JP2013241869A - 従動クランク型スクロール式膨張機 - Google Patents

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Masao Iguchi
雅夫 井口
Fuminobu Enoshima
史修 榎島
Fumihiko Ishiguro
文彦 石黒
Kazutaka Oda
和孝 小田
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Abstract

【課題】超臨界状態にある作動流体を使用する膨張機における潤滑性能の低下を防止する。
【解決手段】可動スクロールでは、作動流体が臨界圧力PCに達した回転角度θ3に一定の回転角度を加えた回転角度θ4を可動渦巻壁と固定渦巻壁の非接触状態、接触状態の切換位置として設定している。切換位置となる回転角度θ4における作動流体の圧力は、亜臨界圧力P2に低下した状態である。また、切換位置は、膨張室を区画する複数の接触点について、可動渦巻壁を固定渦巻壁に対して接触状態にするか、非接触状態にするかの分岐点を表している。発明の実施形態は、回転角度0から回転角度θ4の領域では、可動渦巻壁が固定渦巻壁と非接触で膨張室を区画するように構成している。一方、回転角度θ4から回転角度θ6の領域では、可動渦巻壁が固定渦巻壁と接触した状態で膨張室を区画するように構成している。これにより、膨張機の潤滑性能の低下を防止できる。
【選択図】図4

Description

本願発明は、熱エネルギーから機械的動力を取り出すことができる従動クランク型スクロール式膨張機に関する。
例えば、特許文献1には、膨張機の入口と出口との冷媒の温度差及び圧力差が大きいほど熱回収効率を向上することができるため、冷媒の高圧側を超臨界状態として運転するランキンサイクルが開示されている。特許文献1の課題では、冷媒の温度差を大きくするために、膨張機の入口の冷媒温度を際限なく上昇させると、冷媒や冷媒に添加される潤滑油が熱分解し、ランキンサイクルの作動に支障を来す恐れがあると記載している。また、冷媒の圧力差を大きくするために、膨張機の入口の冷媒圧力を際限なく上昇させると、配管の破損や膨張機内のエロージョン等を発生する恐れがあると記載されている。
特許文献1は、上記課題を解決するために、高圧側の冷媒が超臨界状態となるランキンサイクルにおいて、膨張機の入口の圧力を、冷媒の凝縮圧力に対応して推定された冷媒の飽和蒸気のエントロピに対応する圧力に設定するとともに、膨張機入口の温度を冷媒が分解しない最高温度に設定し、設定圧力になるように膨張機の負荷を制御するとともに設定温度になるようにポンプから圧送される冷媒の流量を制御する構成を開示している。特許文献1は、上記構成により、膨張機入口の冷媒特性を制御し、内燃機関の廃熱利用装置の熱回収効率を向上している。
特開2010−48129号公報
特許文献1のように、超臨界状態にある冷媒では、冷媒や冷媒に添加されている潤滑油が分解されない温度状態であっても、潤滑油の性能を悪化する可能性が高い状態にある。例えば、車両のエンジンの排ガスを熱源とする廃熱利用装置のランキンサイクルを考えた場合、車両の通常運転中では、超臨界状態にある冷媒が循環し、所定の熱回収を行い、冷媒に添加された潤滑油により膨張機の潤滑が行なわれている。
しかし、車両の発進時や登坂時あるいは加速時等において、エンジンに大きな負荷が掛かる時、エンジンから排気される排ガスが通常以上の高温になる。このため、熱交換器において、冷媒は通常以上に加熱され、高温になる。冷媒の温度が、特許文献1に記載されたような冷媒及び潤滑油の分解温度に達しなくても、超臨界状態にある冷媒は潤滑油に溶け込み易く、潤滑油の粘度が大きく低下して潤滑性能が悪化する。従って、潤滑性能の低下した潤滑油では、膨張機の潤滑が十分に行なわれなくなる。特に、冷媒の高圧が掛かる膨張機の冷媒吸入位置の摺動部は、潤滑不良により摩耗し易くなり、最悪の場合、膨張機は破損あるいは運転不能等の大きな問題を生じる。
本願発明は、超臨界状態にある作動流体を使用する膨張機における潤滑性能の低下を防止することを目的とする。
請求項1は、ハウジング内に、固定渦巻壁を有する固定スクロール及び可動渦巻壁を有する可動スクロールを備え、前記固定スクロールの中心側に前記固定渦巻壁及び前記可動渦巻壁により区画される膨張室と連通する作動流体の吸入口を備え、前記膨張室に吸入された超臨界状態にある作動流体の膨張により前記可動スクロールが自転防止機構と前記固定スクロールで規制されながら旋回され、機械的動力を出力する従動クランク型スクロール式膨張機において、前記吸入口から前記膨張室に吸入された超臨界圧力の作動流体が膨張に伴い、亜臨界圧力に低下するまでの前記可動スクロールの回転角度の領域では、前記固定渦巻壁と前記可動渦巻壁とを非接触の状態で前記膨張室を区画し、前記作動流体が前記亜臨界圧力に低下した後における前記可動スクロールの回転角度の領域では、前記固定渦巻壁と前記可動渦巻壁とを接触させた状態で前記膨張室を区画することを特徴とする。
請求項1によれば、作動流体の吸入口側となる従動クランク型スクロール式膨張機の内周側では、粘度の低下した潤滑油を含む作動流体の超臨界圧力を受けることになる。しかし、膨張室を区画する固定渦巻壁と可動渦巻壁との対向面が非接触状態にあるため、潤滑油機能が低下していても固定渦巻壁及び可動渦巻壁の摩擦を引き起こす恐れが無い。作動流体の吐出側となる従動クランク型スクロール式膨張機の外周側では、膨張室を区画する固定渦巻壁と可動渦巻壁との対向面は接触状態にあるが、作動流体は膨張により既に亜臨界圧力に低下し、潤滑油から作動流体が分離し、潤滑機能を十分に有している。このため、固定渦巻壁と可動渦巻壁とが接触する対向面は十分に潤滑され、固定渦巻壁及び可動渦巻壁の摩耗、損傷を引き起こす恐れが無い。また、従動クランク型スクロール式膨張機は外周側の固定渦巻壁と可動渦巻壁とが接触するように構成されているため、内周側の固定渦巻壁と可動渦巻壁とが非接触であっても、作動流体の膨張により可動スクロールの安定した回転を得ることができる。
請求項2は、前記固定渦巻壁と前記可動渦巻壁とを非接触の状態で前記膨張室を区画する前記可動スクロールの回転角度の領域は、前記作動流体が超臨界圧力から臨界圧力に低下した時点の前記可動スクロールの回転角度に一定の回転角度を加えた回転角度までであることを特徴とする。請求項2によれば、作動流体が臨界圧力に達してから一定の時間(一定の回転角度)を経た亜臨界圧力の時点以降、固定渦巻壁と可動渦巻壁とが接触するように構成しているため、作動流体が潤滑油から十分に分離した状態にあり、潤滑油は固定渦巻壁と可動渦巻壁との潤滑を十分に行うことができる。
本願発明は、超臨界状態にある作動流体を使用する膨張機における潤滑性能の低下を防止できる。
ランキンサイクルを示す模式図である。 従動クランク型スクロール式膨張機の縦断面図である。 可動スクロールの自転防止ピンと自転防止孔との関係を示す概略図である。 作動流体の圧力と可動スクロールの回転角度の関係を説明する線図である。 図4の回転角度0における可動渦巻壁を示す概略図である。 図4の回転角度θ1における可動渦巻壁を示す概略図である。 図4の回転角度θ2における可動渦巻壁を示す概略図である。 図4の回転角度θ5における可動渦巻壁を示す概略図である。
(発明の実施形態)
図1は、車両にエンジン1の廃熱利用装置として搭載されたランキンサイクル2を示す。エンジン1は、エンジン1から排出される排気ガスの経路である排気管3を備え、エンジン1を冷却するための冷却水循環回路4が設けられている。また、エンジン1には、エンジン1の排気ガスを熱源とする廃熱利用装置としてランキンサイクル2が付設されている。なお、ランキンサイクル2では、作動流体として例えばR134a、R152a、R1234yf(HFO1234yf)等の冷媒が使用される。
冷却水循環回路4は、エンジン1を介して循環される冷却水の流通管5と、流通管5に介在された冷却水ポンプ6、ラジエータ7とを備えている。冷却水ポンプ6は冷却水をエンジン1に供給し、エンジン1の冷却を行う。エンジン1で加熱された冷却水は、ラジエータ7において冷却される。ラジエータ7において冷却された冷却水が、冷却水ポンプ6によりエンジン1に再度供給されることにより、冷却水の循環が行われる。
ランキンサイクル2は、作動流体が循環するポンプ8、熱交換器9、従動クランク型スクロール式の膨張機10、凝縮器11及びレシーバ12を備えている。ポンプ8及び熱交換器9は循環路13により接続され、熱交換器9及び膨張機10は循環路14により接続され、膨張機10、凝縮器11、レシーバ12及びポンプ8は循環路15により接続されている。なお、膨張機10の構成については後述する。
ポンプ8は、電動モータ16により駆動され、液化された作動流体を、循環路13を介して熱交換器9に供給する。なお、作動流体には潤滑油が添加されており、潤滑油はランキンサイクル2を循環する間に機械的な摺動部の潤滑を行う。熱交換器9は排気管3の一部に設置され、内部に作動流体の流通する管路17が形成されている。作動流体は熱交換器9内の管路17を流通する間に、排気管3内を通過する高温の排気ガスにより加熱され、熱交換器9の出口側では超臨界状態となる。
熱交換器9において加熱された作動流体は、循環路14により膨張機10に供給される。膨張機10は作動流体の膨張により回転され、機械的動力を出力することができる。膨張機10において得られた動力は、膨張機10に連結された発電機18を回転し、電力を得ることができる。発電機18はインバータ19を介してバッテリー20と電気的に接続されており、発電された電力をバッテリー20に蓄積することができる。膨張機10を経由した作動流体は、凝縮器11において放熱され、凝縮液化される。また、凝縮された作動流体は、レシーバ12において気液二層に分離され、液化された作動流体のみがポンプ8に導入される。
ランキンサイクル2には、制御装置21が設けられている。制御装置21はポンプ8を作動する電動モータ16及び発電機18を制御するインバータ19に電気的に接続されている。制御装置21は電動モータ16に対して起動及び停止指令を発信し、ポンプ8の作動を制御する。また、インバータ19はバッテリー20へ電力を蓄電する機能の他、制御装置21の指令に基づき、発電機18の回転数を制御する機能を有する。
循環路14には、膨張機10の入口側、即ち熱交換器9と膨張機10との間における作動流体の温度状態を検出する温度センサー22及び作動流体の圧力状態を検出する圧力センサー23が設置されている。温度センサー22及び圧力センサー23は、共に制御装置21に電気的に接続され、膨張機10の入口側における作動流体の温度状態及び圧力状態を検出して検出信号を制御装置21に送信している。
膨張機10について、図2及び図3を参照して説明する。図2において、膨張機10のハウジングは、筒状に形成されたセンタハウジング24と、センタハウジング24の一端(図1の左端)に接合されたフロントハウジング25と、センタハウジング24の他端(図1の右端)に接合されたリヤハウジング26とから形成されている。センタハウジング24は仕切り壁27を有し、仕切り壁27によりセンタハウジング24の内部がフロント側とリヤ側の2つの空間に仕切られている。
仕切り壁27とフロントハウジング25との間の空間には、発電機18が収容されている。また、仕切り壁27とリヤハウジング26との間の空間には、支持ブロック28及び膨張機10が収容されている。発電機18の回転軸29は、ローラ軸受30、ボール軸受31及び複列の円錐ころ軸受32によって回転可能に支持されている。発電機18にはインバータ19を介してバッテリー20が接続されている。
支持ブロック28の内周面には、Oリング製の軸シール33が装着されている。支持ブロック28を貫通した回転軸29の先端には、回転軸29の中心軸線Xに対して偏心した偏心軸34が設けられている。偏心軸34はブッシュ35を有し、回転軸29の回転により中心軸線Xの周りを公転する。また、ブッシュ35は単列の円錐ころ軸受36を介して膨張機10の一部を構成する可動スクロール37を支持している。可動スクロール37の可動渦巻壁38は、リヤハウジング26に固定して設けられた固定スクロール39の固定渦巻壁40と所定角度ずらせて歯合され、固定スクロール39の鏡板41と接合する。固定スクロール39の固定渦巻壁40は可動スクロール37の鏡板42に接合し、可動渦巻壁38と固定渦巻壁40との間に膨張室43が形成される。
固定スクロール39の鏡板41の中央部には吸入口44が形成され、鏡板41とリヤハウジング26との間には吸入室45が区画されている。吸入室45は吸入口44を介して膨張室43に連通するとともに、リヤハウジング26に形成された吸入ポート46に連通する。また、固定スクロール39の内周面と可動スクロール37における可動渦巻壁38の最外周面との間、及び吸入室45の外周側には吐出室47が区画形成され、吐出室47はセンタハウジング24に形成された吐出ポート48に連通している。
可動スクロール37は作動流体の膨張により回転される時、自転を防止し、公転(旋回)のみを許容するため、自転防止機構としての自転防止ピン49を備え、支持ブロック28には、自転防止ピン49が嵌合される自転防止機構としての自転防止孔50が設けられている。図3に示すように、可動スクロール37には、等間隔に配置された6本の円形状の自転防止ピン49が支持ブロック28に向けて突出するように設けられている。支持ブロック28には、自転防止ピン49に対向して自転防止ピン49よりも大径の円形状に形成された6個の自転防止孔50が穿設されている。
自転防止ピン49は可動スクロール37が回転される時、自転防止孔50の内周面に規制されて移動するため、可動スクロール37は自転を防止されるとともに旋回半径を変えながら旋回する。また、可動スクロール37の旋回中、可動渦巻壁38の内面51及び外面52は常に固定渦巻壁40の外面53及び内面54に向けて移動する。例えば、図3に示したある時点で見ると、C8〜C11で示す接触点及び一部の自転防止ピン49と対応する自転防止孔50の内周面との接触点が接触することにより位置決めされている。
従って、膨張機10では、自転防止孔50の形成位置を調整することにより、接触点C6〜C11の内、いずれの点を接触させるか予め設定することができる。また、可動渦巻壁38と固定渦巻壁40との間には、例えば、図3に示す時点では、接触点C6と接触点C7との間、接触点C6と接触点C8との間、接触点C8と接触点C10との間、接触点C7と接触点C9との間、接触点C9と接触点C11との間にそれぞれ膨張室43が区画されている。
なお、図2において、固定スクロール39に形成した連通路55は、吸入室45と背圧室56とを接続し、作動流体を背圧室56に導入する。また、チェック弁57は、背圧室56と吐出室47とを接続し、背圧室56内の圧力が設定値以上になると、作動流体を吐出室47に逃し、背圧室56内を適正圧力に保持する機能を有する。
膨張機10では、超臨界状態にある作動流体が吸入ポート46から吸入室45に供給され、吸入口44を介して膨張室43に導入されて膨張する。膨張室43における作動流体の膨張により可動スクロール37が旋回し、回転軸29が回転されるため、発電機18が電力を発生する。膨張室43において膨張し、圧力が低下した作動流体は、吐出室47に吐出された後、吐出ポート48から循環路15を介して凝縮器11へ供給される(図1参照)。
膨張機10の吸入室45に供給された超臨界状態にある作動流体は、膨張により図4に実線で示すように圧力低下し、吐出室47に吐出される。作動流体は、膨張室43への導入開始時期である可動スクロール37の回転角度0から導入完了時期である回転角度θ2まで超臨界圧力P1の状態にある。膨張室43において膨張を開始した作動流体は、回転角度θ3で臨界圧力PCに達し、亜臨界圧力の状態に圧力低下するとともにさらに膨張に伴う圧力低下を続け、回転角度θ6で吐出室47に吐出される。
可動スクロール37では、作動流体が臨界圧力PCに達した回転角度θ3に一定の回転角度を加えた一定時間後の回転角度θ4が切換位置L1、L2(図5〜図8参照)として設定されている。切換位置L1、L2となる回転角度θ4における作動流体の圧力は、亜臨界圧力P2に低下した状態である。また、切換位置L1、L2は、接触点C1〜C11(図3、図5〜図8参照)において、可動渦巻壁38を固定渦巻壁40に対して接触状態にするか、非接触状態にするかの分岐点を表している。発明の実施形態は、回転角度0から回転角度θ4の領域では、可動渦巻壁38が固定渦巻壁40と非接触の状態で膨張室43を区画するように構成している。一方、回転角度θ4から回転角度θ6の領域では、可動渦巻壁38が固定渦巻壁40と接触した状態で膨張室43を区画するように構成している。
図5〜図8を参照し、可動渦巻壁38と固定渦巻壁40とにより形成される1つの膨張室43A(図6参照)を基に、作動流体の導入開始時期から吐出時期までにおける可動渦巻壁38の具体的な状態を説明する。図5は、図4の回転角度0で示す作動流体の導入開始時期で、膨張室43Aが形成される直前である。図5において、図4の回転角度θ4に示す切換位置L1は固定渦巻壁40の半径方向中間位置の内面54に存在する。切換位置L2は切換位置L1のほぼ180度反対側で、固定渦巻壁40の半径方向中間位置の外面53に存在する。また、切換位置L1及びL2は図6〜図8においても同一の位置に存在する。
従って、図5では、切換位置L1及びL2より反回転方向側、即ち図4の回転角度0〜回転角度θ4に位置する接触点C1、C2、C3は、可動渦巻壁38が固定渦巻壁40に対して非接触となるように構成されている。また、切換位置L1及びL2より回転方向側、即ち図4の回転角度θ4〜回転角度θ6に位置する接触点C4、C5は可動渦巻壁38が固定渦巻壁40に対して接触するように構成されている。
図6は、可動スクロール37が図4の回転角度θ1まで旋回した状態を示し、新たに形成された膨張室43Aに超臨界状態にある作動流体が導入されている。膨張室43Aは、可動渦巻壁38の外面52及び固定渦巻壁40の内面54の接触点C6と固定渦巻壁40の外面53及び可動渦巻壁38の内面51の接触点C7により区画形成されている。接触点C6、C7は、それぞれ切換位置L1及びL2に対して反回転方向側、即ち、回転角度0と回転角度θ4との間に存在し、非接触の状態となるように構成されている。
これに対し、他の接触点C8〜C11はそれぞれ切換位置L1及びL2に対して回転方向側、即ち、回転角度θ4と回転角度θ6との間に存在するため、接触状態となるように構成されている。なお、膨張室43Aを区画する接触点C6、C7の非接触状態は、接触しない程度の僅かな隙間となるように構成されているため、膨張室43A内の作動流体が漏洩する恐れは無い。また、膨張室43Aに導入された作動流体は超臨界温度の高温にあるため、潤滑油の粘度が低下し、潤滑機能が著しく低下している。しかし、超臨界圧力P1の掛かる接触点C6、C7が非接触状態にあるため、可動渦巻壁38及び固定渦巻壁40の摩耗、損傷を引き起こす恐れが無視できるほど小さい。
また、接触点C8〜C11の位置では、図4に示すように、作動流体が亜臨界圧力にまで低下しているため、超臨界状態で潤滑油に溶け込んでいた作動流体が潤滑油から分離され、潤滑油の粘度が高まり、本来の潤滑性能を備えている。このため、接触点C8〜C11側では、可動渦巻壁38及び固定渦巻壁40は潤滑が十分に行なわれ、摩耗、損傷等を引き起こす恐れが無い。
図7は、可動スクロール37が図4の回転角度θ2まで旋回した状態を示し、膨張室43Aへの作動流体の導入が完了した状態である。この時点で、膨張室43Aは、可動渦巻壁38の内面51と固定渦巻壁40の内面54とが対向する接触点C1及び可動渦巻壁38の外面52と固定渦巻壁40の内面54とが対向する接触点C2によって区画されている。接触点C1、C2はそれぞれ切換位置L1の反回転方向側に存在し、非接触状態に構成されている。また、可動渦巻壁38の内面51と固定渦巻壁40の外面53とが対向する接触点C3は、切換位置L2の反回転方向側に存在するため、非接触状態に構成されている。他の接触点C4、C5は、それぞれ切換位置L1及びL2より回転方向側に位置するため、接触状態となるように構成されている。
図7の膨張室43Aに充填された作動流体は、膨張前の段階にあり、超臨界状態にある。従って、作動流体に添加されている潤滑油の粘度は低下した状態にあるが、接触点C1、C2が非接触状態にあるため、可動渦巻壁38及び固定渦巻壁40の摩耗、損傷を引き起こす恐れが無い。また、接触点C4、C5の位置では、作動流体が亜臨界圧力にまで低下し、超臨界状態で潤滑油に溶け込んでいた作動流体が潤滑油から分離され、潤滑油は本来の潤滑性能を備えている。このため、可動渦巻壁38及び固定渦巻壁40は潤滑が十分に行なわれ、摩耗、損傷等を引き起こす恐れが無い。
図8は、可動スクロール37が図4の回転角度θ5まで旋回した状態である。膨張室43Aは、可動渦巻壁38の外面52と固定渦巻壁40の内面54との接触点C6及び可動渦巻壁38の内面51と固定渦巻壁40の外面53との接触点C8によって区画されている。図8の状態では、膨張室43Aを区画する一方の接触点C6は切換位置L1の反回転方向側に存在するため、非接触状態に構成されている。他方の接触点C8は切換位置L2の回転方向側に存在するため、接触状態となるように構成されている。可動スクロール37が図4の回転角度θ5まで旋回した状態では、膨張室43A内の作動流体は亜臨界圧力P2以下に減圧しているため、潤滑は十分に行なわれる。
可動スクロール37が図4に示すいずれの回転角度に旋回しても、超臨界温度の影響により潤滑性能が低下し、超臨界圧力P1の影響を受ける可動スクロール37の中心側(作動流体の吸入側)の接触点C1〜C3、C6、C7は、非接触状態となるように構成されている。このため、可動渦巻壁38及び固定渦巻壁40の摩耗、損傷が確実に防止される。また、可動スクロール37の中心側の接触点C1〜C3、C6、C7が非接触状態にあっても、潤滑が十分に行なわれる可動スクロール37の外周側(作動流体の吐出側)の接触点C4、C5、C8〜C11は接触状態となるように構成されるため、可動スクロール37の旋回は安定して行なわれる。
本願発明は、前記した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本願発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、次のように実施することができる。
(1)発明の実施形態において、可動スクロール37に6本の自転防止ピン49及び支持ブロック28に6個の自転防止孔50を設けた構成を示したが、自転防止ピン49は6本に限らず、3本以上の複数本を設け、対応する3個以上の複数個の自転防止孔50を支持ブロック28又は固定スクロール39等のハウジングに固定された部材側に設けるように構成しても良い。
(2)発明の実施形態において、切換位置L1、L2は作動流体が臨界圧力PCに達した回転角度θ3に一定の回転角度を加えた回転角度θ4に設定し、潤滑油の粘度がほぼ初期の状態に戻る亜臨界圧力の時期に設定している。しかし、本願発明では、切換位置L1、L2を作動流体が臨界圧力PCに達した直後の回転角度に設定しても、接触状態にある可動渦巻壁38と固定渦巻壁40との間の潤滑を良好に行うことができる。
2 ランキンサイクル
8 ポンプ
9 熱交換器
10 膨張機
11 凝縮器
16 電動モータ
37 可動スクロール
38 可動渦巻壁
39 固定スクロール
40 固定渦巻壁
43、43A 膨張室
44 吸入口
49 自転防止ピン(自転防止機構)
50 自転防止孔(自転防止機構)
θ1〜θ11 回転角度
C1〜C11 接触点
L1、L2 切換位置
P1 超臨界圧力
PC 臨界圧力
P2 亜臨界圧力

Claims (2)

  1. ハウジング内に、固定渦巻壁を有する固定スクロール及び可動渦巻壁を有する可動スクロールを備え、前記固定スクロールの中心側に前記固定渦巻壁及び前記可動渦巻壁により区画される膨張室と連通する作動流体の吸入口を備え、前記膨張室に吸入された超臨界状態にある作動流体の膨張により前記可動スクロールが自転防止機構と前記固定スクロールで規制されながら旋回され、機械的動力を出力する従動クランク型スクロール式膨張機において、
    前記吸入口から前記膨張室に吸入された超臨界圧力の作動流体が膨張に伴い、亜臨界圧力に低下するまでの前記可動スクロールの回転角度の領域では、前記固定渦巻壁と前記可動渦巻壁とを非接触の状態で前記膨張室を区画し、前記作動流体が前記亜臨界圧力に低下した後における前記可動スクロールの回転角度の領域では、前記固定渦巻壁と前記可動渦巻壁とを接触させた状態で前記膨張室を区画することを特徴とする従動クランク型スクロール式膨張機。
  2. 前記固定渦巻壁と前記可動渦巻壁とを非接触の状態で前記膨張室を区画する前記可動スクロールの回転角度の領域は、前記作動流体が超臨界圧力から臨界圧力に低下した時点の前記可動スクロールの回転角度に一定の回転角度を加えた回転角度までであることを特徴とする請求項1に記載の従動クランク型スクロール式膨張機。
JP2012114842A 2012-05-18 2012-05-18 従動クランク型スクロール式膨張機 Pending JP2013241869A (ja)

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