JP2013241641A - 高炉への原料装入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微粉炭の大量吹込み操業を実施する場合でも通気性を確保して、高炉操業の安定化及び熱効率の向上を達成することができる高炉への原料装入方法を提供する。
【解決手段】焼結鉱、ペレット、塊状鉱石などの鉱石類原料及びコークスの高炉装入原料を、旋回シュートを用いて高炉内へ装入する高炉操業方法において、前記高炉装入原料を高炉内に装入する際に、高炉の軸心部に中心コークス層を形成すると共に、高炉の炉壁内周部に周辺コークス層を形成し、さらに該中心コークス層と該周辺コークス層との間の領域には、鉱石類原料とコークスとの混合層を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、炉内への原料装入を旋回シュートで行う高炉への原料装入方法に関するものである。
高炉は、一般的に焼結鉱、ペレット、塊状鉱石等の鉱石類原料とコークスとを炉頂から層状に装入し、羽口より燃焼ガスを流して、銑鉄を得る。装入された高炉装入原料であるコークスと鉱石類原料は炉頂より炉下部へと降下し、鉱石の還元と原料の昇温が起こる。鉱石類原料層は、昇温と上方からの荷重により鉱石類原料間の空隙を埋めながら徐々に変形して、高炉のシャフト部の下方においては非常に通気抵抗が大きくガスが殆ど流れない融着層を形成する。
従来、高炉への原料装入は、鉱石類原料とコークスを交互に装入しており、炉内では鉱石類原料層とコークス層が交互に層状となっている。また、高炉内下部には融着帯と呼ばれる鉱石が軟化融着した通気抵抗の大きな鉱石類原料層及びコークス由来の比較的通気抵抗が小さいコークススリットが存在する。
この融着帯の通気性が高炉全体の通気性に大きく影響を及ぼしており、高炉における生産性を律速している。低コークス操業を行う場合、使用されるコークス量が減少することからコークススリットが限りなく薄くなることが考えられる。
融着帯の通気抵抗を改善するためには、鉱石類原料層にコークスを混合することが有効であることが知られており、適切な混合状態を得るために多くの研究が報告されている。
例えば、特許文献1においては、ベルレス高炉において、鉱石ホッパーのうち下流側の鉱石ホッパーにコークスを装入し、コンベア上で鉱石の上にコークスを積層し、炉頂バンカーに装入して、鉱石とコークスとを旋回シュートを介して高炉内に装入するようにしている。
また、特許文献2では、炉頂のバンカーに鉱石とコークスとを別々に貯留して、コークスと鉱石を同時に混合装入することで、コークスの通常装入用バッチ、コークスの中心装入用バッチ及び混合装入用バッチの3通りを同時に行うようにしている。
さらに、特許文献3では、高炉操業における融着帯形状の不安定化及び中心部付近におけるガス利用率の低下を防止し、安全操業と熱効率の向上を図るために、高炉における原料装入方法おいて、全鉱石と全コークスを完全混合した後炉内に装入するようしている。
特開平3−211210号公報 特開2004−107794号公報 特公昭59−10402号公報
ところで、融着帯の通気抵抗を改善するためには、前述した特許文献3に記載された従来例のように、鉱石層にコークスを混合することが有効であることが知られている。
しかしながら、特許文献3に記載された代表的なコークスの平均粒径は約40mm、鉱石の平均粒径は約15mmであって、両者で粒径が大幅に異なることから、混合した際に空隙率が大幅に低下するため、炉内において通気性が悪化し、ガスの吹き抜けや原料の降下不良といったトラブルを生じる可能性がある。
これらのトラブルを回避するためには、炉軸心部にコークスのみの層を形成する方法が考えられる。この方法によれば、炉軸心部にコークス層によるガスの通り道が確保されるため、通気性の改善が可能となる。しかしながら、高炉還元材として、羽口から微粉炭を大量に吹き込んで操業を行う場合には、微粉炭未燃焼粉により通気性が阻害されるため、特に炉壁周辺の通気性が大幅に悪化することになり、炉軸心部のみ通気性を確保しても十分であるとは言えない。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、たとえ微粉炭の大量吹込み操業を実施する場合でも通気性を確保して、高炉操業の安定化及び熱効率の向上を達成することができる高炉への原料装入方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.焼結鉱、ペレット、塊状鉱石などの鉱石類原料及びコークスの高炉装入原料を、旋回シュートを用いて高炉内へ装入する高炉操業方法において、
前記高炉装入原料を高炉内に装入するに際し、高炉の軸心部に中心コークス層を形成すると共に、高炉の炉壁内周部には周辺コークス層を形成し、さらに中心コークス層と周辺コークス層との間の領域には、鉱石類原料とコークスとの混合層を形成することを特徴とする高炉への原料装入方法。
2.前記高炉操業が、羽口から微粉炭を大量に吹き込む高微粉炭比操業であることを特徴とする前記1に記載の高炉への原料装入方法。
3.前記高炉の炉頂に少なくとも2つの炉頂バンカーを備え、前記炉頂バンカーの1つまたは2つに、前記鉱石類原料若しくは前記鉱石類原料と前記コークスとを当該コークス量が全量の30質量%以下となるように混合させた混合原料のいずれかまたは両者をそれぞれ貯留し、残りの炉頂バンカーの1つに前記コークスを貯留し、各炉頂バンカーから排出した原料を、一旦集合ホッパーに収容したのち、前記旋回シュートに供給することによって、高炉内に前記高炉装入原料を装入するに際し、
(1) まず、前記旋回シュートの原料装入先を高炉の炉壁内周部とし、コークスのみを装入した炉頂バンカーからコークスのみを排出することによって、高炉の炉壁内周部に周辺コークス層を形成し、
(2) 次に、前記旋回シュートの原料装入先を高炉の軸心部とし、同じくコークスのみを装入した炉頂バンカーからコークスのみを排出することによって、高炉の軸心部に中心コークス層を形成し、
(3) ついで、前記旋回シュートの原料装入先が中心コークス層と周辺コークス層との間とし、各炉頂バンカーから同時に、コークスと鉱石類原料及び/又は混合原料とを排出し、集合ホッパーで混合したのち、旋回シュートに供給することによって、前記中心コークス層と前記周辺コークス層との間の領域に鉱石類原料とコークスとの混合層を形成する
ことを特徴とする前記1または2に記載の高炉への原料装入方法。
4.前記鉱石類原料と前記コークスとの混合層の形成を、前記周辺コークス層の表面まで延在させることを特徴とする前記3に記載の高炉への原料装入方法。
本発明によれば、高炉内へ鉱石類原料及びコークスを装入する際に、高炉内の軸心部に中心コークス層を、また高炉の炉壁部に周辺コークス層を形成し、さらに該中心コークス層と該周辺コークス層との間には鉱石類原料及びコークスが混合された混合層を形成するので、炉下部における通気性が格段に向上して、鉱石の還元速度が大幅に向上し、たとえ高微粉炭比操業において微粉炭由来の未燃焼粉が大量に発生する状況下においても、安定した高炉操業を行うことができる。
本発明の高炉への原料装入方法の一実施形態を示す模式図である。 炉頂バンカーからの原料排出順序を示す説明図である。 炉頂バンカーを含む原料装入状態を示す模式図である。 本発明による高炉への原料装入状態と通常高炉での原料装入状態とを対比して示す模式図である。 本発明による高炉への原料装入状態と通常高炉での原料装入状態とを対比し、上部、中部及び下部の還元状態、通気・伝熱状態及び溶融浸炭状態を示す説明図である。 鉱石類原料の高温性状を測定する実験装置を示す概略構成図である。 図6の実験装置の実験結果の通気抵抗と加熱温度との関係を示す特性線図である。 コークス粒子径をパラメータとした鉱石類原料へのコークスの混合割合と最大圧力損失割合との関係を示す特性線図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による高炉への原料装入方法の一実施形態を模式的に示す図である。
図中、1は、焼結鉱、ペレット及び塊状鉱石の少なくとも一つからなる鉱石類原料2を貯蔵する鉱石類原料ホッパー、3はコークス4を貯蔵するコークスホッパーである。これら鉱石原料ホッパー1及びコークスホッパー3から所定比率で切出された鉱石類原料2及びコークス4は鉱石コンベア5によって上方に搬送されてリザービングホッパー6に鉱石類原料2及びコークス4が混合されて高炉装入原料7として貯留される。このリザービングホッパー6から切出された高炉装入原料7は装入コンベア8によって高炉10の炉頂に搬送され、レシービングシュート11を介して複数例えば3つの炉頂バンカー12a〜12cの1つ例えば12bに投入されて貯留される。ここで、炉頂バンカー12bに貯留される鉱石類原料及びコークスの混合原料は、コークス量が混合原料の全量の30%以下となるように調整されている。ここで、コークス量を混合原料の全量の30%以下に調整する理由は以下の通りである。
鉱石類原料ホッパー1及びコークスホッパー3から切出された鉱石類原料2及びコークス4は、鉱石コンベア5で、鉱石類原料2上にコークス4が積層された状態で、リザービングホッパー6に投入されることにより、このリザービングホッパー6で鉱石類原料2とコークス4とが混合されて混合原料となる。しかしながら、リザービングホッパー6に貯留された混合原料が装入コンベヤ8でレシービングシュート11まで搬送されるので、この装入コンベア8上で、コークスと鉱石類原料とで比重差及び粒子径差があるので、偏析する可能性があり、さらに、レシービングシュート11を介して炉頂バンカー12bに投入される際にも、偏析する可能性がある。
このとき、混合させるコークス量が全量の30%以下であるときには、炉頂バンカー12bに貯留された時点で、コークスと鉱石類原料とで大きな偏析を生じることはなく、旋回シュート16によって形成される鉱石類原料とコークスとの混合層の混合率を略均一にすることができる。
これに対して、コークス量が全量の30%を超えると比重差及び粒子径差による偏析が起こりやすくなり、炉頂バンカー12bに貯留された時点でコークスと鉱石類原料との偏析が大きくなり、局所的に鉱石類原料のみやコークスのみが存在する領域が発生してしまう。
しかも、炉頂バンカー12bから混合原料を排出する際の排出順序は、図2に示すように、高炉の中心軸に近い排出口12gに近い位置から上方に順次移動し、その後高炉の中心軸から外側に離れる方向に移動し、最後に傾斜側壁12hの上端側が排出される。
このため、排出口12gの直上部や傾斜側壁12hの上端側に鉱石類原料のみやコークスのみが存在する場合には、鉱石類原料のみ又はコークスのみが排出されることになり、後述する集合ホッパー14で他の炉頂バンカー12a及び12cから排出されるコークス及び鉱石類原料と混合されることにはなるが、鉱石類原料又はコークスの比率が増加して、旋回シュート16によって形成される鉱石類原料及びコークスの混合層の混合率が不均一となる。
次に、高炉内に、鉱石類原料及びコークスを装入する具体的な装入要領を、図3に基づいて説明する。
なお、この例で、炉頂バンカー12bには鉱石類原料及びコークスの混合原料が、また炉頂バンカー12aにはコークスのみが、さらに炉頂バンカー12cには鉱石類原料のみが、それぞれ貯留されている。
また、旋回シュート16は、高炉10の軸心を中心に旋回すると同時に高炉10の軸心部から炉壁側へ向かって傾動するように逆傾動制御される、いわゆる逆傾動制御方式で原料装入を行う場合について説明する。
さらに、高炉の軸心部に中心コークス層を形成する場合について説明する。
さて、炉頂バンカーからの原料装入順序としては、まず、旋回シュート16の原料装入先を高炉の炉壁内周部とし、コークスのみを装入した炉頂バンカー12aからコークスのみを排出することによって、高炉の炉壁内周部に周辺コークス層12fを形成する。
すなわち、旋回シュート16の原料装入先が高炉の炉壁部を向いている状態では、炉頂バンカー12b及び12cの流量調整ゲート13を閉じ、炉頂バンカー12aのみの流量調整ゲート13を開き、この炉頂バンカー12aに貯留されているコークスのみを旋回シュート16に供給することによって、図3に示すように、高炉の炉壁内周部に周辺コークス層12fを形成する。
この際、原料ストックライン高さにおける装入原料の落下位置は、高炉軸心部を0、炉壁部を1とする高炉無次元半径において0.7以上、1.0以下とすることが望ましい。この理由は、コークスをできるだけ炉壁部周辺に集めることによって、炉壁部周辺の通気性を効果的に改善することが可能となるからである。装入原料の落下位置が無次元半径の0.7より小さくなると、コークスが中間部から中心部にかけて流れ込み、炉壁部のコークス層が十分に機能しないおそれが生じる。
なお、周辺コークス層を形成するために装入されるコークス量は、1チャージ当たりのコークス装入量の20〜40質量%程度とするのが好ましい。というのは、炉壁部へのコークス装入量が20質量%に満たないと炉壁部周辺の通気性の改善が十分でなく、一方40質量%より多いコークスを炉壁部に集中させた場合には、混合層および中心コークス層に使用するためのコークス量が低下するだけでなく、周辺部をガスが流れすぎて炉体からの抜熱量が増加するからである。
次に、旋回シュート16の原料装入先を高炉の軸心部とし、同じくコークスのみを装入した炉頂バンカー12aからコークスのみを排出することによって、高炉の軸心部に中心コークス層12dを形成する。
すなわち、旋回シュート16が略垂直状態に傾動している状態では、炉頂バンカー12b及び12cの流量調整ゲート13を閉じ、炉頂バンカー12aのみの流量調整ゲート13を開き、この炉頂バンカー12aに貯留されているコークスのみを旋回シュート16に供給することによって、図3に示すように、軸心部に中心コークス層12dを形成する。
なお、中心コークス層を形成するために装入されるコークス量は、1チャージ当たりのコークス装入量の10〜30質量%程度とするのが好ましい。というのは、軸心部へのコークス装入量が10質量%に満たないと軸心部周辺の通気性の改善が十分でなく、一方30質量%より多いコークスを軸心部に集中させた場合には、混合層および周辺コークス層に使用するためのコークス量が低下するだけでなく、軸心部をガスが流れすぎてやはり炉体からの抜熱量が増加するからである。
ついで、旋回シュート16の原料装入先が中心コークス層と周辺コークス層との間とし、各炉頂バンカーから同時に、コークスと鉱石類原料及び/又は混合原料とを排出し、集合ホッパー14で混合したのち、旋回シュート16に供給することによって、中心コークス層12dと周辺コークス層12fとの間の領域に鉱石類原料とコークスとの混合層12eを形成する。
すなわち、旋回シュートの原料装入先が中心コークス層と周辺コークス層との間にある場合には、炉頂バンカー12aだけでなく、残りの2つの炉頂バンカー12b及び12cの流量調整ゲート13を所定比率で開き、炉頂バンカー12aから排出されるコークスと、炉頂バンカー12bから排出される混合原料と、炉頂バンカー12cから排出される鉱石類原料とを同時に集合ホッパー14へ供給し、この集合ホッパー14でコークスと鉱石類原料とを完全に混合してから旋回シュート16に供給する。その結果、高炉10内の中心コークス層12dと周辺コークス層12fの間の領域には、コークスと鉱石類原料とが略均一な混合率となってコークススリットを生じない混合層12eが形成される。
なお、混合層12e中におけるコークスの割合は、中心コークス層12d及び周辺コークス層12fの量にもよるが、全コークス量の20〜50質量%程度とするのが好ましい。
また、本発明において、混合層12eの形成は、図3に示すように、中心コークス層12dと周辺コークス層12fの間の領域だけでなく、周辺コークス層12fの表面まで延在させて形成することもできる。
そして、上記した周辺コークス層12f、中心コークス層12d及び混合層12eで構成される層を順次、高炉10内に下部から上部まで形成して行く。
このように、周辺コークス層12f、中心コークス層12d及び混合層12eで構成される層を順次積層することにより、高炉10内の軸心部および炉壁部には通気抵抗の小さい中心コークス層12d及び周辺コークス層12fが高炉下部から高炉上部に向かって形成され、その間にコークスと鉱石類原料とが完全混合された混合層12eが形成される。
そのため、図4の右半部に示すように、高炉10の下部における湯溜り部に設けた羽口の送風管17からCOを主体とする高温ガスを流入させることにより、軸心部の中心コークス層12d及び周辺コークス層12fを通って上昇するガス流が形成されると共に、混合層12eを通って上昇するガス流が形成される。この送風管17から流入する高温ガスによって、コークスを燃焼させ、鉱石類原料を還元溶解させる。
なお、図4中、18は従来の装入方式におけるコークス層、19は鉱石層であり、符号20で鉱石・コークス混合層を、21で融着帯(鉱石軟化層)を、22でガス流れを示す。
これによって、高炉10の下部における鉱石類原料が溶融することにより、高炉10内に装入されたコークスと鉱石類原料とは炉頂より炉下部へと降下し、鉱石類原料の還元と鉱石類原料の昇温が起こる。
このため、溶融層の上部側に鉱石類原料が軟化した融着帯が形成され、この融着帯の上部側で鉱石類原料の還元が行われる。
このとき、図5の右半部に示すように、高炉10の下部では、混合層12eにおいて、鉱石類原料とコークスとが完全混合されて、鉱石類原料間にコークスが入り込んだ状態となり、コークススリットが無いので、通気性が改善されるとともに、高温ガスが直接鉱石類原料間を通過するため伝熱遅れがなく伝熱特性を改善することができる。
このため、高炉10の融着帯の下部では、鉱石類原料と高温ガスの接触面積が拡大し、浸炭を促進することができる。また、融着帯内では、通気性及び伝熱性を改善することができる。さらに、高炉10の上部でも、鉱石類原料とコークスとが近接して配置されているので、鉱石類原料の還元反応とガス化反応(カーボンソリューションロス反応)との相互活性化現象であるカップリング反応によって還元遅れを生じることなく良好な還元が行われる。
このときの還元反応は、FeO+CO=Fe+CO2で表される。
また、ガス化反応は、C+CO2=2COで表される。
一方、前述した鉱石とコークスとを層状に積層する従来例では、図4の左半部で示すように、高炉内に鉱石とコークスとを交互に装入して、高炉内に鉱石層とコークス層とが層状となるように装入する。この場合には、羽口の送風管21からCO主体の高温ガスを流入させたときに、図5の左半部に示すように、融着帯の下部で、コークススリット減により通気が制限されて圧損が上昇することにより、鉱石の高温ガスとの接触面積が小さくなり浸炭が制限されるという問題がある。
また、融着帯の上部側では、コークススリットが形成され、主にこのコークススリットを通じて鉱石に熱伝導されるため、伝熱遅れが発生して伝熱不足になると共に、高炉10の上部では、通気性の良いコークス層と通気性の悪い鉱石層とが積層されているので、昇温速度が低下するだけでなく、還元反応のみが行われ、上記したカップリング反応が望めないので、還元遅れが発生するという問題がある。
しかしながら、本実施形態では、前述したように、コークスのみの中心コークス層12dと周辺コークス層12fおよびその間のコークスと鉱石類原料とを完全混合した混合層12eとで形成される装入層を積層したので、混合層12eでコークススリットが形成されることがなく、ガス流れを均一化して、良好な伝熱性を確保して安定的な通気改善が可能となり、上記従来例の問題点を解決することができる。
本実施形態の上記効果を実証するために、図6に示す実験装置を用いて、高炉内での原料還元、昇温過程を模擬してその通気抵抗の変化を調べた。
この実験装置は、円筒状の炉体31の内周面に炉芯管32を配置し、この炉芯管32の外側に円筒状の加熱用ヒーター33を配置する。炉芯管32の内側には耐火物で構成された円筒体34の上端に黒鉛製るつぼ35を配置し、このるつぼ35内に装入原料36が装入されている。この装入原料36には、高炉下部の融着層と同程度の状態となるように、パンチ棒37を介して連結した荷重負荷装置38により上部から荷重を負荷する。円筒体34の下部には、滴下物サンプリング装置39が設けられている。
るつぼ35には、その下部の円筒体34を介してガス混合装置40によって調整したガスを送り、るつぼ35内の装入原料36を通過したガスはガス分析装置41で分析される。加熱用ヒーター33には加熱温度制御用の熱電対42が配設され、この熱電対42で温度を測定しながら図示しない制御装置で加熱用ヒーター33を制御することによって、るつぼ35を1200〜1500℃に加熱する。
ここで、るつぼ35内に装入された装入原料36の鉱石としては50〜100質量%の焼結鉱と、0〜50質量%の塊鉄鉱石を混合したものを用いた。
図7は、上記実験装置の実験結果の一例を示す鉱石に対するコークスの混合量を変化させた場合の通気抵抗と加熱温度との関係を示す特性線図である。
図7に示したように、コークスを混合しない場合には、1300℃以上の高温域で通気抵抗が急激に上昇するのに対し、コークスを混合した場合には通気抵抗が顕著に低下する。このとき、コークスの混合量を増やした場合には、その効果が大きくなることが分かる。これは、コークスを混合することによって、鉱石の変形が抑制され、また混合コークス近傍の空隙が維持されるため、鉱石の変形によって粒子間の空隙が減少するために、通気抵抗値が上昇する現象が防止されるためである。
また、図8には、コークス混合割合と最大圧力損失割合との関係を、コークスの大きさが異なる場合について調べた特性線図である。
図8に示したように、塊コークスと小中塊コークスとを用いて場合において、融着層における通気抵抗値が異なり、小中塊コークスを用いた場合には、塊コークスを用いた場合と比較して同じ混合量でも圧力損失が小さくなることが実証された。
ここに、塊コークスとは粒径が30〜60mm程度のものを、また小中塊コークスとは粒径が10〜30mm程度のものをいう。一方、鉱石類原料は、通常、粒径が5〜20mm程度である。
また、発明者らは、圧力損失の低減すなわち通気性の向上に好適な混合層におけるコークスの割合(コークス量/鉱石類原料量)について調査したところ、質量比率で7〜25%程度が好ましいことが判明した。より好ましくは10〜15%の範囲である。
なお、従来、溶銑:1tを製造するのに必要なコークス量(kg)、すなわちコークス比は350〜380kg/t程度であったが,本発明に従って原料装入を行う場合にはコークス比を300〜330kg/t程度まで低減することが可能である。
コークスを鉱石層に全く混合させない場合(比較例1)、コークスを鉱石層に70質量%混合し、残りの30質量%は高炉軸心部に配置した場合(比較例2)およびコークスを鉱石層に60質量%混合し、残りのコークスは高炉の軸心部に20%、炉壁内周部に20%配置した場合(発明例1)について、微粉炭比:180kg/tの高微粉炭比操業を行った。なお、高炉の一日当たりの出銑量(t/d)を炉内容積(m3)で除した値である出銑比はいずれも2.0とした。
それぞれの場合における操業結果を、表1に比較して示す。
Figure 2013241641
この表1で、コークス比及び微粉炭比は、溶銑1tを製造する際に使用したコークス量及び微粉炭量(kg)である。
還元材比は、コークス比と微粉炭比の総和である。
ガス利用率は、炉頂におけるCO2とCOとの濃度の比であり、次式により算出する。
ガス利用率=CO2/(CO2+CO)×100
ここで、CO2は炉頂CO2濃度[%]
COは炉頂CO濃度[%]
また、ΔP/Vは高炉内での通気抵抗を指数化した指標であり、次式により算出する。
ΔP/V=(BP−TP)/BGV
ここで、BPは送風圧力[Pa]
TPは炉頂圧力[Pa]
BGVはボッシュガス量[m3(標準状態)/min]
表1に示したとおり、比較例2は、比較例1に較べると改善されているとはいえ、ガス利用率はあまり向上せず、またコークス比の削減量よりも微粉炭の増加量が多いため、全体として還元材比の上昇を余儀なくされた。さらに、比較例2では原料の荷下がり悪化やガスの吹き抜けは、シャフト部の圧力変動の兆候で事前に捉えることができたが、圧力変動量が上昇したため、操業維持の観点から、コークス比の増加を余儀なくされた。
これに対し、発明例1は、高微粉炭比操業下においてもシャフト圧力変動は発生せず、ガス利用率は大きく向上し、コークス比を大幅に削減することができた。このため、微粉炭比を増加しているにもかかわらず、全体の還元材比を低減することに成功している。
1 鉱石類粉ホッパー
2 鉱石類原料
3 コークスホッパー
4 コークス
5 鉱石コンベア
6 リザービングホッパー
7 高炉装入原料
8 装入コンベア
10 高炉
11 レシービングシュート
12a〜12c 炉頂バンカー
12d 中心コークス層
12e 混合層
12f 周辺コークス層
12g 炉頂バンカーの排出口
12h 炉頂バンカーの傾斜側壁
13 流量調整ゲート
14 集合ホッパー
15 ベルレス式装入装置
16 旋回シュート
17 送風管
18 コークス層
19 鉱石層
20 鉱石・コークス混合層
21 融着帯(鉱石軟化層)
22 ガス流れ

Claims (4)

  1. 焼結鉱、ペレット、塊状鉱石などの鉱石類原料及びコークスの高炉装入原料を、旋回シュートを用いて高炉内へ装入する高炉操業方法において、
    前記高炉装入原料を高炉内に装入するに際し、高炉の軸心部に中心コークス層を形成すると共に、高炉の炉壁内周部には周辺コークス層を形成し、さらに中心コークス層と周辺コークス層との間の領域には、鉱石類原料とコークスとの混合層を形成することを特徴とする高炉への原料装入方法。
  2. 前記高炉操業が、羽口から微粉炭を大量に吹き込む高微粉炭比操業であることを特徴とする請求項1に記載の高炉への原料装入方法。
  3. 前記高炉の炉頂に少なくとも2つの炉頂バンカーを備え、前記炉頂バンカーの1つまたは2つに、前記鉱石類原料若しくは前記鉱石類原料と前記コークスとを当該コークス量が全量の30質量%以下となるように混合させた混合原料のいずれかまたは両者をそれぞれ貯留し、残りの炉頂バンカーの1つに前記コークスを貯留し、各炉頂バンカーから排出した原料を、一旦集合ホッパーに収容したのち、前記旋回シュートに供給することによって、高炉内に前記高炉装入原料を装入するに際し、
    (1) まず、前記旋回シュートの原料装入先を高炉の炉壁内周部とし、コークスのみを装入した炉頂バンカーからコークスのみを排出することによって、高炉の炉壁内周部に周辺コークス層を形成し、
    (2) 次に、前記旋回シュートの原料装入先を高炉の軸心部とし、同じくコークスのみを装入した炉頂バンカーからコークスのみを排出することによって、高炉の軸心部に中心コークス層を形成し、
    (3) ついで、前記旋回シュートの原料装入先が中心コークス層と周辺コークス層との間とし、各炉頂バンカーから同時に、コークスと鉱石類原料及び/又は混合原料とを排出し、集合ホッパーで混合したのち、旋回シュートに供給することによって、前記中心コークス層と前記周辺コークス層との間の領域に鉱石類原料とコークスとの混合層を形成する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の高炉への原料装入方法。
  4. 前記鉱石類原料と前記コークスとの混合層の形成を、前記周辺コークス層の表面まで延在させることを特徴とする請求項3に記載の高炉への原料装入方法。
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