JP2013241997A - コネクティングロッド - Google Patents
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Abstract
【課題】強度向上を図ることができるコネクティングロッドを提供する。
【解決手段】内燃機関においてピストンのピストンピンとクランク軸とを連結する斜め割りのコネクティングロッド1であって、ピストンピンが挿通される第1挿通孔Aが形成されたロッド本体2と、ロッド本体2に対してボルト止めされ、ロッド本体2と一体になることでクランク軸が挿通される第2挿通孔Bを形成するキャップと、を備え、第2挿通孔Bを形成する第2端部2bには、キャップをボルト止めするためのボルト穴7A,7B,8A,8Bが第1端部2aと第2端部2bとを繋ぐ幹部2Cの延長上から外れた位置に形成されている。ロッド本体2には、ボルト穴7A、7Bと8A,8Bの間を通ると共に、コネクティングロッド中心線Cに対して斜めに交差する直線状の給油穴10が形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】内燃機関においてピストンのピストンピンとクランク軸とを連結する斜め割りのコネクティングロッド1であって、ピストンピンが挿通される第1挿通孔Aが形成されたロッド本体2と、ロッド本体2に対してボルト止めされ、ロッド本体2と一体になることでクランク軸が挿通される第2挿通孔Bを形成するキャップと、を備え、第2挿通孔Bを形成する第2端部2bには、キャップをボルト止めするためのボルト穴7A,7B,8A,8Bが第1端部2aと第2端部2bとを繋ぐ幹部2Cの延長上から外れた位置に形成されている。ロッド本体2には、ボルト穴7A、7Bと8A,8Bの間を通ると共に、コネクティングロッド中心線Cに対して斜めに交差する直線状の給油穴10が形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関を構成する斜め割りのコネクティングロッドに関する。
一般に、いわゆるレシプロエンジンなどの内燃機関にあっては、ピストンの往復運動をクランク軸の回転運動へと変化するクランク機構の一部として、ピストン及びクランク軸を連結するコネクティングロッドが備えられている。
このようなコネクティングロッドに関する技術文献としては、例えば特許文献1,2が知られている。特許文献1には、内燃機関のピストンとクランク軸とを連結する斜め割りのコネクティングロッド(連接棒)であって、キャップ(大端部冠)と連接棒本体(ロッド本体)とを上下それぞれ2本ずつ計4本のボルトで結合させるものが記載されている。また、特許文献2には、コネクティングロッド内に形成された圧送油路(給油穴)に関する記載がある。
ところで、前述したような斜め割りのコネクティングロッドのロッド本体にドリルで給油穴を形成する場合、キャップと斜めに結合する合わせ面やキャップ結合用のボルト穴との干渉を考慮すると、給油穴の開口(出入り口)がコネクティングロッド中心線側(主荷重側)に近くなる。この場合、給油穴の開口に生じる応力が高くなるため、高荷重に耐えうる設計(強度の高い設計)とすることが困難という問題があった。
そこで、本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、強度向上を図ることができるコネクティングロッドを提供することを目的とする。
本発明は、内燃機関においてピストンのピストンピンとクランク軸とを連結する斜め割りのコネクティングロッドであって、ピストンピンが挿通される第1挿通孔が形成されたロッド本体と、ロッド本体に対してボルト止めされ、ロッド本体と一体になることでクランク軸が挿通される第2挿通孔を形成するキャップと、を備え、キャップのうち第1挿通孔に近い側は二本のボルトでロッド本体に結合されており、ロッド本体には、二本のボルトの間を通ると共に、コネクティングロッド中心線に対して斜めに交差する直線状の給油穴が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、斜め割りのコネクティングロッドにおいて、キャップの第1挿通孔に近い側を二本のボルトでロッド本体に結合する構成とした上で、これら二本のボルトの間を通るように(すなわち二本のボルトと螺合するボルト穴の間を通るように)給油穴を形成することで、コネクティングロッド中心線から離れた位置に給油穴を設けることができる。従って、本発明によれば、ボルト穴との干渉を避けつつ、コネクティングロッド中心線から離れた応力の低い位置に給油穴を形成するので、高荷重に耐えうる設計とすることができ、コネクティングロッドの強度向上を図ることができる。
本発明に係るコネクティングロッドにおいては、ロッド本体は、第1挿通孔が形成された第1端部と、キャップがボルト止めされた第2端部と、第1端部及び第2端部を繋ぐ幹部と、を有し、第2端部には、二本のボルトが螺合される二つのボルト穴が幹部の延長上から外れた位置に形成されていてもよい。
本発明によれば、二本のボルトを用いることで、一本の場合と比べて、ボルト径及びかみ合い長さ(すなわちボルト穴の深さ)を小さくすることができるので、ボルト穴を幹部の延長上(幹部の直下)から外れた位置に形成することで、ボルト穴の応力を低減することができる。このことは、コネクティングロッドの強度向上に寄与する。
本発明によれば、コネクティングロッドの強度向上を図ることができる。
以下、本発明に係るコネクティングロッドの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すコネクティングロッド1は、車両用のレシプロエンジンなどの内燃機関においてピストンとクランク軸とを連結する部材である。コネクティングロッド1は、いわゆるクランク機構を構成する部材であり、ピストンの往復運動はクランク機構を介してクランク軸の回転運動へ変換される。
コネクティングロッド1は、中心線Cに沿って延在する長尺の部材であり、両端に第1挿通孔A及び第2挿通孔Bが形成されている。第1挿通孔Aは、ピストンのピストンピンが挿通される穴であり、第2挿通孔Bは、クランク軸が挿通される穴である。
コネクティングロッド1は、ロッド本体2と、ロッド本体2に結合されるキャップ3と、を有している。図2(a)及び図2(b)は、ロッド本体2の側面図である。
図1及び図2に示されるように、コネクティングロッド1は、いわゆる斜め割りのコネクティングロッドであり、中心線Cに対して所定の角度θ(θは90度以外の角度)で交差する仮想平面Rに沿ってロッド本体2及びキャップ3が結合している。なお、所定の角度θは例えば45度である。このように斜め割りのコネクティングロッドを採用することで、クランクピン径が大きい場合においても、ボアを通してクランクピンに組み付ける際に(ロッドとボア穴の)間隙を確保することが可能となる。
ロッド本体2は、第1挿通孔Aが形成された環状の小端部(第1端部)2aと、キャップ3と共に第2挿通孔Bを形成する半円状の大端部(第2端部)2bと、小端部2a及び大端部2bを繋ぐ長尺の幹部2cと、から構成されている。
幹部2cは、小端部2a及び大端部2bと比べて細く(幅及び厚みが小さく)なるように形成されており、強度を確保しつつもロッドの軽量化が図られている。
ロッド本体2の半円状の大端部2bには、キャップ3が結合されている。半円状(アーチ状)のキャップ3は、半円状の大端部2bに結合されてロッド本体2と一体になることで第2挿通孔Bを形成している。
キャップ3は、ロッド本体2の大端部2bの端面に対して結合されている。これらの端面を合わせ面F1,F2として示す。合わせ面F1,F2は、中心線Cに対して所定の角度θで交差する仮想平面Rに含まれた面である。合わせ面F1,F2は、第2挿通孔Bを挟むように形成されている。
本実施形態に係るコネクティングロッド1は四本締めであり、キャップ3は、四本のボルト5A,5B,6A,6Bによって大端部2bに結合されている。ボルト5A,5Bは、キャップ3のうちロッド先端側(第1挿通孔Aから遠い側)を固定するボルトである。ボルト5A,5Bは、ロッド本体2の大端部2bの合わせ面F2に形成されたボルト穴7A,7Bに螺合することで、キャップ3を固定する。
また、ボルト6A,6Bは、キャップ3のうち第1挿通孔Aに近い側を固定するボルトである。ボルト6A,6Bは、ロッド本体2の大端部2bの合わせ面F1に形成された二つのボルト穴8A,8Bに螺合することで、キャップ3を固定する。なお、ボルト穴7A,7B及びボルト穴8A,8Bはそれぞれコネクティングロッド1の厚さ方向(ピストンピンやクランク軸の延在方向に相当)に並んで形成されている。
図2(a)及び図2(b)に示されるように、ロッド本体2には、エンジンオイルを流通させるための直線状の給油穴10が形成されている。給油穴10は、第1挿通孔A内の開口10aと第2挿通孔B内の開口10bとを有しており、第1挿通孔A及び第2挿通孔Bの間でエンジンオイルを流通させる。
直線状の給油穴10は、例えばドリル加工により形成され、図2(a)に示す方向(ピストンピンやクランク軸の延在方向)から見て、中心線Cに対して斜めに交差するように形成されている。
また、給油穴10は、コネクティングロッド1の厚さ方向でボルト穴8A,8B(すなわちボルト6A,6B)の間を通るように形成されている。すなわち、図2(a)に示す方向から見ると、給油穴10及び二つのボルト穴8A,8Bは重なって位置するが、図2(b)に示すように給油穴10はボルト穴8A,8Bの間を通っているので、給油穴10及びボルト孔8A,8Bは互いに干渉していない。
以上説明した斜め割りのコネクティングロッド1によれば、キャップ3の第1挿通孔Aに近い側を二本のボルト6A,6Bでロッド本体2に結合する構成とした上で、二本のボルト6A,6Bの間を通るように(すなわちボルト穴8A,8Bの間を通るように)直線状の給油穴10を形成することで、コネクティングロッド中心線Cから離れた位置に給油穴10(及び開口10a,10b)を設けることができる。従って、このコネクティングロッド1によれば、ボルト穴8A,8Bとの干渉を避けつつ、コネクティングロッド中心線Cから離れた応力の低い位置に給油穴10を形成するので、高荷重に耐えうる設計とすることができ、コネクティングロッドの強度向上を図ることができる。
ここで、図3は、ロッド本体2におけるボルト穴8A,8Bの位置を説明するための図である。図3に示されるように、大端部2bに形成されたボルト穴8A,8Bは、ロッド本体2の幹部2cの延長上から外れた位置に形成されている。すなわち、ボルト穴8A,8Bは、幹部2cの延長上の範囲Lに一切含まれていない。
このコネクティングロッド1によれば、二本のボルト6A,6Bを用いることで、一本のボルトのみの場合と比べて、ボルト径及びかみ合い長さ(すなわちボルト穴の深さ)を小さくすることができるので、ボルト穴8A,8Bを幹部の延長上(幹部の直下)から外れた位置に形成することで、ボルト穴8A,8Bの応力を低減することができる。このことは、コネクティングロッド1の強度向上に寄与する。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、キャップ3のうち第1挿通穴Aに近い側を結合するボルトのみ二本であればよく、反対側のボルトの数は一本であってもよい。
また、必ずしもボルト穴8A,8Bを幹部2cの延長上から外れた位置に設ける必要はなく、設計条件によっては幹部2cの延長上にボルト穴8A,8Bの一部が含まれてもよい。
1…コネクティングロッド 2…ロッド本体 2a…小端部(第1端部) 2b…大端部(第2端部) 2c…幹部 3…キャップ 5A,5B,6A,6B…ボルト 7A,7B,8A,8B…ボルト穴 10…給油穴 10a,10b…開口 A…第1挿通孔 B…第2挿通孔 C…コネクティングロッド中心線 F1,F2…合わせ面 L…幹部の延長上の範囲 R…仮想平面 θ…角度
Claims (2)
- 内燃機関においてピストンのピストンピンとクランク軸とを連結する斜め割りのコネクティングロッドであって、
前記ピストンピンが挿通される第1挿通孔が形成されたロッド本体と、
前記ロッド本体に対してボルト止めされ、前記ロッド本体と一体になることで前記クランク軸が挿通される第2挿通孔を形成するキャップと、を備え、
前記キャップのうち前記第1挿通孔に近い側は前記ロッド本体に二本のボルトで結合されており、前記ロッド本体には、前記二本のボルトの間を通り、コネクティングロッド中心線に対して斜めに交差する直線状の給油穴が形成されていることを特徴とするコネクティングロッド。 - 前記ロッド本体は、前記第1挿通孔が形成された第1端部と、前記キャップがボルト止めされた第2端部と、前記第1端部及び前記第2端部を繋ぐ幹部と、を有し、
前記第2端部には、前記二本のボルトが螺合される二つのボルト穴が前記幹部の延長上から外れた位置に形成されている、請求項1に記載のコネクティングロッド。
Priority Applications (1)
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JP2012115706A JP2013241997A (ja) | 2012-05-21 | 2012-05-21 | コネクティングロッド |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012115706A JP2013241997A (ja) | 2012-05-21 | 2012-05-21 | コネクティングロッド |
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Family
ID=49843074
Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016157575A1 (ja) * | 2015-03-31 | 2016-10-06 | 三菱重工業株式会社 | 連接棒およびこれを備えたクロスヘッド型エンジン |
CN110219879A (zh) * | 2019-06-11 | 2019-09-10 | 潍柴动力股份有限公司 | 一种连杆结构及发动机 |
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2012
- 2012-05-21 JP JP2012115706A patent/JP2013241997A/ja active Pending
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