JP5229849B2 - センサ - Google Patents

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Description

本発明は、二端子素子を信号変換素子として用いるセンサに関する。
タンパク質や化学物質などを検出するセンサは、一般的に分子認識素子および信号変換素子(トランスデューサー)を有し、分子認識素子が化学反応などを検出して、信号変換素子が分子認識素子により検出された信号を電気信号に変換することで、被検出物質を検出する。
このようなセンサの一つとして、電界効果型トランジスタ(FET)を信号変換素子とするセンサがあり、イオン選択性の膜を有するイオン感応性電界効果型トランジスタ(ISFET)を用いるpHセンサや血糖値(グルコース)センサなどが実用化されている。FETを信号変換素子とすることで、既存の半導体製造技術を用いてセンサの小型化および集積化を進めることができる。また、感染症の危機感が高まるなか、従来の抗体検査やウイルス検査よりも迅速かつ高感度で簡便に動作するセンサが求められている。現在、このようなセンサを提供するべく、FETを信号変換素子として使用するバイオセンサの開発が急速に進められており、数多くのバイオセンサが提案されている(例えば特許文献1〜3を参照)。
また、二端子素子を信号変換素子とするセンサも報告されている(例えば、特許文献4を参照)。
特開2005−218310号公報 特開2004−347532号公報 特開2005−229017号公報 特開2004−108815号公報
FETセンサは感度もよく実用性も高くなりつつあるが、一方で種々の課題も有している。例えば、ISFETを信号変換素子とするセンサには、イオン選択性の膜を一定の品質を維持して製造することが困難であるため、素子特性にバラつきが生じてしまうことがある。また、分子認識素子(抗原抗体反応などを検出する電極)の構造の自由度が制限される面もある。また、一般的な構造のMOSFETを信号変換素子とするセンサには、MOSFETを製造する装置は高価であるため、素子の製造コストが上昇してしまうこともある。
一方、二端子の信号変換素子を有するセンサは、FETを信号変換素子とするセンサと比較して、単純な回路構造を有するので、特性のバラつきを抑えることができ、コスト面でも有利になりうる。しかしながら、二端子素子によっては、微少な信号(例えば、電界の変化)を変換することが困難であったため、実用性のあるセンサは提供されてこなかった。また、従来の二端子素子のセンサでは、分子認識素子が溶液に浸されているため、参照電極が必要であり、分子認識素子の構造が著しく制限されてしまうという問題もあった。
本発明は、二端子の信号変換素子を有しながら、FETを信号変換素子とするセンサにも匹敵しうる感度を有するセンサを提供することを目的とする。また本発明は、特性のバラつきが小さく、かつ構造の自由度の高いセンサを、安価に提供することを目的とする。
本発明の第一は、以下に示すセンサに関する。
[1]絶縁膜を含む基板、前記基板の絶縁膜に接触している作用電極、および前記基板に接続している対電極を有する二端子素子を含むセンサ。
[2]前記絶縁膜は、酸化シリコンまたは窒化シリコンである、[1]記載のセンサ。
[3]前記作用電極は多数の開口部を有する、[1]または[2]記載のセンサ。
[4]前記作用電極はメッシュ形電極、櫛形電極、放射状形電極または格子形電極である、[3]記載のセンサ。
[5]前記基板は、半導体または導電体からなる支持基板をさらに含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のセンサ。
[6]前記対電極は、前記支持基板に配置される、[5]記載のセンサ。
[7]前記対電極は、前記絶縁膜に配置される、[1]〜[5]のいずれかに記載のセンサ。
[8]前記二端子素子は、複数の前記作用電極を有する、[1]〜[7]のいずれかに記載のセンサ。
[9]前記基板の絶縁膜に結合された被検出物質認識分子をさらに含む、[1]〜[8]のいずれかに記載のセンサ。
[10]前記被検出物質認識分子は抗体または抗原である、[9]記載のセンサ。
本発明の第二は、以下に示す検出方法に関する。
[11][1]〜[9]のいずれかに記載のセンサを用いて被検出物質を検出する方法であって、前記被検出物質を含みうる溶液を、前記作用電極に提供するステップと、前記提供前と提供後の二端子素子の電気特性の変化から、前記被検出物質を検出するステップと、を含む検出方法。
[12]前記作用電極に提供した溶液の溶媒を、乾燥させるステップをさらに含む、[11]記載の検出方法。
[13]前記電気特性は、前記二端子素子のIV特性である、[11]または[12]記載の検出方法。
[14]前記IV特性のヒステリシスの程度から、前記被検出物質の量を測定するステップをさらに含む、[13]記載の検出方法。
本発明のセンサは、二端子の信号変換素子を有するため構造が単純であり、既存の半導体製造技術で量産することができるので、特性のバラつきが極めて小さい。また、FETセンサに匹敵する感度を示し、さらには安価に製造されうる。
1.本発明のセンサについて
本発明のセンサは、二端子素子を含むことを特徴とする。前記二端子素子は、1)絶縁膜を含む基板、2)前記絶縁膜に接触している作用電極、3)前記基板に接続している対電極を有する。
基板には、少なくとも絶縁膜が含まれる。絶縁膜は、後述する作用電極と対電極とを絶縁する部材である。
絶縁膜の材質の例には、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムおよび酸化チタンなどの無機化合物、ならびにアクリル樹脂およびポリイミドなどの有機化合物などが含まれる。絶縁膜の表面には、水酸基、アミノ基またはカルボキシル基などの官能基が導入されていてもよい。絶縁膜の厚さは、特に限定されないが、10〜1000nmが好ましく、20〜500nmが特に好ましい。絶縁膜が薄すぎると、トンネル電流が流れてしまう可能性がある。一方、絶縁膜が厚すぎると、感度が低下する可能性がある。
基板は、絶縁膜とともに、基板に強度を付与する支持基板を含むことが好ましい。
支持基板の材質は、半導体または導電体であることが好ましい。半導体の例には、シリコン、ゲルマニウムなどのIV族元素、砒化ガリウム、リン化インジウムなどのIII−V化合物、テルル化亜鉛などのII−VI化合物などが含まれる。導電体の例には、アルミニウムやニッケルなどが含まれる。支持基板の厚さは、特に限定されないが、0.1〜1.0mmであることが好ましく、0.3〜0.5mmが特に好ましい。
作用電極は、基板に電圧を印加する電極であり、基板の絶縁膜上に配置され、好ましくは絶縁膜に接触している。作用電極の材質の例には、金、白金、チタンおよびアルミニウムなどの金属、ならびに導電性プラスチックなどが含まれる。
作用電極には、被検出物質を含みうる溶液(つまり、試料溶液)を提供されうるが(後述)、前記試料溶液との単位体積あたりの接触面積が大きくなるようにされていることが好ましい。試料溶液との単位面積あたりの接触面積が大きくなれば、試料溶液の誘電率などの影響を作用電極が受けやすくなり、例えば試料溶液に含まれる被検出物質の濃度などを高感度に測定することができる。
接触面積を大きくするためには、例えば、作用電極を多数の開口部を有する形状とすればよい。多数の開口部を有する形状の例には、メッシュ形、櫛形、格子形、同心円形、放射状形などが含まれる。
図1は、作用電極の形状の例を示す平面図である。図1(A)はメッシュ形の作用電極、図1(B)は櫛形の作用電極を示している。図1において、作用電極140a,140bは、導電性部材142および開口部144を有する。
多数の開口部を有する形状の作用電極を構成する金属の幅(櫛の幅)の平均は、10μm〜数百μm程度であることが好ましい。櫛の幅を狭くすれば、電極の開口部面積を広げることができるので、当該開口部領域の絶縁膜に多くの被検出物質認識分子(後述)を結合させることができる。一方、櫛の幅を狭くしすぎると、作用電極から水薄膜に流れる電流値が減少して、電極としての効果を示しにくくなる可能性がる。作用電極下の電界の構造が“面”から“線”に変わることにより、シリコン基板や絶縁膜に垂直な電気力線が作用電極下で放射状に分散し、充分に高い電界を得ることができなくなるためと考えられる。
また、作用電極を構成する金属間の間隔(櫛の間の間隔)は100〜200μm程度であることが好ましい。検出において試料溶液を乾燥させてできた薄膜が、櫛同士を結合するように、櫛の間の間隔を設定することが好ましい。
さらに、作用電極を構成する金属の高さは、0.1μm〜数100μm程度であることが好ましいと考えられる。高さを大きくすれば、検出において試料溶液を乾燥させてできた薄膜に対する、作用電極からの電気力線の数を増やすことができる。
さらに、開口部を有する形状の作用電極は、提供される試料溶液を保持できる形状を有していることが好ましい。提供される試料溶液は、通常は水溶液であり、その量は特に限定されないが、本発明のセンサでは数μl程度にすることができる。また、作用電極の全体の大きさも特に制限はないが、絶縁膜上に数mm程度の径を有しうる。
多数の開口部を有する形状の作用電極は、市販のメッシュ形電極などであってもよいが、電子ビームリソグラフィやフォトリソグラフィなどにより、基板の絶縁膜上に直接形成してもよい。
一の基板上に配置される作用電極の数は、一であってもよいし、複数であってもよい。一の基板上に複数の作用電極を配置すれば、一のセンサで多検体または多項目の検出を行うことができる。一の基板上に複数の作用電極を配置する場合、PN接合などを用いて各作用電極間を電気的に分離することが好ましい。
対電極は、基板に接続していればよい。ここで接続しているとは、電気的に接続していることを意味し、基板に接触して配置されてもよく、導電性部材を介して接続されていてもよい。また、対電極は接地されていることが好ましい。
対電極は、基板の任意の部位に接続していればよいが、通常は1)支持基板に接続しているか(図2および図3を参照)、または2)作用電極が接触している絶縁膜に接続している(図4を参照)ことが好ましい。対電極が支持基板に接続している場合は、作用電極が配置されている側の面に接続していても、その反対側の面に接続していてもよい。
対電極の材質は特に限定されないが、例えば金属である。インジウムなどの柔らかい金属を半導体基板に密着させてもよいし、金やチタンなどを用いて密着させてもよい。対電極を形成する方法は、特に限定されないが、金属を基板上に蒸着させればよい。
本発明のセンサは、被検出物質認識分子を結合されていてもよい。被検出物質認識分子を結合させることで、特定のタンパク質や化学物質などを特異的に検出することができ、バイオセンサとして用いることができる。被検出物質認識分子の例には、抗体および酵素などが含まれる。
被検出物質認識分子は、センサの任意の位置に結合されていればよいが、好ましくは作用電極が接触している絶縁膜に結合されており、さらに好ましくは作用電極を配置された領域付近の絶縁膜に結合されている。
前述の通り、作用電極は多数の開口部を有する形状を有しうるが、その場合には当該開口部領域の絶縁膜に、被検出物質認識分子を結合させることが好ましい。
作用電極の付近の絶縁膜に被検出物質認識分子が結合されていれば、当該被検出物質認識分子と被検出物質との反応(例えば抗体−抗原反応)による電場の変化が、作用電極に効果的に及ぼされるので、センサの感度が高まると考えられる。
2.本発明の検出方法について
本発明の検出方法は、前述のセンサを用いることを特徴とする。本明細書において「検出」とは、被検出物質の有無を判断することだけではなく、被検出物質の量を測定することも含む。
検出される被検出物質は、溶液に含まれていることが好ましく、溶解されていることが特に好ましい。被検出物質は、例えばタンパク質や化学物質などである。
本発明の検出方法は、1)被検出物質を含みうる溶液(試料溶液)を、二端子素子の作用電極に提供するステップ、および2)溶液を提供する前とした後の二端子素子の電気特性の変化から、被検出物質を検出するステップを含む。
まず、センサに含まれる二端子素子の作用電極に、被検出物質を含む溶液を滴下などにより提供する。提供される溶液の量は特に限定されず、作用電極の構造などに応じて調整されるが、数μlと少量にすることができる。ただし、作用電極が保持しうる量以下にすることが好ましい。
センサの作用電極に提供される試料溶液は、別途に調製された、被検出物質を含みうる溶液と一定の被検出物質認識分子を含む溶液との混合溶液であってもよい。前記混合溶液に含まれる被検出物質と被検出物質認識分子との複合体を検出することによって、被検出物質を検出することができるので、容易な検出法が提供されうる。
二端子素子の電気特性を測定する前に、作用電極に提供した溶液をある程度蒸散させることが好ましいが、必ずしも完全に乾燥させる必要はない。例えば、自然乾燥させることが好ましい。完全には除去されない溶液自体が薄膜電極として作用することができ、溶液の誘電率に応じて二端子素子の電気特性が変化すると考えられる。したがって、被検出物質の濃度による溶液の誘電率の変化が、二端子素子の電気特性を変化させる。
二端子素子の電気特性は、例えば、作用電極に印加された直流電圧、交流電圧またはパルス電圧と、作用電極−対電極間を流れる電流との関係(IV特性)などである。二端子素子の電気特性を増幅するために、FETなどの増幅装置を用いてもよい。二端子素子の電気特性を測定するには、例えば、作用電極に印加された直流電圧を0V付近(例えば、−20〜+20Vの間、好ましくは−5〜+5Vの間)で徐々に変化させて、そのときの作用電極−対電極間を流れる電流を測定すればよい。
本発明の検出方法では、IV特性のヒステリシスの程度に基づいて、被検出物質の量を測定してもよい。つまり、本発明のセンサのIV特性にはヒステリシスが表れることがあるので、試料溶液を滴下する前と、作用電極に試料溶液を提供し、該溶液を乾燥させた後のIV特性のヒステリシスの程度を比較すればよい。ここで「IV特性のヒステリシス」とは、作用電極に印加された電圧を徐々に上昇(または下降)させた後、逆に下降(または上昇)させて元に戻したときに(例えば、−20V→+20V→−20V)、電圧上昇時と下降時とで、電流値が異なる現象をいう。
IV特性のヒステリシスの程度とは、例えば、1)一定の電圧値における、電圧上昇時の電流値と下降時の電流値との差異、2)一定範囲の電圧におけるIV特性曲線の傾きなどを意味するが、特に限定されない。
また、予め取得した、被検出物質の濃度と電気特性との関係を示す検量線を用いれば、被検出物質の濃度を定量することもできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1に係るセンサの構成を示す図である。図2(A)は実施の形態1に係るセンサの斜視図であり、図2(B)および図2(C)は実施の形態1に係るセンサの断面図である。
図2において、センサ100は、基板110、作用電極140および対電極150を有する。基板110は、支持基板120と、支持基板120の片面全面を覆う絶縁膜130とを有する。作用電極140は、絶縁膜130に接触しており、電源(図2(A)では図示しない)に接続されている。対電極150は、支持基板120上に配置されており、基板110の作用電極140が配置されていない側の面に位置している。対電極150は、電流計(図2(A)では図示しない)を介して接地されている。
図2に示されたセンサ100を用いて被検出物質を検出するには、図2(B)に示されるように、絶縁膜130表面の作用電極140を配置された領域に試料溶液160を提供すればよい。このとき、試料溶液160は作用電極140に保持されて拡がらないことが好ましい。この試料溶液160を自然乾燥させた後、作用電極−対電極間の電気特性の変化(例えば、IV特性の変化)を測定することで、被検出物質を検出することができる。
図2(C)は、絶縁膜130表面の作用電極140を配置された領域に抗体などの被検出物質認識分子170を結合させた例を示す図である。作用電極140の開口部領域に被検出物質認識分子170を結合させることが好ましい。このように絶縁膜130上に被検出物質認識分子170を結合させることで、特定のタンパク質や化学物質などを特異的に検出することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、作用電極と対電極を基板の異なる面に配置する例を示した。実施の形態2では、作用電極と対電極を基板の同一の面に配置する例を示す。
図3は、本発明の実施の形態2に係るセンサの構成を示す図である。図3(A)は実施の形態2に係るセンサの斜視図であり、図3(B)および図3(C)は実施の形態2に係るセンサの断面図である。実施の形態1に係るセンサと同じ構成要素については同一の符号を付し、重複箇所の説明を省略する。
図3において、センサ200は、基板112、作用電極140および対電極152を有する。実施の形態1のセンサと同様に、作用電極140は電源に、対電極152は電流計に接続されているが、図示していない。
基板112は、支持基板120と、支持基板120の片面の一部分の面を覆う絶縁膜132とを有する。対電極152は、支持基板120上に配置されており、基板110の作用電極140が配置されている側の面に位置している。
このセンサ200を用いて被検出物質を検出するには、実施の形態1のセンサと同様の手順で検出すればよい。図3(C)に示されるように、絶縁膜132表面の作用電極140を配置された領域に被検出物質認識分子170を結合させてもよい。
(実施の形態3)
実施の形態1,2では、作用電極を絶縁膜上に配置し、対電極を支持基板上に配置する例を示した。実施の形態3では、作用電極および対電極を共に絶縁膜上に配置する例を示す。
図4は、本発明の実施の形態3に係るセンサの構成を示す図である。図4(A)は実施の形態3に係るセンサの斜視図であり、図4(B)および図4(C)は実施の形態3に係るセンサの断面図である。実施の形態1に係るセンサと同じ構成要素については同一の符号を付し、重複箇所の説明を省略する。
図4において、センサ300は、基板110、作用電極140および対電極154を有する。実施の形態1のセンサと同様に、作用電極140は電源に、対電極154は電流計に接続されているが、図示していない。対電極154は、基板110の絶縁膜130上に配置されている。
このセンサ200を用いて被検出物質を検出するには、実施の形態1のセンサと同様の手順で検出すればよい。図4(C)に示されるように、実施の形態1のセンサと同様に、絶縁膜130表面の作用電極140を配置された領域に被検出物質認識分子170を結合させてもよい。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3では、一の基板に一の作用電極を配置する例を示した。実施の形態4では、一の基板に複数の作用電極を配置する例を示す。
図5は、本発明の実施の形態4に係るセンサの構成を示す平面図である。図5において、センサ400は、基板114、複数の作用電極142a〜142iおよび対電極156を有する。基板114は、実施の形態1の基板と同様に、支持基板と、支持基板の片面全面を覆う絶縁膜とを有する。
作用電極142a〜142iは、実施の形態1の作用電極と同様に基板114の絶縁膜上に配置されており、電源と作用電極142a〜142iとの接続を切り替えるマトリックススイッチ410を介して電源に接続されている。
対電極156は、実施の形態1の対電極と同様に基板裏側の支持基板上に配置されており、電流計を介して接地されている。
このセンサ400を用いて被検出物質を検出するには、基板114の絶縁膜表面の各作用電極142a〜142iを配置された領域に試料溶液を提供すればよい。提供した試料溶液を自然乾燥させた後、マトリックススイッチ410を切り替えて、作用電極−対電極間の電気特性の変化(例えば、IV特性の変化)を各作用電極142a〜142iについて測定することで、各作用電極142a〜142iに提供した試料溶液内の被検出物質を検出することができる。このとき、各作用電極142a〜142iに提供する試料溶液をそれぞれ異なるものとすれば、多検体について一度に検出することができる。例えば、各作用電極142a〜142iにそれぞれ異なる濃度の被検出物質を含む試料溶液を提供すれば、一度の検出で検量線を作成することができる。
また、絶縁膜表面の各作用電極142a〜142iを配置された領域に被検出物質認識分子を結合させてもよい。このとき、各作用電極142a〜142iに結合させる被検出物質認識分子をそれぞれ異なるものとして、各作用電極142a〜142iに同一の試料溶液を提供すれば、1検体について多項目の検出をすることができる。
本実施の形態のセンサは、既存の半導体製造技術で、特性のバラつきが極めて小さいものを量産すること、および集積化することができる。
以下、本発明を、実施例を参照してさらに説明する。なお、本発明の範囲は本実施例により限定して解釈されない。
本実施例では、図5に示されるセンサ(実施の形態4)を用いて、リジンを検出した例を示す。
(1)センサ
図5に示されるセンサを作製した。基板の面積は4cm(2cm×2cm)とし、支持基板は厚さ500μmのシリコン基板として、絶縁膜は厚さ300nmの酸化シリコン膜とした。
絶縁膜上に直径5mmの円形の放射状形電極(金属材質;チタンと金の二層構造、櫛の幅;100μm、櫛の高さ;チタン50nmおよび金60nm、櫛の間隔;250μm)を、真空蒸着法により形成して、作用電極とした。
対電極はインジウム電極として、基板の裏面(絶縁膜がない面)の支持基板の全面に配置した。
(2)試料溶液の調製
本実施例では、リジンを検出対象とした。0.01重量%リジン水溶液を原液として、純水で希釈系列(1×10倍,1×10倍,1×10倍,1×10倍,1×1012倍)を作製することで、各種濃度の試料溶液を得た。各試料溶液は、2μlあたり、1.68×1012個(1×10倍希釈)、1.68×1011個(1×10倍希釈)、1.68×1010個(1×10倍希釈)、1.68×10個(1×10倍希釈)、1.68×10個(1×1012倍希釈)のリジン分子を含む。
(3)検出の手順
各試料溶液(2μl)を、作用電極に滴下した。作用電極−対電極間のIV特性を測定した。IV特性の測定は、作用電極に印加する電圧を−20Vから+20Vに、次いで+20Vから−20Vに約1分間かけて変化させて、その間の電流値を測定する(対電極側に設けた電流計で測定した)ことで行った。測定後、各作用電極に提供した試料溶液を3時間かけて自然乾燥させて(気温24℃、湿度30%)、再び作用電極−対電極間のIV特性を各作用電極について同様に測定した。
(4)結果
図6は、比較例として試料溶液を作用電極に提供せずにIV特性を測定した結果を示すグラフである。1回目の測定の結果を破線で、1回目の測定から3時間後に行った2回目の測定の結果を実線で示す(ほぼ完全に重なっている)。いずれの測定においても、作用電極に印加する電圧を−20Vから+20Vに変化させた際のIV曲線(下側の曲線)と+20Vから−20Vに変化させた際のIV曲線(上側の曲線)とが一致しておらず、ヒステリシスが観察された。
図7は、別の比較例として、試料溶液の代わりに純水を作用電極に提供してIV特性を測定した結果を示すグラフである。また、図8は、試料溶液(1×1012倍希釈溶液)を作用電極に提供してIV特性を測定した結果を示すグラフである。いずれの図においても、提供直後の測定結果を破線で;3時間自然乾燥させた後の測定結果を実線で示す。図7および図8から、溶液(水、試料溶液)を自然乾燥させるとIV曲線が変化することがわかる。また、図7および図8から、リジンを含む試料溶液を提供すると、水を提供した場合に比べてヒステリシスの程度が大きくなることがわかる。
図9は、異なる濃度の試料溶液(1×10倍,1×10倍,1×10倍,1×10倍希釈溶液)を作用電極に提供して自然乾燥させた後に、各試料溶液についてIV特性を測定した結果を示すグラフである。リジンの濃度と各IV曲線との関係を調べるため、図9に示される各IV曲線について、左上側のIV曲線の直線様の領域(−20V〜−10V)を近似直線として、当該近似直線に含まれる50の観測データから最小二乗法により求めた当該近似直線の傾き(以下「傾き」という)、および当該近似直線の0Vにおける電流値、つまりy軸切片(以下「切片」という)を求めた。
図9において、右下側のIV曲線にも直線様の領域があるが、この領域は光の影響を受けて変化しやすく、また空亡層の変化も現れているので、左上のIV曲線の直線様の領域から近似直線を求めた。
いずれの領域から近似直線を求めるかは、例えば、基板のシリコンの種類に応じて決められる。基板のシリコンがP型であれば、図9に示されたように、IV曲線の左上の領域から近似直線を求めることが好ましい。一方、基板のシリコンがN型であれば、IV曲線の左上の領域が、光の影響や空乏層の影響を受けやすいので、右下の領域から近似直線を求めることが好ましいと思われる。
図10は、試料溶液2μlあたりのリジンの分子数と、「傾き」または「切片」との関係を示すグラフである。図10から、1.68×1010〜1.68×1012個の範囲ではいずれの曲線もほぼ直線状となっていることがわかる。したがって、本実施例のセンサは、1.68×1010〜1.68×1012個/2μlの範囲でリジンを測定するための検量線を作成できること、すなわち1.68×1010〜1.68×1012個/2μlの範囲であればリジンの濃度を測定できることがわかる。
本発明に係るセンサは、バイオセンサや免疫センサ、イオンセンサ、酵素センサ、DNAチップなどとして使用することができる。特に、本発明に係るセンサは、感染症の検出や、食物の安全性の確認、環境汚染物質の検出などに有用である。
(A)メッシュ形の作用電極の一例を示す平面図、(B)櫛形の作用電極の一例を示す平面図 (A)本発明の実施の形態1に係るセンサの斜視図、(B),(C)本発明の実施の形態1に係るセンサの断面図 (A)本発明の実施の形態2に係るセンサの斜視図、(B),(C)本発明の実施の形態2に係るセンサの断面図 (A)本発明の実施の形態3に係るセンサの斜視図、(B),(C)本発明の実施の形態3に係るセンサの断面図 本発明の実施の形態4に係るセンサの平面図 本発明のセンサを用いて試料溶液を作用電極に提供せずにIV特性を測定した結果を示すグラフ 本発明のセンサを用いて純水を作用電極に提供してIV特性を測定した結果を示すグラフ 本発明のセンサを用いて試料溶液を作用電極に提供してIV特性を測定した結果を示すグラフ 本発明のセンサを用いて試料溶液の希釈系列を作用電極に提供してIV特性を測定した結果を示すグラフ 試料溶液内の分子数とIV曲線の傾きまたはIV曲線の切片との関係を示すグラフ
符号の説明
100,200,300 センサ
110〜114 基板
120 支持基板
130,132 絶縁膜
140 作用電極
142 導電性部材
144 開口部
150〜156 対電極
160 試料溶液
170 非検出物質認識分子

Claims (2)

  1. 半導体または導電体からなる支持基板および前記支持基板の上に形成された絶縁膜を含む基板と、前記絶縁膜の上に配置されており、開口部を有する作用電極と、前記支持基板に接続されている対電極と、を有する二端子素子と、
    前記開口部内に位置する前記絶縁膜に結合された被検出物質認識分子と、をみ、
    前記作用電極と前記対電極との間の電気特性の変化により被検出物質を検出する、
    センサ。
  2. 前記被検出物質認識分子は、抗体または抗原である、請求項記載のセンサ。
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