JP2013224934A - 微量サンプル測定用センサー素子 - Google Patents

微量サンプル測定用センサー素子 Download PDF

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誠 澤村
Tomonobu Nakayama
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Abstract

【課題】微量サンプルに電圧を印加してその電気的特性を測定する、バイオセンサー等として使用することができるセンサー素子の精度を向上し、また測定可能な周波数帯域を直流まで拡張する。
【解決手段】電圧を印加する電極1と電極2の間に従来設けられていた絶縁膜を除去するとともに、液体状のサンプルを付与することで電極1の縁から最短距離で電極2へ到達する導電路が形成されるように、これらの電極と絶縁層を配置した。
【選択図】図2

Description

本発明は微量サンプルの特性測定や分析等に利用することができるセンサー素子に関する。
溶液に対して電気化学的測定を行ったり、また溶液中に存在するDNAやたんぱく質などの生体関連物質の測定を行うなどの多様な用途向けに、特許文献1,2のようなセンサー素子が提案されている。この種のセンサー素子では、2つまたはより多くの電極の間に微少量の溶液をサンプルとして付与し(あるいはそのように付与されたサンプルの溶媒を蒸発させながら/蒸発させた後)、これらの電極間に電圧を印加することによって流れる電流を観測することで上記測定を行う。ここで、電圧を印加した電極の間隔を狭くすることで測定感度を向上させることができるため、例えば図1に示すように、電極間に薄い絶縁層を挟む構造を採用することも提案されている(例えば、特許文献2の図1(b)など参照)。
しかし、図1に示すような構造では電極間に絶縁薄膜が存在するため、以下に示すように制約が多い。
・サンプルの電気特性取得のためには、基本的には交流電源を用いてインピーダンスを測定する必要がある。
・直流電源を用いる場合には、階段状の電圧を印加し、それに対する過渡応答を測定する必要があるが、これは真の直流特性の測定ではない。
・出力として得られる特性は、交流電源と直流電源の何れを用いた場合であっても、サンプルと絶縁層とが直列接続された合成インピーダンスの値だけであり、サンプル自体の特性を直接観測することはできない。
・上述したように測定結果が直列接続インピーダンスとなるため、サンプルのインピーダンスが低い場合には高い測定精度で測定を行うのは困難である。
したがって、測定対象や測定項目によっては、図1に示す従来構造のセンサー素子を使用することは不適切な場合があった。
本発明は、上述の従来技術の問題点を解消し、上述した形式のセンサー素子において、電圧が印加される電極同士が直接には接触しないが、サンプルを付与した際には当該サンプルにこれらの電極が接触するとともに、当該サンプルを経由した導電経路が極めて短距離となるようにすることを、その課題とする。
本発明の一側面によれば、測定対象の液滴が保持される領域と、前記領域内に少なくともその一部が設けられ、前記液滴に電気的に直接接触する第1の電極と、前記領域内に少なくともその一部が設けられ、前記液滴に電気的に直接接触することによって前記第1の電極との間に全行程が前記液滴中を通る導電路が形成されるが、前記液滴がない場合には前記第1の電極と絶縁されている第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間の少なくとも一部に介在する絶縁物とを設けたセンサー素子が提供される。
ここで、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記導電路が実質的に前記第1の電極と前記第2の電極との間の最短経路を通るようにしてよい。
また、前記第1の電極及び前記第2の電極が互いに平行な導電体層であり、絶縁層が前記第1の電極の層と前記第2の電極の層との間に挟まれた導電体層であってよい。
また、前記第1の電極と前記第2の電極が同一面内に設けられた導電体層であってよい。
また、前記領域内の前記第1の電極と前記第2の電極の間に前記絶縁体が設けられていない間隙が存在し、前記間隙に前記液滴が浸入するようにしてよい。
また、前記領域の周りに隆起部を設けることによってセルを形成してよい。
また、前記第1の電極及び前記第2の電極の周囲を、前記液滴に接触する部分を残して絶縁体で被覆してよい。
また、前記セルの内壁に前記第1の電極を設けてよい。
また、前記セルの内壁に前記第1の電極及び前記第2の電極から独立した少なくとも1つの電極を設けてよい。
また、前記第1の電極は前記内壁の内周に設けられた環状の導電体であってよい。
また、第3の電極として使用される環状の別の導電体を更に設けてよい。
また、前記セルを覆う蓋を設けてよい。
また、前記蓋は前記セルの内壁に設けられた前記第1の電極に電気的に接続された導電体を有してよい。
また、前記第1の電極が導電性の基板と前記基板上であって前記領域の外部に前記基板と電気的に接続されて設けられた他の導電体を有し、前記第2の電極は前記導電性の基板上に前記絶縁体を介して設けられてよい。
また、前記領域を囲むことによってセルを画定する壁を前記領域の周囲に設けてよい。 また、前記第2の電極は複数の短冊状の導電体と前記短冊状の導電体を互いに電気的に接続する導電体とを有してよい。
また、前記基板上の前記領域内に前記第2の電極と絶縁された第3の電極を設けてよい。
また、前記領域を覆う蓋を設けてよい。
本発明の他の側面によれば、前記セル中の液滴の上に薄板を載せる、前記セルを形成したセンサー素子上の液滴の被覆方法が与えられる。
ここで、前記薄板は湾曲した状態で前記液滴を覆ってよい。
また、前記セルの周囲に粘着性物質が塗付されている状態で、前記薄板を載せてよい。
また、前記セル中の液滴の上を流動性の低い流体で被覆してよい。
本発明によれば、サンプルが絶縁層で互いに隔離された両電極に接触しているので、絶縁膜のインピーダンスが測定系に直列に入らなくなることから系の抵抗が低くなり、従来に比べて測定が容易になる。また、絶縁層のインピーダンスを測定結果から分離することが不要となることから、サンプル自体の電気特性を直接測定することができる。また、交流特性と直流特性の両方を測定することができるようになる。更には、本発明によれば、電極間距離を絶縁層の厚さ程度(半導体薄膜技術を用いた場合、1nm〜10nm)にまで縮小することができる。これにより、製造プロセスにもよるが、現在までに完成されていて比較的容易に採用することができる製造技術を使用した場合であっても1nm程度までの微小電極間距離を持つ電極間のサンプルの電気特性を直接(つまり、絶縁膜の直列抵抗などの不要成分を分離するための処理なしで)測定できるという、従来にないセンサー素子が与えられる。また、電極への低電圧の印加でサンプルに対して大きな電界を与えることができる。更には、本発明により、複数の電極をある特定の電極から等距離に配置する微小電極間距離構造が可能となる。
従来のセンサー素子の概念図。 本発明のセンサー素子の基本構造を示す概念図。 電界の一様性を向上させた本発明のセンサー素子の概念図。 電極の対称性を向上させた本発明のセンサー素子の概念図。 電極の対称性を向上させた他の構成を有する本発明のセンサー素子の概念図。 先端部分だけがサンプルと接触できるようにした本発明のセンサー素子の概念図。 セル側壁と蓋とを有する本発明のセンサー素子の概念図。 セル側壁の一部を電極で構成した本発明のセンサー素子の概念図。 電極が対称性を持つ様にしたセル構造の本発明のセンサー素子の概念図。 同一平面上多電極構成を有する本発明のセンサー素子の概念図。 層状多電極構成を有する本発明のセンサー素子の他の概念図。 電界の一様性を向上させる、半導体薄膜製造技術を用いたライン−スペース構造を有する本発明のセンサー素子の概念図。 3電極を実現する、半導体薄膜技術を用いたライン−スペース構造を有する本発明のセンサー素子の概念図。 図12または図13のセンサー素子用の蓋の例を示す図。 図12または図13のセンサー素子用の蓋の他の例を示す図。 図15のセンサー素子用の蓋の逆方向の変形例を示す図。 図12または図13のセンサー素子用の蓋の更に他の例を示す図。 図12または図13のセンサー素子用の蓋の更に他の例を示す図。 ラミネート製造技術を用いた本発明のセンサー素子の概念図。 ラミネート製造技術を用いるとともに、電極材料としてITOを用いた本発明のセンサー素子の概念図。 本発明のセンサー素子による測定例を説明するために使用したセンサー素子の概念図。 図21のセンサー素子による測定例の測定結果を示す図。
図2は本発明のセンサー素子の基本構造を示す概念図である。図2に示すように、本発明のセンサー素子では互いにほぼ平行な電極1と電極2との間に絶縁層を設けることで、これらの電極を電気的に分離している。従って、第1と第2の電極はそのままでは相互の電気的接続経路は存在しないが、図示したように両電極間に跨る位置にサンプルを配置することにより、第1の電極と第2の電極間に、その全行程がサンプル中を通る導電路が存在するようになる。なお、図2に示す構成では、絶縁層は下層の電極2の表面の一部だけを覆うが、その上層の電極1は絶縁層表面の縁まで延在している。これにより、図2の構成の場合には、一方の電極から他方の電極への実質的な最短経路上に絶縁膜(以下の各種の構成例では絶縁薄膜と呼ぶこともある)が存在せず、かつ当該絶縁物が存在しない最短経路の全行程が測定対象、つまりサンプル中を通るように構成されている。また、サンプルは液滴の形で当該センサー素子に与えられるが、サンプル中に導電路が形成されると言っても必ずしも液体のままのサンプルに電流を流して測定するとは限らず、溶媒を乾燥させてから測定を行う場合もある。本願においては、このように乾燥した後のサンプルや液滴もそれぞれサンプル、液滴と呼ぶことにする。
図2に示すように、このような最短経路(もちろん、物理的な最短経路は無数に存在し得るが、そのような最短経路のうちの何れかの経路)上に絶縁膜などの導電経路の形成を妨げるものが何も存在しないためにそのような最短経路が導電経路となっていることが好ましいが、必ずしもそのようになっている必要はない。例えばセンサー素子の実装上あるいはその他の何らかの都合によって、両電極間の何れの最短経路上にも何らかの絶縁物が存在するために、その間の導電路が迂回路を通る場合もあり得る。また、サンプル内に絶縁領域が存在するものや、非等方的なサンプルが登場した場合にも、やはり両電極間の何れの物理的な最短経路も導電路となりえない状況が起こることが考えられる。ただし、以下で説明する本発明の各種の態様においては、説明を簡単にするため、両電極間の物理的な最短経路中に両電極間の導電路が存在する場合について図示・説明する。
具体的には、図2に示す本発明のセンサー素子の断面構造では、電極1と電極2の間に絶縁層が介在することによって両電極を互いに絶縁している。しかし、電極1の右端位置と絶縁層の右端位置が一致しているため、サンプルを通って電極1の右端から垂直に電極2へ至る経路は電極1と電極2の間の最短経路となっているとともに、途中に絶縁層が介在していない。
なお、上の説明において、電極1が絶縁層の縁まで延在しているとしたが、これは必ずしも電極1が絶縁層の上の面全体を被覆しているとは限らないことに注意しなければならない。サンプルが付与されることが想定されていない領域では電極1が存在するか否かはセンサー素子の動作には基本的に無関係なので、この箇所については電極材料による被覆を行っても行わなくても良い。また、絶縁層上面のうちのサンプルが付与される箇所でも、その箇所全体を電極1が被覆する必要はなく、原理的には絶縁層の縁のうちのどこか1箇所だけを電極1が被覆するだけで、上述したところの、全行程がサンプル中を通る最短経路を確保できるため、それで十分である。この注意事項は以下で説明する他の構成にも全て当てはまるが、煩雑さを避けるため、以下では各構成例についての個別の説明では当該注意事項は繰り返さない。
これに対して、図1に示した従来技術の構成では、絶縁層が電極2の表面全体を覆っているため、電極1からサンプル中を通って第2の電極へ至る経路が存在しない。なお、図1に示す断面構造の左端は電極1−絶縁層−電極2の3層構造をこれらの層に垂直な面で切断した構造になっていて、その左端部分では電極1の層の下端からこれらの層の面に垂直に電極2の上端へ至る経路は両電極間の最短経路であってしかも途中に絶縁層が介在していない。しかし、このような端部が実際に露出していたとしても、図1に示すように、ここはサンプルが付与される箇所ではないので、最短経路の全行程がサンプル中を通るという条件を満たしていない。
図1に示すような従来の構造のセンサー素子は既に説明したような各種の制約を持っているのに対して、本発明のセンサー素子では電極間に上述したような経路(サンプルを通過する導電路)が存在するため、交流測定と直流測定の両者が可能である。また、測定系に絶縁層のインピーダンスが直列に入ることがないので、測定系の抵抗値が低くなって測定が容易になるとともに、絶縁層のインピーダンスの影響を測定結果から除去する必要がない。また、サンプルを通る両電極間の最短経路長は電極間の距離、つまり絶縁層の厚さと実質的に等しいので、非常に短いものとすることができる。従って、電極間の電圧が低くてもサンプルを通るこの最短経路に沿った電界強度を非常に大きくすることが可能となる。例えば、これに限定するわけではないが、図2の構造を製造する際に半導体薄膜技術を用いた場合には、絶縁層の厚さを1〜10nmという非常に薄いものとすることができる。
なお、本明細書及び図面においては、説明をわかりやすくするため、従来例の構成と本発明の構成の何れについても電極から電源や測定装置への接続のための構造(端子、配線等)は示していないことに注意されたい。このような接続構造は各種のセンサー素子、半導体素子、その他の電子部品等に使用されているものを適宜選択して採用することができる。
図3に、電界の一様性を向上させた本発明のセンサー素子の構造を示す。図2のセンサー素子では電極1と電極2との間の全体に絶縁膜が介在しているが、図3のセンサー素子では電極1と電極2の間の空間の一部には絶縁膜を設けず、間隙が存在するようにしている。図3に示すように、この間隙にサンプルが侵入するので、ほぼ平行な電極1と電極2との間に侵入したサンプルに対してはほぼ一様な電界が印加されることになる。
なお、サンプルをこのセンサー素子に滴下等すると、サンプルが毛細管現象によりこの間隙に浸入する。当然ながら、サンプルの粘性等の特性により、間隙に毛細管現象で入り易いか否かの差が出る。しかし、極端な場合を除けば、図に対して垂直方向にサンプルを流せば、サンプルが空気を押しのけてこの間隙に侵入するので、この空間を多様なサンプルで充填させることができる。
図3に示す構造のセンサー素子は例えば半導体薄膜製造技術を応用することによって製造することができる。すなわち、電極2−絶縁層−電極1からなる図2のような構造(あるいは絶縁層が電極2の全面を被覆しているが、電極1は一部しか被覆していない構造)を作成した後、サイドエッチの大きなエッチング方法を用いて絶縁層をエッチングすることで、電極1の下側の絶縁層のうちの電極1の縁に近い部分を除去した構造が得られる。
図4及び図5に、2つの電極の形状・配置に対称性を持たせることによって、サンプルに印加される電界にも対称性を持たせることができる本発明のセンサー素子の構造を示す。
図4の構造について説明すれば、この断面図から判るように、平板状の電極1と電極2が絶縁薄膜を間に挟んだ状態で同一平面上に横に並んで配置されている。図4の構造においても、電極1の右上角部と電極2の左上角部の間の空間には絶縁薄膜が突出していないので、両角部を結ぶ直線は全行程がサンプル中を通る経路であるとともに、両電極間の最短経路である。この構造を上から見れば、電極1と電極2が左右対称に配置されている。従って、電極1と電極2の境界を中心とした位置にサンプルを付与することで、サンプルから見て両電極が左右対称に配置されているように見えるので、サンプル中の電界にも対称性が現れる。構造の非対称性は新たな静電界を生み出すが、電界が対称的になると、この静電界の影響を排除できる。なお、今後、意識的に非対称的な構造を作ることが有利になる局面が生まれる可能性があるので、上述したような電界の対称性は必ずしも必須であるわけではない。
図5に示す構造のセンサー素子は縦型構造というべきものである。図5の構造は図3に示すところの両電極間に間隙を設けた構造に近いが、図3とは異なり、絶縁薄膜を挟んで同じ大きさの電極1と電極2が左右対称に配置されている。セル中にサンプルを付与した場合にそのサンプル中に上記構造の空隙部が浸漬されるように、空隙部をセルに向けて配置する。この構造は、図4の構造と比べて、より大量のサンプルが与えられる測定に使用するのが好ましい。
なお、図5の構造では両電極間に空隙を設けることにより、この空隙内のサンプルに一様な電界がかかるようにしたが、電界を一様にしなくても良い場合には、図2に示した構造と同様に絶縁薄膜の縁と電極の縁の位置が一致するようにしてもよい。また、セルはサンプルをセンサー素子に付与したとき、その液滴が所望の位置を占めるのを助けるための構造であるが、その詳細説明は図7の構造を説明する際に与える。
図6は図5と同様に縦型の構造を有する本発明のセンサー素子である。このセンサー素子は、電極1と電極2の間に絶縁薄膜を挟んでいて、その先端部分では絶縁薄膜を設けず、両電極が直接に対向する、という点で図5と同じ構造である。図6のセンサー素子では更にセンサー素子先端部分を除いて絶縁性被覆膜で全体を覆うことにより、手で保持したり、あるいは他の機器に取り付けることができるプローブとして構成している。なお、周囲の磁界や電界、あるいはこのような保持・取り付けにより導入されるかもしれない静電容量やインダクタンスが問題になるのであれば、そのような影響を防止するための各種のシールドをこのセンサー素子に施す。
測定に当たっては、例えば基板上に付与されたサンプルの液滴中にこのプローブの先端を浸漬する。これにより、サンプルの任意の部位の電気特性を計測することができる。また、このプローブを使用することで、任意の微小な部分に高電界を与えることや、電極上に固定化した抗原等のレセプター(受容体)をサンプル中の抗体等のターゲット分子と反応させて捕獲することが可能になる。
図7は、セル及び蓋を有する本発明のセンサー素子を示す。図7の上側はセンサー素子の側断面図、また下側は上面図を示す。このセンサー素子は、基板上に蒸着によって形成された電極2の上にほぼ正方形の絶縁層が設けられ、その中央部分を2つの同心円筒状に切り欠いた構造を有している。図7上側の断面図からわかるように、内側の同心円筒状切欠きは絶縁層の上面から平面状の電極2まで貫通している。一方、それよりやや半径の大きな外側の同心円筒状切欠きは絶縁層の上面から電極2へ向かっているが、電極2の表面には到達していないため、2つの同心円筒で絶縁層の内側には図示したように幅が2つの円筒の半径の差に相当する段差が形成される。この段差部分に、内径が上記内側の円筒の半径であり外径が上記外側の円筒の半径であるとともに、断面が矩形(図7上側の断面図参照)である、全体としてリング状(図7下側の上面図参照)の電極1を、例えば絶縁層に電極材料を蒸着することによって設ける。このようにして形成された同心円筒状切欠きとリング状の電極1により形成された凹部(開口部)にサンプルを保持させる。このような構造により、リング状の電極1の内周下端から電極2へ下ろした垂線は、図7から明らかなように、電極1から電極2への最短経路であり、かつこの経路はその全行程に渡ってサンプル中を通る。
ここで、上述のように構成されているセルはセンサー素子上でサンプルを保持すべき領域を囲むことにより、サンプルの液滴を当該領域内に定位させる。従って、サンプル液滴と電極との位置関係は毎回同じになることから、同じサンプルを使用すれば、液滴と電極との接触面積や液滴内の電界分布などの電気的条件が常に一定となるので、測定値のばらつきや操作の巧拙の悪影響を防止、軽減することができる。なお、図を一見すると、セルにはかなりの量の液体が溜まっているように見えるかもしれないが、本発明のセンサー素子は実際にはごく微量(例えば1μL程度、より一般的には1〜3.5μL程度)のサンプルの測定を行うものであり、従って、センサー素子上に付与されたこの微量のサンプルは、その表面張力にもよるが、球形に近い形状の液滴となる。その結果、本発明のセンサー素子に設置することができるセルは液体状のサンプルを内部に貯留する容積を持っている必要は全くなく、球形のサンプルの直径よりもかなり低い高さの段差で囲まれた領域であってよい。具体的にはこのようなサンプル液滴の直径は通常は1mm程度であり、それに対してセルの側壁は2〜10μm程度の高さの、それよりも極めて背の低い壁を使用する。この程度の高さがあれば、側壁で囲まれた領域付近に付与されたサンプル液滴は球状のサンプル液滴がこの側壁内に落ち込むため、液滴を付与した位置が多少ずれてもそれを最終的に適切な位置へ誘導し、またそこから簡単に移動していかないようにできる。従って、このセルは液体溜めや容器とは全く異なる概念に基くものである。
上で説明したセルの構造ではセルの側壁の高さを2〜10ミクロンという非常に低いものとすることができるため、電極などの他の要素を半導体薄膜製造プロセスのライン上で製造する際、セルもこのライン上で一貫して製造することができる。半導体薄膜製造技術の導入により、例えばセルの製造に当たってレジストを用い誤差が1μm以下の製造装置を使用することにより、セル側壁高のみならず、他の要素についても1μm以下の精度でサイズや位置を制御することができるようになる。そのため、サンプルと電極との接触面積を1pmの精度で制御することが可能となる。セル部分の製造プロセスに他の部材を基板などに接着する工程を含むようなプロセスを使用した場合には、厚膜技術を用いたとしてもセル構造の精度は高々50μm程度であり、また、接合部に気泡や隙間が形成される、接着剤などの不純物の混入が起こる等の問題があり、要求される測定精度等によっては測定結果に悪影響を与えることがある。接合部に気泡や隙間が形成されると、そこにサンプルの液体が入り込んでしまい、液体が導電性の場合、液体がそれ自体電極として振る舞い、正確な電極構造・面積が生かせなくなってしまう。
図7には更に、セルに被せる蓋を設けることが示されている。サンプルをセル内に保持させた後、その上からこの蓋を被せてセル内を外部から遮断することにより、サンプルの蒸発を抑制することができる。例えば1μL程度の微量サンプルは短時間(溶媒にもよるが、通常は10分間程度)で蒸発するため、従来は湿度を所定値に制御したインキュベータ内にこのようなセンサー素子を収容することで蒸発を抑制してきた。図7に示すような微小な蓋を設けることによって、インキュベータを使用する必要がなくなる。
なお、図7以降に示す別の構成でもセル及び/または蓋を使用するものが幾つかあるが、上に説明した構造及び技術的意義については一々再説しない。
図8は図7に示す円筒形のセル付きセンサー素子の類似構造を有する本発明のセンサー素子の側断面図(図8上側)及び上面図(図8下側)である。図7の構造ではセル側壁は下から上まで絶縁層で形成され、電極1は電極2の上に形成されているセルの内壁上部に設けられた段差中に設置されていた。これに対して、図8の構造ではセル側壁の下部は絶縁膜を円筒状に切り欠くことで形成された凹部の側壁で形成されているが、セル側壁の上部には絶縁膜は存在せず、断面が矩形で全体としてリング状の電極1が側壁の機能も果たしている。図7と同様、リング状の電極1の内周半径は下側の絶縁膜円筒状切欠きの半径と等しくなっているので、図8からわかるように、電極1から電極2への全行程がサンプル中を通る最短経路が確保されている。
図8の構成では、電極1の上に載置され、これと電気的に接触することにより電極1の一部となる導電体の蓋が設けられている。球状になったサンプルをセル中に収容した後、この蓋を被せるため、導電体の蓋の内面の全面がサンプルに接触する。これにより、サンプルと電極1の接触はリング状の電極1の内面だけではなく蓋の内面でも行われるため、このように一体となった電極1(つまりリング状の電極1+導電性の蓋)とその下側に対向して設置されている電極2との間の電界は、図7に示すようなリング状電極1だけを使用して得られる電界に比べてはるかに均一となる。ただし、図8の構成では蓋の内面から電極2までの距離が大きくなるため、電界強度は小さくなる。なお、蓋の内面全面がサンプルに接触することで理想的な電界が与えられるが、気泡が入る可能性はある。従って、本構成では蓋の内面全面がサンプルに接触することを必須とするものではない。また、言うまでもないことであるが、この蓋は例えば外部を絶縁体で被覆するなど、一部が絶縁体でできていても良い。
図9は、図4に示す対称性の高い電極構造に上述したものと類似のセルを追加した本発明のセンサー素子の側断面図(図9上側)及び上面図(図9下側)である。図9においては電極1と電極2の両者が絶縁薄膜を挟んで横に並んでいるという平面構造を取っているので、これらの電極上に設置されるセル側壁には電極を設けていない。また、9図中の上面図からわかるように、この構造では上述の円筒形の側壁ではなく、電極1と電極2の両者を跨ぐ、上から見て矩形の側壁を設けることで、枡形のセルを形成している。また、図9中の断面図に示すように、このセル中にサンプルの液滴を収容してからその上に載置する蓋を設けている。
図4の電極構造ではサンプルの液滴を2つの電極の丁度真ん中に置くことで、液滴が両方の電極に対して対称性の高い位置関係になる。これにより、液滴中の電界の均一性が高くなる。一方、セル構造を持っていないと、サンプル液滴を電極に対して丁度真ん中などという予め規定した所定の位置関係に置くことが困難である。これにより、セル構造を持っていないセンサー素子では、操作者の熟練度などによって測定結果のばらつきが大きくなるなど、測定結果の安定性が低下しやすい。なお、セルの形状は、枡形、円形その他の任意の形状を取ることができる。
図10は、基板上に形成された平面状の電極3に加えて、複数(この例では2つ)の電極を電極3に平行な同一平面状に設けた構造の本発明のセンサー素子の側断面図(図10上部)及び上面図(図10下部)を示す。図10に示すセンサー素子の構造は図7の構造と類似しているが、円筒状のセル側壁の内側に設置される電極の形状が異なる。すなわち、図7の構造では、基板上に電極2を設け、その上に形成された絶縁薄膜の中央部を円筒状に切り欠き、内側が円筒状のセル側壁を設置することで、電極2上にセルを設置する。そして、セル側壁の内壁上部に、内壁全周に渡る段差を設け、そこにリング状の電極を設置する。これに対して、図10にその構造を示すセンサー素子においては、円筒状のセル側壁の内壁上部の全周ではなく、そのうちの2箇所(図10の場合は互いに180度離れた位置にある2つの小部分)を切り欠き、そこに電極1と電極2を設置している。このようにして、電極3に対して対称な位置関係にある2つの電極(電極1及び電極2)を設けることで、例えば電極1と電極2の一方を参照電極として使用することができる。ここで、電極1と電極2の位置関係は180°に限られるものではなく、より自由度が高い。両者を180°離した場合のメリットは両電極の干渉が少なくなる程度のことであり、あまり重要ではない。なお、図10の構造においても、その断面図に示すように、サンプルをセル内に収容した後このセルに被せる蓋が設けられている。
なお、三電極構造としては、電気化学的な参照電極系に加えて、電界効果トランジスタ(FET)構造がある。具体的には、電極1をソース、電極2をドレインとすると、電極3をゲートとして取り扱い、サンプルと併せて全体が一つのFETとすることが可能である。更には、サンプルとしてカーボンナノ構造を持つ物質や細胞などを用いた場合には、素子全体がFETとして振舞う可能性がある。
また、四電極以上の多電極構造も可能である。図10を例にとれば、円筒状のセル側壁の内壁上部に2つではなくもっと多くの電極を設置することによって、容易に四電極以上の多電極センサー素子を作成することができる。例えばこのような多電極センサー素子をバイオセンサーに使用すれば、各電極上に異なる抗体を固定化して検体をセル内に滴下することにより、検体に含まれるそれぞれの抗原が各電極上の抗体と反応し、通電時に電極毎に異なる電気特性を示す。これにより、バイオセンサーにおける一検体多項目の検出が可能となる。図10以外に、例えば図11及び図13に示す構造は容易に多電極構造に拡張することが可能である。
図11に示す本発明のセンサー素子は図10のセンサー素子と類似した構造を有するが、電極1及び電極2の形状、並びにこれらの電極が設置されるセルの内壁上の位置については図10と異なっている。図11においては、これら2つの電極はともにリング状であり、丁度図7に示すように内壁に設けられた段差にこれらのリングを設置するが、電極3からそれぞれのリング状の電極2、3までの高さが互いに異なっている。すなわち、図11の断面図から判るように、セルの内壁は直径が大、中、小の3種類の同心円筒で切り欠いた3段の階段構造を有し、一番下の段には径が小さい(内径が小円筒の径、外径が中円筒の径)リング状の電極1が、次の段には径が大きい(内径が中円筒の径、外径が大円筒の径)電極2が設置されている。これにより、電極1から電極3への最短経路であって、その全行程がサンプル中を通るものが存在する。また、同様に、電極2から電極3への全行程がサンプル中を通る最短経路が存在する。この構造のセンサー素子は、例えば電極2を参照電極として使用することができる。ただし、電極1〜3は全てサンプルに接しているので、電極3を参照電極とするような特殊な使い方も可能である。なお、図11の断面図に示すように、このセンサー素子にも、液滴をセルに収容した後にセルに被せる蓋が設けられている。
図12には半導体薄膜製造技術を用いて好適に製造することができる、ライン−スペース電極構造を有する本発明のセンサー素子の構造の側断面図(図12上側)及び上面図(図12下側)を示す。本センサー素子においては、上面図に示すような両端で互いに接続された平行な短冊状アルミニウム薄膜を酸化シリコン絶縁薄膜が形成されたシリコン基板上に設け、この導体をアルミ電極1とする。なお、シリコン基板上でアルミ電極1が存在しない領域は、アルミ電極1の形成過程で酸化シリコン絶縁薄膜を除去する。このようにして形成されたアルミ電極1の隣接部にアルミ電極2をシリコン基板上に直接形成する。更に、アルミ電極1以外のシリコン基板表面はアルミ電極2部分も含めてレジストで被覆することで、アルミ電極1部分にセルを形成する。
これにより、アルミ電極2はシリコン基板と電気的に接続されるので、アルミ電極2から半導体であるシリコン基板を経由し、酸化シリコン絶縁薄膜上に載っている短冊状アルミニウム薄膜、つまりアルミ電極1の縁の直近までは導電路が形成されている。ここで図示したように、セル中にサンプルを置くと、サンプルがアルミ電極1の縁部分に接触するため、アルミ電極1とアルミ電極2との間に導電路が形成される。従って、アルミ電極2それ自体はサンプルに直接接触しないが、導電性のシリコン基板と接触することにより、アルミ電極2とシリコン基板とからなる複合電極(以下、複合電極2とも言う)が形成されていると見なすことができる。この複合電極2と酸化シリコン絶縁薄膜とアルミ電極1との関係は、図2に示す電極2と絶縁層と電極1との関係と丁度同じである。すなわち、図12中の断面図から判るように、アルミ電極1を構成する短冊状アルミニウム薄膜はその下の酸化シリコン絶縁薄膜と大きさ・形状がほとんど同じであるので、この短冊状アルミニウム薄膜の縁からシリコン基板(つまり複合電極2)へ至る最短導電路は、実質的にはアルミ電極1から複合電極2への最短物理経路になっている。なお、アルミ電極2の延長上に電気接点を設けることで、このセンサー素子の外部から複合電極2へ電気的接続を取ることができる。
図13には図12に示したライン−スペース電極構造を変化させた櫛形電極を有する本発明のセンサー素子の構造の側断面図(図13上側)及び上面図(図13下部)を示す。図13のセンサー素子は図12のセンサー素子と良く似た構造を有しており、特に図13上側に示す断面図は構成要素の名称以外はほとんど同じである。図12の構造との大きな違いは図13の下側に示す上面図中の電極のパターンである。この上面図を見るに、電極部分(濃色)が左右にクランク上に走る灰色の空隙(下地のシリコン基板が見えている)により、それぞれ櫛型の電極に分離されている。図13の上側に示される断面図中で「ゲート電極」との名称が付されている電極を含めて黒色の電極中の端から偶数番目の電極は同図下側の上面図内の下側(断面図で言えば手前側)の電極であり、「ソース電極」との名称が付されている奇数番目のものは上面図中の上側(断面図では奥側)の電極である。図13でもドレイン電極はセルの周囲を形成するためのレジスト層中に埋め込まれて直接サンプルとは接触しない。しかし、図12と同様に、櫛形電極であるソース及びゲート電極の直下以外の酸化シリコン絶縁薄膜は除去されているため、ゲート電極から半導体であるシリコン基板を経由してソース電極及びゲート電極の縁直下までの導電路は確保されており、ドレイン電極とシリコン基板とが一体になった複合ドレイン電極が形成されている。サンプルをセル中に収容することによって、ソース及びゲート電極はそれぞれの縁から全行程がサンプル中を通る最短経路となる導電路により複合ドレイン電極と電気的に接続される。
なお、図12及び図13に示す構造では蓋が設けられていないが、他の構造と同様、蓋を追加することも当然可能である。もちろん、これまでに説明してきたような蓋と同様の構造のものでよいし、あるいは以下に例示するような別の構造の蓋でもよい。なお、以下の説明では、図12あるいは図13と共通する構造については説明を省略し、また図中でもそのような共通部分の名称のうちで、蓋の説明中で言及しないものについては適宜省略する。
これまでに説明した蓋では、セル中のサンプルの液滴を覆う円形、矩形等の板状体の周囲にリムを設けていたが、例えば、図14に示すようにこのようなリムを持たない単なるガラス板その他の板を蓋として使用することもできる。セル中の液滴は通常はセルのヘリから上に盛り上がっているので、その上に板を載せるだけで液状のサンプルを隙間のない状態でほぼ完全に覆ってその蒸発を抑制することができる。
また、この板に湾曲を持たせることにより、液滴の表面形状に沿って液滴を覆うことができる。あるいは板を非常に薄くして柔軟性を持たせることにより、セルから盛り上がった液体サンプルの液滴上に載せると、この薄板は液滴の表面形状に追随して変形した状態で液滴を覆うことができる。このように、湾曲した薄板で液滴表面を被覆している様子を図15に示す。液体の性質、環境によっては、薄板が逆方向に変形する場合もある。その様子を図16に示す。
また、図17に示すように、セル開口周囲にグリースなどの粘着性物質を塗付しておき、液体サンプルの液滴を形成した後、ガラス等の板を載せることができる。セル表面に対する液体サンプルの濡れ性が高い場合には、グリースにこの液体サンプルに対する濡れ性が低い性質を持たせておくことにより、これが液体サンプルのストッパーとして機能することでセル表面に対する濡れ性の低い液体サンプルの場合と同様な液滴の形成を助ける。更に、板を載せたときグリースに板が付着することで、液体サンプルの上に載った板が低摩擦状態で容易に移動して蓋の位置がずれてしまうことを防止することもできる。
更には、予め蓋として使用できる部材を準備しておく代わりに、図18に示すように、グリース他の流動性の低い流体で液体サンプル液滴の表面を覆うことで、蓋をその場形成することもできる。このような低流動性流体を液滴上に付与するにはスポイトなどを使用してもよいし、あるいは自動的に行いたい場合等にはディスペンサー等の機構を使用することもできる。なお、ここで「流動性が低い」とは「センサー素子の表面が被覆されている必要のある期間内に当該流体が流動して被覆状態が維持できなくなることがない程度に流動性が低い」という意味である。
もちろん、上述の各種の蓋は、図12、図13に示すセンサー素子の構造以外に、本願中で説明されているものを含む多様な構造のセンサー素子に採用可能であることは言うまでもない。
図19はラミネート製造技術を用いて製造することが可能な本発明のセンサー素子の構造の断面図(図19上側)及び上面図(図19下側)を示す。図19の構造を製造する際には、先ず基板(図19ではガラス基板であるが、樹脂でも良い)上にアルミ電極2を圧着あるいは接着する。その後、予め互いに圧着(接着)してからパンチなどでセル用の開口を形成しておいたラミネートフィルムとアルミ電極1との複合体を電極2の上に貼り付ける。小規模な試作・実験などでは接着剤を用いて作製するのが容易であるが、工場ラインでの量産では圧着・接着など様々の手法が使用可能である。この構成ではラミネートフィルムの厚さが電極1と電極2の間の電極間距離となる。この厚さは典型的には数μm〜350μm程度である。
ラミネート製造技術を用いて本発明のセンサー素子を作成することにより、半導体薄膜技術に比べて製造設備が簡単・安価になり、また製造が容易になる。もちろん、想定する各種の条件あるいは今後の技術の進展により製造の費用は多く変化するのではあるが、本願発明者の試算によれば、ラミネートフィルムを使用した本願発明のセンサーの場合は、設備投資も単価も半導体薄膜技術を用いた場合に比べて1/100程度になることが見込まれる。ラミネート製造技術を使用した場合にはセンサー素子を半導体素子ほどの精度で製造することはできないが、その分、製造も容易となる。またこの製造技術により製造したセンサー素子は主にアルミニウムと有機物からできているため、廃棄時に環境負荷が少ないと言う利点がある。例えば、感染症のセンサーに使用した場合など、容易に焼却することができるとともに、焼却後に残された灰は量が少ない上に有害な物質も含まれていない。
図20は図19のラミネート製造技術を用いて製造したセンサー素子において、電極材料としてアルミニウムの代わりにITO(酸化インジウムスズ)を使用した、本発明のセンサー素子の側断面図(図20上側)及び上面図(図20下側)である。このセンサー素子は、ITOを使用する以外は図19のセンサー素子と同一構造であり、また製造方法も同様である。
当業者に周知の通り、ITOは可視光の透過率が90%に及ぶ透光性の導電材料である。図19のセンサー素子の電極としてITOを採用することにより、センサー素子全体を透明にすることができるので、サンプルの電気特性だけではなく、光学特性を同時に測定することができる測定系を容易に構築することができる。例えば、このセンサー素子を生体分子反応の測定に応用した場合、サンプルの電気的測定を行いながら、それと同時に偏光顕微鏡などによる光学的な測定・観測を行うことが可能となる。
ラミネート製造技術を用いて作成したアルミ電極を有する本発明のセンサー素子を製造し、このセンサー素子を使用して生化学的測定を行った実験例を示す。
図21に作成したセンサー素子の側断面図(上側)及び上面図(下側)を主要部の寸法入りで示す。このセンサー素子は図19のセンサー素子と同じく、ガラス基板上にアルミ電極2を設け、その上に絶縁層として機能するラミネートフィルムとアルミ層の二層構造のセルを設置した。セルの上層のアルミ層がもう一方の電極であるアルミ電極1となる。セル半径(内径)は図示したように1mmとした。アルミ電極1とアルミ電極2の間に500mV、50Hzの交流電界を与えて、このセンサー素子内部の両電極間電圧のp−p/2の最大値を取得した。
測定対象のサンプルは、CEA(がん胎児性抗原)を100ng/mLに、固相化抗体を0.66μg/mLに、また標識用抗体を0.2μg/mLに希釈調整した。希釈用の溶媒としてはPBSを使用した。上に示したセンサー素子のセル上に上述の通り希釈調整した固相化用抗体1μLを滴下して乾燥した。その後更に同じ固相化用抗体を1μL滴下した。30分観察後、CEAを1μL滴下して30分間観察した。その後、標識用抗体を1μL滴下して30分観察した。これら都合3回の観察期間(合計90分)の間の上述のようにして測定した両電極間の電圧変化のグラフを図22に示す。図22を見ると、それぞれの試薬の滴下後、出力電圧に変化が見られる。このような変化が検出されたことは、これらの滴下により反応が起こり、また本発明のセンサー素子はその反応によるサンプルの電気特性の微小変化を検出することができることを示唆している。
本発明をこれに限定するものではないが、半導体バイオセンサー素子について見るに、このようなセンサー素子は40年以上に亘り研究開発されてきたにもかかわらず、糖度センサー素子(血糖値センサー素子)、pHセンサー素子以外には商品化されていない。それは、抗原抗体反応の検出に使用した場合に素子の安定性が確保されない為である。本発明のセンサー素子は、大量生産技術により高度な安定性が期待されるバイオセンサー素子として使用することができるので、実用化されれば当該産業の分野に大きな貢献をもたらすことが期待される。例えば、インフルエンザなどの感染症に関しては、現在のところ、簡易なイムノクロマトが使用されるが、充分な感度は得られていない。イムノクロマトの10倍程度の感度が実現されると商品化が可能と考えられているが、本発明のセンサー素子は感度においてイムノクロマトを大幅に凌ぐことが期待されるため、新たな簡易バイオセンサー素子として、早期発見による予防効果が期待できる。21世紀は予防医学、予想医学の時代と言われ、医療費削減のトレンドの中で、経済的・社会的な貢献はきわめて大きいものとなると考えられる。
特開2008−116210 国際公開WO2010/110458

Claims (22)

  1. 測定対象の液滴が保持される領域と、
    前記領域内に少なくともその一部が設けられ、前記液滴に電気的に直接接触する第1の電極と、
    前記領域内に少なくともその一部が設けられ、前記液滴に電気的に直接接触することによって前記第1の電極との間に全行程が前記液滴中を通る導電路が形成されるが、前記液滴がない場合には前記第1の電極と絶縁されている第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間の少なくとも一部に介在する絶縁物と
    を設けた、センサー素子。
  2. 前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記導電路が実質的に前記第1の電極と前記第2の電極との間の最短経路を通る、請求項1に記載のセンサー素子。
  3. 前記第1の電極及び前記第2の電極が互いに平行な導電体層であり、絶縁層が前記第1の電極の層と前記第2の電極の層との間に挟まれた導電体層である、請求項1または2に記載のセンサー素子。
  4. 前記第1の電極と前記第2の電極が同一面内に設けられた導電体層である、請求項1または2に記載のセンサー素子。
  5. 前記領域内の前記第1の電極と前記第2の電極の間に前記絶縁体が設けられていない間隙が存在し、前記間隙に前記液滴が浸入する、請求項1から3の何れかに記載のセンサー素子。
  6. 前記領域の周りに隆起部を設けることによってセルを形成した、請求項1から5の何れかに記載のセンサー素子。
  7. 前記第1の電極及び前記第2の電極の周囲を、前記液滴に接触する部分を残して絶縁体で被覆する、請求項1から6の何れかに記載のセンサー素子。
  8. 前記セルの内壁に前記第1の電極を設けた、請求項7に記載のセンサー素子。
  9. 前記セルの内壁に前記第1の電極及び前記第2の電極から独立した少なくとも1つの電極を設けた、請求項8に記載のセンサー素子。
  10. 前記第1の電極は前記内壁の内周に設けられた環状の導電体である、請求項8または9に記載のセンサー素子。
  11. 第3の電極として使用される環状の別の導電体を更に設けた、請求項10に記載のセンサー素子。
  12. 前記セルを覆う蓋を設けた、請求項6から11の何れかに記載のセンサー素子。
  13. 前記蓋は前記セルの内壁に設けられた前記第1の電極に電気的に接続された導電体を有する、請求項12に記載のセンサー素子。
  14. 前記第1の電極が導電性の基板と前記基板上であって前記領域の外部に前記基板と電気的に接続されて設けられた他の導電体を有し、
    前記第2の電極は前記導電性の基板上に前記絶縁体を介して設けられた、
    請求項1または2に記載のセンサー素子。
  15. 前記領域を囲むことによってセルを画定する壁を前記領域の周囲に設けた、請求項14に記載のセンサー素子。
  16. 前記第2の電極は複数の短冊状の導電体と前記短冊状の導電体を互いに電気的に接続する導電体とを有する、請求項14または15に記載のセンサー素子。
  17. 前記基板上の前記領域内に前記第2の電極と絶縁された第3の電極を設けた、請求項14または15に記載のセンサー素子。
  18. 前記領域を覆う蓋を設けた、請求項14から17の何れかに記載のセンサー素子。
  19. 前記セル中の液滴の上に薄板を載せる、請求項6に記載のセンサー素子上の液滴の被覆方法。
  20. 前記薄板は湾曲した状態で前記液滴を覆う、請求項19に記載の液滴の被覆方法。
  21. 前記セルの周囲に粘着性物質が塗付されている状態で、前記薄板を載せる、請求項19または20に記載の液滴の被覆方法。
  22. 前記セル中の液滴の上を流動性の低い流体で被覆する、請求項6に記載のセンサー素子上の液滴の被覆方法。
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