JP2004045155A - マイクロ血球カウンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】試料としての血液がきわめて少量であっても、血液中の血球の計数および血球の二次元分布を安価かつ容易に測定することのできるマイクロ血球カウンタを提供すること。
【解決手段】血液4を収容しうるセル5内に、適宜の間隔を有する電極対13を複数対設け、前記セル5内に血液4を収容した状態で、前記複数の電極対13に対して電圧を順次印加してそのときの抵抗またはインピーダンスを測定し、その結果に基づいて前記血液4中における血球4aの数および血球4aの二次元的分布を測定するようにした。
【選択図】 図4
【解決手段】血液4を収容しうるセル5内に、適宜の間隔を有する電極対13を複数対設け、前記セル5内に血液4を収容した状態で、前記複数の電極対13に対して電圧を順次印加してそのときの抵抗またはインピーダンスを測定し、その結果に基づいて前記血液4中における血球4aの数および血球4aの二次元的分布を測定するようにした。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、マイクロ血球カウンタに関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】
従来のマイクロ血球カウンタとして、コールター法に則ったチップ状のマイクロ血球カウンタが開発されるに至っており、その測定部がシリコン基板に測定対象である血液が流れる流路を形成し、これら流路の途中にアパーチャを構成する狭隘部を形成し、この狭隘部の両側の流路に電極を設け、さらに、前記シリコン基板に、その流路を覆うようにガラス板を陽極接合して構成された厚さ1mm、長さ10mm、幅5mm程度のマイクロ血球カウンタが開発されている。
【0003】
しかしながら、上記従来のコールター法に則ったマイクロ血球カウンタにおいては、計測に時間がかかるとともに、試料である血液を流しながら測定するため多量の血液が必要であり、血液の詰まりが発生しやすいといった不都合があるとともに、血液における血球の二次元分布を測定することができないといった欠点がある。
【0004】
これに対して、一つのスライドガラスに血液を滴下し、その上面に他のスライドガラスを重ねて、前記血液をサンドイッチ状態に保持し、その状態でCCDカメラで前記血液を撮影し、そのときの画像を解析する手法がある。
【0005】
しかしながら、上記手法によれば、血液における血球の二次元分布を測定することができるものの、CCDカメラを用いるため、装置全体の構成が大がかりかつ高価になるとともに、測定に手間がかかるといった問題がある。
【0006】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、試料としての血液がきわめて少量であっても、血液中の血球の計数および血球の二次元分布を安価かつ容易に測定することのできるマイクロ血球カウンタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明のマイクロ血球カウンタは、血液を収容しうるセル内に、適宜の間隔を有する電極対を複数対設け、前記セル内に血液を収容した状態で、前記複数の電極対に対して電圧を順次印加してそのときの抵抗またはインピーダンスを測定し、その結果に基づいて前記血液中における血球の数および血球の二次元的分布を測定することを特徴としている(請求項1)。
【0008】
より具体的には、二つの基板の間に血液を収容しうるセルを形成し、このセルの上部内面に複数の上部導電部を、互いに平行かつ適宜の間隔をおいて形成するとともに、前記セルの下部内面に複数の下部導電部を、前記上部導電部の形成方向と直交する方向に互いに平行かつ適宜の間隔をおいて形成して、前記上部導電部と下部導電部の互いに対向する部分同士で電極対となし、前記セル内に血液を収容した状態で、前記複数の電極対に対して電圧を順次印加してそのときの抵抗またはインピーダンスを測定し、その結果に基づいて前記血液中における血球の数および血球の二次元的分布を測定することを特徴としている(請求項2)。
【0009】
そして、請求項2に記載のマイクロ血球カウンタにおいて、セルを形成するのに、二つの基板がスペーサを介して接合されていてもよく(請求項3)、また、二つの基板の少なくとも一方にセル空間となる凹部が形成され、両基板が直接接合されていてもよい(請求項4)。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の詳細を、図を参照しながら説明する。図1〜図5は、この発明の第1の実施の形態を示す。まず、図1はこの発明のマイクロ血球カウンタの要部の構成を概略的に示すもので、1はマイクロ血球カウンタ本体、2はその先端に設けられるセンサ部である。マイクロ血球カウンタ本体1は、そのケース1aの内部に、演算制御部や電源部を備えており、ケース1aの外部には、操作部および測定結果などをを表示する表示部(いずれも図示していない)などが設けられている。なお、図中の符号3は指、4は血液をそれぞれ示している。
【0011】
前記センサ部2の構成を、図2〜図5を参照しながら説明すると、5はセルで、例えば、2枚の互いに大きさの等しいガラス基板6,7(以下、上部基板6、下部基板7という)をスペーサ8を介して接合してあり、上部基板6と下部基板7との間に、試料血液4を収容するためのセル空間5aが形成されている。
【0012】
そして、上部基板6および下部基板7は、図2および図3に示すように、互いに同一形状で、平面形状がほぼ正方形であり、それらのほぼ対角線上に突出部6a,7aが形成され、この突出部6a,7aに、セル空間5aに連通する孔9,10が形成され、試料としての血液4の導入口、導出口として機能する。スペーサ8は、上記形状の上部基板6および下部基板7の周縁でそれらの間に介装されている。なお、セル5は、例えば、前記正方形部分の寸法が10mm×10mm×1mmで、セル空間5aの高さ(基板6,7間の離間距離)は、血液4の血球4a(図5参照)よりやや大きく、例えば10μmである。
【0013】
11,12はセル空間5aをスペーサ8とともに形成する上部基板6の下面6b(以下、上部内面6bという)および下部基板7の上面7b(以下、下部内面7bという)に形成される複数の導電部である。すなわち、図2〜図5に示すように、上部内面6bには、複数の上部導電部11が血液4の血球4aの大きさ(直径)より狭い間隔で、X方向において互いに並列に複数(多数)形成され、下部内面7bには、複数の下部導電部12が前記X方向と直交するY方向において、前記導電部11の形成間隔と等しい間隔で、互いに並列に複数(多数)形成されている。なお、これらの上部導電部11および下部導電部12は、金など適宜の導電性材料よりなる。
【0014】
つまり、前記両導電部11,12を基板6,7の上面または下面から垂直に見た場合、図3に示すように、上部導電部11と下部導電部12は碁盤の目のように格子状となっており、図4および図5(A),(B)に示すように、互いに対向する上部導電部11の電極部分(上部電極)11aと下部導電部12の電極部分(下部電極)12aとによって、適宜の電極間距離を有する電極対13が複数対構成されている。つまり、セル空間5aの対向する上部内面6bおよび下部内面7bには、複数(多数)の電極対13が格子点の位置に規則正しく二次元的に配置されている。そして、前記導電部11,12は、血液4のセル5内への導入の妨げにならないように、X方向およびY方向において、血液導入口9から遠ざかる側に延設され、それぞれリード線を介してマイクロ血球カウンタ本体1内の交流電源に接続されている。
【0015】
上記構成のマイクロ血球カウンタを用いて血液の血球数およびその二次元分布を測定するには、まず、図1に示すように、指3の一部を軽く切って試料となる血液4を血液導入口9を介してセル5内に採取し、セル空間5a内に試料血液4を満たす。そして、セル5を図4に示すように水平になるようにした状態で、対向する電極対13間に交流電圧を印加する。例えば、図3において、符号Aで示す上部導電部11と符号aで示す下部導電部12とに所定の大きさの交流電圧を印加するのである。そして、このとき抵抗値を測定する。以下、前記交流電圧を印加する場所を変えて、つまり、電極対13に対して交流電圧順次印加してして、二次元的に配置されている電極対13間に交流電圧の印加を行うのである。
【0016】
すなわち、電極対13として、図3中の符号にしたがい、
となるように、上部導電部11および下部導電部12の組み合わせを変えて、二次元的に配置された複数の電極対13に順次交流電圧を印加するのである。この電圧印加のための切換えは、マイクロ血球カウンタ本体1内の演算制御部に格納されているプログラムに基づいて行われる。なお、測定終了後、セル空間5a内の試料血液4は、血液導出口10に適宜の吸引手段を接続することにより排出され、この排出後、適宜の洗浄液をセル空間5a内に供給して洗浄して、次の測定に待機させる。
【0017】
上記のようにして、セル空間5a内の全ての電極対13に所定の大きさの交流電圧を順次印加することにより、各電圧印加点における抵抗値が得られ、前記演算制御部において前記抵抗値に基づいて演算処理を行うことにより、前記電圧印加点における単位体積当たりの血球4aの個数(個数/μL)(以下、単に血球数という)を得ることができ、各電圧印加点における血球数の平均をとることにより、セル空間5a内の試料血液4中の血球数を得ることができる。また、前記各電圧印加点における血球数に基づいてセル空間5a内の試料血液4中の血球4aの二次元的な分布を得ることができ、これに基づいて、前記試料血液4中の血球4aのマッピングを行うことができる。
【0018】
そして、上記構成のマイクロ血球カウンタにおいては、試料血液4を流しながら測定する必要がないので、試料血液4が少量で済むとともに詰まりが生ずることがなく、短時間で測定することができる。また、試料血液4を定量サンプリングしたり、その流量をモニタ−する必要がないので、測定操作が簡単である。さらに、センサ部2の構成部材としては安価なものを用いることができるので、センサ部2が安価となる。
【0019】
上記実施の形態においては、電極対13に所定の大きさの交流電圧を印加したときの電極対間の抵抗値を測定するようにしていたが、これに代えて、電極対間のインピーダンスを測定するようにしてもよく、この場合、血球4aとして赤血球、白血球などの種類別にその二次元分布を測定することができる。
【0020】
また、上記実施の形態においては、セル5として、対向する面がフラットな二つの基板6,7をスペーサ8を介して接合し、それらの間にセル空間5aが形成されるようにし、前記対向する面6b,7bにそれぞれ導電部12,13を形成していたが、この発明は、これに限られるものではなく、例えば図6に示すようなセル5を用いてもよい。
【0021】
すなわち、図6に示すセル5としては、下部基板7の上面に、底面7cがフラットな凹部7dを形成し、この凹部7dをセル空間とし、これを覆うようにして下面6bがフラットな上部基板6を下部基板7に直接接合するのである。そして、前記底面7cに複数の導電部を、第1の実施の形態における下部導電部12と同様に形成する。
【0022】
この実施の形態によれば、スペーサ8を用いる必要がなく、基板6,7同士の接合を容易かつ確実に行うことができる。
【0023】
なお、図6に示した第2の実施の形態において、下部基板7の上面側に凹部7dを形成するのに代えて、上部基板6側の下面側にセル空間となる凹部を形成してもよい。また、上部基板6および下部基板7のそれぞれ対応する面に凹部を形成し、これら両凹部によってセル空間を形成してもよい。
【0024】
そして、前記電極対13に印加する電圧としては、直流であってもよい。また、セル5の平面視形状は必ずしも正方形でなくてもよく、長方形など他の形状であってもよい。また、複数の電極対13は、正方形の格子状であっても、長方形の格子状であってもよい。さらに、導電部11,12の本数が異なっていてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のマイクロ血球カウンタにおいては、簡易な構造でありながらも、血液中の血球の計数および血球の二次元分布を安価かつ容易に測定することができ、試料としての血液も僅かな量でよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のマイクロ血球カウンタのセンサ部の構成を概略的に示す図である。
【図2】前記センサ部のセルの一例を概略的に示す透視して示す斜視図である。
【図3】前記セルの平面構成を概略的に示す図である。
【図4】前記セルの断面構造を示す図である。
【図5】(A)前記セルに血液を充填した状態を示す断面図、(B)は上部導電部と下部導電部との位置関係を立体的に示す図である。
【図6】前記セルの他の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
4…血液、5…セル、6,7…基板、6b…上部内面,7b…下部内面、7d…凹部、8…スペーサ、11…上部導電部、12…下部導電部、13…電極対。
【発明の属する技術分野】
この発明は、マイクロ血球カウンタに関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】
従来のマイクロ血球カウンタとして、コールター法に則ったチップ状のマイクロ血球カウンタが開発されるに至っており、その測定部がシリコン基板に測定対象である血液が流れる流路を形成し、これら流路の途中にアパーチャを構成する狭隘部を形成し、この狭隘部の両側の流路に電極を設け、さらに、前記シリコン基板に、その流路を覆うようにガラス板を陽極接合して構成された厚さ1mm、長さ10mm、幅5mm程度のマイクロ血球カウンタが開発されている。
【0003】
しかしながら、上記従来のコールター法に則ったマイクロ血球カウンタにおいては、計測に時間がかかるとともに、試料である血液を流しながら測定するため多量の血液が必要であり、血液の詰まりが発生しやすいといった不都合があるとともに、血液における血球の二次元分布を測定することができないといった欠点がある。
【0004】
これに対して、一つのスライドガラスに血液を滴下し、その上面に他のスライドガラスを重ねて、前記血液をサンドイッチ状態に保持し、その状態でCCDカメラで前記血液を撮影し、そのときの画像を解析する手法がある。
【0005】
しかしながら、上記手法によれば、血液における血球の二次元分布を測定することができるものの、CCDカメラを用いるため、装置全体の構成が大がかりかつ高価になるとともに、測定に手間がかかるといった問題がある。
【0006】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、試料としての血液がきわめて少量であっても、血液中の血球の計数および血球の二次元分布を安価かつ容易に測定することのできるマイクロ血球カウンタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明のマイクロ血球カウンタは、血液を収容しうるセル内に、適宜の間隔を有する電極対を複数対設け、前記セル内に血液を収容した状態で、前記複数の電極対に対して電圧を順次印加してそのときの抵抗またはインピーダンスを測定し、その結果に基づいて前記血液中における血球の数および血球の二次元的分布を測定することを特徴としている(請求項1)。
【0008】
より具体的には、二つの基板の間に血液を収容しうるセルを形成し、このセルの上部内面に複数の上部導電部を、互いに平行かつ適宜の間隔をおいて形成するとともに、前記セルの下部内面に複数の下部導電部を、前記上部導電部の形成方向と直交する方向に互いに平行かつ適宜の間隔をおいて形成して、前記上部導電部と下部導電部の互いに対向する部分同士で電極対となし、前記セル内に血液を収容した状態で、前記複数の電極対に対して電圧を順次印加してそのときの抵抗またはインピーダンスを測定し、その結果に基づいて前記血液中における血球の数および血球の二次元的分布を測定することを特徴としている(請求項2)。
【0009】
そして、請求項2に記載のマイクロ血球カウンタにおいて、セルを形成するのに、二つの基板がスペーサを介して接合されていてもよく(請求項3)、また、二つの基板の少なくとも一方にセル空間となる凹部が形成され、両基板が直接接合されていてもよい(請求項4)。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の詳細を、図を参照しながら説明する。図1〜図5は、この発明の第1の実施の形態を示す。まず、図1はこの発明のマイクロ血球カウンタの要部の構成を概略的に示すもので、1はマイクロ血球カウンタ本体、2はその先端に設けられるセンサ部である。マイクロ血球カウンタ本体1は、そのケース1aの内部に、演算制御部や電源部を備えており、ケース1aの外部には、操作部および測定結果などをを表示する表示部(いずれも図示していない)などが設けられている。なお、図中の符号3は指、4は血液をそれぞれ示している。
【0011】
前記センサ部2の構成を、図2〜図5を参照しながら説明すると、5はセルで、例えば、2枚の互いに大きさの等しいガラス基板6,7(以下、上部基板6、下部基板7という)をスペーサ8を介して接合してあり、上部基板6と下部基板7との間に、試料血液4を収容するためのセル空間5aが形成されている。
【0012】
そして、上部基板6および下部基板7は、図2および図3に示すように、互いに同一形状で、平面形状がほぼ正方形であり、それらのほぼ対角線上に突出部6a,7aが形成され、この突出部6a,7aに、セル空間5aに連通する孔9,10が形成され、試料としての血液4の導入口、導出口として機能する。スペーサ8は、上記形状の上部基板6および下部基板7の周縁でそれらの間に介装されている。なお、セル5は、例えば、前記正方形部分の寸法が10mm×10mm×1mmで、セル空間5aの高さ(基板6,7間の離間距離)は、血液4の血球4a(図5参照)よりやや大きく、例えば10μmである。
【0013】
11,12はセル空間5aをスペーサ8とともに形成する上部基板6の下面6b(以下、上部内面6bという)および下部基板7の上面7b(以下、下部内面7bという)に形成される複数の導電部である。すなわち、図2〜図5に示すように、上部内面6bには、複数の上部導電部11が血液4の血球4aの大きさ(直径)より狭い間隔で、X方向において互いに並列に複数(多数)形成され、下部内面7bには、複数の下部導電部12が前記X方向と直交するY方向において、前記導電部11の形成間隔と等しい間隔で、互いに並列に複数(多数)形成されている。なお、これらの上部導電部11および下部導電部12は、金など適宜の導電性材料よりなる。
【0014】
つまり、前記両導電部11,12を基板6,7の上面または下面から垂直に見た場合、図3に示すように、上部導電部11と下部導電部12は碁盤の目のように格子状となっており、図4および図5(A),(B)に示すように、互いに対向する上部導電部11の電極部分(上部電極)11aと下部導電部12の電極部分(下部電極)12aとによって、適宜の電極間距離を有する電極対13が複数対構成されている。つまり、セル空間5aの対向する上部内面6bおよび下部内面7bには、複数(多数)の電極対13が格子点の位置に規則正しく二次元的に配置されている。そして、前記導電部11,12は、血液4のセル5内への導入の妨げにならないように、X方向およびY方向において、血液導入口9から遠ざかる側に延設され、それぞれリード線を介してマイクロ血球カウンタ本体1内の交流電源に接続されている。
【0015】
上記構成のマイクロ血球カウンタを用いて血液の血球数およびその二次元分布を測定するには、まず、図1に示すように、指3の一部を軽く切って試料となる血液4を血液導入口9を介してセル5内に採取し、セル空間5a内に試料血液4を満たす。そして、セル5を図4に示すように水平になるようにした状態で、対向する電極対13間に交流電圧を印加する。例えば、図3において、符号Aで示す上部導電部11と符号aで示す下部導電部12とに所定の大きさの交流電圧を印加するのである。そして、このとき抵抗値を測定する。以下、前記交流電圧を印加する場所を変えて、つまり、電極対13に対して交流電圧順次印加してして、二次元的に配置されている電極対13間に交流電圧の印加を行うのである。
【0016】
すなわち、電極対13として、図3中の符号にしたがい、
となるように、上部導電部11および下部導電部12の組み合わせを変えて、二次元的に配置された複数の電極対13に順次交流電圧を印加するのである。この電圧印加のための切換えは、マイクロ血球カウンタ本体1内の演算制御部に格納されているプログラムに基づいて行われる。なお、測定終了後、セル空間5a内の試料血液4は、血液導出口10に適宜の吸引手段を接続することにより排出され、この排出後、適宜の洗浄液をセル空間5a内に供給して洗浄して、次の測定に待機させる。
【0017】
上記のようにして、セル空間5a内の全ての電極対13に所定の大きさの交流電圧を順次印加することにより、各電圧印加点における抵抗値が得られ、前記演算制御部において前記抵抗値に基づいて演算処理を行うことにより、前記電圧印加点における単位体積当たりの血球4aの個数(個数/μL)(以下、単に血球数という)を得ることができ、各電圧印加点における血球数の平均をとることにより、セル空間5a内の試料血液4中の血球数を得ることができる。また、前記各電圧印加点における血球数に基づいてセル空間5a内の試料血液4中の血球4aの二次元的な分布を得ることができ、これに基づいて、前記試料血液4中の血球4aのマッピングを行うことができる。
【0018】
そして、上記構成のマイクロ血球カウンタにおいては、試料血液4を流しながら測定する必要がないので、試料血液4が少量で済むとともに詰まりが生ずることがなく、短時間で測定することができる。また、試料血液4を定量サンプリングしたり、その流量をモニタ−する必要がないので、測定操作が簡単である。さらに、センサ部2の構成部材としては安価なものを用いることができるので、センサ部2が安価となる。
【0019】
上記実施の形態においては、電極対13に所定の大きさの交流電圧を印加したときの電極対間の抵抗値を測定するようにしていたが、これに代えて、電極対間のインピーダンスを測定するようにしてもよく、この場合、血球4aとして赤血球、白血球などの種類別にその二次元分布を測定することができる。
【0020】
また、上記実施の形態においては、セル5として、対向する面がフラットな二つの基板6,7をスペーサ8を介して接合し、それらの間にセル空間5aが形成されるようにし、前記対向する面6b,7bにそれぞれ導電部12,13を形成していたが、この発明は、これに限られるものではなく、例えば図6に示すようなセル5を用いてもよい。
【0021】
すなわち、図6に示すセル5としては、下部基板7の上面に、底面7cがフラットな凹部7dを形成し、この凹部7dをセル空間とし、これを覆うようにして下面6bがフラットな上部基板6を下部基板7に直接接合するのである。そして、前記底面7cに複数の導電部を、第1の実施の形態における下部導電部12と同様に形成する。
【0022】
この実施の形態によれば、スペーサ8を用いる必要がなく、基板6,7同士の接合を容易かつ確実に行うことができる。
【0023】
なお、図6に示した第2の実施の形態において、下部基板7の上面側に凹部7dを形成するのに代えて、上部基板6側の下面側にセル空間となる凹部を形成してもよい。また、上部基板6および下部基板7のそれぞれ対応する面に凹部を形成し、これら両凹部によってセル空間を形成してもよい。
【0024】
そして、前記電極対13に印加する電圧としては、直流であってもよい。また、セル5の平面視形状は必ずしも正方形でなくてもよく、長方形など他の形状であってもよい。また、複数の電極対13は、正方形の格子状であっても、長方形の格子状であってもよい。さらに、導電部11,12の本数が異なっていてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のマイクロ血球カウンタにおいては、簡易な構造でありながらも、血液中の血球の計数および血球の二次元分布を安価かつ容易に測定することができ、試料としての血液も僅かな量でよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のマイクロ血球カウンタのセンサ部の構成を概略的に示す図である。
【図2】前記センサ部のセルの一例を概略的に示す透視して示す斜視図である。
【図3】前記セルの平面構成を概略的に示す図である。
【図4】前記セルの断面構造を示す図である。
【図5】(A)前記セルに血液を充填した状態を示す断面図、(B)は上部導電部と下部導電部との位置関係を立体的に示す図である。
【図6】前記セルの他の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
4…血液、5…セル、6,7…基板、6b…上部内面,7b…下部内面、7d…凹部、8…スペーサ、11…上部導電部、12…下部導電部、13…電極対。
Claims (4)
- 血液を収容しうるセル内に、適宜の間隔を有する電極対を複数対設け、前記セル内に血液を収容した状態で、前記複数の電極対に対して電圧を順次印加してそのときの抵抗またはインピーダンスを測定し、その結果に基づいて前記血液中における血球の数および血球の二次元的分布を測定することを特徴とするマイクロ血球カウンタ。
- 二つの基板の間に血液を収容しうるセルを形成し、このセルの上部内面に複数の上部導電部を、互いに平行かつ適宜の間隔をおいて形成するとともに、前記セルの下部内面に複数の下部導電部を、前記上部導電部の形成方向と直交する方向に互いに平行かつ適宜の間隔をおいて形成して、前記上部導電部と下部導電部の互いに対向する部分同士で電極対となし、前記セル内に血液を収容した状態で、前記複数の電極対に対して電圧を順次印加してそのときの抵抗またはインピーダンスを測定し、その結果に基づいて前記血液中における血球の数および血球の二次元的分布を測定することを特徴とするマイクロ血球カウンタ。
- 二つの基板がスペーサを介して接合されている請求項2に記載のマイクロ血球カウンタ。
- 二つの基板の少なくとも一方にセル空間となる凹部が形成され、両基板が直接接合されている請求項2に記載のマイクロ血球カウンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201636A JP2004045155A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | マイクロ血球カウンタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201636A JP2004045155A (ja) | 2002-07-10 | 2002-07-10 | マイクロ血球カウンタ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100330605A1 (en) * | 2007-10-22 | 2010-12-30 | Centre National De La Recherche Scientifique | Test device for platelet aggregation detection |
JP2013224934A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-10-31 | National Institute For Materials Science | 微量サンプル測定用センサー素子 |
-
2002
- 2002-07-10 JP JP2002201636A patent/JP2004045155A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20100330605A1 (en) * | 2007-10-22 | 2010-12-30 | Centre National De La Recherche Scientifique | Test device for platelet aggregation detection |
US8673215B2 (en) * | 2007-10-22 | 2014-03-18 | Centre National De La Recherche Scientifique | Test device for platelet aggregation detection |
JP2013224934A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-10-31 | National Institute For Materials Science | 微量サンプル測定用センサー素子 |
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