JP2013240845A - リーマ加工機、リーマ加工方法および蒸気タービンの製造方法 - Google Patents

リーマ加工機、リーマ加工方法および蒸気タービンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】精度良くかつ効率良くリーマ加工を行うことができるリーマ加工機を提供する。
【解決手段】実施の形態によるリーマ加工機10は、加工機本体11と、加工機本体11から延び、先端部20aが、構造物1と被加工物2との間の空間4a、4bに挿入可能な一対のアーム20と、被加工物2の下穴3と位置合わせを行う位置合わせ用ヘッド60と、下穴3をリーマ加工する加工用ヘッド80と、を備えている。アーム20は、固定アーム30と、固定アーム30に対してその長手方向に移動自在な可動アーム40と、可動アーム40の先端部40aに設けられ、位置合わせ用ヘッド60および加工用ヘッド80のいずれかが取り付けられるヘッド取付部55と、を有している。固定アーム30の先端部30aに、被加工物側押圧部91および構造物側押圧部92を含み、固定アーム30を被加工物2に保持する保持部90が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明の実施の形態は、リーマ加工機、リーマ加工方法、および、当該リーマ加工方法を含む蒸気タービンの製造方法に関する。
従来より、図17に示すような蒸気タービン300が知られている。このような蒸気タービン300は、車室301と、車室301内に回転自在に設けられたタービンロータ302と、タービンロータ302に取り付けられた複数の動翼303と、を備えている。また、車室301には、動翼303と交互に配置された複数のノズル(静翼)304が取り付けられており、各動翼303は、対応するノズル304と共にタービン段落を構成している。複数のタービン段落のうち最も高圧側(上流側)のタービン段落は第1段落305といい、最も低圧側(下流側)のタービン段落は最終段落306という。
車室301には、図示しないボイラ等において生成された蒸気をタービン段落に供給する蒸気管307が連結されている。この蒸気管307により供給された蒸気は、第1段落305に入り、各タービン段落を通って最終段落306から抜けていくようになっている。この間、蒸気の膨張仕事を動翼303が受けて、タービンロータ302が回転する。このことにより、タービンロータ302に連結された発電機(図示せず)において発電が行われる。また、最終段落306から抜けた蒸気は、車室301外(例えば、図示しない復水器)に送られるようになっている。
このような蒸気タービン300において、いわゆるアウトサイドダブテール構造の羽根固定構造を有するタービンロータ302と動翼303とが知られている(例えば、特許文献1参照)。ここでは、アウトサイドダブテール構造の動翼303の作製手順について、高圧側の第1段落305を例にとり、図18を用いて説明する。なお、動翼303は、図18に示すように、周方向に連設された複数の羽根313、316により構成されるものである。
図18に示すように、タービンロータ302には、外周側に突出する略円板状のホイール311が一体に設けられている。ホイール311は、その外周部に設けられた植込部312を有している。この植込部312には、ホイール311の厚さ方向の両側に突出し、周方向に延びるホイール側フック312a〜312cが設けられている。
一方、各羽根313は、ホイール側フック312a〜312cとそれぞれ噛み合わされる(微少な隙間を持って嵌め合わされる)羽根側フック315a〜315cが内側に形成された植込部315を有している。なお、各羽根313は、その上端部(植込部315とは反対側の端部)に突設された一対のテノン318を有している。
また、ホイール311の植込部312の一部には、ホイール側フック312a〜312cが省略された切欠部314が形成されている。この切欠部314においてホイール311の半径方向外側から羽根313を一つずつ挿入できるようになっている。そして、切欠部314からホイール311の植込部312へ挿入された羽根313は、順次ホイール311の周方向に送られて行く。
このようにして、ホイール311の植込部312のうち、切欠部314を除く全ての部分に羽根313が挿入された後、図19に示すように、切欠部314に対して止め羽根316が取り付けられる。この止め羽根316は、通常の羽根313の植込部315に代えて、内側の羽根側フック315a〜315cが省略された植込部325を有している。
また、止め羽根316の植込部325には、切欠部314の各ホイール側フック312a〜312cに対応する部分に、下穴326が設けられている。そして、止め羽根316が、ホイール311の切欠部314に挿入された後、下穴326がリーマ加工され、植込部325およびホイール311を貫通する貫通穴が形成される。その後、この形成された貫通穴に止めピン317が嵌入されて、切欠部314に対する止め羽根316の固定がなされる。
このようにして、蒸気タービン300の運転中に加わる遠心力および法線力に抗して各羽根313、316がホイール311に取り付けられて保持され、動翼303が作製される。
また、図示しないが、止めピン317に対して周方向にずれた位置に、各羽根313、316の周方向の移動を防止するための止めキーが設けられている。この止めキーを貫通させるための貫通穴も、リーマ加工の対象となっている。
ところで、特許文献2に示されているようなリーマ加工機用テーブルが知られている。一般に、リーマ加工は、このようなリーマ加工機用テーブルのベッド上にワーク(被加工物)を取り付けて行われている。
特開2006−90333号公報 特公平6−83939号公報
しかしながら、特許文献2に示すリーマ加工機用テーブルでは、図19に示すような止め羽根に予め加工された下穴のリーマ加工を行うことは困難である。このため、このような下穴のリーマ加工は、ホイールの間の空間に、羽子板状のアームを挿入し、当該アームの先端部にリーマ加工を行うドリルを取り付けて行っていた。
一方、近年、タービン性能を向上させるために、羽根有効断面を広くすると共にノズルを薄くしてホイール間の空間が狭くなる傾向にある。このことにより、狭くなったホイール間の空間にアームを挿入するためにアームの厚さを薄くする場合があり、この場合、アームの剛性が低下し、リーマ加工時の反力に負けてアームが撓みやすくなる。このため、リーマ加工により形成された穴が、下穴に対して位置ずれして下穴が残る達磨穴が形成されたり、リーマ加工により形成された穴が傾斜したりして、リーマ加工の精度が低下するという問題がある。また、このように位置ずれしたり傾斜したりした場合には、追加加工を行って穴径を拡大させる場合があり、リーマ加工に多くの時間が費やされるという問題もある。
また、ホイール間の空間が狭くなることにより、ドリルと下穴との位置合わせが困難になり、リーマ加工の精度が低下する。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、精度良くかつ効率良くリーマ加工を行うことができるリーマ加工機、リーマ加工方法および蒸気タービンの製造方法を提供することを目的とする。
実施の形態によれば、一対の構造物の間に介在された被加工物に予め加工され、一方の構造物から他方の前記構造物に向かう方向に延びる下穴をリーマ加工するリーマ加工機において、加工機本体と、前記加工機本体から延びる一対のアームであって、一方の前記アームの先端部が、一方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入可能であると共に、他方の前記アームの先端部が、他方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入可能である、一対の前記アームと、前記被加工物の前記下穴と位置合わせを行う位置合わせ用ヘッドと、前記被加工物の前記下穴をリーマ加工する加工用ヘッドと、を備え、前記アームは、固定アームと、前記固定アームに対して当該固定アームの長手方向に移動自在な可動アームと、前記可動アームの先端部に設けられ、前記位置合わせ用ヘッドおよび前記加工用ヘッドのいずれかが取り付けられるヘッド取付部と、を有し、前記固定アームの先端部に、当該固定アームを前記被加工物に保持する保持部が設けられ、前記保持部は、前記被加工物を押圧する被加工物側押圧部と、対応する前記構造物を押圧する構造物側押圧部と、を含んでいることを特徴とするリーマ加工機が提供される。
また、実施の形態によれば、一対の構造物の間に介在された被加工物に予め加工され、一方の構造物から他方の前記構造物に向かう方向に延びる下穴をリーマ加工するリーマ加工方法において、加工機本体から延びる一対のアームの各々が、固定アームと、前記固定アームに対して当該固定アームの長手方向に移動自在な可動アームと、前記可動アームの先端部に設けられたヘッド取付部と、を有し、前記ヘッド取付部に、前記被加工物の前記下穴と位置合わせされる位置合わせ用ヘッドを取り付ける工程と、一方の前記アームの先端部を、一方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入すると共に、他方の前記アームの先端部を、他方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入する工程と、前記位置合わせ用ヘッドを前記被加工物の前記下穴に位置合わせする工程と、前記固定アームの先端部に設けられた保持部の被加工物側押圧部により前記被加工物を押圧すると共に、前記保持部の構造物側押圧部により対応する前記構造部を押圧し、前記固定アームを前記被加工物に保持する工程と、少なくとも一方の前記位置合わせ用ヘッドを、前記構造物と前記被加工物との間の空間から引き出す工程と、引き出された前記位置合わせ用ヘッドを前記ヘッド取付部から取り外し、当該ヘッド取付部に、前記被加工物の前記下穴をリーマ加工する加工用ヘッドを取り付ける工程と、前記加工用ヘッドが取り付けられた前記アームの先端部を、対応する前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入する工程と、前記加工用ヘッドにより前記被加工物の前記下穴をリーマ加工する工程と、を備えたことを特徴とするリーマ加工方法が提供される。
さらに、実施の形態によれば、蒸気タービンの一対の構造物の間に介在された被加工物に予め加工され、一方の構造物から他方の前記構造物に向かう方向に延びる下穴をリーマ加工して、蒸気タービンを製造する蒸気タービン製造方法において、加工機本体から延びる一対のアームの各々が、固定アームと、前記固定アームに対して当該固定アームの長手方向に移動自在な可動アームと、前記可動アームの先端部に設けられたヘッド取付部と、を有し、前記ヘッド取付部に、前記被加工物の前記下穴と位置合わせされる位置合わせ用ヘッドを取り付ける工程と、一方の前記アームの先端部を、一方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入すると共に、他方の前記アームの先端部を、他方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入する工程と、前記位置合わせ用ヘッドを前記被加工物の前記下穴に位置合わせする工程と、前記固定アームの先端部に設けられた保持部の被加工物側押圧部により前記被加工物を押圧すると共に、前記保持部の構造物側押圧部により対応する前記構造部を押圧し、前記固定アームを前記被加工物に保持する工程と、少なくとも一方の前記位置合わせ用ヘッドを、前記構造物と前記被加工物との間の空間から引き出す工程と、引き出された前記位置合わせ用ヘッドを前記ヘッド取付部から取り外し、当該ヘッド取付部に、前記被加工物の前記下穴をリーマ加工する加工用ヘッドを取り付ける工程と、前記加工用ヘッドが取り付けられた前記アームの先端部を、対応する前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入する工程と、前記加工用ヘッドにより前記被加工物の前記下穴をリーマ加工する工程と、を備えたことを特徴とする蒸気タービン製造方法が提供される。
図1は、第1の実施の形態における、位置合わせ用ヘッドが取り付けられたリーマ加工機の平面図である。 図2は、図1のリーマ加工機の正面図である。 図3は、図1のリーマ加工機における本体フレームとその周辺の断面構造を示す図である。 図4は、位置合わせ用ヘッドを示す図2のA−A線断面図である。 図5(a)は、位置合わせ用ヘッドの嵌合部が下穴の一部に係合した状態を示す図である。図5(b)は、嵌合部が下穴に嵌合した状態を示す図である。 図6は、図4、5に示す位置合わせ用ヘッドの油圧系統を示す断面図である。 図7は、加工用ヘッドが取り付けられた図1のリーマ加工機の一部を示す図である。 図8は、図7の正面図である。 図9は、図8のB−B線断面図である。 図10は、図2のC−C線断面図である。 図11は、第1の実施の形態におけるリーマ加工方法、蒸気タービンの製造方法を説明するためのフローチャートである。 図12は、図11に示すリーマ加工方法、蒸気タービンの製造方法において形成される貫通穴を示す図である。 図13は、図7の変形例を示す図である。 図14は、第2の実施の形態におけるリーマ加工機を示す図である。 図15は、第3の実施の形態における、台車に載せられたリーマ加工機を示す平面図である。 図16は、図15のリーマ加工機の正面図である。 図17は、蒸気タービンの概略構成を示す図である。 図18は、タービンロータのホイールへの各羽根の取付手順を示す破断斜視図である。 図19は、タービンロータのホイールへの止め羽根の取付を示す破断斜視図である。
(第1の実施の形態)
図1乃至図11を用いて、本発明の第1の実施の形態におけるリーマ加工機、リーマ加工方法および蒸気タービンの製造方法について説明する。
本実施の形態におけるリーマ加工機10は、図1に示すように、一対の構造物1の間に介在された被加工物2に予め加工され、一方の構造物1から他方の構造物1に向かう方向に延びる下穴3をリーマ加工するために好適に用いることができる。より具体的には、本実施の形態によるリーマ加工機10は、蒸気タービン300(図17参照)の最終段落306以外の段落における動翼303の止め羽根316に予め加工されていた下穴3をリーマ加工して、止め羽根316をホイール311に固定するための止めピン317が嵌入される貫通穴6(図12参照)を形成するために用いることができる。この場合、構造物1および被加工物2は、蒸気タービン300の各段落の動翼303とホイール311とにより主に構成される部分に相当する。また、被加工物2は、ホイール311に相当する第1被加工物部分2aと、動翼303に相当する第2被加工物部分2bとにより構成されている。
図1に示すように、リーマ加工機10は、本体フレーム(加工機本体)10と、本体フレーム11から延びる一対のアーム20と、を備えている。一対のアーム20のうちの一方のアーム20の先端部20aは、一方の構造物1と被加工物2との間の空間4aに挿入可能であると共に、他方のアーム20の先端部20aは、他方の構造物1と被加工物2との間の空間4bに挿入可能となっている。なお、本体フレーム11は、一方のアーム20の下面から他方のアーム20の下面に延びるように形成されている(図2、図3参照)。
図2に示すように、各アーム20は、図1に示すx方向に延びる固定アーム30と、固定アーム30に対して当該固定アーム30の長手方向(x方向)に移動自在な可動アーム40と、を有している。すなわち、固定アーム30は、x方向に延びる一対の固定アーム部材31を含み、可動アーム40は、固定アーム30の内側に固定アーム部材31の間に介在されるように設けられている。なお、可動アーム40は、x方向に延びる一対の可動アーム部材41を含んでいる。
図3に示すように、可動アーム部材41には、x方向に延びる第1楔42が設けられている。固定アーム部材31には、対応する可動アーム部材41の第1楔42に係合する楔溝32が設けられている。このようにして、可動アーム40は、第1楔42によって、x方向に案内されて移動するようになっている。
可動アーム40は、対応する固定アーム30に取り付けられた交換用モータ(可動アーム駆動部)100によって移動するようになっている。すなわち、固定アーム30の上面に、駆動軸の軸線方向がy方向(x方向に直交する上下方向)となるように交換用モータ100が取り付けられており、当該交換用モータ100に、例えばピニオンとラックとを含む歯車機構(図示せず)を介して可動アーム40が連結されている。このようにして、交換用モータ100が駆動されると、歯車機構を介して、可動アーム40が後述する送りアーム50およびヘッド取付部55と共にx方向に移動する。このことにより、ヘッド取付部55を構造物1と被加工物2との間の空間4a、4bに対して引き出したりまたは挿入したりすることができる。なお、交換用モータ100は、各固定アーム30に取り付けられており、各可動アーム40は個別に移動可能になっている。
可動アーム40の内側には、可動アーム部材41の間に介在するように、送りアーム50が設けられている。送りアーム50は、固定アーム30に対して可動アーム40と共にx方向に移動自在であると共に、可動アーム40に対して被加工物2に向かう方向(z方向)にヘッド取付部55と共に移動自在になっている。すなわち、各可動アーム部材41には、z方向に延び、送りアーム50を案内する第2楔43(図2参照)が設けられ、送りアーム50には、この第2楔43に係合する楔溝52が設けられている。このようにして、送りアーム50は、第2楔43によって、z方向に案内されて移動するようになっている。なお、送りアーム50は、x方向に延びる一対の送りアーム部材51を含んでおり、各送りアーム部材51は、先端部50aにおいて固定部材53によって互いに固定されている。
送りアーム50は、可動アーム40と一体に移動する側壁44に取り付けられた第1送り用モータ110によって移動するようになっている。すなわち、図3に示すように、可動アーム40の側壁44に、駆動軸の軸線方向がz方向となるように第1送り用モータ110が取り付けられ、当該第1送り用モータ110に、z方向に延びる第1ねじ軸111が連結されている。一方、送りアーム50には、第1ねじ軸111に螺合するねじ穴を有する第1ブロック(図示せず)が連結されている。このようにして、第1送り用モータ110が駆動されると、第1ねじ軸111が回転し、この第1ねじ軸111に螺合するねじ穴を有する第1ブロックが、第1ねじ軸111の軸線方向(z方向)に移動する。このことにより、送りアーム50は、ヘッド取付部55と共にz方向に移動することができる。なお、第1送り用モータ110は、各可動アーム40に取り付けられており、各可動アーム40は個別に移動可能になっている。
各アーム20は、全体として、本体フレーム11に対してz方向に移動自在になっている。すなわち、固定アーム30、可動アーム40、送りアーム50およびヘッド取付部55は、本体フレーム11に取り付けられた第2送り用モータ120によって、本体フレーム11に対してz方向に一体に移動するようになっている。具体的には、図3に示すように、本体フレーム11に、駆動軸の軸線方向がz方向となるように第2送り用モータ120が取り付けられ、当該第2送り用モータ120に、本体フレーム11内に配置された、z方向に延びる第2ねじ軸121が連結されている。一方、固定アーム30には、第2ねじ軸121に螺合するねじ穴を有する第2ブロック122が連結されている。また、この第2ブロック122は、本体フレーム11の内部に設けられた、z方向に延びる第3楔12によって、z方向に案内されるようになっている。このようにして、第2送り用モータ120が駆動されると、第2ねじ軸121が回転し、この第2ねじ軸121に螺合するねじ穴を有する第2ブロック122が、第2ねじ軸121の軸線方向(z方向)に移動する。このことにより、アーム20は、全体としてz方向に移動することができる。なお、第2送り用モータ120は、本体フレーム11に2つ設けられており、各アーム20は個別に移動可能になっている。
可動アーム40の先端部40a、すなわち、送りアーム50の先端部50aには、後述する位置合わせ用ヘッド60および加工用ヘッド80のいずれかが選択的に取り付けられるヘッド取付部55が設けられている。このうち位置合わせ用ヘッド60は、被加工物2の下穴3と位置合わせを行うためのものであり、加工用ヘッド80は、被加工物2の下穴3をリーマ加工するためのものである。
図4に示すように、位置合わせ用ヘッド60は、ヘッド本体61と、ヘッド本体61に設けられた嵌合部62であって、z方向に延び、被加工物2の下穴3に嵌合する嵌合部62と、を有している。このうち嵌合部62は、先細状に形成されると共に断面が円形状に形成されている。より具体的には、嵌合部62の先端側部分における断面の直径は、下穴3の直径より小さくなっており、嵌合部62の基端側部分(ヘッド本体61側部分)における断面の直径は、下穴3の直径より大きくなっている。このようにして、嵌合部62の先端側部分が、被加工物2の下穴3内に挿入され、嵌合部62の基端側部分は、当該下穴3には挿入されないようになっている。このような嵌合部62の形状は、例えば、図5に示すような円錐状とすることができるが、球状とすることもできる。
嵌合部62は、位置合わせ用ヘッド60を下穴3に位置合わせするためのものである。すなわち、図5(a)に示すように、嵌合部62の先端側部分が被加工物2の下穴3内に挿入された際、下穴3の中心と嵌合部62の中心とが位置ずれしている場合には、嵌合部62は、下穴3の角部3aの周方向の一部に接する。この状態で嵌合部62が下穴3に向かって押し込まれると、嵌合部62は、先細状かつ断面が円形状に形成されていることにより、その中心が下穴3の中心に円滑に強制されるように挿入されていく。このことにより、図5(b)に示すように、嵌合部62が下穴3の角部3aの全周に係合して当該下穴3に嵌合し、位置合わせ用ヘッド60を下穴3に位置合わせすることができる。この場合、位置出し用ヘッド60は、xy平面にて微小に移動する。
嵌合部62には、作動流体(好適には作動油)の圧力が作用され、嵌合部62は、ヘッド本体62から突出して被加工物2の下穴3に押圧されるようになっている。すなわち、嵌合部62は、作動油の圧力が作用された場合に、収容されていたヘッド本体61から突出して下穴3を押圧するようになっている。より具体的には、図6に示すように、ヘッド本体61には、シリンダ70が設けられており、当該シリンダ70内を、嵌合部62に連結されたピストン71が摺動自在になっている。そして、シリンダ70内において、ピストン71の嵌合部62の側に形成された第1ピストン室72と、ピストン71の嵌合部62の側とは反対側に形成された第2ピストン室73とが形成されている。第1ピストン室72には、第1油圧配管74を介して位置合わせ用流体駆動部76が連結されている。この位置合わせ用流体駆動部76には、第2油圧配管75を介して第2ピストン室73にも連結されている。そして、位置合わせ用流体駆動部76は、後述する流体制御部140aからの指令を受けて、第1ピストン室72および第2ピストン室73のいずれかに選択的に作動油の圧力をかけるようになっている。
第2油圧配管75には、位置合わせ用流体駆動部76によって嵌合部62に作用する作動油の圧力を検出する圧力センサ(圧力検出部)77が設けられている。すなわち、図5(a)に示すように、嵌合部62の中心と下穴3の中心とが位置ずれしている場合には、嵌合部62の中心が下穴3の中心に円滑に強制されるように、作動油の圧力を受けて嵌合部62は下穴3内に押し込まれていく。この場合、嵌合部62に作用する作動油の圧力(第2ピストン室73内の作動油の圧力)は実質的には増大しない。しかしながら、図5(b)に示すように、嵌合部62の中心と下穴3の中心とが位置合わせされた場合には、嵌合部62は、下穴3の角部3aに全周にわたって接することから、嵌合部62は、これ以上、下穴3内に押し込まれることはない。このことにより、嵌合部62に作用する作動油の圧力が増大する。このようにして、嵌合部62に作用する作動油の圧力が所定の圧力以上になった場合、嵌合部62は下穴3に位置合わせされたとみなすことができる。圧力センサ77は、このような嵌合部62に作用する作動油の圧力を検出するためのものとなっている。なお、圧力センサ77は、流体制御部140aに接続されており、検出した圧力を流体制御部140aに送信するようになっている。
このような嵌合部62は、ヘッド取付部55において所定の位置に配置されている。すなわち、図2に示すように、位置合わせ用ヘッド60のヘッド本体61が、送りアーム50の固定部材53に当接した状態で、一方の可動アーム部材41に設けられたクランプ56によって、可動アーム40に固定されている。具体的には、図示しないクランプ用流体駆動部からクランプ56に作動油の圧力を作用させることにより、クランプ56が可動アーム部材41からヘッド本体61の側に突出し、ヘッド本体61に設けられたクランプ溝63に進出して係合する。このようにして、ヘッド本体61が送りアーム50に固定され、ヘッド本体61が可動アーム部材41に固定された状態において、嵌合部62が、x方向およびy方向において所定の位置に配置されている。
また、図4に示すように、ヘッド本体61には、各送りアーム部材51のx方向に延びる溝57に係合する突起64が設けられている。このことにより、ヘッド本体61が、送りアーム部材51に対してz方向に一体化されている。また、図2に示すように、ヘッド本体61には、取っ手65が設けられており、ヘッド交換時の作業性を向上させている。
図7に示すように、加工用ヘッド80は、ヘッド本体81と、ヘッド本体81に設けられたドリル82であって、z方向に延び、被加工物2の下穴3をリーマ加工するドリル82と、を有している。このドリル82は、ヘッド本体81に対して着脱自在になっており、所望の仕上径に応じて適切なドリル82が選択されて取り付けられるようになっている。なお、図7においては、一方のアーム20に、加工用ヘッド80が取り付けられている例を示している。
ドリル82は、加工用モータ130によって駆動されるようになっている。すなわち、図3および図8に示すように、可動アーム40の側壁44に、駆動軸の軸線方向がz方向となるように加工用モータ130が取り付けられ、当該駆動軸に厚みのある歯車133が連結されている。当該歯車133に、送りアーム50内に連設された複数の歯車131aを含む歯車群131を介して、ドリル82が連結されている。このようにして、加工用モータ130の駆動力が、歯車群131を介してドリル82に伝達されて、ドリル82が回転するようになっている。なお、駆動軸に設けられた歯車133が厚く形成されているため、送りアーム50がz方向に移動した場合であっても、歯車133と歯車群131との噛み合わせは維持される。
このようなドリル82は、位置合わせ用ヘッド60の嵌合部62と同様にして、ヘッド取付部55において所定の位置に配置されている。すなわち、図8に示すように、加工用ヘッド80のヘッド本体81が、送りアーム50の固定部材53に当接した状態で、一方の可動アーム部材41に設けられたクランプ56が、ヘッド本体81に設けられたクランプ溝83に進出して係合し、ヘッド本体81が送りアーム50に固定されている。そして、ヘッド本体81が固定された状態において、ドリル82が、x方向およびy方向において、嵌合部62に対応する所定の位置に配置されている。このことにより、ヘッド取付部55に位置合わせ用ヘッド60が取り付けられた場合の嵌合部62の位置と、ヘッド取付部55に加工用ヘッド80が取り付けられた場合のドリル82の位置とが、一致するようになっている。
また、図9に示すように、位置合わせ用ヘッド60と同様にして、ヘッド本体81には、各送りアーム部材51のx方向に延びる溝57に係合する突起84が設けられている。このことにより、ヘッド本体81が、送りアーム部材51に対してz方向に一体化されている。また、図8に示すように、ヘッド本体81には取っ手85が設けられている。
図1および図2に示すように、各固定アーム30の先端部30aに、当該固定アーム30を被加工物2に保持する保持部90が設けられている。各保持部90は、被加工物2を押圧する第1油圧シリンダ(被加工物押圧部)91と、対応する構造物1を押圧する第2油圧シリンダ(構造物押圧部)92と、を含んでいる。具体的には、固定アーム30の先端部30aの上面および下面にサポート部材93がそれぞれ設けられ、各サポート部材93に、第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92がそれぞれ取り付けられている。このうち、第1油圧シリンダ91は、サポート部材93の被加工物2の側に取り付けられ、第2油圧シリンダ92は、サポート部材93の構造物1の側に取り付けられている。なお第1油圧シリンダ91は、被加工物2の第1被加工物部分2aおよび第2被加工物部分2bが面一に形成されていれば、図1に示すように、第1被加工物部分2aと第2被加工物部分2bとに跨がるように被加工物2を押圧してもよく、あるいは、第1被加工物部分2a、第2被加工物部分2bのいずれか一方を押圧するようにしてもよい。第2油圧シリンダ92についても同様である。また、サポート部材93は、固定アーム30に設けられたガイドレール94に沿って、x方向に移動自在になっている。このことにより、被加工物2に対する第1油圧シリンダ91の位置、および、構造物1に対する第2油圧シリンダ92の位置を調整可能になっている。
第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92には、保持部用流体駆動部95が連結されており、保持部用流体駆動部95により作動油の圧力が作用されて、被加工物2および対応する構造物1を押圧するようになっている。すなわち、第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92は、作動油の圧力が作用された場合に、収容されていたサポート部材93から突出して、構造物1または被加工物2を押圧するようになっている。保持部用流体駆動部95には、バランスシリンダ(図示せず)を介して第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92が連結されており、第1油圧シリンダ91による押圧力とこれに対応する第2油圧シリンダ92による押圧力とが、略均一化されるようになっている。保持部用流体駆動部95により第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92に作用する作動油の圧力は、位置合わせ用流体駆動部76により嵌合部62に作用する作動油の圧力より小さくなっていることが好ましい。このことにより、第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92により固定アーム30を被加工物2に保持している間、被加工物2の下穴3への嵌合部62の押圧力を高めることができ、位置合わせ用ヘッド60と下穴3との位置合わせがずれることを防止できる。リーマ加工機10の重量などの条件にもよるが、第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92に作用する作動油の圧力は、例えば、嵌合部62に作用する作動油の圧力の30%〜80%とすることが好適である。
上述した各流体駆動部76、95および各モータ100、110、120、130は、制御装置(PLC、プログラマブルロジックコントローラ)140に接続されており、当該制御装置140は、各流体駆動部76、95および各モータ100、110、120、130を制御するようになっている。とりわけ、制御装置140は、流体制御部140aと加工制御部140bとを有し、流体制御部140aは、主に、流体駆動部76、95を制御する。また、加工制御部140bは、主に、加工用ヘッド80を駆動する加工用駆動機構としての第1送り用モータ110、第2送り用モータ120および加工用モータ130を制御する。
流体制御部140aには、上述した圧力センサ77が接続されており、当該流体制御部140aは、圧力センサ77により検出された位置合わせ用ヘッド60の嵌合部62に作用する作動油の圧力が所定の圧力以上となった場合に、第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92に作動流体を作用させるように、保持部用流体駆動部95を制御する。上述したように、嵌合部62に作用する作動油の圧力が所定の圧力以上になった場合、嵌合部62は被加工物2の下穴3に位置合わせされたとみなすことができ、嵌合部62が下穴3に位置合わせされた状態を確実に捕らえることがでる。
本実施の形態においては、リーマ加工時の加工条件を加工制御部140bにて自動的に設定して加工用ヘッド80によるリーマ加工を制御するようになっている。すなわち、加工制御部140bには、被加工物2の下穴3へのリーマ加工のリーマ径および被加工物2の材質のうちの少なくとも一方(好適には両方)を含む設定条件を入力する入力部141が接続されている。このような入力部141としては、例えば、タッチパネルを用いることが好適である。そして、加工制御部140bは、設定条件に対応して加工用ヘッド80の加工条件を予め設定して記憶しておき、入力部141に入力された設定条件に基づいて、対応する加工用ヘッド80の加工条件を選定し、加工用駆動機構110、120、130を制御する。加工条件には、加工用ヘッド80のドリル82の回転速度、ドリル82の送り速度などを含めることができる。すなわち、加工制御部140bは、設定条件に基づいて、ドリル82の回転速度、ドリル82の送り速度などを選定して、選定されたドリル82の回転速度、ドリル82の送り速度となるように第1送り用モータ110、第2送り用モータ120および加工用モータ130を制御する。
図2および図10に示すように、本実施の形態においては、本体フレーム11に倣い機構200が設けられている。当該倣い機構200は、位置合わせ用ヘッド60が被加工物2の下穴3に位置合わせされた状態を維持するように本体フレーム11およびアーム20を倣わせるためのものである。図2に示すように、床面5に、本体フレーム11が取り付けられる設置台150が設置され、当該設置台150と本体フレーム11との間に倣い機構200が介在されている。倣い機構200は、後述する複数のバネ部材214、224、232、243を有しており、これらのバネ部材214、224、232、243が伸縮することによって本体フレーム11およびアーム20を倣わせるようになっている。すなわち、位置出し用ヘッド60が下穴3に位置合わせされた際に位置出し用ヘッド60が移動した場合、本体フレーム11およびアーム20は、倣い機構200によって、設置台150に拘束されることを抑制して、位置出し用ヘッド60の移動に追従する。このことにより、位置出し用ヘッド60の位置合わせされた状態が維持される。本実施の形態においては、倣い機構200は、第1水平移動機構210と、第2水平移動機構220と、上下機構230と、旋回機構240と、を有している。
第1水平移動機構210は、図10に示すように、位置合わせ用ヘッド60が被加工物2の下穴3に位置合わせされた状態を維持するように、本体フレーム11およびアーム20をz方向にて倣わせるためのものである。第1水平移動機構210は、設置台150上に固定されたz方向に延びる第1ガイドレール211と、設置台150上に固定された2つの第1駒部材212と、第1ガイドレール211に沿ってz方向に摺動自在な第1フレーム213と、を有している。このうち、第1フレーム213は、2つの第1駒部材212の間に配置されている。また、各第1駒部材212と第1フレーム213とは、z方向に伸縮自在な第1バネ部材214によって連結されている。このことにより、本体フレーム11と設置台150との間にz方向の力が作用しない場合、第1フレーム213は、2つの第1バネ部材214の付勢力によって第1ガイドレール211のz方向の略中央に配置されて、z方向に中立な状態が維持されるようになっている。そして、本体フレーム11と設置台150との間にz方向の力が作用した場合には、第1フレーム213は、設置台150に対して、第1バネ部材214の付勢力に抗してz方向に移動するようになっている。
第2水平移動機構220は、位置合わせ用ヘッド60が被加工物2の下穴3に位置合わせされた状態を維持するように、本体フレーム11およびアーム20をx方向に倣わせるためのものである。第2水平移動機構220は、第1水平移動機構210の第1フレーム213上に固定されたx方向に延びる第2ガイドレール221と、第1フレーム213上に固定された2つの第2駒部材222と、第2ガイドレール221に沿ってx方向に摺動自在な第2フレーム223と、を有している。このうち、第2フレーム223は、2つの第2駒部材222の間に配置されている。また、各第2駒部材222と第2フレーム223とは、x方向に伸縮自在な第2バネ部材224によって連結されている。このことにより、本体フレーム11と設置台150との間にx方向の力が作用しない場合、第2フレーム223は、2つの第2バネ部材224の付勢力によって第2ガイドレール221のx方向の略中央に配置されて、x方向に中立な状態が維持されるようになっている。そして、本体フレーム11と設置台150との間にx方向の力が作用した場合には、第2フレーム223は、第1フレーム213に対して、第2バネ部材224の付勢力に抗してx方向に移動するようになっている。
上下機構230は、位置合わせ用ヘッド60が被加工物2の下穴3に位置合わせされた状態を維持するように、本体フレーム11およびアーム20をy方向に倣わせるためのものである。図2および図10に示すように、上下機構230は、第2水平移動機構220の第2フレーム223の上方に設けられ、当該第2フレーム223に対してz方向に移動(上下動)自在な第3フレーム231と、第2フレーム223と第3フレーム231とを連結し、z方向に伸縮自在な第3バネ部材232と、を有している。また、第3バネ部材232の内側にガイドポスト233が設けられ、当該ガイドポスト233は、第2フレーム223または第3フレーム231に固定されている。このようにして、第3バネ部材232は、ガイドポスト233によってz方向に案内されて伸縮するようになっている。本体フレーム11と設置台150との間にz方向の力が作用しない場合、本体フレーム11等の重さにより第3バネ部材232が縮み、中立な状態が維持されるようになっている。そして、本体フレーム11と設置台150との間にz方向の力が作用した場合には、第3フレーム231は、第2フレーム223に対して、第3バネ部材232の付勢力に抗してz方向に移動するようになっている。
旋回機構240は、位置合わせ用ヘッド60が被加工物2の下穴3に位置合わせされた状態を維持するように、本体フレーム11およびアーム20を、xz平面における旋回方向(図10に示すθ方向)に倣わせるためのものである。図2および図10に示すように、旋回機構240は、上下機構230の第3フレーム231に固定された第4駒部材241と、第3フレーム231の上方に設けられ、当該第3フレーム231に対してθ方向に旋回自在な第4フレーム242と、を有している。第4駒部材241の両側に第4バネ部材243の一端が連結されており、各第4バネ部材243の他端は、第4フレーム242に連結されている。また、第3フレーム231と第4フレーム242との間には、クロスローラベアリング244が介在されており、第4フレーム242は、第3フレーム231に対してθ方向に滑らかに旋回可能になっている。本体フレーム11と設置台150との間にθ方向の力が作用しない場合、第4フレーム242は、第4バネ部材243の付勢力によってθ方向に中立な位置に配置され、θ方向に中立な状態が維持されるようになっている。そして、本体フレーム11と設置台150との間にθ方向の力が作用した場合には、第4フレーム242は、第3フレーム231に対して、第4バネ部材243の付勢力に抗してθ方向に移動するようになっている。
また、図2に示すように、倣い機構200の第4フレーム242と本体フレーム11との間には、回動機構250が設けられている。この回動機構250は、被加工物2の下穴3に対して、位置合わせ用ヘッド60の嵌合部62を大まかに位置合わせするためのものである。このような回動機構250は、例えば、第4フレーム242上に固定された、z方向に延びる駆動軸を含む回動モータ251と、当該回動モータ251の駆動軸と本体フレーム11とを連結する歯車機構(図示せず)と、により構成することができる。この場合、回動モータ251を駆動させることにより、位置合わせ用ヘッド60が本体フレーム11およびアーム20と共にxy平面にてθ方向に回動する。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について図11を用いて説明する。
まず、アーム20の先端部20aに設けられたヘッド取付部55に、位置合わせ用ヘッド60がそれぞれ取り付けられる(ステップS1)。この場合、まず、位置合わせ用ヘッド60の突起64が、対応する送りアーム部材51の溝57に係合し(図4参照)、位置合わせ用ヘッド60が送りアーム50の固定部材53に当接する(図2参照)。続いて、クランプ56が作動油の圧力を受けて、ヘッド本体61に設けられたクランプ溝63に進出して係合する。このことにより、ヘッド本体61が送りアーム50に固定され、位置合わせ用ヘッド60のヘッド取付部55への取付が完了する。
続いて、取り付けられた位置合わせ用ヘッド60が、構造物1と被加工物2との間の空間4a、4bに挿入される(ステップS2)。すなわち、一方のアーム20の先端部20aが、一方の構造物1と被加工物2との間の空間4aに挿入されると共に、他方のアーム20の先端部20aが、他方の構造物1と被加工物2との間の空間4bに挿入される。この場合、必要に応じて、アーム20のz方向の位置が調整される。すなわち、第2送り用モータ120が駆動されて、アーム20を全体としてz方向に移動させることにより、各アーム20のz方向位置の調整を行うことができる。なお、この場合、倣い機構200の第1水平移動機構210、第2水平移動機構220、上下機構230および旋回機構240は、バネ部材214、224、232、243の付勢力により、それぞれ中立な状態に維持されている。
次に、位置合わせ用ヘッド60が被加工物2の下穴3に位置合わせされる(ステップS3)。この場合、まず、目視により、位置合わせ用ヘッド60の嵌合部62と下穴3との大まかな位置合わせが行われる。この際、交換用モータ100を駆動することによって可動アーム40を移動させて位置合わせ用ヘッド60の嵌合部62をx方向に移動させてもよく、あるいは、回動機構250の回動モータ251を駆動することにより、位置合わせ用ヘッド60の嵌合部62をxy平面におけるθ方向に回動してもよい。続いて、位置合わせ用流体駆動部76から第2油圧配管75を介して第2ピストン室73に作動油の圧力がかけられ、ピストン71を介して嵌合部62に作動油の圧力が作用する(図6参照)。このことにより、ヘッド本体61内に収容されていた嵌合部62は、下穴3に向かって進出して当該下穴3を押圧する。この際、嵌合部62の中心と下穴3の中心とが位置ずれしている場合であっても、嵌合部62が先細状かつ断面が円形状に形成されていることにより、嵌合部62は下穴3の中心に円滑に強制されるように挿入されていく(図5参照)。このようにして、嵌合部62は下穴3に嵌合し、位置合わせ用ヘッド60の位置が微調整されて、位置合わせ用ヘッド60が下穴3に位置合わせされる。
位置合わせ用ヘッド60が被加工物2の下穴3と位置合わせされる際に嵌合部62の中心と下穴3の中心との位置ずれが強制された場合、位置出し用ヘッド60が微小に移動する。この場合、設置台150と本体フレーム11との間に相対的な力が負荷される。しかしながら、このような場合においても、倣い機構200の第1水平移動機構210、第2水平移動機構220、上下機構230および旋回機構240によって、負荷された力の方向に対応するバネ部材214、224、232、234が伸縮する。このことにより、本体フレーム11および各アーム20を下穴3に倣わして、位置合わせ用ヘッド60が下穴3に位置合わせされた状態を維持することができる。
嵌合部62の位置合わせが行われている間、流体制御部140aは、圧力センサ77により検出された嵌合部62に作用する作動油の圧力が所定の圧力以上になったか否かを判断する。そして流体制御部140aは、嵌合部62に作用する作動油の圧力が所定の圧力以上になったと判断すると、保持部90の第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92に作動流体の圧力を作用させるように、保持部用流体駆動部95に指令を送る。この場合、上述したように、嵌合部62は下穴3に位置合わせされたとみなすことができる。
位置合わせ用ヘッド60と被加工物2の下穴3とが位置合わせされた後、各固定アーム30の先端部30aに設けられた保持部90により固定アーム30が被加工物2に保持される(ステップS4)。すなわち、保持部90の第1油圧シリンダ91が、保持部用流体駆動部95から作動油の圧力を受けて、サポート部材93内に収容されていた油圧シリンダ91、92は、構造物1、被加工物2に向かって進出して被加工物2を押圧し、第2油圧シリンダ92が、作動油の圧力を受けて対応する構造物1を押圧する。この際、嵌合部62は作動油の圧力を受け続けて、下穴3に押圧されている。このことにより、第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92が、被加工物2、構造物1を押圧することによって、位置合わせ用ヘッド60が下穴3から位置ずれすることを防止している。
固定アーム30が被加工物2に保持された後、一方の位置合わせ用ヘッド60が構造物1と被加工物2との間の空間(ここでは、4bとする)から引き出される(ステップS5)。この場合、まず、位置合わせ用流体駆動部76から第1油圧配管74を介して第1ピストン室72に作動油の圧力が負荷される。このことにより、嵌合部62は、下穴3から後退して、位置合わせ用ヘッド60のヘッド本体61内に収容される。続いて、対応する交換用モータ100が駆動されて、可動アーム40が、送りアーム50およびヘッド取付部55に取り付けられた位置合わせ用ヘッド60と共に、x方向に、本体フレーム11に向かって移動する。このようにして、位置合わせ用ヘッド60が、構造物1と被加工物2との間の空間4bから引き出される(図2参照)。
次に、引き出された位置合わせ用ヘッド60がヘッド取付部55から取り外されて、当該ヘッド取付部55に加工用ヘッド80が取り付けられる(ステップS6)。すなわち、位置出し用ヘッド60が加工用ヘッド80に交換される。
続いて、取り付けられた加工用ヘッド80が、対応する構造物1と被加工物2との間の空間4bに挿入される(ステップS7、図7参照)。すなわち、加工用ヘッド80が取り付けられたアーム20の先端部20aが、対応する構造物1と被加工物2との間の空間4bに挿入される。この場合、対応する交換用モータ100が駆動されて、可動アーム40が、送りアーム50およびヘッド取付部55に取り付けられた加工用ヘッド80と共に、x方向に、構造物1と被加工物2との間の空間4bに向かって移動する。このことにより、加工用ヘッド80が、構造物1と被加工物2との間の空間4bに挿入される。
次に、加工用ヘッド80により被加工物2の下穴3がリーマ加工される(ステップS8)。この場合、まず、入力部141にて、下穴3へのリーマ加工のリーマ径および被加工物2の材質などの設定条件が入力される。入力された設定条件に基づいて、加工制御部140bは、加工用ヘッド80のドリル82の回転速度およびドリル82の送り速度などを含む適切な加工条件を選定する。その後、選定された加工条件に基づいて、第1送り用モータ110、第2送り用モータ120および加工用モータ130に指令を送る。具体的には、まず、加工用モータ130が、所望の回転速度でドリル82を回転させる。続いて、第1送り用モータ110が駆動されて、所望の送り速度で、送りアーム50が加工用ヘッド80と共にz方向に移動する。このことにより、下穴3がリーマ加工される。その後、例えば、下穴3が深い場合には、必要に応じて、第2送り用モータ120が駆動されて、所望の送り速度で、アーム20が全体としてz方向に移動する。この場合、より一層深く下穴3をリーマ加工することができる。
このようなリーマ加工は、異なるリーマ径のドリル82を用いて、複数回にわけて行われることが好ましい。すなわち、まず、リーマ径の比較的小さなドリル82を用いて下穴3をリーマ加工すると共に、下穴が予め加工されていない被加工物2の第1被加工物部分2aに通しで穴を加工し、図12に示すように、第2被加工物部分2bに予め加工されていた2つの下穴3を貫通した貫通穴6を形成する。その後、形成された貫通穴6を、仕上げ用として比較的大きなリーマ径のドリル82を用いてリーマ加工する。このことにより、貫通穴6の直径を、止めピン317(図19参照)が嵌入可能な直径とすることができる。この場合、各ドリル82によるリーマ加工において、上述した入力部141による設定条件の入力や各モータ110、120、130の駆動などの一連の動作が繰返される。
下穴3のリーマ加工が完了した後、第1送り用モータ110および/または第2送り用モータ120が駆動されて、送りアーム50が可動アーム40内の元の位置に戻る。その後、加工用モータ130を停止する。
続いて、保持部90の第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92がサポート部材93内に収容される。続いて、各アーム20が対応する空間4a、4bから引き出される。このようにして、リーマ加工機10が被加工物2から取り出される。
その後、リーマ加工された貫通穴6に止めピン317が嵌入されて、止め羽根316がホイール311に固定される。このようにして、タービンロータ302に羽根313、316が取り付けられて動翼303が作製され、蒸気タービン300(図17参照)が製造される。
このように本実施の形態によれば、位置合わせ用ヘッド60が被加工物2の下穴3に位置合わせされた状態で、固定アーム30の先端部30aに設けられた保持部90の第1油圧シリンダ91が被加工物2を押圧すると共に、第2油圧シリンダ92が対応する構造物1を押圧する。このことにより、位置合わせ用ヘッド60が下穴3に位置合わせされた状態で固定アーム30を被加工物2に保持することができる。その後、可動アーム40によって位置合わせ用ヘッド60が構造物1と被加工物2との間の空間4a、4bから引き出され、ヘッド取付部55から位置合わせ用ヘッド60が取り外されると共に当該ヘッド取付部55に加工用ヘッド80が取り付けられる。ヘッド取付部55に取り付けられた加工用ヘッド80は、構造物1と被加工物2との間の空間4a、4bに挿入されて、下穴3がリーマ加工される。位置出し用ヘッド60を加工用ヘッド80に交換して下穴3のリーマ加工を行っている間、保持部90によって固定アーム30が被加工物2に保持されている。このことにより、位置合わせ用ヘッド60によって下穴3と位置合わせされた状態を維持することができ、加工用ヘッド80によるリーマ加工の精度を向上させることができる。また、このようにリーマ加工の精度を向上させているため、追加加工の実施を回避して、リーマ加工に費やされる時間が増大することを防止することができる。この結果、精度良くかつ効率良くリーマ加工を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、保持部90の第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92は、位置出し用ヘッド60と同様にアーム20の先端部20aに設けられている。このことにより、アーム20の剛性に関わることなく、下穴3と位置合わせされた状態を確実に維持することができ、リーマ加工の精度を向上させることができる。さらに、一方のアーム20に設けられた第1油圧シリンダ91と、他方のアーム20に設けられた第1油圧シリンダ91とによって、被加工物2を両側から挟持するように押圧することができる。このことにより、固定アーム20を被加工物2に保持している間、被加工物2が変形することを防止でき、リーマ加工の精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、位置合わせ用ヘッド60の嵌合部62は、先細状に形成されると共に断面が円形状に形成されている。このことにより、嵌合部62は、被加工物2の下穴3に向かって押し込まれると、下穴3の中心に円滑に強制されるように挿入することができる。このため、嵌合部62を下穴3に嵌合させて、位置合わせ用ヘッド60を下穴3に精度良く位置合わせすることができる。
また、本実施の形態によれば、位置合わせ用ヘッド60が、嵌合部62に作用する作動油の圧力を検出する圧力センサ77を有し、流体制御部140aが、圧力センサ77により検出された嵌合部62に作用する作動油の圧力が所定の圧力以上となった場合に、第1油圧シリンダ91および第2油圧シリンダ92に作動流体を作用させる。このことにより、嵌合部62に作用する作動油の圧力が所定の圧力以上になった場合、嵌合部62は被加工物2の下穴3に位置合わせされたとみなすことができる。このため、嵌合部62が下穴3に位置合わせされた状態を確実に捕らえることができ、位置合わせ用ヘッド60による位置合わせの精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、アーム20は、可動アーム40に対してヘッド取付部55と共に被加工物2に向かうz方向に移動自在な送りアーム50を有している。このことにより、加工用ヘッド80を、z方向、すなわち被加工物2の下穴3の長手方向に送ることができ、所望の深さまで下穴3のリーマ加工を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、アーム20は、本体フレーム11に対してz方向に移動自在になっている。このことにより、被加工物2の幅に応じて一対のアーム20のz方向位置を調整することができ、リーマ加工機10の汎用性を向上させることができる。また、アーム20をz方向に移動させることにより、加工用ヘッド80を被加工物2の下穴3の長手方向に送ることもできる。このことにより、例えば下穴3が深い場合、または下穴3を一方の側からリーマ加工する場合であっても、送りアーム50を送ることとアーム20全体を送ることにより、所望の深さまで下穴3をリーマ加工することができる。
また、本実施の形態によれば、本体フレーム11と設置台150との間に倣い機構200が介在されており、当該倣い機構200は、バネ部材214、224、232、243を有し、バネ部材214、224、232、243を伸縮させることによって、本体フレーム11およびアーム20を、位置出し用ヘッド60が位置合わせされた状態を維持するように倣わせることができる。このことにより、位置合わせ用ヘッド60が被加工物2の下穴3に位置合わせされることにより本体フレーム11と設置台150との間に力が作用した場合であっても、当該倣い機構200によって、位置合わせ用ヘッド60が下穴3に位置合わせされた状態を確実に維持することができる。このため、加工用ヘッド80によるリーマ加工の精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、入力部141により入力された、被加工物2の下穴3へのリーマ加工のリーマ径および被加工物2の材質を含む設定条件に対応して、加工制御部140bにて、予め記憶されていたドリル82の回転速度およびドリル82の送り速度などを含む加工条件のうち適切な加工条件が選定されて、当該加工条件に基づいて各モータ110、120、130が駆動されて加工用ヘッド80による下穴3のリーマ加工が行われる。このことにより、作業者の感覚に依存させることなく、リーマ加工の加工条件を適切に選定することができる。このため、リーマ加工の精度をより一層向上させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、図7に示すように、一対のアーム20のうちの一方のアーム20のヘッド取付部55に加工用ヘッド80が取り付けられて、被加工物2の下穴3が一方の側からリーマ加工される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、例えば、図13に示すように、下穴3のリーマ加工は、下穴3の両側から行うこともできる。このことにより、リーマ加工の加工時間を短縮することが可能となる。この場合、一方のドリル82と他方のドリル82とが互いに干渉しないように、例えば、一方のドリル82の先端と他方のドリル82の先端との距離が5mmとなった後に一方のドリル82の送りを停止して下穴3から引き出し、他方のドリル82を連続的に送って加工を行うことが好ましい。このことにより、ドリル82が互いに干渉することを防止できる。なお、両側からリーマ加工を行う場合においても、仕上げとなる最終のリーマ加工は、一方のアーム20の加工用ヘッド80から行うことが好ましい。このことにより、リーマ加工の精度を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図14を用いて、本発明の第2の実施の形態におけるリーマ加工機、リーマ加工方法および蒸気タービンの製造方法について説明する。
図14に示す第2の実施の形態においては、倣い機構が、吊下フレームと、吊下フレームから本体フレームを吊下げるロープと、を有している点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図12に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図14において、図1乃至図12に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図14に示すように、床面5に、本体フレーム11が吊り下げられる門型の吊下フレーム260が設置され、吊下フレーム260と本体フレーム11との間に本実施の形態による倣い機構200が介在されている。すなわち、本実施の形態による倣い機構200は、吊下フレーム260と本体フレーム11とを連結し、吊下フレーム260から本体フレーム11を吊下げるロープ261を有している。より具体的には、可動アーム40と加工用モータ130とを連結するモータ連結フレーム132の上面に、吊り具262が設けられ、ロープ261は、吊下フレーム260と吊り具262とを連結している。このようにして、ロープ261は、固定アーム30を介して本体フレーム11に連結されている。このようなロープ261としては、本体フレーム11およびアーム20を吊り下げ可能な程度の強度を有し、本体フレーム11およびアーム20を倣わせることができれば特に限定されるものではないが、例えば、繊維状のロープ、または、金属ワイヤ状のロープなどを好適に用いることができる。また、ロープ261は、バランサ263を介して吊下フレーム260に連結されている。バランサ263としては、本体フレーム11、アーム20などの吊下げ物の重量に応じて適切な性能を有していればよい。
このように本実施の形態によれば、本体フレーム11がロープ261によって吊り下げられている。このことにより、位置合わせ用ヘッド60が被加工物2の下穴3に位置合わせされた状態を維持して、本体フレーム11および各アーム20を下穴3に倣わすことができる。このため、加工用ヘッド80によるリーマ加工の精度を向上させることができる
(第3の実施の形態)
次に、図15および図16を用いて、本発明の第3の実施の形態におけるリーマ加工機、リーマ加工方法および蒸気タービンの製造方法について説明する。
図15および図16に示す第3の実施の形態においては、リーマ加工機が台車に載置されて移動し、被加工物の下穴との大まかな位置合わせを行うために、位置合わせ用ヘッドがレーザ光発振部を有している点が主に異なり、他の構成は、図1乃至図12に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図15および図16において、図1乃至図12に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図15および図16に示すように、リーマ加工機10は、台車275に載置されている。そして、本実施の形態におけるリーマ加工機10の各位置合わせ用ヘッド60は、被加工物2の下穴3にレーザ光270a、270bを発振して照射するレーザ光発振部270と、下穴3に照射されたレーザ光270a、270bを撮像して画像を形成する監視カメラ271(撮像部)と、を有している。このうち、レーザ光発振部270は、十字状に形成される互いに垂直な2つの帯状のレーザ光270a、270bを発振するようになっている。また、レーザ光発振部270は、下穴3にレーザ光270a、270bを照射可能であれば、その取付位置は限られることはないが、嵌合部62に近接してヘッド本体61に取り付けられていることが好ましい。
監視カメラ271には、当該監視カメラ271により形成された画像を表示するモニター272(表示部)が接続されている。このモニター272には、画面上に十字マーク273が貼り付けられており、この十字マーク273の中心は被加工物2の下穴3の中心に一致するように予め設定されている。なお、モニター272は、図15に示すように、制御装置140と一体に設けられていてもよく、あるいは、図示しないが別体に設けられていてもよい。
このように本実施の形態によれば、位置合わせ用ヘッド60のレーザ光発振部270から発振された十字状のレーザ光270a、270bが、被加工物2の下穴3に向けて照射され、被加工物2に照射されたレーザ光270a、270bが監視カメラ271によって撮像されて、その画像がモニター272に表示される。このことにより、モニター272に表示された十字状のレーザ光270a、270bが、モニター272の画面に貼り付けられた十字マーク273に一致するように位置出し用ヘッド60の位置を調整することにより、位置合わせ用ヘッド60と下穴3とを大まかに位置合わせすることができる。この際、台車275を移動させることにより位置出し用ヘッド60の位置を調整することができ、または、交換用モータ100、回動モータ251を駆動させることにより位置出し用ヘッド60の位置を調整することができる。その後、位置合わせ用ヘッド60の嵌合部62を下穴3に嵌合させることにより、位置合わせ用ヘッド60の位置が微調整されて位置合わせ用ヘッド60と下穴3とが位置合わせされる。このことにより、位置合わせ用ヘッド60と下穴3との位置合わせの精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、構造物1と被加工物2との間の空間4a、4bが狭いなどによって目視による位置合わせ用ヘッド60と被加工物2の下穴3との位置合わせが困難な場合であっても、上述したようにレーザ光270a、270bを下穴3に照射してモニター272にて確認することができる。このことにより、位置合わせ用ヘッド60と下穴3との位置合わせを効率良く行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるリーマ加工機、リーマ加工方法および蒸気タービンの製造方法は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、上述した本実施の形態においては、蒸気タービンの動翼の止め羽根に予め加工されていた下穴をリーマ加工して、止め羽根をホイールに固定するための止めピンが嵌入される貫通穴を形成するために用いられる例について説明した。しかしながら、本発明によるリーマ加工機、リーマ加工方法は、上述した止めピン用の貫通穴を形成するために用いられる場合に限られることはなく、リーマ加工の対象となる下穴が予め加工されている被加工物が、一対の構造物の間に介在されている場合に、好適に用いることができる。
1 構造物
2 被加工物
3 下穴
4a、4b 空間
10 リーマ加工機
11 本体フレーム
20 アーム
20a 先端部
30 固定アーム
30a 先端部
40 可動アーム
40a 先端部
50 送りアーム
50a 先端部
55 ヘッド取付部
60 位置合わせ用ヘッド
62 嵌合部
76 位置合わせ用流体駆動部
77 圧力センサ
80 加工用ヘッド
90 保持部
91 第1油圧シリンダ
92 第2油圧シリンダ
95 保持部用流体駆動部
100 交換用モータ
110 第1送り用モータ
120 第2送り用モータ
130 加工用モータ
140 制御装置
140a 流体制御部
140b 加工制御部
141 入力部
150 設置台
200 倣い機構
214 第1バネ部材
224 第2バネ部材
232 第3バネ部材
243 第4バネ部材
260 吊下フレーム
261 ロープ
270 レーザ光発振部
270a、270b レーザ光
271 監視カメラ
272 モニター
275 台車

Claims (16)

  1. 一対の構造物の間に介在された被加工物に予め加工され、一方の構造物から他方の前記構造物に向かう方向に延びる下穴をリーマ加工するリーマ加工機において、
    加工機本体と、
    前記加工機本体から延びる一対のアームであって、一方の前記アームの先端部が、一方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入可能であると共に、他方の前記アームの先端部が、他方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入可能である、一対の前記アームと、
    前記被加工物の前記下穴と位置合わせを行う位置合わせ用ヘッドと、
    前記被加工物の前記下穴をリーマ加工する加工用ヘッドと、を備え、
    前記アームは、固定アームと、前記固定アームに対して当該固定アームの長手方向に移動自在な可動アームと、前記可動アームの先端部に設けられ、前記位置合わせ用ヘッドおよび前記加工用ヘッドのいずれかが取り付けられるヘッド取付部と、を有し、
    前記固定アームの先端部に、当該固定アームを前記被加工物に保持する保持部が設けられ、
    前記保持部は、前記被加工物を押圧する被加工物側押圧部と、対応する前記構造物を押圧する構造物側押圧部と、を含んでいることを特徴とするリーマ加工機。
  2. 前記被加工物側押圧部および前記構造物側押圧部に作動流体の圧力を作用させて、前記被加工物側押圧部および前記構造物側押圧部を、対応する前記構造物および前記被加工物にそれぞれ押圧する保持部用流体駆動部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のリーマ加工機。
  3. 前記位置合わせ用ヘッドは、前記被加工物の前記下穴に嵌合する嵌合部を有し、
    前記嵌合部は、先細状に形成されると共に断面が円形状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のリーマ加工機。
  4. 前記位置合わせ用ヘッドの前記嵌合部に作動流体の圧力を作用させて、当該嵌合部を前記被加工物の前記下穴に押圧する位置合わせ用流体駆動部を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載のリーマ加工機。
  5. 前記保持部用流体駆動部により前記被加工物側押圧部および前記構造物側押圧部に作用する作動流体の圧力は、前記位置合わせ用流体駆動部により前記嵌合部に作用する作動流体の圧力より小さいことを特徴とする請求項4に記載のリーマ加工機。
  6. 前記保持部用流体駆動部を制御する流体制御部を更に備え、
    前記位置合わせ用ヘッドは、前記位置合わせ用流体駆動部によって前記嵌合部に作用する作動流体の圧力を検出する圧力検出部を有し、
    前記流体制御部は、前記圧力検出部により検出された圧力が所定の圧力以上になった場合、前記被加工物側押圧部および前記構造物側押圧部に作動流体を作用させるように、前記保持部用流体駆動部を制御することを特徴とする請求項4または5に記載のリーマ加工機。
  7. 少なくとも一方の前記アームは、前記固定アームに対して前記可動アームと共に移動自在な送りアームを有し、
    前記送りアームは、当該可動アームに対して前記被加工物に向かう方向に前記ヘッド取付部と共に移動自在であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のリーマ加工機。
  8. 前記アームは、前記加工機本体に対して前記被加工物に向かう方向に移動自在であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のリーマ加工機。
  9. 前記位置合わせ用ヘッドが前記被加工物の前記下穴に位置合わせされた状態を維持するように前記加工機本体および前記アームを倣わせる倣い機構を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のリーマ加工機。
  10. 前記加工機本体が取り付けられる設置台を更に備え、
    前記倣い機構は、前記設置台と前記加工機本体との間に介在されていることを特徴とする請求項9に記載のリーマ加工機。
  11. 前記倣い機構は、伸縮することによって前記位置合わせ用ヘッドを倣わせるバネ部材を有していることを特徴とする請求項10に記載のリーマ加工機。
  12. 前記加工機本体が吊り下げられる吊下フレームを更に備え、
    前記倣い機構は、前記吊下フレームと前記加工機本体とを連結し、前記吊下フレームから前記加工機本体を吊り下げるロープを有していることを特徴とする請求項9に記載のリーマ加工機。
  13. 前記位置合わせ用ヘッドは、前記被加工物の前記下穴にレーザ光を発振して照射するレーザ光発振部と、前記被加工物の前記下穴に照射されたレーザ光を撮像して画像を形成する撮像部と、を有し、
    前記撮像部に、当該撮像部により形成された画像を表示する表示部が接続されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のリーマ加工機。
  14. 前記加工用ヘッドを駆動する加工用駆動機構と、
    前記被加工物の前記下穴へのリーマ加工の仕上径および当該被加工物の材質のうちの少なくとも一方を含む設定条件を入力する入力部と、
    前記入力部に接続され、前記加工用ヘッドの加工条件を選定して前記加工用駆動機構を制御する加工制御部と、を更に備え、
    前記加工制御部は、前記設定条件に対応して前記加工用ヘッドの加工条件を予め設定して記憶しておき、前記入力部に入力された設定条件に基づいて、対応する前記加工用ヘッドの加工条件を選定することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のリーマ加工機。
  15. 一対の構造物の間に介在された被加工物に予め加工され、一方の構造物から他方の前記構造物に向かう方向に延びる下穴をリーマ加工するリーマ加工方法において、
    加工機本体から延びる一対のアームの各々が、固定アームと、前記固定アームに対して当該固定アームの長手方向に移動自在な可動アームと、前記可動アームの先端部に設けられたヘッド取付部と、を有し、前記ヘッド取付部に、前記被加工物の前記下穴と位置合わせされる位置合わせ用ヘッドを取り付ける工程と、
    一方の前記アームの先端部を、一方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入すると共に、他方の前記アームの先端部を、他方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入する工程と、
    前記位置合わせ用ヘッドを前記被加工物の前記下穴に位置合わせする工程と、
    前記固定アームの先端部に設けられた保持部の被加工物側押圧部により前記被加工物を押圧すると共に、前記保持部の構造物側押圧部により対応する前記構造部を押圧し、前記固定アームを前記被加工物に保持する工程と、
    少なくとも一方の前記位置合わせ用ヘッドを、前記構造物と前記被加工物との間の空間から引き出す工程と、
    引き出された前記位置合わせ用ヘッドを前記ヘッド取付部から取り外し、当該ヘッド取付部に、前記被加工物の前記下穴をリーマ加工する加工用ヘッドを取り付ける工程と、
    前記加工用ヘッドが取り付けられた前記アームの先端部を、対応する前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入する工程と、
    前記加工用ヘッドにより前記被加工物の前記下穴をリーマ加工する工程と、を備えたことを特徴とするリーマ加工方法。
  16. 蒸気タービンの一対の構造物の間に介在された被加工物に予め加工され、一方の構造物から他方の前記構造物に向かう方向に延びる下穴をリーマ加工して、蒸気タービンを製造する蒸気タービン製造方法において、
    加工機本体から延びる一対のアームの各々が、固定アームと、前記固定アームに対して当該固定アームの長手方向に移動自在な可動アームと、前記可動アームの先端部に設けられたヘッド取付部と、を有し、前記ヘッド取付部に、前記被加工物の前記下穴と位置合わせされる位置合わせ用ヘッドを取り付ける工程と、
    一方の前記アームの先端部を、一方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入すると共に、他方の前記アームの先端部を、他方の前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入する工程と、
    前記位置合わせ用ヘッドを前記被加工物の前記下穴に位置合わせする工程と、
    前記固定アームの先端部に設けられた保持部の被加工物側押圧部により前記被加工物を押圧すると共に、前記保持部の構造物側押圧部により対応する前記構造部を押圧し、前記固定アームを前記被加工物に保持する工程と、
    少なくとも一方の前記位置合わせ用ヘッドを、前記構造物と前記被加工物との間の空間から引き出す工程と、
    引き出された前記位置合わせ用ヘッドを前記ヘッド取付部から取り外し、当該ヘッド取付部に、前記被加工物の前記下穴をリーマ加工する加工用ヘッドを取り付ける工程と、
    前記加工用ヘッドが取り付けられた前記アームの先端部を、対応する前記構造物と前記被加工物との間の空間に挿入する工程と、
    前記加工用ヘッドにより前記被加工物の前記下穴をリーマ加工する工程と、を備えたことを特徴とする蒸気タービン製造方法。
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