JP2005090961A - 被検体液特性検知センサ及び被検体液特性検出装置、被検体液特性の検出方法 - Google Patents

被検体液特性検知センサ及び被検体液特性検出装置、被検体液特性の検出方法 Download PDF

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隆聡 礒田
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Abstract

【課題】構造が簡単で小型化可能、半導体製造法により低コスト化を図ることができる利点を有し、被検体液中の物質濃度等を極微量の被検体液を用い極短時間で検知可能な被検体液特性検知センサを提供する。
【解決手段】被検体液特性検知センサ12は、光が照射される基板11と、基板11に所定間隔をおいて配置された電極対14と、を備え、電極対14に被検体液を接触させると、被検体液の濃度あるいは照射される光強度に応じて、抵抗あるいは電圧変化が電極対14に接続したデジタルマルチメータなどの検出部16にて検出でき、電解質溶液、あるいは血液、酵素、タンパク質、細胞・細菌などを含んだ非電解質液体の被検体液を定量・定性分析できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、血液や口腔液、DNA含有液などの被検体液の生化学的特性をその被検体液と接触した電極対間の電気抵抗値あるいは起電力の変化として検出して特徴付けることのできる被検体液特性検知センサ及び被検体液特性検出装置、被検体液特性の検出方法に関する。
従来、マイクロマシン技術の一種として、微量液体の分析、反応、ならびに分離操作に利用する液体マイクロシステム(fluid MEMS:micro electro mechanical system)が知られている。
液体マイクロシステムはマイクロポンプ、ミキサ、バルブ、リアクタ、セパレータ、センサなどの各要素を基板(チップを含む)上に実装し、パッケージ化したものであり、ポストゲノム研究およびプロテオーム研究の発展に欠かせないツールと期待されている。
このような液体マイクロシステムにおける被検体液の化学変化、あるいは物理変化を計測する手段に関連して、例えば以下のような技術のものが知られている。
特許文献1には、あらかじめ反応試薬に発色物質を用い、生成物の色の変化によって濃度を測定する比色分析法による測定方法が開示されている。
特許文献2には、光学顕微鏡に半導体レーザから光が試料中に照射されることにより形成される熱レンズの部分に検出光を入射し、その拡散の程度を測定することにより試料中の物質濃度の検出を行う熱レンズ顕微鏡分析法によるものが記載されている。
特許文献3には、グルコース分解酵素を固定化した膜上にてグルコースを分解させ、これにより生成した過酸化水素の濃度を電極にて計測する尿糖センサが記載されている。
特許文献4には、検体溶液と銀電極の間を、特定の成分を認識する脂質膜で隔て、酒類の味成分を評価する味覚センサが記載されている。
非特許文献1には、マイクロ流路中に流通する赤血球成分に光を照射し、その散乱光をフォトダイオードで計測する方法等が知られている。
特表2002−527744号公報 特開2002−82078号公報 特表2001−506365号公報 特開2001−215183号公報 野田俊彦,高尾英邦,足木光昭,衣斐寛之,澤田和明,石田誠,H15年電気学会全国大会論文集,3,169(2003).
しかしながら、上記従来の技術では以下のような課題を有していた。
(1)特許文献1〜4の液体計測システムでは、被検体液中の特定成分に対して感応する選択性のセンサ部を用いてその濃度などを取得できるが、特定成分に関する一面的なデータしか得られず、唾液や血液などの多様な成分を含む複雑系を特徴付けることが困難で、生体物質に固有の特性を動的に評価することができないという課題があった。
(2)またセンサ部で検出できる物質は、隔膜など固定される酵素などの分子認識材料と、電極部などとの組み合わせにより規定されるためこのようなセンサ部を含むシステムの構成が複雑となって数種類の異なるセンサを平面上のワンチップに小型、集積化するのが難しく、被検体液の多面的な生化学的特性を迅速に測定してその測定処理を効率的に行うことができないという課題があった。
(2)特に特許文献1に記載の発色物質を用いるものでは、測定対象毎にその適正な試薬を設定して準備せねばならず、そのための試薬のコストや設備にかかる費用が高くなって、経済性に欠けるという課題があった。
(3)特許文献2に記載の熱レンズ顕微鏡分析法によるものでは、被検体液に入射した光の光を測定して被検体液中の物質濃度を検出するので、レーザ波長で励起する特定物質あるいは、励起可能なマーカー物質の濃度データを得るものであり、分析評価が限定されるという課題があった。また、レーザによる加熱によりタンパク質、DNA等の生体物質は変性してしまうという問題があった。さらに、設備コストも膨大なシステムになり経済性、汎用性に欠けるという問題もあった。
(4)特許文献3や4に記載のグルコース分解酵素を感応部に用いた尿酸センサや脂質膜を用いた味覚センサでは、特定成分に対する静的な反応挙動を電気的に検知するだけなので、汎用性に欠けるとともに、確実に測定するためにはセンサの維持管理が煩雑で取り扱い性に欠けるという課題があった。また、数十〜数百mLの試料が必要であり、数μLオーダーの分析は不可能であった。
(5)非特許文献1に記載の散乱光をフォトダイオードで計測する方法では、光散乱に対して敏感なヘモグロビンを含む血液にしか適用できず、その光照射に対する電気化学的挙動を介して、血清などの生化学的情報を得ることができないという課題があった。
(6)また、これらのセンサ部を備えた従来の液体マイクロシステムでは、ポンプ、ミキサ、バルブ、セパレータなどの各要素は基板(チップを含む)外に外付けされていため、計測機器や付属機器を別に必要として、小型軽量化を図ることができないという課題があった。
(7)さらに、検体溶液と電極を膜で隔て電極側には塩化カリウム溶液等の電解質で満たすことにより生じる起電力を、参照電極の起電力と比較することによって、溶液中のpH値、無機イオン等を分析する従来のセンサは、限定された特殊な条件のもとでしか有効なデータが得られず、多種の成分で構成される生体物質から有用な情報が取得できないという課題があった。また、この場合も数μLオーダーの分析は不可能であった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、唾液や血液などの多種成分を含む生体物質の生化学的特性を数μLの試料を用いて数秒間で動的に評価することができ、その構造が簡単で半導体作製技術によって高密度集積化が図れる被検体液特性検知センサを提供することを目的とする。
また、ポンプ、ミキサ、バルブ、セパレータなどの各要素を基板内に配置することで小型軽量化して被検体液からその生化学的情報を効率的に取得できる被検体液特性検知装置を提供することを目的とする。
さらに、被検体液が非電解質溶液の場合でもその溶質濃度などを電気信号として直接検出可能として、その生化学的特性を迅速に測定でき、被検体液の光吸収性などに左右されることなく電気化学的挙動を介してその特性データを取得できる被検体液特性の検出方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1記載の被検体液特性検知センサは、光が所定パターンで照射される基板と、前記基板上に所定間隔をおいて配置され血液や口腔液、DNA含有液などの被検体液と接触する電極対と、を備えた構成を有している。
この構成によって、以下のような作用が得られる。
(1)電極対間に照射される所定パターンの光に対応して変動する電極対間に供給された被検体液からその電気的データを取得することができ、これによって被検体液中における特定成分の濃度や唾液や血液などの多種成分を含む生体物質の生化学的特性データを取得してこれを動的に評価することができる。
(2)そのセンサ部を構造が簡単な電極対で形成できるので、このような多数の電極対を半導体作製技術によってシリコン基板上などに高密度に集積させて、高度な複雑な分析が可能な検知システムを構築することもできる。
(3)検体となる被検体液は溶液であればよく、測定に必要な試料量も数〜数十μLと極わずかでよい。また、測定により試料に変性を生じることがなく、前処理等を行う必要もないので、試料の採取など際の取り扱い性や汎用性に優れている。
ここで、基板としては、分析する被検体液によって侵されず、基板上に配置される電極対が電気的に絶縁される絶縁性の素材で形成されたものが用いられ、例えば、各種の合成樹脂製、ガラス製、セラミックス製などを採用することができる。また、基板の形状は、矩形状、円盤状などの種々の形状に形成することができる。
被検体液としては、例えば、NaClなどを含む電解質溶液、グルコースなどを含む非電解質溶液、血液,唾液等の体液、蛋白溶液、DNA,細胞等の懸濁液などを用いることができる。
電極対は、基板上に対向して配置され、電極対の素材としては、例えばPt、Au、Ag、Fe、Ni、Co、Cr、Cu、Al、Ti、Mn、Zn等の金属、ステンレス、ブリキ等の合金などを採用することができる。なかでも、Cuが、被検体液の濃度に対する電流値等の電気特性の相関が大きく、この結果応答感度を高くすることができるため好適に用いられる。
電極対は、基板上に化学蒸着して形成してもよいし、あらかじめ基板上に作成した金属薄膜をドライエッチング、ウエットエッチング、あるいは機械加工等の方法で作成してもよい。また、電極対は同種の金属を配置したり、異種金属を組み合わせて配置してもよい。また、電極対の表面に化学物質をコーティングしたり、吸着等の表面改質処理を施すこともできる。
対向する電極対の辺部間の間隔は、0.3〜11mm、好ましくは0.6〜10mmの範囲とすることが好ましい。これは適用される被検体液や電極の種類などにもよるが、辺部間の間隔が0.6mmより短くなるにつれ、被検体液濃度に対する電流値等の電気特性の相関が小さく応答感度が低下するような傾向が生じ、逆にこの間隔が10mmより長くなるにつれ、データの再現性が低下したり、光の照射による電流値等の電気特性の相関が小さく検出感度が低下する傾向が生じ、これらの傾向は0.3mmより短くなるか、11mmより長くなるとさらに顕著になるからである。
電極対の面積(長さ×幅)は限定されるものではないが、Cu電極の場合は、好ましくは電極対の一方の電極面積が9mm2未満となるような長さ、幅であることが望ましい。この電極面積が9mm2以上では、光強度に対する応答感度が悪くなるという不都合が生じる。また略矩形状の電極対における長辺の長さは限定されるものではないが、好ましくは30mm未満とすることが望ましい。30mm以上では、光に対する応答性が悪くなるという不都合が生じるからである。
電極対に照射される光の強度変化は、電極対間の電気抵抗値の変化として検出される。その応答性は電極対の面積(長さ×幅)、電極間の間隔、ならびに溶液中の物質濃度などによって決定される。
光としては紫外線、赤外線や可視光が適用でき、その照射強度が例えば、0〜8000Luxとなる範囲の所定パターンで変動させる。光の変動パターンとしては、一定光量の光を断続的に繰り返して照射する断続パターンや、一定光量の光を連続的に照射したりサインカーブなどの連続波形状に光量を変動させる連続パターンが適用できる。
光の波長は、被検体液や電極対の種類などにもよるが、200〜800nmとすることが以下の理由から好ましい。すなわち、光の波長が200nmより小さくなると応答感度が低下するような弊害が現れ、逆に800nmを超えると光に対する応答性が消失するような傾向が生じるからである。
電極対が形成された基板は、基板ごと被検体液に浸して測定することができる。あるいは基板に配置された電極対に被検体液を滴下、塗布して測定することもできる。
被検体特性検知センサは、例えば腕時計のようなウェアラブル機器に組み込む、携帯電話に組み込む、デスクトップタイプならびにノート型コンピュータに組み込む、家電製品,ロボット等組み込むこともできる。また、自動車,二輪車,飛行機,列車,船舶,人工衛星等の移動機器に組み込んでもよく、さらに人や動物の皮膚に装着、あるいは体内に組み込んでもよい。
また、電極対からの信号を検出する検出部や判定部、電源を組み込んでもよい。あるいは別途有線で外付けしてもよい。さらに無線等の手段、あるいは伝播等の手段でネットワーク化してもよい。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1に記載の被検体液特性検知センサであって、前記電極対の周囲の前記基板に形成され又は配設された貯留部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)電極対の周囲の基板に形成され又は配設された貯留部を備えているので、被検体液を貯留部に貯留することができ、安定した状態で少量の被検体液の特性を評価することができる。
ここで、貯留部としては、電極対の周囲の基板に形成され被検体液を一時的に保持する窪み状や溝状等に形成された液溜や流路、基板に配設された被検体液を溜めるセル等を用いることができる。
セルは、シリコン基板などに窪み状や溝状、半球状、球状などに形成された被検体液の液溜又は流路となる部分であり、周知の半導体基板作製技術を適用して微細な貯留部を多数配列させることができる。
基板に貯留部を形成する方法は限定されない。例えば、基板の表面に各種エッチング液によるウエットエッチング、各種エッチングガスによるドライエッチング、ドリルによる機械加工、鋳型によるホットプレスなどを施して液溜や流路等の貯留部を形成することができる。また、2枚の板片を準備して、この板片の少なくとも片方の表面に液溜や流路等を形成し、これを貼り合せてセルを形成することができる。
この場合、両板片の貼着方法は、流路等を閉塞したり電極対の表面を汚染したりしない方法であれば限定されない。例えば、溶融圧着法、接着剤による接着法、板片の表面の帯電作用を利用した陽極接合法、ねじなどによる板片同士の圧着固定法などが採用できる。
なお、セル等の貯留部が、略矩形板状や円盤状、球状、半球状に形成され、シリコンや合成樹脂からなる基板上又は積層された基板間に複数アレイ状、格子状に配置されると、形態や種類などの異なる電極対を多数基板上に配置して高密度に集積させることができ、多機能でしかも携帯性に優れたセンサを形成することができ望ましい。また、複数のセンサを集積させることができるので、極少量の被検体液から複数の化学情報、物理情報を同時に取り出すことができ望ましい。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の被検体液特性検知センサであって、光を照射する光源部が、前記基板の上面又は背面に配設された構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)光源部が基板の上面又は背面に配設されているので、どのような場所でも被検体液の特性を測定することができ汎用性に優れるとともに、安定した光が得られるので再現性に優れる。
ここで、光源部としては、例えば、発光ダイオード、蛍光ランプ、紫外線ランプ、赤外線ランプ、半導体レーザなどが適用できる。また光ファイバーによって光源部から導いた光を電極対の表面に照射する方法も採用できる。
基板が光透過性を有しているガラス製や合成樹脂製等で形成されている場合は、光源部は基板の背部に配設することができる。
また、光源部からの光を溶液や固体に一度透過させ、この透過光を電極対へ照射させてもよい。この場合、電極対の表面と、これに接触している被検体液との界面に光が照射されればよく、用いる溶液や個体の種類は限定されない。例えば色素溶液、細胞等の微粒子を懸濁した溶液、コロイド溶液、血液等の着色溶液、あるいはガラス、セラミックス、合成樹脂、体組織等が採用できる。また、蛍光物質からの光を照射してもよい。さらに、光源部からの光を反射板で反射させて照射してもよい。
光の照射パターンは、任意の時間間隔でオンオフさせてもよいし、あるいはタイマー回路を組み込んで自動的に照射パターンを変化させてもよい。また、正弦波などを発生させる発振回路と連動させて照射パターンをコントロールしてもよい。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の被検体液特性検知センサであって、前記電極対に接続され前記電極対間の起電力や平衡電圧値、電流値などの電気的応答パターンを検出する検出部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1の作用に加え、以下の作用が得られる。
(1)電極対に接続された検出部を備えているので、光源部により照射された光の変動に対する被検体液で満たされた電極対間の電位差、あるいは電極対に付加された所定電圧に対する電流値などの電気的応答パターンを検出して、これらから算出される電気抵抗値などの時間変化を求めることで汎用性に優れたデータ化が可能になる。
ここで、検出部としては、電極対間に生じる微小電流値あるいは電圧値を測定可能な種々の測定装置を用いることができ、例えば、電位差計、電流計、電圧計などの機能を有したテスターあるいはデジタルマルチメータ等の測定装置、ホイーストンブリッジ回路が組み込まれた測定装置、前記機能を有するデータロガー装置等を用いることができる。また、A/Dコンバータ等に直接組み込んで、電流あるいは電圧変化をアナログ信号からデジタル信号に変換して測定してもよい。電極対から得られる信号は測定装置にて直接測定できるが、増幅回路等で増幅してから測定したりノイズフィルターを通して信号処理したりすることができ、データの信頼性を高めることができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の被検体液特性検知センサであって、前記検出部が検出した前記電気的応答パターンを予め記憶された応答パターンのデータと比較して前記被検体液の生化学的特性を判定する判定部を備えた構成を有している。
この構成により、請求項4で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)光源部の所定の変動に対する電気的応答パターンを予め記憶された応答パターンのデータと比較して判定する判定部を備えているので、特定成分に対して作用する分子認識材料や試薬などを要することなく、被検体液に照射された光に対する電極対間の電気的応答パターンに基づいて被検体液の生化学的特性を特徴付けることができ、測定の迅速性、経済性に優れている。
(2)特定成分の濃度が既知の血液、あるいは健常者と疾患者の尿、唾液などに対する電気応答パターンを予め多数取得してデータベース化しておき、これを実際に測定される応答パターンと比較して、その合致度を周知のパターン認識方法を適用して算出することで、病理状態などの生体状態の判定を行うことができる。こうして、被検体液が非電解質溶液の場合でもその溶質濃度などを電気信号のパターンとして直接検出して、その生化学的特性を迅速に判定でき、被検体液の光吸収性などに左右されることなく電気化学的挙動を介して被検体液特性の判定を行うことができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1に記載の被検体液特性検知センサであって、前記電極対の表面が、前記被検体液の分析対象物と化学的に相互作用する選択応答性物質で被覆された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)特定成分に対する濃度などの検出感度に優れたセンサとすることができ、被検体液の判定精度を上げることができる。
(2)極少量の被検体液から一度に多数の化学情報が得られるため、例えば、DNAやRNA、ホルモン等の極少量の高価な試料の分析を経済的に行うことができる。
ここで、選択応答性物質としては、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニンなどの糖タンパクの誘導体や、アルカンチオール類(7−carboxy−1−heptanethiol、 8−amino−1−octanethiol,hydrochloride、8−hydroxy−1−octanethiol)、オリゴ糖類の糖誘導体などが適用できる。これらの選択応答性物質は、銅などの電極対の表面にコーティング処理して用いることができる。
本発明の請求項7に記載の被検体液特性検知装置は、センサ基板と、前記センサ基板に搭載された請求項1乃至5の内いずれか1に記載の被検体液特性検知センサと、前記センサ基板の前記被検体液特性検知センサの上流側に搭載された(a)被検体液に酸塩基呈色処理、細胞膜破壊処理、ポリペプチド加水分解処理などの前処理を施す被検体液反応部、(b)被検体液の所定成分を分離濃縮する被検体液分離部、(c)被検体液を前記被検体液特性検知センサに供給する被検体液送液部の内のいずれか1以上と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)ミキサやバルブ、セパレータなどを備えた被検体液反応部、フィルタなどを備えた被検体液分離部、ポンプなどの被検体液送液部の各要素を被検体液特性検知センサを備えた基板に配置することでシステム全体を小型軽量化することができ、汎用性や操作性に優れるとともに、被検体液からその生化学的情報を効率的に取得することができる。
(2)被検体液反応部,被検体液分離部等の各要素は基板上に形成された微小流路にて連結することができるため集積度を高めることができ、被検体液の使用量を極めて少量にできる。
被検体液特性検知装置は、例えば、DNAチップ、DNAアレイなどを有した遺伝子診断システムの検出部に採用することができる。その他、マイクロリアクター、膜分離、液相抽出器、細胞・細菌培養器、液体・気体混合器などを組み合わせて用いることもできる。
被検体液反応部は、例えば、酸−塩基の呈色反応、強酸性水による細胞膜の破壊、ポリペプチドの加水分解反応などを行う部分であり、例えば、基板上にチャンバ状等の液溜と、液溜に接続された複数の流路とを設け、複数の被検体液を液溜内で混合できるようにしたり、基板上に滴下した被検体液に他の被検体液を滴下し、複数の被検体液を混合させることができる。すなわち、複数の被検体液同士を強制的にあるいは接触させて化学反応させることを目的として設けられたものである。
被検体液分離部は、例えば、前記被検体液反応部で反応した生成物である油層と水層、水層−水層、油層−油層からなる多層流界面における混合物から反応物を分離する機能を担う部分であり、具体的には基板上に微小流路を設け、この微小流路に分離剤や吸着剤などを充填して構成され、反応物の分離、濃縮を目的としたものである。
なお、被検体液特性検出装置には、例えば、基板に電極対が配置された、あるいは基板に貯留部を設けて貯留部内の基板に電極対が配置された被検体液特性検知センサを設ける。例えば、被検体液特性検知センサにおいて血液中の無機イオン濃度や尿中に含まれるタンパク質、糖の定量等を行うことができる。これにより、被検体液特性検出装置に化学反応や物質の濃縮、分離機能を付加して、これらの単位操作を簡便にでき、被検体液の使用量が極少量となるようにすることもできる。
被検体液送液部としては、プリント基板やシリコン基板などのセンサ基板や、被検体液特性検知センサの基板の外部からシリンジ等を用いて被検体液を注入する被検体液注入機構、外付けのポンプによって送液するポンプ機構、基板内に搭載されたマイクロポンプを駆動させて送液するマイクロポンプ機構、毛細管現象を利用して流路内に送液する機構、電気分解によって発生する気泡の圧力で被検体液を送液する機構等が採用できる。また、例えば流路中に薄膜状の圧電振動体を配置して、弾性波を発生させ流路中の被検体液を駆動させるようにした液体ポンプや、吸引機構を備えたバキュームピンセットなどを用いることができ、複雑な流路を有した化学分析装置の小型化を容易にして、しかも装置内を流れる被検体液の流量制御を精密に行うことができる。
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の被検体液特性検出装置であって、前記被検体液特性検知センサが、前記センサ基板上に複数搭載された構成を有している。
この構成により、請求項7で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)異なる間隔や種類で形成された電極対を有する複数の被検体液特性検知センサを搭載することにより、光の変動に対する電気的応答パターンに基づいて、複雑成分系で構成される被検体液の生化学的特性を包括的に把握することができ、測定の迅速性に汎用性に優れている。
(2)複数の被検体液特性検知センサをセンサ基板上に集積化できるので、小型化を図ることができる。
(3)電極対を基板上に高密度に集積させた被検体液特性検出装置を構築することができ、被検体液の複雑で高度な分析を行うことができる。
本発明の請求項9に記載の被検体液特性の検出方法は、血液や口腔液、DNA含有液などの被検体液を電極対が配置された基板上に供給し前記電極対に前記被検体液を接触させた後、前記基板上の前記電極対に所定波長の光を所定のパターンで照射する照射工程と、前記照射工程において照射された光の光量変化に対応して検出される前記電極対間の起電力や平衡電圧値、電流値などの電気的応答パターンを検知する検知工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)唾液や血液などの被検体液の電気的応答パターンを簡単な構造の被検体液特性検知センサを適用して動的に評価することができ、被検体液が非電解質溶液の場合でもその溶質濃度などを電気的応答パターン(電気信号)として直接検出することができ、被検体液の特性を検出することができる。
(2)極少量の被検体液を用いてその生化学的特性に対応した電気的応答パターンを検出することができる。また、光を照射した電極対間の電気的応答パターン(電気信号)を測定するので、試料を変性させることが少なく非破壊的な分析を行うことができ、再現性と信頼性に優れる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)電極対間に照射される所定パターンの光に対応して変動する電極対間に供給された被検体液からその電気的データを取得することができ、これによって被検体液中における特定成分の濃度や唾液や血液などの多種成分を含む生体物質の生化学的特性データを取得してこれを動的に評価することができる被検体液特性検知センサを提供することができる。
(2)そのセンサ部を構造が簡単な電極対で形成できるので、このような多数の電極対を半導体作製技術によってシリコン基板上などに高密度に集積させて、高度な複雑な分析が可能な検知システムを構築できる被検体液特性検知センサを提供することができる。
(3)検体となる被検体液は溶液であればよく、測定に必要な試料量も数〜数十μLと極わずかでよい。また、測定により試料に変性を生じることがなく、前処理等を行う必要もないので、試料の採取など際の取り扱い性や汎用性に優れた被検体液特性検知センサを提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)電極対の周囲の基板に形成され又は配設された貯留部を備えているので、被検体液を貯留部に貯留することができ、安定した状態で少量の被検体液の特性を評価できる被検体液特性検知センサを提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)光源部が基板の上面又は背面に配設されているので、どのような場所でも被検体液の特性を測定することができ汎用性に優れるとともに、安定した光が得られるので再現性に優れた被検体液特性検知センサを提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)電極対に接続された検出部を備えているので、光源部により照射された光の変動に対する被検体液で満たされた電極対間の電位差、あるいは電極対に付加された所定電圧に対する電流値などの電気的応答パターンを検出して、これらから算出される電気抵抗値などの時間変化を求めることで汎用性に優れたデータ化が可能な被検体液特性検知センサを提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項4の効果に加え、
(1)光源部の所定の変動に対する電気的応答パターンを予め記憶された応答パターンのデータと比較して判定する判定部を備えているので、特定成分に対して作用する分子認識材料や試薬などを要することなく、被検体液に照射された光に対する電極対間の電気的応答パターンに基づいて被検体液の生化学的特性を特徴付けることができ、測定の迅速性、経済性に優れた被検体液特性検知センサを提供することができる。
(2)特定成分の濃度が既知の血液、あるいは健常者と疾患者の尿、唾液などに対する電気応答パターンを予め多数取得してデータベース化しておき、これを実際に測定される応答パターンと比較して、その合致度を周知のパターン認識方法を適用して算出することで、病理状態などの生体状態の判定を行うことができる。こうして、被検体液が非電解質溶液の場合でもその溶質濃度などを電気信号のパターンとして直接検出して、その生化学的特性を迅速に判定でき、被検体液の光吸収性などに左右されることなく電気化学的挙動を介して被検体液特性の判定を行うことができる被検体液特性検知センサを提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1の効果に加え、
(1)特定成分に対する濃度などの検出感度に優れたセンサとすることができ、被検体液の判定精度の高い被検体液特性検知センサを提供することができる。
(2)極少量の被検体液から一度に多数の化学情報が得られるため、例えば、DNAやRNA、ホルモン等の極少量の高価な試料の分析を経済的に行うことができる被検体液特性検知センサを提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、
(1)ミキサやバルブ、セパレータなどを備えた被検体液反応部、フィルタなどを備えた被検体液分離部、ポンプなどの被検体液送液部の各要素を被検体液特性検知センサを備えた基板に配置することでシステム全体を小型軽量化することができ、汎用性や操作性に優れるとともに、被検体液からその生化学的情報を効率的に取得できる被検体液特性検出装置を提供することができる。
(2)被検体液反応部,被検体液分離部等の各要素は基板上に形成された微小流路にて連結することができるため集積度を高めることができ、被検体液の使用量を極めて少量にできる被検体液特性検出装置を提供することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7の効果に加え、
(1)異なる間隔や種類で形成された電極対を有する複数の被検体液特性検知センサを搭載することにより、光の変動に対する電気的応答パターンに基づいて、複雑成分系で構成される被検体液の生化学的特性を包括的に把握することができ、測定の迅速性に汎用性に優れた被検体液特性検出装置を提供することができる被検体液特性検出装置を提供することができる。
(2)複数の被検体液特性検知センサをセンサ基板上に集積化できるので、小型化を図ることができる被検体液特性検出装置を提供することができる。
(3)電極対を基板上に高密度に集積させた被検体液特性検出装置を構築することができ、被検体液の複雑で高度な分析を行うことができる被検体液特性検出装置を提供することができる。
請求項9に記載の発明によれば、
(1)唾液や血液などの被検体液の電気的応答パターンを簡単な構造の被検体液特性検知センサを適用して動的に評価することができ、被検体液が非電解質溶液の場合でもその溶質濃度などを電気的応答パターン(電気信号)として直接検出することができ、被検体液の特性を検出することができる被検体液特性の検出方法を提供することができる。
(2)極少量の被検体液を用いてその生化学的特性に対応した電気的応答パターンを検出することができる。また、光を照射した電極対間の電気的応答パターン(電気信号)を測定するので、試料を変性させることが少なく非破壊的な分析を行うことができ、再現性と信頼性に優れた被検体液特性の検出方法を提供することができる。
本発明は、光が所定パターンで照射される基板と、前記基板上に所定間隔をおいて配置され血液や口腔液、DNA含有液などの被検体液と接触する電極対と、を備えて被検体液特性検知センサを構成したものである。これによって、被検体液の物質濃度などを検知する被検体液特性検知センサと、これを利用する被検体液特性検出装置に適用でき、被検体液中の物質濃度などを電極対間の電気抵抗値あるいは起電力として検出する原理を利用して、被検体液の定量、検査などを効果的に行うことができる。
すなわち、被検体液特性検知センサを備えた被検体液特性検出装置によれば、電気的に導通していない電極対の両間を被検体液で満たすことで、界面に電気二重層のような電荷が生じ導通状態となる。電極対間の抵抗値は溶質濃度と相関する。また、電極間に微小な電位差が発生する場合は、起電力が被検体液の溶質濃度と相関する。さらに、電極対の表面と被検体液の界面や電極対間の基板の表面と被検体液の界面に光を照射すると分極が生じ、光の強度等によって電荷分布が変化する。その結果、光の照射に応じて電極対間の抵抗値や起電力が応答すると推察される。
このような新規な現象を液体の濃度検出センサなどの被検体液特性検知センサに利用することで、従来の電気化学的測定法の電極や、比色分析システム、熱レンズ分析システムと比べて構造がはるかに簡単になり、半導体作製技術によって極小化および平面上への集積化が可能となるばかりでなく、低コスト化も図れる。
被検体液特性検出装置は電気回路ならびに半導体集積回路に組み込むことが可能であるため、被検体液特性検知センサで得られる化学的な情報を電気信号として処理、伝播等の操作がワンチップ上で可能である。さらに小型、軽量化のため携帯型の端末機器への組み込みが可能となる。
被検体液特性検知センサは、センサ構造が簡単で平面上に小型化が可能であるため、半導体作製技術によって高密度集積化が図れるとともに低コスト化が実現できる。しかも被検体液は電解質溶液でも、非電解質溶液の場合でも、その溶質濃度に応じた電気信号として直接検出可能である。さらに着色された被検体液の場合は、これを透過した光の強度に応じ溶質濃度が電気信号として間接的に検出することが可能であり、このような原理に基づいたマイクロ濃度センサ及び液体微量検出装置などの被検体液特性検出装置、被検体液特性の検出方法を提供することができる。
適用される被検体液の種類は、電極を腐食しないものであれば限定されない。例えば、電解質溶液、非電解質溶液、血液、蛋白溶液、細胞懸濁液などを採用することができる。
以下本発明の一実施の形態について図面を参照しながらさらに具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1の被検体液特性検知センサが搭載された被検体液特性検出装置の平面図であり、図2はその側断面図である。
図1及び図2において、10は実施の形態1に係る被検体液特性検出装置、11は被検体液特性検出装置10の基板、12は基板11に搭載された4基の被検体液特性検知センサ、13は血液や口腔液、DNA含有液などの被検体液がその流入口13aを介して供給され流路を流れて流出口13bから排出される基板11に配設された窪み状のセルからなる貯留部、14は貯留部13内の基板11上に所定間隔をおいて対向して平行配置された略矩形板状の電極対、15は電極対14の上部のケース蓋19aに固定配置され光を貯留部13に向けて照射する白色LED等の光源部、16はソケット16aを介して各電極対14間の電位差、電圧、電流などを計測してその変動パターンや電気抵抗値などを演算する機能を有する検出部、17は各電極対14と検出部16との導通状態を切り換えるための切換スイッチ、18は光源部15を発光させるための外部電源、19は被検体液特性検知センサ12が搭載されたセンサ基板11aを収納して外部光を遮断するためケース蓋19aが覆設されるケース、19bは光源部15が取り付けられケース蓋19aの裏面に配置されたセンサ基板、19cは光源部15のセンサ基板19b上の回路配線に結線され外部電源18と接続されるコネクタである。
被検体液特性検知センサ12は、電解質溶液、あるいは血液、酵素、タンパク質、細胞・細菌などを含んだ超微量の非電解質溶液の試料濃度を定量分析する。被検体液特性検知センサ12は、基板11と、この露出面に離間して形成された被検体液の流入口13aと流出口13bとを連通する内部流路を有した貯留部13が設けられ、貯留部13内部の基板11の露出面に複数の電極対14を備えている。この各電極対14は電極対端子14aならびに電極端子14bに接続している。
本実施の形態1において、基板11は、平面視して矩形状を有する2枚のエポキシ系樹脂製の板片(長さ30mm×幅50mm×厚さ1mm)を貼り合わせたものである。
この基板11は、センサ基板11aの上面に両面粘着テープなどで固定されている。センサ基板11aの上面には回路配線が印刷され、それぞれの基板端子の組み合わせとなるよう導線で接続されている。回路配線はソケット16aを介し、デジタルマルチメータなどの検出部16に接続される。センサ基板11a上の回路に設けた切換スイッチ17を操作することで、測定する任意の被検体液特性検知センサ12を選択して検出部16に導通させることができるようになっている。
貯留部13は、各々が長さ12mm×幅6mm×高さ0.5mmの平面視して矩形状の空間であり、光透過性を有する透明なシリコン製やガラス製等に窪み状に形成されている。貯留部13が配設された基板11の表面には、電極対14が形成されている。電極対14は厚さ0.01mmの銅薄膜で形成され、1つの電極は長さ4mm×幅0.5〜5.5mmであり、各電極間の距離は1〜11mmである。また、貯留部13に連通する各々の流路の長さは10mm、幅は0.5mmであり、高さが0.5mmの半円形の断面形状を有するものである。流入口10aは直径4mm、深さ1mmの円柱状であり、流路を介して貯留部13に連通している。
次に、以上のように構成された被検体液特性検知センサ12の動作を説明する。
流入口13aに被検体液を入れ、流出口13bよりバキュームピンセットにて吸引し、貯留部13内に被検体液を導入する。図1および図2に示すように、基板11を固定したセンサ基板11aをケース19の底部に装着した後、その上部をケース蓋19aで密閉収納して外部光を遮断する。外部電源18から光源部15に所定量の電圧を供給すると、被検体液特性検知センサ12の上部に光が照射される。これにより、照射された光に応じた電極対14間の電流値や電圧値をデジタルマルチメータなどの検出部16で検出して電気的応答パターンを検出することができる。
以下、被検体液特性検知センサ12の動作原理について詳細に説明する。
電気的に導通していない電極対14の両間を被検体液で満たすことで、電極−液体界面に電気二重層のような電荷が生じて導通状態となる。被検体液中の溶質濃度が高くなる程、導通状態が良好になり抵抗値は低下する。このため、電極対の抵抗値は溶質濃度と相関するようになる。また、電極間の被検体液に照射された光の分極作用などによって電極対14間に左右異なる電位差が生じた場合には、この電位差を測定して溶質濃度を推定することが可能である。これは、電極−液体界面に外部から光が照射されると分極が生じるため、左右の電極間で微妙に異なる光の強度などによってそれぞれの電荷分布が変化し、その結果、光の強度に対して抵抗値ならびに起電力が応答するものと推察される。
実施の形態1における被検体液特性検知センサは、従来の電気化学的測定法の電極や、比色分析システム、熱レンズ分析システムと比べて構造がはるかに簡単になり、半導体作製技術によって極小化および平面上への集積化が可能となるばかりでなく、低コスト化も図ることができる。しかも、被検体液特性検知センサは、電気回路ならびに半導体集積回路に組み込むことが可能であるため、センサで得られる化学的な情報を電気信号として処理、伝播等の操作がワンチップ上で可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2の被検体液特性検知センサ及びこれを用いた被検体液特性検出装置について説明する。
図3は実施の形態2の被検体液特性検知センサが搭載された被検体液特性検出装置の正面図である。
図3において、20は実施の形態2の腕時計型に形成された携帯型の被検体液特性検出装置、21は被検体液が液滴状にスポットされる基板57と、基板57面に形成された電極対56a、56bと、を備え、外部の蛍光灯などの光源部から光が照射される被検体液特性検知センサである。
この携帯型の被検体液特性検出装置20では、電解質溶液、あるいは血液、酵素、タンパク質、細胞・細菌などを含んだ非電解質溶液の試料の定性分析、ならびにモニターが可能である。以下にこの詳細について説明する。
携帯型の被検体液特性検出装置20は図示するように、文字盤54、下蓋43からなる腕時計型であり、バンド52aならびに52bにて、腕等に装着できる仕様となっている。文字盤54の裏面には、信号増幅回路が実装された縦20mm×横20mm×厚さ1mmのセンサ基板55が、金属製コネクタ42aならびに42bを介して固定されている。下蓋43上面には、1.5Vボタン型電池41が2つ実装され、センサ基板55の信号増幅回路へ電源を供給する。
被検体液特性検知センサ21は、縦10mm×横10mm×厚さ1mmの基板57上面に一対のくし型形状の電極対56a、56bを有して構成される。電極対56aならびに56bは、幅0.7mm×長さ2mm×厚さ0.01mmの銅薄膜からなり、各銅薄膜の3本が交互に組み合ったくし型形状であり、その電極間隔は0.4mmである。これらの電極対は、それぞれ金属製コネクタ58aならびに58bに接続され、これらを金属製コネクタ42aならびに42bに装着することで、電極対56a,56bの間の電気信号がセンサ基板55の信号増幅回路へ送信される。
センサ基板55は金属製コネクタ40aを介して外部スイッチ53へ、また金属製コネクタ40bを介して信号のアウトプット端子59へ接続している。アウトプット端子59はA/Dコンバータ51を介し検出部及び判定部としての機能を有するコンピュータ40に接続している。
測定の際、外部スイッチ53にて信号増幅回路を起動する。被検体液を電極対56a及び56bの両間へ滴下あるいは塗布すると、電極対に生じた微小起電力や抵抗値などの信号電流や電圧が増幅回路にて増幅され、A/Dコンバータ51にてデジタル変換された後、コンピュータ40(検出部、判定部)へデータが取り込まれる。
なお、実施の形態2における電極対56a、56bを有する基板57の構造やその作用および効果は実施の形態1と略同じであるので、説明を省略する。
なお、実施の形態2の被検体液特性検出装置に適用される被検体液特性の検出方法は、以下のようにして実行される。
まず、照射工程では、被検体液を電極対56a,56bが設けられた基板57に供給し、基板57に所定波長の光を所定のパターンで照射する。次の検出工程では、光の光量変化やオンオフ状態に対応して検出される電極対56a,56b間の起電力や平衡電圧値、電流値などの電気的応答パターンを検出する。
コンピュータ40(検出部、判定部)の記憶装置に既知の成分に対する応答パターンのデータを予め記憶させておくことにより、判定工程では、検出工程で取得された電気的応答パターンをコンピュータ40(検出部、判定部)の記憶装置に予め記憶された既知の成分に対する応答パターンのデータと比較して被検体液の生化学的特性を判定することができる。
(実施の形態3)
図4は実施の形態3の被検体液特性検知センサを備えた被検体液特性検出装置の模式構成図である。
図4において、60は実施の形態3の被検体液特性検出装置、61は被検体液特性検出装置60の基板、62は基板61上に搭載され流入口61aから供給される被検体液を下流側に輸送するためのポンプ機構を備えた被検体液送液部、63は供給される被検体液に分解酵素を添加してポリペプチドの加水分解反応などの前処理を施すための被検体液反応部、64は被検体液をその内部に保持した分離剤や吸着剤などを介して固形分などを分離除去するための被検体液分離部、65は被検体液分離部64を介して被検体液が供給されるセル65a内に電極対65bが配置されセル65a内を照射する図示しない光源部を備えた被検体液特性検知センサである。
実施の形態3の被検体液特性検出装置60では、流入口61aから供給された被検体液が被検体液送液部62を介して、被検体液反応部63、被検体液分離部64を流れる過程で所定条件に最適化処理される。処理された被検体液は、被検体液特性検知センサ65の電極対65bに接続した電極端子部65c、65d間の電流値や電圧値、起電力値などが、図示しない光源部のオンオフなどによって変化する電気的応答パターンに基づいて、その特定成分濃度などを求めることができる。なお、測定後の被検体液は基板61の端部に設けた流出口61bから外部に排出されるようになっている。
以下、前記各実施の形態1〜3における被検体液特性検知センサの電極形態などの条件を定めるためになされた実施例1〜6についてデータを参照して個別に説明する。
(実施例1)
図5は被検体液としてのグリシン溶液の溶質濃度と実施の形態1の被検体液特性検知センサ12を用いて測定された被検体液の電気抵抗値との関係を示したグラフである。
電極対14は、基板11上に厚み0.01mmでメッキした銅薄膜をそれぞれ長さ4mm×幅0.5mmの略矩形状に形成し、両電極間の間隔が0.5mmとなるようにパターニングして、これを基板11上に実装したものである。
ここでは所定量のグリシンを純水に添加して、それぞれ10-4、10-3、10-2、10-1、1mol/Lの各濃度となるように被検体液を調整した後、それぞれの抵抗値を数回づつ測定した。測定に用いた被検体液の液量は50μLで、光の照射強度は7000Luxとした。
図5から明らかなように、被検体液特性検知センサで検出した抵抗値と被検体液のグリシン濃度との間には良好な相関が見られることがわかった。なお、被検体液特性検知センサの電極対14に被検体液が満たされていない場合、電気抵抗の測定値は無限大となって測定不可能であった。
(実施例2)
ここでは、実施の形態2の携帯型の被検体液特性検出装置を用いた実験結果を説明する。
図6(a)は所定の光照射パターンに対応して測定された飲酒後に採取した唾液における電極対間の起電力の時間変化を示す信号パターンを示すグラフであり、図6(b)は飲酒前の唾液における信号パターンを示すグラフであり、図6(c)はアルコールにおける信号パターンを示すグラフであり、図6(d)は被検体液特性検出装置に適用される光の照射パターンを示すグラフである。
本実施例では飲酒後の唾液を電極対(図3の56a、56b)に滴下し、これに図6(d)に示すようなパターンで光照射を一定時間繰り返した場合の各増幅起電力の信号パターンを示している。
電極対は、基板上に厚み0.01mmでメッキした銅薄膜で、長辺の長さ2mm、短辺の長さ0.7mmの略矩形状の電極3本がくし型形状となるようパターニングしたものが交互に入り込むように形成されたものを用いた。なお、電極対間の間隔は0.4mmとした。
選択応答性物質としてのアルカンチオール溶液に電極表面を浸漬後、図3のような携帯型の信号増幅装置に実装した。まず、純水にて口蓋をうがい洗浄し、15分後にアルコール度数25度の焼酎を1mLを飲酒し、15分後、唾液をシリンジにて採取した。これを被検体液特性検知センサ上に50μL滴下し、図6(d)に示すように5秒間室内光に曝露、5秒間遮断という間隔で計8回起電力を連続して約40秒間測定した。ここで光照射は室内の蛍光灯下(約400Lux)にて行った。 また、飲酒直前の唾液(図6(b))、ならびに焼酎そのものの測定結果(図6(c))を示した。
図6(a)の信号パターンから明らかなように、被検体液特性検知センサで測定した飲酒後の唾液の光照射に対する起電力応答性は、緩和時間の長い特徴的な波形パターンが見られる。 これに対し、図6(b)に示した飲酒前の唾液の信号パターン、ならびに図6(c)に示したアルコールそのものの信号パターンでは緩和時間が短いため、図6(a)の試験例とは異なるステップ状の信号パターンとして区別でき、携帯型の被検体液特性検出装置を用いて、飲酒状況が判定できることが分かった。
本実施例においては、5秒間室内光に曝露、5秒間遮断という間隔で計8回起電力を連続して約80秒間測定を行ったが、測定結果が安定しているため、繰り返し回数2〜4回程度(測定時間約10〜20秒)の短時間で測定することが可能である。従って、50μL程度の極微量の被検体液を用いて極めて短時間で被検体液の特性が検知できることが明らかになった。
なお、図6(d)に示すオンオフを繰り返す光照射パターンは一例であって、測定すべき成分の種類や特性に応じてオン時の照射強度を段階的又は直線状に増減したり、正弦波状などに変動させたりする種々の光照射パターンを適用して、動的かつ多面的に被検体液の生化学的特徴などを検出して評価判定することができる。
(実施例3)
電極対間の間隔Bの値を種々変えた被検体液特性検知センサを用いて種々の濃度の被検体液を接触させた電極対間の抵抗値を測定した結果を表1に示す。またこのデータを基に、検体溶液の濃度と電極対間の抵抗値の関係を図7にまとめた。
なお、以下の実施例3〜5において、被検体液特性検知センサの電極対は、その厚みDを有して長辺の長さL、短辺の長さHの略矩形板状に形成され、この電極対間が間隔Bとなるように配置されている。
被検体液特性検知センサの矩形状の電極は厚みDが0.01mmの銅薄膜で、長辺の長さLが3.5mm、短辺の長さHが0.3mmであり、両電極の間隔BがB1=0.33mm、B2=0.61mm、B3=3mm、B4=5.4mm、B5=7mm、B6=11mmの形状とした。
被検体溶液としてはNaCl水溶液を用い、それぞれ10-4、10-3、10-2、10-1、1mol/LのNaCl濃度の被検体液50μLを被検体液特性検知センサ上に滴下し、7000Luxの光照射下にて電極間の抵抗値の測定を実施した。
Figure 2005090961
図7及び表1に示されるように電極対同士が互いに接することなく、電気的な絶縁構造が形成されていれば、被検体液の濃度と被検体液特性検知センサの抵抗値との間に相関性が見られる。実施例3の条件のもとでは、電極間の間隔Bは10mm未満とすることが好ましいことがわかった。電極間の間隔Bが10mm以上では、希薄溶液(10-3mol/L以下)での再現性をとることが困難であるという不都合が生じるからである。
(実施例4)
電極幅を変えた被検体液特性検知センサを用いて種々の濃度の被検体液を接触させた電極対間の抵抗値を測定した結果を表2に示す。またこのデータを基に、被検体液の濃度と電極対間の抵抗値の関係を図8にまとめた。
被検体液特性検知センサの矩形状の電極はその厚みDが0.01mmの銅薄膜で、長辺の長さLが3.5mm、両電極の間隔Bが0.7mmであり、短辺の長さ(幅)HがH1=0.2mm,H2=0.23mm,H3=1.3mm,H4=2.6mm,H5=5.3mm,H6=5.3mmの形状とした。
被検体液としてはNaCl水溶液を用い、それぞれ10-4、10-3、10-2、10-1、1mol/LのNaCl濃度の被検体液50μLを被検体液特性検知センサ上に滴下し、7000Luxの光照射下にて抵抗値測定を実施した。
Figure 2005090961
図8及び表2に示されるように電極対同士が互いに接することなく電気的な絶縁構造が形成されていれば、どのような形状(面積)の被検体液特性検知センサについても、被検体液の濃度と被検体液特性検知センサの抵抗値との間には相関性が見られる。ただし本実施例のように電極間の間隔Bが1mm以下と極接近している構造の場合、電極の幅Hは2.6mm未満(電極の面積は9mm2)が好ましいことがわかった。電極間の間隔Dが2.6mm以上(電極の面積は9mm2)では、抵抗値が低すぎるため検体溶液濃度との相関性が見られなくなるという不都合が生じるからである。
(実施例5)
電極長を変えた被検体液特性検知センサを用いて種々の濃度の被検体液を接触させた電極対間の抵抗値を測定した結果を表3に示す。またこのデータを基に、被検体液の濃度と電極対間の抵抗値の関係を図9にまとめた。
被検体液特性検知センサの矩形状の電極はその厚みDが0.01mmの銅薄膜で、短辺の長さHが0.27mm、両電極の間隔Bが0.7mmであり、長辺の長さLがL1=0.26mm,L2=1.7mm,L3=3.4mm,L4=9mm,L5=28mm,L6=41mmの形状とした。
被検体液としてはNaCl水溶液を用い、それぞれ10-4、10-3、10-2、10-1、1mol/LのNaCl濃度の被検体液50μLを被検体液特性検知センサの電極対上に滴下し、7000Luxの光照射下にて抵抗値測定を実施した。
Figure 2005090961
図9及び表3に示されるように電極対同士が互いに接することなく電気的な絶縁構造が形成されていれば、被検体液の濃度と電極対間の抵抗値との間には相関性が見られる。ただし本実施例のように電極間の間隔Bが1mm以下と極接近し、ならびに電極の短辺の長さ(幅)Hが1mm以下と微小な構造の場合、電極の長辺の長さLは28mm未満とすることが好ましいことがわかった。電極間の間隔Bが1mm以下で電極の長辺の長さが28mm以上(電極の面積は8mm2)では、抵抗値が低く検体溶液濃度との相関性が著しく低下するという傾向がみられたからである。
以上の実施例3〜5に示したように測定対象となる微量成分や各被検体液の種類や形態、電極材質及びその配置形態などの条件に応じて、その測定を効率的かつ確実に行うことのできる最適条件を、電極対における縦横の長さL、H、両電極の間隔B、面積Aなどの関係を変動させて実験的に求めることができる。
(実施例6)
分子認識物質(選択応答性物質)を被検体液特性検知センサの電極対の表面にコーティングさせた場合のセンサの応答率Sを測定比較した。
図10に作製した被検体液特性検知センサの集積化チップの模式図を示す。図10において、被検体液特性検知センサは、樹脂チップ上(30×30mm、厚1mm)の図中の鍵括弧で示す(縦横10×10mm)の領域に 、4対(Cu;厚みD0.01mm、短辺の長さH0.2mm、長辺の長さL3.5mm)の電極をその電極対間の間隔(距離)Bが0.7mmとなるように配置して集積化した。
被検体液特性検知センサの電極対のひとつは表面未処理(Cuのまま使用)とした(以下、センサ1という)。残りの3対には、各々7−carboxy−1−heptanethiol(No.2:カルボキシC7SH)、 8−amino−1−octanethiol, hydrochloride(No.3:アミノC8SH)、8−hydroxy−1−octanethiol (No.4:ヒドロキシC8SH)の水溶液を選択応答性物質として用いて、これを各々の被検体液特性検知センサの電極表面に被覆し表面処理を施した。以上のような表面処理を施した電極対を有するセンサを、以下センサ2〜4という。
なお、このような電極表面を分析対象物と化学的に相互作用する選択応答性物質で被覆する表面処理は具体的には、処理する電極以外の部分をマスクし、処理溶液に数分〜数時間浸漬するようにしてなされる。
測定はまず、後述する応答率Sを算出するために純水をセンサ1〜4が同時に浸漬するように(図10中の試料測定部位5) に100μL滴下し、センサ1〜4における抵抗値Rwを測定した。
次に、試料溶液を100μL滴下し、センサ1〜4におけるそれぞれの電極間の抵抗値Rsを測定した。なお、ここでは、一定光量の照射下での応答率のデータを示しているが、このセンサ1〜4に図示しない光源部を介して照射される光のオンオフなどを行ってそれぞれに対応する応答率の挙動のデータを取得して、被検体液特性検知センサを多数搭載した被検体液特性検出装置を構成するための基礎データとすることができる。
検体試料にはNaCl及びグリシン水溶液(各0.01mol/L)、ならびに合成DNAであるポリシトシン(Poly−C)及びポリアデニン(Poly−A)水溶液(各0.07%)を用いた。
センサ性能は、以下に示す応答率Sを指標として評価した。
S(%)=(1−Rw/Rs)×100(Rw:純水での抵抗値、Rs:試料溶液の抵抗値)
図11は、被検体液特性検知センサ(センサ1〜4)の応答率を示すグラフである。
図11の実験例などに示されるように、センサ2〜4のように表面を選択応答性物質で被覆した電極対を有する集積化した被検体液特性検知センサでは、光のオンオフに対応した応答率Sなどのパターンを取得してその物質相互作用の違いを利用して、様々な物質の認識が可能であり、数10〜100μLの試料を数秒で検査できることが分かった。
本発明は、このような新規な電気化学的現象を被検体液の濃度検出センサに利用することで、従来の電気化学的測定法の電極や、比色分析システム、熱レンズ分析システムと比べて構造がはるかに簡単になり、半導体作製技術によって極小化および平面上への集積化が可能となるばかりでなく、低コスト化も図れる。しかも前記装置は電気回路ならびに半導体集積回路に組み込むことが可能であるため、センサで得られる化学的な情報を電気信号として処理する操作がワンチップ上で可能となる。さらに小型、軽量化できるため携帯型の端末機器へ組み込んで用いることができる。
実施の形態1における被検体液特性検出装置の平面図 実施の形態1における被検体液特性検出装置の側断面図 実施の形態2における被検体液特性検出装置の正面図 実施の形態3における被検体液特性検出装置の模式構成図 グリシン溶液の濃度と溶液の電気抵抗値とのグラフ (a)飲酒後に採取した唾液の起電力を示す信号パターンを示すグラフ (b)飲酒前の唾液の信号パターンを示すグラフ (c)アルコールの信号パターンを示すグラフ (d)光の照射パターンを示すグラフ 電極対間隔を変化させた場合の被検体液濃度と抵抗値のグラフ 電極幅を変化させた場合の被検体液濃度と抵抗値のグラフ 電極長を変化させた場合の被検体液濃度と抵抗値のグラフ 被検体液特性検知センサの集積化チップの模式図 被検体液特性検知センサの応答率を示すグラフ
符号の説明
10 実施の形態1の被検体液特性検出装置
11 基板
11a センサ基板
12 被検体液特性検知センサ
13 セル
13a 流入口
13b 流出口
14 電極対
14a、14b 電極端子
15 光源部
16 検出部
16a ソケット
17 切換スイッチ
18 外部電源
19 ケース
19a ケース蓋
19b センサ基板
19c コネクタ
20 実施の形態2の被検体液特性検出装置
21 被検体液特性検知センサ
40 コンピュータ(検出部、判定部)
40a、40b 金属製コネクタ
41 ボタン型電池
42a、42b 金属製コネクタ
43 下蓋
51 A/Dコンバータ
52a、52b バンド
54 文字盤
55 センサ基板
56a、56b 電極対
57 基板
58a、58b 金属製コネクタ
59 アウトプット端子
60 実施の形態3の被検体液特性検出装置
61 基板
61a 流入口
61b 流出口
62 被検体液送液部
63 被検体液反応部
64 被検体液分離部
65 被検体液特性検知センサ
65a セル
65b 電極対
65c、65d 電極端子部

Claims (9)

  1. 光が所定パターンで照射される基板と、前記基板上に所定間隔をおいて配置され血液や口腔液、DNA含有液などの被検体液と接触する電極対と、を備えていることを特徴とする被検体液特性検知センサ。
  2. 前記電極対の周囲の前記基板に形成され又は配設された貯留部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の被検体液特性検知センサ。
  3. 光を照射する光源部が、前記基板の上面又は背面に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の被検液特性検知センサ。
  4. 前記電極対に接続され前記電極対間の起電力や平衡電圧値、電流値などの電気的応答パターンを検出する検出部を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の被検体液特性検知センサ。
  5. 前記検出部が検出した前記電気的応答パターンを予め記憶された応答パターンのデータと比較して前記被検体液の生化学的特性を判定する判定部を備えていることを特徴とする請求項4に記載の被検体液特性検知センサ。
  6. 前記電極対の表面が、前記被検体液の分析対象物と化学的に相互作用する選択応答性物質で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載の被検体液特性検知センサ。
  7. センサ基板と、前記センサ基板に搭載された請求項1乃至6の内いずれか1に記載の被検体液特性検知センサと、前記センサ基板の前記被検体液特性検知センサの上流側に搭載された(a)被検体液に酸塩基呈色処理、細胞膜破壊処理、ポリペプチド加水分解処理などの前処理を施す被検体液反応部、(b)被検体液の所定成分を分離濃縮する被検体液分離部、(c)被検体液を前記被検体液特性検知センサに供給する被検体液送液部の内のいずれか1以上と、を備えていることを特徴とする被検体液特性検出装置。
  8. 前記被検体液特性検知センサが、前記センサ基板上に複数搭載されていることを特徴とする請求項7に記載の被検体液特性検出装置。
  9. 血液や口腔液、DNA含有液などの被検体液を電極対が配置された基板上に供給し前記電極対に前記被検体液を接触させた後、前記基板上の前記電極対に所定波長の光を所定のパターンで照射する照射工程と、
    前記照射工程において照射された光の光量変化に対応して検出される前記電極対間の起電力や平衡電圧値、電流値などの電気的応答パターンを検知する検知工程と、
    を備えていることを特徴とする被検体液特性の検出方法。
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