JP5276825B2 - 工作機械 - Google Patents
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Description
この特許文献1に記載のものは、門型のコラムに両端が支持されたクロスレールを備えている。このクロスレールには、その長手方向(Y方向)に沿って移動可能に支持されたサドルを介して、ラムがZ方向に移動可能に設けられている。このラムには、主軸を介して工具が装着される。また、ラムの下方には、ワークが設置されるテーブルがX方向に移動可能に設けられている。
そして、テーブル、サドル、ラムをX,Y,Z方向に適宜移動させつつ、ワークを加工する構成が採られている。
このような微細加工において、高精度な加工を実現するためには、高精度で高安定な送り機構を適用することが有利である。しかし、大型のワークを加工するために、ナノメートル単位やピコメートル単位で移動可能なテーブルのストロークを長くして大型化するのは、剛性不足、あるいは慣性力やモーメントの増加の影響のため、高精度に加工できないおそれがある。
また、微細加工としては、マイクロメートル単位、ナノメール単位での孔あけ加工、切削加工などが例示できる。また、微細加工用工具としては、微細加工用や超音波切削用あるいは測定用のスピンドル、レーザ加工用のレーザヘッド、微粉末を除去するノズルなどが例示できる。
さらに、微動とは、マイクロメートル単位、ナノメール単位、ピコメートル単位で相対移動させることを意味する。そして、粗動とは、ミリメートル単位で相対移動させることを意味する。
また、相対的な微動の方向あるいは粗動の方向としては、例えばワークに対して接離するZ方向、互いに直交するとともにZ方向に直交するX方向およびY方向のうち少なくともいずれか1つの方向が例示できる。そして、微動の方向と、粗動の方向とは、一致していてもよいし、一致していなくてもよいし、さらには、直交していてもよいし、直交していなくてもよい。
さらに、微細加工用工具で微細加工されるワークは、一般的に微細加工の対象として認識されている半導体や精密機械などの大きくても数ミリメートルのワークではなく、車両用、建築用、大型装置用などの小さくてもセンチメートル単位の大型のワークである。
このため、工具取付部に取り付けられた工作機械用アタッチメントを、粗動駆動部により大型ワークにおける微細加工位置近傍まで相対移動させた後に、微動駆動部により微細加工用工具を相対移動させることにより、大型ワークを微細加工することができる。そして、粗動駆動部により工作機械用アタッチメントを微細加工位置近傍まで相対移動させるので、微動駆動部を構成し、マイクロメートル単位、ナノメール単位、ピコメートル単位で移動可能な例えばテーブルのストロークを長くする必要がない。したがって、ストロークを長くすることに伴う剛性不足、慣性力やモーメントの増加の影響が生じることがなく、大型ワークの微細加工を高精度に実現できる。
さらに、微細加工用工具取付部を微動させる構成として、リニアモータを用いるので、より高精度に微動させることができる。また、工作機械に、大型加工用工具または工作機械用アタッチメントを選択的に取り付けることができるので、加工形状に応じてワークを高精度に加工できる。そして、従来ある工作機械に工作機械用アタッチメントを取り付けることができ、工作機械用アタッチメントの利用拡大を容易に図ることができる。
このため、微細加工用工具を2次元的に微動させることができ、より多くのパターンでの高精度な微細加工を実現できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る工作機械の概略構成を示す斜視図、図2は、工作機械用アタッチメントの概略構成を示す側面図、図3は、工作機械用アタッチメントの概略構成を示す斜視図、図4は、コントローラの概略構成を示すブロック図である。
また、Zスライダ332の下端側には、図2に示すように、大型加工用工具2や工作機械用アタッチメント5を着脱可能に保持する工具取付部333が設けられている。この工具取付部333は、いわゆるクランプ機構により構成され、Zスライダ332の上端に向かうにしたがって縮径する略円錐状に形成されたテーパ孔333Aと、このテーパ孔333Aの上端側に設けられ大型加工用工具2や工作機械用アタッチメント5を着脱可能に把持するコレクトチャック333Bと、Zスライダ332の下端面におけるテーパ孔333Aの一縁に設けられた位置決め溝部333Cと、を備えている。なお、工具取付部333で大型加工用工具2や工作機械用アタッチメント5を保持する動作については、後述する。
Xリニアモータ515は、連結テーブル511における一対のXガイドレール513の間にX方向に沿って設けられたX固定子515Aと、このX固定子515Aに対して隙間を隔ててXテーブル512に設けられたX可動子515Bと、を備えている。
そして、微細加工用工具取付部525は、微細加工用工具4のテーパシャンク部41をテーパ孔525Aに嵌合させるとともに位置決め突部を位置決め溝部に嵌合させることで、微細加工用工具4をYテーブル521に対して位置決めし、プルスタッド42をコレクトチャック525Bで把持することで、微細加工用工具4を着脱可能に保持する。なお、図2では、構成を理解しやすいように、テーパシャンク部41と、テーパ孔525Aと、を離して示しているが、実際には密接している。
Yリニアモータ524は、Xテーブル512における一対のYガイドレール522の間にY方向に沿って設けられたY固定子524Aと、このY固定子524Aに対して隙間を隔ててYテーブル521に設けられたY可動子(不図示)と、を備えている。
第1,第2の交換保持部621,622は、Yスライダ323の移動軌跡の下方に位置する状態で設けられている。この第1,第2の交換保持部621,622は、大型加工用工具2、工作機械用アタッチメント5の少なくとも一部をそれぞれ収容可能な第1,第2の保持孔部621A,622Aと、この第1,第2の保持孔部621A,622Aの内周面に設けられ大型加工用工具2、工作機械用アタッチメント5の側面をそれぞれ狭持する第1,第2の狭持部(不図示)と、を備えている。
交換駆動機構64は、保持テーブル62を必要に応じて移動させる。さらに、第1,第2の狭持部に大型加工用工具2、工作機械用アタッチメント5を狭持させたり、狭持を解除させたりする。
微動制御部72は、全体制御部73の制御に基づき、工作機械用アタッチメント5の各微動駆動機構51,52に所定の電流を流して、各微動駆動機構51,52の駆動量を例えばナノメートル単位で制御する。
具体的には、加工制御部731は、大型加工用工具2を用いて大型加工をする旨の条件が設定された場合、粗動制御部71および大型加工駆動機構24を制御して、大型加工用工具2をミリメートル単位で適宜移動させつつワークWを大型加工する。
また、微細加工用工具4を用いて微細加工をする旨の条件が設定された場合、粗動制御部71を介してX,Y粗動駆動機構31,32を制御して、微細加工用工具4を加工位置近傍までミリメートル単位でX,Y方向に移動させる。そして、微動制御部72および微細加工駆動機構44を制御するとともに、粗動制御部71を介してZ粗動駆動機構33を制御して、微細加工用工具4をX,Y方向にナノメートル単位で適宜移動させつつワークWを微細加工する。
具体的には、交換制御部732は、例えば図1に示すように、粗動駆動部3で保持された工作機械用アタッチメント5を保持交換部6で保持された大型加工用工具2に交換する場合、交換駆動機構64を制御して、保持テーブル62をX駆動ガイド軸311に近づける。また、Yスライダ323をZスライダ332が第2の交換保持部622の上方に位置する(2点鎖線で示す位置)まで、−Y方向(左側)へ移動させる。そして、Zスライダ323を−Z方向(下方)へ移動させ、工作機械用アタッチメント5が第2の交換保持部622の第2の狭持部で狭持可能な位置まで移動したら、第2の狭持部で工作機械用アタッチメント5を狭持させる。さらに、工作機械用アタッチメント5が狭持されたらZスライダ332を+Z方向(上方)へ移動させ、工具取付部333のコレクトチャック333Bを開かせてプルスタッド511Bの把持を解除させることで、工具取付部333による工作機械用アタッチメント5の保持を解除する。
以上により、交換処理が終了する。
具体的には、基準設定制御部733は、X,Y微動原点センサ53,54からX,Yテーブル512,521の位置に関する信号を取得する。そして、この信号に基づいて、X,Y微動駆動機構51,52を制御して、X,Yテーブル512,521を±X,Y方向へ移動させることで、微細加工用工具取付部525を基準位置に位置させる。
(1)工作機械1に取り付けられる工作機械用アタッチメント5に、微細加工用工具4が取り付けられる微細加工用工具取付部525と、この微細加工用工具取付部525を微動させるX,Yリニアモータ515,524を有する微動駆動部と、工作機械1の工具取付部333に着脱可能に取り付けられるアタッチメント側取付部511Dと、を設けている。
このため、粗動駆動部3により工作機械用アタッチメント5を微細加工位置近傍まで相対移動させた後に、微動駆動部により微細加工用工具4を相対移動させることにより、ワークWを微細加工することができる。そして、粗動駆動部3により微動駆動部を微細加工位置近傍まで相対移動させるので、ナノメール単位で移動可能なX,Yテーブル512,521のストロークを長くする必要がない。したがって、ストロークを長くすることに伴う剛性不足、慣性力やモーメントの増加の影響が生じることがなく、ワークWの微細加工を高精度に実現できる。
さらに、微細加工用工具取付部525を微動させる構成として、X,Yリニアモータ515,524を用いるので、より高精度に微動させることができる。また、工作機械1に、大型加工用工具2または工作機械用アタッチメント5を選択的に取り付けることができるので、加工形状に応じてワークWを高精度に加工できる。そして、従来ある工作機械1に工作機械用アタッチメント5を取り付けることができ、工作機械用アタッチメント5の利用拡大を容易に図ることができる。
このため、微細加工用工具を2次元的に微動させることができ、より多くのパターンでの高精度な微細加工を実現できる。
このため、プルスタッド511Bがコレクトチャック333Bで保持されるとともに、テーパシャンク部511Aがテーパ孔333Aに挿入されることで、工作機械用アタッチメント5を工作機械1に取り付けることができるので、両者の位置決めを容易にできる。また、位置決め溝部333Cと、アタッチメント位置決め突部511Cとを嵌合させるだけの簡単な構成で、工作機械用アタッチメント5がテーパシャンク部511Aを略中心に回転するのを防止できる。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
さらに、粗動駆動部3をワークWに対してX,Y,Z方向のうち2つまたは1つの方向のみへ相対移動可能な構成としてもよいし、微動駆動部をワークWに対してX方向またはY方向のみへ相対移動可能な構成としてもよい。そして、微動駆動部をZ方向へ相対的に微動可能な構成としてもよい。
2…大型加工用工具
3…粗動駆動部
4…微細加工用工具
5…工作機械用アタッチメント
51,52…微動駆動部を構成するX,Y微動駆動機構
511…第1のテーブルとしての連結テーブル
511D…アタッチメント側取付部
512…第2のテーブルとしてのXテーブル
513…第1のガイド部を構成するXガイドレール
514…第1のガイド部を構成するX摺接保持部
515…第1のリニアモータであるXリニアモータ
521…第3のテーブルとしてのYテーブル
522…第2のガイド部を構成するYガイドレール
523…第2のガイド部を構成するY摺接保持部
524…第2のリニアモータであるYリニアモータ
525…微細加工用工具取付部
W…ワーク
Claims (2)
- ワークを大型加工する大型加工用工具を前記ワークに対して相対的に粗動させる粗動駆動部と、前記粗動駆動部に取り付けられる工作機械用アタッチメントと、前記粗動駆動部および前記工作機械用アタッチメントを制御するコントローラと、を備えた工作機械であって、
前記工作機械用アタッチメントは、
前記ワークを微細加工する微細加工用工具が取り付けられる微細加工用工具取付部と、
この微細加工用工具取付部を前記ワークに対して相対的に微動させるリニアモータを有する微動駆動部と、
この微動駆動部に設けられ前記粗動駆動部に着脱可能に取り付けられるアタッチメント側取付部と、を備え、
前記コントローラは、
前記工作機械用アタッチメントが電気的に接続されたことにより、前記粗動駆動部に前記工作機械用アタッチメントのアタッチメント側取付部が取り付けられたことを認識すると、前記微動駆動部を制御して前記微細加工用工具取付部を基準位置へ移動させる基準設定制御部を備えたことを特徴とする工作機械。 - 請求項1に記載の工作機械において、
前記微動駆動部は、
前記アタッチメント側取付部が設けられた第1のテーブルと、
この第1のテーブルに対向する状態で配置される第2のテーブルと、
前記第2のテーブルを前記第1のテーブルの面方向と略平行な第1の方向へ移動可能にガイドする第1のガイド部と、
前記第2のテーブルを前記第1の方向へ微動させる第1の前記リニアモータと、
前記微細加工用工具取付部が設けられ、前記第2のテーブルに対向する状態で配置される第3のテーブルと、
前記第3のテーブルを前記第2のテーブルの面方向と略平行、かつ、前記第1の方向と略直交する第2の方向へ移動可能にガイドする第2のガイド部と、
前記第3のテーブルを前記第2の方向へ微動させる第2の前記リニアモータと、
を備えたことを特徴とする工作機械。
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