて、制御部15は、搬送装置14を制御して、基板400の配置位置の上方に吸着ヘッド11を移動させ、次いで、図16に示すように、吸着ヘッド11に吸着されている半田ボール300の先端部が基板400の端子401に近接する位置に吸着ヘッド11を降下させる。
この場合、この吸着ヘッド11では、多孔質体22の外面22aが第1部材31の下面31aよりも外側に位置するように突出している。このため、図16に示すように、基板400に電子部品402などの突起物が配設されている場合においても、その突起物と吸着ヘッド11との接触を回避しつつ、吸着ヘッド11に吸着されている半田ボール300の先端部を基板400の端子401に十分に近接させることができる。
続いて、制御部15は、吸引機構12を制御して、吸引を停止させる。これにより、多孔質体22の内面22bと第2部材32の凹部32dとによって形成される空間が常圧に復帰し(減圧が解除され)、多孔質体22を介して行われる吸気が停止する結果、吸着ヘッド11による半田ボール300の吸着が解除されて、半田ボール300が端子401上に搭載される。
次いで、制御部15は、搬送装置14を制御して、吸着ヘッド11を上方に移動させた後に初期位置に搬送させる。以上により、基板400の端子401への半田ボール300の搭載が完了する。
このように、この吸着ヘッド11、半田ボール搭載装置1および球状体吸着ヘッド製造方法では、第1部材31の下面31a側の表層と整列シート23の内面23b側の表層とをレーザ光Lの照射によって互いに溶着させて整列シート23を下面31aに固定し、外側に押し出した状態の多孔質体22を本体部21および整列シート23によって保持させる。この場合、単位面積当りのレーザ光Lの照射時間(照射量)を一定にすることで、レーザ光Lの照射によって溶着される下面31a側の表層および内面23b側の表層の厚みを均一にすることができるため、溶着範囲23cを十分に平坦な状態とすることができる。
したがって、この吸着ヘッド11、半田ボール搭載装置1および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、整列シート23と第1部材31の下面31aとの固定部分に凹凸が生じるおそれのある接着剤を用いて整列シート23を固定する構成および方法とは異なり、凹凸の分だけ多孔質体22を大きく突出させて整列シート23に必要以上に大きな張力が加わることに起因して整列シート23が変形する事態を確実に防止することができる。また、この吸着ヘッド11、半田ボール搭載装置1および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、本体部21および整列シート23に対して高い熱や大きな圧力を加えることなく整列シート23を本体部21に確実に固定することができるため、高い熱や大きな圧力が加わることに起因する本体部21(第1部材31)や整列シート23の変形を確実に防止することができる。
また、この吸着ヘッド11、半田ボール搭載装置1および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、エネルギー吸収率が整列シート23よりも高い材料で形成されている本体部21を用いることにより、照射したレーザ光Lの大部分を整列シート23を透過させることができると共に、透過したレーザ光Lのエネルギーを第1部材31の下面31a側の表層において十分に吸収させて発熱させることができる。このため、この吸着ヘッド11、半田ボール搭載装置1および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、第1部材31における下面31a側の表層および整列シート23における内面23b側の表層のみをレーザ光Lの照射によって溶融させて互いに溶着させることができる結果、整列シート23が厚み方向の全域において溶融して整列シート23に凹凸が生じる事態を確実に防止することができる。
また、この吸着ヘッド11、半田ボール搭載装置1および球状体吸着ヘッド製造方法によれば、同種類の素材を用いて形成した本体部21および整列シート23を用いることにより、本体部21の素材と整列シート23の素材とを同じ温度(または、ほぼ同じ温度)で溶融させることができるため、溶融した各素材同士を確実に混じり合わせて、整列シート23を本体部21に対してより確実に固定することができる。
なお、球状体吸着ヘッド、球状体搭載装置および球状体吸着ヘッド製造方法は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、同種類の素材を用いて本体部21および整列シート23を形成する構成および方法について上記したが、異なる素材(例えば、異なる種類の樹脂素材)を用いて本体部21および整列シート23を形成する構成および方法を採用することもできる。この場合、本体部21を形成する材料を構成する素材自体のエネルギー吸収率が、整列シート23を形成する材料を構成する素材自体のエネルギー吸収率よりも高いときには、本体部21を形成する材料を着色する加工を不要とすることができる。
また、溶着工程においてレーザ光Lを照射する帯状の照射範囲を移動させる例について上記したが、点状や円形状の照射範囲を移動させる構成および方法を採用することもできる。また、整列シート23の全領域に対してレーザ光Lを一度に照射する構成および方法を採用することもできる。
また、挿通孔51が予め(本体部21への固定に先立って)形成されている整列シート23を用いる構成および方法について上記したが、挿通孔51が形成されていない状態の整列シート23を本体部21に固定した後に、レーザ(上記したレーザ光Lとは異なる穿孔用のレーザ)やドリルを用いて挿通孔51を形成する構成および方法や、挿通孔51が形成されていない状態の整列シート23を本体部21に固定して多孔質体22を突出させた後に、レーザやドリルを用いて挿通孔51を形成する構成および方法を採用することもできる。
また、挿通孔51の直径L2が半田ボール300の直径L1よりも短く規定され、挿通孔51の縁部で半田ボール300を吸着する構成例について上記したが、挿通孔51の直径L2を半田ボール300の直径L1よりも長く規定して、挿通孔51内(挿通孔51の形成部位の他の一例)で半田ボール300を吸着する構成を採用することもできる。
1 半田ボール搭載装置
11 吸着ヘッド
14 搬送装置
21 本体部
22 多孔質体
22a 外面
23 整列シート
23b 内面
23c 溶着範囲
31 第1部材
31a 下面
31c 開口部
31f 外周部
32 第2部材
51 挿通孔
300 半田ボール
400 基板
401 端子
L レーザ光

Claims (7)

  1. 開口部を有する本体部と、前記開口部にはめ込まれた板状の多孔質体と、球状体を整列させる挿通孔が形成されて前記開口部および前記多孔質体の外面を覆った状態で前記本体部の一面に配設された整列シートとを備え、前記多孔質体を介して行われる吸気によって前記挿通孔の形成部位に前記球状体を吸着する球状体吸着ヘッドであって、
    前記整列シートは、前記本体部における前記一面側の表層および当該整列シートにおける当該一面に対向する対向面側の表層がレーザ光の照射によって互いに溶着されて当該一面に固定され、
    前記多孔質体は、前記外面が前記一面よりも外側に突出するように押し出された状態で前記本体部および前記整列シートによって保持されている球状体吸着ヘッド。
  2. 前記本体部は、前記レーザ光のエネルギーを吸収する吸収率が前記整列シートよりも高い材料で形成されている請求項1記載の球状体吸着ヘッド。
  3. 前記本体部および前記整列シートは、互いに同種類の素材を用いて形成され、
    前記本体部は、前記素材に対する着色によって前記整列シートを形成する前記材料よりも前記吸収率が高められた前記材料で形成されている請求項2記載の球状体吸着ヘッド。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の球状体吸着ヘッドと、前記球状体を吸着させる吸着位置に前記球状体吸着ヘッドを搬送すると共に前記球状体を吸着している前記球状体吸着ヘッドを搭載対象の配置位置まで搬送する搬送装置とを備えて、前記球状体を前記搭載対象に搭載する球状体搭載装置。
  5. 開口部を有する本体部と、前記開口部にはめ込まれた板状の多孔質体と、球状体を整列させる挿通孔が形成されて前記開口部および前記多孔質体の外面を覆った状態で前記本体部の一面に配設された整列シートとを備えて前記多孔質体を介して行われる吸気によって前記挿通孔の形成部位に前記球状体を吸着する球状体吸着ヘッドを製造する球状体吸着ヘッド製造方法であって、
    前記本体部の一面に前記整列シートを配置して当該整列シートの外側から当該整列シートを介して当該本体部にレーザ光を照射して、当該本体部における前記一面側の表層および当該整列シートにおける当該一面に対向する対向面側の表層を互いに溶着させて当該一面に当該整列シートを固定し、
    前記開口部に前記多孔質体をはめ込み、
    前記外面が前記一面よりも外側に突出するように前記多孔質体を押し出した状態で前記本体部および前記整列シートによって当該多孔質体を保持させて前記球状体吸着ヘッドを製造する球状体吸着ヘッド製造方法。
  6. 前記レーザ光のエネルギーを吸収する吸収率が前記整列シートよりも高い材料で形成されている前記本体部を用いて前記球状体吸着ヘッドを製造する請求項5記載の球状体吸着ヘッド製造方法。
  7. 前記本体部を形成するのに用いられる素材と同種類の素材を用いて形成されている前記整列シートと、前記素材に対する着色によって前記整列シートを形成する前記材料よりも前記吸収率が高められた前記材料で形成されている前記本体部とを用いて前記球状体吸着ヘッドを製造する請求項6記載の球状体吸着ヘッド製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110911331A (zh) * 2018-09-14 2020-03-24 东莞市中麒光电技术有限公司 一种转移并便于led芯片固定的吸嘴及单颗led芯片转移、固定于背板的方法

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