JP2013242336A - 被検物質検知センサー - Google Patents

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Abstract

【課題】電気化学計測値のバラつきが小さい被検物質検知センサーを提供する。
【解決手段】作用電極1と対電極2とが絶縁体3を介して一体化されてなり、作用電極1に被検物質が接触することで出力電圧が変化する被検物質検知センサーであって、作用電極1は、対電極2及び絶縁体3よりも小さく形成されて絶縁体3の表面の一部に設けられ、絶縁体3には作用電極1を囲う周壁4が形成されていて、周壁4が被検物質を収容する溜り部として機能し、作用電極1とは別に参照電極6が設けられており、参照電極6は周壁4に埋設されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、対電極と作用電極とが絶縁体を介して一体化されてなり、被検物質の作用電極に対する接触により出力電圧が変化する被検物質検知センサーに係り、とくに、生体中のタンパク質、生理活性物質等を少量の検体量で迅速に検出する被検物質検知センサーに関する。
生体中のタンパク質や、微量成分の生理活性物質等を検出する被検物質検知センサーは、分子認識素子に加えて、トランスデューサーである信号変換素子を有する。分子認識素子は化学反応や物理反応を検出し、検出された信号を信号変換素子が電気信号に変換することで、被検物質が検出される。
このようなセンサーの一つとして、電界効果型トランジスタ(以下、FETと呼ぶ)を信号変換素子とするセンサーがあり、イオン選択性膜を有するイオン感応性電界効果型トランジスタを用いるpHセンサー、グルコースセンサー等が実用化されている。FETを信号変換素子とすることで、既存の半導体製造技術を用いてセンサーの小型化や集積化を実現することができる。
最近では、従来の抗体検査試薬及び装置やウイルス等の抗原検査試薬検査及び装置に比べて迅速且つ簡便に、かつ感度良く動作するセンサーを実現するために、例えば、特許文献1、2に開示されているように、FETを信号変換素子とするバイオセンサーがいくつか提案され、さらには、二端子素子を信号変換素子とするセンサーも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
このようなセンサーについて、本発明者らは、特許文献4に示すように、先に、構造が単純で、FETを信号変換素子とするセンサーに匹敵しうるほどの高感度を有するうえ、構造の自由度の高い、二端子の信号変換素子を有するセンサーを提案した。
しかし、現在実用化されているセンサーは、先に述べたpHセンサーやグルコースセンサー等の少数の例があるのみである。言い換えれば、生体中のタンパク質や微量成分の生理活性物質等を検出する被検物質検知センサーであって、分子認識素子と、信号変換素子とを備えるセンサーは、未だ実用化されるに至っていない。
特開2005−218310号公報 特開2004−347532号公報 特開2004−108815号公報 特開2008−116210号公報
本発明は、電気化学計測値のバラつきが小さい被検物質検知センサーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の構成は、作用電極と対電極とが絶縁体を介して一体化されてなり、作用電極に被検物質が接触することで出力電圧が変化する被検物質検知センサーであって、作用電極は対電極及び絶縁体よりも小さく形成されて絶縁体の表面の一部に設けられており、絶縁体には作用電極を囲う周壁が形成されていて周壁が被検物質を収容する溜り部として機能することを特徴とする。
具体的には、作用電極と対電極とが絶縁体を介して一対化されてなり、作用電極に被検物質が接触することで出力電圧が変化する被検物質検知センサーにおいて、対電極は板状に形成され、絶縁体は対電極の上面を覆っており、作用電極は絶縁体の表面の一部に設けられ、絶縁体には作用電極を囲う周壁が形成され、作用電極と絶縁体との接触面積が対電極と絶縁体との接触面積より小さく設定され、作用電極と対電極とに電源が接続されて構成されている。
また、第1の構成において、周壁は作用電極上に形成されてもよい。具体的には、作用電極と対電極とが絶縁体を介して一体化されてなり、作用電極に被検物質が接触することで出力電圧が変化する被検物質検知センサーであって、作用電極上に形成された壁部を有し、壁部は被検物質を保持するための開口部を有し、作用電極は絶縁体の表面を露出させるための開口部を有し、壁部の開口部内に保持される被検物質は、作用電極の開口部を介して絶縁体の表面に接することを特徴とする。
本発明による第2の構成の被検物質検知センサーは、第1の被検物質検知センサーにおいて、前記作用電極とは別に参照電極が設けられていることを特徴とする。
本発明による第3の構成の被検物質検知センサーは、第2の被検物質検知センサーにおいて、参照電極を前記溜り部の外側に配置したことを特徴とする。
本発明による第4の構成の被検物質検知センサーは、第2の被検物質検知センサーにおいて、参照電極を、前記溜り部を形成する周壁内に埋没して設けたことを特徴とする。
本発明による第5の構成の被検物質検知センサーは、第2の被検物質検知センサーにおいて、参照電極を、溜り部内に配置したことを特徴とする。
本発明による第6の構成の被検物質検知センサーは、第1から第5の構成の被検物質検知センサーの何れかにおいて、作用電極を複数個設け、個々の作用電極にそれぞれ前記溜り部を設けたことを特徴とする。
本発明による第7の構成の被検物質検知センサーは、第1から第6の構成の被検物質検知センサーの何れかにおいて、一つの溜り部内に複数の作用電極を配置したことを特徴とする。
本発明による第8の構成の被検物質検知センサーは、第1から第7の構成の被検物質検知センサーの何れかにおいて、溜り部を、作用電極の安定作用を補償する所定量の被検物質を貯留することができる。
本発明による第9の構成の被検物質検知センサーは、第1から第8の構成の被検物質検知センサーの何れかにおいて、前記溜り部を形成する周壁に対して撥水性を付与したことを特徴とする。
本発明による第10の被検物質検知センサーは、第1から第8の構成の被検物質検知センサーの何れかにおいて、前記溜り部を形成する周壁に対して撥油性を付与したことを特徴とする。
本発明により、従来に比べ、高精度で電圧が得られるので、被検物質に対して安定した電気化学計測データが得られることとなる。
このことは、本センサーの新たな可能性を開くものであり、従来では分析不可能であった物質の相違も電気化学的に分析可能になるものと期待される。
また、第2の構成の被検物質検知センサーから第5の構成の被検物質検知センサーでは、電極上に分子が付着し、それぞれの電位がずれてしまえば、真の電位を決定することができないことを防止するために、基準としてアースの役割をする、つまり電位が変化しない参照電極を設けている。これにより、両電極の電位を安定して決定できる。
また、この参照電極は、抗原抗体反応の経時的変化を観測するために作用電極に一定の電位を与えた場合、表面の抗体に抗原が反応し始め、表面の電界が変化したときなどにも有用である。
その中でも、第4の構成の被検物質検知センサーに示すように、溜り部を構成する周壁内に埋没してすることで参照電極の汚れを完全に回避することができる。
さらに、第6の構成の被検物質検知センサーのように、複数の作用電極のそれぞれに溜り部を設けることで、上記利点に加え、多数のサンプルを同時に処理できる。
また、第7の構成の被検物質検知センサーのようにすることで、不均一な被検物質であってもその平均的な値を検出することができるし、一部の作用電極を参照電極として機能させることもでき、作用電極とは別途の参照電極を特別に設ける必要がなくなる。
さらに、第9の構成の被検物質検知センサーでは親水性の被検物質が周壁を伝って上昇することがなくなり、第10の構成の被検物質検知センサーでは親油性の被検物質が周壁を伝って上昇することがなくなるので、溜り部からの漏れ出しを阻止することとなる。特に、溜り部の容量が小さいほど、この漏れ出し阻止の効果は安定した検知データを得る上で有用となる。
(a)は本発明の実施形態に係る溜り部中に作用電極を有する単セル被検物質検知センサーの平面図、(b)は(a)中に示した破断面における縦断面図である。 図1の単セル被検物質検知センサーに配線と電流計と電圧計とを配した接続例を示す図である。 本発明の実施形態に係る、溜り部中に作用電極のほか参照電極を設けた単セル被検物質検知センサーの縦断面図である。 本発明の実施形態に係る、溜り部外に参照電極を設けた単セル被検物質検知センサーの縦断面図である。 本発明の実施形態に係る、周壁中に参照電極を埋め込んで設けた単セル被検物質検知センサーの縦断面図である。 本発明の実施形態に係る、溜り部中に作用電極及び参照電極を設け、作用電極と参照電極とは塩橋を形成できる周壁で隔離されている単セル被検物質検知センサーの縦断面図である。 本発明の実施形態に係る、溜り部中に作用電極及び参照電極を設け、その作用電極と参照電極とは周壁で完全に隔離されている単セル被検物質検知センサーの縦断面図である。 図7で示した単セル被検物質検知センサーに配線と電流計と電圧計とを配した接続例を示す図である。 (a)はスダレ型形状の作用電極又は参照電極を示す平面図、(b)は(a)の縦断面図である。 (a)はドーナツ型形状の作用電極又は参照電極を示す平面図、(b)は(a)の縦断面図である。 (a)は格子型形状の作用電極又は参照電極を示す平面図、(b)は(a)の縦断面図である。 基板、絶縁膜、電極及びフォトレジストでつくられる周壁の構築を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る、単セル被検物質検知センサーを含むパッケージの縦断面図である。 図13のパッケージにソケットが付いたユニットの縦断面図である。 図14のパッケージ及びソケットに囲いが設けられ、更に取外し自在のカバーがセットされた単セル被検物質検知センサー装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る、セルの数を8個とした多セル式の被検物質検知センサーの平面図である。 本発明の実施形態に係る被検物質検知センサーの反応場を表す説明図である。 従来の二端子信号変換素子を有するセンサーの反応場を表す説明図である。 出力電圧の抗原濃度依存性を示すグラフであって、■は抗体存在下における反応を、◆は抗体非存在下における反応を示す。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を更に詳しく説明する。
図1(a)は本発明の第1実施形態に係る被検物質検知センサー100を示す平面図、図1(b)はその断面図である。また、図2は図1で示した単セル被検物質検知センサー100に配線と、電流計と、電圧計と、電源と、を配した接続例を示す図である。
被検物質検知センサー100は、作用電極1と、対電極2と、絶縁体3と、周壁4と、を備えている。以下、これらの構成で成るものを、被検物質検知センサー本体部と呼ぶ場合がある。
対電極2は、半導体又は導電体としての機能を持つ材質で板状体に形成されている。このように板状体に形成することで自立保形性を備えることができる。これによりセンサー全体を自立保形するのに有用である。半導体物質としては、シリコン、ゲルマニウム等のIV族元素、砒化ガリウム、リン化インジウム等のIII−V化合物、テルル化亜鉛等のル等が一般に知られており、いずれも下記の実施例と同様に用いることができる。板状の厚さは、通常は0.1mm〜1.0mmであることが好ましく、0.3〜0.5mmが更に好ましい。本実施形態で対電極2はシリコン基板で構成されている。
絶縁体3は、作用電極1と対電極2とを絶縁する部材である。絶縁体3としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機化合物、あるいはアクリル樹脂、ポリイミド等の有機化合物等が一般に知られており、いずれも下記実施例と同様に用いることができる。無機物質を絶縁体3として用いる場合は、蒸着等の方法で膜状にして前記対電極2の表面に形成することができるが、有機物質ではそのフィルムを対電極2の表面に張り付けるなどして一体化することができる。
絶縁体3の表面には、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の官能基が導入されていてもよい。
絶縁体膜表面に抗体などを固定化するとき、予め官能基を表面に結合させておくことにより、これら官能基に抗体を結合させ、より安定な固定化を実現したり、あるいは抗体を配向させたりすることが可能となる。
絶縁体3の厚さは、通常10〜1000nmが好ましく、20〜500nmが更に好ましい。絶縁体3が薄すぎるとトンネル電流が流れる恐れがあり、絶縁体3が厚すぎると感度が低下する恐れがある。
本実施形態では、図1(b)に示すように、絶縁体3は対電極2の上面全体を覆うように、本例では略同じ面積で形成されている。
作用電極1は、対電極2に電圧を印加する電極であり、絶縁体3を挟んで対電極2と一体化されている。本実施形態に係る被検物質検知センサー100では、作用電極1は対電極2の形状と非対称に形成されると共に対電極2の材質も相違する。具体的には、作用電極1は対電極2の上面及びそれを覆う絶縁体3よりもサイズが小さく設定、つまり作用電極1は絶縁体3の一部だけを覆うように構成されている。これにより、絶縁体3の表面は部分的に露呈している。作用電極1と絶縁体3との接触面積は対電極2と絶縁体3との接触面積より小さく設定されている。作用電極1の材質としては、金、白金、チタン、アルミニウム等の金属が好ましく用いられ、あるいは導電性プラスチック等を用いることもできる。
作用電極1の形状は、サンプル液の単位体積あたりの接触面積が大きくなるようにすることが好ましい。そうすれば、作用電極がサンプル液の誘電率等の影響を受けやすくなり、サンプル液に含まれる被検物質の濃度を感度良く検知できるからである。
また、サンプル液の単位体積あたりの接触面積を大きくするためには、例えば、作用電極1の形状を多数の開口部を有する形状とすればよい。多数の開口部を有する形状の例には、図9に示すスダレ形、図10に示す同心円形もしくはドーナツ形、図11に示す格子形等がある。
図9に示したような金属でなるスダレ形状の作用電極の場合、その金属の各々の櫛の幅は、10μm〜数百μm程度の細さが好ましい。櫛の幅がこの程度に細いと、電極の開口部面積を広げることができるので、必要に応じて、当該開口部領域の絶縁膜に被検物質認識分子を多く結合させることができる。一方、櫛の幅が10μm未満に細すぎると、作用電極から薄膜状のサンプル液に流れる電流値が減少して、電極としての効果を示しにくくなる。これは、作用電極下の電界の構造が“面”から“線”に変わることにより、シリコン基板や絶縁膜に垂直な電気力線が作用電極下で放射状に分散し、充分に高い電界を得ることができなくなるためと考えられる。
また、金属でなるスダレ形状の作用電極の場合、作用電極間の間隔、すなわち、櫛の間の間隔は100〜200μm程度が好ましい。必要に応じて、当該開口部領域の絶縁膜に被検物質認識分子を多く結合させるためであり、また、十分に広い反応場を提供するためである。
また、作用電極の高さは、サンプル液の単位体積あたりの作用電極の有効接触面積を大きくすることを考えると、0.1μm〜数100μm程度が好ましい。
本実施形態の被検物質検知センサー100は、作用電極1の全体若しくは一部を囲う周壁4を備えている。周壁4は絶縁体3の表面に形成されている。この周壁4と絶縁体3とで溜り部11が画成され、この溜り部11はサンプル液を収容する容器として機能する。
周壁の表面性状としては、被検物質の性状に反発するようにするのが望ましい、被検物質が親水性である場合は、撥水性とするのが好ましく、また、被検物質が親油性である場合は、撥油性とするのが好ましい。これは、周壁を越えて溜り部11の外へ液状の被検物質を流出させないようにするためである。そのような周壁の材質としては、例えば、クラリアントジャパン製AZ5214E等のフォトレジストやPIQ等のポリイミド樹脂などの撥水性樹脂や、テフロン(登録商標)を代表例とするフッ素系樹脂などが適宜使用可能である。なお、このような樹脂を構成材料ではなく周壁表面のコート剤として用いることも可能である。
また、溜り部11に溜まった被検物質の深さは、できるだけ均一とするのが安定したデータを得る上で好ましいので、その底部となる絶縁体3の表面を平坦とするのみならず、周壁4の高さも一定とするのが望ましい。
溜り部11の収容量は、被検物質の電気的な特性により定められるものであるが、下記の実施例のような生体材料の検知に当たっては、0.001〜25μL(マイクロリットル)が好ましく、更には0.1μL〜2.0μLが好ましい。
また、周壁の高さは、作用電極1の高さより高くして、貯留された被検物質により前記作用電極の上面にも被さるようにするのが好ましく、通常は1μm〜2mmから選ばれる一定高さが好ましく、更には2μm〜10μmから選ばれる一定高さが好ましい。
周壁と絶縁膜とで囲われた空間が溜り部11となり、ここに所定量のサンプル液を保持することができる。周壁は撥水性部材である場合、サンプル液、通常は水溶液が溜り部11から上に突出するように盛り上がるが、通常は溜り部外へ流出することはない。
前記溜り部11の平面視形状は特に制限されないが、製造の容易性からすれば、通常は、方形(長方形を含む)又は円形(楕円形を含む)が好ましい。方形の場合の一辺長さ又は円形の場合の直径は、取扱いの容易さ、反応場の広さ、必要なサンプル液量等を考えると、2〜4mm程度が好ましい。
本発明における被検物質検知センサー100には、必要に応じて、絶縁膜上に作用電極1とは別の参照電極6を設けてもよい。参照電極6は、図3に示すように溜り部11中に設けてもよく、図4に示すように溜り部11中に設けてもよい。また、図5に示すように参照電極6を周壁4中に埋め込んでもよい。また、図6に示すように、溜り部11中に作用電極1及び参照電極6を設け、作用電極1と参照電極6とは塩橋7を形成できる周壁4’によって隔離してもよい。また、図7に示すように、溜り部11中に作用電極1及び参照電極6を設け、その作用電極1と参照電極6とを周壁4で完全に隔離してもよい。図8は、図7で示した単セル被検物質検知センサー本体部に配線と電流計と電圧計とを配した接続例を示す図である。図8中の18はポテンシオスタットである。
本発明の被検物質検知センサー100は、公知の半導体製造技術、すなわち、電子ビームリソグラフィやフォトリソグラフィ等によって製造できる。シリコン等よりなる基板状の対電極2、つまりシリコン基板の上表面に絶縁体3を形成して、この絶縁体3の上表面に所望のパターンの作用電極3及び/又は参照電極6(金属)を形成する。作用電極3及び/又は参照電極6の周囲に所望のパターンの周壁4を形成して溜り部11とする。図12は、対電極2、絶縁体3、作用電極1及びフォトレジストでつくられる周壁4の構築を示している。対電極2、絶縁体3、作用電極1及び周壁4は実際には互いに密着している。
前述の図1〜図11の被検物質検知センサー100では、作用電極1の周囲に所望のパターンの周壁4を形成して溜り部11としているが、これらの周壁4に代えて、本実施形態に係る被検物質検知センサー100は図12に示すように構成されてもよい。図12に示す構成例では、作用電極1の上に周壁(前述の周壁4と同じ材料であるが、配置位置が異なるため、以下、壁部4Aと呼ぶ。)が形成されており、この壁部4Aが試料を保持するための開口部4Bを有する。この開口部4B領域の下側に配設される作用電極1の領域に、絶縁体3の表面を露出させるための開口部1Aが形成されている。このため、壁部4Aの開口部4B内に保持される試料液は、作用電極1の開口部1Aを介して、絶縁体3の表面に接する。作用電極1の開口部1Aの形状や数は、図12に限定されるものではなく、例えば、図9に示すスダレ形、図10に示す同心円形もしくはドーナツ形、図11に示す格子形等であってもよい。
作用電極1上に形成される壁部4Aや作用電極1まわりに形成される周壁4は、開口全体を覆う形状の他、例えば壁の一部が切り欠かれて平面視C字型に形成されていてもよい。
こうして得られた被検物質検知センサー100を用いて、単セル被検物質検知センサー本体部を含むパッケージ(図13参照)110、そのパッケージ110にソケット14が付いたユニット(図14参照)120、更には、そのユニット120に囲い15を設け、更に取外し自在の、例えば透明なカバー16がセットされた単セル被検物質検知センサー装置(図15参照)130を組み立てることができる。
具体的には、図13に示すパッケージ110では、ガラスエポキシ基板10上に対電極2が設けられている。この対電極2上には電極パッド8Aと絶縁体3とが形成されている。電極パッド8Aは電極パッド8Bにボンディングワイヤ9Aを介して接続されている。電極パッド8Bはガラスエポキシ基板10を貫通して取り付けられている。絶縁体3上には、作用電極1とそれを囲う周壁4とが形成されている。作用電極1は、絶縁体3上に形成された電極パッド8Cにボンディングワイヤ9Bを介して接続されている。電極パッド8Cは、ガラスエポキシ基板10を貫通して取り付けられた電極パッド8Dにボンディングワイヤ9Cを介して接続されている。
図14に示すユニット120では、図13に示すパッケージ110が固定台50の上面に固定されている。固定台50には、電極パッド8B及び8Dに対応した位置に固定台50を貫通する穴51が形成されている。この固定台50の下方には複数のばね13を介してベース14が取り付けられている。ばね13はベース14から固定台50を引き離すように付勢されている。ベース14には上面から上方へピン状電極12,12が突出している。これらのピン状電極12,12は固定台50の穴51に差し込まれており、ばね13の付勢力に抗して、固定台50をベース側へ押し付けるとピン状電極12,12が電極パッド8B,8Dに接触する。これにより、図示省略する電源装置からの電力が電極パッド8B,8Dを介して被検物質検知センサー100に供給される。
以上説明した本発明の実施形態に係る被検物質検知センサー100では、作用電極1から出ている電気力線のほとんどは絶縁体膜である絶縁体3を通してシリコン基板でなる対電極2に入り込み、いわば作用電極の洩れ電場が検出に寄与することできる。
ここで、図17は本発明に係る被検物質検知センサー100の反応場Rの説明図であり、従来の二端子信号変換素子を有するセンサーの反応場Rが図18に示すように作用電極の上に限られていたのに対して、本発明に係る被検物質検知センサー100での反応場Rは、被検物質に接する作用電極側面から出た電気力線Aのほとんどが作用電極1まわりの絶縁体3を通して対電極2に入り込むように、広く構成される。このように、被検物質検知センサー100によれば、作用電極1まわりの絶縁体膜の広く平坦な領域に一様な電界を印加することができる。
これにより、被検物質検知センサー100によれば従来に比べ高精度で同様な被検物質に対しての電圧が得られるので、安定した電気化学計測データが得られることとなる。
以上の説明は、一の対電極2上に配置される作用電極1の数を一としたが、作用電極1の数は多数であっても構わない。図16は、複数の作用電極1と、それぞれの作用電極1上に溜り部11とが一の対電極2上に設けられる多セル被検物質検知センサーを示す。例として、セルの数が8個の多セル被検物質検知センサー100を示している。この場合、PN接合などを用いて各作用電極間を電気的に分離して、それぞれが独立して検知データを送出できるようにすることが好ましい。
また、本発明の被検物質検知センサー100の溜り部中の絶縁体3には、ヘテロジーニアス法によって抗体や酵素等の被検物質認識分子を予め結合されていてもよく、あるいは、これら被検物質認識分子を結合させることなく、ホモジニアス法として溶液反応に用いてもよい。被検物質認識分子を結合させることで、特定のタンパク質や化学物質などを特異的に検出することができ、バイオセンサーとして用いることができる。
図16に示したような8セル集積型被検物質検知センサー(T0005、実施例1)を製作した。対電極2としては片面に膜厚0.3μmの絶縁体3であるSiO2膜を形成したシリコン基板を用いた。シリコン基板の大きさは15mm角、厚みは550μmである。作用電極1としては厚み0.77μmのスダレ状金電極(図12参照)を用い、溜り部形成用の周壁4としてはフォトレジストレジスト(クラリアントジャパン製AZ5214E)を用いた。フォトレジストの厚みは2μmであり、溜り部の直径は2mmである。なお、比較としては、溜り部11を持たない8セル集積型被検物質検知センサー(T0020、比較例1)を製作した。
本発明の被検物質検知センサー(T0005)と比較用センサー(T0020)の動作特性を調べた。それぞれのセンサーチップを図2に準じて接続して動作特性を調べた。ただし、電源は交流電源としてファンクションジェネレータを用い、電流計の代わりにオシロスコープを用いた。
それぞれのセンサーの反応場に超純水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)及び血清を各々、マイクロピペットで一定量、例えば1μLを滴下し、出力電圧の最大値を比較した。ファンクションジェネレータを用いて電圧50mV、周波数100Hzの正弦波を入力し、その出力電圧をオシロスコープを用いて計測した。オシロスコープの出力電圧は16周期の平均値で表示し、その最大値を自動測定モードで取得した。電圧値の最小単位は4mVである。得られたデータを表1にまとめた。ファンクションジェネレータとして岩通計測株式会社製ファンクションジェネレータSG−4104を用い、オシロスコープとして岩通計測株式会社製デジタルオシロスコープDS−5102を用いた。
Figure 2013242336
サンプル滴下前は両センサーとも標準偏差0.0mVを示し、反応場の均一性が示されている。超純水を滴下したとき両センサーの間に顕著な差は見られなかったが、PBS、血清を滴下した場合には両センサー間の差は大きかった。血清を滴下した場合、比較例1では標準偏差が3.9mVであるのに対して、実施例1では2mVで、比較例1に比べてバラツキが約半分に小さくなっている。さらに、PBSの場合には比較例1では標準偏差が5.8mVであるのに対して、実施例1では1.3mVで、比較例1に比べてバラツキが約1/4に小さくなっている。
出力電圧値のバラツキに大きな差がある要因の一つとして、溜り部11があるとサンプルがセル底部の反応場に接する面積が一定であり、溜り部11がない場合には反応場に接する面積が一定とならないことが考えられる。また、一方で、超純水の場合には、高い表面張力により、溶液が広がらず反応場に接する面積が一定に保たれやすいため、両センサーともに出力電圧値のバラツキが小さかったと推定している。また、溜り部をもたない比較センサーの場合、溜り部をもつ実施例1に比べて出力電圧の平均値が超純水滴下で2.5mV、PBS滴下で4mV及び血清滴下で5mVだけ増大していた。比較センサーの場合は、標準偏差の大きさに加えて、システマティックエラーが含まれていると考えられる。
なお、後述の実施例2では溶媒としてPBSを用いたが、セルを持たない比較例1では、PBSを用いた場合の標準偏差が5.8mVで、グラフ上の最小目盛、つまり2mVを大きく上回る(図19参照)ため、これを抗原抗体反応の高感度検出に使用することは難しい。
(ホモジニアス法、交流計測)
実施例1に示す被検物質検知センサーとして8セル集積型被検物質検知センサーを用い、特定のタンパク質であるα−fetoprotein(AFP)をホモジニアス法と交流計測とで検知と測定とを行った。手順は次の通り。
(1)濃度100ng/mLの抗AFP(α−fetoprotein)抗体のPBS希釈液を、4本の試験管にそれぞれ5μLずつ入れた。このようにして抗体含有の試験管を用意した。
(2)4本の試験管に、AFPを含まないPBSをそれぞれ5μLずつ入れた。このようにして抗体非含有の試験管を用意した。
(3)濃度0.0、1.6、6.25、25ng/mLのAFPのPBS希釈液5μLを上記各シリーズの試験管、つまり抗体含有の試験管と抗体非含有の試験管とに滴下し、攪拌した。その結果、次の8種類の反応液を含む試験管が得られる。
・サンプルA:AFP抗体(100ng/mL)5μL+AFP抗原(0ng/mL)(PBS)5μL
・サンプルB:AFP抗体(100ng/mL)5μL+AFP抗原(1.6ng/mL)5μL
・サンプルC:AFP抗体(100ng/mL)5μL+AFP抗原(6.25ng/mL)5μL
・サンプルD:AFP抗体(100ng/mL)5μL+AFP抗原(25ng/mL)5μL
・サンプルE:PBS 5μL+AFP抗原(0ng/mL)(PBS)5μL
・サンプルF:PBS 5μL+AFP抗原(1.6ng/mL)5μL
・サンプルG:PBS 5μL+AFP抗原(6.25ng/mL)5μL
・サンプルH:PBS 5μL+AFP抗原(25ng/mL)5μL
(4)上記各試験管を密閉し、室温で一昼夜保存した。
(5)上記8種類の反応液を1チップ上の8個のセルに各々0.85μLずつ滴下した。(6)電極間に振幅10V、周波数20Hzの正弦波の電圧を与え、濃度の異なるセルごとに出力電圧を継続的に計測した。
(7)同様の実験を、別の8セル集積型被検物質検知センサーを3つ用いて実行し、平均値を取った。
抗体が存在した場合及び抗体が存在しない場合の、抗原濃度に応じる出力電圧の最大値、すなわち平均値の結果を、次の表2に示す。
Figure 2013242336
表2の結果を、グラフにプロットしたものが図19である。図中の■は抗原のみを含む系を示し、◆は抗原と抗体とを含む系を示す。抗原のみを含む系ではより一定値に近い電圧特性を示す一方で、抗原と抗体とを含む系では抗原濃度の増大に呼応して、出力電圧が低下していることが分かる。これは、抗原抗体双方を含む系の電気特性が抗原抗体反応によるものと考えられる。
なお、この実施例では、被検物質検知センサーの絶縁体3に予め抗体を結合させていないホモジニアス法で行なったが、被検物質検知センサーの絶縁体3に予め抗体を結合させたテロジニアス法を行なうこともでき、また、交流計測に代えて直流計測でも可能である。
図3〜図7は、参照電極の配置に関する例を示したものである。上記のセンサーの製造手順は、すでに説明した内容と同じであるから、ここでは説明を省略する。
図3には、溜り部11の内部に作用電極1のほか参照電極6を設けた構造を示した。作用電極1と対電極2の二つの電極では両者の電位の差を決定することはできても、電極上に分子が付着し、それぞれの電位、特に基板上の電極電位がずれてしまえば、真の電位を決定することはできない。この為、基準としてアースの役割をする、つまり電位が変化しない参照電極6を用意すれば両電極の電位を決定することができる。
また、抗原抗体反応の経時的変化を観測したいとき、作用電極1に一定の電位を与える場合、表面の抗体に抗原が反応し始め、表面の電界が変化したときなどに有用である。なお、配線は図8と同様である。
図4には、溜り部11の外側に参照電極6を設けた構造を示した。
電気化学セルにおける参照電極1の接地位置は作用電極1と対電極2と同じセル内とする。図4、5、7、8のような構造では通常の電気化学的意味の参照電極として役割を果たすことができない。しかし、被検物質検知センサーでは、基板上の作用電極1や参照電極6から出ている電気力線のほとんどは絶縁体膜を通して基板に入り込む。いわば作用電極1の洩れ電場が検出に寄与する。この為、外部に参照電極6を曝しても、対電極2−参照電極6間の電位差は一定に保たれ、参照電極6と作用電極1の電位差を計測することにより、参照電極6の電位を決定することができる。
図5には、周壁4に参照電極6を埋設した構造を示す。
図4と同様な理由で参照電極6として機能するが、図4では参照電極6を露出してあるのに比べて図5では参照電極6を埋設することにより、参照電極6を防護することができた。露出してある場合には、図16のように複数ある電極の内任意の電極を参照電極6として用いることが可能となるが、溜り部11のサンプルや埃により参照電極6が汚れる可能性がある。これを避ける為、予め参照電極6に特化した電極を埋設することにより、安定した電位計測が可能となる。
図6には、溜り部中に作用電極及び参照電極を設け、作用電極と参照電極とは隔壁、すなわち塩橋7で隔離されている構造を示す。
被検物質は主としてタンパク質になり、抗原抗体反応中の荷電状態は、通常問題視されない。しかし、発明者の経験から、イオン性が高く帯電しやすい被検物質、例えば、カルシウムを配位するカルモジュリンなどでは高感度が得られる傾向があるが、帯電している可能性がある。こうしたサンプルについては塩橋を用いてイオン濃度をコントロールすることにより、安定した反応が得られる可能性がある。将来、一検体他項目の検出をするときにイオン交換膜を反応場間に設けることにより、被検物質の交差をある程度回避できると考えられる。
カルモジュリンの場合にはカルシウムイオンの交換膜を設けることが効果的と考える。被検物質にしたがって交換膜を準備する必要がある。一検体他項目検出において、複数の被検物質の大きさが異なる場合には塩橋の大きさや直径を被検物質の大きさに合わせ、選択的に塩橋を通過させることが考えられる。
図7には、溜り部11中に作用電極1及び参照電極6を設け、その作用電極1と参照電極6とは周壁4で完全に隔離されている構造を示す。この場合、参照電極6として機能するが、図7では参照電極6を接地した溜り部11には抗体のみを収容し、作用電極1側の溜り部11には同量の抗体に加えて被検物質の抗原を滴下する。これにより、抗原の量、抗原抗体反応の進行に伴う溶液の誘電率の変化を参照電極と作用電極の電位差により、決定することが可能となる。
1:作用電極
2:対電極
3:絶縁体
4、4’:周壁
5:試料液
6:参照電極
7:隔壁
8A〜8D:電極パッド
9A〜9C:ボンディングワイヤ
10:ガラスエポキシ基板
11:溜り部
12:ピン状電極
13:ばね
14:ソケット
15:囲い
16:カバー
17:開口部
18:ポテンシオスタット
21:作用電極
22:対電極
23:絶縁体
24:周壁
25:試料液
100:被検物質検知センサー
110:パッケージ
120:ユニット
130:被検物質検知センサー装置
R:反応場

Claims (7)

  1. 作用電極と対電極とが絶縁体を介して一体化されてなり、前記作用電極に被検物質が接触することで出力電圧が変化する被検物質検知センサーであって、
    前記作用電極は、前記対電極及び前記絶縁体よりも小さく形成されて、前記絶縁体の表面の一部に設けられており、
    前記絶縁体には前記作用電極を囲う周壁が形成されていて前記周壁が被検物質を収容する溜り部として機能し、
    前記作用電極とは別に参照電極が設けられており、前記参照電極が前記周壁に埋設されていることを特徴とする被検物質検知センサー。
  2. 作用電極と対電極とが絶縁体を介して一体化されてなり、前記作用電極と前記対電極とには電源が接続されて前記作用電極に被検物質が接触することで出力電圧が変化する被検物質検知センサーであって、
    前記対電極は板状に形成され、
    前記絶縁体は前記対電極の上面を覆っており、
    前記作用電極は前記絶縁体の表面の一部に設けられて前記作用電極と前記絶縁体との接触面積が前記対電極と前記絶縁体との接触面積より小さく設定されており、
    前記絶縁体には前記作用電極を囲う周壁が形成されていて前記周壁が前記被検物質を収容する溜り部として機能し、
    前記作用電極とは別に参照電極が設けられており、前記参照電極は、前記周壁に埋設されていることを特徴とする被検物質検知センサー。
  3. 前記作用電極が複数個設けられていて、個々の作用電極にそれぞれ前記溜り部が設けられている請求項1又は2に記載の被検物質検知センサー。
  4. 一つの前記溜り部内に複数の作用電極が配置されてなる請求項1又は2に記載の被検物質検知センサー。
  5. 前記溜り部は、前記作用電極の安定作用を補償する所定量の被検物質を貯留する請求項1又は2に記載の被検物質検知センサー。
  6. 前記溜り部を形成する周壁が撥水性を有する請求項1〜5の何れかに記載の被検物質検知センサー。
  7. 前記溜り部を形成する周壁が撥油性を有する請求項1〜5の何れかに記載の被検物質検知センサー。
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