JP2013241293A - ガラス板のレーザ溶断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス板の切断時における作業性を改善すると共に、切断されたガラス板の切断面の品位を向上させるガラス板のレーザ溶断法を提供する。
【解決手段】ガラス板の表面Sに対して傾斜した方向からアシストガスA1を噴射することで、ガラス板の溶融ガラス部Mの一部をアシストガスA1の噴射先側に肉寄せし且つ残りの一部をアシストガスA1の噴射先側に吹き飛ばすと共に、肉寄せした溶融ガラスMでアシストガスA1の噴射方向の傾斜と逆向きに傾斜した傾斜壁部Wを形成し、さらに継続して、アシストガスA1を傾斜壁部Wに沿ってガラス板Gの裏面側Bに誘導することで、傾斜壁部Wと対向する壁部を、凸曲面状をなす切断面Fに成形するように構成した。
【選択図】図5

Description

本発明は、ガラス板のレーザ溶断方法に係り、詳しくは、ガラス板をレーザ照射により切断分離する場合における当該ガラス板の切断面の品質を向上させるための技術に関する。
周知のように、ガラス板を切断する方法は、種々のものが実用化されているが、その一つとして、レーザ溶断法がある。このレーザ溶断法は、レーザビームの照射熱により被加工物に溶融部を生成しつつ、アシストガスを該溶融部に向かって噴射し、該溶融部の一部を飛散させ除去することで被加工物を切断する方法である。
この種のレーザ溶断法をガラス板の切断に適用した場合には、レーザ照射部に生成される溶融ガラス部の一部が除去されることにより、切断後のガラス板の切断面間に所定の間隙が形成される。このため、例えば、切断されたガラス板を後工程に移すために切断用の加工台からピックアップして移送するような場合に、切断面同士の接触や摺動に起因して、傷や割れ等が切断面に発生することを可及的に防止することができる。また、切断時のレーザの照射熱によって、ガラス板の切断面が滑らかな火造り面となることにより、従来の機械的な方法による研磨鏡面加工と同等以上の効果を切断面に与えることが可能である。
なお、ガラス板の切断を対象としたものではなく、金属板やセラミック板の切断を対象としたものではあるが、例えば、下記の特許文献1によれば、レーザ溶断法として、金属板やセラミック板に対するレーザ照射部に、アシストガスその他のガスを種々の方向から噴射して、円滑な切断を行うことが開示されている。
特開平8−141764号公報
しかしながら、ガラス板を対象としてレーザ溶断法で切断を行う場合には、溶融したガラスの粘性が、上述の金属やセラミックと比較して高いために、レーザ照射部に生じた溶融ガラス部を除去する作業が極めて面倒且つ煩雑なものとなる。また、ガラスは比較的熱伝導が低いため、溶融ガラス部の除去の困難性が一層顕著となる。
詳述すると、単純にアシストガスをレーザ照射部に対して噴射するだけでは、ガラス板に生じた溶融ガラス部を容易に除去できないため、ガラス板の切断に要する時間が長期化され、作業能率が悪化する。しかも、板ガラスに生じた溶融ガラス部の除去の円滑化が阻害されることに起因して、ガラス板の切断面の品位が低下する。
また、特許文献1には、金属板やセラミック板のレーザ照射部に対してアシストガスを真上から噴射することが開示されているが、このような手法をガラス板についても採用したのでは、以下に示すような特有の問題が生じる。
すなわち、ガラス板の溶融ガラス部が、アシストガスによって下方に強く押圧されるため、溶融ガラス部は、その高い粘性によって飛散することなく、アシストガスの圧力により垂れ下ってしまう事態を招いていた。このため、切断後の板ガラスの切断面付近の厚みは、他の部分(ガラス板の板厚)に比べて厚みが大きい状態となり、切断面の形状が不良なものとなってしまい、さらに切断面の品位を低下させるという問題があった。
また、ガラス板はガラス自身が酸化物であるため、金属板等のレーザ溶断を行う場合とは異なり、酸化燃焼反応による切断の促進を期待することができない。このため、上述の問題がより顕著なものとなっていた。
上記事情に鑑みなされた本発明は、ガラス板のレーザ溶断法に工夫を施すことにより、ガラス板の切断時における作業性を改善すると共に、切断されたガラス板の切断面の品位を向上させることを技術的課題とする。
上記課題を解決するために創案された本発明は、ガラス板に表面側からレーザを照射して溶融ガラス部を生成しつつ、前記レーザの照射部にアシストガスを噴射することで、前記溶融ガラス部に凹部を形成し且つ該凹部を前記ガラス板の裏面まで進展させて、前記ガラス板を切断分離するガラス板のレーザ溶断方法であって、前記ガラス板の表面に対して傾斜した方向からアシストガスを噴射することで、前記ガラス板の溶融ガラス部の一部をアシストガスの噴射先側に肉寄せし且つ残りの一部をアシストガスの噴射先側に吹き飛ばして前記凹部を形成すると共に、前記肉寄せした溶融ガラスでアシストガスの噴射方向の傾斜と逆向きに傾斜した傾斜壁部を前記凹部に形成し、さらに継続して、前記アシストガスを前記傾斜壁部に沿って前記ガラス板の裏面側に誘導することで、前記凹部における前記傾斜壁部と対向する壁部を、凸曲面状をなす切断面に成形することに特徴づけられる。
このような方法によれば、ガラス板の表面に対するレーザ照射と傾斜方向からのアシストガスの噴射とによって、先ず、ガラス板の溶融ガラス部に、傾斜壁部を有する凹部が形成され、然る後、この傾斜壁部を有効利用して、アシストガスが円滑にガラス板の裏面側に誘導される。これにより、溶融時の粘性が高く且つ熱伝導率が低いとされているガラス板に対して、短時間で円滑にレーザ溶断を施すことが可能となる。この結果、ガラス板の切断時における作業能率が改善されると共に、切断後におけるガラス板の切断面の品位が向上する。また、アシストガスをガラス板表面に対して斜めに噴射し、且つ途中で方向転換させて裏面から斜めに抜け出させていることによって、ガラス板表面に垂直にアシストガスを噴射する場合の不具合、すなわちガラス板の溶融ガラス部の一部が裏面で垂れ下がるという不具合が回避され、ガラス板の切断面の更なる品位向上が図られる。しかも、ガラス板の切断面は、凸曲面状となるため、面取り加工が不要となるだけでなく、製品として優れた端面を有するガラス板を得ることができる。
上記の方法において、アシストガスの噴射方向と、ガラス板の表面との成す傾斜角度は、20°〜65°であることが好ましい。
すなわち、アシストガスの噴射方向とガラス板の表面との成す傾斜角度が大きすぎると、ガラス板の切断過程において、レーザの照射部から除去される溶融ガラスの量が少なくなることに伴って、切断後のガラス板の切断面間に生じる間隙が小さくなる。これにより、後工程に移すために切断用の加工台から切断したガラス板をピックアップして移送するような場合に、切断面同士が接触したり、摺動したりする恐れが生じる。逆に傾斜角度が小さすぎると、不必要に溶融ガラスが飛散し、飛散した溶融ガラスがドロスとして切断面に付着する等の恐れがある。しかし、傾斜角度を上記の範囲内に納めておけば、このような不具合は生じない。
上記の方法において、レーザの照射部に、照射部を基準としてアシストガスと反対側から且つガラス板の表面に対して傾斜した方向からサイドアシストガスを噴射することが好ましい。
このようにすれば、サイドアシストガスの圧力によって不必要な溶融ガラスの飛散を防止することができる。さらに、溶融ガラス部におけるアシストガスにより肉寄せされた部位を、サイドアシストガスの噴流の一部が冷却することになるため、その肉寄せされた部位の溶融ガラスの再固化が促進され、その結果として傾斜壁部の成形が助長される。
上記の方法において、サイドアシストガスの噴射圧力は、アシストガスの噴射圧力よりも小さいことが好ましい。
このようにすれば、アシストガスによる溶融ガラス部の円滑な除去作用を損なうことなく、既に述べた効果を享受することができる。
上記の方法において、レーザの照射部におけるガラス板の表面と対向する位置から、照射部に向かってセンターアシストガスを噴射することが好ましい。
このようにすれば、照射部に向かってセンターアシストガスを噴射することにより、溶融ガラス部の除去を促進させることが可能となる。また、レーザの照射熱によって揮発した一部の溶融ガラスが、照射部に向けてレーザを照射する集光レンズに飛散し、ドロスとして付着するという事態を可及的に防止することができる。また、センターアシストガスの噴流の一部は、溶融ガラス部におけるアシストガスにより肉寄せされた部位を冷却することになるため、これによっても傾斜壁部の成形が助長される。
分離切断後の各ガラス板の内、アシストガスの噴射元側のガラス板を製品とし、アシストガスの噴射先側のガラス板を非製品としてもよい。
このようにすれば、アシストガスの噴射元側のガラス板を高品質なものとすることができ、噴射先側のガラス板を廃材とすることができる。
以上のように、本発明によれば、ガラス板のレーザ溶断において、ガラス板の切断時における作業能率が改善されると共に、切断されたガラス板の切断面の品位向上が図られる。
本発明の実施形態に係るガラス板のレーザ溶断方法に用いるガラス板のレーザ溶断装置を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るガラス板のレーザ溶断方法を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るガラス板のレーザ溶断方法を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るガラス板のレーザ溶断方法を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るガラス板のレーザ溶断方法を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るレーザ溶断方法について、添付の図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るレーザ溶断方法に用いるレーザ溶断装置1を示す断面図である。同図に示すように、レーザ溶断装置1は、レーザLの照射部Cを指向してガラス板Gの表面Sに対してαだけ傾斜した方向からアシストガスA1を噴射するアシストガス噴射ノズル2と、アシストガス噴射ノズル2と反対側から照射部Cを指向してガラス板Gの表面Sに対して傾斜した方向からサイドアシストガスA2を噴射するサイドアシストガス噴射ノズル4とを備えている。また、レーザLの照射部Cにおけるガラス板Gの表面Sと対向する位置には、照射部Cに向かって真上からレーザLを照射するレーザ照射ノズル3が配設されている。
レーザ照射ノズル3の内部には、図示しないレーザ発振装置から発せられたレーザLを集光し、照射部Cに向かって照射する集光レンズ5が備えられており、同図に示す仮想切断線Zの線上、及びその延長線上にその焦点が位置するように調整されている。また、レーザ照射ノズル3の側壁には、レーザ照射ノズル3の照射口から照射部Cに向かって噴射されるセンターアシストガスA3をレーザ照射ノズル3内に導入するセンターアシストガス導入路6が付設されている。
上記のように構成されたレーザ溶断装置1は、支持台7上に載置されたガラス板Gを、レーザ溶断法によって、照射部C(仮想切断線Z)を境界としてアシストガスA1の噴射元側となる製品部G1と噴射先側となる非製品部G2とに切断するものである。
ここで、サイドアシストガスA2の噴射圧力は、アシストガスA1による照射部Cに生じた溶融ガラス部Mの飛散作用を損なわないように、アシストガスA1の噴射圧力と比べて小さくなるように設定される。各ガスA1〜A3の噴射圧力としては、アシストガスA1:0.2〜0.6MPa、サイドアシストガスA2:0.0〜0.3MPa、センターアシストガスA3:0.0〜0.3MPaであることが好ましく、より好ましくは、アシストガスA1:0.3〜0.5MPa、サイドアシストガスA2:0.0〜0.2MPa、センターアシストガスA3:0.0〜0.2MPaである。また、アシストガスA1、サイドアシストガスA2、センターアシストガスA3としては、酸素、空気、水蒸気、窒素、二酸化炭素、及びアルゴンに代表される不活性ガス等を用いることができる。
さらに、アシストガスA1の噴射角度αは、ガラス板Gの板厚と切断後のガラス板Gの切断面間に形成したい間隙との関係によって選択されるものである。例えば、上記の板厚と切断後に形成される間隙との比が、[0.1<(間隙/板厚)<2.0]であれば、切断後のガラス板Gの切断面同士(製品G1の切断面と非製品G2の切断面)の接触や摺動、及び不必要に溶融ガラスが飛散することを防止するため、20°<α<65°の範囲内に設定されることが好ましく、より好ましくは、25°<α<60°であり、最適値は板厚により調整される。
また、レーザ溶断によって切断されるガラス板Gとしては無アルカリガラス、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス、結晶化ガラス等、また、物理強化ガラスや化学強化ガラス等を用いることができ、その厚みは1.0mm以下が好ましく、より好ましくは0.5mm以下であり、いずれの場合も厚みの下限値は0.02mmである。
以下、上記レーザ溶断装置1を用いた本発明の実施形態に係るガラス板Gのレーザ溶断方法の実施状況について、添付の図2〜図5に基づいて説明する。なお、本実施形態において、ガラス板Gとしては無アルカリガラスを用いており、切断されるガラス板Gの板厚は0.5mm、ガラス板Gの板厚と切断後のガラス板Gの切断面間に形成される間隙との比は(間隙/板厚)=1.0、アシストガスA1の噴射圧力は0.5MPa、サイドアシストガスA2とセンターアシストガスA3の噴射圧力は共に0.1MPaであり、噴射角αはα=35°である。
図2に示すように、ガラス板Gの照射部Cに向かってレーザLを照射することにより、照射部Cに存するガラスはレーザLの照射熱によって溶融されて、同図にクロスハッチングを付した溶融ガラス部Mとなる。この時点で、アシストガスA1、サイドアシストガスA2、センターアシストガスA3は、照射部C(溶融ガラス部M)に向かって噴射されている。
上記各ガスを噴射することにより、図3に示すように溶融ガラス部Mの表面側の一部が、主にアシストガスA1の圧力によって製品部G1側から非製品部G2側の方向に肉寄せされ且つ溶融ガラス部Mの残りの一部が同方向に飛散することで、照射部Cには凹部Hが形成される。そして、凹部HにおけるアシストガスA1が行き当たる壁部では、溶融ガラス部Mの一部が、上述のように肉寄せされることに起因して、アシストガスA1の噴射方向の傾きαと逆向きに傾斜した傾斜壁部Wが成形される。
この傾斜壁部Wが成形されることにより、製品部G1側から非製品部G2側に斜め方向に流れるアシストガスA1の噴流は、傾斜壁部Wと衝突することで、照射部Cの厚み方向の中央部付近において湾曲し、その流れの方向が、傾斜壁部Wに沿って非製品部G2側から製品部G1側の方向に変化してガラス板Gの裏面B側に誘導される。この時点において、傾斜壁部Wの上端は、同図に示すようにガラス板Gの表面Sから隆起した状態となるため、アシストガスA1が裏面B側に誘導されやすくなる。
この場合、サイドアシストガスA2は、その圧力によって不必要な溶融ガラス部Mの飛散を防止すると共に、凹部HにおけるアシストガスA1が行き当たる壁部を冷却し、該壁部に存する溶融ガラス部Mの再固化を促進させることで傾斜壁部Wの成形を補助する役割を果たす。また、アシストガスA1と比較してサイドアシストガスA2の噴射圧力は小さいため、アシストガスA1による溶融ガラス部Mの飛散作用が損なわれることもない。
さらにこのとき、センターアシストガスA3は、アシストガスA1による溶融ガラス部Mを飛散させる作用を補助すると共に、上記集光レンズ5に揮発した一部の溶融物M1が飛散し且つドロスとして付着することを防止するエアカーテンとしての役割を果たす。また、センターアシストガスA3は、サイドアシストガスA2と共に照射部Cに形成される凹部Hに対して、アシストガスA1が行き当たる壁部を冷却し、該壁部に存する溶融ガラス部Mの再固化を促進させることで傾斜壁部Wの成形を補助する役割をも果たす。
以上のように、アシストガスA1が行き当たる凹部Hの壁部が傾斜壁部Wとして成形されたことにより、図4に示すように、アシストガスA1の噴流の一部は、照射部Cの厚み方向の中央部付近において湾曲した流れとなる。このようなアシストガスA1の流れ及びその圧力によって、レーザLの照射熱により溶融し軟化した溶融ガラス部Mの一部が、漸次除去されることに由来して、ガラス板Gの切断が進行する。
このような動作が継続して行なわれることにより、ガラス板Gの切断が完了すると、図5に示すように切断後の製品部G1の切断面Fは、厚み方向の中央部を境界として略対称となる凸曲面状の切断面Fとなる。この切断面Fには、欠け等を生じやすい角部が存在しないため、切断後に切断面Fに対して研磨加工を行う必要がなくなる。しかも、アシストガスA1をガラス板Gの表面Sに対して斜めに噴射し、且つ途中で方向転換させて裏面Bから斜めに抜け出させていることによって、ガラス板Gの表面Sに垂直にアシストガスA1を噴射する場合の不具合、すなわちアシストガスA1の噴射圧力により照射部Cが強く押圧されて溶融ガラス部Mの一部が裏面Bで垂れ下がるという不具合を回避することも可能となる。以上の結果として、切断面Fの品質の向上という利点を得ることができる。
ここで、本実施形態では、アシストガスA1、サイドアシストガスA2及びセンターアシストガスA3の計3つのガスを使用しているが、サイドアシストガスA2、センターアシストガスA3は必ずしも使用する必要はなく、アシストガスA1のみを使用するようにしてもよい。また、本実施形態において、サイドアシストガスA2は、ガラス板Gの切断開始から完了まで常時噴射しているが、照射部Cに傾斜壁部Wが形成され始めてから噴射するようにしてもよい。さらに、照射部Cに照射されるレーザLは、照射部Cの真上から照射されているが、これに代えて、センターアシストガスA3の噴射口とは別個にレーザ照射ノズル3を設け、製品部G1の側、或いは非製品部G2の側から照射するようにしてもよい。また、レーザLの焦点は、必ずしも仮想切断線Zとガラス板Gの表面Sとの交差部に位置させる必要はなく、照射部Cの厚み方向中央部や裏面B、ガラス板Gの表面Sより上に焦点が位置するように調整してもよい。
本発明の実施例として、下記の表1に掲載した6つの条件下(実施例4つ、及び比較例2つ)で、レーザ溶断方法により、ガラス板の切断試験を行った。その後、製品における切断面の品質評価として、以下の3つの項目について品質の良否の比較を行った。
項目1:製品の切断面におけるドロスの付着の有無
項目2:製品の切断面における溶融物の垂れ下がりの有無
項目3:製品の切断面の厚み方向における対称性の良否
以下の表1に試験結果を示す。なお、表1において、アシストガス噴射圧力、サイドアシストガス噴射圧力が0.0MPaとは、アシストガス、サイドアシストガスを噴射しなかったことを意味している。
Figure 2013241293
表1に示すとおり、比較例1のようにアシストガスを使用しなかった場合、製品の切断面におけるドロスの付着が見られ、非製品部に傾斜壁部が形成されず、溶融ガラスの垂れ下がりも確認することができた。また、比較例2のようにセンターアシストガスをメインに使用し、サイドアシストガスを略照射部の真上から噴射した場合にも、非製品部に傾斜壁部が形成されず、各比較項目のいずれの項目においても良好な結果を得ることができなかった。これに対し、実施例1〜4では、製品の切断面におけるドロスの付着は見られず、溶融ガラスの垂れ下がりも確認されなかった。また、切断面の厚み方向における対称性も非常に良好であった。
1 レーザ溶断装置
2 アシストガス噴射ノズル
3 レーザ照射ノズル
4 サイドアシストガス噴射ノズル
5 集光レンズ
6 センターアシストガス導入口
7 支持台
A1 アシストガス
A2 サイドアシストガス
A3 センターアシストガス
L レーザ
G ガラス板
G1 製品
G2 非製品
S ガラス板の表面
B ガラス板の裏面
C 照射部
H 凹部
F 製品の切断面
W 傾斜壁部
α 噴射角
M 溶融ガラス部
M1 揮発した溶融物
Z 仮想切断線

Claims (6)

  1. ガラス板に表面側からレーザを照射して溶融ガラス部を生成しつつ、前記レーザの照射部にアシストガスを噴射することで、前記溶融ガラス部に凹部を形成し且つ該凹部を前記ガラス板の裏面まで進展させて、前記ガラス板を切断分離するガラス板のレーザ溶断方法であって、
    前記ガラス板の表面に対して傾斜した方向からアシストガスを噴射することで、前記ガラス板の溶融ガラス部の一部をアシストガスの噴射先側に肉寄せし且つ残りの一部をアシストガスの噴射先側に吹き飛ばして前記凹部を形成すると共に、前記肉寄せした溶融ガラスでアシストガスの噴射方向の傾斜と逆向きに傾斜した傾斜壁部を前記凹部に形成し、さらに継続して、前記アシストガスを前記傾斜壁部に沿って前記ガラス板の裏面側に誘導することで、前記凹部における前記傾斜壁部と対向する壁部を、凸曲面状をなす切断面に成形することを特徴とするガラス板のレーザ溶断方法。
  2. 前記アシストガスの噴射方向と、前記ガラス板の表面とのなす傾斜角度が20°〜65°であることを特徴とする請求項1に記載のガラス板のレーザ溶断方法。
  3. 前記レーザの照射部に、該照射部を基準として前記アシストガスと反対側から且つ前記ガラス板の表面に対して傾斜した方向からサイドアシストガスを噴射することを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス板のレーザ溶断方法。
  4. 前記サイドアシストガスの噴射圧力は、前記アシストガスの噴射圧力よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載のガラス板のレーザ溶断方法。
  5. 前記レーザの照射部における前記ガラス板の表面と対向する位置から、該照射部に向かってセンターアシストガスを噴射することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガラス板のレーザ溶断方法。
  6. 前記分離切断後の各ガラス板の内、アシストガスの噴射元側のガラス板を製品とし、アシストガスの噴射先側のガラス板を非製品とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガラス板のレーザ溶断方法。
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